JP2014506471A - タンパク質分泌 - Google Patents

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Abstract

細菌性発現構築物は、SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列を含み、前記分泌ユニットペプチド5は、前記オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含む。そのような発現構築物と、関連する核酸およびペプチドとは、宿主の細菌細胞から細胞培養培地への目的タンパク質の発現に適用される。

Description

本発明は、細菌性タンパク質発現構築物と、目的タンパク質を細胞から細胞培養培地に直接分泌させるために使用することができるペプチドと、関連する核酸およびペプチドとに関する。
国際バイオ医薬品協会は、2003年にバイオ医薬品業界が270万人以上を雇用し、実質生産量において1720億ドルの利益を出したと述べた。現在の推定では、2014年までに全雇用への影響は360万以上に増加し、実質生産量は3501億ドルに達するであろうとのことである。バイオ医薬品業界は、組換えタンパク質の製造(RPP)を必要としている。しかしながら、RPPにはいくつかの障壁があり、(1)生物学的製品は、多くの場合、遅く、複雑な製造方法と一連の分析技術とを必要とする複雑な分子であるので、開発を加速させる新しい道具および方法が必要であり、(2)モノクローナル抗体などの製品に対する需要は、効率の向上を求めており、(3)生体分子の複雑さは、製品の純度および均質性に影響を与える処理条件を制御するという点で課題を提示する。これらの障壁を克服するための研究は、最優先事項である。
細菌性タンパク質発現系にとって、目的の組換えタンパク質の工業規模での製造に有用であるために、多くの重要な特徴を備えていることが望ましい。前記系は、標準的な分子生物学的技術によって容易に処理されるべきである。それは、工業規模の製造のために一般的に使用される細菌株を使用することができるべきである。前記系は、目的の組換えタンパク質のサイズにおける最小の制限をもたらすべきである。それは、分泌に影響を与えるために、目的の組換えタンパク質へのアミノ酸の最小付加を必要とするべきである。前記系は、無視できる有害な影響を宿主細胞の生存率および完全性にもたらすべきである。それは、市販することができるように目的タンパク質の十分に多くの量を製造するべきである。前記目的の組換えタンパク質は、最小の処理不純物を分離することができるような方法で製造されるべきである。
目的の組換えタンパク質が正しく折り畳まれて培養液に分泌される、最小の追加のアミノ酸を用いる細菌発現系は、(1)精巧な抽出技術の必要性を取り除き、(2)処理の不純物の多様性および量を顕著に減少させ、(3)下流の処理(DSP)単位操作の程度および/または数を減少させ、(4)全処理のロバスト性を高め、(5)処理の開発時間を加速させ、(6)一方、開発および製造費用を低下させ、(7)タンパク質の市場投入までの時間を加速させる。
様々な理由で、バイオ医薬品および他の目的の組換えタンパク質の製造のために選択される宿主細胞は、細胞質またはペリプラスムを標的にするタンパク質を有するE. coliである。このような組換えタンパク質の製造は、目的タンパク質をコードする特定の遺伝子をクローニングおよび発現する能力によってほとんど制限されない。実体的な障害は、タンパク質折り畳み、翻訳後修飾、および分泌から生じる。E. coliの細胞質において過剰発現された組換えタンパク質は、多くの場合、正しく折り畳まれた形ではなく、「封入体」として誤って折り畳まれた形で蓄積される。これに対して、ペリプラスム標的タンパク質の蓄積は、多くの場合、細菌の増殖および生存に有害な影響を与える。しかしながら、両者の場合において、宿主細胞から目的タンパク質を放出するために、機械的または化学的抽出法が使用されなければならない。これらの処理は、宿主細胞タンパク質、DNA、エンドトキシン、および全細胞自体、または細胞断片のような、膨大な「処理不純物」と、目的タンパク質の凝集体、酸化形態または非機能フォームなどの「製造不純物」とに関連している。
このような背景のもと、本発明者らは、目的タンパク質が細菌細胞から培養培地に分泌されるタンパク質発現系を開発することを検討した。
E. coliおよび他のグラム陰性細菌は、細胞膜の二重層を有することを特徴とする。内側の形質膜と外側の外膜である。内膜と外膜との間の空間は、細胞膜周辺腔、またはペリプラスムである。E. coliおよび他のグラム陰性菌は、ほとんどタンパク質を分泌しない。なぜなら、外膜の存在が、細胞外環境への目的タンパク質の放出に対する障害をもたらすからである。外膜の障害を克服し、効率的なレベルで目的タンパク質の細胞外局在を達成するために、グラム陰性菌外膜分泌系の1つを、目的タンパク質の分泌を試し、駆動するために利用することができる。
グラム陰性細菌のタンパク質分泌経路の分子解析は、少なくとも7つの主要な、別個の保存されたタンパク質分泌の機構の存在を明らかにした。これらの経路は外膜の転位に対して機能的に独立した機構であり、いくつかの系の内膜輸送工程に共通点が存在する。これらの経路は、I、II、III、IV、V、VI型、およびシャペロン−先導体経路と番号を付された。
細胞外タンパク質の商業生産のほとんどの試みは失敗した。細菌のシャペロン−先導体系とI〜III型のタンパク質分泌系とは、外来タンパク質を、細胞の表面に、または細胞外環境に移動させるために採用された。しかしながら、これらは多くの異なる理由のために商業的成功を収めていないが、主にこれらの系の複雑さ(3〜20の異なるサブユニットからなる)が非天然タンパク質を分泌することを困難にしている。付加的な要因は、I型およびIII型の系を介して標的とされるタンパク質が、分泌機構のための非切断標的シグナルを有することである。
オートトランスポータ(AT)タンパク質分泌経路は、V型分泌に含まれる。3〜>20の異なるタンパク質に至るまで、複数のサブユニットから構成される他の分泌システムとは対照的に、ATは単一のポリペプチドとしてコードされる。グラム陰性菌は、転位パッセンジャードメインの異なる範囲のサイズ(20〜500kDa)を有する様々な異なる機能の部分を分泌するためにAT系を利用する。
ATタンパク質分泌経路は、異なるグラム陰性細菌種の範囲内で同定された。全ての場合において、ATポリペプチドの構造は保存されており、表面上は3つの別個のドメインからなり、(i)N末端シグナル配列、(ii)機能的「パッセンジャー」ドメイン、および(iii)C末端βドメインである。第1に、ATは、広範なペリプラスムの標的シグナル配列ペプチドによって、内膜を横切って転位される。内膜を通る輸送の後、シグナル配列ペプチドが除去され、ATタンパク質の残りの部分はペリプラスム中に放出される。C末端βドメインは、細菌細胞の外膜に挿入する特徴的なβバレル構造を取る。続いて、ATポリペプチドの「パッセンジャー」ドメインは、βバレル構造の細孔を通って細胞表面に転位される。1度押し出されれば、パッセンジャードメインは、N近傍に位置する機能ドメインを有する細胞表面上で天然構造を取る。
細胞表面への押し出し後、「パッセンジャー」ドメインは、無傷の外膜タンパク質としてβドメインに共有結合したままでもよく、別の「パッセンジャー」および転位ユニットドメインに切断されてもよい。切断されたパッセンジャードメインは、細胞外環境に放出されてもよい。いくつかの場合では、パッセンジャードメイン切断は自己タンパク質分解である。
したがって、AT分泌系は、目的タンパク質をコードする配列を有する天然パッセンジャードメインをコードするDNAを交換するための標準的な分子生物学的技術を用いて、細胞表面上に機能的に異なる様々な組換えタンパク質を提示するために利用することができる。AT分泌系は、細胞の生存能力を阻害する、または細胞の完全性を低下させることなく、多数の天然分子(10/細胞と同数)を外膜に挿入することができる。
また、目的タンパク質を細菌細胞から分泌させ、それを培養培地に放出させるためのATの使用も検討された。しかしながら、この目的のためのATの使用は、βドメインから切断されるパッセンジャードメインによる機構のために制限される。したがって、これまでに行われた研究の全ては、細胞外環境への放出よりも、分泌された目的タンパク質の表面提示に実質的に焦点を当てていた。
このような背景に対して、本発明者らは、細菌細胞からの目的タンパク質の直接分泌と、その後のATポリペプチドからのそれらのタンパク質の培養培地への放出とを利用するためにATポリペプチド系を検討した。それらは、「分泌ユニット」と称され、直接分泌と宿主細胞からのタンパク質の放出とのために十分であるSPATE型ATポリペプチドに由来するβドメインの最少断片に決定された。
したがって、本発明の第1の態様は、SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列を含む細菌性発現構築物であって、分泌ユニットペプチドが、オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含むことを特徴とする細菌性発現構築物を提供する。
組換えタンパク質の製造のための効果的な系であるために、オートトランスポータ系は、組換え目的タンパク質が細胞外環境に放出される場合に自動処理を受ける必要がある。本発明者らは、可溶性形態で培養上清中にタンパク質分泌をもたらす系を考案した。この系は、ATポリペプチドのSPATE型に基づくものである。本発明者らは、その種の例として、PetおよびPic ATポリペプチドを使用した。
Petは、腸管凝集性E. coliによって分泌されるエンテロトキシンであり、SPATEs(腸内細菌科(Enterobacteriaceae)のセリンプロテアーゼオートトランスポータ)と称されるオートトランスポータのサブグループに属している。Petは、SecB依存的に内膜を通るタンパク質輸送に必要なN末端シグナル配列と、エフェクター機能(セリンプロテアーゼ)がコードされるパッセンジャードメインと、細胞表面へのパッセンジャードメインの転位を媒介するC末端βバレルとを保持している。
βバレルに付着したままであるか、または外膜に結合したままである他の多くのオートトランスポータとは異なり、Petを含むSPATE型ATについて、パッセンジャードメインは切断され、細胞外環境に分泌される。オートトランスポータ分泌機構の見かけの単純さとこの特性によって、SPATE型ATは、培養培地中への可溶性組換えタンパク質の分泌のために利用することができる。
しかしながら、これまで、効果的な分泌と可溶性組換えタンパク質の放出とに必要なSPATE ATsに由来するアミノ酸の最小長さは決定されていなかった。上述のように、分泌をもたらすために目的の組換えタンパク質にアミノ酸の最小限の領域を付加することが望ましい。なぜなら、目的の組換えタンパク質に多くのアミノ酸が追加されれば、追加されたアミノ酸が目的の組換えタンパク質、または回収されたタンパク質の生体適合性の機能に影響を与えると考えられるからである。
本発明者らは、300アミノ酸未満の「分泌ユニット」ペプチドを決定した。前記分泌ユニットは、SPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含み、効果的に細菌細胞から目的タンパク質を分泌させ、培養培地中へのその放出を媒介することができる。
重要なことは、「分泌ユニットペプチド」は、直接の効率的な分泌と培養培地への目的タンパク質の放出とのために、SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドの「パッセンジャードメイン」(「パッセンジャードメイン」は、タンパク質の機能的部分、オートシャペロンドメイン(AC)および疎水性分泌ファシリテータを含み、発明者らは「HSF」と名付けた)の任意のアミノ酸配列を含む必要がないことである。
この知見は驚くべきであり、予想外である。SPATE型ATポリペプチドの最近の研究では、ATポリペプチドのパッセンジャードメインの「オートシャペロン」(AC)領域に由来する追加のアミノ酸は、細菌細胞から目的タンパク質を効果的に分泌し、培養培地中へのその放出を媒介するために必要であると結論付けられた。たとえば、Soprova(Soprova et al (2010) J. Biol Chem 285, 38224-38233)は、オートトランスポータヘモグロビンプロテアーゼ(HBP)のAC領域におけるアミノ酸残基がATの転位のために必要であると結論付けた。Binder(Binder et al (2010) J. Mol. Biol 400, 783-802)も、SPATE型ATポリペプチドのパッセンジャードメイン、およびそのHSFドメインの領域は、細胞表面上にタンパク質を正しく提示するために必要であると結論付けている。Jong(Jong et al (2010) Curr. Opin. Biotech 21, 646-652)は、培養培地中へのタンパク質の分泌、または細胞表面上への提示のためのATの利用に向けた最近の進捗を報告している。また、この論文は、目的タンパク質がパッセンジャードメインのオートシャペロン領域に融合されており、オートシャペロンドメインは外膜を通る効率的な転位のために重要であることも報告している。Peterson(Peterson et al (2010) PNAS 107, 17739-17744)は、SPATE型ATポリペプチドであるEspPのパッセンジャードメインの断片が、パッセンジャードメインの効率的な転位のために必要であることを報告している。
したがって、本発明までは、目的タンパク質が宿主細菌細胞から分泌され、培養培地に放出されることを確実にするためには、ATポリペプチドの「パッセンジャードメイン」の部分が保持され、目的タンパク質に融合していなければならないことがこの分野の研究における合意のとれた意見であった。
本発明者らは、このことが正しくないことを示した。「分泌ユニットペプチド」は、SPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドの「パッセンジャードメイン」に由来する任意のアミノ酸配列を含む必要がない。したがって、本明細書において与えられる本発明の態様は、SPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含み、オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含む「分泌ユニット」がこの目的にとって十分であるという驚くべき知見に基づくものである。
本発明の一実施形態は、分泌ユニットペプチドがSPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドの「パッセンジャードメイン」に由来する任意のアミノ酸配列を含まないものである。
上述のように、本発明の第1の態様は、細菌性発現構築物を提供する。発現構築物は、細菌細胞から細胞外環境への目的タンパク質の効率的な発現および分泌のために使用される。使用時において、目的タンパク質をコードする遺伝子は、分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列に作動可能に連結されるように、発現構築物中にクローニングされる。適当な宿主細胞、たとえばE. coliなどのグラム陰性細菌への細菌性発現構築物の導入において、目的タンパク質および分泌ユニットペプチドは単一の融合ポリペプチド分子として形成される。
ペリプラスムへの融合ポリペプチド分子の転位において、融合ポリペプチドの分泌ユニットペプチド構成要素は、外膜を通る目的タンパク質の転位と、それを融合ポリペプチドから細胞培養培地へ放出することとの両者を媒介する。一度放出されれば、目的タンパク質は、当該技術分野における標準的な技術を用いて、細胞培養培地から回収することができる。したがって、本発明は、目的タンパク質を製造するために非常に有用である、細菌性発現構築物、関連するペプチドおよび核酸分子を提供する。
「細菌性発現構築物」について、前記構築物は、細菌性宿主細胞における組換えポリペプチドの発現を導くために用いることができる、当該技術分野において公知の発現構築物に基づくものである。
「発現構築物」は、当該技術分野において周知の用語である。発現構築物は、バイオテクノロジー、およびタンパク質の製造のための基本的な道具である。一般的に、それは、標的細胞である「宿主細胞」に特定の遺伝子を導入するために使用されるプラスミドを含む。一度発現構築物が細胞内に入ると、その遺伝子によってコードされるタンパク質は、細胞の転写および翻訳機構リボソーム複合体によって製造される。また、プラスミドは、ベクターの維持および増殖に必要な核酸配列も含む。発現ベクターの目的は、多量の安定したメッセンジャーRNA、よってタンパク質の製造である。
細菌への導入のための核酸を含む適切な発現構築物を、プロモータ配列、ターミネータ断片、エンハンサ配列、マーカ遺伝子、およびその他の適切な配列などの適切な調節配列を含めて、選択または構築することができる。さらなる詳細については、たとえばMolecular Cloning: a Laboratory Manual: 2nd edition, Sambrook et al., 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照のこと。
多くの場合、プラスミドは、エンハンサおよびプロモータ領域として機能する調節配列を含み、発現ベクターに保持される遺伝子の効率的な転写を導くように設計される。制御ユニットの大部分は、異種遺伝子のコード配列の上流に位置しており、それに作動可能に連結されている。また、発現カセットは、ポリアデニル化部位を含む下流の3’非翻訳領域も含むことができる。調節配列は、異種コード配列の恒常的または誘導的発現を導くことができる。
一例として、発現構築物は汎用PASK-IBA33plus発現ベクターに基づいてもよく、組換えタンパク質の発現はE. coli TOP10株におけるtetプロモータ/オペレータから誘導することができる。
「目的タンパク質」、または本明細書において互換的に使用することができるような「組換えタンパク質」、「異種タンパク質」、「異種コード配列」、「異種遺伝子配列」、「異種遺伝子」、「組換え遺伝子」もしくは「目的遺伝子」のような他の用語について、これらの用語は、哺乳動物細胞で発現し、大量に回収されることが求められるタンパク質産物、またはそのようなタンパク質をコードする核酸配列を表す。遺伝子産物は、タンパク質またはポリペプチドだけでなく、ペプチドであってもよい。
当業者によって理解され得るように、目的タンパク質は、任意の目的タンパク質、たとえばインターロイキン、または酵素、または抗体もしくはその断片のような多量体タンパク質のサブユニットなどの治療用タンパク質であってもよい。
誤解を避けるために、本発明の第1の態様の細菌性発現構築物は、目的タンパク質をコードする1以上の核酸を含むことができる。
本発明の第1の態様の細菌性発現構築物は、SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列を含む。「分泌ユニットペプチド」について、本発明者らは、ペプチドが、SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、αヘリックスと、リンカと、βバレル領域とを含むことを意味する。
SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのβドメインは、よく特徴付けられている。βドメインの特定のサブ領域、すなわちαヘリックス、リンカ、およびβバレル領域は、当該分野において周知の用語である。
誤解を避けるために、本発明の第1の態様の細菌性発現構築物内の核酸配列によってコードされる「分泌ユニットペプチド」は、結合された目的タンパク質を転位できないように改変されたATポリペプチドから誘導されるペプチドを含まない。
多くのSPATE型細菌性ATポリペプチドが知られている。したがって、分泌ユニットペプチドは、任意のSPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含んでもよい。SPATE ATポリペプチドの異なる種類の例は、Pet、Sat、EspP、SigA、EspC、Tsh、SepA、Pic、Hbp、SsaA、Eat A、EpeA、EspI、PicU、Vat、Boa、IgA1、Hap、App、MspA、EaaAおよびEaaCと、さらに相同なポリペプチドとを含む。したがって、本発明の第1の態様の実施形態は、分泌ユニットペプチドがこれらのATポリペプチドまたはその分泌ユニットが、同じ機能を有する相同ポリペプチドのいずれか1つから得ることができるものである。
「相同ポリペプチド」について、本発明者らは、上記に列挙されたものを含む、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の類似性または同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを意味する。
一実施形態では、SPATE型細菌性ATポリペプチドは、Pet、Sat、EspP、SigA、EspC、Tsh、SepAまたはPicのC末端の300未満のアミノ酸を含む。
SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドの各種類の例は、当該技術分野において周知である。本発明の一実施形態は、前記分泌ユニットペプチドが、PET_ECO44、SAT_CFT073、ESPP_ECO57、SIGA_SHIFL、ESPC_ECO27、TSH_E.coli、SEPA_EC536、PIC_ECO44、SEPA_SHIFLから選択される1つ以上のSPATE型細菌性ATポリペプチドから得ることができるものである。
「得ることができる」について、本発明者らは、分泌ユニットペプチドが、特にSPATE型細菌性ATポリペプチドをコードする核酸の大部分に由来する核酸配列によってコードされる場合を含める。また、分泌ユニットペプチドは、所望のヌクレオチド配列を有する新規合成された核酸配列によってコードされてもよい。
Pet ATポリペプチドについて、αヘリックス領域は、本明細書の最後における配列番号1に示されるアミノ酸配列の1010〜1024に位置しており、リンカ領域は1025〜1033に位置しており、βバレル領域は1034〜1295に位置している。さらに詳しい情報は、GenBankアクセッション番号FN554767.1(Swiss-Protアクセッション番号O68900.1)に見出すことができる。Pet ATポリペプチドの1010〜1295の代表的なアミノ酸配列PET_ECO44は、本明細書の最後における配列番号2に示されている。PET_ECO44の分泌ユニットをコードする代表的な核酸配列は、本明細書の最後における配列番号3に示されている。
Sat ATポリペプチドについて、αヘリックス領域は、本明細書の最後において配列番号4で示されるアミノ酸配列の1014〜1028に位置しており、リンカ領域は1029〜1037に位置しており、βバレル領域は1038〜1299に位置している。さらに詳しい情報は、GenBankアクセッション番号AAN82067.1に見出すことができる。SAT_CFT073ポリペプチドの1014〜1299の代表的なアミノ酸配列は、明細書の最後において配列番号5に示されている。SAT_CFT073の分泌ユニットをコードする代表的な核酸配列は、本明細書の最後において配列番号6に示されている。
EspPポリペプチドについて、αヘリックス領域は、本明細書の最後において配列番号7に示されるアミノ酸配列の1015〜1029の領域に位置しており、リンカ領域は1030〜1038の領域に位置しており、βバレル領域は1039〜1300の領域に位置している。さらに詳しい情報は、Swiss-Protアクセッション番号Q7BSW5.1で見出すことができる。EspPポリペプチドESPP_ECO57の1015〜1300の代表的なアミノ酸配列は、本明細書の最後において配列番号8に示されている。ESPP_ECO57の分泌ユニットをコードする代表的な核酸配列は、本明細書の最後において配列番号9に示されている。
SigA ATポリペプチドについて、αヘリックス領域は、明細書の最後において配列番号10で示されるアミノ酸配列の1000〜1014に位置し、リンカ領域は1015〜1023に位置し、βバレル領域は1024〜1285に位置する。さらなる情報は、GenBankアクセッション番号AAF67320.1に見出すことができる。SigA ATポリペプチドSIGA_SHIFLの1000〜1285の代表的なアミノ酸配列は、本明細書の最後において配列番号11に示されている。SIGA_SHIFLの分泌ユニットをコードする代表的な核酸配列は、本明細書の最後において配列番号12に示されている。
EspC ATポリペプチドについて、αヘリックス領域は、本明細書の最後において配列番号13に示されるアミノ酸配列の1020〜1035の領域に位置しており、リンカ領域は1035〜1043の領域に位置しており、βバレル領域は1044〜1305の領域に位置している。さらなる情報は、Swiss-Protアクセッション番号Q9EZE7.2に見出すことができる。EspC ATポリペプチドESPC_ECO27の1020〜1305の代表的なアミノ酸配列は、本明細書の最後において配列番号14に示されている。ESPC_ECO27の分泌ユニットをコードする代表的な核酸配列は、本明細書の最後において配列番号15に示されている。
Tsh ATポリペプチドについて、αヘリックス領域は、明細書の最後において配列番号16で示されるアミノ酸配列の1092〜1106に位置し、リンカ領域は1107〜1115に位置し、βバレル領域は1116〜1377に位置する。さらなる情報は、GenBankアクセッション番号AAA24698.1に見出すことができる。Tsh ATポリペプチドTSH_E.coliの1092〜1377の代表的なアミノ酸配列は、本明細書の最後において配列番号17に示されている。TSH_E.coliの分泌ユニットをコードする代表的な核酸配列は、本明細書の最後において配列番号18に示されている。
SepA ATポリペプチドについて、αヘリックス領域は、明細書の最後において配列番号19で示されるアミノ酸配列の1091〜1105に位置し、リンカ領域は1006〜1114に位置し、βバレル領域は1115〜1376に位置する。さらなる情報は、NCBI参照配列YP_668278.1に見出すことができる。SepA ATポリペプチドSEPA_EC536の1091〜1376の代表的なアミノ酸配列は、本明細書の最後において配列番号20に示されている。SEPA_EC536の分泌ユニットをコードする代表的な核酸配列は、本明細書の最後において配列番号21に示されている。
Pic ATポリペプチドについて、αヘリックス領域は、本明細書の最後において配列番号22で示されるアミノ酸配列の1087〜1101に位置し、リンカ領域は1102〜1110に位置し、βバレル領域は1111〜1372に位置する。さらなる情報は、Swiss-Protアクセッション番号Q7BS42.2に見出すことができる。Pic ATポリペプチドPIC_ECO44の1087〜1372の代表的なアミノ酸配列は、本明細書の最後において配列番号23に示されている。PIC_ECO44の分泌ユニットをコードする代表的な核酸配列は、本明細書の最後において配列番号24に示されている。
また、SepA ATポリペプチドのさらなる例は、配列番号25に示されている。これは、SEPA_SHIFL ATポリペプチドである。αヘリックス領域は、本明細書の最後において配列番号25で示されるアミノ酸配列の1081〜1095に位置し、リンカ領域は1096〜1104に位置し、βバレル領域は1105〜1364に位置する。さらなる情報は、Swiss-Protアクセッション番号Q8VSL2.1に見出すことができる。SEPA_SHIFLの1079〜1364の代表的なアミノ酸配列は、本明細書の最後において配列番号26に示されている。SEPA_SHIFLの分泌ユニットをコードする代表的な核酸配列は、本明細書の最後において配列番号27に示されている。
