JP2014186142A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、反射板、バックライト、偏光反射板、バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板を有する、液晶表示装置において、反射板の反射層と偏光反射板との間にリタデーションが3000〜150000nmの値を有する高リタデーションフィルムが設けられていることを特徴とする液晶表示装置。
【選択図】なし
Description
しかし、バックライト側偏光板は特定の偏光光線(直線偏光)のみを透過させ、その他の偏光光線は吸収するために、バックライトの光の半分しか利用されないという問題点があった。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
項2. バックライト側偏光板の偏光子の透過軸と高リタデーションフィルムの配向主軸方向とがなす角度が45±30度以下であることを特徴とする項1に記載の液晶表示装置。
項3.
バックライト又は導光板と、偏光反射板との間にリタデーションが3000〜150000nmの値を有する高リタデーションフィルムを基材フィルムとした透過型拡散シートまたはレンズシートのいずれかが設けられていることを特徴とする項1または2に記載の液晶表示装置。
項4.
反射板が、金属板又は金属薄膜積層板であることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
高リタデーションフィルムのリタデーションは、色ムラなく輝度を高めるという観点から、3000nm以上150000nm以下であることが好ましい。高リタデーションフィルムのリタデーションの下限値は、好ましくは4500nm以上、好ましくは6000nm以上、好ましくは8000nm以上、好ましくは10000nm以上である。一方、高リタデーションフィルムのリタデーションの上限は、それ以上のリタデーションを有するフィルムを用いたとしても更なる輝度の向上効果は実質的に得られず、またリタデーションの高さに応じては配向フィルムの厚みも上昇する傾向があるため、薄型化への要請に反し兼ねないという観点から、150000nmと設定されるが、更に高い値とすることもできる。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
偏光反射板は、特定方向の偏光のみを透過させ、通過する偏光と直交する偏光成分は反射する機能を有するものである。偏光反射板をバックライト側偏光板の透過軸方向と偏光反射板の透過軸方向を一致させて設置することにより、偏光反射板がバックライトから照射された光のうちバックライト側偏光板を透過しない偏光成分のみを反射し、偏光反射板で反射された偏光が拡散反射シート(反射板)で再度視認側へ反射される時に偏光が解消されることにより、偏光反射板を透過する偏光成分、すなわちバックライト側偏光板を透過する偏光成分、を生じ、バックライト側偏光板を透過する光の総量を増加させることができる。
この様な機能を持つ偏光反射板は、例えば、延伸により複屈折が生じやすい樹脂(樹脂A)と複屈折が生じにくい樹脂(樹脂B)を用い、樹脂Aと樹脂Bを多層積層(A,B,A,B,A,B,・・・)させて、一方向に配向させる(多重積層タイプ)か、樹脂Aと樹脂Bをブレンドして海島構造を作り、一方向に配向させる(分散タイプ)ことで得ることができる。また、分子の配向方向の屈折率が直交方向より大きくなる正の複屈折を持つ樹脂(樹脂C)と分子の配向方向の屈折率が直交方向より小さくなる負の複屈折を持つ樹脂(樹脂D)を組み合わせて同様に行っても良い。
多重積層タイプの偏光反射板は、例えば、それぞれの樹脂を溶融し、フィードブロック等を用いて100層以上、好ましくは200層に積層させて冷却ロール上に押し出し、得られた未延伸シートを、縦方向、または横方向に3倍以上、好ましくは4倍以上に延伸、熱固定することで得ることができる。
分散タイプの偏光反射板は、例えば、押し出し機内で溶融混合して、冷却ロール上に押し出し、得られた未延伸シートを、縦方向、または横方向に3倍以上好ましくは4倍以上に延伸、熱固定することで得ることができる。
樹脂Aと樹脂Bの組合せ、樹脂Cと樹脂Dの組合せにおいては、それぞれの樹脂の主配向方向の屈折率がほぼ同一になり主配向方向と直交する方向の屈折率が異なる様にするか、それぞれの樹脂の主配向方向の屈折率が異なり主配向方向と直交する方向の屈折率がほぼ同一になる様にする。この様にすることで、屈折率がほぼ同一になっている方向の偏光は透過し、屈折率が異なる方向の偏光は反射されるフィルムを得ることができる。
