JP2014210092A - 陥没・扁平乳頭矯正テープ - Google Patents

陥没・扁平乳頭矯正テープ Download PDF

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Abstract

【課題】容易に装着して、正常な乳頭の状態を確実に維持することができる陥没・扁平乳頭矯正テープを提供する。
【解決手段】陥没・扁平乳頭矯正テープは、帯状の巻付部10と、巻付部10の二つの先端の各々に連なって形成された二つの貼付部20a,20bとを備える。巻付部10は、乳房から乳頭を突出させた状態でその乳頭と乳輪部との境界部分である乳頸部に巻き付けるためのものである。巻付部10の長さLは35〜65mmであり、巻付部10の幅Wは2〜3mmである。貼付部20a,20bの一方の面は粘着性を有しており、この粘着力を利用して貼付部20a,20bは乳房に貼り付けられる。また、貼付部20a,20bは防水性及び透湿性を有する材料で形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、陥没乳頭又は扁平乳頭を矯正するために用いられる陥没・扁平乳頭矯正テープに関するものである。
女性の中には陥没乳頭又は扁平乳頭のために悩んでいるものがいる。陥没乳頭とは、乳房内に埋没している乳頭をいい、扁平乳頭とは、乳房から少ししか突出していない乳頭をいう。かかる陥没乳頭や扁平乳頭は、単に外見上の問題だけではなく、授乳障害という母子にとって重大な問題を引き起こすおそれがある。
従来、かかる陥没乳頭等に対する矯正方法として、1)形成外科手術治療、2)吸引器、3)乳頭マッサージ、4)乳頭保護器、等の各種の方法がある。形成外科手術治療では、メス等により乳腺を切断して、乳頭を乳房から突出させることが行われる。吸引器は、陰圧により乳頭を引き出す器具であり、現在、さまざまなものが案出されている(例えば、特許文献1参照。)。また、乳頭マッサージでは、乳頭を揉みほぐしながら引っ張り出すことが行われる。乳頭保護器とは、シリコンなどで作られた乳首を陥没乳頭に被せるように乳輪部に当てて乳児に授乳を行う器具である。乳児が当該乳首を吸うことにより、乳頭が引っ張り出され、乳児が乳頭からの乳汁を当該乳首を介して飲むことができると考えられている。
実用新案登録第3143996号公報
このように陥没乳頭等の矯正のためにさまざまな方法があるが、これらの方法にはそれぞれ問題がある。
形成外科手術治療を施した場合には、外観は乳頭が乳房上に突出していても、排乳経路が損傷を受けることがあり、この場合、いざ授乳する際に乳汁が乳頭から分泌できないので、重症な乳腺炎を起こし、授乳を断念せざるを得ないことがある。また、外科治療を行うことは、女性にとって身体的、精神的な負担が避けられず、経済面での負担も少なくない。
吸引器については、それを使用しても、実際には乳頭を十分に引き出すことができないことが多い。しかも、かかる吸引器は少なくとも授乳時には外さなければならないので、肝心な授乳時に乳頭が陥没状態に戻ってしまうと、乳児は乳頭にスムーズに吸着することができなくなる。また、陥没乳頭を陰圧のみで引き出そうとすると、強引な陰圧をかけざるを得ず、乳頭や乳輪部にむくみ、腫脹、疼痛、しこり等の形成を引き起こし、身体的な苦痛が生じやすい。また、吸引器は通常、乳房に圧着して装着されるので、装着時の圧迫感、違和感によって使用者は不快な感じを受けることが多い。更に、吸引器の装着により胸部がかさばり、不自然な外観が避けられない。
妊娠中の乳頭マッサージは、子宮への刺激と連動するため、流早産の一因となり得る。このため、乳頭マッサージを行うことは妊婦や胎児にとって心身の負担がある。また、乳頭マッサージのみによって陥没乳頭を根本的に矯正することは現実的には困難である。更に、用手的に強引な乳頭の牽引を行うと、乳腺組織の断裂損傷を招いたり、疼痛を引き起こして授乳ができなくなったりすることがある。
乳頭保護器を使用した場合には、乳児が一生懸命その乳頭保護器を吸っても、直に乳頭を吸うほどには乳汁が出ないため、乳房内に乳汁がうっ滞して乳腺炎を引き起こしやすく、また乳児も焦れて吸着を拒否してしまい授乳に失敗することがある。また、乳児が乳頭保護器にうまく吸着することができた場合でも、吸着により強引な陰圧がかかるため、乳頭に亀裂損傷を起こしたり、むくみや疼痛を生じたりして、母親は苦痛を訴えることが多い。更に、乳頭保護器は乳輪部に当てるだけであるので、ずれ易いという問題がある。特に、初産婦は授乳や乳児の扱いに不慣れであるため、初産婦にとって乳頭保護器を乳輪部に当てつつ乳児に吸着させるのは難しい。
