以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、無線基地局ユニットの概略構成を示す模式図である。図2は、回路分離装置が制御回路を遮断状態としている無線基地局ユニットの概略構成を示す模式図である。無線基地局ユニット10は、受信した情報を無線通信で外部に出力する装置であり、電柱の上、建物の屋上等の屋外に設置されている。本実施形態の無線基地局ユニット10は、電力の使用量の情報を取得し、所定の通信端末に出力するスマートメーターである。無線基地局ユニット10は、無線基地局12と、雷検知装置14と、無線基地局12と雷検知装置14とを接続する光ファイバ16と、無線基地局12に接続されるアンテナ18と、を有する。無線基地局ユニット10は、無線基地局12と雷検知装置14に配電線6が接続されている。配電線6は、送電線等の電気を供給する配線であり、無線基地局12及び雷検知装置14に電力を供給する。また、無線基地局ユニット10は、無線基地局12とデータセンター8とが光ファイバ19を介して接続されている。データセンター8は、無線基地局12が取得したデータを取得して、管理する装置である。ここで、データセンター8は、複数の無線基地局12と光ファイバ19を介した有線の通信回線や、無線通信回線で接続されており、複数の無線基地局12から送信された情報を管理する。また、データセンター8は、光ファイバ19を介した通信で無線基地局12に制御信号を出力し、無線基地局12の動作を制御することもできる。
無線基地局12は、取得した情報を無線通信で外部に出力する装置であり、屋外に設置されている。本実施形態の無線基地局12は、出力する情報を、無線通信で情報を取得するが、有線の通信で取得してもよい。無線基地局12は、制御回路30と、電力配線31a、31b、31cと、アース配線31dと、アンテナ配線31eと、電源端子32と、電力配線33a、33b、33cと、アース配線34と、アンテナ配線35と、回路分離装置36と、バッテリ40と、を有する。無線基地局12は、制御回路30と、電源端子32と、アンテナ配線35と、回路分離装置36と、バッテリ40と、が筐体12aに内蔵されている。
制御回路30は、無線基地局12で実行する各種処理を制御する。制御回路30は、各種処理を行う演算処理機能及び各種データを記憶する記憶機能を有する。本実施形態の制御回路30は、例えば、MC(メディアコンバータ)30aと、通信制御部30bと、分離制御部30cと、を有する。MC(メディアコンバータ)30aは、光信号を電気信号に、また、電気信号を光信号に変換する装置である。MC30aは、光ファイバ19を介して受信した光信号を電気信号に変換して、通信制御部30b及び分離制御部30c等の各演算処理機能やアンテナ18に送る。また、MC30aは、通信制御部30b、分離制御部30cやアンテナ18から供給された電気信号を光信号に変換して、光ファイバ19に出力する。通信制御部30bは、アンテナ18、光ファイバ19を介した外部の通信を管理し、制御する。具体的には、通信制御部30bは、外部の装置に出力するデータの種類、内容や、出力するタイミングの制御を行う。また、通信制御部30bは、外部の装置から供給される情報を保管するか削除するか等の制御も行う。制御回路30は、MC30aと通信制御部30bとを用いて各種処理を実行することで、アンテナ18を用いた無線通信や光ファイバ19を介した有線の通信で受信した情報を記憶し、アンテナ18を用いた無線通信や光ファイバ19を介した有線の通信で記憶した情報を外部に送信する。分離制御部30cは、分離回路装置36の動作を制御する。分離制御部30cは、光ファイバ16を介して取得した雷検知装置14から送信される情報に基づいて分離回路装置36の動作を制御する。また、分離制御部30cは、必要に応じて、光ファイバ19を介して取得したデータセンター6から送信される情報に基づいて分離回路装置36の動作を制御する。
本実施形態の制御回路30は、例えば、家庭等に設置されている無線機能付き電力量計(スマートメーター)から出力される計測結果(使用電力量)の情報をデータセンター8に送る場合、アンテナ18を介した無線通信により電力量計から計測結果を取得する。制御回路30は、取得した情報(電気信号)をMC30aで光信号に変換した後、光ファイバ19に出力することで、データセンター8に送る。
また、制御回路30は、データセンター8から出力された情報(管理情報、アップデート情報、データの送信指示等)を家庭等に設置されている無線機能付き電力量計(スマートメーター)に送る場合、データセンター8から光ファイバ19に出力された光信号を受信し、受信した光信号をMC30aで電気信号に変換する。制御回路30は、変換した電気信号をアンテナ18から出力することで、無線機能付き電力量計(スマートメーター)に無線通信でデータを送る。
電力配線31a、31b、31cとアース配線31dとアンテナ配線31eとは、それぞれ一方が制御回路30に接続し、他方が回路分離装置36に接続されている。電源端子32は、配電線6と接続されており、配電線6から電力が供給される。また、電源端子32は、アース20とも接続されている。電力配線33a、33b、33cは、電源端子32と回路分離装置36とを接続する。アンテナ配線35は、アンテナ18と回路分離装置36とを接続する。アース配線34は、電源端子32を介してアース20と回路分離装置36とを接続する。ここで、電力配線31a、31b、31cと、電力配線33a、33b、33cは、R相、S相、T相の3つの相のうちの1つの相の交流電流を流す配線である。
回路分離装置36は、対応する配線が電気的に接続している状態である接続状態とするか、電気的に遮断(切断)されている状態である遮断状態とするかを切り換える装置である。具体的には、回路分離装置36は、電力配線31aと電力配線33aの接続状態と遮断状態とを切り替え、電力配線31bと電力配線33bの接続状態と遮断状態とを切り替え、電力配線31cと電力配線33cの接続状態と遮断状態とを切り替え、アース配線31dとアース配線34の接続状態と遮断状態とを切り替え、アンテナ配線31eとアンテナ配線35の接続状態と遮断状態とを切り替る。
回路分離装置36は、電力配線及びアース配線の接続状態と遮断状態とを切り換える第1分離機構60aと、アンテナ配線の接続状態と遮断状態とを切り換える第2分離機構60bと、を有する。
第1分離機構60aは、固定部61aと、回転部62aと、モータ66aと、を有する。固定部61aは、リング形状、つまり円盤の中心に穴が空いた形状である。固定部61aは、電力配線31a、31b、31cとアース配線31dと電力配線33a、33b、33cとアース配線34とのそれぞれと接続している。回転部62aは、固定部61aのリング形状の中空部分に配置された円盤形状である。回転部62aは、第1配線64a、第2配線64b、第3配線64c及び第4配線64dを有する。図1に示す第1分離機構60aは、第1配線64aが電力配線31aと電力配線33aとを接続し、第2配線64bが電力配線31bと電力配線33bとを接続し、第3配線64cが電力配線31cと電力配線33cとを接続し、第4配線64dがアース配線31dとアース配線34とを接続している。モータ66aは、回転部62aを回転させる駆動源である。モータ66aは、制御回路30に接続され、制御回路30により駆動が制御される。モータ66aは、制御回路30以外の装置とは配線が繋がっていない。
