例えば3GPP(third generation partnership project)で標準化されたUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)などの第3世代(3G)の移動システムは、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)(登録商標)無線アクセス技術に基づいている。今日、3Gシステムは世界中に広範な規模で配備されつつある。HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)、及び、HSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)とも呼ばれる強化されたアップリンクを導入することによってこの技術を拡張した後、UMTS標準の発展における次の主要な段階では、ダウンリンクでのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)と、アップリンクでのSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiplexing Access)との組み合わせが取り入れられた。このシステムは、将来の技術発展に対応していくことを意図しているため、LTE(Long Term Evolution)と名付けられている。
LTEシステムは、低待ち時間かつ低コストでIPに完全に基づく諸機能を提供する、パケットを利用した効率的な無線アクセス及び無線アクセスネットワークに相当する。詳細なシステム要件は、非特許文献1(http://www.3gpp.org/で入手することができ、その内容は本明細書に援用される)で得られる。ダウンリンクは、QPSK、16QAM、および64QAMのデータ変調方式に対応し、アップリンクはBPSK、QPSK、8PSK、および16QAMに対応する。
LTEのネットワーク・アクセスは、5MHzにチャネルが固定されたUTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)と対照的に、1.25〜20MHzの間のいくつかの規定チャネル帯域幅を使用し、柔軟性が非常に高い。スペクトル効率はUTRAと比べて最高で4倍まで向上され、アーキテクチャおよびシグナリングの改善により往復の待ち時間が短縮される。MIMO(Multiple Input/Multiple Output)のアンテナ技術により、3GPPの当初のWCDMA無線アクセス技術に比べて1セル当たり10倍のユーザに対応できるようになる。可能な限り多くの周波数帯割当の配置に適合するために、ペアになった帯域動作(FDD:Frequency Division Duplex)およびペアをなさない帯域動作(TDD:Time Division Duplex)の両方に対応する。LTEは、隣接するチャネル内でも以前の3GPP無線技術と共存することができ、すべての3GPPの以前の無線アクセス技術との間で呼を受け渡しすることができる。
図1に、LTEリリース8のコンポーネントキャリア(Component Carrier)の構造を示す。3GPP LTEリリース8のダウンリンクのコンポーネントキャリアは、時間−周波数領域でいわゆるサブフレームに分割される。各サブフレームは、1期間Tslotに相当する2つのダウンリンク・スロット120に分割される。第1のダウンリンク・スロットは、先頭のOFDMシンボルの中に制御チャネル領域を備える。各サブフレームは、時間領域の所定数のOFDMシンボルからなる。各OFDMシンボルはコンポーネントキャリアの帯域幅全体に渡る。スケジューラによって割り当てることができる最小単位のリソースはリソースブロック130であり、これは物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)とも呼ばれる。PRB130は時間領域のNsymb DL個の連続したOFDMシンボルおよび周波数領域のNSC RB個の連続したサブキャリアとして定義される。実際の運用では、ダウンリンクリソースはリソースブロックペアとして割り当てられる。リソースブロックペアは、2つのリソースブロックからなる。1リソースブロックペアは、周波数領域のNSC RB個の連続したサブキャリアと、時間領域のサブフレームの2・Nsymb DL個の全変調シンボルに渡る。Nsymb DLは6または7であり、結果として合計12個または14個のOFDMシンボルがあることになる。したがって、物理リソースブロック130は、時間領域の1スロットおよび周波数領域の180kHzに相当するNsymb DL×NSC RB個のリソースエレメント(Resource Element)140からなる(ダウンリンクのリソースグリッドに関するさらなる詳細は、例えば非特許文献2(http://www.3gpp.org.で入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される)。
ダウンリンクの物理リソースブロックの数NRB DLは、セル内で設定されたダウンリンク送信の帯域幅に応じて決まり、現在LTEでは6〜110個のPRBで規定される。
データは、仮想リソースブロックのペアを利用して物理リソースブロックにマッピングされる。仮想リソースブロックのペアが物理リソースブロックのペアにマッピングされる。下記の2種類の仮想リソースブロックが、LTEのダウンリンクの物理リソースブロックへのマッピングに従って定義される。
−LVRB(Localized Virtual Resource Block、局所VRB)
−DVRB(Distributed Virtual Resource Block、分散VRB)
局所VRBを使用する局所送信モードでは、eNBが、どのリソースブロックをどれくらい使用するかについて完全に制御し、通常はその制御により、スペクトル効率が高くなるリソースブロックを選択する。大半の移動通信システムでは、その結果、隣接する物理リソースブロックまたは隣接する物理リソースブロックの複数個のまとまりが単一のユーザ機器への送信のために使用されることになる。これは、無線チャネルが周波数領域でコヒーレントであるためであり、1つの物理リソースブロックで高いスペクトル効率が得られる場合には、それに隣接する物理リソースブロックでも同様に高いスペクトル効率が得られる可能性が高いことを示唆する。分散VRBを使用する分散伝送モードでは、充分に高いスペクトル効率をもたらす少なくともいくつかの物理リソースブロックに当たり、それにより周波数ダイバーシティを得るために、同じUE向けデータを伝送する物理リソースブロックが周波数帯に渡って分散される。
3GPP LTEリリース8では、アップリンクおよびダウンリンクに1つのコンポーネントキャリアしかない。ダウンリンクの制御シグナリングは、基本的に次の3つの物理的なチャネルによって伝送される。
−サブフレームにおいて制御シグナリングに使用されるOFDMシンボルの数(すなわち制御チャネル領域の大きさ)を指示するPCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、
−アップリンクのデータ送信に関連するダウンリンクのACK/NACKを伝送するPHICH(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)、および
−ダウンリンクのスケジューリング割当およびアップリンクのスケジューリング割当を伝送するPDCCH(Physical Downlink Control Channel。物理ダウンリンク制御チャネル)。
PCFICHは、既知の所定の変調および符号化方式を使用して、ダウンリンクサブフレームの制御シグナリング領域内の既知の位置から送信される。ユーザ機器は、サブフレーム中の制御シグナリング領域の大きさ、例えばOFDMシンボルの数に関する情報を得るためにPCFICHを復号する。ユーザ機器(UE:User Equipment)がPCFICHを復号できない場合、または誤りのあるPCFICH値を得た場合、制御シグナリング領域に含まれるL1/L2制御シグナリング(PDCCH)を正しく復号することができず、その結果制御シグナリング領域に含まれるすべてのリソース割当が失われる可能性がある。
PDCCHは、例えばダウンリンクまたはアップリンクのデータ送信用のリソースを割り当てるためのスケジューリング・グラントなどの制御情報を伝送する。物理制御チャネルは、1つまたは数個の連続したCCE(Control Channel Element)を集約(aggregation)したもので送信される。各CCEは、いわゆるリソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)にまとめられたリソースエレメントの組に相当する。CCEは、通例、9個のリソースエレメントグループに対応する。PDCCH内のスケジューリング・グラントは、CCEに基づいて定義される。リソースエレメントグループは、リソースエレメントへの制御チャネルのマッピングを定義するために使用される。各REGは、同じOFDMシンボル中にある参照信号を除く4つの連続したリソースエレメントからなる。REGは、1つのサブフレーム内の1番目から4番目のOFDMシンボルに存在する。ユーザ機器向けのPDCCHは、サブフレーム中のPCFICHに従って、先頭の1つ、2つ、または3つのOFDMシンボルで送信される。
3GPP LTEリリース8(および後のリリース)において物理リソースへのデータのマッピングに使用される別の論理単位はリソースブロックグループ(RBG)である。リソースブロックグループは、(周波数で)連続した物理リソースブロックの組である。RBGの概念は、指示などのためのオーバーヘッドを最小にし、それにより送信時のデータに対する制御オーバーヘッドの比率を下げるために、受信ノード(例えばUE)に割り当てられるリソースの位置を指示するために特定のRBGをアドレス指定することを可能にする。現在、RBGのサイズは、システム帯域幅、具体的には、NRB DLに応じて、1、2、3または4と指定されている。LTEリリース8におけるPDCCHのRBGのマッピングに関するさらなる詳細は、非特許文献3(http://www.3gpp.org/で自由に入手可能)で得られ、その内容は本明細書に援用される。
