JP2014505164A - Ni及びCuを含まないPd基金属ガラス - Google Patents

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Abstract

本発明は、Ni及びCuを有しない、生物医学用途に適したPd基金属ガラス合金に向けられる。例示的な金属合金は、A{(Si)100−c(D)}で表され、ここで、AはPd、及びPdとPtとの組合せから選択することができ、BはAg、Au、Co、Fe、及びこれらの組合せから選択することができ、DはP、Ge、B、Sから選択することができる。また、a、b、c、及びdは原子百分率であり、aは約60から約90までの範囲にあり、bは約2から約18までの範囲にあり、dは約5から約25までの範囲にあり、cは0より大きく100より小さい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Ni及びCuを含まないPd基金属ガラスに向けられる。より具体的には、本発明は、生物医学用途に有用なPd基ガラス形成合金に向けられる。
金属ガラスは、通常の結晶合金とは異なり、非晶質の又は無秩序な原子スケールの構造を有し、これがユニークな化学的、機械的、及びレオロジー特性をもたらす。その原子構造のために、金属ガラスは一般に、典型的な結晶金属よりも優れた耐食性、より高い硬度、強度、及び弾性を示し、さらに、そのガラス転移温度(Tg)より高温で緩和させると軟化して流動することができ、この特性は著しい加工処理能力を与える。以前は、金属ガラスは、結晶化を回避するために液体から急冷することを必要とするためサブミリメートルの寸法(薄いリボン、シート、ワイヤ、又は粉末)に作成することのみが可能であった。しかし、最近のバルクガラス形成合金の開発により、数センチメートルもの大きさの寸法のガラスを形成することができる非常に緩慢な結晶化動力学を有する金属系の製造が可能になった。これらの開発は、優れた耐食性、高い強度及び硬度、並びに大きな弾性伸びを含むユニークな化学的及び機械的特性が望まれる多くの工学用途における金属ガラスの導入を可能にした。
今まで、最も堅固なガラス形成金属系はPd−Ni−Cu−P合金であり、これは7センチメートルもの大きな厚さを有する非晶質部分を形成することができる。このような大きな厚さの金属ガラスのインゴットを形成する能力は、多くの用途において関心を惹起した。しかし、Pd(貴金属)の法外に高い原価のためにこれらの用途の大部分は未だ手の届かないところにある。貴金属(Pdなど)の高い原価が法外に高いとは見なされない用途には、宝飾品及び腕時計並びに生物医学用途(例えば、整形外科及び歯科/歯科矯正用途など)がある。興味深いことに、Pdの貴金属特性が、Pd基ガラスをそのような用途にとって特に魅力的なものにする。しかし、数ミリメートル又はそれ以上の寸法を実現することが知られているPd基金属ガラスは、合金組成中にNi及びCuのいずれか又は両方を含むものだけである。実際、金属のガラス形成能は一般に、合金中にNi及び/又はCuが含まれることに大いに依存することが広く知られ認識されており、これらの金属を含めることで、そのような堅固な金属ガラス形成性材料(metallic glass former)の開発が可能になった。従って、Ni及びCuを含めることがガラス形成合金の形成に必要であると広く認められており、当業者であれば、これらの金属の少なくとも1つを含めることなしに優れたガラス形成合金の作成に成功するとは期待しないであろう。
金属ガラスにNi及びCuを含めることは、そのガラスが工学用途に用いられる場合には一般に適切であり受入れられるが、これらの金属は細胞毒性が高いので、これらの金属を含む金属ガラスを生物医学用途にとって不適当なものとなる。特に、Ni及びCuは電気陰性度が高く、そのため血流中にフリーラジカルとして存在し得る。このようなフリーラジカルは、身体内で、激しい生物学的有害反応の悪名高い誘因となる。従って、Ni及びCuは非生体適合性であると広く理解され見なされており、これらの金属を含む如何なる金属ガラスも同様に非生体適合性であると理解される。非晶質金属合金のガラス形成能は、Ni及び/又はCuの包含に強く依存するので、生物医学用途に使用するのに適したPd基金属ガラスの開発は非常に難しいことが分かっており、適切なそのような金属ガラスは未だ実現されていない。
幾つかの実施形態において、本発明は式1で表される金属ガラス合金に向けられる。
ab{(Si)100-c(D)cd (1)
