JP2014205229A - ボーリングバー用ホルダ - Google Patents

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Kenji Isobe
健二 磯部
修介 北川
Shusuke Kitagawa
修介 北川
巨樹 安藤
Kiyoki Ando
巨樹 安藤
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Abstract

【目的】ボーリングバーをホルダの中空穴に対し、その先端側から所定の突出量を確保して挿入し、ホルダに設けられたネジ穴にクランプスクリューをねじ込んで固定するのに、刃先が設定した一定の心高さ、オフセットによる取付けが簡易に得られるようにする。【解決手段】ホルダ100は、中空穴110が横断面矩形であり、シャンク250に設けられた2面幅の平面のうちの1つの平面255が、その矩形の中空穴110における長辺を含む平坦座面113に押付けられ、シャンク250の外周面のうちの切れ刃215が突出する側と反対側の部位225が、その短辺を含む横拘束壁115にて拘束されように形成した。ネジ穴170を、その軸線170xが平坦座面113と傾斜角αをなすように設けた。これにより、クランプスクリュー300のねじ込みで、設定された心高さ等の取付けが得られる。【選択図】 図3

Description

本発明は、ボーリングバー用ホルダに関し、詳しくは、旋削等により工作物の穴の内周面の加工に使用されるボーリングバーをクランプするためのホルダに関する。
旋削によって工作物(被削物)の穴の内周面を切削するとき、その穴の内径が、例えば、10mm以下、又は8mm以下であるような小径の穴の加工に用いられるボーリングバー(内径加工用工具)は、先端側の切れ刃の部位も、基部のシャンクも自ずと細いものとなる。このようなボーリングバーは、これ単独ではなく、そのシャンクを、それより大径をなすスリーブ状のホルダ(ボーリングバー用ホルダ)の中空穴(嵌合穴)に内挿して一体化して使用されることが多い。その一体化は、ボーリングバーのシャンクをホルダの中空穴に内挿して、このホルダに設けられたネジ穴に、その外周面側から六角穴付き止ネジなどからなるクランプスクリューをねじ込んで、その先端でシャンクを押さえつけて固定するというのが普通であり、図7は、このように一体化したものをボーリングバー200の先端側から見た図である。
図7のものは、切れ刃を一体で備えたソリッドタイプのボーリングバー200におけるシャンク(円軸部)250を、円筒状のホルダ100における中空穴110に内挿し、中空穴の内周面と外周面との間を貫通して設けられたネジ穴170に、外周面側からねじ込まれたクランプスクリュー300で、そのシャンクの外周面を締付けて固定する構成とされている。なお、固定には、クランプスクリューを、先後に間隔をおいて複数(2〜4本)用いるのが普通である。このものでは、一体化後のホルダ100の基部を機械(例えば、自動旋盤)の刃物台(ブロック)の取付け穴(センタ穴)に内挿し、ボーリングバー200の固定と同様にして、そのホルダ100を刃物台に設けられた押えボルト(ネジ)で固定して、その使用に供せられる。
ところで、ボーリングバーのシャンク250は、丸棒(円軸)が基本形であるが、近時は、その外周面部位(図7の上下面)が軸線に平行な平面253,255に研削仕上げされたもの(面付けされたもの)が使用されている。このものでは、その一方の平面をクランプスクリュー300の先端で押さえつけるようにすることで、ボーリングバー200のホルダ100への固定における回転防止や固定の安定化が図られるというものである。また、このように平面仕上げとしておくことで、シャンクの内挿、固定時において、その平面の位置から切れ刃の向きないし位置を掴みやすく、したがって、心高出し作業が容易ともなる。一方、この場合、ボーリングバーがソリッドタイプのもので、シャンクの両端において異なる側に、それぞれ切れ刃(両端で2つの切れ刃)を持つものでは、図7に示したように、シャンク250の軸線を挟んで対向する部位に、その軸に平行に2つの平面253,255をつける必要がある。したがって、このものでは、シャンクは、軸線に平行な二面(2つの平面)を有するもの(以下、2面幅加工)となる。
