JP2014137054A - 燃料ガス加熱器 - Google Patents

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Tomonari Takada
智成 高田
Kazusaku Fujita
一作 藤田
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Abstract

【課題】燃料ガス加熱器で生成された大粒径の異物が下流の配管へ飛散して後流側に配置された機器に影響を及ぼすことを抑制する。
【解決手段】内部を流通する燃料ガスを加熱する加熱部2と、加熱部2から排出される燃料ガスが内部に導入されることで、燃料ガスによる旋回流を生成する遠心キャビティ11と、遠心キャビティ11に生成する旋回流の中央に設けられ、遠心キャビティ11内の燃料ガスを外部に排出する排出部13と、を備える燃料ガス加熱器1を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービンなどに設けられて燃料ガスを加熱する燃料ガス加熱器に関する。
例えばガスタービンにおいては、燃料ガス加熱器を用いて燃料ガスを燃焼器などの後段設備に適した供給温度に加熱することが行われている(例えば特許文献1参照)。燃料ガス加熱器としては、燃料ガスの必要加熱温度以上の温度である流体が流通する容器と、この容器内を通過するチューブとを有し、チューブ内に加熱を必要とする燃料ガスを流通させることで燃料ガスを加熱する形式のものが知られている。
また、燃料ガス加熱器の出口配管系統には、通常、ストレーナーやフィルターなどの異物除去装置(ろ過器)が設置されている。
特開平11−236824号公報
ところで、上記したような燃料ガス加熱器においては、燃料ガスに含まれる硫黄(S)分と、燃料ガス加熱器の外郭などに含まれる鉄(Fe)分とが反応することによって、FeS(硫化鉄)粒子(粒径20μm〜100μm)などの大粒径の異物が生成されることがある。このような大粒径の異物が、下流側のフィルターに詰まると、燃料ガス系統の圧力損失が過大となり、頻繁にフィルターを洗浄したり、交換したりするなどのメンテナンスが必要となっていた。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、燃料ガス加熱器で生成された大粒径の異物が下流の配管へ飛散することを抑制することができる燃料ガス加熱器を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の燃料ガス加熱器は、内部を流通する燃料ガスを加熱する加熱部と、該加熱部から排出される前記燃料ガスが内部に導入されることで、前記燃料ガスによる旋回流を生成する遠心キャビティと、前記遠心キャビティに生成する前記旋回流の中央に設けられ、前記遠心キャビティ内の前記燃料ガスを外部に排出する排出部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、燃料ガス加熱器で生成された大粒径の異物が遠心キャビティにおいて分離され、異物が取り除かれた燃料ガスのみが排出部より排出される。これにより、大粒径の異物が下流の配管へ飛散することを抑制することができる。そして、燃料ガス加熱器の下流に設けられたフィルターなどのろ過器が目詰まりすることによって生じる圧力損失を抑制することができる。
上記燃料ガス加熱器において、前記加熱部と前記遠心キャビティとの間に設けられた導入室と、前記導入室に設けられ、前記燃料ガスを前記遠心キャビティの内部で旋回流となるように方向付ける傾斜面と、を備えることが好ましい。
上記構成によれば、導入室の傾斜面によって、燃料ガスが遠心キャビティの内部で旋回流となるように方向付けられることによって、燃料ガスをより確実に旋回させることができる。
上記燃料ガス加熱器において、前記傾斜面の上流側には、前記燃料ガスを前記傾斜面に案内するとともに、前記燃料ガスに含まれる異物が通過可能な複数の孔を有する多孔板が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、多孔板の孔を異物が通過するとともに、燃料ガスが傾斜面に案内されることによって、大粒径の異物のみ捕集できるため、粉体分離器として機能する遠心キャビティにおける大粒径の異物の再飛散が抑制され、捕集効率を向上させることができる。
上記燃料ガス加熱器において、前記遠心キャビティの内壁は、前記旋回流に沿う円弧状とされていることが好ましい。
上記構成によれば、遠心キャビティ内に形成される旋回流がより強くなるため、異物の分離性能を向上させることができる。
本発明によれば、大粒径の異物が下流の配管へ飛散することを抑制することができる。そして、燃料ガス加熱器の下流に設けられたフィルターなどのろ過器が目詰まりすることによって生じる圧力損失を抑制することができる。
本発明の第一実施形態の燃料ガス加熱器の平面視した断面図である。 図1の一部断面視したA矢視図である。 本発明の第二実施形態の燃料ガス加熱器の図2に対応した側面図である。 図3のB−B断面図である。 本発明の第三実施形態の燃料ガス加熱器の平面視した断面図である。
