本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の概念的な各種の構成について説明した後に、本発明に係る遊技機の具体的な各種の構成について説明する。
本発明に係る遊技機は、基枠、前記基枠に取着された遊技盤、並びに、前記基枠と前記遊技盤との少なくとも一方の後方に装着され、制御基板及び前記制御基板を収容する前記基板ケースを含む制御装置を備える前方ブロックと、前記前方ブロックの後方において前記前方ブロックに対して開閉自在に支持され、前記制御装置の少なくとも一部を覆う基体を備える後方ブロックとを備えている。
前記前方ブロックが、前記制御装置を前記基枠及び前記遊技盤の一方に対して回動自在に支持すると共に前記制御装置を離脱不能に固定する支持固定機構を備えている。ここで、「前記制御装置を前記基枠及び前記遊技盤の少なくとも一方に対して回動自在に支持する」とは、制御装置が、基枠及び遊技盤の一方との相対位置が回動によって変化できるように支持されていることを意味しており、このような構成としては、例えば、制御装置が支持固定機構のみを介して基枠に接続されている構成、制御装置が支持固定機構と他の部材等を介して基枠に接続されている構成、制御装置が支持固定機構のみを介して遊技盤に接続されている構成及び制御装置が支持固定機構と他の部材等を介して遊技盤に接続されている構成が挙げられる。また、「前記制御装置を離脱不能に固定する」とは、制御装置や支持固定機構の一部が破壊されるような離脱の痕跡を残さずには、制御装置を支持固定機構から離脱させることができないことを意味している。なお、支持固定機構の一部は、制御装置の基板ケースと一体成形されている構成であっても、基板ケースに別部材として固着される構成であってもよい。回動自在に支持するためには、軸体と軸受け体とを備える構成が一般的であるが、制御装置に軸体が接続され、基枠や遊技盤等の制御装置と異なる部材に軸受け体が形成される構成や、その逆に、制御装置に軸受け体が接続され、基枠や遊技盤等の制御装置と異なる部材に軸体が形成される構成とすることもできる。
前記制御基板が、前記前方ブロック及び前記後方ブロックの少なくとも一方に装着された電気機器を前記基板ケースの貫通孔を通して電気的に接続するコネクタと、前記コネクタに接続される主要電子部品とを含んでいる。ここで、「電気機器」とは、各種の駆動装置、各種の検出装置、各種の制御基板を意味する。電気機器としては、特に、遊技者による遊技媒体の獲得に関与する装置であることが好ましい。また、「主要電子部品」としては、演算処理装置、記憶装置及びそれらを一体的に含むMPU等の1チップのマイクロコンピュータが挙げられる。
前記基板ケースが、前記コネクタの少なくとも一部を覆うコネクタ被覆部材を備えている。ここで、「前記コネクタの少なくとも一部を覆う」とは、コネクタの少なくとも一面の少なくとも一部が他の部材を介さずに覆われていることを意味している。
前記後方ブロックの前記基体が、前記支持固定機構の少なくとも一部と前記コネクタ被覆部材の少なくとも一部とを覆っている。ここで、「前記支持固定機構の少なくとも一部と前記コネクタ被覆部材の少なくとも一部とを覆う」とは、支持固定機構の少なくとも一面の少なくとも一部が他の部材を介さずに覆われており、かつ、コネクタ被覆部材の少なくとも一面の少なくとも一部が他の部材を介さずに覆われていることを意味している。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機A」とも称す。
上記の遊技機Aであれば、制御装置が回動自在に支持固定されていることによって、制御装置を取り外して制御基板を交換するような不正行為を抑制でき、また、前方ブロックの背面側の構成や制御装置の取り外しの痕跡、轢いては、制御装置の取り外しの痕跡を容易に確認することができる。また、支持固定機構の少なくとも一部が後方ブロックの基体によって被覆されていることによって制御装置を取り外すことが困難となり、制御装置を取り外すような不正行為が更に抑制できる。また、制御装置を回動自在に支持固定するために制御装置が片持ち支持されて制御装置がずれ易くなっていたとしても、後方ブロックが前方ブロックに対して閉鎖されている閉鎖状態において、コネクタがコネクタ被覆部材によって被覆され、更に、コネクタ被覆部材が後方ブロックの基体によって被覆されていることによって、後方ブロックの基体と制御装置との間から異物を挿入したりしてコネクタとコネクタに接続される配線との間を断線させたり(以下、「不正接続断線」とも称す)、同様にして配線自体を断線させたり(以下、「不正配線断線」)、コネクタと配線との間で不正な基板を挿入したりして(以下、「不正基板挿入」)、制御基板から送信される信号や制御基板で受信される信号を不正に改変したりする不正行為が確実に抑制される。また、制御装置が回動自在に支持固定されて制御装置を前面側及び背面側から直視によって目視できることによって、これらの不正行為も容易に確認することができる。したがって、保守点検等における制御装置に対する操作性を維持しつつ制御装置の動作を改変する不正行為を抑制できると共に、制御装置よる送受信信号を改変する不正行為を抑制できる。
上記の遊技機Aにおいて、
前記後方ブロックの前記基体が、前記主要電子部品の前記制御基板からの突出側の前方と異なる部位のみを覆い、
前記コネクタ被覆部材が、前記コネクタにおける前記制御基板からの突出側の先端部及び前記コネクタにおける前記主要電子部品側の側部を覆う構成であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機B」とも称す。
上記の遊技機Bであれば、不正接続断線、不正配線断線及び不正基板挿入等の不正行為を実行することが更に困難となる。
上記の遊技機A又はBにおいて、
前記コネクタ被覆部材が、前記基板ケースに対して着脱自在に取着されている構成であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機C」とも称す。
上記の遊技機Cであれば、コネクタと配線との接続状態の変更(コネクタから配線の抜脱やコネクタへの配線の挿着)する必要がある正常な保守点検においてその操作性の低下を抑制できる。
上記の遊技機Cにおいて、
前記コネクタは、前記コネクタと前記電気機器との電気的な接続を中継する配線の前記コネクタからの抜脱及び前記配線の前記コネクタへの挿着が前記コネクタと前記コネクタ被覆部材との対向方向への所定の挿抜距離の移動により行える構造であり、
前記コネクタ被覆部材と前記コネクタとの前記対向方向の間隔が、前記挿抜距離未満である構成であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機D」とも称す。
上記の遊技機Dであれば、基板ケースに対するコネクタ被覆部材の装着状態において、コネクタと配線との接続状態の変更が不能となり、コネクタと配線との間の断線や配線自体の断線、コネクタと配線との間への不正な基板の挿入が更に困難となる。
上記の遊技機A〜Dにおいて、
前記後方ブロックの前記基体の一部が、前記基板ケースに対する前記コネクタ被覆部材の離脱における移動方向の前方を覆い、
前記後方ブロックの前記基体と前記コネクタ被覆部材との間隔が、前記基板ケースに対する前記コネクタ被覆部材の離脱における前記移動方向への移動距離未満であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機E」とも称す。
上記の遊技機Eであれば、後方ブロックを前方ブロックに対して開放しなければ、コネクタ被覆部材を離脱させることができないために、コネクタと配線との間の断線や配線自体の断線、コネクタと配線との間への不正な基板の挿入が更に困難となる。
上記の遊技機A〜Eにおいて、
前記前方ブロックが、前記基枠及び前記遊技盤の少なくとも一方に回動自在に固着された取り付け台を備え、
前記制御装置が、前記支持機構を介して前記取り付け台に回動自在に固着されている構成であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機F」とも称す。
上記の遊技機Fであれば、制御装置及び取り付け台を一体的に回動させて、後方ブロックの基枠や遊技盤の背面側の構成を簡便に表出させることができ、また、制御装置のみを回動させて、制御装置の裏面を表出させることができる。これによって、基枠や遊技盤の背面側の部材の保守点検が簡便に実行でき、また、制御装置の裏側に不正な基板が装着されていないかなどを簡便に確認できる。
上記の遊技機A〜Fにおいて、
前記制御基板が、前記コネクタと異なり、前記電気機器と異なる前記前方ブロック及び前記後方ブロックの少なくとも一方に装着された少なくとも1つの付加電気機器を電気的に接続する少なくとも1つの付加コネクタを含み、前記コネクタ及び前記少なくとも1つの付加コネクタを含むコネクタ群を構成する全てのコネクタが前記基板ケースの貫通孔に挿通され、
前記基板ケースが、前記貫通孔を前記コネクタ群のコネクタ数に対応する個数の局所貫通孔に分割して前記貫通孔の余剰の貫通領域を低減する貫通領域制限部材を備え、
前記コネクタ被覆部材が、前記コネクタ群を一括して覆う構成であることが好ましい。
構成であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機G」とも称す。
上記の遊技機Gであれば、複数個のコネクタに対する不正行為を簡便に抑制できる。更に機種毎にコネクタ数やコネクタ形状が異なったとしても、貫通領域制限部材の局所貫通孔の構成を変化させることで対応できるために汎用性が高くなる。
上記の遊技機Gにおいて、
前記コネクタ被覆部材が、前記基板ケースに対して着脱自在に取着されている構成であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機H」とも称す。
上記の遊技機Hであれば、上記の遊技機Bと同一の効果を奏する。
上記の遊技機Hにおいて、
前記貫通領域規制部材が、前記コネクタ被覆部材側に突出する一対の係止爪部を含み、
前記コネクタ被覆部材が、前記一対の係止爪部に対応する一対の貫通孔を有し、
前記コネクタ被覆部材が、前記一対の貫通孔に連通する一対の係合筒部を備え、
前記一対の係合筒部の各々の空洞内において、前記係止爪部と係合する段差が形成されている。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機I」とも称す。
上記の遊技機Iであれば、と貫通領域規制部材からのコネクタ被覆部材の装着や離脱が簡便に行える。
上記の遊技機Iにおいて、
前記一対の係止爪部の先端が、前記基板ケースに対する前記コネクタ被覆部材の装着状態において、前記一対の係合筒部の空洞内に配置される構成であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機J」とも称す。
上記の遊技機Jであれば、後方ブロックを開放した状態においてコネクタ被覆部材の装着や離脱が簡便となるが、後方ブロックを閉鎖した状態においてコネクタ被覆部材の装着や離脱が困難となり、コネクタへの不正行為の前段として実行されるコネクタ被覆部材の取り外しが抑制され、轢いては、コネクタへの不正行為が抑制される。
上記の遊技機H〜Jにおいて、
前記コネクタ被覆部材が、前記貫通領域規制部材側へ突出する移動規制部を含み、
前記貫通領域規制部材が、前記コネクタ被覆部材側へ突出し、前記貫通領域規制部材と前記コネクタ被覆部材との対向方向に沿って前記移動規制部に対向する部位と、前記対向方向に垂直な少なくとも一方向に沿って前記移動規制部に対向する部位とを有する移動規制部を含む構成であることが好ましい。