他方、このようなボーリングバー200のシャンク250を受入れる(内挿する)ホルダ100の中空穴110は通常、円形穴である。そして、その中空穴に対するシャンクの嵌合は隙間嵌めであるから、2面幅加工され、対向する2つの平面253,255を有するシャンク250をその中空穴110に通して、ホルダに、一方のその平面253に向けてクランプスクリュー300をねじ込んでそのシャンクを固定する際には、その横断面において、クランプスクリューの先端で押し付けられる側と反対側の平面255の両端点(平面と円弧のなす交差角)は、ホルダ110の円形の中空穴110の内周面に、横断面において局所的に強く押付けられる。このため、このようなクランプにおいては、経時的にその角で押付けらけれるホルダの円形の内周面は、クランプスクリューの押付け力方向にダレを発生する等の変形が発生しがちとなる。結果、そのようにして固定されているボーリングバーは、心高さ精度が低下するから、加工精度が低下する。さらには、ガタツキが発生しやすいなどクランプ剛性の低下を招くなどの問題もある。
こうした中、かかる問題を解消するものとして、ホルダのうち、バーのシャンクを内挿して固定する中空穴(嵌合穴)を横断面、四角形等の角穴とした技術が提案されている(特許文献1)。このものでは、図8に示したように、クランプスクリュー300のねじ込みにより、2面幅加工されたシャンク250における一方の平面(平坦面)253を押え付け、その反対側の他方の平面(平坦面)255が、横断面四角の穴(中空穴)110の1つの辺を含む平面(着座面)114に押付けられるものとされている。これによれば、その中空穴110の横断面形状、及びボーリングバー200のシャンク250に設けられた平面(2面幅加工)253,255に基づき、その他方の平面255が着座面114に密着する形となるから、クランプ剛性も高く、心高さも一定に保持できる。また、両端に、それぞれ切れ刃をもつタイプのものにも適用できる。
実開平05−49205号公報
このように中空穴110が角穴のものでは、その構造上、シャンク250を着座面114とクランプスクリュー300の先端とで挟み付ける方向については、シャンクの位置決め性、拘束性は極めてよい。しかし、図8に示したように、ホルダ(中空穴)100を先端から見たとき、そのシャンク250の挟み付け方向(スクリュー300のねじ込み方向)と直交する方向、すなわち、着座面114の面に沿う方向については、その拘束における位置決め性に難点がある。というのは、中空穴110が角穴のものでは、その穴の内寸は、その挟み付け方向、およびそれと直交する方向とも、挿入されたシャンク250の対応する径より、いずれも大きい。このとき、その挟み付け方向においてはその挟み付けにより自動的に位置決めがなされる。これに対し、それと直交する方向(径方向)に関しては、挟み付け前には隙間δ分、その径方向に微量とはいえ動きが存在するし、挟み付け後においても、隙間は存在するから受ける外力次第では、その後でも位置が変位してしまう。すなわち、中空穴110が角穴ではこのように挟み付け方向と直交する方向(径方向)に関しては、位置決め性に難点があるのである。
このように、角穴の構造のものでは、上記のようにして、着座面114と、クランプスクリュー300の先端とで、シャンク250における2つの平面253,255の部位(2面幅部位の平面相互間)を挟み付けるだけで、その着座面114における垂直方向の位置精度(心高さ精度)は確保できるが、それだけでは、着座面114に沿うシャンク250の横断面長径をなす径方向における位置精度は確保できない。このため、上記角穴構造のものでは、ホルダを先端から見たとき、シャンクの横断面長径をなす径方向には隙間分の動きが許容されていることに対応し、そのねじ込みに際しては、作業者において、例えば、角穴における左右のいずれか一方の壁にシャンクが当るようにそれを微妙に位置決めすることが必要となる。このように、この角穴構造のものでは、切れ刃の交換時には、クランプスクリュー300のねじ込みごと、僅かではあるが、シャンク250が中空穴110において、角穴の壁面の一方に対して偏在すること(オフセット)があるため、それに応じて、刃先の位置が微妙に変化するという問題があり、これがひいては内径の加工精度の低下を招くという問題があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものでボーリングバーをホルダの中空穴に対し、その先端側から所定の突出量を確保して挿入し、そのホルダに設けられたネジ穴にクランプスクリューをねじ込んでそのシャンクを押さえつけて取付ける際において、作業者に依存することなく、その刃先が設定された一定の心高さ、オフセットによる高精度の取付けが簡易、迅速に得られるボーリングバー用ホルダを提供することをその目的とする。
