JP2014135686A - 動画像符号化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大掛かりな手段を用いることなく、量子化マトリックスの設定の自由度を確保することができる動画像符号化装置を得る。
【解決手段】直交変換部4は画像データを直交変換する。符号化制御部5は量子化マトリックスパラメータを選択して出力する。量子化マトリックス生成部7は量子化マトリックスパラメータから量子化マトリックスを生成する。量子化部8は直交変換によって得られた係数を量子化マトリックスを用いて量子化して量子化データを生成する。エントロピー符号化部9は量子化データから画像符号化データを生成する。量子化マトリックスは複数の主要係数と複数の非主要係数を有する。複数の主要係数は、量子化マトリックスパラメータにより個々に設定される。複数の非主要係数は、量子化マトリックスパラメータにより設定されるパラメータを含む関数に主要係数を入力して得られる値を用いて設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、量子化処理を行う動画像符号化装置に関する。
H.264やMPEG2等の画像符号化において、画質と符号量の調整を行うために量子化処理が行われる。量子化処理では画質調整のために係数マトリックスセットを使用する。その1セット容量として、H.264の場合、最大で4*4と8*8のマトリックスを合わせた計3840bitが必要になる。符号化効率や画像の変化によって係数マトリックスの変更を行なうため、その度に最大で3840bitのデータ転送と設定時間が発生する。この問題を解決するため以下の2つの技術が提案されている。
従来技術1では、予め所定の量子化マトリックスを保持しておき、状況に応じて傾斜係数を設定できるようにする(例えば、特許文献1参照)。具体的には、所定の量子化マトリックスに傾斜係数を乗じて量子化に使用するマトリックスを得る。この場合のデータ転送は傾斜係数に限ることができる。
従来技術2では、状況に応じて生成タイプを選択し、生成タイプに対応して複数の生成関数を自動的に生成した上で量子化に使用するマトリックスを得る(例えば、特許文献2参照)。この場合、データ転送は生成タイプに限ることができる。
特開2003−189308号公報 再公表2007−94100号公報
本来、量子化マトリックスは状況に応じて最適値を個々に設定できることが望ましい。しかし、従来技術1は設定の自由度を絞っている。また、従来技術2は、設定の自由度は従来技術1より大きいものの、自由度を確保するための手段が大掛かりになるという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は大掛かりな手段を用いることなく、量子化マトリックスの設定の自由度を確保することができる動画像符号化装置を得るものである。
本発明に係る動画像符号化装置は、画像データを直交変換する直交変換部と、量子化マトリックスパラメータを選択して出力する符号化制御部と、前記量子化マトリックスパラメータから量子化マトリックスを生成する量子化マトリックス生成部と、前記直交変換によって得られた係数を前記量子化マトリックスを用いて量子化して量子化データを生成する量子化部と、前記量子化データから画像符号化データを生成するエントロピー符号化部とを備え、前記量子化マトリックスは複数の主要係数と複数の非主要係数を有し、前記複数の主要係数は、前記量子化マトリックスパラメータにより個々に設定され、前記複数の非主要係数は、前記量子化マトリックスパラメータにより設定されるパラメータを含む関数に前記主要係数を入力して得られる値を用いて設定されることを特徴とする。
本発明により、大掛かりな手段を用いることなく、量子化マトリックスの設定の自由度を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る動画像符号化装置を示す図である。 4*4の量子化マトリックスの例を示す図である。 8*8の量子化マトリックスの例を示す図である。 本実施の形態と従来技術1の量子化マトリックスの計算例を示す図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る動画像符号化装置を示す図である。映像が画像の連続として動画像符号化装置に入力される。映像が圧縮されたデータである映像圧縮データが動画像符号化装置から出力される。その後、画像復号装置(不図示)によって映像が伸展・再生される。