偏光反射板に用いられる樹脂としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、などのポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン(APS)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂、N置換マレイミド共重合樹脂、セルロースアセテート、セルロースプロピオネートなどのセルロース誘導体、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、弗素化エチレン−プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの塩素樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセテート、ポリエーテルーアミド、イオノマー樹脂、エラストマー、ポリウレタンなど様々なものが挙げられる。
なお、これらの中で、ポリエステル樹脂、ポリカードネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂等は代表的な正の複屈折の樹脂として挙げられる。また、PMMA、N置換マレイミド共重合樹脂、ポリスチレン樹脂類は代表的な負の複屈折の樹脂として挙げられる。
その他にも、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−N置換マレイミド共重合体等のスチレン共重合体などが挙げられる。
偏光反射板は、バックライト側偏光板として用いる偏光子に直接貼り合わせて、バックライト側偏光子保護フィルムとして使用されていても良い。この場合、延伸前の偏光反射板にポリビニルアルコールを積層させた後に一軸延伸し、さらにポリビニルアルコール層にヨウ素を吸着させる方法を採用しても良い。
なお、偏光反射板は3M社からDBEFとして市販されており、これを利用することができる。
反射板はバックライト光源の光を視認側へ反射させるだけでなく、偏光反射板により反射された偏光を再度視認側へ反射させる機能を有する。
中でもポリエステルフィルムは好適な基材の一つである。また、上記の白色樹脂フィルムに金属を蒸着して反射率を高めたものであっても良い。
なお、150μm以下、特に100μm以下では白色樹脂フィルムでは十分な反射効果が得られない場合があり、金属薄膜積層板とすることが好ましい。
バックライトに用いられる光源としては、色ムラを抑制するという観点から、連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源を有することが好ましい。連続的で幅広い発光スペクトルを有する光源の方式及び構造は特に制限されず、例えば、エッジライト方式又は直下型方式であり得る。
なお、有機エレクトロルミネッセンス光源の様な面状の発光体の場合には、画像表示部分の背面全面の大きさの光源であっても良い。この場合は、発光体の表面自体が反射板としての機能となる。
エッジライト型の光源である場合は、サイドから照射された光を液晶表示装置下部に導き、視認側へ出射するものである。
導光板には、基材に白色顔料や樹脂ビーズなどの拡散剤を分散させたものや、透明基材の片面、または両面に拡散層を設けたもの、透明基材の表面にプリズム様の特定パターンを設けたものなど、様々なタイプが例示されるが、いずれのタイプであっても本発明に用いることができる。
導光板の基材として使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、環状、鎖状のオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の透明樹脂が挙げられる。
さらには先に述べたように、導光板の視認側とは反対側にアルミニウムなどの金属を蒸着させ、反射板としての機能を持たせることも好ましい形態である。この場合、導光板を反射板としても考慮し、反射層が金属層となる。
表示装置の部分的な輝度ムラを低減させる方法として、透過型拡散シートをバックライトまたは導光板と偏光反射板の間に設けることも好ましい。透過型拡散シートとしては、バックライトに合わせて、一方方向に拡散度の高い異方拡散タイプ、全範囲に同程度の拡散度を示す等方拡散タイプいずれであっても良い。
バックライトからの光は様々な方向を向いているが、この光を視認側に向けて集中させ、表示装置の輝度を上げるために、レンズシートを設けることも好ましい。レンズシートとしては、表面に加工されたレンズの形状により、シリンドリカルレンズやプリズムレンズ、レンチキュラーレンズなどの1方向のみに集中させる1軸集光タイプ、四角錐型や頂上部が一方向に長い変形四角錐型などの直交する2方向に集中させる2軸集光タイプ、3角錐や6角錐などの3軸集光タイプ、8角錐やそれ以上の多軸タイプ、さらには小さな半球状、楕円半球状のマイクロレンズ型、フレネルレンズ型等が挙げられ、いずれも用いられる。レンズシートは片面のみでなく両面にレンス加工されたものであっても良く、両面でレンズの形状が異なっていても良い。1軸集光タイプのレンズを両面で集光軸が直交するように加工されていても良い。
これらの中でも、2軸タイプ、3軸タイプ、多軸タイプ、マイクロレンズ型が集光効果が高く、特に好ましいレンズ形状として挙げられる。
部品点数を減らして画像表示装置を薄型化するためには、透過型拡散シートやレンズシートの透明基材として高リタデーションフィルムを用いることが好ましい形態である。
