セルラー・ネットワークに接続して、データを送信し、そして受信できるデバイスの数は将来増加するであろうと考えられている。多くの携帯電子デバイスおよび固定電子デバイス、たとえばカメラ、電子書籍リーダ、TV/メディア・プレイヤー、火災警報器、電力量計および他のセンサーにセルラー・モデムを組み込むことは、技術的に可能である。可能性は無限である。これは、セルラー事業者が将来これらのデバイスにネットワーク・アクセスを提供することから収入を得る、大きな機会を提示する。
伝統的に、移動体のデータおよび音声の利用料金は、従量課金(たとえば分あたり、メガバイトあたり、など)に依っている。しかしながら、近年の動向では、時間単位あたり(たとえば、月あたり)固定価格で無制限にまたは制限付きで使用できる定額課金、またはセルラー・データ転送がサービスの価格(たとえばダウンロードされる電子書籍または歌曲に対する価格)に含まれるサービス中心課金に、ますます依存している。エンドユーザの観点から、これらの課金方法は、サービスがいくらぐらい費用がかかりそうかについて予測可能であるので、好まれることが多い。
近年、事業者とエンドユーザの双方にとって信頼できる方法で受け入れできると思われる何らかの課金モデルを用いて、事業者のネットワークに複数のデバイスを接続する可能性を加入者に提示したい事業者に対する技術的なサポートが限定されている。
事業者は、複数のデバイスを有するエンドユーザに、ただ単一のデバイスだけを持つエンドユーザと比べてより多く課金したいと考えられる。一方、エンドユーザは、これらの割増料金を、それらが合理的であれば受け入れるだけであろう。たとえば、1つの可能な課金モデルは、事業者が加入基本料(全てのユーザに対して)、およびそれからユーザが所有する各付帯デバイスに対して少額の継続的に発生する料金(reoccurring fee)を課金することであろう。他の課金モデルもまた考えられることができる。
これらの課金モデルは、今日のセルラー・ネットワークにおいてサポート可能である。しかしながら、たとえばエンドユーザが他のユーザと加入を共有するか、または売却することによる、システムの不正使用を阻止するための支援が限定されている。双方がセルラー・モデムを有し、そして並行に動作できる2つのデバイスをエンドユーザが所有していると、事業者は、ユーザが別の人物にデバイスのうちの1つを貸すか、または売却するのをどのように阻止するか? この問題は、セルラー・アクセスをサポートするデバイスの数が増加するにつれて、将来大きくなるであろう。
そのような不正使用を阻止する1つの方法は、不正使用が問題ではない特定のサービスにのみデバイスがアクセスするように制限することが可能であろう。このことの一例は、書籍販売業者のウェブ・サイトにのみアクセスできる携帯電子書籍リーダでありえよう。同様の解決策は、デジタル・カメラ、火災警報器などに対して可能である。しかしながら、デバイスが任意のサービス(たとえばインターネット)にアクセスできる場合に、問題が生じる。
本発明に従って、無線電気通信ネットワークにおける方法が提供される。本方法は、移動デバイスがネットワークに接続していることを決定する工程、移動デバイスが共通ユーザに関連する複数の移動デバイスのうちの1つであることを決定する工程、および複数の移動デバイスに対して定義されたポリシーに従って移動デバイスのネットワーク・アクセスを制御する工程、の各工程を備える。
したがって、複数の移動デバイス(たとえばUEs)が単一のユーザ、すなわち加入者に関連している体系が定義される。デバイスを関連していると見なす情報は、デバイス自体に、またはネットワーク内に保持されている場合がある。ネットワークへの接続時に、関連デバイスのネットワーク・アクセスが、複数の関連デバイスに対して定義されるポリシーに従って制御される。このようにして、デバイスのネットワーク・アクセスは、実時間で制御される。すなわち、デバイスがかかるアクセスを要求する限り、ネットワークのトラヒック搬送部におけるデバイスのアクセスに関して、決定がなされる。
実施形態では、本方法はさらに、複数の移動デバイスのうちの第2の移動デバイスがネットワークに接続していることを決定する工程を備える。ネットワーク・アクセスを制御する工程は、複数の移動デバイスの第1の移動デバイスと第2の移動デバイスとの間の距離に従って、第1の移動デバイスのネットワーク・アクセスを制御する副工程を備える。
更なる実施形態では、ネットワーク・アクセスを制御する工程は、第1の移動デバイスが第2の移動デバイスから閾値距離以上であると決定される場合には、第1の移動デバイスのネットワーク・アクセスを制限するか、または阻止する副工程を備える。これは、関連デバイスが、ネットワークへのアクセスを得るために互いの閾値距離内にあることを保証し、ユーザがデバイスのうちの1つ以上を、一般に遠く離れているような第三者に貸すことができないということを意味している。
関連デバイス間の相対距離は、それらの位置識別子を比較することによって決定される場合がある。位置識別子には、それぞれの移動デバイスが接続されているセルのセルID、それぞれの移動デバイスが接続されているセルのセクタID、それぞれの移動デバイスが接続されている基地局の基地局ID、それぞれの移動デバイスが接続されているサービス・エリアのサービス・エリアID、それぞれの移動デバイスが接続されているトラッキング・エリアのトラッキング・エリアID、それぞれの移動デバイスが接続されているルーチング・エリアのルーチング・エリアID、およびそれぞれの移動デバイスのGPS座標のうちの1つ以上がある可能性がある。
別の実施形態では、本方法はさらに、複数の移動デバイスのうちの第2の移動デバイスがネットワークに接続していることを決定する工程、第2の移動デバイスにコードを送る工程、および第1の移動デバイスからメッセージを受信しようとする工程で、メッセージはコードの関数であって、およびメッセージが正しく受信されているかどうかに従って第1の移動デバイスのネットワーク・アクセスを制御する工程、の各工程を備える。この実施形態はまた、関連デバイスが互いに近くに位置しているか、または互いに近接しているかのどちらかであり、そのためコードが第2の関連デバイスから第1の関連デバイスに渡すことができることを保証する。
更なる実施形態では、本方法はさらに、複数の移動デバイスのうちの第2の移動デバイスがネットワークに接続していることを決定する工程を備える。ネットワーク・アクセスを制御する工程は、第1の移動デバイスと第2の移動デバイスとの総ビット速度に対して上限を適用する副工程を備える。
別の実施形態では、ネットワーク・アクセスを制御する工程は、複数の移動デバイスの一定期間における総データ使用量に上限を適用する副工程を備える。
その上に更なる実施形態では、ネットワーク・アクセスを制御する工程は、複数の関連デバイスの一部が、同時に特定のサービスを用いることができるようにする副工程を備える。
前の3つの実施形態の各々は、移動デバイスのネットワーク・アクセスを、移動デバイスのネットワークの使用に従って制御する。たとえば、同時に接続された関連デバイスの総ビット速度は、ある限界を超えることができない場合がある。
