JP2014206916A - 作業履歴分析装置及び作業履歴分析システム並びに作業履歴分析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】参照したい過去のイベントの改善/悪化を判断する際に、自然文の記載の述語の善悪や指標の正常値の知識が無い場合にも、的確に推定できるようにする。【解決手段】作業履歴分析装置は、状態変化イベントの改善・悪化判断手段を備え、ある作業を行った後の状態もしくは状態の変化に関する自然文記載について、それが改善であるか悪化であるかの判断を、課題と状態変化について予め定義された整合性のルールに基づき、他の処置イベントの原因かどうか、また先行する目的と整合性が取れているかどうかを調べ、さらには、類似する他の文書の類似イベントを収集参照し、多数決を用いて推定したり属性の正常範囲を推定する等、多段階で判断する。【選択図】図2A
Description
本発明は、作業とその結果の履歴が記載された文書群を対象として、作業の効果(改善・悪化)の観点から作業履歴の分析を行うことを可能にする技術に関する。
対象の改善を目的とした作業を行う際に、過去に行われた作業履歴の記載を参照する場合がある。類似の状況下において、どのような作業がなされたか、またその結果はどうであったか、改善したケースにはどのようなケースがあり、悪化したケースとしてはどのようなケースがあるのか、を一覧することができれば、より的確な作業を行うために望ましいと考えられる。
特許文献1には、医療分野において、各患者に対して行われた一連の治療経過と検査結果とを時系列に表示し、患者の検査結果履歴や治療効果を一元的に確認できるようにする技術が記載されている。
また、特許文献2および特許文献3には、対象の評価に関する記述文書から辞書を用いて善し悪しなどの評価を判断し、否定表現があれば判断を反転させる分析技術が記載されている。
また、特許文献2および特許文献3には、対象の評価に関する記述文書から辞書を用いて善し悪しなどの評価を判断し、否定表現があれば判断を反転させる分析技術が記載されている。
非特許文献1には、医療に関する作業履歴(退院時サマリーなど)を記載した自然文を構造化されたデータ形式に変換する技術について記載されている。非特許文献2には、その中でさらに要素技術として利用する日本語形態素解析技術(単語分割・品詞情報付与)について記載されている。非特許文献3には、同じく自然文の構造化の中で使われる文分割や文節分割などの基本技術について記載されている。
特許文献4には、類似の状況下における作業履歴を検索する際に用いられる、制約条件付き連想検索技術について記載されている。非特許文献4の15章には、連想検索(類似文書検索)の際に用いられる、ベクトル空間モデルによる類似度計算について記載されている。特許文献5には、文書データベースの中の任意の文書群から特徴語を抽出する方法について記載されている。
"臨床医療テキストの構造化システム"in" 言語処理学会第16回年次大会予稿集"337−340ページ, 2010年
"形態素解析システム『茶筌』バージョン2.2.9使用説明書",奈良先端科学技術大学院大学 松本研究室, 2002年
"入門 自然言語処理",オライリー, 2010年
"Foundations of Statistical Natural Language Processing",The MIT Press, 1999年
過去、類似の状況下において、状態の改善を目的としてどのような作業がなされたか、またその結果として状態が改善されたケースと悪化したケースに分類して一覧できれば、より的確に作業を行うことができる。しかし状態やその変化に関して書かれた記述には常に、改善、悪化の判断を明らかに示す表現が記載されていない場合が多い。例えば、ある患者に対して行われた治療行為に関して、カルテに記載された文章からその治療行為の結果が改善、悪化の何れに相当するのか、明示的な記載の無い場合が多い。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、作業の結果の状態や状態の変化に関して記載された作業履歴の自然文から、その状態が改善に相当するのか悪化に相当するのかという判断を、作業履歴に明示的な判断の記載が無い場合にも的確に判断できるようにすることを目的とする。
本発明の代表的なものの一例を示すと、次のとおりである。作業履歴分析装置は、類似文書検索手段と、イベント系列への構造化手段と、状態変化イベントの改善・悪化判断手段と、作業&判断別集約手段と、データベースとを備え、前記イベント系列は、構成要素としてイベントの種類を有し、該イベントの種類は、作業、状態若しくは状態変化、及び、時間経過、を含み、前記類似文書検索手段は、与えられた検索条件で前記データベースから文書群を分析対象として抽出し、前記イベント系列への構造化手段は、前記分析対象の文書群の各自然文テキストから、前記作業と前記状態変化と前記時間経過に関する構造化されたイベント系列を作成し、前記状態変化イベントの改善・悪化判断手段は、予め定義された課題と状態変化との整合性のルールに基づいて、前記構造化されたイベント系列の、前記課題と実際の状態や該状態の変化の記述から、状態の改善/悪化を判断し、前記作業&判断別集約手段は、前記作業イベントとその後の前記状態変化及び前記改善/悪化を組にして抽出することを特徴とする。
本発明によれば、過去における類似した状況下において、どのような作業がなされたか、またその結果として状態が改善したケースにはどのようなケースがあり、悪化したケースとしてはどのようなケースがあるのか、作業履歴に改善・悪化の明示的な判断の記載が無い場合にも、一覧することができるようになるので、現在対処中の状況においてより的確な作業を行うことができ、作業の質を向上させることができる。
本発明の作業履歴分析システムは、作業履歴分析管理部に状態変化イベントの改善・悪化判断手段を備え、ある作業を行った後の状態もしくは状態の変化に関する自然文記載について、それが改善であるか悪化であるかの判断を多段階で判断することによって、判断に失敗するケースをより少なくするものである。例えばあるカルテにおいて、自然文の記載が明示的な表現であり、それに基づいて判断ができるケースについては、それに従う。自然文の記載が明示的な表現でない場合には、課題と状態の対応関係を判断してから、判定する。それでも判定できない場合には、他の文脈で改善・悪化の判断ができるケースを収集し、正常範囲を推定する。なお、本発明における「自然文記載」に関し、例えば患者の電子カルテの中で使用され電子データ化されている各種の記号、例えば「(↓)」等についても、それが自然文との関係での特定の状態や意味を表現するのに使用されているものは、「自然文記載」の一部として扱う。
本発明に係る作業履歴分析方法は、指定された状況と類似する状況下における作業履歴を記載した文書群から、どのような作業が行われたか、また各作業に対して、その後の状態および状態の変化に関する記載を特定し、さらにその状態やその変化が改善であったか悪化であったかが明示的に記載されていない場合には、前後の文脈を解析し、さらにそれでも判断がつかない場合には、類似した文脈における複数の判断を総合することにより、より的確に改善・悪化の判断を行う。さらに得られたデータを作業の種類ごとに、また結果が改善されたケースと悪化したケースに整理された情報として提示する。
本発明によれば、関心を持っている状況(例えば病状)に対して、過去における類似した状況下において、どのような作業(例えば治療)がなされたか、またその結果として状態が改善したケースにはどのようなケースがあり、悪化したケースとしてはどのようなケースがあるのか、を一覧することができるようになるので、現在対処中の状況においてより的確な作業を行うことができ、作業の質を向上させることができる。
以下では、本発明に係る作業履歴分析装置、作業履歴分析システム、および作業履歴分析方法の具体的な構成例を説明する。
本発明の第一の実施例に係る、作業履歴分析システムを説明する。ここては、具体的な適用例として、病院における過去のカルテの分析により、医師が患者に対する治療を行うのを支援する作業履歴分析システムについて説明する。
まず、図1により、本発明の基本的な構成を説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る作業履歴分析システム1000の構成図である。作業履歴分析システム1000は、作業履歴分析装置100と、作業履歴閲覧分析端末200を有し、これらは通信ネットワーク300によって接続されている。作業履歴分析装置100と作業履歴閲覧分析端末200を一体化することもできる。通信ネットワーク300上または作業履歴閲覧分析端末200上には、プリンタなどの印刷手段400が接続される。なお、作業履歴分析システム1000は、通信ネットワーク300を介して、病院内の関係部署の他の端末やサーバ等、あるいは病院外の関係部署の端末やサーバ等にも適宜接続される。