式1中、AはPd、又はPdとPtの組合せとすることができ、BはAg、Au、Co、Fe、及びこれらの組合せから選択することができ、DはP、Ge、B、Sから選択することができる。また、a、b、c及びdは原子百分率であり、aは約60から約90までの範囲にあり、bは約2から約18までの範囲にあり、dは約5から約25までの範囲にあり、cは0より大きく100より小さい。
他の実施形態において、本発明は式2で表される金属ガラス合金に向けられる。
PdabSicdGee (2)
式中、XはAg若しくはAuのいずれか1つ、又はこれらの組合せであり、下付き文字は以下の限界を有する原子百分率である。aは74と86との間、好ましくは78.5と81.5との間にあり、より好ましくは79であり、bは2と5との間、好ましくは2.75と4.25との間にあり、より好ましくは3.5であり、cは8と10との間、好ましくは8.75と9.75との間にあり、より好ましくは9.5であり、dは4と8との間、好ましくは5と7との間にあり、より好ましくは6であり、eは0と3との間、好ましくは1.5と2.5との間にあり、より好ましくは2である。
本発明の他の実施形態において、式1及び式2で表される合金から3次元物体が形成される。3次元物体、例えば、ロッドは3mmより大きい直径を有し、6mmもの大きな直径を有し得る。幾つかの実施形態において、例えば、3次元物体は1mmより大きく約4mmまでの範囲の直径を有するロッドとすることができる。他の実施形態において、3次元物体は6mmを上回る寸法を有することができる。
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて考察しながら以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるであろう。
毛管水焼入れ法によって実施例3におけるように製造されたガラス質Pd77.5Ag6Si97.5の1mmワイヤの写真である。 実施例2及び実施例15並びに比較実施例1によって調製された合金の示差走査熱量測定走査を比較したグラフである。 実施例1から3までによって調製された合金のX線回折グラフのグラフである。 実施例30及び実施例32並びに比較実施例2によって調製された合金の示差走査熱量測定走査を比較したグラフである。 実施例30よって調製された合金のX線回折グラフである。 3mmと6mmとの間の範囲の直径を有する非晶質Pd79Ag3.56Si9.5Ge2ロッドの画像である。 非晶質Pd79Ag3.56Si9.5Ge2試料の示差走査熱量測定研究のデータのプロットである(矢印は左から右へ、ガラス転移温度Tg=337℃、結晶化温度Tx=370℃、固相線温度Ts=691℃、及び液相線温度Tl=793℃を示す)。 3mmと6mmとの間の範囲の直径を有する非晶質Pd79Ag3.56Si9.5Ge2ロッドのX線回折分析のデータのプロットである。 実施例3において調製されたガラス質Pd77.5Ag6Si97.5試料の圧縮応力−歪み応答のグラフである。 毛管水焼入れ法によって実施例3において生成された折り曲げられた可変厚のガラス質Pd77.5Ag6Si97.5ワイヤの写真である。
生物医学用途に有用な金属ガラスを形成するためには、ガラス形成金属が生体適合性であるべきであり、かつ、所望の生体医用部品を製造するのに十分に大きい寸法(1mmを上回る)のガラス質部分を形成することが可能であるべきである。さらに、このガラスは、低いヤング率及び高い靭性特性を有するべきである。これらの特性を有する金属ガラスは、整形外科及び歯科矯正用インプラント並びに固定用部品(ワイヤ、くぎ、プレート、ねじなど)などの生物医学用途に特に有用であろう。
Pd基金属ガラスは、一般に、必要な弾性率及び靭性特性を有し、生物医学用途に十分な厚さの3次元金属ガラス物体を形成することができるが、これらの金属ガラスはNi及びCuのうちの少なくとも1つ(又は多くの場合両方)を含むので非生体適合性になることが多く、それゆえに生物医学用途の使用に適さない。しかし、Pd基金属ガラスは望ましい弾性率及び靭性特性を有するので、本発明は、Ni及びCuを含まないPd基金属ガラスに向けられる。
生物医学用途に加えて、Ni及びCuを含まない本発明の合金は宝飾品及び腕時計においても有用である。Ni及びCuは多くの個体にアレルギー反応を引き起こすことが知られているので、これらの金属を除去した本発明の合金は、宝飾品及び腕時計用途の使用にも特に適している。
本発明の幾つかの実施形態において、金属ガラスは式1で表される生体適合合金に向けられる。
ab{(Si)100-c(D)cd (1)
