JP2014209077A - びびり音評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】定量評価を行うことが可能な車両の室内に発生するびびり音評価方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本びびり音評価方法は、車両の室内に設けられたスピーカの作動に起因して前記室内の内装部材が振動することにより発生するびびり音の発生度合いの評価を行う、びびり音評価方法であって、前記室内に設けられたスピーカが作動しているときの音データであって、前記室内の所定の場所の音データを取得する音データ取得ステップと、前記音データについて離散フーリエ変換を行い、前記音データのスペクトルを出力するスペクトル出力ステップと、前記スペクトル出力ステップにより出力された前記音データのスペクトルについて離散フーリエ変換を行い、前記音データのケプストラムを出力するケプストラム出力ステップと、を有し、前記ケプストラム出力ステップにより出力された前記ケプストラムに基づいて、前記評価を行うことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の室内に生じる異音を評価する技術に関するものである。
車両の室内で生じる異音として、びびり音がある。びびり音は、例えば、車両の室内に設けられたスピーカからCD等の音源を再生したときに、当該室内の内装部材等がスピーカからの音波により振動(共振)することによって発生する音をいう。当該びびり音は、車両の乗員を不快にさせるため、乗員にとって気にならないレベルまで低減されることが望ましい。
車両開発段階においては、通常、開発中の車両の室内に設けられたスピーカから評価用音源を出力し、どの程度のびびり音が発生するか(びびり音の発生度合い)についてのびびり音評価を行う。その結果に基づき、内装部材等の改善を行い、再度、びびり音評価を行い、乗員が気にならないレベルであると判定される所定の基準になるまで、この作業が繰り返し行われる。
従来から、びびり音(びびり振動)に関する評価は、例えば、特許文献1のように人間の主観的判断に基づいて評価されており(以下、官能評価と呼ぶ)、車両の室内で生じるびびり音についても、実際に車両に乗り込んだ熟練評価者の官能評価により行われている。
特開2012−137327号公報 特開2012−026870号公報
しかしながら、このような官能評価では、熟練評価者による評価とは言え、人間の主観的判断であるため、客観性の観点から問題を生じる場合がある。また、各評価者の評価技能には差が生じるため、精度、再現性の点で問題を生じる場合ある。また、官能評価において、一定の精度、信頼性を確保するために、びびり音評価を行うたびに、多くの評価者による評価を行う必要があり、人員確保、時間的制約の観点で問題を生じる場合がある。
そこで、上記課題に鑑み、車両の室内に発生するびびり音の発生度合いについて、定量的に評価を行うことが可能なびびり音評価方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、実施の形態において、本びびり音評価方法は、
車両の室内に設けられたスピーカの作動に起因して前記室内の内装部材が振動することにより発生するびびり音の発生度合いの評価を行う、びびり音評価方法であって、
前記室内に設けられたスピーカが作動しているときの音データであって、前記室内の所定の場所の音データを取得する音データ取得ステップと、
前記音データについて離散フーリエ変換を行い、前記音データのスペクトルを出力するスペクトル出力ステップと、
前記スペクトル出力ステップにより出力された前記音データのスペクトルについて離散フーリエ変換を行い、前記音データのケプストラムを出力するケプストラム出力ステップと、を有し、
前記ケプストラム出力ステップにより出力された前記ケプストラムに基づいて、前記評価を行うことを特徴とする。
本実施の形態によれば、車両の室内に発生するびびり音の発生度合について、定量的に評価を行うことが可能なびびり音評価方法を提供することができる。
第1、第2の実施形態に係るびびり音評価方法を行うためのハードウェア構成例を示す図である。 第1、第2の実施形態に係るびびり音評価方法のフローチャートを示す。 FFT解析における音データのフレーム分割を説明する図である。 音データのスペクトルのフレーム毎のパワーの推移の一例を示す図である。 びびり音とケプストラムの関係を模式的に説明する図である。 びびり音評価用フレームのケプストラムの一例を示す図である。 ケプストラムピーク値の平均値と官能評価(評価点)との相関関係の一例を示す図である。 評価用CDの回転速度を変化させてびびり音評価を行った場合の官能評価(評価点)、ケプストラムピーク値の平均値の関係の一例を示す図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係るびびり音評価方法を行うためのハードウェア構成例を示す。なお、図1は、一例であり、後述する図2に示すびびり音評価方法を実行可能なハードウェアの構成であれば、本構成には限られない。
