JP2014227578A - 電気メッキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作用極の電位分布を均一にすることができる電気メッキ装置を提供する。【解決手段】作用極と、対極と、参照極と、被覆材を含有するメッキ液を収容するメッキ槽とを備え、前記作用極、前記対極及び前記参照極は前記メッキ液に少なくとも一部が浸漬するように配置される電気メッキ装置であって、前記メッキ液中において、前記作用極と前記対極とを前記メッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、前記参照極の検出部の少なくとも一部が位置するように前記参照極が配置されていることを特徴とする電気メッキ装置。【選択図】図3
Description
本発明は、電気メッキ装置に関する。
基材、粉体等の材料表面に金属皮膜を形成する方法として、電気メッキ法がある(非特許文献1及び特許文献1〜2等)。例えば、燃料電池用電極触媒として注目されているコア及び当該コアを被覆するシェルを備えるコアシェル触媒は、コアとなるコア金属粒子に対する電気メッキ処理を利用して、その表面に異種金属の皮膜(シェル)を形成することによって製造することができる(非特許文献1及び特許文献1等)。
非特許文献1には、作用極として機能する容器と、対極と、参照極とを備えた電気メッキ装置を用いて、銅アンダーポテンシャル析出(Cu−UPD)を応用した置換メッキにより、コアシェル触媒を製造する方法が記載されている。具体的には、カーボンに担持されたPdナノ粒子とCuSO4溶液とを上記容器内に入れ、作用極である容器に所定の電位を印加することで、Pdナノ粒子の表面にUPD銅層を形成する方法が記載されている。そして、白金イオン溶液(K2PtCl4のH2SO4溶液)を上記容器に加えることで、銅層を白金で置換することによって、Pdナノ粒子の表面を白金で被覆したコアシェル触媒が製造されている。
K.Sasaki et al.,Electrochimica Acta 55(2010)2645−2652
コアシェル触媒等のメッキを利用した製品は、メッキに斑があると所望の特性を発揮できない場合がある。従って、メッキ対象材料に均一にメッキ皮膜を形成することが重要である。
メッキ対象材料に均一にメッキ皮膜を形成するためには、メッキ液中において、メッキ対象材料表面に均一な電位を印加することが重要である。メッキ対象材料表面に均一な電位を印加するためには、作用極表面の電位が均一であることが重要である。
しかしながら、非特許文献1に記載の三極式の電気メッキ装置では、作用極表面及びメッキ対象材料表面に均一な電位を印加することができず、均一なメッキ皮膜を形成できないという問題がある。また、本発明者が検討したところ、非特許文献1に記載の装置では、作用極表面に不均一な電位分布が形成される結果、メッキ対象材料ではなく、作用極そのものの表面にメッキ皮膜が形成されてしまうという問題もあることが見出された。
メッキ対象材料に均一にメッキ皮膜を形成するためには、メッキ液中において、メッキ対象材料表面に均一な電位を印加することが重要である。メッキ対象材料表面に均一な電位を印加するためには、作用極表面の電位が均一であることが重要である。
しかしながら、非特許文献1に記載の三極式の電気メッキ装置では、作用極表面及びメッキ対象材料表面に均一な電位を印加することができず、均一なメッキ皮膜を形成できないという問題がある。また、本発明者が検討したところ、非特許文献1に記載の装置では、作用極表面に不均一な電位分布が形成される結果、メッキ対象材料ではなく、作用極そのものの表面にメッキ皮膜が形成されてしまうという問題もあることが見出された。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本発明の目的は、作用極の電位分布を均一にすることができる電気メッキ装置を提供することである。
本発明の電気メッキ装置は、作用極と、対極と、参照極と、被覆材を含有するメッキ液を収容するメッキ槽とを備え、前記作用極、前記対極及び前記参照極は前記メッキ液に少なくとも一部が浸漬するように配置される電気メッキ装置であって、
前記メッキ液中において、前記作用極と前記対極とを前記メッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、前記参照極の検出部の少なくとも一部が位置するように前記参照極が配置されていることを特徴とする。
本発明では、メッキ液中において、作用極と対極とをメッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、参照極の少なくとも一部が位置するように参照極を配置することによって、作用極の電位分布を均一にすることができる。
従って、メッキ対象材料の表面に均一なメッキ皮膜を形成することができる。
前記メッキ液中において、前記作用極と前記対極とを前記メッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、前記参照極の検出部の少なくとも一部が位置するように前記参照極が配置されていることを特徴とする。
本発明では、メッキ液中において、作用極と対極とをメッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、参照極の少なくとも一部が位置するように参照極を配置することによって、作用極の電位分布を均一にすることができる。
従って、メッキ対象材料の表面に均一なメッキ皮膜を形成することができる。
本発明の電気メッキ装置において、前記メッキ槽は前記作用極としても機能してもよい。
本発明の電気メッキ装置は、前記メッキ液にメッキ対象材料である粉体材料を分散させ、前記粉体材料をメッキするのに適している。
この際、本発明の電気メッキ装置は、前記参照極が、前記メッキ液が透過可能かつ前記粉体材料が透過不可能なスリット部を有する参照極用隔離部材と、前記参照極用隔離部材に収容された電極と、を有し、前記電極が、前記参照極用隔離部材のスリット部を介して前記メッキ槽内の前記メッキ液に浸漬され、
前記直線上に、前記参照極用隔離部材のスリット部の前記メッキ液と接触している部位の少なくとも一部が位置するように、前記参照極が配置されていることが好ましい。
また、前記対極が、前記メッキ液が透過可能かつ前記粉体材料が透過不可能なスリット部を有する対極用隔離部材に収容された状態で前記メッキ槽内に配置され、前記対極用隔離部材のスリット部を介して前記メッキ槽内の前記メッキ液に浸漬され、前記直線が、前記作用極の表面と前記対極とを前記対極用隔離部材のスリット部を介して結んだ最も短いものであることが好ましい。
