JP2014202082A - 軸流タービン - Google Patents

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亮 ▲高▼田
亮 ▲高▼田
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大武 茂樹
Shigeki Otake
茂樹 大武
晃 三上
Akira Mikami
晃 三上
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Abstract

【課題】ノズル翼の入口及び出口間の作動流体の圧力比が大きく変動する軸流タービンにおいて、圧力比の全域で高いノズル効率を可能にし、かつコンパクトな構成とする。
【解決手段】タービン動翼群18に隣接して、タービンロータ14を囲むように、回転体16が設けられ、回転体16は周方向に仕切られた複数のノズル室24a〜24cで構成され、各ノズル室に、形状の異なるノズル翼群26a〜26cが設けられている。ノズル翼群26a〜26cは、異なる圧力比に夫々対応してノズル効率を低減可能な翼形状をしている。また、作動流体wをノズル室に供給する単一の作動流体供給管28が設けられ、作動流体供給管28に流量制御弁30が設けられている。回転体16はタービンロータ14の周方向に回転可能に構成され、作動流体供給管28の出口開口28aに対面したノズル室の一つに作動流体が選択的に供給される。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転条件によってノズル翼の入口と出口における作動流体の圧力比が大きく変動する軸流タービンに好適であり、前記圧力比が変動してもノズル効率を高く維持できるタービンノズルを備えた軸流タービンに関する。
軸流タービンにおいて、作動流体はノズルボックスからタービンノズルが設けられた環状の導入路から初段のタービン動翼に導入される。水中機器の動力として用いられる軸流タービンなどでは、水中機器の水中深度や出力に応じて、出力が大きく変動する。これによって、タービンノズルを構成するノズル翼の入口(前縁)における作動流体の圧力Pと、出口(後縁)における作動流体の圧力Pとの比(P/P)が大きく変動する(図2(B)及び図13(A)参照)。即ち、高出力時に高圧力比となり、低出力時に低圧力比となる。
前記圧力比が大きくなるに従って、作動流体のノズル翼出口の流速は、亜音速から、遷音速、さらには超音速となる。圧力比が大きくなり、作動流体の流速が超音速領域に達する運転条件では、超音速領域でエネルギ損失(圧力損失)が少ない先細―末広型ノズル翼が一般的に用いられる。しかし、圧力比(P/P)が1〜30まで幅広く変動するとき、超音速対応用のノズル翼のみを用いたタービンノズルでは、部分負荷運転時に作動流体の流速が亜音速以下に低下し、低圧力比となったとき、ノズル効率が大きく低下する。
図12は、先細―末広型ノズル翼を用いた時の、ノズル翼間における作動流体の圧力比(P/P)の変動例を示している。図中、臨界点はノズル翼間喉部(ノズル翼間で最も隙間面積が狭くなる部分。例えば図8の喉部t)に相当する。ノズル翼間を流れる作動流体は、加速しつつ膨張(減圧)するので、ノズル翼出口で前記圧力比は増加する。ノズル翼出口で圧力比がPoとなるとき、ノズル効率が最良となる。圧力比の変動幅が大きい軸流タービンでは、超音速域(領域ニ)に合わせてノズル翼の形状を設計している。しかし、この設計では、ノズル翼出口で圧力比が領域ロ(亜音速領域)又は領域ハ(遷音速領域)の値となった場合、衝撃波が発生し、ノズル効率が低下する。
特許文献1には、タービンノズルが設けられた環状の導入路を半径方向に2分割し、作動流体の流量が少ない部分負荷運転時に、一方の導入路のみに作動流体を導入し、作動流体の圧力及び流速を確保する構成が開示されている。環状の導入路を周方向に分割し、一部の導入路のみに作動流体を導入した場合、導入路の境界で急激な流れの変化が起こり、タービン動翼に過大な衝撃力が加わって、タービン動翼の破損につながるおそれがある。特許文献1の構成は、これを防止するために採用されている。
