JP2014218715A - レアアース回収方法およびレアアース回収システム - Google Patents

レアアース回収方法およびレアアース回収システム Download PDF

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知之 粟津
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Abstract

【課題】レアアース泥を海上まで引き上げずに、従来よりも少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能なレアアース回収装置およびレアアース回収方法を提供する。
【解決手段】レアアース回収装置100に、レアアース泥5に接触する正極111および正極111近傍に配置される負極112を含む電極110、電極110に直流電圧を印加する電源装置120、負極112を収容するイオン捕集室131および開口部132が形成されるイオン捕集容器130、開口部132を閉塞するがイオンの移動を許容するイオン透過膜140、イオン捕集容器130に接続される圧送管151および戻り管152、圧送管151および戻り管152に接続され循環経路に沿って循環水を搬送するポンプ160、並びに循環水中のレアアースイオンをレアアース塩の形で循環水から回収する回収装置170を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収する技術に関する。
レアアースはハイブリッドカーのモーター用の磁石、LED等最先端の省エネ・エコ技術に不可欠であるため、近年、資源としての重要度が高まっている。
しかし、陸上に埋蔵されているレアアースは特定の国に偏在する傾向があり、これらの国からの供給に頼らざるを得ないため、市場への供給量および価格が不安定となる場合がある。
そこで、近年は新たなレアアースの供給源(鉱床)を探索する試み、およびレアアースを使用している廃棄物からレアアースを回収する効率を向上する試みが行われている。
このような状況下、近年、南太平洋および中央太平洋に高品位のレアアースを含有したレアアース泥が大量に(陸上埋蔵量の約1000倍)存在することが発見された。例えば、非特許文献1に記載の如くである。
また、新たに日本の排他的経済水域にもレアアース泥が存在することが発見されている。例えば、非特許文献2に記載の如くである。
レアアース泥は粒子状物の集合体であり、海中において正イオンとなったレアアースイオンが鉄質懸濁物およびゼオライトの混合物に吸着したものである。レアアース泥は海底火山の活動等により海中に放出され、その後沈降することにより海底に堆積する。
なお、レアアース泥にはバナジウム、コバルト、ニッケル、モリブデン等のレアメタルが含有されている場合もある。
海底に存在する鉱物資源を回収する方法としては、配管を通じて海底に送った気泡を鉱物資源に付着させ(絡ませ)、当該気泡の浮力により海上まで持ち上げる方法が従来から検討されている。また、特許文献1には気泡に代えて鉱物資源の嵩比重よりも大きい比重を有する重液の浮力により鉱物資源を海上まで持ち上げる方法が開示されている。
上記方法により海上まで持ち上げられた鉱物資源を酸等で適宜処理することにより、鉱物資源中に含まれる鉱物成分が抽出される。そして、鉱物成分が抽出された後の残泥は埋め立て等により処分される。
しかし、従来から検討されている海底に存在する鉱物資源の回収方法は、気泡あるいは重液を海底に圧送するために大量のエネルギーを要する。特に、レアアース泥は深海(例えば、水深5000メートル)に存在し、海洋鉱物資源の中でも最も水深の深い場所に位置するものである。
また、海上まで持ち上げられた鉱物資源を陸上まで搬送して鉱物成分を抽出する作業を行う場合には、その搬送にも大量のエネルギーを要する。
さらに、回収したレアアース泥からレアアースを抽出(回収)する際には酸を使用するため多量の酸性薬品を要し、レアアースの抽出後には処理に用いた酸を中和するために更にアルカリ性の薬品が必要となるのに加え、多量の廃液が発生する。
さらにまた、残泥等、一度海中から海上に引き上げたものをそのまま海中に戻す(投棄する)ことはロンドン条約(廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約;S48採択、S50発効、日本はS55批准)、海防法(海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律;S45/12/25 法律136)および廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律;S45/12/25 法律137)により規制されているため、埋め立て等の処分を行う必要があり、埋め立て場所を確保する必要があるとともに埋め立て作業にも大量のエネルギーを要する。
特公平8−26740号公報 Nature Geoscience 4,535−539(2011) 毎日新聞 2013年3月22日
本発明が解決しようとする課題は、レアアース泥を海上まで引き上げずに、従来よりも廃液の発生を抑え、かつ少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能なレアアース回収方法およびレアアース回収システムを提供すること、である。
発明者らは、海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収方法の一つの実施態様として、
前記レアアース泥からレアアースイオンが脱離する脱離工程と、
前記レアアース泥から脱離したレアアースイオンを含む海水を海上に配置される回収装置に搬送する搬送工程と、
前記回収装置が前記回収装置に搬送されてきた海水からレアアースイオンをレアアース塩の形で回収する回収工程と、
を含む構成を採用することにより、上記課題が解決されることを見出した。
また、発明者らは、海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収方法の別の態様として、
前記レアアース泥に接触する正極を正に帯電させるとともに前記正極の近傍に配置される負極を負に帯電させることにより、前記正極に接触する前記レアアース泥が正に帯電して前記レアアース泥からレアアースイオンが脱離する脱離工程と、
前記レアアース泥から脱離したレアアースイオンを前記負極に引き寄せることにより前記負極の周囲に前記レアアースイオンを捕集し、前記レアアースイオンの濃度が高い海水を生成する捕集工程と、
前記負極の周囲に生成されたレアアースイオンの濃度が高い海水を海上に配置される回収装置に搬送する搬送工程と、
前記回収装置が前記回収装置に搬送されてきた海水からレアアースイオンをレアアース塩の形で回収する回収工程と、
を含む構成を採用することにより、上記課題が解決されることを見出した。
また、発明者らは、海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収方法のさらに別の態様として、
前記レアアース泥の近傍において前記正極を正に帯電させるとともに前記負極を負に帯電させ、前記正極の周囲に水素イオンの濃度が高い酸性水を生成する酸性水生成工程と、
前記酸性水を前記レアアース泥に供給することにより、前記水素イオンが前記レアアース泥に吸着し、前記レアアース泥に吸着していたレアアースイオンが前記水素イオンと交換されて前記レアアース泥から脱離する脱離工程と、
前記レアアース泥から脱離したレアアースイオンを含む海水を海上に配置される回収装置に搬送する搬送工程と、
前記回収装置が前記回収装置に搬送されてきた海水からレアアースイオンをレアアース塩の形で回収する回収工程と
を含む構成を採用することにより、上記課題が解決されることを見出した。
また、発明者らは、海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収システムの一つの態様として、
前記レアアース泥に接触する位置に配置される正極および前記正極の近傍となる位置に配置される負極を含む電極と、
前記電極に直流電圧を印加する電源装置と、
前記負極が収容される空間であるイオン捕集室が内部に形成されるとともに外部と前記イオン捕集室とを連通する開口部が形成されるイオン捕集容器と、
前記イオン捕集容器の開口部を閉塞するが前記イオン捕集容器の外部と前記イオン捕集室との間におけるイオンの移動を許容するイオン透過膜と、
一端部がイオン捕集容器に接続される圧送管と、
一端部がイオン捕集容器に接続される戻り管と、
前記圧送管の他端部および前記戻り管の他端部に接続され、前記イオン捕集容器、前記圧送管および前記戻り管により形成される循環経路に収容される海水である循環水を前記循環経路に沿って搬送するポンプと、