前記コネクタ被覆部材の前記貫通領域規制部材側への移動が、前記コネクタ被覆部材の移動規制部と前記前貫通領域規制部材との当接によって規制される構成であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機K」とも称す。
上記の遊技機Kであれば、コネクタ被覆部材の移動が制限されるために、コネクタ被覆部材をずらしてコネクタやコネクタに接続されている配線に対して不正な改変を行おうとするような不正行為が抑制される。
上記の遊技機H〜Kにおいて、
前記コネクタ被覆部は、一対の前記一対の係合筒部の各々の外力に応じた前記コネクタ被覆部の撓みによる前記一対の係止爪部及び前記一対の係合筒部への応力を低減させる破損抑制部を含む構成であることが好ましい。なお、以下において、上記の構成の遊技機を「遊技機L」とも称す。
上記の遊技機Lであれば、コネクタ被覆部材に外力を加えてコネクタ被覆部材と貫通領域規制部材との係合を破壊しようとしても、係止爪部又は係合筒部の破損が抑制される。
本発明に係る具体的な形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機として弾球遊技機の具体例を挙げて説明するが、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜に設計が変更されてもよい。
〔実施形態1〕
実施形態1の遊技機について説明する。図1〜図4は遊技機の一例を表す斜視図であり、図1には遊技機100の閉鎖状態が示され、図2には外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態が示され、図3には中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態が示され、図4には中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態が示されている。なお、図2〜図4において各種の配線は省略されており、また、図3において遊技盤400の詳細な構成は省略されている。
遊技機100は、図1〜図4に示されたように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104と、外枠101に対して中間ブロック103を開閉自在及び着脱自在に支持する中間ブロック支持機構と、中間ブロック103に対して前ブロック102を開閉自在及び着脱自在に支持する前ブロック支持機構と、中間ブロック103に対して後ブロック104を開閉自在及び着脱自在に支持する後ブロック支持機構とを備えている。
外枠101は、図2に示されたように、天板111、底板112、左側板113及び右側板114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、遊技機100を設置する遊技ホールに設けられた遊技機設置設備(通称、「島設備」:図示せず)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。外枠101は、更に、外枠101に対する中間ブロック103の閉鎖状態において中間ブロック103が載置される台座板115を備えている。天板111、底板112及び左側板113は木材であり、右側板114は木材よりも剛性の高い金属材であり、台座板115は樹脂材である。
中間ブロック支持機構は、図1に示されたように、外枠101に設けられた上側軸受け構造体121及び下側軸構造体122と、中間ブロック103に設けられた上側軸構造体126及び下側軸受け構造体127とを備えており、上側軸構造体126及び下側軸構造体122が、それぞれ、上側軸受け構造体121及び下側軸受け構造体127に装着されることによって、中間ブロック103が外枠101に対して支持される。
前ブロック支持機構は、図1又は図3に示されたように、中間ブロック103に設けられた上側軸構造体131(図3のみ)及び下側軸構造体132(図1のみ)と、前ブロック102に設けられた上側軸受け構造体133(図3のみ)及び下側軸受け構造体134(図1のみ)とを備えており、上側軸受け構造体133及び下側軸受け構造体134が、それぞれ、上側軸構造体131及び下側軸構造体132に装着されることによって、前ブロック102が中間ブロック103に対して支持される。同様に、後ブロック支持機構は、図4に示されたように、中間ブロック103に設けられた上側軸受け構造体136及び下側軸受け構造体137(図8参照)と、前ブロック102に設けられた上側軸構造体138及び下側軸構造体139(図8参照)とを備えており、上側軸構造体138及び下側軸構造体139が、それぞれ、上側軸受け構造体136及び下側軸受け構造体137に装着されることによって、後ブロック104が中間ブロック103に対して支持される。
また、遊技機100は、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の開錠や閉錠を行うために操作される錠開閉操作機構とを備えている。図3に示されたように、中間ブロック103に設けられ、前ブロック102の開口102Aを通して遊技機100の前面側に露出している錠開閉操作機構のキーシリンダ141(図1も参照)に対する所定の操作キー(図示せず)による右回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動爪143が作動し、外枠101に設けられた中間ブロック施錠機構の固定爪142と中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動爪143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動爪144と前ブロック102に設けられた前ブロック施錠機構の固定爪145との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、遊技機100は、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構を備えている。後ブロック開閉規制機構は、図2及び図4に示されたように、3つの開閉規制部150A〜150Cで構成され、それらの各々において、中間ブロック103に設けられ、後ブロック104に形成された開口104Aを通して遊技機100の背面側に突出している回動片151に対する回転操作に応じて、回動片151が開口104Aを通過できない開閉禁止位置から回動片151が開口104Aを通過できる開閉許容位置へ移動すると、中間ブロック103と回動片151とによる後ブロック104に形成された被挟持片152の挟持が解除されて、後ブロック104は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、遊技機100は、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構を備えている。遊技球移動規制機構は、図3に示されたように、中間ブロック103に設けられ、前面ブロック102側へ付勢された流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更突起162とを備えており、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動は、中間ブロック103に対する前ブロック102の閉鎖状態において流下規制片161が規制変更突起162により中間ブロック102側へ押圧された移動許容位置に位置することによって許容され、一方、中間ブロック103に対する前ブロック102の開放状態において流下規制片161が規制変更突起162による押圧が解除されて前ブロック102側へ突出する移動禁止位置に位置することによって禁止される。
また、遊技機100は、前ブロック102における後述の中央パネル220と中間ブロック103における後述の遊技盤400との間隔の一定性を厳密化する間隔規制機構を備えている。間隔規制機構は、図3に示されたように、中央パネル220に設けられ、前ブロック102の背面側において中間ブロック103と前面ブロック102との開閉軸側に突出する突出片171と、中間ブロック103に設けられ、中間ブロック103の正面側においてその開閉軸側と反対側に突出する突出片172とを備えており、中間ブロック103に対する前ブロック102の閉鎖方向への移動に伴って突出片171が突出片172の後方側に入り込み、最終的に中間ブロック103に対する前ブロック102の閉鎖状態において突出片171の前面と突出片172の後面とが押圧状態で当接する。
また、遊技機100は、図2に示されたように、外枠101に対して中間ブロック103が開放されているか閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108と、図3に示されたように、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109とを備えている。
前ブロック102は、図1及び図3に示されたように、開口201A(図3のみ)を有する基枠201と、基枠201の前面側に設けられ、開口201Aの一部に連通する開口210A(図1のみ)を有する前面パネル210と、開口201Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230(図1のみ)と、遊技球を貯留する補助貯留機構240(図1のみ)と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に遊技盤400(図3のみ)に発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250(図1のみ)とを備えている。
前面パネル210は、図1に示されたように、開口210Aの周縁の開口周縁部211と、開口周縁部211の下方において前方に突出し、主貯留機構230が配置される上側突出部217と、上側突出部217の下方において前方に突出し、補助貯留機構240が配置される下側突出部218と、下側突出部218の右方において概ね平坦であり、発射操作装置250が配置される平坦部219とを含んでいる。
中央パネル220は、図1又は図3に示されたように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3のみ)と、パネル枠221に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1のみ)と、パネル枠221に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3のみ)とを備えている。なお、上述の間隔規制機構の突出片171は、パネル枠221と一体形成されている。
