JP2014235043A - 検査器具、検査システム、および検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、試料の形態的または機能的特長に関する補助情報を多重的に、且つ基準情報と照合性と良く取得するための器具および検査方法を提供することを目的とする。【解決手段】 試料保持部における光検出が可能なように光学窓が配置された検査器具を用いて、三次非線形ラマン散乱顕微鏡による計測と、染色等の薬剤処理と、通常光学顕微鏡による計測とを、検査器具を開閉することなく連続的に実施することにより、染色結果に基づく基準情報に加え、試料の形態的または機能的特長に関する補助情報をより多重的に、且つ基準情報と照合性良く標本から取得することが可能となる。【選択図】 図1

Description

本発明は、試料を保持した状態で薬剤処理と光学的観察とを行うための検査器具、およびこれを用いた検査方法に関する。
病院施設や研究機関では肉眼や光学顕微鏡、電子顕微鏡等による生体観察が広く実施されている。特に、癌性腫瘍や前癌病変、その他の疾患を疑われる患者から採取した検体を、顕微鏡を用いて観察し、病変の有無や種類、状態等を判定する病理診断は重要な医行為として知られる。
病理診断用標本は、組織の薄片や細胞等の検体をスライドガラスに付着させ、染色処理を施し、それらを封入剤およびカバーガラスで被覆して作製される。染色処理は観察者による検体の形態的特徴や機能的特徴の検索を容易にする為に行われ、組織診ではヘマトキシリン−エオジン染色(HE染色)、細胞診ではパパニコロウ染色等が標準的染色法として広く利用されている。更に診断上の必要から追加的な補助情報を取得する為に、特殊染色法や免疫染色法といった染色法や、種々の機器分析等を適用する場合もある。
以下、標準的染色法を用いて取得された情報を「基準情報」と呼称するが、病理診断において、各種補助情報は基準情報と照合して用いられることが多い。基本的に病理診断用標本は一枚の標本に対し一種類の染色法を適用して作製されるため、これらの情報の照合(情報照合)は別個の標本において取得した情報同士を対比する方法で行われる。情報照合を正確に実施する上では標本間の形態的および機能的な相同性が重要であるため、組織診では、補助情報の取得を同じ検体から採取した二枚以上の隣接またはその付近の異なる切片を用いて行うことが多い。しかしながら、疾患分類の細分化や高精度化における必要性から多数の染色法を用いて多重的な補助情報を取得しようとすると、標本の必要枚数が増加して標本作製のコストや作業量が増大する問題が生じる。加えて、より重大な問題として、各標本の検体における原位置が離れることに伴い標本間の形態的および機能的な相同性が低下し、結果として情報間の照合性が低下する可能性が高まる問題が生じる。故に、補助情報を多重的に且つ基準情報と照合性良く標本から取得する方法が求められている。
補助情報の多重性を向上する手段としては、多重免疫染色法が検討されている。例えば、非特許文献1には、抗原と抗体の結合工程、酵素反応による抗原位置の発色工程、加熱による抗体抗原性の不活性化工程、の三工程を繰り返すことにより、同一標本上で三種類の抗原を逐次的に染色した例が開示されている。
また、補助情報と基準情報と照合性を向上する方法として、染色処理と脱色処理を組み合わせ、同一標本上で複数種類の染色法を実施する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、細胞診標本の作製に関連して、蛍光色素による第一の染色、アルコールによる蛍光色素の除去、およびパパニコロウ法による第二の染色を同一標本に適用し、対象細胞におけるDNA定量と形態的観察とを逐次的に行う方法が提案されている。
補助情報の多重性を向上する別の手段として、染色によらない標本観察技術も研究されている。非特許文献2には、誘導ラマン散乱顕微鏡を用いて無染色標本の計測情報から画像を再構成する方法が開示されている。誘導ラマン散乱は3次の非線形光学効果の1つであり、二つの波長の光と分子の分子振動とが相互作用することにより、光の周波数差と該分子振動の周波数が一致する時に、短波長の光のエネルギーが長波長の光に移動する現象である。誘導ラマン散乱顕微鏡によれば、標本構成物質に対応する分子振動情報を検出し、描画コントラストとして用いることが可能であり、染色処理を介さずに、標本の形態や多様な組成情報を反映する再構成画像を提供することができる。