この場合、透過拡散シートの場合には高リタデーションフィルム基材上に拡散層を塗工する方法が、レンズシートの場合には紫外線硬化樹脂を塗布して特定パターンの金型に接触させながら紫外線硬化させる方法などが挙げられる。
この場合には、高リタデーションフィルムに易接着層を設けることが好ましい。易接着層に用いられる樹脂としては、例えば高リタデーションフィルムがポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートである場合ではポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、等が好適な例として挙げられる。易接着層の架橋剤としては、メラミン、イソシアネート化合物、オキサゾリン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
なお、高リタデーションフィルムを導光板、反射板に用いる場合であっても、易接着層を設けることが好ましい。
液晶セルのバックライト側及び視認側の両方には、それぞれ偏光板(バックライト側偏光板、視認側偏光板)が設けられている。各偏光板は、フィルム状の偏光子の両側を2枚の保護フィルム(「偏光子保護フィルム」と称する場合もある)で挟んだ構造を有する。偏光子は、当該技術分野において使用される任意の偏光子(又は偏光フィルム)を適宜選択して使用することができる。代表的な偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム等にヨウ素等の二色性材料を染着させたものを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、公知及び今後開発され得る偏光子を適宜選択して用いることができる。
液晶セルは、液晶表示装置において使用され得る任意の液晶セルを適宜選択して使用することができ、その方式や構造は特に制限されない。例えば、VAモード、IPSモード、TNモード、STNモードやベンド配向(π型)等の液晶セルを適宜選択して使用できる。よって、液晶セルは、公知の液晶材料及び今後開発され得る液晶材料で作製された液晶を適宜選択して使用することができる。一実施形態において好ましい液晶セルは、透過型の液晶セルである。
液晶表示装置は、タッチパネルを備え得る。タッチパネルの種類及び方式は特に制限されないが、例えば、抵抗膜方式タッチパネル及び静電容量方式タッチパネルを挙げることができる。タッチパネルは、その方式に関係なく、通常、1枚又は2枚以上の透明導電性フィルムを有する。透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が積層された構造を有する。基材フィルムには、基材フィルムとして従来から用いられるフィルム、高リタデーションフィルム、又はガラス板等の剛性板を用いることができる。
(1)基材フィルム/易接着層/透明導電層
(2)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/透明導電層
(3)基材フィルム/易接着層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(4)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(5)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率でIMを兼ねる)/透明導電層
(6)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率)/低屈折率層/透明導電性薄膜
(角度)
バックライト側偏光板の偏光子の透過軸(透過する光の振動方向)と高リタデーションフィルムの配向主軸方向とがなす角度は、効果的に輝度を向上させることができるという観点から、好ましくは45±30度以下であり、より好ましくは45±25度以下であり、さらに好ましくは45±20度以下であり、特に好ましくは45±15度以下であり、最も好ましくは45±10度以下である。なお、ここで「以下」の言葉は±直後の数値のみにかかるものとする。つまり、45±30度以下とは、45度を中心に±30度の範囲での角度のずれを許容する意味である。
高リタデーションフィルムは、液晶表示装置の構成に合わせて、偏光反射板と反射板の反射層との間であれば、任意の位置に設置することができる。例えば、偏光反射板とレンズシートとの間、偏光反射板と透過型拡散シートとの間、偏光反射板と導光板との間、偏光反射板と反射板との間、レンズシートと透過型拡散シートとの間、レンズシートと導光板との間、レンズシートと反射板との間、透過型拡散シートと導光板との間、透過型拡散シートと反射板との間、導光板と反射板との間、などが挙げられる。また、複数のレンズシートや複数の透過型拡散シートを用いる場合には、レンズシート同士の間、透過型拡散シート同士の間に設置しても良い。
