JP2014190968A - 原子炉注水システム及び原子力設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】格納容器を貫通する構造物を設けることを抑制しつつ、原子炉圧力容器内に動的注水及び静的注水を行うことが可能な原子炉注水システム及び原子力設備を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、原子炉注水システム2は、炉心3に比べて鉛直方向上側の水位まで冷却水を貯留可能に構成された注水プール20と、注水プール20内にある冷却水を原子炉圧力容器5内に流す注水配管30とを格納容器10内に有している。さらに、注水プール20に貯留された冷却水が面している空間であるウェットウェル25と、原子炉圧力容器5内の空間である圧力容器内空間5cとを連通可能な均圧弁40を有している。均圧弁40は、開弁することにより、圧力容器内空間5cとウェットウェル25との圧力差を低減させる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、非常時に原子炉圧力容器内に注水を行って炉心を冷却する技術に関する。
非常時に原子炉圧力容器内に注水する方法には、動力の供給を受けてポンプ等を作動させることにより冷却水(coolant)を注水する方法(以下、単に「動的注水」と記す)と、動力の供給を受けることなく重力等の作用により冷却水を注水する方法(以下、単に「静的注水」と記す)がある。動的注水及び静的注水を行うために、原子炉圧力容器の周辺には、通常、プールや配管、ポンプ等で構成され、原子圧力容器内に注水を行うためのシステム(以下、単に「原子炉注水システム」と記す)が設けられている。
下記の特許文献1には、動的注水を行うための原子炉注水システムとして、バッテリー駆動のポンプを設け、当該ポンプの作動により冷却水を原子炉圧力容器内に圧送する技術が提案されている。また、静的注水を行うための原子炉注水システムとして、原子炉圧力容器を格納する格納容器(以下、単に「格納容器」と記す)の鉛直方向上側に、重力落下式のプールを設け、当該プール内の冷却水を、重力の作用により原子炉圧力容器内に注水する技術が提案されている。
特開2007−240284号公報
ところで、格納容器の外側に設けられたプールから冷却水を原子炉圧力容器内に注入する場合、当該プール内の水を原子炉圧力容器内に注水する配管を、格納容器を貫通させて原子炉に接続する必要が生じる。このような配管等、格納容器を貫通する構造物が多くなると、格納容器のうち構造物が貫通する部位において配管や格納容器が破損するリスクが高まるという問題がある。また、プールから原子炉圧力容器内への一次冷却系の配管の経路が長くなるに従って、配管に破損が生じるリスクも高まるという問題もある。
そこで、本発明の実施形態は、格納容器を貫通する構造物を設けることを抑制しつつ、非常時に原子炉圧力容器内に動的注水及び静的注水を行うことが可能な原子炉注水システム及び原子力設備を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態の原子炉注水システムは、原子炉圧力容器を格納する格納容器内に設けられ、当該原子炉圧力容器内に配設された炉心に比べて鉛直方向上側の水位まで冷却水を貯留可能に構成された注水プールと、前記格納容器内に設けられ、前記注水プール内にある冷却水を前記原子炉圧力容器内に流す注水配管と、前記格納容器内に設けられ、前記注水配管内の冷却水を前記原子炉圧力容器に圧送する注水ポンプと、開弁することにより、前記注水プールに貯留された冷却水が面している空間と、前記原子炉圧力容器内とを連通させて、当該空間と原子炉圧力容器内との圧力差を低減させる弁である均圧弁とを備えることを要旨とする。