(第一実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の燃料ガス加熱器1は、ガスタービンに設けられており、この燃料ガス加熱器1に導入される燃料ガスを加熱して後段の燃焼器に加熱された燃料ガスを供給するためのものである。図1及び図2に示すように、燃料ガス加熱器1は、略円筒形をなす加熱容器2(加熱部)と、加熱容器2の一端の開口部2aに、主面が加熱容器2の軸線C方向と直交するように設けられた管板3と、管板3を介して加熱容器2に接続されたヘッダ4と、加熱容器2内に設けられた複数のチューブ5と、を主な構成要素として有している。
加熱容器2には、燃料ガスを加熱するために使用される温水を導入するための水供給配管7と、加熱に使用された温水を排出するための水排出配管8とが設けられている。水供給配管7には、例えば給水ポンプによって燃料ガスよりも高温高圧状態とされた水が供給される。
ヘッダ4は、燃料ガスが最初に流入する入口室9と、加熱容器2内で加熱された燃料ガスが導入される導入室10と、遠心キャビティ11とに区分されている。入口室9は、管板3に面する位置であって管板3の一側(図1の上方)に区画されており、燃料ガスを導入するガス導入配管12が接続されている。導入室10は管板3に面する位置であって管板3の他側(入口室9と反対側)に区画されており、遠心キャビティ11と連通している。遠心キャビティ11は、燃料ガスを排出するガス排出配管13(排出部)と連通している。
管板3には、複数の孔が形成されている。複数のチューブ5はU字状で、その一端が入口室9側の孔に差し込まれ、他端が導入室10側の孔に差し込まれ、それぞれシール溶接されている。
即ち、ガス導入配管12を介してヘッダ4の入口室9に導入された燃料ガスは、孔を介して複数のチューブ5に一端に流入する。次いで、燃料ガスは、チューブ5の他端から導入室10に流入した後、遠心キャビティ11に導入され、最終的にガス排出配管13から排出される。
次に、ヘッダ4の詳細構造について説明する。ガス導入配管12は、ヘッダ4の一側から燃料ガスを導入するように、入口室9に接続されている。ヘッダ4は、仕切壁14によって、入口室9、導入室10、及び遠心キャビティ11に区分されている。仕切壁14は、管板3及び燃料ガスの導入方向G1と平行に設けられた第一壁15と、燃料ガスの導入方向G1と直交するように設けられた第二壁16とから構成されている。即ち、導入された燃料ガスは、仕切壁14の第一壁15に沿って流れ、次いで、第二壁16に当接した後、チューブ5の一端に流入されるようになっている。
導入室10は、第二壁16を介して入口室9の下方に設けられ、チューブ5の他端から排出された燃料ガスが流入する空間である。導入室10には、燃料ガスをさらに側方に案内する傾斜面17が設けられている。
遠心キャビティ11は、管板3とは反対側の内壁面が、上方からみて半円弧状をなすような形状とされている円弧壁19を有している。
ガス排出配管13は、遠心キャビティ11の上部に燃料ガスを上方に排出するように設けられている。具体的には、ガス排出配管13は、その中心軸が、上方からみて、遠心キャビティ11の略中央であって、円弧壁19がなす円弧の曲率中心付近に位置するように配置されている。また、ガス排出配管13は、遠心キャビティ11の上面20より、やや遠心キャビティ11の内部に突出するように形成されている。即ち、ガス排出配管13の下端は、遠心キャビティ11の上面20とは同一平面上とはなっておらず、遠心キャビティ11の上面20よりもやや下方に突出している。
また、遠心キャビティ11の下部には、外部に連通する異物排出管21が設けられている。
遠心キャビティ11が上述したような構成とされていることによって、遠心キャビティ11は、粉体分離器として機能する。即ち、遠心キャビティ11は、粉体のような異物が含まれた気体が、その内部で旋回流となることによって、異物を遠心分離できる構成とされている。
次に、本実施形態の燃料ガス加熱器1の作用について説明する。
まず、加熱容器2には、水供給配管7を介して図示しない給水ポンプから燃料ガスよりも高温高圧状態とされた水が供給される。この水は、水排出配管8を介して排出される。
一方、燃料ガスが、ガス導入配管12より導入室10を介してチューブ5に導入され、水と熱交換され加熱される。加熱された燃料ガスは、チューブ5から排出されて導入室10に導入される。
燃料ガスは導入室10に設けられた傾斜面17に当接し、遠心キャビティ本体24の円弧壁19の壁際に、円弧壁19の周方向から導入される。そして、燃料ガスは、円弧壁19に沿って流れることによって旋回流となり、燃料ガスに含まれるFeS粒子などの大粒径の異物が遠心力によって燃料ガスから取り除かれる。即ち、燃料ガスに含まれる固体が遠心分離され、遠心キャビティ11の円弧壁19や仕切壁14に衝突し、重力により落下する。
異物が取り除かれた燃料ガスは、ガス排出配管13より排出され、例えば、燃焼器に導入される。また、異物は、異物排出管21より排出される。
上記実施形態によれば、燃料ガス加熱器1で生成された大粒径の異物が遠心キャビティ11において分離され、異物が取り除かれた燃料ガスのみがガス排出配管13より排出される。これにより、大粒径の異物が下流の配管へ飛散することを抑制することができる。そして、燃料ガス加熱器1の下流に設けられたフィルターなどのろ過器が目詰まりすることによって生じる圧力損失を抑制することができる。