第1分離機構60aは、図1に示すように、第1配線64aが電力配線31aと電力配線33aとを接続することで、電源端子32、電力配線33a、回路分離装置36の第1配線64a、電力配線31aを介して、配電線6と制御回路30とを接続する。同様に、第1分離機構60aは、第2配線64bが電力配線31bと電力配線33bとを接続することで、配電線6と制御回路30とを接続し、第3配線64cが電力配線31cと電力配線33cとを接続することで、配電線6と制御回路30とを接続する。これにより、配電線6から制御回路30に3相の交流の電力が供給される。回路分離装置36は、図1に示すように、第4配線64dがアース配線31dとアース配線34とを接続することで、アース線34、回路分離装置36の第4配線64d、アース配線31d、電源端子32を介して、アース20と制御回路30とが接続される。
第1分離機構60aは、モータ66aによって回転部62aを固定部61aに対して回転させる。第1分離機構60aは、モータ66aによって、回転部62aを回転させ、固定部61aと回転部62aとの相対位置を図2に示すように、第1配線64aと第2配線64bと第3配線64cと第4配線64dとが、電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33c、アース配線31dとアース配線34のいずれも接続しない位置とすることができる。これにより、第1分離機構60aは、電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33cとが遮断され、アース配線31dとアース配線34とが遮断された状態とすることができる。なお、2つの配線が遮断された状態とは、2つの配線の接続が切断されている状態、つまり2つの配線が物理的、電気的に繋がっていない状態である。
第2分離機構60bは、固定部61bと、回転部62bと、モータ66bと、を有する。固定部61bは、リング形状、つまり円盤の中心に穴が空いた形状である。固定部61bは、アンテナ配線31e及びアンテナ配線35と接続している。回転部62bは、固定部61bのリング形状の中空部分に配置された円盤形状である。回転部62bは、第5配線64eを有する。図1に示す第2分離機構60bは、第5配線64eがアンテナ配線31eとアンテナ配線35とを接続している。モータ66bは、回転部62bを回転させる駆動源である。モータ66bは、制御回路30に接続され、制御回路30により駆動が制御される。モータ66bは、制御回路30以外の装置とは配線が繋がっていない。
第2分離機構60bは、図1に示すように、第5配線64eがアンテナ配線31eとアンテナ配線35とを接続することで、アンテナ配線35、回路分離装置36の第5配線64e、アンテナ配線31eを介して、アンテナ18と制御回路30とが接続される。
第2分離機構60bは、モータ66bによって回転部62bを固定部61bに対して回転させる。第2分離機構60bは、モータ66bによって、回転部62bを回転させ、固定部61bと回転部62bとの相対位置を図2に示すように、第5配線64eがアンテナ配線31eとアンテナ配線35のいずれも接続しない位置とすることができる。これにより、第2分離装置60bは、アンテナ配線31eとアンテナ配線35とが遮断された状態とすることができる。なお、第2分離機構60bは、同軸ケーブルであるアンテナ配線31eとアンテナ配線35と連結させる。
このように、回路分離装置36は、第1分離機構60a、第2分離機構60bの回転部62a、62bを回転させ、第1配線64aと第2配線64bと第3配線64cと第4配線64dと第5配線64eを移動させることで、電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33c、アース配線31dとアース配線34、アンテナ配線31eとアンテナ配線35の接続状態と遮断状態とを切り換えることができる。回路分離装置36は、電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33cとの接続状態と遮断状態とを切り換える第1スイッチ部となり、アース配線31dとアース配線34の接続状態と遮断状態とを切り換える第2スイッチ部となり、アンテナ配線31eとアンテナ配線35との接続状態と遮断状態とを切り換える第3スイッチ部となる。
また、回路分離装置36の第1分離機構60aは、第1配線64aと第2配線64bと第3配線64cと第4配線64dとが交点と中心として45度間隔、つまり等間隔で配置されている。また、それぞれの配線と連結する固定部61aの配線も同様である。さらに、電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33c、アース配線31dとアース配線34は、固定部61aの回転部62aの4つの配線の交点を中心として180度回転した位置に配置されている。このように、回路分離装置36は、配線を等間隔で配置することで、回転部が回転しても第1配線64aと第4配線64dと第5配線64eとのいずれかで、電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33c、アース配線31dとアース配線34、のそれぞれを接続することができる。また、電力配線とアース配線は、接触型の配線であるため、2つの配線を接続する配線が異なる配線となっても接続状態とすることができる。
バッテリ40は、制御回路30に電力を供給する蓄電池である。バッテリ40は、制御回路30のみに接続されており、他の機器と接続していない。
次に、雷検知装置14は、当該無線通信局ユニット10に雷が落ちる(落雷の)恐れがあることを検出する装置である。雷検知制御部50と、雷検知部52と、電源端子54と、雷検知アンテナ56と、を有する。雷検知装置14は、無線基地局12とは別の筐体14aに各部が収納されている。
雷検知制御部50は、雷検知装置14で実行する各種処理を制御する。雷検知制御部50は、各種処理を行う演算処理機能及び各種データを記憶する記憶機能を有する。雷検知制御部50は、雷検知部52の処理動作を制御し、光ファイバ16を介した通信で雷検知部52の検出結果を制御回路30に出力する。
雷検知部52は、周囲の状況を検出し、雷を検知する。より正確には、雷検知部52は、周囲の状況を検出し、周辺で雷が発生している、雷が近づいている等、無線通信局ユニット10に雷が落ちる(落雷の)恐れがあることを検出する。例えば、雷検知部52は、雷検知アンテナ56で周囲の電磁波を検出し、検出した電磁波を解析することで、周囲での雷の発生の有無を検出する。なお雷検知部52が雷の発生を検出する方法、つまり無線通信局ユニット10に雷が落ちる(落雷の)恐れがあることを検出する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、雷検知部52は、周囲の音(雷鳴)や光(稲光)を検出し、周囲に雷は発生しているかを検出してもよい。また、雷検知部52は、雷検知アンテナ56を無線通信用アンテナとし、雷の発生状態を通知するセンターから情報を取得するようにしてもよい。また、無線通信局ユニット10は、雷検知装置14を複数備えていてもよい。雷検知装置14を複数台配置することで、雷の検知能力を向上させることができる。
電源端子54は、配電線6と接続されており、配電線6から電力が供給される。また、電源端子54と雷検知制御部50とは、電源線で接続されており、配電線6から電源端子54に供給された電力は、雷検知制御部50に供給される。