請求項1に記載の本発明は、ボーリングバーのシャンクを内挿させ得る中空穴と、該中空穴に内挿した該シャンクをクランプするために、該中空穴の内周面と外周面との間を貫通して、先後に間隔をおいて複数設けられたネジ穴と、該ねじ穴に外周面側からねじ込まれるクランプスクリューとを含み、該クランプスクリューをねじ込むことによって、該中空穴に内挿したシャンクをクランプするように構成されたボーリングバー用ホルダであって、
前記シャンクは、少なくとも、切れ刃におけるすくい面に対し反対側を向く1つの側面に、該シャンクの軸線に平行な平面を有するものであり、
前記中空穴は、その内周面に、該シャンクの該平面が接することで、その接圧方向の位置決めがなされる平坦座面と、該シャンクの外周面のうちの切れ刃が突出する側と反対側の部位を拘束する横拘束壁とを有しており、
前記ネジ穴は、前記クランプスクリューによって、前記中空穴に内挿されて前記平坦座面と前記横拘束壁とで位置決めされているシャンクのうちのすくい面側であって前記切れ刃が突出する側の部位を押え付け得るように、該中空穴を先端側から見たとき、そのネジの軸線が該平坦座面と傾斜角αをなすように設けられてなることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、傾斜角αは、20度〜60度の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のボーリングバー用ホルダである。
請求項3に記載の本発明は 前記中空穴は、先端側から見たとき、略長方形で、前記平坦座面が、この長方形の長辺側に位置し、前記横拘束壁がこの長方形の短辺側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のボーリングバー用ホルダである。
請求項4に記載の本発明は、前記中空穴は、先端側から見たとき、略長方形で、前記平坦座面が、この長方形の長辺側に位置し、前記横拘束壁がこの長方形の短辺側に位置するように形成されており、
前記ボーリングバーのシャンクは、外径D1の丸棒において、切れ刃におけるすくい面側とその反対側に軸に平行な2つの平面が付けられており、前記中空穴の長辺の長さAはシャンクの外径D1より大きく、短辺の長さBがシャンクの外径D1より小さく設定されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のボーリングバー用ホルダである。
本発明のボーリングバー用ホルダを用いることにより、その中空穴にボーリングバーにおけるシャンクを内挿し、前記ネジ穴に、クランプスクリューをねじ込むことにより、前記中空穴に内挿されたシャンクは、ホルダを先端側から見たとき、そのスクリューの先端と、中空穴における平坦座面と、前記横拘束壁との3箇所で、位置決めされて固定される。このため、そのクランプスクリューのねじ込みにより、中空穴においてシャンクが回転することなく、シャンクはクランプスクリューの先端で傾斜角α方向に押付けられて位置決めされながら固定される。これにより、本発明のボーリングバー用ホルダによれば、使用するボーリングバーが同じであれば、刃先の交換に際しても、作業者ごと、刃先の心高さやオフセット量に変化がでることなく、一定の心高、オフセットによる高精度の取付けが簡易、迅速に得られる。結果、寸法精度の高い内径加工を高い繰り返し精度で実現できる。
しかも、クランプスクリューをねじ込む前記ネジ穴は、そのネジの軸線が前記平坦座面と傾斜角αをなすように設けられている。したがって、前記中空穴に内挿されるシャンクは、クランプスクリューのねじ込みにより、前記平坦座面と前記横拘束壁とで位置決めされた状態において、そのクランプスクリューの先端で、すくい面側であって前記切れ刃が突出する側の部位が押え付けられる。これにより、本発明にかかるボーリングバー用ホルダにクランプされるボーリングバーは、切削抵抗(合力)のうち、主分力は前記平坦座面で受けられ、背分力は前記横拘束壁で受けられる。これにより、大きな切削抵抗にも安定して抗することができる。すなわち、切れ刃について一定の心高、オフセットによる取付けを得るためには、クランプスクリューのねじ込み方向、すなわち、前記ネジ穴のネジの軸線を前記平坦座面と傾斜角αが付くようにすればよく、したがって、前記ネジ穴は、クランプスクリューを、例えば、すくい面側であるとしても、切れ刃が突出する側と反対側からねじ込むこととしてもよい。しかし、そうすると、切削抵抗(合力)のうちの背分力はクランプスクリューの先端で受圧することになるから、クランプスクリューに弛緩が発生する危険性があるなど、高剛性のクランプは得られない。これに対し、本発明では、ネジの軸線を前記構成のようにしたため、そのような問題がない。
