JP2014139596A - 指向性反射スクリーン、画層表示装置 - Google Patents

指向性反射スクリーン、画層表示装置 Download PDF

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誠二 大橋
Takeshi Kamata
豪 鎌田
Satoshi Shibata
諭 柴田
Tokiyoshi Umeda
時由 梅田
Masahiro Tsujimoto
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Abstract

【課題】所望の光反射性能、拡散性能を維持して鮮明な画像を投影することが可能なスクリーンを備えた画像表示装置を提供する。
【解決手段】垂直拡散部12の表面、即ち入射光の入射面には、反射防止体13が形成されている。反射防止体13は、例えば、微細な円錐形状の突起13aを多数配列したものからなる。例えば、反射防止体13はモスアイ(蛾の複眼)構造となっており、こうした微細な突起13aによって、空気層を伝播してきた入射光が、屈折率の急激な変化によって垂直拡散部12に入射せずに反射されてしまうことを防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、指向性反射スクリーン、およびこれを備えた画像表示装置に関する。
例えば、プロジェクターなどの画像投影手段と、この画像投影手段から出射された画像光を指向性をもって反射させる再帰性反射スクリーン(以下、指向性反射スクリーンと称する)を組み合わせた画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。こうした画像表示装置では、指向性反射スクリーンに照射された画像信号は、その指向性反射スクリーンで反射されると、水平方向には画像投影手段の位置に集光する。このような反射特性を活かして、2つのプロジェクターを観察者の右眼および左眼の直上または直下に配置するとともに、両眼視差の原理に基づく立体画像信号となる一対の映像信号を、指向性反射スクリーンに照射することによって、特殊な眼鏡を着用することなく、立体映像を鑑賞することができる。
画像表示装置の水平方向の鑑賞範囲を拡張し、多人数で画像を鑑賞することを可能にする構成として、所定の角度で交差した合わせ鏡を配列した合わせ鏡群と異方性拡散体とを組み合わせた指向性反射スクリーンも知られている。こうした指向性反射スクリーンは、画像投影手段からの入射光が異方性拡散体を透過し、合わせ鏡群で反射された後に異方性拡散体を透過して射出するように配置されており、異方性拡散体は、合わせ鏡群の稜線に平行な方向の幅と垂直な方向の幅が異なる微小レンズ群を備えたものが知られている。
更に、複数の画像投影手段から互いに異なる画像を1つの指向性反射スクリーンに向けて投影し、観察者の居る位置に応じて観察可能な画像が違う画像表示装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
図21は、上述した画像表示装置の仕組みを簡潔に示した模式図を示す。
この画像表示装置200は、指向性反射スクリーン201と、複数の観察者A,B,Cのそれぞれの近傍に配置されたプロジェクター202a,202b,202cとを備えている。そして、プロジェクター202aから投影された映像光は指向性反射スクリーン201で観察者Aに向けて反射される(図中実線矢印Ia参照)。これによって、プロジェクター202aによって投影された映像を観察者Aが観察できる。同様に、プロジェクター202bから投影された映像光は観察者Bに向けて、またプロジェクター202cから投影された映像光は観察者Cに向けて、指向性反射スクリーン201でそれぞれ反射される(図中実線矢印Ib,Ic参照)。
特許第4041397号公報 特開2006−154143号公報
しかしながら、特許文献1に示したような画像表示装置では、画像投影手段から出射され、指向性反射スクリーンに入射する画像光の一部が、合わせ鏡群まで到達することなく異方性拡散体の表面で反射されてしまうことがあった。例えば、左眼用の画像投影手段から出射された画像光の一部が拡散レンズの表面で反射され、右眼用の画像投影手段の方向に戻ってくることがあった。これは、空気層と異方性拡散体との大きな屈折率差によって、画像投影手段から出射された画像光の一部が異方性拡散体の表面で反射されやすいことが原因である。これによって右目用映像と左目用映像とが混入してしまい、クロストークとなって画像の品位を劣化させてしまうという課題があった。
