JP2014200298A - 注射器 - Google Patents

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裕一 多田
達 末原
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Abstract

【課題】特別なモーター装置を用いることなく、撹拌部材の移動によって、微粒子の分散状態を維持しつつ懸濁液の投与が可能な、利便性の良い注射器を提供する。
【解決手段】液体Lの流出口を備えた外筒3と、外筒3内で液密に摺動自在な押し子5と、外筒3内に充填された液体L中において、押し子5の押圧方向に対応して移動する撹拌部材10とを備える。攪拌部材は外筒に内接する環状の浮沈子と、浮沈子で構成された環状の内側に設けられた撹拌ヘッドとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、微粒子の分散状態を維持しつつ懸濁液の投与が可能な注射器に関する。
生分解性あるいは非分解性の合成高分子で構成された血管栓塞剤等、微粒子状の薬剤を生体に投与する際には、微粒子をキャリアとなる液体に分散させた懸濁液として投与される。この際、懸濁液中における微粒子の分散状態を維持することが重要である。そこで、例えば自動液体注入システムを用い、懸濁液が充填された注射器に対し、モーターによって振動や回転動作を加えつつ、懸濁液を投与する方法が提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
特表2001−524359号公報
しかしながら、上述した自動液体注入システムを用いた懸濁液の投与では、医療現場にモーター付きのシステムを持ち込む必要があり、利便性に欠けていた。
そこで本発明は、微粒子の分散状態を維持しつつ懸濁液の投与が可能な注射器を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の注射器は、液体の流出口を備えた外筒と、この外筒内で液密に摺動自在な押し子と、外筒内に充填された液体中において押し子の押圧方向に対応して移動する撹拌部材とを備えている。
このような構成の注射器では、外筒の内部における撹拌部材の移動によって外筒内の液体が撹拌される。
以上のように本発明の注射器によれば、特別なモーター装置を用いることなく外筒内においての撹拌部材の移動によって微粒子の分散状態を確保しつつ、懸濁液の投与を行うことが可能である。
第1実施形態の注射器の全体構成を示す断面図である。 第1実施形態の撹拌部材の拡大図である。 第1実施形態の注射器を用いた懸濁液の投与を説明するフロー図である。 第2実施形態の注射器の全体構成を示す断面図である。 第2実施形態の撹拌部材における撹拌ヘッドの拡大図である。 第2実施形態の注射器を用いた懸濁液の投与を説明するフロー図である。 第2実施形態の変形例1を説明する断面図である。 第2実施形態の変形例2を説明する断面図である。 第2実施形態の変形例3を説明する断面図である。 変形例3の注射器を用いた懸濁液の投与を説明するフロー図である。 第3実施形態の注射器の全体構成を示す断面図である。 第3実施形態の撹拌部材における撹拌ヘッドの拡大図である。 第3実施形態の注射器を用いた懸濁液の投与を説明するフロー図である。 第3実施形態の変形例を説明する断面図である。 図14の側面図である。 図14の上面図である。 変形例の注射器を用いた懸濁液の投与を説明するフロー図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて次に示す順に説明する。
1.第1実施形態(撹拌部材として浮沈子を用いた例)
2.第2実施形態(外筒内にバネ部材を設けた例)
2a.変形例1(バネ部材の収納部を撹拌ヘッドに設けた例)
2b.変形例2(バネ部材の収納部を外筒の底部に設けた例)
2c.変形例3(外筒外にバネ部材を設けた例)
3.第3実施形態(外筒内に押し上げ部材を設けた例)
3a.変形例(外筒外に押し上げ部材を設けた例)
≪1.第1実施形態≫
(撹拌部材として浮沈子を用いた例)
図1は第1実施形態の注射器の全体構成を示す断面図である。図2は第1実施形態の注射器に設けられる撹拌部材の拡大図であり、図2Aは底面図、図2Bは断面図である。以下、これらの図に基づいて第1実施形態の注射器1-1の構成を説明する。
これらの図に示す注射器1-1は、外筒3と、外筒3に内接される押し子5と、外筒3の先端に設けられたキャップ7と、押し子5を押圧する加圧部材9とを備え、さらに外筒3内に収容された撹拌部材10を有するものである。本第1実施形態における注射器1-1は、撹拌部材10を有していること、および撹拌部材10として浮沈子を用いているところが特徴的である。以下、注射器1-1を構成する各構成要素の詳細を説明し、次いで注射器1-1を用いた懸濁液L1の投与方法を説明する。
<外筒3>
外筒3は、円筒管の一方の開口が液体Lの流出口3aとして構成され、他方の開口の周囲にはフランジ部3bが設けられた形状であり、通常の医療用注射器にみられる外筒であって良い。
<押し子5>
押し子5は、外筒3内に摺動自在に設けられたものであり、外筒3内に挿入される先端部にガスケットが設けられたことにより外筒3との間の液密性を保っている。この押し子5の後端部は、押し子5を外筒3内に押し込むための押圧部5aとして構成されている。このような押し子5は、通常の医療用注射器にみられる押し子であって良い。
また、以上のような外筒3と押し子5は、通常の医療用注射器にみられる構成のもののほか、外筒3と押し子5にそれぞれ対応するネジ切りを切り、押し子5が回転操作によって外筒3に対して摺動自在に押し込まれる構成であっても良い。
<キャップ7>
キャップ7は、外筒3における流出口3aを閉塞するもので、ここでは例えば三法活栓が用いられる。三法活栓における2つの流出口のうちの一方はキャップ7aで閉じられており、他方の流出口と外筒3の流出口3aとの間を遮断した状態とすることで、キャップ7として機能させている。
<加圧部材9>