評価車両1は、室内のびびり音を評価する車両である。
評価車両1には、室内にオーディオ装置10とオーディオ装置10に接続されたスピーカ20が搭載される。
オーディオ装置10は、CDプレーヤー(不図示)等を含み、CDを再生し、スピーカ20を介して音として出力させることができる。また、オーディオ装置10に含まれるCDプレーヤーは、基準回転速度(70Hz)を有し、通常、基準回転速度にて再生を行う。また、回転速度(再生速度)を基準回転速度に対して、遅くしたり、速くしたり、変化させることも可能である。本実施形態においては、後述するとおり、オーディオ装置10のCDプレーヤーにより所定の回転速度で再生されたびびり音評価用CD(以下、単に「評価用CD」と呼ぶ)がスピーカ20から音として出力され、そのときの評価車両1室内の音データを後述する騒音計40で集音する。なお、評価用CDは、びびり音の評価においては、常に、同じものが用いられる(ここで言う「同じ」とは、物としてのCD自体が同じという意味ではなく、CDの内容である音楽等が同じであるという意味である)。
スピーカ20は、上述のとおり、オーディオ装置10と接続され、オーディオ装置10からの信号に基づいて作動し、音を出力する。本実施形態においては、オーディオ装置10に含まれるCDプレーヤーにて再生される評価用CDの信号に基づいて、スピーカ20は、作動し、音を出力する。
評価車両1の運転席シート30には、騒音計(集音装置)40が設けられる。騒音計40は、後述するとおり、オーディオ装置10のCDプレーヤーにて、評価用CDが再生され、スピーカ20から音として出力されているときの室内の音データを集音(取得)する。具体的には、着座した運転者の耳に届く音を取得するため、騒音計40は、乗員の耳の位置(高さ)近傍に配置される。なお、騒音計40は、助手席シート(不図示)に設けられ、助手席に着座した乗員の耳に届く音を集音してもよいし、運転席シート30と助手席シートの両方に設けられて、運転席シート30と助手席シートとに着座した乗員の耳に届く音の両方を集音してもよい。
騒音計40で取得された音データは、所定時間(サンプリング時間)間隔で離散化されたデジタルデータとして、後述する記憶装置50に記憶される。
評価車両1の外部には、記憶装置50とFFT(Fast Fourier Transform)解析装置60が設けられる。なお、記憶装置50とFFT解析装置60は、評価車両1の内部に設置されてもよい。
記憶装置50は、騒音計40と接続され、騒音計40により集音された音データを記憶するための記憶手段である。例えば、PC(Personal Computer;パーソナルコンピュータ)内のハードディスク等を用いることができる。また、記憶装置50は、後述するFFT解析装置60が出力する音データのスペクトル、ケプストラムについても記憶する。なお、ケプストラムについては、後ほど詳述する。
FFT解析装置60は、記憶装置50に記憶された騒音計40により集音された音データのFFT解析を行い、音データのスペクトルを出力する。FFT解析においては、DFT(Discrete Fourier Transform;離散フーリエ変換)を高速で行うアルゴリズムを用いて、入力されたデータ(信号)についてDFTを行い、スペクトルを出力する。具体的には、後述するが、音データを部分的に重複させながら所定時間長で分割した各フレーム毎にFFT解析を行い、その音データの各フレーム毎のスペクトルを出力する。出力された音データの各フレーム毎のスペクトルは、記憶装置50に記憶される。
また、FFT解析装置60は、記憶装置50に記憶された音データの各フレーム毎のスペクトルのうち、後述する評価用フレームのスペクトルについて、FFT解析を行い、音データの各評価用フレームのケプストラムを出力する。なお、スペクトルのFFT解析とは、スペクトルを時系列データとみなしてFFT解析を行うことである。
なお、FFT解析装置60は、解析結果を視覚的に見ることが可能なモニタ等を有してもよい。
図2は、本実施形態に係るびびり音評価方法のフローチャートを示す。
以下、図2のフローチャートに基づき、本実施形態に係るびびり音の評価方法を説明する。