この際、本発明の電気メッキ装置は、前記参照極が、前記メッキ液が透過可能かつ前記粉体材料が透過不可能なスリット部を有する参照極用隔離部材と、前記参照極用隔離部材に収容された電極と、を有し、前記電極が、前記参照極用隔離部材のスリット部を介して前記メッキ槽内の前記メッキ液に浸漬され、
前記直線上に、前記参照極用隔離部材のスリット部の前記メッキ液と接触している部位の少なくとも一部が位置するように、前記参照極が配置されていることが好ましい。
また、前記対極が、前記メッキ液が透過可能かつ前記粉体材料が透過不可能なスリット部を有する対極用隔離部材に収容された状態で前記メッキ槽内に配置され、前記対極用隔離部材のスリット部を介して前記メッキ槽内の前記メッキ液に浸漬され、前記直線が、前記作用極の表面と前記対極とを前記対極用隔離部材のスリット部を介して結んだ最も短いものであることが好ましい。
本発明によれば、作用極の電位分布を均一にすることができる。
本発明者は、従来の三極式電気メッキ装置を用いて、Cu−UPDにより、メッキ対象材料であるパラジウム粒子の表面に銅をメッキして、コアシェル触媒前駆体を製造したところ、作用極表面の一部及び一部のパラジウム粒子表面に銅が異常析出(異常偏析)することを見出した。具体的には、作用極としても機能するメッキ槽と、該メッキ槽内に収容されたメッキ液である硫酸銅水溶液中に浸漬させた対極との間の該メッキ液を介した距離が小さい場合や、メッキ液に用いる溶媒のpHが高い場合等において、作用極表面の一部及び一部のパラジウム粒子表面に銅が異常析出することを見出した。
コアシェル触媒の製造においては、作用極表面の一部及び一部のパラジウム粒子表面に銅が異常析出すると、後続の銅を白金に置換する工程において、作用極表面上の銅異常析出部において白金が銅と置換し、また、銅が異常析出したパラジウム粒子表面において、析出した銅の量に対応する量の白金置換が生じる。その結果、コアシェル触媒の白金目付が不足し、所望のコアシェル形状を作ることができないという問題がある。
コアシェル触媒の製造においては、作用極表面の一部及び一部のパラジウム粒子表面に銅が異常析出すると、後続の銅を白金に置換する工程において、作用極表面上の銅異常析出部において白金が銅と置換し、また、銅が異常析出したパラジウム粒子表面において、析出した銅の量に対応する量の白金置換が生じる。その結果、コアシェル触媒の白金目付が不足し、所望のコアシェル形状を作ることができないという問題がある。
銅の異常析出の原因は、次のように考えられる。
図6は、従来の三極式電気メッキ装置の一例を示す断面模式図である。
図6に示す電気メッキ装置20は、メッキ槽1が良導電性材料で形成されており、その内表面が作用極5としても機能するものである。メッキ槽1内には、メッキ液2が収容され、参照極3、対極4が、メッキ液2に十分に浸かるように配置されている。尚、参照極3は、作用極5であるメッキ槽1の底の中心線上に配置されている。そして、参照極3、対極4及び作用極5は、電位制御装置6と電気配線7により電気的に接続され、作用極5の電位を制御できるようになっている。
図6は、従来の三極式電気メッキ装置の一例を示す断面模式図である。
図6に示す電気メッキ装置20は、メッキ槽1が良導電性材料で形成されており、その内表面が作用極5としても機能するものである。メッキ槽1内には、メッキ液2が収容され、参照極3、対極4が、メッキ液2に十分に浸かるように配置されている。尚、参照極3は、作用極5であるメッキ槽1の底の中心線上に配置されている。そして、参照極3、対極4及び作用極5は、電位制御装置6と電気配線7により電気的に接続され、作用極5の電位を制御できるようになっている。
本来、作用極5と対極4は、メッキ液2とそれぞれ個別に反応を起こすため、作用極5と対極4との直接的な反応は無いと考えられていた。そのため、従来の電気メッキ装置では、作用極、対極及び参照極の位置関係や配置場所は、特に考慮されていなかった。
しかし、通常、ポテンショスタット等の電位制御装置6において、電位は参照極3と作用極5との間でのみ監視され、作用極5の電位を所望値に設定するために対極4の電位を無制限に変動させている。そのため、対極4の電位変動が非常に大きい場合や作用極5と対極4との距離が非常に近い場合に、作用極5とメッキ液2との反応と、対極4とメッキ液2との反応が連鎖し、短絡的な現象が起きる可能性があると考えられる。
また、図6に示すように、作用極5とメッキ液2中に浸漬させた対極4とが、互いに近い位置に配置されている場合、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)において、作用極5とメッキ液2との反応と、対極4とメッキ液2との反応が活発に起こり、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ距離が最小となる作用極の位置(近接作用極端部5a)において、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ距離が最大となる作用極の位置(遠隔作用極端部5b)が取得する電位とは異なる局所的な異常電位が発生し、近接作用極端部5aの電位が、メッキの際に所望される電位よりも低い電位になる可能性があると考えられる。
本発明者は、上記知見から、本発明を完成させるに至った。
しかし、通常、ポテンショスタット等の電位制御装置6において、電位は参照極3と作用極5との間でのみ監視され、作用極5の電位を所望値に設定するために対極4の電位を無制限に変動させている。そのため、対極4の電位変動が非常に大きい場合や作用極5と対極4との距離が非常に近い場合に、作用極5とメッキ液2との反応と、対極4とメッキ液2との反応が連鎖し、短絡的な現象が起きる可能性があると考えられる。
また、図6に示すように、作用極5とメッキ液2中に浸漬させた対極4とが、互いに近い位置に配置されている場合、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)において、作用極5とメッキ液2との反応と、対極4とメッキ液2との反応が活発に起こり、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ距離が最小となる作用極の位置(近接作用極端部5a)において、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ距離が最大となる作用極の位置(遠隔作用極端部5b)が取得する電位とは異なる局所的な異常電位が発生し、近接作用極端部5aの電位が、メッキの際に所望される電位よりも低い電位になる可能性があると考えられる。
本発明者は、上記知見から、本発明を完成させるに至った。
本発明の電気メッキ装置は、作用極と、対極と、参照極と、被覆材を含有するメッキ液を収容するメッキ槽とを備え、前記作用極、前記対極及び前記参照極は前記メッキ液に少なくとも一部が浸漬するように配置される電気メッキ装置であって、