このように、従来用いられていた、陥没乳頭等の矯正のための各種の方法には問題がある。このため、簡単な構成で容易に装着することができ、しかも、正常な乳頭の状態を確実に維持することにより矯正効果が高い矯正器具の実現が望まれている。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、容易に装着して、正常な乳頭の状態を確実に維持することができる陥没・扁平乳頭矯正テープを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための本発明は、陥没乳頭又は扁平乳頭を矯正するために用いられる陥没・扁平乳頭矯正テープであって、乳房から乳頭を突出させた状態でその乳頭と乳輪部との境界部分である乳頸部に巻き付けるための帯状の巻付部と、巻付部の二つの先端の各々に連なって形成された、一方の面が粘着性を有する平面状の貼付部と、を備え、巻付部の長さが35〜65mmであり、巻付部の幅が2〜3mmであることを特徴とするものである。
本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープは上記のように構成されていることにより、例えば使用者は、乳房から乳頭を突出させた状態で乳頸部に巻付部を巻き付け、各貼付部を乳輪部の周辺における乳房に貼り付けるだけで、陥没・扁平乳頭矯正テープを自らの手で容易に装着することができる。特に、使用者は、巻付部を乳頸部に巻き付ける際に、巻付部が乳頸部を締め付ける度合いを調整して、陥没・扁平乳頭矯正テープの装着による痛みや圧迫感・違和感を抑えることができるので、陥没・扁平乳頭矯正テープを装着していることが心身の負担になることはない。
また、巻付部の長さが35〜65mmであるので、巻付部を乳頸部の周りに1〜2回程度巻き付けることができ、しかも、巻付部の幅が2〜3mmであるので、巻付部を乳頭に被さることなく乳頸部だけに巻き付けることができる。このため、巻付部を乳頸部に巻いて、その巻付部で乳頸部をしっかりと締め付けることにより、乳頭が乳房から突出した状態、すなわち正常な乳頭の状態を確実に且つ長時間、維持することができる。このように正常な乳頭の状態を長時間、維持することができるので、本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用すると、陥没乳頭又は扁平乳頭に対する矯正効果が高い。また、使用者は陥没・扁平乳頭矯正テープを装着して正常な乳頭の状態を維持したまま、授乳を行うことが可能である。尚、巻付部の長さが35〜65mm、その幅が2〜3mmであるので、本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープは、大抵の大きさの乳頭に対して使用可能であり、汎用性がある。
また、本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープの装着時には、マッサージを行うときのような刺激がないので、妊娠中の女性が本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用しても、流早産を誘発する心配が少ない。このため、妊娠中の女性も本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用して、陥没乳頭又は扁平乳頭の矯正を行うことができる。
更に、本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープは単純な形状・構造であるため、製造コストが安く、従来の矯正器具や外科手術よりも安価で提供することができる。
また、本発明に係る陥没・扁平乳頭矯正テープにおいて、各貼付部は防水性を有することが望ましい。これにより、使用者は、本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープを装着したまま入浴しても、貼付部が剥がれてしまうことはない。また、陥没・扁平乳頭矯正テープを装着したまま授乳を行っても、乳児の唾液等によって貼付部が剥がれてしまうことはない。