式1中、AはPd、又はPdとPtの組合せとすることができ、BはAg、Au、Co、Fe、及びこれらの組合せから選択することができ、DはP、Ge、B、S、及びこれらの組合せから選択することができる。また、a、b、c及びdは原子百分率であり、aは約60から約90までの範囲にあり、bは約2から約18までの範囲にあり、dは約5から約25までの範囲にあり、cは0より大きく100より小さい。一実施形態において、BはAu、Ag、及びこれらの組合せから選択される。別の実施形態において、DはP、Ge、及びこれらの組合せから選択される。
式1に適合する適切な合金の非限定的な例としては、Pd77.5Ag6Si142.5、Pd77.5Ag6Si11.55、Pd77.5Ag6Si97.5、Pd77.5Ag6Si6.510、Pd77.5Ag6Si412.5、Pd79.5Ag4Si97.5、Pd78.5Ag5Si11.55、Pd76.5Ag7Si11.55、Pd75.5Ag8Si97.5、Pd75.5Ag8Si11.55、Pd75Ag8.5Si11.55、Pd73.5Ag10Si11.55、Pd76.85Ag8.14Si10.454.55、Pd74.14Ag7.86Si12.555.45、Pd75.5Ag8Si9Ge2.55、Pd75.5Ag8Si9.5Ge25、Pd75Ag8.5Si9.5Ge25、Pd76Ag7.5Si9.5Ge25、Pd75.5Ag8Si10.5Ge24、Pd75.5Ag8Si8.5Ge26、Pd75.5Ag8Si6.5Ge55、Pd75.5Ag8Si4Ge7.55、Pd75.5Ag8Si2.5Ge95、Pd73Ag8Ge145、Pd75.5Ag8Ge11.55、Pd77Ag8Ge105、Pd75.5Ag8Si952.5、Pd75.5Ag8Si2.5Ge752、Pd79Au4Si125、Pd79Au4Si12Ge5、Pd79Au4Si95Ge255、及びPd75.5Ag8Si2.5Ge752が挙げられる。
式1及び上で列挙した例示的な合金で示されるように、合金中のSiは、P、Ge、B、S及びこれらの組合せから選択される元素で部分的に置き換えられる。合金中のSiのこの部分的な置き換えは、結晶化を避けるのに必要な臨界冷却速度を低減することによってガラス形成能を高め、それにより非晶質合金から形成される3次元物体の達成可能なサイズを大きくする。さらに、Siの部分的な置き換えは、ガラス転移と結晶化との間の温度範囲を広くすることによって非晶質合金の熱可塑加工性を高め、それにより過冷却液体領域における加工性のウィンドウを広くする。さらに、合金中のSiの置き換えは、剪断弾性率を小さくしてポアソン比を大きくすることによって合金の機械的特性を向上させ、それにより破壊靭性及び展性を高めることができる。
幾つの実施形態において、式1で表される合金は、約2%の不純物レベル以内の原子百分率で、付加的な合金元素を含むことができる。
式1で表される合金を製造するための1つの例示的な方法は、適当量の合金構成物質を石英管内で不活性雰囲気下において誘導溶融することを含む。しかし、高濃度のPを含む合金の場合は、最初に、Pを含まないプレ合金を、適当量の合金構成物質(Pを除く)を石英管内で不活性雰囲気下において溶融することによって製造し、次いで、不活性雰囲気下で密封された石英管内にプレ合金とともにPを封入することによってPを添加する。次に密封された管を炉の中に入れ、温度を断続的に上げる。
本発明の別の実施形態により、式1で表される合金は多くの用途に有用な3次元物体に形成することができる。工学的及び機械的用途に加えて、本発明の金属ガラスは有害な生物学的反応を引き起こすことが知られている元素(Ni及びCuなど)を含まないので、この合金から作成される3次元物体は生体適合性であり、それゆえに多くの生物医学用途に有用である。例えば、この3次元物体は、整形外科及び/又は歯科矯正インプラント、並びにワイヤ、くぎ、プレート又はねじなどの固定用部品として有用であり得る。
本発明による合金は、約1mmより大きい直径を有する3次元バルク物体、例えば、ロッドを形成するのに用いることができる。図1は、以下で説明する毛管水焼入れ法を用いて実施例3におけるように製造されたガラス質の1mmPd77.5Ag6Si97.5の写真である。特に、この合金は、約5mmまでの直径を有する3次元物体を形成するのに用いることができる。多くの実施形態において、例えば、この合金は2mmから4mmまでの範囲の直径を有する3次元物体を形成する。そのような大きい直径を有する3次元物体を実現するためのあらゆる合金にはNi及びCuが不可欠であると一般に考えられているので、Ni及びCuを含まない本発明の実施形態による合金がこれらの直径の物体を形成する能力は特に驚くべきことである。
