JP2014236444A - 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置 - Google Patents

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正周 大和
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曉 山田
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曉 山田
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一敏 篠原
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和之 村上
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Abstract

【課題】RAT間で無線端末からの接続を切り替える際に、どのRATを接続先とすべきかを適切に判断する仕組みを実現する。
【解決手段】第1のRAT上で受信したトラフィックの特徴を識別し、前記識別した特徴に基づいて、第2のRATがサポートするセキュリティ機能、QoS機能またはスループットを使用して前記トラフィックを受信する必要性の有無を判断し、必要ならば、前記接続を前記第2のRATに切り替えるよう前記無線端末に指示する。また、第1のRAT上で受信したトラフィックの特徴を識別し、前記識別した特徴に基づいて、規制の有無を判断し、当該規制は、無線端末から第1のRATを経由した網サービスへのアクセス試行またはトラフィック伝送に対して当該第1のRATにより適用され、当該必要性が有るならば、、当該規制を適用しない第2のRATに当該接続を切り替えるよう当該無線端末に指示する。
【選択図】図6

Description

本発明は、各種無線サービスへのアクセスに関し、より具体的には、複数の異なる無線サービスに接続する複数の異なる無線ベアラに対して状況に応じた適切なアクセスを行う方法と装置とに関する。
UMTS網やLTE網などのセルラー無線網は、地理的に広範囲にわたって単一の通信事業者網により(そして多くの場合、単一のコア網を介した広域網接続により)、ユーザに無線アクセス・サービスやインターネット接続サービスを提供している。その反面、セルラー無線網に対する無線アクセスは、ローミングが可能な場合を除いて、当該セルラー無線網が提供する通信サービスに加入しているユーザの無線端末だけに限定され、無料で提供されている場合も多い無線LANサービスよりも通信料金が一般に高額である。他方、通信サービスへの加入手続き無しにアクセス可能な場合も多い無線LANサービスは、通信料金が安価であり、通信速度が比較的安定している反面、良好に通信可能な範囲が限られた狭い地域内に限定される。
以上から、無線端末の利用態様として、利用する無線アクセス網を、セルラー無線網と無線LANサービスとの間でユーザ自身により状況に応じて切り替えることが一般的である。例えば、ユーザが列車に乗って高速移動している際には、ハンドオーバーの頻発による通信の瞬断が起きやすいセルラー無線網を利用するよりも、列車内に設置された無線アクセス・ポイントが提供する無線LANサービスに切り替えた方が、安定した無線通信を行えることが多い。
セルラー無線網と無線LANのそれぞれに接続するための2つも無線インターフェース回路を装備し、セルラー無線網と無線LANとの間で通信を切り替える機能を有する無線端末は、マルチモード無線端末と呼ばれる。また、無線LAN、WiMAX、UMTS等の3Gセルラー携帯電話網あるいはLTE網などの様々な無線通信サービスは、複数の異なる無線アクセス技術(RAT(Radio Access Technology))にそれぞれ対応する。そして、無線ベアラは、これら様々な無線通信サービスに接続して利用者無線端末(UE)からアクセスするための無線接続手段を提供するものである。マルチモード無線端末は、同時利用可能な複数の異なるRATの間で状況に応じて一の無線ベアラが接続するRATを選択的に切り替えて無線通信することも可能であり、これは異種RAT間ハンドオーバーと呼ばれる。
特許文献1記載の発明は、サービス・ベースの異種RAT間ハンドオーバーの発明として、UEによる異種RAT間ハンドオーバーに際し、以下の動作フローを実行する。まず、UE接続毎にUEのサービス加入情報や呼タイプ(音声通話かデータ通信か等)を記述するハンドオーバー情報要素をソース側網(ソース側RAT)のMSC(Mobile Switching Center)からMAPプロトコル中にカプセル化してターゲット側網(ターゲット側RAT)内のMSC(Mobile Switching Center)に送信する。続いて、ターゲット側MSCが当該ハンドオーバー情報要素をサービス・ハンドオーバー・コマンド中にカプセル化し、接続許否判断ノード(Decision Making Node、図4中の"RNC B")に送信する。続いて、接続許否判断ノードは、受信したハンドオーバー情報要素中に記述されたUEのサービス加入情報や呼タイプ(音声通話かデータ通信か等)に基づいて、ターゲット側網のサービスへの接続の許否を判断する。
上述した異種RAT間ハンドオーバーの実行プロセスを制御する場合、ハンドオーバー前のRATとハンドオーバー先のRATとでは、実装する網認証方式や網暗号化方式の相違によりセキュリティ強度が互いに異なる場合がある。また、ハンドオーバー前のRATとハンドオーバー先のRATとでは、以下の点が互いに相違する場合がある。
(A1)無線通信事業者網側の網運用ポリシー設定や無線網内のサーバ側のサービス運用設定に応じて、無線端末からの接続が制限されている特定のネットワーク・サービスやWebサイトが互いに異なる。
(A2)無線通信事業者網側の網運用ポリシー設定に応じて、無線端末からのトラフィック送受信を規制される通信アプリケーション種別が互いに異なる。
(A3)実効スループットや保証可能なQoSが相違することにより、必要な通信品質を確保しながら安定的な通信を維持できる通信アプリケーション種別や通信サービス種別が異なる。
(A4)複数のRATの各々が異なるコア網やPDSNに接続している場合、コア網やPDSNがサポートする通信プロトコル階層構造の相違に応じて、無線端末がインターネット網などのような広域網との間での通信に利用可能な通信プロトコルが相違する。
そこで、特許文献2および特許文献3記載の発明は、ハンドオーバー前のRATとハンドオーバー先のRATとでは、実装する網認証方式や網暗号化方式が相違することを考慮して上述した異種RAT間ハンドオーバーを実行する技術を開示している。具体的には、特許文献2および特許文献3記載の発明は、異なる認証方式を実装するコア網やPDSNなどにそれぞれ接続する2つの基地局の間でのハンドオーバーを実行する際、認証方式の相違により複雑化したハンドオーバー制御手順を短縮する仕組みを実現する。すなわち、特許文献2および特許文献3記載の発明は、ハンドオーバー元とは異なる認証方式でハンドオーバー先に通信サービス接続する際の認証プロセスを短縮する又は簡略化する仕組みを工夫している。この仕組みは、端末識別アドレスを含むコンテキスト情報を、認証方式が互いに異なるハンドオーバー元の無線網とハンドオーバー先の無線網との間で共有することに基づく。
米国特許7,257,403号公報 特開2006−246198号公報 特開2006−005943号公報
しかしながら、特許文献2および特許文献3記載の発明は、認証方式や暗号化方式が異なるRAT間で無線端末からの無線ベアラを介した接続を切り替える際に、状況に応じてどのRATをハンドオーバー先として無線ベアラを接続すべきかを判断することができない。特に通信サービス毎や通信アプリケーション毎に固有のセキュリティ水準を充足することが求められている場合、特許文献2および特許文献3記載の発明は、認証方式や暗号化方式が異なる複数のRATのいずれを接続先とすべきかを適切に判断することが出来ない。
また、ハンドオーバー前のRATとハンドオーバー先のRATとが、上述した(A1)〜(A4)の点で相違する場合、特許文献2および特許文献3記載の発明は、上記相違点を考慮して、どのRATをハンドオーバー先とすべきかを判断することができない。
特許文献2および特許文献3はむしろ、認証方式が相違するRAT間でハンドオーバーを実行する際に必要なネットワーク認証プロセスを短縮化したり、ハンドオーバーの前後で認証方式が相違することに対処するために、ハンドオーバー制御自体を最適化したりする技術について開示しているに過ぎない。
以上の問題点に鑑み、本発明は、認証/暗号化方式が異なるRAT間で無線端末からの接続を切り替える際に、通信サービス毎や通信アプリケーション毎に求められるセキュリティ水準を考慮して、いずれのRATを接続先とすべきかを適切に判断する仕組みを実現することを目的とする。
また、本発明は、接続が制限されているネットワーク・サービスが相違するRAT間で無線端末からの接続を切り替える際に、無線端末からネットワーク・サービスを円滑に利用するために、いずれのRATを接続先とすべきかを適切に判断する仕組みを実現することを目的とする。また、本発明は、トラフィックが規制されている通信アプリケーション種別が相違するRAT間で無線端末からの接続を切り替える際に、無線端末から通信アプリケーションを円滑に利用するために、いずれのRATを接続先とすべきかを適切に判断する仕組みを実現することを目的とする。
また、本発明は、実効スループットや保証可能なQoSが相違するRAT間で無線端末からの接続を切り替える際に、無線網と無線端末との間で必要な通信品質を確保しながら安定的な通信を維持するために、いずれのRATを接続先とすべきかを適切に判断する仕組みを実現することを目的とする。
以上より、本発明の第1の側面は、無線端末が選択的に接続する第1と第2の無線網の間で接続を切り替えるように、切替制御装置が前記無線端末に指示する方法であって:前記第1の無線網上で受信したトラフィックの特徴を識別するステップ;前記識別した特徴に基づいて、前記第2の無線網がサポートするセキュリティ機能を使用して前記トラフィックを受信する必要性の有無を判断するステップであって、前記第2の無線網は前記第1の無線網よりも高いセキュリティ機能をサポートする、ステップ;および、前記必要性が有るならば、前記トラフィックの残りを受信するために、前記接続を前記第2の無線網に切り替えるよう前記無線端末に指示するステップ;を備える構成を採る。
さらに本発明の第1の側面においては、前記トラフィックの特徴を前記識別するステップは、前記トラフィックを構成するパケットのヘッダ情報、前記トラフィックを伝送するセッションが接続される前記無線端末上のポート番号または前記トラフィックが伝送する制御コマンドの種別に基づいて、前記トラフィックの伝送に使用するプロトコル種別、前記トラフィックが伝送する情報種別、または前記トラフィックが属する通信アプリケーション種別を識別するステップを備える、ことを特徴とする。
さらに本発明の第1の側面においては、前記必要性の有無は、前記識別されたプロトコル種別、前記識別された情報種別、または前記識別された通信アプリケーション種別により要求されるセキュリティ水準が、前記第2の無線網がサポートするセキュリティ機能を必要とするか否かに基づいて判断される、ことを特徴とする。
また、本発明の第2の側面は、無線端末が選択的に接続する第1と第2の無線網の間で接続を切り替えるように、切替制御装置が前記無線端末に指示する方法であって:前記第1の無線網上で受信したトラフィックの特徴を識別するステップ;前記識別した特徴に基づいて、前記第2の無線網がサポートする実効スループットまたはQoS保証機能を使用して前記トラフィックを受信する必要性の有無を判断するステップであって、前記第2の無線網は前記第1の無線網よりも高い実効スループットまたはQoS保証機能をサポートする、ステップ;および、前記必要性が有るならば、前記トラフィックの残りを受信するために、前記接続を前記第2の無線網に切り替えるよう前記無線端末に指示するステップ;を備える構成を採る。
