JP2014213118A - 遺体用下顎保持具及び遺体用下顎保持具セット - Google Patents

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Abstract

【課題】遺体の個体差に拘らず使用することができ、また装着が容易な遺体用下顎保持具及び遺体用下顎保持具セットの提供。【解決手段】保持具本体2Lの凸部9に付加部材11の凹部13を嵌めて保持具本体2Lと付加部材11とを連結させると、棒状部3Lを伸長することができる。また、遺体用下顎保持具1は長さ寸法の異なる保持具本体2L、2M、2Sを交換することによっても長さ寸法を変更することができる。遺体用下顎保持具1aの先端側の交換端部15を交換端部21に交換すれば、遺体用下顎保持具1の他端側を平らな端面24を有する他端側当接部23として使用することができる。さらに、この遺体用下顎保持具1aを下顎と肩甲骨の上側に張設するだけであるため、遺体に容易に装着することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は遺体用下顎保持具及び遺体用下顎保持具セットに係り、特に遺体の口が開くのを防止する遺体用下顎保持具及び遺体用下顎保持具セットに関するものである。
一般に、ヒトの死後には筋肉が弛緩し、その後硬直する。この筋肉が弛緩するときに遺体を仰向の状態等にしておくと、顎周辺の筋肉が弛緩して下顎が上顎から離れて口が開いた状態となってしまい、遺族等から見たときに好ましいとは言えない。従って、通常は遺体の口を閉じた状態とする処置が行われる。
このような処置として、従来から複数枚の脱脂綿を口腔から咽頭に向かって挿入し、下顎の後方を下方向に圧迫させて口を閉じさせる方法が用いられている。しかし、この処置方法ではガスや体液などが喉から排出できなくなって体内に溜まってしまったり、目や耳などから出てきてしまったりすることもある
そこで、特許文献1に記載されるような上側の臼歯と下側の臼歯を挟持して上側の臼歯と下側の臼歯を係合させる遺体用下顎保持具を用いて口を閉じた状態とする処置が行われる。
特開2010−110471号公報
しかしながら、特許文献1の遺体用下顎保持具は臼歯のサイズが大きく異なる遺体、例えば小人と大人の遺体の両方に同じ大きさのものを用いることができず、臼歯の大きさが大きく異なる遺体ごとに異なる大きさのものを用意しなければならないという問題がある。
また、このような遺体用下顎保持具は上下の臼歯に正確に取り付けなければならないため、装着が難しいという問題がある。
本発明は上記従来の問題に着目して為されたものであり、遺体の臼歯のサイズの違いなどの個体差に拘らず使用することができ、また装着が容易な遺体用下顎保持具及び遺体用下顎保持具セットの提供を、その目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、一端に一端側当接部が設けられた棒状部と、前記棒状部の他端に設けられた他端側当接部とを有し、遺体の下顎と胴体に両端の当接部をそれぞれ当接してその間で張設させることで、下顎を突っ張り支持して口を閉じた状態に保つことを特徴とする遺体用下顎保持具である。
請求項2の発明は、請求項1に記載した遺体用下顎保持具において、他端側当接部は棒状部に対し着脱自在で交換可能であることを特徴とする遺体用下顎保持具である。
請求項3の発明は、請求項2に記載した遺体用下顎保持具において、棒状部は他端側に付加部材を取り付けることにより伸長可能であることを特徴とする遺体用下顎保持具である。
請求項4の発明は、請求項3に記載した遺体用下顎保持具において、付加部材は複数個備えられ、付加部材どうしが互いに連結可能であることを特徴とする遺体用下顎保持具である。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した遺体用下顎保持具において、一端側当接部の端面と他端側当接部の端面の少なくとも一方が平らに形成されていることを特徴とする遺体用下顎保持具である。
請求項6の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した遺体用下顎保持具において、一端側当接部の端面と他端側当接部の端面の少なくとも一方が球状に形成されていることを特徴とする遺体用下顎保持具である。
