JP2014500758A - 眼内シャント - Google Patents

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Abstract

本発明は、種々のタイプの眼内シャントに概して関する。特定の局面において、本発明は、シャントの周囲の組織の弾性率と適合可能な弾性率を有する材料で構成されるシャントを概して提供する。この方法によって、本発明のシャントは周囲の組織と可撓にマッチし、そしてそれゆえ、移植の後に、周囲の組織と相互作用するいかなるタイプの固定源も必要とすることなく所定の位置に留まる。その結果、本発明のシャントは移植の後に、眼の周囲の組織に過敏症も炎症も生じさせることなく眼の前房のための流体の流れ出しを維持する。

Description

(関連出願)
本出願は、2010年11月15日に出願された、米国特許本出願第12/946,351号の利益および優先権を主張する。その本出願の内容は、その全体が本明細書内に参照により援用される。
(本発明の分野)
本発明は、種々のタイプの眼内シャントに概して関する。
(背景)
緑内障は何百万人もの人に影響する眼の疾患である。緑内障は、眼の前房から房水を十分に取り除くための眼の排液システムの不全、または眼の毛様体による房水の過剰生産のいずれかから生じる眼内圧の増加に関連している。房水の蓄積およびその結果として生じる眼内圧は、視神経および網膜に回復不能の損傷を生じ得、それは回復不能な網膜の損傷および失明を導き得る。
緑内障は多くの異なる方法により処置され得る。処置の一方法は、β遮断薬またはプロスタグランジンのような薬物を眼に届けることで、房水の生産の減少、または眼の前房からの房水の流れの増加のいずれかをさせることを含む。緑内障はまた、眼の中にシャントを配置することで、眼の前房と、房水排液に関係する眼の種々の構造(例えば、シュレム管、強膜、または結膜下腔)との間に流体が流れる通路の生成を生じさせることを含む外科的介入により処置され得る。そのような流体が流れる通路は、房水が前房を出ることを可能にする。
移植可能なシャントの一問題は、それらが堅い材料(例えば、ステンレス鋼)で構成され、シャントが眼の周囲の組織の動きに反応することを可能にしないことである。その結果、既存のシャントは移植の後に動く傾向を有し、それは眼の前房から流体を流れ出させるシャントの能力に影響する。移植の後のシャントの動きを防ぐために、シャントの本体に延在し周囲の組織と相互作用する固定源(anchor)により、特定のシャントが眼の中の所定の位置に配置される。そのような固定源は周囲の組織の過敏症および炎症を生じる。
移植可能なシャントのもう一つの問題は、それらが詰まり、房水が前房から出ることを妨げ、そして眼の中の流体蓄積の再発を生じ得ることである。そのような問題は外科的介入によってのみ治され得る。
さらに、既存の移植可能なシャントは前房からの流体の流れを効果的に調整しない。すなわち、流体の流れは前房から眼の排液構造へと受動的であり、シャントにより調整されない。流体が前房内で生成され得るよりも速い速度で前房から流れると、前房が崩壊し、眼に重大な損傷が生じ、修復のために外科的介入が必要となる。眼からの流体の流れが十分に大きくなければ、前房内の圧は和らげられず、視神経および網膜への損傷が依然として生じ得る。
(概要)
本発明は、器官からの流体の排液を促進する、改良されたシャントを概して提供する。特に、本発明のシャントは眼内シャントで上述の課題に取り組み、そして解決する。
特定の局面において、本発明は、シャントの周囲の組織の弾性率と適合可能な弾性率を有する材料で構成されるシャントを概して提供する。この方法によって、本発明のシャントは周囲の組織と可撓にマッチし、そしてそれゆえ、移植の後に、周囲の組織と相互作用するいかなるタイプの固定源も必要とすることなく所定の位置に留まる。その結果、本発明のシャントは移植の後に、眼の周囲の組織に過敏症も炎症も生じさせることなく眼の前房のための流体の流れ出し(flow away)を維持する。
眼に関連して考察されているが、本シャントの弾性率は任意の組織の弾性率とマッチし得る。従って、本発明のシャントは任意の器官から流体を排液するために使用され得る。特定の実施形態において、その器官は眼である。本発明のシャントは眼の中の高圧の部分(例えば、前房)から眼の中の低圧の部分(例えば、テノン内部の腔(intra−Tenon’s space)、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管)へと流れの通路を定め得る。
他の局面において、本発明は、シャントの一部分が圧に反応しやすい可撓性の材料で構成されるシャント(すなわち、シャントの内径が、シャントのその一部分にかけられる圧によって変動する)を概して提供する。従って、シャントの可撓性の部分は、シャントを流れる流体を調整する弁として働く。移植の後、眼内シャントはシャントの周囲の組織(例えば、強膜組織)によりかけられる圧と、シャントを流れる房水によりかけられる圧とを有する。周囲の組織によりシャントの可撓性の部分にかけられる圧が、シャントを流れる流体によりシャントの可撓性の部分にかけられる圧よりも高い場合、その可撓性の部分の直径は減少し、シャントを通る流れは制限される。制限された流れは、房水が減少した速度で前房から離れる結果を生じる。
シャントを流れる流体によりシャントの可撓性の部分にかけられる圧が、周囲の組織によりシャントの可撓性の部分にかけられる圧よりも高い場合、その可撓性の部分の直径は増加し、シャントを通る流れは増加する。増加した流れは、房水が増加した速度で前房から離れる結果を生じる。
シャントの可撓性の部分は、シャントの任意の箇所であり得る。特定の実施形態において、シャントの可撓性の部分はシャントの遠位部分である。特定の実施形態においては、シャント全体が可撓性の材料で構成される。
本発明の他の局面は、複数ポートシャントを概して提供する。そのようなシャントは移植の後にシャントが詰まる確率を減少させる。なぜなら、シャントの一つまたは複数のポートが微粒子で詰まった場合ですら、流体はシャントを出入りし得るからである。特定の実施形態において、シャントは流れの通路および2つより多いポートを定める中空の本体を含む。その本体は、近位部分が眼の前房から流体を受け入れ、遠位部分が前房に対して低圧の位置へと流体を導くように構成される。
本シャントは多くの異なる構成を有し得る。特定の実施形態において、シャントの近位部分(すなわち、眼の前房内に配置される部分)は1つより多いポートを含み、シャントの遠位部分(すなわち、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、またはシュレム管のような前房に対して低圧な部分に位置する部分)は単一のポートを含む。他の実施形態において、近位部分は単一のポートを含み、かつ遠位部分は1つより多いポートを含む。さらに他の実施形態において、近位部分および遠位部分は1つより多いポートを含む。
ポートは、種々の異なる方向で、およびシャントの種々の異なる部分に沿って、配置され得る。特定の実施形態において、ポートのうちの少なくとも1つは本体の長手方向の部分とある角度をなして配置される。特定の実施形態において、ポートのうちの少なくとも1つは本体の長手方向の部分と90°をなして配置される。
ポートは同じまたは異なる内径を有し得る。特定の実施形態において、ポートのうちの少なくとも1つは他のポートの内径と異なる内径を有する。