また、本発明の実施形態の原子力設備は、内部に炉心を有する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を格納する格納容器と、前記格納容器内に設けられ、前記炉心に比べて鉛直方向上側の水位まで冷却水を貯留可能に構成された注水プールと、前記格納容器内に設けられ、前記注水プール内にある冷却水を前記原子炉圧力容器内に流す注水配管と、前記格納容器内に設けられ、前記注水配管内の冷却水を前記原子炉圧力容器に圧送する注水ポンプと、開弁することにより、前記注水プールに貯留された冷却水が面している空間と、前記原子炉圧力容器内とを連通させて、当該空間と原子炉圧力容器内との圧力差を低減させる弁である均圧弁とを備えることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、格納容器を貫通する構造物を設けることを抑制しつつ、非常時に原子炉圧力容器内に動的注水及び静的注水を行うことができる。
第1の実施形態の原子炉注水システム及び原子力設備の構成を模式的に示す断面立面図である。 第2の実施形態の原子炉注水システム及び原子力設備の構成を模式的に示す断面立面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態の原子炉注水システム及び原子力設備の構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の原子炉注水システム及び原子力設備の構成を模式的に示す断面立面図である。なお、各図において、鉛直方向のうち上方を矢印Uで示し、下方を矢印Dで示す。加えて、水平方向を矢印Hで示す。
図1に示すように、本実施形態の原子力設備1は、内部に炉心3を有する原子炉圧力容器5と、原子炉圧力容器5を格納する格納容器10とを有している。より具体的には、格納容器10内の略中央には、核燃料が存在しており、且つ核分裂反応が行われる領域である炉心3と、当該炉心3を収容する容器である原子炉圧力容器5が配置されている。なお、原子炉圧力容器5内には、炉心3の他に、炉心3を支持する部材や冷却水の流路を形成する部材等、いわゆる炉内構造物(図示せず)が収容されている。
原子炉圧力容器5内には、冷却水が供給されている。原子炉圧力容器5内には、炉心3全体が冷却水に浸漬するように、冷却水が供給される。
原子炉圧力容器5には、格納容器10の外から冷却水を原子炉圧力容器5内に流す配管(以下、給水配管と記す)12が接続されている。給水配管12は、格納容器10を貫通して延びており、格納容器10外から原子炉圧力容器5内に冷却水を供給する。
また、原子炉圧力容器5には、炉心3により熱せられて当該原子炉圧力容器5内に生じた蒸気を、格納容器10外に流す配管(以下、主蒸気配管と記す)14が接続されている。主蒸気配管14は、格納容器10を貫通して延びており、原子炉圧力容器5内で生じた蒸気を、格納容器10外にあるタービンや蒸気発生器等(図示せず)に供給する。
主蒸気配管14が格納容器10を貫通する位置の近傍には、原子炉圧力容器5内からの蒸気が、格納容器10外に流出することを防止可能な隔離弁16が設けられている。隔離弁16は、弁体のノーマル位置が開位置である、いわゆる常時開バルブ(normally open valve)として構成されている。隔離弁16は、弁体が閉位置に操作されて閉弁することにより、原子炉圧力容器5からの蒸気が格納容器10外に流出することを防ぐことが可能となっている。隔離弁16の閉弁は、後述する制御装置により制御される。
原子炉圧力容器5より外側であって格納容器10の内側には、格納容器10の底11から鉛直方向上側に突出して延びている壁体(以下、圧力容器側壁体と記す)13が形成されている。本実施形態の原子炉注水システム2は、格納容器10内のうち原子炉圧力容器5の水平方向外側に、原子炉圧力容器5内に注入される冷却水を貯留するプール(以下、注水プールと記す)20を有している。
注水プール20は、圧力容器側壁体13と格納容器10の側壁10aとの間に形成されている。注水プール20には、炉心3を冷却する冷却水として原子炉圧力容器5内に注入される冷却水が、所定の水面位置(以下、水位と記す)まで貯留されている。
注水プール20は、炉心3より鉛直方向上側にある水位まで、冷却水を貯留可能に形成されている。より具体的には、注水プール20は、原子炉圧力容器5の鉛直方向上側の頂点5aに比べて鉛直上側の水位まで冷却水を貯留可能に形成されている。通常運転時において、注水プール20内には、炉心3に比べて高い水位となるように、冷却水が貯留されている。
