JP2014502480A - 高ダイナミック・レンジ(hdr)ビデオ・データ・ストリームをトーン・マッピングするための方法、コンピュータ・プログラム及びシステム - Google Patents

高ダイナミック・レンジ(hdr)ビデオ・データ・ストリームをトーン・マッピングするための方法、コンピュータ・プログラム及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】MPEGフォーマットで供給される高ダイナミック・レンジ(HDR)ビデオ・データ・ストリームをトーン・マッピングするための方法を提供する。
【解決手段】本方法は、HDRビデオ・データ・ストリームを復号することにより、Iフレーム、Pフレーム及びBフレームを含むMPEGフレーム・シーケンスを生成するとともに、復号済み補助データを供給する第1のステップ(302)を含む。さらに、本方法は、各受信Iフレームに対しトーン・マッピング動作を適用することにより、トーン・マップ済みIフレームを供給する第2のステップ(304)と、参照Iフレームに依存する各受信Pフレームごとに、参照Iフレームについて以前に決定したトーン・マップ済みIフレーム、参照Iフレーム及び復号済み補助データから、トーン・マップ済みPフレームを計算する第3のステップ(306)と、各受信Bフレームごとに、参照Iフレームについて以前に決定したトーン・マップ済みIフレーム、参照Pフレームについて以前に決定したトーン・マップ済みPフレーム、参照Iフレーム及び復号済み補助データから、トーン・マップ済みBフレームを計算する第4のステップ(308)を含む。
【選択図】 図3

Description

本発明は、高ダイナミック・レンジ(HDR)画像の処理に係り、さらに詳細に説明すれば、MPEGHDRビデオ・ストリームをトーン・マッピングするための方法及びシステムに係る。
デジタル画像の品質は、過去数年にわたって劇的に改良された。カメラ及びディスプレイが改良されたことに伴い、ピクチャ内の画素数が増加した。しかし、高解像度(HD)ピクチャの画素数が増加し且つ高ダイナミック・レンジ(HDR)ピクチャ内のダイナミック情報が改良されるにつれて、ピクチャに関連するデータの量が増加した。その結果、かかる画像の表示に関する問題が生じている。静止画像については、ユーザがその視覚に基づいて全ての細部を観察することができるように、トーン・マッピング技術を適用してピクチャのダイナミック・レンジを減少させることが知られている。しかし、複数のフレームから成るビデオ・データについては、既存の解決方法は、多数の制限を有する。
事実、高解像度(HD)、高ダイナミック・レンジ(HDR)ビデオを通常のディスプレイ(8ビットのディスプレイ)上に表示することは、多数の技術的な問題を伴う。HDRビデオは、現実のシーンのそれと一致する輝度のダイナミック・レンジを有しており、そのダイナミック・レンジは、標準的な低ダイナミック・レンジの(8ビット)ディスプレイに表示されるものよりも遙かに大きい。かかるディスプレイ上にHDRコンテンツを表示するためには、「トーン・マッピング」動作を使用して、ダイナミック・レンジを圧縮するだけでなく、現実のシーンを観察しているのと同様の視認性を与えることが必要となる。主な1つの問題は、60フレーム/秒の典型的なフレーム・レート及び高解像度ビデオ用の1920×1080の高解像度を維持するために、高品質のトーン・マッピング・オペレータが、相当な処理能力を必要とするということである。
HDRビデオのリアルタイム表示を可能にする最初の既知の手法は、トーン・マッピングをリアルタイムで行うのではなく、その代わりに、HDRストリームに埋め込まれている事前トーン・マップ済みビデオ・ストリームを使用するというものである。この手法は、特許文献1及び2、並びに非特許文献1及び2に記載されている。この手法は、トーン・マッピングの必要性を除去するから、HDRビデオの表示は、トーン・マップ済みストリームを単に復号することにより行われる。しかし、この手法は、「オフ・ライン」トーン・マッピングの主要な短所を有する。このことは、予め記録されたビデオに対するこの手法の適用可能性を制限し、従って、ライブTV放送を可能にしない。さらに、トーン・マッピング・オペレータは、予め決定されており、これを変更することができない。
この問題に対する他の手法は、非特許文献3及び4に記載されている。この手法は、特定のトーン・マッピング動作を近似することを要点とし、トーン・マッピングをリアルタイムで行うためにグラフィック処理ユニットのような高性能のコンピュータに依存する。しかし、この手法は、リアルタイムの処理を可能にするためにトーン・マッピングの品質を潜在的に減少させる一方、容認可能な品質のトーン・マッピングについては、高性能/高コストの基本ハードウェアを依然として必要とするという短所を有する。さらに、この手法を適用する解決方法は、一般に、特定のトーン・マッピング・オペレータ向けに高度に調整されており、将来の視覚特性(例えば、知覚的に心地よい画像を有するのではなく細部を強調すること)と一致するようにトーン・マッピング・オペレータを変更することを可能としない。
この問題に対する他の既存の解決方法は、非特許文献5に記載されている。この解決方法は、トーン・マッピングをリアルタイムで行うためのカスタム・ハードウェア実装を構築する。しかし、この解決方法は、一般に、ハードウェア・コストを減少させるために、トーン・マッピング・オペレータの著しい近似に依存する。さらに、ハードウェアは、アプリケーション/トーン・マッピングに特有なものであり、このハードウェアを他の機能に使用することができないという点で実装コストを増加させる。
米国特許出願公開第2008/0310501号明細書 米国特許出願公開第2009/0003718号明細書