映像入力部1は、映像入力を画像化して入力画像として出力し、その画像の動きや細かさや前後変化を調査した結果を映像解析データとして出力する。予測画像生成部2は、前の復号画像等から入力画像を予測した画像である予測画像を生成する。差分生成部3は、入力画像と予測画像の差分画像を生成する。直交変換部4は、差分画像を直交変換(離散コサイン変換、離散サイン変換、離散フーリエ変換など)して直交変換データを出力する。
符号化制御部5は、装置の起動時に外部から量子化マトリックスパラメータセットを受取り、量子化マトリックスパラメータ用メモリ6に格納する。量子化マトリックスパラメータセットは、あらかじめ作成された符号量や映像解析データに応じた適切な量子化マトリックスパラメータのセットを複数セット含む。そして、符号化制御部5は、装置の動作時に映像解析データと符号量から最適な量子化値と量子化マトリックスパラメータを選択して出力する。
なお、符号化制御部5が選択する量子化マトリックスパラメータが変わるのは、ビットレート(符号量の制限)が現状から高い値や低い値に変更された場合、映像の細かさや動きなど映像の性質が変わった場合、シーンチェンジ等の場面変化が起きた場合などである。
量子化マトリックス生成部7は、量子化マトリックスパラメータから量子化マトリックスを生成する。本実施の形態は、後述のように量子化マトリックスの生成方法に特徴がある。量子化部8は、量子化値と量子化マトリックスを用いて直交変換データを量子化(粗く)した量子化データを生成する。エントロピー符号化部9は、量子化データを0,1のデータに変換して圧縮した映像圧縮データ(画像符号化データ)を生成する。また、発生した符号量を符号化制御部5に出力する。
逆量子化部10は、量子化データと量子化マトリックスから粗くされた復号後直交変換データを生成する。逆直交変換部11は、復号後直交変換データを逆直交変換して粗くされた復号差分画像を生成する。復号画像生成部12は、予測画像と復号差分画像を足して復号画像を生成し出力する。参照画像用メモリ13は、次の入力画像を予測するための復号画像を貯めておき、複数の復号画像の中から必要に応じて予測画像生成部に参照画像を出力する。
図2は、4*4の量子化マトリックスの例を示す図である。この量子化マトリックスは複数の主要係数A〜Eと、それ以外の複数の非主要係数とを有する。複数の主要係数A〜Eは、量子化マトリックスパラメータにより個々に設定される。複数の非主要係数は、量子化マトリックスパラメータにより設定されるパラメータα,βを含む関数である。
ここで、主要係数Aは直流成分(輝度成分であれば明るさ等)の量子化の粗さ(大きいほど粗くなる)を示す。主要係数Bは最高周波数成分における量子化の粗さを示す。主要係数Cは水平の最高周波数成分における量子化の粗さを示す。主要係数Dは垂直の最高周波数成分における量子化の粗さを示す。主要係数Eは人間の視覚特性において画像を再現するのに重要な周波数成分(低周波数成分)における量子化の粗さを示す。
なお、どの係数を主要係数とするかを判断する際に画質や符号量の制御に不都合が無いようにすることが重要であり、これを踏まえてA〜Fを主要係数とした。また、人間の視覚特性は低周波領域には敏感で高周波領域には鈍感であるため、低周波領域の係数に関しては細かく制御可能であることが重要である。そこで、EやFを主要係数とした。
主要係数A〜E以外の非主要係数は、量子化マトリックスの左上2*2の低周波領域ではパラメータαを含む関数、その他の領域ではパラメータβを含む関数に主要係数を入力して得られる値を用いて設定される。これにより、非主要係数の各値は主要係数A〜Eを補間するように設定できる。ここで、αは最低周波数成分の重み付け係数であり、βは二次低周波数成分の重み付け係数である。
以上より、符号化制御部5が主要係数A〜Eとパラメータα,βを含む量子化マトリックスパラメータを選択して出力することにより、量子化マトリックス生成部7は画質決定に有用な量子化マトリックスを生成することができる。
図3は、8*8の量子化マトリックスの例を示す図である。この量子化マトリックスは複数の主要係数A〜Fと、それ以外の複数の非主要係数とを有する。複数の主要係数A〜Fは、量子化マトリックスパラメータにより個々に設定される。複数の非主要係数は、量子化マトリックスパラメータにより設定されるパラメータα,β,γを含む関数である。
