JP2014132377A - 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】FAST特徴点を中心とする局所領域の輝度分布特性を効果的に特徴ベクトルに反映させるとともに特徴ベクトルの計算コストをより低減して処理を高速化しつつ、特徴ベクトルの充分なマッチングの精度及び安定性を確保する。
【解決手段】輝度配向ベクトルOriの始点から終点側へ延びた半直線に最も距離が近い小円周上の画素をP0とし、この画素P0の方向の延長線上且つ大円周上の画素をQ0とし、画素P0から反時計回りに1画素ごとの小円周上の画素をそれぞれ画素P1〜P7とし、画素Q0から反時計回りに1画素ごとの小円周上の画素をそれぞれ画素Q1〜Q16とし、局所領域画像Gxの特徴ベクトルVfを、 Vf=α(F00,F01,..,Ff7)として求める。ここに、ベクトル成分Fijは、Fij=I(Qj)−I(Pi)であり、I(x)は画素xの輝度であり、αは、特徴ベクトルVfのノルムを正規化するための係数である。
【選択図】図4

Description

本発明は、輝度画像上の自然特徴点を中心とする局所領域の回転不変性特徴ベクトルを求め、これを参照マップ内の回転不変性特徴ベクトルとのマッチングにより、該参照マップ内の対応する特徴点座標を取得し、取得した複数の特徴点座標に関する情報を出力する画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに係り、特に、カメラを備えたスマートフォンに拡張現実画像を表示するのに好適な画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
カメラを備えたスマートフォンの性能向上とFAST(Features from Accelerated Segment Test)コーナー検出法などの画像処理技術の向上に伴い、マーカレスAR(Augmented Reality:拡張現実)をスマートフォンで実現可能になった。
FASTコーナー検出法によれば、1画像内の自然特徴点を多数、高速に検出することができる。これら特徴点を、予め求めた参照マップ内の特徴点とマッチングすることにより、3次元座標をカメラ画像の2次元座標に投影するカメラパラメータを推定することができ、このパラメータに基づき、3Dモデルをカメラ画像に投影した(カメラ画像にCG画像を重畳した)AR画像を生成することができる。このマッチングを行うために、各特徴点を中心とする局所特徴ベクトルを記述する必要がある。
下記特許文献1には、画像の回転に強い特徴ベクトルを、コントラストによらずに算出することができる特徴ベクトル算出方法が開示されている。
また、下記非特許文献1には、そこでのテストの結果、下記非特許文献2のBRIEF(Binary Robust Independent Elementary Features)という手法が最速であると記載されている。
特開2012−38290号公報
特徴記述子比較レポート:http://computer-vision-talks.com/2011/08/feature-descriptor-comparison-report/ BRIEF:http://cvlab.epfl.ch/~lepetit/papers/calonder_pami11.pdf ランダムフォレスト:http://link.springer.com/article/10.1023%2FA%3A1010933404324?LI=true ICP:http://hal.inria.fr/docs/00/07/48/99/PDF/RR-1658.pdf
しかしながら、特許文献1では、特徴点を中心とするp個の円の円周上の画素データを検出する同心円検出部と、各画素データにおける画素値の勾配の角度と支配的勾配との差分値に円の半径の平方根を乗じた重み付き差分値をそれぞれ算出する重み付き差分値算出部と、重み付き差分値についてのq個の階級を有する度数分布を作成する度数分布作成部と、各円についての各度数を成分とするq次元のベクトルから、p×q次元の記述子ベクトルを算出する記述子ベクトル算出部とを設ける必要があるので、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)や、これよりも高速なSURFよりも計算コストを低減できるものの、計算コストが比較的大きくなる。