まず、図1により、本発明の基本的な構成を説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る作業履歴分析システム1000の構成図である。作業履歴分析システム1000は、作業履歴分析装置100と、作業履歴閲覧分析端末200を有し、これらは通信ネットワーク300によって接続されている。作業履歴分析装置100と作業履歴閲覧分析端末200を一体化することもできる。通信ネットワーク300上または作業履歴閲覧分析端末200上には、プリンタなどの印刷手段400が接続される。なお、作業履歴分析システム1000は、通信ネットワーク300を介して、病院内の関係部署の他の端末やサーバ等、あるいは病院外の関係部署の端末やサーバ等にも適宜接続される。
作業履歴分析装置100は、演算部(CPU)110、主記憶部120、補助記憶部(データベース)130、入力部140、表示部150、通信部160を備えたコンピュータによって構成され、演算部110が主記憶部120に記憶された各種プログラムを実行することによって以下に述べる各手段が実現される。すなわち、演算部110は、主記憶部120が格納しているプログラムを実行することにより、作業履歴分析装置100の動作を制御する。主記憶部120は、作業履歴分析装置100が提供する作業履歴分析機能を実装したプログラムである作業履歴分析管理部121を格納している。主記憶部120には、処理中のデータを一時的に保持するワークエリアも確保される。
作業履歴分析管理部121は、サブモジュールとして、制約条件つき類似文書検索手段1211、文書実体アクセス手段1212、自然文テキストからイベント系列への構造化手段1213、状態変化イベントの改善・悪化判断手段1214、「作業&判断」別集約手段1215、特徴語抽出手段1216、参照イベント収集手段1217を有する。イベント系列への構造化手段1213は、医療に関する作業履歴を記載したカルテの自然文を構造化されたデータ形式に変換する。これらプログラムの動作の詳細については後述する。
補助記憶部(データベース)130は、ハードディスク等によって構成され、作業履歴分析管理部121の各手段を実行するのに必要な、データ、辞書やルール等の知識データベース等が格納されている。補助記憶部130(データベース)には、例えば、文書データ131と制約条件付き類似文書検索用索引データ132を格納する。文書データ131は、閲覧または分析の対象となる作業履歴、例えばカルテ、を記載した文書群を電子化したデータである。制約条件付き類似文書検索用索引データ132は、文書データ131を高速に検索するために用いられるインデックスデータやルール集である。その構造や作成方法については特許文献4の記載を援用する。また、データベースには、解決すべき「課題」と「状態変化」について予め定義された整合性のルールや、原因・目的判別のための辞書や文法の辞書なども格納されている。例えば、「課題」はある患者の症状や必要な治療に相当し、「状態変化」は、その患者に対する治療後の状態や状態の時間経過(状態変化)に相当する。なお、文書データ131の一部は、作業履歴分析装置100に通信ネットワーク300を介して接続される外部の情報処理装置のデータベースに格納されていても良い。
入力部140は、マウスやキーボードなどのような、ユーザから操作入力を受け取るデバイスである。表示部150は、ユーザが作業履歴分析装置100を操作する際に用いる画面を表示する。通信部160は、通信ネットワーク300を介して作業履歴閲覧分析端末200と通信し、後述する「作業&判断」別集約データを作業履歴閲覧分析端末200へ送信する。
作業履歴閲覧分析端末200は、演算部210、主記憶部220、補助記憶部230、入力部240、表示部250、通信部260を備えている。演算部210は、主記憶部220が格納しているプログラムを実行することにより、作業履歴閲覧分析端末200の動作を制御する。主記憶部220は、作業履歴閲覧分析端末200が提供する作業履歴閲覧分析機能を実装したプログラムである作業履歴閲覧分析管理部221を格納している。
作業履歴閲覧分析管理部221は、作業履歴分析装置100から受け取る後述の「作業&判断」別集約データを用いて、表示部250上に作業履歴閲覧分析画面251を表示させる。ユーザは作業履歴閲覧分析画面251を用いて、作業履歴文書の閲覧、検索、分析等の作業を実施する。
入力部240は、マウスやキーボードなどのようなユーザから操作入力を受け取るデバイスである。通信部260は、通信ネットワーク300を介して作業履歴分析装置100と通信する。
図2Aは、図1における作業履歴分析管理部121の中の、状態変化イベントの改善・悪化判断手段1214の機能を説明する図である。なお、状態変化イベントの改善・悪化判断手段1214の動作フローについては、後で、図14により、詳細に説明する。
本実施例の「状態変化イベントの改善・悪化判断手段」1214は、現在対処中の作業に関して、過去に、類似の状況下でなされた類似の作業を記録した文書群について、その類似の作業を行った後の状態もしくは状態の変化に関する各自然文の記載から、それが改善であるか悪化であるかの判断を多段階(A〜E)の順で判断することによって、現在対処中の状態においてより的確な作業ができ、判断に失敗するケースをより少なくするように、支援するものである。
過去の類似の作業は、次のA〜Eの何れかに該当する。
(A):明示的な表現で判断ができるケース。
(B):指標値が変化するタイプで、指標値の正常範囲が分かっているケース。
(C):(A)、(B)に該当せず、課題と状態の対応関係で判断するケース。
(C1):それが原因で対策を講じている場合には悪化と判断するケース。
(C2):先行文脈における目的とその状態が整合していれば改善、そうでなければ悪化と判断するケース。
(D):指標値が上下するタイプではないケース。(A)、(B)、(C)で判断ができない場合に、他の類似状態で(A)〜(C)で判断ができる場合を参照して、多数決に準じる方法で判断するケース。
(E):指標値が上下するタイプ。(A)〜(C)のいずれのケースでも判断ができない場合に、同じ指標値の上下に関する他の文脈で改善・悪化の判断ができるケースを収集し、それから指標値の正常範囲を推定することにより、(B)に準じる判断を行うケース。
(B):指標値が変化するタイプで、指標値の正常範囲が分かっているケース。
(C):(A)、(B)に該当せず、課題と状態の対応関係で判断するケース。
(C1):それが原因で対策を講じている場合には悪化と判断するケース。
(C2):先行文脈における目的とその状態が整合していれば改善、そうでなければ悪化と判断するケース。
(D):指標値が上下するタイプではないケース。(A)、(B)、(C)で判断ができない場合に、他の類似状態で(A)〜(C)で判断ができる場合を参照して、多数決に準じる方法で判断するケース。
(E):指標値が上下するタイプ。(A)〜(C)のいずれのケースでも判断ができない場合に、同じ指標値の上下に関する他の文脈で改善・悪化の判断ができるケースを収集し、それから指標値の正常範囲を推定することにより、(B)に準じる判断を行うケース。
図2Bは、状態変化イベントの改善・悪化判断手段1214による、過去になされた類似の作業についての判断の経過及び結果の一例を示す図である。図2Bでは、(a)ある作業の履歴を分析し、(b)推定正常範囲について多段階(A〜E)の判断を行い、(c)推定正常範囲の上限が50、下限が40という結果を得ている。
本発明によれば、例えば、医師がある患者にある新薬を投与すべきか否かを判定したい場合(課題)に、複数の患者のカルテ群の履歴から過去の類似の症例につて治療後の状態や状態の時間経過(状態変化)を解析し、図2Bのような多段階(A〜E)判断の結果の提示を受けて、現在対処中の状態に対してより的確な判定を行うように支援することができる。
以下、本実施例に係る作業履歴分析システムの具体的な構成例について、詳細に説明する。
以下、本実施例に係る作業履歴分析システムの具体的な構成例について、詳細に説明する。
図3は、図1の表示部250上に表示される作業履歴閲覧分析画面251の画面例を示す図である。作業履歴閲覧分析端末200の演算部210は、作業履歴閲覧分析管理部221を実行することにより、表示部250上で作業履歴閲覧分析画面251を提供する。
作業履歴閲覧分析画面251は、検索条件入力部2511、検索実行指示部2512、表示オプション選択部2513および検索結果表示部2514から構成される。
作業履歴閲覧分析管理部221は、検索条件入力部2511に入力された検索条件を主記憶部220内の検索条件格納エリア2211に格納し、また表示オプション選択部2513で選択された表示オプションは検索結果表示オプション格納エリア2212に格納される。