特開平7−27682号公報
病理と臨床vol.14 p.1533−1536,1996 Nature Photonics6,845-851,2012
しかしながらこれらの方法によっても、取得する補助情報の多重性と、基準情報との照合性とを両立することは依然困難である。
非特許文献1に記載の方法において、同一標本上で取得しうる補助情報は高々数種類である。これは同一標本上で免疫染色により可視化できる被染色物質の種類が、発色用酵素反応の種類、抗体標識色素の種類、抗体産生動物の種類数等により制約される為である。また、免疫染色と基本的染色を同一標本上で実施する場合は、染色結果の識別が困難になり、補助情報と染色標本の観察に基づく基準情報との照合に支障をきたす場合がある。
特許文献1あるいは非特許文献2に記載の方法は、比較的容易に多重的な補助情報を取得しうる点で優れるが、それらの補助情報と染色に基づく基準情報とを照合する為には、染色と光学的観察とを逐次的に行うことが必要である。このとき、カバーガラスの着脱や試薬溶液への曝露により標本の部分的脱落や変形が生じやすく、取得した補助情報と染色標本の観察に基づく基準情報との照合に支障をきたすという課題があった。
上記課題を解決するための本発明の第一の態様は、試料を保持するための試料保持部を有する検査器具であって、該試料保持部の一部に光学窓を有しており、該光学窓の少なくとも一部が物質透過膜であることを特徴とする検査器具である。
また、上記課題を解決するための本発明の第二の態様は、検査器具を用いて試料の検査を行う検査方法であって、前記試料保持部の外部から薬剤を含む水溶液を供給し、前記物質透過膜を介して前記試料保持部の内部にある試料と薬剤とを接触させる工程と、前記試料の光学的観察を行う工程と、を含む検査方法である。
本発明によれば、検査器具に保持された検体について染色等の薬剤処理と光学的観察とを、検査器具を開閉することなく容易に、且つ連続的に実施することが可能となる。これにより、染色標本の観察に基づく基準情報に加え、標本の形態的または機能的特長に関する補助情報をより多重的に、且つ基準情報と照合性良く標本から取得することが可能となる。
光学窓を有する透過型光学計測用の検査器具を光学系に配置した状態の側方断面 光学窓を有する反射型光学計測用の検査器具を光学系に配置した状態の側方断面 光学的観察の工程の例。Aは無染色計測による補助情報の取得後に、染色に基づく基準情報の取得を行う工程。Bは染色による基準情報の取得後に、無染色計測による補助情報の取得を行う工程。Cは染色による基準情報の取得後に、別の染色による補助情報の取得を行う工程 検査システムを示す模式図 検査器具と誘導ラマン散乱顕微鏡の全体構成を示すブロック図
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。ただしこれらは本発明にかかる最良の実施形態の一例ではあるが、本発明はかかる具体的形態に限定されるものではない。
(実施形態1)検査器具の実施形態
図1および2は、本実施形態に係る検査器具を光学系に配置した状態の断面模式図である。図1は特に透過型光学観察を実施するための構成を示し、2つの光学窓が試料を挟んで対向するように配置されている。すなわち、光学的検出やイメージングの為に入射される光の光軸6と光学窓2が、光源から見て試料1よりも遠位と近位の2箇所で交わるように該窓が配置される。
ここで、光学窓は独立した二枚の部材であっても良く、また湾曲した一枚の部材や円筒状、袋状の部材の一部であっても良い。
図1の形態の検査器具を用いて反射型観察を実施することも可能であるが、反射型観察を実施するためのより有利な構成としては、図2に示すように、光学的検出やイメージングの為に入射される光の光軸6と光学窓2が、光源から見て試料1よりも近位で交わるように該窓が配置され、光源から見て試料1よりも遠位に反射層7が配置されることで、いわゆる後方検出による信号感度を改善することが可能であり、信号の画像化が容易化する。