当然のことながら、分泌ユニットペプチドをコードする核酸は、単一のSPATE型ATに由来するアミノ酸配列をコードすることができる。たとえば、上述のように、核酸配列はPet AT PET_ECO44の1010〜1295のアミノ酸をコードすることができる。また、核酸配列は、異なるSPATE型のATに由来する分泌ユニットの異なる領域をコードすることができる。たとえば、核酸配列は、Pet AT PET_ECO44のアミノ酸1010〜1024、次にSAT_CFT073の1029〜1037のリンカ領域、続いてEspPポリペプチドESPP_ECO57の1039〜1300のβバレル領域をコードすることができる。分泌ユニットペプチドを提供するための、アミノ酸のこの「混合」は、本発明の一実施形態である。
しかしながら、本発明の第1の態様の好ましい実施形態は、分泌ユニットが配列番号2、5、8、11、14、17、20、23もしくは26、またはそれらの変異体のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含み、前記変異体がペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介することができるものである。
本明細書で使用される用語「変異体」は、そのペプチドの生物学的機能を保持する分泌ユニットペプチド、すなわち目的タンパク質の細胞外分泌および放出を媒介することができるペプチドを表すために使用される。本明細書において示されるように、融合タンパク質中の前記分泌ユニットペプチドの使用は、細菌細胞からの前記タンパク質の分泌を増加させる。当業者は、配列番号2、5、8、11、14、17、20、23または26のいずれか1つの配列が、生物学的活性を失うことなく変更可能であることを知っていたであろう。特に、それぞれのアミノ酸の生理化学的性質に関する同種の変更は機能性を妨げないであろう。さらに分泌ユニットペプチドの非機能的な領域内の小さな欠失も許容され、したがって、本発明の目的のための「変異体」と考えられる。以下に記載の実験手順は、「変異体」が分泌ユニットペプチドとして機能するか否か、すなわち変異体が細胞外分泌および目的タンパク質の放出を媒介することができるか否かを決定するために当業者によって容易に採用されてもよい。
また、分泌ユニットペプチドのβバレル領域は、細胞外膜に挿入されるβストランドと、当該βストランドの間に位置し、細胞外環境に位置する表面ループとの2種類の構造的アミノ酸モチーフを含む。本発明者らは、βバレル領域内の表面ループのアミノ酸配列を変更、または除去することができ、それでも分泌ユニットペプチドが有効に機能することができることを示した。
したがって、「変異体」について、本発明は表面ループのアミノ酸配列が変更または欠失される場合も包含する。好ましくは、欠失は、ループ3(Pet AT配列番号1において使用される番号に係るアミノ酸1129〜1136)である。例示として、以下に提供されるような配列番号32は、ループ3が欠失されたPet AT分泌ペプチドのアミノ酸配列を提供する。
本発明の第1の態様の細菌性発現構築物内の核酸配列によってコードされる「分泌ユニットペプチド」は、SPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む。
したがって、本発明の細菌性構築物は、「全長」のSPATE型ATポリペプチドをコードする核酸配列を含まない。
上述のように、本発明の利点は、発明者らが、細菌細胞から目的タンパク質を分泌させ、培養培地へのその放出を媒介するために有効に利用することができるSPATE型ATポリペプチドの最小アミノ酸配列を決定したことである。このことは、有利である。なぜなら、効果的に分泌させるために、目的の組換えタンパク質に付加されたアミノ酸の小領域を有することが望ましいからである。
「300未満」のアミノ酸について、本発明者らは、核酸配列が、295、290、289、288、287、286、285、284、283、282、282、281、280、279、278、277、276、275、270以下のアミノ酸の分泌ユニットペプチドをコードする場合を含める。好ましくは、分泌ユニットペプチドは286アミノ酸を有する。本発明のいくつかの実施形態において、βバレル領域の表面ループ領域の1つ以上が除去されてもよい。「ループ3」が除去された場合、そのような実施形態では、核酸配列は278アミノ酸の分泌ユニットペプチドをコードする。
一実施形態において、核酸配列は、298未満、295未満、290未満、285未満、280未満、270未満、260未満、250未満、240未満、230未満または200未満のアミノ酸の分泌ユニットペプチドをコードする。
一実施形態において、核酸配列は、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも220、少なくとも230、少なくとも240、少なくとも250、少なくとも260、少なくとも270、少なくとも275、少なくとも280、または少なくとも285のアミノ酸の分泌ユニットペプチドをコードする。
一実施形態において、核酸配列は、286または294アミノ酸の分泌ユニットペプチドをコードする。
本発明の好ましい実施形態において、分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列は、配列番号3、6、9、12、15、18、21、24、27もしくは28、またはそれらの変異体のいずれか1つに示される核酸配列を含み、前記変異体は、ペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介することができる分泌ユニットペプチドをコードする。
「変異体」について、本明細書において核酸分子を表す際に、本発明者らは、核酸配列が上述のそれらの変異体を有する分泌ユニットペプチドをコードする場合を含める。また、当然ながら、配列番号3、6、9、12、15、18、21、24または27の核酸配列は、コードされた分泌ユニットペプチドのアミノ酸配列を変えることなく変更することができる。たとえば、核酸配列は、E. coliでの発現について「最適化されたコドン」であってもよく、通常の変更は当業者に周知である。さらなる変更は、発現構築物を使用する後続の遺伝子操作を容易にするために、複数の制限酵素部位を除去するようになされてもよい。
例示として、本発明者らは、コドンがE. coliにおける発現のために最適化されたPetオートトランスポータに由来する分泌ユニットペプチドをコードする配列番号28の核酸配列を提供する。
本発明の第1の態様の好ましい実施形態において、発現構築物は、SPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸からなる分泌ユニットをコードする核酸配列を含み、前記分泌ユニットペプチドは、オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含む。
好ましくは、核酸配列は配列番号2、5、8、11、14、17、20、23もしくは26、またはその変異体のいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなる分泌ユニットをコードし、前記変異体はペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介する。好ましくは、核酸配列は配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる分泌ユニットをコードする。
本願明細書は、代表的な分泌ユニットペプチドのアミノ酸配列だけではなく、そのようなペプチドをコードする核酸配列に関する詳細な情報を提供する。
したがって、本発明の細菌性発現構築物の調製は、いかなる創作性の要件も必要とすることなく、当該技術分野における情報を使用して容易に達成することができる。特に、本発明者らは、代表的な細菌性発現カセット(たとえば、汎用pASK-IBA33plus発現ベクターおよびpET22bベクター)の詳細と、分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列に関する詳細な情報とを本明細書において提供する。
したがって、当然のことながら、組換え核酸分子を処理するために一般的に使用される実験技術が、特許請求の範囲に記載された細菌性発現構築物を得るために使用することができる。
様々な方法が、たとえば相補的な付着末端を介して、ポリヌクレオチド、特にDNAをベクターに作動可能に連結させるために開発された。適切な方法は、Sambrook(Sambrook et al (1989) Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY)に記載されている。
本発明のポリペプチドをコードするDNAを改変する望ましい方法は、ポリメラーゼ連鎖反応を使用することである。この方法は、たとえば好適な制限部位での操作によって、DNAを好適なベクターに導入するために使用されてもよく、または当該技術分野で知られている他の有用な方法でDNAを修飾するために用いられてもよい。したがって、SPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列は、本明細書に提供される情報に従って容易に調製することができ、細菌性発現構築物内に位置してもよい。
本発明の第1の態様に係る細菌性発現構築物の例の作製についての記述は、本明細書に提供される。
本発明の第1の態様のさらなる実施形態は、細菌性発現構築物が、5’から分泌ユニットのN末端アミノ酸をコードする核酸配列までに位置するマルチクローニングサイトをさらに含むものである。
用語「マルチクローニングサイト」は、当該分野で周知である。「ポリリンカ」とも称され、それは、多数の制限部位を含むDNAの短いセグメントであるので、分子クローニングまたはサブクローニングを伴う処理を用いる発現構築物における核酸配列の挿入を容易にする。
本発明の第1の態様のさらなる実施形態は、細菌性発現構築物が細菌内膜のシグナルペプチドをコードする核酸配列をさらに含む。
上記に簡潔に述べたように、Pet ATポリペプチドは、SecB依存的に内膜を貫通するタンパク質輸送に必要なN末端シグナル配列を保持している。Petに使用されるN末端シグナル配列の例は、本明細書の最後において配列番号29に示され、配列番号1に示されるPet配列に由来する最初の52アミノ酸に対応する。
配列番号29をコードする核酸配列の例は、本明細書の最後において配列番号30に示されている。
上述のように、Petオートトランスポータをコードする核酸配列は、E. coliにおける発現のために「コドン最適化」された。本発明者らは、本明細書の最後の配列番号31において、Petに使用されるN末端シグナル配列をコードする核酸配列を提供する。
しかしながら、当然に、細菌の内膜シグナルペプチドは容易に用いることができるので、本発明のこの実施形態に記載されたような細菌の内膜シグナルペプチドをコードするさらなる核酸配列は、当業者によって容易に同定され得る。実際に本発明者らは、異なる内膜転位経路を標的とする複数の異なるシグナル配列が、Petをペリプラスムに向けるために使用することができることを示した(Ley ton et al (2010) FEMS Microbiol Letts, 311, 133-139)。
本発明の一実施形態は、発現構築物が、(i)細菌の内膜シグナルペプチドをコードする核酸が、作動可能に3’末端で(ii)マルチクローニングサイトに連結され、当該マルチクローニングサイトが、作動可能に3’末端で(iii)分泌ユニットをコードする核酸に連結された構造を有する。
このような構成において、目的タンパク質をコードする遺伝子が、目的タンパク質を分泌ユニットペプチドに作動可能に連結するようにマルチクローニングサイトに配置されるとき、好適な宿主細胞への導入時において、細菌性発現構築物は、(i)N末端細菌性内膜シグナルペプチド、(ii)目的タンパク質、(iii)C末端分泌ユニットペプチドを有する異種ポリペプチド分子をコードするであろう。このような異種ポリペプチド分子はペリプラスムに排出され、内膜シグナルペプチドは切断され、挿入/分泌ユニットペプチド融合タンパク質は外膜を横切って転位されるであろう。その後、分泌ユニットペプチドは、切断され、目的タンパク質は、細胞外環境に放出されるであろう。
本発明の一実施形態は、マルチクローニングサイトに位置する目的タンパク質をコードする第2核酸配列をさらに含む発現構築物であり、第2核酸は目的タンパク質が分泌ユニットペプチドに作動可能に連結されるように配置される。
本発明のさらなる実施形態は、発現構築物が、(i)細菌の内膜シグナルペプチドをコードする核酸が、作動可能に3’末端で(ii)マルチクローニングサイトに連結され、当該マルチクローニングサイトが、作動可能に3’末端で(iii)分泌ユニットをコードする核酸に連結された構造を有する組換えポリペプチドをコードするものである。
以下の実施例1においてさらに説明されるように、本発明者らは、本発明の第1の態様にかかる発現構築物の特定の実施形態を作製した。
pASK-ESAT6-PetD*20は、そのような発現構築物の1つである。それは以下のように作製された。Pet ATポリペプチドをコードする核酸配列を、pASK-IBA33plus細菌性発現プラスミド(IBA社から購入)に挿入した。続いて、ESAT6ポリペプチドをコードする核酸配列(「目的タンパク質」の一例として用いられる)を、pASK-ESAT6-Pet-BPを生成するためにPet核酸配列中のBglIIおよびPstI部位(図2参照)にクローニングした。続いて、PstI部位からPetポリペプチドのアミノ酸1009をコードするコドンまでの領域を削除し、pASK-ESAT6-PetD*20発現構築物を得た。したがって、この発現構築物は、(i)細菌性内膜シグナルペプチド(この場合においては天然Petシグナルペプチド)が、作動可能にC末端で(ii)目的タンパク質(この場合においてはESAT6)に連結されており、当該目的タンパク質が、作動可能にC末端で(iii)分泌ユニットペプチド(この場合においてはPetの1010〜1295アミノ酸)に連結されている融合タンパク質をコードしている。
pASK-ESAT6-Pic*D20は、もう1つのそのような発現構築物である。pASK-ESAT6-Pet*D20におけるPetの1010〜1295アミノ酸をコードする核酸配列を、Pic核酸配列に由来する等価断片をコードする核酸配列によって置換することによって調整した。したがって、この発現構築物は、(i)細菌性内膜シグナルペプチド(この場合においては天然Petシグナルペプチド)が、作動可能にC末端で(ii)目的タンパク質(この場合においてはESAT6)に連結されており、当該目的タンパク質が、作動可能にC末端で(iii)分泌ユニットペプチド(この場合においてはPetの1087〜1372アミノ酸)に連結されている融合タンパク質をコードする。
当然ながら、pASK-ESAT6-Pet*D20およびpASK-ESAT6-Pic*D20は、単にESAT6ポリペプチドをコードする核酸を置換することによって、異なる「目的タンパク質」をコードするように容易に改変することができる。
また、上記に示された細菌性発現構築物の特定の成分に加えて、さらなる核酸分子を含めることができる。当業者に周知であるように、たとえば、細胞外環境から目的タンパク質の単離を容易にするために有用な、一般的に使用されるようなHis-タグシステムなどのアミノ酸タグをコードする核酸配列を含めることができる。
本発明の第1の態様の細菌性発現構築物は、組換えタンパク質の発現を媒介するために好適な宿主細胞に導入されるべきである。宿主細胞に発現構築物を導入するために当業者によって採用され得る多くの標準的な実験技術が存在する。一般的に、すべてではないが、宿主はベクターによって形質転換されるので、形質転換された宿主細胞を選択する必要がある。ある選択技術は、形質転換細胞において選択可能な形質をコードするDNA配列マーカを任意の必要な制御要素を含む発現構築物に組み込むことを含む。これらのマーカは、ジヒドロ葉酸還元酵素、真核細胞培養のためのG418またはネオマイシン耐性、ならびにE. coliおよびその他の細菌での培養のためのテトラサイクリン、カナマイシンまたはアンピシリン耐性遺伝子を含む。選択可能なマーカは、宿主において栄養要求特性を補うものであってもよい。また、そのような選択可能な形質についての遺伝子は、所望の宿主細胞を共に形質転換するために使用される別のベクター上に存在してもよい。
宿主細胞は、グラム陰性細菌種、好ましくは、E. coli、シゲラ属(Shigella)、サルモネラ属(Salmonella)、エルシニア属(Yersinia)またはクレブシエラ属(Klebsiella)であるべきである。
当該分野でよく知られているように、産生されるタンパク質の質および/または量を向上させる、そのようなグラム陰性細菌種の変異した誘導体が作製された。したがって、それらは本発明のこの態様の発現構築物に由来する組換えタンパク質の発現を媒介する宿主細胞として使用することができる。
特に、以下の菌株は、本発明の態様に特に有用である。
E. coli TOP10 F-mcrA Δ (mrr-hsdRMS-mcrBC) φ80lacZΔM15 ΔlacX74 recA1 araD139Δ (araleu) 7697 galU galK rpsL endA1 nupG(Invitrogen社から入手可能である)
E. coli BL21(DE3)fhuA2 [lon] ompT gal (λDE3) [dcm] ΔhsdS λDE3 = λsBamHlo ΔEcoRI-B int::(lacI::PlacUV5::T7 gene1)i21 Δnin5(New England Biolabs社から入手可能である)
E. coli JM109 endA1, recA1, gyrA96, thi, hsdR17 (rk-, mk+), relA1, supE44, D (lac-proAB), [F「, traD36, proAB, laqIqZDM15](Promega社から入手可能である)
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係る細菌性発現構築物を含む宿主細胞を提供する。好ましくは、宿主細胞はグラム陰性細菌である。
また、本発明は1つ以上の融合タンパク質を発現する宿主細胞に関し、前記融合タンパク質は、本明細書で定義されるような分泌ユニットペプチドと目的タンパク質とを含む。本発明の第1の態様に係る細菌性発現構築物の特定の実施形態の全ては、本発明のこの態様の宿主細胞において利用することができる。したがって、本発明の態様に関する上述の説明は、本発明の第2の態様にも適用される。
上記に示されたような本発明の第1の態様に係る細菌性発現構築物の調製方法は、細菌性発現構築物を含む宿主細胞を調製する方法である。
好ましくは、宿主細胞はグラム陰性細菌種であり、好ましくは、E. coli、シゲラ属(Shigella)、サルモネラ属(Salmonella)、エルシニア属(Yersinia)またはクレブシエラ属(Klebsiella)である。宿主細胞は、好ましくは細菌株であり、たとえば以下の細菌株である。
E. coli TOP10 F-mcrA Δ(mrr-hsdRMS-mcrBC)φ80lacZΔM15ΔlacX74 recA1 araD139Δ(araleu)7697 galU galK rpsL endA1 nupG(Invitrogen社から入手可能である)
E. coli BL21(DE3)fhuA2 [lon] ompT gal(λ DE3)[dcm]ΔhsdSλDE3 = λsBamHIoΔEcoRI-B int::(lacI::PlacUV5::T7 gene1)i21 Δnin5(New England Biolabs社から入手可能である)
E. coli JM109 endA1, recA1, gyrA96, thi, hsdR17 (rk-, mk+), relA1, supE44, D (lac-proAB), [F「, traD36, proAB, laqIqZDM15](Promega社から入手可能である)
本発明の第3の態様は、SPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドを含む組換えペプチドを提供し、前記分泌ユニットペプチドは、オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含む。
誤解を避けるために、本発明の第1の態様に関連して上記で定義された分泌ユニットペプチドの特定の実施形態は、本発明の第3の態様に適用される。したがって、本発明の態様について上述の関連する記載は、本発明の第3の態様に適用される。
本発明のこの態様の分泌ユニットペプチドのアミノ酸配列の例は、本発明の第1の態様に関連して示されている。特に、本発明の第3の態様の実施形態は、分泌ユニットペプチドがPet、Sat、EspP、SigA、EspC、Tsh、SepAおよびPicから選択されるSPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドから得ることができる場合を含む。好ましくは、分泌ユニットペプチドは、PET_ECO44、SAT_CFT073、ESPP_ECO57、SIGA_SHIFL、ESPC_ECO27、TSH_E.coli、SEPA_EC536、PIC_ECO44、SEPA_SHIFLから選択される1つ以上のSPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドから得ることができる。
特に、本発明の第3の態様の分泌ユニットペプチドは、配列番号2、5、8、11、14、17、20、23もしくは26、またはそれらの変異体のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含み、前記変異体は、ペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介することができる。
分泌ユニットペプチドは、SPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸からなることが好ましく、前記分泌ユニットペプチドは、オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含む。好ましくは、前記分泌ユニットペプチドは、配列番号2、5、8、11、14、17、20、23もしくは26、またはその変異体のいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなり、前記変異体はペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介することができる。より好ましくは、分泌ユニットペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる。
上述のような本発明の第3の態様に係る分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列の例は、たとえば分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列が配列番号3、6、9、12、15、18、21、24、27もしくは28、またはその変異体のいずれか1つに示される核酸配列を含み、前記変異体はペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介することができる分泌ユニットペプチドをコードする。
当然のように、本発明の第3の態様に係る分泌ユニットペプチドは、本明細書に提示された情報を用いて作製することができる。特に、好適な宿主細胞において、分泌ユニットペプチドは通常のペプチド合成技術を用いて新規に作製することができ、または分泌ユニットペプチドは本明細書で提供されるような分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列を発現させることによって作製することができ、そして発現したペプチドを、周知かつ通常の実験室方式を用いてその細胞から単離することができる。
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様の組換えペプチドをコードする配列を含む核酸分子を提供する。
誤解を避けるために、本発明の第1の態様に関連して上記で定義された核酸分子の特定の実施例は、本発明の第4の態様に適用される。したがって、本発明の態様に関する上述の記載は、本発明の第4の態様にも適用される。
上述のような本発明の第3の態様に係る分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列の例は、たとえば分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列が配列番号3、6、9、12、15、18、21、24、27もしくは28、またはその変異体のいずれか1つに示される核酸配列を含み、前記変異体がペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介することができる分泌ユニットペプチドをコードするものである。
当然のように、本発明の第4の態様に係る核酸配列は、本明細書に示された情報を用いて作製することができる。特に、核酸は、通常の核酸合成技術を用いて新規に作製することができ、またはSPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドもしくは相同タンパク質をコードする大きなポリヌクレオチド配列から単離することができる。
本発明の第5の態様は、目的タンパク質と融合した本発明の第3の態様に係るペプチドを含む組換え融合タンパク質を提供する。
誤解を避けるために、本発明の第3の態様に係るペプチドの特定の実施形態は上記に定義され、本発明の第5の態様に関連している。したがって、本発明の態様に関する上記の説明は、本発明の第5の態様にも適用される。
当然のように、本発明の第5の態様に係る組換え融合タンパク質は、明細書に示された情報を用いて作製することができる。特に、目的タンパク質をコードする遺伝子は、本発明の第1の態様に係る細菌性発現構築物に配置することができる。好適な宿主細胞への導入時に、細菌性発現構築物は、本発明の第5の態様の組換え融合タンパク質分子をコードするであろう。
本発明の第6の態様は、ペリプラスムからポリペプチドを分泌させる方法を提供し、当該方法は、SPATE型細菌のオートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドをポリペプチドのC末端に融合させることを含み、前記分泌ユニットペプチドは、オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含む。
好ましくは、この方法は、分泌ユニットペプチドがペリプラスムからのポリペプチドの分泌を管理する間に上述のような好適な宿主細胞で発現される融合タンパク質を配置することをさらに含む。
本発明の第7の態様は、SPATE型細菌のオートトランスポータのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドの使用を提供し、前記分泌ユニットペプチドは、細菌のペリプラスムからのポリペプチドの分泌のためのオートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含む。
本発明の第6および第7の態様の特定の実施例は、分泌ユニットペプチドが本発明の第1および第3の態様に関連して定義されるものである。
「ポリペプチド」について、本発明者らは、本発明の前の態様に関して上述したように「目的タンパク質」を含める。
本発明の第8の態様は、組換えポリペプチドを作製する方法を提供し、当該方法は、培養培地への組換えポリペプチドの発現および分泌が得られるように、本発明の第2の態様の宿主細胞を培養培地中に培養することを含む。
誤解を避けるために、「組換えポリペプチド」について、本発明者らは、本発明の第1の態様に関連して上述したような「目的のタンパク質」を意味する。
本発明の第8の態様の方法は、細菌性発現構築物からの組換えポリペプチドの発現を得るように、上述の宿主細胞を培養培地において適切な条件下で十分な時間の間培養することを含む。
上述のように、発現構築物は、細菌細胞から細胞外環境への目的タンパク質の効率的な発現および分泌のために使用される。使用時において、目的タンパク質をコードする遺伝子は、分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列に作動可能に連結されるように発現構築物中にクローニングされる。適切な宿主細胞への細菌発現構築物の導入時において、目的タンパク質および分泌ユニットペプチドは、単一のポリペプチド分子として形成される。異種融合ポリペプチド分子は、内膜シグナルペプチドが切断されるとペリプラスムに排出され、目的/分泌ユニットペプチド融合タンパク質は外膜を横切って転位するであろう。その後、分泌ユニットペプチドは切断され、目的タンパク質、すなわち組換えポリペプチドは、細胞外環境に放出されるであろう。
