JP2014143011A - イオン注入装置 - Google Patents
イオン注入装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014143011A JP2014143011A JP2013009385A JP2013009385A JP2014143011A JP 2014143011 A JP2014143011 A JP 2014143011A JP 2013009385 A JP2013009385 A JP 2013009385A JP 2013009385 A JP2013009385 A JP 2013009385A JP 2014143011 A JP2014143011 A JP 2014143011A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ion
- wafer
- accelerator
- ion beam
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000005468 ion implantation Methods 0.000 title claims abstract description 72
- 150000002500 ions Chemical class 0.000 claims abstract description 140
- 238000010884 ion-beam technique Methods 0.000 claims abstract description 81
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 63
- 238000012545 processing Methods 0.000 claims description 62
- 238000002513 implantation Methods 0.000 claims description 27
- 238000000926 separation method Methods 0.000 claims description 22
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 claims description 18
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 15
- 230000005684 electric field Effects 0.000 claims description 14
- 230000008569 process Effects 0.000 claims description 12
- 230000001629 suppression Effects 0.000 claims description 7
- 238000013461 design Methods 0.000 claims description 3
- 235000012431 wafers Nutrition 0.000 description 95
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 40
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 18
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 15
- 238000009413 insulation Methods 0.000 description 14
- 238000012546 transfer Methods 0.000 description 14
- XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N Argon Chemical compound [Ar] XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 10
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 7
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 7
- 230000007935 neutral effect Effects 0.000 description 6
- 229910052786 argon Inorganic materials 0.000 description 5
- 238000003032 molecular docking Methods 0.000 description 5
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 4
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 4
- 238000003860 storage Methods 0.000 description 4
- ZOXJGFHDIHLPTG-UHFFFAOYSA-N Boron Chemical compound [B] ZOXJGFHDIHLPTG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- OAICVXFJPJFONN-UHFFFAOYSA-N Phosphorus Chemical compound [P] OAICVXFJPJFONN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 3
- 229910052796 boron Inorganic materials 0.000 description 3
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 3
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 3
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 3
- 229910052698 phosphorus Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000011574 phosphorus Substances 0.000 description 3
- 238000011144 upstream manufacturing Methods 0.000 description 3
- 239000007943 implant Substances 0.000 description 2
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 2
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 2