まず、ステップS1にて、評価用CDをオーディオ装置10のCDプレーヤーにて再生し、一定音量で、評価車両1のスピーカ20から出力する。そして、運転席および/又は助手席における音データを騒音計40で集音する。集音された音データは、上述したとおり、記憶装置50に記憶される。記憶装置50に記憶される音データは、所定の計測時間の間で集音されたものであり、上述したとおり、所定時間(サンプリング時間)間隔で離散化されたデジタルデータである。なお、評価用CDのCDプレーヤーでの再生は、所定の回転速度(再生速度)にて行う。
次に、ステップS2にて、FFT解析装置60を用いて、ステップS1で集音した音データのスペクトルを出力する。具体的には、FFT解析装置60にて、まず、音データを部分的に重複させながら所定時間長で分割する。図3は、FFT解析における音データのフレーム分割を説明する図である。図3を参照するに、音データの中の最初のフレームである所定時間長のフレーム1に対して、フレーム2は、所定時間長の半分の時間をシフトさせて設定され、フレーム3は、同様にフレーム2に対して、所定時間長の半分の時間をシフトさせて設定される。前後のフレームは、フレーム長(所定時間長)の半分を重複させながら設定されている。なお、本実施形態では所定時間長の半分をシフトさせているが、例えば、所定時間長の70%をシフトさせる等してもよい。このようにして、音データをフレーム分割する。次いで、音データの各フレーム毎にFFT解析を行う。音データの各フレーム毎にFFT解析装置60によりDFTが行われ、音データの各フレーム毎のスペクトルが出力される。出力された音データの各フレーム毎のスペクトルは、記憶装置50に記憶される。
次に、ステップS3にて、ステップS2で出力された音データの各フレームのスペクトルに基づいて、びびり音を生じさせるフレームを抽出する。びびり音を生じさせるフレームとは、例えば、ウッドベース音のように低音かつ大きな音圧を有する音を含むフレームである。具体的には、まず、音データの各フレームのスペクトルの全周波数帯域におけるパワー平均値を算出する。次いで、音データの各フレーム毎のパワー平均値を比較し、びびり音を生じさせるフレームを抽出する。図4は、パワー平均値の推移を示した一例であり、フレーム1〜10の10フレーム分の推移が示されている。図4を参照するに、フレーム2は、他のフレームに対して大きなパワー平均値を示している。この場合、フレーム2をびびり音を生じさせるフレームとして抽出する。具体的な抽出方法としては、例えば、他のフレームのパワーと比較して所定値以上大きいパワー平均値のフレームを抽出する等により行う。なお、音データの各フレーム毎のパワー平均値については、FFT解析装置60にて、音データの各フレーム毎のスペクトルを出力する際に、併せて出力されてもよい。なお、ステップS3は、例えば、記憶装置50を一体として含むPC(CPU)で実行されるプログラム等により、自動的に行われてもよいし、本実施形態に係るびびり音評価方法を実行する作業者が、手動で行ってもよい。
次に、ステップS4にて、ステップS3で抽出したびびり音を生じさせるフレームに基づいて決定される音データの各びびり音評価用フレーム(以下、単に評価用フレームと呼ぶ)のスペクトルについて、FFT解析を行い、音データの各評価用フレームのケプストラムを出力する。具体的には、ステップS3で抽出されたびびり音を生じさせるフレームから所定フレーム数以後の各フレームを音データの評価用フレームとする。びびり音を生じさせるフレームから実際にびびり音が発生し始めるフレームまで間隔がある点を考慮して、本実施形態においては、経験的に、びびり音を生じさせるフレームから2フレーム以後の各フレームを音データの評価用フレームとする。なお、時間的制約等がなければ、びびり音を生じさせるフレームの次のフレーム(1フレーム後)から評価用フレームとしてケプストラムを出力してもよい。次いで、音データの各評価用フレームのスペクトルについて、FFT解析を行う。音データの各評価用フレームのスペクトルについて、FFT解析装置60によりDFTが行われ、音データの各評価用フレームのケプストラムが出力される。なお、びびり音評価の精度向上の観点から、びびり音を生じさせるフレームに起因したびびり音が生じて減衰して消えるまでの音データが上述した評価用フレームには全て含まれていることが好ましい。よって、上述したステップS1にて取得される音データは、びびり音が発生して消滅するまでの時間よりも十分に長い時間のデータであることが好ましい。また、ステップS4における評価用フレームの決定、スペクトルのFFT解析装置60への転送等は、例えば、記憶装置50を一体として含むPC(CPU)で実行されるプログラム等により、自動的に行われてもよいし、本実施形態に係るびびり音評価方法を実行する作業者が、手動で行ってもよい。