組換えポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む当該分野において公知の標準的な技術を用いて、培養培地から容易に単離することができる。
本発明の第8の態様のさらなる実施形態は、(i)目的タンパク質をコードする遺伝子を含む本発明の第1の態様の細菌性発現構築物を作製すること、(ii)好適な宿主細菌細胞内に前記細菌性発現構築物を導入すること、(iii)培養培地中に目的タンパク質の発現および分泌を促進する条件下で宿主細胞を培養すること、(iv)培養培地から目的タンパク質を単離することを含む。
細菌細胞を培養する方法は、当該技術分野で周知である。本発明の第8の態様において使用することができる方法および材料の例は、添付の実施例に示されている。
本発明の第9の態様は、(i)上記で定義されたような発現構築物、および(ii)取扱説明書を含む部品のキットを提供する。
取扱説明書は、たとえば発現構築物の制限酵素地図、発現構築物の核酸配列、目的タンパク質をコードする遺伝子を発現構築物に導入する方法、好適な宿主細胞に目的タンパク質を発現させるための追加の条件、および必要に応じて他のそのような情報に関する情報を含んでもよい。
部品のキットは、たとえば、発現構築物の発現のための形質転換コンピテント宿主細胞、目的タンパク質をコードする遺伝子を保持する発現構築物を作製するために使用することができる、制限酵素などの酵素、目的タンパク質をコードする遺伝子のコピー数を増幅させるために使用することができる、DNAポリメラーゼ、好ましくはTaq、Pfu、またはさらに周知の熱安定性DNAポリメラーゼのような酵素、コントロールプラスミド挿入物のような「テストコントロール」試薬のようなさらなる構成要素をさらに含んでもよい。また、前記キットは、タンパク質精製カラムまたは樹脂のような細胞上清から目的タンパク質を回収するために有用な試薬を含んでもよい。
本発明は、以下の非限定的な図面および実施例を参照して説明される。
オートトランスポータ分泌の概略図である。 Petを有する異種タンパク質融合体の構築。Petパッセンジャードメイン内の異種タンパク質の挿入は、「HP」またはタンパク質の名前を付された四角い枠によって示されており、後者は右側にも列挙されている。左側の略語BC、BBおよびBPは、それぞれPet遺伝子の制限部位BglII-ClaI、BglII-BstBI、またはBglII-PstIの間への外来DNAの挿入によって作製されたタンパク質融合体の種類を表している。上述の図の座標は、pet遺伝子配列に由来するアミノ酸について与えられている。位置1018における矢印は、培養培地へのパッセンジャードメインの放出に影響を及ぼすαヘリックスにおける切断部位を示す。この部位の改変は、分子の表面提示をもたらす。略語SS、AC、HSF、αおよびLは、それぞれシグナル配列、オートシャペロンドメイン、疎水性分泌ファシリテータ、αヘリックスおよびリンカの位置を示している。 培養上清への異種タンパク質の分泌を可能にする最小ATモジュールの識別。本発明の実施形態に係る、ESAT-6分泌を可能にする最小のC末端Pet断片を決定するために作製されたESAT6-PET-BPタンパク質融合体および短縮化体の模式図が示されている。略語は、図2と同様である。短縮化変異体に存在するC末端Pet断片の長さは、括弧内に示されている。
[要約]
本研究において、本発明者らは、Petパッセンジャードメインを、ESAT-6、Ag85B、mCherry、ペルタクチン(Prn)、LatA、SapA、Pmp17、YapAおよびBMAA1263のような多くの異種タンパク質と交換し、得られたキメラタンパク質の培養上清への分泌を示した。これらの構築物は、それらのN末端にPetシグナル配列を含み、可変長のPetのC末端を含んでいた。特に、全てのN末端Pet短縮化体は、培養培地中へのN末端融合組換えタンパク質パートナーの分泌を促進することもできた。最も小さな分泌能力のある短縮化体である、Pet817-1295およびPet889-1295は、Petβヘリカルステム構造のほとんど(または全て)を欠いていたが、完全なオートシャペロン(AC)ドメインを含んでいた。天然のPetタンパク質において、ACドメインは、パッセンジャードメインの最後の100アミノ酸を含み、続いて転位ドメイン(αヘリックスおよびβバレル)からPetパッセンジャーを隔てる19アミノ酸長の疎水性分泌ファシリテータ(HSF)ドメインを含む。当該技術分野において、ACドメインは、天然のPetタンパク質の折り畳みおよび分泌のために不可欠であると考えられているが、異種タンパク質の分泌におけるその役割または必要なものは不明である。
モデルタンパク質としてESAT-6を用いて、本発明者らは、培養培地中へのESAT-6分泌を促進することができるPetのC末端の最も小さい部分を同定することを試みた。このために本発明者らは、AC-HSF内の、および全AC-HSFドメインの連続的な(入れ子型)欠失によってPetのC末端の長さがPet817-1295からPet1010-1295まで徐々に減少する一連のESAT-6-PET融合体を構築した。驚くべきことに、ESAT-6分泌の分析は、全ACドメイン(Pet988-1295)を欠くPet短縮化体がESAT-6を培養上清に効率的に分泌したことを示した。驚くべきことに、HSFドメインを除去しても(Pet1010-1295)、ESAT-6分泌は可能であった。このデータは、ACドメインおよびHSFドメインが異種タンパク質分泌に必須ではないことを示している。したがって、C末端Pet断片であるPet1010-1295は、E. coliにおいて細胞外環境への異種タンパク質の転移および放出を媒介することができるPetの最小部分として同定された。
[序文、結果および考察]
オートトランスポータ系を組換えタンパク質作製のための効果的な系とするためには、目的の組換えタンパク質が細胞外環境に放出される際に自動処理を受ける必要がある。
Petは、腸管凝集性E. coliによって分泌されるエンテロトキシンであり、オートトランスポータタンパク質ファミリーの一員である(タイプVa分泌系)であり、それはSPATEsと称されるオートトランスポータ(腸内細菌のセリンプロテアーゼオートトランスポータ)のサブグループに属している。Petは、SecB依存的に内膜を通るタンパク質輸送のために必要なN末端シグナル配列、エフェクター機能(セリンプロテアーゼ)がコードされているパッセンジャードメイン、およびパッセンジャードメインが細胞表面に転位することを媒介するC末端βバレルを保持している(図1)。βバレルに付着したままであるか、または外膜に結合したままである他の多くのオートトランスポータとは異なり、毒素機能をコードするPetパッセンジャードメインは、切断され、細胞外環境に分泌される。オートトランスポータ分泌機構の見かけの単純さと共にこの特性によって、Petは、培養培地中への可溶性組換えタンパク質の分泌のために利用することができる。しかしながら、培養環境への効果的な放出のために必要なアミノ酸配列は定義されていなかった。
ここで、本発明者らは、Petおよび他のSPATE型ATタンパク質が、可溶性タンパク質として蓄積する場合、培養培地への組換えタンパク質の放出のために利用することができることを示している。本発明の一実施形態によれば、彼らは、分泌が生じることを可能とする必要な最小限のアミノ酸配列を示している。彼らは、分泌を維持することを可能にすると同時に、Petの領域を操作することができることも示している。
Petパッセンジャードメインへの融合体は、外部環境に分泌可能である。
組換えタンパク質の作製を効果的にするために、Petは非天然タンパク質の分泌に効率的でなければならない。このことを試験するために、本発明者らは、Petパッセンジャードメインへの一連の融合体を作製した。これらの融合体は、GenScriptによって新規合成されたpet遺伝子構築物を利用し、一般的なpASK-IBA33plus発現ベクターにクローニングした。発現は、E. coli TOP10内のtetプロモータ/オペレータから誘導された。pet遺伝子配列は、E. coliコドン出現頻度を用いてコドン最適化され、複数の制限部位から取り除かれ、同時に、遺伝子操作を容易にするために、独特な制限部位がこの配列に設計された。これらの処理は、天然Petタンパク質の翻訳を変えなかった。したがって、petカセットは、目的の組換えタンパク質をコードする遺伝子のインフレーム挿入断片、アフィニティ精製タグ、プロテアーゼ切断部位のような特性の容易な加工、および部位突然変異誘発のために好適なように作製された。
培養培地中への異種タンパク質の分泌を媒介するPetの能力を試験するために、本発明者らは異なる大きさ、構造、および機能的特徴を有するタンパク質を選択した。これらは、(1)無細胞百日咳ワクチンの成分である、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)のペルタクチン(44kDa)、(2)エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)の表面タンパク質YapA(105kDa)、(3)クラドフィラ・アボルタス(Chlamydophila abortus)の多形表面タンパク質Pmp17(40kDa)、(4)サルモネラ・エンテリカ・チフィムリウム(Salmonella enterica serovar Typhimurium)の推定表面タンパク質SapA(60kDa)、(5)ディスコソーマ赤色蛍光タンパク質DsRed(Discosoma SP DsRed)の誘導体である赤色蛍光タンパク質mCherry(27kDa)、(6)推定マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)ワクチン候補である、推定分泌エステラーゼAg85B(35kDa)、(7)結核菌(M. tuberculosis)の主な診断マーカESAT-6(10kDa)、(8)ローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)の推定表面タンパク質LatA(44kDa)、および(9)バークホルデリア・マレイ(Burkholderia mallei)の推定表面タンパク質BMAA1263(71kDa)の分泌タンパク質を含む。
E. coliにおける発現のためにコドン最適化された後、異種タンパク質をコードするDNAは新規合成され、Pet遺伝子の一部は、図2に示されるような融合タンパク質を生じさせるために異種遺伝子でインフレーム置換された。petにおけるBglIIとClaIとの制限部位の間へのLatAをコードするヌクレオチド配列の挿入は、球状の構造であり、セリンプロテアーゼ活性を付与するドメイン1の多くと重複するPetの114アミノ酸をコードするヌクレオチド配列の欠失をもたらした。E. coli TOP10を含む培養培地中への得られたLatA-Pet-BCタンパク質融合体の分泌は、抗Pet抗体を用いるウエスタンブロット法によって確認された。petの制限部位のBglIIとBstBIとの間(BB融合体)、またはBglIIとPstIとの間(BP融合体)への異種DNAの挿入は、Petパッセンジャーβヘリックスのいくらかまたは大部分の除去をもたらした(図2)。得られたタンパク質融合体は、N末端Petシグナル配列を含み、推定PetAC-HSFドメインを含む、Pet298-1295(BB融合体)断片またはPet817-1295(BP融合体)C末端断片のいずれかを含んでいた。E. coli TOP10を含む培養上清中へのAg85B、ESAT-6、Pmp17、SapA、BMAA1263、mCherry、LatAおよびYapAタンパク質を有するPet融合体の分泌が示された。分泌されたタンパク質融合体のいくつかの特性を立証するために、バンドをポリアクリルアミドゲルから切り出し、質量分析に供した。それぞれの場合において適切なタンパク質が確認された(表1)。キメラタンパク質の分泌の追加マーカとして、切断されたPetβバレルが野生型Petと同様のレベルで外膜(OM)に蓄積された。
Petパッセンジャードメインへの融合体は、異なるプラスミドから発現された場合、外部環境に分泌可能である。
別々の発現プラスミドにおいてクローニングした場合、Petシステムが培養培地に組換えタンパク質を分泌可能であることを確かめるためにさらなる構築物を作製した。ペルタクチン-petキメラ配列(ペルタクチン-Petタンパク質融合体をコードする)が新規に合成され(GenArt)、T7lacプロモータの制御下でpET22bベクターにクローニングされるようにpET-prn-petと称される構築物を合成した。この構築物において、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)のペルタクチンタンパク質の分泌ドメイン(アミノ酸35〜471)は、N末端で52アミノ酸Petシグナル配列、およびC末端で406アミノ酸Pet転位ドメイン(Pet889-1295)に隣接されている(図2)。E. coli BL21(DE3)の培養上清へのペルタクチン-Pet融合タンパク質の分泌は、抗Pet抗体を用いるウエスタンブロッティングによって確認され、OMにおける切断されたPet-βバレルの蓄積が示された。
Petは、システイン残基を含むタンパク質の分泌を媒介することができる。
細胞の外部への分泌を目的とするタンパク質は、多くの場合ペリプラスムを横断する。ペリプラスムは、システインアミノ酸間のジスルフィド結合の形成を促進する高い酸化環境であり、酵素DsbAはこの反応を触媒する。Petがシステインのアミノ酸を含むタンパク質を外部の培養培地に分泌することができるかどうかを試験するために、7個のシステイン残基を含むPmp17-Pet-BB融合体(図2)を野生型E. coli K-12(E. coli TOP10)背景、および対応するdsbA変異体において作製した。Pmp17-Pet-BBは、培養培地に蓄積するdsbA変異体によって野生型のPetと同様のレベルで分泌されたが、全長の融合体はE. coli TOP10において検出できなかった。これらの結果は、ジスルフィド結合形成と、天然または異種ポリペプチドの部分的な折り畳みとが分泌を妨げる他のATについて得られた観察結果と一致している。したがって、Petタンパク質生産システムは、ジスルフィド結合の形成を促進しない変異株で発現される場合、複数のシステイン残基を含む組換えタンパク質の効率的な分泌を可能にする。
Petは、多価タンパク質を分泌することができる。
多価分子として別個の異なるタンパク質を発現させることによって、組換えタンパク質の生産コストを低下させる時に望ましいかもしれない。Pet分泌システムが多価キメラを作り出すのに有効であるかどうかを試験するために、Ag85BおよびESAT-6タンパク質をコードするDNAをPet遺伝子のBglII-BstBI-PstI部位の間にタンデムに挿入されたpASK-Ag85B-ESAT6構築物が作製された(図2)。得られた融合タンパク質Ag85B-ESAT6-PetをE. coli TOP10において作製し、培養上清へのその分泌を抗ESAT6および抗Pet抗体を用いるウエスタンブロット法によって確認した。OMにおける切断されたPetβバレルの存在も示された。
Petは、精製タグを有するタンパク質の分泌を媒介することができる。
培養培地への異種タンパク質の分泌が無傷の細胞のタンパク質精製に関連する障壁の多くを克服するが、処理不純物の多くは依然として残っているかもしれない。目的タンパク質は、精製タグの使用によるものを含む様々な方法でこれらの処理不純物から取り出すことができる。したがって、本発明者らは、Petシステムが精製タグを含む共通配列タグのいくつかを有するタンパク質の作製ができるかどうかを評価した。標準的な分子生物学の手順を使用して、Pet、その欠失誘導体、Pmp17-Pet-BB、およびSapA-Pet-BP内、シグナル配列の切断部位の後にHis6-タグまたはFLAGタグをコードするアミノ酸配列を設計した。同様に、FS-ESAT6-Pet-BP変異体は、N末端に25アミノ酸長の融合性配列タグを含むように設計された。全ての場合において、タグを付されたタンパク質は培養上清(対応するOMにおける切断されたβバレル)に蓄積し、細胞外環境へ分泌するタンパク質に精製タグを結合させることができることを示した。
Petによって培養培地中に分泌される融合タンパク質は、正しい折り畳みを示している。
組換えタンパク質の製造方法として有用であるために、ATシステムは、可溶性の、折り畳まれた、機能性タンパク質を培養培地中に分泌することができなければならない。キメラタンパク質が分泌後に天然に折り畳まれるかどうかを試験するために、YapA-PET-BP、mCherry-Pet-BP、および野生型PetのHis6タグ付き誘導体を培養上清画分から採取し、円偏光二色性(CD)によって分析した。YapAは、混合αヘリカル/βストランド構造を有すると予測され、mCherryはβバレル構造を採用することが知られている。YapAのCDスペクトルは、混合されたαヘリカル/βストランドを有する折り畳みタンパク質の含有を示す、最小で222nmおよび208nm、最大で195nmを示した。それらの天然に折り畳まれたβストランド構造と一致して、PetおよびmCherryのCDスペクトルは、最小で195nm、最大で218nmを示した。また、培養上清画分から精製されたmCherryは、機能活性を有する折り畳まれたタンパク質を示す赤色蛍光を示した。
培養上清におけるPetを有する異種タンパク質融合体の収量。
一般的なタンパク質分泌のためのATモジュールの有効活用は、産業規模で、および代替技術と競争力のある濃度で、目的タンパク質の収量をもたらすことが必要となる。振盪フラスコにおけるPet融合構築物からのペルタクチンおよびESAT-6の分泌収量を算出した。ESAT6-Pet変異体について、E. coli BL21*における発現後に5.4mg/lの濃度がもたらされた。ペルタクチンについて、E. coli BL21*培養における発現後、1mg/lの収量がもたらされた。重要なことに、これらは小規模の非最適化条件における収量であり、それらは他のE. coliタンパク質分泌システムで得られる量と一致する。制御され、最適化された発酵処理において、より高いタンパク質収量を生み出すことができるであろう。
Petに駆動される異種タンパク質の分泌は、細胞溶解またはペリプラスム漏出によるものではない。
培養培地中の異種タンパク質の存在がペリプラスムからの漏出ではなく分泌によるものであることを示すために、本発明者らはmCherryおよびESAT-6の細胞内位置を調べた。このために、本発明者らは、N1018GおよびD1115G置換を含む、切断されていないPet誘導体であるPet*を用いた。これらの変異は、パッセンジャードメインが完全に細胞表面に転位するが、βドメインに共有結合したままであるようにドメイン間の切断部位を破壊する。これらの変異は、mCherry*およびESAT6*を生み出すためにmCherry-Pet-BPおよびESAT6-Pet-BBに導入された。それぞれの場合において、パッセンジャードメインは培養培地に蓄積されず、OMにおいて全長タンパク質種が検出された。特異的な抗体を用いるPet*、mCherry*およびESAT6*を発現する細菌の免疫蛍光法およびフローサイトメトリー研究は、パッセンジャードメインの表面局在を明らかにする一方、天然の切断部位を用いると無視できる染色があった。これらの実験は、異種融合体が発現され、切断前に細胞表面に積極的に転位されることを示した。重要なことに、ペリプラスムタンパク質BamDに向けられた抗体による調査は、標識化が細菌細胞への抗体の放出によるものでないことを明らかにした。なぜなら、細胞は化学処理によって透過されない限り、標識されないからである。したがって、分泌は、膜の完全性の主要な損失なしにもたらされた。
タンパク質が発現の誘導下における細胞の溶解によって培養培地に放出されるのではないことを確かめるために、ヨウ化プロピジウム(PI)およびビス−(1,3−ジブチルバルビツール酸)トリメチンオキソノール(BOX)を用いる染色を、細胞生存率と異種融合体を分泌する細菌の細胞エンベロープの完全性とを評価するために使用した。ESAT6-Pet-BB、ESAT6-Pet-BPおよびPetタンパク質を発現する培養のフローサイトメトリー分析は、タンパク質発現の誘導後、タンパク質分泌の間、非誘導培地と比べてBOX-、またはPI+BOX-陽性細胞の数の無視できる増加のみで、細胞の大部分が健常に生存していることを明らかにした。最後に、アルカリホスファターゼ、ペリプラスム酵素についての分析は、異種融合体の発現後ペリプラスムタンパク質の漏出を示さなかった。まとめると、これらのデータは、培養培地中の分泌タンパク質の存在は、細胞溶解またはペリプラスム漏出によるものではなく、積極的な分泌によるものであることを示している。
また、切断部位を欠くPet ATモジュールを示す、mCherry*およびESAT6*を発現する培養物の細菌細胞表面におけるESAT-6および蛍光mCherryの存在は、細菌細胞表面における機能的タンパク質の自動表示(autodisplay)のためにも使用することができる。
分泌に必要な最小のPet構築物。
Petオートトランスポータシステムが培養上清への非天然タンパク質の分泌に使用することができることを確立した後、本発明者らは、市販のタンパク質の発現に有用なシステムを提供するために、そのような分泌をもたらすために必要なPetの最小部分を決定した。
本発明者らは、上述のESAT6-Pet-BP融合体を起点として使用した(図2)。この構築物は、天然Petの817〜1295アミノ酸に対応するPet断片に融合したマイコバクテリアのESAT-6タンパク質を含む。この構築物は、パッセンジャードメインのβヘリカルステム(817〜888)を含み、ACドメイン(アミノ酸889〜989)、21アミノ酸長の疎水性分泌ファシリテータ(HSF)ドメイン(990〜1009)、βバレルの孔にまたがり、切断部位を含む14アミノ酸長のαヘリックス(1010〜1024)、10アミノ酸長のリンカ領域(1025〜1033)、およびβバレル(1034〜1295)の部分を形成するアミノ酸配列を含む。
以前に、ACドメインは、βヘリックスの同時折り畳みと、ブラウンラチェット機構とが分泌に細菌性刺激をもたらすATパッセンジャードメインの分泌に関与するとされた。発明者らは、Petのための最小の機能的転位ドメインの正確な長さを決定し、ACドメインが増殖培地に異種タンパク質を分泌するために必要であるかどうかを確立しようとした。このために、本発明者らは、Pet817-1295をコードするPet遺伝子断片内の一連の短縮化体を有する、pASK-ESAT6-Pet-BPに由来する20の構築物を作製した(図3)。
全てのESAT6-Pet融合タンパク質は、E. coli TOP10の培養培地中に正常に分泌された。驚くべきことに、分泌能力のある最小のPet断片がESAT6-PET*D20のPet1010-1295であることが見出された。この断片は、PetオートトランスポータポリペプチドのC末端の286アミノ酸のみを含む分泌ユニットペプチドをコードし、前記分泌ユニットは、推定されるαヘリックス、リンカ、および下流のβバレルドメイン(ESAT6-Pet*D20)のみを含み、任意の上流配列を欠いている。このPet誘導体によって分泌されるESAT-6タンパク質は、切断部位に隣り合って並ぶ野生型Petパッセンジャードメインαヘリックスの9アミノ酸のみをC末端に含む。Petの294アミノ酸(Pet1002-1295)を含む構築物ESAT6-Pet*D19も、培養培地中へのESAT-6の分泌を補助することができた。
構築物ESAT6-PetD*17も、培養培地へのESAT-6の分泌を補助することができることが見出された。この構築物は、αヘリックス、リンカ、および下流のβバレルドメインを含み、さらにHSFドメインを含む、PetオートトランスポータポリペプチドのC末端の308アミノ酸(Pet988-1295)を含む分泌ユニットペプチドをコードする。
したがって、本明細書に示されたデータは、ESAT6がαヘリックスに融合した最も短いPet短縮化体(ESAT6-PetD*20)でも分泌を補助することを示している。これは、Petのアミノ酸1010-1295に対応する。また、全ての他の構築物(ESAT6-PetD*1〜D*19)も、培養培地へのESAT-6の分泌を補助することができた。驚くべきことに、ACドメインは、組換えタンパク質分泌のために必要とされない。2つの短縮化体(ESAT6-PetD*17およびESAT6-PetD*20)は、HSFドメインを包含する22アミノ酸によってのみ異なっており、当該分野における現在の見解に反して、HSFドメインがPetによる組換えタンパク質分泌に必要でないことを示している(図3)。
最近の2つの報告は、数種のSPATEの分泌におけるACドメインに保存されたトリプトファン残基(W985)に関する。興味深いことに、ESAT6-Pet6*D17、*D18、*D19および*D20タンパク質は、予測されたPetACドメインを欠いているが分泌される。分泌におけるW985の役割をさらに試験するために、このアミノ酸と他の3つの保存された隣接する残基(I983、L987およびG989)が、分泌能力を有するESAT6-PetD*6においてアラニンおよびリジンに変異された。全ての変異タンパク質は、ESAT6-PetD*6と同様の効率で増殖培地に分泌され、OMにおいて切断されたβドメインを保持していた。これらのデータは、ACドメインが分泌自体に必要ではないが、天然ATポリペプチドの折り畳みのために不可欠であるという見解をさらに支持する。
この知見を確認するために、発明者らは、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)SL1344からESAT6-Pet融合体の効率的な分泌を示すためにさらに実験を行った。PetD*6断片が培養上清にESAT6を分泌し、切断されたβバレルはOMにおいて保持されることが見出された。このことは、286アミノ酸(Pet1010-1295)または294アミノ酸(Pet1002-1295)を含むPet断片が「分泌ユニット」として機能するために十分であり、さらにこの「分泌ユニット」がE. coliと同様にサルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)で機能することができることを裏付ける。
HSFドメインは、分泌性を失うことなく処置することができる。
ACドメインおよびαヘリカルポア貫通ドメインは、HSFと名付けられた領域によって接続されている。この領域は、疎水性アミノ酸の高い含有量を有し、Hbpパッセンジャードメインの結晶構造から不定形であると予測される。この領域のアミノ酸配列が分泌に必須であるか否かを調べるために、本発明者らは数種類の点変異を作製した。したがって、アスパラギンおよびアスパラギン酸残基(N995およびD997)は、アラニンに変換され、リジン残基(K1000K1001)はアラニンに変換され、アラニン残基(A998A999)はトリプトファンおよびグリシンに変換された。これらの突然変異のいずれも分泌されるタンパク質の能力に顕著に影響を与えなかった。このことは、HSFの特定のアミノ酸配列は分泌が行われるために重要ではないことを示し、HSFドメインが組換えタンパク質分泌に必要とされないことを示す上述のデータと一致する(図3)。
Picからの分泌ユニット。
上記から分かるように、本発明者らは、「分泌ユニット」として機能することができるPet ATポリペプチドの最小領域を同定した。そして、本発明者らは、Picからの等価領域も「分泌ユニット」として機能することができるか検討した。
Picは、SPATE型の細菌性オートトランスポータポリペプチドの一員である。PicはSPATEの単系統に属し、それはPetを含むものから進化的に区別される。予測されるACドメインの最初からのPetおよびPicタンパク質配列の配列比較は、68%の同一性および80%の類似性を示す。Picのポリペプチド配列の例は、配列番号22に与えられている。Picにおける分泌ユニットは、配列番号22に示される1087〜1372のアミノ酸配列を含み、Picにおける分泌ユニットの例は、配列番号24に示されている。