特許文献2には、前記環状の導入路を周方向に分割して複数のノズル室を形成した軸流タービンが開示されている。この軸流タービンは、作動流体の圧力が低下する一部のノズル室の開口面積を絞ることで、作動流体の圧力及び流速を確保し、ノズル効率(調速段効率)の低下を防止するようにしている。
特開昭60−69213号公報 実用新案第2601200号公報
前述のように、運転中圧力比が幅広く変動する軸流タービンでは、変動する圧力比の全域で高いタービン効率を維持することが困難である。特許文献1及び特許文献2に開示された構成は、かかる問題を解決するものではない。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、ノズル翼入口及びノズル翼出口間の作動流体の圧力比が大きく変動する軸流タービンにおいて、変動する圧力比の全域で高いノズル効率を可能にし、かつコンパクトな構成でこれを可能にすることを目的とする。
本発明の軸流タービンは、ノズル翼群がタービンロータの周囲に列状に配置されてなるタービンノズルと、タービンロータの一部を構成し、タービンノズルに隣接して配置されたタービン動翼群と、作動流体をタービンノズルを介してタービン動翼に供給する作動流体供給路とを備えた軸流タービンに適用される。
そして、前記目的を達成するため、前記タービンノズルは、タービンロータの周囲に配置された環状の回転体で構成され、回転体は、タービンロータの周方向に仕切られた複数のノズル室を有し、これらノズル室の内部には、ノズル室毎に異なる形状を有し、作動流体のノズル入口圧とノズル出口圧との異なる圧力比に夫々対応してノズル効率を低減可能なノズル翼群が設けられている。
また、前記ノズル室に作動流体を供給する単一の作動流体供給路、及び前記ノズル室に供給される作動流体の流量を制御する流量制御機構を備えている。さらに、回転体はタービンロータの周方向に回転可能に構成され、作動流体供給路からノズル室の一つに作動流体が選択的に供給される。
かかる構成によって、運転中の圧力比の変動に対応して、回転体を回転させ、ノズル効率が最良となるノズル翼を有するノズル室に作動流体を選択的に導入する。これによって、圧力比が変動しても、常に高いノズル効率を得ることができる。
また、回転体は、ノズル翼群に作用する作動流体の揚力だけで回転できるので、回転体を回転させるための駆動装置は不要になる。また、複数のノズル室に対して、単一の作動流体供給路を設けるだけでよいので、装置構成をコンパクト化できる。
なお、流量制御機構は、例えば、作動流体供給路に設けられた流量制御弁又は流量制御ダンパでもよく、あるいは作動流体が流入する各ノズル室の入口を開閉する開閉機構を設けるようにしてもよい。
本発明の一態様として、複数のノズル室に、夫々亜音速対応用の第1の先細型ノズル翼、遷音速対応用の第2の先細ノズル及び超音速対応用の先細―末広型ノズル翼を設けることができる。第1の先細型ノズル翼の圧力比Paと、第2の先細ノズルの圧力比Pbと、先細―末広型ノズル翼の圧力比Pcとは、Pa<Pb<Pcの関係にある。
これによって、圧力比が亜音速領域に対応するときは、第1の先細型ノズル翼を有するノズル室に作動流体を導入し、圧力比が遷音速領域に対応するときは、第2の先細ノズル翼を有するノズル室に作動流体を導入する。そして、圧力比が超音速領域に対応するときは、先細―末広型ノズル翼を有するノズル室に作動流体を導入することで、常にノズル効率を高く維持できる。
図13(A)は、先細―末広型ノズル翼を模式的に示す図である。図に示すように、先細―末広型ノズル翼1は、広い断面積を有する入口1aと、断面積が最小となる喉部1bと、広い断面積を有する出口1cとを有している。入口1aから流入した音速以下の作動流体wは、ノズル断面積が狭まるに従い速度が増し、減圧する。そして、ある条件下で、喉部1bで音速(マッハM=1)に達する。その後、断面積が広がるに従い、作動流体wは減圧(膨張)して超音速(M>1)となる。
図13(B)は、先細型ノズル翼を模式的に示す図である。図に示すように、先細型ノズル翼3は、最も広い断面積を有する入口3aと、最も狭い断面積を有する出口3bとを有している。作動流体wの流速は出口3bで最も大きくなるが、超音速にはならない。従って、先細型ノズル翼は亜音速対応用又は遷音速対応用として用いられる。
