JP2014178800A - 医療情報処理装置、及び、プログラム - Google Patents

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哲嗣 田村
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尚志 一宮
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保臣 紀ノ定
Atsushi Kameyama
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Abstract

【課題】 予測対象者の1回の健診データから、将来の所望の時点の健康状態や、その推移を、精度よく予測できるようにする。
【解決手段】 所定項目から成り健診者毎に時系列である時系列健診データを学習データとして用いて構築された隠れマルコフモデルを保持するHMM保持手段、予測対象者の健診データを前記隠れマルコフモデルの構築に用いた学習データと同じ母集団に属する時系列健診データと比較して当該予測対象者の健診データとの距離が近い健診データを持つ時系列健診データを抽出する類似データ抽出手段、前記類似データ抽出手段により抽出した時系列健診データに、前記HMM保持手段が持つ隠れマルコフモデルを適用して少なくとも予測対象時点の状態を推定する状態推定手段、前記状態推定手段により推定した予測対象時点の状態に基づいて当該予測対象者の予測対象時点の健康ランクを予測する健康ランク予測手段、を有する医療情報処理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療情報処理装置及びプログラムに関する。詳しくは、多数の時系列の健診データを学習データとして用いて構築した隠れマルコフモデル(Hidden Markov model;以下、適宜、「HMM」と言う)を利用して、予測対象者の将来の健康状態を精度よく予測する機能を備えた医療情報処理装置と、コンピュータを医療情報処理装置として機能させるためのプログラムに関する。
生活習慣病予防や医療費削減のため、生活習慣病等の疾病の兆しの早期発見や重篤化防止のための基盤作りが急務となっている。健診データは、受診時の健康状態を表すデータとして重要であるばかりでなく、疾病が発現する兆候を知る手がかりとしても必要不可欠である。そこで、不特定多数の健診データを集めて母集団を構成するデータと成し、当該母集団を適用可能な予測対象者の健診データに対して、現在ないしは将来の健康リスクを求めて提示する健康支援システムの開発が行われている。
例えば、特開2002−063278号公報(特許文献1)には、複数年の健診データを入力すると、事前に作成しておいた健康標準モデルと疾病モデルを用いて、健康度を出力するシステムが開示されている。
また、特開2006−107222号公報(特許文献2)には、入力された健診データと、システムが持つデータベースをもとに、達成度を求めて提示するシステムが開示されている。
また、特開2012−064087号公報(特許文献3)には、複数のニューラルネットワークを用いて生活習慣病の発症リスクを求めるシステムが開示されている。
また、下記の非特許文献1には、HMMなどのベイジアンネットワークについて、バイオインフォマティクスでの利用可能性について言及されている。
また、下記の非特許文献2には、HMMが、伸長性の有るデータ系列に対してパターン認識を行うのに適したモデルであることが記載されている。
また、下記の非特許文献3には、福岡県久山町の約40年に渡って蓄積された健診データを用いて、対象個人の将来の生活習慣病の発症リスクをシミュレーションするシステムについて記載されている。
特開2002−063278号公報 特開2006−107222号公報 特開2012−064087号公報
有田他「ベイジアンネットとバイオインフォマティクス」人工知能学会誌,vol.17,no.5,pp.539-545(2002) 渡部他「音声認識における音響モデル」日本音響学会誌,vol.66,no.1,pp.18-22(2010) 野村総合研究所「生活習慣病指導支援システム「健康みらい予報」の機能を拡張」http://www.nri.co.jp/news/2012/120514.html
特許文献1のシステムでは、対象者の健康度を知るためには、当該対象者の複数年に渡る健診データが必要である。また、母集団の統計的情報からモデルを作成するのにとどまっており、健康状態の遷移まではモデル化されていない。
特許文献2のシステムは、過去と現在の健診データから、現在の達成度を求めるものであり、将来のリスクを推定することはできない。また、達成度の判定も初歩的な手法にとどまっている。
特許文献3のシステムでは、そのニューラルネットワークは、健康状態の遷移を表現していない。
本発明は、予測対象者の1回の健診データから、将来の所望の時点の健康状態や、その推移を、精度よく予測できるようにすることを目的とする。
本発明を、下記[1]〜[15]に記す。
[1]構成1
所定項目から成り健診者毎に時系列である時系列健診データを学習データとして用いて構築された隠れマルコフモデルを保持するHMM保持手段と、
予測対象者の健診データを、前記隠れマルコフモデルの構築に用いた学習データと同じ母集団に属する時系列健診データと比較して、当該予測対象者の健診データとの距離が近い健診データを持つ時系列健診データを抽出する類似データ抽出手段と、
前記類似データ抽出手段により抽出した時系列健診データに、前記HMM保持手段が持つ隠れマルコフモデルを適用して、少なくとも予測対象時点の最尤の状態を推定する状態推定手段と、
前記状態推定手段により推定した予測対象時点の状態に基づいて、当該予測対象者の予測対象時点の健康ランクを予測する健康ランク予測手段と、
を有することを特徴とする医療情報処理装置。
所定項目としては、例えば、BMI、SBP、ヘマトクリット、血小板、GOT、総コレステロール、中性脂肪、随時血糖を挙げることができる。