本発明の他の局面は、排水ポートを有するシャントを概して提供する。それらのシャントは、排水ポートが、シャント内の流体蓄積が排水ポートを開けさせるのに十分になるまで閉じたままでいるように構成される。そのような流体蓄積は典型的に、シャントの入口ポートまたは出口ポートを部分的にまたは完全に詰まらせる微粒子により生じさせられる。排水ポートを有するシャントは移植の後のシャント詰まりの確率を減少させる。なぜなら、シャントの1つのポートが微粒子により詰まった場合ですら、流体は排水ポートによりシャントを出入りし得るからである。
特定の実施形態において、シャントは眼の前房から流体を受け入れるように構成される入口、およびその流体を前房に対して低圧の位置へと導くように構成される出口を定める中空の本体を含み、その本体は少なくとも1つの細隙をさらに含む。細隙はシャントの本体に沿った任意の箇所に位置し得る。特定の実施形態において、細隙は入口の近くに位置する。他の実施形態において、細隙は出口の近くに位置する。特定の実施形態において、細隙はシャントの入口近くおよび出口近くの両方にある。
特定の実施形態において、細隙は入口の内径と実質的に同じまたはそれよりも狭い幅を有する。概して、細隙は出口がふさがれない限り流体を導かない。しかしながら、シャントは、入口または出口がふさがれていない場合ですら細隙が少なくとも一部の流体を導くように構成され得る。
他の局面において、本発明は、可変の内径を有するシャントを概して提供する。具体的な実施形態において、直径はシャントの入口から出口にかけて増加する。入口から出口にかけて増加する可変の内径を有することで、圧力勾配が生成され、シャントの入口を詰まらし得る微粒子は圧力勾配によって入口から押し出される。さらに、シャントの直径が入口に応じてしか増加しないため、微粒子はシャントから流れ出る。
特定の実施形態において、シャントは、流れの通路を定め、かつ眼の前房から流体を受け入れるように構成される入口、および前房に対して低圧の位置へと流体を導くように構成される出口を有する中空の本体を含む。そしてその本体はさらに、本体の長手方向の部分に沿って増加する可変の内径を含む。特定の実施形態において、内径は本体の長手方向の部分に沿って継続的に増加する。他の実施形態において、内径は本体の長手方向の部分の一部分に沿って一定に留まる。低圧の例示的な位置は、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、クモ膜下腔、およびシュレム管を含む。
特定の実施形態において、本発明のシャントは、少なくとも1つの薬学的および/または生物学的薬剤、またはこれらの組み合わせにより覆われ得るか、または浸透され得る。薬学的および/または生物学的な薬剤は、シャントの外側の全体、シャントの内側の全体、またはこれら両方を覆い得るか、または浸透させ得る。あるいは、薬学的および/または生物学的薬剤は、シャントの外側の一部分、シャントの内側の一部分、またはこれら両方を覆い得るか、および/または浸透させ得る。眼内シャントを薬学的および/または生物学的薬剤で覆うおよび/または浸透させる方法は、当該分野で公知である。例えば、Darouiche(米国特許第7,790,183号;6,719,991号;6,558,686号;6,162,487号;5,902,283号;5,853,745号;および5,624,704号)およびYuら(米国特許出願第2008/0108933号)を参照されたい。これらそれぞれの参考文献の内容は、その全体が本明細書内に参照により援用される。
特定の実施形態において、移植の後に前房に位置するシャントの外側の一部分(例えば、シャントの近位部分の約1mm)には、薬物学的または生物学的薬剤が覆われるか、および/または浸透される。他の実施形態において、シャントの移植の後に強膜組織に位置するシャントの外側には、薬物学的または生物学的薬剤が覆われるか、および/または浸透される。他の実施形態において、移植の後に低圧の部分(例えば、テノン内部の腔または結膜下腔)に位置するシャントの外側の一部分には、薬物学的または生物学的薬剤が覆われるか、および/または浸透される。薬物学的または生物学的薬剤がシャントの内側を覆うおよび/または浸透する実施形態においては、この薬剤はシャントを通り、低圧の部分(例えば、テノン内部の腔または結膜下腔)へと流され得る。
任意の薬物学的および/または生物学的薬剤、またはこれらの組み合わせが本発明のシャントに使用され得る。薬物学的および/または生物学的薬剤は、短期間(例えば、数秒)で放出され得るか、または長期間(例えば、数日、数週間、数カ月、または数年もかかる場合もある)で放出され得る。例示的な薬剤は、マイトマイシン−Cまたは5−フルオロウラシル、抗VEGF(例えば、Lucintes、Macugen、Avastin、VEGFまたはステロイド)のような抗有糸分裂性の薬物を含む。
上記および本明細書内で考察されるシャントは、眼、および特には、緑内障を処置し眼内シャントに関係する上記識別された課題を解決する状況に関連して記述される。それでもやはり、本明細書内で記述されるシャントは、器官からの流体の排液を必要とする身体器官の任意の処置に用途を見つけ得、眼に限定されることのないことが理解される。
(図面の簡単な説明)
図1は、眼の一般的な解剖学的構造の概略図を提供する。 図2は、眼の一部分の解剖学的構造を提供し、かつ眼の特定の解剖学的な構造のより詳細なものを提供する。 図3は、可撓性の部分を有するシャントの概要を提供する。 図4パネルA―Cは、眼の前房から眼の排液構造への流体の流れを調整するために、眼に移植されるシャントの概要を提供する。 図4パネルA−Cは、眼の前房から眼の排液構造への流体の流れを調整するために、眼に移植されるシャントの概要を提供する。 図4パネルA−Cは、眼の前房から眼の排液構造への流体の流れを調整するために、眼に移植されるシャントの概要を提供する。 図5は、複数ポートシャントの種々の実施形態を示す。パネルAは、シャントの近位部分が1つより多いポートを含み、かつシャントの遠位部分が単一のポートを含むシャントの一実施形態を示す。パネルBは、近位部分が単一のポートを含み、かつ遠位部分が1つより多いポートを含むシャントの他の実施形態を示す。パネルCは、近位部分が1つより多いポートを含み、かつ遠位部分が1つより多いポートを含む、シャントの他の実施形態を示す。 図5は、複数ポートシャントの種々の実施形態を示す。パネルAは、シャントの近位部分が1つより多いポートを含み、かつシャントの遠位部分が単一のポートを含むシャントの一実施形態を示す。パネルBは、近位部分が単一のポートを含み、かつ遠位部分が1つより多いポートを含むシャントの他の実施形態を示す。パネルCは、近位部分が1つより多いポートを含み、かつ遠位部分が1つより多いポートを含む、シャントの他の実施形態を示す。 図5は、複数ポートシャントの種々の実施形態を示す。パネルAは、シャントの近位部分が1つより多いポートを含み、かつシャントの遠位部分が単一のポートを含むシャントの一実施形態を示す。パネルBは、近位部分が単一のポートを含み、かつ遠位部分が1つより多いポートを含むシャントの他の実施形態を示す。パネルCは、近位部分が1つより多いポートを含み、かつ遠位部分が1つより多いポートを含む、シャントの他の実施形態を示す。 図6パネルAおよび図6パネルBは、種々の直径ポートを有する複数ポートシャントの種々の実施形態を示す。 図6パネルAおよび図6パネルBは、種々の直径ポートを有する複数ポートシャントの種々の実施形態を示す。 図7パネルA−Cは、シャントの長手方向の部分の一部分に沿って位置する細隙を有する、シャントの概要を提供する。 図7パネルA−Cは、シャントの長手方向の部分の一部分に沿って位置する細隙を有する、シャントの概要を提供する。 図7パネルA−Cは、シャントの長手方向の部分の一部分に沿って位置する細隙を有する、シャントの概要を提供する。 図8は、シャントの長手方向の部分に沿って複数の細隙を有するシャントを描写する。 図9は、シャントの近位端に細隙を有するシャントを描写する。 図10Aおよび図10Bは、可変の内径を有するシャントの概要を提供する。 図10Aおよび図10Bは、可変の内径を有するシャントの概要を提供する。 図11および図12は、眼の中に配置される眼内シャントを示す。シャントの近位部分は前房に位置し、そしてシャントの遠位部分はテノン内部の腔に位置する。シャントの中位部分は強膜に位置する。 図11および図12は、眼の中に配置される眼内シャントを示す。シャントの近位部分は前房に位置し、そしてシャントの遠位部分はテノン内部の腔に位置する。シャントの中位部分は強膜に位置する。