本発明の別な一態様として、複数のノズル室に設けられたノズル翼は、超音速対応用の先細―末広型ノズル翼で構成することができる。そして、この先細―末広型ノズル翼は、ノズル室毎に喉部隙間面積と出口隙間面積との面積比(AR値)が異なり、各ノズル室に設けられたノズル翼のAR値は、複数の異なる圧力比に夫々対応してノズル効率を低減可能な値に設定している。
本態様は、作動流体がノズル翼間で超音速領域となる場合に適用される態様である。先細―末広型ノズル翼は、圧力比によって最良なノズル効率となるAR値が異なる。本態様によれば、運転中変動する圧力比に対して、ノズル効率が最良となるノズル翼を有するノズル室に作動流体を導入することで、圧力比が遷音速領域以下に対応するときでも、常に高いノズル効率を得ることができる。
本発明のさらに別な態様として、回転体の側面に、作動流体からノズル翼が受ける揚力の方向に向かって内側に傾斜した複数の傾斜面を連続的に環状に形成する。そして、この傾斜面に対して進退可能なストッパ部材を設ける。このストッパ部材は前記傾斜面に摺接する傾斜端面を有している。さらに、ストッパ部材に対して回転体側面の傾斜面を押圧する方向に押圧力を付与する押圧装置を設ける。
これによって、回転体側面の傾斜面とストッパ部材の傾斜端面との間に、常に摩擦力が働くので、回転体の過速回転を防止できる。そのため、回転体の異常振動等を防止でき、安定した回転状態を保持できる。
さらに、回転体の外周面に形成された凹部に挿入されて回転体の過回転を防止する過回転防止部材を備えることができる。これによって、回転体を所望の回転角度で停止できるため、選択されたノズル室の一つと作動流体供給路との接続を確実に行うことができる。
本発明のさらに別な態様として、回転体を回転駆動する駆動装置をさらに備えることができる。これによって、作動流体の揚力に頼らず、回転体を強制的に回転させることができる。
この駆動装置の一態様として、回転体に形成された第1の歯と、第1の歯に噛合する第2の歯を有する歯車と、この歯車を回転させる駆動モータとで構成することができる。これによって、駆動装置をコンパクト化かつ低コスト化できると共に、歯車の回転速度を制御することで、回転体の回転速度を制御できる。また、歯車の回転数を制御することで、回転体の停止位置を正確に制御できる。
前記第1の歯は、回転体の外周面又は側面に形成することができる。第1の歯を回転体の外周面に形成すれば、第1の歯の形成が容易になる。一方、第1の歯を回転体の側面に形成したとき、歯車の設置位置の自由度が増すという利点がある。
本発明によれば、圧力比の変動が大きい軸流タービンであっても、常に高いノズル効率で稼動させることができると共に、装置構成をコンパクト化かつ低コスト化できる。
本発明の第1実施形態に係る軸流タービンの縦断面図である。 (A)は図1中のA方向から視た模式図であり、(B)は亜音速対応用の先細型ノズル翼の横断面図である。 (A)は図1中のA方向から視た模式図であり、(B)は遷音速対応用の先細型ノズル翼の横断面図である。 (A)は図1中のA方向から視た模式図であり、(B)は超音速対応用の先細型ノズル翼の横断面図である。 各形状のノズル翼のエネルギ損失係数比を示す線図である。 図1中のB―B線に沿う断面図である。 (A)〜(D)は作動順に示した図6の一部拡大断面図である。 (A)及び(B)は本発明の第2実施形態に係る軸流タービンで用いられる先細―末広型ノズル翼の横断面図である。 本発明の第3実施形態に係る軸流タービンの縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る軸流タービンの縦断面図である。 本発明の第5実施形態に係る軸流タービンの縦断面図である。 ノズル翼間を通る作動流体の圧力比の変動例を示す線図である。 (A)は先細―末広型ノズル翼の模式図であり、(B)は先細型ノズル翼の模式図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