- 229910001172 neodymium magnet Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000012827 research and development Methods 0.000 description 2
- 238000001228 spectrum Methods 0.000 description 2
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 2
- 230000007723 transport mechanism Effects 0.000 description 2
- RBFQJDQYXXHULB-UHFFFAOYSA-N arsane Chemical compound [AsH3] RBFQJDQYXXHULB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052785 arsenic Inorganic materials 0.000 description 1
- RQNWIZPPADIBDY-UHFFFAOYSA-N arsenic atom Chemical compound [As] RQNWIZPPADIBDY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910000070 arsenic hydride Inorganic materials 0.000 description 1
- HAYXDMNJJFVXCI-UHFFFAOYSA-N arsenic(5+) Chemical compound [As+5] HAYXDMNJJFVXCI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000005513 bias potential Methods 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 238000012937 correction Methods 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 1
- 239000010419 fine particle Substances 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 1
- 238000006386 neutralization reaction Methods 0.000 description 1
- 239000013307 optical fiber Substances 0.000 description 1
- 238000011056 performance test Methods 0.000 description 1
- 238000005293 physical law Methods 0.000 description 1
- 238000005086 pumping Methods 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
- 229910000938 samarium–cobalt magnet Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000011172 small scale experimental method Methods 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 230000003068 static effect Effects 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Abstract
【解決手段】
イオンを発生させるイオン発生器23と、イオン発生器からイオンを引き出す前段加速器と、前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離するExB型質量分離器28と、ExB型質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器30と、XY偏向器によってスキャンされたイオンビームAをウェハ33まで加速する後段加速器と、ターゲット33を載置するウェハステージ34と、それらを収納するビームライン真空容器50とを有し、ビームライン真空容器を接地電位とするとともに、イオン発生器からXY偏向器までのイオンビーム制御を低エネルギー領域で行い、後段加速器によるイオンビーム制御をターゲットに印加する負の高電圧で行う。
【選択図】図5
Description
現状の半導体製造システムは、ウェハの大口径化(12インチ〜)に伴い、装置自体が大型化・高コスト化し、最新の半導体工場(メガファブ生産システム)を立ち上げるには3000〜5000億円もの巨額の投資資金が必要であるとされている。また、大口径のウェハを用いるシステムは大量生産には効率的であるが、その装置を多品種少量生産に向けて稼働すると、稼働率等の課題から、ユーザが必要とする個数の1個あたりの製造コストが非常に高くなってしまう。
これに対し、このミニマルファブ生産システムでは、0.5インチ程度の極めて小径のウェハが処理対象であり、現状の半導体製造システムに比べ1/1000程度の極めて小さな設備投資額で済むと期待されており、また運転コストが低いなどのため多品種少量生産に適した生産システムとなることが期待されている。
この単位処理装置は、半導体製造装置の処理工程における個々の処理(特許文献1では、これを「単一処理」と定義している。)の一つを担うものであり、例えばウェハ洗浄装置であり、レジスト塗布装置であり、ウェハ露光装置であり、現像装置であり、またイオン注入装置であったりする。そして、これらの単位処理装置が半導体製造のレシピ順(処理フロー順)に並べられる。ワークであるウェハは、並べられたそれら単位処理装置間を順に搬送され、各単位処理装置において該当する処理が順に施されるのである。
この単位処理装置の大きさは、幅 0.30m × 奥行0.45m× 高さ 1.44mの外形寸法とされており、それ自体極めて小さいばかりか、半導体製造レシピに従って60個並べたとしても、その占有床面積は、既存の12インチの半導体製造装置と比較して小さいものとされている。
したがって、このミニマルファブ生産システムでは、装置をクリーンルーム内に配置する必要がないので、作業員はクリーンルーム内での作業を強いられることなく、通常の作業環境の中で作業することができる。また巨大なクリーンルーム空間を作る必要がないので、省エネルギーともなっている。
このように、ミニマルファブ生産システムは、従来装置を単に小型にしただけの生産システムではなく、革新的な次世代生産システムとして注目されている。
しかし、既存のイオン注入装置は、イオンビームの発生やその制御に高電圧や強い磁場を用いているため、ウェハサイズに関係なく装置が大型となることを免れない。
実際、研究開発用の比較的小型の装置であっても、その大きさは数m以上有り、製造ラインに組み込まれている大口径ウェハ用のものはさらに大型である。代表的な中電流型イオン注入装置であっても、本体だけで3m×7m以上の床面積を占め、価格は10億円程で、更に多くの付帯設備を必要としている。このように、既存のイオン注入装置は、ミニマルファブ生産システムに組み込むには、あまりにも大きくかつ高価である。