時系列健診データとしては、例えば、1回/年の6年分の健診データを挙げることができるが、5年分以下や7年分以上でもよい。ここで、例えば6年分とは、健診データが8年分有る場合に、その中から連続する6年分(第1〜6年,第2〜7年,第3〜8年)を適宜に抜き出したものであってもよい。また、時系列の間隔も、必ずしも1年に限定されない。例えば、半年毎や、9カ月毎、1年半毎、或いは、2年毎等でもよい。
隠れマルコフモデルの構築に用いた学習データと同じ母集団とは、例えば、30代男性のデータ(時系列健診データ)を学習データとして隠れマルコフモデルを構築したのであれば、30代男性が母集団となる。即ち、先に学習データとして用いたか否かとは無関係に、30代男性の各々時系列健診データの中から、距離が近い健診データを持つところの時系列健診データを抽出する。
距離としては、例えば、ユークリッド距離を挙げることができるが、ユークリッド距離に限定されず、類似度の評価に用いる他の公知の距離を用いても良い。
予測対象時点とは、時系列の或る時点である。例えば、3年後の健康ランクを知りたい場合、予測対象者の現在は、1回/年の時系列では第1年次であるから、第4年次が、予測対象時点となる。
健康ランクは、隠れマルコフモデルの状態のラベルである。各健康ランクには、1又は2以上の状態が重複無く対応付けられる。
[2]構成2
構成1に於いて、
前記状態推定手段は、時系列の各時点の状態を推定し、
前記健康ランク予測手段は、前記状態推定手段により推定した各時点の最尤の状態に基づいて、当該予測対象者の各時点の健康ランクを予測する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
[3]構成3
構成1に於いて、
前記類似データ抽出手段は、予測対象者の健診データとの距離が近い健診データを時系列の所定の時点に持つ時系列健診データを抽出する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
例えば、健診データが8年分有り、その中から連続する6年分(第1〜6年,第2〜7年,第3〜8年)を適宜に抜き出す場合に於いて、「第2〜7年」を抜き出す場合であれば、8年分の中の「第2年」が、時系列の所定の時点に該当する。
[4]構成4
構成3に於いて、
前記状態推定手段は、前記所定の時点から予測対象時点までの各時点の最尤の状態を推定し、
前記健康ランク予測手段は、前記状態推定手段により推定した前記所定の時点から予測対象時点までの各時点の最尤の状態に基づいて、当該予測対象者の予測対象時点の健康ランクを予測する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
[5]構成5
所定項目から成り健診者毎に時系列である時系列健診データを学習データとして用いて構築された隠れマルコフモデルを保持するHMM保持手段と、
予測対象者の健診データを、前記隠れマルコフモデルの構築に用いた学習データと同じ母集団に属する時系列健診データと比較して、当該予測対象者の健診データとの距離が近い健診データを時系列の所定の時点に持つ複数の時系列健診データを抽出する類似データ抽出手段と、
前記類似データ抽出手段により抽出した複数の時系列健診データに、前記HMM保持手段が持つ隠れマルコフモデルをそれぞれ適用して、前記所定の時点以後の各時点の最尤の状態をそれぞれ推定する状態推定手段と、
前記状態推定手段によりそれぞれ推定した前記所定の時点以後の各時点の最尤の状態に基づいて、当該予測対象者の少なくとも予測対象時点の健康ランクを予測する健康ランク予測手段と、
を有することを特徴とする医療情報処理装置。
当然であるが、健康ランク予測手段は「少なくとも予測対象時点」の健康ランクを予測するのであるから、「所定の時点以後の各時点」の健康ランクを予測してもよい。
[6]構成6
構成5に於いて、
前記時系列の所定の時点は時系列の先頭時点である、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
例えば、連続する健診データが6年分以上有り、その中から連続する6年分として「第1〜6年」を抜き出す場合には、時系列の所定の時点は、時系列の先頭時点となる。
[7]構成7
構成5又は構成6に於いて、
前記健康ランク予測手段は、前記複数の時系列健診データについて前記状態推定手段がそれぞれ最尤の状態を推定した前記所定の時点以後の各時点に関し、同一時点についての種々の状態が占める割合に基づいて当該同一時点の健康ランクを予測する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
[8]構成8
構成7に於いて、
各健康ランクには1又は2以上の状態が重複無く対応付けられており、
前記健康ランク予測手段は、同一時点についての種々の状態に対応する健康ランクが占める割合に基づいて当該同一時点の健康ランクを予測する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
例えば、状態1と2が健康ランク「健康」、状態3と4が健康ランク「要注意」、状態5と6が健康ランク「要精検」にそれぞれ対応付けられている場合、同一時点に於いて状態1〜6が占める割合から、健康ランク「健康」「要注意」「要精検」が占める割合を求めることができる。
[9]構成9
構成5〜構成8の何れかに於いて、
前記状態推定手段は、時系列の任意の時点の任意の健康ランクが指定されると、各時点の最尤の状態を推定されている前記複数の時系列健診データに関し、当該指定時点の推定状態を当該指定健康ランクに対応する指定状態にそれぞれ設定し、該設定した制約下で当該指定時点以後の時系列健診データに前記隠れマルコフモデルをそれぞれ適用して当該指定時点以後の各時点の最尤の状態を再度推定し、
前記健康ランク予測手段は、再度の推定後の当該指定時点以後の各時点の状態に基づいて当該指定時点以後の健康ランクを予測する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
