JP2014143011A - イオン注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミニマルファブ生産システムに組み込み可能なイオン注入装置。
【解決手段】
イオンを発生させるイオン発生器23と、イオン発生器からイオンを引き出す前段加速と、前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離するExB型質量分離器28と、ExB型質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器30と、XY偏向器によってスキャンされたイオンビームAをウェハ33まで加速する後段加速器と、ターゲット33を載置するウェハステージ34と、それらを収納するビームライン真空容器50とを有し、ビームライン真空容器を接地電位とするとともに、イオン発生器からXY偏向器までのイオンビーム制御を低エネルギー領域で行い、後段加速器によるイオンビーム制御をターゲットに印加する負の高電圧で行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、いわゆるミニマルファブ生産システムに用いられるイオン注入装置に関する。
現在、半導体デバイスなどの製造システムとして、0.5インチサイズ(ハーフインチサイズ。正確には、直径12.5mm)のウェハに1個のデバイスを作成することを基本とし、そのために製造工程を複数の可搬性の単位処理装置で構成して、それら単位処理装置をフローショップやジョブショップ等に再配置することを容易にすることで、少量生産でかつ多品種生産に適切に対応することができるようにするミニマルファブ生産システムが本出願人より提案されている。(特許文献1)
現状の半導体製造システムは、ウェハの大口径化(12インチ〜)に伴い、装置自体が大型化・高コスト化し、最新の半導体工場(メガファブ生産システム)を立ち上げるには3000〜5000億円もの巨額の投資資金が必要であるとされている。また、大口径のウェハを用いるシステムは大量生産には効率的であるが、その装置を多品種少量生産に向けて稼働すると、稼働率等の課題から、ユーザが必要とする個数の1個あたりの製造コストが非常に高くなってしまう。
これに対し、このミニマルファブ生産システムでは、0.5インチ程度の極めて小径のウェハが処理対象であり、現状の半導体製造システムに比べ1/1000程度の極めて小さな設備投資額で済むと期待されており、また運転コストが低いなどのため多品種少量生産に適した生産システムとなることが期待されている。
このミニマルファブ生産システムでは、外形形状が規格化された単位処理装置が用いられる。
この単位処理装置は、半導体製造装置の処理工程における個々の処理(特許文献1では、これを「単一処理」と定義している。)の一つを担うものであり、例えばウェハ洗浄装置であり、レジスト塗布装置であり、ウェハ露光装置であり、現像装置であり、またイオン注入装置であったりする。そして、これらの単位処理装置が半導体製造のレシピ順(処理フロー順)に並べられる。ワークであるウェハは、並べられたそれら単位処理装置間を順に搬送され、各単位処理装置において該当する処理が順に施されるのである。
したがって、この単位処理装置は、レシピが変更されるたびにそのレシピに合わせて配置位置を自在にアレンジすることが可能なように、しかも、配置を変更した際に予め作業フロア上の規定の位置に規則正しく並置された供給系や排水系、給電系等と接続が可能なように、人が運べる程度の可搬式でかつ規格化された大きさとされている。
この単位処理装置の大きさは、幅 0.30m × 奥行0.45m× 高さ 1.44mの外形寸法とされており、それ自体極めて小さいばかりか、半導体製造レシピに従って60個並べたとしても、その占有床面積は、既存の12インチの半導体製造装置と比較して小さいものとされている。
また、このミニマルファブ生産システムのもう1つの特徴は、ワークであるウェハが、外気から遮断された独自の密閉搬送システムによって、単位処理装置間を搬送される生産システムとされていることである。したがって、それぞれの単位処理装置内の所定の処理空間のみが、外気と遮断された必要な処理雰囲気、例えば、クリーンルーム空間や真空状態空間などとされていることで十分であり、単位処理装置自体をクリーンルーム内に配置する必要が無い。これは、半導体処理装置自体が巨大なクリーンルーム内に配置されている既存の半導体製造システムとは、基本的に異なる点である。
したがって、このミニマルファブ生産システムでは、装置をクリーンルーム内に配置する必要がないので、作業員はクリーンルーム内での作業を強いられることなく、通常の作業環境の中で作業することができる。また巨大なクリーンルーム空間を作る必要がないので、省エネルギーともなっている。
このように、ミニマルファブ生産システムは、従来装置を単に小型にしただけの生産システムではなく、革新的な次世代生産システムとして注目されている。
現在の半導体製造システムでは、イオン注入装置は必要不可欠な装置である。
しかし、既存のイオン注入装置は、イオンビームの発生やその制御に高電圧や強い磁場を用いているため、ウェハサイズに関係なく装置が大型となることを免れない。
実際、研究開発用の比較的小型の装置であっても、その大きさは数m以上有り、製造ラインに組み込まれている大口径ウェハ用のものはさらに大型である。代表的な中電流型イオン注入装置であっても、本体だけで3m×7m以上の床面積を占め、価格は10億円程で、更に多くの付帯設備を必要としている。このように、既存のイオン注入装置は、ミニマルファブ生産システムに組み込むには、あまりにも大きくかつ高価である。
このような既存のイオン注入装置の例を図1に示す。
まず、ガス供給系2からの原料ガスをイオン源3によりイオン化する。イオン源3は引出電極4対して正電位にバイアスされており、イオン化されたイオンは、イオン源3と引出電極4との間に印加された10〜100kVの加速電圧によりビームとして引き出され(前段加速器)、質量分離器8に入射される。
