JP2014186142A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、薄型の表示装置であっても高い輝度を有する液晶表示装置である。
【解決手段】少なくとも、反射板、バックライト、偏光反射板、バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板を有する、液晶表示装置において、反射板の反射層と偏光反射板との間にリタデーションが3000〜150000nmの値を有する高リタデーションフィルムが設けられていることを特徴とする液晶表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄型であっても高い輝度を有する液晶表示装置に関する。
従来、光学ディスプレイは、テレビ、コンピューター、携帯電話、スマートフォン、などに広く用いられている。よくある液晶ディスプレイ(LCD)は、このような光学ディスプレイの代表的な例である。液晶ディスプレイの構成は、背面側からバックライト、バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板を積層し液晶ディスプレイになっている。一般的には、バックライト側偏光板のバックライト側には、拡散シートやレンズシート、反射板などが設けられ、光源の光を効率よく均一に視認側に照射させる工夫がされている。
しかし、バックライト側偏光板は特定の偏光光線(直線偏光)のみを透過させ、その他の偏光光線は吸収するために、バックライトの光の半分しか利用されないという問題点があった。
この問題点に対して、バックライト側偏光板と拡散反射シート(反射板)の間に偏光反射板を設置することにより、輝度を向上させる技術が提案されている。偏光反射板は、特定方向の偏光のみが透過し、それと直交する偏光成分は反射する機能を有するものである。偏光反射板をバックライト側偏光板の透過軸方向と偏光反射板の透過軸方向を一致させて設置することにより、偏光反射板がバックライトから照射された光のうちバックライト側偏光板を透過しない偏光成分のみを反射し、偏光反射板で反射された偏光が拡散反射シート(反射板)で再度視認側へ反射される時に偏光が解消されることにより、偏光反射板を透過する偏光成分、すなわちバックライト側偏光板を透過する偏光成分、を生じ、バックライト側偏光板を透過する光の総量を増加させることができる。
しかし、近年スマートフォンやタブレット型コンピューターなどの携帯末端機を中心に薄型化が進んでおり、これらの表示装置では十分な輝度向上効果が得られなかった。
特表平9−506985号公報 特表2002−502503号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、薄型の表示装置であっても高い輝度を有する液晶表示装置である。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
項1.少なくとも、反射板、バックライト、偏光反射板、バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板を有する、液晶表示装置において、反射板の反射層と偏光反射板との間にリタデーションが3000〜150000nmの値を有する高リタデーションフィルムが設けられていることを特徴とする液晶表示装置。
項2. バックライト側偏光板の偏光子の透過軸と高リタデーションフィルムの配向主軸方向とがなす角度が45±30度以下であることを特徴とする項1に記載の液晶表示装置。
項3.
バックライト又は導光板と、偏光反射板との間にリタデーションが3000〜150000nmの値を有する高リタデーションフィルムを基材フィルムとした透過型拡散シートまたはレンズシートのいずれかが設けられていることを特徴とする項1または2に記載の液晶表示装置。
項4.
反射板が、金属板又は金属薄膜積層板であることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
本発明によれば、液晶表示装置の輝度が向上される。
従来の表示装置構成(エッジライト方式) 従来の画像表示装置構成(直下型方式)
本発明の液晶表示装置は、少なくとも、反射板、バックライト、高リタデーションフィルム、偏光反射板、バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板を有する。液晶表示装置は、背面側から反射板、バックライト、偏光反射板、バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板の順に配置されることが好ましい。
(高リタデーションフィルム)
高リタデーションフィルムのリタデーションは、色ムラなく輝度を高めるという観点から、3000nm以上150000nm以下であることが好ましい。高リタデーションフィルムのリタデーションの下限値は、好ましくは4500nm以上、好ましくは6000nm以上、好ましくは8000nm以上、好ましくは10000nm以上である。一方、高リタデーションフィルムのリタデーションの上限は、それ以上のリタデーションを有するフィルムを用いたとしても更なる輝度の向上効果は実質的に得られず、またリタデーションの高さに応じては配向フィルムの厚みも上昇する傾向があるため、薄型化への要請に反し兼ねないという観点から、150000nmと設定されるが、更に高い値とすることもできる。
斜めから見た場合でも色ムラが起こりにくいという観点から、高リタデーションフィルムは、そのリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)が、好ましくは0.2以上であり、好ましくは0.5以上、好ましくは0.6以上である。厚さ方向リタデーションは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz及び△Nyzにそれぞれフィルム厚みdを掛けて得られるリタデーションの平均値を意味する。Re/Rthが大きいほど、複屈折の作用は等方性を増し、効果的に色ムラなく輝度を高めることができる。尚、本書において、単に「リタデーション」と記載する場合は、面内リタデーションを意味する。
Re/Rthの最大値は2.0(即ち、完全な1軸対称性フィルム)であるが、完全な1軸対称性フィルムに近づくにつれて配向方向と直交する方向の機械的強度が低下する傾向がある。よって、高リタデーションフィルムのRe/Rthの上限は、好ましくは1.2以下、好ましくは1.0以下である。
配向フィルムのリタデーションは、公知の手法に従って測定することができる。具体的には、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることができる。また、商業的に入手可能な自動複屈折測定装置(例えば、KOBRA−21ADH:王子計測機器株式会社製)を用いて求めることもできる。
高リタデーションフィルムは、公知の手法を適宜選択して製造することができる。例えば、高リタデーションフィルムは、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、シクロオレフィン樹脂、液晶性ポリマー樹脂、及びセルロース系樹脂に液晶化合物を添加した樹脂から成る群より選択される一種以上を用いて製造することができる。従って、高リタデーションフィルムは、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、シンジオタクチックポリスチレンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、シクロオレフィンフィルム、液晶性フィルム、セルロース系樹脂に液晶化合物が添加されたフィルムであり得る。