また、本発明に係る陥没・扁平乳頭矯正テープにおいて、各貼付部は透湿性を有することが望ましい。これにより、陥没・扁平乳頭矯正テープを数日間継続して装着しても、各貼付部を貼り付けた皮膚の部分が蒸れたり、かぶれたりするのを防止することができる。
更に、本発明に係る陥没・扁平乳頭矯正テープでは、巻付部と連なる境界の近傍における各貼付部についてはその幅が当該貼付部の先端側に行くに従って徐々に広くなっており、且つ、各貼付部の端縁は滑らかな曲線形状に形成されていることが望ましい。このように、巻付部と連なる境界の近傍における各貼付部についてはその幅が当該貼付部の先端側に行くに従って徐々に広くなるように各貼付部を形成することにより、貼付部の一部が乳頸部に当たってしまい、貼付部をうまく貼り付けることができないという状況が生じないようにすることができる。また、各貼付部の端縁を滑らかな曲線形状に形成することにより、各貼付部に角の部分をなくして各貼付部が捲れ難くすることができる。
本発明に係る陥没・扁平乳頭矯正テープによれば、例えば使用者は、乳房から乳頭を突出させた状態で乳頸部に巻付部を巻き付け、各貼付部を乳輪部の周辺における乳房に貼り付けることにより、陥没・扁平乳頭矯正テープを容易に装着することができると共に、正常な乳頭の状態を確実に維持することができる。
図1は本発明の一実施形態である陥没・扁平乳頭矯正テープの概略平面図である。 図2は乳房の各部を説明するための図である。 図3は本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープの装着方法を説明するための図である。 図4は本発明の変形例である陥没・扁平乳頭矯正テープの概略平面図である。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である陥没・扁平乳頭矯正テープの概略平面図である。また、図2は乳房の各部を説明するための図である。
本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープは、陥没乳頭又は扁平乳頭を矯正するために用いられるものである。ここで、陥没乳頭とは、乳頸部を境にして乳房の内側に反転して埋没した乳頭をいい、扁平乳頭とは、乳房から少ししか突出していない乳頭をいう。このように陥没乳頭と扁平乳頭との違いは、乳頭の埋没度合いの違いである。本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープは陥没乳頭、扁平乳頭のいずれに対しても同じように適用することができる。以下では、主として陥没乳頭を矯正する場合について説明する。
但し、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープは、どのような陥没乳頭又は扁平乳頭に対しても適用できるというわけではない。本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープの適用対象は、人が埋没している乳頭を手で引き出すことが可能であるような陥没乳頭又は扁平乳頭である。人が自分の手を使って一時的に正常な状態にすることができない陥没乳頭又は扁平乳頭に対しては、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用することはできない。
本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープは、図1に示すように、一つの帯状の巻付部10と、二つの貼付部20a,20bとを備える。かかる陥没・扁平乳頭矯正テープは、その厚さが薄いので、厚さを無視すれば平面的な構造体と考えることができる。二つの貼付部20a,20bはそれぞれ、巻付部10の各先端に連なって形成されている。また、二つの貼付部20a,20bの裏面は粘着性を有している。この貼付部20a,20bの粘着力を利用して、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープは乳房に貼り付けられる。
