JP2014225059A - 評価指標値算出システム、評価指標値算出方法、評価指標値算出プログラム、および記録媒体 - Google Patents

評価指標値算出システム、評価指標値算出方法、評価指標値算出プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術のもと、遺伝子情報を用いて提供されるアドバイス情報は定性的な内容にとどまっており、利用者が本当に知りたい定量的・具体的で実際に日々の生活の中で実践できるアドバイス情報を提供できているとは言い難かった。【解決手段】アドバイス情報に関連付けられた評価指標値を算出する評価指標値算出システムであって、アドバイス情報と後記評価指標値を算出するための関数である評価指標値算出関数を一以上保持し、遺伝子検査によって得られる被験者の遺伝子情報を取得し当該遺伝子情報に基づき遺伝子情報値を取得し、生体検査によって得られる被験者の検査結果を取得し、当該検査結果に基づき検査結果値を取得するとともに、遺伝子情報値と検査結果値とを評価指標値算出関数に代入することによって前記アドバイス情報に関連付けられる評価指標値を算出する評価指標算出システムなどを提案する。【選択図】図1

Description

本発明は個々人に適合した好ましい生活パターンや食事のとり方、運動の仕方、医薬品、サプリメント、化粧料などの具体的な情報を提供するための評価指標値算出システムに関する。
近年、遺伝学や臨床医学などの分野における研究が進んだことにより、ヒトが固有にもつ特定の多型等の遺伝子情報の存在が特定の疾病を引き起こすリスクを高める要因となっていることが明らかになっている。具体的には、例えば、β3ARの遺伝子多型やUCP1の遺伝子多型などの多型遺伝子を保有するヒトは肥満を引き起こしやすいといわれている。また、PPARγの遺伝子多型を保有するヒトはインスリンが効きにくく、糖尿病になりやすいことが明らかにされつつある。
このような研究が進んだこともあり、近年では、あるヒトの多型遺伝子情報を調査することにより、当該調査結果を踏まえて、そのヒトが健康的な生活を送るためのアドバイス情報を提供するための様々な技術が開発され提供されている。
例えば、特許文献1には、利用者の健康に関する2以上の多型遺伝子情報を取得して、それらの多型遺伝子情報の組み合わせに基づいて健康支援情報を提供する方法に関する技術が開示されている。具体的には、同文献には多型遺伝子情報のほか、人種情報や利用者の生活情報、例えば、食事に関する情報、運動に関する情報などをも組み合わせ、生活支援のためのアドバイス情報として理想体型や食事情報、運動情報などを提供する技術が開示されている。
特開2007−34845号公報
しかしながら、特許文献1記載の従来技術においては、多型遺伝子情報と組み合わせて用いる生活情報はいずれも定性的な情報であって、ゆえに当該情報に基づいて提供されるアドバイス情報もまた定性的な内容であった。そのため被験者は、当該アドバイス情報の提供を受けても、実際の日々の生活の中で当該アドバイス情報をどのように実践すれば所定の効果を享受できるのかが不明確であり、分からなかった。従来技術においては、被験者の具体的な行動規範・行動指針を示すことができておらず、具体的な行動喚起をするのは非常に困難であったのである。
図20は、前記従来技術における遺伝子情報を用いたアドバイス情報提供の一例を示す図である。同図において示されているように、従来は「〜のリスクが比較的高めです」「食事はタンパク質を多めに摂りましょう」「血圧の変化に注意してください」「お酒は控えめにしましょう」などの定性的なアドバイス情報が提供されているに過ぎず、被験者がこれを見ても、例えば「血圧がどう変化すればどう対応すればよいのか」「仕事の付き合い上、お酒を飲まないわけにはいかない場合はどうすればいいんだ」といった実際の生活や仕事上の制約等を踏まえた上での疑問に応えているとは言い難かった。
さらにいえば、従来技術において提供されるアドバイス情報はヒトの健康に関する生活支援情報に限定されており、医薬品、サプリメントの効能や化粧料の適不適等遺伝子検査により提供可能な他の用途が見過ごされていた。
以上のような課題を解決するために、本発明は、遺伝子検査結果と、生体検査結果と、に基づいて被験者に対して出力するアドバイス情報に関連付けられた評価指標値を算出する評価指標値算出システムであって、アドバイス情報保持部と、遺伝子検査によって得られる被験者の遺伝子情報を取得する遺伝子情報取得部と、取得した遺伝子情報に基づき所定のルールで遺伝子情報値を取得する遺伝子情報値取得部と、生体検査によって得られる被験者の検査結果を取得する生体検査結果取得部と、生体検査結果取得部にて取得した検査結果に基づき所定のルールで検査結果値を取得する検査結果値取得部と、後記評価指標値を算出するための関数である評価指標値算出関数を一以上保持する評価指標値算出関数保持部と、遺伝子情報値と、検査結果値と、を評価指標値算出関数に代入することによって前記アドバイス情報に関連付けられる評価指標値を算出する評価指標値算出部と、を有する評価指標算出システムなどを提案する。
主に以上のような構成をとる本発明によって、利用者の様々な用途に応じて、定量的で緻密なアドバイス情報を提供することが可能になる。
実施形態1の評価指標値算出システムの概念図 実施形態1の評価指標値算出システムの機能ブロックの一例を示す図 アドバイス情報保持部におけるアドバイス情報保持の具体的な一例を示す図 定量的なアドバイス情報の提供を可能にするための評価指標値算出関数の保持の一例に関する概念図 評価指標値算出関数保持部における評価指標値算出関数保持の具体的な一例を示す図 遺伝子情報値取得部における遺伝子情報値取得の具体的な一例を示す図 検査結果値取得部における検査結果値取得の具体的な一例を示す図 検査結果値取得部における検査結果値取得の別の具体的な一例を示す図 具体的なアドバイス情報出力の一例を示す図 実施形態1の評価指標値算出システムを構成する各装置の機能的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図 実施形態1の評価指標値算出システムにおける処理の流れの一例を示す図 複数階層にて提供されうるアドバイス情報の一例を示す図 複数の各アドバイス情報を優先関係に基づいて出力関する一例を示す図 実施形態2の評価指標値算出システムの処理の流れの一例を示す図 実施形態3の評価指標値算出システムの機能ブロックの一例を示す図 実施形態3において選択されるべき複数の関数相互の関係の一例を示す図 実施形態3の評価指標値算出システムの処理の流れの一例を示す図 実施形態4の評価指標値算出システムの機能ブロックの一例を示す図 実施形態4の修正部の働きの一例を示す概念図 実施形態4の評価指標値算出システムの処理の流れの一例を示す図 従来技術における多型遺伝子情報を用いたアドバイス情報提供の一例を示す図
以下、本発明の各実施形態について図面と共に説明する。実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は、主に請求項1、4、6、9、11、14、16などに対応する。実施形態2は、主に請求項2、7、12などに対応する。実施形態3は、主に請求項3、8、13などに対応する。実施形態4は、主に請求項5、10、15などに対応する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
<<実施形態1>>
<概要>
図1は、本実施形態の評価指標値算出システムの概念図である。同図において示されているように、本実施形態の評価指標値算出システムは、アドバイス情報をデータベース化するなどして保持し、遺伝子検査によって得られる被験者の「遺伝子情報」0110を取得し、取得した遺伝子情報に基づき所定のルールで遺伝子情報値を取得するとともに、生体検査によって得られる被験者の「生体検査結果」0120を取得し、生体検査結果取得部にて取得した検査結果に基づき所定のルールで検査結果値を取得するいっぽう、後記評価指標値を算出するための関数である評価指標値算出関数を一以上保持しておき、遺伝子情報値と、検査結果値と、を評価指標値算出関数に代入することによって前記アドバイス情報に関連付けられる評価指標値を算出することを特徴とする。
<機能的構成>
図2は、本実施形態の評価指標値算出システムの機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「評価指標値算出システム」0200は、「アドバイス情報保持部」0201と、「遺伝子情報取得部」0202と、「遺伝子情報値取得部」0203と、「生体検査結果取得部」0204と、「検査結果値取得部」0205と、「評価指標値算出関数保持部」0206と、「評価指標値算出部」0207と、を有する。