ここで、ケプストラム及びステップS4にてケプストラムを出力する技術的意義について説明をする。
ケプストラム(Cepstrum)は、スペクトル(Spectrum)の文字を入れ替えたアナグラムであり、スペクトルを信号(データ)とみなしてフーリエ変換を行った結果をいう。時間領域の音データについてフーリエ変換を行うと、周波数領域の音データのスペクトルを導出でき、当該周波数領域の音データのスペクトルを信号とみなしてフーリエ変換を行うと、ケフレンシー(Quefrency)領域のケプストラムを導出することができる。ケプストラムのグラフにおける横軸の独立変数であるケフレンシーは、時間の単位を有するが、音データの時間領域の時間とは異なるため、周波数(Frequency)の文字を入れ替えたアナグラムである当該ケフレンシーが用いられる。なお、ここで述べたフーリエ変換には、上述した離散化されたデータを取り扱うDFTも含まれるものとする。
図5は、びびり音とケプストラムの関係を模式的に説明する図である。なお、図5における音データ(時間領域)のうち、DFTされるフレームの音データを実線として表している。また、スペクトル(周波数領域)のグラフにおいて、スペクトル自体は、点線で表されている。ステップS1にて、評価車両1の室内の騒音計40により集音される音のデータには、スピーカ20からの直接音と評価車両1の内装部材(不図示)が振動(共振)することにより発生するびびり音の2つの音が含まれる。この2つの音は、ステップS2にて、音データの各フレームについてFFT解析を行い、出力される各フレームのスペクトルのグラフにおいて、異なる構造として表れる。直接音は、スペクトルのグラフにおいて、周波数に対して比較的滑らかに変化する性質を有し、図5のスペクトルのグラフのように、スペクトル包絡70(スペクトルの概形成分)として表れる。これに対して、びびり音は、スペクトルのグラフにおいて、パワーは小さいが周波数に対して細かく振動変化する性質を有し、図5のスペクトルのグラフのように、スペクトル微細構造80、すなわち、スペクトル包絡70の上に乗っている細かい振動成分として表れる。よって、ステップS4にて、スペクトルを信号(データ)とみなしてFFT解析を行い、出力される各評価用フレームのケプストラムにおいて、直接音の成分とびびり音の成分は分離されて表れる。具体的には、スペクトルのグラフにおいて、比較的滑らかに変化する直接音の成分は、図5のケプストラムのグラフのようにケプストラムにおいて低ケフレンシー領域に表れる。また、スペクトルのグラフにおいて、細かい振動変化するびびり音の成分は、ケプストラムにおいて比較的高いケフレンシー領域に現れ、図5のケプストラムのグラフに示すように、一般に、パルス状のピーク90を持って表れる。そのため、ステップS4にて、音データの各評価用フレームのケプストラムを出力することにより、びびり音の成分を分離することが可能となり、後述する音データの各評価用フレームのケプストラムのパルス状のピーク90の値(以下、ケプストラムピーク値と呼ぶ)の平均値を用いて、びびり音の定量評価を行うことができる。
次に、ステップS5にて、音データの各評価用フレームのケプストラムピーク値の平均値(以下、単にケプストラムピーク値の平均値と呼ぶ)を算出する。具体的には、まず、音データの各評価用フレームのケプストラムピーク値を取得する。ケプストラムピーク値は、一般に、所定のケフレンシー範囲に見られる。図6は、音データの評価用フレームのケプストラムの一例を示す図であるが、びびり音が生じている場合には、一般に、図6のように、15msec〜20msec(0.015sec〜0.020sec)の範囲にパルス状のピーク100が表れる。このピークのケプストラム値(ケプストラムピーク値)を音データの各評価用フレームのケプストラムについて取得する。次いで、取得した音データの各評価用フレームのケプストラムピーク値を元にして、平均値を算出する。本実施形態においては、加算平均であるが、例えば、加重平均等を用いてもよい。また、びびり音を生じさせるフレームからある程度時間が経過した後の評価用フレームにおいては、びびり音が生じていない。すなわち、当該評価用フレームのケプストラムにはパルス状のピーク100は表れない。よって、上述したケプストラムピーク値の平均値を算出する場合には、パルス状のピーク100が表れている評価用フレームについてのケプストラムピーク値の平均値を算出するのが好ましい。なお、ステップS5は、例えば、記憶装置50を一体として含むPC(CPU)で実行されるプログラム等により、自動的に行われてもよいし、本実施形態に係るびびり音評価方法を実行する作業者が、手動で行ってもよい。