Pet分泌ユニット実験について上述されたのと同じ手法を用いて、本発明者らは、Pic分泌ユニットペプチドの異なる長さをコードする核酸を含む発現構築物を作製した。これらの欠失変異体は、上述のPet欠失構築物と同じ方法で番号を付された。したがって、PicD*6は、Picの1035〜1372アミノ酸を有し、PicD*12は、Picの1048〜1372アミノ酸を有し、PicD*17は1065〜1372のアミノ酸を有し、PicD*19は1079〜1372のアミノ酸(294アミノ酸)を有し、PicD*20は、1087〜1372のアミノ酸(286アミノ酸)を有する。
続いて、発明者らは、発現構築物にESAT6タンパク質をコードする遺伝子を導入し、適切な宿主細胞(E. coli TOP10株)におけるESAT6-Pic分泌ユニットペプチド融合体の発現および転位を調べた。濃縮された細胞培養上清中のESAT6ペプチドの存在は、抗ESAT6抗体を用いるウエスタンブロッティングによって測定され、分泌結果と一致して、切断されたPicβバレルがOM画分に検出された。
したがって、本発明者らは、Pic SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドの286個のアミノ酸(アミノ酸1087〜1372)または294個のアミノ酸(アミノ酸1079〜1372)を含むペプチドが「分泌ユニット」ペプチドとして機能し、Pic分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列を含む細菌性発現構築物が細胞外環境への目的タンパク質の効率的な発現および分泌に使用できることを確認した。
膜貫通βバレルストランドは、分泌に不可欠である。
発明者らは、培養培地へのタンパク質の分泌に必要な最小の構築物がβバレルと、当該バレルをポア貫通αヘリックスに結合するリンカと、αヘリックスとを有する領域であることを上記に示した。本発明者らは、これを「分泌ユニット」ペプチドと命名した。
培養培地へのタンパク質の分泌を行う分泌ユニットに必要な要素を正確に決定するために、本発明者らは、ランダムトランスポゾン戦略とターゲットの挿入戦略との2つの取り組みに着手した。トランスポゾン戦略は、19のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のランダム挿入を利用した。3つの可能なアミノ酸を挿入されたこのヌクレオチド配列について、3つの可能なリーディングフレームがあった。ほとんど全ての場合において、表面ループへのリンカの挿入は耐容性を示した。さらに、ループ3の欠失(pBADPetβΔL3)が分泌を廃止しないことが見出された。このことは、表面ループのアミノ酸配列は、タンパク質の分泌に影響を及ぼすことなく変更することができることを示している。これに対して、βストランドへのトランスポゾン挿入の挿入、または培養培地への分泌の全体的な廃止は、分泌が生じるために、これらの構造の完全性が維持されなければならないことを示唆している。
これらの知見を確認するために、本発明者らは、9アミノ酸のHAエピトープを各βストランドおよび各表面ループに挿入する標的を絞った戦略を用いた。一般的に、ループへの挿入は許容され、培養培地への分泌が維持された。βストランドへの挿入は、許容されず、分泌は廃止された。予期せぬことに、βストランドにおけるいくつかの軽微な改変は許容され、βストランド1および5へのいくつかの挿入は許容された。それぞれの場合に、前記挿入は、βストランドを完全にするために必要な疎水性アミノ酸を提供することによって天然のアミノ酸配列の欠失を補償する。このことは、変位がβストランドの両親媒性の完全性を維持する場合、βストランドにおける限られた変更が許容されることを示している(表2)。
本明細書に提供される試験において、本発明者らはリンカ領域の役割を検討した。いくつかの場合において、リンカ領域への挿入は、培養培地へのタンパク質の分泌に影響を与えなかった。このことをさらに調べるために、本発明者らは、リンカが大きくなった(pBADPetβM7)構築物を作製した。培養培地への分泌は維持された。βバレルをαヘリックスに結合するリンカ領域のアミノ酸配列を変更することができ、分泌が維持されることが見出された。しかしながら、リンカの欠失は分泌を廃止するので、リンカ配列は維持されなければならない。
また、本発明者らは、αヘリックスへの挿入が分泌に影響を与えるかどうか調べた。αヘリックスへのトランスポゾンの挿入(pPetβEZ1)は、分泌を廃止し、αヘリックスの完全性が分泌のために必要であることを示している(表2)。
[結論]
上述のデータから、本発明者らが「分泌手段」として機能することができるPetおよびPic ATポリペプチドの最小領域を同定したことが分かる。また、本発明者らは、「分泌ユニット」内の特定の領域を変更することができることも確認した。本明細書に示される知見は、培養上清に非天然タンパク質を分泌するために使用することができる、PetおよびPicの最少部分を示している。したがって、上述のデータは、市販のタンパク質発現系のための分泌ユニットを含む細菌発現構築物の有用性を示している。
[材料および方法]
Pet系分泌カセットの説明。
Pet遺伝子は、GenScriptによって新規合成され、pBADHisAベクターにクローニングされ、pBADPet構築物をもたらす。Pet遺伝子配列は、E. coliコドン利用遺伝子と多重制限部位の削除とを用いてコドン最適化されるが、遺伝子操作を容易にするために独特な制限部位がこの配列内に設計されてもよい。これらの手順は、天然のPetタンパク質翻訳を変えるものではなかった。したがって、petカセットは、目的の組換えタンパク質をコードする遺伝子のインフレーム挿入断片と、アフィニティ精製タグ、プロテアーゼ切断部位などの特徴の容易な設計とに適するように、および部位突然変異に便利であるように作製された。本研究において、図2に示されるように、右側のBglII部位と、左側のパッセンジャードメインに分散された部位の1つとの間に組換えDNAが挿入された。これらの挿入は、内膜転位に必要なN末端Petシグナル配列と、外膜転位を促進するC末端のPet転位ドメインとを保持している。原理的には、BglII-PstI部位の間のクローニングは、目的タンパク質を有し分泌されるPet融合体を設計するために必要な唯一の構築工程であってもよいが、分泌能力を有する短いPet C末端(Pet 1010-1295)が単一のPCRによって設計されてもよい。pBADベクターの使用とは異なり、petカセットは、所望の収量、遺伝的宿主背景、ベクターコピー数および誘導型に依存して好ましい発現ベクターにさらに導入することができる。本発明者らは、Petおよび融合タンパク質を作製するために2つの他の発現ベクター、pASK-IBA33plusおよびpET22bを使用した。pASK-Petにおいて、Petはテトラサイクリンプロモータ/オペレータから発現され、テトラサイクリン誘導体、アンヒドロテトラサイクリンの添加によって誘導される。tetP/O発現系は、用量依存的に微調整された発現量をもたらす。pASKベクターからの発現は宿主背景とは無関係であるが、標準的な発現宿主が最良の結果を得るために使用される(たとえば、E. coli TOP10とBL21*など)。pET22bベクターにおいて、遺伝子はT7lacファージプロモータ(IPTG誘導性)の転写制御下に置かれ、pETベクターは細菌染色体上のIPTG誘導lacUV5プロモータから発現されるT7ファージポリメラーゼの挿入を保持する宿主(たとえば、E. coli BL21(DE3))で使用される。pBAD系において、Petは、グルコースの添加によって追加的に抑制することができるアラビノース誘導性のPBADから発現され、当該ベクターはE. coli TOP10のようなara欠損株で使用される。全てのこれらの発現系は、研究および産業で一般的に使用されている。本研究において、本発明者らは、高度の発現および分泌の両者をもたらすpET22b/BL21*(DE3)およびpASK/TOP10発現系を用いて組換えタンパク質Pet融合体の分泌を調べた。本発明者らは、分泌ユニットの変異導入の研究のためにpBAD/アラビノース発現系を使用した。
試薬、培地および菌株。Petパッセンジャードメインに向けて作製されたポリクローナルウサギ抗血清は、以前に記載された(Eslava, C., F. Navarro-Garcia, J. R. Czeczulin, I. R. Henderson, A. Cravioto, and J. P. Nataro. 1998. Pet, an autotransporter enterotoxin from enteroaggregative Escherichia coli. Infection and Immunity 66:3155-3163)。P etβドメインはMBP融合タグ発現ベクターpMAL-c2X(New England Biolabs社, Herts, UK)にクローニングされ、ポリクローナルウサギ抗血清はMBP-Petβ融合タンパク質に向けて産生された。アルカリホスファターゼ(AP)に結合した2次ヤギ抗ウサギ抗体と、AP基質(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート)とをSigma-Aldrich社(UK)から入手した。ポリクローナル抗ESAT6および抗RFP抗体はAbcam社から購入した。制限酵素、DNA修飾酵素、およびT4リガーゼは、NEB社、Invitrogen社、およびFermentas社から購入し、製造業者の取扱説明書に従って使用した。PCRは、Phusion DNAポリメラーゼ(Finnzymes社)を用いて行った。
E. coli株TOP10 (F-mcrA Δ(mrr-hsdRMS-mcrBC)φ80lacZΔM15 ΔlacX74 nupG recA1 araD139 Δ(ara-leu)7697 galE15 galK16 rpsl(StrR) endA1λ-、Invitrogen社)、NEB 5αF'Iq (F' proA+ B+ laclq Δ(lacZ) M15zzf:: Tn10 (TetR)/fhuA2Δ(argF-lacZ)U169 phoA glnV44 Φ80Δ(lacZ)M15 gyrA96 recA1 endA1 thi-1 hsdR17、NEB)、RLG221 (recA56 araD139 (ara-leu)7697 lacX74 galU galK hsdR strA)、JM110(rpsL thr leu thi lacY galK galT ara tonA tsx dam dcm glnV44 Δ(lac-proAB) e14-[F 'traD36 proAB+lacIqlacZΔM15] hsdR17(rK -mK +)、NEB)、およびHB101(Promega社)が、クローニングのために使用された。E. coli TOP10、TOP10 dsbA (Kmr)、BL21*(F- ompThsdSB (rB -MB -) gal dcm rnel31 (DE3)(Novagen社)、およびサルモネラ・エンテリカ・チフィムリウム(Salmonella enterica Typhimurium)SL1344株をタンパク質発現のために使用した。細菌株を、ルリア−ベルターニ液体および固体培地(3%寒天)において37℃で増殖させ、当該培地にプラスミド維持のためにカルベニシリン(それぞれ100および80μg/ml)を添加した。pBADベクターからの発現のために、細菌をルリア−ベルターニ(LB)培地において37℃で増殖させ、必要に応じて、増殖培地に100μg/ml−1のアンピシリン、2%D−グルコース、または0.02%L−アラビノースを添加した。
DNAおよび電気泳動技術。全ての組換えDNA操作と、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)(上述のSambrook)を含む電気泳動処理とのために標準的な技術が用いられた。Qiagen Spin miniprep kit(Qiagen社、UK)を用いてプラスミドDNAを単離し、PCR産物および消化物を、製造業者の取扱説明書に従ってQiaquick PCR purification kitまたはGel extraction kit(Qiagen社)を用いて精製した。また、消化後に生じる、またはPCRからの小さなDNA断片を、7.5%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、切除し、溶出緩衝液(10mMトリスHCl pH7.5、50mM NaCl、1mM EDTA pH8.0)を用いて一晩4℃で溶出した。そして、DNAをエタノール沈殿し、ミリQ水に再懸濁した。
プラスミド構築。
Pet分泌ユニットにおける変異誘発のために使用され、構築されたプラスミド。実験のこの部分に使用されるプラスミドは、表3に列挙されている。コドン最適化されたpet遺伝子をGenScriptによって新規合成し、pBADHisA(Invitrogen社)にクローニングしてpBADPetを作製した(Leyton, D. L., M. d. G. De Luna, Y. R. Sevastsyanovich, K. Tveen Jensen, D. F. Browning, A. Scott-Tucker, and I. R. Henderson. (2010) FEMS Microbiology Letters 311:133-139)。特定の制限酵素部位に隣接し、定義されたHAエピトープタグの挿入を有するPet転位ドメインをコードする配列を含む異なる断片と、様々な欠失と、配列変異とを新規に合成し、pUC57(GenScript)にクローニングした。これらの断片を含むpUC57を、適当な制限酵素で消化し、pBADPetにサブクローニングし、同じ制限酵素で予め消化し、これらの異なる断片を含むpBADPet誘導体を作製した(表3)。
分泌物を機能させるため、ならびにPetおよびPic分泌ユニットを定義するために、使用され構築されたプラスミド。pBADPet(上述のLeyton)を(コドン最適化された)pet遺伝子のもととして使用した。発現実験のために、petを、テトラサイクリンプロモータ/オペレータの制御下でpASK-IBA33plus(IBA BioTAGnology社)にクローニングし、T7lacプロモータの制御下でpET22b(Novagen社)にクローニングした。pASK-Petを作製するために、pet遺伝子をBsaI-pet-FおよびHindIII-pet-Rプライマー(表4)を用いるPCRによってpBADPetから増幅し、pASK-IBA33plusにおけるBsaI部位とHindIII部位との間にクローニングした。pET-Petを構築するために、pet遺伝子をNdeI-HindIII断片としてpBADPetから切り出し、同じ酵素で予め消化したpET22bにクローニングした。pASK-His6-PetおよびpASK-His6-PetDD1において、His6−タグをコードする核酸配列をシグナル配列の後のpet遺伝子に組み込んだ。これらのプラスミドを構築するために、約〜100bpのpet断片遺伝子を、プライマーSacI-pet-F/PetSS-BglII-AflII-BstBI-Rを使用してpASK-Petから増幅し、得られたアンプリコンをSacI/BglII部位またはSacI/BstBI部位の間においてpASK-Petにクローニングした。pASK-Pet*は、pASK-Petにおけるpet遺伝子のPstI-HindIII断片を、Pet転位ドメインにおけるN1018GおよびD1115G置換をもたらす変異を含むpBADPet*からの等価断片に置換することによって構築された。これらの変異は、切断されないPetタンパク質の産生をもたらす。
異種遺伝子を有するpetキメラを構築するために、後者は、関連するDNAテンプレートと、表3および4に列挙されている適切なプライマー対とを用いるPCRによって増幅された。sapA、pmp17、latA、bmaa1263およびyapAについて、推定される細胞外タンパク質ドメインに対応する遺伝子の一部のみを、petに挿入するために使用した(表3)。PCR増幅された異種遺伝子を、pASK-Petにおけるpet遺伝子のBglII/ClaI部位、BglII/BstBI部位およびBglII/PstI部位の間にクローニングし、続いてBL21*/T7系における発現を調べる場合、全長のキメラ融合体をpET22bのNdeI-HindIII部位にクローニングした。これらのクローニングに使用されたプライマーは、表4に列挙されている。His6タグ融合タンパク質をコードする等価構築物を作製するために、pASK-Petにおいて構築されたキメラ配列をBglII-HindIII断片としてpASK-His6-Petにサブクローニングした。関連するPCR増幅遺伝子を挿入するためのベクターとしてpASK-Pet*を使用する以外は、pASK-ESAT6-Pet*およびpASK-mCherry-Pet*をpASK-ESAT6-Pet-BBおよびpASK-mCherry-Pet-BPと同様に構築した(上述のように)。pASK-Ag85B-ESAT6-Petは、PCR増幅されたesxA遺伝子(ESAT6)をpASK-Ag85B-Pet-BBにおけるBstBI-PstI部位間に挿入することによって構築された。構築物pASK-ESAT6-PetD*1〜D*20は、pASK-ESAT6-Pet-BPにおけるPstI-HindIII断片を、フォワードプライマー(PstI-TSYQ-del1-F〜PstI-YKAF-del20-F)の1つと、リバースプライマーとしてHindIII-pet-R(表4)とを用いるPCRによって作製された短いpet遺伝子断片に置換することによって作製された。ESAT6-Picキメラをコードする等価構築物は、pASK-ESAT6-PET-BPにおけるPstI-HindIII pet断片を、フォワードプライマー(SbfI-FKAG-Pic-del6-F〜SbfI-YKNF-Pic-del20-F)の1つと、リバースプライマーとしてのHindIII-Pic-end-Rとを用いてpPic1から増幅されたpic断片に置換することによって作製された。pASK-ESAT6-PetD*6におけるI974、W985、L987およびG989を特定するコドンを変異させるために、変異誘発プライマー(表4)に向けられた部位をBglII-ESAT6-FおよびHindIII-pet-Rプライマーを用いる2ステップ(重複)PCRにおいて使用した。本実験で作製された全ての構築物は、ヌクレオチド修飾の正確さを確認するために配列決定された。
分泌特性と外膜の作製。組換え試験構築物および適切なベクターコントロールを含む、E. coli TOP10、TOP10 dsbA、BL21*(DE3)およびSL1344の培養物を、カルベニシリンを添加した5mlのLB中において一晩37℃で通気して(180回転)増殖させた。一晩培養した培養物を、250mlの三角フラスコにおける50mlの新鮮なLB培地(100μg/mlのカルベニシリンを含む)で1/100に希釈し、約0.5のOD600nmまで通気(180rpm)し、37℃で増殖させた。タンパク質発現を、使用した発現系に応じて、アンヒドロテトラサイクリン(aTc、200μg/Lの最終濃度)またはIPTG(0.5mM)の添加によって誘導し、培養物をさらに2時間培養した。培養物のOD600nmの値を、L培地を用いて希釈することによって均等化し、これらの培養サンプルの20mlを遠心分離によって回収した。使用した培地(上清)を0.2μmで濾過し、分泌タンパク質に1/10量の氷冷した100%(w/v)TCAを加えることによって沈殿させた。氷上で45分間インキュベートした後、沈殿したタンパク質を、4℃で14,000rpmにて45分間遠心分離することによってペレット化した。ペレットを氷冷メタノールで1回洗浄し、上述のようにペレット化した。ペレットをSpe ed Vacを用いて30分間乾燥させ、10%飽和トリス緩衝液を用いて2×SDS−PAGEローディング色素に再懸濁した。分泌タンパク質試料の5〜10μlをSDS−PAGE(10〜15%ポリアクリルアミド)で分析した。以前に記載されたように(Henderson et al (1997) FEMS Microbiol. Letters 149, 115-120)、同じ実験からの細菌ペレットは、細胞エンベロープ画分を調製するために使用された。簡単に述べると、細胞を10mlのトリス緩衝液、pH7.4に再懸濁し、超音波処理によって破壊した。破壊されていない細胞および破片を遠心分離(10,000rpm、15分間、4℃)によって除去し、上清を5時間、18,000rpm、4℃で1.5時間遠心分離して細胞エンベロープをペレット化した。続いて、外膜画分を2%(v/v)トリトンX−100で抽出し、上述のように遠心分離によって回収した。外膜画分を、10mMのトリス−HCL(pH7.4)中でよく洗浄し、界面活性剤を除去した。外膜タンパク質を、SDS−PAGEローディング色素中に再懸濁し、12%SDS−PAGEで分析した。
pBAD/アラビノース誘導系を用いるPetの生合成。様々なpBADPet誘導体で形質転換されたE. coli TOP10からのPetの増殖および発現(表3)を、以前に記載したように行った(上述のLeyton 2010)。簡潔には、グルコースを添加したE. coli LB一晩培養物を、新鮮な培地で1:100に希釈し、OD600=0.5まで増殖させた。細菌を遠心分離(10,000g、4℃、10分間)によってペレット化し、LB培地で洗浄し、上述のようにペレット化し、アラビノースを添加したLB培地に再懸濁し、さらに1時間増殖させた。分泌タンパク質量の比較を可能にするために培養物のOD600を基準化し、上述のようにペレット化し、次に0.22μm−1孔径フィルター(Millipore社、USA)を通して上清を濾過した。培養上清のTCA沈殿と、外膜タンパク質の抽出とを上述のように行った。
ウエスタンブロッティング。Petおよびキメラ体の分泌を、ポリクローナルウサギ抗Pet(1/5000)、抗ESAT-6(1/2000)または抗RFP(1/2000)を一次抗体として、ヤギ抗ウサギアルカリホスファターゼ共役抗体(1/10000)を二次抗体として使用するウエスタンブロッティングによって評価した。ブロットのブロッキングと、一次抗体のインキュベーションとを1×PBS、0.05%Tween20、5%乾燥スキムミルク中で行った。ブロットを1×PBS、0.05%Tween20緩衝液中で洗浄した。一次抗体のインキュベーションを、通常、4℃で一晩行い、二次抗体のインキュベーションを室温で1〜2時間行った。ブロットをNBT/BCIP基質溶液(Sigma社)を使用して現像した。
EZ-Tn5インフレームリンカ挿入。製造業者の使用説明書に従ってEZ-Tn5 in-frame linker insertion kit(Epicentre Biotechnologies社, USA)を使用し、petのオープンリーディングフレームに19アミノ酸リンカをランダムに導入した。簡潔には、目的DNA(pCEFN1;表3)を、2つのNotI制限部位の間にカナマイシン耐性カセットを含む、EZ-Tn5トランスポザーゼおよびEZ-Tn5トランスポゾンと混合することによって、インビトロのトランスポゾン反応を調製した。トランスポゾン反応の停止後、直ちにE. coli TOP10に形質転換した。Pet転位ドメイン内の挿入を保有するカナマイシン耐性形質転換体を、プライマーβ-barrelFor(5'-AAAATGCATGTAAGGATGTCTTCAAAACTGAAACACAGA-3')およびβ-barrelRev(5'-TCACTCATTAGGCACCCCAG-3)を用いるコロニーPCR、ならびにPCR産物のサイズ分析によって同定した。プラスミドDNAをこれらの形質転換体から単離し、カナマイシンカセットを除くためにNotIで消化し、精製し、その主鎖を再結合して単一のNotI制限部位と3つのリーディングフレームへの57ヌクレオチド(19アミノ酸)の挿入とを有するクローンを作製した。ライゲーション産物を、E. coli HB101に形質転換し、pCEFN1中に存在する抗生物質マーカであるアンピシリンを用いて選別した。プラスミドDNAをカナマイシン感受性およびアンピシリン耐性形質転換体から抽出し、プライマーβ-barrelForとβ-barrelRevとを用いて塩基配列を決定し、Pet転位ドメイン内のリンカ挿入部位を位置付けた。
フローサイトメトリー。ヨウ化プロピジウム(PI)およびビス−(1,3−ジブチル酸)トリメチンオキソノール(ビス−オキソノールまたはBOX)をSigma社から購入した。生存率の分析のために、細菌細胞(〜10〜10)を、PIおよびBOXのワーキングソリューションの10μl(それぞれ5および10μg/ml)を添加した1mlの濾過滅菌ダルベッコPBS中に希釈し、直ちに488nmのレーザーを用いるFACSAria II(BD Biosciences社)で分析した。10粒子からの測方および前方散乱データと蛍光データとを収集した。緑および赤の蛍光を測定するために使用される光学フィルタは、それぞれ502LP、530/30BP(FITC)および610LP、616/23BP(PE-テキサスレッド)であった。前方散乱上の弁別器は、小さな粒子性ノイズを排除するように調整された。間接的なフローサイトメトリーによってタンパク質の表面局在を分析するために、細胞をPBSで洗浄し、非特異的結合を防ぐためにPBS+1%BSAを使用して室温(RT)でインキュベートした。その後、細胞を同じ緩衝液(抗pet、1:500;抗ESAT6、1:500;抗mCherry、1:800)中に希釈された関連する一次抗体と共に室温で1時間インキュベートし、PBSで3回洗浄した後、同じ条件下でAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ウサギIgG(1:500; Invitrogen社)と共に最終インキュベーションした。細胞を、上記と同じように洗浄し、上述のようにFACSAria IIで分析した。
免疫染色。生存または固定細菌細胞中のタンパク質の免疫蛍光検出を以前に記載したように行った(Leyton et al (2011) J Biol Chem 286:42283-91)。簡潔には、固定または生細胞のいずれかを装填したポリ−L−リジン被覆カバースリップをPBSで3回洗浄し、非特異的結合部位を1%BSA(Europa Bioproducts社)を含有するPBS中で1時間ブロックした。カバースリップを、適切な抗体と共に1時間インキュベートし、PBSで3回洗浄し、Alexa Flour(登録商標)488ヤギ抗ウサギIgGと共にさらに1時間インキュベートした。続いてカバースリップをPBSで3回洗浄し、ガラススライド上に乗せ、Zeiss AxioImager Z2顕微鏡(100倍対物レンズ)およびAxioCam MRmカメラを用いて、位相コントラストまたは蛍光のいずれかを使用して可視化した。露光時間は、40ミリ秒であった。
タンパク質折り畳みのCD分析。遠紫外CD測定は、上述したように(上述のLeyton 2011)、室温でJASCO J-715分光偏光計の190〜260ナノメートルから集められた。簡潔には、CD分析のために、精製されたタンパク質の緩衝液を10mMのリン酸ナトリウム pH8.0に交換し、測定値を、1ミリ路長セル、2nmのバンド幅、1nmインクリメント、2s応答、100nm/minの走査速度、および連続スキャンモードで取得した。折り畳まれたタンパク質についての12の集積を平均し、スペクトラムから緩衝役の寄与貢献を差し引いた。タンパク質の構造を、Swiss-ModelまたはPhyreでモデル化し、PyMolを用いて可視化した。二次構造予測をPsiPredで行った。
アルカリホスファターゼ分析。(Garen and Levinthal (1960) Biochim Biophys Acta 38, 470-483)AP活性分析は、410nmの吸光度を有する黄色の生成物へのp−ニトロフェニルホスフェート(pNPP)基質の変換に基づいて使用された。簡潔には、3mMのpNPPの溶液1mlを、2mlの1.5Mトリス−HCl pH8.0と混合し、濃縮培養上清または細胞溶解物の0.1mlを加える前に、5分間25℃水浴中でインキュベートした。25℃水浴中での1時間のインキュベーション後、OD410nmで測定した。
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本願において述べられたアミノ酸および核酸配列