質量分離器8は特定の質量を持ったイオン種を分離するためのもので、イオン源3から出射した複数のイオン種を含んだイオンビームのうち、ウェハ(ターゲット12)に注入すべき特定のイオン種のみを選択する。ここで選択されたイオンビームは、後段加速器9により所定の注入エネルギーとなるように加速(または減速)される。この後段加速は、イオン源3から質量分離器8までのビームラインおよびその付帯設備を高電圧架台1上に配置し、この高電圧架台1全体を後段加速用高電圧電源5により接地電位に対して正の高電圧にバイアスすることによって行う。
注入エネルギーは、ウェハ(ターゲット12)内でどのような深さまでイオンの注入が必要かによって異なるが、例えば一般的なCMOSプロセスでは最大で〜200keV程度の高エネルギーのイオンビームを必要とする。このような高電圧加速にも対応するため、高電圧架台1は200kV以上の耐電圧を確保できるように絶縁される。また、イオン源3や質量分離器8等への電源供給は、入力―出力間に200kV以上の絶縁耐性を有する絶縁トランス6を介して行われる。
このように加速されたイオンビームは、ウェハ(ターゲット12)の全面をスキャニングするため、電場や磁場を印加するXY偏向器10によってXY方向に偏向される。
このような既存のイオン注入装置は、図1にも示すように全長が7m以上にもなる大型の装置である。
特開平2012−54414公報
既存のイオン注入装置がこのように大型である要因(ビーム長が長い要因)をまとめると、およそ次のとおりである。
(1)高電圧の絶縁のための空間が必要。
既存の装置構成では、イオン源3から加速管9まで、質量分離器8を含む多くの主要部品が100kV以上の高電圧になる。このため、これらを設置した高電圧架台1を絶縁するための空間、距離が必要であり、大気中では接地電位の装置外壁との間に30cm以上の空間をとる必要がある。
(2)大型の絶縁トランス6が必要。
高電圧架台1にあるイオン源3、質量分離器8等に必要な電力を供給するため、耐電圧の高い絶縁トランス6が必要となる。これは通常1m以上と大型であり、さらに高耐電圧、大電力であるほど大型となる。また、高電圧部に置かれたイオン源3、イオン源ガス供給系2、質量分離器8等の制御を行うには、光ファイバーあるいは制御棒などの制御方式を用いる必要があり、装置が複雑になる。
(3)質量分離器8が大型。
既存の大型装置では、大口径ウェハに対応するためmA程度の大電流イオンビームが用いられているが、この場合前段加速エネルギーは最低でも10keV以上であり、数keV以下の低エネルギー領域でのビーム輸送は行われない。これは低エネルギーの大電流イオンはイオン密度が高く、接近したイオンどうしの電荷の反発によりビームが発散しやすいため(これを空間電荷効果という。)、数m以上のビームラインを形成しようとしてもイオンビームが途中で発散してすぐに無くなってしまうからである。そのため、通常は30keV以上の高エネルギーでのビーム輸送が行われており、これに伴い質量分離器等、全てのコンポーネントが巨大化している。
質量分離は磁場による偏向により行われるが、通常1m以上の電磁石が用いられる。このように電磁石が大型になる理由は、前述のようにイオン引出、輸送エネルギーが30keV以上と高いので、磁場中のイオンビームの曲率半径を小さくできないためである。また、様々なイオン種の注入を行う装置では、コンタミネーションを防ぐために高い質量分解能(△m/q < 1)を必要とすることも質量分離器8を大型にしている理由である。
(4)イオン源3の大型化。
ウェハ大口径化に伴い大電流イオンビームが必要となり、そのためイオン源3も大型化している。
(5)XY走査のために長いビームパスが必要。
ウェハの全面に均一にイオンを注入するために、加速後にイオンビームのXY走査が行われる。イオンは後段加速後でエネルギーが高いために電場や磁場で曲がりにくい。そのために大口径ウェハ全面にビームを走査するためにはウェハまで長いビームパスをとる必要がある。
(6)ウェハ搬送機構が巨大化。
ウェハが大口径化したため、ウェハ導入、搬送ロボット等がウェハサイズに応じて大型化している。
以上の要因のうち、(4)〜(6)はウェハサイズが縮小すると小型化できることが予測されるが、その他は、イオン偏向の曲率半径や高電圧の絶縁耐性などの物理法則によって寸法が決まるので、ウェハサイズには無関係である。
以上で説明したように、ミニマルファブ生産システムで規格化された単位処理装置のサイズは幅 0.30m × 奥行0.45m× 高さ 1.44mであり、これは既存のイオン注入機で使われる質量分離器や絶縁のための空間の大きさよりも小さい。すなわち、既存のイオン注入方式では、ミニマルファブ生産システムに組み込む単位処理装置のサイズを実現することは不可能である。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、このようなミニマルファブ生産システムに組み込むことができる極めて小型のイオン注入装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、
イオンを発生させるイオン発生器と、前記イオン発生器からイオンを引き出す前段加速器と、前記前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離する質量分離器と、前記質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器と、前記XY偏向器によってスキャンされたイオンビームをウェハまで加速する後段加速器と、ターゲットを載置するウェハステージと、それらを収納するビームライン真空容器とを有し、前記質量分離を、永久磁石を用いた磁場と、該磁場と直交する電場の制御とにより行い、
前記イオン発生器から前記XY偏向器までのイオンビーム制御を、5keV以下の低エネルギー領域で行うとともに、前記後段加速器によるイオンビーム制御を、前記ビームライン真空容器を接地電位とし、前記ターゲットに印加する負の高電圧で行うことを特徴とするイオン注入装置とした。
ここで、「単位処理装置」とは、前述の従来例と同様、半導体製造装置の処理工程における個々の処理の一つ(つまり、レシピのなかの1つの処理)を担うもの、として定義する。
このように構成された本発明によれば、イオン発生器から質量分離器までのイオンビーム制御を低エネルギー領域で行うので、永久磁石を用いた電場・磁場直交(ExB)型ウィーンフィルターを用いることができ、質量分離器を小型化できる。