R. Mantiuk et al., "Perception-motivatedhigh dynamic range video encoding," ACM SIGGRAPH 2004 Papers; Los Angeles, California:ACM, 2004, pp. 733-741 G. Sullivan et al., "New StandardizedExtensions of MPEG4-AVC/H.264 for Professional-Quality VideoApplications," Image Processing, 2007. ICIP 2007. IEEE InternationalConference on, 2007, pp. I - 13-I - 16 G. Krawczyk et al., "Perceptual effectsin real-time tone mapping," Proceedings of the 21st spring conference onComputer graphics, Budmerice, Slovakia:ACM, 2005, pp. 195-202 N. Goodnight et al., "Interactivetime-dependent tone mapping using programmable graphics hardware",Proceedings of the 14th Eurographics workshop on Rendering, Leuven, Belgium:Eurographics Association, 2003, pp. 26-37 J. Carletta et al., "Method forreal-time implementable local tone mapping for high dynamic range images" Erik Reinhard et al., "Photographictone reproduction for digital images," SIGGRAPH '02: Proceedings of the29th annual conference on Computer graphics and interactive techniques, pages267-276, New York, N.Y., USA, 2002. ACM Press Ansel Adams, The Print, "The AnselAdams Photography Series/Book 3," Little,Brown and Company, tenth edition,2003,with the collaboration of Robert Balker G. Krawczyk et al., "Perceptual effectsin real-time tone mapping," Proceedings of the 21st spring conference onComputer graphics, Budmerice, Slovakia:ACM, 2005, pp. 195-202
従って、既存の技術によれば、HDRビデオを通常のディスプレイ上に表示することが高度に制限されている。
従って、当分野では、HDRビデオ・ストリームについてリアルタイムのトーン・マッピングを可能にする改良された方法が要請されている。
本発明に従って、高ダイナミック・レンジ(HDR)ビデオ・データ・ストリームをトーン・マッピングするための方法、コンピュータ・プログラム及びシステムが提供される。
従って、本発明は、特定のトーン・マッピング・オペレータに拘束されない、高解像度HDRビデオ用のリアルタイム式トーン・マッピング方法を提供する。
本発明は、MPEGビデオ復号動作の標準的なプロセスを使用することにより、復号プロセスに関する著しい追加オーバーヘッドを伴わない、「副産物」としてトーン・マッピングを行うことを可能にする。本発明の種々の実施形態は、MPEG符号化プロセス中に既に識別されている、ビデオ内の時間的冗長性を利用すること、並びにこれを使用してトーン・マッピング動作を単なるグローバル加算及びスケーリング動作に変えることに依存する。その結果、1群のフレームについて唯1つの完全なトーン・マッピング動作が行われる。
本発明の1つの利点は、ビデオ・フレーム・レートに匹敵する倍数だけビデオ・トーン・マッピングの動作を高速化することである(例えば、高解像度ビデオ・ストリームについては、60フレーム/秒のフレーム・レートの15倍の高速化)。
本発明の他の利点は、イントラフレームのトーン・マッピングについて任意のトーン・マッピング・オペレータを選択可能にすることである。
本発明の解決方法は、制限されたハードウェア処理能力及び電力要件を必要とする一方、MPEGビデオ復号プロセス及び他の同様のビデオ符号化技術と容易に統合することができる。
本発明の他の利点は、トーン・マッピングの品質をMPEGビデオ圧縮の品質に関連させることができるということである。
MPEG標準に従った、フレームのシーケンスを示す図である。 MPEGフレーム上で行われるトーン・マッピング動作を概略的に示す図である。 本発明の実施形態に従った、高ダイナミック・レンジ(HDR)ビデオ・データ・ストリームを表示するための高水準のフローチャートである。 本発明の実施形態に従った、高ダイナミック・レンジ(HDR)ビデオ・データ・ストリームをトーン・マッピングするためのシステムを示すブロック図である。 本発明の実施形態に従った、HDR画像をトーン・マッピングするために使用されるコンピュータ・システムを示す図である。
一般に、マルチメディア装置は、デジタル・コンテンツを送信し、受信し、格納し、又は検索するために、MPEG−2、ITU−H263、MPEG−4等のような、ビデオ符号化技術を実装する。これらの符号化技術のうちMPEG国際標準は、HDRビデオ・ストリームを圧縮するように拡張されている(非特許文献2)。
MPEGデータ・ストリームは、オーディオ・ストリーム及び他のビット・ストリームとパックすることができる、ビデオ・ストリームから成る。