前記メッキ液中において、前記作用極と前記対極とを前記メッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、前記参照極の検出部の少なくとも一部が位置するように前記参照極が配置されていることを特徴とする。
前記メッキ液中において、前記作用極と前記対極とを前記メッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、前記参照極の検出部の少なくとも一部が位置するように前記参照極が配置されていることを特徴とする。
本発明は、メッキ液中において、作用極と対極とをメッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、参照極の検出部の少なくとも一部が位置するように参照極を配置することによって、作用極の均一な電位分布の形成を可能とするものである。
従って、本発明によれば、作用極上における該作用極と対極との間の距離が小さい領域や、対極の電位変動が非常に大きい場合における、作用極とメッキ液との反応と、対極とメッキ液との反応の連鎖による短絡的な現象の発生を防止することができる。ゆえに、本発明によれば、作用極表面の一部において大量のメッキ析出が生じることや、メッキ対象材料表面で異常偏析が生じることを抑制し、メッキ対象材料の表面に均一にメッキ皮膜を形成させることができる。
従って、本発明によれば、作用極上における該作用極と対極との間の距離が小さい領域や、対極の電位変動が非常に大きい場合における、作用極とメッキ液との反応と、対極とメッキ液との反応の連鎖による短絡的な現象の発生を防止することができる。ゆえに、本発明によれば、作用極表面の一部において大量のメッキ析出が生じることや、メッキ対象材料表面で異常偏析が生じることを抑制し、メッキ対象材料の表面に均一にメッキ皮膜を形成させることができる。
以下、図1〜5を用いて、本発明の電気メッキ装置を詳しく説明する。
図1は、本発明の電気メッキ装置の一例(回分式)を示す断面模式図である。
図1(A)に示す電気メッキ装置20は、底部が作用極5であるメッキ槽1を有し、メッキ槽1内には、メッキ液2が収容され、参照極3と対極4が、メッキ液2に十分に浸かるように配置されている。参照極3は、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に参照極3の検出部3aの少なくとも一部が位置するように配置されている。参照極3、対極4及び作用極5は、電位制御装置6と電気配線7により電気的に接続されている。
図1は、本発明の電気メッキ装置の一例(回分式)を示す断面模式図である。
図1(A)に示す電気メッキ装置20は、底部が作用極5であるメッキ槽1を有し、メッキ槽1内には、メッキ液2が収容され、参照極3と対極4が、メッキ液2に十分に浸かるように配置されている。参照極3は、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に参照極3の検出部3aの少なくとも一部が位置するように配置されている。参照極3、対極4及び作用極5は、電位制御装置6と電気配線7により電気的に接続されている。
本発明の電気メッキ装置は、メッキ液中において、作用極と対極とをメッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、参照極の検出部の少なくとも一部が配置されていれば、作用極、対極、参照極の具体的な配置形態は特に限定されない。例えば、作用極は、メッキ槽の内表面の少なくとも一部であってもよいし(図1参照)、全表面であってもよい(図3、4参照)。また、作用極は、メッキ槽と別体であってもよい(図2参照)。
本発明において、作用極と対極とをメッキ液を介して結ぶ最も短い直線とは、言い換えれば、メッキ液に浸漬される作用極とメッキ液に浸漬される対極との間において、メッキ液により形成される導通路の最短距離である。例えば、図1の電気メッキ装置20においては、メッキ液2に浸漬された対極4の下部4aからメッキ槽1の底部である作用極5に向かって垂直に伸びる直線が最短距離8である。一方、後述する図3、4に示す電気メッキ装置20のように、対極4がスリット部9aを有する対極用隔離部材9に収容された状態でメッキ槽1内に配置されている場合は、対極用隔離部材9のメッキ液が透過不可能な部位9b越しの最も短い直線8’ではなく、作用極4の表面と対極5とを対極用隔離部材9のスリット部9aを介して結ぶ最も短い直線が最短距離8となる。
本発明において、作用極と対極とをメッキ液を介して結ぶ最も短い直線とは、言い換えれば、メッキ液に浸漬される作用極とメッキ液に浸漬される対極との間において、メッキ液により形成される導通路の最短距離である。例えば、図1の電気メッキ装置20においては、メッキ液2に浸漬された対極4の下部4aからメッキ槽1の底部である作用極5に向かって垂直に伸びる直線が最短距離8である。一方、後述する図3、4に示す電気メッキ装置20のように、対極4がスリット部9aを有する対極用隔離部材9に収容された状態でメッキ槽1内に配置されている場合は、対極用隔離部材9のメッキ液が透過不可能な部位9b越しの最も短い直線8’ではなく、作用極4の表面と対極5とを対極用隔離部材9のスリット部9aを介して結ぶ最も短い直線が最短距離8となる。
本発明の電気メッキ装置は、少なくとも、作用極と、対極と、参照極と、被覆材を含有するメッキ液を収容するメッキ槽を備える。
メッキ槽としては、メッキ液を収容することができるものであれば、特に限定されず、後述する導電性材料、ガラス、プラスチック及びセラミックス等で形成される槽を用いることができる。
メッキ槽としては、メッキ液を収容することができるものであれば、特に限定されず、後述する導電性材料、ガラス、プラスチック及びセラミックス等で形成される槽を用いることができる。
作用極としては、一般的なものを用いることができるが、メッキ対象材料に効率よくメッキ皮膜を形成する観点から、作用極がメッキ対象材料である場合を除いて、メッキ液によってメッキ皮膜が形成されないものが好ましい。Cu−UPDによるメッキを行う場合は、例えば、チタン等の金属材料、グラッシーカーボン及びカーボン板等の導電性炭素材料等の材料を用いることができる。尚、図1、3、4に示すように、メッキ槽の内表面の少なくとも一部を上記導電性材料で形成し、作用極としても機能させることもできる。金属材料のメッキ槽を作用極として用いる場合、メッキ槽の内表面には、腐食を抑制する観点から、RuO2等の耐腐食性材料をコーティングすることが好ましい。導電性炭素材料のメッキ槽を作用極として用いる場合は、コーティング無しでそのまま使用することが可能である。