光ファイバ16は、無線基地局12の制御回路30と雷検知装置14の雷検知制御部50とを接続する。光ファイバ16は、光で信号を送受信させる通信ケーブルであり、制御回路30と雷検知制御部50と間で信号を送受信させる。無線基地局12と雷検知装置14は、発光部から光を出力し、光ファイバ16に入射することで、信号を送信し、スイッチ素子(検出素子)としてFD(フォトダイオード)を用いて光を受信することで、信号を受信する。スイッチング素子としては、PIN−PD、光信号を高出力電気信号に変換できる単一走行キャリア・フォトダイオード(UTC−PD)等を用いることができる。また、スイッチング素子に代用して、複数素子から構成されたスイッチング回路を用いてもよい。アンテナ18は、無線基地局12で実行する無線通信の信号を送受信する機器である。アンテナ18は、アンテナ配線35と接続されている。
無線基地局ユニット10は、以上のような構成であり、回路分離装置36が各配線を接続状態とすることで、制御回路30が配電線6、アンテナ18及びアース20と接続した状態となる。また、無線基地局ユニット10は、回路分離装置36が各配線を遮断状態とすることで、制御回路30が配電線6、アンテナ18及びアース20等、外部に接続されている各配線(配電線、アース線、電気信号の配線)から分離した状態となる。これにより、無線基地局ユニット10は、領域Aに含まれる制御回路30、バッテリ40及びモータ66を他の機器から電気的に浮いた状態とすることができる。つまり、他の機器から領域A内の機器に電気が流入しないようにすることができる。
次に、図3及び図4を用いて、無線基地局ユニットの動作について説明する。図3は、無線基地局ユニットの処理動作の一例を示すフローチャートである。図4は、無線基地局ユニットの処理動作の一例を示すフローチャートである。なお、図3及び図4に示す処理は、制御回路30及び雷検知制御部50が各部の動作を制御することで実現することができる。
まず、図3を用いて、回路分離装置が配線を接続状態としている場合に実行する制御について説明する。無線基地局ユニット10は、雷検知装置が雷の電磁波の検知動作を実行する(ステップS12)。無線基地局ユニット10は、雷検知装置で検出動作を実行したら、雷検知信号ありかを判定する(ステップS14)。なお、判定処理は雷検知制御部50が実行する。無線基地局ユニット10は、雷検知信号なし(ステップS14でNo)と判定した場合、ステップS12に戻り、検知動作を実行する。
無線基地局ユニット10は、雷検知信号あり(ステップS14でYes)と判定した場合、雷検知装置の制御部から光ファイバを介して無線基地局に雷害回避信号及びシャットダウン信号を送信する(ステップS16)。雷害回避信号は、落雷の恐れがあり、落雷によって生じる悪影響を回避する動作を実行することを指示する信号である。シャットダウン信号は、各部の動作を停止させることを指示する信号である。本実施形態では、雷害回避信号及びシャットダウン信号を送信したが、雷を検知したことまたは落雷の影響を回避する動作を実行することができればよく、いずれか一方の信号のみを送信してもよい。
無線基地局ユニット10は、雷検知制御部50から送信された雷害回避信号及びシャットダウン信号を制御回路が受信すると、制御回路30が無線基地局12に収納されている全ての装置を自動停止させる(ステップS18)。つまり、制御回路の各機能、また、無線基地局12に通常備えられている装置の機能を停止し、無線基地局12としての機能を停止させる。
無線基地局ユニット10は、制御回路30で全ての装置を自動停止させたら、装置が完全に停止しているかを判定する(ステップS20)。つまり、各装置の自動停止動作が完了しているかを判定する。無線基地局ユニット10は、完全に停止状態とはなっていない(ステップS20でNo)、つまり無線基地局12の一部の装置が稼動していると判定した場合、ステップS18に戻り、自動停止動作を継続する。
無線基地局ユニット10は、完全に停止状態である(ステップS20でYes)と判定した場合、回路分離装置で制御回路を分離する。つまり、回路分離装置36のモータ66を駆動して回転部62aを回転させ、制御回路30をアンテナ18、アース20及び配電線6から遮断する。つまり、接続されていない状態とする。これにより、制御回路30は、光信号の送受信を行う光ファイバ以外の外部の機器とは、接続していない状態となり、電気的に浮いた(フローティング)状態となる。無線基地局ユニット10は、回路分離装置36で制御回路30分離したら(ステップS22)、本処理を終了する。
次に、図4を用いて、回路分離装置が配線を遮断状態としている場合に実行する制御について説明する。無線基地局ユニット10は、雷検知装置が雷の電磁波の検知動作を実行する(ステップS30)。無線基地局ユニット10は、雷検知装置で検出動作を実行したら、雷検知信号ありかを判定する(ステップS32)。なお、判定処理は、雷検知制御部50が実行する。無線基地局ユニット10は、雷検知信号あり(ステップS32でYes)と判定した場合、ステップS30に戻り、検知動作を実行する。
無線基地局ユニット10は、雷検知信号なし(ステップS32でNo)と判定した場合、雷検知信号を検出(検知)していない時間がしきい値以上であるかを判定する。つまり、雷検知信号を検出していない状態が連続してしきい値の時間以上継続しているかを判定する。無線基地局ユニット10は、しきい値以上ではない(ステップS34でNo)、つまりしきい値未満であると判定した場合、ステップS30に戻り、検知動作を実行する。
無線基地局ユニット10は、しきい値以上である(ステップS34でYes)と判定した場合、雷検知装置の制御部から光ファイバを介して無線基地局12に復帰信号を送信する(ステップS36)。無線基地局ユニット10は、無線基地局12の制御回路30が復帰信号を受信すると、バッテリ40の電力で回路分離装置36を駆動する(ステップS38)。具体的には、バッテリ40の電力でモータ66を駆動し、回転部62aを回転させる。
無線基地局ユニット10は、回路分離装置36を駆動し、回路分離装置36を接続状態とすることで、制御回路30と、配電線6、アンテナ18及びアース20とを接続させ、無線基地局12の制御回路30を全て接続状態に復旧させる(ステップS40)。
無線基地局ユニット10は、制御回路30を接続状態に復旧させたら、制御回路30に異常があるかを判定する(ステップS42)。無線基地局ユニット10は、制御回路30に異常あり(ステップS42でYes)と判定したら、本処理を終了する。この場合、無線基地局ユニット10は、アンテナ18を介した通信で異常が発生したことを出力してもよい。
無線基地局ユニット10は、制御回路30の異常なし(ステップS42でNo)と判定した場合、雷検知装置の制御部から光ファイバを介して無線基地局に、起動信号を送信する(ステップS44)。これにより、無線基地局12は、運転状態となり完全に復旧し(ステップS46)、本処理を終了する。