請求項7の発明は、請求項2から4のいずれかに記載した複数の棒状部と、複数の付加部材と、複数の他端側当接部を含み、その中からの任意の組合せにより遺体に適した長さ及び当接部を有する遺体用下顎保持具を構成することが可能となっていることを特徴とする遺体用下顎保持具セットである。
本発明の遺体用下顎保持具及び遺体用下顎保持具セットによれば、棒状部の長さ寸法や他端側当接部の形状を変更することによって遺体の個体差に拘らず使用することが可能である。
また、本発明の遺体用下顎保持具は遺体の下顎と胴体に両端側当接部をそれぞれ当接してその間で張設させるものであるため、遺体に容易に装着することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る遺体用下顎保持具セットの斜視図である。 図1の遺体用下顎保持具の保持具本体の凸部、付加部材の凸部、付加部材の凹部及び交換端部の凹部の形状について説明するための一部拡大図である。 図8の遺体用下顎保持具のA−A断面図である。 図1の遺体用下顎保持具の長さ寸法を変更する方法を説明する側面図である。 図1の遺体用下顎保持具の使用方法を説明するための図である。 図1の遺体用下顎保持具の使用方法を説明するための図である。 図1の遺体用下顎保持具の使用方法を説明するための図である。 図1の遺体用下顎保持具の他端側当接部を交換する方法を説明するための斜視図である。
本発明の実施の形態に係る遺体用下顎保持具を図面に従って説明する。本実施の形態において、遺体用下顎保持具は構成部材を変更することによって複数種類の構成を有するものとなるので、これら複数種類の遺体用下顎保持具の全体を指して説明する場合には、符号1を用い、構成の異なる各遺体用下顎保持具を特定して説明する場合には、符号1の後にa、b、c…を付すものとする。
符号2Lは保持具本体を示し、この保持具本体2Lは棒状部3L、一端側当接部5及び凸部9とから成る。棒状部3Lは外周部の四隅部分がアール状となった柱形状に形成されている。
符号2M、2Sは保持具本体を示し、保持具本体2Mの棒状部3Mは棒状部3Lより短く、保持具本体2Sの棒状部3Sは棒状部3Mより短く設定されている。
棒状部3M、3Sは棒状部3Lと同じ外周部の四隅部分がアール状となった柱形状に形成されている。
棒状部3L、3M、3Sの一端には楕円盤状の一端側当接部5が設けられており、この一端側当接部5の端面7は平らに形成されている。また、棒状部3L、3M、3Sの他端には、端面8側から見て十字形を為す凸部9が設けられている。
保持具本体2Lの長さ寸法Pは100mmに設定されており、保持具本体2Mの長さ寸法Qは70mmに設定されており、保持具本体2Sの長さ寸法Rは40mmに設定されている。また、凸部9の長さ寸法Kは5mmに設定されている。
符号11は付加部材を示し、この付加部材11の長さ寸法Tは15mmである。付加部材11は一端に凸部9がぴったり嵌り込む形状の凹部13が形成され、他端には端面12側から見て十字形を為す、凸部9と同じの形状・寸法の凸部14が形成されている。
符号15は交換端部を示し、この交換端部15は一端側に凸部9、14がぴったり嵌り込む形状の凹部16が形成されている。交換端部15の他端側には他端側当接部17が形成されており、この他端側当接部17の端面19は球状を為している。交換端部15の長さ寸法Uは15mmに設定されている。
符号21は交換端部を示し、この交換端部21は他端側当接部17を除いて交換端部15と同様の構成を有するので、同様の構成部分については交換端部15と同じ符号を付し、その説明を省略する。交換端部21の他端側当接部23は円盤状に形成されており、この他端側当接部23の端面24は平らとなっている。なお、交換端部21の長さ寸法は15mmに設定されている。
これらの遺体用下顎保持具1は透明色のポリカーボネート製であり、焼却してもダイオキシン等の有害物質が発生せず、燃え残ることもない環境に配慮した材料で構成されている。
三つの保持具本体2L、2M、2S、二つの付加部材11、及び二種類の交換端部15、21によって遺体用下顎保持具セット25が構成されている。
本発明の遺体用下顎保持具セット25の各部材を組み合わせて構成する遺体用下顎保持具1の使用方法について、図面に従って説明する。
遺体用下顎保持具1の長さ寸法の変更方法を説明する。
図8(a)に示すように、保持具本体2Lの凸部9に付加部材11の凹部13を嵌めて保持具本体2Lと付加部材11とを連結させ、棒状部3Lを伸長する。そして、付加部材11の凸部14にもうひとつの付加部材11の凹部13を嵌めて付加部材11どうしを連結させる。このようにして互いに連結した2つの付加部材11を保持具本体2Lに連結して、棒状部3Lを伸長する。さらに先端側の付加部材11の凸部14に交換端部15の凹部16を嵌めて保持具本体2Lと交換端部15を接続し、遺体用下顎保持具1aを組み立てる。