(詳細な説明)
図1は、眼の一般的な解剖学的構造の概略図を提供する。眼の前房1の前面は角膜2であり、眼の前房1の後面は虹彩4である。虹彩4の下には水晶体5がある。前房1は房水3で満たされている。房水3は強膜8の小柱網(詳細に示されていない)を通り結膜7の下にある腔6へと排液する。房水は結膜7の下にある腔6から、静脈排液系(示されていない)によって排液される。
図2は眼の一部分の断面図を提供し、かつ眼の特定の解剖学的な構造に関するより詳細なものを提供する。特に、図2は結膜12とテノン嚢13との関係を示す。テノン嚢13は眼球および眼外の筋の周囲の結合組織の筋膜の層である。図2で示されているように、それは眼の縁の前方に付着しており、眼球の表面を覆って視神経を取り囲む硬膜と融合するまで後方に延在する。図2において、番号9は結膜12およびテノン嚢13の強膜11への輪部融合を示す。結膜12とテノン嚢13は輪部融合9から始まる別個の膜であり、眼の後方の組織と結合する。結膜12の下に形成された腔は結膜下腔と呼ばれ、番号14で示されている。テノン嚢13の下には、テノン嚢13を強膜11へと結合させるテノン癒着がある。テノン癒着がテノン嚢13を強膜11へと結合させるところであるテノン嚢13と強膜11との間の腔は、テノン内の腔と呼ばれ、番号10で示される。
緑内障の状態においては、眼の房水(前房)の圧は増加し、この結果として生じた圧の増加が眼の背部にある血管システム、および特には視神経に損傷を与え得る。緑内障、および前房内の高まった圧を導く他の病気の処置は、前房内の圧を正常なレベルに和らげることを必要とする。
本発明は、眼のような器官からの流体の排液を促進する、改良されたシャントを概して提供する。特に、本発明のシャントは先行技術眼内シャントに関連する課題に取り組み、そして解決する。
(組織適合可能なシャント)
特定の局面において、本発明は、シャントの周囲の組織の弾性率と適合可能な弾性率を有する材料で構成されるシャントを概して提供する。この方法によって、本発明のシャントは周囲の組織と可撓にマッチし、そしてそれゆえ、移植の後に、周囲の組織と相互作用するいかなるタイプの固定源も必要とすることなく所定の位置に留まる。その結果、本発明のシャントは移植の後に、眼の周囲の組織に過敏症も炎症も生じさせることなく眼の前房のための流体の流れ出しを維持する。
弾性係数、または弾性率は、力が加えられた場合に物体または物質が弾性的に変形させられる傾向の数学的な記述である。物体の弾性係数は、弾性変形領域におけるその応力−ひずみ曲線の傾斜と定義される。
Figure 2014500758
ここで、ラムダ(λ)は弾性係数であり、応力は変形を生じさせる力をその力が加えられている面積で割ったものであり、そしてひずみは応力により物体の最初の状態に生じさせられた変化の比である。弾性率はまた、ヤング率(E)として知られ得るものであり、それは引張り弾性、または軸に沿って反対の力が加えられた場合に物体がその軸に沿って変形する傾向を表す。ヤング率は引張り応力の、引張りひずみに対する比と定義されている。弾性率およびヤング率に関するさらなる説明については、例えば、その全体が本明細書内に参照により援用される、Gere(Mechanics of Materials,第6版,2004,Thomson)を参照されたい。
任意の組織の弾性率が当業者により決定され得る。例えば、それぞれが身体組織の弾性率を決定する方法を提供する、Samaniら(Phys.Med.Biol.48:2183,2003);Erkampら(Measuring The Elastic Modulus Of Small Tissue Samples,Biomedical Engineering Department and Electrical Engineering and Computer Science Department University of Michigan Ann Arbor,MI 48109−2125;および Institute of Mathematical Problems in Biology Russian Academy of Sciences,Pushchino,Moscow Region 142292 Russia);Chenら(IEEE Trans.Ultrason.Ferroelec.Freq.Control 43:191−194,1996);Hall,(In 1996 Ultrasonics Symposium Proc.,pp.1193−1196,IEEE Cat.No.96CH35993,IEEE,New York,1996);およびParker(Ultrasound Med.Biol.16:241−246,1990)を参照されたい。これらそれぞれの内容は、その全体が本明細書内に参照により援用される。
種々の器官の組織の弾性率は当該分野に公知である。例えば、Pierscionekら(Br J Ophthalmol,91:801−803,2007)およびFriberg(Experimental Eye Research,473:429−436,1988)は、眼の角膜および強膜の弾性率を示す。これらそれぞれの参考文献の内容は、その全体が本明細書内に参照により援用される。Chen,Hall,およびParkerは種々の筋および肝臓の弾性率を示す。Erkampは腎臓の弾性率を示す。
本発明のシャントは、シャントの周囲の組織の弾性率と適合可能な材料で構成される。特定の実施形態において、材料は、シャントの周囲の組織の弾性率と実質的に等しい弾性率を有する。他の実施形態において、材料は、シャントの周囲の組織の弾性率よりも高い弾性率を有する。例示的な材料は、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ(スチレン−b−イソブチレン−b−スチレン)、またはシリコーンゴムのような生物適合可能なポリマーを含む。
具体的な実施形態において、本発明のシャントは眼の組織、特に強膜組織の弾性率と適合可能な弾性率を有する材料で構成される。特定の実施形態において、適合可能な材料は強膜組織よりも柔らかいか、または強膜組織よりもわずかに堅いが、シャントの移動を妨げる程には柔らかい材料である。前強膜組織の弾性率は、約2.9±1.4×10N/mであり、そして後強膜組織の弾性率は、1.8±1.1×10N/mである。Friberg(Experimental Eye Research,473:429−436,1988)を参照されたい。例示的な材料は、ウシまたはブタのコラーゲンから得られる架橋ゼラチンである。
本発明は、種々の形および種々の寸法のシャントを包含し、本発明のシャントは眼におさめられ得る任意の形または任意の寸法であり得る。特定の実施形態において、眼内シャントは円柱状の形であり、円柱状の壁の外面および中空の内部を有する。シャントは約10μmから約250μmの内径、約190μmから約300μmの外径、および約0.5mmから約20mmの長さを有し得る。
(圧反応性のシャント)