巻付部10は、図1に示すように、平面的には、細長い帯状の形状に形成されている。この巻付部10は、乳房から乳頭を突出させた状態で乳頸部に巻き付けるためのものである。ここで、図2に示すように、乳頸部53とは、乳頭51と乳輪部52との境界部分、すなわち乳頭51の下側のくびれた部分である。本実施形態では、巻付部10の幅Wは、巻付部10が乳頸部53にフィットするような幅として決定される。具体的に、巻付部10の幅Wは2〜3mmである。巻付部10の幅が2mmより短いと、巻付部10を乳頸部53に巻いて、その巻付部10で乳頸部53を締め付けたときに、巻付部10が乳頸部53に食い込み、使用者が痛みを感じることがあるからであり、また、強度的にも問題が生じるからである。一方、巻付部10の幅が3mmよりも長いと、巻付部10の一部が乳頭51に被さってしまい、巻付部10を乳頸部53だけに巻き付けることができなくなる。巻付部10を乳頭51に被さることなく乳頸部53だけに巻いて、巻付部10で乳頸部53をしっかりと締め付けておかないと、乳頭51が乳房の中に潜ってしまい、元の陥没状態に戻ってしまう可能性がある。本発明の基本的なアイディアは、乳頸部53をテープで締め付けることにより、乳頭51が乳房の中に潜ってしまわないようにして、正常な乳頭の状態を常時、維持しようというものである。また、このように、巻付部10は乳頸部53だけに巻き付けられるので、使用者は陥没・扁平乳頭矯正テープを装着したまま、授乳を行うことが可能である。
また、巻付部10は、乳頸部53の周りに1.2〜2回程度巻き付けることができるような長さに形成される。巻付部10を少なくも1回以上巻き付けなければ、巻付部10により乳頸部53を締め付けることはできない。また、巻付部10を乳頸部53に巻き付ける回数が1〜1.1回程度であると、二つの貼付部20a,20bが部分的に重なってしまい、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを安定して固定することができなくなってしまうからである。更に、巻付部10を乳頸部53に巻き付ける回数を2回よりも多くしても、巻付部10による乳頸部53の締め付け効果はそれほど変わらないからである。一般的な日本人女性の場合、乳頭51の平均的な直径は約10mm程度であることを考慮すると、巻付部10の長さLは35mm〜65mmであることが望ましい。
尚、巻付部10の長さLが35〜65mm、その幅Wが2〜3mmであるので、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープは、大抵の大きさの乳頭に対して使用可能であり、汎用性がある。
また、巻付部10と連なる境界の近傍における各貼付部20a,20bについてはその幅が当該貼付部の先端側に行くに従って徐々に広くなっている。これにより、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用する場合、二つの貼付部20a,20bが部分的に重なって、その重なった部分の厚みが増してしまうという状況が生じないようにすることができると共に、貼付部20a,20bの一部が乳頸部53に当たってしまい、当該貼付部をうまく貼り付けることができないという状況が生じないようにすることができる。また、各貼付部20a,20bの端縁は滑らかな曲線形状に形成されている。これにより、各貼付部20a,20bに角の部分がなくなり、各貼付部20a,20bが捲れ難くなるので、各貼付部20a,20bの皮膚への密着性の向上を図ることができる。具体的に、各貼付部20a,20bの形状としては、例えば、円、楕円、涙滴形等の形状を採用することができる。本実施形態では、図1に示すように、各貼付部20a,20bを、涙のしずくの形である涙滴形の形状に形成している。
一般に、巻付部10及び各貼付部20a,20bの材料としては、傷口を覆う創傷被覆材を用いることができる。特に、本実施形態では、巻付部10をポリウレタンフィルムで作製し、各貼付部20a,20bを、ポリウレタンフィルムとその一方の面に塗布された水系粘着剤とで作製している。例えば、この水系粘着剤としては、森下仁丹株式会社製の傷ケアシリーズの各商品で使用されているものを用いることができる。ここで、巻付部10に使用するポリウレタンフィルム、及び貼付部20a,20bに使用するポリウレタンフィルム及び水系粘着剤としては、通気性を損なわないように形成されているものを用いる。これにより、巻付部10及び貼付部20a,20bには、水蒸気や酸素が透過できる透湿性が付与される。また、ポリウレタンフィルムは本来、防水性を備えている。したがって、巻付部10及び各貼付部20a,20bは防水性及び透湿性を有している。このように貼付部20a,20bが防水性を有することにより、使用者は、陥没・扁平乳頭矯正テープを装着したまま入浴しても、貼付部20a,20bが簡単に剥がれてしまうことはなく、陥没・扁平乳頭矯正テープを装着したまま授乳を行っても、乳児の唾液等によって貼付部20a,20bが剥がれてしまうことはない。また、貼付部20a,20bが透湿性を有することにより、陥没・扁平乳頭矯正テープを数日間継続して装着しても、各貼付部20a,20bを貼り付けた皮膚の部分が蒸れたり、かぶれたりするのを防止することができる。