まず、ガス供給系2からの原料ガスをイオン源3によりイオン化する。イオン源3は引出電極4対して正電位にバイアスされており、イオン化されたイオンは、イオン源3と引出電極4との間に印加された10〜100kVの加速電圧によりビームとして引き出され(前段加速器)、質量分離器8に入射される。
質量分離器8は特定の質量を持ったイオン種を分離するためのもので、イオン源3から出射した複数のイオン種を含んだイオンビームのうち、ウェハ(ターゲット12)に注入すべき特定のイオン種のみを選択する。ここで選択されたイオンビームは、後段加速器9により所定の注入エネルギーとなるように加速(または減速)される。この後段加速は、イオン源3から質量分離器8までのビームラインおよびその付帯設備を高電圧架台1上に配置し、この高電圧架台1全体を後段加速用高電圧電源5により接地電位に対して正の高電圧にバイアスすることによって行う。
注入エネルギーは、ウェハ(ターゲット12)内でどのような深さまでイオンの注入が必要かによって異なるが、例えば一般的なCMOSプロセスでは最大で〜200keV程度の高エネルギーのイオンビームを必要とする。このような高電圧加速にも対応するため、高電圧架台1は200kV以上の耐電圧を確保できるように絶縁される。また、イオン源3や質量分離器8等への電源供給は、入力―出力間に200kV以上の絶縁耐性を有する絶縁トランス6を介して行われる。
このような既存のイオン注入装置は、図1にも示すように全長が7m以上にもなる大型の装置である。
(1)高電圧の絶縁のための空間が必要。
既存の装置構成では、イオン源3から加速管9まで、質量分離器8を含む多くの主要部品が100kV以上の高電圧になる。このため、これらを設置した高電圧架台1を絶縁するための空間、距離が必要であり、大気中では接地電位の装置外壁との間に30cm以上の空間をとる必要がある。
高電圧架台1にあるイオン源3、質量分離器8等に必要な電力を供給するため、耐電圧の高い絶縁トランス6が必要となる。これは通常1m以上と大型であり、さらに高耐電圧、大電力であるほど大型となる。また、高電圧部に置かれたイオン源3、イオン源ガス供給系2、質量分離器8等の制御を行うには、光ファイバーあるいは制御棒などの制御方式を用いる必要があり、装置が複雑になる。
既存の大型装置では、大口径ウェハに対応するためmA程度の大電流イオンビームが用いられているが、この場合前段加速エネルギーは最低でも10keV以上であり、数keV以下の低エネルギー領域でのビーム輸送は行われない。これは低エネルギーの大電流イオンはイオン密度が高く、接近したイオンどうしの電荷の反発によりビームが発散しやすいため(これを空間電荷効果という。)、数m以上のビームラインを形成しようとしてもイオンビームが途中で発散してすぐに無くなってしまうからである。そのため、通常は30keV以上の高エネルギーでのビーム輸送が行われており、これに伴い質量分離器等、全てのコンポーネントが巨大化している。
質量分離は磁場による偏向により行われるが、通常1m以上の電磁石が用いられる。このように電磁石が大型になる理由は、前述のようにイオン引出、輸送エネルギーが30keV以上と高いので、磁場中のイオンビームの曲率半径を小さくできないためである。また、様々なイオン種の注入を行う装置では、コンタミネーションを防ぐために高い質量分解能(△m/q < 1)を必要とすることも質量分離器8を大型にしている理由である。
ウェハ大口径化に伴い大電流イオンビームが必要となり、そのためイオン源3も大型化している。
ウェハの全面に均一にイオンを注入するために、加速後にイオンビームのXY走査が行われる。イオンは後段加速後でエネルギーが高いために電場や磁場で曲がりにくい。そのために大口径ウェハ全面にビームを走査するためにはウェハまで長いビームパスをとる必要がある。
ウェハが大口径化したため、ウェハ導入、搬送ロボット等がウェハサイズに応じて大型化している。
以上の要因のうち、(4)〜(6)はウェハサイズが縮小すると小型化できることが予測されるが、その他は、イオン偏向の曲率半径や高電圧の絶縁耐性などの物理法則によって寸法が決まるので、ウェハサイズには無関係である。
イオンを発生させるイオン発生器と、前記イオン発生器からイオンを引き出す前段加速器と、前記前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離する質量分離器と、前記質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器と、前記XY偏向器によってスキャンされたイオンビームをウェハまで加速する後段加速器と、ターゲットを載置するウェハステージと、それらを収納するビームライン真空容器とを有し、前記質量分離を、永久磁石を用いた磁場と、該磁場と直交する電場の制御とにより行い、
前記イオン発生器から前記XY偏向器までのイオンビーム制御を、5keV以下の低エネルギー領域で行うとともに、前記後段加速器によるイオンビーム制御を、前記ビームライン真空容器を接地電位とし、前記ターゲットに印加する負の高電圧で行うことを特徴とするイオン注入装置とした。
ここで、「単位処理装置」とは、前述の従来例と同様、半導体製造装置の処理工程における個々の処理の一つ(つまり、レシピのなかの1つの処理)を担うもの、として定義する。
また、低エネルギー領域での制御が行われることから電場や磁場で曲がりやすいので、XY偏向器でのビームスキャンをより短いビームパスで行うことができる。
また、印加する電圧が数kV程度であることから、ビームライン真空容器内部の部品の絶縁が数mm程度で済むので、ビームライン真空容器内部に配置されるコンポーネントの小型化が可能となる。
さらに、ビーム輸送エネルギーが低いので、集束レンズやXY偏向などのビーム制御に必要な電圧も低くでき、そのための制御電源を小さくすることができる。
また、イオン発生器、ビームラインのコンポーネント、注入チェンバー等、大気側の部品を全て接地電位とすることができるので、単位処理装置筐体に対し密接して設置が可能となり、狭い筐体内であっても設置が可能となる。また大型の絶縁トランスや光通信機器等が不要になり、装置全体を小型化、低コスト化ができる。
また、イオン発生器からウェハまでのビームライン長さを極力短く、望ましくは0.5m以下とし、ビーム電流も〜μAと少ないことから、ビームの空間電荷効果は無視できるレベルであり、殆ど損失のない状態でイオンビームをウェハまで輸送することができる。また本発明は、単位処理装置を、1台につき1種類のイオン源ガスの使用だけに限定した単機能とする。更に、ミニマルファブ生産システムの量産ライン用の装置では、注入条件(イオン種、注入エネルギー)毎に専用に最適化された単機能のイオン注入装置とする。これにより、装置を一層小型化でき、安価にできるので、ミニマルファブ生産システムに好適なイオン注入装置とすることができる。
図5は、本発明の実施の形態例に係るイオン注入装置Sを組み込んだミニマルファブ生産システム用の単位処理装置Mの説明図(装置の側面側から内部を透視した図面)である。図7は、その斜視図である。