さらに本発明の第2の側面においては、前記必要性の有無は、前記識別されたプロトコル種別、前記識別された情報種別、または前記識別された通信アプリケーション種別により要求されるQoS要件または実効スループットが、前記第2の無線網がサポートするQoS機能または通信帯域幅を必要とするか否かに基づいて判断される、ことを特徴とする。
また、本発明の第3の側面は、無線端末が選択的に接続する第1と第2の無線網の間で接続を切り替えるように、切替制御装置が前記無線端末に指示する方法であって:前記第1の無線網上で受信したトラフィックの特徴を識別するステップ;前記識別した特徴に基づいて、規制の有無を判断するステップであって、前記規制は、前記無線端末から前記第1の無線網を経由した網サービスへのアクセス試行またはトラフィック伝送に対して前記第1の無線網により適用される、ステップ;および、前記必要性が有るならば、前記トラフィックの残りを受信するために、前記規制を適用しない前記第2の無線網に前記接続を切り替えるよう前記無線端末に指示するステップ;を備える構成を採る。
さらに本発明の第3の側面においては、前記必要性の有無は、前記識別されたプロトコル種別、前記識別された情報種別、または前記識別された通信アプリケーション種別により要求される通信プロトコル互換性が、前記第2の無線網がサポートする通信プロトコル構成を必要とするか否かに基づいて判断される、ことを特徴とする。
また、本発明に係る前記切替制御装置は、前記無線端末内の制御部、前記無線端末が接続する前記第1の無線網内の基地局または前記第1と第2の無線網が接続する広域網内に設置された制御サーバのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明においては、前記制御サーバは、接続の切り替え先として前記第2の無線網を指定する機器設定ポリシーを前記無線端末に設定することにより、前記第2の無線網への接続の切り替えを前記無線端末に指示するポリシー制御サーバである、ことを特徴とする。
以上より、本発明は、認証/暗号化方式が異なるRAT間で無線端末からの接続を切り替える際に、通信サービス毎や通信アプリケーション毎に求められるセキュリティ水準を考慮して、いずれのRATを接続先とすべきかを適切に判断する仕組みを実現することができる。
また、本発明は、接続が制限されているネットワーク・サービスが相違するRAT間で無線端末からの接続を切り替える際に、無線端末からネットワーク・サービスを円滑に利用するために、いずれのRATを接続先とすべきかを適切に判断する仕組みを実現することができる。また、本発明は、トラフィックが規制されている通信アプリケーション種別が相違するRAT間で無線端末からの接続を切り替える際に、無線端末から通信アプリケーションを円滑に利用するために、いずれのRATを接続先とすべきかを適切に判断する仕組みを実現することができる。
また、本発明は、実効スループットや保証可能なQoSが相違するRAT間で無線端末からの接続を切り替える際に、無線網と無線端末との間で必要な通信品質を確保しながら安定的な通信を維持するために、いずれのRATを接続先とすべきかを適切に判断する仕組みを実現することができる。
無線端末がセルラー無線網および無線LANのそれぞれを介してインターネット上のサーバと通信する様子を示す図。 従来技術において、セルラー無線網と通信中の無線端末が無線LANサービスへと接続を切り替える方法を示す図。 本実施の形態に係る第1実施例に係る無線通信システムの全体構成を示す図 本実施の形態に係る第1実施例において使用される無線端末の構成図 第1実施例を説明するために使用するネットワーク構成を示す図 本実施の形態に係る第1実施例の第1側面を説明するフローチャート 本実施の形態に係る第1実施例の第1側面を説明するイベント・フロー図 本実施の形態に係る第1実施例の第2側面を説明するフローチャート 本実施の形態に係る第1実施例の第2側面を説明するイベント・フロー図 本実施の形態に係る第1実施例の第3側面を説明するフローチャート 本実施の形態に係る第1実施例の第3側面を説明するイベント・フロー図 第2実施例を説明するために使用するネットワーク構成を示す図 本実施の形態に係る第2実施例の第1側面を説明するフローチャート 本実施の形態に係る第2実施例の第1側面を説明するイベント・フロー図 本実施の形態に係る第2実施例の第2側面を説明するフローチャート 本実施の形態に係る第2実施例の第2側面を説明するイベント・フロー図 本実施の形態に係る第2実施例の第3側面を説明するフローチャート 本実施の形態に係る第2実施例の第3側面を説明するイベント・フロー図
<1>まず、本実施の形態の説明に先立って、図1および図2を参照しながら、従来の無線通信システム内で使用される従来の無線端末が、セルラー無線網と無線LANサービスとの間で無線接続を切り替える手順の具体例について説明する。
近年、セルラー無線網などの携帯電話事業者網を利用した通信と公衆Wi−Fiサービスのような無線LANサービスを利用した無線通信の両者が可能な無線端末(スマートフォンやタブレット等)が急激に普及している。これらの無線端末はインターネット網との通信が可能なものであり、インターネットサイトの閲覧等のデータ通信が数多く行われている。また、無線アクセス網としてセルラー無線網を利用する他、無線LANを利用することも可能であり、ユーザ自身にて無線端末から利用する無線アクセス網を選べるようになっている。この様子を図1に示す。
図1において、無線端末(例:スマートフォン)は、無線アクセス網として携帯電話網などのセルラー無線網または無線LANサービスのいずれか一方と無線接続し、インターネット内のサーバ(Webサーバ等)との通信を行うことが可能である。図1において、無線端末は、携帯電話網と接続している時は、LTEやHSPAなどの無線通信方式にて通信を行ない、無線LANと接続している時は、IEEE802.11gやIEEE802.11a等の標準に基づく無線通信方式にて通信を行なうことが可能である。
次に、図2を参照しながら、ユーザが加入するセルラー無線網と通信中の従来の無線端末(スマートフォン等)が、ユーザの判断に基づいて無線接続を無線LANサービスに切り替える、又はユーザの判断に基づいて無線接続を無線LANサービスからセルラー無線網へと再度切り替える方法を以下のとおりに説明する。
(1)第1の切り替え方法
セルラー無線網に接続中の無線端末をユーザの手動操作により操作して無線LANインターフェース回路(Wi−Fiインターフェース回路)の電源をオンにする。具体的には、ユーザは、無線端末の通信設定画面内のGUI(Graphical User Interface)を操作して当該無線端末の無線LANインターフェース回路の電源をオンにする。
続いて、無線LANインターフェース回路が起動された無線端末は、周囲の無線LANアクセス・ポイントをスキャンし、一つ以上の無線LANアクセス・ポイントが見つかった場合には、その中の一つと無線接続し、無線LANサービスによる無線通信を開始する。この時、周囲の無線LANアクセス・ポイントを無線端末がスキャンする動作は、当該無線端末が備える無線LANインターフェース回路により、いずれかの無線LANアクセス・ポイントが発信するキャリア信号を検出することにより実現されても良い。
これとは逆に、無線LANサービスを利用して通信中の無線端末の無線接続をセルラー無線網に切り替える場合、無線端末をユーザの手動操作により操作して無線LANサービスとの無線接続を切断する、又は当該無線端末が備える無線LANインターフェース回路の電源をオフにする。続いて、無線端末は、近隣のセルラー基地局との間で無線接続を確立し、再度セルラー無線網に接続する(図2A参照)。
(2)第2の切り替え方法
セルラー無線網に接続中の無線端末は、無線LANサービスの利用の可否とは無関係に、無線LANインターフェース回路の電源を常時オン状態にしておく。これにより、無線端末は、周囲に存在する無線LANアクセス・ポイントを一定周期で定期的にスキャンし続ける。そして、無線接続可能な無線LANアクセス・ポイントが検知された場合は、自動的に無線LANサービスに接続して無線通信サービスを利用する。無線端末が自動的に無線LANサービスに接続した後、無線端末が無線LANサービスの通信圏外となった場合、無線端末は、無線LANサービスとの間の接続を切断する。続いて、無線端末は、近隣のセルラー基地局との間で無線接続を確立し、再度セルラー無線網に接続する(図2B参照)。
なお、近年の無線端末においては、セルラー無線網との接続よりも無線LANサービスとの接続が優先されるため、無線LANサービスと接続可能な状態において、ユーザの手動切り替えによらずに、自動的にセルラー無線網に切り替わることはない。
<2>本実施の形態に係る無線通信システムの全体構成
以下、図3を使用して、本実施の形態に係る無線通信システムのネットワーク構成を説明する。図3の無線通信システムは、無線端末10、2つの無線アクセス網40Aおよび40B、無線アクセス網40Aおよび40Bとコア網ゲートウェイ61および62を介して接続された2つのコア網(CN: Core Network)51/52、コア網51/52と外部接続ゲートウェイ71/72を介して接続されたインターネット網80およびインターネット網80に接続されたサーバ20から構成される。
無線アクセス網40Aおよび40Bは、無線通信を介したコア網への無線アクセス経路を無線端末10に対して提供するネットワークである。無線アクセス網40Aは、第3世代セルラー網であるUMTS網や第4世代セルラー網であるLTE網とすることが可能であり、無線アクセス網40Bは、IEEE802.11a標準やIEEE802.11g標準に基づくWi−Fiのような無線LANアクセス網である。
コア網51および52は、無線通信サービス提供事業者内において多数のルータ機器やネットワーク制御用サーバ機器を高速回線で接続することによって形成され、無線端末のインターネットへの接続(E−UTRANのコア網においてはP−GW(PDN-Gateway)の機能に相当する)、無線端末の端末モビリティ管理(E−UTRANのコア網においてはMMEの機能に相当する)または無線端末の通信サービス認証(E−UTRANのコア網においてはHSSの機能に相当する)などの機能を実行する。コア網51は、無線アクセス網40Aおよびコア網ゲートウェイ61を介して無線端末10から無線アクセスが可能である。他方、コア網52は、無線アクセス網40Bおよびコア網ゲートウェイ62を介して無線端末10から無線アクセスが可能である。なお、コア網52は、TCP/IPプロトコルに基づく通信をサポートするモバイルIP網とすることが可能である。
外部接続ゲートウェイ71/72は、コア網51/52をインターネット網80にそれぞれ接続し、これにより、コア網51/52は、インターネット網80との間でトラフィックを通信することが可能となる。コア網51がE−UTRAN標準に基づいて構成されている場合には、外部接続ゲートウェイ71は、P−GW(PDN-Gateway)とすることが可能である。
図2において、無線ベアラ30Aは、無線端末10をセルラー無線網である無線アクセス網40Aに接続する無線接続手段である。同様に、無線ベアラ30Bは、無線端末10をWi−Fi網である無線アクセス網40Cに接続する無線接続手段である。
図3において、無線端末10は、無線ベアラ30Aまたは30Bのいずれか一方を選択的に使用して、無線アクセス網40Aまたは40Bのいずれか一方と無線接続する。続いて、無線端末10は、無線アクセス網、コア網51/52およびインターネット網80を経由してサーバ20との間でTCP/IPに基づくエンド・ツー・エンド通信を行う。
<3>本実施の形態において使用される無線端末のハードウェア構成
以下、図4を使用して、本実施の形態に係る無線通信システム内において使用される無線端末10のハードウェア構成を説明する。