PDSCH(Physical Downlink Shared Channel:物理ダウンリンク共有チャネル)はユーザデータの伝送に使用される。PDSCHは、1つのサブフレーム中でPDCCHの後に残りのOFDMシンボルにマッピングされる。1つのUEに割り当てられるPDSCHリソースは、サブフレームごとにリソースブロックを単位とする。
図2に、サブフレーム内のPDCCH及びPDSCHのマッピング例を示す。最初の2つのOFDMシンボルが制御チャネル領域(PDCCH領域)を形成し、L1/L2の制御シグナリングに使用される。残りの12個のOFDMシンボルがデータチャネル領域(PDSCH領域)を形成し、データに使用される。すべてのサブフレームのリソースブロックペアで、セル固有の参照信号、いわゆるCRS(Common Reference Signal:共通参照信号)が1つまたは数個のアンテナポート0〜3で送信される。図2の例では、CRSは、R0およびR1の2つのアンテナポートから送信される。さらに、サブフレームは、ユーザ機器でPDSCHを復調するために使用されるUE固有の参照信号、いわゆるDM−RS(Demodulation Reference Signal:復調用参照信号)も含む。DM−RSは、特定のユーザ機器に対してPDSCHが割り当てられているリソースブロックでのみ送信される。DM−RSを用いてMIMOに対応するために、4つのDM−RS層が定義され、すなわち最大で4層のMIMOがサポートされることを意味する。この例では、図2で、DM−RS層1、2、3、および4がMIMO層1、2、3、および4に対応している。
LTEの主要な特徴の1つは、同期された1つの周波数ネットワークを通じて複数のセルからマルチキャストデータまたはブロードキャストデータを送信できることであり、これはMBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequency Network)動作と呼ばれる。MBSFN動作では、UEは、複数のセルから同期された信号を受信し、それらの信号を合成する。これを容易にするために、UEは、MBSFN参照信号に基づいて別個のチャネル推定を行う必要がある。同じサブフレーム内にMBSFN参照信号と通常の参照信号とが混在することを回避するために、MBSFNサブフレームと呼ばれる特定のサブフレームがMBSFN送信から予約される。
MBSFNサブフレームの構造が図3に示され、最初の2つのOFDMシンボルまでが非MBSFN送信のために予約され、残りのOFDMシンボルがMBSFN送信に使用される。1番目から2番目のOFDMシンボルにおいて、アップリンクリソース割当のためのPDCCHとPHICHとを送信することができ、セル固有の参照信号は、非MBSFN送信用のサブフレームと同じである。1つのセル内のMBSFNサブフレームの特定のパターンは、そのセルのシステム情報でブロードキャストされる。MBSFNを受信することができないUEは、1番目から2番目のOFDMシンボルを復号し、残りのOFDMシンボルは無視する。MBSFNサブフレームの構成は、10msおよび40ms両方の周期に対応可能である。ただし、番号0、4、5、および9のサブフレームは、MBSFNサブフレームとして設定することができない。図3に、MBSFNサブフレームの形式を示す。L1/L2の制御シグナリングで送信されるPDCCH情報は、共有制御情報と個別制御情報に分けることができる。
IMT−advancedの周波数スペクトルは、2008年11月に開催された世界無線通信会議(WRC−07)で決定された。しかし、利用可能な実際の周波数帯幅は、地域または国ごとに異なる場合がある。3GPPにより標準化されたLTEの拡張版は、LTE−advanced(LTE−A)と呼ばれ、リリース10の主題として承認されている。LTE−Aリリース10はキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)を用いる。キャリアアグリゲーションでは、より広い伝送帯域幅、例えば最高で100MHzの伝送帯域幅に対応するために、LTEリリース8で定義された2つ以上のコンポーネントキャリアが集約される。キャリアアグリゲーションについてのさらなる詳細は、非特許文献4(http://www.3gpp.org/で自由に入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。通例は、1つのコンポーネントキャリアは20MHzの帯域幅を超えないと想定される。端末は、その能力によっては、1つまたは複数のコンポーネントキャリアを同時に受信および/または送信する場合がある。UEは、アップリンクとダウンリンクとで異なる数のコンポーネントキャリア(CC)を集約するように構成することができる。設定可能なダウンリンクCCの数は、UEのダウンリンクの集約能力に応じて決まる。設定可能なアップリンクCCの数は、UEのアップリンクの集約能力に応じて決まる。ただし、ダウンリンクCCよりもアップリンクCCが多くなるようにUEを構成することはできない。
用語「コンポーネントキャリア」は、用語「セル」と同義である場合もある。これは、LTEおよびUMTSの過去のリリースで知られるセルの概念と同様に、コンポーネントキャリアは、データの送信/受信のためのリソースを定義し、ワイヤレスノード(例えばUE、RN)に利用されるリソースに追加、再設定、または削除することができるためである。具体的には、セルは、ダウンリンクリソースと場合によってはアップリンクリソース、すなわちダウンリンクのコンポーネントキャリアと場合によってはアップリンクのコンポーネントキャリアとの組み合わせである。Rel−8/9では、ダウンリンクリソースの1つのキャリア周波数とアップリンクリソースの1つのキャリア周波数がある。ダウンリンクリソースのキャリア周波数は、セル選択手順を通じてUEに検出される。アップリンクリソースのキャリア周波数は、SIB2(System Information Block 2)を通じてUEに通知される。キャリアアグリゲーションが設定される場合、ダウンリンクリソースの2つ以上のキャリア周波数と、可能性としてはアップリンクリソースの2つ以上のキャリア周波数がある。したがって、ダウンリンクリソースと場合によってはアップリンクリソースの2つ以上の組み合わせ、すなわち2つ以上のサービングセルがあることになる。主要なサービングセルはPCell(Primary Cell)と呼ばれる。他のサービングセルはSCell(Secondary Cell(s))と呼ばれる。
キャリアアグリゲーションが設定される場合、UEは、ネットワークとの無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を1つのみ有する。PCellは、RRC接続の再確立またはハンドオーバー時に非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)モビリティ情報およびセキュリティ入力を提供する。UEの能力に応じて、SCellは、PCellと共にサービングセルの組を形成するように構成することができる。RRC接続は、UE側のRRC層とネットワーク側のRRC層との間の接続である。UEとE−UTRAN間のRRC接続の確立、維持、および開放は、UEとE−UTRAN間の一時識別子の割当、RRC接続のためのシグナリング無線ベアラ(SRB:Signaling Radio Bearer(s))、すなわち低優先度のSRBおよび高優先度のSRBの設定、を含む。RRCに関するさらなる詳細は、非特許文献5(http://www.3gpp.org/で自由に入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。
ダウンリンクでは、PCellに対応するキャリアはDL PCC(Downlink Primary Component Carrier)と呼ばれ、一方、アップリンクでは、PCellに対応するキャリアはUL PCC(Uplink Primary Component Carrier)と呼ばれる。DL PCCとUL PCCとの関連付けは、PCellからのシステム情報(SIB2)で通知される。システム情報は、各セルからブロードキャストされる共通の制御情報であり、例えば端末へのセルについての情報を含む。PCellのシステム情報の受信に関しては、Rel−8/9のLTEの手順が適用される。Rel−8/9のシステム情報受信手順の詳細は、非特許文献6(http://www.3gpp.orgで自由に入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。ダウンリンクでは、SCellに対応するキャリアはDL SCC(Downlink Secondary Component Carrier)であり、一方、アップリンクではUL SCC(Uplink Secondary Component Carrier)である。DL SCCとUL SCCとの関連付けは、SCellのシステム情報(SIB2)で通知される。SCellのすべての必要なシステム情報は、SCellを追加する際に個別のRRCシグナリングを通じてUEに送信される。したがって、UEが直接SCellからシステム情報を取得する必要はない。SCellのシステム情報は、そのSCellが設定されている限り有効であり続ける。SCellのシステム情報の変化は、SCellの除去および追加を通じて処理される。SCellの除去および/または追加は、RRC手順を使用して行うことができる。
ダウンリンク・グラントとアップリンク・グラントはいずれもDL CCで受信される。したがって、あるDL CCで受信されたアップリンク・グラントが、どのUL CCのアップリンク送信に対応するのかを知るために、DL CCとUL CCとの関連付けが必要となる。
UL CCとDL CCとの関連付けにより、当該グラントが適用されるサービングセルを特定することが可能となる。