図1は、複数のインターバルで取られた複数のフレームを含む、典型的なMPEGシーケンス100を示す。これらのフレームは、時間的な情報が符号化される方法で指定される。
MPEG符号化は、異なるタイプを有する複数のフレームを含む、フレーム・シーケンスを生成するために利用される。具体的には、MPEGフレーム・シーケンスは、複数の論理グループを含み、その各々は、3つのタイプのフレーム、すなわちIフレーム101、Pフレーム102及びBフレーム103を含む。
Iフレーム101は、単一の非圧縮フレームの圧縮バージョンである。Iフレーム101は、他のタイプのフレームを参照することなく、符号化のためにイントラフレームのデータのみに依存する(すなわち、冗長性の時間的符号化は存在しない)。Iフレームは、Pフレーム及びBフレームとは異なり、先行するフレーム又は後続するフレーム内のデータに依存しない。
Pフレーム102は、先行するIフレーム101からの予測に依存する。Bフレーム103は、前のIフレーム101及び次のPフレーム102によって時間的に符号化される。図1に示すように、典型的なフレームのシーケンスは、「IBB・・・BP」である。特定のMPEGアプリケーションでは、Iフレームは、HDビデオ・ストリームの15番目のフレームごとに生じる。
一般に、参照フレーム(Iフレーム又はPフレーム)に後続するフレーム(Pフレーム及びBフレーム)については、これらのフレームのほんの一部だけが、それぞれの参照フレームの対応する部分とは異なる。これらの参照フレームについては、動きベクトルを使用してこれらの差分が捕捉され、格納される。
将来のフレームからの後方向の予測を可能にするために、符号器は、Bピクチャが参照する前及び次のフレームの後にBピクチャが送信されるように、複数のフレームを表示順序からビット・ストリーム順序に再配列するのが普通である。
MPEGビデオ符号器は、2つの主要な動作を行う。第1の動作は、複数のMPEGフレームにわたってデータの時間的冗長性を符号化する。所与のフレーム・ブロックについて、符号器は、前のフレーム及び次のフレームからの一致する2つのブロックを探索する。その後、現在のフレーム・ブロックが、前記一致した2つのブロックから引かれる。
第2の動作は、時間的削減動作の後に、各フレームの内部にある空間的冗長性を符号化する。空間的冗長性を符号化するために使用される量子化ステップに加えて、イントラフレームの離散コサイン変換(DCT)動作及び動き補償フレーム間予測動作が使用される。
MPEG符号器では、動き補償フレーム間予測が最初に決定され、これがDCTと組み合わされる。動き補償予測がソース・ピクチャから引かれて「予測誤差」ピクチャが形成され、この予測誤差がDCTで変換され、係数が量子化され、これらの量子化値が可変長符号化(VLC)を使用して符号化される。符号化された輝度及びクロミナンスの予測誤差は、復号器が必要とする「サイド情報」(例えば、動きベクトル及び同期情報)と組み合わされ、伝送用のビット・ストリームが形成される。
このように符号化されたHDRデータ・ストリーム(以下、「ビット・ストリーム」とも称する)は、多数の水平スライスを含み、その各々は、多数のマクロブロックを含む。各マクロブロックは、他の情報と一緒に、量子化したDTC係数の量子化値、動きベクトル、輝度及びクロミナンス・ブロックを含む。
本発明の種々の実施形態に従ったトーン・マッピング方法は、MPEGフォーマットに従って符号化されたHDRビデオ・データ・ストリームの効率的な表示を可能にする。このトーン・マッピング方法は、トーン・マッピング・オペレータをトーン・マップ済みIフレームに適用する一方、参照フレーム(Iフレーム及びPフレーム)について以前に決定されたトーン・マップ済みフレーム及びHDRビデオ・データ・ストリームのMPEG復号から得られる情報に基づいて、Pフレーム及びBフレームをトーン・マッピングする。
図2は、本発明の種々の実施形態に従った、トーン・マッピング方法の複数の段階を概略的に示す。
HDRビット・ストリームのIフレームが受信される場合、トーン・マッピング技術に従って、トーン・マッピング動作を入力データ・ストリームのIフレーム201に適用することにより、トーン・マップ済みIフレーム210を形成する。トーン・マップ済みフレーム210は、これが参照するフレーム(Pフレーム又はBフレーム)用のトーン・マップ済み値の差分計算を可能にするために、メモリ内に格納される。
イントラフレームは、完全なトーン・マッピング動作を伴うが、本発明の利点は、参照フレームとして作用するIフレームについて得られたトーン・マップ済みIフレームの値に関係する加算及びスケーリング動作に基づき、従属フレーム(Pフレーム及びBフレーム)の「差分」トーン・マッピングを可能にすることである。
具体的には、参照Iフレームに依存するPフレーム202が受信される場合、参照Iフレームについて得られたトーン・マップ済みIフレーム210に関係する加算及びスケーリング機能、並びにビット・ストリームのMPEG復号に関係する他の情報を使用して、Pフレーム用のトーン・マップ済み値が計算され、その結果、トーン・マップ済みPフレーム212が供給される。トーン・マップ済みPフレームの値は、これが参照するフレーム(Bフレーム)用のトーン・マップ済み値の差分計算を可能にするために、メモリ内に格納される。
所与のIフレーム及びPフレームに依存するBフレーム203が受信される場合、参照Iフレームについて得られたトーン・マップ済みIフレーム210、参照Pフレームについて得られたトーン・マップ済みPフレーム212、及びビット・ストリームのMPEG復号に関係する追加の情報に基づいて、Bフレーム用のトーン・マップ済み値が差分的に計算される。その結果、当該フレームに関する実際のトーン・マッピング動作を伴うことなく、トーン・マップ済みBフレーム214が供給されるから、相当な計算時間、メモリ及び電力を節約することができる。