時系列の任意の時点や任意の健康ランクは、例えば、入力画面上で所望の時点や健康ランクを指定することにより、入力して指定することができる。
[10]構成10
構成5〜構成8の何れかに於いて、
時系列の任意の時点の任意の健康ランクが指定されると、前記状態推定手段により最尤の状態を推定された中から、当該指定時点の最尤の状態が当該指定健康ランクに対応する状態に合致する時系列健診データを抽出する再抽出手段を更に有し、
前記健康ランク予測手段は、前記再抽出手段により抽出された時系列健診データに基づいて当該指定時点以後の健康ランクを予測する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
[11]構成11
構成10に於いて、
前記再抽出手段は、当該指定時点の最尤の状態が当該指定健康ランクに対応する状態に合致する所定数の時系列健診データを抽出する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
類似データ抽出手段により抽出されていた複数の時系列健診データから再抽出手段が当初に抽出した時系列健診データの数が、上記所定数に達しない場合は、再抽出手段からの指示により類似データ抽出手段が更に時系列健診データを抽出し、当該更に抽出した時系列健診データについて状態推定手段が各時点の最尤の状態を推定し、それについて再抽出手段が合致する時系列健診データか否かを調べて合致する場合に抽出する処理を行い、これらの処理を、抽出数が上記所定数に達するまで実行することとなる。
[12]構成12
構成10又は構成11に於いて、
前記健康ランク予測手段は、前記再抽出手段により抽出された時系列健診データに関して前記状態推定手段により推定されている各時点の最尤の状態に基づいて、当該指定時点以後の健康ランクを予測する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
[13]構成13
構成10又は構成11に於いて、
前記状態推定手段は、前記再抽出手段により抽出された時系列健診データに関し、当該指定時点以後の時系列健診データに前記隠れマルコフモデルをそれぞれ適用して当該指定時点以後の各時点の最尤の状態を再度推定し、
前記健康ランク予測手段は、再度の推定後の当該指定時点以後の各時点の状態に基づいて当該指定時点以後の健康ランクを予測する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
[14]構成14
構成1に於いて、
前記所定項目から成る健診データは、BMI、SBP、中性脂肪の各検査値を少なくとも有する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
[15]構成15
構成1に於いて、
前記所定項目から成る健診データは、BMI、SBP、ヘマトクリット、血小板、GOT、総コレステロール、中性脂肪、随時血糖の各検査値であり、
前記類似データ抽出手段は、ユークリッド距離の近い検査値ベクトルを持つ時系列の健診データを抽出する、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
[16]構成16
コンピュータを、構成1〜構成15の何れかの医療情報処理装置として機能させるためのプログラム。
構成1は、所定項目から成り健診者毎に時系列である時系列健診データを学習データとして用いて構築された隠れマルコフモデルを保持するHMM保持手段と、予測対象者の健診データを前記隠れマルコフモデルの構築に用いた学習データと同じ母集団に属する時系列健診データと比較して当該予測対象者の健診データとの距離が近い健診データを持つ時系列健診データを抽出する類似データ抽出手段と、前記類似データ抽出手段により抽出した時系列健診データに前記HMM保持手段が持つ隠れマルコフモデルを適用して少なくとも予測対象時点の最尤の状態を推定する状態推定手段と、前記状態推定手段により推定した予測対象時点の状態に基づいて当該予測対象者の予測対象時点の健康ランクを予測する健康ランク予測手段とを有する医療情報処理装置であるため、予測対象者の1回の健診データから、少なくとも予測対象時点の健康状態を、精度よく予測することができる。
構成2は、予測対象者の1回の健診データから、将来の各時点の健康状態や推移を、精度よく予測することができる。
構成3は、例えば8年分から6年分を抜き出す場合に於いて、39才〜46才の健診データを持つ場合であれば、41才〜46才の健診データを抜き出すことにより、その健診データを、40才台の母集団内のデータとして用いることができる。
構成4は、予測対象者の1回の健診データから、予測対象時点の健康ランクを精度良く予測することができる。
構成5は、所定項目から成り健診者毎に時系列である時系列健診データを学習データとして用いて構築された隠れマルコフモデルを保持するHMM保持手段と、予測対象者の健診データを前記隠れマルコフモデルの構築に用いた学習データと同じ母集団に属する時系列健診データと比較して当該予測対象者の健診データとの距離が近い健診データを時系列の所定の時点に持つ複数の時系列健診データを抽出する類似データ抽出手段と、前記類似データ抽出手段により抽出した複数の時系列健診データに前記HMM保持手段が持つ隠れマルコフモデルをそれぞれ適用して前記所定の時点以後の各時点の最尤の状態をそれぞれ推定する状態推定手段と、前記状態推定手段によりそれぞれ推定した前記所定の時点以後の各時点の最尤の状態に基づいて当該予測対象者の少なくとも予測対象時点の健康ランクを予測する健康ランク予測手段とを有する医療情報処理装置であるため、予測対象者の1回の健診データから、少なくとも予測対象時点の健康状態を、精度よく予測する具体的手法を与えることができる効果がある。
構成6は、時系列健診データを具体的に与えることができる効果がある。
構成7は、健康ランクを予測する手法を、具体的に与えることができる効果がある。
構成8は、健康ランクを予測する手法を、構成7よりも、更に具体的に与えることができる効果がある。