本発明はまた、デバイスを複数の関連デバイスのうちの1つであると見なす方法を提供する。1つの実施形態では、第1の移動デバイスは第1の識別子を有し、そして第1の移動デバイスが共通ユーザに関連する複数の移動デバイスのうちの1つであることを決定する工程は、データベースにアクセスする副工程を備えていて、データベースは、複数の移動デバイスのうちの各移動デバイスのそれぞれの識別子を用いるエントリを備えている。
代替の実施形態では、本方法は、複数の移動デバイスのうちの他の移動デバイスを識別する情報を第1の移動デバイスから受信する工程を備える。
様々な実施形態で、複数の関連デバイスは全て、同じネットワーク・ノードにより在圏される可能性がある。たとえば、1つの実施形態では、本方法は、複数の移動デバイスのうちの第2の移動デバイスがネットワークに接続していることを決定する工程、第2の移動デバイスを在圏とする1つ以上のネットワーク・ノードを決定する工程、および1つ以上のネットワーク・ノードを第1の移動デバイスに割り当てる工程を備える。
全ての関連デバイスが同じネットワーク・ノードにより在圏されていることを保証することにより、ノード間の信号量が減少される可能性があり、そして本ポリシーは、ネットワーク内で効率のよい方法でデバイスに適用できる。
本発明の別の態様では、無線電気通信ネットワークにおける装置が提供され、本装置は、移動デバイスがネットワークに接続していることを決定するための手段、移動デバイスが共通ユーザに関連する複数のデバイスのうちの1つであることを決定するための手段、および複数の移動デバイスに対して定義されたポリシーに従って、移動デバイスのネットワーク・アクセスを制御するための手段を備えている。
本装置は、単一のネットワーク・ノード内か、または複数のネットワーク・ノードに渡って設置される可能性がある。たとえば、本装置は、移動管理エンティティ、在圏GPRSサポート・ノード、関門GPRSサポート・ノード、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ、およびポリシーおよび課金ルール機能のうちの1つ以上に設置される場合がある。
1つの実施形態では、本方法が複数のノードで行われていて、本装置は、移動デバイスが共通ユーザに関連する複数の移動デバイスのうちの1つであることを、遠隔のネットワーク・ノードに信号で伝えるための信号手段を備える。このようにして、(複数の)関連デバイスに関する情報がネットワーク全体に伝搬されることができる。
本発明は、関連付けされた加入またはデバイスまたはその両方の概念を導入していて、事業者が特定の課金ポリシーまたは使用量制限またはその両方を定義する可能性がある。本発明の実施形態に従って、使用量制限は、デバイスの移動度、位置、アクセスされるサービスなどに関する場合がある。さらに、セルラー・ネットワークにおける方法は、これらの課金ポリシーおよび使用量制限をどのように実施するかに対して定義される。本解決策はネットワークで制御され、このことは、本解決策がデバイスのセキュリティに関係なく動作できることを意味しており、すなわち本解決策は、エンドユーザが加入者には許可されていないサービスにアクセスするためにデバイスを"ハック(hacks)"したとしても機能するべきであることを意味している。その上、セルラー・ネットワーク自体内に解決策を実装することは、本ポリシーが"実時間(real time)"で適用できるようにする。すなわち、ユーザは、ネットワークにアクセスしようとする限り、ネットワーク・アクセスを制限される場合がある。
ロング・ターム・エボリューション(LTE)標準を用いるE−UTRAN(高度化UMTS地上無線アクセス・ネットワーク)として知られる通信ネットワークの例に関する、より詳細な全体像を示す図1を、ここから参照していくこととする。しかしながら、当業者には明らかであるが、本発明は、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、IMSなどを含めて、種々の標準の下で、他のネットワークにおいて適用可能である。
ネットワークは、複数の無線基地局(またeNodeBs、Node Bsなどとして知られる)21a、無線基地局21b、無線基地局21cを備えていて、無線基地局の各々は1つ以上のセル(図示していない)を保全している。各セル内のユーザ装置("UE"、すなわち移動デバイス)23a、UE23b、UE23c、UE23dは、かかるセルの対応するeNodeB21と通信する。
E−UTRANでは、eNodeB21は、(図1で破線として示されている)X2インタフェースとして知られるインタフェースによって互いに通信できる。各eNodeB21はさらに、コア・ネットワークと1つ以上のインタフェースを有している。これらはS1インタフェースとして知られている。特に、eNodeB21は、1つ以上の移動管理エンティティ(MME)25a、MME25bに対して1つ以上のS1インタフェースを有していて、MMEは以下でより詳細に説明することとする。
MME25aは、たとえば、在圏GPRSサポート・ノード(SGSN)27にS3インタフェース経由で接続されている。SGSN27は、UEがGERANまたはUTRANのサービス範囲内にある場合、地理的サービス領域内のUE23a、UE23bとデータ・パケットの配信をやり取りすることに関与する。MME25aは、ユーザ認証のような作業を行うために、S6インタフェースによってホーム加入者サーバ(HSS)26と情報をやり取りする。SGSN27はさらに、GrインタフェースによってHSS26と情報をやり取りしていて、このことは、UEがGSMモードまたはUMTSモードで動作している場合、SGSN27は基本的にLTEモードのMME25aと同じ機能を有していることを意味する。MME25aはさらに、装置識別子レジスタ(EIR)38と情報をやり取りしていて、EIR38は、たとえばデバイスが盗難品と記録されているために、ネットワークへのアクセスが拒否されるべき"ブラックリストに挙げられた"デバイスのリストを含む。
通信ネットワークはまた、在圏ゲートウェイ(SGW)29を備える。SGW29は、S1uインタフェース経由でeNodeB21aに、S11インタフェース経由でMME25aに、そしてS4インタフェース経由でSGSN27に接続されているように示されている。当然のことながら、SGW29は前記デバイスの各々のうちの1つ以上に接続される場合がある。しかしながら、UEは一般に、単一のSGWまたは単一のMMEまたはその両方にのみ接続されるであろう。SGW29は、なかんずく、ユーザのデータ・パケットのルーチングおよび転送を行うように構成され、一方また(たとえばUE23aがeNodeB21aからeNodeB21cにハンドオーバされるように)eNodeB間ハンドオーバ中にユーザ・プレーンに対するモビリティ・アンカーとしての機能を果たす。SGW29はまた、LTEと他の3GPP技術との間の移動に対するアンカーとしての機能を果たす。SGW29はまた、UEコンテキスト、たとえばIPベアラ・サービスのパラメータ、およびネットワーク内部ルーチング情報を管理し、そして格納する。