他の局面において、本発明は、シャントの一部分が圧に反応しやすい可撓性の材料で構成されるシャント(すなわち、シャントの内径が、シャントのその一部分にかけられる圧によって変動する)を概して提供する。図3は、可撓性の部分15(太い方の黒線)を有するシャント14の概要を提供する。この図において、可撓性の部分15はシャント14の真ん中に示される。しかしながら、可撓性の部分15は、シャントの近位または遠位部分のような、シャントの任意の部分に位置し得る。特定の実施形態においては、シャント全体が可撓性の材料で構成されており、そしてそれゆえ、シャント全体が可撓性であり圧に反応する。
シャント14の可撓性の部分15は、シャントを流れる流体を調整する弁として働く。人間の眼は、房水をおよそ2μl/分の速度で、約3ml/一日生成する。全体の水量はおよそ0.25mlである。手術の後に前房の圧がおよそ7−8mmHgに下がる場合、静脈の後方圧が通常の排液構造(例えば、小柱網)を通るいずれの重大な流出も妨げるため、房水の大部分は移植物を通して出ることが想定される。
移植の後、眼内シャントはシャントの周囲の組織(例えば、強膜通路および強膜出口のような強膜組織)によりかけられる圧と、シャントを流れる房水によりかけられる圧とを有する。シャントを通る流れ、そしてそれゆえ流体によりシャントにかけられる圧は、方程式により算出される。
Figure 2014500758
ここで、Φは体積流量であり、Vは注がれる液体の量(立方メートル)であり、tは時間(秒)であり、vは管の長さに沿った平均流体速度(メートル/秒)であり、xは流れの方向における距離(メートル)であり、Rは管の内部の半径(メートル)であり、ΔPは2つの先端間の圧力差(パスカル)であり、ηは流動粘度(パスカル−秒(Pa・s))であり、かつLはx方向における管の全長(メートル)である。
図4パネルAは、眼の前房から、より低圧の部分(例えば、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、またはシュレム管)への流体の流れを調整するために眼に移植されたシャント16の概要を提供する。特定の実施形態において、より低圧の部分はクモ膜下腔である。シャントは、シャント16の近位端17が眼の前房18に位置し、かつシャント16の遠位端19が、房水を前房からより低圧の部分へと誘導するために前房の外側に位置するように移植される。シャント16の可撓性の部分(太い方の黒線)20は、眼の強膜の少なくとも一部分にかかる。図4パネルAで示されているように、可撓性の部分は強膜21の全長にかかる。
強膜21によりシャント16の可撓性の部分20にかけられる圧(垂直の矢印)が、シャントを流れる流体によりシャント16の可撓性の部分20にかけられる圧(水平の矢印)よりも高い場合、可撓性の部分20の直径は減少し、シャント16を通る流れは制限される(図4パネルB)。制限された流れは、房水が減少した速度で前房18から離れる結果を生じる。
シャントを流れる流体によりシャント16の可撓性の部分20にかけられる圧(水平の矢印)が、強膜21によりシャント16の可撓性の部分20にかけられる圧(垂直の矢印)よりも高い場合、可撓性の部分20の直径は増加し、シャント16を通る流れは増加する(図4パネルC)。増加した流れは、房水が増加した速度で前房18から離れる結果を生じる。
本発明は、種々の形および種々の寸法のシャントを包含し、本発明のシャントは眼におさめられ得る任意の形または任意の寸法であり得る。特定の実施形態において、眼内シャントは円柱状の形であり、円柱状の壁の外面および中空の内部を有する。シャントは約10μmから約250μmの内径、約190μmから約300μmの外径、および約0.5mmから約20mmの長さを有し得る。
具体的な実施形態において、シャントはおよそ6mmの長さ、およびおよそ64μmの内径を有する。これらの寸法で、前房に位置するシャントの近位端と前房の外側に位置するシャントの遠位端との間の圧力差は、およそ4.3mmHgである。このような寸法は、それゆえ、移植物が制御された弁として働き、前房の完全性を保護することを可能にする。
種々の寸法の移植物が使用され得ることが理解される。例えば、およそ0.5mmからおよそ20mmまでの長さで、かつおよそ10μmからおよそ100μmまでの内径を有するシャントは、約0.5mmHgから約20mmHgまでの圧力制御を可能にする。
可撓性の部分の材料および可撓性の部分の壁の厚さは、その可撓性の部分が、周囲の組織およびシャントを流れる流体によりかけられる圧にどれほど反応性があるかを決定する。概して、特定の材料では、可撓性の部分が厚いほど、圧に対する可撓性の部分の反応性は低くなる。特定の実施形態において、可撓性の部分はゼラチンまたは他の類似の材料であり、可撓性の部分の壁を形成するゼラチン材料の厚さはおよそ厚さ10μmからおよそ厚さ100μmまでである。
特定の実施形態において、可撓性の部分を作るために使用されるゼラチンは、ウシの皮からのタイプBゼラチンとして知られている。例示的なゼラチンは、ウシの皮からのPB Leiner gelatin,Type B,225 Bloom,USPである。可撓性の部分を作るために使用され得るもう一つの材料は、ブタの皮からのタイプAゼラチンであり、これもまたSigma Chemicalから入手可能である。このようなゼラチンはSt.Louis,Mo.のSigma Chemical CompanyからCode G−9382で入手可能である。さらに他の適切なゼラチンは、ウシの骨ゼラチン、ブタの骨ゼラチン、および人間由来のゼラチンを含む。ゼラチンに加えて、可撓性の部分は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、およびグリコサミノグリカンから作られ得る。
特定の実施形態において、ゼラチンは架橋されている。架橋はゼラチン基質の分子間および分子内結合を増加させる。ゼラチンを架橋させるための任意の方法が使用され得る。具体的な実施形態において、形成されたゼラチンは、限定されることはないが、グルタルアルデヒドのような架橋剤の溶液により処理される。架橋に適切な他の化合物は、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)を含む。γまたは電子ビーム(eビーム)のような放射線による架橋が、代わりに使用され得る。
一実施形態において、ゼラチンは選択された期間の間、約25%グルタルアルデヒドの溶液と接触する。グルタルアルデヒドの適切な一種類は、他のグルタルアルデヒド溶液もまた使用され得るが、独国のSigma Aldridge Companyから入手可能なグレード1G5882グルタルアルデヒドである。グルタルアルデヒド溶液のpHは、7〜7.8の範囲内、より詳しくは7.35−7.44、および典型的には約7.4+/−0.01であるべきである。必要であれば、pHは、必要に応じて水酸化ナトリウムのような塩基を適切な量だけ加えることにより調節され得る。
シャントの可撓性の部分を形成するための方法は、例えば、その全体が本明細書内に参照により援用されるYuら(米国特許出願第2008/0108933号)において示される。例示的なプロトコルにおいて、可撓性の部分は、適切な直径のワイヤーのような、芯材または基質をゼラチンの溶液に浸すことにより作られ得る。ゼラチン溶液は、ゼラチン粉末を純水または滅菌注射用蒸留水に溶解させ、ゼラチンの完全な溶解を確実にするために徹底して混合された状態で、溶解されたゼラチンを約55℃の温度の水槽内に置くことにより典型的に調製される。一実施形態において、固体のゼラチンの水に対する比率は、約10重量%〜50重量%のゼラチンに対して水が50重量%〜90重量%である。一実施形態において、ゼラチン溶液は、水に溶解された約40重量%のゼラチンを含む。結果として生じたゼラチンは気泡が全くなく、かつ約200−500cpの間、およびより詳しくは約260〜410cp(センチポアズ)の間の粘性を有するべきである。