また、図21示したような従来の画像表示装置200では、例えば、プロジェクター202aから投影された映像光のうちの一部が指向性反射スクリーン201の表面で正反射(鏡面反射)されてしまい、観察者Cにもプロジェクター202aから投影された映像光が見えてしまうことがあった(図中点線矢印Ea参照)。この場合、観察者Cは、本来観察すべきプロジェクター202cから投影された映像光(図中実線矢印Ic参照)と、本来観察できないプロジェクター202aから投影された映像光(図中点線矢印Ea参照)とが混在した画像が見えてしまう(クロストーク)。これによって、観察者Cが観察すべきプロジェクター202cから投影された映像が大幅に劣化してしまう。
同様に、観察者Aに対しても、本来観察すべきプロジェクター202aから投影された映像光(図中実線矢印Ia参照)と、プロジェクター202cから投影され、指向性反射スクリーン201で一部が正反射された映像光(図中点線矢印Ec参照)とが混在した画像が見えてしまうことがあった。なお、図21(b)においては、プロジェクター202aおよびプロジェクター202cは同じ高さに設置されているため、出射光の軸線は実際には重なって表現されるが、分かりやすくするために上下方向にずらして記載している。
本発明の一実施形態は、上記課題を解決するためになされたものであって、所望の光反射性能、拡散性能を維持して鮮明な画像を投影することが可能なスクリーンを備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は、次のような指向性反射スクリーン、画像表示装置を提供した。
すなわち、本発明の指向性反射スクリーンは、入射光を少なくとも水平方向に沿って集光させ、入射方向に向けて反射させる水平反射部と、該水平反射光を垂直方向に沿って拡散させる垂直拡散部とを有し、
前記水平反射部と前記垂直拡散部とは互いに異なる面で広がり、かつ重なるように形成され、
前記垂直拡散部の表面には、前記水平反射部に向かう前記入射光の表面反射を防止するための反射防止体が形成されていることを特徴とする。
前記反射防止体は微細な凹凸構造を成し、微細な円錐形状の突起を多数配列したものであることを特徴とする。
また、前記反射防止体は前記垂直拡散部よりも屈折率が小さいことを特徴とする。
前記反射防止体はシート状に形成され、前記垂直拡散部の表面に貼着されたことを特徴とする。
また、前記反射防止体と前記垂直拡散部の表面との間には、更に平坦化層が形成されていることを特徴とする。
また、前記平坦化層は、屈折率が前記垂直拡散部よりも小さく、かつ前記反射防止体よりも大きいことを特徴とする。
前記水平反射部は、互いに所定の角度で交わる2つの反射面を複数組配列し、前記入射光を2面反射させてなることを特徴とする。
また、前記水平反射部および前記垂直拡散部は、前記入射光を3面反射させる立方体プリズムを複数個配列したプリズムシートからなり、該プリズムシートによって前記入射光を前記水平方向および前記垂直方向に沿って反射させることを特徴とする。
前記水平反射部は、互いに所定の角度で交わる2つの反射面を複数組配列してなることを特徴とする。
前記垂直拡散部は、レンズを複数配列したレンズ群からなることを特徴とする。
また、本発明の指向性反射スクリーンは、入射光を水平方向、および垂直方向に沿って、入射方向に向けて反射させる立体反射部を有し、
前記立体反射部の表面には、該立体反射部に向かう前記入射光の表面反射を防止するための反射防止体が形成されていることを特徴とする。
前記立体反射部は、前記入射光を3面反射させる立方体プリズムを複数個配列したプリズムシートからなり、該プリズムシートによって前記入射光を前記水平方向および垂直方向に沿って反射させることを特徴とする。
また、前記水平反射部あるいは、前記立体反射部の表面、または裏面には、反射膜が更に形成されていることを特徴とする。
また、前記反射防止体は、複数の光学干渉層を積層したものからなることを特徴とする。
また、前記反射防止体は、透明であることを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、前記各項記載の指向性反射スクリーンと、該指向性反射スクリーンに入射させる入射光として画像を投影する画像投影手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の指向性反射スクリーン、画像表示装置によれば、所望の光反射性能、拡散性能を維持して鮮明な画像を投影することが可能になる。