高リタデーションフィルムの好ましい原料樹脂は、ポリカーボネート、ポリエステル、シンジオタクチックポリスチレンである。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れており、延伸加工によって容易にリタデーションを制御することができる。ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルは固有複屈折が大きく、フィルムの厚みが薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られるので好ましい。特に、ポリエチレンナフタレートは、ポリエステルの中でも固有複屈折率が大きいことから、リタデーションを特に高くしたい場合や、リタデーションを高く保ちながらフィルム厚みを薄くしたい場合に好適である。ポリエステル樹脂を代表例として、より具体的な高リタデーションフィルムの製造方法を後述する。
以下に、ポリエステルフィルムを例に、高リタデーションフィルムの製造方法を説明する。ポリエステルフィルムは、任意のジカルボン酸とジオールとを縮合させて得ることができる。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等を挙げることができる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等を挙げることができる。
ポリエステルフィルムを構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は2種以上を用いても良い。ポリエステルフィルムを構成する具体的なポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートであり、より好ましくはポリエチレンテレフタレートである。ポリエステル樹脂は他の共重合成分を含んでも良く、機械強度の点からは共重合成分の割合は3モル%以下が好ましく、より好ましくは2モル%以下、更に好ましくは1.5モル%以下である。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れる。また、これらの樹脂は、延伸加工によって容易にリタデーションを制御することができる。
ポリエステルフィルムは、一般的な製造方法に従って得ることができる。具体的には、ポリエステル樹脂を溶融し、シート状に押出し成形された無配向ポリエステルをガラス転移温度以上の温度において、ロールの速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターにより横方向に延伸し、熱処理を施すことにより配向ポリエステルフィルムが挙げられる。ポリエステルフィルムは、一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであっても良い。また、高リタデーションフィルムはMD方向に対して斜め略45度方向に延伸されていても良い。
ポリエステルフィルムを得るための製造条件は、公知の手法に従って適宜設定することが出来る。例えば、縦延伸温度及び横延伸温度は、通常80〜130℃であり、好ましくは90〜120℃である。縦延伸倍率は、通常1.0〜3.5倍であり、好ましくは1.0倍〜3.0倍である。また、横延伸倍率は、通常2.5〜6.0倍であり、好ましくは3.0〜5.5倍である。
リタデーションを特定範囲に制御することは、延伸倍率や延伸温度、フィルムの厚みを適宜設定することにより行うことができる。例えば、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が高いほど、延伸温度が低いほど、フィルムの厚みが厚いほど高いリタデーションを得やすくなる。逆に、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が低いほど、延伸温度が高いほど、フィルムの厚みが薄いほど低いリタデーションを得やすくなる。また、延伸温度が高いほど、トータル延伸倍率が低いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が低いフィルムが得やすくなる。逆に、延伸温度が低いほど、トータル延伸倍率が高いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が高いフィルムが得られる。更に、熱処理温度は、通常140〜240℃が好ましく、好ましくは180〜240℃である。
ポリエステルフィルムにおけるリタデーションの変動を抑制する為には、フィルムの厚み斑が小さいことが好ましい。リタデーション差をつけるために縦延伸倍率を低くすると、縦厚み斑の値が高くなる場合がある。縦厚み斑の値は延伸倍率のある特定の範囲で非常に高くなる領域があるため、そのような範囲を外すように製膜条件を設定することが望ましい。
ポリエステルフィルムの厚み斑は5.0%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがさらに好ましく、4.0%以下であることがよりさらに好ましく、3.0%以下であることが特に好ましい。フィルムの厚み斑は、任意の手段で測定することができる。例えば、フィルムの流れ方向に連続したテープ状サンプル(長さ3m)を採取し、市販される測定器(例えば、(株)セイコー・イーエム製電子マイクロメータ ミリトロン1240)を用いて、1cmピッチで100点の厚みを測定し、厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出することができる。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
(偏光反射板)
偏光反射板は、特定方向の偏光のみを透過させ、通過する偏光と直交する偏光成分は反射する機能を有するものである。偏光反射板をバックライト側偏光板の透過軸方向と偏光反射板の透過軸方向を一致させて設置することにより、偏光反射板がバックライトから照射された光のうちバックライト側偏光板を透過しない偏光成分のみを反射し、偏光反射板で反射された偏光が拡散反射シート(反射板)で再度視認側へ反射される時に偏光が解消されることにより、偏光反射板を透過する偏光成分、すなわちバックライト側偏光板を透過する偏光成分、を生じ、バックライト側偏光板を透過する光の総量を増加させることができる。
(偏光反射板の製造方法)
この様な機能を持つ偏光反射板は、例えば、延伸により複屈折が生じやすい樹脂(樹脂A)と複屈折が生じにくい樹脂(樹脂B)を用い、樹脂Aと樹脂Bを多層積層(A,B,A,B,A,B,・・・)させて、一方向に配向させる(多重積層タイプ)か、樹脂Aと樹脂Bをブレンドして海島構造を作り、一方向に配向させる(分散タイプ)ことで得ることができる。また、分子の配向方向の屈折率が直交方向より大きくなる正の複屈折を持つ樹脂(樹脂C)と分子の配向方向の屈折率が直交方向より小さくなる負の複屈折を持つ樹脂(樹脂D)を組み合わせて同様に行っても良い。
多重積層タイプの偏光反射板は、例えば、それぞれの樹脂を溶融し、フィードブロック等を用いて100層以上、好ましくは200層に積層させて冷却ロール上に押し出し、得られた未延伸シートを、縦方向、または横方向に3倍以上、好ましくは4倍以上に延伸、熱固定することで得ることができる。
分散タイプの偏光反射板は、例えば、押し出し機内で溶融混合して、冷却ロール上に押し出し、得られた未延伸シートを、縦方向、または横方向に3倍以上好ましくは4倍以上に延伸、熱固定することで得ることができる。
樹脂Aと樹脂Bの組合せ、樹脂Cと樹脂Dの組合せにおいては、それぞれの樹脂の主配向方向の屈折率がほぼ同一になり主配向方向と直交する方向の屈折率が異なる様にするか、それぞれの樹脂の主配向方向の屈折率が異なり主配向方向と直交する方向の屈折率がほぼ同一になる様にする。この様にすることで、屈折率がほぼ同一になっている方向の偏光は透過し、屈折率が異なる方向の偏光は反射されるフィルムを得ることができる。