この単位処理装置Mは、前述したミニマルファブ生産システムにおけると同じ、外形が、幅(x) 0.30m × 奥行(y)0.45m× 高さ(z )1.44mとされており、その内部にイオン注入装置Sが配置されている。
単位処理装置Mは、イオン注入装置Sのビームライン等を収納する本体部Maと、真空ポンプ37や制御装置38等を収納する制御収納部Mbとを有している。また、単位処理装置Mの前部は、ウェハを単位処理装置本体部Ma内部へ搬送するための前室Mcとされている。なお、この前室Mcは、全ての単位処理装置Mに共通なものとして構成されている。
イオン注入装置Sで処理されるためのウェハ(ターゲット)33は、ウェハ収納用のシャトル(図示せず)内に1枚ずつ収納されて、単位処理装置Mへ搬送される。該シャトルは、0.5インチ径(ハーフインチサイズ。正確には直径12.5mm)の1枚のウェハが、外気から遮断された状態で収納されるように構成されている。
さらに、前室Mcの上方には、ディスプレイ式の操作パネル41が設けられている。
ターゲットとしてのウェハ33は、該 PLADシステムによって、別の単位処理装置からシャトルを介してイオン注入装置Sの処理室44内のウェハステージ34上へ搬入される。そして、ウェハステージ34上でイオン注入処理されたウェハ33は、同じく該PLADシステムによって、ドッキングポート42上のシャトル内へ搬出される(戻される)。
イオン注入用の原料ガス(イオン源ガス)の供給は、装置内に設置した小型のガスボンベ21からガス流量調整バルブ22を介して行われる。半導体作成に必要とされるボロン、リン、ヒ素の注入には、ソースガスとしてBF3, PH3, AsH3のセーフ・デリバリー・ソース(SDS)を使用する。
ここで重要なことは、ミニマルファブ生産システム用の単位処理装置Mでは、1台の単位処理装置Mにつき使用するイオン源ガスを1種類とすることである。つまり、従来型装置のように複数のイオン源ガスを切り替えて使用する構成を有していない。ボロン用のイオン注入装置、リン用のイオン注入装置、あるいはヒ素用のイオン注入装置が、それぞれ別々の単位処理装置Mとして構成される。
複数のイオン種の注入が必要な場合には、各イオン種専用の単位処理装置Mを1台ずつ用意し、順に使用する。ミニマルファブ生産システム用の単位処理装置はいずれも小型、低価格なので、このように複数台の装置を導入しても、従来型装置よりも小型、低コストになる。
(1)従来型のイオン注入装置では、装置自体が高価であるため、1台の装置で様々なイオン種の注入に対応できるように、複数のイオン源ガスを切り替えて使用するガス供給システムが組み込まれている。
しかしながら、このようなガス供給システムは大きなスペースを必要とするので、ミニマルファブ生産システムには導入できない。
(2)複数のイオン源ガスを切り替えて使用すると、イオン発生器内部に使用履歴が残り(イオン発生器内部の構成部品にイオンが打ち込まれ、蓄積される)、イオン源ガスを切り替えてもこれまで使用してきたガス種のイオンが混入して出てくるという問題が生ずる。このコンタミネーションを解消するには、下流側にこれを分離するための分解能の高い質量分離器が必要となる。特に半導体プロセスのイオン注入ではボロン注入用にBF3ガス、リン注入用にPH3ガスが使用されるが、BF3ガス使用時に得られるBF+イオン(m/q=30)とPH3ガス使用時に得られるP+イオン(m/q=31)は質量数で1の違いしかなく、これを分離できる性能が必要となる。
しかし、このような高分解能の質量分離器は、メートル規模の大型の電磁石を使用しなければならず、畢竟、大型となってしまう。
そこで、本発明においては、イオン源―質量分離―XY偏向までのビーム制御、ビーム輸送をこの最低注入エネルギーである5keV以下(望ましくは2keV以下)で行い、これ以上の必要なエネルギーは後段加速によって行うこととした。したがって、従来装置のように、後段加速段階でイオンビームの減速を行う必要がない。
このように低エネルギーでのイオンビームの制御を行うことにより、従来装置で問題となるエネルギーコンタミネーションが起こらない(この詳細は、後述)。また、後段加速段階より上流側のビームラインでは、従来に比べて極めて低いビームエネルギーでの輸送が行われるので、ビームラインを構成する質量分離器やその他の制御機器を極めて小さく構成することが可能となり、ビームライン長も短くすることができる。
従来型のイオン注入装置では、ビームライン長が10m程度と長いため、数keV程度の低エネルギーでは、空間電荷による発散の影響でイオンビームを輸送できない。それを避けるためには、数10keV以上の高エネルギーで輸送しなければならず、そうなると、数keV程度の低エネルギー注入を行う場合には、ウェハ直前で減速させなければならない。しかしながら、数10keV以上のエネルギーを持ったイオンが残留ガス分子等と衝突すると、電子を捕獲して中性原子になるので、そのような中性原子は制御することができず、そのまま減速されずにウェハに注入されてしまう。これをエネルギーコンタミネーションという。
これを避けるためには輸送ビームラインを大型の高真空装置で排気し、残留ガス分子を極力減らすあるいはエネルギーコンタミ成分を除去する偏向器等をビームライン内に別途挿入する等の対策をとる必要があるが、装置が更に大型化し、高コストとなるため、ミニマルファブ生産システム用装置では採用できない。
本発明では、輸送中のビーム輸送エネルギー(5keV以下、望ましくは2keV以下)は注入エネルギー以下であるので、中性化したイオンができたとしても注入エネルギー以上となることはないから、エネルギーコンタミネーションの影響を排除できる。またそもそも、ビームライン長が短いので、中性化する確率も非常に小さい。
本実施の形態例では、図5に示すように、イオン発生器23からウェハステージ34までの間には、イオンビームラインに沿って順に、イオン引出電極(前段加速器)40、中性粒子除去器24、差動排気スリット25、集束レンズ26、第1XY偏向電極27、ExB型質量分離器28、質量分離スリット29、第2XY偏向電極30、後段加速前電極31、2次電子抑制電極32を配置する。
ここで、該後段加速前電極31より上流側では、図2に示すように、イオンビーム輸送エネルギーは5keV以下(望ましくは2keV以下)に設定されている。これは、図1に示す従来の前段加速器4(10〜100keV)と比べ極めて低い。このように質量分離器に入射するイオンビーム輸送エネルギーを低くすることで、該質量分離器としてExB型質量分離器28を採用することを可能としている。
さらに、これらイオンビームライン構成を全てビームライン真空容器50の内部に配置することで、イオンビームライン全体をビームライン真空容器50中に収納する。そして、該ビームライン真空容器50は、容器内部に配置された電極等に制御電圧等を導入する電流導入端子以外、全て接地電位とする。
単位処理装置Mの本体部Maには、ビームライン真空容器50、ウェハステージ34に負の高電圧を付加する後段加速用高圧電源35、および処理室44のための高真空ポンプ36が、それぞれ配置されている。
この本体部Maは大気空間となっている。したがって、ビームライン全体を収納するビームライン真空容器50の外側は、大気に接しており、しかも上記したように接地されている。