図4において、無線端末は、無線信号を送受信するアンテナ101、アンテナ101と接続された無線インターフェース102a、無線インターフェース102b、メモリ103、制御プロセッサ104、制御プロセッサ104との間で入出力データをやり取りしながらユーザと無線端末10との間のユーザ・インターフェースを制御するユーザ入出力装置105、および無線端末10の設定パラメータなどを記憶する永続的な記憶媒体であるストレージ106およびバス107から構成される。上述した無線インターフェース102a、無線インターフェース102b、メモリ103、制御プロセッサ104、ユーザ入出力装置105、およびストレージ106は、バス107を介して相互に接続されている。
無線インターフェース102aおよび無線インターフェース102bの各々は、受信したRF信号を周波数ダウンコンバートしてデジタル化し、復調し、そして復号化することにより、デジタル情報に変換して後続の情報処理のために提供する。これとは逆に、無線インターフェース102aおよび無線インターフェース102bの各々は、無線端末10内で生成されたデジタル情報を、符号化し、変調し、そして周波数アップコンバートすることによりRF信号に変換して無線送信のためにアンテナ101に提供する。無線インターフェース102aは、セルラー無線網に対応した無線信号の送受信処理を実行可能に構成され、無線インターフェース102bは、無線LAN網に対応した無線信号の送受信処理を実行可能に構成されている。
メモリ103は、無線インターフェース102aおよび無線インターフェース102bが後述する制御プロセッサ104との間でやり取りするデジタル情報や無線端末10全体を制御するプログラムなどを記憶する。
制御プロセッサ104は、メモリ103からプログラムを読み出して無線端末10全体の制御、無線インターフェース102aおよび無線インターフェース102bを介してアンテナ101から送信されるデジタル情報の生成、無線インターフェース102aおよび無線インターフェース102bを介してアンテナ101から受信したデジタル情報の更なる処理などを実行する。
制御プロセッサ104は、無線インターフェース102aおよび無線インターフェース102bのいずれか一方を選択的にイネーブルし、バス107を介して当該イネーブルされた無線インターフェースのみを介してデジタル情報をやり取りすることにより、特定の無線アクセス網を選択的に使用して通信することが出来る。
ユーザ入出力装置105は、無線端末10上に設けられた画面表示ディスプレイやキーパッドと制御プロセッサ104との間で入出力データのやり取りを行うと同時に、ユーザと無線端末10の間のユーザ・インターフェースの制御を行う。加えて、ユーザ入出力装置105は、無線端末10上に設けられた画面表示ディスプレイやキーパッドのデバイス状態や入出力ステータスが変化した際に、バス107を介して当該変化と関係付けられた割り込み処理を制御プロセッサ104に対して指示する。このような割り込み制御を可能とするために、ユーザ入出力装置105は、自身が管理する画面表示ディスプレイやキーパッドなどの入出力デバイス状態を電気的にモニタリングする機能を備えている。
<4>本実施の形態に係る第1実施例
以下、図面を参照しながら本実施の形態に係る第1実施例を説明する。
(4−1)第1実施例を説明するために使用されるネットワーク構成
まず最初に、図5を使用して、第1実施例を説明するための概念的な無線ネットワーク構成について説明する。図5の無線ネットワーク構成図は、図3の無線通信システム構成図において、第1実施例の説明のために重要な構成要素を追加すると共に、第1実施例の説明にとって不要な構成要素を省略したものである。
図5のネットワーク構成においては、無線端末(UE)10が、無線アクセス網、コア網およびインターネット網を経由してTCP/IPに基づくエンド・ツー・エンド通信を行うサーバ20の具体例として、HTTP(Hyper-Text Transfer Protocol)によりアクセスが可能なWebベースのメール・サーバ20A、IMAP(Internet Mail Access Protocol)によるアクセスが可能な通常のメール・サーバ20B、POP(Post Office Protocol)によるアクセスが可能な通常のメール・サーバ20CおよびOTT(Over The Top)アプリケーション・サーバ20Dが描かれている。メール・サーバ20A〜20Cは、無線端末(UE)10が通信相手端末との間でやり取りされるメールの転送制御サービスを無線端末(UE)10に提供するサーバである。OTT(Over The Top)アプリケーション・サーバ20Dは、無線端末(UE)10と通信相手端末との間で無線網を介してVoIP通話アプリケーション(Line(登録商標)やSkype(登録商標)など)を実行するのに必要な通信制御サービスを提供する。
また、図5のネットワーク構成においては、無線端末10が、コア網51およびモバイルIP網52とそれぞれ無線接続するための網接続ポイントとして、セルラー基地局(eNodeB)90A、および無線LANアクセス・ポイント(AP)90Bが描かれている。セルラー基地局(eNodeB)90Aは、本来的には、コア網51を構成する一部であり、セルラー基地局90Aは、セルラー無線系RATへの網接続ポイントである。同様に、無線LANアクセス・ポイント(AP)90Bは、本来的には、モバイルIP網52を構成する一部であり、無線LANアクセス・ポイント90Bは、無線LAN(WiFi)系のRATへの網接続ポイントである。
(4−2)第1実施例が解決する問題点
メール・サーバ20A〜20Cが提供するメール転送サービスやOTTアプリケーション・サーバ20Dが提供するVoIP通話サービスなどは高いレベルのプライバシ保護が必要とされる。そのため、無線端末10が上述した通信サービスを利用するために接続するRATは、上述した通信サービスによって必要とされる充分なセキュリティ機能や充分なセキュリティ強度を備えた通信をサポートしなくてはならない。具体的には、無線端末10が上述した通信サービスを利用するためには、無線端末10と無線接続するRATに対応する無線アクセス網やコア網などは、上述した通信サービスによって必要とされる充分な暗号化強度や充分な認証機能をサポートしていなくてはならない。その結果として、図5において、無線端末10とサーバ20A〜20Dとの間のエンド・ツー・エンド通信経路を構成する無線アクセス網やコア網などは、当該エンド・ツー・エンド通信に対して充分な暗号化強度や充分なプライバシ保護レベルを保証できなくてはならない。
今、図5において、無線端末10が無線ベアラ接続先として、無線LANアクセス・ポイント90Bを選択している状態で、無線端末10が、サーバ20A〜20Dとエンド・ツー・エンド通信するならば、以下の問題を生じる。すなわち、この場合、無線端末10は、無線LANを無線アクセス手段としてメール・サーバ20A〜20Cが提供するメール転送サービスやOTTアプリケーション・サーバ20Dが提供するVoIP通話サービスを利用することとなる。しかしながら、無線LANを無線アクセス手段(RAT)とする場合、メール転送サービスやVoIP通話サービスによって必要とされる暗号化強度や認証機能が無線接続先のRATによって充分にサポートされていないと考えられる。
何故ならば、無線端末10や無線LANアクセス・ポイント90Bの上で実行される現行のアプリケーション、OSおよびミドルウェアは、無線LANを介した暗号化通信に関して、L2(Layer-2:データリンク層)内での暗号化処理にしか対応していない。また、これらのアプリケーション、OSおよびミドルウェアは、場合によっては暗号化無しでトラフィックを送受信することもある。従って、メール転送サービスやVoIP通話サービスを利用する際に、充分なセキュリティ強度を確保しようとするならば、無線端末10は、無線網に依存しない別の仕組みを使用する必要がある。具体的には、無線端末10は、サーバ20A〜20Dとの間のエンド・ツー・エンド通信を、VPN(Virtual Private Network)やSSL(Secure Socket Layer)のようなアプリケーション依存の(アプリケーション層レベルの)セキュリティ機構で保護しなくてはならない。
また、無線LANなどのRATが実装する認証/暗号化方式は、セルラー無線系のRATであるLTE網が実装する認証/暗号化のための鍵管理方式よりもセキュリティ強度に関して脆弱である。その理由は以下のとおりである。
すなわち、LTE網も無線LAN等のような他のRATも、暗号鍵の階層化(Key Hierachy)を行っているが、LTE網においては、鍵階層がUEとeNBとの間の各リンク、およびeNBからコア網に至る各ホップ・リンクに関して、異なる最下位暗号鍵K_eNBが展開されるように鍵階層全体が構成されている。しかも、LTE網においては、UE単位で異なる鍵Kが用いられる為、最下位暗号鍵K_eNBのみならず、鍵階層全体でUE個別の暗号鍵が展開される。この場合、UE側においてはUSIMからME (Mobile Equipment)、網側においてはeNBからコア網に至るeNB、MME、HSS,およびAuCに関して、それぞれ暗号鍵が展開される。そして、LTE網においては、eNB間ハンドオーバーが発生し、ハンドオーバー先のeNBとUEとの間でSecurity Associationが確立される途中に、K_eNBが窃取されたとしても、アクセス網からコア網に至る各ホップ・リンクと各eNB毎のUE接続毎に異なるK_eNBを使用しているため、ハンドオーバー先のeNB内での上記窃取によるセキュリティ脆弱性が網内の他のリンクに波及しないようになっている。また、LTE網においては、任意のUEが張るリンクに関しても、そのリンクで用いられるK_eNBはハンドオーバー毎に計算量的に予測不可能な方法で更新されるため、単一のUEに着目した場合においても、あるeNBでのK_eNB窃取による無線リンクの脆弱性が、他のeNBとの間の無線リンクの脆弱性に影響しないように構成されている。
加えて、LTE網のようなセルラー系RATにおいては、網側は、ユーザ認証手続により通信サービスにアクセスしようとするユーザが入力したUser−IDやパスワードの正確性のみならず、ユーザ個人の詳細な個人情報までも一意に特定することが出来る。
これに対して、無線LAN等のような他のRATにおいては、UEが無線アクセス・ポイントとの間で4−wayハンドシェイクを実行することによりSecurity Associationを確立する際に、鍵階層内における上位の鍵であるPMKが第三者によって盗聴された下位の鍵PSKから推測される可能性がある。従って、無線LAN等のような他のRATにおいては、LTE網のようなセルラー系RATと比較して、「鍵の改ざん」や「なりすまし」の危険性が高い。
また、LTE網のようなセルラー系RATにおいては、基地局が物理的にアクセスしづらい場所に設置されることが多く、基地局(eNB)が偽装され、第三者が偽装されたeNBに接続するリスクが少ない。これに対して、無線LAN等のような他のRATにおいては、無線アクセス・ポイントは攻撃者が容易にアクセス可能な場所に設置されることが多い。
以上より、図5において、無線端末10が充分なセキュリティ機能や充分なセキュリティ強度を備えた通信をサポートするRATを無線アクセス手段として、メール転送やVoIP通話を実行するためには、無線端末10は、基地局(eNodeB)90Aに接続を切り替えなくてはならない。すなわち、無線端末10は、LTE網のようなセルラー無線系のRATを介してサーバ20A〜20Dとエンド・ツー・エンド通信するために、基地局90Aに無線ベアラ接続を切り替えた上で、メール転送やVoIP通話を実行しなくてはならない。
(4−3)第1実施例の概要
以下、図5のネットワーク構成を前提として、第1実施例の概要を説明する。第1実施例に関する以下の説明においては、通信サービスの種別は、無線端末10のユーザが利用するネットワーク・サービスの種別、当該ユーザが使用する通信アプリケーションの種別、および無線端末10がいずれの通信プロトコルを使用していずれのサービス提供元サーバに接続するのかによって異なるものとする。
