JP2014219251A - Mems装置及びその製造方法 - Google Patents

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俊宏 小林
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尚信 大川
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亨 宮武
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Abstract

【課題】本発明は、小型化を図りつつ、高感度かつ良好な温度特性が得られるMEMS装置及びその製造方法を提供するこを目的とする。
【解決手段】固定支持されるアンカ部5と、高さ方向に変位する可動部2と、可動部2に対向配置される固定電極22と、アンカ部5と可動部2とに回動自在に連結される支持部3と、支持部3とアンカ部5との間および支持部3と可動部2との間の各々を連結する第1および第2のばね部4とを有しており、可動部2は、第1の部材14と、第1の部材14と同質の第2の部材15とを積層した積層体からなり、ばね部4は、積層体の第2の部材15から形成されていることを特徴とするMEMS装置1。
【選択図】図2

Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)装置と、その製造方法に関する。
MEMS装置は、携帯電話などの電子機器や、自動車などに搭載され、圧力や、加速度などの物理量を検出するために用いられている。そして、電子機器の多機能化や、自動車の電子化などにより部品搭載数が増えており、MEMS装置の小型化や、低コスト化が急激に進んでいる。
静電容量型のMEMS装置は、可動部、可動電極、および固定電極などを有して構成されている。例えば加速度がMEMS装置に作用すると、可動部および可動電極と、固定電極とが相対的に変位し、固定電極と可動電極との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化に基づいて加速度が検出される。
ところが、MEMS装置の小型化に伴い、可動部の質量が小さくなると、加速度に対するMEMS装置の応答性が低下し、良好な検出感度が得られなくなる。
図11は、特許文献1に開示される静電容量型のMEMS装置の断面図である。従来例の静電容量型のMEMS装置201においては、図11に示すように、可動部202を、第1の部材(シリコン基板)214と、第1の部材214上に形成される第2の部材(積層構造体)215とで構成することにより、小型化に伴う可動部202の質量低下を抑制している。そして、第2の部材215は、CMOS集積回路などの多層配線部を用いて形成され、複数の導電層と、複数の層間絶縁層に埋め込まれるプラグとを有して構成されている。複数の導電層は、アルミニウム合金や、銅などからなり、プラグはタングステンなどからなる。
また、従来例のMEMSセンサ201は、可動部202に固定支持される可動電極と、可動部202を囲むように配置される額縁状の枠体部に固定支持される固定電極との間の静電容量の変化に基づいて加速度を検出している。
特開2010−249805号公報
静電容量型のMEMS装置は、自動車のTPMS(Tire Pressure Monitoring System)において、加速度センサとして実用化されている。その際、TPMSでは、加速度センサの他に、タイヤの空気圧を検出する圧力センサや、各センサの検出値を送信する送信装置が併用されている。そのため、タイヤの中に、これらのセンサや、送信装置を設置する必要があるため、各センサの小型化が要求されている。
ところで、自動車の走行条件や、気温などによって、タイヤ内の温度は、100℃程度まで上昇することがある。そのため、タイヤ内の温度は、気温から100℃程度の間で変化する。従来例の静電容量型のMEMS装置201においては、可動部202が、シリコン基板からなる第1の部材214と、アルミニウム合金や、銅などからなる複数の導電層からなる第2の部材215とを有して構成されている。そして、シリコン基板と、アルミニウム合金および銅などとの熱膨張係数の差は大きい。そのため、タイヤ内の温度が、気温から100℃程度の間で変化すると、タイヤ内の温度に応じて可動部202が反る。
そのため、従来例のMEMS装置201においては、タイヤ内の温度の変化に応じて、可動電極と固定電極との対向面積が変化し、この対向面積の変化に応じて静電容量が変化する。その結果、従来例のMEMS装置201は、加速度を安定的に検出すことができず、さらに、100℃近い高温では、アルミニウム合金や、銅などからなる複数の導電層が、第1の部材214から剥離することがある。
本発明の目的は、このような課題を顧みてなされたものであり、小型化を図りつつ、高感度かつ良好な温度特性が得られるMEMS装置及びその製造方法を提供することである。
本発明のMEMS装置は、固定支持されるアンカ部と、高さ方向に変位する可動部と、前記可動部に対向配置される固定電極と、前記アンカ部と前記可動部とに回動自在に連結される支持部と、前記支持部と前記アンカ部との間および前記支持部と前記可動部との間の各々を連結する第1および第2のばね部とを有しており、前記可動部は、第1の部材と、前記第1の部材と同質の第2の部材とを積層した積層体からなり、前記ばね部は、前記積層体の前記第2の部材から形成されていることを特徴とする。
このような態様であれば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)装置に作用する物理量によって、可動部と固定電極とは相対的に変位することが可能である。そのため、可動電極と固定電極間の静電容量の変化に基づいて、MEMS装置に作用する物理量を検出することができる。