格納容器10内の空間は、ドライウェル(dry-well)15とウェットウェル(wet-well)25に仕切られており、注水プール20は、ドライウェル15の圧力を抑制する、いわゆる圧力抑制プール(サプレッションプール:suppression pool)として構成されている。注水プール20は、鉛直方向において底22に対向して設けられた天井21を備えている。注水プール20には、天井21、底22、格納容器10、及び圧力容器側壁体13等に囲まれて、冷却水が貯留される空間であるウェットウェル25が形成されている。つまり、本実施形態において、注水プール20に貯留された冷却水が面している空間は、ウェットウェル25となる。
加えて、注水プール20には、ウェットウェル25と、上述したドライウェル15とを連通させるベント管27が形成されている。ドライウェル15にある蒸気は、ベント管27から注水プール20内に流入する。ベント管27から流入した蒸気は、注水プール20内において凝縮されて冷却水となる。凝縮されて生じた冷却水は、注水プール20内に貯留される。なお、注水プール20内に貯留されている冷却水の量は、原子炉圧力容器5内の空間(以下、圧力容器内空間と記す)5cとウェットウェル25との間に圧力差がない場合に、炉心3が完全に冠水するように設定されている。より好ましくは、原子炉圧力容器5内の冷却水が、格納容器10の底11に漏れ出た場合であっても、圧力容器内空間5cとウェットウェル25との間に圧力差がない場合に、炉心3が完全に冠水するように、注水プール20内に貯留されている冷却水の量は、設定されている。
また、原子炉注水システム2おいて、格納容器10内には、注水プール20内にある冷却水を、原子炉圧力容器5内に流す配管(以下、注水配管と記す)30と、注水配管30内の冷却水を、原子炉圧力容器5内に圧送するポンプ(以下、注水ポンプと記す)33とを有している。
本実施形態の原子炉注水システム2において、注水ポンプ33は、蒸気の供給を受けて作動する、いわゆる蒸気駆動型のポンプとして構成されている。注水ポンプ33は、注水プール20の底22より鉛直方向下側に配置されている。注水ポンプ33は、蒸気により駆動されるタービン32を備えている。原子炉圧力容器5内において生じた蒸気によりタービン32が駆動され、当該タービン32からの機械的動力を受けることにより、注水ポンプ33は作動して、注水配管30内にある冷却水を原子炉圧力容器5内に圧送する。注水ポンプ33を駆動するタービン32には、非常時に、後述する蒸気供給配管36から蒸気が供給されて、注水ポンプ33が作動する。なお、正常時においては、蒸気供給配管36からタービン32に蒸気が供給されず、注水ポンプ33は作動しない。
原子炉注水システム2には、原子炉圧力容器5内において生じた蒸気の一部を、注水ポンプ33に流す配管(以下、蒸気供給配管と記す)36を有している。蒸気供給配管36は、主蒸気配管14のうち、上述した隔離弁16より原子炉圧力容器5側から分岐して設けられている。蒸気供給配管36は、注水ポンプ33のタービン32に接続されており、原子炉圧力容器5内において生じた蒸気を、主蒸気配管14から取り入れて、注水ポンプ33のタービン32に供給する。
注水配管30は、注水プール20内の冷却水を注水ポンプに流す配管(以下、吸込側注水配管と記す)30aと、注水ポンプ33から吐出された冷却水を原子炉圧力容器5内に流す配管(以下、圧力側注水配管と記す)30cを有している。
吸込側注水配管30aは、注水プール20の底22に設けられた取入口と、注水ポンプ33の吸入口とを接続しており、注水プール20の底22から取り入れた冷却水を、注水ポンプ33に吸入させる。圧力側注水配管30cは、注水ポンプ33の吐出口と、原子炉圧力容器5内の炉心3近傍に設けられた注水口とを接続しており、注水ポンプ33から吐出された冷却水を、原子炉圧力容器5内に注入する。
吸込側注水配管30aは、注水プール20の底22より鉛直方向下側において、注水プール20から注水ポンプ33に延びている。一方、圧力側注水配管30cは、注水プール20の底22より鉛直方向下側を、注水ポンプ33から原子炉圧力容器5に向けて延びている。圧力側注水配管30cは、上述した圧力容器側壁体13を貫通し、原子炉圧力容器5の近傍を鉛直方向に延びて、炉心3近傍にある注水口に接続されている。