第1実施形態の指向性反射スクリーンを示す斜視図である。 図1の作用を示す説明図である。 第1実施形態の画像表示装置を示す説明図である。 反射防止体の詳細を示す要部拡大断面図である。 反射防止体の作用を説明する説明図である。 第2実施形態を示す断面図である。 他の実施形態を示す斜視図、断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 モスアイ構造の反射防止体の表面を示す顕微鏡写真である。 異方性拡散粘着層を示す顕微鏡写真である。 他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 従来の画像表示装置の作用を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る指向性反射スクリーン、およびこれを備えた画像表示装置の一実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(第一実施形態)
図1は、本実施形態の指向性反射スクリーンの構成を示す要部拡大斜視図である。
指向性反射スクリーン10は、例えばプロジェクターなどの画像投影手段から投影された入射光(画像光)を水平方向Hに沿って集光し、入射光(画像光)の入射方向に向けて再び反射させる(再帰性)水平反射部11と、この水平反射光を垂直方向Pに沿って拡散させる垂直拡散部12とを備えている。
水平反射部11と垂直拡散部12とは互いに異なる面で広がり、かつ重なるように形成されている。そして、水平反射部11と垂直拡散部12とは、接合面(貼り合わせ面)15を介して接合され、シート状に一体とされている。
こうした指向性反射スクリーン10は、垂直拡散部12側が画像投影手段から投影された入射光の入射面、かつ、反射された反射光の出射面とされる。
図2に示すように、水平反射部11は、互いに所定の角度θ、例えば90°で交わる2つの反射面11a,11bを複数組配列したものからなる。即ち、プリズム形状を連続させ、その交線となる稜線が垂直方向Pに沿って延びるように配置されたものである。こうした水平反射部11の例としては、輝度上昇フィルムBEFII(住友スリーエム株式会社)などを好ましく適用することができる。
また、反射光を増やすため、図2においてプリズム形状のプロジェクター側(以下、表面と称する場合がある)あるいは、裏面がミラー(鏡面)となっていても良い。上述した輝度上昇フィルムBEFIIは樹脂で形成されているため、プリズム形状に入射してきた光の角度によっては、光が反射せず、透過してしまう虞がある。したがって、プリズム形状にミラーを付け加えることによって、反射光の光量を増加させることができる。このミラーは、例えばアルミニウムを図2に示すプリズム形状の表面、あるいは裏面に蒸着することで容易に形成することができる。
垂直拡散部12は、例えば、水平方向Hに沿って延びる蒲鉾状のレンズ12aを垂直方向Pに複数並べたレンズ群からなるレンチキュラーシートから構成されていればよい。こうした垂直拡散部12の屈折率n3は1.5前後のものが一般的であるが、その他の値であっても良い。
図2に示すように指向性反射スクリーン10に例えばプロジェクター(画像投影手段)30などから入射光(画像光)Lが入射すると、入射光Lは垂直拡散部12を透過して水平反射部11に達する。水平反射部11に達した入射光Lは、互いに交わる2つの反射面11a,11bに順次反射され、水平方向Hには入射した方向に反射される。従って、水平反射部11全面に達した入射光Lは、水平方向Hにはプロジェクター30の光出射位置に集光拡散される。
一方、垂直拡散部12は、それぞれの蒲鉾状のレンズが反射面11a,11bの交線と直交するように延びており、水平反射部11で反射された水平方向指向性を保った反射光Mは、それぞれのレンズ12aによって垂直方向Pに向かって拡散され、プロジェクター30の光出射方向に戻る。こうした構造によって、プロジェクター30の直下に画像の観察者がいた場合でも、指向性反射スクリーン10に投影された画像を観察することが出来る。
こうしたプロジェクター(画像投影手段)30を、例えば右眼用プロジェクター30Lと左眼用プロジェクター30Rの2つのプロジェクターを用い、指向性反射スクリーン10と組み合わせて画像表示装置1を構成する。そして、これら2つのプロジェクター30L,30Rからそれぞれ両眼の視差に対応した画像を投影することによって、図3に示すように、観察者Hが立体視メガネなど特殊な器具を用いなくても、立体的な画像を観察可能な3D画像表示装置を実現できる。
