JP2014201564A - D−アミノ酸オキシダーゼの阻害剤 - Google Patents

D−アミノ酸オキシダーゼの阻害剤 Download PDF

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Abstract

【課題】D−アミノ酸オキシダーゼの新規阻害剤で、安全性が高く医薬品として利用できる物質を見出し、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA型L−グルタミン酸受容体)の機能不全による精神神経疾患を改善するための新たな抗精神病薬、特に、統合失調症や双極性障害の改善薬を開発する。【解決手段】本発明は、アシクロビルを有効成分とする、D−アミノ酸オキシダーゼの阻害剤を提供する。また、本発明の阻害剤は、精神神経疾患の改善薬、より具体的には、D−セリン量の減少に起因する精神神経疾患の改善薬、あるいはN−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA型L−グルタミン酸受容体)を介する神経伝達の異常に起因する精神神経疾患の改善薬、特に統合失調症や双極性障害の改善薬として有用である。【選択図】なし

Description

本発明は、D−アミノ酸オキシダーゼ(DAO)に対する阻害剤、および精神神経疾患、より詳しくは、D−セリン量の減少に起因する精神神経疾患、またはN−メチルーD−アスパラギン酸受容体(NMDA型グルタミン酸受容体)を介する神経伝達の異常に起因する精神神経疾患、特に統合失調症または双極性障害の改善薬として有用なD−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤に関する。
従来、D−アミノ酸は動物には存在しないか存在しても極微量と考えられていたが、近年、D−アミノ酸は哨乳動物を含む高等動物において重要な生理機能を担っていることが見出されている。
なかでもD-セリンは、神経細胞においてL-グルタミン酸受容体の一種であるN-メチル-D- アスパラギン酸受容体(NMDA型L-グルタミン酸受容体、NMDA受容体) のグリシン結合部位に結合し、この受容体のL-グルタミン酸作動性の神経伝達を増強することが報告されている。従って、D-セリンはNMDA受容体にコアゴニストとして結合し、L-グルタミン酸のNMDA受容体への結合を介した興奮を調節する神経調節因子であると考えられている。
生体内においてD-アミノ酸を立体特異的に分解する酸化酵素としては、D-アミノ酸オキシダーゼ(DAO )が知られている。この酵素は、D-セリンやD−アラニンなどの中性および塩基性のD-アミノ酸を分解する酵素であり、以下の反応式に示すように酸素を電子受容体としたD-アミノ酸の酸化的脱アミノ化反応を触媒する。この反応により、基質であるD-アミノ酸に対応する2-オキソ酸、過酸化水素およびアンモニアが生成する。
D-アミノ酸 + O2 + H2O → 2-オキソ酸 + H2O2 + NH3
D-アミノ酸オキシダーゼ活性を欠失している変異体マウスにおいては中枢神経系および血清中におけるD-セリンレベルが野生型マウスと比較して高いことが報告されている(非特許文献1)。すなわち、D-アミノ酸オキシダーゼは、D-セリンを生理的基質として分解し、その体内濃度の調節を担う酵素である。
NMDA受容体の機能低下を含む、L-グルタミン酸系神経伝達の異常は、統合失調症や双極性障害などの様々な精神神経疾患の発症に関わっていると考えられており、この受容体を賦活する物質は新規抗精神病薬として期待される。
統合失調症患者を対象とした連鎖解析により、統合失調症の感受性候補因子の1つとしてD-アミノ酸オキシダーゼ(DAO)が同定されている(非特許文献2)。この知見を受け、DAO の機能亢進による脳内D-セリン濃度の減少がNMDA受容体の機能不全を引き起こし、ひいては統合失調症が発症するという説が提唱され、この説を支持する幾つかの研究が報告されている(非特許文献3、4、5、6)。従って、DAO 活性を阻害することにより脳内D-セリン濃度を高めることは、統合失調症の病態を改善する方法の1つになり得ると考えられる。実際、統合失調症改善薬としての利用を念頭に置いたDAO 阻害剤の研究が報告されている(非特許文献7)。
このように、DAO の阻害剤は、体内D-セリン濃度を上昇させると考えられるため、統合失調症の改善薬としての有用性が期待できる。このことは、DAO 活性を欠失しているマウスでは、フェンサイクリジン(NMDA受容体遮断薬)により引き起こされる統合失調症様症状の1つである自発的運動量亢進現象が抑制されるとの報告によっても裏付けられる(非特許文献8)。
これまでにD-アミノ酸オキシダーゼ阻害剤自体は幾つか知られているが、統合失調症を含む精神神経疾患に対する医薬品としての使用についての検討はほとんど進んでいない。