(偏光反射板の樹脂)
偏光反射板に用いられる樹脂としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、などのポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン(APS)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂、N置換マレイミド共重合樹脂、セルロースアセテート、セルロースプロピオネートなどのセルロース誘導体、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、弗素化エチレン−プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの塩素樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセテート、ポリエーテルーアミド、イオノマー樹脂、エラストマー、ポリウレタンなど様々なものが挙げられる。
なお、これらの中で、ポリエステル樹脂、ポリカードネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂等は代表的な正の複屈折の樹脂として挙げられる。また、PMMA、N置換マレイミド共重合樹脂、ポリスチレン樹脂類は代表的な負の複屈折の樹脂として挙げられる。
又、これらの樹脂は共重合体であっても良い。共重合体とすることで、樹脂の屈折率を合わせたり、非晶性とすることで配向しにくくして複屈折を生じにくくさせたり、共重合モノマーの選択により光弾性係数を低くして複屈折を生じにくくさせることができる。
さらに、これらの樹脂はブレンドして用いても良い。ブレンドすることで樹脂の屈折率を合わせたり、非晶性とすることで配向しにくくして複屈折を生じにくくさせたり、光弾性係数を低くして複屈折を生じにくくさせることができる。
適当な共重合体としては、例えば、ポリエステルの場合では、ポリエチレンナフタレートに対して、酸成分ではテレフタル酸、イソフタル酸、グリコール成分では、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールを10〜50モル%(酸成分、グリコール成分をそれぞれ100モル%とする)共重合させたもの、ポリエチレンテレフタレートに対して、酸成分ではナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、グリコール成分では、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールを10〜50モル%(酸成分、グリコール成分をそれぞれ100モル%とする)共重合させたものなどが挙げられる。
その他にも、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−N置換マレイミド共重合体等のスチレン共重合体などが挙げられる。
これらの中で、特に好ましい組合せは、PEN/共重合PEN、PEN/共重合PET、PET/共重合PEN、PET/共重合PET、PEN/スチレン樹脂、PET/スチレン樹脂、PEN/PCT、PET/PCT、PEN/スチレン共重合体、などが挙げられる。
偏光反射板の表面には、凹凸を設けたり、ビーズコートを行うことで拡散や集光機能を持たせても良い。
偏光反射板は、バックライト側偏光板として用いる偏光子に直接貼り合わせて、バックライト側偏光子保護フィルムとして使用されていても良い。この場合、延伸前の偏光反射板にポリビニルアルコールを積層させた後に一軸延伸し、さらにポリビニルアルコール層にヨウ素を吸着させる方法を採用しても良い。
なお、偏光反射板は3M社からDBEFとして市販されており、これを利用することができる。
(反射板)
反射板はバックライト光源の光を視認側へ反射させるだけでなく、偏光反射板により反射された偏光を再度視認側へ反射させる機能を有する。
反射板は白色顔料を添加したり、微細気泡を含有させた白色樹脂フィルム、アルミニウムやステンレスなどの金属板、基材にアルミニウム箔をラミネートしたり、アルミニウムや銀などを蒸着させた金属薄膜積層板が挙げられる。金属薄膜積層板の基材の好適な例として、ガラス、樹脂などの透明基材が挙げられる。なお、反射層は反射板が白色である場合には白色層であり、金属薄膜積層板である場合には金属層である。
中でもポリエステルフィルムは好適な基材の一つである。また、上記の白色樹脂フィルムに金属を蒸着して反射率を高めたものであっても良い。
ディスプレイをより薄型にし、薄型でも高い輝度向上効果を得るためには、反射板は金属板や金属薄膜積層板が好ましい。このような金属板や金属薄膜積層板であっても本発明では高い輝度向上効果が得られる。
金属板や金属薄膜積層板の反射面は鏡面反射であっても良いし、凹凸を設け拡散反射させるものであっても良い。
反射板の基材として高リタデーションフィルムを用い、高リタデーションフィルムを視認側に、金属薄膜を反対面にしてディスプレイに設置することも使用部品点数を少なくして表示装置を薄くするためには好ましい形態である。
導光板の視認側とは反対面に金属薄膜を設け、反射板と導光板を一体化させることも好ましい形態である。
反射板の厚みとしては、300μm以下が好ましく、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下、特に好ましくは100μm以下、最も好ましくは50μm以下である。下限は取り扱い性の面から5μm以上であることが好ましい。
なお、150μm以下、特に100μm以下では白色樹脂フィルムでは十分な反射効果が得られない場合があり、金属薄膜積層板とすることが好ましい。
(バックライト)
バックライトに用いられる光源としては、色ムラを抑制するという観点から、連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源を有することが好ましい。連続的で幅広い発光スペクトルを有する光源の方式及び構造は特に制限されず、例えば、エッジライト方式又は直下型方式であり得る。
直下型方式では、反射板が下部にある場合には、光源は透明基材上に設けられているか、不透明基材の場合はリボン状、棒状の基材に設けられていることが好ましい。光源自体がリボン状または棒状であっても良い。また、反射板上に設けられているか、反射板に穴またはスリットを設けてそこから反射板の下部に設置された光源の光を放射させるようにしても良い。さらには、輝度ムラの発生を防ぐため、光源の光が直接視認側に出射されないように光源の視認側に傘を設けても良い。
なお、有機エレクトロルミネッセンス光源の様な面状の発光体の場合には、画像表示部分の背面全面の大きさの光源であっても良い。この場合は、発光体の表面自体が反射板としての機能となる。
「連続的で幅広い発光スペクトル」とは、少なくとも450〜650nmの波長領域、好ましくは可視光の領域において光の強度がゼロになる波長領域が存在しない発光スペクトルを意味する。可視光領域とは、例えば、400〜760nmの波長領域であり、360〜760nm、400〜830nm、又は360〜830nmであり得る。
連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源としては、例えば、白色発光ダイオード(白色LED)を挙げることができる。白色LEDには、蛍光体方式のもの(即ち、化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子)及び有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)等を挙げることができる。連続的で幅広い発光スペクトルを有し、且つ、発光効率にも優れているという観点から、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードが好ましい。