加圧部材9は、外筒3内に液体Lを充填した状態で、押し子5を外筒3内に押圧するものである。このような加圧部材9は、例えば押し子5の押圧部5aと外筒3のフランジ部3bとを外側から挟み込む形状のものである。この加圧部材9は、液体Lが充填された外筒3に対して押し圧された状態の押し子5を、この状態で固定する構成のものであっても良い。この場合、例えば外筒3内に液体Lが充填された注射器1-1において、他の装置や設備で押し子5を加圧した状態とした場合、この加圧状態が維持されるように、液体Lが充填された外筒3に対する押し子5の加圧状態が固定されれば良い。
また、この加圧部材9は、液体Lが充填された外筒3に対して、押し子5を押圧する構成のものが用いられる。このような構成の加圧部材9としては、例えば圧縮バネやジャッキを備えることにより、液体Lが充填された外筒3内に押し込む方向に、押し子5を押し圧自在なものが用いられる。この場合、外筒3内の液体Lの充填量に寄らずに、液体Lに対して所定以上の圧力を印加可能なように、加圧部材9に調整機能が設けられていることが好ましい。尚、このような調整機能が設けられていない場合には、外筒3内への液体Lの充填量を一定にすることにより、液体Lに対して所定以上の圧力が印加されるようにすれば良い。
<撹拌部材10>
撹拌部材10は、外筒3内に収容されたものであり、外筒3内に充填された液体Lの撹拌を行う。この撹拌部材10は、浮沈子として構成されており、外筒3に内接する環状の空洞管11を有している。この空洞管11は、例えば断面形状が四角い筒状の管体を環状に湾曲させた形状であり、外部と連通される流路11aが設けられている。流路11aは、例えば外筒3の流出口3aに向く底面側に設けられていることとする。この流路11aは、空洞管11の環状に沿った全周に連続的に設けられていても良く、独立した形状で複数個設けられていても良い。
空洞管11の内部には、気体が封入された空気袋13が収容されている。この空気袋13は、容積の収縮が自在であり、空洞管11の環状に沿って収納された一連の浮き輪状であったり、複数個の独立した袋状であっても良い。以上のような空洞管11と空気袋13とで浮沈子が構成されている。
また空洞管11の環状の内側には、撹拌ヘッド15が設けられている。撹拌ヘッド15の構成が限定されることはないが、例えば空洞管11の環状に放射状に掛け渡された羽根で構成されていて良い。また撹拌ヘッド15の他の構成として、この注射器1-1で投与される液体Lに含まれる微粒子Sの径よりも大きい孔を有するメッシュが、撹拌ヘッド15として空洞管11の環状を塞ぐ状態で張設されていても良い。
このような撹拌部材10は、加圧部材9を作用させることで押し子5によって外筒3内の液体Lに圧力が印加されると、空気袋13にも圧力が加わるため、空気袋13の内圧と外圧とが平衡状態となるように空気袋13が収縮する。これにより、空洞管11内に流入する液体Lが増加して撹拌部材10全体の比重が増加し、撹拌部材10が沈降する。一方、押し子5による液体Lへの加圧状態を解除すると、撹拌部材10が浮上する。外筒3の流出口3aを下方に向けた状態においては、押し子5が押圧される方向と逆方向に撹拌部材10が移動する構成である。
このため撹拌部材10は、以下のように構成されたものであることとする。すなわち、キャップ7で閉塞された注射器1-1に、この注射器1-1によって投与される液体Lを充填し、流出口3aを下方に向けて配置した状態とする。この状態で、加圧部材9によって外筒3内の液体Lに対して所定の圧力を印加した場合に、外筒3の底部にまで撹拌部材10が沈降するように、撹拌部材10の全体の質量、および空気袋13に対する気体の充填量が設定されている。また、加圧部材9を取り外して押し子5による液体Lの加圧状態を解除した場合に、押し子5に近い位置にまで撹拌部材10が浮上するように、撹拌部材10の全体の質量、および空気袋13に対する気体の充填量が設定されている。
<懸濁液L1の投与方法>
以上のような構成の注射器1-1を用いた懸濁液L1の投与方法は、次のような手順で行う。
先ず、懸濁液L1の投与に先立ち、キャップ7で閉塞された状態で、液体L中に微粒子Sを分散させた懸濁液L1が充填され、加圧部材9によって外筒3内の液体Lに所定の圧力が印加された状態の注射器1-1を、流出口3aを下方に向けて配置した状態とする。これにより、加圧部材9によって加圧されたことにより、全体の比重が増加した撹拌部材10を、外筒3の底部に沈める。尚、通常は、この状態で懸濁液L1が充填された注射器1-1を保管しておくことが好ましいが、懸濁液L1を投与する前に、外筒3の流出口3aを下方に向けた状態とし、外筒3の底部に撹拌部材10を沈めるようにしても良い。
[図3A]
次いで図3Aに示すように、懸濁液L1を投与する直前に、外筒3の流出口3aを下方に向けた状態で、加圧部材9を取り外して押し子5による懸濁液L1に対する加圧状態を解除する。これにより、撹拌部材10の空気袋13内に封入された気体を膨張させ、撹拌部材10の比重を軽くして懸濁液L1内を浮上させる。これにより、懸濁液L1を撹拌して液体L中における微粒子Sの分散状態を均一化する。
この際、撹拌部材10の撹拌ヘッド15が羽根状のものであれば、撹拌部材10が外筒3の軸を中心にして回転しながら浮上するため、撹拌効果が高められる。
尚、懸濁液L1に対する加圧を解除することにより、押し子5が外筒3の外側に押し出される。このため、加圧部材9を取り外して懸濁液L1に対する加圧を解除した場合に、押し子5が外筒3から抜け出ることの無いように、懸濁液L1の充填量が設定さていることとする。またこのような充填量の設定の他にも、外筒3から押し子6が抜け出ることのないように、外筒3にストッパを設けても良い。
[図3B]
この状態で、図3Bに示すように、撹拌部材10が上昇しきるまで待ち、撹拌部材10による懸濁液L1の撹拌を十分に行う。
[図3C]
その後、図3Cに示すように、外筒3の流出口3aに、注射針17を装着する。この場合、例えば三法活栓からなるキャップ7において、もう一つのキャップ7aで閉じられていない残りの流出口に注射針17を装着すれば良い。そして、撹拌部材10が上昇しきった後、懸濁液L1中の微粒子Sが再び液体L中で沈降する前に、キャップ7を操作して外筒3の流出口3aと注射針17とを連通状態とする。この状態で、押し子5を外筒3内に押圧し、注射針17の先端から懸濁液L1を投与する。
この際、押し子5を押圧することにより、外筒3内の懸濁液L1が再び加圧された状態となる。これにより、撹拌部材10の空気袋13が収縮して撹拌部材10全体の比重が増加し、撹拌部材10が再び沈降を開始する。このような撹拌部材10の移動により、懸濁液L1の投与中にも懸濁液L1の撹拌が継続される。
