JP2014239737A - 個人認証装置および車両用個人認証システム - Google Patents

個人認証装置および車両用個人認証システム Download PDF

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Abstract

【課題】心電信号を用いた新規な個人認証装置を提供する。
【解決手段】車両用個人認証システム1は、スマートキー2と車両側装置3とを含む。スマートキー2は、第1操作者の心電信号に基づいて、第1操作者に対して各特徴量が取りうる可能性が高い範囲を決定し、決定した各特徴量の範囲に応じた区分範囲を登録用データとして生成して、車両側装置3に送信する。車両側装置3は、受信した登録用データを登録する。また、スマートキー2は、第2操作者の心電信号に基づいて、各特徴量の大きさに対応した区分を認証用データとして生成して、車両側装置3に送信する。車両側装置3は、受信した認証用データ内の各特徴量の区分が、登録されている登録用データ内の対応する特徴量の区分範囲内にあるか否かに基づいて、第2操作者が第1操作者と一致するか否かを判別する。
【選択図】図1

Description

この発明は、個人認証装置および車両用個人認証システムに関する。
心電信号を用いて個人を識別する個人認証装置が開発されている。特許文献1には、登録されている心電信号と認証のために入力された心電信号との相互相関に基づいて、個人認証を行う技術が開示されている。特許文献2には、特定個人の心電図信号と複数個人の心電図信号との差に基づいて第1のバイオメトリックシグニャを作成し、選択された個人の心電図信号と前記複数個人の心電図信号との差に基づいて第2のバイオメトリックシグニャを作成し、第1のバイオメトリックシグニャとバイオメトリックシグニャとを比較することにより、前記選択された個人が前記特定個人であるかを判定する技術が開示されている。特許文献3には、指紋データを利用して車両オーナーを認証する車両オーナー認証装置が開示されている。
非特許文献1には、心電信号から抽出された特徴量を用いて、パターンマッチングおよび線形判別分析を行うことにより、個人認証を行う技術が開示されている。非特許文献2には、全被験者の心電図から構成される登録データ群と、認証時に計測された対象者の心電図から構成される認証データとから、それぞれ目的の特徴点を抽出し、抽出した特徴点に基づいて、各登録データと認識データとの類似性を判別することにより、対象者を特定する技術が開示されている。各登録データと認識データとの類似性は、主成分分析と最近傍法により判別される。
特開2012−176106号公報 特表2008−518709号公報 特開2007−112341号公報特開
"Implementation of a one-lead ECG human identification system on a normal population" Tsu-Wang(David)Shen, Willis J.Tompkins and Yu Hen Hu ,Journal of Engineering and Computer Innovations Vol.2(1),pp.12-21,January 2011 「ドライバ識別のための心電図認証技術の研究」,野畑直樹,鈴木順子,那和一成,岩下明暁,水野善之,ヒューマンインタフェースシンポジウム2011 一般発表 1122S
この発明の目的は、心電信号を用いた新規な個人認証装置および車両用個人認証システムを提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、登録時において、特定個人から取得した複数心拍数分の心電信号から、心拍毎に所定複数種類の特徴量を抽出する特徴量抽出手段(24,S6)と、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、前記特定個人に対してその特徴量が取りうる可能性が高い範囲をその特徴量に対する特徴量範囲として決定する特徴量範囲決定手段(24,S8)と、前記特徴量範囲決定手段によって決定された各特徴量に対する特徴量範囲またはそれに応じた範囲を、前記特定個人の登録用データとして登録する登録手段(35,S37)と、認証時において、個人から取得した心電信号から前記所定複数種類の特徴量を抽出し、抽出された各特徴量の大きさを表すデータを認証用データとして生成する認証用データ生成手段(24,S16,17)と、前記認証用データ生成手段によって生成された認証用データと、前記登録手段によって登録されている登録用データとに基づいて、前記個人が前記特定個人であるか否かを判定する判定手段(35,S38)と、を含む個人認証装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この発明では、登録時には、特定個人から取得した複数心拍数分の心電信号に基づいて、心拍毎に所定複数種類の特徴量が抽出される。抽出された複数種類の特徴量毎に、特定個人に対してその特徴量が取りうる可能性が高い範囲がその特徴量に対する特徴量範囲として決定される。各特徴量に対する特徴量範囲またはそれに応じた範囲が登録用データとして登録される。認証時には、個人から取得した心電信号から所定複数種類の特徴量が抽出され、抽出された各特徴量の大きさを表すデータが認証用データとして生成される。そして、認証用データと登録用データとに基づいて、前記個人が前記特定個人であるか否かが判定される。この発明によれば、心電信号を用いた新規な個人認証装置を実現できる。
請求項2記載の発明は、前記特徴量範囲決定手段は、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値を中心とした所定の範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定するように構成されている、請求項1に記載の個人認証装置である。
請求項3記載の発明は、前記特徴量範囲決定手段は、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値(μ)からその特徴量の標準偏差(σ)のα倍(αは零より大きな実数)を減算した値から、その特徴量の平均値にその特徴量の標準偏差のn倍を加算した値までの範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定するように構成されている、請求項2に記載の個人認証装置である。