SGW29は、S5インタフェース経由でパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(PDN GW)31に接続される。PDN GW31は、UEに対してトラヒックの入出力ポイントであることにより、UEに外部のパケット・データ・ネットワーク、たとえばインターネット33などへの接続を提供する。
MME25aは、なかんずく、アイドル・モードUEのトラッキングおよびページング手順に関与する。MME25aはまた、ベアラ活性化/非活性化処理に係わっていて、そしてまたUEに対して最初のSGWを選ぶことに関与する。
上述したように、PDN GW31は、UE23に対してトラヒックの入出力ポイントであることにより、UE23から外部のパケット・データ・ネットワーク33(たとえばインターネット)への(SGiインタフェース経由での)接続を提供する。UE23は、複数のPDNs33にアクセスするために同時に2つ以上のPDN GW31と接続している場合がある。PDN GW31は、なかんずく、ポリシーの実施、各ユーザに対するパケット・フィルタリング、課金のサポート、合法的傍受およびパケット・スクリーニングを行う。PDN GW31の別の重要な役割は、S2インタフェース経由で、3GPP技術と非3GPP技術35との間のモビリティに対するアンカーとしての機能を果たすことである。
PDN GW31は、S7インタフェース経由で、ポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)37を用いてポリシーを実施する。PCRF37は動的に、全てのデータ・セッションを制御して、そして管理し、そしてネットワーク外の事業者により運営される課金および請求システムに向かって適切な課金および請求インタフェースを提供する。
図2は、全地球移動通信システム(GSM)またはWCDMA/HSPAネットワークで用いる、通信ネットワークの更なる例を示す。図は、ネットワークのコア・ネットワーク構造、および無線アクセス・ネットワーク(RAN)101への接続を、ポイントを捉えて詳細に示す。
RAN101は通常、(またユーザ装置として知られる)移動端末と通信する(またNodeBとして知られる)無線基地局を備える。WCDMAおよびHSPAのネットワークでは、RAN101はさらに、コア・ネットワークと通信する無線ネットワーク制御装置(RNC)を備える。RAN101の詳細な構造は、簡単にするために図示されていない。
コア・ネットワークは、2つのドメイン、回線交換ドメインおよびパケット交換ドメインに分割される。回線交換ドメインでは、移動電話交換局(MSC)102a、MSC102bは、WCDMA/HSPAに対してlu_csインタフェースによって、およびGSMではAインタフェース(図示されていない)によってRAN101と通信する。MSCはまた、Eインタフェース、NbインタフェースおよびNcインタフェースによって互いに通信できる。MSC102a、MSC102bは、公衆交換電話網(PSTN)103へのアクセスを制御する。
パケット交換ドメインでは、在圏GPRSサポート・ノード(SGSN)104a、SGSN104bは、WCDMA/HSPAではlu_psインタフェースによって、およびGSMではGbインタフェース(図示されていない)によってRAN101と通信する。SGSNはまた、Gnインタフェースによって互いに通信できる。SGSN104a、SGSN104bは、GnインタフェースまたはGpインタフェースによって関門GPRSサポート・ノード(GGSN)105と通信する。GGSN105は、Giインタフェース経由で外部のパケット・ネットワークへの、たとえば図示しているようにインターネット106への、または事業者のサービス・ドメインへの、またはIMSネットワークへのアクセスを制御する。
ホーム・ロケーション・レジスタ(HLR)107は、回線交換ドメインとパケット交換ドメインとの双方に共通であって、HLR107は、ホーム事業者のネットワークにおいて、かかる事業者の加入者を把握するデータベースである。HLR107は、CインタフェースおよびDインタフェース経由でMSC102a、MSC102bに、そしてGrインタフェース経由でSGSN104a、SGSN104bに連結される。
図1および図2は、本発明が行われる可能性があるネットワーク例を示す。しかしながら、当業者には、本明細書で説明される原理が、種々のネットワークに適用される可能性があり、同じ恩恵および利点を達成することは明らかであろう。したがって、本発明は上述のネットワーク例に限定されない。
図3は、本発明の実施形態に従った、無線ネットワークにおける方法を示しているフロー図である。
工程200では、ネットワークは、第1の移動デバイス(以降では"デバイスA"と示される)がネットワークに接続していることを決定する。ネットワークに接続するための処理の更なる詳細は、以下で説明することとする。
本方法はそれから、工程200から工程202aと工程202bのうちの1つに進む。1つの実施形態(工程202a)では、デバイスAは、デバイスAに関連する1つ以上の移動デバイスを識別する情報をネットワークに送る。この情報は、ネットワークへの接続のための、またはネットワークへの接続後の手順の一部として送られている場合がある。すなわち、いずれのデバイスが他のデバイスに関連して(関連付けされて)いるかについての情報は、移動デバイスまたは加入者識別モジュール(SIM)に格納できる。本情報は、ネットワーク・アタッチ手順中にネットワークに渡されることができ、そしてデバイスまたはSIMに格納された情報の信頼性は、何らかのセキュリティ・メカニズムを用いてネットワークにより検証できる。
この実施形態では、関連移動デバイスを識別する情報は、関連デバイスの物理識別子のリストである場合がある。その代わりに、複数の関連移動デバイスが、関連していると容易に決定できるようにする共通のインデックスを与えられる場合がある。
別の実施形態(工程202b)では、関連デバイスを識別する情報は、ネットワーク内のデータベースに格納される。図1に関して説明したネットワークでは、データベースは、たとえばHSS26の一部である場合がある。別の実施形態では、情報はPCRF37に格納される場合があり、そして他の標準では、認証、アクセス制御および精算サーバ(AAAサーバ)またはホーム・ロケーション・レジスタ(HLR)が用いられる場合がある。
工程204では、デバイスAがどれか他の移動デバイスに関連するかどうかが決定される。勿論、当然のことながら、この工程は、以前の工程と並行して行われる場合がある。たとえば、ネットワークが工程202aでデバイスAから情報を受信していると、デバイスが移動デバイスに関連しているということが、既に決定されているであろう。
何ら関連デバイスがないと、デバイスAの処理は、通常通り進む場合がある(工程206)。
1つ以上の関連デバイスがあると、ネットワークはデバイスAの処理にポリシーを適用し始め(工程208)、ポリシーは全体として複数の関連デバイスに対して定義されている。図で示す実施形態では、ネットワークはポリシーに従って、デバイスAのネットワーク・アクセスを制御する。すなわち、デバイスAのユーザにより違反されているポリシーに応えて、デバイスAのネットワーク・アクセスは、制限されるか、または完全に阻止される場合がある。他の実施形態では、ネットワークは、ポリシーに違反していることに対して複数のデバイスのユーザに割り増し課金を適用する場合がある。