処理室44を含むイオンビームラインでの真空排気には、排気速度80L/sの小型ターボ分子ポンプ、およびこの背圧側に排気速度50L/minのダイヤフラムポンプを用いている。ビームライン真空容器50内部の全体積が1L程度と非常に小さいので、このような小型の排気システムであってもガス負荷のない状態で10-6Pa程度の真空度が得られる。
イオンビームラインを構成する各構成部品について、その動作を配列順に説明する。
イオン発生器23は電子衝撃型であり、通電により加熱したフィラメントからの熱電子を加速してイオン源ガスに当てることにより、イオンを形成する。
このように形成されたイオンは、引出電極(前段加速器)40によって、そのビーム輸送エネルギーが5keV以下(望ましくは2keV以下)になるように引き出される。
中性粒子除去器24は、引き出されたイオンビームから中性粒子を静電偏向によって除去する。
収束レンズ26は、イオン発生器23から引き出されたイオンビームはそのままでは軌道が広がってしまうので、それを所定幅に収束するために用いる。
ここで、イオン発生器23と収束レンズ26の間には、イオン源ガスがイオンビームラインに流れ込むのを最小限に抑えるために差動排気スリット25が設けられる。
ExB型質量分離器28は、入射口から投入されたイオンビームから、イオン種の質量に基づいて目的とするイオン種を選別し、選別したイオン種からなるイオンビームのみ出口スリットを通過させる。
第2XY偏向電極30は、周期的に変化する電圧波形が印加され、選別されたイオン種からなるイオンビームを周期的にXY方向に振ることにより、ウェハ33の全面にイオンビームが到達するように制御する。このとき、第2XY偏向電極30に印加される電圧波形はイオン注入密度がウェハ33のどの位置でも均一となるように調整される。
ウェハステージ34には、後段加速用高圧電源35により最大−30KVの後段加速電圧が印加されている。これにより、イオンビームは、負の高電圧電位が印加されたウェハステージ34に入射する。
なお、この実施例では使用した後段加速用電源35の最大電圧出力を-30kVとしたが、必要に応じてより高電圧の電源を用いることにより、図8に示すような200keV程度までの注入エネルギー(イオンビーム輸送エネルギー)を得ることが可能である。
イオンビームAがウェハ33に入射すると、ウェハ33表面から2次電子Bが放出される。ここで図3に示すようにウェハステージ34と接地電位の電極31との間に何も無いと、2次電子Bはイオンとは逆の負の電荷を有するので、イオンとは逆の接地電位31側に向けて加速される。2次電子の加速エネルギーはイオンの後段加速エネルギーと同じとなる。2次電子が数keV以上のエネルギーまで加速されて電極等の金属材料に当たると人体に有害なX線pが発生し、これが装置外部まで出てくる可能性がある。
イオンが固体表面に当たった際に発生する2次電子Bの放出エネルギーは最大でも30eV以下であるので、バイアス電圧qを2次電子を押し戻す程度のバイアス電圧q、具体的には−30V以上とすることにより、ほとんどの2次電子Bはウェハ33側に戻される。本実施例では、上記したようにこのバイアス電圧qを−90Vとしている。
この2次電子抑制は、X線pの漏出を防止できるだけでなく、ウェハ33に注入されるイオンビーム電流を正確に測定するためにも必要である。
このため、本実施の形態例では図3、図4に示したように、接地電位と高電圧電源35との間に電流計60を接続し、ウェハ33から高電圧電源35を通して流れる電流を計測し、これを積算することによりイオン注入量を得る。
このようにイオンビーム輸送エネルギーを5keV以下(望ましくは2keV以下)とすることは、既存のイオン注入装置が通常は最低でも10keV以上、通常30keV以上のイオンビーム輸送エネルギーとされていることとに比べ、明らかに低エネルギーである。
イオン発生器から質量分離、ビームスキャニングのためのXY偏向までのビーム輸送エネルギーを5keV以下の低エネルギー領域で行うことは、以下の利点がある。
(1)質量分離器を小型化できる。
イオンビームはエネルギーが低くなるほど磁場中で曲がりやすくなるので、質量分離器を小型化できる。また、同じ質量分離条件の下ではイオン通過エネルギーを低くするほど質量分解能が向上する。
(2)ビームラインを短くできる。
電場、磁場で曲がりやすくなるので、ビームスキャニングのためのXY偏向をより短いビームパスで行うことが可能であり、ビームラインを短くできる。
(3)ビームライン内部のコンポーネントを小型化できる。
ビームライン真空容器50内部の部品の絶縁は、印加する電圧が数kV程度であれば数mm程度で済むので、ビームライン内部のコンポーネントの小型化に有利である。
(4)制御回路を小型化できる。
ビーム輸送エネルギーが低ければ集束レンズやXY偏向などのビーム制御に必要とされる電圧も低くなり、その制御電源は小型のものでよい。ミニマルファブ生産システムでの単位処理装置は筐体が非常に小型であるため、制御電源等も小型のものしか設置するスペースがない。そのため、少しでも小型の電源を利用できる方が有利となる。
(5)空間電荷効果による発散の影響やエネルギーコンタミネーションを排除することができる。
大口径ウェハ装置では大電流ビーム(〜mA)を用いるため、照射時にレジストからのアウトガスが大きく発生し、それが原因でエネルギーコンタミネーションが起こりやすくなる。また、後段加速段階でビーム輸送エネルギー量を制御しようとすると減速しなければならない場合が生じ、その場合にはエネルギーコンタミネーションが起こりやすくなる。また、ビーム長が長くなれば、エネルギーコンタミネーションの影響ばかりでなく空間電荷効果によるビーム発散も起こりやすくなる。
これに対し本実施の形態例では、ビーム長を短くでき、しかもビーム電流も〜μAと少ないことから、空間電荷効果による発散の影響やエネルギーコンタミネーションを排除することができる。また、後段加速段階では所望するイオンビーム輸送エネルギーまで加速するので(減速する必要はないので)、減速によって生じるエネルギーコンタミネーションを排除することができる。
(6)市販の安価な既製品を使用することができる。
5kV以下であれば、電源、コネクタ等が民生品として存在し、これらを利用することができるので安価である。
そして、ビームライン長を短くすればするほどビーム発散等の影響による輸送効率減少は低減される。
このExB型質量分離器28では、ネオジウム磁石による磁気回路によりイオンビーム軸に直交する約3000ガウスの磁場を印加している。そしてこの静磁場に互いに直交する電場を印加するための電極が設置されており、質量分離はこの電極に印加する電圧を制御することにより行う。
また、このようにExB型質量分離器28にネオジウム磁石またはサマリウムコバルト磁石を使用すると、数cm角程度の小さな磁石でも容易に2000ガウス以上の強い磁場が得られるので、質量分離器の大きさを10cm程度まで小型化することができる。
ExB型質量分離器28の出口側には質量分離スリット29が設けられており、直進するイオン種のみを通過させることで、必要とする特定イオン種のみのイオンビームを得る。