また、特許文献1には、統合失調症を含む中枢神経系障害の処置のための候補分子を同定する方法が記載され、候補化合物としてD-アミノ酸オキシダーゼおよびD-アスパラギン酸オキシダーゼの各種アンタゴニストを使用することが示唆されているが、具体的にアンタゴニストであるとして記載されているのは、ベンゾアート、アミノエチルシステイン- ケチミン、アミノエチルシステイン(チアリシン)、システアミン、パンテテイン、シスタチオニンおよびS-アデノシルメチオニンのみである。また、これらの化合物が医薬品として使用できることについては確認されていない。
現在使用されている統合失調症の治療薬としては、脳内ドーパミン作動性神経機能の異常亢進に起因する症状を抑制するために、ドーパミン受容体拮抗作用を有する向精神薬が使用されている。例えば、フェノチアジン骨格、チオキサンテン骨格、ブチロフェノン骨格、ベンズアミド骨格を有する化合物、5-HT受容体拮抗作用も有する三環性化合物などがある。しかしながら、これらの化合物は妄想や幻覚といった統合失調症の陽性症状は緩和するが、NMDA受容体の機能低下に起因すると考えられている感情鈍麻や意欲減衰といった陰性症状は改善できない。このため、NMDA受容体を賦活する薬物は統合失調症の陽性症状と陰性症状の両方を改善する新規抗精神病薬として期待される。
特表2004-537275 号公報
上記の知見から、D−アミノ酸オキシダーゼの阻害剤はNMDA受容体を介する神経活動の調節薬、特に統合失調症や双極性障害の改善薬としての可能性を有することが期待される。従って、この酵素の阻害剤であって、安全性が高く医薬として利用できる物質を見出すことは新たな抗精神病薬の開発の点で有用である。
本発明者らは、上記現状に鑑み、D−アミノ酸オキシダーゼの阻害剤を同定するための検討を行った。その結果、抗ウイルス薬として知られているアシクロビルがD−アミノ酸オキシダ−ゼに阻害作用を示すことを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明はアシクロビルを有効成分とするD−アミノ酸オキシダ−ゼ阻害剤である。また、本発明は、精神神経疾患、より詳しくはD−セリン量の減少に起因する精神神経疾患、またはN−メチルーD−アスパラギン酸受容体(NMDA型グルタミン酸受容体)を介する神経伝達の異常に起因する精神神経疾患、特に統合失調症および双極性障害の改善薬である、D−アミノ酸オキシダ−ゼ阻害剤に関する。
アシクロビルは、D−セリンを分解するD−アミノ酸オキシダーゼの阻害剤として有効であることが本発明において実証された。また、アシクロビルは現在抗ヘルペスウイルス薬として使用されており、安全性が高く副作用が少ないことが確認されているので、D−セリンが関与するNMDA受容体を介する神経活動の調節薬、特に統合失調症や双極性障害の改善薬としての効果が期待される。
アシクロビルのヒトD−アミノ酸オキシダーゼに対する阻害活性を示す図である。 アシクロビルの阻害活性の持続性を示す図である。
本発明で用いるアシクロビルは、下記の化学構造を有する、化学名9−〔(2−ヒドロキシエトキシ)メチル〕グアニン(化学式:C8 115 3 、分子量:225.2)の化合物であり、白色〜微黄白色の結晶性の粉末として得られ、水に難溶で、酸性またはアルカリ性水溶液に溶ける。現在、アシクロビルは抗ヘルペスウイルス薬として使用されており、その作用機作は、ヘルペスウイルス感染細胞内で、ヘルペスウイルスに特異的なチミジンキナーゼによりリン酸化されて活性体となり、ウイルスのDNAポリメラーゼを阻害してヘルペスウイルスの増殖を防ぐというものである。
Figure 2014201564
以下の実施例において実証しているように、アシクロビルはD−アミノ酸オキシダーゼに対して阻害効果を有する。従って、アシクロビルの投与により神経細胞におけるD−セリンの分解が抑制され、神経細胞におけるD−セリンの不足によって生じる精神神経疾患を改善することが期待できる。特に、統合失調症と双極性障害は、L−グルタミン酸の結合と共にD−セリンの結合が必要なN−メチルーD−アスパラギン酸受容体(NMDA型グルタミン酸受容体)を介する神経伝達の異常が原因の1つと考えられている。
D−アミノ酸オキシダーゼは、ヒトを含む哺乳動物の組織、特に脳、腎臓および肝臓において発現しており、D−セリン、D−アラニン、D−アルギニンなどの中性および塩基性のD−アミノ酸を分解する。