図3に関して説明した方法は、ネットワーク内の単一のデバイスで行われることができるか、または種々の工程が種々のデバイスで行われる可能性がある。たとえば、MMEまたはSGSNは、特定のデバイスがネットワークに接続していることを工程200で決定する場合があり、そして工程202および工程204で、デバイスが他のデバイスに関連することを決定する場合がある。MMEまたはSGSNはそれから、ポリシーが違反されていると、たとえば、デバイスのネットワーク・アクセスを制限するか、または阻止するようにPDN GWまたはGGSNに(必要に応じて)指示することにより、工程208でポリシーを適用することに取り掛かる場合がある。代替の例では、PDN GWまたはGGSNは、特定のデバイスがネットワークに接続していること、およびデバイスが複数の関連デバイスのうちの1つであることを(たとえば、MMEまたはSGSNと通信することにより)決定する場合がある。PDN GWまたはGGSNはその場合、ポリシーを適用し、そしてポリシーが違反されていると、デバイスのネットワーク・アクセスを阻止するか、または制限する。
図4は、本発明の1つの実施形態に従った方法のフロー図であり、本方法ではポリシーは、複数の関連移動デバイスに、それらデバイスの互いの相対距離に基づいて適用される。本方法は、図3に関して説明したことから進めて、そして本質的に、ポリシーがデバイスAに適用される工程208の副工程を説明する。
工程210で、複数の関連デバイスのうちの第2の移動デバイス(これ以降で"デバイスB"と表示される)がまた、ネットワークに接続されていることが決定される。
工程212で、2つのデバイスAとデバイスBとの間の相対距離が決定され、そして閾値と比較される。相対距離が閾値以下である(すなわち、デバイスAとデバイスBとは相対的に互いに近接している)と、デバイスのネットワーク・アクセスが正常に処理される(工程214)。すなわち、デバイスは、サービスにアクセスし、そしてデバイスが通常期待しているような標準のサービスを受けることができる。
相対距離が閾値より大きいと、ポリシーの条件が破れていると判定され、そしてデバイスAまたはデバイスBまたはその両方のネットワーク・アクセスが制限されるか、または完全に阻止される(工程216)。1つの実施形態では、複数の関連デバイスのうちの1つが、常にサービスが受けられるべき"主要な(primary)"デバイスと定義される場合がある。たとえば、デバイスBが主要なデバイスであると、デバイスのネットワーク・アクセスは制限されるか、または停止される場合があり、そしてデバイスBのアクセスは影響を受けない。代替の実施形態では、ネットワーク・アクセスは変更されない場合があるが、しかしポリシーの条項に違反しているために、デバイスのユーザに割り増し料金が適用される場合がある。
図4で提示されている方法はしたがって、加入またはデバイスを第三者に貸すか、または売却したいと思うユーザを阻止するか、または少なくとも妨げる。2つの関連デバイスが十分な距離を離して同時に用いられると、デバイスを用いているのは同じユーザではなく、そしてデバイスのうちの少なくとも1つは第三者に貸し出されていると想定できる。この事例では、デバイスのうちの1つまたは双方のネットワーク・アクセスが制限されるか、または停止される。
2つのデバイスの相対距離は、いくつかの方法で決定される可能性がある。たとえば、関連付けられているデバイスが全て、同じMME25またはSGSN27によりサービスされていると、MME/SGSNは、デバイスが十分近接していると見なされるかどうかを決定するために、デバイスの大まかな位置を調べることができる。デバイスの位置は、いずれの無線セル/セクタまたは基地局(eNBs)にデバイスが接続されているかに基づいて決定される場合があり、またはGPS座標またはサービス・エリア、トラッキング・エリア、ルーチング・エリアなどのような論理的概念に基づくことができる。MME25またはSGSN27が関連位置情報を有しないケースでは、MME25またはSGSN27は、RAN、デバイス自身、または位置サーバにこの情報を要求できる。
閾値距離は、いくつかの方法で実装される可能性がある。一例では、デバイスは、それぞれの位置識別子が一致しないと、受け入れ難いほど遠く離れていると考えられる場合がある。しかしながら、無線特性のために、互いにごく近接して位置している2つのデバイスさえも、異なる無線セルおよび基地局に接続する場合があることはありえる。閾値距離はしたがって、必然的に起こることがありうるこれらのシナリオでの使用をも受け入れて、わずかにより緩やかである可能性がある。たとえば、隣接するセルまたはセクタで動作しているデバイスは、ネットワークに自由にアクセスできる場合があり、一方、隣接しないセルまたはセクタで動作しているデバイスは、ネットワークにアクセスするのを阻止される。
関連付けされたUEが異なるMME25またはSGSN27またはその両方によりサービスされているケースでは、それぞれのMMEsまたはSGSNsは、同時に用いられているデバイスが互いに閾値距離内にあることが検証できるように、位置情報を交換するのに相互間で信号をやり取りすることができる。ポリシーが違反されていることが決定されるケースでは、1つのMMEまたはSGSNはポリシーを実施する(たとえばそれぞれのデバイスの接続を切り離す)か、または他のMMEまたはSGSNにこれを行うように知らせる場合がある。
代替の実施形態では、位置情報サービス(LCS)システムが用いられる場合がある。LCSシステムは、3GPP標準化会合で未だ審議中であるが、しかし一般に、MMEに接続されるであろう(たとえば、3GPP TS 23.891参照)。システムには、複数の新規ノードおよび複数のインタフェースを含める可能性があり、そしてネットワークで別個のオーバレイ・システムとして採用される可能性がある。1つの実施形態では、LCSシステムは、関連デバイスのグループの位置を周期的に報告することが要求され、そしてデバイス間の距離を調べる。LCSシステムの出力は、PCRF37に送り込まれる(たとえば、割り増し料課金を負担するために)か、またはデバイスが禁止位置にあると考えられる場合、デバイスを切断するためにMME25またはSGSN27にコマンドが送られるかのいずれかである。その代わりに、LCSシステムは、独力でデバイスの位置に対して周期的にポーリングする場合がある。LCSシステムはまた、UEの位置に関するデータを、直接UEからよりはむしろ、様々なネットワーク・ノードまたは位置決定装置から得る場合がある。
その上更なる代替の実施形態では、他のネットワーク・ノード(たとえば、RANノード、課金システム、PDN GW/GGSN)およびシステムが、位置に基づくポリシーを実施することもまたできる。これらの解決策に共通であるのは、ポリシーを実施するノードが、デバイスの位置、およびいずれのデバイスが互いに関連しているかを承知していることである。
本発明の更なる実施形態に従って、ポリシーは、ネットワークの使用量に基づいて複数の移動デバイスにわたって実施される場合がある。