少なくとも50%(体積で)の非晶質相を有する3次元バルク物体を製造する例示的な方法は、初めに、不活性雰囲気下の石英管内で溶融脱水B23の小片と接触した合金を誘導溶融することを含む。次に、合金全体を溶融脱水B23と接触したままで、その融点より高い温度からそのガラス転移温度より低い温度まで、50%を超える結晶相の形成を防ぐのに十分な速度で冷却する。
以下の実施例は、例証のためだけに提示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。実施例において、合金は、約99.9%又はそれ以上の純度の元素を用いて毛管水焼入れ法によって調製した。具体的には、元素を計算質量の約0.1%以内まで秤量し、溶融するまえにアセトン及びエタノール中で超音波洗浄した。元素の溶融は、部分的アルゴン雰囲気下で密封された石英管内で誘導的に行った。次いで、合金化したインゴットを脱水B23でフラクシングした。フラクシングは、アルゴン下石英管内でインゴットを脱水B23とともに誘導溶融し、溶融したインゴットを合金の融点よりおよそ50度高い温度に約15分間保持し、最後にインゴットを水焼入れすることによって行った。フラクシングされたインゴットを、石英毛管を用いてガラス質ロッドに鋳造した。このインゴットを、毛管上に取付けた石英管内に入れ、真空下炉内で溶融し、1.5気圧のアルゴンを用いて毛管内に注入し、最後に水焼入れした。ガラス質ロッドの非晶質性は、以下の方法、即ち、(a)X線回折(回折パターンが結晶ピークを示さなければ非晶質状態が確認される)、(b)示差走査熱量測定(室温から加熱したときにガラス転移事象の後に結晶化事象が続くことを走査が示した場合に非晶質状態が確認される)、(c)ロッド破壊特性の顕微鏡検査(塑性変形領域がせん断帯網状組織を示し、破壊表面が画然と定められた光沢小面を示す場合に非晶質状態が確認される)のうちの少なくとも1つを用いて確認した。実施例及び比較実施例の各々の組成を表1及び表2に列挙した。
ガラス形成は、材料を急冷して、安定な結晶配置を形成することを回避させることにより、該材料を液体様の原子配置(即ち、ガラス質状態)で凍らせた結果である。比較的良好なガラス形成性材料とは、ガラス質状態を形成するのに必要な冷却速度が比較的遅い合金か、あるいは、所与の冷却速度に対して比較的厚いガラス質部分を形成することができる合金である。従って、合金のガラス形成能は、ある特定の熱除去速度で冷却されるときにガラス質に変化することができる、「臨界鋳造厚」と呼ばれる合金の限界部分寸法を用いて定量化される。例示合金は様々な内径及び壁厚の石英毛管内で急冷したものであり、石英は熱移動を遅らせる不良熱伝導体であることが知られているので、石英毛管の壁厚もまた例示合金のガラス形成能を決定する上での因子であるはずである。それゆえ、種々の例示合金のガラス形成能は、所与の毛管壁厚に基づいてガラス質に形成することができる最大ロッド直径によって決定される。臨界ロッド直径及び関連した毛管壁厚を、幾つかの例示合金について表1に掲載し、熱力学的性質を表2に報告する。表1において、DSCは示差走査熱量測定を意味し、XRDはX線回折を意味し、INSPは顕微鏡検査を意味する。表2において、Tgはガラス転移温度であり、Txは結晶化温度であり、ΔHxは結晶化のエンタルピーであり、Tsは固相線温度であり、Tlは液相線温度であり、ΔHmは溶融のエンタルピーである。表2において、TgをTsで割った比は、「換算ガラス転移温度」と呼ばれ、絶対ケルビン単位で与えられる。
Figure 2014505164

Figure 2014505164
Figure 2014505164
実施例及び比較実施例の組成物の非晶質性は、X線回折分析、示差走査熱量測定及び顕微鏡検査のうちの少なくとも1つを用いて調べた。図2は比較実施例1並びに実施例2及び実施例14の組成物の示差走査熱量測定走査を比較したものである。図2には、各合金のガラス転移温度及び液相線温度が示されている。図2は、実施例1から実施例3までの組成物のX線回折グラフ(X−ray diffractogram)を示す。図3から分かるように、回折グラフには結晶ピークが検出されず、合金の非晶質性を示している。図4は、比較実施例2並びに実施例30及び実施例32の組成物の示差走査熱量測定走査を比較したものである。図4にはガラス転移温度及び液相線温度が示されており、図から分かるように、比較実施例2の組成物にはガラス転移が検出されない。図5は、実施例30の組成物のX線回折グラフを示す。図5から分かるように、回折グラフには結晶ピークが検出されず、それにより合金の非晶質性が確認される。