主貯留機構230は、図1に示されたように、遊技球の流入口231A、流出口(図示せず)及び流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)を有する貯留桶231と、放出口の開閉により貯留桶231から放出される遊技球の放出先を流出口と放出口との間で切り換える球抜き機構と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球や後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は主に流入口231Aを通して貯留桶231に流入し、貯留桶231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている方向(図5中の右方)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して中間ブロック103における後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1又は図5に示されたように、遊技球の流入口241A(図5のみ)及び放出口241Bを有する貯留桶241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留桶231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留桶241に流入し、また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じて主貯留桶230から誘導された遊技球も流入口241Aを通して貯留桶241に流入する。貯留桶241の底面は放出口241Bに向けてすり鉢上に傾斜しており、球抜き操作部材242に対する球抜き操作(右スライド操作)に応じた放出口241Bの開放によって、貯留桶241に貯留されている全ての遊技球を順次に遊技機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(押圧操作又は微少な左スライド操作)がなされるまで、その状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留桶241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れ検出スイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示されたように、周縁パネル210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、遊技者によって操作され、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を無効化する発射停止スイッチ255(図5のみ)とを含んでいる。遊技者による発射ハンドル252の回転操作に応じて、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
前ブロック102は、基枠201に設けられ、前面パネル210の開口周縁部211の奥方に配置された発光装置群を備えており、枠発光装置群は、図5に示されたように、開口周縁部211における上方中央部211A、上方中央部211Aの左方の上方左角部211B、上方中央部211Aの右方の上方右角部211C、上方左角部211Bの下方の左中間部211D及び上方左角部211Bの下方の右中間部211Eのそれぞれに対応して配置された上中央枠発光装置271、左上枠発光装置272、右上枠発光装置273、左中間枠発光装置274及び右中間枠発光装置275(図10参照)で構成されている。
また、前ブロック102は、基枠201に設けられ、前面パネル210の開口周縁部211の奥方に配置された音響装置280を備えており、音響装置280は、開口周縁部211に形成された左上音響出力口211A及び右上音響出力口211Bのそれぞれの奥方に配置された左上音響出力部281及び右上音響出力部282を備えている。
また、前ブロック102は、図1に示されたように、上側突出部217に設けられた遊技球貸出装置290を備えており、遊技球貸出装置290は、遊技機100の側方に配置され遊技機100の構成要素でないカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置(図示せず)と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等の投入によってそれらの金額に対応する数値が度数表示装置に表示されている有効状態において貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
中間ブロック103は、図3又は図4に示されたように、開口(図示せず)を有する基枠301と、基枠301の前面側に取着されて開口を覆う遊技盤400(図3のみ)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3のみ)と、遊技盤400の背面側に設けられた取り付け台360(図4のみ)と、取り付け台360に装着された遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4のみ)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4のみ)とを備えている。
基枠301には、払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路301Aや前ブロック102の基枠201に設けられた枠発光装置271〜275や音響装置280と主制御装置370や副制御装置390とを電気的に接続するための配線(図示せず)や信号中継装置(図示せず)が挿通される遊技盤400の切り欠きに基づく開孔301Bが形成されている。
遊技盤400は、図6及び図7に示されたように、排出口401A等の各種の貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲し、後述する発射装置330から発射された遊技球を誘導する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着され、外レール402及び内レール403が平行に対向する部分で形成される発射通路401Bから放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着され、遊技盤400の中央を越えて左側に移動するような遊技球の大幅な反跳を防止する反跳防止部材405と、発射通路402を構成する部分の外レール402の外縁を保護する保護部材406とを備えている。図3に示されたように、発射装置330から発射通路401Bへ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、基枠201に形成され、この間隙の下方に配置される戻り球通路201Bを介して流入口241B(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。なお、概ね外レール402及び内レール403とで区画され、戻り球防止機構404を超えた遊技球が移動可能な略円形状の遊技領域に設けられる構造物については後述する。
遊技盤支持機構は、図3に示されたように、保護部材406に設けられた支軸部311(図7も参照)と、基枠301に形成され、遊技盤400の基体401の一部が載置される載置部312及び支軸部311と係合する軸受け部313とで構成され、遊技盤400を回転自在かつ着脱自在に支持している。遊技盤400が回動自在に支持されている場合において、所定の角度以上だけ回転させた後に、基体401における載置部312と当接する部位を支点として遊技盤400を回転軸から傾けると、支軸部311と軸受け部313との係合が外れる。これによって、遊技盤400を基枠301から離脱させることができる。逆に、遊技盤400を基枠301に装着する場合には、遊技盤400の所定の部位を載置部312に載置した後に、支軸部311を軸受け部313に係合させる。
遊技盤固定機構は、基枠301に設けられた3つの固定具320A〜320C(図3において2つの固定具のみが図示されている)で構成され、それらの各々は、基枠301から前方に突出する回動自在な回転軸体(図示せず)と、回転軸体の先端に固着され、遊技盤400の基体401に形成された切り欠き部401Cを通して通過できない挿抜禁止配位と切り欠き部401Cを通して通過できる挿抜許容配位とをとる回動片322と、回動片322より後方に配置された押圧板(図示せず)と、回動片322が挿抜禁止配位である場合に押圧板を回動片322側に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。遊技盤400が基枠301に固定されている着脱禁止状態において、回動片322は、切り欠き部401Cを通して基体401の前方に突出すると共に挿抜禁止配位となっており、基体401は、回動片322と押圧板とによって押圧状態で挟持されている。これによって、基枠301に対する遊技盤400の前後方向の位置決めが正確に行えるために、誘導部材335から発射通路401Bへの遊技球の移動が阻害されることを防止できる。回動片322対する回転操作に応じて、回動片322が挿抜禁止配位から回動片322が切り欠き部401Cを通過できる挿抜許容配位へ回転すると、付勢体からの押圧板の付勢が解除され、また、回動片322と押圧板とによる基体401の挟持が解除される。全ての固定具320A〜320Cの回動片322が挿抜許容配位である場合には、基枠301に対して遊技盤400が回動自在になる。逆に、遊技盤400を基枠301に固定する場合には、全ての固定具320A〜320Cの回動片322が挿抜許容配位である状態で、遊技盤400を回転させて各回動片を切り欠き部401Cに挿通させた後に、全ての固定具320A〜320Cの回動片322を挿抜禁止配位に回転させる。
発射装置330は、図3に示されたように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動する。
取り付け台360は、図4に示されたように、基枠301に設けられた軸受け構造体10(図18参照)と取り付け台360に形成され、軸受け構造体10に係合する軸構造体20(図18参照)とを含む支持機構を介して、基枠301に対して回動自在に支持されている。なお、取り付け台360の構成は本発明の特徴部分の構成に関連するために、下述する本発明の特徴部分の説明において別途に詳細に説明する。
主制御装置370は、図4に示されたように、主制御基板920と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、開封の痕跡を残さずには開封できないように基板ケース371に封止されている。基板ケース371の構成は、本発明の特徴部分であるために、下述する本発明の特徴部分の説明において別途に詳細に説明する。
副制御装置390は、副制御基板940と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えており、副制御基板940は、基板ケース391に封止されている。