作業履歴閲覧分析管理部221は、検索条件入力部2511に入力された検索条件を主記憶部220内の検索条件格納エリア2211に格納し、また表示オプション選択部2513で選択された表示オプションは検索結果表示オプション格納エリア2212に格納される。
検索実行指示部2512から検索実行の指示が与えられると、両者は作業履歴分析装置100へ送信される。作業履歴分析装置100からは、最初に検索結果(文書ID(=カルテ番号)とタイトル等の属性情報のリスト)を受け取り、それを検索結果格納エリア2213に格納する。表示オプションで処理別分析表示が指示されている場合には、引き続き作業履歴分析装置100から後述する「作業&判断」別集約データを受け取り、それを主記憶部220内の「作業&判断」別集約データ格納エリア2214に格納する。文書群管理部221は、「作業&判断」別集約データの内容を、検索結果表示部2514に表示する。
表示オプション選択部2513の表示オプションで一覧が選択されている場合には全体を、具体的に処置Aが指定されている場合にはその処置が行われた後の状態の変化について表示する。また表示オプション選択部2513で経過時間に関する条件を設定できるようにすることもできる。一週間以内が選択された場合には、作業から1週間以内に起こった状態、状態変化に限定して表示する。
図3の画面250では、表示オプションの「処置別分析表示」、「処理B」等が選択され、「処理B」に関しての処置が行われた後の状態の変化が表示されている。
図4は、図3の「作業&判断」別集約データ格納エリア2214に格納されている「作業&判断」別集約データの構成を示す図である。同データは、検索結果の作業履歴文書、例えば「カルテ」、の中に含まれる「投与」、「施術」等の作業とその後の状態の変化を、まず、作業の内容別に分類し、同じ作業に対する状態の変化は、「改善」のものと「悪化」のものに分けて整理したデータである。作業内容と改善・悪化別にそれに属する文書群から抽出した特徴語群を付けることもできる。状態変化の項目としては、その他に否定の有無と作業からの時間経過についての項目も有する。
図5は、図1の作業履歴閲覧分析端末200上の「作業履歴閲覧分析管理部」221と作業履歴分析装置100上の「作業履歴分析管理部」121とが、通信ネットワーク300を介して動作するシーケンスを示す図である。以下、図5の各ステップ(ステップF1〜F14B)について説明する。
(ステップF1〜F4):
作業履歴閲覧分析画面251が起動され、ユーザの入力操作により、検索条件が与えられ、検索結果表示オプションが選択された後、検索実行の指示を受けて、検索条件と検索結果表示オプションを添えて検索実行要求が作業履歴分析装置100の作業履歴分析管理部121へ送信される。
作業履歴閲覧分析画面251が起動され、ユーザの入力操作により、検索条件が与えられ、検索結果表示オプションが選択された後、検索実行の指示を受けて、検索条件と検索結果表示オプションを添えて検索実行要求が作業履歴分析装置100の作業履歴分析管理部121へ送信される。
(ステップF5〜F7):
作業履歴分析装置100の制約条件つき類似文書検索手段1211は、作業履歴閲覧分析端末100から受け取った検索条件を用いて、制約条件付き類似文書検索用索引データ132にアクセスし、検索結果(D1)、(文書IDとタイトル等の属性情報からなるリスト)が得られ、ステップF6にて、それが端末側へ送信される。端末側では受け取った検索結果データ(D1)を主記憶部の検索結果格納エリア2213へ格納する。
作業履歴分析装置100の制約条件つき類似文書検索手段1211は、作業履歴閲覧分析端末100から受け取った検索条件を用いて、制約条件付き類似文書検索用索引データ132にアクセスし、検索結果(D1)、(文書IDとタイトル等の属性情報からなるリスト)が得られ、ステップF6にて、それが端末側へ送信される。端末側では受け取った検索結果データ(D1)を主記憶部の検索結果格納エリア2213へ格納する。
(ステップF8):
作業履歴分析装置100は、検索結果の各文書IDに対して、文書群データ131にアクセスし、文書本体の実体、例えば関係する複数のカルテのテキストを得る。
作業履歴分析装置100は、検索結果の各文書IDに対して、文書群データ131にアクセスし、文書本体の実体、例えば関係する複数のカルテのテキストを得る。
(ステップF9):
作業履歴分析装置100は、各文書テキストに対して、自然文テキストからイベント系列への構造化手段1213を適用し、構造化されたイベント系列データのリスト(D2)を得る。
作業履歴分析装置100は、各文書テキストに対して、自然文テキストからイベント系列への構造化手段1213を適用し、構造化されたイベント系列データのリスト(D2)を得る。
図6は、図5のステップF5とF8の結果として得られる文書リスト、ここではある患者のカルテの記録、を構成する各文書の自然文テキスト、「20日、体温は39℃であった。−−。」に対して、ステップF9で(自然文テキストからイベント系列への構造化手段1213により)作成される構造化されたイベント系列データの構成例を示す図である。
構造化されたイベント系列データは、時系列中の順番を示すイベント番号、イベントの種類、イベントの中心をなす述語、その述語に関する属性情報、イベントの属性情報、およびイベントに関する詳細情報、から構成される。
イベントの種類としては、時間経過を表わすタイプのイベント(T)、状態や状態の変化を表わすタイプのイベント(S)、および作業を表わすタイプのイベント(A)などがある。述語属性としては、改善/悪化、上昇/下落などがある。イベント属性としては、否定、原因/目的、および改善/悪化、などがある。述語属性が改善でも、否定フラグがオンであればイベント属性は悪化となる。イベントに関す詳細情報は任意個数の役割子によって構成される。各役割子はそのイベントにおける役割目とその内容によって構成される。
本例では、最初の「20日」からイベント1が生成され、イベントの種類がT,役割子1の役割名が「日」内容が「20」である。次の「体温は39℃であった」からイベント2が生成され、種類は状態の「S」、役割子1「何に関する」の内容が「体温」であり、役割子2「値」の内容が「39℃」である。またイベント属性に「−」が記入されているが、この判断に至った経緯はここでは省略し後に詳述することとする。続いて入力文「薬剤Aを投与したところ」からイベント3が生成され、種類は作業の「A」、述語は「投与」、役割子1「何を」の内容が「薬剤A」というように構造化される。以下同様であるが、イベント番号5番の「下がる」の述語属性として低下を示す「↓」が記載されている。これは述語に関する辞書の参照によって得られる値である。述語属性については後に詳細に説明する。
図5に戻って、
(ステップF10):作業履歴分析装置100は、(D2)を構成する各イベント系列データに対して、その中の各状態変化イベントに対して、改善・悪化判断手段1214を適用し、改善・悪化判断を付与する。
(ステップF10):作業履歴分析装置100は、(D2)を構成する各イベント系列データに対して、その中の各状態変化イベントに対して、改善・悪化判断手段1214を適用し、改善・悪化判断を付与する。
(ステップF11):作業履歴分析装置100は、改善・悪化判断を付与された構造化されたイベント系列データのリスト(D2)に対して、作業イベントとその後の状態変化及びその改善/悪化を組にして抽出する「作業&判断」別集約手段1215を適用し、「作業&判断」別集約データ(D3)を得る。
(ステップF12〜13):作業履歴分析装置100は、得られた「作業&判断」別集約データ(D3)を作業履歴閲覧分析端末200側へ送信する。端末側では受信したデータ(D3)を種記憶内の「作業&判断」別集約データ格納エリア2214に格納する。
(ステップF14A):作業履歴閲覧分析端末200では、検索結果表示オプションが通常表示の場合には、検索結果(D1)に基づいて表示部250に結果表示を行う。この作業は、ステップF7で(D1)が得られた直後に行うことができる。また、この場合にはステップF8〜F13を省略することもできるが、ユーザが検索結果表示オプションを変更した場合には、ステップF8〜F13を実行して「作業&判断」別集約データ(D3)を取得する必要があるので、省略せずに実行しておくことが望ましい。
(ステップF14B):作業履歴閲覧分析端末200では、検索表示オプションが作業別分析表示の場合には、 「作業&判断」別集約データ(D3)に基づいて表示部250に結果表示を行う。
ステップF10では、イベント種類がSのイベントについて、イベント属性の「改善/悪化」欄の判断を行う。詳細は後に説明する。