従来型装置で用いられている電磁石による磁場偏向方式は質量分解能が高く、制御性も良いので装置サイズに制約のない場合には最適な選択である。しかし電磁石本体が非常に大きくなること、また設計によっては除熱のために水冷が必要になること、電磁石コイル制御に必要となる定電流制御電源が非常に大型となること等の理由により、小型化には不向きである。また、たとえ通過ビームエネルギーを低くしても、単位処理装置Mに採用できるサイズにすることは難しい。
これに対し、ExB型質量分離器28であれば、磁場一定のもとで、直交する電場強度の制御により質量分離が可能であるので、磁場発生に永久磁石を使用でき、質量分離器本体を小型化できる。また、電場制御に用いる定電圧制御電源も、電磁石用の制御電源と比較して圧倒的に小型となるので、単位処理装置M内に配置するイオン注入装置に適している。
ExB型質量分離器28は、ビームラインを短くすることができるとしても、従来型に比べて質量分解能に劣るため、例えば、質量数1違いのBF+とP+の分離は難しい。しかし、どちらか1種類のガスのみの使用であれば、イオン化によって生じるイオン種(BF3ガスの場合、B++, B+, F+, BF+, BF2+等)の分離には十分な性能を有する。そこで、ミニマルファブ生産システム用のイオン注入装置は、1台の装置に装着するガス種を1種類のみと限定し、他のイオン源ガスを使用しないことによりコンタミネーションを排除することとしたのである。
これにより、極めて小型であっても、十分な質量分離性能を有するイオン注入装置を得ることができる。
したがって、図5に示したように、ビームライン真空容器50、イオン源ガスボンベ21、高真空ポンプ36、36’、制御回路38等、全ての必要とされる構成部品は、単位処理装置Mの筺体内に収納可能となっている。
テストではイオン源ガスとしてアルゴンガスを使用した。イオン発生器23から後段加速前電極31までのビーム輸送エネルギーは1keVに設定した。
得られたイオンビーム電流は、質量分離後のAr1価イオンで最大1μAであった。このイオンビーム電流の時、ハーフインチサイズのミニマルウェハ全面に1平方センチメートル当たり1E14個のイオンを注入するのに要した時間は10秒程度であった。
図6上部には、本発明における、BF3ガスおよびPH3ガスを使用した場合に現れるイオン種の検出位置を示した。アルゴンガスのテストで得られたピーク幅(=質量分解能)から、数多くのイオン種が現れるBF3使用の場合であっても、全てのイオン種を分離する能力があることがわかる。
電力メーターを用いて装置の使用電力を測定したところ、起動時が最大で400W、定常運転時は330W以下であった。これは、既存のイオン注入装置の1/100以下と極めて省エネである。
本実施の形態例では質量分離を含むビーム制御に電磁石を一切使用していない。電磁石はビームの有無に関わらず、大きな電力を消費するデバイスである。これを排除することにより大幅な省エネが可能となる。本実施の形態例では質量分離を含む全てのビーム制御を電場の制御で行っている。電場制御に用いる定電圧電源の消費電力は1つの電源につき1W程度のもので十分であり、複数台使用しても、極めて少ない電力でビーム制御を行うことができる。
さらに本実施の形態例では、イオン発生器から処理室を含む真空容器の体積が1L程度と非常に小さいために、使用する真空排気ポンプは排気速度が従来装置の1/100以下の小型のもの1台で十分である。真空排気ポンプはモーターを使用するために大きな電力を必要とするデバイスである。これを小型化することにより装置の使用電力は大幅に削減される。
ミニマルファブ生産システムでのイオン注入装置Sでは、必要とされるイオン電流はウェハ面積がハーフインチサイズ(12.5mm径)と小さいことにより、既存12インチ(約300mm)径ウェハ用装置の1/1000、すなわち数μA程度でよく、イオン密度は桁違いに低い。さらに、単位処理装置Mの外形サイズの制約から、イオン発生器23からウェハ33までのビームライン長を非常に短くする必要があるが、却ってビーム輸送距離が極端に短いためイオンビームの発散効果は無視できるレベルとなり、1〜2keV程度の非常に低いイオンビーム輸送エネルギーのイオンビームであっても、ほとんど損失のない状態でイオンビームをウェハ33まで輸送することができる。
近年、先端的なLSIプロセスでは微細化に伴い数keV領域の極浅注入が重要となっているが、既存のイオン注入装置ではビーム利用効率(輸送効率)が極端に悪くなることが問題となっている。これに対し、本発明での装置構成では、このような極浅注入も上記したように効率を落とすことなく行うことが可能であり、またイオンの減速も行わずに済むので、エネルギーコンタミネーションの心配もない。
大気中と比較して、高真空中の絶縁耐性は高く、空間距離1cm程度でも100kV以上の耐性を有する。よって高電圧が印加されるウェハステージ34と接地電位となるビームライン真空容器50との絶縁に必要な空間距離は、200kV程度の高電圧であっても数cm程度もあれば十分に安全である。ハーフインチサイズ(直径12.5mm)のミニマルウェハ用のウェハステージ34は5cm程度以下に小さくできるので、該ウェハステージ34を内径10cm程度の小型のビームライン真空容器50内に配置しても、ウェハステージ34とビームライン真空容器50との間に十分な絶縁が確保できる。
図1に示す従来型の装置構成では、高電圧部に置かれたイオン源3、質量分離器8等に電力を供給するための大きな絶縁トランス6、および接地電位側からこれらを制御するために光通信機器(図示せず)などが必要となる。これに対して、本実施の形態例では、図2に示すように高電圧部に制御する機器がないため、これらの機器が不要となる。そのためこれらの機器を設置するためのスペースは必要なく、装置の小型化が実現できる。また、低コスト化にも有効である。
半導体製造プロセスで使用されるイオン注入エネルギー領域は数keVから100keV以上まで広範囲にわたる。これらを全てカバーできる装置とすると装置構成が複雑になり、装置価格も上がる。一方、ミニマルファブ生産システムでの量産ラインでは、他の装置も含めて、1つの装置で1つのプロセスのみが行われる。そのため、一度量産ラインに組み込まれると、ほぼ同じイオン注入条件でのみの使用となる。したがって、そのイオン注入条件のみに最適化し、他の余分な装備、機能等を取り除いた単機能の単位処理装置とすることができる。
このようにすることでイオン注入装置自体の価格を下げることが可能である。量産ラインでは多数のイオン注入装置が導入されることになるので、機能を限定した単機能化はミニマルファブ生産システムでの生産ラインの投資額低減に効果が大きい。
しかしながら、ミニマルファブ生産システムでの使用に限定することなく、きわめて小型で省エネ、安価なイオン注入装置として、例えば大学等における研究開発や企業における小規模実験等に容易に導入可能である。
23 イオン発生器
24 中性粒子除去器
25 差動排気スリット
26 集束レンズ
27 第1XY偏向電極
28 ExB型質量分離器
29 質量分離スリット
30 第2XY偏向電極
31 後段加速前電極
32 2次電子抑制電極
33 ターゲット(ウェハ)
34 ウェハステージ
35 後段加速用高圧電源
36、36’ 真空ポンプ
39 ウェハ搬送用空間
40 引出電極(前段加速器)
42 ドッキングポート
43 ゲートバルブ
44 処理室