本発明の第1実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。本実施形態は、圧力比(P/P)が大きく変動する水中機器等に搭載されて好適な軸流タービンの実施形態である。図1において、本実施形態に係る軸流タービン10Aは、内部ケーシング12の内側中央にタービンロータ14が設けられている。内部ケーシング12とタービンロータ14との間に、タービンロータ14を囲むように、環状の回転体16が設けられている。回転体16に対し、タービンロータ14の軸方向に隣接して、タービンロータ14の一部を構成するタービン動翼群18が放射状に突設されている。1個の作動流体供給管28から、回転体16に作動流体wが供給される。
図2〜図4は、矢印A方向から視た回転体16の模式図である。図2〜図4には、作動流体供給管28の出口開口28aが模式的に図示されている。回転体16は、仕切り壁22によって周方向に仕切られた3個のノズル室24a〜24cで構成されている。ノズル室24a〜24cには、夫々形状が異なるノズル翼群が設けられている。即ち、ノズル室24aには、図2(B)に示す形状のノズル翼群26aが設けられ、ノズル室24bには、図3(B)に示す形状のノズル翼群26bが設けられ、ノズル室24cには、図4(B)に示す形状のノズル翼群26cが設けられている。
回転体16は、内部ケーシング12の内面に設けられた軸受32によって回転可能に支持されている。作動流体供給管28には、後述する制御装置38によって開度が制御される流量制御弁30が設けられている。作動流体供給管28の出口開口28a及びタービン動翼群18に対して、ノズル室24a〜24dは開放されている。そのため、回転体16の停止位置によって、ノズル室24a〜24dのいずれか一つが作動流体供給管28の出口開口28aに連通し、出口開口28aに対面したノズル室に作動流体wが供給される。
回転体16は、ノズル室24a〜24cのいずれかに導入される作動流体wがノズル翼群に当たることで、回転方向(矢印r方向)に揚力が発生する。そのため、駆動装置がなくても作動流体wの揚力で回転することができる。タービン動翼群18は、タービンロータ14を囲むように周方向に配置されているが、各ノズル室24a〜24cに設けられたノズル翼26a〜26cも、タービン動翼群18と対面するように、タービンロータ14の周方向に配置されている。
ノズル室24aに設けられたノズル翼群26aは、亜音速対応用の先細型ノズル翼であり、ノズル室24bに設けられたノズル翼群26bは、遷音速対応用の先細型ノズル翼であり、ノズル室24cに設けられたノズル翼は、超音速対応用の先細―末広型ノズル翼である。ノズル翼群26bは翼後縁の背面fが平坦面で形成され、これによって、遷音速に対応可能になっている。
図5は、作動流体が各形状のノズル翼群を通過する際のエネルギ損失係数比(ノズル翼の中で発生する最小のエネルギ損失係数を1.0としたときのエネルギ損失係数の比)を示す。ノズル翼の出口マッハ数と圧力比(P/P)とは一義的に対応する。
図5に示すように、マッハ数が0.6〜1.0では、亜音速対応用の先細型ノズル翼26aのエネルギ損失が最も少ない。また、マッハ数が1.0〜1.4では遷音速対応用の先細型ノズル翼26bのエネルギ損失が最も少なく、マッハ数が1.4以上では超音速対応用の先細―末広型ノズル翼26cのエネルギ損失が最も少ない。
次に、図6及び図7により、回転体16の回転制御機構を説明する。図6に示すように、回転体16の外周面に、断面が四角で長辺が周方向に配置された長溝16aが形成されている。図6及び図7では、長溝16aは、1か所のみ図示されているが、長溝16aは、回転体16の外周面に適宜間隔で分散配置されている。回転体16の外周面に対面した内部ケーシング12の内面に、過回転防止部材34が設けられている。過回転防止部材34は、内部ケーシング12に設けられた駆動装置36によって、長溝16aに対し進退可能に構成されている。
回転体16の回転を止めるときは、制御装置38から駆動装置36に停止指令を送ることで、過回転防止部材34を長溝16aの内部に突出させる。これによって、回転体16を所望位置で止めることができる。