(導光板)
エッジライト型の光源である場合は、サイドから照射された光を液晶表示装置下部に導き、視認側へ出射するものである。
導光板には、基材に白色顔料や樹脂ビーズなどの拡散剤を分散させたものや、透明基材の片面、または両面に拡散層を設けたもの、透明基材の表面にプリズム様の特定パターンを設けたものなど、様々なタイプが例示されるが、いずれのタイプであっても本発明に用いることができる。
導光板の基材として使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、環状、鎖状のオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の透明樹脂が挙げられる。
基材中に拡散剤を分散させたタイプの導光板は、例えば上記樹脂に拡散剤を添加して溶融混練し、冷却ロール上に押し出し、必要により1軸または2軸に延伸して得られる。
透明基材上に拡散層を設ける方法としては、透明樹脂と、拡散剤を添加した樹脂とを共押し出して得る方法や、透明樹脂のフィルムまたはシートに拡散剤含有塗料をコートすることで得られる。コートでは、全面にコートする方法、ドットやストライプ、特定パターンでコートする方法等がある。
拡散剤としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機系微粒子や、シリコーンビーズ、PMMAビーズ、スチレンビーズ等の有機系微粒子が挙げられる。また、基材とは非相溶の熱可塑性樹脂を用いて、溶融混練中に分散させても良い。拡散剤の形状は、真球状、球状、鱗片状、不定形状等であってよく、特に限定されるものではない。これらの拡散剤の数平均粒径は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。
塗料のバインダー樹脂としては、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル系などがあり、基材との密着性、基材や拡散剤との屈折率差などを考慮して選択する。
透明基材の表面にプリズム様の特定パターンを設ける方法としては、例えば基材表面を特定パターンの金型を用いてエンボス加工する方法、アクリルなどの感光性樹脂を塗布して特定パターンの金型に接触させながら紫外線硬化させる方法などが挙げられる。
また、部品点数を減らして液晶表示装置を薄型化するためには、導光板の基材に高リタデーションフィルムを用いることも好ましい形態である。
さらには先に述べたように、導光板の視認側とは反対側にアルミニウムなどの金属を蒸着させ、反射板としての機能を持たせることも好ましい形態である。この場合、導光板を反射板としても考慮し、反射層が金属層となる。
(透過型拡散シート)
表示装置の部分的な輝度ムラを低減させる方法として、透過型拡散シートをバックライトまたは導光板と偏光反射板の間に設けることも好ましい。透過型拡散シートとしては、バックライトに合わせて、一方方向に拡散度の高い異方拡散タイプ、全範囲に同程度の拡散度を示す等方拡散タイプいずれであっても良い。
透過型拡散シートとしては、透明基材の表面に凹凸を設けたもの、透明樹脂中に拡散剤を分散させたもの、透明基材の片面または両面に拡散剤含有層を積層させたもの、などいずれも好ましく用いられる。
透過型拡散シートの基材として使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、環状、鎖状のオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、トリアセチルセルロース等の透明樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートといったポリエステルが好ましい例であり、これらの2軸延伸フィルムが基材としては最も好ましい。
基材中に拡散剤を分散させたタイプの透過型拡散シートは、例えば上記樹脂に拡散剤を添加して溶融混練し、冷却ロール上に押し出し、必要により1軸または2軸に延伸して得られる。
透明基材上に拡散層を設ける方法としては、透明樹脂と、拡散剤を添加した樹脂とを共押し出して得る方法や、透明樹脂のフィルムまたはシートに拡散剤含有塗料をコートすることで得られる。
拡散剤としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機系微粒子や、シリコーンビーズ、PMMAビーズ、MSビーズ、スチレンビーズ等の有機系微粒子が挙げられる。また、基材とは非相溶の熱可塑性樹脂を用いて、溶融混練中に分散させても良い。拡散剤の形状は、真球状、球状、鱗片状、不定形状等であってよく、特に限定されるものではない。これらの拡散剤の数平均粒径は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。
塗料のバインダー樹脂としては、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル系などがあり、基材との密着性、基材や拡散剤との屈折率差などを考慮して選択する。
透明基材の表面に凹凸設ける方法としては、例えば基材表面を特定パターンの金型を用いてエンボス加工する方法、基材表面をサンドブラストする方法、透明基材にアクリルなどの紫外線硬化樹脂を塗布して金型に接触させながら紫外線硬化させる方法などが挙げられる。また、ポリエステル樹脂では、アルカリ処理による表面マット化もこのましい方法である。
また、部品点数を減らして液晶表示装置を薄型化するためには、透過型拡散シートの透明基材として高リタデーションフィルムを用いることも好ましい形態である。
透過型拡散シートの厚みは、300μm以下が好ましく、より好ましくは200μ以下、さらに好ましくは150μm以下、特に好ましくは100μm以下、最も好ましくは50μm以下である。下限は取り扱い性の面から5μm以上であることが好ましい。
透過型拡散シートは必要により複数枚用いることもできる。
透過型拡散シートの全光線透過率は60%以上、さらには70%以上、特には80%以上であることが好ましい。
(レンズシート)
バックライトからの光は様々な方向を向いているが、この光を視認側に向けて集中させ、表示装置の輝度を上げるために、レンズシートを設けることも好ましい。レンズシートとしては、表面に加工されたレンズの形状により、シリンドリカルレンズやプリズムレンズ、レンチキュラーレンズなどの1方向のみに集中させる1軸集光タイプ、四角錐型や頂上部が一方向に長い変形四角錐型などの直交する2方向に集中させる2軸集光タイプ、3角錐や6角錐などの3軸集光タイプ、8角錐やそれ以上の多軸タイプ、さらには小さな半球状、楕円半球状のマイクロレンズ型、フレネルレンズ型等が挙げられ、いずれも用いられる。レンズシートは片面のみでなく両面にレンス加工されたものであっても良く、両面でレンズの形状が異なっていても良い。1軸集光タイプのレンズを両面で集光軸が直交するように加工されていても良い。
これらの中でも、2軸タイプ、3軸タイプ、多軸タイプ、マイクロレンズ型が集光効果が高く、特に好ましいレンズ形状として挙げられる。
レンズシートの基材として使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、環状、鎖状のオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、トリアセチルセルロース等の透明樹脂が挙げられる。これらの中でも、PETやPENといったポリエステルが好ましい例であり、これらの2軸延伸フィルムが基材としては最も好ましい。