−PCellで受信されるダウンリンク割当(downlink assignment)は、そのPCell内のダウンリンク送信に対応する。
−PCellで受信されるアップリンク・グラントは、そのPCell内のアップリンクの送信に対応する。
−SCellNで受信されるダウンリンク割当は、SCellN内のダウンリンクの送信に対応する。
−SCellNで受信されるアップリンク・グラントは、SCellN内のアップリンク送信に対応する。SCellNがUEによるアップリンクの使用のために構成されていない場合は、グラントはUEに無視される。
非特許文献7のSection 5.3.3.1において、CIF(Carrier Indication Field)を使用したクロスキャリアスケジューリング(cross-carrier scheduling。キャリア間スケジューリング)の可能性についても記載している。
UEは、同時に複数個のサービングセルにまたがってスケジュールすることができる。CIFを用いたクロスキャリアスケジューリングにより、あるサービングセルのPDCCHが別のサービングセルのリソースをスケジュールすることが可能になる。ただし、以下のような制約がある。
−クロスキャリアスケジューリングはPCellには適用されない。つまりPCellは常に自身のPDCCHを介してスケジューリングされる。
−SCellのPDCCHが設定される場合、クロスキャリアスケジューリングはそのSCellには適用されない。すなわち、SCellは常に自身のPDCCHを介してスケジューリングされる。
−SCellのPDCCHが設定されない場合は、クロスキャリアスケジューリングが適用され、そのSCellは常に別のサービングセルのPDCCHを介してスケジューリングされる。
したがって、CIFがない場合は、DL CCとUL CCとの関連付けによりアップリンク送信のためのUL CCが特定され、CIFがある場合は、CIF値によりアップリンク送信のためのUL CCが特定される。
モニタ対象のPDCCH候補の組(「モニタリング」は各PDCCHの復号を試みることを意味する)が「サーチスペース」として定義される。CIFが設定されていないUEは、動作状態にある各サービングセルにおいて各アグリゲーションレベル(aggregation level)1、2、4、8で1つのUE固有のサーチスペースをモニタする。CIFが設定されたUEは、1つまたは複数の動作状態にあるサービングセルにおいて各アグリゲーションレベル1、2、4、8で1つまたは複数のUE固有のサーチスペースをモニタする。UEにCIFが設定される場合、UE固有のサーチスペースはコンポーネントキャリアによって決定される。これは、サーチスペースのPDCCH候補に対応するCCEのインデックスがCIFの値によって決まることを意味する。CIFは、コンポーネントキャリアのインデックスを指定する。
UEが、CIFを用いて所定のDCIフォーマットサイズの所定のサービングセル内のPDCCH候補をモニタするように設定された場合、UEは、その所定のDCIフォーマットサイズに取りうるCIFのいずれかの値に対応するUE固有のサーチスペースで、その所定のDCIフォーマットサイズを有するPDCCH候補がその所定のサービングセルで送信される可能性があると想定する。すなわち、ある所定のDCIフォーマットサイズが2つ以上のCIF値を有することができる場合、UEは、その所定のDCIフォーマットの取りうるCIF値にそれぞれ対応する、UE固有のサーチスペース内のPDCCH候補をモニタすることになる。
LTE−AでPDCCHについて定義される、CIFを使用した、または使用しないサーチスペースの構成についてのさらなる詳細は、非特許文献8(http://www.3gpp.org/で自由に入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。
LTE−Aの別の主要な機能は、3GPP LTE−AのUTRANアーキテクチャに中継ノードに導入することにより中継機能を提供することである。中継は、LTE−Aでは、高いデータレートの利用可能範囲、グループのモビリティ、一時的なネットワーク配備、セルエッジのスループットを向上させ、かつ/または、新しい地域に受信可能範囲を提供するための手段と考えられる。
中継ノードは、ドナー(donor)セルを介して無線アクセスネットワークにワイヤレスに接続される。中継の手法に応じて、中継ノードは、ドナー・セルの一部としても、あるいは独自にセルを制御してもよい。中継ノードがドナー・セルの一部である場合、中継ノードは独自のセルID(cell identity)は持たないが、中継IDは持つことができる。中継ノードが独自にセルを制御する場合は、1つまたは数個のセルを制御し、その中継ノードに制御される各セル内で一意の物理レイヤセルIDが提供される。少なくとも、「タイプ1」の中継ノードは3GPP LTE−Aの一部となる。「タイプ1」の中継ノードは、以下の特徴を持つ中継ノードである。
−中継ノードは、ユーザ機器に対してそれぞれドナー・セルとは異なる別のセルに見えるセルを制御する。
−それらのセルはLTEリリース8で定義される独自の物理セルIDを持ち、中継ノードは、自身の同期チャネル、参照シンボル等を送信する。
−単一セル動作に関して、UEは、スケジューリング情報およびHARQフィードバックを中継ノードから直接受信し、自身の制御情報(ACK(Acknowledgments)、チャネル品質通知(CQI:Channel Quality Indications)、スケジューリング要求)を中継ノードに送信する。
−中継ノードは、後方互換性をサポートするために、3GPP LTE準拠のユーザ機器に対しては3GPP LTE準拠のeNodeBとして見えなければならない。
−中継ノードは、3GPP LTE−A準拠のユーザ機器に対してさらなる性能の拡張を可能にするために、3GPP LTEのeNodeBに対して異なる形で見えなければならない。
図4は、中継ノードを使用した3GPP LTE−Aネットワーク構造の例を示す。ドナーeNodeB(d−eNB)410は、ユーザ機器UE1 415および中継ノード(RN)420に直接サービスし、中継ノード(RN)420はさらにUE2 425にサービスする。ドナーeNodeB410と中継ノード420との間のリンクは、通例、中継バックホール・アップリンク/ダウンリンクと呼ばれる。中継ノード420と、その中継ノードに接続されたユーザ機器425(r−UEとも称する)との間のリンクは(中継)アクセス・リンクと呼ばれる。
ドナーeNodeBは、L1/L2制御およびデータをマイクロユーザ機器UE1 415と、中継ノード420にも送信し、中継ノード420はさらにそのL1/L2制御およびデータを中継ユーザ機器UE2 425に送信する。中継ノードは、送信動作と受信動作を同時に行うことはできない時間多重化モードで動作することができる。具体的には、eNodeB410から中継ノード420へのリンクが中継ノード420からUE2 425へのリンクと同じ周波数スペクトルで動作する場合、中継送信機が自身の受信機に対する干渉を引き起こす。このため、同じ周波数リソースでNodeBから中継ノードへの送信と中継ノードからUEへの送信を同時に行うことは、受信信号と送信信号との充分な分離がもたらされなければ可能でない場合がある。したがって、中継ノード420がドナーeNodeB410に送信を行う際には、その中継ノードに接続されたUE425からの受信を同時に行うことはできない。同様に、中継ノード420がドナーeNodeBからデータを受信する際には、その中継ノードに接続されたUE425にデータを送信することはできない。したがって、中継バックホール・リンクと中継アクセス・リンクの間にはサブフレームの区分けがある。
中継ノードのサポートに関して、3GPPでは現在以下の合意がなされている。
−eNodeBから中継ノードへのダウンリンクの中継バックホール送信が設定される中継バックホール・ダウンリンクサブフレームは、準静的に割り当てられる。
−中継ノードからeNodeBへのアップリンクのバックホール送信が設定される中継バックホール・アップリンク・サブフレームは、半静的に割り当てられるか、または中継バックホール・ダウンリンクサブフレームからのHARQタイミングにより暗黙的に導出される。
−中継バックホール・ダウンリンクサブフレームでは、中継ノードはドナーeNodeBに送信を行う。したがってr−UEは、中継ノードからデータを受信することは想定しないものとされる。自身が中継ノードに接続されていることを認識しないUE(中継ノードが標準的なeNodeBとして見えるリリース8のUEなど)に対する後方互換性をサポートするために、中継ノードは、バックホール・ダウンリンクサブフレームをMBSFNサブフレームとして設定する。
以下では、例示のために図4に示すようなネットワーク構成を想定する。ドナーeNodeB410がL1/L2制御およびデータをマクロユーザ機器(UE1)415と、リレー(中継ノード)420に送信し、中継ノード420はL1/L2制御およびデータを中継ユーザ機器(UE2)425に送信する。さらに、中継ノードが、送信動作と受信動作が同時には行われない時分割モードで動作すると想定する。中継ノードが「送信」モードにある時にはUE2は常にL1/L2の制御チャネルおよびPDSCHを受信する必要があるのに対し、中継ノードが「受信」モードにある時、すなわちNode BからL1/L2制御チャネルおよびPDSCHを受信している時には、UE2に送信を行うことはできない。したがってUE2はそのようなサブフレームでは中継ノードから情報を受信することはできない。UE2が、自身が中継ノードに接続されていることを認識しない場合(例えばリリース8のUE)、中継ノード420は、通常の(e)NodeBとして振る舞わなければならない。当業者には理解されるように、中継ノードを有さない通信システムでは、ユーザ機器は常に少なくともL1/L2制御信号がすべてのサブフレームに存在すると想定することができる。中継ノード下で動作するそのようなユーザ機器をサポートするために、中継ノードはすべてのサブフレームでそのような期待される振る舞いを装わなければならない。