ここで、遊技盤400において、基体401に設けられ、遊技領域に配置される各種の構造物について詳細に説明する。図6は、遊技盤の一例を表す斜視図であり、図7は、遊技盤の一例を表す正面図である。遊技盤400は、図6及び図7に示されたように、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置され、進入口420A,420Bから流入した遊技球を第1始動入賞装置431の近傍に誘導するセンタフレーム420と、センタフレーム420の中央の真下に配置された第1始動入賞装置431と、第1始動入賞装置431に進入した遊技球を検出する第1始動入賞スイッチ441(図10参照)と、第1始動入賞装置431の真下に配置された第2始動入賞装置432と、第2始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する第2始動入賞スイッチ442(図10参照)と、第2始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433と、大入賞装置433に進入した遊技球を検出する大入賞スイッチ443(図10参照)と、第1始動装置435と、第1始動装置435に進入した遊技球を検出する第1始動スイッチ445(図10参照)と、第2始動装置436と、第2始動装置436に進入した遊技球を検出する第2始動スイッチ446(図10参照)と、第2始動入賞装置432より左側に配置された2つの一般入賞装置438と、一般入賞装置438に進入した遊技球を検出する左一般入賞スイッチ448(図10参照)と、第2始動入賞装置432より右側に配置された2つの一般入賞装置439と、一般入賞装置439に進入した遊技球を検出する右一般入賞スイッチ449(図10参照)とを備えている。センタフレーム420、第1始動装置435及び第2始動装置436に進入した遊技球は遊技領域に放出されるが、第1始動入賞装置431、第2始動入賞装置432、大入賞装置433及び一般入賞装置438,439に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、第1始動入賞装置431、第2始動入賞装置432、大入賞装置433及び一般入賞装置438,439に進入しなかった遊技球は排出口401Aを通して回収排出路(図示せず)へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、遊技機100から遊技機設置設備(図示せず)に設けられた遊技球循環装置に排出される。第1始動入賞装置431、第2始動入賞装置432、大入賞装置433及び一般入賞装置438,439のいずれかに遊技球が進入した場合には、進入した装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540から払い出されることとなる。
第1始動入賞装置431及び一般入賞装置438,439の各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する構造である。一方、第2始動入賞装置432は、進入許容配位と進入禁止配位との間の移行によって進入確率を変化させる一対の可動羽根452と、一対の可動羽根452を駆動する羽根開閉ソレノイド462(図10参照)とを備えている。一対の可動羽根452が進入許容配位である場合には、第1始動入賞装置431と一対の可動羽根452との間隙を通して遊技球は第2始動入賞装置432に進入できるが、一対の可動羽根452が進入禁止配位である場合には、その間隙が遊技球が通過できない幅となるために遊技球は第2始動入賞装置432に進入できない。一対の可動羽根452は、第1始動装置435及び第2始動装置436のいずれかへの遊技球の進入、正確には第1始動スイッチ445及び第2始動スイッチ446のいずれかによる遊技球の検出に伴う主制御基板920による当たり抽選に当選した場合に、羽根開閉ソレノイド462の作動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容配位に移行する。また、大入賞装置433は、進入許容配位と進入禁止配位との間の移行によって進入確率を変化させる開閉シャッタ453と、開閉シャッタ453を駆動するシャッタ開閉ソレノイド463(図10参照)を備えている。開閉シャッタ453が進入許容配位である場合には、遊技球は大入賞装置433に進入できるが、開閉シャッタ453が進入禁止配位である場合には、遊技球は大入賞装置433に進入できない。開閉シャッタ453は、第1始動入賞装置431及び第2始動入賞装置432のいずれかへの遊技球の進入、正確には第1始動入賞スイッチ441及び第2始動入賞スイッチ442のいずれかによる遊技球の検出に伴う主制御基板920による大当たり抽選に当選した場合に、シャッタ開閉ソレノイド463の作動に応じて所定の回数だけ進入許容配位に移行する。
また、遊技盤400は、図7に示されたように、センタフレーム420に設けられ、第1特別図柄に係る大当たり抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄表示装置471と、センタフレーム420に設けられ、第2特別図柄に係る大当たり抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄表示装置472と、センタフレーム420に設けられ、第1特別図柄に係る大当たり抽選の権利の保留状態を表示する第1特別図柄保留表示装置476と、センタフレーム420に設けられ、第2特別図柄に係る大当たり抽選の権利の保留状態を表示する第2特別図柄保留表示装置477とを備えている。第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当たり抽選の権利は最大4つずつ保留される。なお、第1特別図柄に係る大当たり抽選の権利が最大まで保留されている場合に、第1始動入賞装置431に遊技球が進入したとしてもその遊技球に対する権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る大当たり抽選の権利が最大まで保留されている場合に、第2始動入賞装置432に遊技球が進入したとしてもその遊技球に対する権利は追加されない。
第1特別図柄表示装置471は、2色のLED471A,471Bで構成されており、主制御基板920(図10参照)により表示が制御される。各LED471A,471Bは、例えば赤色と緑色との2色を選択的に発光し、2つのLED471A,471Bの発光色の組合せによって第1特別図柄を表現する。同様に、第2特別図柄表示装置472は、2色のLED472A,472Bで構成されており、主制御基板920により表示が制御される。各LED472A,472Bは、例えば赤色と緑色との2色を選択的に発光し、2つのLED472A,472Bの発光色の組合せによって第2特別図柄を表現する。第1特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄保留表示装置477は、それぞれ、2つの単色LED476A,476B及び2つの単色LED477A,477Bの発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって各種の抽選の権利の保留個数を表示する。
また、遊技盤400は、センタフレーム420に設けられ、普通図柄に係る当たり抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、センタフレーム420に設けられ、普通図柄に係る当たり抽選の権利の保留状態を表示する普通図柄保留表示装置478とを備えている。普通図柄に係る当たり抽選の権利は最大4つずつ保留される。なお、普通図柄に係る当たり抽選の権利が最大まで保留されている場合に、第1始動装置435又は第2始動装置436に遊技球が進入したとしてもその遊技球の進入に対する権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、2色のLED473A,473Bで構成されており、主制御基板920(図10参照)により表示が制御される。各LED473A,473Bは、例えば赤色と緑色との2色を選択的に発光し、2つのLED473A,473Bの発光色の組合せによって普通図柄を表現する。また、普通図柄保留表示装置478は、2つの単色LED478A,478Bの発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって抽選の権利の保留個数を表示する。
また、遊技盤400は、センタフレーム420に設けられ、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかに係る大当たり抽選に伴って、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479を備えている。副制御基板940による制御に基づく装飾図柄の変動表示及び確定表示は、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と実質的に同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示より複雑な演出が実行される。
ここで、遊技盤400に基づく遊技性について簡単に説明する。遊技状態は、大別すれば、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当たり抽選の当選確率が低確率であり、大当たり抽選に伴う第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示において時間短縮が実施されない通常遊技状態と、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当たり抽選の当選確率が通常遊技状態より高い高確率であり、大当たり抽選に伴う第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示において時間短縮が実施される確変遊技状態と、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当たり抽選の当選確率が通常遊技状態と同一の低確率であり、大当たり抽選に伴う第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示において時間短縮が実施される時短遊技状態と、通常遊技状態、確変遊技状態及び時短遊技状態のいずれかの遊技状態において第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかに係る大当たり抽選に当選した場合に移行する特別遊技状態とに分類される。主制御基板920において、大当たり抽選用の乱数、大当たり種別抽選用の乱数、当たり抽選用の乱数、変動パターン抽選用の乱数、変動時間加算パターン抽選用の乱数が生成されており、各種の遊技状態において、第1始動入賞装置431に遊技球が進入すると、大当たり抽選用の乱数と大当たり種別抽選用の乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中や確定表示中でなければ直後に、また、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中や確定表示中であれば、先行して獲得している全ての大当たり抽選の権利の消化後に、その取得された大当たり抽選用の乱数と現在の遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態又は時短遊技状態)に基づいて大当たり抽選に当選したか否かが判定される。大当たり抽選に当選した場合には、更に、大当たり種別抽選用の乱数に基づいて第1特別図柄の停止図柄が決定され、停止図柄が特定図柄に対応する図柄である場合には、特別遊技状態に移行した後に確変遊技状態へ移行する確変大当たりとなり、停止図柄が非特定図柄に対応する図柄である場合には、特別遊技状態に移行した後に時短遊技状態へ移行する通常大当たりとなる。一方、大当たり抽選に落選した場合には、停止図柄としてハズレ図柄が設定される。