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1実施形態の注射器1-1によれば、押し子5の押圧方向に対応して移動する撹拌部材10を外筒3の内部に収容した構成である。このため、微粒子Sが沈降し易い懸濁液L1であったとしても、特別なモーター装置を用いることなく撹拌によって微粒子Sの分散状態を確保しつつ、懸濁液L1の投与を行うことが可能である。
尚、以上の第1実施形態においては、撹拌部材10が、外筒3に内接する環状の空洞管11を有する構成として説明した。しかしながら撹拌部材10は、浮沈子を用いたものであって、外筒3内の液体Lを加圧状態とした場合に、外筒3の底部にまで沈降し、液体Lへの加圧状態を解除した場合に、押し子5に近い位置にまで浮上する構成であれば良く、その外形形状が限定されることはない。また撹拌部材10は、外筒3内における液体の撹拌状態が確保されるのであれば、特別な撹拌ヘッドを備えている必要はない。
≪2.第2実施形態≫
(外筒内にバネ部材を設けた例)
図4は第2実施形態の注射器1-2の全体構成を示す断面図である。図5は第2実施形態の注射器に設けられる撹拌部材における撹拌ヘッド20bの拡大平面図である。以下、これらの図に基づいて第2実施形態の注射器1-2の構成を説明する。尚、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
これらの図に示す注射器1-2は、外筒3と、外筒3に内接される押し子51と、外筒3を閉塞するキャップ7と、押し子51を固定する固定部材19とを備え、さらに撹拌ヘッド20bを備えた撹拌部材20、引っ張りバネ41、および圧縮バネ43を有するものである。以下、注射器1-2を構成する各構成要素の詳細を説明し、次いで注射器1-2を用いた懸濁液L1の投与方法を説明する。
<外筒3およびキャップ7>
外筒3およびキャップ7は、第1実施形態と同様のものであって良い。
<押し子51>
押し子51は、外筒3内において摺動自在に設けられたものであり、外筒3内に挿入される先端部にガスケットが設けられたことにより液密性を保っている。この押し子51の後端部は、押し子51を外筒3内に押し込むための押圧部5aとして構成されている。以上は第1実施形態と同様である。しかしながら、本第2実施形態で用いられる押し子51は、次に説明する撹拌部材20のシャフト部20aを液密に摺動自在に貫通させる貫通孔5bを備えている。この点において、第1実施形態とは異なる。この貫通孔5bは、押し子51の軸に沿って設けられている。
<固定部材19>
固定部材19は、外筒3内に液体Lを充填した状態で、押し子51の外筒3内への押圧を規制するものである。このような固定部材19は、例えば押し子51の押圧部5aと外筒3のフランジ部3bとの間に挟み込まれる形状のものであり、外筒3からの押し子51の抜けを防止される構成も兼ねていることが好ましい。
<撹拌部材20>
撹拌部材20は、シャフト部20aと、撹拌ヘッド20bと、押圧部2cとを有する
シャフト部20aは、押し子51の貫通孔5b内に陥入されて押し子51を貫通し、押し子51に対して液密に摺動自在に設けられている。このシャフト部20aは、外筒3内において押し子51を最も引き上げた状態で、外筒3の底部にまで押し込まれる程度の長さを有していることとする。
撹拌ヘッド20bは、外筒3内に挿入されるシャフト部20aの先端側に固定されている。この撹拌ヘッド20bは、外筒3内の液体Lを撹拌するのに適した形状であれば良く、例えばシャフト部20aから放射状に設けた羽根で構成されていて良い。また撹拌ヘッド20bの他の構成として、この注射器1-2で投与される液体Lに含まれる微粒子Sの径よりも大きい孔を有するメッシュが、枠体を塞ぐ状態で張設されている構成のものであっても良い。
押圧部20cは、シャフト部20aにおいて外筒3の外側に配置される後端側に、シャフト部20aを外筒3内に押し込むための部分として構成されている。
<引っ張りバネ41>
引っ張りバネ41は、撹拌ヘッド20bと押し子51との間に設けられている。引っ張りバネ41は、例えばコイル状のバネであって、引っ張り方向の応力が掛けられることを前提とし、コイル間に隙間を設けていない構成のものである。このようなコイル状の引っ張りバネ41は、外筒3内においてシャフト部20aを取り巻くように設けられ、撹拌ヘッド20bと押し子51との間に、押し子51の摺動方向に弾性を発揮するように連結されている。また引っ張りバネ41は、金属製であっても樹脂製であっても良く、金属性である場合には樹脂による被覆がされていても良い。さらに引っ張りバネ41は、引っ張り方向の応力が掛けられれば、コイル間に隙間があっても良い。
<圧縮バネ43>
圧縮バネ43は、外筒3内において撹拌ヘッド20bと外筒3の底部との間に設けられている。圧縮バネ43は、コイル状のバネであって、圧縮方向の応力が掛けられることを前提とし、コイル間に隙間が設けられた構成のものである。このような圧縮バネ43は、押し子51の摺動方向に弾性を発揮するように設けられている。また圧縮バネ43は、金属製であっても樹脂製であっても良く、金属性である場合には樹脂による被覆がされていても良い。
尚、引っ張りバネ41および圧縮バネ43は、外筒3内において押し子51を最も引き上げた状態において、引っ張りバネ41と圧縮バネ43とが平衡状態に保たれるように設定されている。ただし、押し子51が外筒3から抜け出すことを防止するためのストッパが外筒3に設けられている場合であれば、外筒3内において押し子51を最も引き上げた状態において、引っ張りバネ41と圧縮バネ43とが平衡状態に保たれていなくても良い。
<懸濁液L1の投与方法>
以上のような構成の注射器1-2を用いた懸濁液L1の投与方法は、次のような手順で行う。
[図6A]
先ず図6Aに示すように、キャップ7で閉塞された外筒3に懸濁液L1が充填され、固定部材19によって押し子51が固定された状態の注射器1-2において、撹拌部材20の押圧部20cを外筒3内に押圧することにより、撹拌ヘッド20bを外筒3の底部に押し込む。これにより、撹拌ヘッド20bと押し子51との間に連結された引っ張りバネ41に、引っ張り方向の応力を加える。またこれと共に、撹拌部材20の撹拌ヘッド20bで圧縮バネ43に圧縮方向の応力を加える。またこのような撹拌ヘッド20bの移動により、懸濁液L1が撹拌される。