なお、中空穴は、切れ刃の先端(刃先)が、所望とする高さ、オフセット位置に保持されるように、バーのシャンクの直径(横断面寸法)に応じて、その平坦座面及び横拘束壁が位置するように形成しておけばよい。すなわち、中空穴の大きさや、平坦座面及び横拘束壁の位置は、クランプするボーリングバーのシャンクの外径、切れ刃の形状等に応じて設定しておけばよい。なお、平坦座面は内径加工における主分力を、横拘束壁は内径加工における背分力を、それぞれ主として受け持つところであるから、クランプスクリューの軸線の傾斜角αは、中空穴を先端側から見たときの、これらの合力の向きを考慮して設定すればよい。該中空穴を先端側から見たとき、20〜60度の範囲で設定するとよい。
本発明において前記中空穴の形状は、1つの平坦座面と、横拘束壁があればよく、他は限定されるものではない。しかし、先端側から見たとき、略長方形で、前記平坦座面が、この長方形の長辺側に位置し、前記横拘束壁がこの長方形の短辺側に位置するように形成されているものとするのがよい。中空穴を長方形として、縦横があるものとしておくことで、その穴の向きが、作業者において目でも把握し識別できる。このため、シャンクのうち、すくい面側と反対側の面の、軸線に平行な1つの平面が接するようにする平坦座面の選択が容易になり、その分、シャンクをホルダに内挿すること、及びそれに続くクランプ作業の円滑化が図られるためである。
また、その場合には請求項4に記載の発明では、特にメリットがある。というのは、このものでは、シャンクにおける平面が中空穴における長辺側を向く場合でないと、その挿入ができない。このため、その挿入に際しては、クランプスクリューのねじ込み方向との関係で正規の向きを簡易に識別できるため、誤挿入による誤クランプを容易かつ未然に防止できるためである。なお、請求項4に記載の発明において「外径D1」は、切れ刃におけるすくい面側とその反対側に、軸に平行な2つの平面が付けられる(2つの平面加工が行われる)前の丸棒の状態にあるシャンク(素材)の外径、すなわち、「2面幅加工」する前の丸棒(横断面が円形のシャンク素材)における外径寸法である。
本発明のボーリングバー用ホルダを具体化した実施形態(第1実施形態例)を説明する図であって、 Aはホルダ(中空穴)を正面から見た図、Bは右側面図、Cは平面図。 図1のS1−S1線矢視拡大断面図。 図1のAの拡大図。 図3のP1部の拡大図。 図4においてクランプスクリューを締付ける前の図。 中空穴の横断面形状の別例の図。 従来のボーリングバー用ホルダを説明する、ホルダ(中空穴)を先端側から見た図。 従来のボーリングバー用ホルダを説明する、ホルダ(中空穴)を先端側から見た図。
本発明のボーリングバー用ホルダを具体化した実施の形態例について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1中、100は、ボーリングバー用ホルダであって、一定外径の丸棒(円柱体)をベースとして、それから中空円軸状に加工されたものである。このホルダ100は、その軸線Xに沿ってその先端103から後端105に向かう所定範囲にわたる先端寄り部位L1に、ボーリングバー200のシャンク250を内挿させ得る横断面矩形(縦横寸法A,Bの)の中空穴110を備えている。ただし、横断面矩形(縦横寸法A,Bの)の中空穴110に続く後方は、それより大径の円穴125とされ、後端105に連通されている。詳細は説明しないが、この円穴125は、クーラントの流路とされ、或いはその内にはネジが形成されて、後端105から前記中空穴110の後端の位置を決めるための調節用のネジ(図示せず)が螺装されるように設定されている。すなわち、後端105側から調節用のネジを螺装して、挿入するボーリングバー200のシャンク250の後端をそのネジの先端にて位置決めし、これによってボーリングバー200の先端側のホルダ100の先端103からの突出量を調節及び決定するようにされている。なお、ホルダ100の外周面には、軸線Xに沿って所定の幅で面(平面)120が付けられており、刃物台への取付け時における押えネジの受圧面とされ、その向きが認識ないし把握され易いようにされている。