前記戻り管の中途部に設けられ、海上または海面近傍に配置され、前記循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形で前記循環水から回収する回収装置と、
を備える構成を採用することにより、上記課題が解決されることを見出した。
発明者らは、海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収システムの別の態様として、
前記レアアース泥の近傍となる位置に配置される正極および負極を含む電極と、
前記電極に直流電圧を印加する電源装置と、
内部に前記正極および前記負極を収容する空間が形成される電解容器と、
前記電解容器の内部の空間を前記正極が収容される正極室および前記負極が収容される負極室の二つに区画し、前記正極室と前記負極室とを遮断するが前記正極室と前記負極室との間におけるイオンの移動を許容する第一イオン透過膜と、
内部に空間が形成され、当該空間と外部とを連通する開口部が形成され、当該開口部は前記レアアース泥に差し込まれるイオン捕集容器と、
前記イオン捕集容器の空間を前記開口部が含まれる第一捕集室および前記開口部が含まれない第二捕集室の二つに区画し、前記第一捕集室と前記第二捕集室とを遮断するが前記第一捕集室と前記第二捕集室との間におけるイオンの移動を許容する第二イオン透過膜と、
一端部が前記電解容器の前記電解容器の正極室および負極室に接続される圧送管と、
一端部がイオン捕集容器の第二イオン捕集室に接続される戻り管と、
一端部が前記電解容器の正極室に接続されるとともに他端部が前記イオン捕集容器の第二イオン捕集室に接続される酸性水搬送管と、
一端部が前記電解容器の負極室に接続されるとともに他端部が前記戻り管の中途部に接続されるアルカリ性水搬送管と、
前記圧送管の他端部および前記戻り管の他端部に接続され、前記電解容器、前記イオン捕集容器、前記圧送管、前記戻り管、前記酸性水搬送管および前記アルカリ性水搬送管により形成される循環経路に収容される海水である循環水を前記循環経路に沿って搬送するポンプと、
前記戻り管の中途部に設けられ、海上に配置され、前記循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形で前記循環水から回収する回収装置と、
を備える構成を採用することにより、上記課題が解決されることを見出した。
発明者らは、海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収システムのさらに別の態様として、
前記レアアース泥の近傍となる位置に配置される正極および負極を含む電極と、
前記電極に直流電圧を印加する電源装置と、
内部に前記正極および前記負極を収容する空間が形成される電解容器と、
前記電解容器の内部の空間を前記正極が収容される正極室および前記負極が収容される負極室の二つに区画し、前記正極室と前記負極室とを遮断するが前記正極室と前記負極室との間におけるイオンの移動を許容するイオン透過膜と、
内部にイオン捕集室が形成され、前記イオン捕集室と外部とを連通する開口部が形成され、当該開口部は開閉可能、かつ、開いている時に前記レアアース泥を前記イオン捕集室に収容および外部に排出可能なイオン捕集容器と、
一端部が前記電解容器の前記電解容器の正極室および負極室に接続される圧送管と、
一端部が前記イオン捕集容器のイオン捕集室に接続される戻り管と、
一端部が前記電解容器の正極室に接続されるとともに他端部が前記イオン捕集容器のイオン捕集室に接続される酸性水搬送管と、
一端部が前記電解容器の負極室に接続されるとともに他端部が前記戻り管の中途部に接続されるアルカリ性水搬送管と、
前記圧送管の他端部および前記戻り管の他端部に接続され、前記電解容器、前記イオン捕集容器、前記圧送管、前記戻り管、前記酸性水搬送管および前記アルカリ性水搬送管により形成される循環経路に収容される海水である循環水を前記循環経路に沿って搬送するポンプと、
前記戻り管の中途部、かつ前記戻り管と前記アルカリ性水搬送管の他端部との接続部分よりも前記循環水の移動方向において下流側となる位置に設けられ、海上に配置され、前記循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形で前記循環水から回収する回収装置と、
を備える構成を採用することにより、上記課題が解決されることを見出した。
本発明によれば、レアアース泥を海上まで引き上げずに、従来よりも廃液の発生を抑え、かつ少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
本発明に係るレアアース回収システムの第一実施形態を示す模式図である。 本発明に係るレアアース回収システムの第二実施形態を示す模式図である。 本発明に係るレアアース回収システムの第三実施形態を示す模式図である。 本発明に係るレアアース回収方法の第一実施形態を示すフロー図である。 本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態を示すフロー図である。 本発明に係るレアアース回収方法の第三実施形態を示すフロー図である。
以下では、本発明の実施形態の構成について説明する。
(1)本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態は、
海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収方法であって、
前記レアアース泥からレアアースイオンが脱離する脱離工程と、
前記レアアース泥から脱離したレアアースイオンを含む海水を海上に配置される回収装置に搬送する搬送工程と、
前記回収装置が前記回収装置に搬送されてきた海水からレアアースイオンをレアアース塩の形で回収する回収工程と、
を含む。
上記(1)の構成を採用することにより、残泥を海上まで引き上げずに、従来よりも廃液の発生を抑え、かつ少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
(2)本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態は、
海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収方法であって、
前記レアアース泥に接触する正極を正に帯電させるとともに前記正極の近傍に配置される負極を負に帯電させることにより、前記正極に接触する前記レアアース泥が正に帯電して前記レアアース泥からレアアースイオンが脱離する脱離工程と、
前記レアアース泥から脱離したレアアースイオンを前記負極に引き寄せることにより前記負極の周囲に前記レアアースイオンを捕集し、前記レアアースイオンの濃度が高い海水を生成する捕集工程と、
前記負極の周囲に生成されたレアアースイオンの濃度が高い海水を海上に配置される回収装置に搬送する搬送工程と、
前記回収装置が前記回収装置に搬送されてきた海水からレアアースイオンをレアアース塩の形で回収する回収工程と、
を含む。
上記(2)の構成を採用することにより、残泥を海上まで引き上げずに、従来よりも廃液の発生を抑え、かつ少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
(3)本発明に係るレアアース回収方法の第三実施形態は、
海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収方法であって、
前記レアアース泥の近傍において前記正極を正に帯電させるとともに前記負極を負に帯電させ、前記正極の周囲に水素イオンの濃度が高い酸性水を生成する酸性水生成工程と、
前記酸性水を前記レアアース泥に供給することにより、前記水素イオンが前記レアアース泥に吸着し、前記レアアース泥に吸着していたレアアースイオンが前記水素イオンと交換されて前記レアアース泥から脱離する脱離工程と、
前記レアアース泥から脱離したレアアースイオンを含む海水を海上に配置される回収装置に搬送する搬送工程と、
前記回収装置が前記回収装置に搬送されてきた海水からレアアースイオンをレアアース塩の形で回収する回収工程と
を含む。
上記(3)の構成を採用することにより、残泥を海上まで引き上げずに、従来よりも廃液の発生を抑え、かつ少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
(4)本発明に係るレアアース回収システムの第一実施形態は、
海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収システムであって、
前記レアアース泥に接触する位置に配置される正極および前記正極の近傍となる位置に配置される負極を含む電極と、
前記電極に直流電圧を印加する電源装置と、