[図6B]
そして図6Bに示すように、外筒3の流出口3aに、注射針17を装着する。この場合、例えば三法活栓からなるキャップ7において、もう一つのキャップ7aで閉じられていない残りの流出口に注射針17を装着すれば良い。
次いで、固定部材19を取り外すと共に、キャップ7を操作して外筒3の流出口3aと注射針17とを連通状態とする。この状態で、撹拌部材20の押圧を解除し、次いで押し子51を外筒3内に押圧することにより注射針17の先端から懸濁液L1を投与する。
この際、撹拌部材20に対する押圧が解除されたことにより、引っ張りバネ41と圧縮バネ43に復元力が働き、引っ張りバネ41が縮んで圧縮バネ43が伸びる。これにより、押し子51の押圧方向とは逆に、シャフト部20aの先端の撹拌ヘッド20bが押し子51側に移動する。このような撹拌ヘッド20bの移動により、懸濁液L1の投与中に懸濁液L1が撹拌される。
[図6C]
そして図6Cに示すように、押し子51を押し切るまで懸濁液L1の投与が行われる。
<第2実施形態の効果>
以上説明した第2実施形態の注射器1-2によれば、押し子51の押圧方向に対応して逆方向に移動する撹拌部材20の撹拌ヘッド20bを外筒3の内部に収容した構成である。このため、第1実施形態と同様に、微粒子Sが沈降し易い懸濁液L1であったとしても、特別なモーター装置を用いることなく撹拌によって微粒子Sの分散状態を確保しつつ、懸濁液L1の投与を行うことが可能である。
尚、上述した第2実施形態においては、撹拌部材20を構成するバネ部材として、引っ張りバネ41と圧縮バネ43との両方を用いた構成を説明した。しかしながら、撹拌部材20は、引っ張りバネ41および圧縮バネ43の何れか一方のみを備えたものであっても良い。
≪2a.変形例1≫
(バネ部材の収納部を撹拌ヘッドに設けた例)
図7は、上述した第2実施形態の変形例1を説明する断面図である。この断面図に示す変形例1の注射器1-2aが、図4〜図6を用いて説明した第2実施形態の構成と異なるところは、撹拌部材21を構成する撹拌ヘッド20b’の構成にあり、他の構成は第2実施形態と同様である。
すなわち撹拌ヘッド20b’は、バネ部材として設けられた圧縮バネ43の収納部Aを備えている。この収納部Aは、撹拌ヘッド20b’において外筒3の底面に向かう面を凸とすることによって形成された空間によって形成されている。つまり撹拌ヘッド20b’は、図4および図5を用いて説明した第2実施形態の撹拌ヘッド20bに対して、外筒3の底面側に凸となる凸部A1を設けた構成である。この凸部A1は、収納部Aを残した体積部分を無駄なく埋め込む形状であることとする。
このような変形例1の注射器1-2aは、上述した第2実施形態のうち圧縮バネ43を用いた構成に適用される。
また、このような変形例1の注射器1-2aを用いた懸濁液L1の投与方法は、第2実施形態で説明した投与方法と同様の手順で行われる。
<第2実施形態の変形例1の効果>
このような変形例1の注射器1-2aでは、圧縮バネ43の収納部Aを設けたことにより、外筒3内において押し子51を押し切った場合に、圧縮バネ43が収納部Aに収納される。これにより、押し子51に押された撹拌ヘッド20b’の凸部A1を、外筒3の底面にまで達する状態とすることができる。したがって、第2実施形態の効果に加えて、液体L(懸濁液L1)の液残りを削減する効果を得ることができる。
≪2b.変形例2≫
(バネ部材の収納部を外筒の底部に設けた例)
図8は、上述した第2実施形態の変形例2を説明する断面図である。この断面図に示す変形例2の注射器1-2bが、図4〜図6を用いて説明した第2実施形態の構成と異なるところは、外筒31の構成にあり、他の構成は第2実施形態と同様である。
すなわち外筒31は、バネ部材として設けられた圧縮バネ43の収納部Bを備えている。この収納部Bは、外筒31の底面を、底上げした状態に凸とすることによって形成された空間によって形成されている。つまり外筒31は、その底面に、撹拌ヘッド20b側に向かって凸となる凸部B1を設けた構成であり、その中心部に流出口3aが延設された構成である。この凸部B1は、収納部Bを残した体積部分を無駄なく埋め込む形状であることとする。
このような変形例2の注射器1-2bは、上述した第2実施形態のうち圧縮バネ43を用いた構成に適用される。
また、このような変形例2の注射器1-2bを用いた懸濁液L1の投与方法は、第2実施形態で説明した投与方法と同様の手順で行われる。
<第2実施形態の変形例2の効果>
このような変形例2の注射器1-2bでは、圧縮バネ43の収納部Bを設けたことにより、外筒31内において押し子51を押し切った場合に、圧縮バネ43が収納部Bに収納される。これにより、第2実施形態の効果に加えて、押し子51に押された撹拌ヘッド20bが、外筒31において底上げされた凸部B1の底面にまで達する状態とすることができる。したがって、第2実施形態の効果に加えて、液体L(懸濁液L1)の液残りを削減する効果を得ることができる。
尚、本変形例2の構成は、変形例1の構成と組み合わせることも可能であり、撹拌ヘッド20bと外筒31の底部の両方に圧縮バネ43の収納部を設けた構成としても良く、変形例1および変形例2と同様の効果を得ることができる。
≪2c.変形例3≫
(外筒外にバネ部材を設けた例)
図9は、上述した第2実施形態の変形例3を説明する断面図である。この断面図に示す変形例3の注射器1-2cが、図4〜図6を用いて説明した第2実施形態の構成と異なるところは、圧縮バネ43を設けた位置、および押し子52の構成にある。他の構成は第2実施形態と同様であるため、以下においては押し子52の構成を説明し、次いで圧縮バネ43の配置状態を説明する。
<押し子52>
押し子52は、外筒3内において摺動自在に設けられたものであり、外筒3内に挿入される先端部にガスケットが設けられたことにより液密性を保っている。この押し子52の後端部は、押し子52を外筒3内に押し込むための押圧部5aとして構成されている。また押し子52は、撹拌部材20のシャフト部20aを液密に摺動自在に貫通させる貫通孔5bを備えている。以上は第2実施形態と同様である。しかしながら、変形例3の押し子52は、撹拌部材20の撹拌ヘッド20bを収納する収納部5cを備えている点において、第2実施形態とは異なる。