従って、本発明の種々の実施形態に従ったトーン・マッピング方法は、イントラフレーム用の1つのトーン・マッピング動作を必要とするに過ぎない。参照フレームに後続するフレーム(Pフレーム及びBフレーム)については、対応するトーン・マップ済みフレームの計算は、多数の加算及びスケーリング動作のみを伴うに過ぎないから、復号時間の複雑さの一因とはならない。その後、HDRビデオ・データ・ストリームは、より低い計算コスト及び改良された速度で、通常のディスプレイ装置上に表示するのに適したフレームのシーケンスに変換することができる。
図3は、MPEGフォーマットで符号化されたHDRビデオ・データ・ストリームを表示するためのフローチャートである。
本方法は、ステップ300で開始し、そこではMPEGフォーマットに従ったHDRビデオ・データ・ストリームを受信する。入力ビデオ・ストリームは、オリジナルのビデオ・データ・ストリームをMPEGフォーマットに符号化するのに適した任意のタイプの符号器又はビデオ・データ・ストリームをMPEGフォーマットで格納するのに適したデータ・ストア(例えば、ハードディスク、光ディスク等)から受信してもよい。符号器は、任意のタイプのソース(例えば、衛星レシーバ、ビデオカメラ)からオリジナルのビデオ・データ・ストリームを受信する、汎用コンピュータでもよい。
MPEGフォーマットのHDRビデオ・データ・ストリームは、MPEG符号化プロセス中に得られた可変長コードを含む。
ステップ302では、MPEG復号動作がHDRビット・ストリームに適用される。MPEG復号プロセスは、Iフレーム又はPフレームのような、他のフレーム用の参照フレームとして作用する各受信フレームを復号し且つ格納する。Iフレーム又はPフレームのような、参照フレームとして作用する新しく再構築された各フレームは、入来フレーム用の新しい参照フレームとして作用するために、以前に格納された参照フレームに置き換わる。参照フレームに依存するPフレーム又はBフレームは、動き補償機能を使用して再構築される。この動き補償機能は、近隣の復号済み参照フレーム(Iフレーム及び/又はPフレーム)を使用して当該フレーム上で適用される。参照フレームに依存するフレーム(例えば、Pフレーム及びBフレーム)は、近隣の復号済み参照フレーム(Iフレーム又はPフレーム)内のブロックを参照する、それぞれの動きベクトルに関連している。MPEG復号器は、各動きベクトルを使用して各参照フレーム(Iフレーム又はPフレーム)内の対応する参照ブロックを決定することにより、当該動きベクトルによって指定される当該参照ブロックにアクセスする。従って、Pフレームは、以前に復号され且つピクチャ・バッファ内にキャッシュされている関連する参照Iフレームから再構築され、Bフレームは、以前に復号され且つピクチャ・バッファ内にキャッシュされている2つの関連する参照フレーム(Iフレーム及びPフレーム)から再構築される。
その結果、ステップ302は、Iフレーム(完全な値)、再構築済みPフレーム及び再構築済みBフレームを生成する。さらに、MPEG復号ステップは、受信Pフレームごとに中間誤差値e(x,y)を供給し、受信Bフレームごとに誤差値e(x,y)を供給する。誤差信号e(x,y)は、Pフレームの画素位置(x,y)における誤差値を表し、誤差信号e(x,y)は、Bフレームの画素位置(x,y)における誤差値を表す。P及びBフレーム用のこれらの誤差値は、MPEG符号器によって最初に符号化される。MPEG復号器は、それらを復号するために逆離散コサイン変換を使用する。一般に、誤差は、ビデオ・データ・ストリームのオリジナルのフレームを再構築するために、動き補償動作中に使用される。従って、その値は、オリジナルの画素値と、現在のフレーム画素を計算するために他のフレームからの画素値を使用することにより得られる時間的な再構築済み値との間の差である。
具体的には、ステップ302は、使用されるMPEG符号化標準及びフレーム・タイプに従って、各可変長コードのラン、レベル及び長さを回復するために可変長復号機能を適用する。可変長コードは、テーブル索引技術又は任意の適切な技術を使用して復号することができる。また、ステップ302は、可変長復号機能からの係数をマクロブロック(例えば、8×8画素)に割り当てること、マクロブロック内の各係数を符号化プロセスの量子化段階中に使用されるものと同じ対応する量子化定数と乗算するために逆量子化機能を適用すること、その結果を最も近い整数に丸めることを含む。また、ステップ302は、これらのマクロブロックを時間/空間領域の表現に戻すために、これらのマクロブロックに逆離散コサイン変換(DCT)機能を適用する。その結果、Iフレームと、Pフレーム及びBフレーム用の誤差値e(x,y)が得られる。
また、ステップ302は、受信Pフレーム又はBフレームごとに、関連する動きベクトルを使用することにより、再構築済みPフレーム及びBフレームを供給する。
ステップ304では、任意の適切なトーン・マッピング技術に従って、ステップ302で復号された各Iフレームがトーン・マップされる。以下の説明では、Iフレームの画素位置(x,y)における画素値をI(x,y)と表記し、トーン・マップ済みIフレームIの所与の画素位置(x,y)におけるトーン・マップ済み値をI(x,y)と表記する。トーン・マップ済みIフレームIは、例えば、Reinhard外のホトグラフィック・トーン・マッピング・オペレータ(非特許文献6)のような適切なトーン・マッピング・オペレータを使用して、生成することができる。Reinhard外のホトグラフィック・トーン・マッピング・オペレータは、古典的な「dodging-and-burning(焼き込み−覆い焼き)」技術(非特許文献7)を包含するローカル適応オペレータであって、各個別画素をトーン・マップするために一般的な写真原理に基づいている。トーン・マッピングが(1つのフレーム内で)空間的に行われる限り、任意のトーン・マッピング・オペレータを使用することができる。一般に、このことは、殆どのトーン・マッピング・オペレータによって満たされる。本発明は、さらに時間とともに変化する輝度に適応させるために、(空間的なトーン・マッピングの後に)時間的適応ステップを行うことができるトーン・マッピング・オペレータを適用する。かかる時間的適応が現在のトーン・マップ済みフレーム及び時間情報に依存する場合、当該フレーム上で行うべき追加の時間オペレータが必要とされることがある。しかし、かかる動作のオーバーヘッドは、トーン・マッピング動作と比較すると、ごく僅かであるに過ぎない。代表的な時間的適応方法は、非特許文献8に記載されている。