図5は、本発明の1つのそのような実施形態に従った方法のフロー図であり、本方法では、デバイスの総ビット速度に基づいて、ポリシーが複数の関連移動デバイスに適用される。本方法は、図3に関して説明した部分から進み、そして本質的に、ポリシーがデバイスAに適用される工程208の副工程を説明する。
工程220で、複数の関連デバイスのうちの第2の移動デバイス(これ以降で"デバイスB"と表示される)がまた、ネットワークに接続されていることが決定される。
工程222で、2つのデバイスAおよびデバイスBの総計ビット速度が決定され、そして閾値と比較される。総計ビット速度が閾値より低いと、デバイスのネットワーク・アクセスは、正常に処理される(工程224)。すなわち、デバイスはサービスにアクセスし、そしてデバイスが通常期待しているようなサービスの標準を受けることができる。
総計ビット速度が閾値より大きいと、デバイスAまたはデバイスBまたはその両方のビット速度は、総計の閾値を越えないように、図に示している実施形態では制限される(工程226)。図3に関して説明した方法と同じように、デバイスのうちの1つは、ネットワーク・アクセスが好適に制限されない主要なデバイスと定義される場合がある。たとえば、デバイスBが主要なデバイスであり、そして閾値を越えていると、デバイスAのビット速度は、総計ビット速度が閾値以下になるまで制限される場合がある。勿論、この実施形態でさえ、デバイスBのビット速度それだけで総計の閾値を越えていると、デバイスBのビット速度を制限することが必要である場合がある。
ここでも、代替の実施形態では、デバイスのビット速度を制限するよりもむしろ、閾値を越える場合には、追加の課金が関連デバイスのユーザに課される場合がある。
一対のデバイスに関して説明したけれども、この方法は1つ以上の関連デバイスに適用できることは明白であろう。閾値は、同時に接続されている全ての関連デバイスの総計ビット速度と比較される。
ネットワークが全ての関連デバイスを同じPDN GW31または関門GPRSサポート・ノード(GGSN)に割り当てるケースでは、このPDN GWまたはGGSNは複数のデバイスのデータ使用量ポリシーを実施することができる(より詳しくは図10を参照)。ビット速度を減らすポリシーを実施する例には、パケットを抜くことまたは一部のサービスを止めるかまたは解除すること、またはその両方がある。しかしながら、複数のPDN GWまたはGGSNが、ポリシーを適用するために互いに通信し合うこと、たとえば各デバイスのその時点のビット速度を他のノードに伝えることもまたできる。
図6は、本発明の1つの実施形態に従った方法のフロー図であり、本方法では、デバイスの一定の期間にわたる総データ使用量に基づいて、ポリシーが複数の関連移動デバイスに適用される。本方法は、図3に関して説明した部分から進め、そして本質的に、ポリシーがデバイスAに適用される工程208の副工程を説明する。
工程230で、複数の関連デバイスの全ての一定期間における総データ使用量、すなわち、当該期間で複数の関連デバイスによりダウンロードされるデータの総量が決定される。たとえば、データ使用量は、本方法が行われる月間のダウンロードされるデータである場合がある。
工程232で、この総データ使用量が閾値と比較される。データ使用量が閾値以下であると、本方法は工程230に戻る。このようにして、総データ使用量が、継続的に、または周期的に調べられる。総データ使用量が閾値を越えていると、本方法は工程234に移り、そしてデバイスAのネットワーク・アクセスは制限されるか、または完全に阻止される。代替の実施形態では、閾値を越える場合には、追加の課金が関連デバイスのユーザに課される場合がある。
ネットワークが全ての関連デバイスを同じPDN GW31または関門GPRSサポート・ノード(GGSN)に割り当てるケースでは、このPDN GWまたはGGSNは複数のデバイスのデータ使用量ポリシーを実施することができる。しかしながら、複数のPDN GWsまたはGGSNsは、ポリシーを適用するために互いに通信すること、たとえば各デバイスに送られるその時点のデータ量を他のノードに伝えることもまたできる。
図7は、本発明の別の実施形態に従った方法のフロー図であり、本方法では、それらのデバイスにより用いられるサービスに基づいて、ポリシーが複数の関連移動デバイスに適用される。本方法は図3に関して説明した部分から進め、そして本質的に、ポリシーがデバイスAに適用される工程208の副工程を説明する。
工程270で、複数の関連デバイスのうちの第2の移動デバイス(これ以降で"デバイスB"と表示される)がまた、ネットワークに接続されていることが決定される。
工程272で、デバイスBがネットワークの特定のサービスを用いているかどうかが決定される。たとえば、1つのそのようなサービスは音声サービス(すなわち、電話をかけるサービス)である場合がある。他の例には、特定のアプリケーションまたはセッション、たとえば音楽サービスまたは動画サービスなどがある。
デバイスBがサービスを用いていないと、本方法は工程274に進み、そしてデバイスAのネットワーク・アクセスは正常に処理される。すなわち、デバイスAのユーザは、そうしようと思うと、サービスにアクセスできる。
デバイスBがサービスを用いていると、本方法は工程276に進み、そしてデバイスAはサービスにアクセスするのを阻止される。代替の実施形態では、デバイスAのアクセスを制限するよりもむしろ、追加の課金が関連デバイスのユーザに課される場合がある。
この実施形態はしたがって、2つの関連デバイスが、同時にサービスに、または特定のサービスにアクセスするのを阻止する。たとえば、このことは異なるユーザがデバイスを使用していることを示していると思われるので、デバイスは同時に音声電話をかけるのを阻止される場合がある。しかしながら、本方法はまた、複数の関連デバイスの一部が同時にサービスに、または同じサービスにアクセスできるように適用される場合があって、一部は関連デバイスのうちの1つ以上に相当する。
上述した実施形態と同様に、関連デバイスのうちの1つが、他のデバイスよりも優先権が付与される"ホーム"デバイスまたは"主要な"デバイスと決定される場合がある。このケースでは、主要なデバイス(上記の明細書に従ってデバイスAかデバイスBかに係わらず)がサービスにアクセスできるであろうし、そして他の(複数の)デバイスはサービスへのアクセスを拒否されるであろう。このケースでは、一部は1つのデバイスに相当する。
図8は、本発明の1つの実施形態に従った方法のフロー図であって、本方法では、関連デバイスが互いに近接していることを保証するのに、代替の方法が採用される。本方法は図3に関して説明した部分から進め、そして本質的に、ポリシーがデバイスAに適用される工程208の副工程を説明する。
工程240で、複数の関連デバイスのうちの第2の移動デバイス(これ以降で"デバイスB"と表示される)がまた、ネットワークに接続されていることが決定される。この実施形態では、デバイスBは複数の関連デバイスのうちの主要なデバイスである。当業者には、この工程は示されている厳密な順序で行われない場合があるが、しかしむしろ工程200でデバイスAがネットワークに接続するのに先行して起こっている場合があることは、明白であろう。