また、非特許文献2のBRIEFでは、特徴点を中心とする円内の2画素の輝度差を2値化したものを特徴ベクトルの成分とするので、特徴ベクトルの次元数とビット長とが等しくなって省メモリにはなるものの、高速化の点では、次の理由により、充分とは言えない。すなわち、例えば128次元の特徴ベクトルを生成する場合、BRIEFでは特徴ベクトルを128ビットで表現できるものの、例えば640x480画素の画像中の該円内のランダムな128回の画素サンプリングが必要になり、キャッシング回数が増え、重い処理となるからである。また、BRIEFは回転不変性を有しない。さらに、上記2値化により、接近した特徴ベクトル間の区別が困難になるので、カメラ画像から取得した特徴ベクトルと参照特徴ベクトルとのマッチングの精度及び安定性、すなわち特徴点識別性が低下する。
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、FAST特徴点を中心とする局所領域の輝度分布特性を効果的に特徴ベクトルに反映させるとともに特徴ベクトルの計算コストをより低減して処理を高速化しつつ、特徴ベクトルのマッチングの精度及び安定性(特徴点識別性)を、カメラ位置・姿勢推定上又は画像検索上、充分確保することが可能な画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することにある。
本発明による画像処理装置の第1態様では、カメラと、該カメラで撮像されたフレーム画像と参照マップとプログラムとが格納された記憶装置と、プロセッサと、出力装置とを備え、該参照マップは複数の特徴点のそれぞれについて特徴点の第1座標系内座標(3次元又は2次元)と回転不変性特徴ベクトルとを含み、該プログラムは該プロセッサに対し、
(a)グレースケールの該フレーム画像又は該フレーム画像をグレースケール化した画像である輝度画像に対しFASTコーナー検出法により特徴点の輝度画像上第2座標系内2次元座標を検出させ、
(b)検出された各特徴点を中心とする局所領域の輝度配向を求めさせ、
(c)該輝度配向を基準として該局所領域の回転不変性特徴ベクトルを求めさせ、
(d)求めた該回転不変性特徴ベクトルと該参照マップ内の回転不変性特徴ベクトルとのマッチングにより、該参照マップ内の対応する特徴点座標を取得させ、
(e)処理(d)で取得した複数の特徴点座標に関する情報を該出力装置に供給する、
画像処理装置において、該プログラムは該プロセッサに対し、処理(c)において、
該特徴点を中心とする第1の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のn個の画素Pi、i=0〜n−1の輝度I(Pi)及び該特徴点を中心とする、該第1の半径より大きい第2の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のm≧nなるm個の画素Qj、j=0〜2m−1の輝度I(Qj)を、該輝度配向を基準として所定順にサンプリングさせるとともに、この順に対応した全サンプル画素の組み合わせ(Pi,Qj)のそれぞれの両画素の輝度値の差を成分とするnxm次元のベクトルを求めさせ、
該ベクトルのノルムを所定値に正規化したものを、該回転不変性特徴ベクトルとして求めさせる。
本発明による画像処理装置の第2態様では、該プログラムは該プロセッサに対し、処理(b)において、
該特徴点を中心とする第3の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のp個の画素Ri、i=0〜p−1及び該特徴点を中心とする、該第3の半径より大きい第4の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のq≧pなるq個の画素Sj、j=0〜q−1の全組み合わせ(Ri,Sj)について、該組み合わせの両画素の輝度値I(Ri)とI(Sj)との差に、該画素Riと該画素Sjとの一方から他方への正規化された方位ベクトルを乗じたものの総和のベクトルの方向を、該輝度配向として求めさせる。
上記第1及び第2態様において、好ましい第1〜4半径、円周上サンプリング画素間隔(等画素間隔)、m、n、p及びqの範囲は、カメラの解像度や被写体に応じて定まるものであり、特定の値に限定されるものではない。
しかし、一般的に、第1〜4の半径が大き過ぎる場合、円周上サンプリング画素間隔がこの半径に対し広過ぎると、輝度配向ベクトルの変動幅が大きくなって特徴ベクトルの安定性が悪くなり、円周上サンプリング画素間隔が狭過ぎると、特徴ベクトルの次元数が大きくなって計算コスト及びモリ使用量が増加して好ましくない。また、第1及び第3(小さい方の円周)の半径が最小の2画素だと円周が滑らかにならないので、同様に特徴ベクトルの安定性が悪くなる。現在のカメラ付スマートフォンの場合、一般的な被写体に対する小さい方の円周半径の好ましい範囲は3〜4画素である。