ボーリングバー200は、例えば、ソリッドタイプのものとされ、シャンク250と、シャンク250の先端側において先方に延びる頭部210とからなっており、頭部210は側方に突出する切れ刃215を挟んで、凹設されたすくい面217と逃げ面219とを有している(図3、図4参照)。ボーリングバー200は、丸棒をベースに形成されている。また、シャンク250は、切れ刃215をなす、すくい面217側と、これと反対側を向く側面(合わせて2つの側面)に、シャンク250の軸線Xに平行で、互いに平行な同じ平面253,255を有するものに、横断面が円から平面研削されて仕上げられている。本例では、図4に例示したように、ボーリングバー200は、すくい面217が、2つの平面253,255に平行(又は略平行)となるように形成されたものとされているが、すくい面217は、平面253,255に対し傾斜するものであってもよい。そして、このすくい面217の傾斜は、図4中に2点鎖線で示されるようにすくい角度がネガとなるものとしてもよいし、その逆(ポジ)となるものとしてもよい。なお、シャンク250の外径(基準外径)D1は、横断面矩形の中空穴110の横寸法(長辺の長さA)より小さく設定されている。この外径D1は「2面幅加工」する前の丸棒における外径である。また、シャンク250における平面(253,255)付けした部位の短径(平面253,255間寸法D2)は、中空穴110の縦寸法(短辺の長さB)より微量小さく設定されている。なお、この寸法Bは、シャンク250の基準外径D1より小さくされている。これによりシャンク250は、中空穴110に一定の向きでのみ挿入され得るようにされている。
しかして、本例では、中空穴110の横断面の1つの長辺113aを含む平坦な内周面に、該シャンク250の該平面253,255のうち、すくい面217側と反対側の平面255が接することで、シャンク250は、その中空穴110内で、その接圧方向の位置決めがなされるように設定されている。これにより、中空穴110の横断面(長方形)の1つの長辺(図示下の長辺)113aを含む平坦な内周面が平坦座面113とされており、中空穴110の横断面の1つの短辺(図示左の短辺)115bを含む内周面が、該シャンク250の外周面のうちの切れ刃215が突出する側と反対側の部位(背面側の部位)225を拘束する横拘束壁115をなすものとされている。なお、このような四角穴加工は、例えばワイヤ放電加工で形成される。
一方、この横断面長方形の中空穴110には、その内周面と外周面との間を貫通してネジ穴170が設けられている。ただし、このネジ穴170は、そのネジ軸線170xが、該中空穴110(ホルダ100)を先端103側から見たとき、図示下の平坦座面113と傾斜角α(例えば、35度〜55度の範囲)をなすように設けられている。また、本例においてこのネジ穴170は、、同じ傾斜角αで、先後に間隔をおいて2箇所設けられている。すなわち、本例では、ネジ穴170はここにねじ込まれるクランプスクリュー300によって、中空穴110に内挿されて、平坦座面113と横拘束壁115とで位置決めされたシャンク250のうちのすくい面217側であって切れ刃215が突出する側の部位を、押え付け得るように、中空穴110を先端(ホルダの先端)103側から見たとき、そのネジ軸線170xが平坦座面113と傾斜角αをなすように設けられている。本例では、シャンク250のうち、図示上の平面253寄り部位である図3、図4における上向き面(円弧面)240を、角度αで押え付ける設定とされている。
しかして、本例では、ホルダ100の中空穴110にボーリングバー200のシャンク250を所定量、挿入して、その平面255が中空穴110の長辺を含む面からなる平坦座面113に当接するようにし、シャンク250における切れ刃215の突出側と反対側の部位(円弧部位)225が、中空穴110の短辺を含む面からなる横拘束壁115に当接するようにする。そして、ネジ穴170に螺装されているクランプスクリュー300(本例では六角穴付き止ネジ)をねじ込む。これにより、そのクランプスクリュー300の先端303が、シャンク250におけるすくい面217側のうち、切れ刃215が突出する側を向く面(円弧面)240に当接してシャンク250を押え付ける。かくして、シャンク250は、このクランプスクリュー300のねじ込みにより、そのすくい面217側と反対側の平面255が平坦座面113をなす中空穴110の長辺113aを含む内周面に、そして、切れ刃215が突出する側と反対側の部位225が、拘束横壁115をなす中空穴110の短辺115bを含む内周面に押付けられ、クランプスクリュー300の先端303で、クランプスクリュー300の位置において3点支持で固定される。なお、クランプスクリュー300は、クランプ状態においてホルダ100の外周面から突出しない長さのものを用いるのが好ましい。