また、低エネルギー領域での制御が行われることから電場や磁場で曲がりやすいので、XY偏向器でのビームスキャンをより短いビームパスで行うことができる。
また、印加する電圧が数kV程度であることから、ビームライン真空容器内部の部品の絶縁が数mm程度で済むので、ビームライン真空容器内部に配置されるコンポーネントの小型化が可能となる。
さらに、ビーム輸送エネルギーが低いので、集束レンズやXY偏向などのビーム制御に必要な電圧も低くでき、そのための制御電源を小さくすることができる。
また、イオン発生器側を接地電位とし、ターゲットとなるウェハステージのみを高電圧とすることにより、高電圧の絶縁に必要な空間距離を極めて短くすることができる。
また、イオン発生器、ビームラインのコンポーネント、注入チェンバー等、大気側の部品を全て接地電位とすることができるので、単位処理装置筐体に対し密接して設置が可能となり、狭い筐体内であっても設置が可能となる。また大型の絶縁トランスや光通信機器等が不要になり、装置全体を小型化、低コスト化ができる。
また本発明は、イオン発生器からの引出し及びビーム収束、質量分離、XY偏向までのビーム輸送および制御をいずれも5keV以下、より望ましくは2keV以下の低エネルギー領域で行い、最後にターゲットとなるウェハに印加した電圧で後段加速を行うことにより注入エネルギー・注入深さを制御するので、後段加速段階においてイオンの減速の必要がなく、そのため、エネルギーコンタミネーションの心配がない。
また、イオン発生器からウェハまでのビームライン長さを極力短く、望ましくは0.5m以下とし、ビーム電流も〜μAと少ないことから、ビームの空間電荷効果は無視できるレベルであり、殆ど損失のない状態でイオンビームをウェハまで輸送することができる。また本発明は、単位処理装置を、1台につき1種類のイオン源ガスの使用だけに限定した単機能とする。更に、ミニマルファブ生産システムの量産ライン用の装置では、注入条件(イオン種、注入エネルギー)毎に専用に最適化された単機能のイオン注入装置とする。これにより、装置を一層小型化でき、安価にできるので、ミニマルファブ生産システムに好適なイオン注入装置とすることができる。
このように構成したことにより、本発明によるイオン注入装置は、イオン発生器からウェハまでのビームラインの長さを従来装置に比べて極めて短くすることができ、各構成部品を装置筐体に対して密接して配置することができるとともに、制御系も小型にできるので、ミニマルファブ生産システムにおける単位処理装置内に容易に組み込むことができる。
本発明によれば、イオン注入装置におけるイオン発生器からターゲットとなるウェハまでのビームライン長さを従来装置に比べて極めて短くすることができる等から、ミニマルファブ生産システムに好適なイオン注入装置を提供することができる。
既存のイオン注入装置の説明図。 本発明の実施の形態例に係るイオン注入装置の説明図。 本発明の実施の形態例に係る後段加速器側の形態例。 本発明の実施の形態例に係る後段加速器側の別の形態例。 本発明の実施の形態例に係るイオン注入装置を組み込んだ単位処理装置の説明図。 本発明の実施の形態例に係るExB型質量分離器によるアルゴンイオンビーム質量分離スペクトル分布図。 本発明の実施の形態例に係るイオン注入装置の外観斜視図。 必要とされるイオン注入条件の説明図
以下、本発明の実施の形態例を、図面を参照して説明する。
図5は、本発明の実施の形態例に係るイオン注入装置Sを組み込んだミニマルファブ生産システム用の単位処理装置Mの説明図(装置の側面側から内部を透視した図面)である。図7は、その斜視図である。
この単位処理装置Mは、前述したミニマルファブ生産システムにおけると同じ、外形が、幅(x) 0.30m × 奥行(y)0.45m× 高さ(z )1.44mとされており、その内部にイオン注入装置Sが配置されている。
単位処理装置Mは、イオン注入装置Sのビームライン等を収納する本体部Maと、真空ポンプ37や制御装置38等を収納する制御収納部Mbとを有している。また、単位処理装置Mの前部は、ウェハを単位処理装置本体部Ma内部へ搬送するための前室Mcとされている。なお、この前室Mcは、全ての単位処理装置Mに共通なものとして構成されている。
<ウェハ搬送系>
イオン注入装置Sで処理されるためのウェハ(ターゲット)33は、ウェハ収納用のシャトル(図示せず)内に1枚ずつ収納されて、単位処理装置Mへ搬送される。該シャトルは、0.5インチ径(ハーフインチサイズ。正確には直径12.5mm)の1枚のウェハが、外気から遮断された状態で収納されるように構成されている。
前室Mcの上部には、前室Mcとシャトルとを接続するドッキングポート42が設けられている。前室Mc内部には、ドッキングポート42に接続するウェハ搬送用空間39が設けられており、該ウェハ搬送用空間39は高真空ポンプ36’により高真空状態とすることができるように構成されている。また、該ウェハ搬送用空間39とイオン注入装置Sの処理室44との間には、気密用のゲートバルブ43が設けられている。さらに、該ウェハ搬送用空間39には、ドッキングポート42上のシャトル内のウェハ33を外気と遮断した状態で取り出し、取り出したウェハ33を、開扉したゲートバルブ43を通過させてウェハステージ34まで搬送する真空搬送機構(図示せず)が設けられている。
さらに、前室Mcの上方には、ディスプレイ式の操作パネル41が設けられている。
このように、このミニマルファブ生産システムには、シャトルや前室Mc内の真空搬送機構等からなる、微粒子とガス分子を外界から原理的に完全遮断する密閉型搬送機構(Particle-Lock Airtight Docking: PLAD システム)が設けられている。
ターゲットとしてのウェハ33は、該 PLADシステムによって、別の単位処理装置からシャトルを介してイオン注入装置Sの処理室44内のウェハステージ34上へ搬入される。そして、ウェハステージ34上でイオン注入処理されたウェハ33は、同じく該PLADシステムによって、ドッキングポート42上のシャトル内へ搬出される(戻される)。
<ガス供給系>