前記負極が収容される空間であるイオン捕集室が内部に形成されるとともに外部と前記イオン捕集室とを連通する開口部が形成されるイオン捕集容器と、
前記イオン捕集容器の開口部を閉塞するが前記イオン捕集容器の外部と前記イオン捕集室との間におけるイオンの移動を許容するイオン透過膜と、
一端部がイオン捕集容器に接続される圧送管と、
一端部がイオン捕集容器に接続される戻り管と、
前記圧送管の他端部および前記戻り管の他端部に接続され、前記イオン捕集容器、前記圧送管および前記戻り管により形成される循環経路に収容される海水である循環水を前記循環経路に沿って搬送するポンプと、
前記戻り管の中途部に設けられ、海上または海面近傍に配置され、前記循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形で前記循環水から回収する回収装置と、
を備える。
上記(4)の構成を採用することにより、残泥を海上まで引き上げずに、従来よりも廃液の発生を抑え、かつ少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
(5)本発明に係るレアアース回収システムの第二実施形態は、
海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収システムであって、
前記レアアース泥の近傍となる位置に配置される正極および負極を含む電極と、
前記電極に直流電圧を印加する電源装置と、
内部に前記正極および前記負極を収容する空間が形成される電解容器と、
前記電解容器の内部の空間を前記正極が収容される正極室および前記負極が収容される負極室の二つに区画し、前記正極室と前記負極室とを遮断するが前記正極室と前記負極室との間におけるイオンの移動を許容する第一イオン透過膜と、
内部に空間が形成され、当該空間と外部とを連通する開口部が形成され、当該開口部は前記レアアース泥に差し込まれるイオン捕集容器と、
前記イオン捕集容器の空間を前記開口部が含まれる第一捕集室および前記開口部が含まれない第二捕集室の二つに区画し、前記第一捕集室と前記第二捕集室とを遮断するが前記第一捕集室と前記第二捕集室との間におけるイオンの移動を許容する第二イオン透過膜と、
一端部が前記電解容器の前記電解容器の正極室および負極室に接続される圧送管と、
一端部がイオン捕集容器の第二イオン捕集室に接続される戻り管と、
一端部が前記電解容器の正極室に接続されるとともに他端部が前記イオン捕集容器の第二イオン捕集室に接続される酸性水搬送管と、
一端部が前記電解容器の負極室に接続されるとともに他端部が前記戻り管の中途部に接続されるアルカリ性水搬送管と、
前記圧送管の他端部および前記戻り管の他端部に接続され、前記電解容器、前記イオン捕集容器、前記圧送管、前記戻り管、前記酸性水搬送管および前記アルカリ性水搬送管により形成される循環経路に収容される海水である循環水を前記循環経路に沿って搬送するポンプと、
前記戻り管の中途部に設けられ、海上に配置され、前記循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形で前記循環水から回収する回収装置と、
を備える。
上記(5)の構成を採用することにより、残泥を海上まで引き上げずに、従来よりも廃液の発生を抑え、かつ少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
(6)本発明に係るレアアース回収システムの第三実施形態は、
海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収システムであって、
前記レアアース泥の近傍となる位置に配置される正極および負極を含む電極と、
前記電極に直流電圧を印加する電源装置と、
内部に前記正極および前記負極を収容する空間が形成される電解容器と、
前記電解容器の内部の空間を前記正極が収容される正極室および前記負極が収容される負極室の二つに区画し、前記正極室と前記負極室とを遮断するが前記正極室と前記負極室との間におけるイオンの移動を許容するイオン透過膜と、
内部にイオン捕集室が形成され、前記イオン捕集室と外部とを連通する開口部が形成され、当該開口部は開閉可能、かつ、開いている時に前記レアアース泥を前記イオン捕集室に収容および外部に排出可能なイオン捕集容器と、
一端部が前記電解容器の前記電解容器の正極室および負極室に接続される圧送管と、
一端部が前記イオン捕集容器のイオン捕集室に接続される戻り管と、
一端部が前記電解容器の正極室に接続されるとともに他端部が前記イオン捕集容器のイオン捕集室に接続される酸性水搬送管と、
一端部が前記電解容器の負極室に接続されるとともに他端部が前記戻り管の中途部に接続されるアルカリ性水搬送管と、
前記圧送管の他端部および前記戻り管の他端部に接続され、前記電解容器、前記イオン捕集容器、前記圧送管、前記戻り管、前記酸性水搬送管および前記アルカリ性水搬送管により形成される循環経路に収容される海水である循環水を前記循環経路に沿って搬送するポンプと、
前記戻り管の中途部、かつ前記戻り管と前記アルカリ性水搬送管の他端部との接続部分よりも前記循環水の移動方向において下流側となる位置に設けられ、海上に配置され、前記循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形で前記循環水から回収する回収装置と、
を備える。
上記(6)の構成を採用することにより、残泥を海上まで引き上げずに、従来よりも廃液の発生を抑え、かつ少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
<レアアース回収システムの第一実施形態>
以下では図1を参照しつつ、本発明に係るレアアース回収システムの第一実施形態であるレアアース回収システム100について説明する。
図1に示すレアアース回収システム100は海底2に存在するレアアース泥5からレアアースを回収する装置である。
レアアース回収システム100は電極110、電源装置120、イオン捕集容器130、イオン透過膜140、圧送管151、戻り管152、ポンプ160および回収装置170を備える。
電極110は正極111、負極112および参照電極113を含む。
正極111はレアアース泥5に接触する位置に配置される。本実施形態では正極111をレアアース泥5に縦方向に突き刺すことにより正極111がレアアース泥5に接触するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、正極111を横向きでレアアース泥5の堆積層の上面に載置したり、あるいは正極111を横向きでレアアース泥5の内部に埋めたりすることによって正極111がレアアース泥5に接触しても良い。
負極112は正極111の近傍となる位置に配置される。本実施形態では負極112は海底2、すなわちレアアース泥5の堆積層の上面のやや上方となる位置に配置されるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、「正極111の近傍となる位置」とは「負極112がレアアース泥5から脱離された(正に帯電した)レアアースイオン6を引き寄せることが可能な位置」を指す。
例えば、負極112を図1に示す位置よりも海底2から上方に離れた位置に配置した場合、あるいは負極112が収容されたイオン捕集容器130(後で詳述)をレアアース泥5に埋没する位置に配置した場合であっても、負極112がレアアース泥5から脱離されたレアアースイオン6を引き寄せられることが可能であれば、負極112は正極111の近傍となる位置に配置されていることになる。
参照電極113は海中に配置され、海水に接触している。
電源装置120は電源本体121および導電線122・123・124を含む。本実施形態の場合、電源本体121は海面1上に浮かぶ回収船3に収容される。導電線122の一端部は電源本体121に電気的に接続され、導電線122の他端部は正極111に電気的に接続される。導電線123の一端部は電源本体121に電気的に接続され、導電線123の他端部は負極112に電気的に接続される。導電線124の一端部は電源本体121に電気的に接続され、導電線124の他端部は参照電極113に電気的に接続される。
電源本体121を作動させることにより、電源本体121は直流電圧を発生し、電極110に直流電圧を印加する。その結果、正極111は正に帯電するとともに負極112は負に帯電する。
正極111が正に帯電することにより、正極111に接触しているレアアース泥5も正に帯電する。その結果、レアアース泥5のうち、元々正に帯電しているレアアースイオン6と、新たに正に帯電した鉄質懸濁物およびゼオライトの混合物と、の間に斥力が発生し、レアアース泥5の鉄質懸濁物およびゼオライトの混合物からレアアースイオン6が脱離する。そして、レアアース泥5から脱離したレアアースイオン6と負に帯電している負極112との間には引力が発生するため、レアアース泥5から脱離したレアアースイオン6は海水中を泳動しつつ負極112に引き寄せられる。