次に、ステップS6にて、ステップS5にて算出したケプストラピーク値の平均値が所定の閾値以下であるか否かを判定する。ケプストラムピーク値の平均値が閾値以下である場合には、ステップS7にて、びびり音が評価車両1の乗員にとって気にならないと判定する。また、ケプストラムピーク値の平均値が閾値より大きい場合には、びびり音が乗員にとって気になると判定する。なお、ステップS6、S7、S8は、例えば、記憶装置50を一体として含むPC(CPU)で実行されるプログラム等により、自動的に行われてもよいし、本実施形態に係るびびり音評価方法を実行する作業者が、手動で行ってもよい。
ここで、従来のびびり音評価方法(官能評価)と本実施形態に係る評価方法との関係及びステップS7における閾値の具体的な設定について説明する。
従来のびびり音評価方法である官能評価は、背景技術においても説明したとおり、熟練評価者が主観的判断に基づいて行う。例えば、5段階評価による評価点方式を採用し、3点を「びびり音が気にならない」と判定する基準点として、評価点が高いほど、びびり音の発生度合いが小さくなるものとし、1点〜5点までの評価点による評価を複数の評価者が行うことで、びびり音を評価していた。そして、複数の評価者の平均が3点以上であれば、「びびり音が気にならない」と判定する等を行っていた。図7は、当該官能評価による評価点とステップS5にて算出したケプストラムピーク値の平均値との相関関係の一例を示す図である。図7において、縦軸は、ステップS5にて算出したケプストラムピーク値の平均値、横軸は、官能評価による評価点を示している。図7を参照するに、ケプストラムピーク値の平均値と官能評価による評価点は高い相関が得られており、ケプストラムピーク値の平均値をびびり音の定量評価指標として用いる本実施形態に係る評価方法が有効であることを示している。また、図7に示す相関を用いて、ケプストラムピーク値の平均値の上述した閾値を設定するとよい。図7に示す、ケプストラムピーク値の平均値と官能評価による評価点との線形相関ライン110を参照するに、「びびり音が気にならない」と評価される官能評価点の3点に対応するケプストラムピーク値の平均値は、約0.13である。よって、図7に示す一例の場合においては、ステップS6における閾値は、0.13の前後に設定すればよい。これにより、従来の官能評価と同様に、びびり音の発生度合いを評価することが可能となり、びびり音が気になるか否かを判定することができる。
次いで、本実施形態に係るびびり音評価方法の作用について説明する。
上述したとおり、音データのケプストラムを用いることで、音データからびびり音の成分を分離して取り出すことができ、取り出したケプストラムピーク値を評価指標とすることで、びびり音についての定量評価を行うことができる。これにより、車両開発段階においてびびり音の評価を行う場合に、毎回、複数名の熟練評価者による評価を行い、多くの時間を必要としていたという従来の官能評価における問題を解消することができる。また、定量評価により客観的な判断を行うことが可能となり、びびり音評価の信頼性が高まる。また、熟練評価者による官能評価が必要等の技能的制約がなくなるため、びびり音評価の精度も高まる。
また、上述したとおり、従来の官能評価の評価点とケプストラムピーク値の平均値とは高い相関関係が得られているため、本実施形態に係るびびり音評価方法により高い精度でびびり音評価を行うことができる。
また、従来の官能評価の評価点との相関関係を用いて、びびり音を評価する際の閾値を設定することにより、従来の官能評価からの継続性を確保し、従来の官能評価による評価との比較等を行うことも可能となり、利便性も高い。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係るびびり音評価方法について説明する。
本実施形態に係るびびり音評価方法は、図1により本実施形態に係るびびり音評価方法を行うためのハードウェア構成例が表され、基本的に図2のフローチャートに示される評価方法であるという点は、第1の実施形態に係るびびり音評価方法と同じである。第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態は、所定の回転速度で評価用CDを再生して、びびり音の評価を行う場合のびびり音評価方法であるのに対して、本実施形態は、評価用CDの回転速度を変化させて、複数の回転速度についてのびびり音の評価を行う場合のびびり音評価方法であるという点である。具体的には、例えば、評価用CDの回転速度を40Hz〜100Hzの間を5Hz刻みで変化させて、各回転速度について、それぞれ図2のフローチャートで示すびびり音評価方法を実行する。この際に、後述するように、ステップS6の閾値の設定について、評価用CDの回転速度に応じて、変更を行う。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明をする。