再び図1を参照して、指向性反射スクリーン10を構成する垂直拡散部12の表面、即ち入射光の入射面には、反射防止体13が形成されている。図4は、反射防止体を示す拡大断面図である。反射防止体13は、例えば、微細な円錐形状の突起13aを多数配列したものからなる(図18に示す顕微鏡写真を参照)。例えば、反射防止体13はモスアイ(蛾の複眼)構造となっており、こうした微細な突起13aによって、空気層を伝播してきた入射光が、屈折率の急激な変化によって垂直拡散部12に入射せずに反射されてしまうことを防止する。
反射防止体13を構成するモスアイ構造とは、例えば、高さhが数百nm程度の凹凸構造であり、プロジェクターからの入射光の波長をλ、凹凸の形成周期(形成ピッチ)をaとすると、a<λとなるように設計されている。
ここで、図5に示すように、空気層(屈折率n1=1)とガラス基板(屈折率n2)との間に、高さhのモスアイ構造をもつ反射防止体が形成されている場合を想定すると、モスアイ構造内での屈折率は図5の右側に示したグラフのように、1からn2へと緩やかに変化することが一般的に知られている。
こうしたモスアイ構造が無く、空気層とガラス基板が直接接触している場合には、空気層とガラス基板の屈折率差に応じた表面反射が発生するが、図5のようにモスアイ構造を垂直拡散部の表面、即ち垂直拡散部と空気層との間に形成することによって、表面反射を抑制することが出来る。
同様に、プロジェクターから出射された光(入射光)が指向性反射スクリーン10に入射する場合も、プロジェクターからの入射光は、モスアイ構造が形成された反射防止体13(屈折率n3)の界面に到達するが、こうしたモスアイ構造により、屈折率がn1からn3へ緩やかに変化するため、表面反射が抑制され、プロジェクターから出射された光(入射光)の殆どが反射する(損失する)ことなく、垂直拡散部12に入射され、水平反射部11に達することができる。
これらの作用と同等の効果を得るために、屈折率を段階的に変化させることも好ましい。即ち、空気層の屈折率n1=1.0とした時に、反射防止体13の屈折率n2=1.3、垂直拡散部12の屈折率n3=1.5など、反射防止体13の屈折率が空気層よりも大きく、またも垂直拡散部12の屈折率が反射防止体13よりも大きくなるような材料を用い、屈折率を段階的に変化させる構成も好ましい。
以上のように、本発明の指向性反射スクリーン、画像表示装置によれば、プロジェクターなど画像投影手段から出射された光(入射光)が指向性反射スクリーン10に入射する際に、垂直拡散部12の表面に反射防止体13が形成されているので、表面反射が抑制され、入射光が殆ど反射されることなく垂直拡散部12に入射され、水平反射部11に達することができる。これによって、より高画質の表示映像を得ることができる。
また、プロジェクター(画像投影手段)30を、例えば右眼用プロジェクター30Lと左眼用プロジェクター30Rの2つのプロジェクターを用いた立体表示装置において、垂直拡散部12の表面での反射光を抑制することによって、右目用映像と左目用映像とが混入(クロストーク)することで画像の品位を劣化することがなく、高品位で鮮明な立体画像を投影することが可能になる。
図17(a),(b)に示すように、上述した指向性反射スクリーン10は、複数の観察者A,B,Cのそれぞれに対応したプロジェクター30a,30b,30cによって、観察者ごとに互いに異なる画像、あるいは異なる視点の画像をクロストークすることなく鮮明に投影することもできる。
即ち、観察者Aに対してはプロジェクター30aから投影され、指向性反射スクリーン10で反射された画像光(反射光)Aのみ観察できる。また、観察者Bに対してはプロジェクター30bから投影され、指向性反射スクリーン10で垂直反射された画像光(反射光)Bのみ観察できる。更に観察者Cに対してはプロジェクター30cから投影され、指向性反射スクリーン10で反射された画像光(反射光)Cのみ観察できる。
これによって、複数の観察者のそれぞれに適切な画像を、1つの指向性反射スクリーン10で鮮明に観察することができる。例えば、プロジェクター30aから投影された投影光が指向性反射スクリーン10に入射する前に表面反射され、観察者Cの方向に向かってしまい、観察者Cが本来観察する画像光(反射光)Cと混合(クロストーク)して画像を劣化させることを効果的に防止することができる。
なお、こうした反射防止体13は、垂直拡散部12の表面に一体に形成されていても、あるいはシート状の反射防止体13を垂直拡散部12の表面に貼着するなどして形成されていても良い。
以下、反射防止体の他の実施形態を例示する。
(第二実施形態)
図6は、他の実施形態の指向性反射スクリーンの構成を示す要部拡大斜視図である。