図2および図3に示すように、各ダウンリンクサブフレームは、制御チャネル領域とデータ領域の2つの部分からなる。図5に、中継バックホール送信が行われる状況で中継アクセス・リンクのMBSFNフレームを構成する例を示す。各サブフレームは、制御データ部分510、520およびデータ部分530、540を含む。MBSFNサブフレーム中の先頭のOFDMシンボル720は、中継ノード420が制御シンボルをr−UE425に送信するために使用される。サブフレームの残りの部分で、中継ノードは、ドナーeNodeB410からのデータ540を受信することができる。したがって、同じサブフレームで中継ノード420からr−UE425への送信を行うことはできない。r−UEは、1番目から2番目のOFDM制御シンボルを受信し、サブフレームの残りの部分は無視する。非MBSFNのサブフレームは中継ノード420からr−UE525に送信され、制御シンボル510とデータシンボル530はr−UE425で処理される。MBSFNサブフレームは、10msごとまたは40msごとに設定することができる。したがって、中継バックホール・ダウンリンクサブフレームも10msおよび40ms両方の設定に対応する。MBSFNサブフレームの構成と同様に、中継バックホール・ダウンリンクサブフレームは#0、#4、#5、および#9のサブフレームには設定することができない。バックホールDLサブフレームとして設定することができないサブフレームは、「イリーガル(illegal)DLサブフレーム」と呼ばれる。したがって、中継DLバックホール・サブフレームは、d−eNB側では通常のサブフレームである場合もMBSFNサブフレームである場合もある。現在、eNB410から中継ノード420へのダウンリンク・バックホール送信を行うことができる中継バックホールDLサブフレームは準静的に割り当てることが合意されている。中継ノード420からeNB410へのアップリンクのバックホール送信を行うことができる中継バックホールULサブフレームは、準静的に割り当てられるか、中継バックホールDLサブフレームからHARQタイミングにより暗黙的に導出される。
MBSFNサブフレームは中継ノードでダウンリンク・バックホール・ダウンリンクサブフレームとして設定されるため、中継ノードはドナーeNodeBからPDCCHを受信することはできない。したがって、新たな物理制御チャネル(R−PDCCH)を使用してダウンリンクおよびアップリンクのバックホール・データのために準静的に割り当てられたサブフレーム内で動的または「半恒久的」にリソースを割り当てる。ダウンリンクのバックホール・データは、新たな物理データチャネル(R−PDSCH)で送信され、アップリンクのバックホール・データは、新たな物理データチャネル(R−PUSCH)で送信される。中継ノードのR−PDCCHは、サブフレームのPDSCH領域内のR−PDCCH領域にマッピングされる。中継ノードは、サブフレームのその領域でR−PDCCHを受信することを予想する。時間領域では、R−PDCCH領域は、設定されたダウンリンク・バックホール・サブフレームに渡る。周波数領域では、R−PDCCH領域は、上位レイヤのシグナリングにより中継ノードに対して予め設定された特定のリソースブロックに存在する。サブフレーム内のR−PDCCH領域の設計および使用に関しては、標準化で以下の特徴が合意されている。
−R−PDCCHは、送信のために準静的に割り当てられたPRBである。さらに、その準静的に割り当てられたPRB内でR−PDCCHの送信に現在使用すべきリソースのセットは、サブフレーム間で動的に変化してよい。
−動的に設定可能なリソースは、バックホール・リンクに利用可能なOFDMシンボルの全セットをカバーするか、またはそのサブセットに制約される。
−準静的に割り当てられたPRB内でR−PDCCHに使用されないリソースは、R−PDSCHまたはPDSCHの伝送に使用することができる。
−MBSFNサブフレームの場合は、中継ノードが制御信号をr−UEに送信する。すると、中継ノードがドナーeNodeBから送信されたデータを同じサブフレームで受信できるように、送信モードから受信モードに切り替えることが必要となる可能性がある。このギャップに加えて、ドナーeNodeBと中継ノードとの間の信号の伝搬遅延を考慮しなければならない。したがって、R−PDCCHは、最初は、中継ノードが受信するにはサブフレーム中で充分に遅いOFDMシンボルから送信される。
−物理リソースへのR−PDCCHのマッピングは、周波数分散方式で行っても周波数局所方式で行ってもよい。
−限られた数のPRBの中でR−PDCCHをインターリーブすることにより、ダイバーシティゲインが得られ、同時に無駄になるPRBの数を制限する。
−非MBSFNサブフレームでは、ENodeBによってDM−RSが設定される場合にはリリース10のDM−RSが使用される。そうでない場合はリリース8のCRSが使用される。MBSFNサブフレームではリリース10のDM−RSが使用される。
−R−PDCCHは、バックホール・リンクのダウンリンク・グラントまたはアップリンク・グラントの割り当てに使用することができる。ダウンリンク・グラントのサーチスペースとアップリンク・グラントのサーチスペースの境界は、サブフレームのスロット境界である。具体的には、ダウンリンク・グラントはサブフレームの第1スロットのみで送信され、アップリンク・グラントは第2スロットのみで送信される。
−DM−RSで復調する際にはインターリーブは適用されない。CRSで復調する際には、REGレベルのインターリーブとインターリーブなしの両方がサポートされている。
中継バックホールR−PDCCHのサーチスペースは、中継ノード420がR−PDCCHの受信を予期する領域である。時間領域では、設定されたDLのバックホール・サブフレームに存在する。周波数領域では、上位レイヤのシグナリングにより中継ノード420のために設定された特定のリソースブロックに存在する。R−PDCCHは、バックホール・リンクのDLグラントまたはULグラントを割り当てるために使用することができる。
クロスインターリーブ(cross-interleaving)を行わない場合の中継バックホールR−PDCCHの特性に関してRAN1で達した合意によると、UE固有のサーチスペースは次のような特性を有する。
−各R−PDCCH候補は連続したVRBを含む。
−VRBのセットは、リソース割当タイプ0、1、または2を使用して上位レイヤで設定される。
−VRBの同じセットが、第1スロット及び第2スロットに存在する可能性のあるR−PDCCHに対して設定される。
−DLグラントは第1スロットのみで受信され、ULグラントは第2スロットのみで受信される。
−それぞれのアグリゲーションレベル{1,2,4,8}の候補の数は{6,6,2,2}である。
クロスインターリーブを行わないR−PDCCHとは、所定のPRBで他のR−PDCCHとクロスにインターリーブされずに、1つまたは数個のPRBで送信されるR−PDCCHを意味する。周波数領域では、VRBのセットは、非特許文献9(http://www.3gpp.org/で入手可能。その内容は本明細書に援用される。)に従って、リソース割当タイプ0、1、または2を使用して、上位レイヤで設定される。VRBのセットが、分散型のVRBからPRBへのマッピングを有するリソース割当タイプ2で設定される場合は、偶数のスロット番号についての非特許文献2のSection 6.2.3.2の規定が常に適用される。詳細は、非特許文献2(http://www.3gpp.org/で入手可能)で得ることができ、その内容は本明細書に援用される。
図6に、クロスインターリーブされていないR−PDCCHの場合のR−PDCCHのダウンリンク・グラントおよびアップリンク・グラントのサーチスペースの例を示す。この例では、キャリアアグリゲーションおよびクロスキャリアスケジューリングは想定しない。この例ではDLグラントとULグラントのサーチスペースに同じVRBが設定される。DLグラントのサーチスペースは第1スロットのみにあり、ULグラントのサーチスペースは第2スロットのみにある。具体的には、図6は、第1スロット610および第2スロット620を概略的に示し、行は、異なるサブキャリア(すなわち周波数領域)のVRBのペアを表す。異なる大きさの楕円は、異なるアグリゲーションレベルについてのアップリンクおよびダウンリンク・グラントのサーチスペースそれぞれの候補を表す。例えば、アグリゲーションレベル1の候補601は1つのVRBを占め、アグリゲーションレベル2の候補602は2つのVRBを占め、アグリゲーションレベル4の候補604は4つのVRBを占め、アグリゲーションレベル8の候補608は8つのVRBを占める。
R−PDCCH/R−PDSCHの多重化に関してRAN1で達した合意によると、R−PDCCH PRBペアの2番目のスロットは、そのPRBペアの1番目のスロットでDLグラントの少なくとも一部を受信する中継ノードのためのデータチャネルに割り当てることができる。具体的には、中継ノードが、DLグラントが1番目のスロットで検出されるPRBのペアと重複するリソース割当を受信した場合、中継ノードは、そのPRBペアの2番目のスロットで自身へのPDSCHデータの送信があるものと見なす。そうでない場合、中継ノードは、そのPRBペアの2番目のスロットに自身へのデータ送信はないものと見なし、DCIフォーマットの変更はないものと見なす。中継ノードが1番目のスロットにDLグラントの少なくとも一部を検出するR−PDCCH PRBペアについては、中継ノードは、そのR−PDCCH PRBペアの1番目のスロットはデータ送信に使用されないと見なす。
本発明の目的は、キャリアアグリゲーションをサポートするシステム内で制御情報をブラインド検出するためのサーチスペースの構成を提供することである。
これは、サブフレームの第1スロットに第1および第3のサーチスペースを提供し、そのサブフレームの第2スロットに第2のサーチスペースを提供することによって実現され、それらのサーチスペースにおけるブラインド検出の候補は、第1スロットのサーチスペースの少なくとも1つの候補が、第2スロットのサーチスペースにある候補と同じリソースブロックペアにマッピングされるように配置される。