図4(a)に示すように、保持具本体2Lの長さ寸法Pは100mmに設定され、付加部材11の長さ寸法Tは15mmに設定されている。交換端部15の長さ寸法Uは15mmに設定され、凸部9、14の長さ寸法Kはそれぞれ5mmに設定されている。従って、前述の遺体用下顎保持具1aの長さ寸法W1は長さ寸法P−長さ寸法K+(長さ寸法T−長さ寸法K)×2+長さ寸法Uで130mmとなる。
この遺体用下顎保持具1aの付加部材11を一つ減らすと長さ寸法W1より10mm短くなり、120mmの長さ寸法となる(図示せず)。
図4bに示すように、遺体用下顎保持具1aの付加部材11を二つ減らす(付加部材11を連結しない)と長さ寸法W1から20mm短くなって110mmの長さ寸法W2を有する遺体用下顎保持具1bとなる。このように付加部材11を連結させる数によって遺体用下顎保持具1の長さ寸法を10mmずつ調節することができる。
遺体用下顎保持具1は長さ寸法の異なる保持具本体2L、2M、2Sを交換することによっても長さ寸法を変更することができる。
図4(c)に示すように、保持具本体2Mと、付加部材11を二つと、交換端部15を連結させた遺体用下顎保持具1cの長さ寸法W3は、長さ寸法Q−長さ寸法K+(長さ寸法T−長さ寸法K)×2+長さ寸法Uで100mmとなる。
図4(d)に示すように、保持具本体2Mと交換端部15とを連結させ、付加部材11を連結していない状態の遺体用下顎保持具1dの長さ寸法W4は長さ寸法W3より20mm短くなって80mmとなる。
図4(e)に示すように、保持具本体2Sと付加部材11を二つと交換端部15を連結させた遺体用下顎保持具1eの長さ寸法W5は長さ寸法R−長さ寸法K+(長さ寸法T−長さ寸法K)×2+長さ寸法Uで70mmとなる。
図4(f)に示すように、保持具本体2Sと交換端部15を連結させ、付加部材11を連結していない状態の遺体用下顎保持具1fの長さ寸法W6は長さ寸法W5より20mm短くなって50mmとなる。
遺体用下顎保持具1aを使用して遺体の口を閉じた状態とするときは、図5、6に示すように、遺体用下顎保持具1の長さ寸法を調節して一端側当接部5を遺体の下顎の左寄りの部分に当接し、交換端部15の他端側当接部17を左側の肩甲骨の上側に当接してその間で張設し、下顎を突っ張り支持する。もう一本の遺体用下顎保持具1aを上記の場合と同様に下顎の右寄りの部分と右側の肩甲骨の上側の間で張設し、下顎を突っ張り支持する。
このように、下顎と肩甲骨の上側に張設するだけであるため、遺体用下顎保持具1aを遺体に容易に装着することができる。
遺体の骨格や肉付き等によっては上記下顎の右寄りの部分と右側の肩甲骨の上側、あるいは下顎の左寄りの部分と左側の肩甲骨の上側に遺体用下顎保持具1aを張設できない場合がある。その場合には図7に示すように、遺体用下顎保持具1aを下顎の中央部分と左右の肩甲骨の中間部分との間で張設して、一本の遺体用下顎保持具1aで下顎を突っ張り支持する。
遺体の骨格や肉付き等によっては端面19が鎖骨の上側から滑ってしまい、遺体用下顎保持具1を下顎と肩甲骨の上側に張設させることができないことがある。その場合には、遺体用下顎保持具1の上下を入れ替えて交換端部15の他端側当接部17を遺体の下顎に当接し、一端側当接部5を肩甲骨の上側に当接して、下顎を突っ張り支持してもよい。
さらに、図8bに示すように、付加部材11に交換端部21を連結して、遺体用下顎保持具1の他端側を平らな端面24を有する他端側当接部23として使用することができる。また、図8cに示すように、交換端部15、21を取り付けずに付加部材11の凸部14を他端側当接部とすることが可能である。同様に、保持具本体2L、2M、2Sの凸部9を他端側当接部として使用することもできる。
以上のように、遺体の骨格や肉付き等に合わせて遺体用下顎保持具セット25の棒状部3L、3M、3S、付加部材11及び他端側当接部15、21を任意の組合せにより遺体に適した長さ及び当接部を有する遺体用下顎保持具1を構成することが可能となっている。従って、遺体用下顎保持具1を遺体の個体差に拘らず使用することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、本実施の形態の一端側当接部5、他端側当接部17、23はこれ等の形状に限定されず、例えば半球形状等でもよい。また、本実施の形態の一端側当接部5、他端側当接部17、23のサイズは適宜変更してもよい。