ステップ306では、(ステップ304に従って)参照Iフレームの対応する画素位置(x’,y’)において得られるトーン・マップ済みIフレームIの値I(x’,y’)、並びに(逆量子化及び離散コサイン変換機能を使用して)ステップ302で得られるようなPフレーム用の符号化された誤差信号e(x,y)に関係するスケーリング係数から、参照Iフレームに後続する受信Pフレーム用のトーン・マップ済みPフレームの値P(x,y)が差分的に計算される。Pフレームに関連する動きベクトルは、Pフレームの画素位置(x,y)に対応する参照Iフレームの画素位置(x’,y’)を決定するために使用することができる。動きベクトルは、MPEGビデオ・データ・ストリームの復号ステップ中に使用される可変長復号機能によって供給してもよい。
ステップ308では、参照Iフレームの第1の所定の画素位置(x’,y’)において得られたトーン・マップ済みIフレームの値I(x’,y’)、参照Pフレームの第2の所定の画素位置(x”,y”)において得られたトーン・マップ済みPフレームの値P(x”,y”)、並びに(逆量子化及び離散コサイン変換機能を使用して)ステップ302で得られるようなBフレーム用の符号化された誤差信号e(x,y)に関係するスケーリング係数から、参照Iフレーム及び参照Pフレームに依存する受信Bフレームについて画素位置(x,y)におけるトーン・マップ済みBフレームの値B(x,y)が計算される。第1の所定の画素位置(x’,y’)は、Bフレームの画素位置(x,y)に対応する参照Iフレームの画素位置であり、第2の所定の画素位置(x”,y”)は、Bフレームの画素位置(x,y)に対応する参照Pフレームの画素位置である。第1の所定の画素位置(x’,y’)は、参照Iフレームに関連する動きベクトルを使用して決定してもよい。第2の所定の画素位置(x”,y”)は、参照Pフレームに関連する動きベクトルから決定してもよい。これらの2つの動きベクトルは、ビデオ・データ・ストリームのMPEG復号プロセス(ステップ302)の初めに適用される可変長復号(VLC)機能によって生成することができる。
ステップ310では、ステップ304で得られたトーン・マップ済みIフレーム(I(x,y))、ステップ306で得られたトーン・マップ済みPフレーム(P(x, y))、ステップ308で得られたトーン・マップ済みBフレーム(B(x,y))から、HDRビデオ・データ・ストリームの色空間変換が行われる。この変換は、各画素の色が3つの成分、すなわち赤(R)、緑(G)及び青(B)によって表される、標準的なRGB色空間への変換としてもよい。代替的に、この変換は、Luv色空間への変換としてもよい。但し、Lは輝度成分であり、u及びvの各々はクロミナンス成分である。
図4は、本発明の特定の実施形態に従った、HDRビデオ・データ・ストリームを復号し且つトーン・マッピングするための表示システム400を示すブロック図である。
表示システム400は、入力としてHDR MPEGストリームを受信する。表示システム400は、参照Iフレームから抽出されたデータ、並びに時間的に圧縮又は符号化されたPフレーム及び/又はBフレームから抽出された情報に基づいて、ビデオ・データ・ストリームを表示するためにディスプレイ装置に結合される。
MPEGフォーマットで符号化されたHDRビデオ・データ・ストリームは、「スライス」を含む。各スライスは、画像フレームの水平セクションを表し、マクロブロックのシーケンスを含む。各マクロブロックは、マクロブロック・ヘッダ、動きベクトル・セクション及び離散コサイン変換(DCT)係数の符号化ブロックを含む。動きベクトル・セクションは、マクロブロック用の動きベクトルを生成するために使用される。
システム400は、HDR MPEGストリームの最初の処理用の可変長復号ブロックC1を有する。可変長復号ブロックC1は、HDRMPEGストリーム上で標準的な可変長復号を行い、(例えば、所定のハフマン・テーブルを使用することにより)量子化された離散コサイン変換(DCT)係数を供給する。逆スキャン機能(図示せず)は、可変長復号ブロックC1からの係数を複数のブロック(例えば、8×8ブロック)に割り当てる。
次に、変換ブロックC2は、逆量子化及び逆離散コサイン変換動作を行う。逆量子化動作は、逆スキャン機能から供給されるブロック内の各係数を符号化中の量子化手続きにおいて使用されるものと同じ対応する量子化定数と乗算し、その結果を最も近い整数に丸める。逆離散コサイン変換動作は、複数のブロックを空間領域の表現に戻すために、これらのブロックに適用される(画像差分ブロックを形成する)。本発明の特定の実施形態に従った逆DCT動作の機能のうちの1つは、特に、(最初にMPEG符号器によって符号化された)P及びBフレームにそれぞれ関連する誤差信号を復号することにある。
次に、符号化された動きベクトル及び誤差信号は、動き補償ブロックC3に送信される。