レンズシートは透明基材表面を特定パターンの金型を用いてエンボス加工する方法、透明基材にアクリルなどの紫外線硬化樹脂を塗布して特定パターンの金型に接触させながら紫外線硬化させる方法などが挙げられる。
また、部品点数を減らして液晶表示装置を薄型化するためには、レンズシートの基材として高リタデーションフィルムを用いることも好ましい形態である。
レンズシートは必要により複数枚用いることもできる。
(高リタデーションフィルムを透過型拡散シートやレンズシートの基材として使用する方法)
部品点数を減らして画像表示装置を薄型化するためには、透過型拡散シートやレンズシートの透明基材として高リタデーションフィルムを用いることが好ましい形態である。
この場合、透過拡散シートの場合には高リタデーションフィルム基材上に拡散層を塗工する方法が、レンズシートの場合には紫外線硬化樹脂を塗布して特定パターンの金型に接触させながら紫外線硬化させる方法などが挙げられる。
この場合には、高リタデーションフィルムに易接着層を設けることが好ましい。易接着層に用いられる樹脂としては、例えば高リタデーションフィルムがポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートである場合ではポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、等が好適な例として挙げられる。易接着層の架橋剤としては、メラミン、イソシアネート化合物、オキサゾリン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
なお、高リタデーションフィルムを導光板、反射板に用いる場合であっても、易接着層を設けることが好ましい。
(バックライト側偏光板及び視認側偏光板)
液晶セルのバックライト側及び視認側の両方には、それぞれ偏光板(バックライト側偏光板、視認側偏光板)が設けられている。各偏光板は、フィルム状の偏光子の両側を2枚の保護フィルム(「偏光子保護フィルム」と称する場合もある)で挟んだ構造を有する。偏光子は、当該技術分野において使用される任意の偏光子(又は偏光フィルム)を適宜選択して使用することができる。代表的な偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム等にヨウ素等の二色性材料を染着させたものを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、公知及び今後開発され得る偏光子を適宜選択して用いることができる。
PVAフィルムは、市販品を用いることができ、例えば、「クラレビニロン((株)クラレ製)」、「トーセロビニロン(東セロ(株)製)]、「日合ビニロン(日本合成化学(株)製)]等を用いることができる。二色性材料としてはヨウ素、ジアゾ化合物、ポリメチン染料等を挙げることができる。
偏光子は、任意の手法で得ることができ、例えば、PVAフィルムを二色性材料で染着させたものをホウ酸水溶液中で一軸延伸し、延伸状態を保ったまま洗浄及び乾燥を行うことにより得ることができる。一軸延伸の延伸倍率は、通常4〜8倍程度であるが特に制限されない。他の製造条件等は公知の手法に従って適宜設定することができる。
視認側偏光板の偏光子の視認側の保護フィルム及びバックライト側偏光板の偏光子のバックライト側の保護フィルムは、高リタデーションフィルム又は従来から偏光子保護フィルムとして使用される任意のフィルムであり得るが、これらに限定されるものではない。
視認側偏光板の偏光子のバックライト側の保護フィルム及びバックライト側偏光板の偏光子の視認側保護フィルムの種類は任意であり、従来から保護フィルムとして使用されるフィルムを適宜選択して使用することができる。取り扱い性及び入手の容易性といった観点から、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、アクリルフィルム、及び環状オレフィン系フィルム(例えば、ノルボルネン系フィルム)、ポリプロピレンフィルム、及びポリオレフィン系フィルム(例えば、TPX)等から成る群より選択される一種以上の複屈折性を有さないフィルムを用いることが好ましい。
一実施形態において、視認側偏光板の偏光子のバックライト側保護フィルム及びバックライト側偏光板の偏光子の視認側保護フィルムは、光学補償機能を有する光学補償フィルムであることが好ましい。そのような光学補償フィルムは液晶の各方式に合わせて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース中に液晶化合物(例えば、ディスコティック液晶化合部及び/又は複屈折性化合物)を分散させた樹脂、環状オレフィン樹脂(例えば、ノルボルネン樹脂)、プロピオニルアセテート樹脂、ポリカーボネートフィルム樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリロニトリル共重合体樹脂、ラクトン環含有樹脂、及びイミド基含有ポリオレフィン樹脂等なら成る群より選択される1種以上から得られるものを挙げることができる。
光学補償フィルムは、商業的に入手可能であるため、それらを適宜選択して使用することも可能である。例えば、TN方式用の「ワイドビュー−EA」及び「ワイドビュー−T」(富士フイルム社製)、VA方式用の「ワイドビュー−B」(富士フイルム社製)、VA−TAC(コニカミノルタ社製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン社製)、「アートン」(JSR社製)、「X−plate」(日東電工社製)、並びにIPS方式用の「Z−TAC」(富士フイルム社製)、「CIG」(日東電工社製)、「P−TAC」(大倉工業社製)等が挙げられる。
偏光子保護フィルムは偏光子上に直接又は接着剤層を介して積層することができる。接着性向上の点から、接着剤を介して積層することが好ましい。接着剤としては、特に制限されず任意のものを使用できる。接着剤層を薄くする観点から、水系のもの(即ち、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させたもの)が好ましい。例えば、偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合は、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン樹脂などを用い、接着性を向上させるために、必要に応じてイソシアネート系化合物、エポキシ化合物などを配合した組成物を接着剤として用いることができる。接着剤層の厚みは10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
偏光子保護フィルムとしてTACフィルムを用いる場合、ポリビニルアルコール系の接着剤を用いて張り合わせることができる。偏光子保護フィルムとして、アクリルフィルム、環状オレフィン系フィルム、ポリプロピレフィルム、又はTPX等の透湿性の低いフィルムを用いる場合は、接着剤として光硬化性接着剤を用いることが好ましい。光硬化性樹脂としては、例えば、光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤との混合物などを挙げることができる。
偏光子保護フィルムの厚みは任意であり、例えば、15〜300μmの範囲、好ましくは30〜200μmの範囲で適宜設定できる。
偏光子保護フィルムは、各種の添加剤を含有させることができる。例えば、紫外線吸収剤、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。また、高い透明性を奏するためにはフィルムに実質的に粒子を含有しないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に重量で50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