可動部が、第1の部材と第2の部材とを積層して構成されると共に、ばね部が、第2の部材のみで形成される。そのため、可動部の質量に対して、ばね部のばね定数を小さくすることができる。そのため、作用する物理量に対して、静電容量が大きく変化し、高感度が得られる。そのため、本発明に係るMEMS装置は、小型化しても物理量を高感度に検出できる。
第1および第2の部材が同質であるので、可動部内の熱膨張係数は均一である。よって、周囲の気体温度に応じて、可動部が反ること、及び可動部の反り量の変化が抑制されるので、周囲の気体温度に応じる可動電極と固定電極との間の静電容量の変化が抑制される。そのため、本発明に係るMEMS装置は、良好な温度特性が得られる。
よって、本発明によれば、小型化を図りつつ、高感度かつ良好な温度特性が得られるMEMS(Micro Electro Mechanical System)装置を提供することができる。
前記第1の部材および前記第2の部材が、単結晶シリコンからなることが好ましい。このような態様であれば、第1の部材と第2の部材を、同質とすることが可能である。また、周知の半導体プロセス技術を用いて、本発明に係るMEMS装置を製造することが可能である。
前記第1の部材と前記第2の部材とが、常温接合されてなることが好ましい。このような態様であれば、単結晶シリコンからなる第1の部材および前記第2の部材を積層することが可能である。
本発明のMEMS装置の製造方法は、固定支持されるアンカ部と、高さ方向に変位する可動部と、前記可動部に対向配置される固定電極と、前記アンカ部と前記可動部とに回動自在に連結される支持部と、前記支持部と前記アンカ部との間および前記支持部と前記可動部との間の各々を連結する第1および第2のばね部と、を有するMEMS装置の製造方法であって、第1の部材に穴を形成する工程と、前記第1の部材に、前記第1の部材と同質の第2の部材を積層する工程と、前記第1の部材および前記第2の部材をエッチングして、前記穴と重なる前記第2の部材の領域に前記ばね部を形成し、前記穴と重ならない領域に前記可動部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
可動部が、第1の部材と第2の部材とを積層して構成されると共に、ばね部が、第2の部材のみで形成される。そのため、可動部の質量に対して、ばね部のばね定数を小さくすることができる。そのため、作用する物理量に対して、静電容量が大きく変化し、高感度が得られる。そのため、本発明の製造方法によれば、小型化しても物理量を高感度に検出するMEMS装置が可能である。
このような態様であれば、可動部は、同質の第1および第2の部材から構成されるので、可動部内の熱膨張係数は均一である。よって、周囲の気体温度に応じて、可動部が反ること、及び可動部の反り量の変化が抑制されるので、周囲の気体温度に応じる可動電極と固定電極間の静電容量の変化が抑制される。そのため、本発明の製造方法によれば、物理量を良好な温度特性で検出するMEMS装置が可能である。
よって、本発明によれば、小型化を図りつつ、高感度かつ良好な温度特性が得られるMEMS装置の製造方法を提供することが可能である。
前記第1の部材および前記第2の部材が、単結晶シリコンからなることが好ましい。このような態様であれば、第1の部材と前記第2の部材を、同質とすることが可能である。また、本発明に係るMEMS装置の製造方法に、周知の半導体プロセス技術を用いることが可能である。
前記積層する工程において、前記第1の部材と前記第2の部材とを常温接合することにより、前記第1の部材と前記第2の部材とを積層することが好ましい。このような態様であれば、シリコンからなる第1の部材および第2の部材を積層することが可能である。
よって、本発明によれば、小型化を図りつつ、高感度かつ良好な温度特性が得られるMEMS装置及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係わるMEMS装置の透視平面図である。 図1に示すA−A線に沿って切断して矢印方向から視る断面図である。 本発明の実施形態に係わるMEMS装置が静止している状態の斜視図である。 本発明の実施形態に係わるMEMS装置が動作している状態の斜視図である。 (a)は本発明の実施形態に係わるMEMS装置の部分拡大平面図であり、(b)は(a)に示すB−B線に沿って切断して矢印方向から視る断面図である。 (a)は本発明の実施形態に係わるMEMS装置の部分拡大平面図であり、(b)は(a)に示すC−C線に沿って切断して矢印方向から視る断面図である。 本発明の実施形態と従来例における加速度と静電容量の関係の比較図である。 (a)から(d)は、本発明の実施形態に係わるセンサ基板の製造方法の説明図である。 (a)から(c)は、本発明の実施形態に係わる配線基板の製造方法の説明図である。 (a)、(b)は、本発明の実施形態に係わるセンサ基板と配線基板の接合方法の説明図である。 特許文献1に開示される静電容量型のMEMS装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態に係わるMEMS装置とその製造方法について図面を用いて詳細に説明する。なお、各図面の寸法は適宜変更して示している。各図に示すMEMS(Micro Electro Mechanical System)装置に関しては、Y方向が左右方向であり、Y1方向が左方向でY2方向が右方向、X方向が前後方向であり、X1方向が前方でX2方向が後方である。また、Y方向とX方向の双方に直交する方向が上下方向(Z方向:高さ方向)である。
図1は、本発明の実施形態に係わるMEMS装置の透視平面図である。図2は、図1に示すA−A線に沿って切断して矢印方向から視る断面図である。
本実施形態のMEMS装置は、図2に示すように、センサ基板10と配線基板20とが接合されて、第1の支持基板11と第2の支持基板21の間に、可動部2、支持部3、固定電極22、ばね部4、アンカ部5、および第1の枠体部6などを有して構成されている。そして、可動部2は、第1の部材14と第2の部材15とが積層されてなり、ばね部4は、第2の部材15からなる。