リタデーション(Re)は、次の通り測定した。即ち、二枚の偏光板を用いて、フィルムの配向主軸方向を求め、配向主軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T)によって求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)として求めた。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。また、リタデーションの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)、(△Nyz×d)の平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
PET(A)樹脂ペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機に供給し、285℃で溶解した。このポリマーを、ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。
未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に3.6倍延伸した後、配向フィルム1と同様の方法で幅方向に1.0倍延伸した以外は配向フィルム1と同様にして、フィルム厚み約100μmの二軸配向の高リタデーションフィルム2を得た。
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、フィルムの厚みを約80μmとする以外は、配向フィルム1と同様にして一軸配向の高リタデーションフィルム3を得た。
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、フィルムの厚みを約50μmとする以外は、配向フィルム1と同様にして一軸配向の高リタデーションフィルム4得た。
未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に2.0倍延伸した後、配向フィルム1と同様の方法で幅方向に4.0倍延伸した以外は配向フィルム1と同様にして、フィルム厚み約50μmの二軸配向の高リタデーションフィルム5を得た。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールの混合物に、触媒として、酢酸マンガン・4水和物塩、三酸化アンチモン、ならびに、トリメチルリン酸を添加し、徐々に昇温しながらエステル交換反応を行ない、290℃で減圧下重縮合反応を引き続き行ない、撹拌トルクを目安に、重縮合反応を終了させた後、ストランド状態で冷却水において、冷却、固化したものをペレット状に切断し、更に、減圧乾燥を行なって、ポリエチレンナフタレートを得た。
押出機を使用し、ポリエチレンナフタレートを約300℃で溶融し、スリットから溶融押出し、表面温度が約60℃のチルロール上に静電印加法で冷却固化させた未延伸シートを、延伸倍率3.5倍、延伸温度140℃のテンターでTD延伸と連続して180℃の熱処理を行ない、厚さ約50μmの高リタデーションフィルム6を得た。
ポリカーボネート(アルドリッチ社製)を重量比で4倍の塩化メチレンに溶かし、ポリマー溶液を調製した。ポリマー溶液を平滑なガラス板状にナイフコーターで展開し、室温で放置し、溶媒を乾燥させた。その後、ポリカーボネートシートをガラス板より剥がし、90℃の減圧乾燥機中で24時間乾燥させた。得られたポリカーボネートシートからダンベル状にサンプルを切り出した。切り出したシートサンプルをテンシロン(オリエンテック製)を用い、温度160℃程度に加熱し、一軸方向に延伸した。その際の、延伸倍率、延伸速度を調節することで、9087nmのリタデーションを有する一軸配向の高リタデーションフィルム7を得た。
特開平8−323877に準じて、シンジオタクチックポリスチレンからなるフィルムを作製し、これを高リタデーションフィルム8とした。
東洋紡製「A4300(50μm)」を用い、これを低リタデーションフィルム9とした。
反射板(表面サンドブラスト加工したアルミニウム板)、バックライト光源(連続的な発光スペクトルを有する蛍光体方式の白色LED、反射板に向かって光照射)、偏光反射板(市販の液晶ディスプレイから転用、3M社製DBEF)、偏光板(PVA偏光子の両面をTACで保護したもの)、を順に積層し、評価装置とした。偏光反射板の透過軸と偏光板の透過軸が平行になるように設置した。偏光反射板とバックライト光源の間に、高リタデーションフィルム1の配向主軸と偏光板の透過軸とを0度から90度まで15度刻みに変えて挿入し、目視により輝度の向上を観察した。なお、45度で最も輝度向上効果が高かった。結果を表1に示した。
なお、評価においては下記の通りとした。評価は、高リタデーションフィルム1を挿入しなかった場合と比較してのものである。
○:明らかに輝度が向上した。
△:輝度の向上が僅かに認められた。
×:輝度の向上はほとんど認められなかった。