イオン注入用の原料ガス(イオン源ガス)の供給は、装置内に設置した小型のガスボンベ21からガス流量調整バルブ22を介して行われる。半導体作成に必要とされるボロン、リン、ヒ素の注入には、ソースガスとしてBF3, PH3, AsH3のセーフ・デリバリー・ソース(SDS)を使用する。
ここで重要なことは、ミニマルファブ生産システム用の単位処理装置Mでは、1台の単位処理装置Mにつき使用するイオン源ガスを1種類とすることである。つまり、従来型装置のように複数のイオン源ガスを切り替えて使用する構成を有していない。ボロン用のイオン注入装置、リン用のイオン注入装置、あるいはヒ素用のイオン注入装置が、それぞれ別々の単位処理装置Mとして構成される。
複数のイオン種の注入が必要な場合には、各イオン種専用の単位処理装置Mを1台ずつ用意し、順に使用する。ミニマルファブ生産システム用の単位処理装置はいずれも小型、低価格なので、このように複数台の装置を導入しても、従来型装置よりも小型、低コストになる。
本発明において、このようにイオン源ガス毎に別々の単位処理装置Mを構成した理由は、以下のとおりである。
(1)従来型のイオン注入装置では、装置自体が高価であるため、1台の装置で様々なイオン種の注入に対応できるように、複数のイオン源ガスを切り替えて使用するガス供給システムが組み込まれている。
しかしながら、このようなガス供給システムは大きなスペースを必要とするので、ミニマルファブ生産システムには導入できない。
(2)複数のイオン源ガスを切り替えて使用すると、イオン発生器内部に使用履歴が残り(イオン発生器内部の構成部品にイオンが打ち込まれ、蓄積される)、イオン源ガスを切り替えてもこれまで使用してきたガス種のイオンが混入して出てくるという問題が生ずる。このコンタミネーションを解消するには、下流側にこれを分離するための分解能の高い質量分離器が必要となる。特に半導体プロセスのイオン注入ではボロン注入用にBF3ガス、リン注入用にPH3ガスが使用されるが、BF3ガス使用時に得られるBF+イオン(m/q=30)とPH3ガス使用時に得られるP+イオン(m/q=31)は質量数で1の違いしかなく、これを分離できる性能が必要となる。
しかし、このような高分解能の質量分離器は、メートル規模の大型の電磁石を使用しなければならず、畢竟、大型となってしまう。
図8に、半導体毎(部位毎)に必要とされるイオン注入条件を、イオン注入量(ion/cm2)と注入エネルギー(keV)との関係で示す。このイオン注入条件は、ゲート長を短くすると必要とされる注入エネルギーは左側(注入エネルギーの低い側)にシフトしていく。しかしながら、現在、通常に行われている半導体製造デザインルールでは、図8の線Gに示すように、必要とされる最低注入エネルギーは、いずれにしても5keV程度とされている。
そこで、本発明においては、イオン源―質量分離―XY偏向までのビーム制御、ビーム輸送をこの最低注入エネルギーである5keV以下(望ましくは2keV以下)で行い、これ以上の必要なエネルギーは後段加速によって行うこととした。したがって、従来装置のように、後段加速段階でイオンビームの減速を行う必要がない。
このように低エネルギーでのイオンビームの制御を行うことにより、従来装置で問題となるエネルギーコンタミネーションが起こらない(この詳細は、後述)。また、後段加速段階より上流側のビームラインでは、従来に比べて極めて低いビームエネルギーでの輸送が行われるので、ビームラインを構成する質量分離器やその他の制御機器を極めて小さく構成することが可能となり、ビームライン長も短くすることができる。
なお、このエネルギーコンタミネーションの問題について補足説明する。
従来型のイオン注入装置では、ビームライン長が10m程度と長いため、数keV程度の低エネルギーでは、空間電荷による発散の影響でイオンビームを輸送できない。それを避けるためには、数10keV以上の高エネルギーで輸送しなければならず、そうなると、数keV程度の低エネルギー注入を行う場合には、ウェハ直前で減速させなければならない。しかしながら、数10keV以上のエネルギーを持ったイオンが残留ガス分子等と衝突すると、電子を捕獲して中性原子になるので、そのような中性原子は制御することができず、そのまま減速されずにウェハに注入されてしまう。これをエネルギーコンタミネーションという。
これを避けるためには輸送ビームラインを大型の高真空装置で排気し、残留ガス分子を極力減らすあるいはエネルギーコンタミ成分を除去する偏向器等をビームライン内に別途挿入する等の対策をとる必要があるが、装置が更に大型化し、高コストとなるため、ミニマルファブ生産システム用装置では採用できない。
本発明では、輸送中のビーム輸送エネルギー(5keV以下、望ましくは2keV以下)は注入エネルギー以下であるので、中性化したイオンができたとしても注入エネルギー以上となることはないから、エネルギーコンタミネーションの影響を排除できる。またそもそも、ビームライン長が短いので、中性化する確率も非常に小さい。
<ビームライン構成および単位処理装置上部>
本実施の形態例では、図5に示すように、イオン発生器23からウェハステージ34までの間には、イオンビームラインに沿って順に、イオン引出電極(前段加速器)40、中性粒子除去器24、差動排気スリット25、集束レンズ26、第1XY偏向電極27、ExB型質量分離器28、質量分離スリット29、第2XY偏向電極30、後段加速前電極31、2次電子抑制電極32を配置する。
ここで、該後段加速前電極31より上流側では、図2に示すように、イオンビーム輸送エネルギーは5keV以下(望ましくは2keV以下)に設定されている。これは、図1に示す従来の前段加速器4(10〜100keV)と比べ極めて低い。このように質量分離器に入射するイオンビーム輸送エネルギーを低くすることで、該質量分離器としてExB型質量分離器28を採用することを可能としている。
さらに、これらイオンビームライン構成を全てビームライン真空容器50の内部に配置することで、イオンビームライン全体をビームライン真空容器50中に収納する。そして、該ビームライン真空容器50は、容器内部に配置された電極等に制御電圧等を導入する電流導入端子以外、全て接地電位とする。
ビームライン真空容器50の下部には、その上部よりも外形を大きくした空間が設けられ、該空間を処理室44としている。該処理室44の水平方向中央にはウェハステージ34が配置されている。該処理室44は、ゲートバルブ43を介して前室Mcのウェハ搬送用空間39と空間的に接続している。