まず、前提として、評価用CDの回転速度(再生速度)を変化させて、びびり音の評価を行う背景について、簡単に説明する。びびり音の評価には、上述したとおり毎回同じ評価用CDを用いる。このとき、評価用CDに含まれるびびり音を生じさせる音の周波数帯は決まっているため、当該周波数帯で共振する内装部材等のびびり音を評価することはできるが、それ以外の周波数帯で共振する内装部材等のびびり音を評価することはできない。よって、同じ評価用CDの回転速度を基準回転速度(70Hz)から遅くする(40Hz〜70Hz)ことにより、びびり音を生じさせる音を低音側にシフトさせることができ、基準回転速度から速くする(70Hz〜100Hz)ことにより、びびり音を生じさせる音を高音側にシフトさせることができる。これにより、評価車両1の室内に生じうる様々なびびり音を評価することが可能になる。そのため、評価用CDの回転速度を変化させて、複数の回転速度について、びびり音の評価を行う場合がある。
なお、本実施形態において、評価用CDの回転速度を変更させて、びびり音を評価するのは、上述のとおり、びびり音を生じさせる音の周波数を変化させるためである。よって、評価用CDの回転速度を変化させることは、図2のステップS1にて、騒音計40が音データを取得する際に、スピーカ20から出力される音(出力音)の周波数帯を変化させる
ことに対応する。よって、例えば、評価用CDの回転速度を速くした場合又は遅くした場合に対応する別の評価用CDを複数枚用意して、各評価用CDについて回転速度は一定のままで、びびり音の評価を行う等してもよい。
次に、図2の本実施形態に係るびびり音評価方法のフローチャートについて説明する。上述したとおり、本実施形態についても第1の実施形態と同様に、図2のフローチャートに沿ってびびり音の評価を行う。そのため、第1の実施形態とは異なる部分についてのみ説明する。
ステップS6では、第1の実施形態と同様に、ステップS5にて算出したケプストラピーク値の平均値が所定の閾値以下であるか否かを判定する。ケプストラムピーク値の平均値が閾値以下である場合には、ステップS7にて、びびり音が評価車両1の乗員にとって気にならないと判定する。また、ケプストラムピーク値の平均値が閾値より大きい場合には、びびり音が乗員にとって気になると判定する。
ここで、図8(a)は、評価用CDの回転速度を変化させてびびり音評価を行った場合の回転速度と官能評価(評価点)との関係を示す棒グラフであり、図8(b)は、回転速度とケプストラムピーク値の平均値との関係を示す棒グラフである。図8(a)を参照するに、評価用CDの回転速度が55Hzと80Hzの場合の評価点は、ほぼ同じ約3点である。それに対して、図8(b)を参照するに評価用CDの回転速度が55Hzと80Hzのときのケプストラムピーク値の平均値は、それぞれ、約0.12、約0.25と値が大きく異なる。つまり、評価用CDの回転速度を変化させてびびり音の評価を行う場合のステップS6における閾値は、評価用CDの回転速度に応じて変化させるのが好ましいことがわかる。
そこで、図8(c)は、評価用CDの回転速度を変化させてびびり音評価を行った場合のケプストラムピーク値の平均値と評価用CDの回転速度との関係の一例を示した図である。縦軸は、ケプストラムピーク値の平均値、横軸は、評価用CDの回転速度を示し、図中の各プロットのうち、官能評価の評価点が3点のものは、符号120で示す5つ(40Hz、45Hz、50Hz、55Hz、80Hz)である。図8(c)を参照するに、評価点3点のケプストラムピーク値と、評価用CDの回転速度は、高い相関関係を示し、評価用CDの回転速度を速くするのに応じて、ケプストラムピーク値は線形で大きくなる。図8(c)における実線は、評価点が3点のケプストラムピーク値と評価用CDの回転速度との線形相関ライン130を示している。当該線形相関ライン130を用いて、評価用CDの回転速度に応じた閾値を設定するとよい。例えば、線形相関ライン130において、60Hzに対応するケプストラムピーク値の平均値は、約0.15であるので、評価用CDの回転速度を60Hzとして、びびり音の評価を行う場合には、閾値を0.15前後とすればよい。また、線形相関ライン130において、100Hzに対応するケプストラムピーク値の平均値は、約0.3であるので、評価用CDの回転速度を100Hzとして、びびり音の評価を行う場合には、閾値を0.3前後とすればよい。