イオン捕集容器130はレアアース泥5から脱離したレアアースイオン6を捕集するための容器である。イオン捕集容器130の内部にはイオン捕集室131が形成される。イオン捕集室131には負極112が収容される。イオン捕集容器130には開口部132が形成される。開口部132はイオン捕集容器130の外部とイオン捕集室131(イオン捕集容器130の内部)とを連通する。
イオン透過膜140は一対のシート面を有するシート状物であり、レアアースイオン6を含むイオンの透過を許容するが、海水(水分子)およびレアアース泥5の透過を許容しない。イオン透過膜140の一例としてはナフィオン(デュポン社の登録商標)が挙げられる。
イオン透過膜140はイオン捕集容器130の開口部132に設けられ、開口部132を閉塞する。ここで、「イオン透過膜140が開口部132を閉塞する」とは、海水(水分子)がイオン透過膜140を透過してイオン捕集室131とイオン捕集容器130の外部との間を移動することができないことを指す。
また、開口部132を閉塞しているイオン透過膜140は、イオン透過膜140を透過してレアアースイオン6がイオン捕集容器130の外部とイオン捕集室131との間で移動することを許容する。
イオン捕集容器130のイオン捕集室131には海水が収容される。
レアアース泥5から脱離したレアアースイオン6は負極112に引き寄せられ、イオン透過膜140を透過してイオン捕集容器130の外部からイオン捕集室131に移動する。なお、レアアースは水素よりもイオン化傾向が大きいため、イオン捕集室131に移動したレアアースイオン6は負極112の表面にレアアースの形で析出せず、レアアースイオン6のまま負極112の周囲に滞留する。その結果、負極112の近傍の海水は他の部分の海水よりもレアアースイオン6の濃度が高くなる。
圧送管151は内部に空間が形成されるとともに両端部が開口した管状の部材である。
圧送管151の一端部はイオン捕集容器130に接続され、圧送管151の内部空間とイオン捕集容器130のイオン捕集室131とが連通される。圧送管151には海水が収容される。
戻り管152は内部に空間が形成されるとともに両端部が開口した管状の部材である。
戻り管152の一端部はイオン捕集容器130に接続され、戻り管152の内部空間とイオン捕集容器130のイオン捕集室131とが連通される。戻り管152には海水が収容される。
ポンプ160は吸入口161および吐出口162を有し、吸入口161から吸入した海水を吐出口162から吐出(圧送)する。本実施形態の場合、ポンプ160は回収船3に収容される。戻り管152の他端部はポンプ160の吸入口161に接続され、圧送管151の他端部はポンプ160の吐出口162に接続される。
ポンプ160(吐出口162)から吐出(圧送)された海水は、圧送管151、イオン捕集容器130および戻り管152を経て再びポンプ160(吸入口161)に戻る。
ここで、イオン捕集容器130、圧送管151および戻り管152により形成される海水の経路、より詳細にはポンプ160から圧送管151、イオン捕集容器130、戻り管152を経て再びポンプ160に戻る経路を「レアアース回収システム100の循環経路」という。また、レアアース回収システム100の循環経路に収容される海水を「レアアース回収システム100の循環水」という。
以上より、ポンプ160はレアアース回収システム100の循環水をレアアース回収システム100の循環経路に沿って搬送することが可能である。
レアアース回収システム100の循環水のうち、イオン捕集容器130のイオン捕集室131に収容された負極112の周囲(負極112の近傍の海水)の部分には他の部分よりもレアアースイオンが多く含まれている。従って、レアアース回収システム100の循環水がレアアース回収システム100の循環経路に沿って搬送されるとき、負極112の周囲に滞留していたレアアースイオン6もレアアース回収システム100の循環経路に沿って搬送される。
回収装置170は戻り管152の中途部に設けられる。本実施形態の場合、回収装置170は海上に浮かぶ回収船3に収容されるため、海上に配置される。
なお、回収装置170が配置される「海上」とは、海面から上方の領域のみを指すのではなく、回収装置170によるレアアースの回収に支障(回収作業が困難になる、回収作業のコストが著しく上昇する等)をきたさない限度で海面の下方の領域も含まれる。
従って、例えば回収装置170の下半分が海中に沈んでいる、あるいは海面から数メートル下の海中に回収装置170が配置されている場合であっても、回収装置170によるレアアースの回収に支障をきたさないのであれば回収装置170は海上に配置されていることになる。
回収装置170はレアアース回収システム100の循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形でレアアース回収システム100の循環水から回収する。
本実施形態の回収装置170は沈殿槽171および戻り槽172を含む。レアアース回収システム100の循環経路に沿って搬送される循環水は、戻り管152の中途部において、まず沈殿槽171に収容される。沈殿槽171に収容された循環水にシュウ酸を加えることにより、当該循環水に含まれるレアアースイオン6とシュウ酸とが反応し、レアアース塩7(レアアースのシュウ酸塩)が生成し、生成したレアアース塩7は沈殿槽171の底に沈殿する。沈殿槽171の底に沈殿したレアアース塩7を掬い取ることにより、レアアース塩7の形でレアアースが回収される。その後、回収船3がレアアース塩7を陸上まで運び、レアアース塩7に所定の処理(溶融電気分解等)を施すことにより、レアアースが得られる。
レアアース回収システム100は上記の構成を採用することにより、以下の利点を有する。
レアアース回収システム100はレアアース泥5からレアアースイオン6を脱離させ、レアアースイオン6を含む海水(循環水)を搬送することによりレアアースを回収するので、(海水よりも比重が大きい)レアアース泥5を海上まで引き上げる必要が無い。
その結果、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置に比べて少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
また、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置の場合、レアアースを回収した後に発生する大量の残泥を海中に再度投棄することができないため、これ処分するために多大な労力(搬送コスト、埋め立て地の確保等)を要するが、レアアース回収システム100の場合はそのような問題がそもそも発生しない。
<レアアース回収システムの第二実施形態>
以下では図2を参照しつつ、本発明に係るレアアース回収システムの第二実施形態であるレアアース回収システム200について説明する。
図2に示すレアアース回収システム200は海底2に存在するレアアース泥5からレアアースを回収する装置である。
レアアース回収システム200は電極210、電源装置220、電解容器230、イオン捕集容器235、第一イオン透過膜241、第二イオン透過膜242、圧送管251、戻り管252、酸性水搬送管253、アルカリ性水搬送管254、ポンプ260および回収装置270を備える。
電極210は正極211、負極212および参照電極213を含む。
正極211および負極212はレアアース泥5の近傍となる位置に配置される。
ここで、正極211および負極212が配置される「レアアース泥5の近傍となる位置」とは、後述するイオン捕集容器235の第一イオン捕集室237に収容されるレアアース泥5に水素イオンを供給する作業に支障をきたさない程度に近いことを指す。
参照電極213は海中に配置され、海水に接触している。
電源装置220は電源本体221および導電線222・223・224を含む。本実施形態の場合、電源本体221は海面1上に浮かぶ回収船3に収容される。導電線222の一端部は電源本体221に電気的に接続され、導電線222の他端部は正極211に電気的に接続される。導電線223の一端部は電源本体221に電気的に接続され、導電線223の他端部は負極212に電気的に接続される。導電線224の一端部は電源本体221に電気的に接続され、導電線224の他端部は参照電極213に電気的に接続される。
電解容器230は内部に正極211および負極212を収容する空間が形成される容器である。電解容器230には海水が収容される。
第一イオン透過膜241は一対のシート面を有するシート状物であり、レアアースイオン6を含むイオンの透過を許容するが、海水(水分子)およびレアアース泥5の透過を許容しない(遮断する)。第一イオン透過膜241の一例としてはナフィオン(デュポン社の登録商標)が挙げられる。