無線基地局ユニット10は、以上のように、制御回路30と雷検知装置14とを光ファイバ16で接続し、さらに、雷を検知した場合、回路分離装置36で制御回路30と電気的に繋がっている配線を遮断することで、制御回路30を電気的に完全に遮断することができる。具体的には、無線基地局ユニット10は、雷を検知、予測(予知)する雷検知装置14を、制御回路30とは別体として設置し、さらに、制御回路30と雷検知装置14との接続に光ファイバ16を用いることで雷検知装置14から制御回路30に落雷によるサージ電流、サージ電圧が流れることを防ぐことができる。光ファイバ(光ケーブル)は、電気信号ではなく、光で信号を送るため、基本的に電気は流れない。つまり雷検知装置14に落雷があっても、落雷によるサージ電流、サージ電圧が制御回路30に到達することを防ぐことができる。さらに、回路分離装置36で、無線基地局12内で、制御回路30に接続しているアース20、アンテナ18及び配電線6との接続を遮断する。つまり、アンテナ18、配電線6、アース20などの雷電流が入り込む経路を物理、電気的に回路を完全分離する。これにより、アース20(筐体12a)、アンテナ18及び配電線6(配電線6に繋がっている他の機器)に落雷があっても、落雷によるサージ電流、サージ電圧が制御回路30に到達することを防ぐことができる。これにより、雷によって無線基地局12の制御回路30が故障することをより高い確率で防ぐことができる。
また、本実施形態の無線基地局ユニット10は、制御回路30と接続していて、落雷のサージ電流、サージ電圧が流れる可能性がある配線が、物理的、電気的に制御回路30に接続していない状態とすることができる。これにより、外部からの電流侵入口に耐雷トランス、避雷器、ヒューズなどを設置して、アースへ大電流を逃す方法、雷電流が電気回路に侵入後の回路保護・安定化のために,サージアブソーバ(バリスタなど)を用いる方法等よりも、高い確率で制御回路30を保護することができる。
なお、無線基地局12は、制御回路30に外部(または電気的に浮いていない機器)に繋がっている信号線、制御ケーブル等が接続されている場合、当該配線の経路にも回路分離装置36を設け、雷を検知した場合、当該配線も遮断する。
無線基地局ユニット10は、制御回路30に接続された複数の配線とそれぞれ繋がる配線を1つの第1分離機構60aの固定部61a及び回転部62aに設置し、当該回転部62aを回転させることで、制御回路30に接続された複数の配線と外部の配線との接続状態と遮断状態とを切り換える。これにより、無線基地局ユニット10は、1つの回転部を回転させるだけで、制御回路30に光ファイバ16以外が接続されていない状態とすることができる。つまり、制御回路30を電気的に浮いた状態とすることができる。また、本実施形態の第1分離機構60aは、1つの分離機構で4本の配線の遮断と接続を切り換えたが配線の本数は限定されない。分離機構は、3本以下の配線の遮断と接続を切り換える構造としてもよく、5本以下の配線の遮断と接続を切り換える構造としてもよい。分離機構は、配線を設置する層の数や、配線の間隔等を調整し、接続する配線の本数に合わせて大きさを調整すればよい。
また、無線基地局ユニット10は、接触型の配線の接続を第1分離機構60aで切り換え、同軸ケーブルの接続を第2分離機構60bで切り換えることで、それぞれの方式に適した分離機構を用いることができる。つまり、接触することで接続状態となる配線(例えば電力配線、アース配線)と、接続部の相対位置に一定以上の精度が必要な同軸ケーブル(例えばアンテナ配線、信号配線)と、をそれぞれ適切に接続することができる分離機構を用いることができる。なお、同軸ケーブルの接続を切り換える第2分離機構60bの具体的な構成の一例については後述する。
無線基地局ユニット10は、配線の接続状態と遮蔽状態とを切り換える機構を配線毎に設けてもよい。つまり、回路分離装置は、制御回路30と接続するそれぞれの配線に対して、別々の分離機構(スイッチ部)を備えていてもよい。このように、分離機構(スイッチ部)を別々の構成としても、無線基地局ユニット10と同様に、雷を検知したら、光ファイバ16を除いて制御回路30に外部から繋がった配線が接続していない状態とすることで、制御回路30を電気的に浮かした状態とすることができ、落雷によるサージ電流、サージ電圧が制御回路30に流れる可能性をより低くすることができる。
ここで、上記実施形態では、雷検知装置14から光ファイバ16を介して供給された信号に基づいて、雷を検知(落雷の可能性があるかの検知)したがこれに限定されない。無線基地局ユニット10は、光ファイバ19を介して送信されるデータセンター8からの情報に基づいて、落雷の可能性を判定するようにしてもよい。例えば、分離制御部30cは、光ファイバ16を介して取得した情報に基づいて、雷検知装置14が故障していると判定し、かつ、光ファイバ19を介して雷を検知していない情報が検出されたと判定した場合、回路分離装置を駆動し、配線を遮断状態から接続状態に切り換えるようにしてもよい。これにより、雷検知装置14が故障した場合でも制御回路の機能を復帰させることができ、無線基地局としての機能を回復させることができる。
また、無線基地局ユニット10は、分離機構を1つの機構としてもよい。つまり全てのスイッチ部を1つの分離機構に設置してもよい。図5は、無線基地局ユニットの他の例の概略構成を示す模式図である。図5に示す無線基地局ユニット10aは、回路分離装置80の構成以外は、基本的に無線基地局ユニット10と同様の構成である。
無線基地局ユニット10aの回路分離装置80は、分離機構81を備えている。分離機構81は、固定部82と回転部84とモータ86とを備える。分離機構81は、電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33c、アース配線31dとアース配線34及びアンテナ配線33eとアンテナ配線35の接続と遮断を切り換える。分離機構81は、接続状態、遮断状態を切り換える配線が5本であること以外は、上述した回転部と固定部とを備える第1分離機構と同様の構成である。
分離機構81は、固定部がそれぞれ電力配線31a、31b、31c、電力配線33a、33b、33c、アース配線31d、アース配線34、アンテナ配線33e及びアンテナ配線35に接続されている。分離機構81は、回転部84の配線と固定部82の配線を接続することで電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33c、アース配線31dとアース配線34及びアンテナ配線33eとアンテナ配線35を接続状態とし、回転部の配線と固定部の配線を非接続とすることで電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33c、アース配線31dとアース配線34及びアンテナ配線33eとアンテナ配線35とを遮断状態とする。このように、分離機構81は、電力配線31a、31b、31cと電力配線33a、33b、33c、アース配線31dとアース配線34及びアンテナ配線33eとアンテナ配線35の接続状態と遮断状態とを切り換える。
無線基地局ユニット10aは、回路分離装置80が1つの分離機構81で配線の接続を切り換えることで、モータを1つとすることができ、装置構成をより簡単にすることができる。
ここで、回路分離装置80は、1つの固定部82と回転部84とに全ての配線を設けたが、これに限定されない。回路分離装置80は、分離機構が固定部と回転部との組み合わせを複数備えていてもよい。以下、図6から図8を用いて、回路分離装置80に用いることができる1つの分離機構の他の例を説明する。
図6は、図5の、無線基地局ユニットの分離装置の他の例の概略構成を示す断面図である。図7Aは、図6の分離装置をA−A方向から見た平面図である。図7Bは、図6の分離装置をB−B方向から見た平面図のである。図8は、図6に示す分離装置の動作を説明するための断面図である。なお、図7A及び図7Bは、回路分岐機構が配線を接続している状態である。