この指向性反射スクリーン40は、蒲鉾状のレンズ41aを垂直方向に複数並べたレンズ群を備えたレンチキュラーシートからなる垂直拡散部41と、プリズム反射シートからなる水平反射部42とが接合されてなる。そして、垂直拡散部41の表面には、モスアイ構造を多数形成した反射防止体43が、平坦化層44を介して形成されている
平坦化層44は、隣接する蒲鉾状のレンズ41aどうしの境界部分の溝を埋め、反射防止体43が形成される側に平坦面Fを形成する。これによって、反射防止体43に大きな凹凸が生じることなく平坦に形成することができ、所定の反射防止機能を発揮することができる。
こうした平坦化層44は、例えば空気層の屈折率n1=1、反射防止体43の屈折率n2=1.3、垂直拡散部41の屈折率n3=1.5としたときに、反射防止体43の屈折率よりも大きく、かつ垂直拡散部41の屈折率よりも小さい屈折率の材料から構成されればよい。これによって、空気層から入射した入射光は、反射防止体43、平坦化層44と進むにつれて段階的に屈折率が大きくなり、急激な屈折率の変化によって入射光が水平反射部42に達する前に反射されてしまうことを防止できる。
(他の実施形態)
第一実施形態に示したプリズム形状(合わせ鏡構造)以外にも、例えば、図7(a)に示すように、立体反射部であるコーナーキューブ(立方体プリズム)51から構成してもよい。こうしたコーナーキューブ(立体反射部)51を微細ピッチ(通常、ナノメートル(nm)オーダー〜マイクロメートル(μm)オーダー)で縦横に配列されたコーナーキューブシート(プリズムシート)52から立体反射部を構成すればよい(図7(b)参照)。
このコーナーキューブ(立体反射部)51は、3つの反射面51a,51b,51cが51a,51bが第一実施形態のプリズム形状と同様に、そして51cが51a,51bとそれぞれ垂直になるように形成されている。プロジェクター56から出射されコーナーキューブ51に入射した入射光は、全ての反射面(3つの面)に順次当たる(図中で反射を示す記号m1〜m3参照)。そして、入射光の入射方向に向けて反射光を出射させる。
図15(a),(b)には、こうしたコーナーキューブ51を多数配列したコーナーキューブシート52を用いた画像表示装置54を示す。図15(a)は垂直方向に沿った上面から見た図であり、図15(b)は水平方向に沿った側面から見た図である。コーナーキューブシート52は、プロジェクター(画像投影手段)56からコーナーキューブシート52を備えた指向性反射スクリーン59に入射された入射光(図中の実線参照)を水平方向および垂直方向ともに指向性を保ったまま反射させる(図中の点線参照)。なお、この図15(a),(b)においては、コーナーキューブシート52に入射された入射光(図中の実線)と、コーナーキューブシート52で反射された反射光(図中の点線参照)を、見易いようにずらして表現しているが、実際には重なった範囲である。
このような構成によって、プロジェクター56から出射された光は、コーナーキューブシート52によってプロジェクター56の方向に反射される。従って、本実施形態においては、プロジェクター56の近傍でのみ選択的に映像を観察することができる。そして、こうしたコーナーキューブシート55を用いた画像表示装置54においても、コーナーキューブシート52の表面には、反射防止体58が設けられている。コーナーキューブシート52の表面に反射防止体58を設けることによって、プロジェクター(画像投影手段)56から出射された光の一部がコーナーキューブシート52表面で正反射されてしまうことを防止し、鮮明な画像を表示することが可能になる。
なお、図7(b)に示すように、コーナーキューブシート52の表面に、更にレンチキュラーシートなどからなる垂直拡散部53を形成することも好ましい。このような実施形態では、反射防止体58は、コーナーキューブシート52の表面、または垂直拡散部53の表面に形成されていれば良い。コーナーキューブシート52の表面に垂直拡散部53を形成することによって、プロジェクター56の近傍に加えて、プロジェクター56の垂直方向に沿った広い範囲で鮮明な映像を観察することが可能になる。
(他の実施形態)
図8に示すように、垂直拡散部61に形成した反射防止体62を構成する微細な凹凸(突起)62aは、垂直拡散部61の垂直方向Pに向けて延びる細長い突条から構成されていてもよい。
(他の実施形態)
図9に示す指向性反射スクリーン70は、第一実施形態と同様に水平反射部71と、垂直拡散部72とを接合してなるが、垂直拡散部72は表面が蒲鉾状のレンチキュラーシート(屈折率n2)であり、この垂直拡散部72の上に低反射層(反射防止体:屈折率n3)73を形成した例である。ここで、図9のA−A付近の拡大図を図10に示す。また、プロジェクター(画像投影手段)からの光を1と設定し、空気の屈折率n1=1、n2=1.4、n3=1.5とすると、空気層と低反射層73との界面での反射R1は下記の式1で表される。