構成9は、構成5〜構成8の何れかに於いて、前記状態推定手段は時系列の任意の時点の任意の健康ランクが指定されると各時点の最尤の状態を推定されている前記複数の時系列健診データに関し当該指定時点の推定状態を当該指定健康ランクに対応する指定状態にそれぞれ設定し該設定した制約下で当該指定時点以後の時系列健診データに前記隠れマルコフモデルをそれぞれ適用して当該指定時点以後の各時点の最尤の状態を再度推定し、前記健康ランク予測手段は再度の推定後の当該指定時点以後の各時点の状態に基づいて当該指定時点以後の健康ランクを予測する医療情報処理装置であるため、任意の時点の健康ランクが改善/悪化した場合に於ける当該任意の時点以後を予測することができる。
構成10は、構成5〜構成8の何れかに於いて、時系列の任意の時点の任意の健康ランクが指定されると前記状態推定手段により最尤の状態を推定された中から当該指定時点の最尤の状態が当該指定健康ランクに対応する状態に合致する時系列健診データを抽出する再抽出手段を更に有し、前記健康ランク予測手段は前記再抽出手段により抽出された時系列健診データに基づいて当該指定時点以後の健康ランクを予測する医療情報処理装置であるため、任意の時点の健康ランクが改善/悪化した場合に於ける当該任意の時点以後を、構成9とは異なる手法により予測することができる。
構成11は、構成10の効果を奏する具体的な手法を与えることができる。
構成12は、構成10の効果を奏する、構成11とは異なる具体的な手法を与えることができる。
構成13は、構成10の効果を奏する、構成11や12とは異なる具体的な手法を与えることができる。
構成14は、構成1に於いて、前記所定項目から成る健診データは、BMI、SBP、中性脂肪の各検査値を少なくとも有する医療情報処理装置であるため、検査項目の具体例を与えることができる。
構成15は、構成1に於いて、前記所定項目から成る健診データは、BMI、SBP、ヘマトクリット、血小板、GOT、総コレステロール、中性脂肪、随時血糖の各検査値であり、前記類似データ抽出手段はユークリッド距離の近い検査値ベクトルを持つ時系列の健診データを抽出する医療情報処理装置であるため、検査項目の具体例として検査項目の系統(体格,血圧,血液,肝機能,脂質,血糖等)を考慮した適切な項目を与えることができるとともに、類似データ抽出の具体的手法を与えることができる。
構成16は、コンピュータを、構成1〜15の医療情報処理装置として機能させるためのプログラムを提供することができる。
実施の形態の医療情報処理装置により予測対象者の将来の健康状態の推移を予測する手順の概要を示す説明図。 実施の形態の医療情報処理装置により予測対象者の将来の健康状態の推移を予測するための入力画面兼予測結果を表示する表示画面を例示する説明図。 実施の形態の医療情報処理装置の構成を示すブロック図。 実施の形態の医療情報処理装置により予測対象者の将来の健康状態の推移を予測する手順を詳細に示すフローチャート。 健診データベース111の説明図であり、(a)はデータ構成、(b)は予測対象者のデータ構成、(c)は時系列健診データを示す。 HMMの構造に於ける状態1〜6での総合判定の割合の説明図。 治療無し群と、治療(高血圧症,脂質異常症,糖尿病)群に関する、HMM上での状態1〜6間での遷移数の集計結果を示す説明図。 30代男性の学習により構築したHMMの各状態が持つ平均ベクトルと分散の説明図(a)と、遷移確率の説明図(b)。 40代男性の学習により構築したHMMの各状態が持つ平均ベクトルと分散の説明図(a)と、遷移確率の説明図(b)。 50代男性の学習により構築したHMMの各状態が持つ平均ベクトルと分散の説明図(a)と、遷移確率の説明図(b)。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態の医療情報処理は、図3に示す構成のコンピュータシステムに於いて実現される。即ち、制御装置10がROM13や必要に応じて記憶装置11から所定のプログラムを読み出して、図4に示す手順を実行することにより、実現される。
ハードディスク及び/又はSSD等で構成される記憶装置11には、統計処理可能な量のデータを持つ健診データベース111が設けられている。また、記憶装置11には、健診データベース111から年代別・性別に抽出した時系列健診データを学習データとして用いて構築した隠れマルコフモデル113が格納されている。
学習データ用の時系列健診データとしては、所定の母集団別に、所定の年数分を、所定件数づつ抽出したデータを用いた。例えば、30代男性、40代男性、50代男性等の母集団別に、第1年〜第6年分を、5000件づつ抽出したデータを用いた。また、健診データの検査項目としては、検査項目の系統(体格,血圧,血液,肝機能,脂質,血糖等)を考慮して、及び、HMMの学習に十分なように、8種の検査項目を採用した。即ち、Body Mass Index(BMI)、収縮期血圧(SBP)、ヘマトクリット(Ht)、血小板(PLT)、GOT、総コレステロール(T・chol)、中性脂肪(TG)、血糖(随時)を採用した。母集団の区分けとして年齢・性別を採用した理由は、30代が健康なままで推移することが多いこと、40代を境として生活習慣病のリスクが増加する傾向があること、50代に於いて重篤な疾病に対する罹患率が上昇する傾向があること、等を考慮したものである。
健診データベース111には、図5(a)に例示するように、健診者(健診者ID)及び健診年次にそれぞれ対応付けて、上記8種の検査項目を含む15種の検査項目の検査値が格納されている(少なくとも上記8種の検査項目の検査値は必須)とともに、同様に健診者(健診者ID)及び健診年次にそれぞれ対応付けて、AGE(年齢)、及び、総合判定(健康状態レベル;A,B,C,D1,D2の5段階のレベルの何れか一つ)が格納されている。ここで、総合判定(健康状態レベル)は、人間ドック学会のガイドラインを参照し、各検査項目の検査値データに基づいて決定・付与したものである。具体的には、検査値が正常範囲を逸脱した検査項目の有無、どの検査項目の検査値が正常範囲を逸脱したか、逸脱の度合いの大小、正常範囲を逸脱した検査項目の数等を総合的に考慮して決定したものである。