分離機構90は、第1ユニット91と、第2ユニット92と、駆動機構93と、を有する。分離機構90は、駆動機構93の駆動源に近い側から第1ユニット91、第2ユニット92の順で配置されている。第1ユニット91は、回転駆動部91aと従動部91bとを有する。回転駆動部91aは、回転する部分である。従動部91bは、所定の位置に回転可能な状態で支持されている。従動部91bは回転駆動部91aによって回転される。第1ユニット91は、回転駆動部91aが従動部91bを回転させることができる。回転駆動部91aは、突起部91a1が形成されており、当該突起部91a1を従動部91bの突起部91a1に合わせた開口に挿入することで、従動部91bに回転軸方向の力を作用させ、従動部91bを回転させる。
第1ユニット91は、図7Aに示すように、従動部91bに配線95a、95b、95cが形成されている。第図7Aの方向から見た場合、配線95a、95b、95cが重なる位置については、奥行き方向、回転軸方向における位置を異なる位置とし、配線95a、95b、95c同士を非接触としている。配線95aは、径方向の一方の端部から反対側の端部まで延在している。また、配線95aは、両端が受動部91bの径方向外側よりも外側に突出している。つまり、配線95aは、両端が従動部91bの径方向外側の端部まで延在している。配線95bは、配線95aと同様の形状であり、両端が配線95aとは異なる位置の従動部91bの径方向外側の端部まで延在している。本実施形態の配線95bは、配線95aを60度回転させた位置に形成されている。配線95cは、配線95bと同様の形状であり、両端が配線95bとは異なる位置の従動部91bの径方向外側の端部まで延在している。本実施形態の配線95cは、配線95bを60度回転させた位置に形成されている。
次に、第1ユニット91は、従動部91bの径方向外側に配線96a1、96a2、96b1、96b2、96c1、96c2が固定されている。配線96a1、96a2、96b1、96b2、96c1、96c2は、従動部91aよりも径方向外側(図7Aの点線よりも外側)に配置された固定部材に固定されており、固定部に配置された配線となる。配線96a1、96a2、96b1、96b2、96c1、96c2は、従動部91b側の端部が配線95a、95b、95cが露出している領域、つまり、図7Aの点線αよりも内側にある。配線96a1は、制御回路30と接続する電力配線31aに接続されている。配線96a2は、外部の機器(電源端子32)に接続する電力配線31aに接続されている。第1ユニット91は、図6及び図7Aに示すように、回転駆動部91aの突起部91a1が従動部91bの開口に挿入されている状態では、配線96a1と配線96a2が共に従動部91bの配線95aと接続された状態となる。具体的には、配線95aの一方の端部が配線96a1の従動部91a側の端部と接続され、他方の端部が、配線96a2の従動部91a側の端部と接続される。これにより、第1ユニット91は、配線95aの両端がそれぞれ配線96a1、96a2に繋がることで、配線96a1に接続された電力配線31aと、配線96a2に接続された電力配線33aとを電気的に接続された状態とする。次に、配線96b1は、制御回路30と接続する電力配線31bに接続されている。配線96b2は、外部の機器(電源端子32)に接続する電力配線33bに接続されている。第1ユニット91は、回転駆動部91aの突起部91a1が従動部91bの開口に挿入されている状態では、配線96b1と配線96b2が共に従動部91bの配線95bと接続された状態となる。具体的には、配線95bの一方の端部が配線96b1の従動部91b側の端部と接続され、他方の端部が配線96b2の従動部91a側の端部と接続される。これにより、第1ユニット91は、配線95bの両端がそれぞれ配線96b1、96b2に繋がることで、配線96b1に接続された電力配線31bと、配線96b2に接続された電力配線33bとを電気的に接続された状態とする。次に、配線96c1は、制御回路30と接続する電力配線31cに接続されている。配線96c2は、外部の機器(電源端子32)に接続する電力配線33cに接続されている。第1ユニット91は、回転駆動部91aの突起部91a1が従動部91bの開口に挿入されている状態では、配線96c1と配線96c2が共に従動部91bの配線95cと接続された状態となる。具体的には、配線95cの一方の端部が配線96c1の従動部91c側の端部と接続され、他方の端部が配線96c2の従動部91a側の端部と接続される。これにより、第1ユニット91は、配線95cの両端がそれぞれ配線96c1、96c2に繋がることで、配線96c1に接続された電力配線31cと、配線96c2に接続された電力配線33cとを電気的に接続された状態とする。
第2ユニット92は、第1ユニット91と基本的に同様の構成であり、回転駆動部92aと従動部92bとを有する。回転駆動部92aは、回転する部分である。従動部92bは、所定の位置に回転可能な状態で支持されている。従動部92bは回転駆動部92aによって回転される。
第2ユニット92は、図7Bに示すように、従動部92bに配線97a、97b、97cが形成されている。配線97a、97b、97cは、図7Aに示す従動部91bの配線95a、95b、95cと同様に形成されている。
次に、第2ユニット92は、従動部92bの径方向外側に配線98a1、98a2、98b1、98b2が固定されている。配線98a1、98a2、98b1、98b2は、従動部92aよりも径方向外側(図7Bの点線よりも外側)に配置された固定部材に固定されており、固定部に配置された配線となる。配線98a1、98a2、98b1、98b2は、従動部92b側の端部が配線97a、97b、97cが露出している領域、つまり、図7Bの点線αよりも内側にある。配線98a1は、制御回路30と接続する電力配線31dに接続されている。配線98a2は、外部の機器(電源端子32)に接続する配線34に接続されている。第2ユニット92は、図6及び図7Bに示すように、回転駆動部92aの突起部92a1が従動部92bに挿入されている状態では、配線98a1と配線98a2が共に従動部92bの配線97aと接続された状態となる。具体的には、配線97aの一方の端部が配線98a1の従動部92a側の端部と接続され、他方の端部が配線98a2の従動部92a側の端部と接続される。これにより、第2ユニット92は、配線97aの両端がそれぞれ配線98a1、98a2に繋がることで、配線98a1に接続されたアース配線31dと、配線96a2に接続されたアース配線34とを電気的に接続された状態とする。次に、配線98b1は、制御回路30と接続するアンテナ配線31eに接続されている。配線96b2は、外部の機器(アンテナ18)に接続するアンテナ配線35に接続されている。第2ユニット92は、回転駆動部92aの突起部92a1が従動部92bに挿入されている状態では、配線98b1と配線98b2が共に従動部92bの配線97bと接続された状態となる。具体的には、配線97bの一方の端部が配線98b1の従動部92b側の端部と接続され、他方の端部が配線98b2の従動部92a側の端部と接続される。これにより、第2ユニット92は、配線97bの両端がそれぞれ配線98b1、98b2に繋がることで、配線98b1に接続されたアンテナ配線31eと、配線98b2に接続されたアンテナ配線35とを電気的に接続された状態とする。