第一イオン透過膜241は電解容器230の内部に設けられ、電解容器230の内部の空間を正極室231および負極室232の二つに区画する。正極室231は第一イオン透過膜241により二つに区画された電解容器230の内部の空間のうち正極211が収容される空間である。負極室232は第一イオン透過膜241により二つに区画された電解容器230の内部の空間のうち負極室232が収容される空間である。
イオン捕集容器235はレアアースイオン6を捕集するための容器である。本実施形態のイオン捕集容器235は円筒形状の容器であり、その内部には空間が形成される。イオン捕集容器235の上端部は閉塞され、イオン捕集容器235の下端部にはイオン捕集容器235の内部の空間と外部とを連通する開口部236が形成される。
図2に示す如く、イオン捕集容器235の開口部236は上方から下方に向かってレアアース泥5に差し込まれる。本実施形態ではイオン捕集容器235の下端部からイオン捕集容器235の高さのおよそ三分の一となる位置までがレアアース泥5に埋没した状態で配置される。
第二イオン透過膜242は一対のシート面を有するシート状物であり、レアアースイオン6を含むイオンの透過を許容するが、海水(水分子)およびレアアース泥5の透過を許容しない(遮断する)。第二イオン透過膜242の一例としてはナフィオン(デュポン社の登録商標)が挙げられる。
第二イオン透過膜242はイオン捕集容器235の内部に設けられ、イオン捕集容器235の内部の空間を第一イオン捕集室237および第二イオン捕集室238の二つに区画する。第一イオン捕集室237は第二イオン透過膜242により二つに区画されたイオン捕集容器235の内部の空間のうち開口部236が含まれる空間(本実施形態では、イオン捕集容器235の内部の空間の下半部)である。第二イオン捕集室238は第二イオン透過膜242により二つに区画されたイオン捕集容器235の内部の空間のうち開口部236が含まれない空間(本実施形態では、イオン捕集容器235の内部の空間の上半部)である。
図2に示す如く、イオン捕集容器235の開口部236がレアアース泥5に差し込まれることにより、イオン捕集容器235の開口部236はレアアース泥5で閉塞され、第一イオン捕集室237には海水およびレアアース泥5が収容される。第二イオン捕集室238には海水が収容される。
圧送管251は内部に空間が形成されるとともに両端部が開口した管状の部材である。
圧送管251の一端部は電解容器230(正極室231および負極室232)に接続される。より詳細には、圧送管251の一端部は二股に分岐する。圧送管251の一端部において分岐した一方の端部は正極室231に接続され、圧送管251の内部空間と正極室231とが連通される。圧送管251の一端部において分岐した他方の端部は負極室232に接続され、圧送管251の内部空間と負極室232とが連通される。圧送管251には海水が収容される。
戻り管252は内部に空間が形成されるとともに両端部が開口した管状の部材である。
戻り管252の一端部はイオン捕集容器235(より詳細には第二イオン捕集室238)に接続され、戻り管252の内部空間と第二イオン捕集室238とが連通される。戻り管252には海水が収容される。
酸性水搬送管253は内部に空間が形成されるとともに両端部が開口した管状の部材である。酸性水搬送管253の一端部は電解容器230の正極室231に接続され、酸性水搬送管253の内部空間と正極室231とが連通される。酸性水搬送管253の他端部はイオン捕集容器235(より詳細には第二イオン捕集室238)に接続され、酸性水搬送管253の内部空間と第二イオン捕集室238とが連通される。酸性水搬送管253には海水が収容される。
アルカリ性水搬送管254は内部に空間が形成されるとともに両端部が開口した管状の部材である。アルカリ性水搬送管254の一端部は電解容器230の負極室232に接続され、アルカリ性水搬送管254の内部空間と負極室232とが連通される。アルカリ性水搬送管254の他端部は戻り管252の中途部に接続され、アルカリ性水搬送管254の内部空間と戻り管252の内部空間とが連通される。アルカリ性水搬送管254には海水が収容される。
ポンプ260は吸入口261および吐出口262を有し、吸入口261から吸入した海水を吐出口262から吐出(圧送)する。本実施形態の場合、ポンプ260は回収船3に収容される。戻り管252の他端部はポンプ260の吸入口261に接続され、圧送管251の他端部はポンプ260の吐出口262に接続される。
ポンプ260(吐出口262)から吐出(圧送)された海水は、圧送管251、電解容器230の正極室231、酸性水搬送管253、イオン捕集容器235の第二イオン捕集室238および戻り管152を経て、あるいは、圧送管251、電解容器230の負極室232、アルカリ性水搬送管254および戻り管152を経て、再びポンプ260(吸入口261)に戻る。
ここで、電解容器230、イオン捕集容器235、圧送管251、戻り管252、酸性水搬送管253およびアルカリ性水搬送管254により形成される海水の経路、より詳細にはポンプ260から圧送管251、電解容器230の正極室231、酸性水搬送管253、イオン捕集容器235の第二イオン捕集室238および戻り管252を経て、あるいは、圧送管251、電解容器230の負極室232、アルカリ性水搬送管254および戻り管252を経て再びポンプ260に戻る経路を「レアアース回収システム200の循環経路」という。また、レアアース回収システム200の循環経路に収容される海水を「レアアース回収システム200の循環水」という。
以上より、ポンプ260はレアアース回収システム200の循環水をレアアース回収システム200の循環経路に沿って搬送することが可能である。
電源本体221を作動させることにより、電源本体221は直流電圧を発生し、電極210に直流電圧を印加する。
その結果、正極211は正に帯電するとともに負極212は負に帯電し、電極210の周囲の海水は電気分解され、正極211の周囲すなわち正極室231には水素イオンの濃度が高い酸性水が生成され、負極212の周囲すなわち負極室232には水酸化物イオンの濃度が高いアルカリ性水が生成される。
ポンプ260はレアアース回収システム200の循環水をレアアース回収システム200の循環経路に沿って搬送する。そのため、正極室231において生成した酸性水は酸性水搬送管253を経てイオン捕集容器235の第二イオン捕集室238に移動し、負極室232において生成したアルカリ性水はアルカリ性水搬送管254を経て戻り管252に移動する。
第二イオン捕集室238に移動した酸性水中の水素イオンの一部は第二イオン透過膜242を透過して第一イオン捕集室237にも移動するので、第一イオン捕集室237および第二イオン捕集室238中の海水はいずれも酸性となる。
その結果、水素イオンが第一イオン捕集室237に収容されているレアアース泥5に吸着し、当該水素イオンと交換されてレアアース泥5に吸着していたレアアースイオン6がレアアース泥5から脱離する。
レアアース泥5から脱離したレアアースイオン6は第二イオン透過膜242を透過して第一イオン捕集室237から第二イオン捕集室238に移動し、レアアース回収システム200の循環水がレアアース回収システム200の循環経路に沿って搬送されるのに伴って戻り管252(の内部空間)に移動する。
回収装置270は戻り管252の中途部に設けられる。本実施形態の場合、回収装置270は海上に浮かぶ回収船3に収容されるため、海上に配置される。回収装置270はレアアース回収システム200の循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形でレアアース回収システム200の循環水から回収する。
本実施形態の回収装置270は沈殿槽271および戻り槽272を含む。レアアース回収システム200の循環経路に沿って搬送される循環水は、戻り管252の中途部において、まず沈殿槽271に収容される。沈殿槽271に収容された循環水にシュウ酸を加えることにより、当該循環水に含まれるレアアースイオン6とシュウ酸とが反応し、レアアース塩7(レアアースのシュウ酸塩)が生成し、生成したレアアース塩7は沈殿槽271の底に沈殿する。沈殿槽271の底に沈殿したレアアース塩7を掬い取ることにより、レアアース塩7の形でレアアースが回収される。その後、回収船3がレアアース塩7を陸上まで運び、レアアース塩7に所定の処理(溶融電気分解等)を施すことにより、レアアースが得られる。
レアアース回収システム200は上記の構成を採用することにより、以下の利点を有する。
レアアース回収システム200はレアアース泥5からレアアースイオン6を脱離させ、レアアースイオン6を含む海水(循環水)を搬送することによりレアアースを回収するので、(海水よりも比重が大きい)レアアース泥5を海上まで引き上げる必要が無い。