また、一般的に、第1の半径と第3の半径とを等しくし,第2の半径と第4の半径とを等しくすれば、輝度配向ベクトル算出における円周上輝度サンプリングでのキャッシュ結果を特徴ベクトル算出時に用いることができるので、特徴ベクトルの計算効率が高くなる。同様に、第1の半径と第3の半径とをFASTコーナー検出法での円周半径に等しくすれば、特徴ベクトルの計算効率がさらに高くなる。
また、n、m、p及びqの値は、2の冪乗であることが好ましい。その理由は、次の通りである。例えばnについて、輝度配向ベクトルの向きによらず円周上輝度を画一的にサンプリングして配列Pに代入しておき、該向きに応じサンプリング開始位置に対応した配列要素のインデックスiの値oを定め、特徴ベクトル計算のループ処理において、インデックスiをoから1だけインクリメントし、i=nになったら次はi=0とし、さらにiを0からo-1まで1つずつインクリメントして循環する。0から始まるループ変数をj、剰余(mode)演算子を%、論理積演算子を&とすると、nが2の冪乗である場合、i=(j+o)%nはi=(j+o)&(n−1)で計算できるので、iの値を決定するためi=nであるか否かでジャンプする余分な条件ジャンプ命令を用いずに論理積演算子を用いてインデックスiを高速計算できる。
また、特徴ベクトルの次元数が低すぎると特徴点識別性が悪化する。n、m、p及びqについては、n=m、p=qであってもよい。
したがって、n及びmの好ましい値の組(n,m)は、(8,8)、(8,16)又は(16,16)であり、p、qの好ましい値の組は、(16,16)、(16,32)又は(32,32)である。
上記第1態様の構成によれば、FASTコーナー検出法による特徴点を中心とする第1の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のn個の画素Pi、i=0〜n−1の輝度I(Pi)及び該特徴点を中心とする、該第1の半径より大きい第2の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のm≧nなるm個の画素Qj、j=0〜2m−1の輝度I(Qj)を、輝度配向を基準として所定順にサンプリングさせるとともに、この順に対応した全サンプル画素の組み合わせ(Pi,Qj)のそれぞれの両画素の輝度値の差を成分とするnxm次元のベクトルを求め、該ベクトルのノルムを所定値に正規化したものを、該回転不変性特徴ベクトルとして求めるので、(m+n)個の画素サンプリングに基づく比較的簡単な計算でnxm次元のベクトルを作成でき、また、FASTコーナー検出法による特徴点を中心とする局所領域の輝度分布特性が特徴ベクトルに効果的に反映され、これにより特徴ベクトルの参照特徴ベクトルとのマッチングの精度上及び安定性上問題になることなく、従来よりも計算コストを低減して、特徴ベクトルをより高速に求めることが可能になるという効果を奏し、特にスマートフォンのような処理性能が比較的低い画像処理装置に好適である。
また、特徴ベクトルの各成分が両円周上の輝度値の差であることと、特徴ベクトルのノルムが正規化されていることから、特徴ベクトルが照明の変化に殆ど影響されず、さらに、輝度配向を基準として特徴ベクトルの成分が配置されているので、特徴ベクトルが回転不変性を有し、リアルタイム画像処理上充分な上記マッチングの精度及び安定性を確保可能となるという効果を奏する。
上記第2態様の構成によれば、該特徴点を中心とする第3の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のp個の画素Ri、i=0〜p−1及び該特徴点を中心とする、該第3の半径より大きい第4の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のq>pなるq個の画素Sj、j=0〜q−1の全組み合わせ(Ri,Sj)について、該組み合わせの両画素の輝度値I(Ri)とI(Sj)との差に、該画素Riと該画素Sjとの一方から他方への正規化された方位ベクトルを乗じたものの総和のベクトルの方向を、該輝度配向として求めるので、(p+q)個の画素サンプリングに基づく比較的簡単な計算で該輝度配向を求めることができ、また、FASTコーナー検出法による特徴点を中心とする局所領域の輝度分布特性が輝度配向決定に効果的に反映され、これにより、特徴ベクトルの回転不変性を確保できるとともに、従来よりもさらに計算コストを低減して、特徴ベクトルをさらに高速に求めることが可能になるという効果を奏する。