偏光子保護フィルムに種々の機能層を有していても良い。そのような機能層としては、例えば、ハードコート層、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層、帯電防止層、シリコーン層、粘着層、防汚層、撥水層、及びブルーカット層等からなる群より選択される1種以上を用いることができる。
種々の機能層を設けるに際して、偏光子保護フィルムの表面に易接着層を有することが好ましい。その際、反射光による干渉を抑える観点から、易接着層の屈折率を、機能層の屈折率と配向フィルムの屈折率の相乗平均近傍になるように調整することが好ましい。易接着層の屈折率の調整は、公知の方法を採用することができ、例えば、バインダー樹脂に、チタンやジルコニウム、その他の金属種を含有させることで容易に調整することができる。
(液晶セル)
液晶セルは、液晶表示装置において使用され得る任意の液晶セルを適宜選択して使用することができ、その方式や構造は特に制限されない。例えば、VAモード、IPSモード、TNモード、STNモードやベンド配向(π型)等の液晶セルを適宜選択して使用できる。よって、液晶セルは、公知の液晶材料及び今後開発され得る液晶材料で作製された液晶を適宜選択して使用することができる。一実施形態において好ましい液晶セルは、透過型の液晶セルである。
(タッチパネル)
液晶表示装置は、タッチパネルを備え得る。タッチパネルの種類及び方式は特に制限されないが、例えば、抵抗膜方式タッチパネル及び静電容量方式タッチパネルを挙げることができる。タッチパネルは、その方式に関係なく、通常、1枚又は2枚以上の透明導電性フィルムを有する。透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が積層された構造を有する。基材フィルムには、基材フィルムとして従来から用いられるフィルム、高リタデーションフィルム、又はガラス板等の剛性板を用いることができる。
基材フィルムとして従来から用いられるフィルムとしては、透明性を有する各種の樹脂フィルムを挙げることができる。例えば、ポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアリレート樹脂、及びポリフェニレンサルファイド樹脂等から成る群から選択される1種以上の樹脂から得られるフィルムを使用することができる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリオレフィン樹脂が好ましく、好ましくはポリエステル樹脂である。
基材フィルムの厚みは任意であるが、15〜500μmの範囲が好ましい。
基材フィルムは、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化等のエッチング処理や下塗り処理を施してもよい。これにより、基材フィルム上に設けられる透明導電層等との密着性を向上させることができる。また、透明導電層等を設ける前に、必要に応じて基材フィルムの表面を溶剤洗浄や超音波洗浄などにより除塵、清浄化してもよい。
透明導電層は、直接基材フィルムに積層されても良いが、易接着層及び/又は種々の他の層を介して積層することが出来る。他の層としては、例えば、ハードコート層、インデックスマッチング(IM)層、及び低屈折率層等を挙げることができる。代表的な透明導電性フィルムの積層構造としては、次の6パターンを挙げることが出来るが、これらに限定されるわけではない。
(1)基材フィルム/易接着層/透明導電層
(2)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/透明導電層
(3)基材フィルム/易接着層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(4)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(5)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率でIMを兼ねる)/透明導電層
(6)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率)/低屈折率層/透明導電性薄膜
IM層は、それ自体が高屈折率層/低屈折率層の積層構成(透明導電性薄膜側が低屈折率層)であるため、これを用いることにより、液晶表示画面を見た際にITOパターンを見え難くすることができる。上記(6)のように、IM層の高屈折率層とハードコート層を一体化させることもでき、薄型化の観点から好ましい。
上記(3)〜(6)の構成は、静電容量式のタッチパネルにおける使用に特に適している。また、上記(2)〜(6)の構成は、基材フィルムの表面にオリゴマーが析出することが防止できるという観点で好ましく、基材フィルムのもう一方の片面にもハードコート層を設けることが好ましい。
基材フィルム上の透明導電層は、導電性金属酸化物により形成される。透明導電層を構成する導電性金属酸化物は特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の導電性金属酸化物が用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。好ましい透明導電層は、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)層及びアンチモンドープ酸化スズ(ATO)層であり、好ましくはITO層である。また、透明導電層は、Agナノワイヤー、Agインク、Agインクの自己組織化導電膜、網目状電極、CNTインク、導電性高分子であってもよい。
透明導電層の厚みは特に制限されないが、10nm以上であることが好ましく、15〜40nmであることがより好ましく、20〜30nmであることがさらに好ましい。透明導電層の厚みが15nm以上であると、表面抵抗が例えば1×103Ω/□以下の良好な連続被膜が得られ易い。また、透明導電層の厚みが40nm以下であると、より透明性の高い層とすることができる。
透明導電層は、公知の手順に従って形成することができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法を例示できる。透明導電層は、アモルファスであってもよく、結晶性のものであってもよい。結晶性の透明導電層を形成する方法としては、一旦基材上にアモルファス膜を形成した後、該アモルファス膜を可撓性透明基材とともに加熱・結晶化することによって形成することが好ましい。
透明導電性フィルムは、透明導電層の面内の一部が除去されてパターン化されたものであってもよい。透明導電層がパターン化された透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が形成されているパターン形成部と、基材フィルム上に透明導電層を有していないパターン開口部とを有する。パターン形成部の形状は、例えば、ストライプ状の他、スクエア状等が挙げられる。
基材フィルムは、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤を含有させることができる。例えば、紫外線吸収剤、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。また、高い透明性を奏するためにはフィルムに実質的に粒子を含有しないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に重量で50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
(高リタデーションフィルムの設置)