表1及び表2並びに図2から図5までに示すように、実施例1から実施例32までの組成物は全て非晶質又は少なくとも部分的に非晶質であり、他方、比較実施例2の組成物は非晶質ではない。比較実施例1の組成物は非晶質であるが、表2から分かるように、比較実施例1の組成物はより高いガラス転移温度及び固相線温度を有する。ガラス形成能を定量化するための最も古くかつ最も広く受入れられている基準は、ガラス転移温度と溶融(固相線又は液相線)温度(絶対ケルビン単位)との間の比較関係に基づくものである。この基準によれば、「換算ガラス転移温度」と呼ばれる、ガラス転移温度(これより低い温度で液体が動力学的に凝固する)の溶融温度(これより低い温度で主要な結晶相が熱力学的に安定になる)に対する比が、結晶化を回避して非晶質相を形成することの容易さの尺度となる。従って、この基準によれば、高い換算ガラス転移温度を有する合金がより大きなガラス形成能を示すことになる。表1から分かるように、実施例の合金の組成物内へのP及びGeの導入は、比較実施例と比較して、僅かに低いガラス転移温度をもたらすが、また劇的に低い固相線温度ももたらす。この結果、全体として、より高い換算ガラス転移温度がもたらされる(0.59から0.64もの高さまで上昇することが示されている)。この換算ガラス転移温度の全体としての上昇は、比較実施例の組成物内へのP及びGeの導入によって得られるガラス形成能の改善を良い近似で説明することができる。
上記の議論は式1で記述される広い組成限界に焦点を当てたが、ここで合金のガラス形成能が最大になる特に好ましい組成範囲が存在することが発見された。それゆえに、好ましい1つの実施形態において、最適のガラス形成能は、式2
PdabSicdGee
で表される組成物を形成することによって得ることができる。式中、XはAg若しくはAuのいずれか、又はこれらの組合せであり、下付き文字は以下の限界を有する原子百分率を示す。
・aは74と86との間、好ましくは78.5と81.5との間、より好ましくは79であり、
・bは2と5との間、好ましくは2.75と4.25との間、より好ましくは3.5であり、
・cは8と10との間、好ましくは8.75と9.75との間、より好ましくは9.5であり、
・dは4と8との間、好ましくは5と7との間、より好ましくは6であり、
・eは0と3との間、好ましくは1.5と2.5との間、より好ましくは2である。
式2による組成物は、壁厚0.5mmの石英管内の溶融物を水焼入れすることによって処理したとき、直径が3mmより大きく、6mm又はそれ以上にも達するガラス質ロッドを形成することが見出されている。開示された組成式2を満たす組成を有する例示的な合金を、純度99.9%又はそれ以上の適当量の元素構成要素を不活性雰囲気下石英管内で誘導溶融することによって作成した。次に、合金化したインゴットは、脱水ホウ素酸化物を用いてフラクシングされ、これは、不活性雰囲気下石英管内でインゴットを再溶融し、次いで合金溶融物をホウ素酸化物溶融物と接触させ、2つの溶融物を約1000秒間相互作用させ、次いで水焼入れすることによって行った。次に、不活性雰囲気下、壁厚0.5mmの石英管内で、フラクシングされた合金インゴットを再溶融し、次いで急速に水焼入れすることによってガラス質ロッドを形成した。これらの合金の特性の観測から得られた結果を以下の表3に示す。
Figure 2014505164
表3中の各合金のガラス形成能は、上記のように処理したときに非晶質に形成することができるロッドの最大直径を決定することによって評価した。(上記の表1及び表2にまとめた合金特性は、0.1乃至0.5mmの壁厚を有する石英管内の溶融物を水焼入れすることによって処理された合金を用いて得られたことに留意されたい)。表1及び表2の合金の中で最高のガラス形性能を有する組成は、Pd75.5Ag8Si95Ge2.5である。この合金は、壁厚0.15mmの石英管内の溶融物を水焼入れすることで処理したとき、3mmに達する直径の非晶質ロッドを形成することができることが見出された。しかし、0.5mm厚の石英管内で処理されたときには、この合金は2mmまでにしか達しない直径の非晶質ロッドを形成することができるのみであった。この違いの理由は、石英の非常に低い熱伝導性が熱除去速度を制限することが原因で、より厚い石英管壁が臨界ロッド直径を実質的に低減するためである。