つまり押し子52は、外筒3の底面に向かう部分に、撹拌ヘッド20bが収納される収納部5cを備えている。この収納部5cは、撹拌ヘッド20bが押し子52の底部からはみ出ることのない深さを有し、かつ撹拌ヘッド20bを収納可能な最低限の容積で構成されていることが好ましく、これにより液体Lの投与残りを削減する構成である。
<圧縮バネ43>
圧縮バネ43は、外筒3外において押し子52と撹拌部材20との間に設けられている。圧縮バネ43がコイル状のバネであることは、第2実施形態と同様である。本変形例3では、このような圧縮バネ43が、外筒3の外において、撹拌部材20のシャフト部20aを取り巻いて設けられ、撹拌部材20の押圧部20cと押し子52の押圧部5aとの間に、押し子52の摺動方向に弾性を発揮するように設けられている。
尚、ここでの図示は省略したが、この注射器1−2cには、圧縮バネ43がむき出しとならないように、圧縮バネ43の保護カバーを設けても良い。
また、圧縮バネ43は、押し子52に対してシャフト部20aを最も引き上げた状態において平衡状態に保たれるように設定されていて良い。ただし、圧縮バネ43は、押し子52に対してシャフト部20aを最も引き上げた状態において、撹拌ヘッド20bが収納部5cに収納された状態となることが好ましく、このような状態となるのであれば平衡状態でなくても良い。
<懸濁液L1の投与方法>
以上のような構成の注射器1-2cを用いた懸濁液L1の投与方法は、次のような手順で行う。
[図10A]
先ず図10Aに示すように、キャップ7で閉塞された外筒3に懸濁液L1が充填され、固定部材19によって押し子52が固定された状態の注射器1-2cにおいて、撹拌部材20の押圧部20cを押圧することにより、撹拌部材20の撹拌ヘッド20bを外筒3の底部にまで押し込む。これにより、撹拌部材20の押圧部20cと押し子52の押圧部5aとの間に設けられた圧縮バネ43に圧縮方向の応力を加える。またこのような撹拌ヘッド20bの移動により、懸濁液L1が撹拌される。
[図10B]
そして図10Bに示すように、外筒3の流出口3aに、注射針17を装着する。この場合、例えば三法活栓からなるキャップ7において、もう一つのキャップ7aで閉じられていない残りの流出口に注射針17を装着すれば良い。
次いで、固定部材19を取り外すと共に、キャップ7を操作して外筒3の流出口3aと注射針17とを連通状態とする。この状態で、撹拌部材20への押圧を解除し、次いで押し子52を外筒3内に押圧することにより注射針17の先端から懸濁液L1を投与する。
この際、撹拌部材20への押圧が解除されたことにより、圧縮バネ43に復元力が働いて圧縮バネ43が伸びる。これにより、押し子52の押圧方向とは逆に、撹拌部材20の撹拌ヘッド20bが押し子52側に移動する。このような撹拌ヘッド20bの移動により、懸濁液L1の投与中に懸濁液L1が撹拌される。
[図10C]
そして図10Cに示すように、押し子52を押し切るまで懸濁液L1の投与が行われる。
<第2実施形態の変形例3の効果>
このような変形例3の注射器1-2cによれば、押し子52の押圧方向に対応して逆方向に移動する撹拌部材20の撹拌ヘッド20bを外筒3の内部に収容した構成である。このため、第2実施形態と同様に、微粒子Sが沈降し易い懸濁液L1であったとしても、特別なモーター装置を用いることなく撹拌によって微粒子Sの分散状態を確保しつつ、懸濁液L1の投与を行うことが可能である。
また、外筒3内には圧縮バネ43を設けず、押し子52の先端に撹拌ヘッド20bの収納部5cを設けたことにより、外筒3の底部まで押し子52を押し切ることができ、液残りなく、懸濁液L1の投与を行うことができる。
尚、本変形例3では、外筒3の外側に圧縮バネ43を設ける構成の一例として、撹拌部材20の押圧部20cと押し子52の押圧部5aとの間に、圧縮バネ43を設けた構成を例示した。しかしながら、外筒3の外側における圧縮バネ43の配置状態がこれに限定されることはなく、撹拌部材20と押し子52との間、または撹拌部材20と外筒3との間に圧縮応力を印加できる配置状態であれば良い。
また本変形例3の構成は、さらに図4を用いて説明した第2実施形態と同様に、外筒3の内部に必要に応じて圧縮バネや引っ張りバネを設けることにより、外筒3内においての撹拌ヘッド20cの移動を容易にしても良い。この場合、さらに変形例1および変形例2と組み合わせた構成としても良い。
≪3.第3実施形態≫
(外筒内に押し上げ部材を設けた例)
図11は第3実施形態の注射器1-3の全体構成を示す断面図である。図12は第3実施形態の注射器1-3に設けられる撹拌ヘッド20b”の拡大平面図である。以下、これらの図に基づいて第3実施形態の注射器1-3の構成を説明する。尚、第1実施形態および第2実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
これらの図に示す注射器1-3は、外筒32と、外筒32に内接される押し子53と、外筒32を閉塞するキャップ7と、押し子53を固定する固定部材19とを備え、さらに撹拌ヘッド20b”を備えた撹拌部材22、および押し上げ部材60を有するものである。本第3実施形態における注射器1-3は、撹拌部材22および押し上げ部材60を有しているところが特徴的である。以下、注射器1-3を構成する各構成要素の詳細を説明し、次いで注射器1-3を用いた懸濁液L1の投与方法を説明する。
<外筒32>
外筒32は、円筒管の一方の開口を液体Lの流出口3aとして構成したものであり、他方の開口の周囲にはフランジ部3bが設けられているところは、第1実施形態と同様である。この外筒32の底部には、次に説明する押し上げ部材60の湾曲部を収納する収納部3cが設けられている。この収納部3cは、外筒32の底部を部分的に延設する形状で最小限の容積となるように設けられていることとする。
<押し子53>
押し子53は、外筒32内において摺動自在に設けられたものであり、外筒32内に挿入される先端部にガスケットが設けられたことにより液密性を保っている。この押し子53の後端部は、押し子53を外筒32内に押し込むための押圧部5aとして構成されている。また押し子53は、撹拌部材22のシャフト部20aを液密に摺動自在に貫通させる貫通孔5bを備えている。以上は第2実施形態と同様である。