請求項4記載の発明は、前記認証用データ生成手段は、個人から取得した1心拍数分の心電信号から前記所定複数種類の特徴量を抽出し、抽出された各特徴量から認証用データを生成するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の個人認証装置である。
請求項5記載の発明は、前記所定複数種類の特徴量は、T波高さとS波高さの和であるTs波高値、R波高さとQ波高さの和であるRq波高値、R波高さとS波高さの和であるRs波高値、P波高さとQ波高さの和であるPq波高値、S波の極小点からR波の極大点までの傾きの最大値であるRs傾きおよびS波の極小点からS波の終端までの間の変曲点とS波の極小点とを結ぶ直線の傾きであるsS傾き、のうちから任意に選択された2以上の組み合わせである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の個人認証装置である。
請求項6記載の発明は、車両の正当な使用者に提供される携帯端末(2)と、前記車両側に設けられた車両側装置(3)とを含み、前記携帯端末は、心電信号を測定する測定手段(11,12,21,22,23,24)と、登録モード時において、前記測定手段によって測定された第1操作者の複数心拍数分の心電信号から、心拍毎に所定複数種類の特徴量を抽出する特徴量抽出手段(24,S6)と、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、前記第1操作者に対してその特徴量が取りうる可能性が高い範囲をその特徴量に対する特徴量範囲として決定する特徴量範囲決定手段(24,S8)と、前記特徴量範囲決定手段によって決定された各特徴量に対する特徴量範囲またはそれに応じた範囲を登録用データとして前記車両側装置に送信する第1送信手段(24,25)と、認証モード時において、前記測定手段によって測定された第2操作者の心電信号から、前記所定複数種類の特徴量を抽出し、抽出された各特徴量の大きさを表すデータを認証用データとして生成する認証用データ生成手段(24,S16,S17)と、前記認証用データ生成手段によって生成された認証用データを前記車両側装置に送信する第2送信手段(24,25)とを含み、前記車両側装置は、前記車両の車内に設けられた不正登録防止スイッチ(33)と、前記第1送信手段によって送信された登録用データを受信したときには、前記不正登録防止スイッチがオンされているか否かを判別し、前記不正登録防止スイッチがオンされているときにのみ、受信した登録用データを登録する登録手段(35,S36,S37)と、前記第2送信手段によって送信された認証用データを受信したときには、受信した認証用データと、前記登録手段によって登録されている登録用データとに基づいて、前記第2操作者が、前記第1操作者と同一人であるか否かを判定する判定手段(35,S38)と、を含む、車両用個人認証システムである。
この発明によれば、請求項1記載の個人認証装置と同様に、心電信号を用いた新規な車両用個人認証システムを実現できる。また、この発明によれば、不正登録防止スイッチがオンされているときにのみ、受信した登録用データが登録されるので、携帯端末を不正に取得した不正取得者が、携帯端末を操作して登録用データを登録しようとしても、車両が施錠状態であれば、そのような登録が実行されなくなる。これにより、携帯端末の不正取得者によって、登録用データが登録されるのを防止することができる。
請求項7記載の発明は、前記特徴量範囲決定手段は、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値を中心とした所定の範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定するように構成されている、請求項6に記載の車両用個人認証システムである。
請求項8記載の発明は、前記特徴量範囲決定手段は、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値(μ)からその特徴量の標準偏差(σ)のα倍(αは零より大きな実数)を減算した値から、その特徴量の平均値にその特徴量の標準偏差のα倍を加算した値までの範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定するように構成されている、請求項7に記載の車両用個人認証システムである。
図1は、この発明の実施形態に係る個人認証装置が適用された車両用個人認証システムの概略構成を示す構成図である。 図2は、スマートキーの外観を示す正面図である。 図3は、スマートキーの電気的構成を示すブロック図である。 図4は、車両側装置の電気的構成を示すブロック図である。 図5Aは、スマートキー内のマイコンの動作の一部を示すフローチャートである。 図5Bは、スマートキー内のマイコンの動作の一部を示すフローチャートである。 図6は、1心拍分の心電信号の波形を模式的に示す波形図である。 図7Aは、10人の被験者A〜Jに対するRq波高値の特徴量範囲(Rq波高値範囲を示すグラフであり、図7Bは、被験者A〜Jに対するRq波高値範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。 図8Aは、10人の被験者A〜Jに対するPq波高値の特徴量範囲(Pq波高値範囲)を示すグラフであり、図8Bは、被験者A〜Jに対するPq波高値範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。 図9Aは、10人の被験者A〜Jに対するRs傾きの特徴量範囲(Rs傾き範囲)を示すグラフであり、図9Bは、被験者A〜Jに対するRs傾き範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。 図10Aは、10人の被験者A〜Jに対するsS傾きの特徴量範囲(sS傾き範囲)を示すグラフであり、図10Bは、被験者A〜Jに対するsS傾き範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。 図11Aは、10人の被験者A〜Jに対するTs波高値の特徴量範囲(Ts波高値範囲)を示すグラフであり、図11Bは、被験者A〜Jに対するTs波高値範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。 図12Aは、10人の被験者A〜Jに対するRs波高値の特徴量範囲(Rs波高値範囲)を示すグラフであり、図12Bは、被験者A〜Jに対するRs波高値範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。 図13Aは、登録用のデータフレームの構成を示す模式図であり、図13Bは、認証用のデータフレームの構成を示す模式図である。 図14は、車両側装置内のマイコンの動作を示すフローチャートである。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る個人認証装置が適用された車両用個人認証システムの概略構成を示す構成図である。