このように、本実施形態の原子炉注水システム2において、注水ポンプ33及び注水配管30(吸込側注水配管30a及び圧力側注水配管30c)は、格納容器10内にのみ設けられている。本実施形態において、注水ポンプ33は、注水プール20の底22の鉛直下側に設けられており、吸込側注水配管30aは、注水プール20の底22から、貯留されている冷却水を注水ポンプ33に流している。このように注水ポンプ33及び吸込側注水配管30aを配置することで、注水ポンプ33においてキャビテーションが生じることが抑制される。
また、原子炉注水システム2は、圧力容器内空間5cと、上述したウェットウェル25を連通させることにより、圧力容器内空間5cとウェットウェル25との圧力差を低減させる弁(以下、均圧弁と記す)40を有している。均圧弁40は、弁体のノーマル位置が閉位置である、いわゆる常時閉バルブ(normally closed valve)として構成されている。均圧弁40は、弁体が開位置に操作されて開弁することにより、圧力容器内空間5cにある蒸気を、ウェットウェル25に流す。均圧弁40を開弁することにより、圧力容器内空間5cを減圧すると共に、ウェットウェル25を加圧することが可能となっている。すなわち、均圧弁40は、開弁することにより、圧力容器内空間5cを減圧し、圧力容器内空間5cとウェットウェル25との圧力差を低減させて、圧力容器内空間5cとウェットウェル25をほぼ同一の圧力にすることができる。均圧弁40の開弁は、図示しない制御装置により制御される。
制御装置は、原子炉圧力容器5内の冷却水の水位を検出可能に構成されている。また、制御装置は、隔離弁16及び均圧弁40の開弁と閉弁とを制御可能に構成されている。加えて、制御装置は、注水ポンプ33の作動/非作動を制御可能に構成されている。
以上のように構成された原子炉注水システム2において、原子炉圧力容器5内の水位が、所定値以下に低下すると、制御装置が、隔離弁16を閉弁させると共に、注水ポンプ33を作動させる。隔離弁16の閉弁により、原子炉圧力容器5内の蒸気は、主蒸気配管14から蒸気供給配管36を通って注水ポンプ33に向けて供給され、当該注水ポンプ33のタービン32を駆動する。これにより、注水ポンプ33は、作動して、注水プール20内に貯留されている冷却水を、吸込側注水配管30aから取り入れて、圧力側注水配管30cを通して原子炉圧力容器5内に高い圧力で圧送する。なお、この場合、均圧弁40は、閉弁したままで良い。
このようにして、原子炉注水システム2は、圧力容器内空間5cの圧力が高い場合であっても、電力を要することなく、注水ポンプ33により、注水プール20内の冷却水を原子炉圧力容器5内に注入する、いわゆる動的注水を行うことができる。なお、動的注水を行う場合であって、圧力容器内空間5cの圧力が特に高い場合には、均圧弁40を開弁するものとしても良い。
ところで、原子炉圧力容器5内の水位低下が、冷却水喪失事故(LOCA:loss of coolant accident)等の場合、原子炉圧力容器5内は、徐々に減圧され、蒸気駆動型の注水ポンプ33は、徐々にその駆動動力を失うことになる。
この場合、原子炉注水システム2は、制御装置が均圧弁40を開弁させて、圧力容器内空間5cとウェットウェル25との圧力差を低減してほぼ同一にする。注水プール20が炉心3より高い水位まで冷却水を貯留している場合、注水プール20内の冷却水を、重力の作用により、吸込側注水配管30a、注水ポンプ33、及び圧力側注水配管30cを通して、原子炉圧力容器5内に流す、いわゆる静的注水を行うことができる。この静的注水は、原子炉圧力容器5内の水位と注水プール20内の水位との間で水頭(ヘッド)差がなくなるまで継続することができる。
このように、本実施形態の原子炉注水システム2においては、原子炉圧力容器5内に注水するための注水設備、すなわち、注水プール20、注水配管30(吸込側注水配管30a及び圧力側注水配管30c)、及び注水ポンプ33、及び均圧弁40が、全て格納容器10内に設けられている。このため、注水設備の一部、例えば、注水配管30が格納容器10を貫通して設けられることがなく、格納容器10や配管が破損するリスクを低下させることができる。本実施形態の原子炉注水システム2は、格納容器10内に設けられた、注水プール20、注水配管30、注水ポンプ33、及び均圧弁40という比較的簡素な構成で、原子炉圧力容器5に動的注水及び静的注水を行うことができる。