本実施形態においては、センサ基板10は、シリコン基板とシリコンからなるSOI(Silicon on Insulator)層とが、シリコン酸化膜を介して接合されるSOI基板を用いて構成される。そして、図2に示すように、第1の部材14は、SOI層により構成され、第2の部材15は、第1の部材14に接合されるシリコン層により構成されている。なお、第1の部材14は、導電性のSOI層からなり、第2の部材15は、導電性のシリコン層からなる。
アンカ部5および第1の枠体部6は、図2に示すように、第1の絶縁層13を介して第1の支持基板11に固定支持されている。第1の絶縁層13は、SOI基板を構成するシリコン酸化膜からなる。
本実施形態のMEMS装置に加速度が作用すると、可動部2と、固定電極22とが相対的に変位し、静電容量が変化する。本実施形態のMEMS装置は、可動部2と固定電極22間の静電容量の変化に基づいて物理量である加速度を検出する、すなわち加速度センサである。なお、可動部2は、導電性の単結晶シリコンからなり、可動電極として機能する。
本実施形態のMEMS装置は、加速度センサとしたが、これに限定されるものではない。圧力センサ、可変容量コンデンサ、角加速度センサ、および衝撃センサなども可能である。前記圧力センサは、たとえば第1の支持基板、第2の支持基板、および第1の枠体部などからなる外周部の少なくとも一部に圧力が作用し、可動部と固定電極とが相対的に変位して生じる静電容量の変化に基づいて圧力を検出するものである。
可変容量コンデンサについて、以下に説明する。携帯電話などの無線通信機器では、高周波回路の小型化の要求が高まっている、そのため、MEMS技術を利用した可変容量コンデンサを、可変周波数発信器、同調増幅器、インピーダンス整合回路などの高周波回路に用いることが検討されている。この可変容量コンデンサは、対向配置される第1の駆動電極部および第2の駆動電極部と、対向配置される第1の容量電極部および第2の容量電極部とを有して構成され、第1の容量電極部または第2の容量電極部に入力する入力交流信号が、第1の容量電極部と第2の容量電極部との間に形成される静電容量に応じた所望の出力交流信号として出力される。
第1の容量電極部が支持部を介して第1の駆動電極部に連動可能に連結されており、第1の駆動電極部と第2の駆動電極部との間に駆動電圧を印加して、第1の容量電極部と第2の容量電極部との間の間隔を変えることで、第1の容量電極部と第2の容量電極部の間の静電容量を制御している。このようにして、可変容量コンデンサは、入力交流信号を変換して、所望の出力交流信号を出力させる。
入力交流信号の周波数と、第1の駆動電極部、支持部、および第1の容量電極部で構成される系の機械的な固有周波数とが近い値であると、入力交流信号の影響により第1の容量電極部と第2の容量電極部との間の間隔が変化することがあり、その際は、可変容量コンデンサは、所望の出力交流信号を出力させることができない。
よって、本実施形態と同様に、第1の駆動電極部、支持部、および第1の容量電極部を、SOI基板におけるSOI層から形成し、第1の駆動電極部、支持部、および第1の容量電極部を構成するSOI層にシリコン層を接合することにより、入力交流信号の周波数と機械的な固有周波数を異ならせることができ、可変容量コンデンサは、所望の出力交流信号を出力させることが可能になる。
図1は、本実施形態の加速度センサ1を、第1の支持基板11を透視して、可動部2、支持部3、ばね部4などを図示する透視平面図である。加速度センサ1は、図1に示すように、たとえば、平面視で矩形形状である。
図3は、本実施形態に係わるMEMS装置が静止している状態の斜視図である。加速度センサ1は、静止状態のときは、図3に示すように、表面全体と裏面全体が夫々、同一面上に位置しており、表面および裏面から突出する部分がない。なお、加速度センサ1を実際に使用する際は、地球の重力の影響で若干変位している。
加速度センサ1は、たとえば自動車のTPMSに用いられる場合は、図1、図2に示すように、加速度センサ1の外周部が自動車に固定される。すなわち、互いに連結される第1の支持基板11、第2の支持基板21、第1の枠体部6、および第2の枠体部26から構成される外周部が、自動車に固定される。そのため、自動車の加速度は、前記外周部と前記外周部に固定支持されるアンカ部5および固定電極22に直接的に加えられる。自動車の加速度は、支持部3には、支持部3とアンカ部5とを連結するばね部4を介して加えられる。可動部2は、支持部3とばね部4を介してアンカ部5に連結されている。そのため、自動車の加速度は、可動部2には、支持部3とばね部4を介して加えられる。よって、自動車の加速度が加速度センサ1に加わると、可動部2および支持部3は、前記外周部、アンカ部5、および固定電極22に対して高さ方向(Z方向)に相対的に変位する。
そのため、図4に示すように、可動部2が、アンカ部5に対して、加速度により図3の静止状態の位置から高さ方向へ向けて相対的に変位すべく、可動部2とアンカ部5との間にばね部4を介して連結される支持部3が高さ方向に回動する。その結果、図4に示すように、アンカ部5は、可動部2および支持部3に対して高さ方向に移動する。
加速度センサ1は微小であり、たとえば長方形の長辺1a(図1に図示)の長さ寸法は1mm以下であり、短辺1b(図1に図示)の長さ寸法は0.8mm以下である。さらに、厚み寸法は0.1mm以下である。長辺1aの延びる方向が前後方向であり、短辺1bの延びる方向が左右方向である。
加速度センサ1は、図1、図2に示すように、額縁状に第1の枠体部6および第2の枠体部26が互いに対向するように設けられ、第1の枠体部6に囲まれるように可動部2が設けられている。可動部2の内側には、支持部3が設けられている。
第1の支持部3aは、図1に示すように、前方(X1方向)に延びる第1の連結腕7aと、後方(X2方向)に延びる第1の脚部8aとが一体に形成されている。なお、ここで、第1の連結腕7aは、第1の支持部3aと中央アンカ部5aおよび左側アンカ部5bを連結するばね部4a、4dから前方(X1方向)に位置する側であり、第1の脚部8aは、ばね部4a、4dから後方(X2方向)に位置する側と規定する。