対極としては、一般的なものを用いることができ、例えば、白金メッシュに白金黒をめっきしたもの及び導電性炭素繊維等を用いることができる。
メッキ対象材料が粉体材料の場合には、対極は、対極と粉体材料とが接触するのを防ぐために、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能なスリット部を有する対極用隔離部材に収容された状態でメッキ槽内に配置することが好ましい。この場合、対極は、上記対極用隔離部材のスリット部を介してメッキ槽内のメッキ液に浸漬させることができる。
対極用隔離部材としては、少なくとも一部に上記のようなスリット部を有していればよく、例えば、ガラス、プラスチック及びセラミックス等の絶縁材料で形成されたものを用いることができる。対極用隔離部材のスリット部は、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能な開口を有していればよく、開口の形状は特に限定されない。例えば、メッシュ状、直線状等の規則的なパターンを有するものであってもよいし、ガラスフリット等のランダムな多孔質構造を有するものであってもよい。
メッキ対象材料が粉体材料の場合には、対極は、対極と粉体材料とが接触するのを防ぐために、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能なスリット部を有する対極用隔離部材に収容された状態でメッキ槽内に配置することが好ましい。この場合、対極は、上記対極用隔離部材のスリット部を介してメッキ槽内のメッキ液に浸漬させることができる。
対極用隔離部材としては、少なくとも一部に上記のようなスリット部を有していればよく、例えば、ガラス、プラスチック及びセラミックス等の絶縁材料で形成されたものを用いることができる。対極用隔離部材のスリット部は、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能な開口を有していればよく、開口の形状は特に限定されない。例えば、メッシュ状、直線状等の規則的なパターンを有するものであってもよいし、ガラスフリット等のランダムな多孔質構造を有するものであってもよい。
参照極としては、少なくとも電極を有するものであれば特に限定されず、一般的なものを用いることができ、例えば、電極のみから構成されるものであってもよいし、電極とメッキ槽中のメッキ液との接触を可能とするメッキ液透過部を有し且つ絶縁性材料から形成された参照極用隔離部材と、該参照極用隔離部材に収容された電極とを有するものであってもよい。上記参照極用隔離部材に電極が収容されている場合、電極は、参照極用隔離部材のメッキ液透過部を介してメッキ槽内のメッキ液に接触、浸漬させることができ、当該メッキ液透過部を介してイオン交換のみ行われ、メッキ液との電子伝導が妨げられるため、参照極の電位を安定させることができる。
参照極用隔離部材のメッキ液透過部は、メッキ液が透過可能で且つ絶縁性を有していればよく、塩橋として機能するものが挙げられ、例えば、メッキ液が透過可能な高分子樹脂膜(例えば、イオン交換膜等)や、メッキ液が透過可能な開口を有する絶縁性材料(例えば、アルミナ及び窒化ケイ素等のセラミックス、ガラス、プラスチック等)等を用いて形成することができる。メッキ液が透過可能な開口の形状は特に限定されず、メッシュ状、直線状等の規則的なパターンを有するものであってもよいし、ガラスフリット等のランダムな多孔質構造を有するものであってもよい。塩橋は、例えばプロトン以外のイオン等による参照極のコンタミを抑制することもできる。
メッキ対象材料が粉体材料の場合、参照極用隔離部材のメッキ液透過部は、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能なスリット部であることが好ましい。参照極用隔離部材のスリット部は、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能な開口を有していればよく、開口の形状は特に限定されず、上記のような規則的なパターンを有するものでも、ランダムな多孔質構造を有するものでもよい。上記のような塩橋として機能するものであれば、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能なスリット部を有するメッキ液透過部として用いることが可能である。
メッキ対象材料が粉体材料の場合、参照極用隔離部材のメッキ液透過部は、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能なスリット部であることが好ましい。参照極用隔離部材のスリット部は、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能な開口を有していればよく、開口の形状は特に限定されず、上記のような規則的なパターンを有するものでも、ランダムな多孔質構造を有するものでもよい。上記のような塩橋として機能するものであれば、メッキ液が透過可能かつ粉体材料が透過不可能なスリット部を有するメッキ液透過部として用いることが可能である。
参照極用隔離部材は、少なくとも一部に上記のようなメッキ液透過部(スリット部を含む)を有していればよく、例えば、参照極用隔離部材の先端のみにメッキ液透過部を有していてもよいし(図1(B)参照)、また、参照極用隔離部材の全体がメッキ液透過部からなるものであってもよい(図1(C)参照)。参照極の電位がメッキ液中において変動しにくいという観点から、参照極用隔離部材は、図1(B)のように、一部のみにメッキ液透過部を有していることが好ましい。参照極用隔離部材のメッキ液透過部以外の部位を形成する材料としては、例えば、ガラス、プラスチック及びセラミックス等の絶縁材料が挙げられる。
ここで、上記参照極用隔離部材と該参照極用隔離部材に収容された電極とを有する参照極について、図1(B)及び(C)を用いて説明する。図1(B)及び(C)は、図1(A)の部分拡大図である。
図1(B)に示す参照極3は、参照極用隔離部材3cと該参照極用隔離部材3cに収容された電極3bとを有する。参照極用隔離部材3cは、側面がメッキ液2の透過が不可能な透過不可部3c−2、底部がメッキ液2の透過が可能なスリット部(メッキ液透過部)3c−1により形成されており、スリット部(メッキ液透過部)3c−1を介して電極3bがメッキ液2と接触し、浸漬されている。
一方、図1(C)に示す参照極3は、電極3bを収容する参照極用隔離部材3cの全体が、メッキ液2の透過が可能なスリット部(メッキ液透過部)3c−1により形成されており、スリット部(メッキ液透過部)3c−1を介して電極3bがメッキ液2と接触し、浸漬されている。