車両用個人認証システム1は、車両の正当な使用者に提供されるスマートキー(携帯端末)2と、車両に設けられた車両側装置3とから構成されている。
図2は、スマートキー2の外観を示す正面図である。
スマートキー2は、扁平な直方体状である。スマートキー2の前面には、第1電極11と、第2電極12と、開錠キー13と、施錠キー14と、登録キー15と、モニタ16とが設けられている。第1電極11および第2電極12は、個人の心臓が発する微量な電気信号を心電信号として取得するためのものである。心電信号を取得する際には、第1および第2電極11,12の一方に個人の左手が接触され、他方に個人の右手が接触される。
開錠キー13は、車両のドアロックを開錠するための操作キーである。施錠キー14は、車両のドアをロックするための操作キーである。登録キー15は、登録用データを登録するための操作キーである。モニタ16は、操作案内、操作状況等を表示するためのものである。
図3は、スマートキー2の電気的構成を示すブロック図である。
スマートキー2は、第1および第2電極11,12と、増幅部21と、フィルタ部22と、A/D変換部23と、マイクロコンピュータ(マイコン)24と、送信部25とを含んでいる。
増幅部21は、第1および第2電極11,12から入力される心電信号を増幅する。フィルタ部22は、増幅部21によって増幅された心電信号から、不要帯域のノイズを除去する。心電以外に検出される信号として、たとえば、呼吸の影響による信号と筋電位による信号とがある。前者の主な周波数成分は数Hz以下であり、後者の主な周波数成分は40Hz以上である。そこで、心電認証に必要な心電信号を抽出するため、フィルタ部22としては、たとえば、数Hzから40Hzまでの周波数成分を通過させるバンドパスフィルタが用いられる。心電認証とは、心電信号を利用して個人を識別する認証技術をいう。
A/D変換部23は、フィルタ部22を通過したアナログの心電信号を、デジタルの心電信号に変換する。A/D変換部23によって得られたデジタルの心電信号は、マイコン24に与えられる。
マイコン24は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM,書き換え可能な不揮発性メモリ24a等)を備えている。不揮発性メモリ24aには、当該スマートキー2の所有者が予め設定した固定IDが記憶されている。マイコン24には、開錠キー13、施錠キー14、登録キー15およびモニタ16が接続されている。
マイコン24は、開錠キー13、施錠キー14または登録キー15からの操作入力に基づいて、操作モードの判定を行う。また、マイコン24は、A/D変換部23から入力される心電信号に基づいて、心電認証に必要な登録用データの生成処理、心電認証に必要な認証用データの生成処理、車両側装置3に送信すべきデータフレームの作成処理等を行う。マイコン24の動作の詳細については、後述する。マイコン24によって作成されたデータフレームは、送信部25に与えられる。送信部25は、マイコン24から与えられたデータフレームを車両側装置3に送信する。
図4は、車両側装置3の電気的構成を示すブロック図である。
車両側装置3は、車両ECU31と、車両ECU31によって制御されるドアロックアクチュエータ32と、車内に設けられた不正登録防止スイッチ33とを備えている。ドアロックアクチュエータ32は、車両のドアを施錠したり、開錠したりするためのアクチュエータである。不正登録防止スイッチ33は、車両の正当な使用者以外の者によって登録用データが登録されるのを防止するために設けられたスイッチである。
車両ECU31は、受信部34と、マイクロコンピュータ(マイコン)35と、ドアロックアクチュエータ32の駆動回路36とを含んでいる。受信部34および駆動回路36は、マイコン35に接続されている。受信部34は、スマートキー2から送信されたデータフレームを受信する。マイコン35は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM,書き換え可能な不揮発性メモリ35a等)を備えている。
不揮発性メモリ35aには、前記スマートキー2の所有者が予め設定した固定IDが記憶されている。この車両用個人認証システム1では、心電認証機能を有効とするか無効とするかを車両側装置3に対して予め設定できるようになっている。これは、たとえば、車検、車の修理、駐車場での管理人による車移動等のために、第3者にスマートキー2を預ける必要があるときに、心電認証機能を無効に設定することにより、その第3者がドアロックを開錠および施錠できるようにするためである。心電認証機能が有効とされているか、無効とされているかを表すデータ(以下、「心電認証有効/無効データ」という。)も、不揮発性メモリ35aに記憶されている。
なお、前述のように心電認証機能が無効に設定された場合には、セキュリティ性能が低下する。そこで、心電認証機能を無効に設定する際には、心電認証機能を無効としておく期間を設定できるようにしてもよい。心電認証機能を無効としておく期間が設定された場合には、当該期間が経過したときに、心電認証機能が自動的に有効となる。たとえば、前述のように第3者にスマートキー2を預けるときには、スマートキー2の所有者は、心電認証機能を無効に設定するとともに、心電認証機能を無効としておく期間を設定する。これにより、前記第3者がスマートキー2を紛失したとしても、前記第3者以外の者によって車両が盗難される可能性は低くなる。