このように、本実施形態においては、評価用CDの回転速度を変化させてびびり音評価を行う場合に、評価用CDの回転速度を早くするのに応じて、ステップS6の閾値を大きくし、評価用CDの回転速度を遅くするのに応じて、ステップS6の閾値を小さくする。換言すれば、図2のステップS1にて、騒音計40が音データを取得する際に、スピーカ20から出力される音(出力音)の周波数帯を変化させてびびり音評価を行う場合には、出力音の周波数帯を高くするのに応じて、ステップS6の閾値を大きくし、出力音の周波数帯を低くするのに応じて、ステップS6の閾値を小さくすることになる。
これにより、上述した評価車両1の室内に生じうる様々なびびり音を評価するために、評価用CDの回転速度を変化させる等してびびり音評価を行う場合であっても、本実施形態に係るびびり音評価方法により高い精度でびびり音の評価を行うことができる。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
上述した各実施形態においては、評価用CDをオーディオ装置10のCDプレーヤー(不図示)で再生させているが、音源の種類は、CDには限られない。例えば、オーディオ装置10のハードディスク(不図示)等に記憶された評価用音源データ(ACC、MP3等)を再生させて、びびり音の評価を行ってもよい。また、オーディオ装置10が無線、有線を問わず、通信機能を有する場合であって、通信ネットワークを通じて配信される音源や別の情報処理端末から送信される音源等をオーディオ装置10を通じて、スピーカ20から出力させて、びびり音の評価を行ってもよい。
1 評価用車両
10 オーディオ装置
20 スピーカ
30 運転席シート
40 騒音計
50 記憶装置
60 FFT解析装置
90、100 パルス状のピーク

Claims (5)

  1. 車両の室内に設けられたスピーカの作動に起因して前記室内の内装部材が振動することにより発生するびびり音の発生度合いの評価を行う、びびり音評価方法であって、
    前記室内に設けられたスピーカが作動しているときの音データであって、前記室内の所定の場所の音データを取得する音データ取得ステップと、
    前記音データについて離散フーリエ変換を行い、前記音データのスペクトルを出力するスペクトル出力ステップと、
    前記スペクトル出力ステップにより出力された前記音データのスペクトルについて離散フーリエ変換を行い、前記音データのケプストラムを出力するケプストラム出力ステップと、を有し、
    前記ケプストラム出力ステップにより出力された前記ケプストラムに基づいて、前記評価を行うことを特徴とする、
    びびり音評価方法。
  2. 前記スペクトル出力ステップは、
    前記音データを部分的に重複させながら所定時間長で分割した各フレーム毎に離散フーリエ変換を行い、前記各フレームそれぞれのスペクトルを出力し、
    前記ケプストラム出力ステップは、
    前記各フレームのスペクトルに基づき、前記各フレームから前記びびり音を生じさせるフレームを抽出し、当該びびり音を生じさせるフレームよりも所定フレーム数以後の各フレームをびびり音評価用フレームとして離散フーリエ変換を行い、前記びびり音評価用フレームのケプストラムを出力し、
    前記びびり音評価用フレームの前記ケプストラムについての所定のケフレンシー範囲におけるパルス状ピーク値に基づいて、前記評価を行うことを特徴とする、
    請求項1に記載のびびり音評価方法。
  3. 前記びびり音評価用フレームの前記ケプストラムのうち、所定のケフレンシー範囲にパルス状ピーク値を含むびびり音評価用フレームのケプストラムについて、該パルス状ピーク値の平均値を算出し、該平均値に基づいて、前記評価を行うことを特徴とする、
    請求項2に記載のびびり音評価方法。
  4. 前記平均値が所定の閾値以下である場合に、びびり音が前記車両の乗員にとって気にならないと判定することを特徴とする、
    請求項3に記載のびびり音評価方法。
  5. 前記音データ取得ステップにおいて前記音データを取得する際に作動している前記スピーカからの出力音の周波数帯を変化させて、前記評価を行う場合には、
    前記出力音の前記周波数帯を高くするのに応じて、前記閾値を大きくし、
    前記出力音の前記周波数帯を低くするのに応じて、前記閾値を小さくすること、を特徴とする、
    請求項4に記載のびびり音評価方法。
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