上述の方法に従っていったんゼラチン溶液が調製されると、選択された直径を有するワイヤーのような支柱構造が、可撓性の部分を形成するためにその溶液に浸される。ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))のような、生物適合可能な潤滑性の材料で覆われているステンレス鋼ワイヤーが好ましい。
典型的に、ワイヤーはゼラチン溶液の容器に徐々に沈められ、その後ゆっくりと引き抜かれる。動きの速度は、覆いの厚さを調整するために選択される。加えて、所望の覆いを提供するために、管は一定の速度で取り除かれることが好ましい。ゼラチンがワイヤーの表面上に均等に広がることを確実にするために、一実施形態において、ワイヤーは冷気の流れの中で回転させられ得、それはゼラチン溶液が固まりそしてワイヤーに薄膜が付着することを助ける。ワイヤー支柱を浸しおよび引き抜くことは、ゼラチンの均等な覆いをさらに確実にするために幾度か繰り返される。いったんワイヤーがゼラチンで十分に覆われると、結果として生じたワイヤー上のゼラチン薄膜は、室温で少なくとも1時間、およびより好ましくは約10〜24時間乾かされ得る。ゼラチン管を形成するための装置は、Yuら(米国特許出願第2008/0108933号)において説明される。
いったん乾かされると、形成された可撓性の部分は架橋剤で処理され得る。一実施形態において、形成された可撓性の部分はワイヤー(薄膜がついた状態の)を、所望の架橋の程度によって、約7.0−7.8およびより好ましくは約7.35−7.44のpHで、室温で少なくとも4時間およびより好ましくは約10〜36時間の間、25%グルタルアルデヒド溶液に浸すことにより架橋し得る。一実施形態において、形成された可撓性の部分は、グルタルアルデヒドのような架橋剤に少なくとも約16時間接触する。架橋はまた、高温で実行される場合に促進され得る。架橋の程度は、水路がいったん移植された後の生物吸着時間に正比例すると考えられる。一般的に、架橋の程度が大きいほど、身体内の水路はより長く残存する。
残余のグルタルアルデヒドまたは他の架橋剤は、管を多量の滅菌注射用蒸留水に浸すことにより、形成された可撓性の部分から取り除かれる。水は必要に応じて一定の間隔で取り替えられ得、管に結合していないグルタルアルデヒドの拡散を促進するために循環または再循環され得る。管は数時間の間から数カ月の間、理想的な時間としては3−14日の間、洗われる。次にこの架橋ゼラチン管は、周囲温度で選択された期間の間乾かされ(硬化され)得る。架橋ゼラチン管の形成には、約48−96時間、およびより典型的には3日間(すなわち、72時間)の乾燥期間が好まれ得ることが観察されている。
架橋剤が使用される場合、可撓性の部分を作るための方法にクエンチ剤を含むことが望ましくあり得る。クエンチ剤は、架橋剤の結合していない分子を形成された可撓性の部分から取り除く。特定の場合において、架橋剤を取り除くことは、可撓性の部分からあまりにも多くの架橋剤が放出された場合に患者の潜在毒性を減少させ得る。特定の実施形態において、形成された可撓性の部分は架橋処理の後にクエンチ剤と接触し、そして洗浄/すすぎ液に含められ得る。例示的なクエンチ剤は、グリシンまたは水酸化ホウ素ナトリウムを含む。
形成された可撓性の部分は、生物製剤および/または医薬品でさらに覆われ得るか、または浸透され得る。任意の薬物学的および/または生物学的薬剤、またはこれらの組み合わせが本発明のシャントに使用され得る。薬物学的および/または生物学的薬剤は、短期間(例えば、数秒)で放出され得るか、または長期間(例えば、数日、数週間、数カ月、または数年もかかる場合もある)で放出され得る。特定の実施形態において、薬物学的および/または生物学的薬剤は、移植物の移植への身体の反応を調整し、そしてその後の治癒過程を補助するために選択される。例示的な薬剤は、マイトマイシン−Cまたは5−フルオロウラシル、抗VEGF(例えば、Lucintes、Macugen、Avastin、VEGFまたはステロイド)のような抗有糸分裂性の薬物を含む。
必要な乾燥期間の後、形成および架橋された可撓性の部分は、基礎をなす支柱またはワイヤーから取り除かれる。一実施形態において、ワイヤー管は両端で切られ得、そして形成されたゼラチン可撓性の部分はゆっくりとワイヤー支柱から取り除かれ得る。もう一つの実施形態において、ゼラチン薄膜が上に付着したワイヤーは、形成されたゼラチン可撓性の部分を取り除くためにプランジャーまたは管を使用して押し離され得る。
(複数ポートシャント)
本発明の他の局面は、複数ポートシャントを概して提供する。そのようなシャントは移植の後にシャントが詰まる確率を減少させる。なぜなら、シャントの一つまたは複数のポートが微粒子で詰まった場合ですら、流体はシャントを出入りし得るからである。特定の実施形態において、シャントは流れの通路および2つより多いポートを定める中空の本体を含む。その本体は、近位部分が眼の前房から流体を受け入れ、遠位部分が前房に対して低圧の位置へと流体を導くように構成される。例示的な低圧の部分は、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、またはシュレム管を含む。流体が排液されていき得るもう一つの例示的な低圧の部分は、クモ膜下腔である。
本シャントは多くの異なる構成を有し得る。図5パネルAは、シャントの近位部分(すなわち、眼の前房内に配置される部分)が1つより多いポート(番号23a〜23eで示される)を含み、シャントの遠位部分(すなわち、排液構造の近くに位置する部分)が単一のポート24を含むシャント22の一実施形態を示す。図5パネルBは、近位部分が単一のポート23を含み、かつ遠位部分が1つより多いポート(番号24a〜24eで示される)を含むシャント22の他の実施形態を示す。図5パネルCは、近位部分が1つより多いポート(番号23a〜23eで示される)を含み、かつ遠位部分が1つより多いポート(番号24a〜24eで示される)を含むシャント22の他の実施形態を示す。図5は、近位部分に、遠位部分に、またはこれらの両方に5つのポートを有するシャントを示すが、それらのシャントは例示的な実施形態にすぎない。ポートはシャントの任意の部分に沿って位置し得、本発明のシャントは、2つより多いポートを有するすべてのシャントを含む。例えば、本発明のシャントは少なくとも3つのポート、少なくとも4つのポート、少なくとも5つのポート、少なくとも10個のポート、少なくとも15個のポート、または少なくとも20個のポートを含み得る。
ポートは、種々の異なる方向で、およびシャントの種々の異なる部分に沿って、配置され得る。特定の実施形態において、ポートのうちの少なくとも1つは本体の長手方向の部分とある角度をなして配置される。特定の実施形態において、ポートのうちの少なくとも1つは本体の長手方向の部分と90°の角度をなして配置される。例えば、ポート23cと90°の角度をなして配置されるポート23a、23b、23d、および23eを描写する、図5パネルAを参照されたい。
ポートは同じまたは異なる内径を有し得る。特定の実施形態において、ポートのうちの少なくとも1つは他のポートの内径と異なる内径を有する。図6は、近位端に複数のポート(23aおよび23b)を、かつ遠位端に単一のポート24を有するシャント22の一実施形態を示す。図6パネルAは、ポート23bが、ポート23aおよび24の内径と異なる内径を有することを示す。この図において、ポート23bの内径は、ポート23aおよび24の内径よりも小さい。ポート23bの例示的な内径は、およそ20μmからおよそ40μmまで、特にはおよそ30μmである。他の実施形態において、ポート23bの内径は、ポート23aおよび24の内径よりも大きい。例えば、図6パネルBを参照されたい。