第1特別図柄に係る大当たり抽選の後に、現在の遊技状態、大当たり抽選の抽選結果、停止パターン抽選用の乱数、変動時間加算パターン抽選用の乱数、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当たり抽選の権利の保留数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄及び装飾図柄の変動表示が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては選択された変動パターンに従った変動表示が実行される。変動表示時間の経過に伴って第1特別図柄として停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄の変動表示が終了して、停止図柄が特定図柄及び非特定図柄に対応する図柄である場合には、それぞれ、確変図柄及び時短図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄の確定表示後に、第1特別図柄の停止図柄がハズレ図柄である場合には、遊技状態は通常遊技状態に維持され、第1特別図柄の停止図柄が特定図柄及び非特定図柄のいずれかに対応する図柄である場合には、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、大入賞装置433の開閉シャッタ453が所定の回数だけ間欠的に進入許容配位へ移行する。開閉シャッタ454が進入許容配位へ移行した後に、所定の個数(例えば、10球)の遊技球が大入賞装置433に進入した場合及び所定の最大時間が経過した場合のいずれかによって、開閉シャッタ454は進入禁止状態へ移行する。その後、所定の一定時間の経過後に、再度、開閉シャッタ454は進入許容配位へ移行する。この動作が所定の回数だけ繰り返される。なお、特別遊技状態においては、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれに係る大当たり抽選も実行されない。特別遊技状態の終了後に、今回の大当たりの種別が確変大当たりであった場合には確変遊技状態に移行し、今回の大当たりの種別が通常大当たりであった場合には時短遊技状態に移行する。確変大当たりに基づいて確変遊技状態に移行した場合には、次回の第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかに係る大当たり抽選の当選まで確変遊技状態は維持される。一方、通常大当たりに基づいて時短遊技状態へ移行した場合には、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかに係る大当たり抽選に当選することなく所定の回数の大当たり抽選の権利が消化されると時短遊技状態は終了して通常遊技状態に移行する。
上記においては、第1特別図柄に係る大当たり抽選について説明したが、第2特別図柄に係る大当たり抽選についても同様であるために、第1特別図柄及び第2特別図柄をそれぞれ第2特別図柄及び第1特別図柄と入れ替えて読み替えることとして重複する説明を省略する。
各種の遊技状態において、第1始動装置435に遊技球が進入すると、当たり抽選用の乱数が取得されて、主制御基板920のRAM(図示せず)の所定の領域に格納される。このとき、普通図柄が変動表示中や確定表示中でなければ直後に、また、普通図柄が変動表示中や確定表示中であれば、先行して獲得している全ての当たり抽選の権利の消化後に、その取得された当たり抽選用の乱数と現在の遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態又は時短遊技状態)に基づいて当たり抽選に当選したか否かが判定される。なお、確変遊技状態及び時短遊技状態において、当たり抽選の当選確率は通常遊技状態より高確率となっている。当たり抽選に当選した場合には、停止図柄として所定の当たり図柄が設定され、当たり抽選に当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。当たり抽選後に、普通図柄の変動表示が開始され、通常遊技状態や特別遊技状態にあっては所定の時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、確変遊技状態や時短遊技状態にあっては通常遊技状態より短い所定の時間に亘って通常遊技状態と同一のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って普通図柄として停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄の確定表示後に、停止図柄が当たり図柄である場合には、第2始動入賞装置432の可動羽根452が少なくとも1回は進入許容配位へ移行する。具体的には、通常遊技状態や特別遊技状態における当選の場合には、可動羽根452が典型的には所定の回数(例えば、1回)だけ所定の時間に亘って進入許容配位へ移行し、確変遊技状態や時短遊技状態における当選の場合には、可動羽根452が典型的には通常遊技状態や特別遊技状態より多い所定の回数(例えば、3回)だけ通常遊技状態や特別遊技状態より長い所定の時間に亘って進入許容配位へ移行する。但し、所定の個数(例えば、10球)の遊技球が第2始動入賞装置432に進入した場合には、可動羽根452は強制的に進入禁止状態へ移行し、今回の当たり抽選の当選に基づく可動羽根452の作動が終了する。
遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御装置940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、遊技機の一例を表す斜視図及び背面図である。後ブロック104は、図8及び図9に示されたように、基体501と、中間ブロック103に対して基体501を開閉自在に支持する支持機構と、基体501に取着され、遊技機固定設備(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側において基体501に取着され、積層貯留されている遊技球を2条に整流させると共に1段に整列させるタンクレール520と、タンクレール520の下流側において基体501に取着され、タンクレール520から流入した遊技球を誘導するケースレール530と、ケースレール530の下流側において基体501に取着され、遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において基体501に取着され、払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力すると共に、発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する電源・発射制御装置900と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)と遊技機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、略平坦状のベース部502と、ベース部502よりも後方に突出した保護カバー部503とを含んでいる。保護カバー部503は左右側方及び上方が閉鎖されかつ下方の一部のみが開放されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる多数の通気孔502Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端から遊技機固定設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端の底面には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、長手方向と直交する方向(前後方向)に対して更に穏やかに傾斜し、前方側(基体501への取り付け面側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510には、球循環装置から遊技球の供給される一端から中央近傍にかけて少なくとも一部の底部を覆う帯電防止板511(図8のみ)が取着されており、帯電防止板511は接地電位に接続されている。
タンクレール520は、遊技球タンク510の下方に取り付けられ、タンクレール520には遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、仕切り片(図示せず)によって仕切られた2列(2条)の樋状通路(図示せず)を形成する桶状部材521と、桶状部材521に対して回動自在に軸支され桶状部材521を流下する遊技球の球詰まりを防止させながら2条に整流させると共に1段に整列させる一対の整流部材522とを備えている。各樋状通路521は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510から流入した側と長手方向の反対側へ遊技球を誘導する。整流部材522は遊技球との接触によって振り子のように動作する。
ケースレール530は、保護カバー部503の一側面部に沿うように縦向きに配置されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって前後左右に湾曲する2条の球通路(図示せず)が形成されている。また、球通路の上流側には、球切れ検出スイッチ539が取着されている。球切れ検出スイッチ539は、ケースレール530の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール530よりも上流側で球詰りが発生してケースレール530に遊技球が補給されていない場合等を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構541と、送出機構を駆動する払出モータ542とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、2条の球通路に貯留されている遊技球を交互に放出する。
払出制御装置560は、払出制御基板930と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備えており、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように基板ケースによって実質的に封止されている。
(遊技機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、遊技機100の電気的構成について説明する。図10は、遊技機の電気的構成の一例を表すブロック図である。遊技機100は、図10に示されたように、電源・発射制御装置900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの回路装置については省略している。以下に、これらの主要な装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御装置900は、遊技機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907や球溢れスイッチ249の作動状態に応じてそれらから出力される強制初期化信号や球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧の電力(例えば、直流12ボルト)、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧の電力(例えば、直流5ボルト)、主制御基板920及び払出制御基板930のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を生成して、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が電源監視基板910の電源監視部911を介して供給され、払出制御基板930及び副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が直接的に供給され、発射制御部902に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグを外部電力供給コンセントから抜脱したりすることによって遊技機100の内部への電力の供給が停止する場合や、外部電力自体の供給が停止する場合を「停電状態」と総称する。