分離機構90は、第1ユニット91の配線95aと配線96a1、96a2との組み合わせが、電力配線31aと電力配線33aとの接続と遮断を切り換える機構となり、配線95bと配線96b1、96b2との組み合わせが、電力配線31bと電力配線33bとの接続と遮断を切り換える機構となり、配線95cと配線96c1、96c2との組み合わせが、電力配線31cと電力配線33cとの接続と遮断を切り換える機構となる。また、分離機構90は、第2ユニット92の配線98aと配線98a1、98a2との組み合わせが、アース配線31dとアース配線34との接続と遮断を切り換える機構となり、配線98bと配線98b1、98b2との組み合わせがアンテナ配線33eとアンテナ配線35接続と遮断を切り換える機構となる。具体的には、分離機構90は、5つの機構のうち、3つの機構を第1ユニット91で実現し、2つの機構を第2ユニット92で実現する。また、第2ユニット92は、配線87を3本設けているが接続する配線が2つであるため、図7Bに示す状態では、配線97cの外側に配線を設けていない。
次に、駆動機構93は、連結棒93aと、モータ93bと、を有する。連結棒93aは、第1ユニット91の回転駆動部91a及び第2ユニット92の回転駆動部92aの両方が固定されている。これにより、駆動機構93は、第1ユニット91の回転駆動部91aと第2ユニット92の回転駆動部91bとを同時に一体で移動させる。連結棒93aは、回転駆動部91aと回転駆動部92aとの中心に挿入されている。モータ93bは、連結棒93aを回転させる。また、駆動機構93は、連結棒93aを連結棒93aの延在方向に移動させることができる。駆動機構93は、回転駆動部91a、92aを従動部91b、92bに対して、延在方向(矢印100の方向)に移動させることで、図8に示すように回転駆動部91a、92aと従動部91b、92bとを分離させることができる。具体的には、駆動機構93は、回転駆動部91aを従動部91bに対して、矢印102に移動させ、かつ、回転駆動部92aを従動部92bに対して、矢印102に移動させる。分離機構91は、回転駆動部91aを矢印102の方向に移動させることで、回転駆動部91aの突起部91a1が従動部91bの開口からはずれた状態とする。ここで、従動部91bは、開口に回転駆動部91aの突起部91a1が挿入されていない場合、回転方向の位置が所定の位置となるようにバネ等の付勢部材が設けられている。具体的には、従動部91bは、配線95a、95b、95cが、配線96a1、96a2、96b1、96b2、96c1、96c2のいずれとも接触しない位置に回転される。これにより、配線95a、95b、95cと外側に配置されている配線96a1、96a2、96b1、96b2、96c1、96c2とを遮断することができる。これにより、配線96a1、96b1、96c1に接続されている電力配線31a、31b、31cと、配線96a2、96b2、96c2に接続されている外部の機器(電源端子32)と接続される配線33a、33b、33cとが切断された状態とすることができる。分離機構90は、第1ユニット91と連動して第2ユニット92も移動されることで、回転駆動部92aと従動部92bとが分離される。これにより、配線97aと98a1、98a2とを遮断することができ、配線97bと98b2、98b2とを遮断することができる。これにより、配線98a1、98b1に接続されている配線31d、31eと、他方の配線98a2、98b2に接続されている外部の機器(電力端子32、アンテナ18)と接続されるアース配線34、アンテナ配線35とが切断された状態とすることができる。また、駆動機構93は、従動部91b、92bの開口に回転駆動部91a、92aの突起部91a1、92a1を挿入させた後、モータ93bで連結棒93aを回転させることで、従動部91b、92bを矢印104の方向に回転させることができる。これにより、従動部91b、92bに形成された配線95a、95b、95c、97a、97bを周囲の配線に対して回転させることができる。分離機構90は、回転駆動部91a、92aによって従動部91b、92bを所定の向きとすることで、配線95a、95b、95c、97a、97bと配線96a1、96a2、96b1、96b2、96c1、96c2、8a1、98a2、98b1、98b2のそれぞれ対応する配線が接触した状態となる。
分離機構90は、回転駆動部と従動部を備える回転部と配線が固定されている固定部を組み合わせたユニットを2つ設け、2つのユニットを1つの駆動機構で駆動することで、1つの分離機構で連動して複数の配線の接続と分離を切り換えることができる。分離機構90は、ユニットを複数設け、それぞれのユニットに配線を配置することで、配線と配線の間隔を広くすることができる。これにより、配線間での通電等の発生を抑制できる。また、本実施形態は、ユニットを2つとしたが3つ以上としてもよい。固定部と回転部を組み合わせたユニットの数を増やすことで、1つのユニットに配置する配線の本数を少なくすることができ、配線間でのトラブルの発生を抑制することができる。また、分離機構90は、回転部と固定部に配置する角度間隔をユニット間で同じ角度とすることで、回転部を一定角度回転させるたびに配線を接続された状態とすることができる。
次に、図9から図11を用いて、回路分離装置の具体的な構成について説明する。図9は、回路分離装置の概略構成を示す平面図である。図10は、図9に示す回路分離装置のA−A線断面図である。図11は、図10に示す回路分離装置の動作を説明するための断面図である。なお、図10及び図11は、回路分離装置の横断面図である。図9に示す回路分離装置120は、2つの配線の接続状態、遮断状態を切り換える。具体的には、配線130と配線132との接続状態と遮断状態とを切り換え、配線134と配線136との接続状態と遮断状態とを切り換える。ここで、配線130、132、134、136は、固定部に固定された配線である。
回路分離装置120は、従動部(外側カム)122と、回転駆動部(内側カム)124と、回転方向規制部材140と、モータ150と、直動機構152と、を有する。回路分離装置120は、従動部122に、配線130、132、134、136に対応した2本の配線126と、128が配置されている。従動部122は、所定の位置に回転可能な状態で支持されている。図9に示す回路分離装置120は、配線126が配線130と配線132を接続している。具体的には、配線126は、一方の端部が配線130の露出した先端130aと接し、他方の端部が配線132の露出した先端132aと接することで、2つの配線130、132を接続する。また、回路分離装置120は、同様に配線128が配線134と配線136を接続している。
図9から図11に示す回路分離装置120は、回転駆動部124に4つの突起部124aが設けられている。突起部124aは、接続状態の場合、従動部122の凹部に挿入されている。これにより、回転駆動部124と従動部122との相対位置が固定され、回転駆動部124と従動部122とが連動して回転することができる。また、従動部122の回転方向の位置を回転駆動部124で固定できるため、配線をより確実に接続した状態とすることができる。また、従動部122の外周と外側(点線142)との間には、配線126、128を移動可能とするための空間が設けられている。この空間は、不活性ガスを注入した密閉性のある空間とすることが好ましい。これにより、水滴塵埃などの侵入を防ぐことができる。
回転方向規制部材140は、回転駆動部124の外側端面と、回転駆動部124の外側にある固定部とにそれぞれ部品が設置されており、回転駆動部124が反対方向に回転しようとした場合、回転を遮る。これにより、回路分離装置120は、回転方向規制部材140を設けることで回転駆動部124の回転方向の一方向に制限することができる。なお、回転方向規制部材140は、従動部122の外側の端面に設けてもよい。