次に、低反射層73に入射した光(1−0.028=0.972)は、垂直拡散部72との界面まで達する。低反射層73と垂直拡散部72との界面での反射R2は、下記の式2ように表わされる。
このR2のうちのほとんどが空気層まで反射されるため、観察者Hの目に入る反射光Rは、下記の式3ようになる。
低反射層73を形成しなかった場合(従来例)では、空気層(屈折率n1)と垂直拡散部(レンチキュラーシート:屈折率n3)の界面での反射は4%にも達する。このため、本実施形態のように、空気層と垂直拡散部72との間に低反射層73を形成することによって、入射光の表面反射を効果的に抑制することが可能になる。
したがって、こうした指向性反射スクリーン70を図1、3のような立体映像表示装置に適用することで、より鮮明な高画質の表示映像を得ることができる。
(他の実施形態)
図9に示す低反射層に加えて、更に別な低反射層を重ねて形成しても良い。
図11に示す指向性反射スクリーン80では、垂直拡散部82(屈折率n3)に重ねて2つの低反射層(反射防止体)83(屈折率n2),84(屈折率n5)が形成されている。空気層(屈折率n1)とすると、これらの屈折率の関係がn1<n5<n2<n3となるように構成されていればよい。
これによって、空気層から2つの低反射層83,84を介して垂直拡散部82に至る入射光の光路において、屈折率が徐々に変化するために、途中で入射光が反射される割合を低減することが可能になる。
なお、こうした低反射層(反射防止体)は、更に3層以上、複数層重ねて形成することも好ましい。
(他の実施形態)
図12は、反射防止体として光学干渉層を適用した実施形態を示す説明図である。
この実施形態においては、指向性反射スクリーン90を構成する入射光Lは、光学干渉層(反射防止体)91の表面F1と、垂直拡散部92および光学干渉層91の界面F2で反射する。この表面反射光と界面反射光の位相を逆転させ打ち消しあうことで、画像の品質を劣化させる反射光を軽減することができる。
このときの光学干渉層91の屈折率(n1)および膜厚(d1)と、垂直拡散部92の屈折率(n2)とが下記の式4を満たす場合、波長λ(nm)における反射率が0%となる。
上記の式4から、光学干渉効果は波長依存性があり、光学干渉層膜厚依存性もあることが分かる。例えば、可視光が350nm〜750nmの範囲であると仮定し、上記の式4においてn0=1、n2=1.5、λ=550nmとするとn1=1.22であり、d1=112.3nmとなる。しかしながら、この膜厚d1=112.3nmは550nmの可視光に対して設計されたものであり、全ての波長の可視光に対しての反射防止効果は得られない。
したがって、図13に示すように、垂直拡散部92に重ねて複数の光学干渉層(反射防止体)91a,91b,91cを形成してもよい。こうした光学干渉層(反射防止体)の形成手段としては、例えば、塗布法による形成あるいは、フィルム貼着法などが例示できる。
また、光学干渉層(反射防止体)への物理的な接触、または塵や指紋などが付着した場合、光学干渉層の屈折率が変化し、表面反射が起こるため、塵や指紋などの拭き取りが行われる。こうした接触や拭き取りなどに対して、十分な硬度を保つため、図14に示すように、最上層の光学干渉層(反射防止体)91aに重ねて更に保護層93を形成しても良い。こうした保護層93は、例えばTAC(トリアセチルセルロース)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの硬質膜から構成されていればよい。
(他の実施形態)
図16は、他の実施形態の画像表示装置の構成を示す平面図である。図16(a)は垂直方向に沿った上面から見た図であり、図16(b)は水平方向に沿った側面から見た図である。
この実施形態における指向性反射スクリーン95は、水平反射部96および垂直拡散部97を備え、更に、水平反射部96の前面側は反射防止体98aが、また垂直拡散部97の前面には反射防止体98bが、それぞれ形成されている。
水平反射部96は、例えば、図2に示したプリズム形状が連続的に形成されたシート、あるいは図7(a)に示す立体反射部であるコーナーキューブが連続的に形成されたシート(コーナーキューブシート)から構成されていればよい。
また、反射防止体98a,反射防止体98bは、例えば、図4に示した微細な円錐形状の突起を多数配列したモスアイ(蛾の複眼)構造や、図9に示した低反射層などから構成されていればよい。