なお、以下に記載する評価指標値算出システムを構成する各装置の機能ブロックは、いずれもハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらのメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、DNAマイクロアレイ装置、DNAシークエンサー装置、次世代シークエンサー装置、スキャナ装置、プリンタ、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。そして、メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
本発明は一または複数の装置との組み合わせによりシステムとして実現可能である。なお、このような装置の一部をソフトウェアとして構成することも可能であるし、方法として実現することも可能である。さらに、そのようなソフトウェアが記録された記録媒体も当然に本発明の技術的な範囲に含まれる(本実施形態に限らず、本明細書の全体を通じて同様である。)。
「アドバイス情報保持部」0201は、遺伝子検査結果と、生体検査結果と、に基づいて被験者に対して出力するためのアドバイス情報を保持するように構成される。ここでいうアドバイス情報は、例えば重点的に摂取すべき具体的な栄養素やその量(一日あたり、毎食あたりなど)や控えるべき行為・行動のように個々人ごとに異なる生理的状態の情報ではなく、被験者にとって具体的な行動の指針たりうるような定量的な内容のアドバイスであることが望ましい。
ここで、図3を用いてアドバイス情報保持部におけるアドバイス情報保持の具体的な一例を示す。同図において示されているように、アドバイス情報はそれぞれ後記特定の評価指標値と紐づけられて保持されており、評価指標値が算出されることにより特定のアドバイス情報を提供することが可能になっている。なお、ここでいうアドバイス情報は前記従来技術において示されていたような定性的な内容ではなく、定量的な内容である点が特徴となる。具体的には、評価指標値「ID0043」と紐づけられて保持されているアドバイス情報によれば、「お酒の席ではビールや日本酒などの醸造酒は飲まず、ウイスキーや焼酎のような蒸留酒を飲むようにしましょう。2時間の会合であれば、400cc程度までが許容飲酒量です。」などのように、具体的な数値(ちなみに、前記「飲まない」とはすなわち、「飲酒量をゼロにする」ことと同義である。)を挙げて被験者に対しとるべき行動、あるいは避けるべき行動の指針を具体的に示している。このように、例えば「アルコールは控えめにしましょう」などと単にアルコール飲料の摂取を控えることを促す定性的な内容ではなく、定量的かつ具体的な内容のアドバイス情報を提供可能に保持することにより、被験者にとって真に行動の指針となるようなアドバイス情報を提供することが可能になる。
ここで、前記定量的なアドバイス情報の提供を可能にするための評価指標値算出関数の保持の一例に関する概念図として、図4を示す。同図においては、後に図8を用いて説明する例と同様の遺伝子情報、生体検査結果を踏まえ統計的に算出されている飲酒量と糖尿病発症率との関係を示すグラフが示されている。同グラフからは、飲酒量がゼロの場合に比べ、わずかな飲酒量まで(例えば、同図中「X1」で示される量)であれば糖尿病発症率は下がるものの飲酒量が「X2」で示される量を超えれば同病発症率が上昇することが把握可能である。このように、アドバイス情報においては、統計的に明らかになっている結果を示す当該グラフの内容を利用することにより具体的な数値等に言及することが可能になる。そしてこれら統計的な情報や他の情報とを組み合わせることなどによって、アドバイス情報の内容を具体的かつ定量的なものとすることが可能になる。
なお、以上のアドバイス情報に関する説明は、あくまで当該情報の一例を示すものであって、アドバイス情報が上記説明に用いたヒトの健康に関する情報に限定される趣旨ではない。例えば、医薬品の効能や化粧料の適否などのように、遺伝子情報と生体検査の情報を用いてヒトの受けるメリットやデメリットを説明することが可能な事象に対して何らかの示唆をもたらす情報であれば、ここでいうアドバイス情報に含むことが可能である。具体的にいえば、被験者が服用すべき医薬品及び/又はサプリメントの種類や至適投与量、服用のタイミング、あるいは他に服用すべき医薬品及び/又はサプリメントとの組み合わせなどに関する情報をアドバイス情報として保持することがあってもよいし、また、個人ごとに異なる老化のペースに応じて使用すべき抗老化用(アンチエイジング)化粧料の種類や使用頻度、使用量などに関する情報もアドバイス情報の対象としてもよい。
なお、現代において医学の進歩は目覚ましく、遺伝子情報に関する新たな知見、遺伝子情報と生体検査結果との相関関係に関する新たな知見などが日々実証されている。その結果、これまでは妥当と考えられていたアドバイス情報が、実は誤っていた情報となる事態も想定されるし、これまで唱えられてこなかった全く新たな情報を提供可能となることで、これまでのアドバイス情報の優先度が大きく劣後するような重要な新知見が判明することも考えられる。したがって、これらの事後的変化に対応できるようにするため、アドバイス情報は、随時更新可能な状態にて保持されていることが望ましい。
「評価指標値算出関数保持部」0206は、後記評価指標値を算出するための関数である評価指標値算出関数を一以上保持するように構成される。評価指標値算出関数に遺伝子情報値及び検査結果値を代入することによって一の評価指標値が算出される。ここで評価指標値算出関数の一例として図5を示すが、評価指標値算出関数は所定の数式であってもよいほか、同図において示されているような所定のテーブルであってもよい(図5については、後ほど詳述する。)。
なお、評価指標値算出関数はひとつではなく、複数保持されているのが通常である。具体的には、男女別、年齢・年代別、職種別、居住地域別などのように被験者の各種属性に対応するような関数であるほか、特定の疾病と関連付けられた関数などがそれぞれ独立して保持される構成が想定される。ちなみに、図5はインスリン分泌能、すなわち糖尿病の発症と関連付けられた評価指標値算出関数の一例を示す図である。当該構成をとれば、被験者の有する様々な属性のうちの一側面に焦点を当てたピンポイントのアドバイス情報を提供することが可能になる。
また、一の評価指標値算出のために用いられる評価指標値算出関数が必ずしも一である必要はない。すなわち、一の評価指標値算出のために複数の評価指標値算出関数を用いることがあってもよい。複数の評価指標値算出関数を例えば階層構造にて保持しておき、所定段階にて用いるべき評価指標値算出関数をカテゴライズに保持する構成をとることにより、遺伝子情報値と検査結果値とを用いて複雑な条件設定のもとで評価指標値を算出することが可能になり、よって、より定量的かつ具体的な内容のアドバイス情報を提供することを可能とする(詳しくは実施形態3で説明する。)。
「遺伝子情報取得部」0202は、遺伝子検査によって得られる被験者の遺伝子情報を取得するように構成される。ここでいう「遺伝子検査」とは、ヒトの遺伝子の状態に着目して行われる検査であれば、その具体的な検査方法は限定しない。特に一例を挙げるならば、DNAマイクロアレイ法を用いて被験者のDNA配列を調べ、そこから多型遺伝子の状態を把握する方法が挙げられる。DNAマイクロアレイ法とは、被験者の唾液などから採取した細胞や組織を検体として用い、当該細胞等のDNA断片を高密度に配置したうえで当該DNAの分析を行う方法である。ちなみに、遺伝子に着目した場合に用いられる「多型」の語は、通常のヒトの有する遺伝子と異なる遺伝子が全体の1%以上の頻度で存在している状態に用いられるが、実際には1%未満の頻度で前記異なる遺伝子がある場合(通常、「突然変異」あるいは「変異」と呼ばれる)であっても当該異なる遺伝子が特定の疾病との関係で因子となりうることもあるので、本明細書においては、塩基に多様性のある状態はその頻度に関わらず多型と呼び、前記異なる遺伝子のことを「多型遺伝子」と称することとする。
ちなみに、ここでいう遺伝子情報としては、例えば、SNPs(Single Nucleotide Polymorphisms、一塩基多型)やSTRP(Short Tandem Repeat Polymorphism、マイクロサテライト)、VNTR(Variable Number of Tandem Repeat)などの多型遺伝子に関する情報であることが望ましい。これらの情報を取得することによって、個々の多型によってもたらされる遺伝子機能の低下あるいは欠損を把握することが可能になる。