配列番号1- PET_ECO44 アミノ酸配列
MNKIYSIKYSAATGGLIAVSELAKKVICKTNRKISAALLSLAVISYTNIIYAANMDISKAWARDYLDLAQ
NKGVFQPGSTHVKIKLKDGTDFSFPALPVPDFSSATANGAATSIGGAYAVTVAHNAKNKSSANYQTYGST
QYTQINRMTTGNDFSIQRLNKYVVETRGADTSFNYNENNQNIIDRYGVDVGNGKKEIIGFRVGSGNTTFS
GIKTSQTYQADLLSASLFHITNLRANTVGGNKVEYENDSYFTNLTTNGDSGSGVYVFDNKEDKWVLLGTT
HGIIGNGKTQKTYVTPFDSKTTNELKQLFIQNVNIDNNTATIGGGKITIGNTTQDIEKNKNNQNKDLVFS
GGGKISLKENLDLGYGGFIFDENKKYTVSAEGNNNVTFKGAGIDIGKGSTVDWNIKYASNDALHKIGEGS
LNVIQAQNTNLKTGNGTVILGAQKTFNNIYVAGGPGTVQLNAENALGEGDYAGIFFTENGGKLDLNGHNQ
TFKKIAATDSGTTITNSNTTKESVLSVNNQNNYIYHGNVDGNVRLEHHLDTKQDNARLILDGDIQANSIS
IKNAPLVMQGHATDHAIFRTTKTNNCPEFLCGVDWVTRIKNAENSVNQKNKTTYKSNNQVSDLSQPDWET
RKFRFDNLNIEDSSLSIARNADVEGNIQAKNSVINIGDKTAYIDLYSGKNITGAGFTFRQDIKSGDSIGE
SKFTGGIMATDGSISIGDKAIVTLNTVSSLDRTALTIHKGANVTASSSLFTTSNIKSGGDLTLTGATEST
GEITPSMFYAAGGYELTEDGANFTAKNQASVTGDIKSEKAAKLSFGSADKDNSATRYSQFALAMLDGFDT
SYQGSIKAAQSSLAMNNALWKVTGNSELKKLNSTGSMVLFNGGKNIFNTLTVDELTTSNSAFVMRTNTQQ
ADQLIVKNKLEGANNLLLVDFIEKKGNDKNGLNIDLVKAPENTSKDVFKTETQTIGFSDVTPEIKQQEKD
GKSVWTLTGYKTVANADAAKKATSLMSGGYKAFLAEVNNLNKRMGDLRDINGEAGAWARIMSGTGSAGGG
FSDNYTHVQVGADNKHELDGLDLFTGVTMTYTDSHAGSDAFSGETKSVGAGLYASAMFESGAYIDLIGKY
VHHDNEYTATFAGLGTRDYSSHSWYAGAEVGYRYHVTDSAWIEPQAELVYGAVSGKQFSWKDQGMNLTMK
DKDFNPLIGRTGVDVGKSFSGKDWKVTARAGLGYQFDLFANGETVLRDASGEKRIKGEKDGRMLMNVGLN
AEIRDNVRFGLEFEKSAFGKYNVDNAINANFRYSF