図7は、回転体16の過速回転を防止可能にするストッパ機構を示している。図7の(A)及び(D)は、回転体16が停止している状態を示し、(B)及び(C)は、回転体16が、作動流体wの揚力を受けて回転している状態を示している。回転体16の側面16bには、回転方向(矢印r方向)に向かって内側へ傾斜した複数の傾斜面40aが形成されている。傾斜面40aは、回転体16の側面16bに環状に連続的に形成されている。各傾斜面40aの境界には、側面16bに対して垂直な段差面40bが形成されている。
ストッパ部材42は、傾斜面40aと同一の傾斜角で形成された傾斜端面42aを有している。ストッパ部材42は、一端が内部ケーシング12に固定されたバネ部材44によって、傾斜面40aを押圧する方向(図7(D)の矢印c方向)に弾性力を付与されている。回転体16が回転すると、ストッパ部材42は、傾斜端面42aが傾斜面40aに摺接しながら、傾斜面40aによって押されて矢印b方向へ後退する。ストッパ部材42が一つの段差面40bを越えると、矢印c方向に移動して、再び次の傾斜面40aを押圧する。こうして、傾斜面40aと傾斜端面42aとの間に常に摩擦力が働いているので、回転体16の過速回転を防止できる。
かかる構成において、制御装置38で圧力比を検出する。その検出方法は、例えば、タービンロータ14の回転数を検出し、その回転数から圧力比を求める。同時に、駆動装置36を操作して過回転防止部材34を長溝16aから退出させ、回転体16を作動流体wの揚力で回転させる。そして、検出した圧力比に対応して最もノズル効率を低減可能な形状のノズル翼群が設けられたノズル室がノズルボックス20の出口開口20aに対面したとき、過回転防止部材34を長溝16aに突出させて、回転体16を停止させる。次に、ノズルボックス20から作動流体wを対面したノズル室に供給する。
これによって、圧力比が大きく変動したときでも、常にノズル効率を高く維持できる。また、回転体16は、ノズル翼群に作用する作動流体wの揚力だけで回転できるので、回転体を回転させるための駆動装置は不要になる。さらに、作動流体wの供給機構は、単一の作動流体供給路28を設けるだけでよいので、装置構成をコンパクト化できる。
図2〜図4の(B)に示すように、本実施形態では、各ノズル室に設けられたすべてのノズル翼群は、作動流体wがタービン動翼18に流入するときのインシデンス損失を低減可能な同一の出口流出角cを有している。これによって、作動流体wがタービン動翼18に流入するときの作動流体wの圧力損失を抑制でき、ノズル効率の低下を防止できる。また、全ノズル翼の出口流出角を同一とすることで、ノズル翼の製造を低コスト化できる。
また、ストッパ部材42を設けたことで、回転体16の過速回転を防止できるので、回転体16の異常振動等を防止でき、安定した回転動作を保持できる。さらに、過回転防止部材34を設けたことで、回転体16を所望の停止位置で停止させることができる。
なお、本実施形態において、流量制御弁30の代わりに、作動流体供給管28の出口開口28aに流量制御ダンパを設けてもよい。あるいは作動流体wが流入する各ノズル室の入口を開閉する開閉機構を設け、この開閉機構を制御装置38で制御することで、作動流体wをノズル室16a〜16dのどれかに選択的に流入させるようにしてもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の第2実施形態を図8により説明する。本実施形態は、ノズル室24a〜24cにすべて超音速対応用の先細―末広型ノズル翼が設けられているが、各ノズル室の先細―末広型ノズル翼の形状は異なっている。即ち、これら先細―末広型ノズル翼のAR値はノズル室毎に異なっている。
図8は、先細―末広型ノズル翼26cの形状を示している。図8において、点tは、ノズル翼間で最も隙間面積が狭くなるノズル翼間喉部を示し、喉部tの隙間面積aとノズル翼出口の隙間面積bの比(b/a)をAR値と言う。先細―末広型ノズル翼は、圧力比に応じてノズル効率を低減可能なAR値が異なる。即ち、圧力比が大きくなるほど、ノズル効率を低減可能なAR値が大きくなり、圧力比が小さいほど、ノズル効率を低減できるAR値は小さくなる。図8(A)は、AR値が大きい先細―末広型ノズル翼を示し、図8(B)は、AR値が小さい先細―末広型ノズル翼を示している。