制御装置10は、CPU等を備えた公知の構成を成す。
図3の例では記憶装置(ハードディスク及び/又はSSD)11は制御装置10に接続されているが、例えば、LAN20等を介して接続されていてもよい。また、入力装置15としても、図示のキーボード・マウスに限定されず、例えば、ICカード等の記録媒体に記録された健診結果を読み取って健診データベース111に蓄積等する構成や、LAN20(更にはインターネット)を介して入力される健診結果を健診データベース111に蓄積等する構成でもよい。また、表示された入力画面からの接触等による入力であってもよい。予測対象者(将来の健康状態を評価する対象者)のデータ入力に関しても同様である。また、出力装置(表示装置16やプリンタ17等)に関しても同様である。要は、図4の手順を実行することにより本発明の機能を実現できる構成であれば、ハードウェアの構成は任意である。
隠れマルコフモデル113は、健診データベース111内に存する年代別・性別に区分可能な各母集団から、各々5000人分づつ前記8検査項目について抽出した、時系列健診データを学習データとし、ケンブリッジ大学で開発されたHMMの学習・認識用のツール(HTK;Hidden Markov Model Toolkit )を用いて構築した。このHMMの構造としては、図1内下右に示すように、1〜6の6個の状態が2×3(3行2列)に配置された構造を採用した。この構造で表現されるパスでは、開始から終了までに2〜4回の状態遷移があることから、学習データの時系列成分(6年間の検査結果)に十分に対応できると考えられる。遷移については、自己ループ(同じ状態への遷移)及び各行内の遷移(状態1から2,3から4,5から6)に加えて、行の異なる状態への遷移として、状態1から3と5、状態3から1と5、状態5から1と3への遷移、及び、状態2から4と6、状態4から2と6、状態6から4と2への遷移を可能とした。また、学習を開始する際の初期設定は、全ての状態の特徴ベクトルと遷移確率が一様なモデルとした。なお、学習のアルゴリズムとしては、Baum−Welchアルゴリズムを用いた。
学習の結果として得られた年代別・性別の各隠れマルコフモデルの状態1〜6が持つ平均特徴ベクトルと分散を、30代男性、40代男性、50代男性について、それぞれ、図8の上段、図9の上段、図10の上段に示し、状態間の遷移確率を、それぞれ、図8の下段、図9の下段、図10の下段に示す。図示のように、平均特徴ベクトルは、BMI、SBP、及び、TGの値の差が、或る特定の状態間で大きく変化している。例えば、40代男性(図9の上段)では、BMIの値が、状態1と2では正常値であるのに対して、状態3と4では正常値の範囲内で且つ上限値付近、状態5と6では正常値の範囲を逸脱している。これより、BMI、SBP、及び、TGを併せて比較することで、状態1と2を「健康」、状態3と4を「要注意」、状態5と6を「要精検(発症)」という3種類の健康ランクに区分できた。
HMMの学習に用いた健診データには、前述のように、総合判定レベル(健康状態レベル;A,B,C,D1,D2の何れか)が対応付けられている。これを用いて、状態毎に総合判定レベルの割合を集計したところ、図6のように、状態1と2ではレベルAとBの割合が多く、状態3と4ではレベルCの割合が多く、状態5と6ではレベルD1とD2の割合が多い傾向が見られた。この結果は、BMI、SBP、及び、TGに基づいて状態を3種類の健康ランクに区分した上述の結果と良好に合致している。
生活習慣病である「高血圧症」「脂質異常症」「糖尿病」の各疾病について、健診データに付随している既往歴・現病歴欄のテキストを参照して、初回受診時「特になし」であっものが、終回受診時「治療中」に変化したデータ(以下「治療群」)の遷移系列を算出した。具体的には、HMMの学習に使用しなかった男性の40代と50代の各3000人から、高血圧症の「治療群」をランダムに30人抽出した。なお、「脂質異常症」と「糖尿病」については「治療中」の記述のあるデータが30人に満たなかったため、各10人のデータに対して算出を行った。また、比較のため、初回と終回のデータがともに「特になし」であったデータ(以下「治療無し群」)も、同様に30人を抽出した。遷移系列の算出には、HTK(Hidden Markov Model Toolkit )に含まれるビタビアルゴリズムによる計算ツールを使用した。結果を図7に示す。図示のように、上記の生活習慣病の治療中であれば、BMI、SBP、及び、TGの値の高い状態を遷移する確率が高いことが分かる。これより、生活習慣病のリスクを求める根拠として、HMMに於ける状態遷移を利用できると考えられる。
図4に即して、実施の形態の装置の機能を実現する手順を説明する。
まず、予測対象者の健診データを取り込む(S01)。健診データベース111の既記録のデータを指定することにより取り込んでもよく、入力装置15から健診データを入力することにより取り込んでもよく、LAN20を介しての入力でもよい。この健診デーは1回分の健診データであり、BMI、SBP、Ht、PLT、GOT、T・chol、TG、血糖(随時)の各項目の検査値である。
次に、予測対象者の検査値ベクトルと距離(ユークリッド距離)の近い検査値ベクトルを6年分の時系列の先頭に持つ時系列健診データを、健診データベース111内の予測対象者と同じ母集団から抽出して、距離の近い順に、K個(例:10個)、取得する(S03)。予測対象者と同じ母集団とは、予測対象者が30代男性であれば、健診データベース111内の30代男性の時系列健診データの中から抽出することを意味する。予測対象者と同じ母集団に属するのであれば、HMMの構築時に学習データとして用いたデータであってもよく、用いなかったデータであってもよい。なお、ここではユークリッド距離を用いたが、類似度の評価に用いられる他の公知の距離を用いてもよい。また、抽出数は10個より多くてもよく、少なくてもよい。多い方が精度が向上すると考えられる。