また、第2の支持部3bは、図1に示すように、後方(X2方向)に延びる第2の連結腕7bと、前方(X1方向)に延びる第2の脚部8bとが一体に形成されている。なお、ここで、第2の連結腕7bは、第2の支持部3bと中央アンカ部5aおよび右側アンカ部5cを連結するばね部4b、4cから後方(X2方向)に位置する側であり、第2の脚部8bは、ばね部4b、4cから前方(X1方向)に位置する側と規定する。
連結腕7a、7bおよび脚部8a、8bは、各アンカ部5a、5b、5cから離れる方向であって、前後方向(X1−X2方向)に平行に所定の幅寸法にて延出する形状で形成されている。また、各支持部3の連結腕7a、7bおよび脚部8a、8bの幅寸法(Y1−Y2方向への寸法)は、たとえば、ほぼ同じとされている。
第1の支持部3aと第2の支持部3bは、図1に示すように、点対称で形成されている。よって、各アンカ部5a、5b、5cから見て、第1の支持部3aの第1の連結腕7aと第2の支持部3bの第2の連結腕7bの延出方向、および第1の支持部3aの第1の脚部8aと第2の支持部3bの第2の脚部8bの延出方向がそれぞれ逆になっている。
各アンカ部5a、5b、5cは、図1、図2に示すように、第1の支持基板11に固定支持される。第1の支持基板11は、シリコン基板であり、各アンカ部5a、5b、5cと第1の支持基板11との間にはシリコン酸化膜である第1の絶縁層13が介在している。図3に示す静止状態において可動部2と第1の支持基板11との間の間隔は、1〜5μm程度である。
図1、図2に示すように、可動部2と、各支持部3a、3b、および各アンカ部5a、5b、5cは、夫々分離して形成されている。このうち、各アンカ部5a、5b、5cと第1の支持基板11との間には第1の絶縁層13が介在し、各アンカ部5a、5b、5cが第1の支持基板11に固定支持された状態になっているが、可動部2および各支持部3a、3bと、第1の支持基板11との間には第1の絶縁層13は存在せず、可動部2および各支持部3a、3bと第1の支持基板11との間は空間となっている。
図1に示すように、第1の支持部3aの第1の連結腕7aの先端部と可動部2とがばね部4gにおいて回動自在に連結されており、第2の支持部3bの第2の連結腕7bの先端部と可動部2とがばね部4hにおいて回動自在に連結されている。
また、図1に示すように、第1の支持部3aは、左側アンカ部5bとの近接位置で、第1の連結腕7aの基端部より後方(X2方向)で二股に分かれ、一方の第1の脚部8aと他方の第1の延出部38aとが連なって形成されている。第1の支持部3aの第1の連結腕7aは、左側アンカ部5bと中央アンカ部5aとの間に位置する基端部と中央アンカ部5aとがばね部4dによって回動自在に連結されている。また、第1の支持部3aの第1の連結腕7aは、左側アンカ部5bと中央アンカ部5aとの間に位置する基端部と左側アンカ部5bとがばね部4aによって回動自在に連結されている。さらに、第2の支持部3bは、右側アンカ部5cとの近接位置で、第2の連結腕7bの基端部より前方(X1方向)で二股に分かれ、一方の第2の脚部8bと他方の第2の延出部38bとが連なって形成されている。第2の支持部3bの第2の連結腕7bは、右側アンカ部5cと中央アンカ部5aとの間に位置する基端部と中央アンカ部5aとがばね部4bによって回動自在に連結されている。また、第2の支持部3bの第2の連結腕7bは、右側アンカ部5cと中央アンカ部5aとの間に位置する基端部と右側アンカ部5cとがばね部4cによって回動自在に連結されている。
図1に示すように、左側アンカ部5bの後方(X2方向)に、可動部2および左側アンカ部5bと分離して形成された第3の支持部3cが設けられ、右側アンカ部5cの前方(X1方向)に、可動部2および右側アンカ部5cと分離して形成された第4の支持部3dが設けられている。第3の支持部3cには、その基端部より前方(X1方向)に第3の延出部38cが連なって形成され、第4の支持部3dには、その基端部より後方(X2方向)に第4の延出部38dが連なって形成されている。第3の支持部3cおよび第4の支持部3dは共に可動部2の内側に形成される。第3の支持部3cと第4の支持部3dは点対称で形成される。また、第3の支持部3cおよび第4の支持部3dは、左側アンカ部5bや右側アンカ部5cから離れる方向であって、前後方向(X1−X2方向)に平行に所定の幅寸法にて延出する形状で形成されている。第3の支持部3cおよび第4の支持部3dの幅寸法(Y1−Y2方向への寸法)は、第1の連結腕7aおよび第2の連結腕7bの幅寸法と同じであることが好ましい。
図1に示すように、第3の支持部3cの先端部と可動部2とは、ばね部4iによって回動自在に連結されている。第4の支持部3dの先端部と可動部2とは、ばね部4jによって回動自在に連結されている。第3の支持部3cの基端部と左側アンカ部5bとは、ばね部4eによって回動自在に連結されている。第4の支持部3dの基端部と右側アンカ部5cとは、ばね部4fによって回動自在に連結されている。
本実施形態においては、図1に示すように、支持部3a、3b、3c、3dとアンカ部5a、5b、5cを連結するばね部4a、4b、4c、4d、4e、4fが第1のばね部である。支持部3a、3b、3c、3dと可動部2を連結するばね部4g、4h、4i、4jが第2のばね部である。
図1に示すように、第1の支持部3aの第1の延出部38aおよび第3の支持部3cの第3の延出部38cはともに、左側アンカ部5bよりも左側(Y1方向)の位置にて延出する延出端部7c、3eを備えており、第1の延出部38aの延出端部7cと、第3の延出部38cの延出端部3eとが所定の間隔を空けて対向配置されている。そして、第1の延出部38aの延出端部7cと第3の延出部38cの延出端部3eとの間がばね部4kを介して連結されている。第2の支持部3bの第2の延出部38bおよび第4の支持部3dの第4の延出部38dはともに、右側アンカ部5cよりも右側(Y2方向)の位置にて延出する延出端部7d、3fを備えており、第2の延出部38bの延出端部7dと、第4の延出部38dの延出端部3fとが所定の間隔を空けて対向配置されている。そして、第2の延出部38bの延出端部7dと第4の延出部38dの延出端部3fとの間がばね部4mを介して連結されている。