第1スロットは、ダウンリンクのコンポーネントキャリアによって決定されるサーチスペース用とし、第2スロットは、アップリンクのコンポーネントキャリアによって決定される1つまたは複数のサーチスペース用とすることができる。
具体的には、本発明は、1サブフレームが時間領域に2つのスロットを含むシステムに適し、各スロットは、時間領域の複数のOFDMシンボルを含み、スロットは、各々が複数のサブキャリアを有する複数のリソースブロックに周波数領域で定義される。ブラインド検出の候補は、1つまたは複数のサブキャリア、および、1つまたは複数のOFDMシンボルにあるリソースブロック中に定義されたリソースエレメントである。候補は、複数の物理リソースブロック内に含めるか、または1つの物理リソースブロックに含めることができる。ここで、用語「含める」は、リソースブロック内のいくつかのリソースエレメントが割り当てられることを意味する。
サーチスペースはコンポーネントキャリアによって決定される。これは、サーチスペースの候補が、そのコンポーネントキャリアについての制御情報をブラインド検出する際にモニタされることを意味する。サーチスペースの位置もコンポーネントキャリアによって決定される。異なるコンポーネントキャリアのサーチスペースは互いに完全にまたは部分的に重なる可能性がある。1つの候補が異なる複数のコンポーネントキャリアについての制御情報を伝送することもできる。
受信ノードと送信ノードはネットワーク内の任意の2つのノードであってよい。例えば、受信ノードは端末であり、送信ノードは移動通信システム内の基地局などのネットワークノードである。それに代えて、またはそれに加えて、受信ノードは中継ノードであり、送信ノードは基地局等のネットワークノードであってもよい。
キャリアアグリゲーションをサポートするシステムとは、一般に、OFDM通信などのマルチキャリア通信が複数のコンポーネントキャリアにおいて並行して実行されるシステムを言い、各コンポーネントキャリアは、周波数領域のOFDMシステムのサブキャリアおよび時間領域のシンボルを含む専用のリソースグリッドを有する。したがって、コンポーネントキャリアは、各自の独立したリソースセットを有するため、セルと呼ばれることもある。1つのセルは、1つのダウンリンクのコンポーネントキャリアと、可能性としては1つのアップリンクのコンポーネントキャリアとの組み合わせである。各セルは、独自のセルIDとシステム情報を有する。UEはアクティブなサービングセルのセットを有することができる。セルは、上位レイヤのシグナリングにより動作状態および非動作状態にすることができる。
以下の段落では本発明の各種実施形態を説明する。例示の目的のみで、実施形態の大半は、上記の背景技術の項で述べた3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)の移動通信システムによるOFDMダウンリンク無線アクセス方式との関連で概説する。本発明は例えば上記で説明した3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)の通信システムなどの移動通信システムとの関連で有利に使用することができる。ただし、本発明は、この特定の例示的通信ネットワークでの使用に限定されないことに留意されたい。本明細書に記載される本発明の態様は、特に、主に3GPP LTE−A(リリース10)通信システムの中継ノードまたはUEなどの受信機に割り当ておよびグラントを伝送するアップリンクおよびダウンリンクの制御情報(R−PDCCH)のためのサーチスペースを定義し、ダウンリンクサーチスペース(具体的には個々のリソースブロックおよびそのリソースブロックグループ)にマッピングされたR−PDCCHデータの点で効率的なリソース利用を提供するために使用することができる。上記の背景技術の項での説明は、本明細書に記載される主として3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)に特有の例示的実施形態をよりよく理解することを目的としたものであり、本発明を、記載される移動通信ネットワークにおける処理および機能の具体的な実装に限定するものとは解釈すべきでない。具体的には、本発明は、固定されたeNodeBと固定された中継ノードの間など、通信ネットワークの2つの非移動ノード間の通信に適用することができる。
さらに、以下で述べるように、第1のサーチスペースはDL SCCのサーチスペースを指し、第2のサーチスペースはUL PCCのサーチスペースを指し、第3の空間はDL PCCのサーチスペースを指す。
図8に、クロスコンポーネントキャリアスケジューリング(CC間スケジューリング)が適用される場合の第1スロット810および第2スロット820の一部を示す。この例では、2つのダウンリンクのコンポーネントキャリア、すなわちDL PCCおよびDL SCCと、1つのアップリンクのコンポーネントキャリア、すなわちUL PCCがDL PCCでスケジューリングされる。2つのDLコンポーネントキャリアそれぞれのダウンリンク・グラントのサーチスペースは別々に設定されるものとする。DL PCCおよびDL SCCの2つのダウンリンク・グラントサーチスペースは全く重複せずに設定される。ただし、これら2つのダウンリンク・グラントサーチスペースは、ネットワークの実装によっては、部分的に重複するように、さらには完全に重複するように設定してもよいことに留意されたい。問題は、第2スロット820にUL PCCのサーチスペースをどのように設定するかということになる。
可能な解決法の1つは、システム情報によって関連付けられたダウンリンクおよびアップリンクのコンポーネントキャリアの、ダウンリンクのグラントサーチスペースとアップリンク・グラントサーチスペースとを位置合わせする。そのような構成の一例を図9に示す。この例では、システム情報によってDL PCCがUL PCCに関連付けられるものとする。DL PCCでは、DL PCCのダウンリンク・グラント、DL SCCのダウンリンク・グラント、およびUL PCCのアップリンク・グラントがスケジューリングされる。図9では、UL PCCのアップリンク・グラントのサーチスペースがDL PCCのダウンリンク・グラントのサーチスペースと同じVRBを共有する。この解決法は、図6に示すようなクロスコンポーネントキャリアスケジューリングを行わない解決法と同様である。また、同様に、そのような解決法では、特定の割当事例によってはリソースの無駄が生じる。
図10に、ダウンリンクおよびアップリンク・グラントサーチスペース両方のアグリゲーションレベル2の候補の割当例を示す。具体的には、図10の(a)は、すでに図9に示した構成に対応する第1スロットおよび第2スロットの一部を示す。図10の(b)は、アグリゲーションレベル2のダウンリンクのPCC候補とアップリンクのPCC候補が同じVRBを共有する場合を示す。この(b)ではDL SCCは割り当てられない。そのため、無駄になるリソースがなく、PDSCH1030が代わりに割り当てられる。図10の(c)は、アップリンク・グラント1040がUL PCCのためにスケジューリングされ、ダウンリンク・グラント1050がDL SCCのためにスケジューリングされる例を示す。したがって、図10の(a)に示すダウンリンクおよびアップリンク・グラントのサーチスペースの構成を使用すると、第2スロットの最初の2つのVRB中の2つのVRBが無駄になる。別の割当例を図10の(d)に示す。具体的には、DL PCCについてのダウンリンク・グラント1060、UL PCCについてのアップリンク・グラント1070、およびDL SCCについてのダウンリンク・グラント1080が設定される。図から理解できるように、この構成では第2スロットの2つのVRBが無駄になる。
リソースの無駄を回避するために、本発明の一実施形態により、アップリンクのコンポーネントキャリアのアップリンク・グラントのサーチスペースが、可能な限りすべてのダウンリンクのコンポーネントキャリアのダウンリンク・グラントのサーチスペースに分散される。好ましくは、いくつかのアップリンク・グラントサーチスペース候補が1つのダウンリンク・コンポーネントキャリアのダウンリンク・グラント候補と同じVRBを共有し、いくつかのアップリンク・グラント候補が、別のダウンリンク・コンポーネントキャリアのダウンリンク・グラント候補と同じVRBを共有する。そのようにすると、アップリンク・グラントを、すべてのダウンリンクのコンポーネントキャリアにあるダウンリンク・グラントと同じPRBペアの中に割り当てることができる。
サーチスペースのそのような構成の例を図11に示す。第1スロットは図9の第1スロットと同様であり、DL PCCとDL SCCのサーチスペースは重ならない。第2スロットに関しては、UL PCCのサーチスペース候補が、DL PCCおよびDL SCCのダウンリンク・グラントサーチスペースに分散される。この例では、DL PCCおよびDL SCCのダウンリンク・グラントサーチスペースが別々に構成されるものとする。このUL PCCのサーチスペースの構成により、各ダウンリンク・グラントサーチスペースにあるアグリゲーションレベル{1,2,4,8}のアップリンク・グラント候補の数が{3,3,1,1}になる。アップリンク・グラントは、ほぼすべてのダウンリンク・コンポーネントキャリアのダウンリンク・グラントと同じ物理リソースブロックペアに割り当てることができるので、第1スロットのPRBが無駄になる確率(アップリンク・グラントのみが割り当てられる場合)、および第2スロットのPRBが無駄になる確率(PCC以外のコンポーネントキャリアについてのダウンリンク・グラントのみが割り当てられる場合)が低下する。
図11から分かるように、UL PCCの候補がDL PCCとDL SCC両方の候補とリソースブロックを共有する。具体的には、UL PCCの候補は、システム情報によってUL PCCと関連付けられていないDL SCCとも物理リソースブロックを共有する。図7に示す例から分かるように、ダウンリンク・グラントとアップリンク・グラントを同じPRBペアに割り当てることができない場合は、特定の割当によっては、第1スロットのPRBおよび/または第2スロットのPRBが無駄になる。したがって、アップリンク・グラント候補をダウンリンク・グラント候補と同じPRBペアに配置する機会を増すために、各アグリゲーションレベルのアップリンク・グラント候補が可能な限りすべてのダウンリンクのコンポーネントキャリアのダウンリンク・グラントサーチスペースに分散される。この基礎となる概念に基づいて、ダウンリンク・グラントサーチスペースへのアップリンク・グラント候補の分散を定義する規則を定義することができる。