また、CNV(Copy Number Variation、コピー数多型)の情報を取得して後記遺伝子情報値の算出に用いても良い。当該情報を取得することにより遺伝子配列ではなく染色体の欠損あるいは重複によりもたらされる遺伝子のコピー数の変化から生じる遺伝子機能の低下あるいは欠損を把握することが可能になる。
さらに、これらの多型遺伝子に着目するのではなく、体細胞分裂や減数分裂に伴う遺伝子機能の変化に着目し、当該変化(エピジェネティクス)の遺伝子情報に着目してもよい。このエピジェネティクスを前記遺伝子情報として取得し後記遺伝子情報値の取得に用いても当該被験者にとって有益なアドバイス情報を提供することができる。
なお、これまで一例として掲げた各遺伝子情報について、常にこれらの情報が1種類単独で取得されるとは限らない。すなわち、2以上の異なる種類の遺伝子情報が取得されてももちろんよい。異なる種類の遺伝子情報を用いることによって、1種類の遺伝子情報のみを用いた場合に比べて、より精密で具体的なアドバイス情報を提供可能な遺伝子情報値を取得することが可能になる。
「遺伝子情報値取得部」0203は、遺伝子情報取得部にて取得した遺伝子情報に基づき所定のルールで遺伝子情報値を取得するように構成される。ここでいう遺伝子情報値取得のための所定のルールは、例えば、あらかじめ一の遺伝子情報に対し一又は複数の遺伝子情報値を紐づけるようなテーブルを設けておくことにより構築することが可能である。さらに具体的にいえば、ここでいう遺伝子情報は特定の多型遺伝子の情報であって、あらかじめ特定の多型遺伝子に対して特定の値を付与しておくようなテーブルを設けることによって、所定の多型遺伝子に対応した遺伝子情報値を取得することができる。
ちなみに、遺伝子情報の内容として多型遺伝子の情報を用いる場合には、一の遺伝子情報のなかに前掲のように複数の多型遺伝子に関する情報が含まれることがありうる。このような場合には、当該各多型遺伝子に関する情報に基づいて個別に遺伝子情報値を取得するような構成をとることが望ましい。すなわち、遺伝子情報値は、一の遺伝子情報から必ずしも一だけ取得されるものとは限らず、複数取得されるような値であってよい。
ここで、図6を用いて遺伝子情報値取得の一例を示す。同図では、インスリン分泌能に関する多型遺伝子の情報が通常は複数存在することを前提とし、その複数の多型遺伝子の組み合わせに対応した遺伝子情報値を取得するケースに関するテーブルが示されている。例えば、SNPの場所を示すrs番号がそれぞれ「rs2237892」「rs7903146」「rs5219」で特定される「KCNQ1」「TCF7L2」「KCNJ11」の3つの遺伝子に関して遺伝的多型を有している被験者から当該遺伝子情報を取得した場合には、同テーブルに基づいて遺伝子情報値として「A011」が取得されることとなる。
「生体検査結果取得部」0204は、生体検査によって得られる被験者の検査結果の情報を取得するように構成される。ここでいう生体検査には、身長や体重、血圧、脳波など身体の生理的な機能を調べる検査のほか、採取した血液や尿中の各種パラメータの測定検査、内視鏡を用いて体内の器官の働きを直接視認するような各種検査、超音波や放射線を用いることにより特定の部位を画像化して観察するような検査に至るまで、被験者の生体の動向を把握するためのあらゆる検査が含まれる。
なお、ここでいう「生体検査結果」には、前記のように客観的な検査の結果のみならず、専門家による問診などの結果も含まれる。具体的には、食欲の有無や手足のしびれの有無などがここでいう問診などの結果として顕在化する生体検査結果である。いっぽう、被験者の性別や年齢、人種、職業などの情報はここでいう生体検査結果には含まれない。
「検査結果値取得部」0205は、生体検査結果取得部にて取得した検査結果に基づき所定のルールで検査結果値を取得するように構成される。ここでいう所定のルールも、遺伝子情報値取得部の説明において既に述べたように、例えば予め保持されている所定のテーブルを用いる方法が考えられる。当該所定のテーブルを用いた検査結果値取得の一例を示すために図7を示す。図7aはHDLコレステロールの検査数値を、図7bはLDLコレステロールの検査数値をそれぞれ所定区分に区切り、区分ごとに検査結果値を付与する様子を示した図である。同図に示された例の場合、生体検査結果においてLDLコレステロールの数値が90であれば同テーブルに基づき、検査結果値として「ab046」が取得されることとなる。なお、同各図における各区分はあくまで説明の便宜上設けたものであり、必ずしも医学上の知見等に基づくものではない(以下の説明で用いる評価指標値算出関数の内容についても同様である。)。
「評価指標値算出部」0207は、遺伝子情報値と、検査結果値と、を評価指標値算出関数に代入することによって前記アドバイス情報に関連付けられる評価指標値を算出するように構成される。まず具体的には、遺伝子情報値と、検査結果値とを代入するための評価指標値算出関数を選択する必要があり、前記選択は、評価指標値算出関数保持部にて保持されている評価指標値算出関数のなかから行われる。評価指標値算出関数が複数ある場合にどのような判断基準に基づいて前記選択がなされるかについては任意に定められてよいが、例えば、男女別、年齢・年代別、職種別、居住地域別などのように被験者の生活属性に対応する情報を参照する方法や、特定の疾病に焦点をあてて当該疾病に関する情報を参照する方法、一の評価指標算出関数を用いた後に当該算出結果に応じて別の評価指標値算出関数を選択して当該算出結果を代入する方法などを用いることが可能である。既に説明してきたように、被験者のニーズに応じた評価指標値算出関数を用いることにより、定量的かつ具体的なアドバイス情報の提供が可能になる。
なおこれまで図6、7を用いて説明してきた例において評価指標値を算出する一例として図5を用いて説明を続ける。同図においては、横軸方向に遺伝子情報値を、縦軸方向に検査結果値をそれぞれ並べたテーブルを設け、インスリン分泌能に関する評価指標値を算出するための関数として用いることとする。この例の場合、取得された遺伝子情報値は「A011」であり、取得された検査結果値が「ab046」であったことから、評価指標値としては、同テーブルにおいて前記両値によって特定される領域に示された「ID0483」が算出され、前掲図3において「ID0483」と紐づけられているアドバイス情報の内容が出力される。
なおここで、以上で説明してきた本実施形態の評価指標値算出システムの作用の別の一例を示す図として図8を示す。同図において示された例では、被験者から取得した遺伝子情報によって、当該被験者にはKCNQ1という遺伝子にホモの多型があることが判明した。KCNQ1遺伝子の多型についてはこれまで不整脈との関連性が判明していたが、近年の研究によってさらに、東アジア人や北欧ヨーロッパ人においては成人発症の糖尿病との関連性が強く指摘されている。具体的には、当該多型をもつ日本人の場合、糖尿病リスクが通常の日本人の1.3〜1.4倍あると言われているが、これは、膵臓においてインスリンの合成・分泌機能を担う膵β細胞量が少なく、よってインスリンの分泌量が相対的に少ないためではないかと考えられている。
いっぽう、生体検査によって、当該被験者は接待などが多く、仕事がハードで食事の時間が不規則であることが分かっており、比較的BMIが高めであったり、FPGが高くかつBUN/Cr比が25であったりし、さらにγGTP値も95と比較的高めであるとの情報が得られた。一般的にこれらの各検査結果が意味するのはHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)の過剰形成であり、かかる状態は糖尿病発症との関係性を強く想起させる。
ここで、上記各検査の結果に応じ、たとえば、遺伝子情報値取得部にてKCNQ1と対応するように定められた遺伝子情報値「X923」を取得し、また、「BMI33」「BUN/Cr比が25」「γGTP95」などの情報と対応するように定められた検査結果値「dx022」「ld063」「vc044」をそれぞれあるいはまとめて取得する。そしてさらに、当該各値を所定のルールに基づき評価指標値算出関数に代入し、その結果として評価指標値を算出する。このとき、当該算出された評価指標値は、対応するアドバイス情報を被験者に把握可能な形式にて出力する処理などがおこなわれる。当該例の場合においては、遺伝子検査結果に応じて導き出される糖尿病発症を予防するとの観点から、インスリン合成と分泌を促すような栄養指導を内容とするアドバイス情報が提供されることとなり、生体検査結果に応じて「お酒の飲み方」「食事の順番」などに関する定量的かつ具体的な情報がアドバイス情報として選択されている。当該構成をとることにより被験者は、遺伝子検査と生体検査の双方の検査結果を自身において有機的に分析する必要なく、定量的な内容のアドバイス情報の提供を受けることが可能になる。