図7は、「作業&判断」別集約手段1215により、図6の構造化されたイベント系列データから「作業&判断」別集約データ(D3)を作成する手順を説明する図である。図5のステップF1からステップF10までで、各文書に対して構造化されたイベント系列データが作成され(ステップS700)、改善・悪化の判断も付された後、次のステップF11では「作業&判断」別集約手段1215を適用し、「作業&判断」別集約データ(D3)を得る(ステップS720)。初めに、各構造化されたイベント系列データから作業と作業後の状態変化の対を文書ID、患者ID、作業後の時間経過、改善・悪化の判断と共に抽出して集約することにより、中間段階となる作業と作業後の状態変化の対の集約データを得る(ステップS710)。
図8は、図7のステップS710(「作業&判断」別集約手段1215)で生成される、作業と作業後の状態変化の対の集約データの構成例を示す図である。すなわち、図8の集約データは、構造化された作業イベントと、その後の状態変化及びその改善/悪化を組にして抽出したものであり、「文書ID」、「患者ID」、「作業内容」、「作業後の状態変化」、「作業後時間経過」、及び「改善・悪化」を組にして、リスト化されている。「作業後」をどこまでの範囲の状態を対象とするかについては、裁量の余地があるが、次の作業が行われるまでの状態を対象とするのが一つの有力な取り決めである。その他にも、期間を決めて、例えば1週間以内、1カ月以内などで区切る方法も有力である。その場合には各対に対して、作業から状態変化の観察までの相対的な時間経過についての項目を付けておく必要がある。
図8の「作業と作業後の状態変化の対の集約データ」を、作業内容と改善・悪化の判断別にまとめることによって(ステップS720)、図4の「作業&判断」別集約データ(D3)が得られる。また作業内容と改善・悪化別の特徴という項目については、特徴語抽出手段1216によって、作業内容と改善・悪化別にまとめられた各文書群から特徴語を抽出することによって得られる。その詳細については(特許文献5)の記載を援用する。
図9は、図5のステップF8、すなわち、自然文テキストからイベント系列への構造化手段1213の手順を説明する図である。最初に処理1213001において、入力テキストに形態素解析を施し、単語単位に形態素の列に分割し、各形態素の品詞情報(品詞、品詞細目、活用形、標準形)の付与を行う。詳細は(非特許文献2)などに記載されている。続いて、処理1213002において単文への分割処理を行う。詳細は(非特許文献3)などに記載されている。
続いて、各単文ごとに、処理1213003において、時間表現パターン1213004を参照して、時間表現の認識を行う。時間表現が認識された場合には、それをイベント種類がT(時間経過)の要素イベント表現として抽出する。時間表現のパターンの一例としては「<数字1>年<数字2>月<数字3>日 → 年=数字1、月=数字2、日=数字3 」などがある。
続いて、処理1213005において、主に格助詞を手掛かりとして文節への分割処理を行い、末尾の文節の主部を述語として認識する。さらに処理1213006に進み、述語データ1213007を参照し、得られた述語の照合を行う。照合に成功した場合には、データとして記載されている、イベント種類、述語属性(悪化/改善、上昇/低下)および、述語−項構造(役割子と文節探索優先順位規則名称の対の集合)を得る。さらに処理1213008に進み、文節探索優先順位規則1213009を参照して、得られた述語−項構造データを用いて、イベント役割子にどの文節が対応するかを同定する。
続いて処理1213010では、原因・目的表現データ1213011および完了・過去表現データ1213012を参照して、イベント属性として、原因表現もしくは目的表現であるかどうかの判断を行う。「何々するために」という表現があれば「目的」と判断し、「何々した為に」という表現があれば「原因」と判断する。「ため」や「為」は原因・目的表現データ1213011に登録され、完了や過去を表わす助動詞「た」は完了・過去表現データ1213012に登録される。また「ので」の場合、「何々したいので」のように希望表現「たい」と一緒に使われることで目的となる。希望表現については希望表現データ1213013に登録さる。
続いて処理1213014では、否定表現データ1213015を参照し、イベント属性としての、「否定」フラグの有無を判断する。「何々しない」「何々せず」のように否定表現である場合には、否定フラグが「○(オン)」になる。否定の助動詞「ず」や「ない」、形容詞の「無い」などが否定表現データ1213015に登録されている。
図10に、原因・目的判別のための辞書、文法の辞書の一例を示す。図10は、原因・目的表現データ1213011、完了・過去表現データ1213012、希望表現データ1213013および否定表現データ1213015の構の一例を示す図である。原因・目的表現データ1213011において、原因・目的表現については、見出し語、品詞の他、目的と原因それぞれについて、条件(ルール)が与えられている。この整合性のルールによれば、「ので」の場合には、希望表現と一緒に使われている場合には「目的」と判断し、それ以外は「原因」と判断する。「ため」の場合には非完了の場合には「目的」と判断し、それ以外は「原因」と判断する。完了・下記表現データ1213012、希望病原データ1213013、否定表現データデータ1213015については、見出し語と品詞でルールが構成される。
図11および図12は、図9の述語データ1213007および文節探索優先順位規則1213009の構成(辞書)の一例を示す図である。述語データ1213007は、述語名、イベント種類、と任意個の役割子で構成される。各役割子はイベント内での役割名、と文節探索優先順位規則の識別名で構成される。イベントの種類や各役割子の役割名は、構造化されたイベント系列データの同名の構成要素に対応する。
また、文節探索優先順位規則1213009は、探索規則の識別名と、文節補助部(格助詞に相当する部分)の文字列の任意個数の列で構成される。優先順位の高い順に文節を探索し、合致するものを選ぶという規則である。
図13は、図9の処理1213006等において、単文化され入力文から構造化されたイベントが作成される手順を説明する図である。単文化された入力文「薬剤Aを投与した。」(図6のイベント番号3番に相当)は、文節化処理により、内容語からなる文節主部と格助詞や助動詞などの機能語からなる文節補助部の対の列の形に構造化される。また述語動詞を含む最後の文節には、述部であることを示すフラグが立てられる。処理1213006では、この述部文節の文節主部(本例では「投与」)と、述語データ1213007を照合し、該当する述語データから、イベント種類が「A(処置)」であること(図13の(1))、述語属性については、特に記載が無く、述語−項構造の役割子1が「何を」であり、その探索規則が「obj」であることが得られる(図13の(2))。なお述語が「下がる」であった場合には、イベント種類が「S(状態)」であることと、述語属性として低下(↓)であることが得られる。続いて、「投与」の役割子1の探索規則が「obj」であることから、処理1213008では文節探索優先順位規則1213009を探索し、探索規則名が「obj」であるものを検出する。その優先順位の1番が「を」であることから、文節列のデータを探索し、文節補助部が「を」であるものを探し、「薬剤A/を」がそれに相当することを見出す(図13の(3))。これによって、役割子1「何を」の内容に「薬剤A」が該当することを認識し、図6のイベント番号3番に相当するイベント系列が作成される。
同様にして、入力単文「体温は40℃まで上昇した」は、文節列が「体温−は/40℃−まで/(述部○)上昇−した」となり、述語−項構造の該当データより、イベントの種類が状態(S)であること、イベント内の役割子1として「何に関する」があり、それの探索優先ルールは「subj」であり、文節補助部の優先順位は「が>は>も>の>−(なし)」であることから、「体温−は」が該当し、「何に関する=体温」が得られる。
同様にして、役割子「状態」に対しては、探索ルール「change_to」を適用し、「40℃−まで」が取られ、「状態=40℃」が得られることになる。
図14以下では、図6の構造化されたイベント系列データにおいて、イベント種類が「状態(S)」であるものについて、図2Aに示した(A)〜(E)のルールに従って、「改善/悪化」の判断を下して付けていく方法について説明する。
図14は、状態変化イベントの改善・悪化判断手段1214の処理手順を示す図である。状態変化イベントの改善・悪化判断手段1214は、課題(目的・原因)と状態変化の対応関係について予め定義された整合性のルールに基づいて、状態の改善/悪化を判断する。ここで、課題が「目的」となるのは、例えば、先行するイベントが目的となり、現在のイベントがそれに対応あるいは相似する関係に有る場合である。また、課題が「原因」となるのは、例えば、ある状態イベントが次の他の作業イベントの原因となっている場合である。