マイコン35には、不正登録防止スイッチ33が接続されている。マイコン35は、受信部34によって受信されたデータフレーム、不正登録防止スイッチ33のオンオフ状態等に基づいて、登録用データの登録処理、心電認証処理、駆動回路36の制御等を行う。マイコン35の動作の詳細については、後述する。
図5Aおよび図5Bは、スマートキー2内のマイコン24の動作を示すフローチャートである。図5Aおよび図5Bの処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
マイコン24は、まず、操作入力の有無を判別する(ステップS1)。具体的には、マイコン24は、開錠キー13、施錠キー14および登録キー15のうちのいずれかのキーが操作されたか否かを判別する。いずれのキーも操作されていなければ(ステップS1:NO)、マイコン24は、今演算周期の処理を終了する。
ステップS1において、開錠キー13、施錠キー14および登録キー15のうちのいずれかのキーが操作されたと判別されたときには(ステップS1:YES)、マイコン24は、操作モードを判定するために、操作されたキーを判別する(ステップS2)。登録キー15が操作されたと判別されたときには、マイコン24は、操作モードが登録モードであると判定し、モード判定用フラグ値Fmを“1”に設定した後(ステップS3)、ステップS4に移行する。
ステップS4では、マイコン24は、増幅部21、フィルタ部22およびA/D変換部23を作動状態にさせることにより、スマートキー2の操作者(以下、「第1操作者」という。)の心電信号の測定を開始させる(ステップS4)。そして、マイコン24は、第1操作者の心電信号を取得して、第1操作者の複数心拍数分(この実施形態では10心拍数分)の心電信号をメモリ(たとえばRAM)に記憶させる(ステップS5)。この後、マイコン24は、心電信号の測定を終了させる。そして、マイコン24は、第1操作者の10心拍数分の心電信号から、心拍毎に、予め定められた複数種類の特徴量を抽出する(ステップS6)。この実施形態では、マイコン24によって抽出される複数種類の特徴量は、Rq波高値、Pq波高値、Rs傾き、sS傾き、Ts波高値およびRs波高値の6種類である。以下、これらの特徴量について説明する。
図6は、1心拍分の心電信号の波形を模式的に示す波形図である。図6に示すように、1心拍分の心電信号は、P波、QRS複合波、T波、U波等から構成されている。P波は、心房中を活動電位が伝播することによって生じる波である。QRS複合波は、心室筋に活動電位が生じることによって生じる波である。T波は、心室の活動電位が消退することによって生じる波である。U波は、成因が不明の波である。なお、図6においては、Q波の極小点がqで示され、S波の極小点がsで示されている。
Rq波高値、Pq波高値、Rs傾き、sS傾き、Ts波高値およびRs波高値の定義および健常者の正常範囲は、次の通りである。
(1)Rq波高値:R波高さとQ波高さとの和。R波高さは、通常1.0mV〜3.0mV程度ある。Q波高さは、通常、0.0mV〜0.3mV程度ある。この実施形態では、Rq波高値の正常範囲を、1.0mV〜4.0mVに設定している。
(2)Pq波高値:P波高さとQ波高さとの和。P波高さは、通常0.0mV〜0.3mV程度ある。Q波高さは、通常、0.0mV〜0.3mV程度ある。この実施形態では、Rq波高値の正常範囲を、0.0mV〜0.6mVに設定している。
(3)Rs傾き:S波の極小点sからR波の極大点までの傾きの最大値。この実施形態では、Rs傾きの正常範囲を、0.0V/s〜0.4V/sに設定している。
(4)sS傾き:S波の極小点sからS波の終端までの間の変曲点とS波の極小点sとを結ぶ直線の傾き。ここで、変曲点とは、一階微分値の極大点または二階微分値が零となる点をいう。この実施形態では、RS傾きの正常範囲を、0.0V/s〜0.05V/sに設定している。
(5)Ts波高値:T波高さとS波高さの和。T波高さは、通常0.0mV〜1.0mV程度ある。S波高さは、通常、0.0mV〜1.0mV程度ある。この実施形態では、Ts波高値の正常範囲を、0.0mV〜2.0mVに設定している。
(6)Rs波高値:R波高さとS波高さの和。R波高さは、通常1.0mV〜3.0mV程度ある。S波高さは、通常、0.0mV〜1.0mV程度ある。この実施形態では、Rs波高値の正常範囲を、1.0mV〜4.0mVに設定している。
図5Aに戻り、前記ステップS6の処理が終了すると、マイコン24は、複数種類の特徴量毎に、平均値μおよび標準偏差σを演算する(ステップS7)。そして、マイコン24は、複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値μおよび標準偏差σに基づいて、第1操作者に対してその特徴量が取りうる可能性が高い範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定する(ステップS8)。
具体的には、マイコン24は、複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値μからその特徴量の標準偏差σのα倍(αは零より大きな実数)を減算した値から、その特徴量の平均値μにその特徴量の標準偏差σのα倍を加算した値までの範囲(μ±α・σ)を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定する。この実施形態では、αは3に設定されている。αが3に設定されている場合には、マイコン24は、複数種類の特徴量毎に、その特徴量に対して(μ±3σ)で表される範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定する。
次に、マイコン24は、各特徴量に対する特徴量範囲を、その特徴量に対して予め設定された区分の番号で表した範囲(以下、「区分範囲」という。)に変換し、得られた各特徴量に対する区分範囲を第1操作者に対する登録用データとして生成する(ステップS9)。
以下、第1操作者に対する登録用データの生成方法について、より具体的に説明する。ここでは、10人の被験者に対して行った実験結果を用いて、第1操作者に対する登録用データの生成方法を説明することにする。
図7Aは、10人の被験者A〜Jに対するRq波高値の特徴量範囲を示すグラフである。