今述べている合金は、壁厚0.5mmの石英管内の溶融物を水焼入れすることによって処理されたものであり、少なくとも3mm、さらに6mmまで又はそれ以上の直径の非晶質ロッドを形成できることが見出された。表3に示すように、合金Pd79Ag3.5Si9.56Ge2は、直径6mm又はそれ以上に達する非晶質ロッドを形成することができる。直径が3mmから6mmまでの範囲にある非晶質Pd79Ag3.5Si9.56Ge2ロッドを示す画像を図6に示す。バルクPd79Ag3.5Si9.56Ge2の非晶質構造を確認する示差走査熱量測定及びX線回折分析をそれぞれ図7及び図8に示す。
弾性及び機械的特性の調査
ガラス質Pd77.5Ag6Si97.5円柱試料(直径3mm、高さ6mm)について、5MHz圧電変換器を有するパルスエコーオーバーラップ装置を用いて剪断波速度及び縦波速度を計測することによって超音波測定を行い、アルキメデス法を用いて密度を測定した。剪断弾性率、体積弾性率、及びヤング率は、それぞれ30GPa、169GPa、及び85GPaと計測され、ポアソン比は0.42であることが分かった。ガラス質Pd77.5Ag6Si97.5円柱試料(直径3mm、高さ6mm)の圧縮荷重応答を、50kNロードセルを備えた油圧サーボ材料試験システムを用いて調査した。1×10-4s-1の歪み速度を印加した。線形可変差動変圧器を用いて歪みを計測した。この合金の記録された応力−歪み応答を図9に示すが、これは約1450MPaの降伏強度、約1.7%の弾性歪み、及び約2%の塑性歪みを示す。
高い降伏強度及び低いヤング率は、このクラスの合金が、典型的な結晶質のエンジニアリング金属よりも相当に高く、かつ、結晶質の金属生体材料と同程度又はそれ以上の、硬度、強度、及び弾性を示すことを示唆する。さらに、これらの合金の非常に高いポアソン比は、実際、金属ガラスについての最高計測値の1つであるが、これらの合金が高い靭性を示すことを示唆する。事実、ガラス質ワイヤの折り曲げは、図10に示すように、このワイヤが、1.5mmもの大きい直径で、破壊を回避しながら塑性的に変形することができることを示す。約1500MPaの降伏強度と組み合わされた1.5mm部分における曲げ延性は、およそ100MPa・m1/2という非常に高い破壊靭性を表す。高い硬度、強度、弾性、及び靭性は全て、インプラント部品の適切な生物医学機能にとって非常に望ましい特性であるので、本発明の合金は、現在の耐力インプラント材料の魅力的な代替物として考えることができる。
インビトロ細胞毒性研究
ガラス質Pd77.5Ag6Si97.5試験品の細胞毒性を、NAMSA(オハイオ州、ノースウッド)によって行われたインビトロ生体適合性研究において評価した。この研究は、細胞毒性の可能性を判断するために行われたもので、国際標準化機構10993:医療機器の生物学的評価 第5部:細胞毒性試験:インビトロ法ガイドラインに基づいたものであった。
5%の血清及び2%の抗生物質を補充した1倍(single strength)最小必須培地(1X MEM)を用いて試験品の単一の抽出物を調製した。具体的には、3.1g部分の試験品を16mlの1X MEMで覆い、37℃で24時間撹拌して単一の調製物を抽出した。試験抽出物を、5%CO2中で増殖させたL−929マウス線維芽細胞の3つの別々の単層の上に置いた。3つの別々の単層を、試薬対照、陰性対照及び陽性対照用に調製した。試薬対照は、試験材料を何も入れない単一アリコートの1X MEMを含み、これを試験品と同じ抽出条件にさらした。高密度ポリエチレンを陰性対照として用いた。陰性対照材料の単一の30.8cm2部分を10mlの1X MEMで覆い、調製物を試験品と同じ抽出条件にさらした。薄い安定化ポリ塩化ビニルを陽性対照として用いた。陽性対照材料の単一の60.8cm2部分を20mlの1X MEMで覆い、37℃で24時間撹拌して抽出した。
L−929マウス線維芽細胞(L系統のATCC CCL 1、NCTCクローン929、又は同等の起源)を5%CO2の気体環境中1X MEMを含むオープンウェル内で増殖させ維持した。この研究のために10cm2のウェルに播種し、継代数及び日付でラベル付けし、5%CO2中、37℃でインキュベートして、使用前にサブコンフルエントの細胞単層を得た。サブコンフルエント細胞単層を含む三つ組の培養ウェルを選択した。三つ組の培養物中に含まれる増殖培地を2mlの試験抽出物で置き換えた。同様に、三つ組の培養物を2mlの試薬対照、陰性対照、及び陽性対照で置き換えた。全てのウェルを5%CO2の存在下、37℃で48時間インキュベートした。