50 ビームライン真空容器
A イオンビーム
M 単位処理装置
Ma 本体部
Mb 制御収納部
Mc 前室
S イオン注入装置
Claims (7)
- イオンを発生させるイオン発生器と、前記イオン発生器からイオンを引き出す前段加速器と、前記前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離する質量分離器と、前記質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器と、前記XY偏向器によってスキャンされたイオンビームをウェハまで加速する後段加速器と、ターゲットを載置するウェハステージと、それらを収納するビームライン真空容器とを有し、
前記質量分離を、永久磁石を用いた磁場と、該磁場と直交する電場の制御とにより行い、
前記イオン発生器から前記XY偏向器までのイオンビーム制御を、5keV以下の低エネルギー領域で行うとともに、前記後段加速器によるイオンビーム制御を、前記ビームライン真空容器を接地電位とし、前記ターゲットに印加する負の高電圧で行うことを特徴とするイオン注入装置。 - 請求項1に記載のイオン注入装置において、前記イオン発生器に供給されるイオン種あるいはイオン源ガスを当該イオン注入装置1台につき1種類のみに限定することを特徴とするイオン注入装置。
- 請求項1に記載のイオン注入装置において、前記ターゲットの前方に、前記ターゲットに対して-30V以上の電位を印加する2次電子抑制電極を配置することを特徴とするイオン注入装置。
- イオンを発生させるイオン発生器と、前記イオン発生器からイオンを引き出す前段加速器と、前記前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離する質量分離器と、前記質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器と、前記XY偏向器によってスキャンされたイオンビームをウェハまで加速する後段加速器と、ターゲットを載置するウェハステージと、それらを収納するビームライン真空容器とを有し、
前記質量分離を、永久磁石を用いた磁場と、該磁場と直交する電場の制御とにより行い、
前記イオン発生器から前記XY偏向器までのイオンビーム制御を、半導体設計のゲート長に応じた必要な注入エネルギー領域以下の輸送エネルギーで行うとともに、
前記後段加速器によるイオンビーム制御を、前記ビームライン真空容器を接地電位として前記ターゲットに負の高電圧を印加し、前記高電圧を制御することにより、イオン注入に必要な注入エネルギーまで加速する制御とすることを特徴とするイオン注入装置。 - ハーフインチサイズのウェハを用いるミニマルファブ生産システムに使用される規格化された外形を有する単位処理装置に内蔵されるイオン注入装置であって、
イオンを発生させるイオン発生器と、前記イオン発生器からイオンを引き出す前段加速器と、前記前段加速器によって引き出されたイオンビームを質量分離する質量分離器と、前記質量分離器により選択したイオンビームをXY方向にスキャンするXY偏向器と、前記XY偏向器によってスキャンされたイオンビームをウェハまで加速する後段加速器と、ターゲットを載置するウェハステージと、それらを収納するビームライン真空容器とを有し、
前記質量分離を、永久磁石を用いた磁場と、該磁場と直交する電場の制御とにより行い、
前記イオン発生器から前記XY偏向器までのイオンビーム制御を、5keV以下の低エネルギー領域で行うとともに、前記後段加速器によるイオンビーム制御を、前記ビームライン真空容器を接地電位とし、前記ターゲットに印加する負の高電圧で行うことを特徴とするミニマルファブ生産システム用イオン注入装置。 - 請求項5に記載のイオン注入装置において、前記イオン発生器に供給されるイオン種あるいはイオン源ガスを当該イオン注入装置1台につき1種類のみに限定することを特徴とするイオン注入装置。
- 請求項5に記載のイオン注入装置において、前記ミニマルファブ生産システムにおけるイオン注入プロセス毎に注入条件が最適化された単機能の専用機としたことを特徴とするイオン注入装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013009385A JP6296529B2 (ja) | 2013-01-22 | 2013-01-22 | イオン注入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013009385A JP6296529B2 (ja) | 2013-01-22 | 2013-01-22 | イオン注入装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014143011A true JP2014143011A (ja) | 2014-08-07 |
JP6296529B2 JP6296529B2 (ja) | 2018-03-20 |
Family
ID=51424162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013009385A Active JP6296529B2 (ja) | 2013-01-22 | 2013-01-22 | イオン注入装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6296529B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113529041A (zh) * | 2021-07-13 | 2021-10-22 | 中国工程物理研究院流体物理研究所 | 抑制绝缘介质材料二次电子发射的离子束注入装置及方法 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4830702B1 (ja) * | 1967-03-31 | 1973-09-22 | ||
JPS6077340A (ja) * | 1983-09-22 | 1985-05-01 | バリアン・アソシエイツ・インコ−ポレイテツド | 真空処理チェンバ内の汚染を減少させるための方法 |
JPS61285648A (ja) * | 1985-06-12 | 1986-12-16 | Nec Kansai Ltd | イオン注入装置 |
JPH04104441A (ja) * | 1990-08-21 | 1992-04-06 | Nissin Electric Co Ltd | 質量分離機構を備えたイオン源 |
JPH09283074A (ja) * | 1996-04-09 | 1997-10-31 | Applied Materials Inc | イオン注入装置及びイオン注入方法 |
JP2003308796A (ja) * | 2002-04-12 | 2003-10-31 | Eiko Engineering Co Ltd | 液体多原子イオンビーム発生装置 |
JP2005209762A (ja) * | 2004-01-21 | 2005-08-04 | Seiko Epson Corp | 半導体装置の製造方法、レチクル及び半導体製造設備 |