次に、ステップS03で取得した10個の時系列健診データに、該当する隠れマルコフモデルを適用して、それぞれ、時系列内各時点の最尤の状態を求める(S05)。該当する隠れマルコフモデルとは、例えば、予測対象者が30代男性であり、したがって、ステップS03で抽出した時系列健診データも30代男性の場合、30代男性の時系列健診データを学習データとして構築した隠れマルコフモデルのことを意味する。
時系列内各時点の最尤の状態を通る経路、即ち、遷移パスは、ビタビアルゴリズム(Viterbi Algorithm)を用いて求める。本実施の形態では、先述したように、状態1〜6を2×3(3行2列)に配置した構造を採用し、各状態に「健康」「要注意」「要精検(発症)」の何れかのラベルを付している。したがって、ステップS03で取得した10個の時系列健診データの各々の遷移パスを求めることにより、10個の時系列健診データの各々が、時系列の各時点で「健康」「要注意」「要精検(発症)」の何れであったかを求めることができる。また、これを用いることにより、時系列の各時点に於いて、10個の時系列健診データが占めた「健康」「要注意」「要精検(発症)」の割合を求める(S07)こともできる。例えば、時系列の第3年次(2年後)に於いて、状態1又は2(健康)を6個の時系列健診データが通り、状態3又は4(要注意)を3個の時系列健診データが通り、状態5又は6(要精検(発症))を1個の時系列健診データが通った場合、図2に例示するように、晴=健康が60%、曇=要注意が30%、雨=要精検が10%のように、割合を求めることができる。
こうして、時系列の各時点での「健康」「要注意」「要精検(発症)」の割合が求まると、各時点での健康に関する情報として、出力装置16に、図2に例示するように画面表示する(S09)。図2の例では、2年後に於いて、晴60%、曇30%、雨10%と表示されているが、これは、ステップS03で抽出した10個の時系列健診データが、時系列の第3年次に於いて、6個が「健康=状態1又は2」を通り、3個が「要注意=状態3又は4」を通り、1個が「要精検(発症)」を通ったためであることは、上述した通りである。
このように、本実施の形態では、予測対象者の健診データ(1回の健診データ)に類似している健診データを時系列の第1年次に持つ時系列健診データをK(例:10)個抽出し、それらにHMMを適用して状態遷移の最尤パスをそれぞれ求め、最尤パスが通る各時点の状態に対応する健康ランクに変換して健康ランク別にまとめ、各時点に於いて割合の高い健康ランクをそれぞれ当該時点の健康ランクとし、これに基づいて予測対象者の将来の健康ランク(可能性の高い健康ランク)の推移を予測するため、予測対象者の健診データが1回分であるにもかかわらず、精度良く、将来の健康状態とその推移を予測することができる。なお、本例では類似している健診データを時系列の第1年次に持つ時系列健診データを抽出しているが、第2年次に持つ時系列健診データを抽出する場合は、第2年次以降について同様に処理可能である。そのようにすると、例えば、10年分の連続する健診データであって30代〜40代に渡るデータが在る場合、その中から40代の6年分を抽出候補として採用することも可能である。
次に、将来の或る年次(例:第3年次(2年後))に仮定のデータを与えて、健康ランクがどのように改善され/悪化するかを予測する手法を説明する。
例えば、現状の予測では第3年次(2年後)に「要注意」であるものを、第3年次までに生活習慣を正す等して「健康」に改善できた場合に、第3年次以降の各時点の健康ランクが現状の予測からどのように変化するかを知りたい場合がある。
このような要望に応える手法である。
仮定のデータの入力は、例えば、図2の画面(入力機能を備えた画面)に於いて、所望の年次の所望の健康ランクをクリック等することにより行い得るものとする。例えば、現状の予測では或る年次の健康ランクが「曇=要注意」だった場合に、当該或る年次の健康ランクを「晴=健康」にドラッグ等することにより、行い得るものとする。
入力装置からの年次と健康ランクの指定に応答して、当該年次以降の各年次の状態を推定して健康ランクを求める手法は、以下の通りである。
(1)構成9に対応する手法
予測対象者の健診データと類似するとして抽出され各時点の最尤の状態が推定されているK個の時系列健診データについて、指定された年次(指定時点)の状態を、指定された健康ランクに対応する状態に強制的に設定し、該設定した制約下で指定時点以後の各時点の最尤の状態をHMMを用いて求め直し、それを用いて、指定時点以後の健康ランクを予測する手法である。
15人の時系列健診データを用いて以下の如く実験を行って精度を評価した。この15人としては、HMM構築の学習に用いなかった15人を採用した。
まず、15人の各時系列データに、それぞれ、該当する母集団に基づくHMMを適用して、各時点について最尤の状態を求めて遷移パスを構成し、当該15人の正解とした。つまり、精度評価の基準とした。
次に、上記15人について、それぞれ、類似するK個(例:50個)の時系列健診データを抽出した。即ち、15人それぞれの先頭時点の健診データとのユークリッド距離の近い健診データを先頭時点の健診データとして持つ時系列健診データを、それぞれ、K個づつ抽出した。また、抽出したK個の時系列健診データにそれぞれHMMを適用して、各時点の最尤の状態を求め、それから各時点の健康ランクを求める処理を、15人それぞれについて実行した。
次に、指定された時点の健康ランクを、指定されたランクに変更し、該変更したランクに対応する状態を、当該指定時点の状態として設定した。健康ランクに対応する状態はそれぞれ2状態づつ在るため、ここでは等分した。
次に、上記のように指定時点の状態を設定した制約下で、K個の時系列健診データそれぞれについて、指定時点以後の各時点の最尤の状態をHMMを用いて求め直し、それらを用いて指定時点以後の健康ランクを予測した。予測結果を、先述の正解(予測対象者の時系列データに基づく各時点の最尤の状態)と比較したところ、精度は良好であった。