インキュベートの後、培養物を顕微鏡(100X)で調べて細胞の特性及びパーセント溶解を評価した。試験培地の色も観察した。黄色への色の変化は、酸性pH領域に関連付け、マゼンタから紫への色の変化は、アルカリpH領域に関連付けた。各々の培養ウェルを、表4に示す格付け尺度に基づいて、パーセント溶解及び細胞特性について評価した。
Figure 2014505164

この試験のパラメータは、陰性対照及び試薬対照を等級0に格付けし、陽性対照を等級3又は4に格付けし、試験試料を等級2又はそれ以下に格付けすることを要求した。
インビトロ研究の条件下で、1X MEM試験抽出物は、細胞溶解又は毒性を生じさせるというエビデンスを何ら示さなかった。試薬、陽対照性及び陰性対照は予期した通りに機能し、試験試料は等級2より低く格付けされ、従って試験の要件を満たした。具体的には、各々の試験培養ウェルは0に格付けされ、本発明の実施形態による合金は細胞毒性がないことを示した。
インビボ細胞毒性研究
ガラス質Pd77.5Ag6Si97.5試験品の細胞毒性を、NAMSA(オハイオ州、ノースウッド)によって行われたインビボ生体適合性研究において評価した。試験品をウサギの筋肉組織内に埋め込んだ。筋肉組織を、国際標準化機構10993:医療機器の生物学的評価 第6部:埋込み後の局所的影響の試験の要件に基づいて、炎症又は毒性のエビデンスに関して評価した。
ウサギ一匹当たり最少で4つの、各々が約1mm×10mmの試験品切片を14ゲージ針の中に装填した。各ウサギに対して最少で4つの陰性対照試料を14ゲージ針内に装填した。高密度ポリエチレンの1mm×10mm切片を陰性対照として用いた。
ウサギの体重を量り、傍脊椎筋上の毛を刈り取った。塩酸ケタミンとキシラジンとの混合物(34mg/kg+5mg/kg)の全身麻酔薬の筋肉注射を、各動物に0.6ml/kgの用量で投与した。次に、各ウサギに0.02mg/kgのブプレノルフィンを皮下注射した。麻酔薬が効いた後、手術部位を殺菌石けんで洗い、70%イソプロピルアルコールで拭き、ポビドンヨードを塗った。
背中の両側に1つずつ、皮膚を貫通して脊柱の腰椎に平行な切開部を作った。装填された針のハブ内にスタイレットを入れた。皮膚を所望の位置に動かして、切開部を通して針を筋肉内に45°の角度で挿入した。針をスタイレットの上から引き抜き、試料を傍脊椎筋内に残した。各ウサギの右傍脊椎筋内に4つの試験品切片を埋め込んだ。試験品切片は、適当な間隔を置いて配置した。反対側の筋肉には4つの陰性対照切片を同様に埋め込んだ。皮膚切開部を組織接着剤で閉じた。埋込み後、ウサギの麻酔からの回復を監視し、最初の投与の最短で4時間後にブプレノルフィンの別の用量を投与した。埋込みの一日後に、第3のブプレノルフィン注射を施した。
ウサギを全般的な健康状態について毎日観察し、その体重を埋込み前と終了時に記録した。2週間後に、ウサギの体重を量り、ペントバルビタールナトリウムをベースとする薬の静脈内注射によって安楽死させた。傍脊椎筋を切り取り、10%中性緩衝化ホルマリン(NBF)内で固定して切断し易くした。固定後、筋肉を系統的に切断し、試験品及び対照品の切片の位置を突き止めた。全ての試験品及び対照品部位を明らかにした。被包形成又は他の炎症兆候を、低倍率で顕微鏡を用いて、及び巨視的に評価し、その評価を表5に示すように格付けした。
Figure 2014505164
巨視的には、どの試験部位又は対照部位にも目に見える反応はなかった。実際、試験部位及び対照部位の各々は0に格付けされ、組織接触炎症が問題にならないか又は存在しないことを示した。
各ウサギからの代表の組織埋込み部位(試験又は対照)を、適切な組織学的プレパラートのための部位周辺の十分な面積を見込んで切除した。これらの切片を、顕微鏡による評価のために組織学的に処理した(包埋し、切り分けて薄片にし、ヘマトキシリン及びエオシン内で染色した)。代表埋込み部位の顕微鏡評価を行って、あらゆる組織応答をさらに明らかにした。この評価は、有資格病理学者によって行われた。試験部位及び対照部位の顕微鏡評価の結果を表6に示す。
Figure 2014505164
表6に示すように、試験部位は対照部位と同じに又はより良好に機能した。従って、試験品は、陰性対照と比較して非刺激性として分類された。インビトロ及びインビボ研究の結果を考慮すると、本発明の実施形態による合金は、細胞毒性がなく、従って生物医学用途に適している。
本発明を、特定の例示的な実施形態を参照しながら図示し説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、説明した実施形態に対して種々の修正及び変更を施すことができることを理解する。