各被験者A〜Jに対するRq波高値の特徴量範囲(Rq波高値範囲)の決定方法は同じであるので、第1操作者が被験者Aであるとして、被験者Aに対するRq波高値範囲の決定方法について具体的に説明する。まず、被験者Aの10心拍数分の心電信号から、心拍毎にRq波高値を抽出する。抽出された10個のRq波高値の平均値μおよび標準偏差σを求める。そして、μ±3σの範囲を、被験者Aに対するRq波高値範囲として決定する。図7Aのグラフから、被験者A〜Jに対するRq波高値範囲には、ばらつきがあることがわかる。これにより、Rq波高値が心電認証に適した特徴量であることがわかる。
図7Bは、被験者A〜Jに対するRq波高値範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。前述したように、この実施形態では、Rq波高値の正常範囲を1.0mV〜4.0mVと設定している。この実施形態では、Rq波高値の正常範囲を、12の区分に分割している。各区分の幅は、0.5mVである。12個の区分には、値の小さいものから順に、1〜12の区分番号(区分No)が付けられている。Rq波高値幅に対応する区分範囲は、当該Rq波高値範囲が含まれる区分の番号の集まりで表される。たとえば、被験者Aに対するRq波高値の区分範囲は、3,4,5となる。
図8Aは、10人の被験者A〜Jに対するPq波高値の特徴量範囲を示すグラフである。各被験者A〜Jに対するPq波高値の特徴量範囲(Pq波高値範囲)の決定方法は、各被験者A〜Jに対するRq波高値範囲の決定方法と同様である。図8Aのグラフから、被験者A〜Jに対するPq波高値範囲には、ばらつきがあることがわかる。これにより、Pq波高値が心電認証に適した特徴量であることがわかる。
図8Bは、被験者A〜Jに対するPq波高値範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。前述したように、この実施形態では、Pq波高値の正常範囲を0.0mV〜0.6mVと設定している。この実施形態では、Pq波高値の正常範囲を、12の区分に分割している。各区分の幅は、0.05mVである。12個の区分には、値の小さいものから順に、1〜12の区分番号(区分No)が付けられている。たとえば、被験者Aに対するPq波高値の区分範囲は、5となる。
図9Aは、10人の被験者A〜Jに対するRs傾きの特徴量範囲を示すグラフである。各被験者A〜Jに対するRs傾きの特徴量範囲(Rs傾き範囲)の決定方法は、各被験者A〜Jに対するRq波高値範囲の決定方法と同様である。図9Aのグラフから、被験者A〜Jに対するRs傾き範囲には、ばらつきがあることがわかる。これにより、Rs傾きが、心電認証に適した特徴量であることがわかる。
図9Bは、被験者A〜Jに対するRs傾き範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。前述したように、この実施形態では、Rs傾きの正常範囲を0.0V/s〜0.4V/sと設定している。この実施形態では、Rs傾きの正常範囲を、16の区分に分割している。各区分の幅は、0.025V/sである。16個の区分には、値の小さいものから順に、1〜16の区分番号(区分No)が付けられている。たとえば、被験者Aに対するRs傾きの区分範囲は、6,7,8となる。
図10Aは、10人の被験者A〜Jに対するsS傾きの特徴量範囲を示すグラフである。各被験者A〜Jに対するsS傾きの特徴量範囲(sS傾き範囲)の決定方法は、各被験者A〜Jに対するRq波高値範囲の決定方法と同様である。図10Aのグラフから、被験者A〜Jに対するsS傾き範囲には、ばらつきがあることがわかる。これにより、sS傾きが、心電認証に適した特徴量であることがわかる。
図10Bは、被験者A〜Jに対するsS傾き範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。前述したように、この実施形態では、sS傾きの正常範囲を0.00V/s〜0.05V/sと設定している。この実施形態では、sS傾きの正常範囲を、25の区分に分割している。各区分の幅は、0.002V/sである。25個の区分には、値の小さいものから順に、1〜25の区分番号(区分No)が付けられている。たとえば、被験者Aに対するsS傾きの区分範囲は、3〜6となる。
図11Aは、10人の被験者A〜Jに対するTs波高値の特徴量範囲を示すグラフである。各被験者A〜Jに対するTs波高値の特徴量範囲(波高値範囲)の決定方法は、各被験者A〜Jに対するRq波高値範囲の決定方法と同様である。図11Aのグラフから、被験者A〜Jに対するTs波高値範囲には、ばらつきがあることがわかる。これにより、Ts波高値が、心電認証に適した特徴量であることがわかる。
図11Bは、被験者A〜Jに対するTs波高値範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。前述したように、この実施形態では、Ts波高値の正常範囲を0.0mV〜2.0mVと設定している。この実施形態では、Ts波高値の正常範囲を、20の区分に分割している。各区分の幅は、0.01mVである。20個の区分には、値の小さいものから順に、1〜25の区分番号(区分No)が付けられている。たとえば、被験者Aに対するTs波高値の区分範囲は、5,6となる。
図12Aは、10人の被験者A〜Jに対するRs波高値の特徴量範囲を示すグラフである。各被験者A〜Jに対するRs波高値の特徴量範囲(Rs波高値範囲)の決定方法は、各被験者A〜Jに対するRq波高値範囲の決定方法と同様である。図12Aのグラフから、被験者A〜Jに対するRs波高値範囲には、ばらつきがあることがわかる。これにより、Rs波高値が、心電認証に適した特徴量であることがわかる。
図12Bは、被験者A〜Jに対するRs波高値範囲に対応した区分範囲を示すグラフおよび表である。前述したように、この実施形態では、Rs波高値の正常範囲を1.0mV〜4.0mVと設定している。この実施形態では、Rs波高値の正常範囲を、12の区分に分割している。各区分の幅は、0.25mVである。12個の区分には、値の小さいものから順に、1〜12の区分番号(区分No)が付けられている。たとえば、被験者Aに対するRq波高値の区分範囲は、4,5,6となる。
第1操作者が被験者Aであるとすると、第1操作者の登録用データは、被験者Aに対するRq波高値の区分範囲、被験者Aに対するPq波高値の区分範囲、被験者Aに対するRs傾きの区分範囲、被験者Aに対するsS傾きの区分範囲、被験者Aに対するTs波高値の区分範囲および被験者Aに対するRq波高値の区分範囲から構成される。