なお、電源部901は、停電状態の発生後においても所定の期間にわたり所定の電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920及び払出制御基板930は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334が駆動されることによって遊技球が実際に射出される。球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と、発射異常信号に基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射装置330に出力する。これにより発射装置330は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイド334を駆動し、その結果、発射ハンドル252の回転操作量(可変抵抗器253の抵抗値)に応じた強さで遊技球が発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の強制初期化信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の強制初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報が初期化されることとなる。また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出装置540からの遊技球の払出速度を低速化させることとなる。逆に、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出装置540からの遊技球の払出速度を高速化させることとなる。
電源監視基板910は、電源・発射制御装置900からの電力供給状態を監視し、停電状態の発生に応じて、主制御基板920及び払出制御基板930へ停電信号を出力する電源監視部911と、電源・発射制御装置900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電の発生と判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920及び払出制御基板930へ出力する。主制御基板920及び払出制御基板930は、オン状態の停電信号の受信によって停電の発生を認識することとなる。
主制御基板920は、遊技機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPUが搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPUと、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROMと、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAMとを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御装置900からバックアップ電圧の電力供給によって内部データを保持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、1チップマイコンとしてのMPU、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。払出制御基板930のMPUを構成するRAMも、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態においても内部データを保持できる構成となっている。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。
(本発明の特徴部分の説明)
本発明の主たる特徴部分である主制御装置370の構成及びそれに関連する構成についてまとめて説明する。遊技機100は、図4に示されたように、前ブロック102(〔前方ブロック〕の一種の一部)と、中間ブロック103(〔前方ブロック〕の一種の一部)と、後ブロック104(〔後方ブロック〕の一種)と、上側軸受け構造体136、下側軸受け構造体137、上側軸構造体138及び下側軸構造体139を含み、中間ブロック103に対して後ブロック104を回動自在に支持する後ブロック支持機構とを備えている。中間ブロック103は、基枠301と基枠301に取着された遊技盤400と、遊技盤400の背面側に取り付け台360を介して取着された主制御装置370(〔制御装置〕の一種)とを備えている。主制御装置370の一部は、図8及び図9に示されたように、後ブロック104の基体501の一部を形成する保護カバー部503によって被覆されている。
まず、主制御装置370の取り付け構造について説明する。図11は、主制御装置の近傍を表す遊技盤の背面図である。図12(A)〜図12(C)は取り付け台360及び主制御装置を遊技盤に取り付けた状態を表す主制御装置の近傍の斜視図であり、図13(A)〜図13(C)は図12(A)〜図12(C)とは異なる角度から見た斜視図であり、図14(A)はその上面図である。図12(A)、図13(A)及び図14(A)の各々には、遊技盤400に対する主制御装置370及び取り付け台360の閉鎖状態が表され、図12(B)、図13(B)及び図14(B)の各々には、遊技盤400に対する主制御装置370及び取り付け台360の一体的な開放過程における中間開放状態が表され、図12(C)、図13(C)及び図14(C)の各々には、遊技盤400に対する主制御装置370及び取り付け台360の一体的な開放状態が表されている。また、図15は主制御装置370の取り付け状態を表す主制御装置の近傍の斜視図であり、図16は図15とは異なる角度から見た斜視図であり、図17はその上面図である。図15(A)、図16(A)及び図17(A)の各々には、遊技盤400及び取り付け台360に対する主制御装置370の閉鎖状態が表され、図15(B)、図16(B)及び図17(B)の各々には、遊技盤400及び取り付け台360に対する主制御装置370の開放過程における中間開放状態が表され、図15(C)、図16(C)及び図16(C)の各々には、遊技盤400及び取り付け台360に対する主制御装置370の完全開放状態が表されている。
中間ブロック103は、図11及び図12(A)に示されたように、遊技盤400の基体401の背面側に設けられた軸受け構造体10と、取り付け台360に延設され、軸受け構造体10の軸受け穴(図示せず)に軸支された軸構造体20(図12(A)のみ)とを備えている。取り付け台360は、軸受け構造体10と軸構造体20との係合によって遊技盤400に対して回動自在に支持されており、図12(A)、図13(A)及び図14(A)に示されたような遊技盤400に対する取り付け台360の閉鎖状態から、図12(B)、図13(B)及び図14(B)に示されたような遊技盤400に対する取り付け台360の中間開放状態(開放角度:45度)を経て、図12(C)、図13(C)及び図14(C)に示されたような遊技盤400に対する取り付け台360の完全開放状態(開放角度:90度)までの範囲内で回動自在である。なお、図12(A)〜図12(C)、図13(A)〜図13(C)及び図14(A)〜図14(C)の各々においては、取り付け台360と主制御装置370とが一体的に回動する場合が示されている。
また、中間ブロック103は、図11及び図15(A)に示されたように、取り付け台360から延設された軸構造体30(図15(A)のみ)と、主制御装置370の基板ケース371に延設され、軸構造体30が挿入される軸受け穴(図示せず)を有する軸受け構造体40と、取り付け台360から主制御装置370側に延設された上下一対の係止爪51と、基板ケース371の上端の上方側及び下端の下方側に延設され、上下一対の係止爪51と係合する上下一対の係合片52とを備えている。主制御装置370は、軸構造体30と軸受け構造体40との係合によって、取り付け台360に対して回動自在に支持されており、図15(A)、図16(A)及び図17(A)に示されたような遊技盤400に対する主制御装置370の閉鎖状態から、図15(B)、図16(B)及び図17(B)に示されたような遊技盤400に対する主制御装置370の中間開放状態(開放角度:45度)を経て、図15(C)、図16(C)及び図17(C)に示されたような遊技盤400に対する主制御装置370の完全開放状態(開放角度:90度)までの範囲内で回動自在である。なお、図15(A)〜図15(C)、図16(A)〜図16(C)及び図17(A)〜図17(C)の各々においては、取り付け台360が閉鎖状態である場合が示されている。また、主制御装置370は、図15(A)、図16(A)及び図17(A)に示されたように、取り付け台360に対する閉鎖状態においては、上下一対の係止爪51と上下一対の係合片52との係合によって、取り付け台360に対して回動不能に係止されている(図12(A)〜図12(C)、図13(A)〜図13(C)及び図14(A)〜図14(C)も参照)。
ここで、主制御装置370の構造及び主制御装置370の取り付け構造について詳細に説明する。図18は、主制御装置の取り付け構造の一例を表す分解斜視図である。また、図19は、主制御装置の一例を表す分解斜視図であり、図20は、図19と異なる方向から見た分解斜視図である。
軸受け構造体10は、図18に示されたように、遊技盤400(図11参照)に固定される第1軸受け穴形成部材11と、第1軸受け穴形成部材11にネジ19等によって固着された第2軸受け穴形成部材12とで構成されている。第1軸受け穴形成部材11には、半円柱形状の太軸受け溝11Aと、太軸受け溝11Aの下方に位置し、太軸受け溝11Aより細い細軸受け溝11Bとが形成されており、また、第2軸受け穴形成部材12には、半円柱形状の太軸受け溝12Aと、太軸受け溝12Aの下方に位置し、太軸受け溝11Aより細い細軸受け溝(図示せず)が形成されており、軸受け構造体10の軸受け穴(図示せず)は、太軸受け溝11A及び太軸受け溝12Aによって形成される太貫通穴(図示せず)と、細軸受け溝11B及び第2軸受け穴形成部材12の細軸受け溝によって形成され、太貫通穴と連通する細陥没穴とで構成されている。取り付け台360は、背枠部361A、背枠部361Aの上端において背枠部361Aから主制御装置370側に突出する上誘導壁部361B、背枠部361Aの下端において背枠部361Aから主制御装置370側に突出する下誘導壁部361C、背枠部361Aにおける軸受け構造体10側の側端から主制御装置370と反対側に突出する支持腕部361D及び係合溝(図示せず)を形成する上下一対の鉤状片361E(図13(C)参照)を含む枠状部材361と、背枠部361Aにおける主制御装置370と反対側に取着され、背枠部361A側に開口を有する箱状部369A及び上下一対の鉤状片361Eに軸受け構造体10側と反対側からの並進移動によって係合する上下一対の突出片369Bを含む箱状部材369とを備えている。
支持腕部361Dの末端近傍部位には、軸受け構造体10側に突出する軸構造体20が形成されている。なお、軸構造体20は、枠状部材361と一体成形されている。軸構造体20は、支持腕部361Dから下方に突出し、円柱形状である第1太軸部21と、第1太軸部21の下方に位置し、第1太軸部21より細い円柱形状である第1細軸部22と、第1細軸部22の下方に位置し、第1太軸部21と同一太さの円柱形状である第2太軸部23と、第2太軸部23の下方に位置し、下方に向けて先細る円錐台形状のテーパ部24と、テーパ部24の下方に位置し、第1細軸部22と同一太さの円柱形状である第2細軸部25とを含んでいる。第1太軸部21からテーパ部24までは、軸受け構造体10の太貫通穴に配置され、第2細軸部25は、軸受け構造体10の細陥没穴に配置される。また、太軸受け溝12Aの上下方向の中間部位に形成され、太軸受け溝11A側に突出する概ね第1細軸部22に対応する第1半円柱形状の切り欠きを有する抜脱規制片(図示せず)が形成されており、抜脱規制片が第1細軸部22の周縁であって第1太軸部21と第2太軸部23とが対向する空間に配置されていることによって、第1軸受け穴形成部材11と第2軸受け穴形成部材12とを乖離させない限り、軸構造体20を軸受け構造体10の軸受け穴から抜脱することはできない。