ここで、第1の支持部3aの第1の連結腕7aの先端部から第1の延出部38aの延出端部7cまでのX1−X2方向への長さ寸法、第2の支持部3bの第2の連結腕7bの先端部から第2の延出部38bの延出端部7dまでのX1−X2方向への長さ寸法、第3の支持部3cの先端部から第3の延出部38cの延出端部3eまでのX1−X2方向への長さ寸法、および第4の支持部3dの先端部から第4の延出部38dの延出端部3fまでのX1−X2方向への長さ寸法は、それぞれ同一寸法に調整されている。
図5(a)は、本発明の実施形態に係わるMEMS装置の部分拡大平面図である。図5(b)は、図5(a)に示すB−B線に沿って切断して矢印方向から視る断面図である。なお、図5(a)は、ばね部4jと、その周囲部を拡大して図示している。図5(a)および図5(b)に示すように、ばね部4jには、可動部2と第4の支持部3dとの間に隙間39が形成されており、この隙間39の内部に可動部2と第4の支持部3dを回動自在に連結するばね9jが設けられている。このばね9jは、可動部2や第4の支持部3dを分離する際に、第2の部材15の一部を残して円柱状や角柱状に加工して形成される。その際、ばね9jとなる部分の第2の部材15をエッチングにて細幅に切り出すことで、ばね性を持たせることができる。本実施形態においては、ばね9jの厚さは、第2の部材15の厚さであり、第1の部材14と第2の部材15とから構成される可動部2および第4の支持部3dの厚さより薄く設けられている。
図5に示す構造は、図1に示す各ばね部4g、4h、4iにおいても同様である。
図6(a)は、本発明の実施形態に係わるMEMS装置の部分拡大平面図である。図6(b)は、図6(a)に示すC−C線に沿って切断して矢印方向から視る断面図である。なお、図6(a)は、中央アンカ部5aと右側アンカ部5c、およびその周囲部を拡大して図示している。
図6(a)に示すように、各ばね部4b、4c、4d、4fにおいて、隙間39の間にばね9b、9c、9d、9fが設けられて、アンカ部5a、5cと第2の支持部3bとが、ばね9b、9cを介して連結されている。アンカ部5cと第4の支持部3dとが、ばね9fを介して連結されている。また、アンカ部5a、5bと支持部3a、3cとの間においても図6(a)と同様の構造で形成されている。
図6(a)に示すように、第4の支持部3dの第4の延出部38dの延出端部3fと第2の支持部3bの第2の延出部38bの延出端部7dとの間に位置するばね部4mには、延出端部3fと延出端部7dとの間に隙間39が形成されており、この隙間39の間に折り返しパターン状のばね9mが設けられ、ばね9mの一方の端部が第4の支持部3dの第4の延出部38dの延出端部3fに、ばね9mの他方の端部が第2の支持部3bの第2の延出部38bの延出端部7dに連結されている。ばね9mが前後方向に平行に伸びず迂回しているのは、幅細のばね9mの長さ寸法を稼いでばね定数を小さくし、第2の連結腕7bに連なる第2の延出部38bと第4の支持部3dに連なる第4の延出部38dを強固に連結しないためである。また、図1に示すように、ばね部4k、4mは、左右方向(Y方向)において同軸上に設けられる。ばね部4kとばね部4mは点対称に設けられる。
図1に示すように、ばね部4i、4hは、左右方向(Y方向)において同軸上に設けられる。また、ばね部4g、4jは、左右方向(Y方向)において同軸上に設けられる。また、ばね部4a、4d、4fは、左右方向(Y方向)において同軸上に設けられる。また、ばね部4e、4b、4cは、左右方向(Y方向)において同軸上に設けられる。
ばね部4に設けられるばねは、捻じれ変形することで、各支持部3を可動部2および各アンカ部5に対して回動させることができる。また、ばね部4に設けられるばね9は、シリコンが弾性材料であるため、可動部2などに外力が作用していないときは、図3に示すように、ばねの弾性復元力により、可動部2の表面と各支持部3の表面とが同一面となるように復元する。
加速度センサ1は、図2に示すように、可動部(可動電極)2と固定電極22間の静電容量の変化に基づいて加速度を検出する。加速度センサ1が、たとえば自動車のTPMSに用いられる場合は、第1の支持基板11などの外表面が自動車に固定される。そのため、第2の支持基板22などの内表面に固定支持される固定電極22は、自動車と一体的に動き、可動部2に対して自動車の加速方向に移動する。その際、高感度な加速度センサであるためには、固定電極22と可動部(可動電極)2とは、相対的に大きく変位することが好ましい。そのためには、自動車と一体的に動く固定電極22に対して、可動部2が慣性力によって止まろうとすること、すなわち可動部2の質量は大きいことが好ましい。
また、電子機器の多機能化や自動車の電子化などにより、部品搭載数が増えているため、加速度センサなどのMEMS(Micro Electro Mechanical System)装置は小型化が進められている。そのため、加速度センサ1の可動部2は、平面視での面積が小さくなり、可動部2の質量も小さくなる。すなわち、加速度センサの小型化を行おうとすると、加速度センサの感度が低下するという課題が生じる。
本実施形態においては、図2に示すように、可動部2を、第1の部材14と第2の部材15とを積層する構成で形成することにより、可動部2の平面視での面積を小さくしても、可動部2の質量が小さくなることを抑制している。
よって、本実施形態によれば、小型化を図りつつ、高感度な加速度センサなどのMEMS装置を提供することができる。