図1(B)に示す参照極3は、参照極用隔離部材3cと該参照極用隔離部材3cに収容された電極3bとを有する。参照極用隔離部材3cは、側面がメッキ液2の透過が不可能な透過不可部3c−2、底部がメッキ液2の透過が可能なスリット部(メッキ液透過部)3c−1により形成されており、スリット部(メッキ液透過部)3c−1を介して電極3bがメッキ液2と接触し、浸漬されている。
一方、図1(C)に示す参照極3は、電極3bを収容する参照極用隔離部材3cの全体が、メッキ液2の透過が可能なスリット部(メッキ液透過部)3c−1により形成されており、スリット部(メッキ液透過部)3c−1を介して電極3bがメッキ液2と接触し、浸漬されている。
本発明において、参照極の検出部とは、参照極の機能を発揮できる部位、及び、参照極の機能を最大限に発揮する部位の少なくともいずれか一方のことをいう。参照極の機能とは、作用極及び対極の電位を検出するための基準電極として機能することである。参照極の機能を最大限に発揮するためには、参照極の電位がメッキ液中において変動しないことが好ましい。
従って、本発明における参照極の検出部としては、参照極が電極のみから構成される場合は、電極がメッキ液と接触している部位が挙げられ、また、参照極が上記参照極用隔離部材と該参照極用隔離部材に収容された電極とを有する場合は、電極がメッキ液と接触している部位及び参照極用隔離部材のメッキ液透過部(スリット部)であってメッキ液と接触している部位(メッキ液と接触しているメッキ液透過部)が挙げられる。
すなわち、作用極と対極とをメッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に参照極の検出部の少なくとも一部を配置するとは、参照極が電極のみから構成される場合には、電極がメッキ液と接触している部位の少なくとも一部が上記直線上に位置するように配置することを意味する。
また、参照極が上記参照極用隔離部材と電極とを有する場合には、電極がメッキ液と接触している部位及びメッキ液と接触しているメッキ液透過部(スリット部)の少なくとも一方の少なくとも一部が、上記直線上に位置するように配置することを意味する。なかでも、メッキ液と接触しているメッキ液透過部(スリット部)の少なくとも一部が上記直線上に位置するように配置することが好ましく、この場合、電極の少なくとも一部がメッキ液に浸漬され、且つ、上記直線上にメッキ液と接触しているメッキ液透過部(スリット部)の少なくとも一部が配置されていれば、電極そのものが当該直線上に配置されていなくてもよい。
従って、本発明における参照極の検出部としては、参照極が電極のみから構成される場合は、電極がメッキ液と接触している部位が挙げられ、また、参照極が上記参照極用隔離部材と該参照極用隔離部材に収容された電極とを有する場合は、電極がメッキ液と接触している部位及び参照極用隔離部材のメッキ液透過部(スリット部)であってメッキ液と接触している部位(メッキ液と接触しているメッキ液透過部)が挙げられる。
すなわち、作用極と対極とをメッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に参照極の検出部の少なくとも一部を配置するとは、参照極が電極のみから構成される場合には、電極がメッキ液と接触している部位の少なくとも一部が上記直線上に位置するように配置することを意味する。
また、参照極が上記参照極用隔離部材と電極とを有する場合には、電極がメッキ液と接触している部位及びメッキ液と接触しているメッキ液透過部(スリット部)の少なくとも一方の少なくとも一部が、上記直線上に位置するように配置することを意味する。なかでも、メッキ液と接触しているメッキ液透過部(スリット部)の少なくとも一部が上記直線上に位置するように配置することが好ましく、この場合、電極の少なくとも一部がメッキ液に浸漬され、且つ、上記直線上にメッキ液と接触しているメッキ液透過部(スリット部)の少なくとも一部が配置されていれば、電極そのものが当該直線上に配置されていなくてもよい。
具体的には、図1(B)では、参照極3は、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に、検出部3aである参照極用隔離部材3cのスリット部3c−1の少なくとも一部が位置するように配置されている。図1(B)に示すように、電極3bは、参照極用隔離部材3c内のメッキ液2に浸漬されていれば、電極3bそのものが直線8上に配置されていなくてもよい。
また、図1(C)では、参照極3は、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に、参照極3の検出部3aである参照極用隔離部材3cのスリット部3c−1の底部が位置するように配置されている。このように、電極3bがメッキ液透過部(スリット部3c−1)に被覆されている場合には、参照極3の検出部3aと直線8との交点は、電極3bがメッキ液2に浸漬されていれば、メッキ液透過部(スリット部3c−1)の底部に限定されず、メッキ液と接触しているメッキ液透過部(スリット部3c−1)のいずれの部分であってもよい(図4参照)。
また、図1(C)では、参照極3は、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に、参照極3の検出部3aである参照極用隔離部材3cのスリット部3c−1の底部が位置するように配置されている。このように、電極3bがメッキ液透過部(スリット部3c−1)に被覆されている場合には、参照極3の検出部3aと直線8との交点は、電極3bがメッキ液2に浸漬されていれば、メッキ液透過部(スリット部3c−1)の底部に限定されず、メッキ液と接触しているメッキ液透過部(スリット部3c−1)のいずれの部分であってもよい(図4参照)。
電極としては、一般的なものを用いることができ、可逆水素電極(reversible hydrogen electrode;RHE)、銀−塩化銀電極及び銀−塩化銀−塩化カリウム電極等を用いることができる。
電位制御装置としては、ポテンショスタット及びポテンショガルバノスタット等を用いることができる。
メッキ液としては、被覆材を含むものであれば、特に限定されない。本発明において被覆材とは、メッキ対象材料の表面に、所望の特性を有するメッキ皮膜を形成させることを目的として使用される材料である。メッキ液は、通常、被覆材である金属塩を溶媒に所定量溶かしたものから構成されるが、特にこの構成に限定されず、金属イオンの一部又は全部が液中に解離して存在しているメッキ液であればよい。
メッキ液に用いる溶媒としては、水、有機溶媒が挙げられ、被覆材やメッキ対象材料に応じて、適宜選択することができる。例えば、コアシェル触媒の製造において、コア金属粒子の表面にCu−UPDによる銅メッキを行う場合には、コア金属粒子表面への銅の析出を妨げないという観点から、水が好ましい。