アシクロビルは、既に抗ヘルペスウイルス薬として使用されている医薬品である。先発品は、グラクソ・スミスクライン株式会社 (http://glaxosmithkline.co.jp/)から販売されているゾビラックスであり、錠剤、顆粒、および軟膏等の剤形で販売されている。例えば、錠剤として販売されている「ゾビラックス錠200 ・400 」の添付文書によれば、その用法・用量は、単純疱疹に対しては、通常、成人には1回アシクロビルとして200 mgを1日5回経口投与する。また、通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを 1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は200 mgとする。同様に、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制のためには、通常、成人には1回アシクロビルとして200 mgを1日5回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。また、通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。ただし、1回最高用量は200 mgとする。同様に、帯状疱疹に対しては、通常、成人には1回アシクロビルとして800 mgを1日5回経口投与する。また、通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は800 mgとする。同様に、性器ヘルペスの再発抑制のためには、通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は200 mgとする。なお、これらの用量はいずれの場合においても年齢、症状より適宜増減すると記載されている。従って、D−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤としてのアシクロビルを、統合失調症を含む精神神経疾患の治療のための医薬品として使用する場合、投与量は対象となる患者の年齢、体重、性別、病状、投与方法などに応じて変動するものであり、適切な臨床試験に基づいて決定されるべきであるが、上記の錠剤としての使用例も含め、現在までの抗ヘルペスウイルス薬としての使用例に基づく量が目安となるものと考えられる。
アシクロビルを有効成分とする医薬組成物を製造するには、必要により慣用の医薬品添加物を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、液剤などの経口用製剤、溶液剤や懸濁剤などの注射用製剤、スプレーやエアロゾルなどの経粘膜投与用製剤とすることができる。添加物としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、抗酸化剤、安定剤、溶解剤、可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、粘度調整剤、ゲル化剤、分散剤、pH調整剤、着色剤、矯味剤などが使用できる。
本発明の改善薬を適用しうる疾患には、NMDA受容体の機能低下との関係が示唆されている統合失調症、双極性障害、うつ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、小脳失調、ハンチントン病などが挙げられる。なかでも統合失調症は、人口の1%に発生し、比較的若い時期に発症するため、社会的に大きな損失となり、また医療経済の面でも問題である。症状としては、幻覚、妄想、精神運動興奮などの陽性症状と精神運動抑制、意欲低下、自発性の欠如、感情の平板化、抑うつ症状などの陰性症状があり、多くの患者で各種認知機能障害を伴い、特にある種の記憶障害が重篤であることが報告されている。従って、本発明によりこれらの症状の改善が期待できる薬剤を提供できることは非常に有用である。
(試験例1)アシクロビルのD-アミノ酸オキシダーゼ(DAO)に対する阻害活性
ヒトDAO を用いて、D-セリンと同等に基質となるD-アラニンを用いた場合の試験物質の阻害活性を、ヒドラジンを用いる2-オキソ酸の比色定量法により測定した。
材料
酵素:組換えタンパク質として大腸菌で発現させたヒトDAO を以下のように調製して用いた。なお、この酵素は大腸菌発現用プラスミドpRSET-B (Invitrogen社)を用いて、N 末にHis タグが付加された融合タンパク質として大腸菌BL21(DE3)pLysS株で発現させた。
酵素を発現する大腸菌の培養液から、10,000× g、4 ℃、10分間の遠心により菌体を回収し、BugBuster Protein Extraction Reagent(Novagen 社)を用いた溶解により可溶性画分を得た。可溶性画分をニッケルカラム(His GraviTrap column:GE Healthcare 社)に添加した後、0.5 M NaClおよび400 mMイミダゾールを含む20 mM リン酸ナトリウムバッファー(pH 7.4)を添加してカラムに結合した組換えDAO を溶出した。溶出液を透析膜に移し、2 mM EDTA 、5 mM 2- メルカプトエタノールおよび10 %グリセロールを含む1 L の10 mM ピロリン酸ナトリウムバッファー(pH 8.3)に対する4 ℃、3 時間の透析を2回行った。透析後の溶液を2mLマイクロチューブに回収し、10,000× g、4 ℃、10分間の遠心後に上清を分取し、これを精製酵素として以降の実験に用いた。