(2)構成10〜13に対応する手法
予測対象者の健診データと類似するとして抽出され各時点の最尤の状態が推定されているK個の時系列健診データについて、指定された年次(指定時点)の状態が、指定された健康ランクに対応する状態である時系列健診データを抽出し、該抽出した時系列健診データに基づいて、指定時点以後の健康ランクを予測する手法である。
15人の時系列健診データの採用、それらの正解については、前述の「(1)構成9に対応する手法」と同様である。
まず、K個(例:50個)の時系列健診データの中から、指定時点の状態が、指定された健康ランクに対応する状態である時系列健診データを、所定数個(例:10個)、抽出する処理を、15人それぞれについて行った。
なお、抽出数が所定数個(例:10個)に達しなかった場合は、当初のK個(例:50個)の範囲を、順に、K+1個、K+2個、、、、と拡大し、所定数個(例:10個)を抽出した。
次に、抽出した所定数個(例:10個)について、指定時点以後の健康ランクを予測した。ここでは、下記(a)又は(b)の手法で予測した。
(a)構成12に対応する手法
予測対象者の健診データと類似するとして抽出され各時点の最尤の状態が推定されているK個の中から抽出された所定数個(例:10個)の時系列健診データの指定時点以後の各時点の最尤の状態に基づいて、例えば、指定時点以後の各時点の最尤の状態をそのまま用いて変換した健康ランクにより、指定時点以後を予測する手法である。
予測結果を、先述の正解(予測対象者の時系列データに基づく各時点の最尤の状態)と比較したところ、良好な精度を得られた。
(b)構成13に対応する手法
予測対象者の健診データと類似するとして抽出され各時点の最尤の状態が推定されているK個の中から抽出された所定数個(例:10個)の時系列健診データの指定時点以後について、HMMを適用して、最尤の状態を求め直し、それに基づいて、指定時点以後を予測する手法である。
予測結果を、先述の正解(予測対象者の時系列データに基づく各時点の最尤の状態)と比較したところ、良好な精度を得られた。
(3)その他の手法−1
予測対象者の健診データと類似するとして抽出され各時点の最尤の状態が推定されているK個の時系列健診データを、最尤パスが、指定時点に於いて指定健康ランクに該当するものと、指定時点に於いて指定健康ランクに該当しないものとに区分し、該当するものについては従前の最尤パスをそのまま用い、該当しないものについては指定時点の検査値の各成分を指定健康ランクの状態の平均検査値ベクトルの成分に変換して該変換後の検査値を用いて最尤パスを再度推定し、該当するものの従前の最尤パスと、該当しないものの再推定後の最尤パスとを用いて、指定時点以後の健康ランクを予測するものである。健康ランクに対応する状態はそれぞれ2個づつあるため、平均検査値ベクトルとして何れの状態の平均検査値ベクトルを採用するかを決めなければならない。例えば、両方の状態を採用して、それぞれに1/2の重みを付ける等してもよい。
(4)その他の手法−2
年次と検査値ベクトル(成分)が指定された場合の手法である。即ち、予測対象者の健診データと類似するとして抽出され各時点の最尤の状態が推定されているK個の時系列健診データについて、指定時点の検査値を、指定された検査値に変換し、変換後の各時系列健診データについて再度最尤パスを求めて、それに基づいて、指定時点以後の健康ランクを予測するものである。なお、各検査項目全てが指定されなくてもよい。指定されない検査項目については従前の検査値を用いるようにしてよい。
本発明は、健診データを対象とした将来リスクを予測するものであるが、複数項目から成るデータを入力として、何らかの予測や、データベースから知識を抽出するデータマイニングを行うような分野には、同様に適用できる。一例として、電子カルテデータベースを用いて特定の疾病の発症から治癒までを抽出する「プロセスマイニング」に於いて、電子カルテデータから取り出した単語情報をベクトル化し、本発明と同様の思想を適用することで、入力した電子カルテデータから疾病の現在ないし将来の重症度を推定したり、適切な治療のための支援を行ったりすることが考えられる。
10 制御装置(CPUを備える)
11 記憶装置(ハードディスク等)
111 健診データベース
113 隠れマルコフモデル
12 記憶装置(RAM)
13 記憶装置(ROM)
15 入力装置(キーボード,マウス等)
16 表示装置
17 プリンタ
20 LAN

Claims (16)

  1. 所定項目から成り健診者毎に時系列である時系列健診データを学習データとして用いて構築された隠れマルコフモデルを保持するHMM保持手段と、
    予測対象者の健診データを、前記隠れマルコフモデルの構築に用いた学習データと同じ母集団に属する時系列健診データと比較して、当該予測対象者の健診データとの距離が近い健診データを持つ時系列健診データを抽出する類似データ抽出手段と、
    前記類似データ抽出手段により抽出した時系列健診データに、前記HMM保持手段が持つ隠れマルコフモデルを適用して、少なくとも予測対象時点の最尤の状態を推定する状態推定手段と、
    前記状態推定手段により推定した予測対象時点の状態に基づいて、当該予測対象者の予測対象時点の健康ランクを予測する健康ランク予測手段と、
    を有することを特徴とする医療情報処理装置。
  2. 請求項1に於いて、
    前記状態推定手段は、時系列の各時点の状態を推定し、
    前記健康ランク予測手段は、前記状態推定手段により推定した各時点の最尤の状態に基づいて、当該予測対象者の各時点の健康ランクを予測する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  3. 請求項1に於いて、
    前記類似データ抽出手段は、予測対象者の健診データとの距離が近い健診データを時系列の所定の時点に持つ時系列健診データを抽出する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  4. 請求項3に於いて、