第1実施例は、無線ベアラを無線LANに接続している無線端末10が送受信しているトラフィックが属する通信サービス種別を識別し、当該識別された通信サービス種別が無線LANにより提供されるよりも高いレベルのプライバシ保護を必要とするか否かを判断する。高いレベルのプライバシ保護を必要とすると判断されるならば、第1実施例は、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替え、それに伴って、当該通信サービス種別に属するトラフィックを切り替え先のRATにリダイレクトする。すなわち、第1実施例は、無線LANを接続先RATとして無線端末10が送受信するトラフィックが属する通信サービス種別が無線LANにより提供されるよりも高いセキュリティ機能を必要とするか否かを識別する。必要とされる場合には、無線端末10は、無線ベアラ接続先を、セキュリティ機能が不十分な無線LANから高いセキュリティ機能を有する可能なセルラー無線系のRATに切り替える。この時、無線端末10が送受信しているトラフィックが属する通信サービス種別を識別する方法の具体例として、以下の方法がある。
(B1)当該トラフィックを伝送するトランスポート層レベルの通信セッションが無線端末10上において接続するUDP/TCPポートのポート番号を識別し、無線端末10上のOSまたはミドルウェアが当該ポート番号と関係付けている通信サービス種別を識別する。
(B2)当該トラフィック内において伝送されるパケットのプロトコル・ヘッダー情報を解析することにより、当該トラフィックの伝送に使用されるプロトコル種別を識別し、当該識別されたプロトコル種別と関係付けられている通信サービス種別を識別する。
同様に、第1実施例は、無線ベアラを無線LANに接続している無線端末10が送受信しているトラフィックが伝送する情報種別を識別し、当該識別された情報種別が高いレベルのプライバシ保護を必要とするか否かを判断する。高いレベルのプライバシ保護を必要とすると判断されるならば、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替え、それに伴って、当該情報種別を伝送するトラフィックを切り替え先のRATにリダイレクトする。すなわち、第1実施例は、無線LANを接続先RATとして無線端末10が送受信するトラフィックが伝送する情報種別が高いセキュリティ機能を必要とするか否かを識別する。必要とされる場合には、無線端末10は、無線ベアラ接続先を、セキュリティ機能が不十分な無線LANから高いセキュリティ機能を有する可能なセルラー無線系のRATに切り替える。この時、無線端末10が送受信しているトラフィックが伝送する情報種別を識別する方法の具体例としては、当該トラフィック内において伝送される制御コマンドの種別に基づいて、識別する方法などがある。例えば、当該トラフィック内において伝送される制御コマンドが「Password」コマンドであると仮定する。この場合、当該コマンドのデータ・フィールドやパラメータ情報フィールド内の情報の種別は、ログイン・パスワードや銀行口座の暗証番号のような高いレベルのプライバシ保護を求められる情報種別であると判断できる。
なお、上述した手順に従って、無線端末10の無線ベアラ接続先を無線LANからセルラー無線系のRATに切り替えるべきか否かの判定動作は、図5における無線端末10及びこれと通信中の無線アクセス・ポイント90Bのいずれにおいても実行することが可能である。上述した判定動作が図5の無線アクセス・ポイント90Bにおいて実行される場合、上述した判定動作の結果、セルラー無線系RATへの無線ベアラ接続先の切り替えが必要ならば、無線アクセス・ポイント90Bは、その旨を無線端末10に指示することが可能である。さらにこの判定動作は、図5において無線端末10とサーバ20A〜20Dとの間のエンド・ツー・エンド通信が経由するモバイルIP網52やインターネット網80に接続されている制御サーバ21において実行することも可能である。制御サーバ21は、図5においてインターネット網80に直接接続されている「切替指示を行うサーバ21」として示されている。上述した判定動作が図5の制御サーバ21において実行される場合、上述した判定動作の結果、セルラー無線系RATへの無線ベアラ接続先の切り替えが必要ならば、制御サーバ21は、その旨を無線端末10に指示することが可能である。
(4−4)第1実施例の詳細な処理フローその1
以下、図6〜図7を使用して、第1実施例の第1の側面を実施する処理フローについて説明する。図6および図7は、第1実施例において、無線端末10の無線ベアラ接続先を無線LANからセルラー無線系のRATに切り替えるべきか否かの判定動作を図5の無線LANアクセス・ポイント90Bが実行するケースに対応する。なお、以下の説明は、第1実施例が図5のネットワーク構成を前提として実行されると仮定している。
図6のフローチャートの開始時点においては、無線端末10の無線ベアラは無線LANアクセス・ポイント90Bに接続された状態であり、無線端末10のユーザは、サーバ20A〜20Dにより提供される通信サービスを利用しようとする。図6のフローチャートは、まずステップS41の実行から開始する。ステップS41では、無線LANアクセス・ポイント90Bは、無線端末10を宛先とするトラフィックの最初の部分を受信する。このトラフィックは、サーバ20A〜20Dが提供する通信サービスにアクセスしようとする無線端末10が、サーバ20A〜20Dとの間でエンド・ツー・エンド通信するトラフィックである。続いて、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10から上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの通信サービス種別に属するかを識別する。当該トラフィックが属する通信サービス種別を識別する方法の具体例として、上述した(B1)および(B2)の方法などがある。
同時に、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10から上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの情報種別を伝送するかを識別する。当該トラフィックが伝送する情報種別を識別する方法の具体例として、当該トラフィック内において伝送される制御コマンドの種別に基づいて、識別する方法などがある。例えば、当該トラフィック内において伝送される制御コマンドが「Password」コマンドであると仮定する。この場合、当該コマンドのデータ・フィールドやパラメータ情報フィールド内の情報の種別は、ログイン・パスワードや銀行口座の暗証番号のような高いレベルのプライバシ保護を求められる情報種別であると判断できる。ステップS41の上述した処理動作は、図7に示すイベント・フロー図のm1に対応する。
続いて、図6のフローチャートの処理はステップS42に進む。ステップS42では、アクセス・ポイント90Bは、当該識別された通信サービス種別または当該識別された情報種別が無線LANにより提供されるよりも高いレベルのプライバシ保護を必要とするか否かを判断する。無線LANより高いレベルのプライバシ保護を必要とすると判断されるならば、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。以上の説明を別の表現で言い換えるならば、ステップS42では、アクセス・ポイント90Bは、当該識別された通信サービス種別または当該識別された情報種別が無線LANにより提供されるよりも高いセキュリティ機能を必要とするか否かを判断する。無線LANより高いセキュリティ機能を必要とすると判断されるならば、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。LTE網に代表されるセルラー無線系のRATが、無線LANよりも高いセキュリティ機能を提供可能であることは上述したとおりである。ステップS42の上述した処理動作は、図7に示すイベント・フロー図のp1に対応する。
ステップS42において、セルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断された場合には、図6のフローチャートの動作は、ステップS43に進み、そうでなければ、図6のフローチャートの動作は、ステップS45に進む。
図6のフローチャートのステップS43では、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10に対して、無線ベアラの接続をセルラー基地局90Aに切り替えるように指示するリダイレクト・メッセージを送信する。ステップS43の上述した処理動作は、図7に示すイベント・フロー図のm2に対応する。このセルラー基地局90Aは、セルラー無線系RATへの網接続ポイントである。アクセス・ポイント90Bから当該リダイレクト・メッセージを受信した無線端末10は、図6のステップS44において、自端末の無線ベアラをセルラー基地局90Aに切り替える。ステップS44の上述した処理動作は、図7に示すイベント・フロー図のm3に対応する。
図6のステップS45では、無線端末10上が送受信する通信をセルラー無線系のRATに切り替える必要が無いので、無線LANアクセス・ポイント90Bは、そのまま無線端末10との通信を継続する。
(4−5)第1実施例の詳細な処理フローその2
以下、図8〜図9を使用して、第1実施例の第2の側面を実施する処理フローについて説明する。図8および図9は、第1実施例において、無線端末10の無線ベアラ接続先を無線LANからセルラー無線系のRATに切り替えるべきか否かの判定動作を図5の無線端末10が実行するケースに対応する。なお、以下の説明は、第1実施例が図5のネットワーク構成を前提として実行されると仮定している。
図8のフローチャートの開始時点においては、無線端末10の無線ベアラは無線LANアクセス・ポイント90Bに接続された状態であり、無線端末10のユーザは、サーバ20A〜20Dにより提供される通信サービスを利用しようとする。図8のフローチャートは、まずステップS61の実行から開始する。ステップS61では、無線端末10は、自身を宛先とするトラフィックの最初の部分を受信する。このトラフィックは、サーバ20A〜20Dが提供する通信サービスにアクセスしようとする無線端末10が、サーバ20A〜20Dとの間でエンド・ツー・エンド通信するトラフィックである。続いて、無線端末10は、上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの通信サービス種別に属するかを識別する。当該トラフィックが属する通信サービス種別を識別する方法の具体例として、上述した(B1)および(B2)の方法などがある。
同時に、無線端末10は、上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの情報種別を伝送するかを識別する。当該トラフィックが伝送する情報種別を識別する方法の具体例は、図6に関して上述したので、説明を省略する。ステップS61の上述した処理動作は、図9に示すイベント・フロー図のm1に対応する。
続いて、図8のフローチャートの処理はステップS62に進む。ステップS62では、無線端末10は、当該識別された通信サービス種別または当該識別された情報種別が無線LANにより提供されるよりも高いレベルのプライバシ保護を必要とするか否かを判断する。無線LANより高いレベルのプライバシ保護を必要とすると判断されるならば、無線端末10は、自身の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。以上の説明を別の表現で言い換えるならば、ステップS62では、無線端末10は、当該識別された通信サービス種別または当該識別された情報種別が無線LANにより提供されるよりも高いセキュリティ機能を必要とするか否かを判断する。無線LANより高いセキュリティ機能を必要とすると判断されるならば、無線端末10は、自身の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。LTE網に代表されるセルラー無線系のRATが、無線LANよりも高いセキュリティ機能を提供可能であることは上述したとおりである。ステップS62の上述した処理動作は、図9に示すイベント・フロー図のp1に対応する。