単位処理装置Mの本体部Maには、ビームライン真空容器50、ウェハステージ34に負の高電圧を付加する後段加速用高圧電源35、および処理室44のための高真空ポンプ36が、それぞれ配置されている。
この本体部Maは大気空間となっている。したがって、ビームライン全体を収納するビームライン真空容器50の外側は、大気に接しており、しかも上記したように接地されている。
<排気系および単位処理装置下部>
処理室44を含むイオンビームラインでの真空排気には、排気速度80L/sの小型ターボ分子ポンプ、およびこの背圧側に排気速度50L/minのダイヤフラムポンプを用いている。ビームライン真空容器50内部の全体積が1L程度と非常に小さいので、このような小型の排気システムであってもガス負荷のない状態で10-6Pa程度の真空度が得られる。
また、イオンビームラインには大気側からウェハを導入するため、前述したように密閉型搬送システム(PLAD)が接続されるので、ウェハ搬送用空間39には、大気側から真空中へのウェハを導入するための高真空ポンプ36’が接続されている。主排気には排気速度10L/sの超小型のターボ分子ポンプを使用しているが、ウェハ搬送用空間39は真空容器体積が非常に小さいので、短時間のうちに10-3Pa台の真空度が得られる。
そして、単位処理装置Mの制御収納部Mbには、高真空ポンプ36、36’を補助するための補助ポンプ37、単位処理装置M全体を制御する制御回路部38、および予めフロア上に並置された供給系や排水系、給電系等と接続するための接続系(図示せず)等が設けられている。
<各構成部品の動作>
イオンビームラインを構成する各構成部品について、その動作を配列順に説明する。
イオン発生器23は電子衝撃型であり、通電により加熱したフィラメントからの熱電子を加速してイオン源ガスに当てることにより、イオンを形成する。
このように形成されたイオンは、引出電極(前段加速器)40によって、そのビーム輸送エネルギーが5keV以下(望ましくは2keV以下)になるように引き出される。
中性粒子除去器24は、引き出されたイオンビームから中性粒子を静電偏向によって除去する。
収束レンズ26は、イオン発生器23から引き出されたイオンビームはそのままでは軌道が広がってしまうので、それを所定幅に収束するために用いる。
ここで、イオン発生器23と収束レンズ26の間には、イオン源ガスがイオンビームラインに流れ込むのを最小限に抑えるために差動排気スリット25が設けられる。
第1XY偏向電極27は、イオンビーム軌道の微調整、補正のために設けられる。
ExB型質量分離器28は、入射口から投入されたイオンビームから、イオン種の質量に基づいて目的とするイオン種を選別し、選別したイオン種からなるイオンビームのみ出口スリットを通過させる。
第2XY偏向電極30は、周期的に変化する電圧波形が印加され、選別されたイオン種からなるイオンビームを周期的にXY方向に振ることにより、ウェハ33の全面にイオンビームが到達するように制御する。このとき、第2XY偏向電極30に印加される電圧波形はイオン注入密度がウェハ33のどの位置でも均一となるように調整される。
ウェハステージ34前方(上流側)にはカップ型構造の2次電子抑制電極32が設置されており、ウェハステージ電位に対して−90Vのバイアス電位が印加される。
ウェハステージ34には、後段加速用高圧電源35により最大−30KVの後段加速電圧が印加されている。これにより、イオンビームは、負の高電圧電位が印加されたウェハステージ34に入射する。
なお、この実施例では使用した後段加速用電源35の最大電圧出力を-30kVとしたが、必要に応じてより高電圧の電源を用いることにより、図8に示すような200keV程度までの注入エネルギー(イオンビーム輸送エネルギー)を得ることが可能である。
このように、イオンビームAは最後に、ウェハステージ34に印加された負の高電圧により後段加速され、所要の注入エネルギーでウェハ33に注入される。
イオンビームAがウェハ33に入射すると、ウェハ33表面から2次電子Bが放出される。ここで図3に示すようにウェハステージ34と接地電位の電極31との間に何も無いと、2次電子Bはイオンとは逆の負の電荷を有するので、イオンとは逆の接地電位31側に向けて加速される。2次電子の加速エネルギーはイオンの後段加速エネルギーと同じとなる。2次電子が数keV以上のエネルギーまで加速されて電極等の金属材料に当たると人体に有害なX線pが発生し、これが装置外部まで出てくる可能性がある。
これを防止するため、図4に示すように、ウェハステージ34と後段加速前電極31と間のウェハ33前方に、発生した2次電子Bの抑制のための中間電極(2次電子抑制電極)32が設けられる。この2次電子抑制電極32には、後段加速用高圧電源35によりウェハステージ34の電圧に対して負極性のバイアス電圧qを印加する。これによりウェハ33方向に2次電子Bを戻す電場が形成される。
イオンが固体表面に当たった際に発生する2次電子Bの放出エネルギーは最大でも30eV以下であるので、バイアス電圧qを2次電子を押し戻す程度のバイアス電圧q、具体的には−30V以上とすることにより、ほとんどの2次電子Bはウェハ33側に戻される。本実施例では、上記したようにこのバイアス電圧qを−90Vとしている。
この2次電子抑制は、X線pの漏出を防止できるだけでなく、ウェハ33に注入されるイオンビーム電流を正確に測定するためにも必要である。
イオン注入量はイオンビーム電流の積算値から得られるが、本発明の方式ではウェハステージ34が高電圧の電位となるため、従来型装置のようにウェハステージ34に直接電流計を接続することはできない。
このため、本実施の形態例では図3、図4に示したように、接地電位と高電圧電源35との間に電流計60を接続し、ウェハ33から高電圧電源35を通して流れる電流を計測し、これを積算することによりイオン注入量を得る。
なお、2次電子抑制電極32は平板状あるいは円板状のものでも機能するが、図4で示したようなウェハステージ34全体を覆うようなカップ構造の方が、横方向に放出された電子にも効果があるので、より望ましい。