動き補償ブロックC3は、P及びBフレームにそれぞれ関連する誤差信号(以下、「e(x,y)」及び「e(x,y)」と表記)と、(参照Iフレームに関連する)各Pフレーム用の符号化された1セットの動きベクトルと、(参照Iフレーム及びPフレームに関連する)各Bフレーム用の符号化された2セットの動きベクトルを復号するために使用される。典型的なMPEG復号器では、各動きベクトルは、復号された画像ブロックを生ずるように逆離散コサイン変換動作の出力と組み合わされた参照画像ブロックを検索するために使用されるのが普通である。従って、動き補償ブロックC3は、再構築済みPフレーム及びBフレームを供給する。しかし、本発明の実施形態に従って、動き補償ブロックC3は、主として誤差信号及び動きベクトルを復号するために使用され、これらを単差分トーン・マッピング計算(Uni-Differential Tone Mapping Calculation)ブロックC6及び双差分トーン・マッピング計算(Bi-Differential Tone Mapping Calculation)ブロックC7に供給する。
従って、変換ブロックC2及び動き補償ブロックC3は、Iフレーム(完全な値)、Pフレーム及びBフレーム用の誤差信号値e(x,y)及びe(x,y)を生成し、復号された動きベクトルを供給するために使用される。
変換ブロックC2からの復号された各Iフレームは、トーン・マッピング・ブロックC5に供給される。トーン・マッピング・ブロックC5は、適切なトーン・マッピング技術に従って、Iフレーム上でトーン・マッピング動作を行うために設けられる。このトーン・マッピング動作は、1セットの色を他のものにマップして、HDRビデオの外観に近似させるために行われる。トーン・マッピング・ブロックC5から得られたトーン・マップ済みIフレームの値I(x,y)は、これが参照するPフレーム及びBフレーム用のトーン・マップ済み値との差分計算を行うために、単差分トーン・マッピング計算ブロックC6及び双差分トーン・マッピング計算ブロックC7に供給される。
復号されたPフレームごとに、(トーン・マッピング・ブロックC5から得られた)その参照Iフレームに関連するトーン・マップ済みIフレーム、(変換ブロックC2から得られた)Pフレームにおける符号化された誤差値e(x,y)、(動き補償ブロックC3から得られた)Pフレームの動きベクトル及び再構築済みPフレームは、Pフレーム用のトーン・マップ済み値を計算するために、単差分トーン・マッピング計算ブロックC6によって使用される(なお、この場合において、「単差分」は、Pフレーム用の参照フレームとして作用する以前のIフレームに関するものである)。単差分トーン・マッピング計算ブロックC6は、次の式に従って、トーン・マップ済みIフレームの値からトーン・マップ済みPフレームの値を計算する。
(x,y)=I(x’,y’)+e(x,y)×I(x’,y’)/I(x’,y’)
但し、P(x,y)は、画素位置(x,y)におけるトーン・マップ済みPフレームの画素値、
(x,y)×I(x’,y’)/I(x’,y’)は、スケーリング係数、
I(x’,y’)は、Iフレームの画素位置(x’,y’)におけるIフレームの画素値、
(x,y)は、Pフレームの画素位置(x,y)における符号化された誤差信号、
(x’,y’)は、トーン・マッピング・ブロックC5によって以前に決定された参照Iフレームのトーン・マップ済み値である。
画素位置(x’,y’)は、Pフレームの動きベクトルによって決定される。
誤差信号e(x,y)は、累積された絶対差分e(x,y)として測定される。代替的に、もし誤差信号e(x,y)が大きければ(すなわち、所定のしきい値を超えれば)、Pフレームの全体を、近似なしで、完全にトーン・マップしてもよい。
復号されたBフレームごとに、(トーン・マッピング・ブロックC5から得られた)参照Iフレームについて以前に決定されたトーン・マップ済みIフレームI(x,y)、(トーン・マッピング・ブロックC5から得られた)参照Pフレームについて以前に決定されたトーン・マップ済みPフレームP(x,y)、(変換ブロックC2から得られた)Bフレームにおける誤差値e(x,y)、参照Iフレーム及びPフレームにそれぞれ関連する2つの動きベクトル及び再構築済み参照Pフレームは、Bフレーム用のトーン・マップ済み値を計算するために、双差分トーン・マッピング計算ブロックC7によって使用される(なお、この場合において、「双差分」は、参照Iフレーム及びPフレームに関するものである)。双差分トーン・マッピング計算ブロックC7の計算は、次の式に従う。
(x,y)=I(x’,y’)+P(x”,y”)+e(x,y)×(I(x’,y’)+P(x”,y”))/(I(x’,y’)+P(x”,y”))
但し、B(x,y)は、Bフレームにおける画素(x,y)のトーン・マップ済み値、
(x’,y’)は、トーン・マップ済みIフレームにおける対応する画素、
(x”,y”)は、トーン・マップ済みPフレームにおける対応する画素値、
(x,y)は、Bフレームの誤差(画素)値である。
参照Iフレームの対応する画素位置(x’,y’)は、参照Iフレームに関連するBフレームの動きベクトルによって決定され、参照Pフレームの対応する画素位置(x”,y”)は、参照Pフレームに関連するBフレームの動きベクトルによって決定される。
代替的に、もし累積された絶対差分e(x,y)として測定される誤差信号が大きければ(すなわち、所定のしきい値を超えれば)、(トーン・マッピング・オペレータを使用して)Bフレームの全体を、近似なしで、完全にトーン・マップしてもよい。さもなければ、トーン・マッピングが差分的に(すなわち、近似を使用して)計算される。
最初、MPEGストリーム内のIフレーム、Pフレーム及びBフレームは、HSB空間内にあり、そこで画素成分は、「色相」、「彩度」及び「輝度」を表す。システム400に設けられている色空間変換ブロックC4は、計算されたフレーム(トーン・マップ済みIフレーム、Pフレーム及びBフレーム)を受け取り、ディスプレイ色空間と一致するようにこれらのフレームをRGB空間に変換する。その結果、表示することができるトーン・マップ済みRGB画像が供給される。