支持腕部361Dの付け根近傍部位には、軸構造体20の突出方向と反対方向に突出する軸構造体30(〔支持固定機構〕の一種の一部)が形成されている。なお、軸構造体30は、支持腕部361D等の取り付け台360と一体成形されている。軸構造体30は、軸構造体20と概ね同一の構造であり、支持腕部361Dから上方側に向かって形成された、第1太軸部31と、第1細軸部32と、第2太軸部33と、テーパ部34と、第2細軸部35とを含んでいる。また、主制御装置370の基板ケース371には、軸受け構造体40(〔支持固定機構〕の一種の一部)が形成されている。なお、軸受け構造体40については、主制御装置370の説明の後に改めて説明する。
主制御装置370は、図19及び図20に示されたように、主制御基板920と、主制御基板920を内封する基板ケース371を形成する収容部材601及び蓋部材602と、収容部材601に固着された一対の連結固定部材603と、蓋部材601に固着され、一対の連結固定部材603と係合して収容部材601と蓋部材602とが開封の痕跡を残さずには開封されないように連結する一対の連結固定部材604と、収容部材601と蓋部材602とが開封の痕跡を残さずには開封されないように連結固定する連結固定部材605と、収容部材601と蓋部材602とが開封の痕跡を残さずには開封されないように封印する封印部材606とを備えている。主制御基板920の実装面S1(図19のみ)には、MPU等の各種の電気・電子素子と、主制御基板920と払出制御基板930等の他の制御基板とを電気的に接続するためのコネクタとが設けられている。なお、実装面S1と反対側の非実装面S2(図20のみ)には電気・電子部品やコネクタは設けられていない。
収容部材601は、コネクタが挿通される貫通孔610A以外において主制御基板920の実装面S1側を覆うように主制御基板920を収容する桶状の基板収容部610と、基板収容部610の上端近傍及び下端近傍からそれぞれ上方側及び下方側に延設され、収容部材601と蓋部材602との係合に関与する上下一対の係合片部612(図20には一方の係合片部のみ図示)と、基板収容部610の側方に延設され、一対の連結固定部材603が固着される一対の連結固定部613と、基板収容部610の側方に延設され、連結固定部材605が挿通される挿通部615と、基板収容部610の側方に延設され、封印部材606の一端が貼着される貼着部616とを含んでいる。蓋部材602は、主制御基板920の非実装面P2を覆う板状の蓋部620と、蓋部620の上端近傍及び下端近傍からそれぞれ下方側及び上方側に延設され、収容部材601と蓋部材602との係合に関与する上下複数対の係合爪部622(図19のみ)と、蓋部620の側方に延設され、一対の連結固定部材604が固着される一対の連結固定部624と、蓋部620の側方に延設され、連結固定部材605が挿入される挿入部625と、蓋部620の側方に延設され、封印部材606の一端が貼着される貼着部626とを含んでいる。
主制御基板920の実装面S1が収容部材601側に向いた状態で主制御基板920の一側端を位置規制壁611よりも収容部610側に挿入すれば、主制御基板920が収容部610における正常な位置に誘導される。主制御基板920が正常な位置に配置されている状態においてネジ691等で他側部の上下を固定すれば、主制御基板920の一側端も位置規制壁611によって移動が禁止されているために、主制御基板920が撓むことなく確実に固定される。主制御基板920が収容部材601に固定された状態において一対の係合片部611が蓋部620と上下複数対の係合爪部621との間に配置されるように係合させて、収容部材601と蓋部材602との相対位置を並進移動(スライド)によって変化させることによって、主制御基板920が基板収容部610及び蓋部620で形成される空間に内封される。
一対の連結固定部613と一対の連結固定部624との連結固定について説明する。図21は、主制御装置370の一例を基板ケースの開封状態で表す斜視図である。図22は、主制御装置370の一例を部分的に切断した状態で表す部分切断斜視図である。図23は、主制御装置370の一例を表す断面図である。図22(A)及び図23(A)の各々には基板ケースの開封状態が表され、図22(B)及び図23(B)の各々には基板ケースの封鎖状態が表されている。図21(A)及び図21(B)に示されたように、一対の連結固定部材603は、一対の連結固定部613にネジ693等によって固着され、また、一対の連結固定部材604は、一対の連結固定部624の空洞624A(図22(A)参照)内にネジ694等によって固着されている。一対の連結固定部材602及び一対の連結固定部材603の双方は、剛性率の高い物質で構成されている。各連結固定部材603には係合爪631(図21(A)のみ)が形成され、一方、各連結固定部材604には係合爪641が形成されている。図22(A)及び図23(A)に示された開封状態から収容部材601と蓋部材602との相対位置が封鎖状態へ向けて変化すると、一対の連結固定部材603及び一対の連結固定部613が一対の連結固定部624の空洞624Aに進入し、一対の連結固定部材603の連結爪631が一対の連結固定部材604の連結爪641を屈曲角度が小さくなるように弾性変形させながら挿入される。最終的に、連結爪631が連結爪641を越えて奥方へ進行し、連結爪631による連結爪641の押圧が解除されると、連結爪641が塑逆変形によって元の形状に復帰し、図22(B)及び図23(B)に示されたように、連結爪641の先端が、連結爪631の先端より連結爪631の屈曲端側に配置される。これによって、一旦、収容部材601と蓋部材602とが封鎖されると、収容部材601と蓋部材602との相対位置を開封状態へ向けて変化させようとしても、連結爪631と連結爪641とが係合することによって、その変化が阻止される。したがって、収容部材601と蓋部材602とは、それらの封鎖状態への移行によって、自己整合的に開封不能に連結固定される。
ここで、軸受け構造体40及び軸受け構造体40と軸構造体30との係合について詳細に説明する。図24(A)及び図24(B)は、軸受け構造体の一例を表す分解斜視図である。図25は、軸受け構造体と軸構造体との係合状態を表す図11におけるA−A’矢視断面図である。
軸受け構造体40は、図24に示されたように、収容部材601に延設された第1軸受け形成部材41と、蓋部材602に延設された第2の軸受け穴形成部材42と、第1軸受け形成部材41の内部空間に配置された補強部材43と、補強部材43の内部空間に配置され、軸受け構造体40に対する軸構造体30の抜脱を禁止する軸固定部材44とを備えている。
第1軸受け穴形成部材41には、図24(B)に示されたように、半円柱形状の太軸受け溝41Aと、太軸受け溝41Aの上方に位置する直方体形状の空間形成溝41Bと、太軸受け溝41Aより細い半円柱形状の細軸受け溝41Cとが形成されており、また、第2軸受け穴形成部材42には、図24(A)に示されたように、半円柱形状の太軸受け溝42Aと、太軸受け溝42Aの上方に位置し、太軸受け溝42Aより細い半円柱形状の細軸受け溝42Cが形成されており、軸受け構造体40に形成される軸受け穴40A(図25参照)は、太軸受け溝41A及び太軸受け溝42Aによって形成される円柱形状の太貫通穴と、太軸受け溝41B及び太軸受け溝42Aによって形成され、太貫通穴に連通する直方体形状の貫通空間と、細軸受け溝41C及び細軸受け溝42Cによって形成され、貫通空間に連通する円柱形状の細陥没穴とで構成されている。なお、軸受けとして実効的に機能する部分は、太軸受け溝41A及び太軸受け溝42Aによって形成される太貫通穴と細軸受け溝41C及び細軸受け溝42Cによって形成される細陥没穴である。
補強部材43は、箱形状であり、太軸受け溝41Bに配置されて軸固定部材44に対する外力によって軸固定部材44が変形することやその外力が収容部材601に印加されることを緩和する。軸固定部材44は、屈曲箇所を境に一端が第2軸受け穴形成部材42側に傾斜している屈曲形状である。補強部材43と軸固定部材44とは、ネジ49等によって第1軸受け形成部材に固着される。補強部材43及び軸固定部材44は、少なくとも収容部材601よりも剛性率の高い物質で構成されている。
図25に示されたように、軸構造体30が挿入された状態において、第2軸受け穴形成部材42側に傾斜突出している軸固定部材44の先端が、第1細軸部32の周縁であって第2太軸部33の下方に配置されている。軸受け構造体40に軸構造体30が挿入された後、つまり、主制御装置370が取り付け台360に装着された後(図11参照)に軸受け構造体40と軸構造体30とを乖離させようとすれば、まず、軸固定部材44の先端が、第2太軸部33に当接し、その後、軸固定部材44の屈曲角度が大きくなるように塑性変形すると共に第2太軸部33との当接箇所が軸中心側に移動し、最終的に、軸固定部材44の先端が、第1細軸部32と第2太軸部33との境界部位に当接する。この状態になると、更なる大きな外力を加えたとしても軸固定部材44を更に塑性変形させることすら極めて困難となり、軸固定部材44が変形したり破損されたりする前に、他の部分、例えば、第1軸受け穴形成部材41の一部、特に、ネジ49を固定する部分の壁や、第1軸受け穴形成部材41と収容部材601との接続部分が破損することとなる。なお、これらの破損し易い部位は、遊技機100の背面側から比較的に確認し易い位置にある。また、主制御基板920の故障時等の正常な目的で主制御装置370を取り外す場合には、図24(A)に示されたように、第1軸受け穴形成部材41に形成された複数の小孔を連通させるように切断して、補強部材43及び軸構造体44を一括して取り出せばよい。また、軸受け構造体40の軸受け穴40Aは、収容部材601と蓋部材603との相対的な並進移動(スライド)による係合に伴う第1軸受け穴形成部材41と第2軸受け穴形成部材42との相対的な並進移動の完了によって形成されるために、収容部材601と蓋部材603との相対的な並進移動が完了していなければ、軸受け構造体40に軸構造体30を挿入することもできない。逆に、軸受け構造体40に軸構造体30が挿入されている場合には、第1軸受け穴形成部材41と第2軸受け穴形成部材42との相対的な並進移動を行うことができない。
軸受け構造体40は、図9と図10や図28等との比較から分かるように、第1軸受け穴形成部材41に設けられた複数の小孔の一部を除き、略全体が基体501の保護カバー部503によって覆われている。また、軸受け構造体40の保護カバー部502側の表面と保護カバー503の軸受け構造体40側の表面との間隔は、主制御装置370を取り外す際に補強部材43及び軸構造体44を一括して取り外すために必要な移動距離未満である。