図5Aに戻り、ステップS9によって、第1操作者の登録用データが生成されると、マイコン24は、登録用のデータフレームを作成する(ステップS10)。登録用のデータフレームは、図13Aに示すように、スタートビット、固定ID、登録用データ(各特徴量の区分範囲)、操作モード、パリティビットおよびエンドビットから構成されている。操作モードを表すデータは、この場合には、たとえば、登録モードを表すモード判定用フラグ値Fm(=1)である。
この後、マイコン24は、作成した登録用のデータフレームを送信部25に与える(ステップS11)。そして、マイコン24は、今演算周期の処理を終了する。送信部25は、マイコン24から与えられた登録用のデータフレームを車両側装置3に送信する。
前記ステップS2において、開錠キー13が操作されたと判別されたときには、マイコン24は、操作モードが開錠モードであると判定し、モード判定用フラグ値Fmを“2”に設定した後(ステップS12)、図5BのステップS14に移行する。
前記ステップS2において、施錠キー14が操作されたと判別されたときには、マイコン24は、操作モードが施錠モードであると判定し、モード判定用フラグ値Fmを“3”に設定した後(ステップS13)、図5BのステップS14に移行する。以下において、開錠モードおよび施錠モードを総称して認証モードという場合がある。
ステップS14では、マイコン24は、増幅部21、フィルタ部22およびA/D変換部23を作動状態にさせることにより、スマートキー2の操作者(以下、「第2操作者」という。)心電信号の測定を開始させる。そして、マイコン24は、第2操作者の1心拍数分の心電信号をメモリ(たとえばRAM)に記憶させる(ステップS15)。この後、マイコン24は、心電信号の測定を終了させる。そして、マイコン24は、第2操作者の1心拍数分の心電信号から、前記複数種類の特徴量を抽出する(ステップS16)。この実施形態では、マイコン24によって抽出される複数種類の特徴量は、Rq波高値、Pq波高値、Rs傾き、sS傾き、Ts波高値およびRs波高値の6種類である。
次に、マイコン24は、ステップS16で抽出された各特徴量をその特徴量に対して予め設定された区分の番号(図7〜図12参照)に変換し、得られた各特徴量の区分番号を認証用データとして生成する(ステップS18)。そして、マイコン24は、認証用のデータフレームを作成する(ステップS11)。認証用のデータフレームは、図13Bに示すように、スタートビット、固定ID、認証用データ(各特徴量の区分番号)、操作モード、パリティビットおよびエンドビットから構成されている。操作モードを表すデータは、操作モードが開錠モードである場合には、開錠モードを表すモード判定用フラグ値Fm(=2)であり、操作モードが施錠モードである場合には、施錠モードを表すモード判定用フラグ値Fm(=3)である。
図14は、車両側装置3内のマイコン35の動作を示すフローチャートである。図14の処理は、所定の演算周期毎に実行される。
マイコン35は、駐車状態であるか否かを判別する(ステップS31)。この判別は、たとえば、パーキングブレーキが作動状態であるか否かに基づいて行われる。駐車状態でなければ(ステップS31:NO)、マイコン35は、今演算周期の処理を終了する。
ステップS31で、駐車状態であるであると判別された場合には(ステップS31:YES)、マイコン35は、スマートキー2から送信されるデータフレームを受信したか否かを判別する(ステップS32)。データフレームを受信していない場合には(ステップS32:NO)、マイコン35は、今演算周期の処理を終了する。
ステップS32で、データフレームを受信したと判別された場合には(ステップS32:YES)、受信したデータフレーム中に含まれている固定IDが、不揮発性メモリ35aに記憶されている固定IDと一致するか否かを判別する(ステップS33)。前記両固定IDが不一致の場合には(ステップS33:NO)、マイコン35は、今演算周期の処理を終了する。
ステップS33で、前記両固定IDが一致すると判別された場合には(ステップS33:YES)、マイコン35は、不揮発性メモリ35a内に記憶されている心電認証有効/無効データに基づいて心電認証機能が無効に設定されているか否かを判別する(ステップS34)。
心電認証機能が有効に設定されている場合には(ステップS34:NO)、マイコン35は、受信したデータフレーム内に含まれている操作モードが登録モードであるか否かを判別する(ステップS35)。操作モードが登録モードである場合には(ステップS35:YES)、マイコン35は、車内に設けられた不正登録防止スイッチ33がオンとなっているか否かを判別する(ステップS36)。不正登録防止スイッチ33がオンとなっている場合には(ステップS36:YES)、マイコン35は、受信したデータフレーム(この場合は、登録用のデータフレーム)内に含まれている第1操作者の登録用データ(各特徴量の区分範囲)を登録する(ステップS37)。つまり、マイコン35は、受信したデータフレーム内に含まれている登録用データを、不揮発性メモリ35aに記憶する。そして、マイコン35は、今演算周期の処理を終了する。
前記ステップS36において、不正登録防止スイッチ33がオフとなっていると判別された場合には(ステップS36:NO)、マイコン35は、受信したデータフレーム内に含まれている登録用データを登録することなく、今演算周期の処理を終了する。
これにより、スマートキー2を不正に取得した不正取得者が、スマートキー2を操作して不正取得者の登録用データを登録しようとしても、車両が施錠状態であれば、そのような登録が実行されなくなる。これにより、スマートキー2の不正取得者によって、不正取得者の登録用データが登録されるのを防止することができる。
前記ステップS35において、登録モードでないと判別された場合には(ステップS35:NO)、つまり、操作モードが認証モード(開錠モードまたは施錠モード)である場合には、マイコン35は心電認証を行う(ステップS38)。具体的には、マイコン35は、受信したデータフレーム(この場合は、認証用のデータフレーム)内に含まれている認証用データ(各特徴量の区分番号)と、不揮発性メモリ35aに登録されている登録用データ(各特徴量の区分範囲)とに基づいて、前記第2操作者が前記第1操作者と一致しているか否かを判定する。