本実施形態では、圧力比に応じて、その圧力比に対して最もノズル効率を低減可能なAR値をもつノズル翼群が設けられたノズル室に作動流体wを導入する。即ち、圧力比が変われば、回転体16を回転させて、作動流体wを導入するノズル室を変えるようにする。これによって、圧力比が大きく変動しても、常にノズル効率を高く維持できる。
また、前記第1実施形態と同様に、本実施形態でも、各ノズル室に設けられたすべてのノズル翼群は、作動流体wがタービン動翼18に流入するときのインシデンス損失を低減可能な同一の出口流出角cを有している。これによって、作動流体wがタービン動翼18に流入するときの作動流体wの圧力損失を抑制でき、ノズル効率の低下を防止できる。また、全ノズル翼の出口流出角を同一とすることで、ノズル翼の製造を低コスト化できる。
(実施形態3)
本発明の第3実施形態を図9により説明する。本実施形態の軸流タービン10Bは、作動流体wの揚力だけに頼らず、回転体16を強制的に回転駆動する駆動装置を設けた例である。この駆動装置50Aは、歯車52と歯車52を駆動する駆動モータ54とで構成されている。回転体16の外周面に歯車52の歯52aと噛合する歯16cが形成されている。なお、ノズル室24a〜24cの構成及び各ノズル室に異なる形状のノズル翼群が設けられている点は、前記第1実施形態又は前記第2実施形態と同様である。
本実施形態によれば、回転体16を強制的に駆動する駆動装置50Aを設けたことで、回転体16を確実に回転できる。また、駆動装置50Aをコンパクト化かつ低コスト化できると共に、制御装置38によって駆動モータ54を制御し、歯車52の回転速度を制御することで、回転体16の回転速度を精度良く制御でき、かつ歯車52の回転数を制御することで、回転体16を所望の周方向位置で停止できる。
また、駆動装置50Aを設けることで、逆に、前記第1実施形態の過回転防止部材34及びストッパ部材42を設ける必要がなくなるため、その分低コスト化できる。さらに、歯16dを回転体16の外周面に形成するので、歯16dの形成が容易になる。
(実施形態4)
次に、本発明の第4実施形態を図10により説明する。本実施形態の軸流タービン10Cも、前記第3実施形態と同様に、回転体16を強制的に駆動する駆動装置50Bを設けた例である。駆動装置50Bは、歯車52及び駆動モータ54からなる駆動ユニットを回転体16の上端及び下端に2組設けたものである。
このように、駆動ユニットを回転体16の正反対の位置に2組設けたことで、前記第3実施形態で得られる作用効果に加えて、回転体16の振動を抑制できる。回転体16の振動を抑制できるので、ノズル翼群に流入する作動流体wの乱れがなくなり、ノズル効率を向上できる。
(実施形態5)
次に、本発明の第5実施形態を図11により説明する。本実施形態の軸流タービン10Dでは、回転体16の外周側側面に、周方向に環状に歯16dを形成している。そして、歯16dと歯車52の歯52aとが噛合するように、歯車52を配置した駆動装置50Cを設けている。
本実施形態では、歯車52を回転体16の側面に配置するので、回転体16の配置の自由度が増すという利点がある。
本発明によれば、運転中圧力比が幅広く変動する軸流タービンにおいて、圧力比の全域で高いタービン効率を維持できる。
1 先細―末広型ノズル翼
1a 入口
1b 喉部
1c 出口
3 先細型ノズル翼
3a 入口
3b 出口
10A、10B、10C、10D 軸流タービン
12 内部ケーシング
14 タービンロータ
16 回転体
16a 長溝
16b 側面
16d 歯(第1の歯)
18 タービン動翼群
22 仕切り壁
24a、24b、24c ノズル室
26a、26b、26c ノズル翼群
28 作動流体供給管
28a 出口開口
32 軸受
30 流量制御弁
34 過回転防止部材
36 駆動装置
38 制御装置
40a 傾斜面
40b 段差面
42 ストッパ部材
42a 傾斜端面
50A、50B、50C 駆動装置
52 歯車
52a 歯(第2の歯)
54 駆動モータ
a、b 隙間面積
c 出口流出角
f 背面
t 喉部