メッキ液は、上記溶媒の他にも、例えば、酸等を含んでいてもよい。酸としては、具体的には、硫酸、硝酸、塩酸、亜塩素酸、過塩素酸、シュウ酸等が挙げられる。尚、後述する被覆材の金属塩の対アニオンと、酸の対アニオンとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
メッキ液に用いる溶媒としては、水、有機溶媒が挙げられ、被覆材やメッキ対象材料に応じて、適宜選択することができる。例えば、コアシェル触媒の製造において、コア金属粒子の表面にCu−UPDによる銅メッキを行う場合には、コア金属粒子表面への銅の析出を妨げないという観点から、水が好ましい。
メッキ液は、上記溶媒の他にも、例えば、酸等を含んでいてもよい。酸としては、具体的には、硫酸、硝酸、塩酸、亜塩素酸、過塩素酸、シュウ酸等が挙げられる。尚、後述する被覆材の金属塩の対アニオンと、酸の対アニオンとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
被覆材としては、種々の金属塩を用いることができる。金属塩としては、特に限定されないが、例えば、チタン、ステンレス鋼、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、白金及び金からなる群より選ばれる金属を含む金属塩(塩化物、その他のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩等)等が挙げられる。
メッキ対象材料が、コアシェル触媒の製造に用いるコア金属粒子である場合は、被覆材として、シェルとなる触媒金属の塩が挙げられる他、触媒金属で置換される銅の塩を挙げることができる。銅塩としては、具体的には、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、亜塩素酸銅、過塩素酸銅、シュウ酸銅等が挙げられる。
メッキ液において、被覆材の金属成分は、例えば、金属のイオン(二種以上の金属を含む塩の場合には、該塩を構成する個々の金属元素のイオン)等の形態であり得る。メッキ液における被覆材の濃度は、適宜設定すればよい。
メッキ対象材料が、コアシェル触媒の製造に用いるコア金属粒子である場合は、被覆材として、シェルとなる触媒金属の塩が挙げられる他、触媒金属で置換される銅の塩を挙げることができる。銅塩としては、具体的には、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、亜塩素酸銅、過塩素酸銅、シュウ酸銅等が挙げられる。
メッキ液において、被覆材の金属成分は、例えば、金属のイオン(二種以上の金属を含む塩の場合には、該塩を構成する個々の金属元素のイオン)等の形態であり得る。メッキ液における被覆材の濃度は、適宜設定すればよい。
メッキ対象材料は、電気メッキにより表面にメッキ皮膜を形成可能なものであれば特に限定されない。メッキ対象材料は、少なくとも表面の一部が良導電性材料であればよく、良導電性材料としては、例えば、チタン、ステンレス鋼、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、白金及び金からなる群より選ばれる金属材料等を挙げることができる。メッキ対象材料が、コアシェル触媒の製造に用いるコア金属粒子である場合は、コア金属粒子としては、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、銀および金並びにこれらから選ばれる金属を含む合金からなる群より選ばれる金属粒子を挙げることができる。メッキ対象材料は、良導電性材料のみで形成されていてもよいし、メッキ皮膜を形成しない部位が良導電性材料以外の材料で形成されていてもよい。
メッキ対象材料の形状は特に限定されず、例えば、粉体状、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形状等が挙げられる。
メッキ対象材料が、コアシェル触媒の製造に用いるコア金属粒子である場合は、該粒子の平均粒径は一般に、下限が2nm以上、好ましくは4nm以上、上限が40nm以下、好ましくは10nm以下である。
メッキ対象材料の形状は特に限定されず、例えば、粉体状、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形状等が挙げられる。
メッキ対象材料が、コアシェル触媒の製造に用いるコア金属粒子である場合は、該粒子の平均粒径は一般に、下限が2nm以上、好ましくは4nm以上、上限が40nm以下、好ましくは10nm以下である。
メッキ対象材料は、メッキ液中において作用極と接触させ、電位を印加することによって、その表面にメッキ皮膜を形成することができる。
メッキ対象材料を作用極に接触させる方法として、例えば、作用極の表面にメッキ対象材料を直接固定する方法、作用極の表面に導電性部材を介して間接的に固定する方法、メッキ対象材料を作用極として用いる方法等が挙げられる。或いは、メッキ液中にメッキ対象材料を分散させ、適宜、メッキ液をマグネチックスターラー等により攪拌したり、ポンプ等により液体輸送することによって、連続的または断続的にメッキ対象材料を作用極に接触させる方法が挙げられる。
メッキ対象材料を作用極に接触させる方法として、例えば、作用極の表面にメッキ対象材料を直接固定する方法、作用極の表面に導電性部材を介して間接的に固定する方法、メッキ対象材料を作用極として用いる方法等が挙げられる。或いは、メッキ液中にメッキ対象材料を分散させ、適宜、メッキ液をマグネチックスターラー等により攪拌したり、ポンプ等により液体輸送することによって、連続的または断続的にメッキ対象材料を作用極に接触させる方法が挙げられる。
例えば、粉体状の材料である場合は、該粉体材料をメッキ液に分散させた状態で作用極と接触させることが好ましい。
粉体材料は、粉末状態でメッキ液に添加することによってメッキ液に浸漬、分散させてもよいし、予め、溶媒に分散させて粉体材料分散液を調製し、該粉体材料分散液をメッキ液に添加することによってメッキ液に浸漬、分散させてもよい。粉体材料分散液に用いられる溶媒は、上述のメッキ液に用いられる溶媒と同様のものを用いることができる。また、粉体材料分散液は、メッキ液に添加可能な上記酸を含有していてもよい。
また、粉体材料を分散させたメッキ液は、必要に応じて適宜攪拌することが好ましい。例えば、作用極を兼ねるメッキ槽を用い、該メッキ槽内のメッキ液に粉体材料を浸漬、分散させた場合、メッキ液を攪拌することで、各粉体材料を作用極であるメッキ槽の表面に接触させ、各粉体材料に均一に電位を印加させることができる。また、攪拌は、連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。