以上に説明したように本実施形態の原子炉注水システム2は、原子炉圧力容器5を格納する格納容器10内に設けられ、原子炉圧力容器5内に配設された炉心3に比べて鉛直方向上側の水位まで冷却水を貯留可能に構成された注水プール20と、全てが格納容器10内に設けられ、注水プール20内にある冷却水を原子炉圧力容器5内に流す注水配管30とを有している。原子炉注水システム2は、さらに、開弁することにより、注水プール20に貯留された冷却水が面している空間であるウェットウェル25と、原子炉圧力容器5内の空間である圧力容器内空間5cとを連通させて、圧力容器内空間5cとウェットウェル25との圧力差を低減させる弁である均圧弁40とを備えるものとした。
原子炉注水システム2は、原子炉圧力容器5内の圧力が高い場合であっても、注水ポンプ33により、注水プール20内に貯留されている冷却水を原子炉圧力容器5内に注入する、いわゆる動的注水を行うことができる。一方、注水ポンプ33が作動しない場合であっても、均圧弁40を開弁させることで、注水プール20内に貯留されている冷却水を、重力の作用により、注水配管30及びその途中にある注水ポンプ33を通して、原子炉圧力容器5内に流す、いわゆる静的注水を行うことができる。注水ポンプ33及び注水配管30は、格納容器10内に設けられているため、格納容器10を貫通する構造物を設けることを抑制しつつ、原子炉圧力容器5内に動的注水及び静的注水を行うことが可能となる。
また、本実施形態の原子炉注水システム2において、注水ポンプ33は、原子炉圧力容器5内において生じた蒸気の供給を受けて作動して冷却水を圧送する蒸気駆動型のポンプであるものとした。原子炉圧力容器5内において生じる蒸気を、駆動動力として注水ポンプ33を作動させて、動的注水を行うことができる。注水ポンプ33を作動させるための動力を、格納容器10内で確保することができ、動的注水を行うために格納容器10を貫通する構造物を設けることを抑制することができる。
また、本実施形態の原子炉注水システム2は、原子炉圧力容器5内において生じた蒸気を、格納容器10を貫通して、当該格納容器10外に流す配管である主蒸気配管14と、主蒸気配管14に設けられ、閉弁することにより、原子炉圧力容器5内からの蒸気が格納容器10外に流出するのを防止する隔離弁16とを有している。さらに、原子炉注水システム2は、主蒸気配管14のうち隔離弁16より原子炉圧力容器5側から分岐して設けられており、原子炉圧力容器5内において生じた蒸気を注水ポンプ33に流す蒸気供給配管36を備えるものとした。隔離弁16を閉弁させることにより、原子炉圧力容器5内において生じた蒸気を、比較的高い圧力で注水ポンプ33に供給することができる。
また、本実施形態の原子炉注水システム2において、注水ポンプ33は、注水プール20の底22より鉛直方向下側に配置されている。すなわち、注水プール20は、注水ポンプ33の鉛直方向上側に配置されている。注水配管30は、注水プール20の底22から注水ポンプ33に延びている吸込側注水配管30aと、注水ポンプ33から原子炉圧力容器5に延びている圧力側注水配管30cとを有するものとした。このように配置することにより、注水ポンプ33においてキャビテーションが生じることを抑制しつつ、原子炉圧力容器5内に冷却水を圧送することができる。
また、本実施形態の原子炉注水システム2においては、注水ポンプ33が作動していない場合、注水プール20内に貯留されている冷却水を、重力の作用により、注水ポンプ33及び注水配管30(吸込側注水配管30a及び圧力側注水配管30c)を通して、原子炉圧力容器5内に流すものとした。注水ポンプ33が作動していない場合には、上述した動的注水に用いられる注水ポンプ33及び注水配管30を、重力の作用による静的注水に用いることができる。動的注水に用いる管路と、静的注水に用いる管路を共用化することができる。