具体的には、本発明の実施形態によると、アップリンク・グラント候補はDL PCCのサーチスペースから分散していき、続いてSCCの数に応じてDL SCC1、DL SCC2のサーチスペース等へと分散していくことができる。ただし、DL PCCについてのダウンリンク・グラントの第2スロットはPDSCHのために割り当てることができるので、リソース使用の点からは、アップリンク・グラント候補をDL PCCではなくDL SCCのダウンリンク・グラントサーチスペースに配置する方が効率的である。したがって、UL PCCのサーチスペースを分散する際にDL SCCがDL PCCより優先度が高い場合には有利である。具体的には、アップリンク・グラントサーチスペースの候補が、UL PCCがシステム情報を通じて関連付けられているPCCではなく、SCCと同じPRBを共有する場合に有益である。
上記の考慮事項に基づくと、グラントサーチスペースをマッピングする際の基本規則は以下のようになる。
1.各レベルのアップリンク・グラント候補は、可能な限りすべてのダウンリンクのコンポーネントキャリアのダウンリンク・グラントサーチスペースに分散させる。
2.UL PCCのどの候補がダウンリンクサーチスペースの候補とPRBを共有するかを決定する際にDL SCCはDL PCCよりも高い優先度を有する。
図11に、1つのダウンリンクのコンポーネントキャリアにスケジューリングされた2つのダウンリンク・コンポーネントキャリアと1つのアップリンク・コンポーネントキャリアそれぞれについての2つのサーチスペースの例を示す。この例では、各アグリゲーションレベルのアップリンク・グラント候補は、2つのダウンリンク・コンポーネントキャリア、すなわちDL PCCおよびDL SCCのダウンリンク・グラントサーチスペースに均等に分散することができる。
図12に別の例を示す。この場合は3つのダウンリンク・コンポーネントキャリアのサーチスペースと1つのアップリンク・コンポーネントキャリアのサーチスペースがあり、すべてが1つのダウンリンクのコンポーネントキャリア(DL PCC)にスケジューリングされている。アグリゲーションレベル1および2の6個のアップリンク・グラント候補はそれぞれ、図11の例と同様に3つのダウンリンクのコンポーネントキャリアのダウンリンク・グラントサーチスペースに分散することができる。ただし、アグリゲーションレベル4および8のアップリンク・グラントサーチスペースには各々2つの候補しかないものとする。したがって、それらを3つのダウンリンクのコンポーネントキャリアサーチスペースに均等に分散することができない。上記の規則に従うと、DL SCCはDL PCCよりも優先度が高い。したがって、アグリゲーションレベル4および8のアップリンク・グラント候補は、DL SCC1およびDL SCC2のダウンリンク・グラントサーチスペースの候補とVRBを共有するようにマッピングされ、DL PCCが余る。したがって、アップリンク・グラントサーチスペースの候補は、ダウンリンクのコンポーネントキャリアのサーチスペース候補、またはシステム情報によってUL PCCと関連付けられていないDL SCCと、PRBを共有することが好ましい。
図12に示す構成は別の効果ももたらす。局所的な割当により高い周波数スケジューリングゲインを実現するために、1つのダウンリンク・グラントサーチスペースにあるアップリンク・グラント候補が周波数領域で分散される。具体的には、DL SCCのサーチスペースのVRB内のアップリンク・グラント候補は、DL PCCサーチスペースのVRB内のアップリンク・グラント候補に対して位置がシフトされる。そのような分散により、特にDL PCCのサーチスペースとDL SCCのサーチスペースが完全に重なる場合に効果が得られる。そのような場合、各ダウンリンク・コンポーネントキャリアのサーチスペースのVRB内のUL PCCの候補は、互いに完全には重ならない。
図13に、アップリンク・グラント候補をダウンリンクのコンポーネントキャリアのサーチスペースのVRBに分散する利点を説明する。具体的には、図13の(a)は、図11を参照して説明したサーチスペース構成の第1スロットおよび第2スロットの一部を示す。先の例と同じように、アグリゲーションレベル2の候補を割り当てるものとする。図13の(b)は、アップリンク・グラントをDL PCCについてのダウンリンク・グラントと同じPRBペアに割り当てることができる場合を示す。この場合は、図10の例と同様に、PRBが無駄にならず、PDSCHを割り当てることができる。図13の(c)は、割り当てられたDL SCCについてのダウンリンク・グラントとUL PCCについてのアップリンク・グラントがある点で図10の割当例(c)に対応する。ただし、図13の(c)は、図11によるサーチスペースの構成を使用する場合には、アップリンク・グラントをDL SCCについてのダウンリンク・グラントと同じPRBペアに割り当てることができることを示している。したがって、無駄になるPRBがない。最後に、図13の(d)は、図10の(d)で説明した例と同様の割当例を示す。具体的には、DL PCCについてのダウンリンク・グラント、DL SCCについてのダウンリンク・グラント、およびUL PCCについてのアップリンク・グラントが割り当てられる。図11を参照して説明したアップリンクサーチスペースの構成では、DL PCCについてのダウンリンク・グラントの第2スロットにはPDSCHが割り当てられ、アップリンク・グラントは、DL SCCのダウンリンク・グラントと同じPRBペアに割り当てることができる。その結果、この場合も無駄になるPRBがない。要約すると、図10の種々の割当例と図13の例とを比べると、図9のサーチスペースの構成では結果として6つのPRBが無駄になる。一方、図11を参照して説明した構成では無駄になるPRBが生じない。
上記のように、図12では、マッピングされたUL PCCのサーチスペース候補の周波数ダイバーシティが高くなるという効果も得られる。ただし、そのような効果は、図12による3つのDL CCを備えたサーチスペースの構成に限られない。
図14に、第1スロットのDL PCCおよびDL SCCの2つの別々に構成されたサーチスペースと、DL PCCおよびDL SCCのサーチスペースに分散されたUL PCCのサーチスペースを示す。また、DL SCCのサーチスペースのVRB中の各アグリゲーションレベルのアップリンク・グラント候補は、DL PCCのサーチスペースのVRB中のそれぞれ同じアグリゲーションレベルのアップリンク・グラント候補に対して位置がシフトされている。
図8〜図14を参照して説明したすべての例では、ダウンリンクのコンポーネントキャリア(DL PCC、DL SCC1、DL SCC2,...)各々に別個に構成されたダウンリンク・グラントサーチスペースを想定した。しかし、ダウンリンク・グラントサーチスペースは必ずしも別々に構成しなくともよい。それに代えて、ダウンリンク・コンポーネントキャリアのダウンリンク・グラントサーチスペースはVRB領域で連続していてもよい。これは、クロスキャリアスケジューリングを行う事例におけるリリース10のPDCCHと同様になる。そのような構成を図15に示す。各アグリゲーションレベルのDL PCCおよびDL SCCの候補は、第1スロットのVRB領域で連続している。本発明の基礎となる概念、すなわち、UL PCCのアップリンク・グラント候補を可能な限りすべてのダウンリンクのコンポーネントキャリアサーチスペースに分散させることに従うと、いくつかのDL PCC候補およびいくつかのDL SCC候補とVRBを共有するために、アップリンク・グラント候補をVRB領域で分散させることになる。そのような構成の一例を図15の第2スロットに示す。図15から分かるように、分散は、上記説明したDL PCC及びDL SCCのダウンリンク・グラントのサーチスペースを別個に構成する場合と同じ規則に従っている。具体的には、UL PCCのアグリゲーションレベル1の候補は、DL PCCおよびDL SCCのアグリゲーションレベル1の候補に対して均等に分散される。同様に、アグリゲーションレベル2の候補は、DL PCCおよびDL SCCのアグリゲーションレベル2の候補に均等に分散される。アグリゲーションレベル4および8の候補について、図15では、UL PCCのアグリゲーションレベル4の1つの候補がDL PCCのアグリゲーションレベル4の1つの候補とVRBと共有するのに対し、アグリゲーションレベル4の別のUL PCC候補が、DL SCCの別のアグリゲーションレベル4の候補とVRBを共有することを示す。同様にしてアグリゲーションレベル8の候補も分散される。
上記の例では第2スロットのVRB領域にあるUL PCCサーチスペースの候補を、ダウンリンクサーチスペースの候補に対して可能な限り均一に分散することを述べたが、本発明はそのようなサーチスペースの構成に制限されないことに留意されたい。それに代えて、分散は特定のアグリゲーションレベルの候補のみに行ってもよい。それに代えて、またはそれに加えて、1つのアグリゲーションレベル内で候補の一部のみを分散させてもよい。リソースブロックが無駄になる確率を減らすためには、高度の分散が有利である。ただし、特定のシステム・アーキテクチャには他の構成がより有益である可能性がある。