(角度)
バックライト側偏光板の偏光子の透過軸(透過する光の振動方向)と高リタデーションフィルムの配向主軸方向とがなす角度は、効果的に輝度を向上させることができるという観点から、好ましくは45±30度以下であり、より好ましくは45±25度以下であり、さらに好ましくは45±20度以下であり、特に好ましくは45±15度以下であり、最も好ましくは45±10度以下である。なお、ここで「以下」の言葉は±直後の数値のみにかかるものとする。つまり、45±30度以下とは、45度を中心に±30度の範囲での角度のずれを許容する意味である。
なお、バックライト側偏光板の偏光子の透過軸方向(透過する光の振動方向)と偏光反射板の透過軸(透過する光の振動方向)は0±20度以下が好ましく、さらに好ましくは0±15度以下であり、特に好ましくは0±10度以下である。なお、ここで「以下」の言葉は±直後の数値のみにかかるものとする。つまり、0±20度以下とは、0度を中心に±20度の範囲での角度のずれを許容する意味である。
(設置位置)
高リタデーションフィルムは、液晶表示装置の構成に合わせて、偏光反射板と反射板の反射層との間であれば、任意の位置に設置することができる。例えば、偏光反射板とレンズシートとの間、偏光反射板と透過型拡散シートとの間、偏光反射板と導光板との間、偏光反射板と反射板との間、レンズシートと透過型拡散シートとの間、レンズシートと導光板との間、レンズシートと反射板との間、透過型拡散シートと導光板との間、透過型拡散シートと反射板との間、導光板と反射板との間、などが挙げられる。また、複数のレンズシートや複数の透過型拡散シートを用いる場合には、レンズシート同士の間、透過型拡散シート同士の間に設置しても良い。
上記には、高リタデーションフィルムを単体で設置する例を示したが、液晶表示装置の部品点数を少なくして薄型化するためには、前にも述べたが、レンズシートや透過型拡散シートの基材、導光板、反射板の基材として高リタデーションフィルムを用いることが好ましい形態である。
高リタデーションフィルムは複数の箇所に設置されていても良い。高リタデーションフィルムを複数の箇所で用いる場合には、高リタデーションフィルムの配向主軸を同一方向に揃えることが好ましい形態である。この場合、高リタデーションフィルムの配向主軸は30度以内に揃えることが好ましく、より好ましくは20度以内、さらに好ましくは15度以内、特に好ましくは10度以内である。
レンズシートや透過型拡散シートの基材、導光板、反射板の基材に使用するフィルムは、上述のように高リタデーションフィルムを用いることが好ましい形態であるが、高リタデーションフィルムを少なくとも1枚使用すれば、その他のフィルムは、無配向フィルム(ゼロリタデーションフィルム)を用いてもよいし、市販されている汎用的なフィルムを用いてもよい。この際、色ムラ抑制の観点から、高リタデーションフィルムは、その他のフィルムより、より視認側に配置することが好ましい。
また、色ムラ抑制の観点から、高リタデーションフィルムの配向主軸と、その他のフィルムの配向主軸とのなす角度の関係は、略0度又は略90度が好ましい。略0度とは、0度を中心に好ましくは±20度以下、より好ましくは±15度以下、特に好ましくは±10度以下の範囲で角度がずれていてもよいことを意味する。また、略90度とは、90度を中心に好ましくは±20度以下、より好ましくは±15度以下、特に好ましくは±10度以下の範囲で角度がずれていてもよいことを意味する。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(リタデーション)
リタデーション(Re)は、次の通り測定した。即ち、二枚の偏光板を用いて、フィルムの配向主軸方向を求め、配向主軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T)によって求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)として求めた。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。また、リタデーションの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)、(△Nyz×d)の平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
(高リタデーションフィルムの製造)
製造例−PET(A)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルタで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の固有粘度は0.62dl/gであり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。(以後、PET(A)と略す。)
(高リタデーションフィルム1)
PET(A)樹脂ペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機に供給し、285℃で溶解した。このポリマーを、ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。
未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に4.0倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約100μmの一軸配向の高リタデーションフィルム1を得た。
(高リタデーションフィルム2)
未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に3.6倍延伸した後、配向フィルム1と同様の方法で幅方向に1.0倍延伸した以外は配向フィルム1と同様にして、フィルム厚み約100μmの二軸配向の高リタデーションフィルム2を得た。
(高リタデーションフィルム3)
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、フィルムの厚みを約80μmとする以外は、配向フィルム1と同様にして一軸配向の高リタデーションフィルム3を得た。
(高リタデーションフィルム4)
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、フィルムの厚みを約50μmとする以外は、配向フィルム1と同様にして一軸配向の高リタデーションフィルム4得た。
(高リタデーションフィルム5)
未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に2.0倍延伸した後、配向フィルム1と同様の方法で幅方向に4.0倍延伸した以外は配向フィルム1と同様にして、フィルム厚み約50μmの二軸配向の高リタデーションフィルム5を得た。
(高リタデーションフィルム6)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールの混合物に、触媒として、酢酸マンガン・4水和物塩、三酸化アンチモン、ならびに、トリメチルリン酸を添加し、徐々に昇温しながらエステル交換反応を行ない、290℃で減圧下重縮合反応を引き続き行ない、撹拌トルクを目安に、重縮合反応を終了させた後、ストランド状態で冷却水において、冷却、固化したものをペレット状に切断し、更に、減圧乾燥を行なって、ポリエチレンナフタレートを得た。
押出機を使用し、ポリエチレンナフタレートを約300℃で溶融し、スリットから溶融押出し、表面温度が約60℃のチルロール上に静電印加法で冷却固化させた未延伸シートを、延伸倍率3.5倍、延伸温度140℃のテンターでTD延伸と連続して180℃の熱処理を行ない、厚さ約50μmの高リタデーションフィルム6を得た。