本発明の他の目的、特徴的な構成及び効果は、以下の説明を特許請求の範囲及び図面の記載と関係づけて読むことにより明らかになる。
本発明の実施例1に係る画像処理装置のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。 フレーム画像を処理してAR画像を生成する処理を示す機能ブロック図である。 図2中の主処理部による処理を示す概略フローチャートである。 (A)は図2中の特徴ベクトル化部での処理を示す概略フローチャートであり、(B)及び(C)はそれぞれ、このフローチャートのステップS451及びS452での処理の説明図である。 図2中の特徴点検出部により検出された特徴点を、輝度画像上にドットで示す図である。 左側の輝度画像上の1つの特徴点と、これを中心とする局所領域画像及び図2中のアフィン変換部で作成された複数の局所領域画像の一部と、各局所領域画像の特徴ベクトルとを対応させて示す説明図である。 (A)〜(D)は何れも、同一特徴点を中心とする局所領域画像であって、特徴点に対するカメラの奥行きを同一にしカメラの姿勢を変えた場合の画像を示し、(E)〜(H)はそれぞれ(A)〜(D)の特徴ベクトルの棒グラフによる成分表示図であり、(I)〜(L)は何れも、他の同一特徴点を中心とする局所領域画像であって、特徴点に対するカメラの奥行きを同一にしカメラの姿勢を変えた場合の画像を示し、(M)〜(P)はそれぞれ(I)〜(L)の特徴ベクトルの棒グラフによる成分表示図である。 (A)は、特徴点IDがそれぞれID01、ID02、ID03、・・・である、それぞれ複数の特徴ベクトルを示す説明図であり、(B)は、参照マップ内の特徴ベクトルの全集合からランダムに抽出した部分集合毎のツリーからなるランダムフォレストの識別器をその入出力と対応付けて示す説明図である。 (A)及び(B)は、参照マップの生成に用いた画像(右上隅の画像)上の特徴点と、これに対応するAR画像生成用フレーム画像(左側画像)上の特徴点とを、直線で結んで、対応関係を示す説明図である。
図1は、本発明の実施例1に係る画像処理装置10のハードウェア構成を示す概略ブロック図であって、この実施例1で必要な構成要素のみを示す。画像処理装置10は例えば、カメラを備えたスマートフォンやPDA等の携帯端末装置、ノートパソコン又はデスクトップパソコンなどである。
画像処理装置10は、その本体部20において、プロセッサ21がバス22を介して記憶装置23、入力インターフェイス24、カメラインターフェイス25及びディスプレインターフェイス26に結合されている。プロセッサ21は、内部キャッシュメモリを備えている。入力インターフェイス24には入力装置30が結合され、カメラインターフェイス25にはカメラ31が結合され、ディスプレインターフェイス26には出力装置としての表示装置32が結合され、他の出力装置としての通信部27にはアンテナ33が結合されている。
入力装置30は、対話型入力装置であって、タッチパネル、ポインティングデバイス若しくはキーボード又はこれらの組み合わせで構成されている。通信部27は、電波を介して外部モニタ又はインターネットと結合するためのインターフェイスを備えている。
記憶装置23にはプログラム及びデータが格納され、このプログラムは、プロセッサ21に対し、入力装置30から入力インターフェイス24を介したユーザの指示又は設定値の選択若しくは入力を受け付け、この入力に応じて、ARアプリケーションを起動させ、カメラ31で被写体を撮像させてそのフレーム画像を順次、一時的に記憶装置23内に格納させるとともに、このフレーム画像を処理させて、カメラ31の位置姿勢を推定し、これに基づきフレーム画像にCGを重畳させたAR画像を生成し、これを、ディスプレインターフェイス26に供給することにより表示装置32に表示させ、通信部27に供給することにより外部のモニタに表示させ、又は、ブラウザ等のネットワークソフトを介し通信部27に供給することにより外部のサーバ若しくは基地局を介して通信相手にAR画像を送信する。
図2は主に、上記フレーム画像を処理してAR画像を生成する処理を示す機能ブロック図である。図2中、角丸矩形のブロックMi及びM0〜M8は、図1の記憶装置23のデータ領域の一部である。
画像入力部4iは、オペレーティングシステムを介しカメラ31からフィールド画像を順次取得してバッファ領域Miに格納し、2フィールドで1フレーム(例えば640x480画素)のカラー画像を格納する。バッファ領域Miはダブルバッファであり、一方のバッファと他方のバッファとに交互に順次フレーム画像を格納(上書き)する。