r 回転方向
w 作動流体

Claims (8)

  1. ノズル翼群がタービンロータの周囲に列状に配置されてなるタービンノズルと、
    前記タービンロータの一部を構成し、前記タービンノズルに隣接して配置されたタービン動翼群と、
    作動流体を前記タービンノズルを介して前記タービン動翼に供給する作動流体供給路とを備えた軸流タービンにおいて、
    前記タービンノズルは、前記タービンロータの周囲に配置された環状の回転体で構成され、前記回転体は、前記タービンロータの周方向に仕切られた複数のノズル室と、前記複数のノズル室に設けられ、前記ノズル室毎に異なる形状を有し、前記作動流体のノズル入口圧とノズル出口圧との異なる圧力比に夫々対応してノズル効率を低減可能なノズル翼群とで構成され、
    前記ノズル室に前記作動流体を供給する単一の作動流体供給路、及び前記ノズル室に供給される作動流体の流量を制御する流量制御機構を備え、
    前記回転体は前記タービンロータの周方向に回転可能に構成され、前記作動流体供給路から前記ノズル室の一つに作動流体が選択的に供給されることを特徴とする軸流タービン。
  2. 前記複数のノズル室に夫々亜音速対応用の第1の先細型ノズル翼、遷音速対応用の第2の先細ノズル及び超音波対応用の先細―末広型ノズル翼が設けられ、
    前記第1の先細型ノズル翼の圧力比Paと、前記第2の先細ノズルの圧力比Pbと、前記先細―末広型ノズル翼の圧力比Pcとは、Pa<Pb<Pcの関係にあることを特徴とする請求項1に記載の軸流タービン。
  3. 前記複数のノズル室に設けられたすべてのノズル翼は、超音速対応用の先細―末広型ノズル翼で構成されると共に、各ノズル室毎に前記先細―末広型ノズル翼の喉部隙間面積と出口隙間面積との面積比が異なり、
    各ノズル室に設けられたノズル翼の前記面積比は、複数の異なる前記圧力比に夫々対応してノズル効率を低減可能な値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の軸流タービン。
  4. 前記回転体の側面に、前記作動流体から前記ノズル翼が受ける揚力の方向に向かって内側に傾斜した複数の傾斜面が連続的に環状に形成され、
    前記傾斜面に摺接する傾斜端面を有し、前記傾斜面に対して進退可能に設けられたストッパ部材と、
    前記ストッパ部材に対して前記傾斜面を押圧する方向に押圧力を付与する押圧装置と、
    前記回転体の外周面に形成された凹部に挿入されて前記回転体の過回転を防止する過回転防止部材とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の軸流タービン。
  5. 前記回転体を回転駆動する駆動装置をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の軸流タービン。
  6. 前記駆動装置は、
    前記回転体に形成された第1の歯と、
    前記第1の歯に噛合する第2の歯を有する歯車と、
    前記歯車を回転させる駆動モータとで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の軸流タービン。
  7. 前記第1の歯が前記回転体の外周面に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の軸流タービン。
  8. 前記第1の歯が前記回転体の側面に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の軸流タービン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016094922A (ja) * 2014-11-17 2016-05-26 三菱重工業株式会社 タービンディフューザ及び軸流タービン
KR101832588B1 (ko) * 2016-01-15 2018-02-26 두산중공업 주식회사 소형 증기 터빈용 유량 제어 장치

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