<具体的な構成>
図9は、本実施形態の評価指標値算出システムを構成する各装置の機能的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。この図を利用して、それぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
この図にあるように、評価指標値算出システムを構成する各装置は、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0901と、「記憶装置(記憶媒体)」0902と、「メインメモリ」0903と、「出力インターフェース」0904と、「入力インターフェース」0905と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「外部記憶装置」0906や「DNAマイクロアレイ装置」0907、「ディスプレイ」0908、などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。なお、記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0909などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
(アドバイス情報保持部の具体的な処理)
CPUは、「アドバイス情報保持プログラム」0910を記憶装置からメインメモリに読み出して実行し、入力インターフェースを通じてユーザが操作する端末より入力される信号をアドバイス情報として処理し、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する処理を行う。
(評価指標値算出関数保持部の具体的な処理)
CPUは、「評価指標値算出関数保持プログラム」0960を記憶装置からメインメモリに読み出して実行し、入力インターフェースを通じてユーザが操作する端末より入力される信号を評価指標値算出関数情報として処理し、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する処理を行う。
(遺伝子情報取得部の具体的な処理)
CPUは、「遺伝子情報取得プログラム」0920を記憶装置からメインメモリに読み出して実行し、受信した所定の信号を遺伝子情報として特定のIDと紐づける処理を行い、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(遺伝子情報値取得部の具体的な処理)
CPUは、遺伝子情報取得プログラムの実行により得られた結果とともに「遺伝子情報値取得プログラム」0930を記憶装置からメインメモリに読み出して実行し、前記遺伝子情報を数値化する処理をおこない、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(生体検査結果取得部の具体的な処理)
CPUは、「生体検査結果取得プログラム」0940を記憶装置からメインメモリに読み出して実行し、受信した所定の信号を生体検査結果として特定のIDと紐づける処理を行い、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(検査結果値取得部の具体的な処理)
CPUは、生体検査結果取得プログラムの実行により得られた結果とともに「検査結果値取得プログラム」0950をメインメモリに読み出して実行し、前記生体検査結果の情報を数値化する処理を行い、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(評価指標値算出部の具体的な処理)
CPUは、前記遺伝子情報値取得プログラムおよび検査結果値取得プログラムの実行により得られた結果のうち、同一の被験者のIDにて特定される情報をそれぞれ読み出すとともに、前記評価指標値算出関数保持プログラムの実行により得られた少なくとも一の評価指標値算出関数をも読み出し、さらに「評価指標値算出プログラム」0970をメインメモリに読み出して実行し、前記遺伝子情報値及び検査結果値を少なくとも一の評価指標値算出関数に代入し評価指標値を算出する処理を行う。ここでさらに前記アドバイス情報保持プログラムの実行により得られた情報を読み出し、前記算出された評価指標値と関連付けられるアドバイス情報を特定する処理も行い、当該処理結果をもメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(考えうるその他の具体的な処理)
なお、前記評価指標値算出プログラムの実行により得られた結果を出力するために、種々の情報出力のためのプログラムを記憶装置にて保持しておき、当該結果を出力するような処理を行うことも考えられる。具体的には、ディスプレイ上に前記処理結果を出力するための処理や、通信インターフェースを用いて外部端末に対し当該情報を出力するための処理を実行することが考えられる。そして、前記出力の対象である「前記評価指標値算出プログラムの実行により得られた結果」として出力される内容は、算出された評価指標値と関連付けられるアドバイス情報であることが考えられるが、評価指標値をもあわせて出力してももちろんよい。
<処理の流れ>
図10は、本実施形態の評価指標値算出システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1001では、被験者に対して出力すべきアドバイス情報の入力を受付け当該情報を保持する(アドバイス情報保持ステップ)。ステップS1002では、評価指標値を算出するための評価指標値算出関数を一以上保持する(評価指標値算出関数保持ステップ)。ここで、ステップS1001とステップS1002の処理の順番は相互に入れ替わってもよい。次にステップS1003では、被験者の遺伝子検査の結果である遺伝子情報を取得し(遺伝子情報取得ステップ)、ステップS1004では当該取得した遺伝子情報に基づき遺伝子情報値を取得する(遺伝子情報値取得ステップ)。ステップS1005では前記被験者の生体検査の結果の情報を取得し(生体検査結果取得ステップ)、ステップS1006では当該取得した生体検査の結果の情報に基づき検査結果値を取得する(検査結果値取得ステップ)。なおここで、ステップS1003およびステップS1004とステップS1005およびステップS1006の処理の順番は相互に入れ替わっても良い。そのうえでステップS1007では、遺伝子情報値と検査結果値を所定の評価指標値算出関数に代入し評価指標値を算出する(評価指標値算出ステップ)。なお、ステップS1008として、前記評価指標値と関連付けられているアドバイス情報を出力するアドバイス情報出力ステップを有していても良い。
<効果>
以上の構成を有する評価指標値算出システムを利用することにより、利用者の様々な用途に応じて、定量的で緻密なアドバイス情報を提供することが可能になる。
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の評価指標値算出システムは、基本的に実施形態1の評価指標値算出システムと同様であるが、アドバイス情報が階層構造を有しており、一の評価指標値によって複数階層にわたるアドバイス情報を特定可能にアドバイス情報と評価指標値が構成されている点をさらなる特徴として備えている。当該構成を採用することで、被験者のニーズに応じた柔軟なアドバイス情報の提供が可能になる。
<機能的構成>
本実施形態の「評価指標値算出システム」の基本的な機能的構成は実施形態1の図2を用いて説明した評価指標値算出システムと共通する。しかしながら、アドバイス情報と評価指標値の構成に違いがあることから、この点について説明する。
本実施形態における「アドバイス情報」は階層構造を有しており、一の評価指標値によって複数階層にわたるアドバイス情報を特定可能にアドバイス情報と評価指標値が構成されている。ここでいう複数階層にわたるアドバイス情報の一例としては、被験者がとるべき行動をさらに複数の数値等程度を示す情報ごとに具体的に特定して提示する情報とすることが挙げられる。前記数値についてさらに詳しく説明すれば、お酒に関するアドバイス情報であれば、飲酒量や飲酒の頻度、飲酒する時間帯などを数値あるいは数値帯を特定する内容とすることができる。運動に関するアドバイス情報の場合も、運動量や運動の頻度、運動する時間帯などを特定する内容とすることができる。これらの数値は、生体検査結果として取得される各種情報に基づき評価指標値算出関数を用いて演算される構成とするとよい。