本発明は、種々の形および種々の寸法のシャントを包含し、本発明のシャントは眼におさめられ得る任意の形または任意の寸法であり得る。特定の実施形態において、眼内シャントは円柱状の形であり、円柱状の壁の外面および中空の内部を有する。シャントは約10μmから約250μmの内径、約190μmから約300μmの外径、および約0.5mmから約20mmの長さを有し得る。本発明のシャントは任意の生物適合可能な材料から作られ得る。例示的な材料はゼラチンである。ゼラチンで構成されるシャントを作るための方法は、上述されている。
(排水ポートを有するシャント)
本発明の他の局面は、排水ポートを有するシャントを概して提供する。それらのシャントは、排水ポートが、シャント内の圧力上昇が排水ポートを開けさせるのに十分になるまで部分的にまたは完全に閉じたままでいるように構成される。そのような圧力上昇は典型的に、シャントの入口または出口ポートを部分的にまたは完全に詰まらせる微粒子により生じさせられる。排水ポートを有するシャントは移植の後のシャント詰まりの確率を減少させる。なぜなら、シャントの1つのポートが微粒子により詰まった場合ですら、流体は排水ポートによりシャントを出入りし得るからである。
特定の実施形態において、シャントは眼の前房から流体を受け入れるように構成される入口、およびその流体を前房に対して低圧の位置へと導くように構成される出口を定める中空の本体を含み、その本体は少なくとも1つの細隙をさらに含む。細隙はシャントの本体に沿った任意の箇所に位置し得る。図7パネルAは、入口26、出口27、および入口26の近くに位置する細隙28を有するシャント25を示す。図7パネルBは、入口26、出口27、および出口27の近くに位置する細隙29を有するシャント25を示す。図7パネルCは、入口26、出口27、入口26の近くに位置する細隙28、および出口27の近くに位置する細隙29を有するシャント25を示す。
図7は、近位部分に、遠位部分に、または近位および遠位部分の両方に単一の排水ポートのみを有するシャントを示すが、それらのシャントは例示的な実施形態にすぎない。排水ポート(1つまたは複数)は、シャントの任意の部分に沿って位置し得、本発明のシャントは1つよりも多い排水ポートを有するシャントを含む。特定の実施形態において、本発明のシャントは、近位部分に、遠位部分に、またはこの両方に1つよりも多い排水ポートを含む。例えば、図8は、入口31、出口32、ならびに入口31の近くに位置する細隙33aおよび33bを有するシャント30を示す。本発明のシャントは、少なくとも2つの排水ポート、少なくとも3つの排水ポート、少なくとも4つの排水ポート、少なくとも5つの排水ポート、少なくとも10個の排水ポート、少なくとも15個の排水ポート、または少なくとも20個の排水ポートを有し得る。特定の実施形態において、本発明のシャントは、重なり合いかつ互いに90°に配置され、それによって十字路を形成する2つの細隙を含む。
特定の実施形態において、細隙はシャントの近位または遠位端にあり得、それは移植物の近位または遠位端に割れ目を作り出す。図9は、入口35、出口36、およびシャントの近位端に位置しシャントの入口35に割れ目を作り出す細隙37を有するシャント34の一実施形態を示す。
特定の実施形態において、細隙は入口の内径と実質的に同じまたはそれよりも狭い幅を有する。他の実施形態において、細隙は出口の内径と実質的に同じまたはそれよりも狭い幅を有する。特定の実施形態において、細隙はおよそ0.05mmからおよそ2mmまでの長さ、およびおよそ10μmからおよそ200μmまでの幅を有する。概して、細隙は出口がふさがれない限り流体を導かない。しかしながら、シャントは、入口または出口がふさがれていない場合ですら細隙が少なくとも一部の流体を導くように構成され得る。
本発明は、種々の形および種々の寸法のシャントを包含し、本発明のシャントは眼におさめられ得る任意の形または任意の寸法であり得る。特定の実施形態において、眼内シャントは円柱状の形であり、円柱状の壁の外面および中空の内部を有する。シャントは約10μmから約250μmの内径、約190μmから約300μmの外径、および約0.5mmから約20mmの長さを有し得る。本発明のシャントは任意の生物適合可能な材料から作られ得る。例示的な材料はゼラチンである。ゼラチンで構成されるシャントを作るための方法は、上述されている。
(可変の内径を有するシャント)
他の局面において、本発明は、可変の内径を有するシャントを概して提供する。具体的な実施形態において、直径はシャントの入口から出口にかけて増加する。入口から出口にかけて増加する可変の内径を有することで、圧力勾配が生成され、シャントの入口を詰まらし得る微粒子は圧力勾配によって入口から押し出される。さらに、シャントの直径が入口に応じてしか増加しないため、微粒子はシャントから流れ出る。
図10Aおよび図10Bは、眼の前房から流体を受け入れるように構成される入口39、およびその流体を前房に対して低圧の位置へと導くように構成される出口40を有し、その本体が入口39から出口40へと本体の長手方向の部分に沿って増加する可変の直径をさらに含むシャント38の実施形態を示す。特定の実施形態において、例えば図10Aで示されているように、内径は本体の長手方向の部分に沿って継続的に増加する。他の実施形態において、図10Bで示されているように、内径は本体の長手方向の部分の一部分に沿って一定に留まる。
例示的な実施形態において、内径はおよそ10μmからおよそ200μmまでの大きさであり得、そして出口における内径はおよそ15μmからおよそ300μmまでの大きさ
であり得る。本発明は、種々の形および種々の寸法のシャントを包含し、本発明のシャントは眼におさめられ得る任意の形または任意の寸法であり得る。特定の実施形態において、眼内シャントは円柱状の形であり、円柱状の壁の外面および中空の内部を有する。シャントは約10μmから約250μmの内径、約190μmから約300μmの外径、および約0.5mmから約20mmの長さを有し得る。本発明のシャントは任意の生物適合可能な材料から作られ得る。例示的な材料はゼラチンである。ゼラチンで構成されるシャントを作るための方法は、上述されている。
(シャントを移植するための方法)
当該分野で公知の任意の種々の方法が、本発明のシャントを眼の中に移植するために使用され得る。特定の実施形態において、本発明のシャントは、切り込みのアプローチ(結膜を通って入る)または切り出しのアプローチ(角膜を通って入る)を使用して移植され得る。
特定の実施形態において、本発明のシャントは切り出しのアプローチを使用して移植される。眼内シャントを移植するための切り出しのアプローチは、例えば、Yuら(米国特許第6,544,249号および米国特許出願第2008/0108933号)およびPrywes(米国特許第6,007,511号)において示され、これらそれぞれの参考文献の内容は、その全体が本明細書内に参照により援用される。
本発明のシャントは流体を(例えば、房水を、眼の前房から眼の種々の排液構造へと)排液するために移植され得る。例示的な排液構造は、シュレム管、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、またはテノン内部の腔を含む。特定の実施形態において、流体はクモ膜下腔へと排液される。