より具体的には、マイコン35は、認証用データ内の各特徴量の区分番号が、登録用データ内の対応する特徴量の区分範囲内であるか否かを判別する。そして、認証用データ内の全ての特徴量の区分番号が、対応する特徴量の区分範囲内であると判別されたときには、マイコン35は、前記第2操作者が前記第1操作者に一致していると判別する。つまり、前記第2操作者がスマートキー2の正当な使用者であると判別する。一方、認証用データ内の少なくとも1つの特徴量の区分番号が、登録用データ内の対応する特徴量の区分範囲外であると判別されたときには、マイコン35は、前記第2操作者が前記第1操作者に一致していないと判別する。つまり、前記第2操作者がスマートキー2の正当な使用者ではないと判別する。
前記ステップS38の心電認証において、前記第2操作者が前記第1操作者に一致していないと判別された場合には(ステップS38:NO)、マイコン35は、図示しない音声出力装置から警告音を出力させた後(ステップS43)、今演算周期での処理を終了する。一方、前記ステップS38の心電認証において前記第2操作者が前記第1操作者に一致すると判別された場合には(ステップS38:YES)、マイコン35は、受信したデータフレーム内に含まれている操作モードが開錠モードであるか否かを判別する(ステップS39)。操作モードが開錠モードである場合には(ステップS39:YES)、マイコン35は、開錠処理を行う(ステップS40)。具体的には、マイコン35は、駆動回路36を介してドアロックアクチュエータ32を制御して、車両のドアを開錠する。そして、今演算周期での処理を終了する。
前記ステップS39で、操作モードが開錠モードでないと判別された場合には(ステップS39:NO)、マイコン35は、受信したデータフレーム内に含まれている操作モードが施錠モードであるか否かを判別する(ステップS41)。操作モードが施錠モードである場合には(ステップS41:YES)、マイコン35は、施錠処理を行う(ステップS42)。具体的には、マイコン35は、駆動回路36を介してドアロックアクチュエータ32を制御して、車両のドアを施錠する。そして、今演算周期での処理を終了する。
ステップS41において、操作モードが施錠モードではないと判別された場合には(ステップS41:NO)、マイコン35は、今演算周期での処理を終了する。
前記ステップS34において、心電認証機能が無効に設定されていると判別された場合には(ステップS34:YES)、マイコン35は、受信したデータフレーム内に含まれている操作モードが開錠モードであるか否かを判別する(ステップS39)。操作モードが開錠モードである場合には(ステップS39:YES)、マイコン35は、開錠処理を行う(ステップS40)。そして、今演算周期での処理を終了する。
前記ステップS39で、操作モードが開錠モードでないと判別された場合には(ステップS39:NO)、マイコン35は、受信したデータフレーム内に含まれている操作モードが施錠モードであるか否かを判別する(ステップS41)。操作モードが施錠モードである場合には(ステップS41:YES)、マイコン35は、施錠処理を行う(ステップS42)。ステップS41において、操作モードが施錠モードではないと判別された場合には(ステップS41:NO)、マイコン35は、今演算周期での処理を終了する。
前述した実施形態では、第1操作者の心電信号に基づいて、第1操作者に対して各特徴量が取りうる可能性が高い範囲(特徴量範囲)が決定され、決定された各特徴量の特徴量範囲に対応した区分が登録用データとして生成されている。また、第2操作者の心電信号に基づいて、各特徴量の大きさに対応した区分が認証用データとして生成されている。そして、認証用データ内の各特徴量の区分が、登録用データ内の対応する特徴量の区分範囲内にあるか否かに基づいて、第2操作者が第1操作者と一致するか否かが判別されている。このため、心電認証処理が簡単でかつ新規な個人認証装置および車両用個人認証システムを実現することができる。
また、認証モード時には、1心拍数分の心電信号に基づいて、認証用データが生成されるので、認証モード時に認証用データを生成するために要する時間が短いという利点がある。また、スマートキー2は、特徴量範囲を区分範囲に変換して車両側装置3に送信しているので、送信データ量が少なくて済み、処理時間が短いという利点がある。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、第1操作者に対して各特徴量が取りうる可能性が高い範囲(特徴量範囲)に対応する区分範囲を、第1操作者の登録用データとしているが、第1操作者に対して各特徴量が取りうる可能性が高い範囲(特徴量範囲)を登録用データとしてもよい。つまり、図5AのステップS8で決定された各特徴量の特徴量範囲を登録用データとしてもよい。この場合には、図5Bのステップ16で抽出された各特徴量が認証用データとされる。この場合には、図5AのステップS9および図5BのステップS17は省略される。
前述の実施形態では、スマートキー2側で、登録モード時には、特徴量抽出、各特徴量の特徴量範囲の決定および各特徴量に対する特徴量範囲の区分範囲への変換を行い、認証モード時には、特徴量抽出および各特徴量の区分番号への変換を行っているが、これらの処理を車両側装置3で行うようにしてもよい。この場合には、登録モード時には、スマートキー2側から、登録用データの代わりに複数心拍数分(この実施形態では10心拍数分)の心電信号が車両側装置3に送信され、認証モード時には、スマートキー2側から、認証用データの代わりに1心拍数分の心電信号が車両側装置3に送信される。
また、登録モード時には、スマートキー2側から、登録用データの代わりに複数心拍数分(この実施形態では10心拍数分)の心電信号から抽出された複数種類の特徴量を車両側装置3に送信し、認証モード時には、スマートキー2側から、認証用データの代わりに1心拍数分の心電信号から抽出された複数種類の特徴量を車両側装置3に送信するようにしてもよい。この場合には、車両側装置3において、各特徴量に対する特徴量範囲の決定(図5AのステップS8の処理)、各特徴量に対する特徴量範囲の区分範囲への変換(図5AのステップS9の処理)、各特徴量の区分番号への変換(図5BのステップS17の処理)が行われる。ただし、各特徴量に対する特徴量範囲が登録用データとされる場合には、車両側装置3において各特徴量に対する特徴量範囲の決定(図5AのステップS8の処理)が行われるが、各特徴量に対する特徴量範囲の区分範囲への変換(図5AのステップS9の処理)および各特徴量の区分番号への変換(図5BのステップS17の処理)は行われない。