上記で説明した複数階層にて提供されうるアドバイス情報の一例の説明の用いるために図11を示す。同図においては、上記具体例のうち飲酒に関し保持されるアドバイス情報の一例が示されている。具体的には、第一階層にて飲酒可能な酒の種類を具体的に提示するためのアドバイス情報を保持し、第二階層にて酒の種別ごとの摂取割合に関するアドバイス情報が保持されている。さらに第三階層では飲酒のペースに関するアドバイス情報が保持されており、第四階層では一度の宴席(例えば2時間)における許容総飲酒量に関するアドバイス情報が保持されている。このように、複数階層ごとに特定の意味付けをし、対応するアドバイス情報を上下階層間にて紐づけて保持することにより、アドバイス情報の提供量を調整することが可能になる。すなわち、上記例の場合、例えば生体検査結果あるいは遺伝子検査結果において、初期の糖尿病傾向が認められるものの血糖値の上昇ペースに特段異常との所見が見いだせない場合には、評価指標値「ID4229」と紐づけられる第二階層までのアドバイス情報が出力される。いっぽう、血糖値の急激な上昇傾向が認められる場合には、当該血糖値の急激な上昇に対応するべく、さらに飲酒のペース配分についてもアドバイス情報を提供する必要性が高い。したがって、このような被験者に対しては、評価指標値「ID6113」と紐づけられる第三階層までのアドバイス情報が出力される。このようにアドバイス情報を階層構造にて保持することにより、被験者ごとによって提供すべきアドバイス情報の量をコントロールすることが可能になる。
ちなみに、ここまでは提供すべきアドバイス情報の総量を調整可能にするために複数階層構造を設ける点について具体例を挙げて説明してきたが、それ以外にも、アドバイス情報は、アドバイス情報相互間の優先関係を示すために採用されていてもよい。この場合、複数階層構造を構成するための各アドバイス情報間の優劣関係を示す優先情報を取得する構成があってもよい。
ここで、図12を用いて各アドバイス情報が相互の優先関係に基づいて出力される場合の一例について説明する。同図において示した例における被験者の場合、遺伝子情報取得の結果、糖尿病発症のリスクのほか、心血管疾患や脳血管疾患のリスクが通常の日本人の場合に比べてそれぞれ1.1倍、1.8倍であることが判明した(なお、この情報は生体検査単独では把握できなかったものとする。)。一般的には、いちど糖尿病を発症してしまうと、以後血管疾患を発症するリスクが非常に増大することが知られており、これら血管疾患発症のリスクを顕在化抑止の観点からも、前記糖尿病予防のためのアドバイス情報は優先して提供されるべき情報と位置づけられる。図12においては、かかる各情報の相関関係を示すためにまず、糖尿病予防のためのアドバイス情報を主たる情報として相対的に上位に記載されるように提示し、血管疾患との関連性を有する情報(例えば、体重の具体的な目標値を設定し、そのための運動メニューを提供する等)は、相対的に下位に記載されるように提示される構成が示されている。
<具体的な構成>
本実施形態の評価指標値算出システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には図9を用いて説明した実施形態1の評価指標値算出システムを構成するハードウェア構成と同様であるので、以下では、これまで説明していないアドバイス情報の階層構造に応じた処理について説明する。
CPUは、評価指標値算出プログラムの実行により得られた情報を読み出すとともに「出力階層判断プログラム」を実行し、所定の信号にて特定された階層のみに紐づけられたアドバイス情報を出力するための処理を行う。
<処理の流れ>
図13は、本実施形態の評価指標値算出システムの処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1301では、被験者に対して出力すべきアドバイス情報の入力を受付け当該情報を保持する(アドバイス情報保持ステップ)。ステップS1302では、評価指標値を算出するための評価指標値算出関数を一以上保持する(評価指標値算出関数保持ステップ)。ここで、ステップS1301とステップS1302の処理の順番は相互に入れ替わってもよい。次にステップS1303では、被験者の遺伝子検査の結果である遺伝子情報を取得し(遺伝子情報取得ステップ)、ステップS1304では当該取得した遺伝子情報に基づき遺伝子情報値を取得する(遺伝子情報値取得ステップ)。ステップS1305では前記被験者の生体検査の結果の情報を取得し(生体検査結果取得ステップ)、ステップS1306では当該取得した生体検査の結果の情報に基づき検査結果値を取得する(検査結果値取得ステップ)。なおここで、ステップS1303およびステップS1304とステップS1305およびステップS1306の処理の順番は相互に入れ替わっても良い。そのうえでステップS1307では、遺伝子情報値と検査結果値を所定の評価指標値算出関数に代入し複数階層にて形成されているアドバイス情報ごとに紐づけられている評価指標値を算出する(階層別評価指標値算出ステップ)。なお、前記評価指標値と関連付けられている一又は複数のアドバイス情報を出力するアドバイス情報出力ステップを有していてもよい。この場合にはステップS1308として、複数階層にて保持されるアドバイス情報のうちどの階層のアドバイス情報を出力するかを判断する処理を行い(出力階層判断ステップ)、ステップS1309として、当該判断に基づき各アドバイス情報を出力する処理を行う(アドバイス情報出力ステップ)。
<効果>
以上の構成を有する評価指標値算出システムを利用することで、実施形態1において説明した効果に比べより被験者のニーズに応じた柔軟なアドバイス情報の提供が可能になる。
<<実施形態3>>
<概要>
本実施形態の評価指標値算出システムは、基本的に実施形態1又は2の評価指標値算出システムと同様であるが、評価指標値算出関数保持部に保持されている関数を代入しようとする遺伝子情報値と代入しようとする検査結果値とに応じて選択する点をさらなる特徴として備えている。当該構成を採用することにより、評価指標値算出の前提となる処理負担が軽減され、評価指標値ないしアドバイス情報を迅速に提供することが可能になる。
<機能的構成>
図14は、本実施形態の評価指標値算出システムの機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「評価指標値算出システム」1400は、「アドバイス情報保持部」1401と、「遺伝子情報取得部」1402と、「遺伝子情報値取得部」1403と、「生体検査結果取得部」1404と、「検査結果値取得部」1405と、「評価指標値算出関数保持部」1406と、「関数選択部」1407と、「評価指標値算出部」1408と、を有する。基本的な構成は実施形態1の図2を用いて説明した評価指標値算出システムと共通するため、以下では相違点である関数選択部の機能について説明する。
「関数選択部」1407は、評価指標値算出関数保持部に保持されている関数を代入しようとする遺伝子情報値と同じく代入しようとする検査結果値とに応じて選択するように構成される。具体的には、本実施形態の評価指標値算出システムにおいても実施形態1において説明したように、評価指標値算出関数は複数保持されることが許容されており、当該複数の評価指標値算出関数のうち、最も好適なアドバイス情報を提供するための関数を選択する。
ここで、前記好適なアドバイス情報を提供するための関数の選択方法の一例について、図15を用いて説明を行う。同図においては「af01」から「df05」までの計20個の評価指標値算出関数が保持されており、各関数のうち特定の疾病に関するアドバイス情報の提供が可能である関数が各疾病と対応付けられて枠で括られている様子が示されている。例えば、「cf04」「cf05」「df04」「df05」の4つの関数を用いると、胆がんに関するアドバイス情報を提供することができる。
上記例のもと、糖尿病腎症と心筋梗塞とに関連するアドバイス情報を提供する際には、同図において示される対応関係のもと「af02」「af03」「bf02」「bf03」の4つの関数のうち少なくともいずれか一の関数を用いて評価指標値を算出し、アドバイス情報を提供する。さらに胃がんに関連するアドバイス情報をも提供する場合には、さらに同図において示されている対応関係のもと「af03」「bf03」の関数を用いることが可能となる。このように、特定の疾病や症状ごとに対応する評価指標値算出関数を予めグルーピングしておくことにより、それら複数の疾病等に共通するようなアドバイス情報を提供するための好適な評価指標値算出関数を効率的に選択することが可能になる。
なお、関数選択部においては、アドバイス情報が前記実施形態2において説明したように複数階層にて保持されている場合において、当該階層のうちいずれの階層に割り当てられたアドバイス情報に紐づけられている評価指標値算出のための評価指標値算出関数を選択するかを判断するための構成を備えていてもよい。当該構成を採用した場合の関数選択の一例について既に説明に用いた図15を使って再度説明を行う。この場合、同図において「af01」「cf05」などで特定されるのは特定の評価指標値算出関数ではなく、一定の範囲の最上位層から最下位層までの複数のアドバイス情報と紐づけられた評価指標値を算出するための評価指標値算出関数群である。そして関数選択部においては、例えば、複数の疾病・症状が関連する評価指標値算出関数について、その関連する疾病・症状の数に応じて対応する前記関数群の中から特定の関数を選択して評価指標値を算出する。さらに具体的にいえば、関連する疾病・症状が多ければ多いほど低次階層のより具体的な内容のアドバイス情報と紐づけられた評価指標値を算出するための評価指標値算出関数を選択するように構成されている。図15の場合では、糖尿病腎症と胃がんとが関連するアドバイス情報を提供する場合には、両疾病に関連する「af03」の関数群のうち、2の疾病・症状に関連する例えば中位階層のアドバイス情報と紐づけられた評価指標値を算出するための評価指標値算出関数を選択することとなる。このような構成を採用することにより、様々な症状・疾病の重なりあいによって複雑に変化しうる多様なアドバイス情報を好適に提供することが可能になる。
<具体的な構成>
本実施形態の評価指標値算出システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には図9を用いて説明した実施形態1の評価指標値算出システムを構成するハードウェア構成と同様であるので、以下では、これまで説明していない関数選択部の具体的な処理について説明する。
(関数選択部の具体的な処理)
CPUは、前記遺伝子情報値取得ステップおよび検査結果値取得プログラムの実行により得られた結果を読み出して「関数選択プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記結果に応じた評価指標値算出関数を記憶装置から選択し読み出す処理を行い、当該処理の結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
<処理の流れ>
図16は、本実施形態の評価指標値算出システムの処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1601では、被験者に対して出力すべきアドバイス情報の入力を受付け当該情報を保持する(アドバイス情報保持ステップ)。ステップS1602では、評価指標値を算出するための評価指標値算出関数を一以上保持する(評価指標値算出関数保持ステップ)。ここで、ステップS1601とステップS1602の処理の順番は相互に入れ替わってもよい。次にステップS1603では、被験者の遺伝子検査の結果である遺伝子情報を取得し(遺伝子情報取得ステップ)、ステップS1604では当該取得した遺伝子情報に基づき遺伝子情報値を取得する(遺伝子情報値取得ステップ)。ステップS1605では前記被験者の生体検査の結果の情報を取得し(生体検査結果取得ステップ)、ステップS1606では当該取得した生体検査の結果の情報に基づき検査結果値を取得する(検査結果値取得ステップ)。なおここで、ステップS1603およびステップS1604とステップS1605およびステップS1606の処理の順番は相互に入れ替わっても良い。その後、ステップS1607では、ステップS1604およびステップS1606の結果に基づき評価指標値算出関数を選択する(関数選択ステップ)。そしてステップS1608では、遺伝子情報値と検査結果値とを前記選択された評価指標値算出関数に代入し評価指標値を算出する(評価指標値算出ステップ)。なお、ステップS1609として、前記評価指標値と関連付けられているアドバイス情報を出力するアドバイス情報出力ステップを有していてもよい。
<効果>
以上の構成を有する評価指標値算出システムを利用することにより、実施形態1あるいは2において説明した効果のほか、評価指標値算出の前提となる処理負担が軽減され、評価指標値ないしアドバイス情報を迅速に提供することが可能になる。
が可能になる。
<<実施形態4>>
<概要>
本実施形態の評価指標値算出システムは、基本的に実施形態1から3のいずれか一の評価指標値算出システムと同様であるが、遺伝子情報値をその遺伝子情報値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積する遺伝子情報値データベースを備え、また、検査結果値をその検査結果値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積する検査結果値データベースを備え、被験者の評価指標値を蓄積した評価指標値データベースをも備え、評価指標値算出関数保持部に保持された評価指標値算出関数を、同一被験者に対する複数時点の遺伝子情報値や複数時点の検査結果値、さらには少なくとも一の評価指標値に基づいて修正する点をさらなる特徴として備えている。当該構成を採用することにより、同一被験者がアドバイス情報の内容を実践しているかどうかを確認できるとともに、当該アドバイス情報の適正をチェックし修正することも可能になる。
<機能的構成>
図17は、本実施形態の評価指標値算出システムの機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「評価指標値算出システム」1700は、「アドバイス情報保持部」1701と、「遺伝子情報取得部」1702と、「遺伝子情報値取得部」1703と、「生体検査結果取得部」1704と、「検査結果値取得部」1705と、「評価指標値算出関数保持部」1706と、「評価指標値算出部」1707と、を有し、「遺伝子情報値データベース部」1708と、「検査結果値データベース部」1709と、「評価指標値データベース部」1710と、「修正部」1711と、をさらに有する。基本的な構成は実施形態1の図2を用いて説明した評価指標値算出システムと共通するため、以下では相違点である「遺伝子情報値データベース部」、「検査結果値データベース部」、「評価指標値データベース部」、そして「修正部」の機能について説明する。
「遺伝子情報値データベース部」1708は、遺伝子情報値をその遺伝子情報値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積するように構成される。具体的には、被験者ごとにIDを付与し、当該IDと遺伝子情報値とを紐づけて保持する。なお、遺伝子情報そのものが変化することは通常ほとんどないが、医学の進歩によりこれまで発見されてこなかった多型遺伝子などの遺伝子情報が得られるようになったり、未知の重要な遺伝子情報が新たに発見されたりする可能性もあるため、被験者ごとに遺伝子情報を複数保持蓄積しておく意義は少なくない。
「検査結果値データベース部」1709は、検査結果値をその検査結果値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積するように構成される。ここでも前記遺伝子情報値データベース部と同様、検査結果値は、被験者毎に付されるIDと紐づけて保持される。ここで生体検査は所定期間の経過により繰り返し行われることによって当該期間中の変化を把握することが可能になるため、できるだけ複数回行われ、当該検査ごとの結果が情報として蓄積されておくことが望ましい。この場合には、被験者IDと各検査結果値、あるいは各生体検査実施日や実施メニュー、実施施設、実施担当医師など検査を特定可能とする検査ID情報がまとめて保持されてデータベース化されておくことが望ましい。当該構成をとることにより、所定の検査結果を調べたいときなどに容易に検索を行うことが可能となる。
「評価指標値データベース部」1710は、被験者の評価指標値を蓄積するように構成される。ここで蓄積される評価指標値は、各検査を行った時点において取得されたあるいは取得されている遺伝子情報値と検査結果値とに基づいて算出された値である。評価指標値についても、検査実施日など各検査を特定可能とする評価指標値算出IDと紐づけることによってデータベース化されることが望ましい。
「修正部」1711は、前記評価指標値算出関数保持部に保持された評価指標値算出関数を、同一被験者に対する複数時点の遺伝子情報値や複数時点の検査結果値、さらには少なくとも一の評価指標値に基づいて修正するように構成される。ここでいう修正とは、評価指標値算出関数保持部に保持された複数の関数のうち、当該被験者に対し適用すべき関数の選択を変更することも含んでいれば、評価に用いるべき関数自体の内容を変更することをも意味している。例えば、目標体重値に向けたダイエットに関するアドバイス情報の提供を受けた被験者が、その後当該目標体重値をクリアした後に再び生体検査を受けたような場合には、新たな生体検査の際に当該体重に関するアドバイス情報を提供するための関数は不要になる。したがって、この場合には、新たな関数を選択したうえで、改めて評価指標値の算出を行いアドバイス情報を提供することとなる。具体的には、既に説明した図4に示されたグラフの内容を変更することなどがここでいう「修正」に該当する。
また、複数回の検査および評価指標値の算出を経ることにより、当初設定していた評価指標値算出関数の内容自体に誤りがあったことが判明する事態も想定される。このような事態は特に、複数の被験者に対する評価指標値の算出を行うことにより、より顕著に判明する可能性が高まる。すなわち、修正部にて用いられる各種情報は、同一被験者のみならず、他の被験者の遺伝情報や検査結果、そして評価指標値であってもかまわない。この場合、他の被験者の各種情報を用いる場合には個人情報の取り扱いに関する問題があることから、被験者自身が前記他者に関する各種情報と接することのないよう、あくまで各情報は修正のためだけに使用される必要がある。いずれにしろ、かかる関数の内容に誤りが判明した場合には、修正部にて関数の内容を修正することにより、被験者に対しより適正な内容のアドバイス情報の修正版を提示することが可能になる。
ここで、図18を用いて、前記修正部における評価指標値算出関数修正の一例について説明する。同図において示されているグラフは縦軸が検査結果値であり、矢印の方向に対向かって健康状態が悪いことを示す値として定められているものとし、n回目の検査において検査結果値は「ab046」だった。この時、次回検査時までに同値を一定範囲の目標値まで下げることを目標とし、当該目標達成のためのアドバイス情報(対応する評価指標値=ID0483)を提供するため評価指標値算出関数として「af03」が採用された。その後この被験者は当該アドバイス情報を順守し次(n+1回目)の検査を迎えたが、検査の結果取得された検査結果値は目標に達しない程度の値(同図中「×」印に対応する値)であった。これは、本来目標達成のために提示されたアドバイス情報の内容が、実は当該目標達成のためには不適切であったことを意味しているのであって、アドバイス情報選択のために用いた評価指標値算出関数の内容が間違っていたということに他ならない。従って、このような事実が明らかになった場合には、修正部にて「遺伝情報値:A011、検査結果値:ab046」の場合の前記目標達成のため前記ID0483よりも厳しい制約を課すことを内容とするアドバイス情報と紐づけられている評価指標値「ID0484」が算出されるよう評価指標値算出関数「af03」の内容を変更することになる。
なお、修正部においては、アドバイス情報が前記実施形態2において説明したように複数階層にて保持されている場合において、当該階層のうちいずれの階層に割り当てられたアドバイス情報に紐づけられている評価指標値算出のための評価指標値算出関数を修正するかを判断するための階層毎修正判断手段をさらに備えていてもよい。階層毎修正判断手段の具体的な機能の一例について説明すると、たとえば、n回目の検査結果により図11中第三階層に位置づけられる「ID6113」に紐づけられたアドバイス情報が出力されたものと仮定した場合、n+1回目の検査結果が所定のレベルを超えるほど高い/低い場合には、当該アドバイス情報が属する階層よりも上位の階層のアドバイス情報の内容がそもそも誤っていた可能性が高いと考えられる。そのため、このような場合には、「ID6113」が保持されている第三階層よりも高次の階層である第二階層に保持されるアドバイス情報との関係性がそもそも正確ではなかった可能性が認められることから、このような場合は、さらに厳しい制約を課すことを内容とする第二階層のアドバイス情報よりも低次に保持されるアドバイス情報と紐づけられている評価指標値が算出されるよう評価指標値算出関数の内容が変更されることとなる。
<具体的な構成>
本実施形態の評価指標値算出システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には図9を用いて説明した実施形態1の評価指標値算出システムを構成するハードウェア構成と同様であるので、以下では、これまで説明していない「遺伝子情報値データベース部」と、「検査結果値データベース部」と、「評価指標値データベース部」と、「修正部」の具体的な処理について説明する。
(遺伝子情報値データベース部の具体的な処理)
CPUは、遺伝子情報値取得プログラムの実行により得られた情報を読み出して「遺伝子情報値データベース化プログラム」を実行し、当該情報と当該遺伝子情報の持ち主である被験者の被験者IDとを紐づけ、検索可能な形式にて記憶装置にて保持する処理を行う。
(検査結果値データベース部の具体的な処理)
CPUは、検査結果値取得プログラムの実行により得られた情報を読み出して「検査結果値データベース化プログラム」を実行し、当該情報と当該生体検査の被験者の被験者IDや検査実施日時等検査を特定するための生体検査ID情報とを紐づけ、検索可能な形式にて記憶装置にて保持する処理を行う。
(評価指標値データベース部の具体的な処理)
CPUは、評価指標値算出プログラムの実行により得られた情報を読み出して「評価指標値データベース化プログラム」を実行し、評価指標値と当該評価指標値算出の対象となった被験者の被験者ID、そして各検査を特定するための評価指標値算出IDとを紐づけ、検索可能な形式にて記憶装置にて保持する処理を行う。
(修正部の具体的な処理)
CPUは、同一の被験者IDと紐づけられている複数時点の遺伝子情報値や検査結果値、さらには少なくとも一の評価指標値の情報を読み出して「修正プログラム」を実行し、前記読み出した各情報に基づいて評価指標値算出関数保持部にて保持されている評価指標値算出関数を修正する処理を行い、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
<処理の流れ>
図19は、本実施形態の評価指標値算出システムの処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1901では、被験者に対して出力すべきアドバイス情報の入力を受付け当該情報を保持する(アドバイス情報保持ステップ)。ステップS1902では、評価指標値を算出するための評価指標値算出関数を一以上保持する(評価指標値算出関数保持ステップ)。ここで、ステップS1901とステップS1902の処理の順番は相互に入れ替わってもよい。次にステップS1903では、被験者の遺伝子検査の結果である遺伝子情報を取得し(遺伝子情報取得ステップ)、ステップS1904では当該取得した遺伝子情報に基づき遺伝子情報値を取得する(遺伝子情報値取得ステップ)。ステップS1905では前記被験者の生体検査の結果の情報を取得し(生体検査結果取得ステップ)、ステップS1906では当該取得した生体検査の結果の情報に基づき検査結果値を取得する(検査結果値取得ステップ)。なおここで、ステップS1903およびステップS1904とステップS1905およびステップS1809の処理の順番は相互に入れ替わっても良い。そのうえでステップS1907では、遺伝子情報値と検査結果値を所定の評価指標値算出関数に代入し評価指標値を算出する(評価指標値算出ステップ)。なお、ステップS1909として、前記評価指標値と関連付けられているアドバイス情報を出力するアドバイス情報出力ステップを有していてもよい。上記処理を一又は複数回経たのち、そしてステップS1910として、少なくとも同一被験者の複数時点の遺伝子情報値と検査結果値と評価指標値に基づいて評価指標値算出関数を修正すべきかどうかを判断する。ここでの判断結果が修正すべきとの内容である場合には、判断結果に応じた修正を行い、修正すべきでないとの内容である場合には、特段の処理を行わない。
<効果>
以上の構成を有する評価指標値算出システムを利用することにより、実施形態1、2、あるいは3において説明した効果のほか、当該構成を採用することにより、同一被験者がアドバイス情報の内容を実践しているかどうかを確認できるとともに、当該アドバイス情報の適正をチェックし修正することも可能になる。
0200…評価指標値算出システム、0201…アドバイス情報保持部、0202…遺伝子情報取得部、0203…遺伝子情報値取得部、0204…生体検査結果取得部、0205…検査結果取得部、0206…評価指標値算出関数保持部、0207…評価指標値算出部

Claims (16)

  1. 遺伝子検査結果と、生体検査結果と、に基づいて被験者に対して出力するアドバイス情報に関連付けられた評価指標値を算出する評価指標値算出システムであって、
    前記アドバイス情報を保持するアドバイス情報保持部と、
    遺伝子検査によって得られる被験者の遺伝子情報を取得する遺伝子情報取得部と、
    取得した遺伝子情報に基づき所定のルールで遺伝子情報値を取得する遺伝子情報値取得部と、
    生体検査によって得られる被験者の検査結果を取得する生体検査結果取得部と、
    生体検査結果取得部にて取得した検査結果に基づき所定のルールで検査結果値を取得する検査結果値取得部と、
    後記評価指標値を算出するための関数である評価指標値算出関数を一以上保持する評価指標値算出関数保持部と、
    遺伝子情報値と、検査結果値と、を評価指標値算出関数に代入することによって前記アドバイス情報に関連付けられる評価指標値を算出する評価指標値算出部と、
    を有する評価指標算出システム。
  2. 前記アドバイス情報は、階層構造を有しており、一の評価指標値によって複数階層にわたるアドバイス情報を特定可能にアドバイス情報と評価指標値が構成されている請求項1に記載の評価指標値算出システム。
  3. 評価指標値算出関数保持部に保持されている関数を代入しようとする遺伝子情報値と代入しようとする検査結果値とに応じて選択する関数選択部をさらに有する請求項1又は2に記載の評価指標値算出システム。
  4. 前記遺伝子情報取得部は、少なくとも
    SNPs、STRP、VNTR、CNV、エピジェネティクスのうち少なくともいずれか一以上の遺伝子情報を遺伝子検査結果から取得するSNPs等情報取得手段を有する請求項1から3のいずれか一に記載の評価指標値算出システム。
  5. 遺伝子情報値をその遺伝子情報値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積する遺伝子情報値データベース部と、
    検査結果値をその検査結果値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積する検査結果値データベース部と、
    被験者の評価指標値を蓄積した評価指標値データベース部と、
    を有し、
    前記評価指標値算出関数保持部に保持された評価指標値算出関数を、同一被験者に対する複数時点の遺伝子情報値や複数時点の検査結果値、さらには少なくとも一の評価指標値に基づいて修正する修正部を有する請求項1から4のいずれか一に記載の評価指標値算出システム。
  6. 遺伝子検査結果と、生体検査結果と、に基づいて被験者に対して出力するアドバイス情報に関連付けられた評価指標値を算出するための評価指標値算出方法であって、
    前記アドバイス情報を保持するアドバイス情報保持ステップと、
    遺伝子検査によって得られる被験者の遺伝子情報を取得する遺伝子情報取得ステップと、
    取得した遺伝子情報に基づき所定のルールで遺伝子情報値を取得する遺伝子情報値取得ステップと、
    生体検査によって得られる被験者の検査結果を取得する生体検査結果取得ステップと、
    生体検査結果取得ステップにて取得した検査結果に基づき所定のルールで検査結果値を取得する検査結果値取得ステップと、
    後記評価指標値を算出するための関数である評価指標値算出関数を一以上保持する評価指標値算出関数保持ステップと、
    遺伝子情報値と、検査結果値と、を評価指標値算出関数に代入することによって前記アドバイス情報に関連付けられる評価指標値を算出する評価指標値算出ステップと、
    を有する評価指標値算出方法。
  7. 前記アドバイス情報保持ステップは、一の評価指標値によって複数階層にわたるアドバイス情報を特定可能とするようにアドバイス情報を階層構造にて保持する請求項6に記載の評価指標値算出方法。
  8. 評価指標値算出関数保持ステップにより保持されている関数を代入しようとする遺伝子情報値と代入しようとする検査結果値とに応じて選択する関数選択ステップをさらに有する請求項6又は7に記載の評価指標値算出方法。
  9. 遺伝子情報取得ステップは、少なくとも
    SNPs、STRP、VNTR、CNV、エピジェネティクスのうち少なくともいずれか一以上の遺伝子情報を遺伝子検査結果から取得するSNPs等情報取得サブステップを有する請求項6から8のいずれか一に記載の評価指標値算出方法。
  10. 遺伝子情報値をその遺伝子情報値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積する遺伝子情報値データベース保持ステップと、
    検査結果値をその検査結果値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積する検査結果値データベース保持ステップと、
    被験者の評価指標値を蓄積した評価指標値データベース保持ステップと、
    を有し、
    前記評価指標値算出関数保持ステップにより保持された評価指標値算出関数を、同一被験者に対する複数時点の遺伝子情報値や複数時点の検査結果値、さらには少なくとも一の評価指標値に基づいて修正する修正ステップを有する請求項6から9のいずれか一に記載の評価指標値算出方法。
  11. 遺伝子検査結果と、生体検査結果と、に基づいて被験者に対して出力するアドバイス情報に関連付けられた評価指標値を算出するための評価指標値算出方法であって、
    前記アドバイス情報を保持するアドバイス情報保持ステップと、
    遺伝子検査によって得られる被験者の遺伝子情報を取得する遺伝子情報取得ステップと、
    取得した遺伝子情報に基づき所定のルールで遺伝子情報値を取得する遺伝子情報値取得ステップと、
    生体検査によって得られる被験者の検査結果を取得する生体検査結果取得ステップと、
    生体検査結果取得ステップにて取得した検査結果に基づき所定のルールで検査結果値を取得する検査結果値取得ステップと、
    後記評価指標値を算出するための関数である評価指標値算出関数を一以上保持する評価指標値算出関数保持ステップと、
    遺伝子情報値と、検査結果値と、を評価指標値算出関数に代入することによって前記アドバイス情報に関連付けられる評価指標値を算出する評価指標値算出ステップと、
    を有する評価指標値算出プログラム。
  12. 前記アドバイス情報保持ステップは、一の評価指標値によって複数階層にわたるアドバイス情報を特定可能とするようにアドバイス情報を階層構造にて保持する請求項11に記載の評価指標値算出プログラム。
  13. 評価指標値算出関数保持ステップにより保持されている関数を代入しようとする遺伝子情報値と代入しようとする検査結果値とに応じて選択する関数選択ステップをさらに有する請求項11又は12に記載の評価指標値算出プログラム。
  14. 遺伝子情報取得ステップは、少なくとも
    SNPs、STRP、VNTR、CNV、エピジェネティクスのうち少なくともいずれか一以上の遺伝子情報を遺伝子検査結果から取得するSNPs等情報取得サブステップを有する請求項11から13のいずれか一に記載の評価指標値算出プログラム。
  15. 遺伝子情報値をその遺伝子情報値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積する遺伝子情報値データベース保持ステップと、
    検査結果値をその検査結果値を取得した被験者と関連付けて複数蓄積する検査結果値データベース保持ステップと、
    被験者の評価指標値を蓄積した評価指標値データベース保持ステップと、
    を有し、
    前記評価指標値算出関数保持ステップにより保持された評価指標値算出関数を、同一被験者に対する複数時点の遺伝子情報値や複数時点の検査結果値、さらには少なくとも一の評価指標値に基づいて修正する修正ステップを有する請求項11から14のいずれか一に記載の評価指標値算出プログラム。
  16. 請求項11から15のいずれか一の評価指標値算出プログラムを計算機にて読み取り可能に保持する記憶媒体。
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