なお、本実施形態において、注水プール20は、ドライウェル15の圧力を抑制する、いわゆる圧力抑制プールとして構成されているものとしたが、本発明に係る注水プールの態様は、これに限定されるものではない。注水プールは、原子炉圧力容器内の炉心に比べて鉛直方向上側の水位まで冷却水を貯留可能に構成されたものであれば良い。以下に、その一例について説明する。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態の原子炉注水システム及び原子力設備の構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施形態の原子炉注水システム及び原子力設備の構成を模式的に示す断面立面図である。本実施形態は、注水プールが、開放型のプールである点で、第1の実施形態と異なっている。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の原子力設備1Bにおいて、注水プール20Bは、圧力容器側壁体13と格納容器10の側壁10aとの間に形成されており、炉心3を冷却する冷却水として原子炉圧力容器5内に注入される冷却水が、所定の水位まで貯留されている。通常運転時において、注水プール20B内には、炉心3に比べて高い水位となるように、冷却水が貯留されている。注水プール20B内に貯留される冷却水の量は、圧力容器内空間5cと格納容器10内の空間(以下、格納容器内空間と記す)15Bで圧力差がない場合に、炉心3が完全に冠水するように設定されている。
注水プール20Bは、貯留されている冷却水の水面が、直接に格納容器内空間15Bに面している、いわゆる開放型プールとして構成されている。本実施形態の原子炉注水システム2Bには、圧力容器内空間5cと、注水プールに貯留された冷却水が面している空間である格納容器内空間15Bとを連通させることにより、圧力容器内空間5cと格納容器内空間15Bとの圧力差を低減させる均圧弁40Bが設けられている。
均圧弁40Bは、上述した第1の実施形態の均圧弁40とほぼ同様に構成されており、開弁することにより、圧力容器内空間5cにある蒸気を、格納容器内空間15Bに流す。均圧弁40Bを開弁することにより、圧力容器内空間5cを減圧することが可能となっている。すなわち、均圧弁40Bは、開弁することにより、圧力容器内空間5cを減圧し、注水プール20Bに貯留された冷却水が面している格納容器内空間15Bとの圧力差を低減させて、圧力容器内空間5cと格納容器内空間15Bを略同一の圧力にすることができる。均圧弁40B及び隔離弁16は、図示しない制御装置により制御される。
本実施形態の原子炉注水システム2Bにおいても、注水ポンプ33により、注水プール20B内に貯留されている冷却水を原子炉圧力容器5内に注入する動的注水を行うことができる。一方、注水ポンプ33が作動していない場合には、均圧弁40Bを開弁させることで、注水プール20B内に貯留されている冷却水を、重力の作用により、注水配管30及びその途中にある注水ポンプ33を通して、原子炉圧力容器5内に流す静的注水を行うことができる。注水ポンプ33及び注水配管30は、格納容器10内に設けられているため、格納容器10を貫通する構造物を設けることを抑制しつつ、原子炉圧力容器5内に動的注水及び静的注水を行うことができる。
〔他の実施形態〕
なお、上述した各実施形態において、注水ポンプ33及び吸入側注水配管30aは、注水プール20の底22の鉛直下側に設けられているものとしたが、本発明に係る注水ポンプ及び注水配管は、この態様に限定されるものではない。注水ポンプ及び注水配管は、格納容器内に設けられ、注水プール内に貯留されている冷却水を、原子炉圧力容器内に圧送することが可能であり、且つ重力の作用により、原子炉圧力容器内に流すことが可能であれば良い。例えば、注水ポンプは、原子炉圧力容器と注水プールとの間に配置されるものとしても良い。
また、上述した各実施形態において、注水ポンプ33は、蒸気の供給をタービン32が受けることにより作動する蒸気駆動型のポンプであるものとしたが、本発明に係る注水ポンプは、この形態に限定されるものではない。注水ポンプは、例えば、電力の供給を受けて作動する電気駆動型のポンプであるものとしても良い。なお、電気駆動型のポンプとしては、格納容器10外の外部電源から電力の供給を受けるものや、格納容器10内に設けられたバッテリーから電力の供給を受けるバッテリー駆動ポンプ等を用いることができる。また、格納容器内に設ける注水ポンプとして、蒸気駆動型のポンプと電気駆動型のポンプとを併用することも好適である。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明と均等の範囲に含まれる。