モータ150は、回転駆動部124に連結されており回転駆動部124を回転させる。直動機構152は、回転駆動部124を、回転軸に平行な方向に移動させる機構であり、直動軸154と、支点156と、伝達要素158と、を有する。直動軸154は、回転駆動部124の回転軸に連結されている。支点156は、伝達要素158を回転自在の状態で支持する支持部である。伝達要素158は、一方の端部が直動軸154に連結されており、支点156を周りに回動することで、直動軸154を回転駆動部124の回転軸と平行な方向に移動させる。なお、伝達要素158の駆動源としては、ばね等の機械的な機構や、モータ等の電気によって駆動される機構を用いることができる。
回路分離装置120は、直動機構152で回転駆動部124を従動部122に対して移動させ、従動部122の配線126、128と、固定部の配線130、132、134、136の相対位置をずらすことで、配線を遮断状態とすることができる。このように、回路分離装置120は、対象の配線と配線との接続状態と遮断状態を切り換えることができればよく、移動機構は回転に限定されない。
なお、本実施形態では、1つの回路分離装置120に2本の配線を設けたが、1本の配線を設けるようにしてもよい。この場合、回路分離装置120は、回転駆動部124を90度回転させ、次の凹部に突起部が挿入されるごとに、接続状態と遮断状態を切り換えることができる。
また、本実施形態では、回転部を回転させる機構として、モータを用いたがばね等を用いてもよい。この場合、回転駆動部124の突起部124aが従動部122の凹部に挿入されている状態で、ばねによる弾性力が回転方向に付勢された状態とし、直動機構152で回転駆動部124を回転軸と平行な方向に移動させたら、ばねによる力で回転駆動部124が回転するようにすればよい。また、この場合、直動機構152で回転駆動部124を回転駆動部124の突起部124aが従動部122の凹部に挿入される方向に移動させると、回転駆動部124が回転しつつ、突起部124aが従動部122の凹部に挿入するようにすることで、ばねによる弾性力が回転方向に付勢された状態で、従動部122と回転駆動部124を固定することができる。
図12は、回路分離装置の他の例の概略構成を示す模式図である。図13は、図12に示す回路分離装置の動作を説明するための模式図である。図12及び図13に示す回路分離装置200は、回転部210をセラミックで形成している。回転部210は、配線212が設置されている。配線212は、両方の端部214、216が回転部210から突出している。回路分離装置200の周囲には、配線220、222が配置されている。配線212は、一方の端部214が配線220の露出した先端220aと接し、他方の端部216が配線222の露出した先端222aと接することで、2つの配線220、222を接続する。
回路分離装置200は、上記実施形態と同様に、回転部210を回転させることで、図12に示すような接続状態と、図13に示すような遮断状態とを切り換える。また、回路分離装置200は、回転部210をセラミック(碍子)とすることで、落雷によるサージ電流、サージ電圧が、回路分離装置200を介して制御回路30に進入することをより確実に防止することができる。
図14は、回路分離装置の他の例の概略構成を示す模式図である。図15は、図14に示す回路分離装置の動作を説明するための模式図である。図14及び図15に示す回路分離装置250は、固定部252と、移動部254と、モータ276と、ばね278と、を有する。回路分離装置250は、固定部252に対して移動部254を上下動させることで、配線の接続状態と遮断状態とを切り換える。
固定部252は、表面に配線260が形成されている。また、固定部252は、円筒部材262を備える。円筒部材262は内側にネジ溝262aが形成されている。固定部252は、円筒部材262によって、配線260は分断されている。
移動部254は、円柱272と、連結棒274と、を有する。円柱272は、円筒部材262に挿入されており、外側表面にネジ溝272aが形成されている。これにより円柱272と円筒部材262とは、ネジ溝262aとネジ溝272aとが螺合している。また円柱272は、円筒部材262の配線260側の端部に配線280が接続されている。連結棒274は、円柱272とモータ276とを連結している。
また、ばね278は、円柱272と円筒部材262aの配線260、280が設けられていない側の端部に配置されている。ばね278は、円柱272が配線260の方向に移動方向の力を円柱272に付与する。モータ276連結棒274を回転させることで、円柱272を回転させる。
回路分離装置250は、以上のような構成であり、モータ276で円柱272を回転させることで、ネジ溝262a、272bで円筒部材262に螺合している円柱272を円柱272の軸に移動させることができる。これにより、回路分離装置250は、図15に示すように、配線280が配線260に対して浮いた状態とすることができる。また、回路分離装置250は、ばね278を設けることで、モータ276への電力の供給が停止し、モータ276から円柱272に付与している力が無くなったら、ばね278が円柱272に対して付与する配線260の方向の力でネジ溝に沿って円柱272を回転させるようにしてもよい。これにより、モータ276の力を用いずに、遮断状態とすることができる。
次に、図16A及び図16Bを用いて、回路分離装置の他の例を説明する。図16Aは、回路分離装置の他の例の概略構成を示す模式図である。図16Bは、図16Aに示す回路分離装置の動作を説明するための模式図である。図16A及び図16Bは、第2分離機構のように、同軸ケーブルの接続状態と遮断状態とを切り換える分離機構の一例を備える回路分離装置の一部を示している。また、図16A及び図16Bは、モータや他の分離機構等の図示は省略している。なお、図16Aは、接続状態を示している。図16Bは、遮断状態を示している。
図16Aに示す回路分離装置502は、固定部510と回転部512とを有する。固定部510は、配線514を支持している。回転部512は、回転中心から所定距離、離れた位置で配線516を支持している。配線514、516は、一方が制御回路に接続され、他方が無線通信局の外の機器と接続している。ここで、配線514、516は、同軸ケーブルであり、例えば、中心に内部導体が配置されその周囲に誘電体、外部導体、保護被覆の順で積層された形状である。また、配線514、516は、接続される端面514a、516aが延在方向に対して傾斜した方向に切断されている。
回路分離装置502は、配線516を回転部512の回転中心からずれた位置に固定している。これにより、接続状態の位置から回転部512を回転させると、図16Bに示すように、配線514は、配線516と平行な状態を維持しつつ、ずれた位置に移動される。このように、回路分離装置502は、配線514を配線516に対して平行な状態としつつ移動させることで、図16Aに示すように接続状態の位置に移動させたときに、端面514aと端面516aを平行な状態とすることができる。これにより、同軸ケーブルである2つの配線514、516を好適に接続することができ、データの送受信を好適に実行することが可能となる。また、高い精度で2つのケーブルを接続できることで、配線514、516の隙間を小さくすることができる。具体的には、外部導体、保護被覆の隙間を小さくすることができる。これにより、配線514、516から漏れる電磁波を少なくすることができる。