またこの押し子53には、撹拌部材22の撹拌ヘッド20b”を収納する収納部5cを備えていても良い。この収納部5cは、図9を用いて説明した第2実施形態の変形例3と同様の構成であって良い。
さらに、この押し子53において、外筒32の底面側に向かう面には、次に説明する押し上げ部材60の一端を支持するための凹部5dが設けられていることとする。この凹部5dには、押し上げ部材60の一端が挿入される。
さらにまた、押し子53における押圧部5aは、撹拌部材22の押圧部20cが嵌入される凹部を有し、これにより注射器1-3の全体的な高さを抑える構成としても良い。
<キャップ7および固定部材19>
キャップ7は第1実施形態と同様のものであって良く、固定部材19は第2実施形態と同様のものであって良い。
<撹拌部材22>
撹拌部材22は、シャフト部20aと、撹拌ヘッド20b”とを有し、さらにシャフト部20aの後端側が押圧部20cとして構成されていることは、第2実施形態と同様である。この撹拌部材22は、さらに撹拌ヘッド20b”において、外筒32の底面側に向かう面に、次に説明する押し上げ部材60の他端を受けて支持するための凹部状の受け部20d(図12の平面図参照)が設けられていることとする。この受け部20dには、押し上げ部材60の他端が挿入される。
<押し上げ部材60>
押し上げ部材60は、例えば自在に撓む材料で構成され、U字状に湾曲した長尺状の部材で構成される。このような押し上げ部材60は、例えば帯状のものが好ましく、また断面円形ものであっても良い。この押し上げ部材60は、一端が、押し子53の凹部5d内に挿入されて支持される。そして、湾曲部が外筒32の収納部3c内においてその底部に支持される。この押し上げ部材60は、外筒32内への押し子53の押し込みによって、押し子53の凹部5d内に挿入された一端が外筒32の底部の方向に押され、底部において支持された位置を移動させることなく摺動し、これにより他端が押し子53側に押し出される。押し上げ部材60において、このように押し出された他端は、撹拌部材22における、撹拌ヘッド20b”の受け部20d内に挿入されて支持され、撹拌ヘッド20b”を外筒32の外側に押し上げる構成である。
<懸濁液L1の投与方法>
以上のような構成の注射器1-3を用いた懸濁液L1の投与方法は、次のような手順で行う。
[図13A]
先ず図13Aに示すように、キャップ7で閉塞された外筒32に懸濁液L1が充填され、固定部材19によって押し子53が固定された状態の注射器1-3において、撹拌部材22の押圧部20cを押圧することにより、撹拌部材22の撹拌ヘッド20b”を外筒32の底部にまで内に押し込む。このような撹拌ヘッド20b”の移動により、懸濁液L1が撹拌される。
[図13B]
また図13Bに示すように、外筒32の流出口3aに、注射針17を装着する。この場合、例えば三法活栓からなるキャップ7において、もう一つのキャップ7aで閉じられていない残りの流出口に注射針17を装着すれば良い。
次いで、固定部材19を取り外すと共に、キャップ7を操作して外筒32の流出口3aと注射針17とを連通状態とする。この状態で、押し子53を外筒32内に押圧することにより注射針17の先端から懸濁液L1を投与する。
この際、押し子53を外筒32内に押圧したことにより、押し上げ部材60は、その一端が外筒32の底部に向かって押圧され、底部において支持された位置を移動することなく摺動し、これにより押し上げ部材60の他端が押し子53側に押し出される。押し上げ部材60において、このように押し出された他端は、撹拌部材22における、撹拌ヘッド20b”の受け部20d内に挿入され、撹拌ヘッド20b”を押し上げる。これにより、押し子53の押圧方向とは逆に、撹拌ヘッド20b”が押し子53側に移動する。このような撹拌ヘッド20b”の移動により、懸濁液L1の投与中に懸濁液L1が撹拌される。
[図13C]
そして図13Cに示すように、押し上げ部材60の長さに応じた位置に押し子53を押し切るまで懸濁液L1の投与が行われる。この際、外筒32に、押し上げ部材60の収納部3cを設けたことにより、外筒32の底部により近い位置にまで押し子53を押し下げることができ、液残りを抑えることができる。
<第3実施形態の効果>
このような注射器1-3では、押し上げ部材60の作動によって、押し子53の押圧方向に対応して逆方向に移動する撹拌部材22の撹拌ヘッド20b”を外筒32の内部に収容した構成である。このため、第1実施形態および第2実施形態と同様に、微粒子Sが沈降し易い懸濁液L1であったとしても、特別なモーター装置を用いることなく撹拌によって微粒子Sの分散状態を確保しつつ、懸濁液L1の投与を行うことが可能である。
≪3a.変形例≫
(外筒外に押し上げ部材を設けた例)
図14は、上述した第3実施形態の変形例3を説明する断面図である。また図15は図14の側面図であり、図16は図14の上面図である。これらの図に示す第3実施形態の変形例の注射器1-3aが、図11〜図12を用いて説明した第3実施形態の構成と異なるところは、押し上げ部材60を外筒33の外に設けたところにある。
すなわち注射器1-3aは、外筒33と、外筒33に内接される押し子54と、外筒33を閉塞するキャップ7と、押し子54を固定する固定部材19とを備え、さらに撹拌部材23、および押し上げ部材60を有するものである。以下、注射器1-3aを構成する各構成要素の詳細を説明し、次いで注射器1-3aを用いた懸濁液L1の投与方法を説明する。尚、第1実施形態〜第3実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略しつつ、各構成要素の詳細を説明する。
<外筒33>
外筒33は、円筒管の一方の開口を液体Lの流出口3aとして構成したものであり、他方の開口の周囲にはフランジ部3bが設けられているところは、第1実施形態と同様である。この外筒33のフランジ部3bには、次に説明する押し上げ部材60の湾曲部を保持する保持部3eが設けられているところが特徴的である。この保持部3eは、フランジ部3bにおける上面、すなわち流出口3aとは逆側に向かう面に、押し上げ部材60の湾曲部を引っかけるカギ状に形成されている。
<押し子54>