JP2006221941A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Nissin Ion Equipment Co Ltd | イオン注入装置およびイオン注入方法 |
JP2012054414A (ja) * | 2010-09-01 | 2012-03-15 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | デバイス製造装置および方法 |
-
2013
- 2013-01-22 JP JP2013009385A patent/JP6296529B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4830702B1 (ja) * | 1967-03-31 | 1973-09-22 | ||
JPS6077340A (ja) * | 1983-09-22 | 1985-05-01 | バリアン・アソシエイツ・インコ−ポレイテツド | 真空処理チェンバ内の汚染を減少させるための方法 |
JPS61285648A (ja) * | 1985-06-12 | 1986-12-16 | Nec Kansai Ltd | イオン注入装置 |
JPH04104441A (ja) * | 1990-08-21 | 1992-04-06 | Nissin Electric Co Ltd | 質量分離機構を備えたイオン源 |
JPH09283074A (ja) * | 1996-04-09 | 1997-10-31 | Applied Materials Inc | イオン注入装置及びイオン注入方法 |
JP2003308796A (ja) * | 2002-04-12 | 2003-10-31 | Eiko Engineering Co Ltd | 液体多原子イオンビーム発生装置 |
JP2005209762A (ja) * | 2004-01-21 | 2005-08-04 | Seiko Epson Corp | 半導体装置の製造方法、レチクル及び半導体製造設備 |
JP2006221941A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Nissin Ion Equipment Co Ltd | イオン注入装置およびイオン注入方法 |
JP2012054414A (ja) * | 2010-09-01 | 2012-03-15 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | デバイス製造装置および方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113529041A (zh) * | 2021-07-13 | 2021-10-22 | 中国工程物理研究院流体物理研究所 | 抑制绝缘介质材料二次电子发射的离子束注入装置及方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6296529B2 (ja) | 2018-03-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7800083B2 (en) | Plasma electron flood for ion beam implanter | |
KR101130411B1 (ko) | 가속/감속 갭 편향 | |
US7851772B2 (en) | Ion implantation apparatus and ion implantation method | |
EP0822571A2 (en) | Method and apparatus for ion beam neutralization | |
TWI385702B (zh) | 離子佈植機磁鐵中的電子注入 | |
JP2007525811A (ja) | イオンビーム電流の調整 | |
JP2009117393A (ja) | イオン注入システムのための磁気/静電式ハイブリッド偏向器およびイオンビームの偏向方法 | |
KR20160005095A (ko) | 이온 주입 시스템에서 추출 전극 어셈블리 전압 변조 | |
KR101065450B1 (ko) | 이온원 장치 및 그 장치를 위한 전자 에너지 최적화 방법 | |
US6476399B1 (en) | System and method for removing contaminant particles relative to an ion beam | |
US10692697B2 (en) | Apparatus and techniques for decelerated ion beam with no energy contamination | |
TW201635326A (zh) | 在具有射束減速的離子植入器中用於射束角度調整的系統及方法 | |
US6525326B1 (en) | System and method for removing particles entrained in an ion beam | |
WO2005117059A1 (ja) | 電荷中和装置 | |
JP6296529B2 (ja) | イオン注入装置 | |
US20100019141A1 (en) | Energy contamination monitor with neutral current detection | |
US11120970B2 (en) | Ion implantation system | |
TWI829821B (zh) | 電極系統、離子源及離子植入系統 | |
MATSUDA et al. | Industrial Aspects of Ion-Implantation Equipment and Ion Beam Generation | |
KR100774813B1 (ko) | 이온주입장치의 추출 전극 및 이온 빔 포커싱 방법 | |
KR20180066922A (ko) | 이온 소스 헤드 및 이를 포함하는 이온 주입 장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151016 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160809 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161004 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170606 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170804 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20170804 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6296529 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |