JP2014220767A - 無線通信システム及び装置、エリア調整方法 - Google Patents

無線通信システム及び装置、エリア調整方法 Download PDF

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淳彦 佐藤
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義和 眞家
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祐一 楠本
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Abstract

【課題】 リアルで再現性に富み、且つ、効率的な通信エリア調整を可能とする。
【解決手段】 高周波スイッチによりアンテナ毎に順次送信する送信制御装置101、単一又は複数通信事業者の電波及び屋外からの干渉電波の強度を測定する受信装置102、測定したデータをデータベース化して格納する受信データ処理装置103、測定したデータを2次元処理して評価し、パラメータ最適値を出力するパラメータ最適化装置104を備える。パラメータ最適化装置104より出力された単一又は複数通信事業者毎のパラメータを送信制御装置101にて適用する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、無線通信システム及び装置、エリア調整方法に係り、特に、屋内を移動体通信システムの通信エリアと成すための、複数のアンテナを共用した送受信設備において、単一又は複数通信事業における通信エリアの通信品質を自動調整する無線通信システム及び装置、屋内無線通信のエリア調整方法に係る。
比較的狭い空間を通信方式毎に均一に所定の通信品質となるように、屋内をエリア化するための装置としては、例えば、DAS(Distribute Antenna System)がある。DASでは、屋内の形状や通信品質の条件に合わせて、屋外局と比べて、比較的狭いエリアを覆域とするアンテナを複数個組み合わせてエリア化する。例えば特許文献1に記載されているように、ROF(Radio Over Fiber)を媒体として、移動体無線基地局からの送受信信号をRF信号で分岐、分配する方式がある。
DASにおけるアンテナ位置や所望の通信品質を確保する送受信電力の最適設計を行う方法としては、例えば特許文献2に記載されているようなエリア設計シミュレータを用いる方法が一般的である。この方法によると、電波が伝搬する屋内形状や屋内の構造物、什器などの減衰を加味して、最も最適なアンテナ位置及び覆域(送信電力)を提供できる。また、シミュレーションの誤差により所定の通信品質(RSSIやCINR)に満たさない場合は、現地でカットアンドトライによりエリア調整を行うことが一般的である。
特表2012−517191号公報 特開2009−152699号公報
図1は、デジタル信号分配方式アンテナシステム(DAS)の構成図である。
デジタル信号分配方式アンテナシステム(DAS)は、パケット・データ処理ノード(PDSN)、キャリアNW、移動体無線基地局(BTS)、アナログ/デジタル変換(A/D)、デジタル/アナログ変換(D/A)、アンテナ(Ant)、移動局(MS)を備える。
図2は、屋内空間におけるエリア設計の特徴を示した図である。
屋内空間を通信エリア化する方法は、図2(a)で示すように、天井に複数のアンテナを設置して、移動体通信基地局と端末間の通信路を確保する。
屋外と比べ複雑で比較的狭い屋内空間は、図で示すように壁等の電波遮蔽物などが多く、電波減衰による遮蔽空間が発生しやすい傾向にある。このため、複数のアンテナで遮蔽空間を補完することで、遮蔽空間を少なくする必要がある。
また、屋外移動体通信基地局からの到来電波は、図2(b)で示すように建物の窓などの開口部から屋内空間へ侵入する。この到来電波は、原則として屋内移動体通信基地局の電波に対して干渉電波となるため、結果として屋内電波の通信品質は、図2(c)のように劣化することが想定される。そのため、図2(d)で示すように、この干渉電波による通信品質低下をカバーできるような、アンテナ位置と、所望の通信品質を確保する送受信電力の最適設計が重要となる。
エリア設計は、電波が伝搬する屋内形状や屋内の構造物、什器などの減衰を加味して、最も最適なアンテナ位置及び覆域(送信電力)を提供できるエリア設計シミュレータで行う方法が一般的である。このエリア設計シミュレータは、電波伝搬モデルに電波伝搬減衰や遮蔽などの影響を与える屋内形状や屋内の構造物、什器などの定数を含んでモデル化した物である。そのため、実際のフロア構造(壁の材質、厚みなど)を模擬した電気的定数を入力することが前提となる。
ところが、この多岐にわたる構造を模擬することは複雑であるため、困難であることが想定される。そのため、便宜的に電気的定数を推定したり省略を行うモデル化で対処しようとすると、実際の環境と乖離が生じ、シミュレータの計算結果に誤差が発生する場合が想定される。
そのため、実際のエリア設計は、数式1で示すように誤差と伝搬によるフェージングを吸収する効果も入れたマージン設計をおこない、誤差による予定外の通信品質劣化を吸収するようにする。
電界強度(RSSIin)(dBm)=
送信電力+アンテナ利得+空間減衰量+通信品質マージン
(数式1)
ここで通信品質は、例えば、電界強度(RSSI)及び/又は信号対雑音強度比(CINR)で示すことができる。
また、屋内のアンテナが輻射する電界強度の特徴は、同一の移動体通信基地局送信機からの信号であるため、数式2で示すようにエリア内の電界強度は、複数のアンテナ(1〜m)の総和となる。
電界強度(RSSIin)(dBm)=Σ(アンテナ1〜mからのRSSI)(数式2)
屋内の通信品質は、上述における屋内移動体通信基地局が送信する電界強度(RSSIin)だけでは無く、図2(b)で示すように、屋外から窓などを通過して到来する屋外移動体通信基地局の電界強度(RSSIout)がある。
数式3で示すように、この屋外電波は、屋内電波にとって干渉となり、CINRを低下させる原因となる。そのため、屋内のエリア設計は、干渉となる屋外電波の無効化は出来ないため、図2(d)で示すように最適なアンテナ位置設計と干渉電力を上回る送信出力を設定して、CINRを確保しなければならない。
屋内通信品質(CINR)(dB)=
屋内電波(RSSIin)/(屋外電波(RSSIout)+装置の雑音電力(KTBF))
(数式3)
KTBF:受信機熱雑音電力
この干渉波の存在と電界強度をエリア設計に組み込むためには、別途、対象となる屋内エリアへ到来している干渉波の電界強度測定を、エリア設計前にサイトサーベイで把握しなければならない。サイトサーベイの方法は、屋内エリアをメッシュ状に区切り、交差点毎に測定を繰り返し面的な干渉波電界の分布を受信機で測定する方法などが一般的である。
サイトサーベイにより事前に測定した屋外からの干渉電波を反映して、測定点が数式3で示す所定のCINRを満足する値となるように、各アンテナの位置や送信電力値を計算する。
ところが、このシミュレーション結果は、計算結果の誤差を含むため、実際のエリア通信品質をサイトサーベイにより電波測定を行い確認する。ここで、所定の通信品質(RSSIやCINR等)に満たさない場合は、調整を行い補正の必要性が発生する。
従来の調整の方法は、詳細にわたるシミュレーションの大型化や、現地でカットアンドトライする方法がある。
前者は、詳細に渡るシミュレーションパラメータを整備して、シミュレーターの規模を大型化すれば、誤差の要素を少なくできるが、全ての誤差の要素が排除されていない限り、最適解に収束しないことがある。
後者は、エリアの電界強度は、複数のアンテナから成り至っている場合が多いので、複数のアンテナの送信電力を一斉に調整することから、調整により影響が広範囲となり、最適なエリア通信品質値となるまで煩雑な作業を繰り返すことになり、多くの時間を要すると共に、最適解に収束しない場合もあり得る。
また、複数通信事業者が同一屋内に移動体通信基地局を設置してエリア化する場合、通信事業者毎に電波環境が異なるため、上述の作業を通信事業者数分実施する必要がある。
また、無線通信のエリア自動調整としてSON(Self Organizing Network)があるが、前提として複数の移動体通信基地局を自動で認識して連携動作することで、複数の移動体通信基地局間の電波でハンドオフやカバーする通信エリアを調整するものである。
本発明の対象とするDAS又は複数のアンテナを用いる他の無線通信装置・システムは、1つの移動体通信基地局で複数のアンテナを分散させて、同一の電波でエリア化するものであり、従来技術のように基地局間における連携動作で通信エリア調整を行うものではないため、両者は、屋内対策の手法及び目的が異なる。
また、屋内に設置するフェムトセル基地局において、自動的に周辺環境に合わせてエリアを調整するプラグ&プレイ機能があるが、上りリンク及び下りリンクの通信手段にてエリア調整する手法であり、本発明とは屋内対策の手法が異なる。また、従来技術では、単一通信事業者における通信エリア調整のみに対応している。
本発明は、以上の点に鑑み、複数のアンテナを用いる無線通信装置又はシステムにおいて、送信電力を自動調整することで通信品質を確保することを目的とする。
本発明の第1の解決手段によると、
無線通信システムであって、
複数のアンテナにそれぞれスイッチを設け、複数の前記スイッチを制御することにより、アンテナ毎に単一又は複数送信機から出力された測定用信号を各アンテナより順次送信するための送信制御装置と、
処理部を有する無線通信装置と
を備え、

前記無線通信装置の前記処理部は、
各アンテナから送信された測定用信号を複数の測定点で受信した通信品質に基づき、測定点毎に、複数の前記アンテナからの測定用信号の通信品質の総和を求め、該総和を測定点の位置により2次元配列して通信品質マップを作成し、
前記通信品質マップにおいてある第1の測定点の前記総和が、予め定められた所望通信品質を満たしていない場合は、前記第1の測定点について、前記総和に応じて単一又は複数送信機毎に第1の補正電力を求め、
前記第1の測定点において、最も影響のある第1のアンテナの送信電力を前記第1の補正電力により変更するための送信電力制御パラメータを作成し、
前記送信電力制御パラメータを前記送信制御装置に出力し、
及び、
前記送信制御装置は、前記無線通信装置から入力した前記送信電力制御パラメータに従い、各アンテナから出力する送信電力を調整する
無線通信システムが提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
無線通信システムにおける無線通信装置であって、
前記無線通信システムは、
複数のアンテナにそれぞれスイッチを設け、複数の前記スイッチを制御することにより、アンテナ毎に単一又は複数送信機から出力された測定用信号を各アンテナより順次送信するための送信制御装置と、
処理部を有する前記無線通信装置と
を備え、

前記無線通信装置の前記処理部は、
各アンテナから送信された測定用信号を複数の測定点で受信した通信品質に基づき、測定点毎に、複数の前記アンテナからの測定用信号の通信品質の総和を求め、該総和を測定点の位置により2次元配列して通信品質マップを作成し、
前記通信品質マップにおいてある第1の測定点の前記総和が、予め定められた所望通信品質を満たしていない場合は、前記第1の測定点について、前記総和に応じて単一又は複数送信機毎に第1の補正電力を求め、
前記第1の測定点において、最も影響のある第1のアンテナの送信電力を前記第1の補正電力により変更するための送信電力制御パラメータを作成し、
前記送信電力制御パラメータを前記送信制御装置に出力する
ことにより、前記送信制御装置に、前記送信電力制御パラメータに従い、各アンテナから出力する送信電力を調整させる無線通信装置が提供される。
本発明の第3の解決手段によると、
無線通信システムにおけるエリア調整方法であって、
前記無線通信システムは、
複数のアンテナにそれぞれスイッチを設け、複数の前記スイッチを制御することにより、アンテナ毎に単一又は複数送信機から出力された測定用信号を各アンテナより順次送信するための送信制御装置と、
処理部を有する無線通信装置と
を備え、

前記無線通信装置の前記処理部は、
各アンテナから送信された測定用信号を複数の測定点で受信した通信品質に基づき、測定点毎に、複数の前記アンテナからの測定用信号の通信品質の総和を求め、該総和を測定点の位置により2次元配列して通信品質マップを作成し、
前記通信品質マップにおいてある第1の測定点の前記総和が、予め定められた所望通信品質を満たしていない場合は、前記第1の測定点について、前記総和に応じて単一又は複数送信機毎に第1の補正電力を求め、
前記第1の測定点において、最も影響のある第1のアンテナの送信電力を前記第1の補正電力により変更するための送信電力制御パラメータを作成し、
前記送信電力制御パラメータを前記送信制御装置に出力し、
及び、
前記送信制御装置は、前記無線通信装置から入力した前記送信電力制御パラメータに従い、各アンテナから出力する送信電力を調整する
エリア調整方法が提供される。
本発明によると、複数のアンテナを用いる無線通信装置又はシステムにおいて、送信電力を自動調整することで通信品質を確保することができる。
デジタル信号分配方式アンテナシステム(DAS)の構成図である。 屋内空間におけるエリア設計の特徴を示した図である。 複数のアンテナを共用した通信エリア調整装置の構成図である。 複数のアンテナの送信制御を行う送信制御装置の構成図である。 複数通信事業者に対応したDAS構成図である。 各種移動通信プロトコルに対応して、単一又は複数通信事業者のRSSI及び/又はCINRを測定できる受信装置の構成図である。 RSSI及び/又はCINRデータを処理し、所望の通信品質を満足しているか比較する受信データ処理装置の構成図である。 DASの電波と、屋外移動体通信基地局からの干渉電波を加味した通信品質を可視化した2次元の通信品質MAP(RSSI、CINR)の説明図である。 単一又は複数通信事業者のアンテナの送信電力を調整するための送信電力変更パラメータを作成するパラメータ最適化装置の構成図である。 シミュレーション結果及びサイトサーベイの結果より、アンテナの送信電力を自動調整するフローチャートである。 複数アンテナによる順次送信方法の原理図である。 測定点毎のRSSI及び/又はCINRの測定結果の例を表す図である。 Ant1の送信電力値が上昇した場合のCINR改善効果の例を表す図である。 変更パラメータの計算方法についての説明図(1)である。 変更パラメータの計算方法についての説明図(2)である。
1.無線通信システム及び装置

以下、本発明に係る一実施の形態について、図面を用いて説明する。
図3は、複数のアンテナを共用した通信エリア調整装置の構成図である。
この図は、上述の課題を解決するために、屋内の複数のアンテナを共有した送受信設備の通信エリア調整装置(以下、エリア調整装置)の構成を示したものである。
エリア調整装置は、送信制御装置_101、受信装置_102、DAS_105又は106、受信データ処理PC_111を備える。受信データ処理PC_111は、受信データ処理装置_103、パラメータ最適化装置_104を備える。以下、各ブロックについて説明する。
(1)DAS_105又は106
DASは、ひとつの送信機を備えるDAS_105、又は、複数の送信機を備えるDAS_106を用いることができる。
DAS_105は、アンテナ毎に送信のON/OFFが遠隔制御できる。また、アンテナ毎に送信電力値を調整でき、1つ又は分配器を介して複数のアンテナより電波を送信することができる。詳細は図4で後述する。
複数事業者対応DAS_106は、制御・調整を通信事業者毎に行うことができる。また、複数通信事業の電波を合成し、1つ又は分配器を介して複数のアンテナより電波を送信することができる。
通信事業者毎に送信機から出力される電波の周波数及び制御信号が異なるが、複数事業者対応DAS_106では、アンテナを共用して複数事業者の電波を送信することができる。詳細は図5で後述する。なお、DAS_106は、一例として複数事業者対応DAS_106について説明するが、複数の送信機を有するDASであれば、複数事業者対応に限らなくてもよい。
(2)送信制御装置_101
送信制御装置_101は、電波測定時は、DAS_105又は複数事業者対応DAS_106の複数のアンテナ送信電力を順次ON/OFFする。送信制御装置_101は、パラメータ最適化装置_104が出力した送信電力制御パラメータをDAS_105又は複数事業者対応DAS_106に入力して、送信電力値をアンテナ毎に変更する。
(3)受信装置_102
受信装置_102は、複数の任意に置いた測定点毎に、DAS_105又は複数事業者対応DAS_106が輻射する電波と屋外移動体通信基地局からの干渉電波をそれぞれ測定し、RSSI及び/又はCINRを記録する。また、受信装置_102は、合わせて測定場所の位置情報を記録し、RSSI及び/又はCINRと共に受信データ処理装置_103に出力する。
(4)受信データ処理装置_103
受信データ処理装置_103は、受信装置_102からのRSSI及び/又はCINRデータを、位置情報と共に格納する。受信データ処理装置_103は、格納したデータを既知の位置情報から2次元配列化したエリア情報をパラメータ最適化装置_104に出力する。
(5)パラメータ最適化装置_104
パラメータ最適化装置_104は、受信データ処理装置_103からの2次元配列データを元に、RSSI及び/又はCINRがエリア通信品質仕様に満たない場所を抽出して、関係するアンテナの送信電力を調整するための送信電力制御パラメータ(以下、単に「パラメータ」と呼ぶことがある。)を求め、求めた送信電力制御パラメータを送信制御装置_101に入力する。
図4にDAS_105及び、送信制御装置_101の構成を示す。
また、図5にDAS_106及び、送信制御装置_101の構成を示す。
図4に示すように、DAS_105は、送信制御装置_101による制御により、アンテナ毎に送信のON/OFF制御、送信電力値の調整ができる。複数通信事業者が同一屋内に移動体通信基地局を設置してエリア化する場合、図5の複数事業者対応DAS_106で示す構成とすることで、単一通信事業者の場合と同様な方法で、送信ON/OFF制御は複数通信事業者共通で一括で行い、送信電力値の調整は通信事業者毎に独立して調整することができる。
送信制御装置_101は、DAS_105又は複数事業者対応DAS_106と接続して複数のアンテナの送信制御を周期的に行うために、周期カウンタ_107とDAS_105又は複数事業者対応DAS_106の送信制御をおこなうためのRFスイッチを起動するSW制御部_108を備える。複数事業者対応DAS_106では、SW制御部_108は、複数の送信機について各RFスイッチで共通にON又はOFFするように制御する。
周期カウンタ_107は、DAS_105又は複数事業者対応DAS_106の複数の全てのアンテナにおいて、単一個毎に順次送信を繰り返し行うように設定される。
また、送信制御装置_101は、パラメータ最適化装置_104から出力される送信電力制御パラメータにより、例えばDAS_105又は複数事業者対応DAS_106に内蔵する送信電力減衰器を設定して、各アンテナ毎の送信電力値を設定する減衰制御部_109を備える。減衰制御部_109は、各アンテナの送信電力減衰器を、共通に設定してもよいし、通信事業者毎(送信機毎)に共通に設定してもよいし、又は、別々に設定してもよい。
図6に受信装置_102の構成を示す。
受信装置_102は、DAS_105又は複数事業者対応DAS_106が対応する各種移動通信プロトコルに対応して、RSSI及び/又はCINR等の通信品質を測定できる受信機である。
受信装置_102は、DAS_105又は複数事業者対応DAS_106が送信する単一又は複数通信事業者の電波と屋外移動体通信基地局からの干渉電波の両方を測定するように設定される。
受信装置_102は、RSSI及び/又はCINR等の通信品質、測定場所の位置情報を適宜の記憶部に一時格納できる。受信装置_102は、例えば、アンテナを複数備えることで位置情報を得てもよいし、また、指向性や特性を変えることで位置情報を得てもよい。また、受信装置_102を所定の測定点に順次置いてその位置情報を得てもよい。
図7に受信データ処理装置_103の構成を示す。
また、図8は、通信品質MAPの説明図である。
受信データ処理装置_103は、受信データ処理PC_111に格納されて、受信装置_102から入力されたRSSI及び/又はCINRデータを、予め測定時にマークしていた場所毎に2次元に配列し、図8に示すような通信品質MAP(RSSI及び/又はCINR等)を作成する。これにより、DAS_105又は複数事業者対応DAS_106が送信する、単一又は複数通信事業者の電波と、屋外移動体通信基地局からの干渉電波を加味した通信品質を可視化でき、現状の通信品質状況を視覚的に把握することができる。
受信データ処理装置_103は、場所毎に配列された通信品質MAP(RSSI及び/又はCINR等)から、例えば予め定めた閾値と比較して、所望の通信品質を満足しているか判定を行う。判定の結果が、満足しない場合は、パラメータ最適化装置_104を起動して、DAS_105又は複数事業者対応DAS_106における、単一又は複数通信事業者の送信電力の再設定を行うことで通信品質調整を行う。
図9にパラメータ最適化装置_104の構成を示す。
パラメータ最適化装置_104は、受信データ処理PC_111に格納される。パラメータ最適化装置_104は、受信データ処理装置_103から入力された通信品質MAP(RSSI及び/又はCINR等)から、通信品質を満足しない場所毎に輻射しているアンテナの送信電力を調整するための単一又は複数通信事業者の送信電力変更パラメータを生成し、送信制御装置_101に出力する。
2.エリア調整処理

図10は、アンテナの送信電力を自動調整するフローチャートである。この図は、受信データ処理PC_111(処理部)が実行する処理フローを示したものである。
ステップ200では、送信機から予め定められた定格出力で、制御信号やパイロット信号等の測定用信号が出力される。
ステップ201〜ステップ207では、受信装置_102を所定の測定点に置いて、又は、受信データ処理PC_111が受信装置_102を制御して所定の測定点1〜nにおける電波を受信するように設定する。一方、送信制御装置_101が、周期カウンタ_107及びSW制御部_108によりRFスイッチを切替え、DAS_105又は複数事業者対応DAS_106の各アンテナAnt1〜mから順次送信された単一又は複数通信事業者1〜xの電波測定を行う(ステップ202〜206)。受信データ処理PC_111は、これを測定点1から測定点nまで繰り返して、受信装置_102による電波測定が終了する。
図11は、複数アンテナによる順次送信方法の原理図である。
上述の電波測定により、図11に示す通り、通信事業者毎に各測定点におけるアンテナ毎のRSSIが得られる。なお、例えば、送信機1〜x毎に測定用信号を異ならせたりタイミングを異ならせる等により、通信事業者毎にアンテナ毎のRSSIを得ることができる。
以下では、ステップ201〜207のアンテナ送信制御及び測定方法について詳細に説明する。
複数のアンテナ(Ant1〜Antm)から構成されるDAS_105又は複数事業者対応DAS_106の電波の電界強度RSSIは、送信制御装置_101により、複数のアンテナ毎にAnt1から順次送信される。この順次送信とは、Ant1が送信中であれば、その他のAntは、送信停止する。次にAnt2が送信中であれば、その他のAntは、送信停止するような動作である。この場合のエリアの電波の状態は、図11で示すようにAnt1〜Antmの順次送信により、Ant毎のRSSIが発生することになる。ここで屋外の移動体通信基地局からの干渉電波は、屋内のAntに無関係に原則一定である。
受信装置_102は、複数アンテナ全ての送信周期が一巡する毎に、測定点を1〜nへと変更する。図11の測定点1における受信装置_102の測定結果は、アンテナ数分の測定結果となる。次の測定点2に移動した測定結果も同様である。受信装置_102による測定は、Ant数×測定点数のデータを取得して終了する。
図12は、測定点毎のRSSI及び/又はCINRの測定結果の例を表す図である。
受信装置_102で測定した複数のデータは、単一のアンテナ毎の定点のデータの集合体であるため、2次元であるエリア全体を表す処理を行う。図12で示す測定点毎のRSSI及びCINRは、上述の数式2及び数式3で計算できる。測定点毎のRSSI及び/又はCINRを測定点1〜nで2次元に配列したものが、受信データ処理装置_103が出力するエリア全体を示す通信品質MAPである。
図10に戻り、ステップ208では、受信データ処理装置_103は、受信装置_102により得られたRSSIを入力し、数式4により屋外移動帯通信基地局からの干渉波(RSSIout)を含んだ、各アンテナからの電界強度の総和を所定の場所毎に計算する。CINRは数式5で求められる。
ステップ208により図12に示す通り、通信事業者毎に各測定点におけるRSSI総和(RSSIn(x))、CINR総和(CINRn(x))が得られる。ここで、屋外移動帯通信基地局からの干渉波を受けない場所ではRSSIoutは受信しないため、無しとして計算する。
RSSIn(x)(dBm)=Σ(RSSInm(x))+RSSIout (数式4)
CINRn(x)(dB)=
Σ(RSSInm(x))/(RSSIout+KTBF) (数式5)
ステップ209では、受信データ処理装置_103は、各式で求めたRSSI及び/又はCINRを、場所毎に2次元配列して通信品質MAP(RSSI及び/又はCINR)を作成する。
ステップ210、ステップ211における通信品質比較では、受信データ処理装置_103が、通信品質MAP(RSSI及び/又はCINR)の測定点毎のRSSI及び/又はCINRを、数式6で示すように予め定められた通信品質判定値|RSSI|及び/又は|CINR|で比較して、所望の通信品質を満たしているか判定する。
数式6を満たす場合は、所望通信品質を満たしていることを指し、受信データ処理装置_103は、ステップ212〜ステップ215の処理をせずに処理を終了する。数式6を満たさない測定点がある場合は、例えば、次の2つの通信品質劣化要因が考えられる。1つは屋外移動帯通信基地局からの干渉波に影響された通信品質劣化であり、もう1つはアンテナの送信電力不足による通信品質劣化である。所望の通信品質を満たしていない通信品質劣化スポットがある場合は、受信データ処理装置_103は、ステップ212により通信事業者毎にアンテナ毎の補正値計算を行う。
RSSIn(x)−|RSSI|≦0 及び/又は
CINRn(x)−|CINR|≦0 (数式6)
※|RSSI|、|CINR|は予め定められた品質判定値
なお、所望通信品質を満たしているかどうかは、RSSIの条件とCINRの条件の一方により判定してもよいし、両方により判定してもよい。
ステップ212では、受信データ処理装置_103は、数式7で示すように、測定値RSSI及び/又はCINRと通信品質判定値|RSSI|及び/又は|CINR|から、通信品質劣化スポットにおける補正電力Pを通信事業者毎に求める。
Pn(x)=|RSSI|−RSSIn(x) 及び/又は
Pn(x)=CINRn(x)−|CINR| (数式7)
なお、補正電力Pは、RSSIによる式とCINRによる式の一方により求めてもよいし、両方の式の結果に従い、例えば平均値や加重平均値等の適宜の式により求めてもよい。また、補正電力Pは、上式以外にも、求めたPn(x)に予め定められた係数を掛けたり、差分以外にも比で求めるなど、測定値RSSI及び/又はCINR等から適宜の式により求めるようにしてもよい。
ステップ213では、パラメータ最適化装置_104は、所望通信品質を満たしていない測定点において、最も影響のあるアンテナを特定し、そのアンテナの送信電力を変更することでパラメータの最適化を行う。最も影響のあるアンテナとは、例えば、受信装置_102で各測定点でアンテナ毎に受信した電界強度のうち、最も高い電界強度となるアンテナを指す。例えば、RSSI又はCINRのうち予め定められたものを用いることができる。
パラメータ最適化装置_104は、数式8及び数式9により、通信品質劣化スポットにおける補正電力Pを考慮した通信品質の補正総和(補正RSSIn(x)、補正CINRn(x))を、計算により求める。ここで、屋外移動帯通信基地局からの干渉波を受けない場所ではRSSIoutは受信しないため、無しとして計算する。
補正RSSIn(x)(dBm)=
Σ(RSSInm(x))+Pn(x)+RSSIout (数式8)
補正CINRn(x)(dB)=
(Σ(RSSInm(x))+Pn(x))/(RSSIout+KTBF)
(数式9)
但し、窓際において屋外移動帯通信基地局からの干渉波により発生した通信品質劣化スポットでは、アンテナの送信電力を上げることにより、屋内電波が外部へ漏洩する可能性がある。この場合は補正電力Pに制限を設け、外部へ漏洩しない補正電力値とするようにしてもよい。
次に、この変更による他の測定点での通信品質への影響について確認する。そのため、パラメータ最適化装置_104は、受信装置_102において送信電力を変更するアンテナから電波を受信する測定点(送信電力により影響を受ける場所)を検索し、影響のある測定点のみで数式8、数式9と同様な手法で計算により補正通信品質(補正RSSIn(x)、補正CINRn(x))を求める。この検索の方法としては、例えば、パラメータ最適化装置_104は、ある測定点において電界強度の最も強い(又は予め定められた閾値より強い)アンテナを検索する。そして、パラメータ最適化装置_104は、その検索したアンテナから、予め定められた閾値より強い電界強度で電波を受信している他の測定点について、同様に補正通信品質を求める。
他に通信品質劣化スポットがある場合は、所望通信品質を満たすまで、上記のステップ210と同様に通信品質比較及びステップ213と同様にパラメータ最適化を繰り返し、補正電力Pn(x)によりアンテナ毎の補正電力P’m(x)を得る。
ステップ214に示す各アンテナ毎の変更パラメータPom(x)は、各アンテナの送信電力初期値Podm(x)にアンテナ毎の補正電力P’m(x)から求められる。数式10で示すように送信制御装置_101に、通信事業者毎の変更パラメータPom(x)(送信電力制御パラメータ)を与える(パラメータ投入)(ステップ215)。
変更パラメータPom(x)を投入された送信制御装置_101は、その変更パラメータに応じて減衰制御部_109により送信電力値を設定し、通信エリア調整を終了する。
Figure 2014220767
3.送信電力制御パラメータの計算方法についての具体例

図14は、変更パラメータの計算方法についての説明図(1)である。
以下に、測定点1でCINRが所望品質を満たさない場合を例に挙げて説明する。なお、説明を簡単にするため、ひとつの送信機を備えたDAS_105を用いる場合について説明する。
(ステップ210及びステップ211)
受信データ処理装置_103は、次式により、各測定点でRSSI総和及び/又はCINR総和が所望品質を満たしているか判定する。
RSSI_1−|RSSI|≦0、 CINR_1−|CINR|≦0
RSSI_2−|RSSI|≦0、 CINR_2−|CINR|≦0
(ステップ212)
受信データ処理装置_103は、測定点1でRSSI総和及び/又はCINR総和が所望品質を満たしていないと判断されたため、次式のように、測定点1における補正電力P1を算出する。
P1=|RSSI|−RSSI_1 又は
P1=CINR_1−|CINR|
受信データ処理装置_103は、この補正電力P1については、測定点1で最も電界強度の強いアンテナを求め、そのアンテナ(この例では、ANT1)の送信電力を変更することで補正する。
ANT1からの電波を(予め定めた電界強度より強い値で)受信している測定点があれば、ANT1からのRSSIに対し、補正電力P1分を加算する。
受信データ処理装置_103は、上記で計算した補正電力を反映し、測定点1の測定点毎の補正RSSI及び/又は補正CINRを次式により算出する。
補正RSSI_1=(RSSI_11+P1)+RSSIout
補正CINR_1=(RSSI_11+P1)/(RSSIout+KTBF)
受信データ処理装置_103は、次に他の測定点における影響を、次式により算出する。
ここで計算対象となる測定点は、送信電力を変更するANT1からの電波を受信している測定点のみとする。今回の例で言うと、ANT1からの電波を受信している測定点は測定点2のみであるため、影響を確認する対象は、測定点2のみである。よって、受信データ処理装置_103は、測定点2の測定点毎の補正RSSI及び/又は補正CINRを次式により算出する。
補正RSSI_2=(RSSI_21+P1)+RSSI_22
補正CINR_2=((RSSI_21+P1)+RSSI_22)/(KTBF)
(ステップ213)
パラメータ最適化装置_104は、ステップ212より、送信電力を変更するアンテナはANT1と求めたため、送信電力変更するANT1の送信電力初期値Pod1に対し、補正電力P’1(この例では、P’1=P1)分を加算したものをANT1の送信電力とし、これを変更パラメータPo1とする。
Po1=Pod1+P’1
(Po1:ANT1のパラメータ変更後の送信電力を指す。)
(ステップ214)
パラメータ最適化装置_104は、他の測定点で通信品質劣化スポットがある場合は、ステップ211〜ステップ213を繰り返し、各アンテナにおける送信電力変更パラメータの算出及びエリア調整後の通信品質を算出する。
今回の例で言うと、通信品質劣化スポットは測定点1のみであるため、送信電力変更はANT1のみとなる。よって、次式のように、送信電力制御パラメータが求められる。
Figure 2014220767
図15は、変更パラメータの計算方法についての説明図(2)である。
つぎに、測定点1、2でCINRが所望品質を満たさない場合を例に挙げて説明する。なお、説明を簡単にするため、ひとつの送信機を備えたDAS_105を用いる場合について説明する。
(ステップ210及びステップ211)
受信データ処理装置_103は、次式により、各測定点でRSSI総和及び/又はCINR総和が所望品質を満たしているか判定する。
RSSI_1−|RSSI|≦0、 CINR_1−|CINR|≦0
RSSI_2−|RSSI|≦0、 CINR_2−|CINR|≦0
RSSI_3−|RSSI|≦0、 CINR_3−|CINR|≦0
(ステップ212)
受信データ処理装置_103は、測定点1でRSSI総和及び/又はCINR総和が所望品質を満たしていないと判断されたため、次式のように、測定点1における補正電力P1を算出する。
P1=|RSSI|−RSSI_1 又は
P1=CINR_1−|CINR|
受信データ処理装置_103は、この補正電力P1については、測定点1で最も電界強度の強いアンテナを求め、そのアンテナ(この例では、ANT1)の送信電力を変更することで補正する。
ANT1からの電波を(予め定めた電界強度より強い値で)受信している測定点があれば、ANT1からのRSSIに対し、補正電力P1分を加算する。
受信データ処理装置_103は、上記で計算した補正電力を反映し、測定点1の測定点毎の補正RSSI及び/又は補正CINRを次式により算出する。
補正RSSI_1=(RSSI_11+P1)+RSSIout
補正CINR_1=(RSSI_11+P1)/(RSSIout+KTBF)
受信データ処理装置_103は、次に他の測定点における影響を、次式により算出する。
ここで計算対象となる測定点は、送信電力を変更するANT1からの電波を受信している測定点のみとする。今回の例で言うと、ANT1からの電波を受信している測定点は測定点2のみであるため、影響を確認する対象は、測定点2のみである。よって、受信データ処理装置_103は、測定点2の測定点毎の補正RSSI及び/又は補正CINRを次式により算出する。
補正RSSI_2=(RSSI_21+P1)+RSSI_22
補正CINR_2=((RSSI_21+P1)+RSSI_22)/(KTBF)
(ステップ213)
パラメータ最適化装置_104は、ステップ212より、送信電力を変更するアンテナはANT1と求めたため、送信電力変更するANT1の送信電力初期値Pod1に対し、補正電力P’1(この例では、P’1=P1)分を加算したものをANT1の送信電力とし、これを変更パラメータPo1とする。
Po1=Pod1+P’1
(Po1:ANT1のパラメータ変更後の送信電力を指す。)
受信データ処理装置_103は、次に所望品質を満たしていないと判定された測定点2における補正電力P2を算出するが、測定点2は送信電力を変更したANT1の電波を受信しているため、まずは上述のステップ212で求めた、補正RSSI_2及び/又は補正CINR_2で所望品質を満たすようになったかを、次式により(ステップ210及びステップ211と同様に)確認する。
補正RSSI_2−|RSSI|≦0、 補正CINR_2−|CINR|≦0
※ある測定点が所望品質を満たしている場合、受信データ処理装置_103は、所望品質を満たしていない、次の測定点の補正電力の算出を行う。
受信データ処理装置_103は、測定点2で補正RSSI_2又は補正CINR_2が所望品質を満たしていないと判定されたため、次式のように測定点2における補正電力P2を算出する。
P2=|RSSI|−RSSI_2 又は
P2=補正CINR_2−|CINR|
受信データ処理装置_103は、この補正電力P2については、測定点2で最も電界強度の強いアンテナを求め、そのアンテナ(この例では、ANT2)の送信電力を変更することで補正する。
ANT2からの電波を予め定めた電界強度より強い値で受信している測定点があれば、ANT2からのRSSIに対し、補正電力P2分を加算する。
受信データ処理装置_103は、上記で算出した補正電力を反映し、測定点2の測定点毎の補正RSSI及び/又は補正CINRを次式により算出する。
補正RSSI_2’=(RSSI_21+P1)+(RSSI_22+P2)
補正CINR_2’=((RSSI_21+P1)+(RSSI_22+P2))/(KTBF)
受信データ処理装置_103は、次に他の測定点における影響を、次式により計算により算出する。
ここで計算対象となる測定点は、送信電力を変更するANT2からの電波を受信している測定点のみとする。今回の例で言うと、ANT2からの電波を受信している測定点は測定点3のみであるため、影響を確認する対象は、測定点3のみである。よって、受信データ処理装置_103は、測定点3の測定点毎の補正RSSI及び/又は補正CINRを次式により算出する。
補正RSSI_3=(RSSI_32+P2)
補正CINR_3=((RSSI_32+P2))/(KTBF)
もし測定点1でANT2からの電波を受信していたとしたら、受信データ処理装置_103は、次式により測定点1での補正RSSI及び/又は補正CINRについても、再度計算する必要がある。
補正RSSI_1’=(RSSI_11+P1)+(RSSI_12+P2)+RSSIout
補正CINR_1’=
((RSSI_11+P1)+(RSSI_12+P2))/(RSSIout+KTBF)
パラメータ最適化装置_104は、上述より、送信電力を変更するアンテナはANT2と求めたため、送信電力変更するANT2の送信電力初期値Pod2に対し、補正電力P’2(この例では、P’2=P2)分を加算したものをANT2の送信電力とし、これを変更パラメータPo2とする。
Po2=Pod2+P’2
(Po2:ANT2のパラメータ変更後の送信電力を指す。)
(ステップ214)
パラメータ最適化装置_104は、他の測定点で通信品質劣化スポットがある場合は、ステップ211〜ステップ213を繰り返し、各アンテナにおける送信電力変更パラメータの算出及びエリア調整後の通信品質を算出する。今回の例で言うと、通信品質劣化スポットは測定点1、測定点2のみであるため、送信電力変更はANT1及びANT2となる。よって次式のように、送信電力制御パラメータが求められる。
Figure 2014220767
4.実施例の効果

本実施の形態によると、屋内の複数のアンテナを共有することを特徴とする移動体通信システムにおいて、エリア通信品質をサイトサーベイにて確認するに当たり、エリア設計時の誤差による想定外の通信品質低下を発見して、これを自動調整することで通信品質を確保することができる。
また、本実施の形態によると、DASなど、複数のアンテナを組み合わせて屋内のエリア化を図る送受信設備に付加することで、設計時に推定できない複雑な伝搬損失誤差や屋外移動体通信基地局からの干渉電波による単一又は複数通信事業者の通信品質低下発生を、サイトサーベイによる1回の電波測定で確認することができ、対策として送信電力の調整を自動で行い、最適なサービスエリアを提供することができる。
本実施の形態によると、アンテナ毎のエリア通信品質への影響が判るため、従来方式であった複雑なシミュレーションや現地でのカットアンドトライを繰り返すことなく、実測を根拠にするため、リアルで再現性に富み、且つ効率的な通信エリア調整が可能となる。
具体的には、実測を根拠として送信電力を調整するため、アンテナ毎に測定した通信品質情報を基に、通信品質劣化スポットに最も影響のあるアンテナを特定することができる。これにより特定したアンテナの送信電力を調整することで、通信品質劣化スポットにおけるエリア調整後の通信品質を計算で求めることができる。この際、通信品質劣化スポットと共に、送信電力を変更したアンテナから電波を受信している他の測定点への影響も計算で求めることができ、エリア調整後の通信品質を算出できることにより、事後のサイトサーベイによる通信品質確認が不要となり、エリア調整作業の効率化を図ることができる。
また、本実施の形態により、屋内エリアのアンテナ毎の影響を実測できるため、特定のアンテナのエリアに対しての影響の度合いを明らかに出来る。これにより、特定のアンテナの送信電力値を変更する場合のシミュレーションが可能となる。
以下に、通信エリア品質改善効果の概念について説明する。
図13は、Ant1の送信電力値を上昇した場合のCINRの改善効果を表す図である。図示のように、例えば、屋外移動体通信基地局からの干渉電波で、通信品質が劣化傾向にあるエリアのAnt1の送信出力を上昇することで、Ant1の覆域の電界強度が上昇して、CINRが上昇する。
5.付記

なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれている。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101…送信制御装置
102…受信装置
103…受信データ処理装置
104…パラメータ最適化装置
105…DAS
106…複数事業者対応DAS
107…周期カウンタ
108…SW制御部
109…減衰制御部
110…受信装置
111…受信データ処理PC

Claims (15)

  1. 無線通信システムであって、
    複数のアンテナにそれぞれスイッチを設け、複数の前記スイッチを制御することにより、アンテナ毎に単一又は複数送信機から出力された測定用信号を各アンテナより順次送信するための送信制御装置と、
    処理部を有する無線通信装置と
    を備え、

    前記無線通信装置の前記処理部は、
    各アンテナから送信された測定用信号を複数の測定点で受信した通信品質に基づき、測定点毎に、複数の前記アンテナからの測定用信号の通信品質の総和を求め、該総和を測定点の位置により2次元配列して通信品質マップを作成し、
    前記通信品質マップにおいてある第1の測定点の前記総和が、予め定められた所望通信品質を満たしていない場合は、前記第1の測定点について、前記総和に応じて単一又は複数送信機毎に第1の補正電力を求め、
    前記第1の測定点において、最も影響のある第1のアンテナの送信電力を前記第1の補正電力により変更するための送信電力制御パラメータを作成し、
    前記送信電力制御パラメータを前記送信制御装置に出力し、
    及び、
    前記送信制御装置は、前記無線通信装置から入力した前記送信電力制御パラメータに従い、各アンテナから出力する送信電力を調整する
    無線通信システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    前記処理部は、
    前記第1のアンテナから電波を受信する第2の測定点における前記総和を、前記第1の補正電力により補正した総和を計算し、
    前記補正した総和が予め定められた所望通信品質を満たしている場合に、前記送信電力制御パラメータを作成する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  3. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    前記処理部は、第2の測定点において前記第1のアンテナからの電波を受信する場合、
    前記第2の測定点における前記総和を、前記第1の補正電力により補正した総和を計算し、
    前記第2の測定点における前記総和が前記所望通信品質を満たしていない場合は、前記第2の測定点について、前記補正した総和に応じて単一又は複数送信機毎に第2の補正電力を求め、
    前記第2の測定点において、最も影響のある第2のアンテナの送信電力を前記第2の補正電力により変更し、且つ、第1のアンテナの送信電力を前記第1の補正電力により変更するための送信電力制御パラメータを作成し、
    前記送信電力制御パラメータを前記送信制御装置に出力する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  4. 請求項3に記載の無線通信システムにおいて、
    前記処理部は、各測定点の通信品質の前記総和及び前記補正した総和が前記所望通信品質を満たすようになるまで、繰り返し、前記第2の補正電力を求め、前記送信電力制御パラメータを作成する
    前記受信データ処理装置は、前記受信装置で測定した複数のデータを、測定点毎の通信品質を測定点で2次元に配列し通信品質マップを出力する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  5. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    前記通信品質は、電界強度RSSI及び/又は信号対雑音強度比CINRであることを特徴とする無線通信システム。
  6. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    前記処理部は、前記第1の補正電力に予め定められた制限値を設けることを特徴とする無線通信システム。
  7. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    複数の送信機と、
    複数の送信機の電波を合成し、それぞれ電波を送信する複数のアンテナと、
    複数の送信機を共通して一括で送信オンオフ制御を行う複数のスイッチと、
    送信電力を送信機毎に独立して調整するための複数の調整器と
    を有する分散アンテナシステム
    を備え、
    前記送信制御装置は、前記分散アンテナシステムを制御して、複数の送信機から測定用信号を各々の前記アンテナに順次送信することを特徴とする無線通信システム。
  8. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    前記無線通信装置は、複数の任意の測定点毎に送信機毎の通信品質を測定し、測定点毎に、送信機毎の通信品質と、測定点の位置情報とを対応して記録し、前記処理部に出力する受信装置
    を備え、
    前記処理部は、複数の前記アンテナの送信周期が一巡する毎に、前記受信装置の測定点を変更することで、「アンテナ数×測定点数」のデータを取得することを特徴とする無線通信システム。
  9. 請求項8に記載の無線通信システムにおいて、
    前記処理部は、
    前記受信装置から、記録されたデータに基づき位置情報から2次元配列化した通信品質マップを作成する受信データ処理装置と、
    前記受信データ処理装置からの通信品質マップを元に、通信品質が予め定められた所望通信品質に満たない場所を抽出して、所望通信品質となるための各アンテナ毎の単一又は複数送信機における送信電力設定値を補正するための前記送信電力制御パラメータを求めて、前記送信電力制御パラメータを前記送信制御装置に出力するパラメータ最適化装置と
    を備えた無線通信システム。
  10. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    前記処理部は、各測定点における複数のアンテナからの通信品質の総和を、次式で求めることを特徴とする無線通信システム。

    RSSIn(x)(dBm)=Σ(RSSInm(x))+RSSIout
    及び/又は、
    CINRn(x)(dB)=Σ(RSSInm(x))/(RSSIout+KTBF)

    ここで、
    RSSIn(x)、RSSInm(x):屋内電波の電界強度
    RSSIout:屋外電波の電界強度
    KTBF :受信装置の雑音電力
    各サフィックスは次の通り。
    n:測定点の識別子
    m:アンテナの識別子
    x:送信機の識別子
  11. 請求項10に記載の無線通信システムにおいて、
    前記処理部は、補正電力Pn(x)を送信機x毎に、次式により求めることを特徴とする無線通信システム。

    Pn(x)=|RSSI|−RSSIn(x)
    又は、
    Pn(x)=CINRn(x)−|CINR|

    ここで、
    |RSSI|、|CINR|:通信品質判定値
  12. 請求項11に記載の無線通信システムにおいて、
    補正通信品質を送信機毎に、次式により求めることを特徴とする無線通信システム。

    補正RSSIn(x)(dBm)=Σ(RSSInm(x))+Pn(x)+RSSIout
    及び/又は、
    補正CINRn(x)(dB)=
    (Σ(RSSInm(x))+Pn(x))/(RSSIout+KTBF)
  13. 請求項12に記載の無線通信システムにおいて、
    前記処理部は、各アンテナ毎の変更パラメータPom(x)を、各アンテナの送信電力初期値Podm(x)にアンテナ毎の第1〜第mの補正電力P’m(x)から、次式で求めることを特徴とする無線通信システム。

    Figure 2014220767
  14. 無線通信システムにおける無線通信装置であって、
    前記無線通信システムは、
    複数のアンテナにそれぞれスイッチを設け、複数の前記スイッチを制御することにより、アンテナ毎に単一又は複数送信機から出力された測定用信号を各アンテナより順次送信するための送信制御装置と、
    処理部を有する前記無線通信装置と
    を備え、

    前記無線通信装置の前記処理部は、
    各アンテナから送信された測定用信号を複数の測定点で受信した通信品質に基づき、測定点毎に、複数の前記アンテナからの測定用信号の通信品質の総和を求め、該総和を測定点の位置により2次元配列して通信品質マップを作成し、
    前記通信品質マップにおいてある第1の測定点の前記総和が、予め定められた所望通信品質を満たしていない場合は、前記第1の測定点について、前記総和に応じて単一又は複数送信機毎に第1の補正電力を求め、
    前記第1の測定点において、最も影響のある第1のアンテナの送信電力を前記第1の補正電力により変更するための送信電力制御パラメータを作成し、
    前記送信電力制御パラメータを前記送信制御装置に出力する
    ことにより、前記送信制御装置に、前記送信電力制御パラメータに従い、各アンテナから出力する送信電力を調整させる無線通信装置。
  15. 無線通信システムにおけるエリア調整方法であって、
    前記無線通信システムは、
    複数のアンテナにそれぞれスイッチを設け、複数の前記スイッチを制御することにより、アンテナ毎に単一又は複数送信機から出力された測定用信号を各アンテナより順次送信するための送信制御装置と、
    処理部を有する無線通信装置と
    を備え、

    前記無線通信装置の前記処理部は、
    各アンテナから送信された測定用信号を複数の測定点で受信した通信品質に基づき、測定点毎に、複数の前記アンテナからの測定用信号の通信品質の総和を求め、該総和を測定点の位置により2次元配列して通信品質マップを作成し、
    前記通信品質マップにおいてある第1の測定点の前記総和が、予め定められた所望通信品質を満たしていない場合は、前記第1の測定点について、前記総和に応じて単一又は複数送信機毎に第1の補正電力を求め、
    前記第1の測定点において、最も影響のある第1のアンテナの送信電力を前記第1の補正電力により変更するための送信電力制御パラメータを作成し、
    前記送信電力制御パラメータを前記送信制御装置に出力し、
    及び、
    前記送信制御装置は、前記無線通信装置から入力した前記送信電力制御パラメータに従い、各アンテナから出力する送信電力を調整する
    エリア調整方法。

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