ステップS62において、セルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断された場合には、図8のフローチャートの動作は、ステップS63に進み、そうでなければ、図8のフローチャートの動作は、ステップS65に進む。
図8のフローチャートのステップS63では、無線端末10内の制御プロセッサ104は、無線ベアラの接続をセルラー基地局90Aに切り替えるように指示するリダイレクト信号を無線インターフェース102Aおよび無線インターフェース102Bに送信する。ステップS63の上述した処理動作は、図9に示すイベント・フロー図のm2に対応する。このセルラー基地局90Aは、セルラー無線系RATへの網接続ポイントである。無線端末10の制御プロセッサ104から当該リダイレクト・メッセージを受信した無線インターフェース102Aおよび無線インターフェース102Bは、図8のステップS64において、自端末の無線ベアラをセルラー基地局90Aに切り替える。
図8のステップS65では、無線端末10上が送受信する通信をセルラー無線系のRATに切り替える必要が無いので、無線LANアクセス・ポイント90Bは、そのまま無線端末10との通信を継続する。
(4−6)第1実施例の詳細な処理フローその3
以下、図10〜図11を使用して、第1実施例の第3の側面を実施する処理フローについて説明する。図10および図11は、第1実施例において、無線端末10の無線ベアラ接続先を無線LANからセルラー無線系のRATに切り替えるべきか否かの判定動作を図5の「切替指示を行うサーバ21」が実行するケースに対応する。なお、以下の説明は、第1実施例が図5のネットワーク構成を前提として実行されると仮定している。
図10のフローチャートの開始時点においては、無線端末10の無線ベアラは無線LANアクセス・ポイント90Bに接続された状態であり、無線端末10のユーザは、サーバ20A〜20Dにより提供される通信サービスを利用しようとする。図10のフローチャートは、まずステップS81の実行から開始する。ステップS81では、図6のステップS41に対応する処理を図5の切替制御サーバ21上で実行する必要がある。そのため、ステップS81では、図5の切替制御サーバ21は、サーバ20A〜20Dから無線端末10に送信されるトラフィックの最初の部分を受信し、受信した内容を調べなくてはならない。このトラフィックは、サーバ20A〜20Dが提供する通信サービスにアクセスしようとする無線端末10が、サーバ20A〜20Dとの間でエンド・ツー・エンド通信するトラフィックである。しかしながら、通常の場合、無線端末10とサーバ20A〜20Dとの間のエンド・ツー・エンド通信経路は、切替制御サーバ21を経由していない。その一方で、当該エンド・ツー・エンド通信経路は、図5のインターネット網80とモバイルIP網52との間の境界に位置する境界ルータを必ず経由する。さらに、当該境界ルータは、モバイルIPにおいて定義されるホーム・エージェントのように、端末モビリティ管理ノードとしての機能を実装しているのが一般的である(LTE網にあってはP−GW(PDN-Gateway)上に実装されるMME機能などがこれに相当する)。その結果、当該境界ルータは、無線端末10の網接続ポイントの移動やエンド・ツー・エンド通信経路の変動を常にモニタリングすることができる。図5のインターネット網80とセルラー無線系RATのコア網51との間の境界に位置する境界ルータに関しても上記と同様のことが言える。以上から、切替制御サーバ21は、無線端末10とサーバ20A〜20Dとの間で伝送されるトラフィックを、インターネット網80とモバイルIP網52との間の境界ルータから転送してもらうことが可能である。
続いて、切替制御サーバ21は、上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの通信サービス種別に属するかを識別する。当該トラフィックが属する通信サービス種別を識別する方法の具体例として、上述した(B1)および(B2)の方法などがある。
同時に、切替制御サーバ21は、上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの情報種別を伝送するかを識別する。当該トラフィックが伝送する情報種別を識別する方法の具体例は、図6に関して上述したので、説明を省略する。ステップS81の上述した処理動作は、図11に示すイベント・フロー図のm1に対応する。
続いて、図10のフローチャートの処理はステップS82に進む。ステップS82では、切替制御サーバ21は、当該識別された通信サービス種別または当該識別された情報種別が無線LANにより提供されるよりも高いレベルのプライバシ保護を必要とするか否かを判断する。無線LANより高いレベルのプライバシ保護を必要とすると判断されるならば、切替制御サーバ21は、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。以上の説明を別の表現で言い換えるならば、ステップS82では、切替制御サーバ21は、当該識別された通信サービス種別または当該識別された情報種別が無線LANにより提供されるよりも高いセキュリティ機能を必要とするか否かを判断する。無線LANより高いセキュリティ機能を必要とすると判断されるならば、切替制御サーバ21は、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。LTE網に代表されるセルラー無線系のRATが、無線LANよりも高いセキュリティ機能を提供可能であることは上述したとおりである。ステップS82の上述した処理動作は、図11に示すイベント・フロー図のp1に対応する。
ステップS82において、セルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断された場合には、図10のフローチャートの動作は、ステップS83に進み、そうでなければ、図10のフローチャートの動作は、ステップS85に進む。
図10のフローチャートのステップS83では、切替制御サーバ21は、無線ベアラの接続をセルラー基地局90Aに切り替えるように指示するリダイレクト信号を無線端末10に送信する。ステップS83の上述した処理動作は、図11に示すイベント・フロー図のm2に対応する。このセルラー基地局90Aは、セルラー無線系RATへの網接続ポイントである。切替制御サーバ21から当該リダイレクト・メッセージを受信した無線端末10は、図10のステップS84において、自端末の無線ベアラをセルラー基地局90Aに切り替える。ステップS84の上述した処理動作は、図11に示すイベント・フロー図のm3に対応する。
図10のステップS85では、無線端末10上が送受信する通信をセルラー無線系のRATに切り替える必要が無いので、無線LANアクセス・ポイント90Bは、そのまま無線端末10との通信を継続する。
<5>本実施の形態に係る第2実施例
以下、図面を参照しながら本実施の形態に係る第2実施例を説明する。第2実施例に関する以下の説明においては、通信サービスの種別は、無線端末10のユーザが利用するネットワーク・サービスの種別、当該ユーザが使用する通信アプリケーションの種別、および無線端末10がいずれの通信プロトコルを使用していずれのサービス提供元サーバに接続するのかによって異なるものとする。
(5−1)第2実施例を説明するために使用するネットワーク構成
まず最初に、図12を使用して、第2実施例を説明するための概念的な無線ネットワーク構成について説明する。図12の無線ネットワーク構成図は、図3の無線通信システム構成図において、第2実施例の説明のために重要な構成要素を追加すると共に、第2実施例の説明にとって不要な構成要素を省略したものである。
図12のネットワーク構成においては、無線端末(UE)10が、無線アクセス網、コア網およびインターネット網を経由してTCP/IPに基づくエンド・ツー・エンド通信を行うサーバ20の具体例として、HTTP(Hyper-Text Transfer Protocol)によりWebページ閲覧やテキスト・データの読み出しや書き込みが可能なWebベースの掲示板サイト20E、通常の動画ストリーミング・サーバ20F、VoIPアプリケーション・サーバ20GおよびOTT(Over The Top)アプリケーション・サーバ20Hが描かれている。動画ストリーミング・サーバ20Fは、上りリンク上での動画視聴リクエストに応じて、下りリンク上でのリクエストされた動画像のストリーミングが可能なサーバである。VoIPアプリケーション・サーバ20Gは、企業向けIP電話やIP電話会議システムなどのように、VoIPに基づいてIP電話による通話サービスを無線端末10と通信相手端末との間に提供する。OTT(Over The Top)アプリケーション・サーバ20Hは、無線端末(UE)10と通信相手端末との間で無線網を介してVoIP通話アプリケーション(Line(登録商標)やSkype(登録商標)など)を実行するのに必要な通信制御サービスを提供する。
また、図12のネットワーク構成においては、無線端末10が、コア網51およびモバイルIP網52とそれぞれ無線接続するための網接続ポイントとして、基地局(eNodeB)90A、および無線LANアクセス・ポイント(AP)90Bが描かれている。基地局(eNodeB)90Aは、本来的には、コア網51を構成する一部である。同様に、無線LANアクセス・ポイント(AP)90Bは、本来的には、モバイルIP網52を構成する一部である。
(5−2)第2実施例が解決する第1の問題点
図12のサーバ20E〜20Hによって提供される上述した通信サービスへのエンド・ツー・エンド接続が経由する基地局、アクセス・ポイント、無線アクセス網、コア網またはISP網などは、無線端末10が無線ベアラを介してどのRATに接続しているかに応じて異なる。しかしながら、上述した基地局、アクセス・ポイント、無線アクセス網、コア網またはISP網などは、特定の通信サービスへのエンド・ツー・エンド接続を制限したり、特定の通信サービスに属するトラフィックの伝送を規制したりしている場合がある。このような接続制限やトラフィック規制は、基地局装置やアクセス・ポイント装置に設定された動作設定内容または無線アクセス網やISP網に対して設定された網運用ポリシーなどにより規定されることが多い。網運用管理者は、無線網内で運用される各種通信サービスのセキュリティ管理ポリシーやトラフィック管理ポリシーなどを考慮してこのような制限を基地局装置やISP網などに適用する。
以上から、無線端末10が無線ベアラ接続をどのRATに切り替えて通信しているかに応じて、無線端末10からの接続が制限されている特定のネットワーク・サービスやWebサイトが互いに異なる。また、無線端末10が無線ベアラ接続をどのRATに切り替えて通信しているかに応じて、無線端末10からのトラフィック送受信を規制される通信サービス種別が互いに異なる。
例えば、サーバ20Eなどにより提供される掲示板サービスは、無線端末10からユーザが入力した書き込みを、無線LANを経由して掲示板に書き込むことを制限している場合がある。つまり、無線ベアラ接続先のRATを無線LANに切り替えている無線端末10が、サーバ20E上で提供される掲示板サービスにエンド・ツー・エンド接続し、ユーザからの書き込まれたデータを書き込もうとする場合、当該エンド・ツー・エンド接続は拒否される。何故ならば、無線LANは匿名性が高い通信が可能なRATであり、法に抵触するような内容をユーザが匿名で掲示板に書き込む行為を惹起する蓋然性があるからである。
また例えば、サーバ20Fなどにより提供される動画像ストリーミング・サービスは、各エンド・ツー・エンド通信経路内を流れるトラフィック・フローに対してトラフィック規制を適用する場合がある。トラフィック規制率が100%の状態とは、対応する通信経路上でのトラフィックの伝送が無線端末10に対して一切許可されない状態である。また、トラフィック規制率が0%の状態とは、対応する通信経路上での無線端末10によるトラフィック伝送が全く規制されない状態である。また、トラフィック規制率50%の状態とは、対応する通信経路上で無線端末10が通信しようとするトラフィック流量のうち、50%の流量だけが対応する通信経路上での伝送を許可されている状態である。