また、導入室10の傾斜面17によって、燃料ガスが遠心キャビティ11の内部で旋回流となるように方向付けられることによって、燃料ガスをより確実に旋回させることができる。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態に係る燃料ガス加熱器1Bを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の燃料ガス加熱器1Bの遠心キャビティ11は、水平方向に延在する区画壁23によって上下方向に二分割されている。遠心キャビティ11の上方の空間は、第一実施形態の遠心キャビティ11と同様の機能を果たす遠心キャビティ本体24である。
遠心キャビティ本体24の下方の空間は、後述する多孔板25によって分離された大粒径の異物が導入される排出室26である。
本実施形態の導入室10には、導入室10に導入された燃料ガスを遠心キャビティ本体24に導くように形成された多孔板25が配置されている。多孔板25は、矢印G2で示す燃料ガスの導入方向に対して傾斜して配置されており、燃料ガスを傾斜面17及び遠心キャビティ本体24に案内するように構成されている。
多孔板25は、針金を平織で組み合わせた金網であり、大粒径(例えば75μm以上)の異物が通過できるような、網目(ピッチ)で形成されている。例えば、針金同士のピッチが100μm(0.1mm)とされている。
なお、多孔板25は金網に限ることはなく大粒径の異物を通過させるとともに、燃料ガスを通過させずに面に沿って流せるような性質を有する部材であればよい。例えば、大粒径の異物が通過できるような、複数の円形孔が整列して配置された金属板(パンチングメタル)としてもよい。
次に、本実施形態の燃料ガス加熱器1Bの作用について説明する。
導入室10に導入された燃料ガスは、まず、多孔板25に当たり、燃料ガスに含まれる大粒径の異物は慣性力により多孔板25として機能する金網の開口を介して、多孔板25の反対側に抜ける。多孔板25を通過した異物は排出室26に導入された後、異物排出管21より排出される。
一方、燃料ガスは、多孔板25と傾斜面17によって、遠心キャビティ本体24に導かれる。燃料ガスは、傾斜面17によって遠心キャビティ11の内壁面の接線方向から遠心キャビティ本体24に導かれる。
遠心キャビティ本体24においては、多孔板25によって除去されなかった異物が第一実施形態と同様に遠心分離によって取り除かれる。
遠心キャビティ本体24によって取り除かれた異物は、区画壁23に形成された異物排出孔27を介して排出室26に導入される。排出室26に集められた異物は、異物排出管21を介して排出される。
上記実施形態によれば、多孔板25の孔を異物が通過するとともに、燃料ガスが傾斜面17に案内されることによって、大粒径の異物が捕集できるため、粉体分離器として機能する遠心キャビティ11における大粒径の異物の再飛散が抑制され、捕集効率を向上させることができる。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態に係る燃料ガス加熱器1Cを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の遠心キャビティ11の内壁面は、上方からみて円弧状とされている。具体的には、管板3と反対側の内壁面が第一実施形態と同様に円弧状とされているとともに、管板3側の内壁面(仕切壁14)も円弧状とされている。即ち、本実施形態の遠心キャビティ11の内壁面は、導入室10より導入された燃料ガスが旋回流を形成しやすい形状とされている。
本実施形態によれば、遠心キャビティ11内に形成される旋回流がより強くなるため、異物の分離性能が向上し、捕集効率を向上させることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成等は一例であり、適宜変更が可能である。
1 燃料ガス加熱器
2 加熱容器(加熱部)
3 管板
4 ヘッダ
5 チューブ
9 入口室
10 導入室
11 遠心キャビティ
13 ガス排出配管(排出部)
14 仕切壁
17 傾斜面
19 円弧壁
21 異物排出管
23 区画壁
24 遠心キャビティ本体
25 多孔板
26 排出室

Claims (4)

  1. 内部を流通する燃料ガスを加熱する加熱部と、
    該加熱部から排出される前記燃料ガスが内部に導入されることで、前記燃料ガスによる旋回流を生成する遠心キャビティと、
    前記遠心キャビティに生成する前記旋回流の中央に設けられ、前記遠心キャビティ内の前記燃料ガスを外部に排出する排出部と、
    を備えることを特徴とする燃料ガス加熱器。
  2. 前記加熱部と前記遠心キャビティとの間に設けられた導入室と、
    前記導入室に設けられ、前記燃料ガスを前記遠心キャビティの内部で旋回流となるように方向付ける傾斜面と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料ガス加熱器。
  3. 前記傾斜面の上流側には、前記燃料ガスを前記傾斜面に案内するとともに、前記燃料ガスに含まれる異物が通過可能な複数の孔を有する多孔板が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃料ガス加熱器。
  4. 前記遠心キャビティの内壁は、前記旋回流に沿う円弧状とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料ガス加熱器。
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