前述の実施形態では、複数種類の特徴量として、Rq波高値、Pq波高値、Rs傾き、sS傾き、Ts波高値およびRs波高値の6種類が抽出されているが、これらのうちの任意の2以上の組み合わせを、複数種類の特徴量として抽出するようにしてもよい。
なお、この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…車両用個人認証装置、2…スマートキー(携帯端末)、3…車両側装置、11,12…電極、21…増幅部、22…フィルタ部、23…A/D変換部、24…マイコン、25…送信部、34…受信部、35…マイコン、36…駆動回路

Claims (8)

  1. 登録時において、特定個人から取得した複数心拍数分の心電信号から、心拍毎に所定複数種類の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、前記特定個人に対してその特徴量が取りうる可能性が高い範囲をその特徴量に対する特徴量範囲として決定する特徴量範囲決定手段と、
    前記特徴量範囲決定手段によって決定された各特徴量に対する特徴量範囲またはそれに応じた範囲を、前記特定個人の登録用データとして登録する登録手段と、
    認証時において、個人から取得した心電信号から前記所定複数種類の特徴量を抽出し、抽出された各特徴量の大きさを表すデータを認証用データとして生成する認証用データ生成手段と、
    前記認証用データ生成手段によって生成された認証用データと、前記登録手段によって登録されている登録用データとに基づいて、前記個人が前記特定個人であるか否かを判定する判定手段と、を含む個人認証装置。
  2. 前記特徴量範囲決定手段は、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値を中心とした所定の範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定するように構成されている、請求項1に記載の個人認証装置。
  3. 前記特徴量範囲決定手段は、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値からその特徴量の標準偏差のα倍(αは零より大きな実数)を減算した値から、その特徴量の平均値にその特徴量の標準偏差のα倍を加算した値までの範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定するように構成されている、請求項2に記載の個人認証装置。
  4. 前記認証用データ生成手段は、個人から取得した1心拍数分の心電信号から前記所定複数種類の特徴量を抽出し、抽出された各特徴量から認証用データを生成するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の個人認証装置。
  5. 前記所定複数種類の特徴量は、T波高さとS波高さの和であるTs波高値、R波高さとQ波高さの和であるRq波高値、R波高さとS波高さの和であるRs波高値、P波高さとQ波高さの和であるPq波高値、S波の極小点からR波の極大点までの傾きの最大値であるRs傾きおよびS波の極小点からS波の終端までの間の変曲点とS波の極小点とを結ぶ直線の傾きであるsS傾き、のうちから任意に選択された2以上の組み合わせである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の個人認証装置。
  6. 車両の正当な使用者に提供される携帯端末と、
    前記車両側に設けられた車両側装置とを含み、
    前記携帯端末は、
    心電信号を測定する測定手段と、
    登録モード時において、前記測定手段によって測定された第1操作者の複数心拍数分の心電信号から、心拍毎に所定複数種類の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、前記第1操作者に対してその特徴量が取りうる可能性が高い範囲をその特徴量に対する特徴量範囲として決定する特徴量範囲決定手段と、
    前記特徴量範囲決定手段によって決定された各特徴量に対する特徴量範囲またはそれに応じた範囲を登録用データとして前記車両側装置に送信する第1送信手段と、
    認証モード時において、前記測定手段によって測定された第2操作者の心電信号から、前記所定複数種類の特徴量を抽出し、抽出された各特徴量の大きさを表すデータを認証用データとして生成する認証用データ生成手段と、
    前記認証用データ生成手段によって生成された認証用データを前記車両側装置に送信する第2送信手段とを含み、
    前記車両側装置は、
    前記車両の車内に設けられた不正登録防止スイッチと、
    前記第1送信手段によって送信された登録用データを受信したときには、前記不正登録防止スイッチがオンされているか否かを判別し、前記不正登録防止スイッチがオンされているときにのみ、受信した登録用データを登録する登録手段と、
    前記第2送信手段によって送信された認証用データを受信したときには、受信した認証用データと、前記登録手段によって登録されている登録用データとに基づいて、前記第2操作者が、前記第1操作者と同一人であるか否かを判定する判定手段と、を含む、車両用個人認証システム。
  7. 前記特徴量範囲決定手段は、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値を中心とした所定の範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定するように構成されている、請求項6に記載の車両用個人認証システム。
  8. 前記特徴量範囲決定手段は、前記特徴量抽出手段によって抽出された複数種類の特徴量毎に、その特徴量の平均値からその特徴量の標準偏差のα倍(αは零より大きな実数)を減算した値から、その特徴量の平均値にその特徴量の標準偏差のα倍を加算した値までの範囲を、その特徴量に対する特徴量範囲として決定するように構成されている、請求項7に記載の車両用個人認証システム。
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