こうした実施形態では、プロジェクター(画像投影手段)99からの入射光が水平反射部96に入射する際に生じる表面反射と、垂直拡散部97に入射する際に生じる表面反射とを、反射防止体98aおよび反射防止体98bによってそれぞれ抑制、ないし防止することが可能になる。これによって、指向性反射スクリーン95の垂直方向の反射と水平方向の反射とを別な反射体で構成した場合においても、より一層鮮明な画像を表示することが可能になる。
また、上述した実施形態においては、垂直拡散部としてレンチキュラーシートを用いた例を示しているが、図19に示す異方性拡散シートを垂直拡散部として用いることも好ましい。
この異方性拡散シートは、異方性拡散粘着層中に分散された針状フィラーを含み、そのフィラーがシート平面に平行で一方向に配向したものである。この様な針状フィラーを配向させた異方性拡散シートの作用を図20に示す。異方性拡散シート(垂直拡散部)101に入射した光は、異方性拡散粘着層102中に分散された針状フィラー103によって、針状フィラー103の配向方向と直交する方向(図中のY方向)に拡散される。このような異方性拡散シート101を用いることによって、レンチキュラーシートを用いた場合と同様の垂直拡散効果を得ることができる。
10…指向性反射スクリーン、11…水平反射部、12…垂直拡散部、13…反射防止体。

Claims (14)

  1. 入射光を少なくとも水平方向に沿って集光させ、入射方向に向けて反射させる水平反射部と、該水平反射光を垂直方向に沿って拡散させる垂直拡散部とを有し、
    前記水平反射部と前記垂直拡散部とは互いに異なる面で広がり、かつ重なるように形成され、
    前記垂直拡散部の表面には、前記水平反射部に向かう前記入射光の表面反射を防止するための反射防止体が形成されていることを特徴とする指向性反射スクリーン。
  2. 前記反射防止体は微細な凹凸構造を成し、微細な円錐形状の突起を多数配列したものであることを特徴とする請求項1に記載の指向性反射スクリーン。
  3. 前記反射防止体は前記垂直拡散部よりも屈折率が小さいことを特徴とする請求項1に記載の指向性反射スクリーン。
  4. 前記反射防止体はシート状に形成され、前記垂直拡散部の表面に貼着されたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の指向性反射スクリーン。
  5. 前記反射防止体と前記垂直拡散部の表面との間には、更に平坦化層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の指向性反射スクリーン。
  6. 前記平坦化層は、屈折率が前記垂直拡散部よりも小さく、かつ前記反射防止体よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の指向性反射スクリーン。
  7. 前記水平反射部は、互いに所定の角度で交わる2つの反射面を複数組配列し、前記入射光を2面反射させてなることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の指向性反射スクリーン。
  8. 前記垂直拡散部は、レンズを複数配列したレンズ群からなることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載の指向性反射スクリーン。
  9. 入射光を水平方向、および垂直方向に沿って、入射方向に向けて反射させる立体反射部を有し、
    前記立体反射部の表面には、該立体反射部に向かう前記入射光の表面反射を防止するための反射防止体が形成されていることを特徴とする指向性反射スクリーン。
  10. 前記立体反射部は、前記入射光を3面反射させる立方体プリズムを複数個配列したプリズムシートからなることを特徴とする請求項9記載の指向性反射スクリーン。
  11. 前記水平反射部あるいは、前記立体反射部の表面、または裏面には、反射膜が更に形成されていることを特徴とする請求項1または9記載の指向性反射スクリーン。
  12. 前記反射防止体は、複数の光学干渉層を積層したものからなることを特徴とする請求項1ないし11いずれか1項記載の指向性反射スクリーン。
  13. 前記反射防止体は、透明であることを特徴とする請求項1ないし12いずれか1項記載の指向性反射スクリーン。
  14. 請求項1ないし13いずれか1項記載の指向性反射スクリーンと、該指向性反射スクリーンに入射させる入射光として画像を投影する画像投影手段とを備えたことを特徴とする画像表示装置。
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