条件分岐1214001では、処理対象のイベントのイベント属性(図9の処理1213010で判断されている)から課題が目的表現であるかどうかを調べ、目的表現であれば、改善悪化の判断対象とはならないので、判断を行わずに終了する。続いて条件分岐1214002では、述語属性の改善・悪化(図9の処理1213006で述語データ1213007から得られる)に値が入っているかどうかを判断し、値が入っていれば、処理1214003でイベント属性の改善・悪化判断を述語属性の改善・悪化判断と同一にする。続いて、条件分岐1214004ではイベント属性の「否定」フラグを確認し、フラグがオンであれば、イベント属性の改善・悪化判断を反転させる。続いてループ処理1214011に進み、先行イベントが状態イベントで、改善・悪化判断が未定のものである限り、同じ判断を先行イベントにも波及させた上で終了する。
図15は、図14の処理1214003〜1214005の処理に相当し、述語属性の改善/悪化判断と、イベント属性の「否定」の値からイベント属性の改善/悪化判断が決まるケースについて説明する図である。これは、図2Aの「(A):明示的な表現で判断ができるケース」に該当する。
図15において、(A1)は自然文テキストが「体温が38℃に低下し、改善がみられた」の場合である。この場合、後半の「改善がみられた」に相当するイベントについて、述語データから述語属性の改善/悪化に「改善」フラグが立つ。イベントの否定属性はオフなので、イベントの改善/悪化判断は、述語のそれと同じとなる。さらにそれが直前の状態イベントにも、波及して、「低下」のイベント属性としても「改善」フラグを立てる。
中断の例文(A2)は逆に状態イベントの連続で、後ろのイベントの述語が悪化で、その述語属性が「悪化」である。この場合も否定が無いので、イベントの属性値も同じ値となり、さらに直前のイベントにも波及させたケースである。下段の例文(A3)は後ろの状態イベントに「見られなかった」に由来する「否定」フラグが立っている。このために、述語属性では改善であるが、それがイベント属性としては逆転して「悪化」フラグになった例である。
図14に戻り、続いて条件分岐1214006では、述語属性から上昇・低下タイプであるか(図9の処理1213006で述語データ1213007から得られている)を確認し、上昇・低下タイプの変化であれば、処理1214007を行い、指標の正常範囲データ1214008を参照し、正常範囲に近づく方向の変化の場合に「改善」、遠ざかる方向への変化の場合には「悪化」と判断する。ただし、条件分岐1214004と同様、否定フラグがオンの場合には、その判断を逆転させる。判断ができた場合にはここで終了する。
図16は、図14の処理1214006〜1214008の処理に相当し、指標値の値やその上下への変化に関する状態に対して、指標値の正常範囲との比較で改善/悪化を判断するケースを、例を用いて説明する図である。これは、図2Aの「(B):指標値が変化するタイプで、指標値の正常範囲が分かっているケース」に該当する。
図16の例文(B1)「体温が38℃に低下した」の場合、体温という指標値(役割子1の何に関しての内容に相当するもの)の正常範囲が指標の正常範囲データ1214008を参照して得られる。この例では、単位を℃として正常範囲下限が36、上限が37と与えられている。またイベントに関する詳細情報から、変化後の値が38℃であることが分かり、正常範囲の上限より高いことが分かる。また述語「低下」の述語属性として低下(↓)フラグが立っていることが分かり、この結果、低下して正常範囲の上にあるので、正常範囲に近づいていることが分かる。そのため本状態イベントの改善/悪化判断は改善と判断される。一般に、述語の上昇/低下フラグと、イベントの変化後の値(もしくは現在の値)、および指標の正常範囲から、正常範囲に近づいている場合には改善と判断し、遠ざかっている場合には悪化と判断することができる。なお、本例では、否定フラグが立っていないが、否定フラグが立っている場合(「38℃まで下がらなかった)など)には、判断を逆転させる。
図14に戻り、指標値が指標の正常範囲データ1214008に無い場合には、さらに処理を続ける。続いて条件分岐121409に進み、処理1214001と同様、処理対象のイベントのイベント属性から課題が「原因」であるかどうかを調べ、「原因」であれば、処理1214010において「悪化」と判断して、ここで終了する。
図17は、図14の処理1214009〜1214010に相当する処理であり、状態もしくは状態の変化がその後の対策の原因になっている課題かどうかを判断し、そうである場合には、「悪化」と判断するというケースについて説明する図である。これは、図2Aの「(C):(A)、(B)に該当せず、課題と状態の対応関係を判断するケース」に該当する。まず、図2Aの「(C1):それが原因で対策を講じている場合には悪化と判断するケース」について、説明する。
図17の例文は「XYZが消失したので、薬剤Wを投与した。」である。本例文の構造化されたイベント系列は図17の上段のようになる。ここで用いた述語「消失」と「投与」に関する述語データの例は図17の下段に示した。「消失」のイベント(番号N)については、イベント属性の原因・目的性の判断を行う処理(図9の処理1213010)によって、「原因」であることが認識され、イベント属性の「原因/目的」属性欄に「原因」フラグが立っている。ことから、この「消失」イベントの改善・悪化判断は悪化(−)と判断される。「消失」は正常機能が消失した場合には悪化であり、症状が消失した場合には改善であるため、述語属性として改善や悪化のフラグを立てることはできない例である。
図14に戻り、続いてループ処理1214011に進み、先行する各イベントについて、目的イベントと判断されたものを近い順(新しい順)に対象として、処理1214012を行う。処理1214012では、先行イベントと本イベントとの相似性および極性(向きの正逆)の判断を行う。相似性の判断は、指標値が上下するタイプの変化の場合には、役割子「何について」の値が一致していることとする。またそれ以外の場合には、述語の一致をもって相似と判断する。また極性については、否定フラグのオン・オフが一致していれば正、一致していなければ逆、とし、さらに指標値が上下するタイプの場合には、上昇・低下の向きが一致していなければ、その判断を逆転させる。
図18は、図14の処理1214011〜1214012に相当し、先行文脈における目的を認識し、それと実際の状態との整合性を判断し、整合している場合には「改善」と判断し、整合していない場合には「悪化」と判断するケースを説明する図である。これは、図2Aの「(C2):先行文脈における目的とその状態が整合していれば改善、そうでなければ悪化と判断するケース」に該当する。
図18の例文は「PQRを消失させるために、薬剤Uを投与した。・・・・・PQRは消失した。」である。本例文の構造化されたイベント系列は図の上段に示されている。イベント属性の原因・目的性の判断を行う処理(図9の処理1213010)によって、「何々させるため」の部分から、イベント番号Nの先行する「消失」イベントは「目的」であることが認識されている。その後のイベント番号Pの「消失」イベントは、原因/目的フラグが立たないが、二つのイベント間の相似性および極性を判断する処理1214012により、相似性と極性が判断される。この場合、述語と役割子「何に関して」の内容が同じことから、相似性が成立すると判断され、かつ値が上下するタイプでないことと、否定フラグがどちらもオフであることから、極性は順方向であることが判断される。
従って、目的との整合性があると判断され、「改善」と判断される。イベント間整合性判断手段では、本例は述語が完全一致する例であるが、例えば「消失」が「縮小」に変っても、整合していると認識する必要がある。消失の上昇/低下フラグには低下↓があるが、縮小にも低下フラグがあれば、その同一性をもって相似性を判断することができる。
図14に戻り、処理1214012の結果、先行イベントと本イベントの間に相似性があると判断された場合には、さらに極性も一致していれば、改善と判断され、極性が逆であれば悪化と判断し、ここで終了する。
以上の処理でも判断がつかなかった場合にはさらに分岐処理1214013に進み、指標値が上下するタイプの変化の場合には、処理1214014、そうでない場合には処理1214015を行う。どちらも類似する他の文脈を複数参照して決めるタイプの処理であり、前者の処理1214014の場合には、指標の正常範囲を推定し、後者処理1214015の場合には多数決に準じる判断基準で判断する。この両者については、後で詳細を示す。これは、図2Aの「(D):指標値が上下するタイプではないケース。(A)、(B)、(C)で判断ができない場合に、他の類似状態で(A)〜(C)で判断ができる場合を参照して、多数決に準じる方法で判断するケース」に該当する。