配列番号2- PET_ECO44に由来する分泌ユニット
YKAFLAEVNNLNKRMGDLRDINGEAGAWARIMSGTGSAGGGFSDNYTHVQVGADNKHELDGLDLFTGVTMTYTDSHAGSDAFSGETKSVGAGLYASAMFESGAYIDLIGKYVHHDNEYTATFAGLGTRDYSSHSWYAGAEVGYRYHVTDSAWIEPQAELVYGAVSGKQFSWKDQGMNLTMKDKDFNPLIGRTGVDVGKSFSGKDWKVTARAGLGYQFDLFANGETVLRDASGEKRIKGEKDGRMLMNVGLNAEIRDNVRFGLEFEKSAFGKYNVDNAINANFRYSF

配列番号3- PET_ECO44分泌ユニットをコードする核酸配列
TATAAAGCCT TCCTTGCAGA GGTCAACAAC CTCAACAAAC GTATGGGTGA TCTGCGTGAC 60
ATTAACGGTG AGGCCGGTGC ATGGGCCCGT ATCATGAGTG GAACCGGGTC TGCCGGCGGT 120
GGATTCAGTG ACAACTACAC CCACGTTCAG GTCGGTGCGG ATAACAAACA TGAACTCGAT 180
GGCCTTGACC TCTTCACCGG GGTGACCATG ACCTATACCG ACAGCCATGC AGGCAGTGAT 240
GCCTTCAGTG GTGAAACGAA GTCTGTGGGT GCCGGTCTCT ATGCCTCTGC CATGTTTGAG 300
TCCGGAGCAT ATATCGACCT CATCGGTAAG TACGTTCACC ATGACAACGA GTATACCGCA 360
ACTTTCGCCG GCCTTGGCAC CAGAGACTAC AGCTCCCACT CCTGGTATGC CGGTGCGGAA 420
GTCGGTTACC GTTACCATGT AACTGACTCT GCATGGATTG AGCCGCAGGC GGAACTTGTT 480
TACGGTGCTG TATCCGGGAA ACAGTTCTCC TGGAAGGACC AGGGAATGAA CCTCACCATG 540
AAGGATAAGG ACTTTAATCC GCTGATTGGG CGTACCGGTG TTGATGTGGG TAAATCCTTC 600
TCCGGTAAGG ACTGGAAAGT CACAGCCCGC GCCGGCCTTG GCTACCAGTT TGACCTGTTT 660
GCCAACGGTG AAACTGTACT GCGTGATGCG TCCGGTGAAA AACGTATCAA AGGTGAAAAA 720
GACGGCCGTA TGCTCATGAA TGTTGGTCTG AATGCTGAGA TTCGTGACAA CGTACGCTTT 780
GGTCTTGAGT TTGAGAAATC GGCATTTGGT AAGTACAACG TGGATAACGC CATCAACGCC 840
AACTTCCGTT ACTCCTTCTG A

配列番号4- SAT_CFT073アミノ酸配列
MREYMNKIYSLKYSAATGGLIAVSELAKRVSGKTNRKLVATMLSLAVAGTVNAANIDISNVWARDYLDLA
QNKGIFQPGATDVTITLKNGDKFSFHNLSIPDFSGAAASGAATAIGGSYSVTVAHNKKNPQAAETQVYAQ
SSYRVVDRRNSNDFEIQRLNKFVVETVGATPAETNPTTYSDALERYGIVTSDGSKKIIGFRAGSGGTSFI
NGESKISTNSAYSHDLLSASLFEVTQWDSYGMMIYKNDKTFRNLEIFGDSGSGAYLYDNKLEKWVLVGTT
HGIASVNGDQLTWITKYNDKLVSELKDTYSHKINLNGNNVTIKNTDITLHQNNADTTGTQEKITKDKDIV
FTNGGDVLFKDNLDFGSGGIIFDEGHEYNINGQGFTFKGAGIDIGKESIVNWNALYSSDDVLHKIGPGTL
NVQKKQGANIKIGEGNVILNEEGTFNNIYLASGNGKVILNKDNSLGNDQYAGIFFTKRGGTLDLNGHNQT
FTRIAATDDGTTITNSDTTKEAVLAINNEDSYIYHGNINGNIKLTHNINSQDKKTNAKLILDGSVNTKND
VEVSNASLTMQGHATEHAIFRSSANHCSLVFLCGTDWVTVLKETESSYNKKFNSDYKSNNQQTSFDQPDW
KTGVFKFDTLHLNNADFSISRNANVEGNISANKSAITIGDKNVYIDNLAGKNITNNGFDFKQTISTNLSI
GETKFTGGITAHNSQIAIGDQAVVTLNGATFLDNTPISIDKGAKVIAQNSMFTTKGIDISGELTMMGIPE
QNSKTVTPGLHYAADGFRLSGGNANFIARNMASVTGNIYADDAATITLGQPETETPTISSAYQAWAETLL
YGFDTAYRGAITAPKATVSMNNAIWHLNSQSSINRLETKDSMVRFTGDNGKFTTLTVNNLTIDDSAFVLR
ANLAQADQLVVNKSLSGKNNLLLVDFIEKNGNSNGLNIDLVSAPKGTAVDVFKATTRSIGFSDVTPVIEQ
KNDTDKATWTLIGYKSVANADAAKKATLLMSGGYKAFLAEVNNLNKRMGDLRDINGESGAWARIISGTGS
AGGGFSDNYTHVQVGADNKHELDGLDLFTGVTMTYTDSHAGSDAFSGETKSVGAGLYASAMFESGAYIDL
IGKYVHHDNEYTATFAGLGTRDYSSHSWYAGAEVGYRYHVTDSAWIEPQAELVYGAVSGKQFSWKDQGMN
LTMKDKDFNPLIGRTGVDVGKSFSGKDWKVTARAGLGYQFDLFANGETVLRDASGEKRIKGEKDGRMLMN
VGLNAEIRDNLRFGLEFEKSAFGKYNVDNAINANFRYSF

配列番号5- SAT_CFT073に由来する分泌ユニット
YKAFLAEVNNLNKRMGDLRDINGESGAWARIISGTGSAGGGFSDNYTHVQVGADNKHELDGLDLFTGVTMTYTDSHAGSDAFSGETKSVGAGLYASAMFESGAYIDLIGKYVHHDNEYTATFAGLGTRDYSSHSWYAGAEVGYRYHVTDSAWIEPQAELVYGAVSGKQFSWKDQGMNLTMKDKDFNPLIGRTGVDVGKSFSGKDWKVTARAGLGYQFDLFANGETVLRDASGEKRIKGEKDGRMLMNVGLNAEIRDNLRFGLEFEKSAFGKYNVDNAINANFRYSF

配列番号6- SAT_CFT073 分泌ユニットをコードする核酸配列
TATAAAGCCT TCCTTGCTGA GGTCAACAAC CTTAACAAAC GTATGGGTGA TCTGCGTGAC 60
ATTAACGGTG AGTCCGGTGC ATGGGCCCGA ATCATTAGCG GAACCGGGTC TGCCGGCGGT 120
GGATTCAGTG ACAACTACAC CCACGTTCAG GTCGGTGCGG ATAACAAACA TGAACTCGAT 180
GGCCTTGACC TCTTCACCGG GGTGACCATG ACCTATACCG ACAGCCATGC AGGCAGTGAT 240
GCCTTCAGTG GTGAAACGAA GTCTGTGGGT GCCGGTCTCT ATGCCTCTGC CATGTTTGAG 300
TCCGGAGCAT ATATCGACCT CATCGGTAAG TACGTTCACC ATGACAACGA GTATACCGCA 360
ACTTTCGCCG GCCTTGGCAC CAGAGACTAC AGCTCCCACT CCTGGTATGC CGGTGCGGAA 420
GTCGGTTACC GTTACCATGT AACTGACTCT GCATGGATTG AGCCGCAGGC GGAACTTGTT 480
TACGGTGCTG TATCCGGGAA ACAGTTCTCC TGGAAGGACC AGGGAATGAA CCTCACCATG 540
AAGGATAAGG ACTTTAATCC GCTGATTGGG CGTACCGGTG TTGATGTGGG TAAATCCTTC 600
TCCGGTAAGG ACTGGAAAGT CACAGCCCGC GCCGGCCTTG GCTACCAGTT TGACCTGTTT 660
GCCAACGGTG AAACCGTACT GCGTGATGCG TCCGGTGAGA AACGTATCAA AGGTGAAAAA 720
GACGGTCGTA TGCTCATGAA TGTTGGTCTC AACGCCGAAA TTCGCGATAA TCTTCGCTTC 780
GGTCTTGAGT TTGAGAAATC GGCATTTGGT AAATACAACG TGGATAACGC GATCAACGCC 840
AACTTCCGTT ACTCTTTCTG A

配列番号7- ESPP_ECO57 アミノ酸配列
MNKIYSLKYSHITGGLIAVSELSGRVSSRATGKKKHKRILALCFLGLLQSSYSFASQMDISNFYIRDYMD
FAQNKGIFQAGATNIEIVKKDGSTLKLPEVPFPDFSPVANKGSTTSIGGAYSITATHNTKNHHSVATQNW
GNSTYKQTDWNTSHPDFAVSRLDKFVVETRGATEGADISLSKQQALERYGVNYKGEKKLIAFRAGSGVVS
VKKNGRITPFNEVSYKPEMLNGSFVHIDDWSGWLILTNNQFDEFNNIASQGDSGSALFVYDNQKKKWVVA
GTVWGIYNYANGKNHAAYSKWNQTTIDNLKNKYSYNVDMSGAQVATIENGKLTGTGSDTTDIKNKDLIFT
GGGDILLKSSFDNGAGGLVFNDKKTYRVNGDDFTFKGAGVDTRNGSTVEWNIRYDNKDNLHKIGDGTLDV
RKTQNTNLKTGEGLVILGAEKTFNNIYITSGDGTVRLNAENALSGGEYNGIFFAKNGGTLDLNGYNQSFN
KIAATDSGAVITNTSTKKSILSLNNTADYIYHGNINGNLDVLQHHETKKENRRLILDGGVDTTNDISLRN
TQLSMQGHATEHAIYRDGAFSCSLPAPMRFLCGSDYVAGMQNTEADAVKQNGNAYKTNNAVSDLSQPDWE
TGTFRFGTLHLENSDFSVGRNANVIGDIQASKSNITIGDTTAYIDLHAGKNITGDGFGFRQNIVRGNSQG
ETLFTGGITAEDSTIVIKDKAKALFSNYVYLLNTKATIENGADVTTQSGMFSTSDISISGNLSMTGNPDK
DNKFEPSIYLNDASYLLTDDSARLVAKNKASVVGDIHSTKSASIMFGHDESDLSQLSDRTSKGLALGLLG
GFDVSYRGSVNAPSASATMNNTWWQLTGDSALKTLKSTNSMVYFTDSANNKKFHTLTVDELATSNSAYAM
RTNLSESDKLEVKKHLSGENNILLVDFLQKPTPEKQLNIELVSAPKDTNENVFKASKQTIGFSDVTPVIT
TRETDDKITWSLTGYNTVANKEATRNAAALFSVDYKAFLNEVNNLNKRMGDLRDINGEAGAWARIMSGTG
SASGGFSDNYTHVQVGVDKKHELDGLDLFTGFTVTHTDSSASADVFSGKTKSVGAGLYASAMFDSGAYID
LIGKYVHHDNEYTATFAGLGTRDYSTHSWYAGAEAGYRYHVTEDAWIEPQAELVYGSVSGKQFAWKDQGM
HLSMKDKDYNPLIGRTGVDVGKSFSGKDWKVTARAGLGYQFDLLANGETVLRDASGEKRIKGEKDSRMLM
SVGLNAEIRDNVRFGLEFEKSAFGKYNVDNAVNANFRYSF

配列番号8-ESPP_ECO57に由来する分泌ユニット
YKAFLNEVNNLNKRMGDLRDINGEAGAWARIMSGTGSASGGFSDNYTHVQVGVDKKHELDGLDLFTGFTVTHTDSSASADVFSGKTKSVGAGLYASAMFDSGAYIDLIGKYVHHDNEYTATFAGLGTRDYSTHSWYAGAEAGYRYHVTEDAWIEPQAELVYGSVSGKQFAWKDQGMHLSMKDKDYNPLIGRTGVDVGKSFSGKDWKVTARAGLGYQFDLLANGETVLRDASGEKRIKGEKDSRMLMSVGLNAEIRDNVRFGLEFEKSAFGKYNVDNAVNANFRYSF

配列番号9- ESPP_ECO57 分泌ユニットをコードする核酸配列
TATAAAAATT TTCTTGCTGA AGTCAACAAC CTGAACAAAC GTATGGGTGA CCTGCGTGAC 60
ATCAACGGCG AAGCCGGTGC ATGGGCACGC ATCATGAGCG GTACCGGCTC TGCCAGTGGT 120
GGTTTCAGTG ACAACTACAC GCACGTTCAG GTCGGGGTCG ACAAAAAACA TGAGCTGGAC 180
GGACTGGATT TGTTTACCGG TTTCACTGTC ACACACACTG ACAGCAGTGC CTCCGCCGAT 240
GTTTTCAGCG GTAAAACGAA GTCTGTGGGG GCTGGCCTGT ATGCTTCCGC CATGTTTGAT 300
TCCGGTGCCT ATATCGACCT GATTGGCAAG TATGTTCACC ATGATAATGA GTACACAGCA 360
ACCTTTGCCG GACTCGGAAC CCGTGATTAC AGCACGCATT CATGGTATGC CGGTGCAGAA 420
GCGGGCTACC GCTATCATGT CACTGAGGAT GCCTGGATTG AGCCACAGGC TGAGCTGGTT 480
TACGGTTCTG TATCCGGTAA ACAGTTTGCA TGGAAGGACC AGGGAATGCA TCTGTCCATG 540
AAGGACAAGG ACTACAATCC GCTGATTGGC CGAACCGGTG TAGATGTGGG TAAATCCTTC 600
TCTGGTAAGG ACTGGAAAGT GACAGCCCGG GCCGGCCTGG GCTACCAGTT CGACCTGCTG 660
GCTAACGGCG AAACCGTATT GCGGGATGCA TCTGGTGAAA AACGCATCAA AGGTGAAAAG 720
GACAGCCGTA TGCTGATGTC CGTTGGCCTG AATGCAGAAA TCAGGGACAA CGTCCGCTTT 780
GGACTGGAGT TTGAGAAATC CGCCTTTGGT AAGTACAACG TTGATAATGC AGTCAACGCT 840
AACTTCCGTT ACTCGTTCTG A


配列番号10- SIGA_SHIFL アミノ酸配列
MNKIYSLKYSHITGGLVAVSELTRKVSVGTSRKKVILGIILSSIYGSYGETAFAAMLDINNIWTRDYLDL
AQNRGEFRPGATNVQLMMKDGKIFHFPELPVPDFSAVSNKGATTSIGGAYSVTATHNGTQHHAITTQSWD
QTAYKASNRVSSGDFSVHRLNKFVVETTGVTESADFSLSPEDAMKRYGVNYNGKEQIIGFRAGAGTTSTI
LNGKQYLFGQNYNPDLLSASLFNLDWKNKSYIYTNRTPFKNSPIFGDSGSGSYLYDKEQQKWVFHGVTST
VGFISSTNIAWTNYSLFNNILVNNLKKNFTNTMQLDGKKQELSSIIKDKDLSVSGGGVLTLKQDTDLGIG
GLIFDKNQTYKVYGKDKSYKGAGIDIDNNTTVEWNVKGVAGDNLHKIGSGTLDVKIAQGNNLKIGNGTVI
LSAEKAFNKIYMAGGKGTVKINAKDALSESGNGEIYFTRNGGTLDLNGYDQSFQKIAATDAGTTVTNSNV
KQSTLSLTNTDAYMYHGNVSGNISINHIINTTQQHNNNANLIFDGSVDIKNDISVRNAQLTLQGHATEHA
IFKEGNNNCPIPFLCQKDYSAAIKDQESTVNKRYNTEYKSNNQIASFSQPDWESRKFNFRKLNLENATLS
IGRDANVKGHIEAKNSQIVLGNKTAYIDMFSGRNITGEGFGFRQQLRSGDSAGESSFNGSLSAQNSKITV
GDKSTVTMTGALSLINTDLIINKGATVTAQGKMYVDKAIELAGTLTLTGTPTENNKYSPAIYMSDGYNMT
EDGATLKAQNYAWVNGNIKSDKKASILFGVDQYKEDNLDKTTHTPLATGLLGGFDTSYTGGIDAPAASAS
MYNTLWRVNGQSALQSLKTRDSLLLFSNIENSGFHTVTVNTLDATNTAVIMRADLSQSVNQSDKLIVKNQ
LTGSNNSLSVDIQKVGNNNSGLNVDLITAPKGSNKEIFKASTQAIGFSNISPVISTKEDQEHTTWTLTGY
KVAENTASSGAAKSYMSGNYKAFLTEVNNLNKRMGDLRDTNGEAGAWARIMSGAGSASGGYSDNYTHVQI
GVDKKHELDGLDLFTGLTMTYTDSHASSNAFSGKTKSVGAGLYASAIFDSGAYIDLISKYVHHDNEYSAT
FAGLGTKDYSSHSLYVGAEAGYRYHVTEDSWIEPQAELVYGAVSGKRFDWQDRGMSVTMKDKDFNPLIGR
TGVDVGKSFSGKDWKVTARAGLGYQFDLFANGETVLRDASGEKRIKGEKDGRILMNVGLNAEIRDNLRFG
LEFEKSAFGKYNVDNAINANFRYSF

配列番号11-SIGA_SHIFLに由来するアミノ酸配列
YKAFLTEVNNLNKRMGDLRDTNGEAGAWARIMSGAGSASGGYSDNYTHVQIGVDKKHELDGLDLFTGLTM
TYTDSHASSNAFSGKTKSVGAGLYASAIFDSGAYIDLISKYVHHDNEYSATFAGLGTKDYSSHSLYVGAE
AGYRYHVTEDSWIEPQAELVYGAVSGKRFDWQDRGMSVTMKDKDFNPLIGRTGVDVGKSFSGKDWKVTAR
AGLGYQFDLFANGETVLRDASGEKRIKGEKDGRILMNVGLNAEIRDNLRFGLEFEKSAFGKYNVDNAINA
NFRYSF