押し子54は、外筒33内において摺動自在に設けられたものであり、外筒33内に挿入される先端部にガスケットが設けられたことにより液密性を保っている。この押し子54の後端部は、押し子54を外筒33内に押し込むための押圧部5aとして構成されている。また押し子54は、撹拌部材23のシャフト部20aを液密に摺動自在に貫通させる貫通孔5b’を備えている。以上は、第2実施形態及び第3実施形態と同様である。
しかしながら、本変形例の押し子54における貫通孔5b’は、外筒33内に挿入される先端側では、押し子54の本体を貫通する孔状であり、それよりも後端側では、押し子54の側壁側に解放された溝状となっている。
さらに、この押し子54における押圧部5aには、次に説明する押し上げ部材60の一端が挿入される貫通窓5e(図14の側面図参照)が設けられていることとする。この貫通窓5eは、押圧部5aを貫通して設けられ、押し上げ部材60の一端が挿入される。
さらに押し子54には、貫通窓5eを自在に開閉する蓋部5f(図14の断面図および図16の上面図参照)が設けられていることとする。この蓋部5fは、押圧部5aにおける押圧側に設けられ、押圧部5aの外筒33側に向かう面側から貫通窓5eに挿入された押し上げ部材60の一端が、蓋部5fを開くことによって押圧部5aを貫通可能な構成となっている。
またこの押し子54には、撹拌部材23の撹拌ヘッド20bを収納する収納部5cを備えていても良い。この収納部5cは、図9を用いて説明した第2実施形態の変形例3と同様の構成であって良い。
<キャップ7および固定部材19>
キャップ7は第1実施形態と同様のものであって良く、固定部材19は第2実施形態と同様のものであって良い。
<撹拌部材23>
撹拌部材23は、シャフト部20aと、撹拌ヘッド20bとを有し、さらにシャフト部20aの後端側が押圧部20cとして構成されていることは、第2実施形態と同様である。この撹拌部材23は、さらに押圧部20cにおいて、外筒33に向かう面に、次に説明する押し上げ部材60の他端を支持するための凹部20eが設けられていることとする。この凹部20eには、押し上げ部材60の他端が挿入される。
また撹拌部材23は、押圧部20cを押し子54の貫通孔5b’における溝状部分に沿って押し下げることにより、押圧部20cを押し子54の押圧部5aよりも低い位置にまで押し下げることができる。
このような撹拌部材23は、外筒33内において押し子54を最も引き上げた状態で、撹拌ヘッド20bが外筒33の底部に達するまで、外筒33内に押し込まれる構成である。
<押し上げ部材60>
押し上げ部材60は、例えば自在に撓む材料で構成され、U字状に湾曲した長尺状の部材で構成されることは第3実施形態と同様である。この押し上げ部材60は、撹拌部材23を最も引き上げた状態においては、他端が、撹拌部材23の凹部20eに挿入されて支持される。そして、押し上げ部材60の湾曲部は、保持部3eで止め付けられた状態で外筒33のフランジ部3bに支持される。一方、押し上げ部材60の一端は、撹拌部材23を外筒33内に押し入れることにより、押し子54の貫通窓5e内に挿入されて支持されるようになる。
図示した状態においては、この押し上げ部材60は、他端が撹拌部材23における押圧部20cの凹部20eに挿入された状態となっている。この状態から、押圧部20cを外筒33内に押し込むと、押圧部20cの凹部20eに挿入された押し上げ部材60の他端が外筒33方向に押され、外筒33のフランジ部3b底部において支持された位置を移動することなく押し上げ部材60が摺動し、これにより押し上げ部材60一端が外筒33から遠くなる方向に押し上げられる。押し上げ部材60において、このように押し上げられた一端は、押し子54の貫通窓5e内に挿入され、押し子54に支持される構成である。
<懸濁液L1の投与方法>
以上のような構成の注射器1-3aを用いた懸濁液L1の投与方法は、次のような手順で行う。
[図17A]
先ず図17Aに示すように、キャップ7で閉塞された外筒33に懸濁液L1が充填され、固定部材19によって押し子54が固定された状態の注射器1-3aにおいて、撹拌部材23を外筒33内に押圧することにより、撹拌部材23の撹拌ヘッド20bを外筒33の底部にまで内に押し込む。これにより、押し上げ部材60の一端が押し子54の貫通窓5eに差し込まれ、押し上げ部材60の摺動が停止するまで、撹拌部材23を押し込む。このような撹拌部材23の押し込みによる撹拌ヘッド20bの移動により、懸濁液L1が撹拌される。
[図17B]
また図17bに示すように、外筒33の流出口3aに、注射針17を装着する。この場合、例えば三法活栓からなるキャップ7において、もう一つのキャップ7aで閉じられていない残りの流出口に注射針17を装着すれば良い。
次いで、固定部材19を取り外すと共に、キャップ7を操作して外筒33の流出口3aと注射針17とを連通状態とする。この状態で、押し子54を外筒33内に押圧することにより注射針17の先端から懸濁液L1を投与する。
この際、押し子54を外筒33内に押圧したことにより、押し上げ部材60は、その一端が外筒33に向かって押圧され、外筒33のフランジ部3bにおいて支持された位置を移動することなく摺動し、これにより他端が外筒33から押し上げられる。押し上げ部材60において、このように押し出された他端は、撹拌部材23を押し上げる。これにより、押し子54の押圧方向とは逆に、撹拌ヘッド20bが押し子54側に移動する。このような撹拌ヘッド20bの移動により、懸濁液L1の投与中に懸濁液L1が撹拌される。
[図17C]
そして図17Cに示すように、押し上げ部材60の長さに応じた位置に押し子54を押し切るまで懸濁液L1の投与が行われる。
[図17D]
その後、図17Dに示すように、押し子54の蓋部5fを開いて貫通窓5eを貫通状態とし、この状態でさらに押し子54を外筒33内に押し込む。これにより、押し子54に対して押し上げ部材60を貫通させ、さらに押し子54が外筒33の底部に達して押し切られるまで懸濁液L1の投与が行われる。
<第3実施形態の変形例の効果>
このような注射器1-3aでは、押し上げ部材60の作動によって、押し子54の押圧方向に対応して逆方向に移動する撹拌部材23の撹拌ヘッド20bを外筒33の内部に収容した構成である。このため、第3実施形態と同様に、微粒子Sが沈降し易い懸濁液L1であったとしても、特別なモーター装置を用いることなく撹拌によって微粒子Sの分散状態を確保しつつ、懸濁液L1の投与を行うことが可能である。また、外筒33の底部に達するまで押し子54を押し切ることができるため、液残りを抑えることも可能である。