次に、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープの作製方法を説明する。
まず、透湿性のあるポリウレタンフィルムの片面における所定箇所に水系粘着剤を塗布する。次に、水系粘着剤の表面に剥離シートを貼り付ける。その後、かかる水系粘着剤が塗布されたポリウレタンフィルムを型抜き加工することにより、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを容易に作製することができる。
次に、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープの具体的な装着方法を説明する。図3は本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープの装着方法を説明するための図である。
陥没乳頭は、乳頸部を境にして陥没した状態で、乳房の内側にめり込んでいる。このため、使用者は、まず、図3(a)に示すように、乳頭51が乳房内にめり込んでいる部分の周辺の乳輪部52を指で揉み出しながら乳頭51をつまみ出すことにより、乳頭51を乳房から突出させる。次に、使用者は、陥没・扁平乳頭矯正テープの一方の貼付部20aに付いている剥離シートを剥がし、当該貼付部20aを、その先端部が乳輪部52から外側にはみ出るようにして乳頭51の付け根周辺の乳房に貼り付ける。
次に、使用者は、突出した状態の乳頭51を一方の手で保持しつつ、もう一方の手で陥没・扁平乳頭矯正テープの巻付部10を乳頸部53の周りに例えば1.5回程度巻き付ける。また、このとき、巻付部10を乳頸部53に若干強めに巻き付ける。具体的には、テルテル坊主の首を紐で縛る要領で、乳頭51が乳房内に引き戻らないように乳頸部53を巻付部10で縛る。実際、縛り方が緩いと、乳頭51は乳房内に再び陥没してしまう。逆に、縛り方が強いと、乳頭51における血液の循環不全が起こり、使用者は大きな痛みを感じることになる。このため、使用者は、巻付部10を乳頸部53に巻き付ける際に、巻付部10が乳頸部53を締め付ける度合いを調整して、陥没・扁平乳頭矯正テープの装着による痛みや圧迫感・違和感をある程度抑えるようにする。そして、巻付部10を巻き付けた後には、乳頭51の皮膚色に十分注意することが必要である。このように、巻付部10で乳頸部53を若干強めに締め付けることにより、乳頭51が乳房から突出した状態、すなわち正常な乳頭の状態を確実に保持することができると共にその状態を長時間、維持することができる。
その後、使用者は、陥没・扁平乳頭矯正テープのもう一方の貼付部20bに付いている剥離シートを剥がし、図3(b)に示すように、当該貼付部20bを、乳頭51の付け根周辺の乳房に貼り付ける。ここで、当該貼付部20bを、既に貼り付けている貼付部20と重なり合わないような位置に貼り付ける。また、当該貼付部20bを、その先端部が乳輪部52から外にはみ出るようにして乳頭51の付け根周辺の乳房に貼り付ける。本実施形態では、二つの貼付部20a,20bをそれぞれ、乳輪部52の外にはみ出すように貼り付けているが、これは、貼付部20a,20bをなるべく乳頭51から遠い位置に配置し、乳児が授乳時に貼付部20a,20bを口に含んだり、誤飲したりしないようにするための措置である。以上で、陥没・扁平乳頭矯正テープの装着作業が完了する。このように、使用者は、乳房から乳頭51を突出させた状態で乳頸部53に巻付部10を巻き付け、各貼付部20a,20bを乳輪部52の周辺における乳房に貼り付けるだけで、陥没・扁平乳頭矯正テープを自らの手で容易に装着することができる。