また、図2および図8に示すように、イオン発生器23から第2XY偏向電極30までのイオンビーム輸送エネルギーは5keV以下であることが望ましく、ビーム輸送効率の大幅な減少が起こらない限り1keV程度まで低くすることが、より高い質量分離性能を得られるので望ましい。
このようにイオンビーム輸送エネルギーを5keV以下(望ましくは2keV以下)とすることは、既存のイオン注入装置が通常は最低でも10keV以上、通常30keV以上のイオンビーム輸送エネルギーとされていることとに比べ、明らかに低エネルギーである。
イオン発生器から質量分離、ビームスキャニングのためのXY偏向までのビーム輸送エネルギーを5keV以下の低エネルギー領域で行うことは、以下の利点がある。
(1)質量分離器を小型化できる。
イオンビームはエネルギーが低くなるほど磁場中で曲がりやすくなるので、質量分離器を小型化できる。また、同じ質量分離条件の下ではイオン通過エネルギーを低くするほど質量分解能が向上する。
(2)ビームラインを短くできる。
電場、磁場で曲がりやすくなるので、ビームスキャニングのためのXY偏向をより短いビームパスで行うことが可能であり、ビームラインを短くできる。
(3)ビームライン内部のコンポーネントを小型化できる。
ビームライン真空容器50内部の部品の絶縁は、印加する電圧が数kV程度であれば数mm程度で済むので、ビームライン内部のコンポーネントの小型化に有利である。
(4)制御回路を小型化できる。
ビーム輸送エネルギーが低ければ集束レンズやXY偏向などのビーム制御に必要とされる電圧も低くなり、その制御電源は小型のものでよい。ミニマルファブ生産システムでの単位処理装置は筐体が非常に小型であるため、制御電源等も小型のものしか設置するスペースがない。そのため、少しでも小型の電源を利用できる方が有利となる。
(5)空間電荷効果による発散の影響やエネルギーコンタミネーションを排除することができる。
大口径ウェハ装置では大電流ビーム(〜mA)を用いるため、照射時にレジストからのアウトガスが大きく発生し、それが原因でエネルギーコンタミネーションが起こりやすくなる。また、後段加速段階でビーム輸送エネルギー量を制御しようとすると減速しなければならない場合が生じ、その場合にはエネルギーコンタミネーションが起こりやすくなる。また、ビーム長が長くなれば、エネルギーコンタミネーションの影響ばかりでなく空間電荷効果によるビーム発散も起こりやすくなる。
これに対し本実施の形態例では、ビーム長を短くでき、しかもビーム電流も〜μAと少ないことから、空間電荷効果による発散の影響やエネルギーコンタミネーションを排除することができる。また、後段加速段階では所望するイオンビーム輸送エネルギーまで加速するので(減速する必要はないので)、減速によって生じるエネルギーコンタミネーションを排除することができる。
(6)市販の安価な既製品を使用することができる。
5kV以下であれば、電源、コネクタ等が民生品として存在し、これらを利用することができるので安価である。
このように、イオン発生器23からExB型質量分離器28までのビーム輸送エネルギーが5keV以下であると、ExB型質量分離器28はビーム輸送距離が短くても十分なイオン分解能を確保できるので、ExB型質量分離器28自体を小型にすることができる。
そして、ビームライン長を短くすればするほどビーム発散等の影響による輸送効率減少は低減される。
本実施の形態例では、質量分離器28は、ExB型質量分離器として構成されている。
このExB型質量分離器28では、ネオジウム磁石による磁気回路によりイオンビーム軸に直交する約3000ガウスの磁場を印加している。そしてこの静磁場に互いに直交する電場を印加するための電極が設置されており、質量分離はこの電極に印加する電圧を制御することにより行う。
また、このようにExB型質量分離器28にネオジウム磁石またはサマリウムコバルト磁石を使用すると、数cm角程度の小さな磁石でも容易に2000ガウス以上の強い磁場が得られるので、質量分離器の大きさを10cm程度まで小型化することができる。
ExB型質量分離器28の出口側には質量分離スリット29が設けられており、直進するイオン種のみを通過させることで、必要とする特定イオン種のみのイオンビームを得る。
このように、質量分離器28に永久磁石を用いたExB型ウィーンフィルターを用いることにより、質量分離器本体および制御電源の両方を小型化することができる。
従来型装置で用いられている電磁石による磁場偏向方式は質量分解能が高く、制御性も良いので装置サイズに制約のない場合には最適な選択である。しかし電磁石本体が非常に大きくなること、また設計によっては除熱のために水冷が必要になること、電磁石コイル制御に必要となる定電流制御電源が非常に大型となること等の理由により、小型化には不向きである。また、たとえ通過ビームエネルギーを低くしても、単位処理装置Mに採用できるサイズにすることは難しい。
これに対し、ExB型質量分離器28であれば、磁場一定のもとで、直交する電場強度の制御により質量分離が可能であるので、磁場発生に永久磁石を使用でき、質量分離器本体を小型化できる。また、電場制御に用いる定電圧制御電源も、電磁石用の制御電源と比較して圧倒的に小型となるので、単位処理装置M内に配置するイオン注入装置に適している。
また、本実施の形態例では、必要とするイオン種ごとに、あるいはイオン源ガスごとに、別々の単位処理装置Mを構成している。
ExB型質量分離器28は、ビームラインを短くすることができるとしても、従来型に比べて質量分解能に劣るため、例えば、質量数1違いのBF+とP+の分離は難しい。しかし、どちらか1種類のガスのみの使用であれば、イオン化によって生じるイオン種(BF3ガスの場合、B++, B+, F+, BF+, BF2+等)の分離には十分な性能を有する。そこで、ミニマルファブ生産システム用のイオン注入装置は、1台の装置に装着するガス種を1種類のみと限定し、他のイオン源ガスを使用しないことによりコンタミネーションを排除することとしたのである。
これにより、極めて小型であっても、十分な質量分離性能を有するイオン注入装置を得ることができる。
以上の構成により、イオン発生器23のイオンビーム出口からウェハ33までのイオンビームパスは約30cmまで短縮することができる。