本実施形態の第2の部材15は、シリコン層からなり、シリコンからなる第1の部材14と同質の材料からなる。そのため、自動車の走行条件などによって、タイヤ内の温度は、100℃程度まで上昇しても、熱応力によって可動部2が反ることはない。
よって、本実施形態によれば、小型化を図りつつ、良好な温度特性が得られる加速度センサなどのMEMS装置を提供することができる。
本実施形態によれば、図2に示すように、可動部2は、第1の部材14と第2の部材15とを積層した積層体からなり、ばね部4、即ちばね9は、前記積層体の第2の部材から形成されている。そのため、可動部2の質量に対して、ばね9のばね定数を小さく、即ちばね9は捻じれ変形し易くできる。そのため、可動部2と固定電極22とが、相対的に変位し易いように設けられる。よって、MEMS装置を小型化しても、可動部(可動電極)2と固定電極22間の静電容量は変化し易いので、本発明に係るMEMS装置によれば、物理量である加速度を高感度に検出することができる。
本実施形態においては、第1の部材14と第2の部材15は、単結晶シリコンからなり同質であるが、これに限定されるものではない。同質とは、原子配列がほぼ同じものや、熱膨張係数がほぼ同じものを意味する。このように、第1の部材14と第2の部材15は、原子配列がほぼ同じなもの同士、あるいは熱膨張率がほぼ同じであるもの同士として選ぶことも可能である。
特許文献1に開示される従来例の静電容量型のMEMS装置201においては、小型化に伴う可動部202の質量低下を抑制するために、可動部202が、シリコン基板からなる第1の部材214に、アルミニウム合金や、銅などからなる複数の導電層および複数の層間絶縁層に埋め込まれるプラグなどからなる第2の部材215を積層して構成している。アルミニウム合金や、銅などからなる複数の導電層は、スパッタ法や、メッキ法などで成膜され、膜応力を持つと共に、この膜応力がばらつくことが知られている。
複数の導電層の膜応力により可動部202は反り易く、膜応力がばらつくことによって、可動部202の反り量はばらつき易い。そのため、従来例のMEMS装置201においては、可動部202の反りや反り量ばらつきによって、可動部202に固定支持される可動電極と、枠体部に固定支持される固定電極との対向面積が変化し、検出値にオフセットやオフセットばらつきが生じ易い。
本実施形態の第1の部材14と第2の部材15は、同質のシリコンであると共に、結晶性の良好なシリコン層からなる。そして、このような第1の部材14と第2の部材15を積層して構成される可動部2においては、その反り量と反り量ばらつきは抑制される。
図7は、本発明の実施形態と従来例における加速度と静電容量の関係の比較図である。横軸が加速度[G]であり、縦軸が静電容量[fF]である。可動電極が、本発明の実施形態においてはシリコンとシリコンの積層体、従来例においてはシリコンとパーマロイ積層体とし、同じ形状としてシミュレーションしたものである。パーマロイはメッキ法で形成したものであり、メッキ法では膜応力が100MPaから1000MPa程度にばらつくので、従来例1の膜応力は100MPaであり、従来例2の膜応力は1000MPaである。加速度が0[G]であるときの静電容量、すなわちオフセットは、図7に示すように、本実施形態においては0[fF]であるのに対して、従来例1が11[fF]、従来例2が104[fF]である。このように、従来例2は大きなオフセットを示し、従来例1と従来例2ではオフセットが大きくばらついている。
よって、本実施形態によれば、小型化を図りつつ、検出値のオフセットおよび検出値のオフセットばらつきの小さい加速度センサなどのMEMS装置を提供することができる。
本実施形態によれば、ばね9の平面パターンは、周知の半導体プロセス技術における微細加工技術により精度良く形成することができる。ばね9の厚さ寸法は、ばね9を構成するシリコン層の厚さによって規定される。ばねを構成するシリコン層を、シリコン基板をRIE(Reactive Ion Etching)などにより加工して形成する場合、シリコン基板内におけるRIEなどのエッチングばらつきが大きいため、ばねの厚さ寸法はばらつきを持ち精度が悪い。本実施形態においては、ばね9の厚さ寸法を、研削加工などによって精度よく加工だしされたシリコン基板の厚さで規定している。このように、本実施形態によれば、ばね9の形状を精度よく加工だしすることが可能である。
よって、本実施形態によれば、小型化に伴い適切なばね定数を選択する際に、精度良くばね定数を加工だしすることが可能であり、小型化を図りつつ、高精度なMEMS装置を提供することができる。
以下に、本実施形態に係わるMEMS装置の製造方法を説明する。図8は、本発明の実施形態に係わるセンサ基板の製造方法の説明図である。図9は、本発明の実施形態に係わる配線基板の製造方法の説明図である。図10は、本発明の実施形態に係わるセンサ基板と配線基板の接合方法の説明図である。
まず、図8を用いて、本実施形態に係わるセンサ基板の製造方法を説明する。図8(a)に示す工程において、第1の支持基板(シリコン基板)11と第1の部材(SOI層)14とが、第1の絶縁層(シリコン酸化膜)13を介して接合されるSOI基板18を用意する。そして、第1の部材14の表面に、ばね部4(図6(b)に図示)に相当する領域を覆わないで、ばね部4に相当する領域以外を覆うレジスト層を、フォトリソグラフィ技術によって形成する。そして、RIEなどにより、レジスト層で覆われていない第1の部材14の領域、即ちばね部4に相当する領域を、第1の絶縁層13が露出するまでエッチングする。このようにして、第1の部材14に、第1の絶縁層13を露出させる穴4nが形成される。
図8(b)に示す工程において、図8(a)で加工した第1の部材14の上にシリコンからなる第2の部材15を常温接合する。常温接合においては、第1の部材14および第2の部材15の互いの接合面14a、15aは、高真空(たとえば10−5〜10−6Pa程度)中でアルゴンガスなどのイオンビームなどが照射され、接合面14a、15aから酸化膜や吸着層などからなる不活性層が除去される。不活性層の除去された接合面14a、15aはシリコン原子の未結合手の露出した状態となり、第1の部材14と第2の部材15は、常温において接合面14a、15a同士を接触させることにより接合される。次に、第2の部材15の上に、第1の接合層17を形成するための金属層37をスパッタなどにより成膜する。