図19は、図14の処理1214015に相当し、指標値が上下するタイプではない状態もしくは状態の変化における記載で、類似する状況の作業履歴から、同様の状態や変化についての記載で、改善・悪化の判断ができる場合を適当個数収集し、多数決に準じる方法で判断するケースについて説明する図である。
図19において、上段に示したのが作業報告書とその自然文テキストである。その下には、自然文テキストに対応する構造化されたイベント系列データがある。テキストには「ABCが消失した」という記載があり、その部分がイベント番号Nのイベントとして構造化されている。このイベントの改善/悪化の判断はこれまでのA〜Dのルールでは解決しないものとする。このような場合には、後述する参照イベント収集手段1217にイベント番号Nのイベント、および作業報告書を識別するための文書ID、およびパラメータとして、収集イベント個数の上限値を入力し、図19の下段にあるような、構造化されたイベントに類似する参照イベントの集合が収集される。この例では5個の参照イベントが収集された。これは全部で5個しかなかったか、もしくは、収集個数の上限値を5個に設定したかのいずれかである。
収集された参照イベントデータは、通常の構造化されたイベントデータの情報にプラスして、そのイベントが属する文書のID,類似度スコア,改善/悪化の推定値が追加情報として付けられている。類似度スコア、はそのイベントが属する文書と、入力となった文書との類似度であり、類似文書検索を行った時の類似度スコアの値である。改善/悪化の推定値は、参照イベントのイベント属性として分かっている改善/悪化判断から、現在問題としているイベントの改善/悪化を推定した値である。通常は、両者は一致するが、述語の上昇/低下フラグが参照イベントと元イベントで逆転している場合には、判断が逆転する。例えば、上から4番目の参照イベントの場合には、述語が拡大で、向きが逆であるため、参照イベントの判断−に対して、推定判断は+になっている。また参照イベントの否定フラグが立っている場合にも判断の逆転が起きる。上から3番目の例では、否定フラグが立っているために、参照イベントの判断はーであるが、推定判断は+と逆転している。上昇/低下フラグの逆転と否定が両方ともある場合には、逆転が2回重なって同じ判断となる。
続いて、収集された参照イベントデータが、参照イベントの改善悪化判断を総合する手段1214016の入力となり、どちらかの判断がある一定水準以上の多数を占める場合には、そちらの判断が出力され、その値が、現在処理中のイベント番号Nのイベントの改善・悪化判断の欄に記載される。どちらの判断も一定水準に達しない場合には不明の出力となり、判断は見合わせとなる。判断の閾値となる一定水準についてはパラメータとして与えられる。
図20は、参照イベント収集手段1217が制約条件付き類似文書検索手段1211を用いて、参照イベントを収集するシーケンスを示す図である。はじめに状態イベントの改善・悪化判断手段1214(より正確にはその中の処理1214014および処理1214015)より、参照イベント収集手段1217に対して、入力データとして、改善・悪化の判断を下すべき、構造化された状態イベントと、その元となるテキストが含まれていた作業報告文書の識別ID、および収集すべきイベント個数の上限値とともに渡される。参照イベント収集手段1217では、それを受けて、制約条件付き類似文書検索手段1211に渡すべき制約条件と類似条件を作成する。制約条件としては、受け取ったイベントの各役割子の内容に関する語をAND結合したものとする。また類似条件となる文書識別子の集合としては、受け取った文書識別ID一つからなる集合を指定する。制約条件付き類似文書検索手段1211は受け取った制約条件と類似条件に基づいて、制約条件付きの類似文書検索を実行し、制約条件を満たす文書IDのリストを類似度スコアが高い順に文書IDと類似度スコアの対の形で作成し、それを参照イベント収集手段1217に渡す。参照イベント収集手段は、受け取った文書IDのリストと類似度スコアの対のリストに参照イベント収集処理121701を適用し、参照イベントデータを作成し、状態変化イベントの改善悪化判断手段1214へ返信する。
図20の下段は、参照イベント収集処理121701の作業の詳細を示すフローチャートである。検索された各文書IDを類似度スコア順に処理する。初めに各文書IDから文書データ131にアクセスし、テキストを取得する。各テキストに対して、自然文テキストからイベント系列への構造化手段1213と状態イベントの改善・悪化判断手段1214と適用して、構造化されたイベント系列を作成する。ここでの注意点として、状態イベントの改善・悪化判断手段1214の適用に際しては、ループ処理1214011まで(図2AのAからCまで)とし、図2AのDやEに相当する判断は行わない。
イベント系列を構成する、各イベントについて、状態イベントであって改善・悪化判断がなされたものについて、現在判断しようとしているイベントとの相似性と極性を二つのイベント間の相似性および極性を判断する処理1214012と同様にチェックし、相似性が確認されたイベントについては出力となる参照イベントに追加する。改善・悪化の推定値は、最初は参照イベントの改善・悪化の値と同じ値にする。極性が逆である場合には、改善・悪化の判断を逆転させる。収集されたイベントの個数が上限値に達したら、そこで処理を終了する。
図21は、図14の処理1214014に相当し、指標値が上下するタイプの変化で、指標値の正常範囲がデータとして保持されていない場合に、改善・悪化を判断できる他の文脈を参照して正常範囲を推定して、改善悪化を判断するケースについて説明する図である。これは、図2Aの「(E):指標値が上下するタイプ。(A)〜(C)のいずれのケースでも判断ができない場合に、同じ指標値の上下に関する他の文脈で改善・悪化の判断ができるケースを収集し、それから指標値の正常範囲を推定することにより、(B)に準じる判断を行うケース。」に該当する。
図21において、上段に示したのが作業報告書とその自然文テキストである。その下には、自然文テキストに対応する構造化されたイベント系列データを示した。テキストには「EFGは30に上昇した。」という記載があり、その部分がイベント番号Nのイベントとして構造化されている。このイベントの改善/悪化の判断は図2Aの(A)〜(C)のルールでは解決しないものとする。このような場合には、参照イベント収集手段1217にイベント番号Nのイベント、および作業報告書を識別するための文書ID、およびパラメータとして、収集イベント個数の上限値を入力し、下段にあるような、参照イベントの集合が収集される。この例では5個の参照イベントが収集された。
続いて、収集された各参照イベントデータに対して、イベント単位の正常範囲推定手段1214017が適用され、推定正常範囲の下限および上限についての条件を得る。詳細は次の図で説明する。得られた個々の条件を参照イベントから正常範囲推定手段1214018によって総合し、推定正常範囲の下限と上限を得る。下限については、個々の条件のアンドを取ることによって、[40,45]という範囲を得るが、この下側の値40を取る。また上限については、[40,50]の上側の値50を取る。推定正常範囲が得られた後の処理は、あらかじめデータによって正常範囲が分かっている場合の処理(図14の処理1214007)と同様である。
このようにして、作業履歴分析装置により得られた、推定正常範囲の下限および上限の値[40,50]は、例えば、図2Bの(c)に示したような形で、図1の端末200の表示部250上に表示され、あるいは印刷手段400により印刷される。
図22は、イベント単位の正常範囲推定手段1214017の処理手順を示す図である。イベント属性「否定」フラグが立っているかどうか、とイベント属性が「改善」であるか「悪化」であるか、述語属性が上昇であるか低下であるか、によって場合分けがなされる。(否定Yes/悪化/上昇)の場合には、変化後の値(Y)が分かれば、下限を「> Y」とする。Yが不明で、変化前の値(X)が分かれば、下限を「> X」とする。(否定Yes/悪化/低下)の場合には、変化後の値(Y)が分かれば、上限を「< Y」とする。
Yが不明で、変化前の値(X)が分かれば、上限を「< X」とする。
Yが不明で、変化前の値(X)が分かれば、上限を「< X」とする。
(否定No/悪化/上昇)の場合には、変化前の値(X)が分かれば、上限を「< X」とする。Xが不明で、変化後の値(Y)が分かれば、上限を「< Y」とする。(否定No/悪化/低下)の場合には、変化前の値(X)が分かれば、下限を「> X」とする。Xが不明で、変化後の値(Y)が分かれば、下限を「< Y」とする。(否定No/改善/上昇)の場合には、変化後の値(X)が分かれば、上限を「> X」とする。変化前の値(Y)が分かれば、下限を「> Y」とする。 (否定No/改善/低下)の場合には、変化後の値(X)が分かれば、下限を「< X」とする。変化前の値(Y)が分かれば、上限を「< Y」とする。