反射板(アルミニウム蒸着PETフィルム(アルミニウム層を視認側に設置)、バックライト及び導光板(連続スペクトルを有する蛍光体型白色LEDを用いたサイドエッジ型の市販の液晶ディスプレイから転用)、透過型拡散シート(PETフィルムにアクリルビーズ塗布層を有するもの、市販の液晶ディスプレイから転用)、レンズシート(PETフィルムに多数の紫外線硬化樹脂から成る半球状のレンズを備えたもの、市販の液晶ディスプレイから転用)、偏光反射板(市販の液晶ディスプレイから転用、3M社製DBEF)、を積層し、さらに市販の液晶ディスプレイから転用した、液晶パネル(バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板を有する)を積層し、評価装置とした。レンズシートと偏光反射板の間に高リタデーションフィルム1〜9を、高リタデーションフィルムの配向主軸がバックライト側偏光板の透過軸と45度になるように挿入し、画像表示装置は白色を表示させ、目視により輝度の向上、色ムラを観察した。透過型拡散シート、レンズフィルムの基材PETフィルムの配向主軸もバックライト側偏光板の透過軸と45度になるように設置した。
なお、評価においては下記の通りとした。輝度の評価は、各高リタデーションフィルムを挿入しなかった場合と比較してのものである。
◎:明らかに輝度が向上し、正面、斜め方向から見ても色ムラは認められない。
○:明らかに輝度は向上したが、斜め方向から見ると僅かな色ムラが認められた。
△:輝度の向上はある程度認められた。または明らかに輝度は向上したが、正面から色ムラが認められた。
×:輝度の向上はほとんど認められなかった。
結果を表2に示した。
なお、高リタデーションフィルム1の挿入位置を、透過型拡散シートと導光板との間、導光板と反射板との間、と変えたが、評価はいずれも◎であった。
高リタデーションフィルム1の表面にポリエステルポリウレタンをイソシアネート架橋させた易接着コートを設け、その上に紫外線硬化樹脂で半球状のマイクロレンズ構造のレンズ層を設けて高リタデーション基材レンズシートを作成した。
上記(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 1)の画像評価装置において、レンズシートを上記高リタデーション基材レンズシートに換え、レンズシートと偏光反射板の間の高リタデーションフィルムは挿入せずに観察した。高リタデーションフィルムの配向主軸が光源側偏光板の透過軸と45度になるようにした。同様の輝度向上効果が得られ、色ムラは観察されなかった。
高リタデーションフィルム1の表面にポリエステルポリウレタンをイソシアネート架橋させた易接着コートを設け、その上にアクリルビーズを含む拡散コート層を設けて高リタデーション基材透過型拡散シートを作成した。
上記(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 1)の画像評価装置において、透過型拡散シートを上記高リタデーション基材透過型拡散シートに換え、レンズシートと偏光反射板の間の高リタデーションフィルムは挿入せずに観察した。高リタデーションフィルムの配向主軸が光源側偏光板の透過軸と45度になるようにした。同様の輝度向上効果が得られ、色ムラは観察されなかった。
高リタデーションフィルム3の表面にアルミニウムを蒸着し、高リタデーション基材反射板を作成した。
上記(液晶表示装置による輝度向上効果、色ムラの確認 1)の画像評価装置において、反射板を上記高リタデーション基材反射板に換え、レンズシートと偏光反射板の間の高リタデーションフィルムは挿入せずに観察した。なお、高リタデーションフィルムは視認側になるように設置し、高リタデーションフィルムの配向主軸が光源側偏光板の透過軸と45度になるようにした。同様の輝度向上効果が得られ、色ムラは観察されなかった。
Claims (4)
- 少なくとも、反射板、バックライト、偏光反射板、バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板を有する、液晶表示装置において、反射板の反射層と偏光反射板との間にリタデーションが3000〜150000nmの値を有する高リタデーションフィルムが設けられていることを特徴とする液晶表示装置。
- バックライト側偏光板の偏光子の透過軸と高リタデーションフィルムの配向主軸方向とがなす角度が45±30度以下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- バックライト又は導光板と、偏光反射板との間にリタデーションが3000〜150000nmの値を有する高リタデーションフィルムを基材フィルムとした透過型拡散シートまたはレンズシートのいずれかが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
- 反射板が、金属板又は金属薄膜積層板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
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