基質:Sigma 社から購入したD-アラニンを滅菌水に溶解後、HCl またはNaOH溶液でpH 8.0にして使用した。
化合物:アシクロビルはWako社から購入し、100 %(v/v)ジメチルスルホキシドに溶解して使用した。
試験方法
適切な量のDAO を含む120 μL の反応液(0.3 〜8.0 μg のDAO 、250 μM FAD 、22 unitsのAspergillus niger カタラーゼ、50 mM ピロリン酸ナトリウムバッファー:pH8.3 )を1.5 mLマイクロチューブに調製した。調製した反応液に30μL の25 mM 基質(D-アラニン)を添加し、37℃で10分間の酵素反応を行った。10μL の100 % (w/v )トリクロロ酢酸を添加して反応を止め、20,000× g、4 ℃、10分間の遠心後に150 μL の上清を分取した。100 μL の0.1 % (w/v )2,4-ジニトロフェニルヒドラジン / 2 M HClを添加し、37℃で15分間の反応を行った。750 μL の3.75 M NaOH を添加し、20,000× g、4 ℃で10分間遠心した。200 μL の上清を96 well プレートに移し、プレートリーダー(PowerWaveTM XS:Bio-Tek 社)を用いて、基質の代わりに滅菌水を添加したサンプルをブランクとして445 nmの吸光度を測定した。
上記試験法におけるヒドラジンを用いた2-オキソ酸の比色定量は以下に示す原理による。すなわち、無色のジニトロフェニルヒドラジンが、D-アミノ酸の分解により生じた2-オキソ酸と反応して、赤褐色のジニトロフェニルヒドラゾンを生成し、これは445 nmの光に吸収を示す。
Figure 2014201564
結果
アシクロビルを試験化合物とし、ヒトDAO の酵素活性に対する用量依存的な阻害作用を解析した結果を図1に示す。
図1のAは、ヒトDAO とアシクロビルを0℃で一定時間(0h、2h、4h、5hまたは6h)前処理し、その後基質を添加して酵素活性を測定した結果を示す。縦軸は、アシクロビル非存在下で得られた酵素活性を100 %とした相対活性を示す。
図1のBは、ヒトDAO とアシクロビルを一定温度(0℃、5℃、10℃、20℃または37℃)で5時間前処理し、その後基質を添加して酵素活性を測定した結果を示す。縦軸は、アシクロビル非存在下で得られた酵素活性を100 %とした相対活性を示す。
これらの結果より、アシクロビルによるDAO の阻害は、阻害剤と酵素の結合・解離が非常にゆっくりとした速度で平衡に至るタイプである「遅延結合性阻害」であることが明らかになった。また、アシクロビルとDAO の結合・解離が平衡に達するまでの時間が温度に依存することも明らかになった。
(試験例2)アシクロビルの阻害作用の持続性
前処理を次のように行った以外は、試験例1と同様の方法でアシクロビルのヒトDAO に対する阻害作用を測定し、阻害作用の持続性を解析した:100μM のアシクロビルをヒトDAO と0℃で5時間前処理し、次いでアシクロビルの濃度が1μM になるように希釈し、引き続き、0℃で0分、15分、30分または60分の前処理を行った。その後、基質を添加して酵素活性を測定した(図2における右側4本のバー)。また、対照実験として、ヒトDAO を0μM 、1μM または100μM のアシクロビルと0℃で5時間前処理し、希釈の操作をせずに基質を添加して酵素活性を測定した(図2における左側3本のバー)。縦軸は、アシクロビル非存在下(0μM )で得られた酵素活性を100 %とした相対活性を示す。
図2より、アシクロビルによるDAO の阻害が可逆的であること、また、アシクロビルのDAO に対する阻害活性が持続性に優れていることが明らかになった。

Claims (5)

  1. アシクロビルを有効成分とするD−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤。
  2. 精神神経疾患の改善薬である、請求項1記載の阻害剤。
  3. 精神神経疾患が、D−セリン量の減少に起因する精神神経疾患である請求項2記載の阻害剤。
  4. 精神神経疾患が、N−メチルーD−アスパラギン酸受容体(NMDA型グルタミン酸受容体)を介する神経伝達の異常に起因する精神神経疾患である請求項2記載の阻害剤。
  5. 精神神経疾患が、統合失調症または双極性障害である請求項2記載の阻害剤。
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JPN6016049542; 臨床精神医学,2011, vol.40, No.10, p.1267-1272 *
JPN6016049546; 日本生物学的精神医学会誌, 2010, vol.21, No.1, p.21-26 *

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