以上のように、本実施例に係わる作業履歴分析装置は、関心を持っている状況(病状等)に対して、過去における類似した状況下において、どのような作業(治療等)がなされたか、またその結果として状態が改善したケースと悪化したケースに分類整理して一覧化して表示部に提示する。これにより、現在対処中の状況において、過去の成功例/失敗例を踏まえた上で、より的確な作業を行うことができ、作業の質を向上させることができる。
また、本実施例に係わる作業履歴分析装置は、各イベントの主部を構成する述語の善悪や指標の正常値についての知識が与えられていない場合にも、前後の文脈との関係を調べて、他のイベントの原因となっているかどうか、また先行する目的と整合性が取れているかどうか、から改善/悪化を推定することができ、さらには、類似する他の文書の相似性のあるイベントを参照して、多数決で判断を行い、また属性の正常範囲を推定して判断することができる。そのため特に、明示的に改善・悪化が記述されていなかった場合にも的確に改善・悪化を判断して提示する事例を豊富にすることができる。
実施例1は、具体的な適用例として、患者に対する医療行為の支援を対象としているが、支援の対象は、機器、設備等のメンテナンス業務であっても良い。
すなわち、本発明の作業履歴分析システムは、製造設備、情報処理システム、鉄道などの公共インフラ等、精密な機器であってかつ多機種少量生産タイプの製品等の性能を長期間、維持管理する必要のあるメンテナンス業務にも適用できる。これらの分野では、例えば自動車機器や通信機器のような大量生産タイプの製品と異なり、患者に対する医療と同様に、事例が複雑多岐にわたり、類似の事例に対する過去のデータの蓄積が少ないことが多い。例えば、原子力発電所のような発電プラントの保守業務において、定期検査で判明したプラントの構成部品の経年劣化、系統機器で発生したトラブル対策として部品の修理・交換等の「作業」を行い、その作業とその後の状態変化を記録した作業履歴のデータを記憶部に保持しており、作業履歴に自然文テキストの記録があるとする。この場合、経年劣化やトラブルとその対策の組を「状態もしくは状態の変化」とし、その作業履歴の自然文テキストの記載から、各「作業」が改善であるか悪化であるかの判断を多段階(A〜E)で判断する。
すなわち、本発明の作業履歴分析システムは、製造設備、情報処理システム、鉄道などの公共インフラ等、精密な機器であってかつ多機種少量生産タイプの製品等の性能を長期間、維持管理する必要のあるメンテナンス業務にも適用できる。これらの分野では、例えば自動車機器や通信機器のような大量生産タイプの製品と異なり、患者に対する医療と同様に、事例が複雑多岐にわたり、類似の事例に対する過去のデータの蓄積が少ないことが多い。例えば、原子力発電所のような発電プラントの保守業務において、定期検査で判明したプラントの構成部品の経年劣化、系統機器で発生したトラブル対策として部品の修理・交換等の「作業」を行い、その作業とその後の状態変化を記録した作業履歴のデータを記憶部に保持しており、作業履歴に自然文テキストの記録があるとする。この場合、経年劣化やトラブルとその対策の組を「状態もしくは状態の変化」とし、その作業履歴の自然文テキストの記載から、各「作業」が改善であるか悪化であるかの判断を多段階(A〜E)で判断する。
これによって、過去、類似の状況下でなされたメンテナンス作業について、そのメンテナンス作業を行った後の状態もしくは状態の変化に関する作業履歴の自然文記載について、それが改善であるか悪化であるかの判断を多段階(A〜E)で判断することによって、過去のデータの蓄積が少ない場合であっても、現在対処中の類似の状態においてより的確な作業ができるように支援し、判断に失敗するケースをより少なくすることができる。あるいはまた、半導体製造ラインの電子顕微鏡の保守業務、航空機の整備業務等保守においても、精密かつ多機種少量生産タイプの機器を対象とし、それらの経年劣化やトラブルを「状態もしくは状態の変化」とし、その作業履歴の自然文テキストの記載から、それが改善であるか悪化であるかの判断を多段階(A〜E)で判断することによって、現在対処中の状態においてより的確な作業ができるように支援し、判断に失敗するケースをより少なくすることができる。
100:作業履歴分析装置、110:演算部、120:主記憶部、121:作業履歴分析管理部、1211:制約条件つき類似文書検索手段、1212:文書実体アクセス手段、1213:自然文テキストからイベント系列への構造化手段、1214:状態変化イベントの改善・悪化判断手段、1215:「作業&判断」別集約手段、1216:特徴語抽出手段、1217:参照イベント収集手段、130:補助記憶部、131:文書データ、132:制約条件付き類似文書検索用索引データ、140:入力部、150:表示部、160:通信部、200:作業履歴閲覧分析端末、210:演算部、220:主記憶部、221:作業履歴閲覧分析管理部、2211:検索条件格納エリア、2212:検索結果表示オプション格納エリア、2213:検索結果格納エリア、2214:「作業&判断」別集約データ格納エリア、230:補助記憶部、240:入力部、250:表示部、251:作業履歴閲覧分析画面、2511:検索条件入力部、2512:検索実行指示部、2513:表示オプション選択部、2514:検索結果表示部、260:通信部、300:通信ネットワーク、400:印刷手段、1000:文書作成システム。
Claims (15)
- 類似文書検索手段と、
イベント系列への構造化手段と、
状態変化イベントの改善・悪化判断手段と、
作業&判断別集約手段と、
データベースとを備え、
前記イベント系列は、構成要素としてイベントの種類を有し、該イベントの種類は、作業、状態若しくは状態変化、及び、時間経過、を含み、
前記類似文書検索手段は、与えられた検索条件で前記データベースから文書群を分析対象として抽出し、
前記イベント系列への構造化手段は、前記分析対象の文書群の各自然文テキストから、前記作業と前記状態変化と前記時間経過に関する構造化されたイベント系列を作成し、
前記状態変化イベントの改善・悪化判断手段は、
予め定義された課題と状態変化との整合性のルールに基づいて、前記構造化されたイベント系列の、前記課題と実際の状態や該状態の変化の記述から、状態の改善/悪化を判断し、
前記作業&判断別集約手段は、前記作業イベントとその後の前記状態変化及び前記改善/悪化の判断を組にして抽出する
ことを特徴とする作業履歴分析装置。 - 請求項1において、
前記状態変化イベントの改善・悪化判断手段は、
先行する前記状態のイベントが目的となり、それに対する状態変化としての現在の状態のイベントが相似する関係に有る場合は、前記課題を目的と判定し、
ある状態のイベントが次の他の状態のイベントの原因となっている場合は、前記課題を原因と判定し、
前記状態イベントが次の作業の原因の場合には前記状態の悪化と判断し、
二つの状態変化イベントが相似、すなわち同じ方向への変化であるかどうかと、極性、すなわち向きの正逆を判断し、
先行する作業目的と現在の状態イベントが同一方向の変化である場合に、向きが正であれば前記状態の改善と判断し、向きが逆であれば前記状態の悪化と判断する
ことを特徴とする作業履歴分析装置。 - 請求項1において、
前記構造化されたイベント系列のデータは、
前記イベントの種類が、作業、および状態タイプのイベントの場合には、否定の有無を記載する項目を有し、
前記イベントの種類が、状態タイプのイベントの場合には、目的、あるいは原因として記載されたものであるかどうかを記載する項目と、改善/悪化の判断を記載する項目を有する
ことを特徴とする作業履歴分析装置。 - 請求項1において、
前記データベースは、
各述語が作業イベントに関するものか、状態イベントに関するものか、また状態イベントに関する述語の場合には、改善/悪化属性を持つか、上昇/低下属性を持つかどうかを記載した、述語データと、
各指標の正常範囲を記載した指標の正常範囲のデータと、
目的・原因判定のための辞書として、原因・目的表現データ、希望表現データ、否定表現データ、及び、完了・過去表現データを備え、
前記テキストから構造化されたイベント系列を生成する手段は、
前記原因・目的表現データ、希望表現データ、及び、完了・過去表現データを参照し、前記各イベントが目的として記載されたものであるか、また他の作業イベントの原因として記載されたものであるかを判断し、
前記否定表現データを参照することによって否定の有無を判断する
ことを特徴とする作業履歴分析装置。 - 請求項1において、
前記状態変化イベントの改善・悪化判断手段は、
指標の値が上下するタイプの状態変化では、前記指標の正常範囲のデータを参照し、