本発明の例示的なアプリケーションにおいて、各フレームがトーン・マッピングのために平均でt時間を必要とし、ビデオを復号するためにt時間を必要とするものとする。その場合、本発明の実施形態に従って、Iフレームについては、一のトーン・マッピング動作が必要となるに過ぎない。Pフレーム及びBフレームについては、トーン・マッピングは、多数の加算及びスケーリング動作のみを含むに過ぎないから、復号時間tの複雑さの一因とはならない。従って、Iフレーム及びPフレームのトーン・マッピング動作については、時間tだけが必要となるに過ぎない。もしnフレームごとにIフレームが生じるのであれば、必要とされる総実行時間Tは、T=t+tである。復号ステップは、リアルタイムで行われるので、tは実質的に小さい。
本発明の利点は、トーン・マッピングがフレームごとに他のフレームから独立的に行われるという既存の技術に比較して、トーン・マッピング動作を高速化することにある。事実、時間T=nt+t(但し、Tは、各フレーム上でトーン・マッピングが行われる場合の総実行時間を表す)を考慮すると、結果的な高速化Sは、次の通りである。
S=T/T=(nt+t)/(t+t
通常、t<<tであるから、T/T=nとなる。誤差値は、迅速なシーン変更と相関している。一般に、MPEG符号器は、かかるフレームにIフレームを挿入するから、誤差は、小さくなるであろう。一般に、MPEG符号器は、15フレームごとにIフレームを挿入する。かかる例については、n=15(例えば、PALDVD)である。従って、15倍の高速化を期待することができる。導入されるオーバーヘッドは、主として、Iフレーム用のトーン・マッピング動作である。他のオーバーヘッドは、誤差しきい値を含むことがあるが、これは無視することができる。
図5は、本発明の実施形態に従った、MPEG HDR画像からのビデオ画像を色空間変換済み画像に変換するために使用されるコンピュータ・システム50を示す。コンピュータ・システム50は、プロセッサ51、各々がプロセッサ51に結合された入力装置52、出力装置53、メモリ装置54及び55を含む。プロセッサ51は、中央処理ユニット(CPU)のような処理ユニットである。入力装置52は、キーボード、マウス等でもよい。出力装置53は、プリンタ、プロッタ、ディスプレイ装置(例えばコンピュータ・スクリーン)、磁気テープ、取り外し可能ハードディスク、フレキシブル・ディスク等でもよい。メモリ装置54及び55は、ハードディスク、フレキシブル・ディスク、磁気テープ、コンパクト・ディスク(CD)又はデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)のような光ディスク・ストレージ、動的ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)等でもよい。メモリ装置55は、コンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータ・プログラムである、コンピュータ・コード57を含む。コンピュータ・コード57は、MPEGHDR画像を色空間画像に変換するためのアルゴリズムを含む。プロセッサ51は、コンピュータ・コード57を実行する。メモリ装置54は、入力データ56を含む。入力データ56は、コンピュータ・コード57によって必要とされる入力を含む。出力装置53は、コンピュータ・コード57からの出力を表示する。メモリ装置54及び55の一方又は両方は、その内部にコンピュータ可読プログラム又は他の格納データを有する、コンピュータ使用可能な記憶媒体(又はプログラム・ストレージ装置)として使用してもよい。一般に、コンピュータ・システム50のコンピュータ・プログラム・プロダクト(又は製品)は、前記コンピュータ使用可能な記憶媒体(又は前記プログラム・ストレージ装置)を含んでもよい。
図5は、ハードウェア及びソフトウェアの特定の構成を示しているが、図5のコンピュータ・システム50に関連して説明した前記目的を達成するために、当分野で公知のハードウェア及びソフトウェアの任意の構成を使用してもよい。例えば、メモリ装置54及び55は、個別のメモリ装置ではなく、単一のメモリ装置の複数の部分でもよい。
例示の目的のために、本明細書では本発明の特定の実施形態を説明したが、当業者にとっては、多数の修正及び変形を施し得ることが明らかであろう。
C1・・・可変長復号ブロック
C2・・・逆量子化及び逆離散コサイン変換ブロック
C3・・・動き補償ブロック
C4・・・色空間変換ブロック
C5・・・トーン・マッピング・ブロック
C6・・・単差分トーン・マッピング計算ブロック
C7・・・双差分トーン・マッピング計算ブロック

Claims (15)

  1. MPEGフォーマットで符号化され且つイントラ符号化フレーム(Iフレーム)、予測符号化フレーム(Pフレーム)及び双方向予測符号化フレーム(Bフレーム)のフレーム・シーケンスを含む、高ダイナミック・レンジ(HDR)ビデオ・データ・ストリームをトーン・マッピングするための方法であって、
    前記HDRビデオ・データ・ストリームを復号することにより、復号済みIフレーム、Pフレームに関係する復号済み補助データ及びBフレームに関係する復号済み補助データを生成する第1のステップ(302)と、
    各復号済みIフレームに対しトーン・マッピング機能を適用することにより、トーン・マッピング・オペレータに従ったトーン・マップ済みIフレームを供給する第2のステップ(304)と、
    参照Iフレームに依存するPフレームごとに、前記参照Iフレームについて以前に決定された前記トーン・マップ済みIフレーム、前記参照Iフレーム及び前記Pフレームに関係する前記復号済み補助データから、トーン・マップ済みPフレームを計算する第3のステップ(306)と、
    Bフレームごとに、前記参照Iフレームについて以前に決定された前記トーン・マップ済みIフレーム、前記参照Pフレームについて以前に決定された前記トーン・マップ済みPフレーム及び前記Bフレームに関係する前記復号済み補助データから、トーン・マップ済みBフレームを計算する第4のステップ(308)を含む、方法。