使用者は、こうして陥没・扁平乳頭矯正テープを装着することにより、陥没乳頭を矯正することができる。特に、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープは防水性を有するので、使用者は陥没・扁平乳頭矯正テープを装着したまま入浴したり、授乳を行ったりすることができる。また、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープは透湿性を有するので、使用者は陥没・扁平乳頭矯正テープを入浴中も就寝中も常時、装着しても、各貼付部20a,20bを貼り付けた皮膚の部分がかぶれてしまうことはほとんどない。したがって、使用者は、陥没・扁平乳頭矯正テープが剥がれない限り、その陥没・扁平乳頭矯正テープを数日間、装着し続けることができる。このため、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用すると、陥没乳頭に対する矯正効果が高い。実際、使用者は陥没・扁平乳頭矯正テープを装着して、乳頭が乳房から突出した状態を長時間、維持していると、乳腺組織の伸縮柔軟性が回復する可能性がある。そして、乳腺組織の伸縮柔軟性が回復すれば、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用しなくても、乳頭は乳房内にめり込むことがなくなり、陥没乳頭が治ることになる。
また、当然のことながら、乳頭が陥没している女性であれば、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを、出産後の授乳時期だけでなく、どんな時期でも使用することができる。例えば、妊娠中の女性は、妊娠している期間に、この陥没・扁平乳頭矯正テープを使用して陥没乳頭を矯正して治しておけば、出産後はスムーズに乳児に授乳を行うことができる。ここで、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープの装着時には、マッサージを行うときのような刺激がないので、妊娠中の女性が本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用しても、流早産を誘発する心配が少ない。また、陥没乳頭にコンプレックスを持っている女性は、いつでも、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用して、陥没乳頭を矯正することができる。
本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープでは、使用者は、乳房から乳頭を突出させた状態で乳頸部に巻付部を巻き付け、各貼付部を乳輪部の周辺における乳房に貼り付けるだけで、陥没・扁平乳頭矯正テープを自らの手で容易に装着することができる。特に、使用者は、巻付部を乳頸部に巻き付ける際に、巻付部が乳頸部を締め付ける度合いを調整して、陥没・扁平乳頭矯正テープの装着による痛みや圧迫感・違和感を抑えることができるので、陥没・扁平乳頭矯正テープを装着していることが心身の負担になることはない。
また、巻付部の長さが35〜65mmであるので、巻付部を乳頸部の周りに1〜2回程度巻き付けることができ、しかも、巻付部の幅が2〜3mmであるので、巻付部を乳頭に被さることなく乳頸部だけに巻き付けることができる。このため、巻付部を乳頸部に巻いて、その巻付部で乳頸部をしっかりと締め付けることにより、乳頭が乳房から突出した状態、すなわち正常な乳頭の状態を確実に且つ長時間、維持することができる。このように正常な乳頭の状態を長時間、維持することができるので、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープを使用すると、陥没乳頭又は扁平乳頭に対する矯正効果が高い。更に、使用者は陥没・扁平乳頭矯正テープを装着して正常な乳頭の状態を維持したまま、授乳を行うことが可能である。
また、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープでは、各貼付部は防水性及び透湿性を有する。これにより、使用者は陥没・扁平乳頭矯正テープを装着したまま入浴することができ、陥没・扁平乳頭矯正テープを数日間継続して装着しても、各貼付部を貼り付けた皮膚の部分が蒸れたり、かぶれたりするのを防止することができる。
更に、本実施形態の陥没・扁平乳頭矯正テープは単純な形状・構造であるため、製造コストが安く、従来の矯正器具や外科手術よりも安価で提供することができるという利点がある。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