尚、以上説明した第2実施形態、第3実施形態、およびこれらの変形例では、注射器の構成要素として外筒内に液体Lを充填した状態で、押し子の外筒内への押圧を規制する固定部材19を有することとした。しかしながら、このような固定部材19は、本発明の注射器の構成要素として必須ではない。例えば注射器を梱包する梱包部材が、この固定部材の機能を兼ねる場合など、押し子51の外筒3内への押圧が規制されれば、固定部材19を設ける必要はない。
また以上説明した各実施形態およびその変形例においては、外筒の流出口にキャップ7を介して注射針17を装着することとしたが、注射針に限定されることはない。また、キャップ7として三方活栓を用いた場合であれば、予め注射針17を装着させておいても良い。
1-1、1-2、1-2a,1-2b、1-2c、1-3、1-3a…注射器、
3、31、32、33…外筒、
3a…流出口、
5、51、52、53、54…押し子、
7…キャップ、
9…加圧部材、
10、20、21、22、23…撹拌部材、
11…空洞管(浮沈子)、
13…空気袋(浮沈子)、
15、20b、20b’、20b”…撹拌ヘッド、
20a…シャフト部、
41…引っ張りバネ(バネ部材)、
42圧縮バネ(バネ部材)、
L…液体、
A、B…収納部

Claims (16)

  1. 液体の流出口を備えた外筒と、
    前記外筒内で液密に摺動自在な押し子と、
    前記外筒内に充填された液体中において、前記押し子の押圧方向に対応して移動する撹拌部材と
    を備えた注射器。
  2. 前記撹拌部材として浮沈子を用いた
    請求項1記載の注射器。
  3. 前記撹拌部材は、
    前記外筒に内接する環状の浮沈子と、
    前記浮沈子で構成された環状の内側に設けられた撹拌ヘッドとを備えた
    請求項1または2記載の注射器。
  4. 前記流出口を閉塞するキャップと、
    前記外筒内に液体を充填した状態においての前記押し子の当該外筒内に対する加圧状態を保持するための加圧部材とを備えた
    請求項2または3記載の注射器。
  5. 前記流出口を閉塞するキャップと、
    前記外筒内に液体を充填した状態で、前記押し子を当該外筒内に押圧する加圧部材とを備えた
    請求項2または3記載の注射器。
  6. 前記押し子および前記外筒の少なくとも一方と前記撹拌部材との間に設けられたバネ部材を備えた
    請求項1記載の注射器。
  7. 前記撹拌部材は、
    前記押し子の軸に沿って当該押し子を貫通し、当該押し子に対して液密に摺動自在に設けられたシャフト部と、
    前記外筒内に挿入される前記シャフト部の先端側に固定された撹拌ヘッドとを備え、
    前記バネ部材として、前記撹拌ヘッドと前記押し子との間に引っ張りバネを設けた
    請求項6記載の注射器。
  8. 前記撹拌部材は、
    前記押し子の軸に沿って当該押し子を貫通し、当該押し子に対して液密に摺動自在に設けられたシャフト部と、
    前記外筒内に挿入される前記シャフト部の先端側に固定された撹拌ヘッドとを備え、
    前記バネ部材として、前記外筒内において前記撹拌ヘッドと当該外筒の底部との間に圧縮バネを設けた
    請求項6または7記載の注射器。
  9. 前記撹拌ヘッドと前記外筒の底部との間には、前記バネ部材の収納部が設けられた
    請求項8記載の注射器。
  10. 前記撹拌部材は、
    前記押し子の軸に沿って当該押し子を貫通し、当該押し子に対して液密に摺動自在に設けられたシャフト部と、
    前記外筒内に挿入される前記シャフト部の先端側に固定された撹拌ヘッドとを備え、
    前記バネ部材として、前記外筒外において前記撹拌部材と前記押し子との間に圧縮バネを設けた
    請求項6〜9の何れかに記載の注射器。
  11. 一端が前記押し子に支持された状態で湾曲部が前記外筒に支持され、当該外筒内への当該押し子の押し込みによって、他端が前記撹拌部材を当該押し子の移動方向と逆方向に押し上げる押し上げ部材を備えた
    請求項1記載の注射器。
  12. 前記撹拌部材は、
    前記押し子の軸に沿って当該押し子を貫通し、当該押し子に対して液密に摺動自在に設けられたシャフト部と、
    前記外筒内に挿入される前記シャフト部の先端側に固定された撹拌ヘッドとを備え、
    前記押し上げ部材は、前記湾曲部が前記外筒の底部に支持され、前記他端が前記撹拌ヘッドを支持する状態で、前記外筒内に設けられた
    請求項11記載の注射器。
  13. 前記外筒の底部には、当該底部を部分的に延設する形状で、前記押し上げ部材の湾曲部を支持して収納する収納部が設けられた
    請求項12記載の注射器。
  14. 前記撹拌ヘッドには、前記押し上げ部材の他端を受ける受け部が設けられている
    請求項12または13記載の注射器。
  15. 前記撹拌部材は、
    前記押し子の軸に沿って当該押し子を貫通し、当該押し子に対して液密に摺動自在に設けられたシャフト部と、
    前記外筒内に挿入される前記シャフト部の先端側に固定された撹拌ヘッドとを備え、
    前記外筒は、フランジ部を有し、
    前記押し上げ部材は、前記湾曲部が前記外筒のフランジ部に支持され、前記他端が前記シャフト部を支持する状態で、前記外筒外に設けられた
    請求項11記載の注射器。
  16. 前記押し子における前記押し上げ部材の一端の支持部分には、当該押し上げ部材を貫通させる貫通窓が開閉自在に設けられた
    請求項15記載の注射器。
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JP2020507415A (ja) * 2017-02-17 2020-03-12 フェッター ファルマ−フェルティグング ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー 互いに混合可能な少なくとも二種の医薬物質を貯蔵し提供するための医薬品容器及びそのような医薬品容器の作動方法

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