したがって、図5に示したように、ビームライン真空容器50、イオン源ガスボンベ21、高真空ポンプ36、36’、制御回路38等、全ての必要とされる構成部品は、単位処理装置Mの筺体内に収納可能となっている。
このように構成したイオン注入装置Sのビーム性能テスト結果を以下に示す。
テストではイオン源ガスとしてアルゴンガスを使用した。イオン発生器23から後段加速前電極31までのビーム輸送エネルギーは1keVに設定した。
得られたイオンビーム電流は、質量分離後のAr1価イオンで最大1μAであった。このイオンビーム電流の時、ハーフインチサイズのミニマルウェハ全面に1平方センチメートル当たり1E14個のイオンを注入するのに要した時間は10秒程度であった。
図6に、本実施の形態例におけるExB型質量分離器28を用いたアルゴンイオンビームの質量分離スペクトルを示す。アルゴンの一価イオンと2価イオンが分離されて検出されていることがわかる。
図6上部には、本発明における、BF3ガスおよびPH3ガスを使用した場合に現れるイオン種の検出位置を示した。アルゴンガスのテストで得られたピーク幅(=質量分解能)から、数多くのイオン種が現れるBF3使用の場合であっても、全てのイオン種を分離する能力があることがわかる。
電力メーターを用いて装置の使用電力を測定したところ、起動時が最大で400W、定常運転時は330W以下であった。これは、既存のイオン注入装置の1/100以下と極めて省エネである。
このように極めて省エネなのは、以下の理由による。
本実施の形態例では質量分離を含むビーム制御に電磁石を一切使用していない。電磁石はビームの有無に関わらず、大きな電力を消費するデバイスである。これを排除することにより大幅な省エネが可能となる。本実施の形態例では質量分離を含む全てのビーム制御を電場の制御で行っている。電場制御に用いる定電圧電源の消費電力は1つの電源につき1W程度のもので十分であり、複数台使用しても、極めて少ない電力でビーム制御を行うことができる。
さらに本実施の形態例では、イオン発生器から処理室を含む真空容器の体積が1L程度と非常に小さいために、使用する真空排気ポンプは排気速度が従来装置の1/100以下の小型のもの1台で十分である。真空排気ポンプはモーターを使用するために大きな電力を必要とするデバイスである。これを小型化することにより装置の使用電力は大幅に削減される。
また、本実施の形態例では、注入エネルギーが数keV台の超低エネルギーイオン注入を従来装置と比較して極めて高い効率で行うことができるという利点も有する。これは以下の理由による。
ミニマルファブ生産システムでのイオン注入装置Sでは、必要とされるイオン電流はウェハ面積がハーフインチサイズ(12.5mm径)と小さいことにより、既存12インチ(約300mm)径ウェハ用装置の1/1000、すなわち数μA程度でよく、イオン密度は桁違いに低い。さらに、単位処理装置Mの外形サイズの制約から、イオン発生器23からウェハ33までのビームライン長を非常に短くする必要があるが、却ってビーム輸送距離が極端に短いためイオンビームの発散効果は無視できるレベルとなり、1〜2keV程度の非常に低いイオンビーム輸送エネルギーのイオンビームであっても、ほとんど損失のない状態でイオンビームをウェハ33まで輸送することができる。
近年、先端的なLSIプロセスでは微細化に伴い数keV領域の極浅注入が重要となっているが、既存のイオン注入装置ではビーム利用効率(輸送効率)が極端に悪くなることが問題となっている。これに対し、本発明での装置構成では、このような極浅注入も上記したように効率を落とすことなく行うことが可能であり、またイオンの減速も行わずに済むので、エネルギーコンタミネーションの心配もない。
また、本実施の形態例では、イオン発生器32側を接地電位とし、ターゲット33を載置するウェハステージのみを高電圧とした。これにより以下の利点、効果が生ずる。
高電圧の絶縁に必要な空間距離を大幅に縮小でき、装置サイズを大幅に縮小できる。
大気中と比較して、高真空中の絶縁耐性は高く、空間距離1cm程度でも100kV以上の耐性を有する。よって高電圧が印加されるウェハステージ34と接地電位となるビームライン真空容器50との絶縁に必要な空間距離は、200kV程度の高電圧であっても数cm程度もあれば十分に安全である。ハーフインチサイズ(直径12.5mm)のミニマルウェハ用のウェハステージ34は5cm程度以下に小さくできるので、該ウェハステージ34を内径10cm程度の小型のビームライン真空容器50内に配置しても、ウェハステージ34とビームライン真空容器50との間に十分な絶縁が確保できる。
また、本実施の形態例では、図2に示すイオン発生器23、ビームライン真空容器50等、大気側の部品を全て接地電位とした。これに伴い、これらを装置筺体にほぼ密接して設置が可能となる。これにより、ミニマル規格の装置幅30cmの狭い筐体内であっても、問題なく設置が可能となる。また、高電圧となる部分が外方に露出していない構造となるので、操作者にとっても安全である。
さらに、本実施の形態例では、従来の大型絶縁トランスや光通信機器等が不要となり、装置を小型化、低コスト化できる。
図1に示す従来型の装置構成では、高電圧部に置かれたイオン源3、質量分離器8等に電力を供給するための大きな絶縁トランス6、および接地電位側からこれらを制御するために光通信機器(図示せず)などが必要となる。これに対して、本実施の形態例では、図2に示すように高電圧部に制御する機器がないため、これらの機器が不要となる。そのためこれらの機器を設置するためのスペースは必要なく、装置の小型化が実現できる。また、低コスト化にも有効である。
他の実施の形態例として、イオン注入プロセス毎に注入条件(イオン種および注入エネルギー)を最適化して単機能とすることにより、ミニマルファブ生産システムにおける単位処理装置Mを構成することもできる。
半導体製造プロセスで使用されるイオン注入エネルギー領域は数keVから100keV以上まで広範囲にわたる。これらを全てカバーできる装置とすると装置構成が複雑になり、装置価格も上がる。一方、ミニマルファブ生産システムでの量産ラインでは、他の装置も含めて、1つの装置で1つのプロセスのみが行われる。そのため、一度量産ラインに組み込まれると、ほぼ同じイオン注入条件でのみの使用となる。したがって、そのイオン注入条件のみに最適化し、他の余分な装備、機能等を取り除いた単機能の単位処理装置とすることができる。