具体的な実施形態において、本発明のシャントは、前房からテノン内部の腔へと排液通路を生成するために移植される。図11および図12は、シャントが前房からテノン内部の腔への流体排液のための通路を形成するように眼の中に配置される、眼内シャントを示す。シャントを眼の中に配置するために、シャントを移植するための外科的介入が実行される。それは、眼202内へと眼内シャント201を所有する配置装置200を挿入し、かつシャント201の少なくとも一部分を結膜210の下にある結膜下腔209内のテノン内部の腔208内に配置することを含む。特定の実施形態において、シャント201を所有する配置装置200の中空シャフト206は、角膜203を通って眼202に入る(切り出しのアプローチ)。シャフト206は、経瞳孔移植挿入(transpupil implant insertion)と呼ばれるもので、(破線で示されているように)前房204を横断して前進させられる。シャフト206は、シャフト206の遠位部分がテノン嚢207の近くにくるまで強膜205を通って前進させられる。強膜205を配置装置200の中空シャフト206で貫いた後、配置装置200の操作者によって直面されるシャフト206の前進への抵抗が、シャフト206がテノン嚢207と接触し、テノン嚢207の近くにあることを操作者に知らせる。
強膜205を貫いた後、中空シャフト206がテノン嚢207を貫かないことを確実にするために、多数の技術が使用され得る。特定の実施形態において、本発明の方法は中空シャフト206の使用を含み、ここで、中空シャフトの一部分は縦軸に沿って直線的に延伸し、かつシャフトの少なくとも1つの他の一部分は縦軸から逸れて延伸する。例えば、中空シャフト206はシャフトの遠位部分に曲がりを有し得、それはU形、または弓型もしくはV形であり得、シャフトの少なくとも一部分にあり得る。本発明の方法との使用に適切なそのような中空シャフト206の例は、限定されることはないが、Yuら(米国特許出願第2008/0108933号)において説明される中空シャフト206を含む。中空シャフト206がシャフトの遠位部分に曲がりを有する実施形態において、テノン内部のシャント配置は、シャフト206の曲がり遠位部分を、テノン嚢207を貫くことなくテノン嚢207を強膜205から押し離すように使用することにより達成され得る。これらの実施形態において、シャフト206の遠位端の先端はテノン嚢207に接触しない。
他の実施形態において、傾斜した先端を有する真っ直ぐな中空シャフト206が使用される。中空シャフトの傾斜した先端の角度は、強膜205を貫いた後、中空シャフト206がテノン嚢207を貫かないように構成される。これらの実施形態において、シャフト206は眼202内へと挿入され、先端の傾斜がテノン嚢207と平行であるような角度で強膜205を通り、それによってテノン嚢207を貫くのではなくテノン嚢207を強膜205から押し離し、テノン内部の腔208内へのシャント201の遠位部分の配置を可能にする。
いったん中空シャフト206の遠位部分がテノン内部の腔208内に入ると、次にシャント201が配置装置200のシャフト206から配置され、房水が前房204から排液することを可能にするために前房204とテノン内部の腔208との間に導管を生成する。(図11および図12を参照されたい。)
(実施形態の組み合わせ)
当業者により理解されるように、本発明の個々の特徴は、別個に、または任意の組み合わせで使用され得る。特に、個々に説明された上述の実施形態の1つまたは複数の特徴は、単一のシャントに組み合わせられ得ることが考慮される。
(参照による援用)
特許、特許出願、特許公開、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツのような他の文書の参照および引用が、本開示の至る所で行われている。すべてのそのような文書は、これによって、あらゆる点でその全体が本明細書内に参照により援用される。
(均等物)
本発明は、その精神または本質的な特性から逸れることなく、他の具体的な形態で具体化され得る。前述の実施形態はそれゆえ、本明細書内で説明される本発明を限定するのではなく、すべての点で例証的であることが考慮される。
上記および本明細書内で考察されるシャントは、眼、および特には、緑内障を処置し眼内シャントに関係する上記識別された課題を解決する状況に関連して記述される。それでもやはり、本明細書内で記述されるシャントは、器官からの流体の排液を必要とする身体器官の任意の処置に用途を見つけ得、眼に限定されることのないことが理解される。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
器官からの流体の流れ出しの誘導を促進するためのシャントであって、該シャントは、該シャントの周囲の組織の弾性率と適合可能な弾性率を有する材料を含む、シャント。
(項目2)
前記材料が前記シャントの前記周囲の組織の前記弾性率と実質的に等しい弾性率を有する、項目1に記載のシャント。
(項目3)
前記材料が前記シャントの前記周囲の組織の前記弾性率よりも高い弾性率を有する、項目1に記載のシャント。
(項目4)
前記器官が眼である、項目1に記載のシャント。
(項目5)
前記シャントが高圧の部分から低圧の部分へと流れの通路を定める、項目4に記載のシャント。
(項目6)
前記高圧の部分が眼の前房である、項目5に記載のシャント。
(項目7)
前記低圧の部分が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、項目6に記載のシャント。
(項目8)
器官からの流体の流れ出しの誘導を促進するためのシャントであって、該シャントは中空の本体を含み、該本体の少なくとも一部分は、周囲の組織および/または該器官内の流体からかけられる圧に基づいてシャフトの該一部分の内径が変動することを可能にする可撓性の材料で構成される、シャント。
(項目9)
前記変動が前記本体の前記内径の減少である、項目8に記載のシャント。
(項目10)
前記変動が前記本体の前記内径の増加である、項目8に記載のシャント。
(項目11)
前記可撓性の材料で構成される前記本体の前記一部分が該本体の遠位部分である、項目8に記載のシャント。
(項目12)
前記可撓性の材料で構成される前記本体の前記一部分が該本体の中位部分である、項目8に記載のシャント。
(項目13)
前記シャフトの全体が前記可撓性の材料を含む、項目8に記載のシャント。
(項目14)
前記器官が眼である、項目8に記載のシャント。
(項目15)
前記周囲の組織が強膜組織である、項目14に記載のシャント。
(項目16)
前記本体が高圧の部分から低圧の部分へと流れの通路を定める、項目14に記載のシャント。
(項目17)
前記高圧の部分が眼の前房である、項目16に記載のシャント。
(項目18)
前記低圧の部分が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、項目16に記載のシャント。
(項目19)
眼の前房から流体を排液するためのシャントであって、該シャントは流れの通路および2つより多いポートを定める中空の本体を含み、該本体は近位部分が眼の該前房から流体を受け入れ、かつ遠位部分が該流体を該前房に対して低圧の位置へと導くように構成される、シャント。
(項目20)
前記近位部分が1つより多いポートを含み、かつ前記遠位部分が単一のポートを含む、項目19に記載のシャント。
(項目21)
前記近位部分が単一のポートを含み、かつ前記遠位部分が1つより多いポートを含む、項目19に記載のシャント。
(項目22)
前記近位および前記遠位部分が1つより多いポートを含む、項目19に記載のシャント。
(項目23)
前記ポートのうちの少なくとも1つが前記本体の長手方向の部分と90°をなして配置される、項目19に記載のシャント。
(項目24)
前記ポートのうちの少なくとも1つが前記本体の長手方向の部分とある角度をなして配置される、項目19に記載のシャント。
(項目25)
前記位置が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、項目19に記載のシャント。
(項目26)