ここで、主要係数A〜Eは4*4の場合と全く同じ意味である。主要係数Fは8*8マトリックスの内、人間の視覚特性において画像を再現するのにEよりも重要な周波数成分(低周波数成分)における量子化の粗さを示す。
主要係数A〜F以外の非主要係数は、4*4の場合と共通する部分についてはパラメータα,βを含む関数で設定され、その他の領域についてはパラメータγを含む関数に主要係数を入力して得られる値を用いて設定される。これにより、非主要係数の各値は主要係数A〜Fを補間するように設定できる。ここで、γは高周波数成分の重み付け係数である。
以上より、符号化制御部5が主要係数A〜Fとパラメータα,β,γを含む量子化マトリックスパラメータを選択して出力することにより、量子化マトリックス生成部7は画質決定に有用な量子化マトリックスを生成することができる。
本実施の形態は量子化マトリックスの主要係数とパラメータを変更するため、傾斜係数のみを変更する従来技術1に比べて、量子化マトリックスの設定の自由度を確保することができる。
図4は、本実施の形態と従来技術1の量子化マトリックスの計算例を示す図である。マトリックス内の最高周波数成分の値を大幅に増やしたい場合、従来技術1では量子化マトリックスの値がいびつな分布になるのに対し、本実施の形態では連続的な分布になる。これによりシーンチェンジやフェード、フラッシュといった映像変化に柔軟に対応できる。
また、従来技術1では傾斜係数しか変更できないため、直流成分の値は変更できないが、それを本実施の形態では解決している。これにより符号化データが激増するような複雑な映像への即応が可能になる。具体的に、4*4と8*8のマトリックスについてA=16,B=250近辺に設定しシミュレーションしてみたところ、従来技術1に比べて本実施の形態ではBD−PSNRで0.091dB、BD−Bitrateで約1.14%の改善が確認できた。ここで、BD−PSNRとは、同じ符号量におけるPSNRの差分値である。BD−Bitrateとは、同じPSNR値で削減出来る符号量である。PSNRとは、符号化前画像に対する符号化後画像の再現尺度であり、高い方が高画質とされる。
また、4*4と8*8のマトリックスを併せた容量は最大768bitであり、全係数の3840bitに比べ1/5程度で済む。さらに、従来技術2では自由度は大きいものの、自由度を確保するための手段が大掛かりになる。これに対して、本実施の形態では固定の四則演算の組み合わせを導入することにより、大掛かりな手段を用いる必要がない。
4 直交変換部、5 符号化制御部、7 量子化マトリックス生成部、8 量子化部、9 エントロピー符号化部
本発明に係る動画像符号化装置は、画像データを直交変換する直交変換部と、量子化マトリックスパラメータを選択して出力する符号化制御部と、前記量子化マトリックスパラメータから量子化マトリックスを生成する量子化マトリックス生成部と、前記直交変換によって得られた係数を前記量子化マトリックスを用いて量子化して量子化データを生成する量子化部と、前記量子化データから画像符号化データを生成するエントロピー符号化部とを備え、前記量子化マトリックスは複数の主要係数と複数の非主要係数を有し、前記複数の主要係数は、前記量子化マトリックスパラメータにより、直流成分と最高周波数成分と人間の視覚特性において画像を再現するための低周波数成分に相当する点のみについて個々に設定され、前記複数の非主要係数は、前記量子化マトリックスパラメータにより設定されるパラメータを含む関数に前記主要係数を入力して得られる値を用いて設定されることを特徴とする。

Claims (1)

  1. 画像データを直交変換する直交変換部と、
    量子化マトリックスパラメータを選択して出力する符号化制御部と、
    前記量子化マトリックスパラメータから量子化マトリックスを生成する量子化マトリックス生成部と、
    前記直交変換によって得られた係数を前記量子化マトリックスを用いて量子化して量子化データを生成する量子化部と、
    前記量子化データから画像符号化データを生成するエントロピー符号化部とを備え、
    前記量子化マトリックスは複数の主要係数と複数の非主要係数を有し、
    前記複数の主要係数は、前記量子化マトリックスパラメータにより個々に設定され、
    前記複数の非主要係数は、前記量子化マトリックスパラメータにより設定されるパラメータを含む関数に前記主要係数を入力して得られる値を用いて設定されることを特徴とする動画像符号化装置。
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