工程242で、シークレット・コードがデバイスBに送られる。コードは、たとえばデータのランダム・ストリングである場合がある。デバイスAはそれから、ブルートゥース、WLAN、または固定ケーブルのような一部のローカルな通信手段によりデバイスBからコードを得る。1つの実施形態では、デバイスのユーザは簡単に、デバイスB上のコードを読み取り、そして手入力でデバイスAにコードを入力する場合がある。
工程244で、ネットワークは、デバイスBに送られたシークレット・コードの機能を報告するメッセージをデバイスAから受信する。報告メッセージは、デバイスBに送られたのと同一のコード、またはたとえば、コードのハッシュ関数を含む場合がある。
工程246で、報告されたコードが調べられる。報告されたコードが正しいと、コードがデバイスBからデバイスAに報告されるために、2つのデバイスが互いに相対的に近いと考えられるので、デバイスAのネットワーク・アクセスが許可され、そして正常に処理される(工程248)。
報告されたコードが正しくないか、またはコードが報告されないと、デバイスAのネットワーク・アクセスが制限されるか、または完全に阻止される(工程250)。代替の実施形態では、ネットワーク・アクセスは影響を受けないが、しかしユーザに対して割り増し料が課される場合がある。
本方法は、デバイスAおよびデバイスBが、それらを用いている間ずっと互いに近接していることを調べるために、周期的に、または各デバイスがネットワークに最初に接続するときに一度、行われる場合がある。
図8に関して開示した解決策は、不正使用だけを完全には阻止しないであろう。しかしながら、加入ポリシーを不正使用することをより不便にするであろう。
上述のように、ネットワークに接続する移動デバイスが1つ以上の他のデバイスに関連していることを決定できる様々な方法がある。デバイスは、ネットワークへの接続時にeNodeBを経由して情報をネットワークに送る場合がある。その代わりに、この情報がネットワーク自体内のデータベースに格納される場合がある。たとえば、データベースには、関連デバイスの各グループに対して物理識別子または加入者識別子のリストを含める場合がある。しかしながら、この場合、ネットワークに接続されている1つのまたは複数の関連デバイスを処理する様々なネットワーク・ノードに、この情報を伝える必要がある。
デバイス・レジスタまたは加入者レジスタ(本発明が採用される特定のネットワークに依存して、実際には同じレジスタである場合がある)は、デバイスを処理しているネットワーク・ノード(たとえば3GPP SGSN/MMEs)に、関連デバイスの存在およびこれらのUEを処理するための関連ポリシーについて知らせる場合がある。デバイスがネットワークにアタッチするか、または何らかの他の信号をやり取りする場合、情報は、デバイスを処理するネットワーク・ノードに渡されることができる。この情報は、関連デバイスが通常のデバイスとは異なって処理されることができるようにする。図9は、関連デバイスを識別する情報が、(工程5aまたは工程11または工程14またはそれらの少なくともいずれかにおける)3GPP EPSのアタッチ手順の間に伝えられる例を示す。この手順は、当業者には周知であろうし、そして仕様書3GPP TS 23.401に完全に説明されている。情報がネットワーク内で他のデバイスに渡される場合がある3つの例が示されている。しかしながら、代替の配置が可能である。
上で開示した様々な実施形態では、複数の関連デバイスが同じネットワーク・ノード(たとえば同じMME、SGSN、PDN GWなど)により処理されるのは都合がよい。これが、上で定義したポリシーが同じネットワークにより処理され、そして適用されることができるようにし、そうでなければ、関連デバイスの各移動デバイスをそれぞれ処理するネットワーク・ノード間で要求されるであろう信号のやり取りを減らすことにおいて明確な長所をもたらす。
図10は、本発明の1つの実施形態に従った方法のフロー図であって、本方法では、1つの関連デバイスのネットワーク・ノードが、同時に接続された別の関連デバイスに割り当てられている。本方法は、図3に関連して説明した方法の一部として行われる、たとえば工程204と工程208との間で起こる場合がある。
工程260で、複数の関連移動デバイスのうちの第2の移動デバイス(これ以降で"デバイスB"と表示される)がネットワークに接続されていることが決定される。1つの実施形態では、デバイスBは複数の関連移動デバイスの"主要なデバイス"、すなわち、最適な性能を好適に受けるべきであるかかるデバイスである。
工程262で、デバイスBの接続を処理するネットワーク・ノード(たとえば、MME、SGSN、PDN GW、など)が決定される。たとえば、デバイス/加入者レジスタは、デバイスBが処理されている(いずれかのネットワーク・ノードにおける)位置についての情報を提供できる。
工程264で、デバイスAは、デバイスBの接続を処理しているそれらの同じネットワーク・ノードに割り当てられる。ネットワーク・ノードの変更を行うことができる種々の方法があり、3GPP TS 23.401 4.3.7.3節で規定されているMME/SGSN負荷再均衡手順の修正版を用いることが可能であろうし、または何らかの新しいMME/SGSN間ハンドオーバが定義できる。MME/SGSNはまた、適切なグローバル一意一時的ID(GUTI)またはパケット−一時的移動加入者識別子(P−TMSI)を、他の関連デバイスを処理しているMME/SGSNに関連するデバイス・レジスタまたは加入者レジスタから受信でき、そしてMMEはそれから、このGUTI/P−TMSIをデバイスに割り当てることができ、そしてそれからS1(またはlu)解放手順を始動できる。デバイスが次にネットワークに接するとき、RANは他の関連デバイスに関連するMME/SGSNを選択するであろう。
勿論、一般に3つ以上の関連デバイスがある可能性があり、そして上述の方法は、同じネットワーク・ノードに割り当てられているいくつもの数のデバイスに適用できる。
図11は、1つの関連デバイスのネットワーク・ノードから別の関連デバイスのネットワーク・ノードに移す方法の例のフロー図であり、3GPP TS 23.401(5.3.3.2節、または5.3.3.1節 SGW再配置が生じたとき を参照)で説明されているトラッキング・エリア更新(TAU)に対する修正を備えている。本方法は一般にMMEで行われる。
工程300で、TAU要求メッセージは、s1インタフェース上で、eNodeB経由でUEから受信される。トラッキング・エリア更新は、UEが1つのトラッキング・エリアから別のトラッキング・エリアに移動する場合に生じる。
工程302で、MMEは、上述のように、UEが他のデバイスに関連していることを決定する。たとえば、関連デバイスに関する情報はHSSから読み出される場合がある。
工程304で、UEが他のデバイスに関連しているとすると、それらのデバイスを処理しているネットワーク・ノード(たとえば、MME、SGSN、PDN GWなど)が決定される。ここでも、この情報は、HSSに格納され、そして読み出される場合がある。