高リタデーションフィルム7
ポリカーボネート(アルドリッチ社製)を重量比で4倍の塩化メチレンに溶かし、ポリマー溶液を調製した。ポリマー溶液を平滑なガラス板状にナイフコーターで展開し、室温で放置し、溶媒を乾燥させた。その後、ポリカーボネートシートをガラス板より剥がし、90℃の減圧乾燥機中で24時間乾燥させた。得られたポリカーボネートシートからダンベル状にサンプルを切り出した。切り出したシートサンプルをテンシロン(オリエンテック製)を用い、温度160℃程度に加熱し、一軸方向に延伸した。その際の、延伸倍率、延伸速度を調節することで、9087nmのリタデーションを有する一軸配向の高リタデーションフィルム7を得た。
(高リタデーションフィルム8)
特開平8−323877に準じて、シンジオタクチックポリスチレンからなるフィルムを作製し、これを高リタデーションフィルム8とした。
(低リタデーションフィルム9)
東洋紡製「A4300(50μm)」を用い、これを低リタデーションフィルム9とした。
(バックライト装置による輝度向上効果の確認)
反射板(表面サンドブラスト加工したアルミニウム板)、バックライト光源(連続的な発光スペクトルを有する蛍光体方式の白色LED、反射板に向かって光照射)、偏光反射板(市販の液晶ディスプレイから転用、3M社製DBEF)、偏光板(PVA偏光子の両面をTACで保護したもの)、を順に積層し、評価装置とした。偏光反射板の透過軸と偏光板の透過軸が平行になるように設置した。偏光反射板とバックライト光源の間に、高リタデーションフィルム1の配向主軸と偏光板の透過軸とを0度から90度まで15度刻みに変えて挿入し、目視により輝度の向上を観察した。なお、45度で最も輝度向上効果が高かった。結果を表1に示した。
なお、評価においては下記の通りとした。評価は、高リタデーションフィルム1を挿入しなかった場合と比較してのものである。
○:明らかに輝度が向上した。
△:輝度の向上が僅かに認められた。
×:輝度の向上はほとんど認められなかった。
(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 1)
反射板(アルミニウム蒸着PETフィルム(アルミニウム層を視認側に設置)、バックライト及び導光板(連続スペクトルを有する蛍光体型白色LEDを用いたサイドエッジ型の市販の液晶ディスプレイから転用)、透過型拡散シート(PETフィルムにアクリルビーズ塗布層を有するもの、市販の液晶ディスプレイから転用)、レンズシート(PETフィルムに多数の紫外線硬化樹脂から成る半球状のレンズを備えたもの、市販の液晶ディスプレイから転用)、偏光反射板(市販の液晶ディスプレイから転用、3M社製DBEF)、を積層し、さらに市販の液晶ディスプレイから転用した、液晶パネル(バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板を有する)を積層し、評価装置とした。レンズシートと偏光反射板の間に高リタデーションフィルム1〜9を、高リタデーションフィルムの配向主軸がバックライト側偏光板の透過軸と45度になるように挿入し、画像表示装置は白色を表示させ、目視により輝度の向上、色ムラを観察した。透過型拡散シート、レンズフィルムの基材PETフィルムの配向主軸もバックライト側偏光板の透過軸と45度になるように設置した。
なお、評価においては下記の通りとした。輝度の評価は、各高リタデーションフィルムを挿入しなかった場合と比較してのものである。
◎:明らかに輝度が向上し、正面、斜め方向から見ても色ムラは認められない。
○:明らかに輝度は向上したが、斜め方向から見ると僅かな色ムラが認められた。
△:輝度の向上はある程度認められた。または明らかに輝度は向上したが、正面から色ムラが認められた。
×:輝度の向上はほとんど認められなかった。
結果を表2に示した。
なお、高リタデーションフィルム1の挿入位置を、透過型拡散シートと導光板との間、導光板と反射板との間、と変えたが、評価はいずれも◎であった。
(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 2)
高リタデーションフィルム1の表面にポリエステルポリウレタンをイソシアネート架橋させた易接着コートを設け、その上に紫外線硬化樹脂で半球状のマイクロレンズ構造のレンズ層を設けて高リタデーション基材レンズシートを作成した。
上記(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 1)の画像評価装置において、レンズシートを上記高リタデーション基材レンズシートに換え、レンズシートと偏光反射板の間の高リタデーションフィルムは挿入せずに観察した。高リタデーションフィルムの配向主軸が光源側偏光板の透過軸と45度になるようにした。同様の輝度向上効果が得られ、色ムラは観察されなかった。
(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 3)
高リタデーションフィルム1の表面にポリエステルポリウレタンをイソシアネート架橋させた易接着コートを設け、その上にアクリルビーズを含む拡散コート層を設けて高リタデーション基材透過型拡散シートを作成した。
上記(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 1)の画像評価装置において、透過型拡散シートを上記高リタデーション基材透過型拡散シートに換え、レンズシートと偏光反射板の間の高リタデーションフィルムは挿入せずに観察した。高リタデーションフィルムの配向主軸が光源側偏光板の透過軸と45度になるようにした。同様の輝度向上効果が得られ、色ムラは観察されなかった。
(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 4)
高リタデーションフィルム3の表面にアルミニウムを蒸着し、高リタデーション基材反射板を作成した。
上記(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 1)の画像評価装置において、反射板を上記高リタデーション基材反射板に換え、レンズシートと偏光反射板の間の高リタデーションフィルムは挿入せずに観察した。なお、高リタデーションフィルムは視認側になるように設置し、高リタデーションフィルムの配向主軸が光源側偏光板の透過軸と45度になるようにした。同様の輝度向上効果が得られ、色ムラは観察されなかった。

Claims (4)

  1. 少なくとも、反射板、バックライト、偏光反射板、バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板を有する、液晶表示装置において、反射板の反射層と偏光反射板との間にリタデーションが3000〜150000nmの値を有する高リタデーションフィルムが設けられていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. バックライト側偏光板の偏光子の透過軸と高リタデーションフィルムの配向主軸方向とがなす角度が45±30度以下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. バックライト又は導光板と、偏光反射板との間にリタデーションが3000〜150000nmの値を有する高リタデーションフィルムを基材フィルムとした透過型拡散シートまたはレンズシートのいずれかが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 反射板が、金属板又は金属薄膜積層板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
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