  2. 前記第3のステップ(306)は、前記Pフレームの所与の画素位置(x,y)に対応する前記参照Iフレームの所定の画素位置(x’,y’)における前記トーン・マップ済みIフレームの値I(x’,y’)、前記所定の画素位置(x’,y’)における前記参照Iフレームの値I(x’,y’)及び前記Pフレームに関係する前記復号済み補助データから、前記Pフレームの前記所与の画素位置(x,y)におけるトーン・マップ済みPフレームの値P(x,y)を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第4のステップ(308)は、前記Bフレームの所与の画素位置(x,y)に対応する前記参照Iフレームの第1の所定の画素位置(x’,y’)における前記トーン・マップ済みIフレームの値I(x’,y’)、前記所与の画素位置(x,y)に対応する前記参照Pフレームの第2の所定の画素位置(x”,y”)におけるトーン・マップ済みPフレームの値P(x”,y”)、前記第1の所定の画素位置(x’,y’)における前記参照Iフレームの値I(x’,y’)及び前記Bフレームに関係する前記復号済み補助データから、前記Bフレームの前記所与の画素位置(x,y)におけるトーン・マップ済みBフレームの値B(x,y)を計算することを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記Pフレームに関係し且つ前記第3のステップ(306)中に使用される前記復号済み補助データは、前記Pフレーム用の復号済み誤差信号eを含み、各Bフレームと関係し且つ前記第4のステップ(308)中に使用される前記復号済み補助データは、復号済み誤差信号eを含み、前記第1のステップ(302)は、逆離散コサイン変換機能を使用して前記HDRビデオ・データ・ストリームからの前記誤差信号e及び前記誤差信号eを復号することを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第3のステップ(306)は、前記Pフレームに関係する前記誤差信号eを比I(x’,y’)/I(x’,y’)だけスケールすることを含み、前記第4のステップ(308)は、前記Bフレームに関係する前記誤差信号eを比I(x’,y’)+P(x”,y”))/(I(x’,y’)+P(x”,y”)だけスケールすることを含み、P(x”,y”)は、前記第2の所定の位置における前記参照Pフレームの再構築された値を表す、請求項4に記載の方法。
  6. 前記Pフレームの所与の画素位置(x,y)における前記トーン・マップ済みPフレームの値P(x、y)は、次の式に従って決定される、請求項4又は請求項5に記載の方法。
    (x,y)=I(x’,y’)+e(x,y)×I(x’,y’)/I(x’,y’)
  7. 前記Bフレームの所与の画素位置(x,y)における前記トーン・マップ済みBフレームの値B(x、y)は、次の式に従って決定される、請求項4ないし請求項6の何れか1項に記載の方法。
    (x,y)=I(x’,y’)+P(x”,y”)+e(x,y)×(I(x’,y’)+P(x”,y”))/(I(x’,y’)+P(x”,y”))
  8. 前記復号済み補助データは、前記参照Iフレームに関連する各Pフレーム用の1セットの復号済み動きベクトルをさらに含み、前記第3のステップ(306)は、前記参照Iフレームに関連する前記1セットの復号済み動きベクトルから前記所定の位置(x’,y’)を決定することを含む、請求項2ないし請求項7の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記復号済み補助データは、前記参照Iフレーム及び前記参照Pフレームにそれぞれ関連する各Bフレーム用の2セットの復号済み動きベクトルを含み、前記第4のステップ(308)は、前記参照Iフレームに関連する前記1セットの復号済み動きベクトルから前記第1の所定の画素位置(x’,y’)を決定し且つ前記参照Pフレームに関連する前記1セットの復号済み動きベクトルから前記第2の所定の画素位置(x”,y”)を決定することを含む、請求項3ないし請求項8の何れか1項に記載の方法。
  10. 前記複数セットの動きベクトルは、前記MPEGビデオ・データ・ストリームから生成され、前記第1のステップ(302)は、動き補償機能を適用して前記複数セットの動きベクトルを復号することを含む、請求項8又は請求項9に記載の方法。
  11. 前記第1のステップ(302)は、前記HDRビデオ・データに可変長復号機能を適用することにより、量子化された係数セットを供給し、前記係数セットに逆スキャン機能を適用することにより、逆スキャン済みビデオ・データ信号を供給し、前記逆スキャン済みビデオ・データ信号に逆量子化機能を適用し、前記逆量子化されたビデオ・データ信号に逆離散コサイン変換機能を適用することにより、逆量子化済みビデオ・データ信号を供給することを含む、請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の方法。
  12. 前記第2のステップ(304)、前記第3のステップ(306)及び前記第4のステップ(308)に従って得られた各マップ済みフレームの色空間変換を行うステップと、
    前記色空間変換された複数のフレームをディスプレイ装置上に表示するステップをさらに含む、請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載の方法。
  13. 前記色空間変換は、RGB色空間への変換である、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1ないし請求項13の何れか1項に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラム。
  15. 請求項1ないし請求項13の何れか1項に記載の方法の各ステップを行うのに適した手段を備えるシステム。
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