その他、導電性基材上や作用極上に粉体材料を固定し、導電性基材や作用極の粉体材料固定面を、メッキ液に浸漬してもよい。粉体材料を固定する方法としては、例えば、電解質樹脂(例えばナフィオン(商品名)等)と、水やアルコール等の溶媒とを用いて、粉体材料ペーストを調製し、導電性基材や作用極の表面に塗布する方法が挙げられる。
粉体材料は、粉末状態でメッキ液に添加することによってメッキ液に浸漬、分散させてもよいし、予め、溶媒に分散させて粉体材料分散液を調製し、該粉体材料分散液をメッキ液に添加することによってメッキ液に浸漬、分散させてもよい。粉体材料分散液に用いられる溶媒は、上述のメッキ液に用いられる溶媒と同様のものを用いることができる。また、粉体材料分散液は、メッキ液に添加可能な上記酸を含有していてもよい。
また、粉体材料を分散させたメッキ液は、必要に応じて適宜攪拌することが好ましい。例えば、作用極を兼ねるメッキ槽を用い、該メッキ槽内のメッキ液に粉体材料を浸漬、分散させた場合、メッキ液を攪拌することで、各粉体材料を作用極であるメッキ槽の表面に接触させ、各粉体材料に均一に電位を印加させることができる。また、攪拌は、連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。
その他、導電性基材上や作用極上に粉体材料を固定し、導電性基材や作用極の粉体材料固定面を、メッキ液に浸漬してもよい。粉体材料を固定する方法としては、例えば、電解質樹脂(例えばナフィオン(商品名)等)と、水やアルコール等の溶媒とを用いて、粉体材料ペーストを調製し、導電性基材や作用極の表面に塗布する方法が挙げられる。
メッキ対象材料が粉体状である場合は、メッキ対象材料表面の導電性を向上させ、被覆材の被覆を効率良く実施する観点から、メッキ対象材料は導電性担体に担持されていることが好ましい。導電性担体の具体例としては、ケッチェンブラック(商品名:ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製)、バルカン(商品名:Cabot社製)、ノーリット(商品名:Norit社製)、ブラックパール(商品名:Cabot社製)、アセチレンブラック(商品名:Chevron社製)等の炭素粒子や、炭素繊維等の導電性炭素材料;金属粒子や金属繊維等の金属材料;が挙げられる。
メッキ対象材料を導電性担体に担持する方法としては、従来から用いられている方法を採用することができる。例えば、導電性担体を分散させた導電性担体分散液に、メッキ対象材料を混合し、濾過、洗浄して、エタノール等に再分散した後、真空ポンプ等で乾燥する方法が挙げられる。乾燥後、必要に応じて、加熱処理してもよい。
メッキ対象材料を導電性担体に担持する方法としては、従来から用いられている方法を採用することができる。例えば、導電性担体を分散させた導電性担体分散液に、メッキ対象材料を混合し、濾過、洗浄して、エタノール等に再分散した後、真空ポンプ等で乾燥する方法が挙げられる。乾燥後、必要に応じて、加熱処理してもよい。
電気メッキ条件は、メッキ液の種類、メッキ対象材料の材質、被覆材の材質、目的とするメッキ膜の厚み等を考慮して適宜設定することができる。
印加する電位は、被覆材の種類によって適宜選択することができる。例えば、UPDにより銅をメッキするには、銅の酸化還元電位よりも貴な電位であればよく、例えば、0.35〜0.7V(vs.RHE)の範囲内であることが好ましく、0.37V(vs.RHE)であることが特に好ましい。
電位を印加する時間は、特に限定されないが、例えば、UPDによる銅メッキの場合には、60分以上確保することが好ましく、反応電流が定常となり、ゼロに近づくまで行なうことがより好ましい。
電位の印加は、電位を掃引することによって行ってもよい。掃引する電位範囲としては、特に限定されないが、例えば、UPDによる銅メッキの場合には、0.3〜0.8V(vs.RHE)であることが好ましい。
電位掃引のサイクル数は、特に限定されないが、1〜20サイクルであることが好ましい。また、電位の掃引速度は、例えば、0.01〜100mV/秒である。
印加する電位は、被覆材の種類によって適宜選択することができる。例えば、UPDにより銅をメッキするには、銅の酸化還元電位よりも貴な電位であればよく、例えば、0.35〜0.7V(vs.RHE)の範囲内であることが好ましく、0.37V(vs.RHE)であることが特に好ましい。
電位を印加する時間は、特に限定されないが、例えば、UPDによる銅メッキの場合には、60分以上確保することが好ましく、反応電流が定常となり、ゼロに近づくまで行なうことがより好ましい。
電位の印加は、電位を掃引することによって行ってもよい。掃引する電位範囲としては、特に限定されないが、例えば、UPDによる銅メッキの場合には、0.3〜0.8V(vs.RHE)であることが好ましい。
電位掃引のサイクル数は、特に限定されないが、1〜20サイクルであることが好ましい。また、電位の掃引速度は、例えば、0.01〜100mV/秒である。
本発明の電気メッキ装置の別の形態として、図2〜5に示すものが挙げられる。尚、図2〜5において、図1と共通する構成については、同じ番号を付し、また、その説明を省略する。また、図2、3、5においては、参照極の具体的構成について示していないが、上記にて説明した構成と同様にすることができる。
図2は、本発明の電気メッキ装置の一例(回分式)を示す断面模式図である。
図2に示す電気メッキ装置20は、メッキ槽1を有し、メッキ槽1内には、メッキ液2が収容され、対極4、作用極5が、メッキ液2に十分に浸かるように配置され、参照極3が、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に参照極3の検出部3aの少なくとも一部が位置するように配置されている。
図2に示す電気メッキ装置20は、メッキ槽1を有し、メッキ槽1内には、メッキ液2が収容され、対極4、作用極5が、メッキ液2に十分に浸かるように配置され、参照極3が、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に参照極3の検出部3aの少なくとも一部が位置するように配置されている。
図3は、本発明の電気メッキ装置の一例(回分式)を示す断面模式図である。
図3に示す電気メッキ装置20は、メッキ槽1が良導電性材料で形成されており、その内表面が作用極5としても機能するものである。また、対極4は、メッキ対象材料である粉体材料(図示せず)がメッキ液2中において対極4に接触するのを防止する観点から、対極用隔離部材9内に収容された状態でメッキ液2に浸漬されている。対極用隔離部材9は、底部が対極用隔離部材のスリット部9aにより形成されており、対極4とメッキ液2との接触性が確保されている。参照極3は、作用極5の内表面と対極4とを対極用隔離部材のスリット部9aを介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に参照極3の検出部3aの少なくとも一部が位置するように配置されている。