そして、ネジ穴170は、同角度αで、先後に複数あるから、シャンク250は、中空穴110内において中空穴110の軸線(ホルダ100の軸線X)に対して傾斜することなく、同角度α方向に押付けられる形でクランプされるため、その軸線に対し常に同一位置に保持される。すなわち、シャンク250はホルダ100において所望とする位置に、そして、その切れ刃215は平坦座面113から所定の高さで、中心の軸線Xからのオフセットも一定量に保持されてクランプされる。このように、本例では、ホルダ100の中空穴110にその先端103からボーリングバー200のシャンク250を挿入する際に、切れ刃215の突出方向とすくい面217の向きさえ正しく保持されていれば、後は、各クランプスクリュー300をねじ込むことにより、シャンク250は、ねじ込まれたスクリュー300の先端303で同角度α方向に押付けられるため、その締付け後は、一定の心高、オフセットによる正規位置でのクランプが確保される。
すなわち、本例では、中空穴110の内周面のうち、平坦座面113をなす長辺113aを含む平坦な内面に対し、シャンク250のすくい面217と反対側の平面255が拘束され得ると共に、中空穴110の内周面のうち、横拘束壁115をなす短辺115bを含む平坦な内面に対し、シャンク250のうち、切れ刃215が突出する側の部位と反対側の部位(シャンク250の背面側の部位)225が拘束され得る状態にある。したがって、クランプスクリュー300のねじ込み前において、図5に示したように、シャンク250の背面側の部位225が、横拘束壁115との間で隙間δ1があるとしても、クランプスクリュー300をねじ込むことによって、シャンク250は背面側に向けて平坦な座面113上を滑るように移動する。このため、そのねじ込み後においては図3、図4に示したように、その隙間δ1はなくなり、シャンク250は中空穴110内にて自動的に所定のオフセットが保持されて固定される。なおクランプスクリュー300はホルダ100の先後に間隔をおいて、シャンク250を複数箇所で押付けるように設けられているため、シャンク250は中空穴110の軸線Xに対し、その先後における傾斜もなく固定される。また、切れ刃の心高さは、クランプ状態において、中空穴110の平坦座面113上からの高さ寸法として求められるから、ボーリンクバー200のその高さ方向の寸法に基づいて、中空穴110における座面の位置(矩形穴の内周面の位置)を設定しておくことで、ボーリングバー200ごと、所望とする心高さを常に一定のものとして得ることができる。同様に、切れ刃215の平面位置(オフセット量)も、クランプ状態において、中空穴110の横拘束壁115から切れ刃215までの寸法として求められるから、ボーリンクバーのその寸法に基づいて、中空穴110における横拘束壁の位置を設定しておくことで、ボーリングバー200ごと、所望とするオフセット量を常に一定のものとして得ることができる。
なお、角度αは、クランプ剛性が高められるように、また、ホルダ100を先端103側から見たときの3点支持が安定するように設定すればよい。切削抵抗(合力)のうち、主分力、背分力に応じて設定すればよいが、3点支持角度のバランスを考慮して設定すればよい。なお、本例では、角度αは、先後において同じとしたが、先後のクランプスクリュー300によって、異なる角度としてもよい。
なお、前記形態では、ボーリングバー200は、シャンク250が上下に2つの平行な平面253,255を有する、2面幅加工されたものを用いた場合で具体化したが、本発明のホルダ100に適用するボーリングバー200のシャンク250に設ける平面は、中空穴110の平坦座面113に接圧される側の面にのみ設けるだけでもよい。例えば、シャンク250の一端側にのみ切れ刃215があるものでは、切れ刃215の交換はないので、中空穴110の平坦座面に接圧されるシャンク250の平面は1つだけとなるから、その意味で2面幅加工をする理由はない。したがって、このような場合には、図6示したように、上記例において、シャンク250における図示上の平面253は設けられていなくともよい。
また、前記形態では、中空穴110はその横断面が長方形の場合を例示したが、これについても、本願発明では正方形としてもよいし、それ以外の横断面形状としてもよい。すなわち、本願発明において中空穴110の横断面形状については、中空穴110の内周面に、該シャンク250の該平面255が接することで、その接圧方向の位置決めがなされる平坦座面113と、該シャンク250の外周面のうちの切れ刃215が突出する側と反対側の部位225を拘束する横拘束壁115とを有しておれば十分であり、したがって、この平坦座面113と横拘束壁115以外をなす中空穴110の内面(内周面)は、任意の形状のものとして具体ができる。