UEを処理しているネットワーク・ノードが、関連デバイスを処理しているそれらとは異なっていると仮定すると、MMEはその場合、UEが新しいネットワーク・ノードに割り当てられるべきであることを決定する。工程306で、MMEは、UEにサービスしているeNodeBにリダイレクト・メッセージを送る。リダイレクト・メッセージには、TAU要求メッセージ自体、並びに新しいMMEの識別子を含める。
更なる工程(図示していない)で、eNodeBは、リダイレクト・メッセージで特定されるMMEにTAU要求メッセージを転送し、そして(MME再配置に係わっている)TAU手順は、その時点以降、正常に処理される(3GPP TS 23.401 5.3.3.2節または5.3.3.1節を参照)。
このようにして、UEは1つのMMEから、関連デバイスを処理している別のMMEに移されている。
本方法は例として提示されていて、代替の方法は当業者には明らかであろう。たとえば、3GPP仕様書は、eNodeBとそれらのそれぞれのMMEとの間でのハンドオーバ手順を提供する(3GPP TS 23.401 5.5.1.2.2節参照)。本発明の実施形態に従って、発信元eNodeBおよび対象eNodeBが同じであるハンドオーバ手順が、指定される場合がある。このようにして、この手順では、MMEだけがハンドオーバの一部として変更される。ハンドオーバ手順は、ハンドオーバであることに対して発信元MMEから発信元eNodeBへのトリガー・メッセージにより、開始される場合がある。
代替の実施形態では、関連付けられたデバイスは、ネットワークに接続しようとする場合、関連付けられた別のデバイス(たとえば、"主要な"デバイス)から一時id(GUTI/P−TMSI)を取得する場合がある。これは多くの方法で可能である。
− WLAN、ブルートゥース、固定イーサネット、有線USBまたは無線USBなどのような主要なデバイスに関連付けられたデバイス間の代替通信チャネルを用いて。
− 主要なデバイスにより与えられるコードに基づいて、関連付けられたデバイスにコードを手動で入力することによって(図8を参照)。
− 一時3GPPセッションを用いることによって、すなわち、関連付けられたデバイスは最初に一時セッションを用いて正常に接続し、3GPPアクセスによって主要なデバイスからコードを得て、そしてそれから、コードを用いて再度接続し直す。
− 主要なデバイスの位置についての知識に基づいてネットワークが一時idを割り当てることによって。たとえば、主要なデバイスのIMSIはHSS加入記録内に設定でき、そしてHSSは、接続設定フェーズ中にIMSIに基づいてMME/SGSNノードの識別子を提供する場合がある。一時idは、主要なデバイスのMME/SGSNノードおよびIMSIの関数として構成される。
関連付けられたデバイスに付与される一時id(GUTI/P−TMSI)は、主要なデバイスの一時idに基づいていて、主要なデバイスの一時idの関数として計算される場合がある。特に、1つの実施形態では、ネットワーク内のMME/SGSNノードを識別するビットは、主要なデバイスに対してと、関連付けられたデバイスに対してとは同じであろう。ハッシュ関数、暗号化、および完全性保護のような安全性メカニズムは、一時idが平文で送られる必要がないように採用される場合があることに留意されたい。
導出した一時idを用いて、関連付けられたデバイスは、主要なデバイスと同じMME/SGSNに接続することを確認することができる。MME/SGSNは導出した一時idを用いてデバイスを主要なデバイスと関連付けることができなければならず、そしてその場合、デバイスが地理的に近接しているような一定の条件が満たされる場合にのみ、アクセスを許可する場合がある(図4を参照)。
その代わりに、ネットワーク・ノードの再配置を行うこと、または同じネットワーク・ノード内の全ての関連デバイスを処理することが望ましくないと、直接信号をやり取りして、またはデバイス/加入者レジスタを経由して、ネットワーク・ノード間で調整を行うことは可能である。たとえば、デバイスAを処理している第1のMMEは、デバイスBを処理している第2のMMEの位置を識別する情報をHSSから受信する可能性があろう。第1のMMEは、それから第2のMMEに連絡を取り、そして関連デバイスおよび、それらの関連デバイスに割り当てられているPDN GWの位置についての情報を交換できる。この情報を活用して、MMEは、関連付けられたデバイスに対するポリシーが満たされているかどうかを検証し、そしてまた同じPDN GWを関連付けられた全てのUEに割り当てできる。MME間での情報交換は、周期的にまたは何らかの事象(サービス活性化、移動、など)に基づいて始動される場合がある。
上記説明から、本明細書で説明した方法および機能が単一のネットワーク・ノードで採用される場合があるか、または複数のネットワーク・ノードの相互作用を要求する場合があることは明白であろう。本発明の実施形態に従った方法を実装するのに用いられる場合がある単一のノードのいくつかの例が、以下に説明されている。
図12は本発明の1つの態様に従った移動管理エンティティ(MME)400を示す。
MME400は、HSSにメッセージを送り、そしてHSSからメッセージを受信するためのs6aインタフェース回路401、SGSNにメッセージを送り、そしてSGSNからメッセージを受信するためのs3インタフェース回路402、eNodeBにメッセージを送り、そしてeNodeBからメッセージを受信するためのs1インタフェース回路403、SGWにメッセージを送り、そしてSGWからメッセージを受信するためのs11インタフェース回路404、および他のMMEにメッセージを送り、そして他のMMEからメッセージを受信するためのs10インタフェース回路405を備える。
作動中に、MMEは、1つの実施形態で、図3に関連して説明した方法を行うように機能できる場合がある。s1インタフェース回路403は、eNodeBと通信し、そしてそれで特定のデバイス("デバイスA")がネットワークに接続していることを決定する場合がある。s6aインタフェース回路401は、HSSと通信し、そしてそれでデバイスが複数の関連デバイスのうちの1つであることを決定する場合がある、s11インタフェース回路404は、それから、SGWまたは(SGWを経由して)PDN GWまたはその両方と通信し、デバイスのネットワーク・アクセスを阻止するかまたは制限することにより、デバイスのネットワーク・アクセスにポリシーを適用するように実行できる。
MME400が上述した様々な他の方法を行うことができることもまた明白であろう。たとえば、MME400はネットワーク内のデバイスの位置を従来どおりにトラッキングし、それで図4で概説した位置に基づくポリシーを適用できる。MME400はまた、s10インタフェース回路405を通して他のMMEと通信することにより、たとえば、デバイスが複数の関連デバイスのうちの1つであるという情報を信号で送ることにより、関連デバイスが他の関連デバイスと同じネットワーク・ノードにより処理されることを保証する場合がある。
図13は、本発明の1つの態様に従ったパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(PDN GW)500を示す。