本発明は、アップリンクとダウンリンクのコンポーネントキャリアが対称である事例にも適用することができる。図16に、1つのダウンリンク・コンポーネントキャリアで提供された2つのダウンリンク・コンポーネントキャリアおよび2つのアップリンク・コンポーネントキャリアのサーチスペースの例を示す。図16から分かるように、DL PCCおよびDL SCCのサーチスペースは別々に構成されている。UL PCCのアップリンク・グラント候補は、ダウンリンクPCCおよびダウンリンクSCCのサーチスペースに分散される。同様に、UL SCCのアップリンク・グラント候補はDL PCCおよびDL SCCのサーチスペースに分散される。この構成では、UL PCCおよびUL SCCの候補は、各アグリゲーションレベルのダウンリンク・コンポーネントキャリアのサーチスペースのVRBでインターリーブされる。具体的には、DL PCCサーチスペースのVRB内で、UL PCCのアップリンク・グラント候補からマッピングが開始され、次いで各アグリゲーションレベルのUL SCCのアップリンク・グラント候補へと進む。DL SCCサーチスペースのVRB内では、UL SCCのアップリンク・グラント候補からマッピングが開始され、次いで各アグリゲーションレベルのUL PCCのアップリンク・グラント候補へと進む。それぞれのULグラント候補間でこのようにシフトすることにより、DL PCCとDL SCCのDLグラントサーチスペースが完全に互いに重なる場合でも、各アップリンク・コンポーネントキャリアのULグラント候補の数を減らす必要がないという利点が得られる。この例で理解されるように、本発明は、ダウンリンクとアップリンクのコンポーネントキャリアの数が等しい対称形のダウンリンクおよびアップリンクのコンポーネントキャリア構成にも適用可能である。これは、各ダウンリンク・コンポーネントキャリアのダウンリンク・グラントが、各アップリンク・コンポーネントキャリアのアップリンク・グラントと同じPRBペアで割り当てられる確率を高くすることにより実現される。
先の例では、DL PCCとUL PCCとがシステム情報で関連付けられると想定した。ただし、本発明はそれに限定されず、下記のようにサーチスペースがシステム情報で関連付けられない場合にも適用可能である。
一般に、無駄になるリソースブロックの数は、UL CCのアップリンクサーチスペースが、当該UL CCとシステム情報を介して関連付けられていないDL CCについてのダウンリンクサーチスペースとリソースブロックペアを共有する時に減る。
本発明の一実施形態によると、DL CCとUL CCのダウンリンクおよびアップリンク・グラントのサーチスペースの位置が合わせられ、DL CCとUL CCはシステム情報で関連付けられない。これに対応する例を図17に示す。具体的には、DL PCCのDLグラント、DL SCCのDLグラント、およびUL PCCのULグラントがDL PCCでスケジューリングされる。この例では、DL PCCとUL PCCがシステム情報に従って関連付けられるものとする。したがって、UL PCCのアップリンク・グラントのサーチスペースは、DL SCCのダウンリンク・グラントのサーチスペースと同じVRBを共有する。
図18に本発明のこの実施形態の効果をいくつか説明する。図18の(a)は、図17によるサーチスペースの構成の一部を示す。(b)の割当例1では、ダウンリンク・グラントがDL PCCについて割り当てられ、アップリンク・グラントがUL PCCについて割り当てられる。このような例では、アップリンク・グラントサーチスペースがDL PCCのサーチスペースとPRBペアを共有しないため、2つのPRBが無駄になる。(c)の別の割当例は、DL SCCのダウンリンク・グラントとUL PCCのアップリンク・グラントが割り当てられる場合を示す。この場合は無駄になるPRBがない。同様に、(d)の割当例3では、ダウンリンク・グラントがDL PCCとDL SCCに対して割り当てられ、アップリンク・グラントがUL PCCに対して割り当てられ、無駄になるPRBはない。このように、6つのPRBが無駄になる図9および図10を参照して説明した解決法と比べると、同様の割当例を比較した場合に無駄になるPRBは2つのみとなる。
本発明の別の実施形態を図19に示す。図19から分かるように、この例ではダウンリンクサーチスペースが別々に構成される。アップリンク・グラントサーチスペース候補は、ダウンリンクサーチスペースに対して分散され、アグリゲーションレベルごとに第2スロットのPRBに連続的にマッピングされる。したがって、UL PCCのアップリンク・グラント候補が、各DL CC(この場合はDL PCCおよびDL SCC)の最初の数個のダウンリンク・グラント候補と同じVRBを共有する。この例でも、等しい数のアップリンクサーチスペース候補がダウンリンクサーチスペースに分散されることに留意されたい。ただし、本発明はこれに限定されず、候補は、あるCCのダウンリンクサーチスペースとVRBを共有する候補が別のCCよりも多くなるように分散させてもよい。
図20に別の例を示す。この場合は各DL CCのダウンリンク・グラント候補が、VRB領域で連続しており、またUL PCCのすべてのアップリンク・グラント候補がVRB領域で連続している。この変形例の利点は、アップリンク・グラント候補が連続することである。連続したアップリンク・グラント候補は、リリース10のPDCCHの設計とより整合する。図20から理解できるように、アップリンク・グラントサーチスペースが連続している(空白がない)場合でも、アップリンクの候補は、各アグリゲーションレベルでアップリンクのコンポーネントキャリアのサーチスペースに分散される。ただし、本発明はこれに限定されず、一般には、1つまたは複数の選択されたアグリゲーションレベルの候補のみがそのように分散される構成も可能である。
図21に、図12を参照して説明した例と多少類似する例を示す。ただし、図21の例では、各アグリゲーションレベルの少なくとも1つのアップリンク・グラント候補が、DL PCCのDLグラント候補と同じVRBを共有する。別々に構成された3つのDL CCと1つのUL CCがあり、すべてが1つのDL CCでスケジューリングされている。アグリゲーションレベル4および8のアップリンク・グラント候補は2つしかない。本発明のこの実施形態によると、アグリゲーションレベル4および8の1つのULグラント候補が、DL PCCの対応するアグリゲーションレベルのダウンリンク・グラント候補と同じVRBを共有する。アグリゲーションレベル4および8のその他のアップリンク・グラント候補は、DL SCC1またはDL SCC2のVRB内で割り当てることができる。本発明は図21に示す構成に限定されない。具体的には、レベル4のアップリンクサーチスペース候補は、DL PCCおよびDL SCC1に分散することができ、一方、レベル8のアップリンクサーチスペース候補はDL PCCおよびDL SCC2に分散する、またはその逆が可能である。他の構成も可能である。図21は、図12と同様に、より高い周波数ダイバーシティゲインを得るために、アップリンクサーチスペース候補を、ダウンリンクサーチスペースの先頭に対してシフトすることを示している。ただし、本発明はそのようなシフトを行わずに適用することも可能である。
図21を参照して説明した実施形態の利点の1つは、アップリンク・グラントを常に、DL PCCサーチスペースと共有されるVRBに割り当てることができることである。したがって、DL PCCのVRBにあるアップリンク・グラント候補が変更されないため、DL CCの再構成およびクロスコンポーネントキャリアスケジューリング手順の再構成時に、アップリンク・グラントをなおスケジューリングすることができる。
図22に本発明の別の実施形態を示す。3つのコンポーネントキャリアDL PCC、DL SCC1、およびDL SCC2それぞれのダウンリンクサーチスペースの構成は、図21に示す構成と同様である。ただし、この実施形態では、アップリンク DCIフォーマットの異なる値に対して異なるアップリンク・グラント候補が割り当てられる。例えば、DCIフォーマット0は、DL CCの再構成およびクロスコンポーネントキャリアスケジューリング手順の再構成時に使用される場合があるデフォルト・モードに使用される可能性がより高い。このため、各アグリゲーションレベルのDCIフォーマット0についての少なくとも1つのULグラント候補が、DL PCCサーチスペースのVRBを共有する。各アグリゲーションレベルのDCIフォーマット0の他のアップリンク・グラント候補は、DL SCCサーチスペースのVRBに割り当てられる。PRBリソースを節約するために、DCIフォーマット4のアップリンク・グラント候補については、DL PCCのサーチスペースはDL SCCのサーチスペースよりも高い優先度を有する。図22に示すように、アグリゲーションレベル4および8のDCIフォーマット0の2つのULグラント候補がDL PCCおよびSCC1のサーチスペースのVRBに割り当てられ、アグリゲーションレベル4および8のDCIフォーマット4の2つのULグラント候補がDL SCC1およびSCC2のサーチスペースのVRBに割り当てられる。ただし、この実施形態は図22に示す例に限定されない。具体的には、アグリゲーションレベル4またはアグリゲーションレベル8、あるいは別のアグリゲーションレベル、あるいは複数のアグリゲーションレベルについてのみDCIフォーマットを考慮することも可能である。
図12、図21、および図22で説明した例はすべて、第1スロットに3つのサーチスペースがある例を示している。そのような場合は、特定サイズの第2スロットの候補の数が偶数である時には、そのサイズの候補は3つのサーチスペースに対して均等に分散させることができない。さらに、それらの例では、アグリゲーションレベル(サイズ)が4の候補は2つしかないことを想定している。その結果、サイズ4の2つの候補は、3つのサーチスペース(2つのキャリアそれぞれに関連する)のうち2つにそれぞれマッピングすることしかできない。同じことがアグリゲーションレベル8にも当てはまる。
図12を参照して説明した実施形態によると、セカンダリサブキャリアへのマッピングが優先される。この優先は、サーチスペースの構成に種々の形で反映させることができる。例えば、SCCのサーチスペースにマッピングされた同じサイズの候補がPCCのサーチスペースよりも多くなるようにすることができる。より具体的には、PCCには特定サイズの候補がゼロ個であってもよく、一方、1つまたは複数のSCCには同じサイズの候補がいくつかある。