配列番号12- SIGA_SHIFL 分泌ユニットをコードする核酸配列
TACAAAGCCT TCCTGACAGA AGTCAACAAC CTGAATAAAC GAATGGGGGA TCTGCGTGAC 60
ACCAATGGCG AGGCCGGTGC ATGGGCCCGC ATCATGAGCG GAGCAGGTTC AGCTTCTGGT 120
GGATACAGTG ACAACTACAC CCATGTGCAG ATTGGTGTGG ATAAAAAACA TGAGCTGGAT 180
GGACTTGACC TTTTCACTGG TCTGACTATG ACGTATACCG ACAGTCATGC CAGCAGTAAT 240
GCATTCAGTG GCAAGACGAA GTCCGTCGGG GCAGGTCTGT ATGCTTCCGC TATATTTGAC 300
TCTGGTGCCT ATATCGACCT GATTAGTAAG TATGTTCACC ATGATAATGA GTACTCGGCG 360
ACCTTTGCTG GACTCGGAAC AAAAGACTAC AGTTCTCATT CCTTGTATGT GGGTGCTGAA 420
GCAGGCTACC GCTATCATGT AACAGAAGAC TCCTGGATTG AGCCGCAGGC AGAACTGGTT 480
TATGGGGCCG TATCAGGTAA ACGGTTCGAC TGGCAGGATC GCGGAATGAG CGTGACCATG 540
AAGGATAAGG ACTTTAATCC GCTGATTGGG CGTACCGGTG TTGATGTGGG TAAATCCTTC 600
TCCGGTAAGG ACTGGAAAGT CACAGCCCGC GCCGGCCTTG GCTACCAGTT TGACCTGTTT 660
GCCAACGGTG AAACCGTACT GCGTGATGCG TCCGGTGAGA AACGTATCAA AGGTGAAAAA 720
GACGGTCGTA TTCTCATGAA TGTTGGTCTC AACGCCGAAA TTCGCGATAA TCTTCGCTTC 780
GGTCTTGAGT TTGAGAAATC GGCATTTGGT AAATACAACG TGGATAACGC GATCAACGCC 840
AACTTCCGTT ACTCTTTCTG A


配列番号13- ESPC_ECO27 アミノ酸配列
MNKIYALKYCHATGGLIAVSELASRVMKKAARGSLLALFNLSLYGAFLSASQAAQLNIDNVWARDYLDLA
QNKGVFKAGATNVSIQLKNGQTFNFPNVPIPDFSPASNKGATTSIGGAYSVTATHNGTTHHAISTQNWGQ
SSYKYIDRMTNGDFAVTRLDKFVVETTGVKNSVDFSLNSHDALERYGVEINGEKKIIGFRVGAGTTYTVQ
NGNTYSTGQVYNPLLLSASMFQLNWDNKRPYNNTTPFYNETTGGDSGSGFYLYDNVKKEWVMLGTLFGIA
SSGADVWSILNQYDENTVNGLKNKFTQKVQLNNNTMSLNSDSFTLAGNNTAVEKNNNNYKDLSFSGGGSI
NFDNDVNIGSGGLIFDAGHHYTVTGNNKTFKGAGLDIGDNTTVDWNVKGVVGDNLHKIGAGTLNVNVSQG
NNLKTGDGLVVLNSANAFDNIYMASGHGVVKINHSAALNQNNDYRGIFFTENGGTLDLNGYDQSFNKIAA
TDIGALITNSAVQKAVLSVNNQSNYMYHGSVSGNTEINHQFDTQKNNSRLILDGNVDITNDINIKNSQLT
MQGHATSHAVFREGGVTCMLPGVICEKDYVSGIQQQENSANKNNNTDYKTNNQVSSFEQPDWENRLFKFK
TLNLINSDFIVGRNAIVVGDISANNSTLSLSGKDTKVHIDMYDGKNITGDGFGFRQDIKDGVSVSPESSS
YFGNVTLNNHSLLDIGNKFTGGIEAYDSSVSVTSQNAVFDRVGSFVNSSLTLEKGAKLTAQGGIFSTGAV
DVKENASLILTGTPSAQKQEYYSPVISTTEGINLGDKASLSVKNMGYLSSDIHAGTTAATINLGDGDAET
DSPLFSSLMKGYNAVLSGNITGEQSTVNMNNALWYSDGNSTIGTLKSTGGRVELGGGKDFATLRVKELNA
NNATFLMHTNNSQADQLNVTNKLLGSNNTVLVDFLNKPASEMNVTLITAPKGSDEKTFTAGTQQIGFSNV
TPVISTEKTDDATKWMLTGYQTVSDAGASKTATDFMASGYKSFLTEVNNLNKRMGDLRDTQGDAGVWARI
MNGTGSADGGYSDNYTHVQIGADRKHELDGVDLFTGALLTYTDSNASSHAFSGKTKSVGGGLYASALFDS
GAYFDLIGKYLHHDNQYTASFASLGTKDYSSHSWYAGAEVGYRYHLSEESWVEPQMELVYGSVSGKSFSW
EDRGMALSMKDKDYNPLIGRTGVDVGRTFSGDDWKITARAGLGYQFDLLANGETVLRDASGEKRFEGEKD
SRMLMNVGMNAEIKDNMRFGLELEKSAFGKYNVDNAINANFRYSF

配列番号14- ESPC_ECO27に由来する分泌ユニット
YKSFLTEVNNLNKRMGDLRDTQGDAGVWARIMNGTGSADGGYSDNYTHVQIGADRKHELDGVDLFTGALLTYTDSNASSHAFSGKTKSVGGGLYASALFDSGAYFDLIGKYLHHDNQYTASFASLGTKDYSSHSWYAGAEVGYRYHLSEESWVEPQMELVYGSVSGKSFSWEDRGMALSMKDKDYNPLIGRTGVDVGRTFSGDDWKITARAGLGYQFDLLANGETVLRDASGEKRFEGEKDSRMLMNVGMNAEIKDNMRFGLELEKSAFGKYNVDNAINANFRYSF

配列番号15 - ESPC_ECO27 分泌ユニットをコードする核酸配列
TATAAATCCT TCCTGACAGA GGTCAATAAT CTGAACAAGC GTATGGGTGA CCTGCGGGAT 60
ACTCAGGGGG ATGCCGGCGT CTGGGCGCGC ATCATGAACG GTACCGGTTC GGCAGATGGT 120
GGTTACAGCG ATAACTACAC TCACGTTCAG ATTGGTGCCG ACAGAAAGCA TGAGCTGGAC 180
GGTGTGGATT TGTTCACGGG TGCATTACTG ACCTATACAG ACAGCAATGC AAGCAGCCAC 240
GCCTTCAGTG GTAAAACCAA ATCCGTGGGG GGAGGGTTGT ACGCTTCAGC ACTCTTTGAT 300
TCCGGGGCTT ATTTTGACCT GATTGGTAAA TATCTCCATC ACGACAATCA GTACACGGCG 360
AGTTTTGCGT CTCTTGGTAC AAAAGACTAC AGCTCTCATT CCTGGTATGC CGGTGCAGAG 420
GTCGGGTATC GTTACCACCT GTCGGAAGAG TCCTGGGTGG AGCCACAGAT GGAGCTGGTT 480
TACGGTTCTG TGTCAGGAAA ATCTTTTAGC TGGGAAGACC GGGGAATGGC CCTGAGCATG 540
AAAGACAAGG ATTATAACCC ACTGATTGGC CGTACCGGTG TTGACGTGGG AAGAACCTTC 600
TCCGGAGACG ACTGGAAAAT TACCGCGCGA GCCGGGCTGG GTTACCAGTT CGACCTGCTG 660
GCGAACGGAG AAACGGTTCT GCGGGATGCA TCCGGAGAGA AACGTTTTGA AGGTGAAAAG 720
GACAGCAGAA TGCTGATGAA TGTGGGGATG AATGCGGAAA TTAAGGATAA TATGCGTTTT 780
GGCTTGGAGC TGGAAAAATC GGCGTTCGGG AAATATAACG TGGACAATGC GATAAACGCT 840
AACTTCCGTT ATTCTTTCTG A

配列番号16- TSH_E.coli アミノ酸配列
MNRIYSLRYSAVARGFIAVSEFARKCVHKSVRRLCFPVLLLIPVLFSAGSLAGTVNNELGYQLFRDFAEN
KGMFRPGATNIAIYNKQGEFVGTLDKAAMPDFSAVDSEIGVATLINPQYIASVKHNGGYTNVSFGDGENR
YNIVDRNNAPSLDFHAPRLDKLVTEVAPTAVTAQGAVAGAYLDKERYPVFYRLGSGTQYIKDSNGQLTQM
GGAYSWLTGGTVGSLSSYQNGEMISTSSGLVFDYKLNGAMPIYGEAGDSGSPLFAFDTVQNKWVLVGVLT
AGNGAGGRGNNWAVIPLDFIGQKFNEDNDAPVTFRTSEGGALEWSFNSSTGAGALTQGTTTYAMHGQQGN
DLNAGKNLIFQGQNGQINLKDSVSQGAGSLTFRDNYTVTTSNGSTWTGAGIVVDNGVSVNWQVNGVKGDN
LHKIGEGTLTVQGTGINEGGLKVGDGKVVLNQQADNKGQVQAFSSVNIASGRPTVVLTDERQVNPDTVSW
GYRGGTLDVNGNSLTFHQLKAADYGAVLANNVDKRATITLDYALRADKVALNGWSESGKGTAGNLYKYNN
PYTNTTDYFILKQSTYGYFPTDQSSNATWEFVGHSQGDAQKLVADRFNTAGYLFHGQLKGNLNVDNRLPE
GVTGALVMDGAADISGTFTQENGRLTLQGHPVIHAYNTQSVADKLAASGDHSVLTQPTSFSQEDWENRSF
TFDRLSLKNTDFGLGRNATLNTTIQADNSSVTLGDSRVFIDKNDGQGTAFTLEEGTSVATKDADKSVFNG
TVNLDNQSVLNINDIFNGGIQANNSTVNISSDSAVLGNSTLTSTALNLNKGANALASQSFVSDGPVNISD
AALSLNSRPDEVSHTLLPVYDYAGSWNLKGDDARLNVGPYSMLSGNINVQDKGTVTLGGEGELSPDLTLQ
NQMLYSLFNGYRNIWSGSLNAPDATVSMTDTQWSMNGNSTAGNMKLNRTIVGFNGGTSPFTTLTTDNLDA
VQSAFVMRTDLNKADKLVINKSATGHDNSIWVNFLKKPSNKDTLDIPLVSAPEATADNLFRASTRVVGFS
DVTPILSVRKEDGKKEWVLDGYQVARNDGQGKAAATFMHISYNNFITEVNNLNKRMGDLRDINGEAGTWV
RLLNGSGSADGGFTDHYTLLQMGADRKHELGSMDLFTGVMATYTDTDASADLYSGKTKSWGGGFYASGLF
RSGAYFDVIAKYIHNENKYDLNFAGAGKQNFRSHSLYAGAEVGYRYHLTDTTFVEPQAELVWGRLQGQTF
NWNDSGMDVSMRRNSVNPLVGRTGVVSGKTFSGKDWSLTARAGLHYEFDLTDSADVHLKDAAGEHQINGR
KDSRMLYGVGLNARFGDNTRLGLEVERSAFGKYNTDDAINANIRYSF

配列番号17 - TSH_E.coliに由来する分泌ユニット
YNNFITEVNNLNKRMGDLRDINGEAGTWVRLLNGSGSADGGFTDHYTLLQMGADRKHELGSMDLFTGVMATYTDTDASADLYSGKTKSWGGGFYASGLFRSGAYFDVIAKYIHNENKYDLNFAGAGKQNFRSHSLYAGAEVGYRYHLTDTTFVEPQAELVWGRLQGQTFNWNDSGMDVSMRRNSVNPLVGRTGVVSGKTFSGKDWSLTARAGLHYEFDLTDSADVHLKDAAGEHQINGRKDSRMLYGVGLNARFGDNTRLGLEVERSAFGKYNTDDAINANIRYSF


配列番号18 - TSH_E.coli 分泌ユニットをコードする核酸配列
TATAACAACT TCATCACTGA AGTTAACAAC CTGAACAAAC GCATGGGCGA TTTGAGGGAT 60
ATTAATGGCG AAGCCGGTAC GTGGGTGCGT CTGCTGAACG GTTCCGGCTC TGCTGATGGC 120
GGTTTCACTG ACCACTATAC CCTGCTGCAG ATGGGGGCTG ACCGTAAGCA CGAACTGGGA 180
AGTATGGACC TGTTTACCGG CGTGATGGCC ACCTACACTG ACACAGATGC GTCAGCAGAC 240
CTGTACAGCG GTAAAACAAA ATCATGGGGT GGTGGTTTCT ATGCCAGTGG TCTGTTCCGG 300
TCCGGCGCTT ACTTTGATGT GATTGCCAAA TATATTCACA ATGAAAACAA ATATGACCTG 360
AACTTTGCCG GAGCTGGTAA ACAGAACTTC CGCAGCCATT CACTGTATGC AGGTGCAGAA 420
GTCGGATACC GTTATCATCT GACAGATACG ACGTTTGTTG AACCTCAGGC GGAACTGGTC 480
TGGGGAAGAC TGCAGGGCCA AACATTTAAC TGGAACGACA GTGGAATGGA TGTCTCAATG 540
CGTCGTAACA GCGTTAATCC TCTGGTAGGC AGAACCGGCG TTGTTTCCGG TAAAACCTTC 600
AGTGGTAAGG ACTGGAGTCT GACAGCCCGT GCCGGCCTGC ATTATGAGTT CGATCTGACG 660
GACAGTGCTG ACGTTCATCT GAAGGATGCA GCGGGAGAAC ATCAGATTAA TGGCAGAAAA 720
GACAGTCGTA TGCTTTACGG TGTGGGGTTA AATGCCCGGT TTGGCGACAA TACGCGTTTG 780
GGGCTGGAAG TTGAACGCTC TGCATTTGGT AAATACAACA CAGATGATGC GATAAACGCT 840
AATATTCGTT ATTCATTCTG A

配列番号19- SEPA_EC536 アミノ酸配列
MNKIYALKYCYITNTVKVVSELARRVCKGSTRRGKRLSVLTSLALSALLPTVAGASTVGGNNPYQTYRDF
AENKGQFQAGATNIPIFNNKGELVGHLDKAPMVDFSSVNVSSNPGVATLINPQYIASVKHNKGYQSVSFG
DGQNSYHIVDRNEHSSSDLHTPRLDKLVTEVAPATVTSSSTADILTPSKYSAFYRAGSGSQYIQDSQGKR
HWVTGGYGYLTGGILPTSFFYHGSDGIQLYMGGNIHDHSILPSFGEAGDSGSPLFGWNTAKGQWELVGVY
SGVGGGTNLIYSLIPQSFLSQIYSEDNDAPVFFNASSGAPLQWKFDSSTGTGSLKQGSDEYAMHGQKGSD
LNAGKNLTFLGHNGQIDLENSVTQGAGSLTFTDDYTVTTSNGSTWTGAGIIVDKDASVNWQVNGVKGDNL
HKIGEGTLVVQGTGVNEGGLKVGDGTVVLNQQADSSGHVQAFSSVNIASGRPTVVLADNQQVNPDNISWG
YRGGVLDVNGNDLTFHKLNAADYGATLGNSSDKTANITLDYQTHPADVKVNEWSSSNRGTVGSLYIYNNP
YTHTVDYFILKTSSYGWFPTGQVSNEHWEYVGHDQNSAQALLANRINNKGYLYHGKLLGNINFSNKATPG
TTGALVMDGSANMSGTFTQENGRLTIQGHPVIHASTSQSIANTVSSLGDNSVLTQPTSFTQDDWENRTFS
FGSLVLKDTDFGLGRNATLNTTIQADNSSVTLGDSRVFIDKKDGQGTAFTLEEGTSVATKDADKSVFNGT
VNLDNQSVLNINDIFNGGIQANNSTVNISSDSAILGNSTLTSTALNLNKGANALASQSFVSDGPVNISDA
TLSLNSRPDEVSHTLLPVYDYAGSWNLKGDDARLNVGPYSMLSGNINVQDKGTVTLGGEGELSPDLTLQN
QMLYSLFNGYRNTWSGSLNAPDATVSMTDTQWSMNGNSTAGNMKLNRTIVGFNGGTSSFTTLTTDNLDAV
QSAFVMRTDLNKADKLVINKSATGHDNSIWVNFLKKPSDKDTLDIPLVSAPEATADNLFRASTRVVGFSD
VTPTLSVRKEDGKKEWVLDGYQVARNDGQGKAAATFMHISYNNFITEVNNLNKRMGDLRDINGEAGTWVR
LLNGSGSADGGFTDHYTLLQMGADRKHELGSMDLFTGVMATYTDTDASAGLYSGKTKSWGGGFYASGLFR
SGAYFDLIAKYIHNENKYDLNFAGAGKQNFRSHSLYAGAEVGYRYHLTDTTFVEPQAELVWGRLQGQTFN
WNDSGMDVSMRRNSVNPLVGRTGVVSGKTFSGKDWSLTARAGLHYEFDLTDSADVHLKDAAGEHQINGRK
DGRMLYGVGLNARFGDNTRLGLEVERSAFGKYNTDDAINANIRYSF

配列番号20-SEPA_EC536に由来する分泌ユニット
YNNFITEVNNLNKRMGDLRDINGEAGTWVRLLNGSGSADGGFTDHYTLLQMGADRKHELGSMDLFTGVMATYTDTDASAGLYSGKTKSWGGGFYASGLFRSGAYFDLIAKYIHNENKYDLNFAGAGKQNFRSHSLYAGAEVGYRYHLTDTTFVEPQAELVWGRLQGQTFNWNDSGMDVSMRRNSVNPLVGRTGVVSGKTFSGKDWSLTARAGLHYEFDLTDSADVHLKDAAGEHQINGRKDGRMLYGVGLNARFGDNTRLGLEVERSAFGKYNTDDAINANIRYSF

配列番号21-SEPA_EC536 分泌ユニットをコードする核酸配列
TATAACAACT TCATCACTGA AGTTAACAAC CTGAACAAAC GCATGGGCGA TTTGAGGGAT 60
ATTAACGGCG AAGCCGGTAC GTGGGTGCGT CTGCTGAACG GTTCCGGCTC TGCTGATGGC 120
GGTTTCACTG ACCACTATAC CCTGCTGCAG ATGGGGGCTG ACCGTAAGCA CGAACTGGGA 180
AGTATGGACC TGTTTACCGG CGTGATGGCC ACCTACACTG ACACAGATGC GTCAGCAGGC 240
CTGTACAGCG GTAAAACAAA ATCATGGGGT GGTGGTTTCT ATGCCAGTGG TCTGTTCCGG 300
TCCGGCGCTT ACTTTGATTT GATTGCCAAA TATATTCACA ATGAAAACAA ATATGACCTG 360
AACTTTGCCG GAGCTGGTAA ACAGAACTTC CGCAGCCATT CACTGTATGC AGGTGCAGAA 420
GTCGGATACC GTTATCATCT GACAGATACG ACGTTTGTTG AACCTCAGGC GGAACTGGTC 480
TGGGGAAGAC TGCAGGGCCA AACATTTAAC TGGAACGACA GTGGAATGGA TGTCTCAATG 540
CGTCGTAACA GCGTTAATCC TCTGGTAGGC AGAACCGGCG TTGTTTCCGG TAAAACCTTC 600
AGTGGTAAGG ACTGGAGTCT GACAGCCCGT GCCGGCCTAC ATTATGAGTT CGATCTGACG 660
GACAGTGCTG ACGTTCACCT GAAGGATGCA GCGGGAGAAC ATCAGATTAA TGGGAGAAAA 720
GACGGTCGTA TGCTTTACGG TGTGGGGTTA AATGCCCGGT TTGGCGACAA TACGCGTCTG 780
GGGCTGGAAG TTGAACGCTC TGCATTCGGT AAATACAACA CAGATGATGC GATAAACGCT 840
AACATTCGTT ATTCATTCTG A