その結果、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置に比べて少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
また、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置の場合、レアアースを回収した後に発生する大量の残泥を海中に再度投棄することができないため、これ処分するために多大な労力(搬送コスト、埋め立て地の確保等)を要するが、レアアース回収システム200の場合はそのような問題がそもそも発生しない。
<レアアース回収システムの第三実施形態>
以下では図3を参照しつつ、本発明に係るレアアース回収システムの第三実施形態であるレアアース回収システム300について説明する。
図3に示すレアアース回収システム300は海底2に存在するレアアース泥5からレアアースを回収する装置である。
レアアース回収システム300は電極310、電源装置320、電解容器330、イオン捕集容器335、イオン透過膜341、圧送管351、戻り管352、酸性水搬送管353、アルカリ性水搬送管354、ポンプ360および回収装置370を備える。
電極310は正極311、負極312および参照電極313を含む。電源装置320は電源本体321および導電線322・323・324を含む。電解容器330の内部には正極室331および負極室332が形成される。ポンプ360は吸入口361および吐出口362を有する。回収装置370は沈殿槽371および戻り槽372を含む。
レアアース回収システム300を構成する各部のうち電極310、電源装置320、電解容器330、イオン透過膜341、圧送管351、戻り管352、酸性水搬送管353、アルカリ性水搬送管354、ポンプ360および回収装置370については、それぞれ図2に示すレアアース回収システム200の電極210、電源装置220、電解容器230、第一イオン透過膜241、圧送管251、戻り管252、酸性水搬送管253、アルカリ性水搬送管254、ポンプ260および回収装置270と基本的には同じであるため、詳細な説明を省略する。
イオン捕集容器335はレアアースイオン6を捕集するための容器である。本実施形態のイオン捕集容器335は円筒形状の容器であり、その内部にはイオン捕集室338が形成される。イオン捕集容器335の上端部および下端部は閉塞され、イオン捕集容器335の側面下部にはイオン捕集室338とイオン捕集容器335の外部とを連通する開口部336が形成される。
イオン捕集容器335には戻り管352の一端部および酸性水搬送管353の他端部が接続され、イオン捕集室338と戻り管352の内部空間とが連通されるとともにイオン捕集室338と酸性水搬送管353の内部空間とが連通される。
イオン捕集容器335は開口部336を開閉可能とする蓋337を含む。本実施形態の蓋337はイオン捕集容器335の本体部分に回動可能に支持される。
開口部336が開いているとき、レアアース回収システム300は外部からイオン捕集室338にレアアース泥5を収容すること、およびイオン捕集室338に収容されたレアアース泥5を外部に排出することが可能である。
開口部336が閉じているとき、イオン捕集室338とイオン捕集容器335の外部とは遮断され、海水、レアアース泥5およびイオンは開口部336を通じてイオン捕集室338とイオン捕集容器335の外部との間で移動することができない。
レアアース回収システム300は、図2に示すレアアース回収システム200における第二イオン透過膜242に相当する部材を備えない。
電源本体321を作動させることにより、電源本体321は直流電圧を発生し、電極310に直流電圧を印加する。
その結果、正極311は正に帯電するとともに負極312は負に帯電し、電極310の周囲の海水は電気分解され、正極311の周囲すなわち正極室331には水素イオンの濃度が高い酸性水が生成され、負極312の周囲すなわち負極室332には水酸化物イオンの濃度が高いアルカリ性水が生成される。
蓋337が閉じた状態でポンプ360を作動させたとき、ポンプ360はレアアース回収システム300の循環水をレアアース回収システム300の循環経路に沿って搬送する。そのため、正極室331において生成した酸性水は酸性水搬送管353を経てイオン捕集容器335のイオン捕集室338に移動し、負極室332において生成したアルカリ性水はアルカリ性水搬送管354を経て戻り管352に移動する。
イオン捕集室338に酸性水が移動することによりイオン捕集室338中の海水は酸性となる。
その結果、水素イオンがイオン捕集室338に収容されているレアアース泥5に吸着し、当該水素イオンと交換されてレアアース泥5に吸着していたレアアースイオン6がレアアース泥5から脱離する。
レアアース泥5から脱離したレアアースイオン6は、レアアース回収システム300の循環水がレアアース回収システム300の循環経路に沿って搬送されるのに伴ってイオン捕集室338から戻り管352(の内部空間)に移動する。
レアアース回収システム300の循環経路に沿って搬送される循環水は、戻り管352の中途部において、まず沈殿槽371に収容される。沈殿槽371に収容された循環水にシュウ酸を加えることにより、当該循環水に含まれるレアアースイオン6とシュウ酸とが反応し、レアアース塩7(レアアースのシュウ酸塩)が生成し、生成したレアアース塩7は沈殿槽371の底に沈殿する。沈殿槽371の底に沈殿したレアアース塩7を掬い取ることにより、レアアース塩7の形でレアアースが回収される。その後、回収船3がレアアース塩7を陸上まで運び、レアアース塩7に所定の処理(溶融電気分解等)を施すことにより、レアアースが得られる。
レアアース回収システム300は、その循環水を循環経路に沿って搬送するために蓋337を閉じた状態でポンプ360を作動させる必要があること、捕集室338に収容されるレアアース泥5の量(体積)は捕集室338の体積により自ずとその上限が定められることから、レアアースの回収作業の進行に伴い、イオン捕集室338に収容されているレアアース泥5から脱離するレアアースイオン6が徐々に少なくなる。
従って、レアアース回収システム300では、捕集室338に収容されるレアアース泥5からある程度の量のレアアースイオン6を脱離させた時点で、以下の作業を行う。
まず、ポンプ360を一時停止してレアアース回収システム300の循環経路に沿った循環水の移動を止め、蓋337を開き、イオン捕集室338に収容されているレアアース泥5を開口部336から外部に排出する。
次に、外部から「まだレアアースイオン6が脱離していないレアアース泥5」を収容し、蓋337を閉め、ポンプ360を作動させてレアアース回収システム300の循環経路に沿った循環水の移動を再開する。
上記作業を行うことにより、捕集室338に収容されるレアアース泥5からのレアアースイオン6の脱離が継続される。
レアアース回収システム300は上記の構成を採用することにより、以下の利点を有する。
レアアース回収システム300はレアアース泥5からレアアースイオン6を脱離させ、レアアースイオン6を含む海水(循環水)を搬送することによりレアアースを回収するので、(海水よりも比重が大きい)レアアース泥5を海上まで引き上げる必要が無い。
その結果、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置に比べて少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
また、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置の場合、レアアースを回収した後に発生する大量の残泥を海中に再度投棄することができないため、これ処分するために多大な労力(搬送コスト、埋め立て地の確保等)を要するが、レアアース回収システム300の場合はそのような問題がそもそも発生しない。
<レアアース回収方法の第一実施形態>
以下では図1および図4を参照しつつ、本発明に係るレアアース回収方法の第一実施形態について説明する。なお、本発明に係るレアアース回収方法の第一実施形態は図1に示すレアアース回収システム100、図2に示すレアアース回収システム200および図3に示すレアアース回収システム300において使用される。
図4に示す本発明に係るレアアース回収方法の第一実施形態は海底に存在するレアアース泥5からレアアースを回収する方法である。
本発明に係るレアアース回収方法の第一実施形態は脱離工程S510と、搬送工程S520と、回収工程S530と、を含む。
脱離工程S510は、レアアース泥5からレアアースイオン6が脱離する工程である。