次に、図17A及び図17Bを用いて、回路分離装置の他の例を説明する。図17Aは、回路分離装置の他の例の概略構成を示す模式図である。図17Bは、図17Aに示す回路分離装置の動作を説明するための模式図である。図17A及び図17Bは、図16A及び図16Bと同様に、同軸ケーブルの接続状態と遮断状態とを切り換える分離機構の一例を備える回路分離装置を示している。また、図17A及び図17Bは、モータや他の分離機構等の図示は省略している。なお、図17Aは、接続状態を示している。図17Bは、遮断状態を示している。
図17Aに示す回路分離装置530は、移動機構550を有する。回路分離装置530は、固定された配線514に対して、移動機構550が支持する配線516を移動させることで、配線514と配線516との接続状態と遮断状態とを切り換える。移動機構550は、駆動歯車552と従動歯車554とモータ556と連結部材557と連結部材558とを有する。移動機構550は、駆動歯車552と従動歯車554とがかみ合っており、モータ556により駆動歯車552を回転させることで、駆動歯車552と従動歯車554と回転させる。移動機構550は、連結部材557の一方の端部560が駆動歯車552に連結されており、連結部材558の一方の端部562が従動歯車554に連結されている。また、連結部材557の他方の端部564と連結部材558の他方の端部564は、配線516の同じ位置に連結されている。また、連結部材557、558は、両端が回動自在な状態で連結されている。また、連結部材557、558は、駆動歯車552と従動歯車554の接触部の接線を軸として対象となるに配置されている。
回路分離装置530は、移動機構550のモータ556を回転させ、駆動歯車552と従動歯車554とを回転させると、図17A及び図17Bに示すように、連結部材557、558の一方の端部の距離が変動し、連結部材557と連結部材558との他方の端部564の位置が、駆動歯車552と従動歯車554の接触部の接線方向に直線状に移動する。これにより、回路分離装置530は、駆動歯車552と従動歯車554とを回転させることで、連結部材557、558の他方の端部564を直線上で移動させ、他方の端部564で支持している配線516を配線514に近づける方向または遠ざける方向に移動させることができる。回路分離装置530は、移動機構550で配線516を直線上で移動させることで、配線514と配線516の端面が向かい合った状態を維持して、配線516を移動させることができる。つまり、回路分離装置530は、3次元の方向において2次元(XYZの3軸のうち2軸)の位置を固定し、1次元(XYZの3軸のうち残りの1軸)上での移動させることができる。これにより、同軸ケーブルである2つの配線514、516を好適に接続することができ、データの送受信を好適に実行することが可能となる。また、高い精度で2つのケーブルを接続できることで、配線514、516の隙間を小さくすることができる。具体的には、外部導体、保護被覆の隙間を小さくすることができる。これにより、配線514、516から漏れる電磁波を少なくすることができる。
また、上記実施形態では、制御回路30と接続するバッテリ40を設け、バッテリ40から供給される電力で回路分離装置を駆動し、遮断状態から接続状態に移行させたがこれに限定されない。例えば、光ファイバ16から供給される光を動力に変換し、当該動力回路分離装置の駆動源としてもよい。
図18は、回路分離装置の駆動源の他の例の概略構成を示す模式図である。駆動源300は、光ファイバ16aから供給される光を駆動力に変換する光アクチュエータ312と、光アクチュエータ312で移動される移動部314と、光アクチュエータ312の移動範囲を規制するストッパ316と、移動部314によって付勢されるつめ部318と、つめ部318と接触する回動部320と、つめ部318の移動部314とは反対側に配置されたばね330とばね330のつめ部318とは反対側の端部に配置された規制部材332と、規制部材332に押されることで移動する移動部334と、移動部344の移動を規制するストッパ336と、移動部334とともに移動するシャフト340と、シャフト340の歯340aと歯342aがかみ合い、ラックアンドピニオンを構成する歯車342と、を有する。
回動部320は、回転軸322と、当接部324と、回転軸322とは反対側の端部に設けられた傾斜部326と、を有する。回動部320は、回転軸322が回動自在に固定されている。当接部324は、規制部材332の移動部344側の面と接しており、移動部344側の移動を規制している。傾斜部326は、つめ部318と対面する位置に配置されている。回動部320は、つめ部318によって傾斜部326が付勢されると、回転軸322を軸として矢印方向に移動する。これにより、当接部324も移動し、規制部材332と離れ、規制部材332が移動部344方向に移動可能な状態となる。
駆動源300は、光ファイバ16aから供給される光で、光アクチュエータ312が移動部314を移動され、つめ部318を押す。つめ部318が押されて移動すると、つめ部318によって、回動部320が押される。また、同時にばね330が圧縮され、規制部材332も押される。回動部320が回動して、当接部324と規制部材332とが非接触の状態となると、規制部材332が移動部344を押す。移動部344が押されると、シャフト340の直動運動に合わせて歯車342が回転される。
駆動源300は、歯車342の回転運動によって、回路分離装置を移動させることで、モータ等の電力が必要な駆動源を用いなくても回路分離装置を遮断状態から接続状態に移行させることができる。
図19は、回路分離装置の配置位置の一例を示す模式図である。図19に示すように、アースと制御回路とを接続する回路分離装置404は、制御回路30と、当該制御回路30を支持する筐体12aとを連結する位置に配置することが好ましい。これにより、遮断時にアース20の配線が制御回路30に残ることを抑制することができる。また、配線を簡単にすることができる。
図20は、回路分離装置の配置位置の一例を示す模式図である。図19に示すように、配電線6と制御回路30とを接続する回路分離装置420及びアース20と制御回路30とを接続する回路分離装置422は、それぞれ、無線基地局の筐体12aの近傍に配置することが好ましい。このように、筐体12aの近傍に回路分離装置420と回路分離装置422とを設けることで、落雷により生じるサージ電流、サージ電圧が到達する無線基地局内の範囲をより小さくすることができる。
なお、本実施形態の無線基地局ユニットは、スマートメーターの無線基地局として用いることが好ましいが、屋外で電子機器を収納する他の用途の無線基地局、例えば、携帯電話用の無線基地局などにも用いることができる。
また、本実施形態のように無線基地局ユニットに用いることで、屋外に設置され、比較的高い位置に設置されることが多い、無線基地局の制御回路を好適に保護することができる。ここで、本発明はこれに限定されず、無線基地局以外の制御装置にも適用することができる。つまり、種々の種類の制御装置に適用することができ、当該制御装置が備える制御回路を雷から保護する回路分離ユニットとして用いることができる。回路分離ユニットは、無線基地局ユニットのうち、雷検知装置と、制御回路と雷検知装置とを接続する光ファイバと、回路分離装置と、分離制御部と、備える。また、対象の制御装置は、屋外に設置されていることが好ましい。回路分離ユニットを用いることで、屋外にある制御装置の制御回路を落雷に対して保護することができる。