Claims (18)

  1. 式1
    PdabSicdGee (1)
    で表される生体適合性合金を含む金属ガラスであって、
    式中、
    XはAg、Au、又はAgとAuとの組合せであり、
    aは約74から約86までの範囲の原子百分率であり、
    bは約2から約5までの範囲の原子百分率であり、
    cは約8から約10までの範囲の原子百分率であり、
    dは約4から約8までの範囲の原子百分率であり、
    eは約0から約3までの範囲の原子百分率である、
    ことを特徴とする金属ガラス。
  2. aは78.5と81.5との間にあり、bは2.75と4.25との間にあり、cは8.75と9.75との間にあり、dは5と7との間にあり、eは1.5と2.5との間にあることを特徴とする、請求項1に記載の金属ガラス。
  3. XはAgであることを特徴とする、請求項1に記載の金属ガラス。
  4. 前記合金は、Pd78.5Ag5Si8.56Ge2、Pd79Ag4.5Si8.56Ge2、Pd79.5Ag4Si8.56Ge2、Pd80Ag3.5Si8.56Ge2、Pd80.5Ag3Si856Ge2、Pd81Ag2.5Si8.56Ge2、Pd79Ag3Si106Ge2、Pd80Ag3Si96Ge2、Pd79Ag4Si96Ge2、Pd79.5Ag3.5Si96Ge2、Pd79.5Ag3Si9.56Ge2、及びPd79Ag3.5Si9.56Ge2から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の金属ガラス。
  5. 式1
    PdabSicdGee (1)
    で表される生体適合性合金を含む金属ガラスで形成される3次元物体であって、
    式中、
    XはAg、Au、又はAgとAuとの組合せであり、
    aは約74から約86までの範囲の原子百分率であり、
    bは約2から約5までの範囲の原子百分率であり、
    cは約8から約10までの範囲の原子百分率であり、
    dは約4から約8までの範囲の原子百分率であり、
    eは約0から約3までの範囲の原子百分率である、
    ことを特徴とする3次元物体。
  6. 前記3次元物体は、約3mmを上回る臨界鋳造厚を有することを特徴とする、請求項5に記載の3次元物体。
  7. 前記3次元物体は、約3mmから約6mmまでの範囲の臨界鋳造厚を有することを特徴とする、請求項5に記載の3次元物体。
  8. 前記3次元物体は、6mmを上回る臨界鋳造厚を有することを特徴とする、請求項5に記載の3次元物体。
  9. 前記3次元物体は、生物医学用部品であることを特徴とする、請求項5に記載の3次元物体。
  10. 前記生物医学用部品は、歯科用又は歯科矯正用部品であることを特徴とする、請求項9に記載の3次元物体。
  11. 前記生物医学用部品は、整形外科用部品であることを特徴とする、請求項9に記載の3次元物体。
  12. 前記生物医学用部品は、インプラント又は固定具であることを特徴とする、請求項9に記載の3次元物体。
  13. 前記生体医用部品は、歯科矯正用ブラケット又はワイヤであることを特徴とする、請求項9に記載の3次元物体。
  14. 前記3次元物体は、宝飾品であることを特徴とする、請求項5に記載の3次元物体。
  15. 前記3次元物体は、腕時計用の部品又は装置であることを特徴とする、請求項5に記載の3次元物体。
  16. aは78.5と81.5との間にあり、bは2.75と4.25との間にあり、cは8.75と9.75との間にあり、dは5と7との間にあり、eは1.5と2.5との間にあることを特徴とする、請求項5に記載の3次元物体。
  17. XはAgであることを特徴とする、請求項5に記載の3次元物体。
  18. 前記生体適合性合金は、Pd785Ag5Si8.56Ge2、Pd79Ag4.5Si8.56Ge2、Pd79.5Ag4Si8.56Ge2、Pd803.5Si8.562、Pd80.5Ag3Si8.56Ge2、Pd81Ag2.5Si8.56Ge2、Pd79Ag3Si106Ge2、Pd80Ag3Si96Ge2、Pd79Ag4Si96Ge2、Pd79.5Ag3.5Si96Ge2、Pd79.5Ag3Si9.56Ge2、及びPd79Ag3.5Si9.56Ge2から成る群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の3次元物体。
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