このようなトラフィック規制を必要に応じて各通信経路を流れるトラフィックに適用しないと、無線網を構成するコア網や無線アクセス網内で予期せぬ輻輳状態が発生した場合に、この輻輳状態を軽減または抑制することを無線網側の制御によって行うことが難しくなる。より具体的には、各エンド・ツー・エンド通信経路内を流れるトラフィック・フローが、当該トラフィック・フローに割り当てられた通信リソースに見合った以上のトラフィック量を流そうとすると、以下に例示するような問題を生じる。第1に、あるトラフィック・フローが自身に割り当てられた通信リソースに見合った以上のトラフィック量を流すことにより、同一の通信経路を通る他のトラフィック・フローの通信リソースが横取りされる可能性がある。この場合における通信リソースの横取りは、上述した他のトラフィック・フローにおけるQoSを低下させるという問題を生じ得る。第2に、各通信経路を流れる各トラフィック・フローが、無線網側のポリシー制御によって事前に割り当てられた通信リソースに見合うトラフィック量を遵守しないことにより、無線網側のポリシー制御によって想定されていたコア網内のトラフィック負荷分散計画が崩れる可能性がある。このようなトラフィック負荷分散計画は、ネットワーク運用管理者側の知見に基づいて、無線網内で発生する可能性のある輻輳状態を適切に制御する意味からも重要である。
さらに、各トラフィック・フローに対して適用されるべき上述したトラフィック規制は、無線網内を流れる多数のトラフィック・フローの各々について、トラフィック・フロー固有のQoS要件を考慮して実施されるべきである。この場合、トラフィック・フロー固有のQoS要件は、各トラフィック・フローが関係する通信アプリケーション種別(VoIP、ビデオ・ストリーミング、ファイル転送等)によって特徴付けられる。従って、各トラフィック・フローに対して適用されるべき上述したトラフィック規制を実施する際には、トラフィック・フロー毎のトラフィック規制の度合いに関して通信アプリケーション種別毎に異なった調整がなされなくてはならない。
上述した点に鑑みて、以下のことが言える。無線端末10が無線LANのアクセス・ポイント90Bを無線ベアラの接続先としており、サーバ20E〜20Hにより提供される通信サービスについて、セルラー無線系のRATを介した通信に対する接続規制やトラフィック規制がされていないと仮定する。この場合、無線端末10は、以下の動作を実行することが必要となる。すなわち、図12において、無線端末10は、無線ベアラの接続先を基地局90Aに切り替えなくてはならない。何故なら、無線端末10は、サーバ20E〜20Hにより提供される通信サービスを利用するために、無線端末10とこれらのサーバとの間で接続制限や送受信するトラフィックの規制がされていないRATを無線アクセス手段として使用しなくてはならないからである。すなわち、無線端末10は、LTE網のようなセルラー無線系のRATを介してサーバ20E〜20Hとエンド・ツー・エンド通信するために、基地局90Aに無線ベアラ接続を切り替えた上で、動画像ストリーミング、VoIP通話または掲示板への書き込みなどを実行しなくてはならない。
また、無線端末10とサーバ20E〜20Hとの間の上述した接続制限や送受信トラフィックの規制は、無線網側の運用管理方針によって課されるものだけとは限らない。例えば、無線端末10とサーバ20E〜20Hにおいて通信サービスを実装する通信アプリケーションが、IP−VPNやSSLなどのアプリケーション層レベルのセキュリティ通信機構を使用した通信しかサポートしていない場合について考える。また同時に、無線端末10は、セルラー無線系のRATの配下にある基地局90Aを無線ベアラの接続先としており、通信サービスの利用のために、IP−VPNやSSLに対応した接続のみを受け付ける通信アプリケーションを使用しなくてはならないと仮定する。この場合、セルラー無線系のRATを構成するコア網51は、IP−VPNの実行に必要とされるIPトンネリングをサポートしていなかったり、HTTP接続時にSSLによる鍵交換手順を実行できなかったりする場合がある。従って、このような場合には、無線端末10は、無線LANを介してサーバ20E〜20Hとエンド・ツー・エンド通信するために、無線アクセス・ポイント90Bに無線ベアラ接続を切り替えた上で、上述した通信アプリケーションを実行しなくてはならない。
(5−3)第2実施例が解決する第2の問題点
メール・サーバ20Fが提供する動画ストリーミング・サービスやサーバ20Gおよびサーバ20Hが提供するVoIP通話サービスなどを利用する端末側において円滑で安定した品質の動画再生や音声再生を行うためには、通信経路上において一定以上の実効スループットが達成されることが必要となる。同時に、上述した動画ストリーミング・サービスやVoIP通話サービスなどを利用する端末側において円滑で安定した品質の動画再生や音声再生を行うためには、トランスポート層レベルの通信セッションに対して割り当てられる通信帯域幅や通信遅延がQoSとして保証されていなくてはならない。そのため、無線端末10が上述した通信サービスを利用するために接続するRATは、上述した通信サービスによって必要とされる充分な実効スループットや充分なQoS保証機能をサポートしなくてはならない。具体的には、無線端末10が上述した通信サービスを円滑に利用するためには、無線端末10と図12のサーバ20F〜20Hの各々との間のエンド・ツー・エンド通信経路を構成するRATは、一定以上の実効スループットを達成可能であることが必要とされる。同時に、無線端末10と図12のサーバ20F〜20Hの各々との間のエンド・ツー・エンド通信経路を構成するRATは、通信セッションに割り当てられる通信帯域幅や通信遅延を保証可能なQoS保証機能をサポートすることが必要とされる。
具体例により説明すると以下のとおりである。LTE網が実装するQoS機構「3GPP TS 23.203 Policy and charging control architecture」においては、9段階に分かれたキメ細かいQoSレベルの制御が可能である。同時に、当該QoS機構が提供するGBRサービス・クラスは、単なるトラフィック・フロー間の優先制御とは異なり、通信アプリケーションに事前に割り当てた通信リソースを保証すること(例えば、帯域幅保証機能)が可能である。これに対して、IEEE802.11e無線LANのEDCAが実装するQoS機構はQoSレベルが4段階にしか分かれておらず、当該QoS機構は当該4段階に分かれたQoSレベル間での優先制御を実行するだけである。IEEE802.11e無線LANが実装するQoS機構として、LTE網におけるGBRのような帯域幅保証機能を有するHCCAも存在するが、HCCAをサポートする無線LAN設備は殆ど普及しておらず、UE側もHCCAに対応していなければHCCAに基づく帯域保証機能を利用できないため、無線LANにおいては、帯域幅保証機能は事実上ほとんど利用できない。
以上より、無線端末10が無線LANのアクセス・ポイント90Bを無線ベアラの接続先としている場合には、無線端末10は、以下の動作を実行することが必要となる。すなわち、図12において、無線端末10が充分な実効スループットや充分なQoS保証機能をサポートするRATを無線アクセス手段として動画像ストリーミングやVoIP通話を実行するために、無線端末10は、基地局90Aに接続を切り替えなくてはならない。すなわち、無線端末10は、LTE網のようなセルラー無線系のRATを介してサーバ20E〜20Hとエンド・ツー・エンド通信するために、基地局90Aに無線ベアラ接続を切り替えた上で、動画像ストリーミングやVoIP通話を実行しなくてはならない。
(5−4)第2実施例の概要
以下、図12のネットワーク構成を前提として、第1実施例の概要を説明する。第1実施例に関する以下の説明においては、通信サービスの種別は、無線端末10のユーザが利用するネットワーク・サービスの種別、当該ユーザが使用する通信アプリケーションの種別、および無線端末10がいずれの通信プロトコルを使用していずれのサービス提供元サーバに接続するのかによって異なるものとする。
第2実施例は、無線ベアラを無線LANに接続している無線端末10が送受信しているトラフィックが属する通信サービス種別を識別し、当該識別された通信サービス種別が上述した接続制限やトラフィック規制の対象とされているか否かを判断する。対象とされている判断されるならば、第2実施例は、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替え、それに伴って、当該通信サービス種別に属するトラフィックを切り替え先のRATにリダイレクトする。すなわち、第2実施例は、無線LANを接続先RATとして無線端末10がエンド・ツー・エンド通信する通信サービス種別が上述した接続制限やトラフィック規制の対象とされているか否かを識別する。上述した接続制限の対象とされている場合には、無線端末10は、自端末がアクセスしようとする通信サービスに無線接続するためのRATを、無線LANからセルラー無線系のRATに切り替えることにより、接続制限が課されていないRATを経由して通信サービスに接続する。上述したトラフィック規制の対象とされている場合には、無線端末10は、無線ベアラ接続先を、無線LANからセルラー無線系のRATに切り替えることにより、トラフィック規制が課されていないRATを経由して通信サービスに接続する。
また、第2実施例は、無線ベアラを無線LANに接続している無線端末10が送受信しているトラフィックが属する通信サービス種別を識別し、当該識別された通信サービス種別が、セルラー無線網により提供されるよりも高い実効スループットを必要とするか否かを判断する。高い実効スループットを必要とすると判断されるならば、第2実施例は、無線端末10の無線ベアラ接続を無線LANに切り替え、それに伴って、当該通信サービス種別に属するトラフィックを切り替え先のRATにリダイレクトする。すなわち、第2実施例は、セルラー無線系のRATを接続先として無線端末10が送受信するトラフィックが属する通信サービス種別が、セルラー無線網により提供されるよりも高い実効スループットを必要とするか否かを識別する。必要とされる場合には、無線端末10は、無線ベアラ接続先を、実効スループットが不十分なセルラー無線系のRATから高い実効スループットで通信できる無線LANに切り替える。
また、第2実施例は、無線ベアラを無線LANに接続している無線端末10が送受信しているトラフィックが属する通信サービス種別を識別し、当該識別された通信サービス種別が無線LANにより提供されるよりも高いQoS保証機能を必要とするか否かを判断する。高いQoS保証機能を必要とすると判断されるならば、第2実施例は、無線端末10の無線ベアラ接続をセルラー無線系のRATに切り替え、それに伴って、当該通信サービス種別に属するトラフィックを切り替え先のRATにリダイレクトする。すなわち、第2実施例は、無線LANを接続先として無線端末10が送受信するトラフィックが属する通信サービス種別が、無線LANにより提供されるよりも高いQoS保証機能を必要とするか否かを識別する。必要とされる場合には、無線端末10は、無線ベアラ接続先を、QoS保証機能が低い無線LANから高いQoS保証機能を使用して通信できるセルラー無線系のRATに切り替える。
以上において説明した第2実施例の様々な態様において、無線端末10が送受信しているトラフィックが属する通信サービス種別を識別する方法の具体例として、上述した(B1)および(B2)の方法がある。
(5−5)第2実施例の詳細な処理フローその1
以下、図13〜図14を使用して、第2実施例の第1の側面を実施する処理フローについて説明する。図13および図14は、第2実施例において、無線端末10の無線ベアラ接続先を無線LANとセルラー無線系のRATとの間で切り替えるべきか否かの判定動作を図12のセルラー基地局90Aまたは無線LANアクセス・ポイント90Bが実行するケースに対応する。図13および図14に示す動作フローにおいて、無線端末10の無線ベアラがセルラー基地局90Aを介してセルラー無線網に接続されている場合、セルラー基地局90Aが上述した判定動作を実行する。無線端末10の無線ベアラが無線LANアクセス・ポイント90Bを介して無線LANに接続されている場合、無線LANアクセス・ポイント90Bが上述した判定動作を実行する。なお、以下の説明は、第2実施例が図12のネットワーク構成を前提として実行されると仮定している。