主制御装置370は、図19及び図20に示されたように、基板収容部610を貫通する貫通孔610Aの大きさを主制御基板920に形成された各種のコネクタ99を挿通させるために必要な複数の貫通孔61A〜61Dに制限する板状の開孔規制部61を含み、貫通孔610Aに対応させて貫通孔610Aよりも主制御基板920側に配置された開孔規制部材60と、コネクタ99を覆う屈曲形状のコネクタ被覆部71含み、貫通孔610Aに対応させて貫通孔610Aよりも主制御基板920と反対側に配置されたコネクタ被覆部材70とを備えている。開孔規制部61の複数の貫通孔61A〜61Dは、挿通されるコネクタの形状や個数に応じた構成であり、コネクタ99と開孔規制部61との間に余剰の隙間が極力形成されないように形成されている。コネクタ被覆部71は、主制御基板920に搭載された全てのコネクタ99の先端側の前方及び下方側面の前面を覆っている。
ここで、開孔規制部材60及びコネクタ被覆部材70について詳細に説明する。図26〜図28は、それぞれ、開孔規制部材及びコネクタ被覆部材の一例を表す斜視図、分解斜視図及び正面図である。図29〜図31は、それぞれ、図28におけるB−B’横切断面に対する断面図、部分切断斜視図及び部分断面図であり、また、図32及び図33は、それぞれ、C−C’横切断面に対する部分切断斜視図及び断面図である。
開孔規制部材60は、図26及び図27に示されたように、開孔規制部61と共に、開孔規制部61からコネクタ被覆部材70側に突出する一対の係止爪部62と、開孔規制部61からコネクタ被覆部材70側に突出する一対の移動規制部63と、開孔規制部61の下端からコネクタ被覆部材70側に曲折しながら突出する返し壁部64(図19参照)とを含んでいる。なお、各係止爪部62、各位置規制部63及び返し壁部64は、開孔規制部61と一体成形されている。返し壁部64の形状は、基板収容部610(図19参照)において対向する部分の形状と実質的に同一であり、貫通孔610Aの下端から直線的に主制御基板920に到達する経路を遮断している。
コネクタ被覆部材70は、図26及び図27に示されたように、コネクタ被覆部71と共に、開孔規制部材60の一対の係止爪部62に対応して配設された一対の係合筒部72と、開孔規制部材60の一対の移動規制部63に対応して配設された一対の位置規制部63と、一対の係合筒部72の各々の両側に配設された補強壁74とを含んでいる。コネクタ被覆部材70には、コネクタ被覆部71に形成された開孔と係合筒部72の開孔とで形成され、コネクタ被覆部材70を貫通する貫通孔72Aが形成されており、この貫通孔72Aに図28に示されたように係合爪部62が挿入されている。
図29〜図31に示されたように、係合筒部72の概ね中間近傍には開孔の幅を開孔規制部材60側に向けて小さく変更する段差が設けられており、この段差と係止爪部62の先端とが係合することによって開孔規制部材60に対するコネクタ被覆部材70の離脱方向への移動が禁止される。なお、その装着方向への移動は、コネクタ被覆部70、係合筒部72及び補強壁74と開孔規制部材60との当接によって規制される。また、移動規制部73の先端側の切り欠きに対応して移動規制部63が配置されているために、開孔規制部材60に対するコネクタ被覆部材70の上方への移動が、移動規制部73と移動規制部63との当接によって規制される。なお、開孔規制部材60に対するコネクタ被覆部材70の左右方向への移動は、コネクタ被覆部材70の左右方向の先端が収容部材601との当接によって規制される。また、コネクタ被覆部71の中央上端の近傍が押圧されてコネクタ被覆部材70が撓んだとしても、係合筒部72よりも中央側に配置された補強壁74がその押圧加重を受けるために、係合筒部72や係合爪部63への荷重が大幅に軽減されて、係合筒部72や係合爪部63の破損が防止される。
開孔規制部材60からコネクタ被覆部材70を離脱させる場合には、ドライバ等の操作器具を貫通孔72Aの貫通方向から挿入して一対の係止爪部62を撓ませた状態で、コネクタ被覆部材70の上端を摘んでコネクタ被覆部材70を離脱方向へ移動させる。係止爪部62は貫通孔72Aを貫通することなく、つまり、係止爪部62の突出側の先端が係合筒部72の開孔内部に配置されており、貫通孔72Aの貫通方向以外からの操作によっては、実質的に、係止爪部62と係合筒部72との係合を解除することはできない。
コネクタ被覆部材70は、図32及び図33に示されたように、コネクタ被覆部材70の蓋部材602と反対側の表面が収容部材601の蓋部材602と反対側の表面よりも蓋部材602側となるように配置されている。
コネクタ被覆部材70は、図9と図10や図28等との比較から分かるように、その全体が基体501の保護カバー部503によって覆われている。また、コネクタ被覆部材70の保護カバー部502側の表面と保護カバー503のコネクタ被覆部材70側の表面との間隔は、コネクタ被覆部材70を開孔規制部60から乖離させるために必要な移動距離未満である。
上記の遊技機100であれば、主制御装置370が回動自在に支持固定されていることによって、主制御装置370を取り外して主制御基板920を交換するような不正行為を抑制でき、また、中間ブロック103の背面側の構成や主制御装置370の取り外しの痕跡を容易に確認することができる。また、主制御装置370を回動自在に支持固定するために主制御装置370が片持ち支持されることとなり、たとえ、主制御装置370がずれ易くなっていたとしても、後ブロック104が中間ブロック103に対して閉鎖されている閉鎖状態において、コネクタ99がコネクタ被覆部材70によって被覆され、更に、コネクタ被覆部材70が後ブロック104の基体501(保護カバー部503)によって被覆されていることによって、後ブロック104の基体501と主制御装置370との間から異物を挿入したりしてコネクタ99とコネクタ99に接続される配線との間を断線させたり(不正接続断線)、同様にして配線自体を断線させたり(不正配線断線)、コネクタ99と配線との間で不正な基板(図示せず)を挿入したりして(不正基板挿入)、主制御基板920から送信される信号や主制御基板920で受信される受信信号を不正に改変したりする不正行為が確実に抑制される。また、主制御装置370が回動自在に支持固定されて主制御装置370を前面側及び背面側の双方を直視によって目視できることによって、これらの不正行為も容易に確認することができる。
また、上記の遊技機100であれば、保護カバー部503がコネクタ99の下方に配置されるMPU等の主要電子部品(図示せず)の主制御基板920からの突出側の前方と異なる部位のみを覆い、コネクタ被覆部材70がコネクタ99における主制御基板920からの突出側の先端部及び主要電子部品側(下方側)の側部を覆う構成であるために、不正接続断線、不正配線断線及び不正基板挿入等の不正行為を実行することが更に困難となる。
また、上記の遊技機100であれば、コネクタ被覆部材70が開孔規制部材60に対して着脱自在に取着されているために、コネクタ99と配線との接続状態の変更(コネクタから配線の抜脱やコネクタへの配線の挿着)する必要がある正常な保守点検においてその操作性の低下が抑制される。
また、上記の遊技機100であれば、コネクタ被覆部材70とコネクタ99との対向方向の間隔が、コネクタ99から配線を取り外すために必要な距離(挿抜距離)未満であるために、コネクタ被覆部材70の装着状態において、コネクタ99と配線との接続状態の変更が不能となり、コネクタ99と配線との間の断線や配線自体の断線、コネクタ99と配線との間への不正な基板の挿入が更に困難となる。
また、上記の遊技機100であれば、基体501の保護カバー部503の一部が開孔規制部材60からコネクタ被覆部材70の離脱させるための移動方向の前方をその移動に必要な距離未満だけ隔てて覆うために、後ブロック104を中間ブロック103に対して開放しなければ、コネクタ被覆部材70を離脱させることができないために、コネクタ99と配線との間の断線や配線自体の断線、コネクタ99と配線との間への不正な基板の挿入が更に困難となる。
また、上記の遊技機100であれば、中間ブロック103が遊技盤400に軸受け構造体10及び軸構造体20を介して回動自在に固着された取り付け台360を備え、主制御装置370が、軸構造体30及び軸受け構造体40からなる支持機構を介して取り付け台360に回動自在に固着されているために、主制御装置370及び取り付け台360を一体的に回動させて、主制御装置370で覆われている目視できない遊技盤400の背面側の構成を簡便に表出させることができる。また、主制御装置370のみを回動させて、主制御装置370の裏面を表出させることができるために、主制御装置370で覆われている遊技盤400の背面側の部材の保守点検が簡便に実行でき、また、主制御装置370の裏側に不正な基板が装着されていないかなどを簡便に確認できる。
また、上記の遊技機100であれば、開孔規制部材60を備えているために、複数個のコネクタ99に対する不正行為を簡便に抑制できる。更に機種毎にコネクタ数やコネクタ形状が異なったとしても、開孔規制部材60の貫通孔(貫通孔61A〜61Dに相当)の構成を変化させることで対応できるために汎用性が高くなる。
また、上記の遊技機100であれば、開孔規制部材60の一対の係止爪部62とコネクタ被覆部材70の一対の係合筒部72の空洞内における段差との係合によって開孔規制部材60からのコネクタ被覆部材70の装脱を規制するために、開孔規制部材60からのコネクタ被覆部材70の装着や離脱が簡便に行える。
また、上記の遊技機100であれば、一対の係止爪部62の先端が、一対の係合筒部72の空洞内に配置されるために、コネクタ被覆部材70の装着や離脱が後ブロック104を開放した状態において簡便となるが、後ブロック104を閉鎖した状態において困難となり、コネクタ99への不正行為の前段として実行されるコネクタ被覆部材70の取り外しが抑制され、轢いては、コネクタ99への不正行為が抑制される。
また、上記の遊技機100であれば、開孔規制部材60の移動規制部材64とコネクタ規制部材70の移動規制部74とを備えることによって、コネクタ被覆部材70の上方側への移動が制限されるために、コネクタ被覆部材70をずらしてコネクタ99やコネクタ99に接続されている配線に対して不正な改変を行おうとするような不正行為が抑制される。
また、上記の遊技機100であれば、補強壁74を備えることによって、コネクタ被覆部材70に外力を加えてコネクタ被覆部材70と開孔規制部材60との係合を破壊しようとしても、係止爪部62又は係合筒部72の破損が抑制される。
上記においては、主制御基板920に設けられる全てのコネクタ99に対して本発明の不正対策を講じる構成について説明したが、本発明においては、主制御基板920に設けられる一部のコネクタ、特に、遊技者による遊技球の獲得に関与する装置、例えば、第1始動入賞装置441、第2始動入賞装置442、羽根開閉ソレノイド462、シャッタ開閉ソレノイド463及び払出制御装置560と電気的に接続されるコネクタに対してのみ適用する構成とすることもできる。
上記においては、主制御装置370に対して本発明を適用する場合について説明したが、本発明において、他の制御装置、特に、遊技者による遊技球の獲得に関与する払出制御装置560等の制御装置に適用することもできる。
不正に遊技媒体を獲得する目的で、主制御装置の主制御基板、特に、動作を規定するプログラムや固定データを記憶するROMやそのようなROMを含む電子部品を交換して主制御基板自体の動作を改変するする不正行為が知られている。
制御動作を改変する不正行為を抑制するために、主制御装置や取り付け台は、主制御装置が取り付け台から取り外された場合にはそれらの少なくとも一方に目視によって確認できる痕跡が残るように構成されている。この痕跡によって、主制御基板に対して不正な改変が行われたか否かが簡便に判断できる(例えば、特許文献1参照)。
上述のように、主制御装置や取り付け台を一体的に回動させることによって通常時にそれらで覆われて目視できない部材を確認できる構成において、主制御装置と取り付け台との間に不正な基板が挿入された場合には、取り付け台を通してしかそれらを確認できないためにその視認性が低下していた。