PDN GW500は、非3GPPネットワークにメッセージを送り、そして非3GPPネットワークからメッセージを受信するためのs2インタフェース回路501、SGWにメッセージを送り、そしてSGWからメッセージを受信するためのs5インタフェース回路502、外部のパケット・データ・ネットワーク、たとえばインターネットなどにメッセージを送り、そして外部のパケット・データ・ネットワークからメッセージを受信するためのsGiインタフェース回路503、およびPCRFにメッセージを送り、そしてPCRFからメッセージを受信するためのs7インタフェース回路504を備える。
作動中、s5インタフェース回路502は、デバイスが、(SGWを経由して)外部のパケット・データ・ネットワークへのアクセスを要求するネットワークに接続していることを決定する場合がある。PDN GW500はまた、s5インタフェース回路502経由で、デバイスが1つ以上の他のデバイスを関連していることを、MMEまたはSGSNとの通信を通して決定する場合がある。その代わりに、PDN GW500は、デバイスが1つ以上の他のデバイスと関連していることを、s7インタフェース回路504によってPCRFとの通信を通して決定する場合がある。sGiインタフェース回路503はその場合、ポリシーが違反される場合には、デバイスのネットワーク・アクセスを制限するか、または阻止することによりポリシーを適用するように実行する。
図14は、本発明の1つの態様に従った在圏GPRSサポート・ノード(SGSN)600を示す。示された例では、SGSN600は、図1に関連して説明したネットワークに実装される。
SGSN600は、HSSにメッセージを送り、そしてHSSからメッセージを受信するためのGrインタフェース回路601、MMEにメッセージを送り、そしてMMEからメッセージを受信するためのs3インタフェース回路602、SGWにメッセージを送り、そしてSGWからメッセージを受信するためのs4インタフェース回路603、および他のSGSNsにメッセージを送り、そして他のSGSNsからメッセージを受信するためのGnインタフェース回路604を備える。
作動中、SGSN600は、上述したMME400と同じように機能する場合がある。すなわち、s3インタフェース回路602はMMEと通信し、そしてそれで、特定のデバイス("デバイスA")がネットワークに接続していることを決定する場合がある。Grインタフェース回路601はHSSと通信し、そしてそれで、デバイスが複数の関連デバイスのうちの1つであることを決定する場合がある。s4インタフェース回路603は、その場合、SGWまたは(SGW経由で)PDN GWまたはその両方と通信し、デバイスのネットワーク・アクセスを阻止し、または制限することにより、デバイスのネットワーク・アクセスに対してポリシーを適用するように実行できる。
SGSN600はまた、関連デバイスが、Gnインタフェース回路604を通して他のSGSNsと通信することにより、他の関連デバイスと同じネットワーク・ノードにより処理されることを保証する場合がある。また、Gnインタフェース回路604は、デバイスが複数の関連デバイスのうちの1つであるという情報を他のノードに信号で送る場合がある。
図15は、本発明の1つの態様に従った関門GPRSサポート・ノード(GGSN)700を示す。
GGSN700は、SGSNにメッセージを送り、そしてSGSNからメッセージを受信するためのGnインタフェース回路701、外部のパケット・データ・ネットワーク、たとえばインターネットなどにメッセージを送り、そして外部のパケット・データ・ネットワークからメッセージを受信するためのGiインタフェース回路702、およびSGSNにメッセージを送り、そしてSGSNからメッセージを受信するためのGpインタフェース回路703を備える。
作動中、Gnインタフェース回路701またはGpインタフェース回路703はSGSNと通信し、そしてそれで、デバイスが、外部のパケット・データ・ネットワークへのアクセスを要求しているネットワークに接続していることを決定する。Gnインタフェース回路701またはGpインタフェース回路703はまた、それから、デバイスが複数の関連デバイスのうちの1つであることを、SGSNとの通信を通して決定する場合がある。Giインタフェース回路702はその場合、ポリシーが違反される場合には、外部のパケット・データ・ネットワークへのアクセスを阻止するか、または制限することにより、ポリシーを適用する場合がある。
図16は、本発明の1つの態様に従ったポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)800を示す。
PCRF800は、PDN GWsにメッセージを送り、そしてPDN GWsからメッセージを受信するためのs7インタフェース回路801を備える。PCRF800はさらに、s7インタフェース回路801と通信している、ポリシー・マネージャ802を備える。
作動中、s7インタフェース回路801は、PDN GWと通信し、そしてそれで、デバイスが、外部のパケット・データ・ネットワークへのアクセスを要求しているネットワークに接続していることを決定する。ポリシー・マネージャ802は、それから、(たとえば、関連デバイスに関する情報がポリシー・マネージャ802内のデータベースに格納されていると、)デバイスが複数の関連デバイスのうちの1つであることを決定する場合がある。ポリシー・マネージャ802はその場合、s7インタフェース回路801経由でPDN GWとの通信を通して、ポリシーが違反される場合には、外部のパケット・データ・ネットワークへのアクセスを阻止するか、または制限することにより、ポリシーを適用する場合がある。s7インタフェース回路801はまた、SGWと通信し、デバイスが複数の関連デバイスのうちの1つであるという情報を信号で送る場合がある。
本発明はしたがって、複数の関連デバイス、たとえば共通ユーザが所有するデバイスにポリシーを適用するための方法および装置を提供する。ポリシーは、ポリシーが違反される場合には、関連デバイスのうちの1つ以上のネットワーク・アクセスを制限するか、または阻止することにより、課金システムの不正使用が妨げられ、または完全に阻止されるようなものである。たとえば、ポリシーは、関連デバイスが地理的に互いに近接していることを保証することに基づく場合があるか、またはデバイスのネットワーク使用(たとえば、ビット速度、総ダウンロード・データ、など)に基づく場合がある。そのような方法および装置は、事業者が、複数デバイスのユーザに望ましい課金体系を、それらの体系が不正使用されることなく、提示できるようにする。
注目すべきは、上述の実施形態は、本発明を制限するよりはむしろ本発明を説明していること、そして当業者は添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、多くの代替の実施形態を設計できるであろう、ということである。語句"備えている"は、請求項に挙げられているそれら以外の要素または工程の存在を除外せず、"1つの(a)"または"1つの(an)"は複数を除外することなく、そして単一のプロセッサまたは他のユニットは請求項で列挙されているいくつかのユニットの機能を果たす場合がある。請求項におけるいかなる引用符号も、請求項の範囲を制限するように解釈されてはならない。