図13のフローチャートの開始時点においては、無線端末10のユーザは、サーバ20E〜20Hにより提供される通信サービスを利用しようとする。図13のフローチャートは、まずステップS111の実行から開始する。ステップS111では、無線LANアクセス・ポイント90Bは、無線端末10を宛先とするトラフィックの最初の部分を受信する。このトラフィックは、サーバ20E〜20Hが提供する通信サービスにアクセスしようとする無線端末10が、サーバ20E〜20Hとの間でエンド・ツー・エンド通信するトラフィックである。続いて、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10から上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの通信サービス種別に属するかを識別する。当該トラフィックが属する通信サービス種別を識別する方法の具体例として、上述した(B1)および(B2)の方法などがある。ステップS111の上述した処理動作は、図14に示すイベント・フロー図のm1に対応する。
続いて、図13のフローチャートの処理はステップS112に進む。ステップS112では、セルラー基地局90Aまたはアクセス・ポイント90Bは、当該識別された通信サービス種別が以下に該当するか否かを判断する。
(C1)所与の通信サービス種別に関し、通信サービス提供元のサーバ20に対して、無線端末10から、無線ベアラを介して現在接続中のRATを経由したエンド・ツー・エンドの接続が制限されている。
(C2)所与の通信サービス種別に関し、通信サービス提供元のサーバ20に対して、無線端末10から、無線ベアラを介して現在接続中のRATを介して伝送されるトラフィックが規制されている。
(C3)当該識別された通信サービス種別が、無線ベアラを介して現在接続中のRATにより提供されるよりも高いレベルのQoS保証機能を必要とするか否かを判断する。
(C4)当該識別された通信サービス種別が、無線ベアラを介して現在接続中のRATにより提供されるよりも高いレベルのQoS保証機能を必要とするか否かを判断する。
例えば、無線端末10の無線ベアラは、無線LANと接続中であり、無線LANを経由した通信サービスへのエンド・ツー・エンド接続やトラフィック伝送が上記(C1)または(C2)で述べた接続制限やトラフィック規制の対象とされていると仮定する。この場合、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。
また、例えば、無線端末10の無線ベアラが無線LANと接続中である場合、アクセス・ポイント90Bは、当該識別された通信サービス種別が無線LANにより提供されるよりも高いQoS保証機能を必要とするか否かを判断する。無線LANより高いQoS保証機能を必要とすると判断されるならば、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。LTE網に代表されるセルラー無線系のRATが、無線LANよりも高いQoS保証機能を提供可能であることは上述したとおりである。
また、例えば、無線端末10の無線ベアラがセルラー基地局90Aを介してセルラー無線網と接続中である場合、セルラー基地局90Aは、当該識別された通信サービス種別がセルラー無線網により提供されるよりも高い実効スループットを必要とするか否かを判断する。セルラー無線網より高い実効スループットを必要とすると判断されるならば、セルラー基地局90Aは、無線端末10の無線ベアラ接続を無線LANに切り替える必要が有ると判断する。何故ならば、一般的に言って、無線LANは、LTE網に代表されるセルラー無線系のRATよりも高い実効スループットを提供可能だからである。ステップS112の上述した処理動作は、図14に示すイベント・フロー図のp1に対応する。
ステップS112において、無線接続先をセルラー無線系のRATおよび無線LANとの間で接続先を切り替える必要が有ると判断された場合には、図13のフローチャートの動作は、ステップS113に進み、そうでなければ、図13のフローチャートの動作は、ステップS115に進む。
図13のフローチャートのステップS113では、セルラー基地局90Aまたはアクセス・ポイント90Bは、無線端末10に対して、無線ベアラの接続先のRATを切り替えるように指示するリダイレクト・メッセージを送信する。ステップS113の上述した処理動作は、図14に示すイベント・フロー図のm2に対応する。セルラー基地局90Aまたはアクセス・ポイント90Bから当該リダイレクト・メッセージを受信した無線端末10は、図13のステップS114において、自端末の無線ベアラをリダイレクト・メッセージで指示された切替先のRATに切り替える。ステップS114の上述した処理動作は、図14に示すイベント・フロー図のm3に対応する。
図13のステップS115では、無線端末10上が送受信する通信をRAT間で切り替える必要が無いので、セルラー基地局90Aまたは無線LANアクセス・ポイント90Bは、そのまま無線端末10との通信を継続する。
(5−6)第2実施例の詳細な処理フローその2
以下、図15〜図16を使用して、第2実施例の第2の側面を実施する処理フローについて説明する。図15および図16は、第2実施例において、無線端末10の無線ベアラ接続先を無線LANとセルラー無線系のRATとの間で切り替えるべきか否かの判定動作を図12の無線端末10が実行するケースに対応する。なお、以下の説明は、第1実施例が図12のネットワーク構成を前提として実行されると仮定している。
図15のフローチャートの開始時点においては、無線端末10のユーザは、サーバ20E〜20Hにより提供される通信サービスを利用しようとする。図15のフローチャートは、まずステップS131の実行から開始する。ステップS131では、無線端末10は、自身を宛先とするトラフィックの最初の部分を受信する。このトラフィックは、サーバ20E〜20Hが提供する通信サービスにアクセスしようとする無線端末10が、サーバ20E〜20Hとの間でエンド・ツー・エンド通信するトラフィックである。続いて、無線端末10は、上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの通信サービス種別に属するかを識別する。当該トラフィックが属する通信サービス種別を識別する方法の具体例として、上述した(B1)および(B2)の方法などがある。ステップS131の上述した処理動作は、図16に示すイベント・フロー図のm1に対応する。
続いて、図15のフローチャートの処理はステップS132に進む。ステップS132では、無線端末10は、当該識別された通信サービス種別が上述した(C1)〜(C4)のいずれかに該当するか否かを判断する。
例えば、無線端末10の無線ベアラは、無線LANと接続中であり、無線LANを経由した通信サービスへのエンド・ツー・エンド接続やトラフィック伝送が上記(C1)または(C2)で述べた接続制限やトラフィック規制の対象とされていると仮定する。この場合、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。
また、例えば、無線端末10の無線ベアラが無線LANと接続中である場合、アクセス・ポイント90Bは、当該識別された通信サービス種別が無線LANにより提供されるよりも高いQoS保証機能を必要とするか否かを判断する。無線LANより高いQoS保証機能を必要とすると判断されるならば、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。LTE網に代表されるセルラー無線系のRATが、無線LANよりも高いQoS保証機能を提供可能であることは上述したとおりである。
また、例えば、無線端末10の無線ベアラがセルラー基地局90Aを介してセルラー無線網と接続中である場合、セルラー基地局90Aは、当該識別された通信サービス種別がセルラー無線網により提供されるよりも高い実効スループットを必要とするか否かを判断する。セルラー無線網より高い実効スループットを必要とすると判断されるならば、セルラー基地局90Aは、無線端末10の無線ベアラ接続を無線LANに切り替える必要が有ると判断する。何故ならば、一般的に言って、無線LANは、LTE網に代表されるセルラー無線系のRATよりも高い実効スループットを提供可能だからである。ステップS132の上述した処理動作は、図16に示すイベント・フロー図のp1に対応する。
また、別の代替的な実施態様においては、無線端末10は、図15のフローチャート実行開始時に無線ベアラを接続していたRATを経由してインターネット網80内のサーバ20が提供する通信サービスへの接続を試行する。その上で、接続タイムアウトまたは接続エラーにより試行された接続が失敗したならば、無線端末10は、セルラー無線系のRATと無線LANの間で接続先を切り替える必要が有ると判断するようにしてもよい。
ステップS132において、セルラー無線系のRATと無線LANの間で接続先を切り替える必要が有ると判断された場合には、図15のフローチャートの動作は、ステップS133に進み、そうでなければ、図15のフローチャートの動作は、ステップS135に進む。
図15のフローチャートのステップS133では、無線端末10内の制御プロセッサ104は、無線ベアラの接続先となるRATを切り替えるように指示するリダイレクト信号を無線インターフェース102Aおよび無線インターフェース102Bに送信する。ステップS133の上述した処理動作は、図16に示すイベント・フロー図のm2に対応する。無線端末10の制御プロセッサ104から当該リダイレクト・メッセージを受信した無線インターフェース102Aおよび無線インターフェース102Bは、図8のステップS134において、自端末の無線ベアラをリダイレクト・メッセージにより接続先として指示されたRATに切り替える。
図15のステップS135では、無線端末10上が送受信する通信をRAT間で切り替える必要が無いので、セルラー基地局90Aまたは無線LANアクセス・ポイント90Bは、そのまま無線端末10との通信を継続する。
(5−7)第2実施例の詳細な処理フローその3
以下、図17〜図18を使用して、第2実施例の第3の側面を実施する処理フローについて説明する。図17および図18は、第2実施例において、無線端末10の無線ベアラ接続先を無線LANとセルラー無線系のRATとの間で切り替えるべきか否かの判定動作を図12の「切替指示を行うサーバ21」が実行するケースに対応する。なお、以下の説明は、第2実施例が図12のネットワーク構成を前提として実行されると仮定している。
図17のフローチャートの開始時点においては、無線端末10のユーザは、サーバ20E〜20Hにより提供される通信サービスを利用しようとする。図17のフローチャートは、まずステップS151の実行から開始する。ステップS151では、図6のステップS41に対応する処理を図12の切替制御サーバ21上で実行する必要がある。そのため、ステップS151においては、図12の切替制御サーバ21は、サーバ20E〜20Hから無線端末10に送信されるトラフィックの最初の部分を受信し、受信した内容を調べなくてはならない。このトラフィックは、サーバ20E〜20Hが提供する通信サービスにアクセスしようとする無線端末10が、サーバ20E〜20Hとの間でエンド・ツー・エンド通信するトラフィックである。しかしながら、通常の場合、無線端末10とサーバ20E〜20Hとの間のエンド・ツー・エンド通信経路は、切替制御サーバ21を経由していない。その一方で、当該エンド・ツー・エンド通信経路は、図12のインターネット網80とモバイルIP網52との間の境界に位置する境界ルータを必ず経由する。さらに、当該境界ルータは、モバイルIPにおいて定義されるホーム・エージェントのように、端末モビリティ管理ノードとしての機能を実装しているのが一般的である(LTE網にあってはP−GW(PDN-Gateway)上に実装されるMME機能などがこれに相当する)。その結果、当該境界ルータは、無線端末10の網接続ポイントの移動やエンド・ツー・エンド通信経路の変動を常にモニタリングすることができる。図12のインターネット網80とセルラー無線系RATのコア網51との間の境界に位置する境界ルータに関しても上記と同様のことが言える。以上から、切替制御サーバ21は、無線端末10とサーバ20E〜20Hとの間で伝送されるトラフィックを、インターネット網80とモバイルIP網52との間の境界ルータから転送してもらうことが可能である。