図3に示す電気メッキ装置20は、メッキ槽1が良導電性材料で形成されており、その内表面が作用極5としても機能するものである。また、対極4は、メッキ対象材料である粉体材料(図示せず)がメッキ液2中において対極4に接触するのを防止する観点から、対極用隔離部材9内に収容された状態でメッキ液2に浸漬されている。対極用隔離部材9は、底部が対極用隔離部材のスリット部9aにより形成されており、対極4とメッキ液2との接触性が確保されている。参照極3は、作用極5の内表面と対極4とを対極用隔離部材のスリット部9aを介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に参照極3の検出部3aの少なくとも一部が位置するように配置されている。
図4は、本発明の電気メッキ装置の一例(回分式)を示す断面模式図である。
図3に示す電気メッキ装置において、参照極3の底部が上記直線上に配置されているのに対して、図4に示す電気メッキ装置20では、参照極3の中央部が上記直線上に配置されている。図4に示す電気メッキ装置20は、参照極3と直線8との交点以外は、図3と同様の構成である。
図4において、参照極3は、その全体が検出部3aとして機能するものであるため、作用極5の内表面と対極4とを対極用隔離部材のスリット部9aを介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に、参照極3の中央部付近が位置するように配置されている。尚、参照極3の検出部3aと直線8との交点は、検出部3aの底部、中央部付近に限定されず、検出部3aのいずれの部分であってもよい。
図3に示す電気メッキ装置において、参照極3の底部が上記直線上に配置されているのに対して、図4に示す電気メッキ装置20では、参照極3の中央部が上記直線上に配置されている。図4に示す電気メッキ装置20は、参照極3と直線8との交点以外は、図3と同様の構成である。
図4において、参照極3は、その全体が検出部3aとして機能するものであるため、作用極5の内表面と対極4とを対極用隔離部材のスリット部9aを介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に、参照極3の中央部付近が位置するように配置されている。尚、参照極3の検出部3aと直線8との交点は、検出部3aの底部、中央部付近に限定されず、検出部3aのいずれの部分であってもよい。
本発明の電気メッキ装置は、回分式、連続式いずれでもよい。尚、連続式には、ミクロンサイズの微小流路を有するマイクロリアクタ等が含まれる。
図5は、本発明の電気メッキ装置の一例(連続式)を示す断面模式図である。本装置は、メッキ対象材料が粉体状である場合に特に好適な装置である。
図5に示す電気メッキ装置20は、メッキ槽1には、メッキ液、粉体材料分散液等を導入する溶液導入管10及び該溶液を排出する溶液排出管11が設置されている。メッキ槽1内には、メッキ液2が収容され、対極4、作用極5が、メッキ液2に十分に浸かるように配置され、参照極3が、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に参照極3の検出部3aの少なくとも一部が位置するように配置されている。
図5は、本発明の電気メッキ装置の一例(連続式)を示す断面模式図である。本装置は、メッキ対象材料が粉体状である場合に特に好適な装置である。
図5に示す電気メッキ装置20は、メッキ槽1には、メッキ液、粉体材料分散液等を導入する溶液導入管10及び該溶液を排出する溶液排出管11が設置されている。メッキ槽1内には、メッキ液2が収容され、対極4、作用極5が、メッキ液2に十分に浸かるように配置され、参照極3が、作用極5と対極4とをメッキ液2を介して結ぶ最も短い直線上(最短距離8)に参照極3の検出部3aの少なくとも一部が位置するように配置されている。
1 メッキ槽
2 メッキ液
3 参照極
3a 検出部
3b 電極
3c 参照極用隔離部材
3c−1 スリット部(メッキ液透過部)
3c−2 透過不可部
4 対極
4a 対極下部
5 作用極
5a 近接作用極端部
5b 遠隔作用極端部
6 電位制御装置
7 電気配線
8 直線(最短距離)
8’ 直線(透過不可部越し最短距離)
9 対極用隔離部材
9a スリット部
9b 透過不可部
10 溶液導入管
11 溶液排出管
20 電気メッキ装置
2 メッキ液
3 参照極
3a 検出部
3b 電極
3c 参照極用隔離部材
3c−1 スリット部(メッキ液透過部)
3c−2 透過不可部
4 対極
4a 対極下部
5 作用極
5a 近接作用極端部
5b 遠隔作用極端部
6 電位制御装置
7 電気配線
8 直線(最短距離)
8’ 直線(透過不可部越し最短距離)
9 対極用隔離部材
9a スリット部
9b 透過不可部
10 溶液導入管
11 溶液排出管
20 電気メッキ装置
Claims (5)
- 作用極と、対極と、参照極と、被覆材を含有するメッキ液を収容するメッキ槽とを備え、前記作用極、前記対極及び前記参照極は前記メッキ液に少なくとも一部が浸漬するように配置される電気メッキ装置であって、
前記メッキ液中において、前記作用極と前記対極とを前記メッキ液を介して結ぶ最も短い直線上に、前記参照極の検出部の少なくとも一部が位置するように前記参照極が配置されていることを特徴とする電気メッキ装置。 - 前記メッキ槽が前記作用極としても機能する、請求項1に記載の電気メッキ装置。
- 前記メッキ液にメッキ対象材料である粉体材料を分散させ、前記粉体材料をメッキする、請求項1又は2に記載の電気メッキ装置。
- 前記参照極は、前記メッキ液が透過可能かつ前記粉体材料が透過不可能なスリット部を有する参照極用隔離部材と、前記参照極用隔離部材に収容された電極と、を有し、前記電極が、前記参照極用隔離部材のスリット部を介して前記メッキ槽内の前記メッキ液に浸漬され、
前記直線上に、前記参照極用隔離部材のスリット部の前記メッキ液と接触している部位の少なくとも一部が位置するように、前記参照極が配置されている、請求項3に記載の電気メッキ装置。 - 前記対極が、前記メッキ液が透過可能かつ前記粉体材料が透過不可能なスリット部を有する対極用隔離部材に収容された状態で前記メッキ槽内に配置され、前記対極用隔離部材のスリット部を介して前記メッキ槽内の前記メッキ液に浸漬され、
前記直線が、前記作用極の表面と前記対極とを前記対極用隔離部材のスリット部を介して結んだ最も短いものである、請求項3又は4に記載の電気メッキ装置。
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