また、本実施の保持具本体2Lの長さ寸法Pは100mm、保持具本体2Mの長さ寸法Qは70mm、保持具本体2Sの長さ寸法Rは40mmに設定したが、本発明はこれらに限定されず、長さ寸法P、Q、Rは適宜変更可能である。同様に付加部材11の長さ寸法Tは15mmに設定したが、本発明はこれに限定されず、長さ寸法Tは適宜変更可能である。
本実施の遺体用下顎保持具セット25は三つの保持具本体2L、2M、2Sが含む構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば二つの保持具本体で構成されても四つ以上の保持具本体を含む構成としてもよい。同様に、遺体用下顎保持具セット25には二つの付加部材11、及び二種類の交換端部15、21を含む構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば付加部材を三つ以上含む構成としてもよく、交換端部も三種類以上含む構成としてもよい。
本実施の遺体用下顎保持具1の材料はポリカーボネート製であったが、本発明はこれに限定されず、焼却してもダイオキシン等が発生せず、燃え残ることがない環境に配慮いた材料ならどのようなものでもよく、例えばポリプロピレンやポリスチレン等でもよい。
さらに、本実施の遺体用下顎保持具1は透明色であったが、本発明はこれに限定されず、乳白色等でもよい。
また、本実施の形態では、遺体用下顎保持具1aを一本、又は二本使用して下顎を突っ張り支持させたが、本発明はこれに限定されず、三本以上使用してもよい。
遺体用下顎保持具の製造業や、遺体を納棺する葬儀社・納棺師等で利用可能性を有する。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f…遺体用下顎保持具
2L、2M、2S…保持具本体 3L、3M、3S…棒状部
5…一端側当接部 7、8…端面
9…凸部 11…付加部材
12…端面 13…凹部
14…凸部 15…交換端部
16…凹部 17…他端側当接部
19…端面 21…交換端部
23…他端側当接部 24…端面
25…遺体用下顎保持具セット
P…保持具本体2Lの長さ寸法 Q…保持具本体2Mの長さ寸法
R…保持具本体2Sの長さ寸法 K…凸部9、14の長さ寸法
T…付加部材11の長さ寸法 U…交換端部15の長さ寸法
W1、W2、W3、W4、W5、W6…遺体用下顎保持具の長さ寸法

Claims (7)

  1. 一端に一端側当接部が設けられた棒状部と、前記棒状部の他端に設けられた他端側当接部とを有し、遺体の下顎と胴体に両端の当接部をそれぞれ当接してその間で張設させることで、下顎を突っ張り支持して口を閉じた状態に保つことを特徴とする遺体用下顎保持具。
  2. 請求項1に記載した遺体用下顎保持具において、他端側当接部は棒状部に対し着脱自在で交換可能であることを特徴とする遺体用下顎保持具。
  3. 請求項2に記載した遺体用下顎保持具において、棒状部は他端側に付加部材を取り付けることにより伸長可能であることを特徴とする遺体用下顎保持具。
  4. 請求項3に記載した遺体用下顎保持具において、付加部材は複数個備えられ、付加部材どうしが互いに連結可能であることを特徴とする遺体用下顎保持具。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載した遺体用下顎保持具において、一端側当接部の端面と他端側当接部の端面の少なくとも一方が平らに形成されていることを特徴とする遺体用下顎保持具。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載した遺体用下顎保持具において、一端側当接部の端面と他端側当接部の端面の少なくとも一方が球状に形成されていることを特徴とする遺体用下顎保持具。
  7. 請求項2から4のいずれかに記載した複数の棒状部と、複数の付加部材と、複数の他端側当接部を含み、その中からの任意の組合せにより遺体に適した長さ及び当接部を有する遺体用下顎保持具を構成することが可能となっていることを特徴とする遺体用下顎保持具セット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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