三次非線形ラマン散乱顕微鏡による観察を行う場合は、反射層7は近赤外光反射層であると良い。
ここでも、光学窓は湾曲した一枚の部材や円筒状、袋状の部材の一部であっても良い。
いずれの構成においても、薄い光学窓2を取扱いやすくするための光学窓支持部材3が備えられていても良い。その場合、光学窓支持部材の形状は必要に応じて適宜選択されるべきであるが、光学窓の曲率を小さく保てることが収差抑制の点で有利である。また、屈折率調節のために液体4を試料1と光学窓2の間隙、および対物レンズ5と光学窓2の間隙に充填することで、曲率の大きな光学窓2であっても、収差の問題を顕在化させることなく所望の観察が可能となる。
本発明において、試料保持部に保持された生体試料は、光学窓2に物質透過膜としての機能が備えられていることにより、検査器具を開閉することなく、試料保持部の外部空間から薬剤を試料に作用させることができる。病理診断用標本の作製における試料の染色や生化学的反応においては薬剤を水溶液として用いることが多く、従って物質透過膜は親水性であることが好ましい。また一部の染色法はアルコール等の有機溶媒を非特異的吸着色素の除去等に用いることがあり、耐溶剤性を備える物質透過膜であれば、より汎用的な処理に用いることができる。
物質透過膜としては各種の多孔質膜を利用できる。一般に多孔質膜が疎であるほど薬剤の拡散においては有利であり、例えば染色や脱色工程の所要時間を短縮することが可能であるが、細孔径がミクロン以上のオーダに達すると、試料や試料の微小片、試料に含まれる微小構造体などが試料保持部の外に漏出する可能性が高まる。また、細孔径が必要以上に大きいと光散乱の為に誘導ラマン計測や通常光学顕微鏡による計測に支障をきたす場合があり好ましくない。本実施形態で用いる物質透過膜は、薬剤を迅速に通過させ且つ試料由来の微小片を通過させず、顕著な光散乱を起こさないことが望ましい。病理診断用標本の作製において標準的染色で用いられる色素の分子量は1000以下であり、特殊な免疫染色等を実施する場合に用いる抗体等の分子量は大凡数万から数十万程度である。一般に、物質透過膜の仕様を記述する方法としてしばしば「カットオフ分子量」の概念が利用されるが、これは膜を通過しうる物質の分子量の上限を示す数値であり、この表示によれば、本発明で用いる多孔質膜のカットオフ分子量は1000以上かつ100万以下であることが好ましい。また、平均細孔径に基づく別の表示によれば、前記多孔質膜の平均細孔径は1ナノメートル以上かつ0.2ミクロン以下が好ましく、1ナノメートル以上かつ0.1ミクロン以下がより好ましい。
また、本実施形態で用いる物質透過膜の厚みは、薬剤供給を可能とする物質透過性と、観察に適する光透過性とを備えさえすればどのような厚みであっても良いが、1μm以上1mmであると、上記の適性を満たす多孔質膜が容易に選択可能となるので好ましい。
光学窓2は適用する観察手段毎に適当な波長域の光を透過する必要があるが、生体標本の観察においては可視域から近赤外領域の光を用いることが多く、特にこれらの領域の光を透過させることが好ましい。可視域は一般に380nm以上750nm以下程度の波長域に相当し、近赤外領域としては一般に750nm以上2500nm以下程度の波長域が相当するが、生体観察で表面より深い位置を観察する場合、水分子による吸収の影響が比較的軽微な700nm以上1400nm以下程度の近赤外領域を利用することが多い。従って、光学窓2を構成する材料は、少なくとも湿潤状態にある時に可視域から近赤外領域において高い光透過性を有する材料であれば良く、特に湿潤状態において380nm以上1400nm以下において高い光透過性を有する材料であれば良い。
ここで湿潤状態とは、膜中に水を含有することであり、含水率(=膜中の水分量/膜の全重量)でもって定量的に表すことができる。この時の膜の含水率は、5%以上が好ましく、25%以上がより好ましい。
本発明の光学窓に適する材料は、例えばニトロセルロースやセルロースアセテート、親水性フッ素樹脂やポリカーボネート等の有機ポリマー材料が挙げられ、これらを単独、または複合して用いることができる。
これらの材料は、孔径制御された多孔質膜としても多数市販されており、上記特性を有する多孔質膜を適宜選択し、本発明の光学窓として用いても良い。