    前記状態推定手段は、前記所定の時点から予測対象時点までの各時点の最尤の状態を推定し、
    前記健康ランク予測手段は、前記状態推定手段により推定した前記所定の時点から予測対象時点までの各時点の最尤の状態に基づいて、当該予測対象者の予測対象時点の健康ランクを予測する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  5. 所定項目から成り健診者毎に時系列である時系列健診データを学習データとして用いて構築された隠れマルコフモデルを保持するHMM保持手段と、
    予測対象者の健診データを、前記隠れマルコフモデルの構築に用いた学習データと同じ母集団に属する時系列健診データと比較して、当該予測対象者の健診データとの距離が近い健診データを時系列の所定の時点に持つ複数の時系列健診データを抽出する類似データ抽出手段と、
    前記類似データ抽出手段により抽出した複数の時系列健診データに、前記HMM保持手段が持つ隠れマルコフモデルをそれぞれ適用して、前記所定の時点以後の各時点の最尤の状態をそれぞれ推定する状態推定手段と、
    前記状態推定手段によりそれぞれ推定した前記所定の時点以後の各時点の最尤の状態に基づいて、当該予測対象者の少なくとも予測対象時点の健康ランクを予測する健康ランク予測手段と、
    を有することを特徴とする医療情報処理装置。
  6. 請求項5に於いて、
    前記時系列の所定の時点は時系列の先頭時点である、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  7. 請求項5又は請求項6に於いて、
    前記健康ランク予測手段は、前記複数の時系列健診データについて前記状態推定手段がそれぞれ最尤の状態を推定した前記所定の時点以後の各時点に関し、同一時点についての種々の状態が占める割合に基づいて当該同一時点の健康ランクを予測する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  8. 請求項7に於いて、
    各健康ランクには1又は2以上の状態が重複無く対応付けられており、
    前記健康ランク予測手段は、同一時点についての種々の状態に対応する健康ランクが占める割合に基づいて当該同一時点の健康ランクを予測する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  9. 請求項5〜請求項8の何れかに於いて、
    前記状態推定手段は、時系列の任意の時点の任意の健康ランクが指定されると、各時点の最尤の状態を推定されている前記複数の時系列健診データに関し、当該指定時点の推定状態を当該指定健康ランクに対応する指定状態にそれぞれ設定し、該設定した制約下で当該指定時点以後の時系列健診データに前記隠れマルコフモデルをそれぞれ適用して当該指定時点以後の各時点の最尤の状態を再度推定し、
    前記健康ランク予測手段は、再度の推定後の当該指定時点以後の各時点の状態に基づいて当該指定時点以後の健康ランクを予測する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  10. 請求項5〜請求項8の何れかに於いて、
    時系列の任意の時点の任意の健康ランクが指定されると、前記状態推定手段により最尤の状態を推定された中から、当該指定時点の最尤の状態が当該指定健康ランクに対応する状態に合致する時系列健診データを抽出する再抽出手段を更に有し、
    前記健康ランク予測手段は、前記再抽出手段により抽出された時系列健診データに基づいて当該指定時点以後の健康ランクを予測する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  11. 請求項10に於いて、
    前記再抽出手段は、当該指定時点の最尤の状態が当該指定健康ランクに対応する状態に合致する所定数の時系列健診データを抽出する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  12. 請求項10又は請求項11に於いて、
    前記健康ランク予測手段は、前記再抽出手段により抽出された時系列健診データに関して前記状態推定手段により推定されている各時点の最尤の状態に基づいて、当該指定時点以後の健康ランクを予測する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  13. 請求項10又は請求項11に於いて、
    前記状態推定手段は、前記再抽出手段により抽出された時系列健診データに関し、当該指定時点以後の時系列健診データに前記隠れマルコフモデルをそれぞれ適用して当該指定時点以後の各時点の最尤の状態を再度推定し、
    前記健康ランク予測手段は、再度の推定後の当該指定時点以後の各時点の状態に基づいて当該指定時点以後の健康ランクを予測する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  14. 請求項1に於いて、
    前記所定項目から成る健診データは、BMI、SBP、中性脂肪の各検査値を少なくとも有する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  15. 請求項1に於いて、
    前記所定項目から成る健診データは、BMI、SBP、ヘマトクリット、血小板、GOT、総コレステロール、中性脂肪、随時血糖の各検査値であり、
    前記類似データ抽出手段は、ユークリッド距離の近い検査値ベクトルを持つ時系列の健診データを抽出する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  16. コンピュータを、請求項1〜請求項15の何れかの医療情報処理装置として機能させるためのプログラム。
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