このように、本実施形態によれば、第1の部材14と第2の部材15とは、同質であるため原子配列が非常に良く似ている。そのため、互いのシリコン原子の結合手同士が常温において直接的に結合する。よって、第1の部材14と第2の部材15と間の接合面に応力の生じることが抑制される。そのため、応力によって、可動部2が反ることや反り量がばらつくことが抑制される。
よって、本実施形態によれば、小型化を図りつつ、検出値のオフセットおよび検出値のオフセットばらつきの小さい加速度センサなどのMEMS(Micro Electro Mechanical System)装置の製造方法を提供することができる。
図8(c)に示す工程において、第1の接合層17を形成するための金属層37の上に、アンカ部5および第1の枠体部6に対応する平面形状のレジスト層をフォトリソグラフィ技術によって形成する。そして、RIEなどにより、レジスト層に覆われていない前記金属層が除去され、アンカ部5および第1の枠体部6が形成される領域に第1の接合層17が形成される。
次に、第2の部材15および第1の接合層17の上に、可動部2、支持部3、アンカ部5、ばね部4、および第1の枠体部6のそれぞれの形状に対応する平面形状のレジスト層を、フォトリソグラフィ技術によって形成する。そして、RIEなどにより、レジスト層に覆われていない第2の部材15および第1の部材14が除去されて、可動部2、支持部3、アンカ部5、ばね部4、および第1の枠体部6がパターン形成される。このとき、可動部2、支持部3、アンカ部5、および第1の枠体部6は分離されて、それぞれの間に隙間39が形成されている。ばね部4が形成される領域においては、図8(a)に示す工程において第1の部材14は除去されており、ばね部4は、本工程において、第2の部材15をパターン形成することにより得られる。
このようにして、ばね部4は、図8(a)に示す工程で形成された第1の絶縁層13を露出させる穴4nと重なる領域に位置する第2の部材15から形成され、可動部2、支持部3、およびアンカ部5は、穴4nと重ならない領域に位置する第1の部材14と第2の部材15が接合されて形成される。
本実施形態においては、第1の接合層17は、ゲルマニウムまたはゲルマニウム合金を主成分とする金属膜である。
このように、本実施形態によれば、可動部2は、第1の部材14と第2の部材15とが積層して構成されるので、MEMS装置を小型化しても、可動部2の質量を大きく設けることが可能である。そのため、本発明に係るMEMS装置の製造方法によれば、加速度センサ1などのMEMS装置を小型化しても、高い検出感度のMEMS装置を製造することが可能である。
このように、本実施形態によれば、可動部2は、同質の第1の部材14および第2の部材15から構成されるので、可動部2内の熱膨張係数は均一である。よって、周囲の気体温度に応じて反ること、及び反り量が変化することが抑制される。そのため、本発明に係るMEMS装置の製造方法によれば、温度特性の良好な加速度センサ1などのMEMS装置を製造することが可能である。
よって、本実施形態によれば、小型化を図りつつ、高感度かつ良好な温度特性が得られる加速度センサ1などのMEMS装置の製造方法を提供することが可能である。
本実施形態によれば、図8(a)に示す工程において、第1の部材14に、第1の絶縁層13を露出させる穴4nが形成される。図8(b)に示す工程において、穴4nを覆うように、第1の部材14の上に第2の部材15が接合される。そして、図8(c)に示す工程において、第1の接合層17、可動部2、支持部3、アンカ部5、ばね部4、および第1の枠体部6は、第2の部材15の平坦な表面上でパターン形成されるので、寸法精度よく微細加工される。同時に、可動部2が、第1の部材14と第2の部材15とが積層されて形成され、ばね部4が、第2の部材15のみから形成される。
ところが、本実施形態と異なる場合、例えば第1の絶縁層13を露出させないで第1の部材の一部を残して第1の部材に穴を形成し、残した第1の部材の一部をばねとする場合には、第1の部材の表面は平坦ではない。そのため、ばねが位置する穴の周囲に、第1の接合層、可動部、支持部、アンカ部、および第1の枠体部をパターン形成する際には、レジスト層の膜厚が、穴の影響により不均一となり、第1の接合層、可動部、支持部、アンカ部、および第1の枠体部の寸法精度が悪くなるという課題が生じる。
図8(d)に示す工程において、シリコンを溶解せずシリコン酸化膜を溶解できる選択性の等方性エッチング処理を行う。この際、エッチングガスまたはエッチング液は、前記隙間39から浸透して、第1の絶縁層13を除去する。
その結果、アンカ部5および第1の枠体部6と第1の支持基板11との間のみに第1の絶縁層13が残され、第1の支持基板11と可動部2、支持部3、およびばね部4との間の第1の絶縁層13は除去される。
センサ基板10は、図8(d)に示すように、第1の支持基板11に第1の絶縁層13を介してアンカ部5および第1の枠体部6が接合され、アンカ部5および可動部2にばね部4を介して支持部3が連結され構成されている。
図9は、本発明の実施形態に係わる配線基板の製造方法の説明図である。図9を用いて、本実施形態に係わる配線基板の製造方法を説明する。図9(a)に示す工程において、導電性の第2の支持基板21の表面に、スパッタ法やCVD法などにより第2の絶縁層23を成膜する。
図9(b)に示す工程において、第2の絶縁層23の上に第2の枠体部26および突起部25に対応する平面形状のレジスト層を、フォトリソグラフィ技術によって形成する。そして、RIEなどにより、レジスト層に覆われていない第2の絶縁層23の所定の厚さが除去されて、第2の枠体部26および突起部25が突出するように形成される。