配列番号22- PIC_ECO44 アミノ酸配列
MNKVYSLKYCPVTGGLIAVSELARRVIKKTCRRLTHILLAGIPAICLCYSQISQAGIVRSDIAYQIYRDF
AENKGLFVPGANDIPVYDKDGKLVGRLGKAPMADFSSVSSNGVATLVSPQYIVSVKHNGGYRSVSFGNGK
NTYSLVDRNNHPSIDFHAPRLNKLVTEVIPSAVTSEGTKANAYKYTERYTAFYRVGSGTQYTKDKDGNLV
KVAGGYAFKTGGTTGVPLISDATIVSNPGQTYNPVNGPLPDYGAPGDSGSPLFAYDKQQKKWVIVAVLRA
YAGINGATNWWNVIPTDYLNQVMQDDFDAPVDFVSGLGPLNWTYDKTSGTGTLSQGSKNWTMHGQKDNDL
NAGKNLVFSGQNGAIILKDSVTQGAGYLEFKDSYTVSAESGKTWTGAGIITDKGTNVTWKVNGVAGDNLH
KLGEGTLTINGTGVNPGGLKTGDGIVVLNQQADTAGNIQAFSSVNLASGRPTVVLGDARQVNPDNISWGY
RGGKLDLNGNAVTFTRLQAADYGAVITNNAQQKSQLLLDLKAQDTNVSEPTIGNISPFGGTGTPGNLYSM
ILNSQTRFYILKSASYGNTLWGNSLNDPAQWEFVGMDKNKAVQTVKDRILAGRAKQPVIFHGQLTGNMDV
AIPQVPGGRKVIFDGSVNLPEGTLSQDSGTLIFQGHPVIHASISGSAPVSLNQKDWENRQFTMKTLSLKD
ADFHLSRNASLNSDIKSDNSHITLGSDRAFVDKNDGTGNYVIPEEGTSVPDTVNDRSQYEGNITLNHNSA
LDIGSRFTGGIDAYDSAVSITSPDVLLTAPGAFAGSSLTVHDGGHLTALNGLFSDGHIQAGKNGKITLSG
TPVKDTANQYAPAVYLTDGYDLTGDNAALEITRGAHASGDIHASAASTVTIGSDTPAELASAETAASAFA
GSLLEGYNAAFNGAITGGRADVSMHNALWTLGGDSAIHSLTVRNSRISSEGDRTFRTLTVNKLDATGSDF
VLRTDLKNADKINVTEKATGSDNSLNVSFMNNPAQGQALNIPLVTAPAGTSAEMFKAGTRVTGFSRVTPT
LHVDTSGGNTKWILDGFKAEADKAAAAKADSFMNAGYKNFMTEVNNLNKRMGDLRDTNGDAGAWARIMSG
AGSADGGYSDNYTHVQVGFDKKHELDGVDLFTGVTMTYTDSSADSHAFSGKTKSVGGGLYASALFESGAY
IDLIGKYIHHDNDYTGNFASLGTKHYNTHSWYAGAETGYRYHLTEDTFIEPQAELVYGAVSGKTFRWKDG
DMDLSMKNRDFSPLVGRTGVELGKTFSGKDWSVTARAGTSWQFDLLNNGETVLRDASGEKRIKGEKDSRM
LFNVGMNAQIKDNMRFGLEFEKSAFGKYNVDNAVNANFRYMF

配列番号23-PIC_ECO44に由来する分泌ユニット
YKNFMTEVNNLNKRMGDLRDTNGDAGAWARIMSGAGSADGGYSDNYTHVQVGFDKKHELDGVDLFTGVTMTYTDSSADSHAFSGKTKSVGGGLYASALFESGAYIDLIGKYIHHDNDYTGNFASLGTKHYNTHSWYAGAETGYRYHLTEDTFIEPQAELVYGAVSGKTFRWKDGDMDLSMKNRDFSPLVGRTGVELGKTFSGKDWSVTARAGTSWQFDLLNNGETVLRDASGEKRIKGEKDSRMLFNVGMNAQIKDNMRFGLEFEKSAFGKYNVDNAVNANFRYMF

配列番号24- PIC_ECO44分泌ユニットをコードする核酸配列
TATAAAAACT TCATGACGGA AGTTAACAAT CTGAACAAAC GTATGGGTGA CCTGCGTGAC 60
ACAAACGGTG ATGCCGGTGC CTGGGCGCGC ATCATGAGTG GTGCCGGTTC TGCAGACGGT 120
GGTTACAGTG ATAATTACAC CCATGTTCAG GTCGGCTTTG ACAAAAAACA TGAACTGGAC 180
GGTGTGGACC TGTTTACCGG TGTCACGATG ACCTATACCG ACAGCAGTGC AGACAGCCAT 240
GCATTCAGCG GAAAGACGAA ATCGGTGGGG GGCGGTCTGT ATGCTTCAGC ATTGTTTGAG 300
TCCGGTGCCT ATATCGATTT GATTGGTAAA TATATTCACC ATGACAATGA TTACACAGGT 360
AACTTTGCTA GCCTGGGAAC GAAACACTAC AACACCCATT CCTGGTATGC CGGTGCTGAA 420
ACGGGTTACC GCTATCACCT GACAGAGGAC ACGTTCATTG AGCCGCAGGC TGAACTGGTT 480
TACGGCGCCG TGTCCGGGAA AACATTCCGC TGGAAAGACG GTGATATGGA CCTGAGCATG 540
AAGAACAGGG ACTTCAGTCC GCTGGTTGGA AGAACAGGGG TTGAACTGGG CAAGACCTTC 600
AGTGGTAAGG ACTGGAGTGT GACGGCCCGT GCCGGAACCA GCTGGCAGTT TGACCTGCTG 660
AATAATGGAG AGACCGTACT GCGTGATGCG TCCGGGGAGA AACGGATAAA AGGAGAGAAG 720
GACAGCCGGA TGCTGTTTAA TGTTGGTATG AATGCGCAGA TAAAGGACAA TATGCGCTTT 780
GGTCTGGAGT TTGAGAAGTC AGCCTTTGGT AAATATAACG TGGATAATGC GGTAAACGCG 840
AATTTCCGGT ATATGTTCTG A

配列番号25- SEPA_SHIFL アミノ酸配列
MNKIYYLKYCHITKSLIAVSELARRVTCKSHRRLSRRVILTSVAALSLSSAWPALSATVSAEIPYQIFRD
FAENKGQFTPGTTNISIYDKQGNLVGKLDKAPMADFSSATITTGSLPPGDHTLYSPQYVVTAKHVSGSDT
MSFGYAKNTYTAVGTNNNSGLDIKTRRLSKLVTEVAPAEVSDIGAVSGAYQAGGRFTEFYRLGGGMQYVK
DKNGNRTQVYTNGGFLVGGTVSALNSYNNGQMITAQTGDIFNPANGPLANYLNMGDSGSPLFAYDSLQKK
WVLIGVLSSGTNYGNNWVVTTQDFLGQQPQNDFDKTIAYTSGEGVLQWKYDAANGTGTLTQGNTTWDMHG
KKGNDLNAGKNLLFTGNNGEVVLQNSVNQGAGYLQFAGDYRVSALNGQTWMGGGIITDKGTHVLWQVNGV
AGDNLHKTGEGTLTVNGTGVNAGGLKVGDGTVILNQQADADGKVQAFSSVGIASGRPTVVLSDSQQVNPD
NISWGYRGGRLELNGNNLTFTRLQAADYGAIITNNSEKKSTVTLDLQTLKASDINVPVNTVSIFGGRGAP
GDLYYDSSTKQYFILKASSYSPFFSDLNNSSVWQNVGKDRNKAIDTVKQQKIEASSQPYMYHGQLNGNMD
VNIPQLSGKDVLALDGSVNLPEGSITKKSGTLIFQGHPVIHAGTTTSSSQSDWETRQFTLEKLKLDAATF
HLSRNGKMQGDINATNGSTVILGSSRVFTDRSDGTGNAVFSVEGSATATTVGDQSDYSGNVTLENKSSLQ
IMERFTGGIEAYDSTVSVTSQNAVFDRVGSFVNSSLTLGKGAKLTAQSGIFSTGAVDVKENASLTLTGMP
SAQKQGYYSPVISTTEGINLEDNASFSVKNMGYLSSDIHAGTTAATINLGDSDADAGKTDSPLFSSLMKG
YNAVLRGSITGAQSTVNMINALWYSDGKSEAGALKAKGSRIELGDGKHFATLQVKELSADNTTFLMHTNN
SRADQLNVTDKLSGSNNSVLVDFLNKPASEMSVTLITAPKGSDEKTFTAGTQQIGFSNVTPVISTEKTDD
ATKWVLTGYQTTADAGASKAAKDFMASGYKSFLTEVNNLNKRMGDLRDTQGDAGVWARIMNGTGSADGDY
SDNYTHVQIGVDRKHELDGVDLFTGALLTYTDSNASSHAFSGKNKSVGGGLYASALFNSGAYFDLIGKYL
HHDNQHTANFASLGTKDYSSHSWYAGAEVGYRYHLTKESWVEPQIELVYGSVSGKAFSWEDRGMALSMKD
KDYNPLIGRTGVDVGRAFSGDDWKITARAGLGYQFDLLANGETVLQDASGEKRFEGEKDSRMLMTVGMNA
EIKDNMRLGLELEKSAFGKYNVDNAINANFRYVF

配列番号26-SEPA_SHIFLに由来する分泌ユニット
YKSFLTEVNNLNKRMGDLRDTQGDAGVWARIMNGTGSADGDYSDNYTHVQIGVDRKHELDGVDLFTGALLTYTDSNASSHAFSGKNKSVGGGLYASALFNSGAYFDLIGKYLHHDNQHTANFASLGTKDYSSHSWYAGAEVGYRYHLTKESWVEPQIELVYGSVSGKAFSWEDRGMALSMKDKDYNPLIGRTGVDVGRAFSGDDWKITARAGLGYQFDLLANGETVLQDASGEKRFEGEKDSRMLMTVGMNAEIKDNMRLGLELEKSAFGKYNVDNAINANFRYVF

配列番号27- SEPA_SHIFL 分泌ユニットをコードする核酸配列
TATAAGTCCT TCCTTACAGA GGTCAATAAC CTGAACAAAC GTATGGGTGA CCTGCGGGAT 60
ACTCAGGGGG ATGCCGGTGT CTGGGCACGC ATAATGAATG GTACCGGTTC GGCAGATGGT 120
GACTACAGCG ATAACTACAC TCACGTTCAG ATTGGTGTCG ACAGAAAGCA TGAGCTGGAC 180
GGTGTGGATT TATTTACGGG GGCATTGCTG ACCTATACGG ACAGCAATGC AAGCAGCCAC 240
GCATTCAGTG GAAAAAACAA ATCCGTGGGT GGCGGTCTGT ATGCCTCTGC ACTCTTTAAT 300
TCCGGAGCTT ATTTTGACCT GATTGGTAAA TATCTCCATC ATGATAATCA GCACACGGCG 360
AATTTTGCCT CACTGGGAAC AAAAGACTAC AGCTCTCATT CCTGGTATGC CGGTGCTGAA 420
GTTGGTTATC GTTACCACCT GACGAAAGAG TCCTGGGTGG AGCCACAGAT AGAGCTGGTT 480
TACGGTTCTG TATCAGGAAA AGCTTTTAGC TGGGAAGACC GGGGAATGGC TCTGAGCATG 540
AAAGACAAGG ATTATAACCC ACTGATTGGC CGTACTGGTG TTGACGTGGG AAGAGCCTTC 600
TCCGGAGACG ACTGGAAAAT CACAGCTCGA GCCGGGCTGG GTTATCAGTT CGACCTGCTG 660
GCGAACGGAG AAACGGTTCT GCAGGATGCT TCCGGAGAGA AACGTTTCGA AGGTGAAAAA 720
GATAGCAGGA TGCTGATGAC GGTAGGGATG AATGCGGAAA TTAAGGATAA TATGCGTTTG 780
GGACTGGAGC TGGAGAAATC AGCGTTCGGG AAATATAATG TGGATAATGC GATAAACGCC 840
AACTTCCGTT ATGTTTTCTG A

配列番号28-E. coliにおける発現のために最適化された、分泌ユニットをコードするPET_ECO44核酸配列
TACAAAGCGT TCCTGGCGGA AGTTAACAAC CTGAACAAAC GTATGGGTGA CCTGCGTGAC 60
ATCAACGGTG AAGCGGGTGC GTGGGCGCGT ATCATGTCTG GCACCGGCTC GGCCGGTGGT 120
GGTTTCTCTG ACAACTACAC CCACGTTCAG GTTGGTGCGG ACAACAAACA CGAACTGGAC 180
GGTCTGGACC TGTTCACCGG CGTTACCATG ACCTACACCG ACTCTCACGC CGGCTCTGAC 240
GCTTTCTCTG GTGAAACCAA ATCTGTTGGT GCGGGTCTGT ACGCTTCTGC GATGTTTGAA 300
TCTGGTGCGT ACATCGACCT GATCGGTAAA TACGTTCACC ACGACAACGA ATACACCGCG 360
ACCTTCGCGG GTCTGGGTAC CCGTGACTAC TCTTCTCACT CTTGGTACGC GGGTGCGGAA 420
GTTGGTTACC GTTACCACGT TACCGACTCT GCGTGGATCG AACCGCAGGC GGAACTGGTT 480
TACGGTGCGG TTTCTGGTAA ACAGTTCTCT TGGAAAGACC AGGGTATGAA CCTGACCATG 540
AAAGACAAAG ACTTCAACCC GCTGATCGGT CGTACCGGCG TTGACGTCGG TAAATCTTTC 600
TCTGGTAAAG ACTGGAAAGT TACCGCGCGT GCGGGTCTGG GTTACCAGTT CGACCTGTTC 660
GCTAACGGTG AAACCGTTCT GCGTGACGCT TCTGGTGAAA AACGTATCAA AGGTGAAAAA 720
GACGGTCGTA TGCTGATGAA CGTGGGTCTG AACGCGGAAA TCCGTGACAA CGTGCGTTTC 780
GGTCTGGAAT TCGAGAAATC TGCGTTCGGT AAATACAACG TGGACAACGC GATCAACGCG 840
AACTTCCGTT ACTCTTTCTG ATAA

配列番号29: N末端シグナル配列:
MNKIYSIKYSAATGGLIAVSELAKKVICKTNRKISAALLSLAVISYTNIIYA

配列番号30: N末端シグナル配列をコードする核酸配列:
ATGAATAAAA TATACTCCAT TAAATATAGT GCTGCCACTG GCGGACTCAT TGCTGTTTCT 60
GAATTAGCGA AAAAAGTCAT ATGTAAAACA AACCGAAAAA TTTCTGCTGC ATTATTATCT 120
CTGGCAGTTA TTAGTTATAC TAATATAATA TATGCC

配列番号31: (コドン最適化された)N末端シグナル配列をコードする核酸配列:
ATGAACAAAA TCTACTCTAT CAAATACTCT GCGGCGACCG GCGGTCTGAT CGCGGTTTCT 60
GAGCTCGCCA AAAAAGTTAT CTGCAAAACC AACCGTAAAA TCTCTGCGGC GCTGCTGTCT 120
CTGGCGGTTA TCTCTTACAC CAACATCATC TACGCG

配列番号32 - ループ3アミノ酸を欠くPET_ECO44に由来する分泌ユニット(配列番号1において使用される番号による1129〜1136)
YKAFLAEVNNLNKRMGDLRDINGEAGAWARIMSGTGSAGGGFSDNYTHVQVGADNKHELDGLDLFTGVTMTYTDSHAGSDAFSGETKSVGAGLYASAMFESGAYIDLIGKYVHHDNEYTRDYSSHSWYAGAEVGYRYHVTDSAWIEPQAELVYGAVSGKQFSWKDQGMNLTMKDKDFNPLIGRTGVDVGKSFSGKDWKVTARAGLGYQFDLFANGETVLRDASGEKRIKGEKDGRMLMNVGLNAEIRDNVRFGLEFEKSAFGKYNVDNAINANFRYSF

Claims (29)

  1. SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列を含む細菌性発現構築物であって、
    前記分泌ユニットペプチドが、前記オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含むことを特徴とする細菌性発現構築物。
  2. 前記αヘリックス、前記リンカ、および前記βバレル領域は、Pet、Sat、EspP、SigA、EspC、Tsh、SepA、Pic、Hbp、SsaA、EatA、EpeA、EspI、PicU、Vat、Boa、IgA1、Hap、App、MspA、EaaA、およびEaaCから選択されるSPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドから独立して得ることができることを特徴とする請求項1に記載の発現構築物。
  3. 前記分泌ユニットペプチドは、単一のSPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドから得ることができることを特徴とする請求項1に記載の発現構築物。
  4. 前記分泌ユニットペプチドは、Pet、Sat、EspP、SigA、EspC、Tsh、SepA、およびPicから選択されるSPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドから得ることができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発現構築物。
  5. 前記分泌ユニットペプチドは、PET_ECO44、SAT_CFT073、ESPP_ECO57、SIGA_SHIFL、ESPC_ECO27、TSH_E.coli、SEPA_EC536、PIC_ECO44、およびSEPA_SHIFLから選択される1以上のSPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドから得ることができることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発現構築物。
  6. 前記分泌ユニットペプチドは、配列番号2、5、8、11、14、17、20、23もしくは26、またはその変異体のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含み、
    前記変異体は、ペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介することができることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の発現構築物。
  7. 前記分泌ユニットペプチドをコードする核酸配列は、配列番号3、6、9、12、15、18、21、24、27もしくは28、またはその変異体のいずれか1つに示される核酸配列を含み、
    前記変異体は、ペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介することができることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の発現構築物。
  8. 前記分泌ユニットペプチドは、SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸からなり、前記オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の発現構築物。
  9. 前記分泌ユニットペプチドは、配列番号2、5、8、11、14、17、20、23もしくは26またはその変異体のいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなり、
    前記変異体は、ペリプラスムからのペプチドの細胞外分泌を媒介することができることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の発現構築物。
  10. 前記分泌ユニットペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする請求項9に記載の発現構築物。
  11. 5’から前記分泌ユニットのN末端アミノ酸をコードする核酸配列までに位置するマルチクローニングサイトをさらに含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の発現構築物。
  12. 細菌性内膜シグナルペプチドをコードする核酸配列をさらに含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の発現構築物。
  13. 前記細菌性内膜シグナルペプチドは、配列番号29に示されるアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項10に記載の発現構築物。
  14. (i)細菌性内膜シグナルペプチドをコードする核酸が、作動可能に3’末端で
    (ii)マルチクローニングサイトに連結され、前記マルチクローニングサイトが、作動可能に3’末端で
    (iii)前記分泌ユニットをコードする核酸に連結されている構造を有することを特徴とする請求項12または13に記載の発現構築物。
  15. マルチクローニングサイトに位置する目的タンパク質をコードする第2の核酸配列をさらに含み、
    前記第2の核酸は、目的タンパク質が作動可能に前記分泌ユニットペプチドに連結されるように配置されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の発現構築物。
  16. (i)細菌性内膜シグナルペプチドが、作動可能にC末端で
    (ii)目的タンパク質に連結され、前記目的タンパク質が、作動可能にC末端で
    (iii)前記分泌ユニットペプチドに連結される構造を有する組換えポリペプチドをコードすることを特徴とする請求項15に記載の発現構築物。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の発現構築物を含むことを特徴とする宿主細胞。
  18. グラム陰性細菌であることを特徴とする請求項17に記載の宿主細胞。
  19. SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドを含む分泌ユニットペプチドを含む組換えペプチドであって、
    前記分泌ユニットペプチドが、前記オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含むことを特徴とする組み換えペプチド。
  20. 請求項1〜10のいずれか1項によって定義される分泌ユニットを含むことを特徴とする請求項19に記載の組換えペプチド。
  21. 請求項19または20に記載の組換えペプチドをコードする配列を含むことを特徴とする核酸分子。
  22. 目的タンパク質に融合された、請求項19または20に記載のペプチドを含むことを特徴とする組換え融合タンパク質。
  23. ポリペプチドをペリプラスムから分泌させる方法であって、
    SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドを前記ポリペプチドのC末端に融合させる工程を含み、
    前記分泌ユニットペプチドが、前記オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含むことを特徴とする方法。
  24. SPATE型細菌性オートトランスポータポリペプチドのC末端の300未満のアミノ酸を含む分泌ユニットペプチドの使用であって、
    前記分泌ユニットペプチドが、細菌のペリプラスムからのポリペプチドの分泌のための前記オートトランスポータポリペプチドのβドメインの、(i)αヘリックス、(ii)リンカ、および(iii)βバレル領域を含むことを特徴とする使用。
  25. 前記分泌ユニットペプチドは、請求項1〜10のいずれか1項によって関連させて定義されることを特徴とする、請求項23に記載の方法、または請求項24に記載の使用。
  26. 組換えポリペプチドを作製する方法であって、
    培養培地中への組み換えポリペプチドの発現および分泌を得るために、請求項17または18に記載の宿主細胞を培養培地中で培養する工程を含むことを特徴とする方法。
  27. 前記組み換えポリペプチドを前記培養培地から回収する工程をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. (i)前記発現構築物、および(ii)取扱説明書を含むことを特徴とする部品のキット。
  29. 形質転換コンピテント宿主細胞、制限酵素、DNAポリメラーゼ、コントロールプラスミド挿入断片、ならびにタンパク質精製カラムおよび樹脂を含む群から選択される1つ以上の追加の構成要素をさらに含むことを特徴とする請求項28の部品のキット。
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