前記構造化されたイベントデータの他に、前記イベントに類似する参照イベントを収集する手段を備え、
前記指標が上下に変化するタイプの状態変化の場合には、前記各参照イベントから指標の正常範囲を推定し、
前記指標が上下に変化するタイプで無い状態変化の場合には、前記各参照イベントから判断される当該イベントの改善/悪化の判断を多数決に準じる方法で決める
ことを特徴とする作業履歴分析装置。 - 請求項5において、
前記、各イベントは、構成要素として、任意個数の役割子を持ち、各役割子は役割名とその内容を構成要素として持ち、
前記イベント間の相似性と正逆の極性を判断する手段は、述語が上昇/低下属性を持つ場合には、「何に関する」に相当する役割子の内容の同一性をもって相似性を判定し、上昇/低下が一致する場合に正、一致しない場合に逆と判断し、述語が上昇/低下属性を持たない場合には、述語の同一性をもって相似性を判定し、
前記参照イベントを収集する手段は、改善/悪化を判断すべきイベントを構成する役割子「何に関する」の内容に相当する語と述語の相当する語をANDで結合した制約条件と、当該イベントを含む文書一つから成る文書集合を類似性条件として制約付き類似文書検索を行い、類似度の高い文書から順に、当該イベントと相似性を有するイベントを必要個数収集する
ことを特徴とする作業履歴分析装置。 - 作業履歴閲覧分析端末と、作業履歴分析装置とを有する作業履歴分析システムであって、
前記作業履歴閲覧分析端末は、
作業履歴閲覧分析画面を提供する表示部と、
作業履歴閲覧分析管理部とを備え、
検索条件及び検索実行の指示を前記作業履歴分析装置へ送信し、
前記作業履歴分析装置は、
類似文書検索手段と、
イベント系列への構造化手段と、
状態変化イベントの改善・悪化判断手段と、
作業&判断別集約手段と、
データベースとを備え、
前記イベント系列は、構成要素としてイベントの種類を有し、該イベントの種類は、作業、状態若しくは状態変化、及び、時間経過、を含み、
前記類似文書検索手段は、与えられた検索条件で前記データベースから文書群を分析対象として抽出し、
前記イベント系列への構造化手段は、前記分析対象の文書群の各自然文テキストから、前記作業と前記状態変化と前記時間経過に関する構造化されたイベント系列を作成し、
前記状態変化イベントの改善・悪化判断手段は、
予め定義された課題と状態変化との整合性のルールに基づいて、前記構造化されたイベント系列の、前記課題と実際の状態や該状態の変化の記述から、状態の改善/悪化を判断し、
前記作業&判断別集約手段は、前記作業イベントとその後の前記状態変化及び前記改善/悪化の判断を組にして抽出し、
前記作業履歴閲覧分析端末は、前記作業イベントと状態変化と前記改善/悪化の判断の組のリストを前記表示部に提示する
ことを特徴とする作業履歴分析システム。 - 請求項7において、
前記状態変化イベントの改善・悪化判断手段は、
先行する前記状態のイベントが目的となり、それに対する状態変化としての現在の状態のイベントが相似する関係に有る場合は、前記課題を目的と判定し、
ある状態のイベントが次の他の状態のイベントの原因となっている場合は、前記課題を原因と判定し、
前記状態イベントが次の作業の原因の場合には前記状態の悪化と判断し、
二つの状態変化イベントが相似、すなわち同じ方向への変化であるかどうかと、極性、すなわち向きの正逆を判断し、
先行する作業目的と現在の状態イベントが同一方向の変化である場合に、向きが正であれば前記状態の改善と判断し、向きが逆であれば前記状態の悪化と判断する
ことを特徴とする作業履歴分析システム。 - 請求項7において、
前記構造化されたイベント系列のデータは、
前記イベントの種類が、作業、および状態タイプのイベントの場合には、否定の有無を記載する項目を有し、
前記イベントの種類が、状態タイプのイベントの場合には、目的、あるいは原因として記載されたものであるかどうかを記載する項目と、改善/悪化の判断を記載する項目を有する
ことを特徴とする作業履歴分析システム。 - 請求項7において、
前記作業履歴分析装置は、
目的・原因判定のための辞書として、
原因・目的表現データ、希望表現データ、完了・過去表現データを備え、
前記テキストから構造化されたイベント系列を生成する手段は、
前記辞書を参照し、前記各イベントが目的として記載されたものであるか、また他の作業イベントの原因として記載されたものであるかを判断し、
否定表現データを参照することによって否定の有無を判断する
ことを特徴とする作業履歴分析システム。 - 請求項7において、
前記作業履歴分析装置は、
各述語が作業イベントに関するものか、状態イベントに関するものか、また状態イベントに関する述語の場合には、改善/悪化属性を持つか、上昇/低下属性を持つかどうかを記載した、述語データと、
各指標の正常範囲を記載した指標の正常範囲のデータとを備え、
前記状態変化イベントの改善・悪化判断手段は、
指標の値が上下するタイプの状態変化では、前記指標の正常範囲のデータを参照する
ことを特徴とする作業履歴分析システム。 - 請求項7において、
前記作業履歴分析装置は、
前記構造化されたイベントデータの他に、前記イベントに類似する参照イベントを収集する手段を備え、
前記指標が上下に変化するタイプの状態変化の場合には、前記各参照イベントから指標の正常範囲を推定し、
前記指標が上下に変化するタイプで無い状態変化の場合には、前記各参照イベントから判断される当該イベントの改善/悪化の判断を多数決に準じる方法で決める
ことを特徴とする作業履歴分析システム。 - 請求項12において、
前記、各イベントは、構成要素として、任意個数の役割子を持ち、各役割子は役割名とその内容を構成要素として持ち、
前記イベント間の相似性と正逆の極性を判断する手段は、述語が上昇/低下属性を持つ場合には、「何に関する」に相当する役割子の内容の同一性をもって相似性を判定し、上昇/低下が一致する場合に正、一致しない場合に逆と判断し、述語が上昇/低下属性を持たない場合には、述語の同一性をもって相似性を判定し、
前記参照イベントを収集する手段は、改善/悪化を判断すべきイベントを構成する役割子「何に関する」の内容に相当する語と述語の相当する語をANDで結合した制約条件と、当該イベントを含む文書一つから成る文書集合を類似性条件として制約付き類似文書検索を行い、類似度の高い文書から順に、当該イベントと相似性を有するイベントを必要個数収集する
ことを特徴とする作業履歴分析システム。 - 作業履歴分析システムを利用した作業履歴分析方法であって、
前記作業履歴分析システムは、作業履歴閲覧分析端末と、作業履歴分析装置とを有し、
前記作業履歴分析装置において、
前記作業履歴閲覧分析端末から与えられた検索条件で文書群を分析対象として抽出し、
前記分析対象の文書群の各テキストから、作業、状態、状態変化、及び時間経過に関する構造化されたイベント系列を作成し、
前記構造化されたイベント系列の、状態や該状態の変化の記述について、課題と状態変化について予め定義された整合性のルールに基づいて、状態の改善/悪化を判断し、
前記作業イベントとその後の前記状態変化及び前記改善/悪化の判断を組にして抽出し、
前記作業イベントと状態変化と前記改善/悪化の判断の組のリストを前記作業履歴閲覧分析端末の前記表示部に提示する
ことを特徴とする作業履歴分析方法。 - 請求項14において、
現在対処中の作業に関して、過去に、類似の状況下でなされた類似の作業を記録した前記文書群について、その類似の作業を行った後の状態もしくは状態の変化に関する各自然文の記載を抽出し、
前記状態イベントが次の作業の原因の場合には前記状態の悪化と判断し、
二つの状態変化イベントが相似、すなわち同じ方向への変化であるかどうかと、極性、すなわち向きの正逆を判断し、
先行する作業目的と現在の状態イベントが同一方向の変化である場合に、向きが正であれば前記状態の改善と判断し、向きが逆であれば前記状態の悪化と判断する
ことを特徴とする作業履歴分析方法。
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JP2013085086A JP2014206916A (ja) | 2013-04-15 | 2013-04-15 | 作業履歴分析装置及び作業履歴分析システム並びに作業履歴分析方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2017072875A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 哲明 仲村 | 情報処理装置、情報処理方法、データ構造およびプログラム |
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2013
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