また上記例において、横拘束壁115は、平坦座面113に対して垂直な壁とした場合を説明したが、この横拘束壁115は、シャンク250の外周面のうちの切れ刃215が突出する側と反対側の部位225を拘束できればよく、したがって、平坦座面113に対して傾斜して立ち上がる壁であってもよい。ただし、その場合には、図6中、2点鎖線で示した横拘束壁115のように、すくい面217側からシャンク250に被さるような傾斜壁とするのがよい。すなわち、本発明では、シャンク250を、クランプスクリュー300のねじ込みにより、その先端と、平坦座面と横拘束壁との3点支持で固定できればよく、したがって、クランプスクリュー300の角度αをも考慮し、安定した3点支持による締め付けが得られるようにすればよい。
本発明のボーリングバーホルダは、上記例のものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない限り、適宜に変更して具体化できる。例えば、上記例では、先後に同一外径のスリーブとしたが、例えば、先端寄り部位が先細りテーパに形成されていてもよいし、先端側が小径で後端側が大径の異径外径のホルダとしても具体化できるし、全体が先細りテーパをなすものとしても具体化できる。さらに、横断面は、円でなくともよいなど、取り付けられる加工機械(旋盤)の刃物台に応じて適宜の形状、構造、取付け手段のものとして具体化することができる。また、本発明のボーリングバーホルダにクランプされるボーリングバーは、両端に切れ刃215を有する所謂、2コーナタイプのものを用いることもできるし、片端にのみ切れ刃215を有する1コーナタイプのものを用いることもできるのは上記した通りである。
100 ボーリングバー用ホルダ
110 中空穴
113 中空穴の平坦座面
115 中空穴の横拘束壁
170 ネジ穴
170x ネジの軸線
200 ボーリングバー
215 切れ刃
217 すくい面
225 シャンクの外周面のうちの切れ刃が突出する側と反対側の部位
250 シャンク
255 シャンクのすくい面と反対側を向く1つの側面に設けられた平面
300 クランプスクリュー
X シャンクの軸線
α 傾斜角

Claims (4)

  1. ボーリングバーのシャンクを内挿させ得る中空穴と、該中空穴に内挿した該シャンクをクランプするために、該中空穴の内周面と外周面との間を貫通して、先後に間隔をおいて複数設けられたネジ穴と、該ねじ穴に外周面側からねじ込まれるクランプスクリューとを含み、該クランプスクリューをねじ込むことによって、該中空穴に内挿したシャンクをクランプするように構成されたボーリングバー用ホルダであって、
    前記シャンクは、少なくとも、切れ刃におけるすくい面に対し反対側を向く1つの側面に、該シャンクの軸線に平行な平面を有するものであり、
    前記中空穴は、その内周面に、該シャンクの該平面が接することで、その接圧方向の位置決めがなされる平坦座面と、該シャンクの外周面のうちの切れ刃が突出する側と反対側の部位を拘束する横拘束壁とを有しており、
    前記ネジ穴は、前記クランプスクリューによって、前記中空穴に内挿されて前記平坦座面と前記横拘束壁とで位置決めされているシャンクのうちのすくい面側であって前記切れ刃が突出する側の部位を押え付け得るように、該中空穴を先端側から見たとき、そのネジの軸線が該平坦座面と傾斜角αをなすように設けられてなることを特徴とするボーリングバー用ホルダ。
  2. 傾斜角αは、20度〜60度の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のボーリングバー用ホルダ。
  3. 前記中空穴は、先端側から見たとき、略長方形で、前記平坦座面が、この長方形の長辺側に位置し、前記横拘束壁がこの長方形の短辺側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のボーリングバー用ホルダ。
  4. 前記中空穴は、先端側から見たとき、略長方形で、前記平坦座面が、この長方形の長辺側に位置し、前記横拘束壁がこの長方形の短辺側に位置するように形成されており、
    前記ボーリングバーのシャンクは、外径D1の丸棒において、切れ刃におけるすくい面側とその反対側に軸に平行な2つの平面が付けられており、前記中空穴の長辺の長さAはシャンクの外径D1より大きく、短辺の長さBがシャンクの外径D1より小さく設定されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のボーリングバー用ホルダ。
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