また、多孔質膜の弾性を利用して、膜を試料に当接させることで固定化するように構成しても良い。この場合、試料が多孔質膜に当接しているので、膜を介した試薬の供給をより効率的に行うことができる。
また、本発明の光学窓2が可視域から近赤外域にわたり光透過性を有することにより、光源選択における自由度が大きくなり、多様な計測装置による複合的情報の取得が容易になる。
例えば、可視光または近赤外光による励起に由来する蛍光の検出、リン光の検出、ラマン散乱現象の計測、色素の吸収スペクトルを反映する通常光学像等の取得などを、同一の検査器具を用いて簡便に実施できる。
(実施形態2)検査器具を用いる検査方法
本発明の検査方法は、試料保持部の外部から薬剤を含む水溶液を供給し、前記物質透過膜を介して前記試料保持部の内部にある試料と薬剤とを接触させる工程と、前記試料の光学的観察を行う工程とを含んでいる。
光学的観察が、三次非線形ラマン散乱顕微鏡による観察工程であると良く、特にラマン散乱顕微鏡が誘導ラマン散乱顕微鏡であると好ましい。観察工程には、観察領域を2次元の画素領域に分割し、各画素においてそれぞれスペクトル情報を有する2次元画像情報をデジタル情報として取得するものも含まれる。
また、薬剤が色素であり、色素と試料を接触させる工程の前後において異なる観察手段で試料の光学的観察を行う方法が好ましい。
特に、三次非線形ラマン散乱顕微鏡による第一の観察工程と、第一の観察工程の後に、色素と前記試料を接触させる工程と、接触させる工程の後に、前記色素により染色された前記試料を光学的観察する工程と、を有すると良い。
図3は、本発明の検査方法の具体例であり、検査器具に保持された検体について補助情報を取得するための計測と、染色等の薬剤処理と、光学顕微鏡による基準情報を取得する為の計測とを、検査器具を開閉することなく連続的に実施するためのフローの例を図示したものである。
生体試料を切片などの適当な形状に加工し、加工後の試料を検査器具に封入した後、例えばフローAに示すように、まず無染色状態での三次非線形ラマン散乱顕微鏡により試料から補助情報を取得した上で、検査器具を開閉することなく物質透過膜を介して試料を染色し、通常光学顕微鏡により基準情報を取得することができる。
またフローBに示すように、まず物質透過膜を介して試料を染色し、通常光学顕微鏡により基準情報を取得した上で、検査器具を開閉することなく適当な脱色用試薬を試料に作用させ、染色成分を除去した後に三次非線形ラマン散乱顕微鏡により試料から補助情報を取得することもできる。
更にフローCに示すように、まず物質透過膜を介して試料を染色し、通常光学顕微鏡により基準情報を取得した上で、検査器具を開閉することなく適当な脱色用試薬を試料に作用させ、染色成分を除去した後に、特殊染色等の染色処理を行い、通常光学顕微鏡により試料から補助情報を取得することもできる。
これらのフローにおける脱色用試薬としては、標本に形態上の重大な変化を及ぼさないことを要件として、例えば次亜塩素酸溶液や過酸化水素水、アルコール等の有機溶媒を用いることができる。更に色素が三次非線形ラマン顕微鏡による信号計測を阻害しないことを要件として、脱色工程を省略したり、ラマン計測を補助する特殊な染色を適用したりすることも可能である。
また、試料に作用させる薬剤として染色剤や脱色剤以外に、試料構成物質に結合する任意の生理活性物質を作用させること等もできる。三次非線形ラマン散乱顕微鏡で取得された信号は描画コントラストとして直接画像に再構成して表示することも可能であるし、複数の計測波長における情報を組み合せた解析結果として表示することも可能である。また、基準情報と補助情報を信号処理装置により組み合わせ、統合的に表示することでユーザによる情報照合を容易にする効果が得られる。
(実施形態3)検査器具を用いる試料検査システム
以下に、実施形態2の検査方法を実現する試料検査システムについて説明する。
図4は、本形態に係る試料検査システムの構成を示す模式図である。
試料検査システム10は、観察装置8、試薬供給部9、および検査器具保持部11を有する。検査器具保持部11は、観察装置8による試料の観察、および試薬供給部9からの試料への試薬供給に際し、検査器具を保持するように構成されており、検査器具をシステム内で移動可能なように移動ステージに設けられてもよい。