1,1B 原子力設備
2,2B 原子炉注水システム
3 炉心
5 原子炉圧力容器
5a 原子炉圧力容器の頂点
5c 原子炉圧力容器内の空間(圧力容器内空間)
10 格納容器
10a 格納容器の側壁
11 格納容器の底
12 給水配管
13 圧力容器側壁体
14 主蒸気配管
15 ドライウェル
15B 格納容器内空間
16 隔離弁
20 注水プール(圧力抑制プール)
20B 注水プール(開放型プール)
22 注水プールの底
25 ウェットウェル
27 ベント管
30 注水配管
30a 吸込側注水配管
30c 圧力側注水配管
33 注水ポンプ(蒸気駆動型ポンプ)
36 蒸気供給配管
40,40B 均圧弁

Claims (6)

  1. 原子炉圧力容器を格納する格納容器内に設けられ、当該原子炉圧力容器内に配設された炉心に比べて鉛直方向上側の水位まで冷却水を貯留可能に構成された注水プールと、
    前記格納容器内に設けられ、前記注水プール内にある冷却水を前記原子炉圧力容器内に流す注水配管と、
    前記格納容器内に設けられ、前記注水配管内の冷却水を前記原子炉圧力容器に圧送する注水ポンプと、
    開弁することにより、前記注水プールに貯留された冷却水が面している空間と、前記原子炉圧力容器内とを連通させて、当該空間と原子炉圧力容器内との圧力差を低減させる弁である均圧弁と、
    を備えることを特徴とする原子炉注水システム。
  2. 前記注水ポンプは、前記原子炉圧力容器内において生じた蒸気の供給をタービンが受けることにより作動して冷却水を圧送する蒸気駆動型のポンプである
    ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉注水システム。
  3. 前記原子炉圧力容器内において生じた蒸気を、前記格納容器を貫通して、当該格納容器外に流す配管である主蒸気配管と、
    前記主蒸気配管に設けられ、閉弁することにより、前記原子炉圧力容器内からの蒸気が前記格納容器外に流出するのを防止する隔離弁と、
    前記主蒸気配管のうち前記隔離弁より前記原子炉圧力容器側から分岐して設けられており、前記原子炉圧力容器内において生じた蒸気を前記注水ポンプに流す蒸気供給配管と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の原子炉注水システム。
  4. 前記注水ポンプは、前記注水プールの底より鉛直方向下側に配置されており、
    前記注水配管は、
    前記注水プールの底から前記注水ポンプに延びている吸込側注水配管と、
    前記注水ポンプから前記原子炉圧力容器に延びている圧力側注水配管と、
    を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の原子炉注水システム。
  5. 前記注水ポンプが作動していない場合、
    前記注水配管は、前記注水プール内に貯留されている冷却水を、重力の作用により、注水ポンプ内及び注水配管内を通して、原子炉圧力容器内に流す
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の原子炉注水システム。
  6. 内部に炉心を有する原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器を格納する格納容器と、
    前記格納容器内に設けられ、前記炉心に比べて鉛直方向上側の水位まで冷却水を貯留可能に構成された注水プールと、
    前記格納容器内に設けられ、前記注水プール内にある冷却水を前記原子炉圧力容器内に流す注水配管と、
    前記格納容器内に設けられ、前記注水配管内の冷却水を前記原子炉圧力容器に圧送する注水ポンプと、
    開弁することにより、前記注水プールに貯留された冷却水が面している空間と、前記原子炉圧力容器内とを連通させて、当該空間と原子炉圧力容器内との圧力差を低減させる弁である均圧弁と、
    を備えることを特徴とする原子力設備。
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