搬送工程S520は、レアアース泥5から脱離したレアアースイオン6を含む海水を海上に配置される回収装置170に搬送する工程である。
回収工程S530は、回収装置170が回収装置170に搬送されてきた海水からレアアースイオン6をレアアース塩7の形で回収する工程である。
本発明に係るレアアース回収方法の第一実施形態は上記の構成を採用することにより、以下の利点を有する。
本発明に係るレアアース回収方法の第一実施形態はレアアース泥5からレアアースイオン6を脱離させ、レアアースイオン6を含む海水(循環水)を搬送することによりレアアースを回収するので、(海水よりも比重が大きい)レアアース泥5を海上まで引き上げる必要が無い。
その結果、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置に比べて少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
また、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置の場合、レアアースを回収した後に発生する大量の残泥を海中に再度投棄することができないため、これ処分するために多大な労力(搬送コスト、埋め立て地の確保等)を要するが、本発明に係るレアアース回収方法の第一実施形態の場合はそのような問題がそもそも発生しない。
<レアアース回収方法の第二実施形態>
以下では図1および図5を参照しつつ、本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態について説明する。なお、本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態は図1に示すレアアース回収システム100において使用される。
図5に示す本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態は海底に存在するレアアース泥5からレアアースを回収する方法である。
本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態は脱離工程S1100と、捕集工程S1200と、搬送工程S1300と、回収工程S1400と、を含む。
脱離工程S1100は、レアアース泥5に接触する正極111を正に帯電させるとともに正極111の近傍に配置される負極112を負に帯電させることにより、正極111に接触するレアアース泥5が正に帯電してレアアース泥5からレアアースイオン6が脱離する工程である。
捕集工程S1200は、レアアース泥5から脱離したレアアースイオン6を負極112に引き寄せることにより負極112の周囲にレアアースイオン6を捕集し、レアアースイオン6の濃度が高い海水を生成する工程である。
搬送工程S1300は、負極112の周囲に生成されたレアアースイオン6の濃度が高い海水を海上または海面近傍に配置される回収装置170に搬送する工程である。
回収工程S1400は、回収装置170が回収装置170に搬送されてきた海水からレアアースイオン6をレアアース塩7の形で回収する工程である。
本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態は上記の構成を採用することにより、以下の利点を有する。
本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態はレアアース泥5からレアアースイオン6を脱離させ、レアアースイオン6を含む海水(循環水)を搬送することによりレアアースを回収するので、(海水よりも比重が大きい)レアアース泥5を海上まで引き上げる必要が無い。
その結果、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置に比べて少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
また、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置の場合、レアアースを回収した後に発生する大量の残泥を海中に再度投棄することができないため、これ処分するために多大な労力(搬送コスト、埋め立て地の確保等)を要するが、本発明に係るレアアース回収方法の第二実施形態の場合はそのような問題がそもそも発生しない。
<レアアース回収方法の第三実施形態>
以下では図2および図6を参照しつつ、本発明に係るレアアース回収方法の第三実施形態について説明する。なお、本発明に係るレアアース回収方法の第三実施形態は図2に示すレアアース回収システム200および図3に示すレアアース回収システム300において使用される。
図6に示す本発明に係るレアアース回収方法の第三実施形態は海底に存在するレアアース泥5からレアアースを回収する方法である。
本発明に係るレアアース回収方法の第三実施形態は、酸性水生成工程S2100と、脱離工程S2200と、搬送工程S2300と、回収工程S2400と、を含む。
酸性水生成工程S2100は、レアアース泥5の近傍において正極211を正に帯電させるとともに負極212を負に帯電させ、正極211の周囲に水素イオンの濃度が高い酸性水を生成する工程である。
脱離工程S2200は、酸性水生成工程S2100において生成された酸性水をレアアース泥5に供給することにより、水素イオンがレアアース泥5に吸着し、レアアース泥5に吸着していたレアアースイオン6が水素イオンと交換されてレアアース泥5から脱離する工程である。
搬送工程S2300は、レアアース泥5から脱離したレアアースイオン6を含む海水を海上に配置される回収装置270に搬送する工程である。
回収工程S2400は、回収装置270が回収装置270に搬送されてきた海水からレアアースイオン6をレアアース塩7の形で回収する工程である。
本発明に係るレアアース回収方法の第三実施形態は上記の構成を採用することにより、以下の利点を有する。
本発明に係るレアアース回収方法の第三実施形態はレアアース泥5からレアアースイオン6を脱離させ、レアアースイオン6を含む海水(循環水)を搬送することによりレアアースを回収するので、(海水よりも比重が大きい)レアアース泥5を海上まで引き上げる必要が無い。
その結果、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置に比べて少ないエネルギーでレアアースを回収することが可能である。
また、レアアース泥5を海上まで引き上げる従来の回収装置の場合、レアアースを回収した後に発生する大量の残泥を海中に再度投棄することができないため、これ処分するために多大な労力(搬送コスト、埋め立て地の確保等)を要するが、本発明に係るレアアース回収方法の第三実施形態の場合はそのような問題がそもそも発生しない。
レアアースを回収する際に採用し得るレアアース塩の種類は図1から図6に示す実施形態におけるシュウ酸塩には限定されない。レアアースを回収する際に採用し得るレアアース塩の他の具体例としては、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物等、既知の種々のレアアース塩が挙げられる。
図1から図6に示す実施形態では循環経路においてポンプの下流側に回収装置を配置するが、本発明に係る実施形態はこれに限定されず、ポンプの上流側に回収装置を配置することも可能である(「押し揚げ」だけでなく、「引き揚げ」も可能である)。
また、図1から図6に示す実施形態ではポンプを海上に配置したが、本発明に係る実施形態はこれに限定されず、ポンプを海中あるいは海底に配置することも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 海面、2 海底、3 回収船、5 レアアース泥、6 レアアースイオン、7 レアアース塩、100 レアアース回収システム(レアアース回収システムの第一実施形態)、110 電極、111 正極、112 負極、113 参照電極、120 電源装置、121 電源本体、122・123・124 導電線、130 イオン捕集容器、131 イオン捕集室、132 開口部、140 イオン透過膜、151 圧送管、152 戻り管、160 ポンプ、161 吸入口、162 吐出口、170 回収装置、171 沈殿槽、172 戻り槽、200 レアアース回収システム(レアアース回収システムの第二実施形態)、210 電極、211 正極、212 負極、213 参照電極、220 電源装置、221 電源本体、222・223・224 導電線、230 電解容器、231 正極室、232 負極室、235 イオン捕集容器、236 開口部、237 第一イオン捕集室、238 第二イオン捕集室、241 第一イオン透過膜、242 第二イオン透過膜、251 圧送管、252 戻り管、253 酸性水搬送管、254 アルカリ性水搬送管、260 ポンプ、261 吸入口、262 吐出口、270 回収装置、271 沈殿槽、272 戻り槽、300 レアアース回収システム(レアアース回収システムの第三実施形態)、310 電極、311 正極、312 負極、313 参照電極、320 電源装置、321 電源本体、322・323・324 導電線、330 電解容器、331 正極室、332 負極室、335 イオン捕集容器、336 開口部、337 蓋、338 イオン捕集室、341 イオン透過膜、351 圧送管、352 戻り管、353 酸性水搬送管、354 アルカリ性水搬送管、360 ポンプ、361 吸入口、362 吐出口、370 回収装置、371 沈殿槽、372 戻り槽、S510 脱離工程、S520 搬送工程、S530 回収工程、S1100 脱離工程、S1200 捕集工程、S1300 搬送工程、S1400 回収工程、S2100 酸性水生成工程、S2200 脱離工程、S2300 搬送工程、S2400 回収工程