前記ポートのうちの少なくとも1つが他のポートの前記内径と異なる内径を有する、項目19に記載のシャント。
(項目27)
眼の前房から流体を排液するためのシャントであって、該シャントは該眼の前房から流体を受け入れるように構成される入口、および該流体を該前房に対して低圧の位置へと導くように構成される出口を定める中空の本体を含み、該本体は少なくとも1つの細隙をさらに含む、シャント。
(項目28)
前記細隙が前記入口の近くに位置する、項目27に記載のシャント。
(項目29)
前記細隙が前記入口の内径と実質的に同じまたはそれよりも狭い幅を有する、項目28に記載のシャント。
(項目30)
前記細隙が前記出口の近くに位置する、項目27に記載のシャント。
(項目31)
前記細隙が前記出口の内径と実質的に同じまたはそれよりも狭い幅を有する、項目30に記載のシャント。
(項目32)
前記出口がふさがれない限り前記細隙が前記流体を導かない、項目30に記載のシャント。
(項目33)
前記入口および前記出口の両方が細隙を含む、項目27に記載のシャント。
(項目34)
前記位置が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、項目27に記載のシャント。
(項目35)
眼の前房から流体を排液するためのシャントであって、該シャントは流れの通路を定めかつ眼の前房から流体を受け入れるように構成される入口、および該流体を該前房に対して低圧の位置へと導くように構成される出口を有する中空の本体を含み、該本体は該本体の長さの長手方向の部分に沿って該入口から該出口にかけて増加する可変の内径をさらに含む、シャント。
(項目36)
前記内径が前記本体の長手方向の部分に沿って継続的に増加する、項目35に記載のシャント。
(項目37)
前記内径が前記本体の長手方向の部分の一部分に沿って一定に留まる、項目35に記載のシャント。
(項目38)
前記位置が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、項目35に記載のシャント。

Claims (38)

  1. 器官からの流体の流れ出しの誘導を促進するためのシャントであって、該シャントは、該シャントの周囲の組織の弾性率と適合可能な弾性率を有する材料を含む、シャント。
  2. 前記材料が前記シャントの前記周囲の組織の前記弾性率と実質的に等しい弾性率を有する、請求項1に記載のシャント。
  3. 前記材料が前記シャントの前記周囲の組織の前記弾性率よりも高い弾性率を有する、請求項1に記載のシャント。
  4. 前記器官が眼である、請求項1に記載のシャント。
  5. 前記シャントが高圧の部分から低圧の部分へと流れの通路を定める、請求項4に記載のシャント。
  6. 前記高圧の部分が眼の前房である、請求項5に記載のシャント。
  7. 前記低圧の部分が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、請求項6に記載のシャント。
  8. 器官からの流体の流れ出しの誘導を促進するためのシャントであって、該シャントは中空の本体を含み、該本体の少なくとも一部分は、周囲の組織および/または該器官内の流体からかけられる圧に基づいてシャフトの該一部分の内径が変動することを可能にする可撓性の材料で構成される、シャント。
  9. 前記変動が前記本体の前記内径の減少である、請求項8に記載のシャント。
  10. 前記変動が前記本体の前記内径の増加である、請求項8に記載のシャント。
  11. 前記可撓性の材料で構成される前記本体の前記一部分が該本体の遠位部分である、請求項8に記載のシャント。
  12. 前記可撓性の材料で構成される前記本体の前記一部分が該本体の中位部分である、請求項8に記載のシャント。
  13. 前記シャフトの全体が前記可撓性の材料を含む、請求項8に記載のシャント。
  14. 前記器官が眼である、請求項8に記載のシャント。
  15. 前記周囲の組織が強膜組織である、請求項14に記載のシャント。
  16. 前記本体が高圧の部分から低圧の部分へと流れの通路を定める、請求項14に記載のシャント。
  17. 前記高圧の部分が眼の前房である、請求項16に記載のシャント。
  18. 前記低圧の部分が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、請求項16に記載のシャント。
  19. 眼の前房から流体を排液するためのシャントであって、該シャントは流れの通路および2つより多いポートを定める中空の本体を含み、該本体は近位部分が眼の該前房から流体を受け入れ、かつ遠位部分が該流体を該前房に対して低圧の位置へと導くように構成される、シャント。
  20. 前記近位部分が1つより多いポートを含み、かつ前記遠位部分が単一のポートを含む、請求項19に記載のシャント。
  21. 前記近位部分が単一のポートを含み、かつ前記遠位部分が1つより多いポートを含む、請求項19に記載のシャント。
  22. 前記近位および前記遠位部分が1つより多いポートを含む、請求項19に記載のシャント。
  23. 前記ポートのうちの少なくとも1つが前記本体の長手方向の部分と90°をなして配置される、請求項19に記載のシャント。
  24. 前記ポートのうちの少なくとも1つが前記本体の長手方向の部分とある角度をなして配置される、請求項19に記載のシャント。
  25. 前記位置が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、請求項19に記載のシャント。
  26. 前記ポートのうちの少なくとも1つが他のポートの前記内径と異なる内径を有する、請求項19に記載のシャント。
  27. 眼の前房から流体を排液するためのシャントであって、該シャントは該眼の前房から流体を受け入れるように構成される入口、および該流体を該前房に対して低圧の位置へと導くように構成される出口を定める中空の本体を含み、該本体は少なくとも1つの細隙をさらに含む、シャント。
  28. 前記細隙が前記入口の近くに位置する、請求項27に記載のシャント。
  29. 前記細隙が前記入口の内径と実質的に同じまたはそれよりも狭い幅を有する、請求項28に記載のシャント。
  30. 前記細隙が前記出口の近くに位置する、請求項27に記載のシャント。
  31. 前記細隙が前記出口の内径と実質的に同じまたはそれよりも狭い幅を有する、請求項30に記載のシャント。
  32. 前記出口がふさがれない限り前記細隙が前記流体を導かない、請求項30に記載のシャント。
  33. 前記入口および前記出口の両方が細隙を含む、請求項27に記載のシャント。
  34. 前記位置が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、請求項27に記載のシャント。
  35. 眼の前房から流体を排液するためのシャントであって、該シャントは流れの通路を定めかつ眼の前房から流体を受け入れるように構成される入口、および該流体を該前房に対して低圧の位置へと導くように構成される出口を有する中空の本体を含み、該本体は該本体の長さの長手方向の部分に沿って該入口から該出口にかけて増加する可変の内径をさらに含む、シャント。
  36. 前記内径が前記本体の長手方向の部分に沿って継続的に増加する、請求項35に記載のシャント。
  37. 前記内径が前記本体の長手方向の部分の一部分に沿って一定に留まる、請求項35に記載のシャント。
  38. 前記位置が、テノン内部の腔、結膜下腔、強膜上静脈、脈絡膜上腔、およびシュレム管から成る群から選択される、請求項35に記載のシャント。
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