続いて、切替制御サーバ21は、上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの通信サービス種別に属するかを識別する。当該トラフィックが属する通信サービス種別を識別する方法の具体例として、上述した(B1)および(B2)の方法などがある。
同時に、切替制御サーバ21は、上述のとおり受信したトラフィックの最初の部分を解析することにより、当該トラフィックがいずれの情報種別を伝送するかを識別する。当該トラフィックが伝送する情報種別を識別する方法の具体例は、図6に関して上述したので、説明を省略する。ステップS151の上述した処理動作は、図18に示すイベント・フロー図のm1に対応する。
続いて、図17のフローチャートの処理はステップS152に進む。ステップS152では、切替制御サーバ21は、当該識別された通信サービス種別が上述した(C1)〜(C4)のいずれかに該当するか否かを判断する。
例えば、無線端末10の無線ベアラは、無線LANと接続中であり、無線LANを経由した通信サービスへのエンド・ツー・エンド接続やトラフィック伝送が上記(C1)または(C2)で述べた接続制限やトラフィック規制の対象とされていると仮定する。この場合、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。
また、例えば、無線端末10の無線ベアラが無線LANと接続中である場合、アクセス・ポイント90Bは、当該識別された通信サービス種別が無線LANにより提供されるよりも高いQoS保証機能を必要とするか否かを判断する。無線LANより高いQoS保証機能を必要とすると判断されるならば、アクセス・ポイント90Bは、無線端末10の無線ベアラ接続をLTE網に代表されるセルラー無線系のRATに切り替える必要が有ると判断する。LTE網に代表されるセルラー無線系のRATが、無線LANよりも高いQoS保証機能を提供可能であることは上述したとおりである。
また、例えば、無線端末10の無線ベアラがセルラー基地局90Aを介してセルラー無線網と接続中である場合、セルラー基地局90Aは、当該識別された通信サービス種別がセルラー無線網により提供されるよりも高い実効スループットを必要とするか否かを判断する。セルラー無線網より高い実効スループットを必要とすると判断されるならば、セルラー基地局90Aは、無線端末10の無線ベアラ接続を無線LANに切り替える必要が有ると判断する。何故ならば、一般的に言って、無線LANは、LTE網に代表されるセルラー無線系のRATよりも高い実効スループットを提供可能だからである。ステップS152の上述した処理動作は、図18に示すイベント・フロー図のp1に対応する。
ステップS152において、セルラー無線系のRATと無線LANとの間で接続先を切り替える必要が有ると判断された場合には、図17のフローチャートの動作は、ステップS153に進み、そうでなければ、図17のフローチャートの動作は、ステップS155に進む。
図17のフローチャートのステップS153では、切替制御サーバ21は、無線ベアラの接続をセルラー基地局90Aとアクセス・ポイント90Bとの間で切り替えるように指示するリダイレクト信号を無線端末10に送信する。ステップS153の上述した処理動作は、図18に示すイベント・フロー図のm2に対応する。切替制御サーバ21から当該リダイレクト・メッセージを受信した無線端末10は、図17のステップS154において、自端末の無線ベアラをリダイレクト・メッセージにより接続先として指示されたにRATに切り替える。ステップS154の上述した処理動作は、図18に示すイベント・フロー図のm3に対応する。
図17のステップS155では、無線端末10上が送受信する通信をRAT間で切り替える必要が無いので、セルラー基地局90Aまたは無線LANアクセス・ポイント90Bは、そのまま無線端末10との通信を継続する。
<6>その他の実施形態
図5および図12に示した切替制御サーバ21は、国際標準化団体3GPPが3GPP Specification TS24.312において規定するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)機能を実装したポリシー制御サーバとすることが出来る。その場合、第1実施例および第2実施例の第3の側面として図8および図17を使用して説明した処理フローにおいては、ANDSFに基づくポリシー制御サーバとしての機能を具備する切替制御サーバ21は、無線端末10に対して設定すべきポリシーを無線端末10に配信することが出来る。当該ポリシーは、無線端末10が同時利用可能な一つ以上のRATの中から、無線ベアラを切り替えるべきRATを指示する機器設定ポリシーである。当該ポリシーを受信した無線端末10は、自身に設定された当該ポリシーを実施するために、当該ポリシーにより無線ベアラ接続先として指示されたRATに無線接続を切り替える。
また、図5〜図18を使用して上述した第1実施例および第2実施例においては、サーバ20と無線端末10との間でエンド・ツー・エンド通信されるトラフィックはコネクションレスのトランスポート層(UDPなど)を使用して伝送されることを前提としていた。しかしながら、上述した第1実施例および第2実施例においては、サーバ20と無線端末10との間でエンド・ツー・エンド通信されるトラフィックは、TCPのようなコネクション設定型のトランスポート層プロトコルを使用して伝送されることも可能である。この場合、図6のステップS41などにおいて、受信したトラフィックの特徴から当該トラフィックが属する通信サービス種別を識別する処理は、サーバ20を接続先とする無線端末10からのTCPコネクションの設定時に、コネクション設定コマンドに含まれる情報を使用して実行されても良い。
本発明は、複数の異なる種類の無線接続手段を同時利用可能な移動無線端末において、無線網側において利用可能な多種多様な回線接続を効率的に利用し、通信サービス品質および通信スループットを改善するための無線通信制御ソフトウェアまたは無線通信制御装置として利用することが出来る。
10 無線端末
20 無線端末にネットワーク・サービスを提供するサーバ
30 無線ベアラ
40 無線アクセス網
51 コア網
52 コア網
61 コア網ゲートウェイ
62 コア網ゲートウェイ
71 外部接続ゲートウェイ
72 外部接続ゲートウェイ
80 インターネット網
90A セルラー基地局
90B 無線LANアクセス・ポイント
101 アンテナ
102 無線インターフェース
103 メモリ
104 制御プロセッサ
105 ユーザ入出力装置
106 ストレージ
107 バス

Claims (10)

  1. 無線端末が選択的に接続する第1と第2の無線網の間で接続を切り替えるように、切替制御装置が前記無線端末に指示する方法であって:
    前記第1の無線網上で受信したトラフィックの特徴を識別するステップ;
    前記識別した特徴に基づいて、前記第2の無線網がサポートするセキュリティ機能を使用して前記トラフィックを受信する必要性の有無を判断するステップであって、前記第2の無線網は前記第1の無線網よりも高いセキュリティ機能をサポートする、ステップ;および、
    前記必要性が有るならば、前記トラフィックの残りを受信するために、前記接続を前記第2の無線網に切り替えるよう前記無線端末に指示するステップ;
    を備える、方法。
  2. 前記トラフィックの特徴を前記識別するステップは、
    前記トラフィックを構成するパケットのヘッダ情報、前記トラフィックを伝送するセッションが接続される前記無線端末上のポート番号または前記トラフィックが伝送する制御コマンドの種別に基づいて、前記トラフィックの伝送に使用するプロトコル種別、前記トラフィックが伝送する情報種別、または前記トラフィックが属する通信アプリケーション種別を識別するステップを備える、
    ことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記必要性の有無は、前記識別されたプロトコル種別、前記識別された情報種別、または前記識別された通信アプリケーション種別により要求されるセキュリティ水準が、前記第2の無線網がサポートするセキュリティ機能を必要とするか否かに基づいて判断される、
    ことを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 無線端末が選択的に接続する第1と第2の無線網の間で接続を切り替えるように、切替制御装置が前記無線端末に指示する方法であって:
    前記第1の無線網上で受信したトラフィックの特徴を識別するステップ;
    前記識別した特徴に基づいて、前記第2の無線網がサポートする実効スループットまたはQoS保証機能を使用して前記トラフィックを受信する必要性の有無を判断するステップであって、前記第2の無線網は前記第1の無線網よりも高い実効スループットまたはQoS保証機能をサポートする、ステップ;および、
    前記必要性が有るならば、前記トラフィックの残りを受信するために、前記接続を前記第2の無線網に切り替えるよう前記無線端末に指示するステップ;
    を備える、方法。
  5. 前記必要性の有無は、前記識別されたプロトコル種別、前記識別された情報種別、または前記識別された通信アプリケーション種別により要求されるQoS要件または実効スループットが、前記第2の無線網がサポートするQoS機能または通信帯域幅を必要とするか否かに基づいて判断される、
    ことを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 無線端末が選択的に接続する第1と第2の無線網の間で接続を切り替えるように、切替制御装置が前記無線端末に指示する方法であって:
    前記第1の無線網上で受信したトラフィックの特徴を識別するステップ;
    前記識別した特徴に基づいて、規制の有無を判断するステップであって、前記規制は、前記無線端末から前記第1の無線網を経由した網サービスへのアクセス試行またはトラフィック伝送に対して前記第1の無線網により適用される、ステップ;および、
    前記必要性が有るならば、前記トラフィックの残りを受信するために、前記規制を適用しない前記第2の無線網に前記接続を切り替えるよう前記無線端末に指示するステップ;
    を備える、方法。
  7. 前記必要性の有無は、前記識別されたプロトコル種別、前記識別された情報種別、または前記識別された通信アプリケーション種別により要求される通信プロトコル互換性が、前記第2の無線網がサポートする通信プロトコル構成を必要とするか否かに基づいて判断される、
    ことを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 前記切替制御装置は、前記無線端末内の制御部、前記無線端末が接続する前記第1の無線網内の基地局または前記第1と第2の無線網が接続する広域網内に設置された制御サーバのいずれかであることを特徴とする、請求項1乃至7記載の方法。
  9. 前記制御サーバは、接続の切り替え先として前記第2の無線網を指定する機器設定ポリシーを前記無線端末に設定することにより、前記第2の無線網への接続の切り替えを前記無線端末に指示するポリシー制御サーバである、
    ことを特徴とする、請求項8記載の方法。
  10. 請求項1記載、請求項4または請求項6のいずれか一項に記載の方法を実行する切替制御装置。
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