Claims (6)

  1. 海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収方法であって、
    前記レアアース泥からレアアースイオンが脱離する脱離工程と、
    前記レアアース泥から脱離したレアアースイオンを含む海水を海上に配置される回収装置に搬送する搬送工程と、
    前記回収装置が前記回収装置に搬送されてきた海水からレアアースイオンをレアアース塩の形で回収する回収工程と、
    を含む、レアアース回収方法。
  2. 海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収方法であって、
    前記レアアース泥に接触する正極を正に帯電させるとともに前記正極の近傍に配置される負極を負に帯電させることにより、前記正極に接触する前記レアアース泥が正に帯電して前記レアアース泥からレアアースイオンが脱離する脱離工程と、
    前記レアアース泥から脱離したレアアースイオンを前記負極に引き寄せることにより前記負極の周囲に前記レアアースイオンを捕集し、前記レアアースイオンの濃度が高い海水を生成する捕集工程と、
    前記負極の周囲に生成されたレアアースイオンの濃度が高い海水を海上に配置される回収装置に搬送する搬送工程と、
    前記回収装置が前記回収装置に搬送されてきた海水からレアアースイオンをレアアース塩の形で回収する回収工程と、
    を含む、レアアース回収方法。
  3. 海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収方法であって、
    前記レアアース泥の近傍において前記正極を正に帯電させるとともに前記負極を負に帯電させ、前記正極の周囲に水素イオンの濃度が高い酸性水を生成する酸性水生成工程と、
    前記酸性水を前記レアアース泥に供給することにより、前記水素イオンが前記レアアース泥に吸着し、前記レアアース泥に吸着していたレアアースイオンが前記水素イオンと交換されて前記レアアース泥から脱離する脱離工程と、
    前記レアアース泥から脱離したレアアースイオンを含む海水を海上に配置される回収装置に搬送する搬送工程と、
    前記回収装置が前記回収装置に搬送されてきた海水からレアアースイオンをレアアース塩の形で回収する回収工程と
    を含む、レアアース回収方法。
  4. 海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収システムであって、
    前記レアアース泥に接触する位置に配置される正極および前記正極の近傍となる位置に配置される負極を含む電極と、
    前記電極に直流電圧を印加する電源装置と、
    前記負極が収容される空間であるイオン捕集室が内部に形成されるとともに外部と前記イオン捕集室とを連通する開口部が形成されるイオン捕集容器と、
    前記イオン捕集容器の開口部を閉塞するが前記イオン捕集容器の外部と前記イオン捕集室との間におけるイオンの移動を許容するイオン透過膜と、
    一端部がイオン捕集容器に接続される圧送管と、
    一端部がイオン捕集容器に接続される戻り管と、
    前記圧送管の他端部および前記戻り管の他端部に接続され、前記イオン捕集容器、前記圧送管および前記戻り管により形成される循環経路に収容される海水である循環水を前記循環経路に沿って搬送するポンプと、
    前記戻り管の中途部に設けられ、海上に配置され、前記循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形で前記循環水から回収する回収装置と、
    を備える、レアアース回収システム。
  5. 海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収システムであって、
    前記レアアース泥の近傍となる位置に配置される正極および負極を含む電極と、
    前記電極に直流電圧を印加する電源装置と、
    内部に前記正極および前記負極を収容する空間が形成される電解容器と、
    前記電解容器の内部の空間を前記正極が収容される正極室および前記負極が収容される負極室の二つに区画し、前記正極室と前記負極室とを遮断するが前記正極室と前記負極室との間におけるイオンの移動を許容する第一イオン透過膜と、
    内部に空間が形成され、当該空間と外部とを連通する開口部が形成され、当該開口部は前記レアアース泥に差し込まれるイオン捕集容器と、
    前記イオン捕集容器の空間を前記開口部が含まれる第一捕集室および前記開口部が含まれない第二捕集室の二つに区画し、前記第一捕集室と前記第二捕集室とを遮断するが前記第一捕集室と前記第二捕集室との間におけるイオンの移動を許容する第二イオン透過膜と、
    一端部が前記電解容器の前記電解容器の正極室および負極室に接続される圧送管と、
    一端部がイオン捕集容器の第二イオン捕集室に接続される戻り管と、
    一端部が前記電解容器の正極室に接続されるとともに他端部が前記イオン捕集容器の第二イオン捕集室に接続される酸性水搬送管と、
    一端部が前記電解容器の負極室に接続されるとともに他端部が前記戻り管の中途部に接続されるアルカリ水搬送管と、
    前記圧送管の他端部および前記戻り管の他端部に接続され、前記電解容器、前記イオン捕集容器、前記圧送管、前記戻り管、前記酸性水搬送管および前記アルカリ水搬送管により形成される循環経路に収容される海水である循環水を前記循環経路に沿って搬送するポンプと、
    前記戻り管の中途部に設けられ、海上に配置され、前記循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形で前記循環水から回収する回収装置と、
    を備える、レアアース回収システム。
  6. 海底に存在するレアアース泥からレアアースを回収するレアアース回収システムであって、
    前記レアアース泥の近傍となる位置に配置される正極および負極を含む電極と、
    前記電極に直流電圧を印加する電源装置と、
    内部に前記正極および前記負極を収容する空間が形成される電解容器と、
    前記電解容器の内部の空間を前記正極が収容される正極室および前記負極が収容される負極室の二つに区画し、前記正極室と前記負極室とを遮断するが前記正極室と前記負極室との間におけるイオンの移動を許容するイオン透過膜と、
    内部にイオン捕集室が形成され、前記イオン捕集室と外部とを連通する開口部が形成され、当該開口部は開閉可能、かつ、開いている時に前記レアアース泥を前記イオン捕集室に収容および外部に排出可能なイオン捕集容器と、
    一端部が前記電解容器の前記電解容器の正極室および負極室に接続される圧送管と、
    一端部が前記イオン捕集容器のイオン捕集室に接続される戻り管と、
    一端部が前記電解容器の正極室に接続されるとともに他端部が前記イオン捕集容器のイオン捕集室に接続される酸性水搬送管と、
    一端部が前記電解容器の負極室に接続されるとともに他端部が前記戻り管の中途部に接続されるアルカリ水搬送管と、
    前記圧送管の他端部および前記戻り管の他端部に接続され、前記電解容器、前記イオン捕集容器、前記圧送管、前記戻り管、前記酸性水搬送管および前記アルカリ水搬送管により形成される循環経路に収容される海水である循環水を前記循環経路に沿って搬送するポンプと、
    前記戻り管の中途部、かつ前記戻り管と前記アルカリ水搬送管の他端部との接続部分よりも前記循環水の移動方向において下流側となる位置に設けられ、海上に配置され、前記循環水に含まれるレアアースイオンをレアアース塩の形で前記循環水から回収する回収装置と、
    を備える、レアアース回収システム。
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