あるいは、図21を参照して説明した実施形態は、PCCを優先させる別の方式を示す。同様に、様々な形でその優先をサーチスペースの構成に表すことができる。例えば、各アグリゲーションレベルの少なくとも1つのUL CC候補がDL PCCの候補と同じサブキャリアにマッピングされる。あるいは、DL PCCにマッピングされた任意サイズのUL CC候補の数を、1つまたは複数のDL SCCにマッピングされた候補の数より多くする。任意のSCCにマッピングされる候補の数はゼロであってもよい。
両方の優先付け手法とも、上述したようにそれぞれ利点がある。サーチスペースの特定の構成は、所望のシステム構成に応じて選択することができる。
図22を参照して説明した例では、加えて、異なるダウンリンク制御情報フォーマットに対して異なるUL CCのサーチスペースの構成を指定することが可能となる。
図22を参照して説明した実施形態の利点は、DCIフォーマット0を使用して、再構成手順時にアップリンク・グラントをなおスケジューリングできることである。同時に、DCIフォーマット4が通常使用される場合は、アップリンク・グラント候補がDL SCCのDLグラント候補と同じVRBを共有するので、無駄になるPRBを減らすことができる。
図23および図24は、候補アグリゲーションレベルが2の場合に本発明の各種実施形態で達成することが可能な改善を要約した表を含む。
具体的には、図23の表は、2つのDL CCそれぞれについての2つのダウンリンクサーチスペースとUL CCについての1つのアップリンクサーチスペースとを含むサーチスペース構成の場合に無駄になるPRBの数を示す。同表では、ダウンリンク・グラントおよびアップリンク・グラントともアグリゲーションレベル2を使用するものとする。1番目の列は、想定されるダウンリンクサーチスペースの割当を示し、2番目の列は、アップリンクサーチスペースの割当を示す。具体的には、「0」は、DL/UL CCがスケジューリングされないことを意味し、「1」はDL/UL CCがスケジューリングされることを意味する。3番目の列は、図9を参照して説明した構成の場合に無駄になるPRBの数を示す。4番目の列は、図17を参照して説明した構成の場合に無駄になるPRBの数を示す。最後の列は、図11を参照して説明した構成の場合に無駄になるPRBの数を示す。表から理解されるように、図11の解決法ではその他の2つの解決法よりも多くの場合で無駄になるPRBがない。図17の解決法では、図9の解決法よりも多くの場合で無駄になるPRBがない。図11の解決法では、他の2つの解決法と比べた時に無駄になるPRBの平均数および最大数の点でも利得が得られる。図17の解決法も、無駄になるPRBの平均数および最大数の点で図9の解決法より性能がよい。
図24の表は、種々の数のダウンリンクおよびアップリンクのコンポーネントキャリアの場合に無駄になるPRBのより広範な一覧を提供する。1番目の列はDL CCの数を示す。2番目の列はUL CCの数を示す。3番目の列は、図9の解決法の場合に無駄になるPRBの平均数を示す。4番目の列は、図17の解決法の場合に無駄になるPRBの平均数を示す。最後の列は、図11の解決法の場合に無駄になるPRBの平均数を示す。図23および図24の表の平均は、3つの可能な割当構成にまたがって計算されたものである(図10、図13、図18を参照されたい)。各行は、ダウンリンクおよびアップリンクのコンポーネントキャリアの数の構成の1つである。構成ごとに、図23の表のような表を形成することができる。表には、アップリンク・グラントを割り当てない場合を除く、ダウンリンク・グラントおよびアップリンク・グラントのすべての可能な割当を掲載している。これは、アップリンク・グラントが割り当てられない場合には、アップリンク・グラントサーチスペースをマッピングする解決法は役に立たないためである。可能な割当ごとに、無駄になるPRBの数を計数する。無駄になるPRBの平均数は、すべての可能な割当における平均である。
表から理解できるように、すべての場合に、図11を参照して説明した主要な解決法が他の2つの解決法を上回る効果をもたらす。ダウンリンクとアップリンクのコンポーネントキャリアが非対称の場合には、図11を参照して説明した解決法が常に図9の解決法よりも良好に機能する。図12〜16および図19〜22を参照して説明した解決法も、図11を参照して説明した解決法のようにアップリンクサーチスペース候補を異なるダウンリンクサーチスペースに分散させることにより、同じ効果が得られることに留意されたい。
一般に、本発明の実施形態により構成されるサーチスペースは、固定的、静的、準静的、または動的に構成することができる。上記LTEシステムのための実施形態に照らすと、送信ノードはドナーeNodeB410であり、受信ノードは中継ノード420である。モニタ対象として特定の中継ノードに割り当てられる候補の観点からは、サーチスペースの構成は動的に行うことができる。R−PDCCHの伝送に利用できるリソースの点からは、サーチスペースの構成は準静的(例えばRRCごと)に構成、または固定することができる。ただし、本発明および上記のサーチスペースの構成の実施形態は、ユーザ機器などの他のノードにも等しく適用することができる。
本発明の有利な実施形態によると、受信ノードは中継ノードであり、送信ノードはeNodeBであり、制御情報は、上記のように構成されたR−PDCCHのサーチスペースを通じて通信されるアップリンク/ダウンリンク・グラントである。そのような受信ノードおよび送信ノードによって行われるステップの例を図25に示す。
図25では、実線は、送信ノードが受信ノードで復号すべきコンポーネントキャリアに関連する制御情報をサーチスペースにマッピングする(2530)、本発明の実施形態を表す。ここでは、サーチスペースは、上記例のいずれかに従って構成される。具体的には、サブフレームはリソース単位にさらに分割され、制御情報は、リソース単位にマッピングされたサーチスペースを定義する候補のセットからブラインド復号される。候補は、CCEまたはその集約(アグリゲーション単位)などの1つまたは複数のリソース単位を含むことができる。上記のように、異なるコンポーネントキャリアに関係する候補のサーチスペースは、サブフレーム中のリソース、すなわちサブフレームの第1および第2スロットにマッピングされる。第1スロットおよび第2スロット内のサーチスペースの少なくとも1つまたは複数の候補が同じリソースブロックペアを共有する。また、第1および第2スロットのそれらのサーチスペースは、システム情報で関連付けられないコンポーネントキャリア、すなわちそのリソースがセル内でブロードキャストされる制御情報によって関連付けられないコンポーネントキャリアそれぞれに関連する。
送信機は、特定の受信ノードに対する候補に制御情報をマッピングし、その制御情報を送信する(2540)。受信ノードは、構成されたサーチスペースの候補をブラインド復号し(2570)、そこから制御情報を取得する(2580)。その制御情報は目的に従ってさらに処理される。
上記のように、サーチスペースは、一般に、固定的、静的、準静的、または動的に構成することができる。図25の点線は、送信ノードが最初にサーチスペースの構成(すなわち、制御情報および/または特定の受信ノードがモニタすべき候補を伝送する制御チャネルのマッピングに利用可能なリソース)を選択する(2510)、本発明の実施形態を示す。次いで、選択された構成が受信ノードに通知される(2520)。受信ノードはサーチスペースの構成の通知を受け取り(2550)、モニタする(ブラインド復号する)サーチスペースをそれに従って設定する(2560)。一般には、送信ノードに代えて受信ノードがサーチスペースを構成してよい。
具体的には、上記のLTEの実施形態に照らすと、送信ノードはドナーeNodeB510であり、受信ノードは中継ノード520である。モニタ対象として特定の中継ノードに割り当てられる候補の観点からは、サーチスペースの構成は動的に行ってよい。R−PDCCHの伝送に利用できるリソースの点からは、サーチスペースの構成は準静的(例えばRRCごと)に構成、または固定することができる。
さらに、本発明の各種実施形態は、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュール、または直接ハードウェアとして実施することができる。また、ソフトウェア・モジュールとハードウェア実装の組み合わせも可能である。ソフトウェア・モジュールは、例えばRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、レジスタ、ハード・ディスク、CD−ROM、DVD等の任意種のコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。
実施形態の大半は、3GPPに基づく通信システムのアーキテクチャに関連して概説し、上記の項で使用した用語は主として3GPPの用語に関連する。ただし、それらの用語および3GPPに基づくアーキテクチャに関する各種実施形態の説明は、本発明の原理および概念をそのようなシステムのみに限定するものではない。また、上記背景技術の項の詳細な説明は、本明細書に記載される主として3GPPに特有の例示的実施形態をよりよく理解することを目的としたものであり、本発明を、記載される移動通信ネットワークにおける処理および機能の具体的な実装に限定するものとは解釈すべきでない。それでも、本明細書に提案される概念およびサブフレーム構造は、背景技術の項に記載されるアーキテクチャで容易に適用することができる。さらに、本発明の概念は、3GPPで現在論議されているLTE−A RANでも容易に使用することができる。
要約すると、本発明は、キャリアアグリゲーションをサポートするシステム内で制御情報を送信および受信することに関する。制御情報のサーチスペースは、それぞれのコンポーネントキャリアによって決定される少なくとも2つのサーチスペースがサブフレームの第1スロットにあり、さらに別のコンポーネントキャリアによって決定される別のサーチスペースが第2スロットにあるように構成され、第1スロットのサーチスペースの少なくとも1つの候補が、第2スロットのサーチスペースの少なくとも1つの候補と同じリソースブロックペアにマッピングされる。