上記の実施形態では、巻付部をポリウレタンフィルムで作製し、各貼付部をポリウレタンフィルムと水系粘着剤とで作製した場合について説明したが、既存の創傷被覆製品を利用して、本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープを作製することも可能である。ここでは、一例として、ジョンソン・アンド・ジョンソン株式会社が販売する「キズパワーパッド(登録商標)」という家庭用創傷パッドを利用する場合を説明する。この家庭用創傷パッドは、防水性を有するポリウレタンフィルムとハイドロコロイド素材との二層構造になっている。ハイドロコロイド素材は、皮膚に貼り付けるための粘着剤(疎水性ポリマー)と、水分を吸収・保護するハイドロコロイド粒子(親水性ポリマー)とから作られている。ハイドロコロイド粒子は、水を吸収すると膨らみ、ゲル状のクッションとなる。本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープを得るには、かかる家庭用創傷パッドを、図1に示す形状に切り抜けばよい。このように、既存の創傷被覆製品を利用することにより、本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープを簡単に作製することができる。尚、上述のキズパワーパッド(登録商標)のような創傷被覆製品を利用して作製した陥没・扁平乳頭矯正テープでは、貼付部の裏面のみならず、巻付部の裏面も粘着性を有することになる。一般に、本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープにおいて、巻付部の裏面は粘着性を有していてもよい。
また、上記の実施形態では、巻付部及び各貼付部の材料として、傷口を覆う創傷被覆材を用いる場合について説明したが、巻付部及び各貼付部の材料はこれに限定されるものではなく、人体に害を及ぼさないような材料、例えばシリコンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等の哺乳瓶の乳首の材料を用いてもよい。
更に、上記の実施形態では、巻付部を直線的に伸びた細長い長方形状に形成した場合について説明したが、巻付部は曲線的に曲がっているものであってもよい。図4に巻付部が曲線的に曲がっている陥没・扁平乳頭矯正テープの一例を示す。
加えて、上記の実施形態では、使用者本人が本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープを装着する場合について説明したが、医師、助産師、家族等に装着してもらうこともできる。
以上説明したように、本発明の陥没・扁平乳頭矯正テープでは、例えば使用者は、乳房から乳頭を突出させた状態で乳頸部に巻付部を巻き付け、各貼付部を乳輪部の周辺における乳房に貼り付けることにより、陥没・扁平乳頭矯正テープを容易に装着することができると共に、正常な乳頭の状態を確実に維持することができる。したがって、本発明は、陥没乳頭又は扁平乳頭を患う女性であれば誰でも使用して、陥没乳頭又は扁平乳頭の矯正を図ることができる。
10 巻付部
20a,20b 貼付部
51 乳頭
52 乳輪部
53 乳頸部

Claims (4)

  1. 陥没乳頭又は扁平乳頭を矯正するために用いられる陥没・扁平乳頭矯正テープであって、
    乳房から乳頭を突出させた状態でその乳頭と乳輪部との境界部分である乳頸部に巻き付けるための帯状の巻付部と、
    前記巻付部の二つの先端の各々に連なって形成された、一方の面が粘着性を有する平面状の貼付部と、
    を備え、
    前記巻付部の長さが35〜65mmであり、前記巻付部の幅が2〜3mmであることを特徴とする陥没・扁平乳頭矯正テープ。
  2. 前記各貼付部は防水性を有することを特徴とする請求項1記載の陥没・扁平乳頭矯正テープ。
  3. 前記各貼付部は透湿性を有することを特徴とする請求項1又は2記載の陥没・扁平乳頭矯正テープ。
  4. 前記巻付部と連なる境界の近傍における前記各貼付部についてはその幅が当該貼付部の先端側に行くに従って徐々に広くなっており、且つ、前記各貼付部の端縁は滑らかな曲線形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の陥没・扁平乳頭矯正テープ。
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