このようにすることでイオン注入装置自体の価格を下げることが可能である。量産ラインでは多数のイオン注入装置が導入されることになるので、機能を限定した単機能化はミニマルファブ生産システムでの生産ラインの投資額低減に効果が大きい。
このように、本発明のイオン注入装置は、ハーフインチサイズのウェハを用いるミニマルファブ生産システムに使用される規格化された外形を有する単位処理装置に用いて最適なイオン注入装置とすることができる。
しかしながら、ミニマルファブ生産システムでの使用に限定することなく、きわめて小型で省エネ、安価なイオン注入装置として、例えば大学等における研究開発や企業における小規模実験等に容易に導入可能である。
なお、本発明においては、使用するイオン発生器の種類は問わないが、なるべく小型、省電力、高効率、低コストであり、また安定性、耐久性に優れたものであることが望ましい。イオン発生は時間的にパルス的に行うものよりも、連続して行う方式の方が望ましい。これはパルス状にイオンを発生させると、イオン密度が高くなり、電荷の反発により、ビームの発散が起こる可能性があるからである。よって、時間的に一定の連続したイオンビームが得られるイオン発生器23が望ましい。
21 ソースガス
23 イオン発生器
24 中性粒子除去器
25 差動排気スリット
26 集束レンズ
27 第1XY偏向電極
28 ExB型質量分離器
29 質量分離スリット
30 第2XY偏向電極
31 後段加速前電極
32 2次電子抑制電極
33 ターゲット(ウェハ)
34 ウェハステージ
35 後段加速用高圧電源
36、36’ 真空ポンプ
39 ウェハ搬送用空間
40 引出電極(前段加速器)
42 ドッキングポート
43 ゲートバルブ
44 処理室
50 ビームライン真空容器
A イオンビーム
M 単位処理装置
Ma 本体部
Mb 制御収納部
Mc 前室
S イオン注入装置

Claims (7)

  1. イオンを発生させるイオン発生器と、前記イオン発生器からイオンを引き出す前段加速器と、前記前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離する質量分離器と、前記質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器と、前記XY偏向器によってスキャンされたイオンビームをウェハまで加速する後段加速器と、ターゲットを載置するウェハステージと、それらを収納するビームライン真空容器とを有し、
    前記質量分離を、永久磁石を用いた磁場と、該磁場と直交する電場の制御とにより行い、
    前記イオン発生器から前記XY偏向器までのイオンビーム制御を、5keV以下の低エネルギー領域で行うとともに、前記後段加速器によるイオンビーム制御を、前記ビームライン真空容器を接地電位とし、前記ターゲットに印加する負の高電圧で行うことを特徴とするイオン注入装置。
  2. 請求項1に記載のイオン注入装置において、前記イオン発生器に供給されるイオン種あるいはイオン源ガスを当該イオン注入装置1台につき1種類のみに限定することを特徴とするイオン注入装置。
  3. 請求項1に記載のイオン注入装置において、前記ターゲットの前方に、前記ターゲットに対して-30V以上の電位を印加する2次電子抑制電極を配置することを特徴とするイオン注入装置。
  4. イオンを発生させるイオン発生器と、前記イオン発生器からイオンを引き出す前段加速器と、前記前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離する質量分離器と、前記質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器と、前記XY偏向器によってスキャンされたイオンビームをウェハまで加速する後段加速器と、ターゲットを載置するウェハステージと、それらを収納するビームライン真空容器とを有し、
    前記質量分離を、永久磁石を用いた磁場と、該磁場と直交する電場の制御とにより行い、
    前記イオン発生器から前記XY偏向器までのイオンビーム制御を、半導体設計のゲート長に応じた必要な注入エネルギー領域以下の輸送エネルギーで行うとともに、
    前記後段加速器によるイオンビーム制御を、前記ビームライン真空容器を接地電位として前記ターゲットに負の高電圧を印加し、前記高電圧を制御することにより、イオン注入に必要な注入エネルギーまで加速する制御とすることを特徴とするイオン注入装置。
  5. ハーフインチサイズのウェハを用いるミニマルファブ生産システムに使用される規格化された外形を有する単位処理装置に内蔵されるイオン注入装置であって、
    イオンを発生させるイオン発生器と、前記イオン発生器からイオンを引き出す前段加速器と、前記前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離する質量分離器と、前記質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器と、前記XY偏向器によってスキャンされたイオンビームをウェハまで加速する後段加速器と、ターゲットを載置するウェハステージと、それらを収納するビームライン真空容器とを有し、
    前記質量分離を、永久磁石を用いた磁場と、該磁場と直交する電場の制御とにより行い、
    前記イオン発生器から前記XY偏向器までのイオンビーム制御を、5keV以下の低エネルギー領域で行うとともに、前記後段加速器によるイオンビーム制御を、前記ビームライン真空容器を接地電位とし、前記ターゲットに印加する負の高電圧で行うことを特徴とするミニマルファブ生産システム用イオン注入装置。
  6. 請求項5に記載のイオン注入装置において、前記イオン発生器に供給されるイオン種あるいはイオン源ガスを当該イオン注入装置1台につき1種類のみに限定することを特徴とするイオン注入装置。
  7. 請求項5に記載のイオン注入装置において、前記ミニマルファブ生産システムにおけるイオン注入プロセス毎に注入条件が最適化された単機能の専用機としたことを特徴とするイオン注入装置。
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