図5は、観察装置8の詳細な構成を示すものである。
光学窓2と光学窓支持部材3を備えた検査器具の試料保持部に保持された生体試料1を、共焦点光学系で計測するための実施形態である。波長の異なる二本のレーザが対物レンズを通して試料内に集光する。三次非線形ラマン散乱顕微鏡では、焦点位置において発生したラマン散乱現象を反映する光信号を、対向して設置した別の対物レンズを透過し、検出器によって取得する。更に信号処理部においてスペクトル解析や画像再構成等を行い、表示装置によりユーザに情報を提示する。
従来、レーザ光の照射を受けた試料から発せられる非線形ラマン散乱光を分光するラマン分光法が知られているが、その応用として、誘導ラマン散乱、ハイパーラマン散乱、コヒーレント・反ストークスラマン散乱(CARS)等に基づく生体組織の無染色イメージング装置が提案されている。これらのシステムを用いることで、原理的に無染色組織の画像を取得可能であるが、三次非線形ラマン散乱顕微鏡のうち特に誘導ラマン散乱顕微鏡は、優位に高感度ないし高S/N比の分子情報を提供するので、好ましく用いることができる。誘導ラマン散乱顕微鏡が特長として備える観察の高速性は、例えば生体由来組織の構造を計測しイメージングする場合において有利に作用する。
1 生体標本
2 光学窓
3 光学窓支持部材
4 屈折率調節液
5 対物レンズ
6 光軸
7 近赤外光反射層

Claims (16)

  1. 試料を保持するための試料保持部を有する検査器具であって、該試料保持部の一部に光学窓を有しており、該光学窓の少なくとも一部が物質透過膜であることを特徴とする検査器具。
  2. 前記物質透過膜が多孔質膜である請求項1に記載の検査器具。
  3. 前記物質透過膜のカットオフ分子量が1000以上かつ100万以下である請求項1または2に記載の検査器具。
  4. 前記物質透過膜の平均細孔径が100ナノメートル以上かつ0.2ミクロン以下である請求項1または2に記載の検査器具。
  5. 前記多孔質膜は、分子量100万以下の色素または生理活性物質を通過させる多孔質膜である、請求項1から4に記載の検査器具。
  6. 前記光学窓が、少なくとも湿潤状態において可視域および近赤外域の光に対して光透過性を有する請求項1から5に記載の検査器具。
  7. 前記光学窓が、少なくとも湿潤状態において380nm以上1400nm以下の範囲の光に対して光透過性を有する請求項1から5に記載の検査器具。
  8. 前記試料を挟んで対向するように2つの前記光学窓が配置されている請求項1から7に記載の検査器具。
  9. 前記試料を挟んで前記光学窓と対向するように、反射層が配置されている請求項1から7に記載の検査器具。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の検査器具を用いて試料の検査を行う検査方法であって、
    前記試料保持部の外部から薬剤を含む水溶液を供給し、前記物質透過膜を介して前記試料保持部の内部にある試料と薬剤とを接触させる工程と、
    前記試料の光学的観察を行う工程と、を含む検査方法。
  11. 前記光学的観察が、三次非線形ラマン散乱顕微鏡による観察工程を含む請求項10に記載の検査方法。
  12. 前記ラマン散乱顕微鏡が誘導ラマン散乱顕微鏡である請求項11に記載の検査方法。
  13. 前記薬剤が色素であり、該色素と前記試料を接触させる工程の前後において異なる観察手段で試料の光学的観察を行う請求項10に記載の検査方法。
  14. 三次非線形ラマン散乱顕微鏡による第一の観察工程と、
    前記第一の観察工程の後に、前記色素と前記試料を接触させる工程と、
    前記接触させる工程の後に、前記色素により染色された前記試料を光学的観察する工程と、を有する請求項13に記載の検査方法。
  15. 請求項1〜10のいずれかに記載の検査器具を保持するための検査器具保持部と、前記検査器具に保持された試料を観察するための観察手段と、を有する試料検査システム。
  16. 前記試料に薬剤を供給する薬剤供給部を更に有する請求項15に記載の試料検査システム。
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