図9(c)に示す工程において、図9(b)に図示する第2の絶縁層23の上に第2の接合層27および固定電極22を形成するための金属層をスパッタなどにより成膜する。次に、前記金属層の上に、第2の枠体部26、突起部25、および固定電極22に対応する平面形状のレジスト層を、フォトリソグラフィ技術によって形成する。そして、RIEなどにより、レジスト層に覆われていない前記金属層を除去して、第2の枠体部26および突起部25の表面に第2の接合層27が形成され、第2の枠体部26と突起部25の間に位置する凹部29に固定電極22が形成される。
配線基板20は、図9(c)に示すように、第2の支持基板21の上に第2の絶縁層23が積層され、第2の絶縁層23からなる突出する第2の枠体部26および突起部25が形成されており、第2の枠体部26と突起部25の間に凹部29が形成されている。そして、配線基板20は、第2の枠体部26および突起部25の表面に第2の接合層27が形成され、凹部29に固定電極22が形成されている。
第2の接合層27は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主成分とする金属膜である。第2の絶縁層23は、シリコン酸化膜(SiO)、シリコンナイトライド膜(Si)、またはアルミナ膜(Al)等であり、スパッタ法やCVD法などで形成される。
図10は、本発明の実施形態に係わるセンサ基板と配線基板の接合方法の説明図である。図10を用いて、センサ基板10と配線基板20の接合方法を説明する。上述のように製造されたセンサ基板10と配線基板20を接合することにより、本実施形態に係る加速度センサ1は製造される。
図10(a)に示す工程において、センサ基板10と配線基板20は、第1の接合層17と第2の接合層27が向かい合うと共に互いに間隔を設けて、真空容器内に設置され、真空引きが開始される。そして、第1の接合層17と第2の接合層27が平面視で一致するように位置調整され、所定の真空度まで真空引きされる。
次に、図10(b)に示す工程において、センサ基板10と配線基板20は、第1の接合層17と第2の接合層27が接触するまで、近づけられる。そして、センサ基板10と配線基板20は、真空引きされながら所定の温度(およそ430℃)まで加熱され圧着される。これにより、第1の枠体部6およびアンカ部5に形成される第1の接合層17と、第2の枠体部26および突起部25に形成される第2の接合層27は、共晶接合する。
本実施形態では、ゲルマニウムとアルミニウムとの共晶点(424℃)より高い温度である430℃付近まで加熱している。
第1の接合層17と第2の接合層27との金属材料の主成分の組み合わせとして、互いに共晶接合することにより、アルミニウムと亜鉛、アルミニウムとマグネシウム、金とシリコン、金とインジウム、金とゲルマニウム、金と錫も可能である。
可動部2が、図2に示すように、同質の部材からなることは、可動部2を高さ(Z)方向に、オージェ電子分光分析(Auger Electron Spectroscopy)や、二次イオン質量分析(Secondary Ion Mass Spectrometry)などにより元素濃度の深さ方向分析することで確認することが可能である。また、可動部2が、同質の部材を接合してなることは、可動部2の断面を、TEM(Transmission Electron Microscope)観察して、第1の部材14と第2の部材15との接合面における元素配列から確認することが可能である。
1 MEMS装置、加速度センサ
2 可動部
3 支持部
4 ばね部
5 アンカ部
6 第1の枠体部
7 連結腕
8 脚部
9 ばね
10 センサ基板
11 第1の支持基板
13 第1の絶縁層
14 第1の部材
15 第2の部材
17 第1の接合層
18 SOI基板
20 配線基板
21 第2の支持基板
22 固定電極
23 第2の絶縁層
25 突起部
26 第2の枠体部
27 第2の接合層
29 凹部

Claims (6)

  1. 固定支持されるアンカ部と、高さ方向に変位する可動部と、前記可動部に対向配置される固定電極と、前記アンカ部と前記可動部とに回動自在に連結される支持部と、前記支持部と前記アンカ部との間および前記支持部と前記可動部との間の各々を連結する第1および第2のばね部と、を有しており、
    前記可動部は、第1の部材と、前記第1の部材と同質の第2の部材とを積層した積層体からなり、前記ばね部は、前記積層体の前記第2の部材から形成されていることを特徴とするMEMS装置。
  2. 前記第1の部材および前記第2の部材が、単結晶シリコンからなることを特徴とする請求項1に記載のMEMS装置。
  3. 前記第1の部材と前記第2の部材とが、常温接合されてなることを特徴とする請求項2に記載のMEMS装置。
  4. 固定支持されるアンカ部と、高さ方向に変位する可動部と、前記可動部に対向配置される固定電極と、前記アンカ部と前記可動部とに回動自在に連結される支持部と、前記支持部と前記アンカ部との間および前記支持部と前記可動部との間の各々を連結する第1および第2のばね部と、を有するMEMS装置の製造方法であって、
    第1の部材に穴を形成する工程と、
    前記第1の部材に、前記第1の部材と同質の第2の部材を積層する工程と、
    前記第1の部材および前記第2の部材をエッチングして、前記穴と重なる前記第2の部材の領域に前記ばね部を形成し、前記穴と重ならない領域に前記可動部を形成する工程と、を含むことを特徴とするMEMS装置の製造方法。
  5. 前記第1の部材および前記第2の部材が、単結晶シリコンからなることを特徴とする請求項4に記載のMEMS装置の製造方法。
  6. 前記積層する工程において、前記第1の部材と前記第2の部材とを常温接合することにより、前記第1の部材と前記第2の部材とを積層することを特徴とする請求5に記載のMEMS装置の製造方法。
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