グレースケール化部41は、バッファ領域Mi内の、現在上書きしていない方のバッファのフレーム画像を、グレースケール化して8ビット1チャンネルの輝度画像に変換しながら、これをバッファ領域M0に格納する。バッファ領域M0もダブルバッファであり、グレースケール化部41は、画像入力部4iと同様に一方のバッファと他方のバッファとに交互に順次、輝度画像を格納(上書き)する。以下、これら一方及び他方のバッファの画像をそれぞれ輝度画像G0及びG1と称す。
画像入力部4i及びグレースケール化部41はそれぞれ、イベントドリブンにより実行されて、主処理部40と並列実行される。
主処理部40は、フレーム画像及びその輝度画像を画像処理するメインルーチンである。図3は、この主処理部40による処理を示す概略フローチャートであり、ステップS42、S43、S45〜S51でそれぞれ図2中のブロック42、43、45〜51を呼び出して処理する。
ステップS42は、前処理であり、アプリケーション起動後の初期段階で行われる。ステップS43、S45及びS46は、その後の最初のAR用フレーム画像及びその輝度画像(これを輝度画像G1とする)に対するAR画像処理(初期認識処理)である。ステップS47〜S51のループは、この後に順次取得したフレーム画像及びその輝度画像に対するAR画像処理(トラッキング処理)である。
図2において、参照マップ作成部42は、後述の特徴点検出部43を介し輝度画像上の特長点を検出し、これに特徴点IDを付与する。図5は、特徴点検出部43により検出された特徴点をG1上にドットで示す。
参照マップ作成部42は、後述の特徴ベクトル化部45を介し、特徴点を中心とする局所領域の特徴ベクトルを求め、後述の輝度画像間テンプレートマッチングで特徴点を追跡し、単眼ステレオ視により各特徴点の3次元座標Posを復元し、各特徴点のID、3次元座標Pos及び特徴ベクトルを1組にした参照マップM4を作成する。
参照マップ作成部42はまた、アフィン変換部44を介し、該局所領域の画像をアフィン変換した、局所領域画像群M2を作成し、それぞれの局所領域画像に対し、特徴ベクトル化部45を介し特長ベクトルを求め、その特徴点IDの特徴ベクトルとして参照マップM4に追加する。即ち、1つの特徴点IDに対し異なる複数のカメラ視点のそれぞれの局所領域画像の特徴ベクトルが含まれる。
図6は、左側の輝度画像上の1つの特徴点と、これを中心とする局所領域画像及び図2中のアフィン変換部44で作成された複数の局所領域画像の一部と、各局所領域画像の特徴ベクトルVとを対応させて示す。
アフィン変換部44による前記アフィン変換は、予め設定された複数のアフィン変換行列のそれぞれで、局所領域画像に対し施すことにより行われ、これにより、カメラ31の位置・姿勢を変更した場合に得られる複数の局所領域画像を、画像処理で生成する。
より具体的には、まずカメラ31の姿勢を変えずに奥行きを変更した場合に得られる、局所領域画像G2に対応した局所領域画像、例えば、局所領域画像G2の幅及び高さをそれぞれ1/√2倍し、さらに1/√2倍し、さらに1/√2倍したそれぞれの局所領域画像G3、G4及びG5をアフィン変換で自動生成する。これら局所領域画像G2〜G5のそれぞれについてさらに、カメラの奥行きを変えずに姿勢を変えたものに相当する局所領域画像を、アフィン変換で自動生成する。
次に、上記初期認識処理について説明する。
特徴点検出部43は、グレースケール化部41で生成された輝度画像G1に対し、FASTコーナー検出法により特徴点を検出し、輝度画像G1内の座標系でのそれぞれの座標を取得して、2次元座標群M1に追加する。
特徴ベクトル化部45は、輝度画像G1内の特徴点を中心とする局所領域画像Gxを特徴ベクトル化して、特徴ベクトル群M3に追加する。
図4(A)は、特徴ベクトル化部45での処理を示す概略フローチャートである。図4(B)及び(C)はそれぞれ、このフローチャートのステップS451及びS452での処理の説明図である。
図4(B)及び(C)の局所領域画像Gxでは、複雑化を避けるため、画像を省略している。升目で区切られた小矩形は、画素を示している。ハッチングを施した中央の画素は、特徴点を示している。
ここで、FASTコーナー検出法は、注目画素を中心とし、正の閾値をthとし、例えば半径3画素の円周上における16個の画素の輝度値を、(注目画素の輝度値)−thより小さければ暗い、(注目画素の輝度値)+thより大きければ明るい、これらの間の値であれば類似と3値化し、連続して例えば9画素以上が明るい又は暗いと判定された場合に、注目画素がコーナーの特徴点であると判定するものである。したがって、FASTコーナー検出法による特徴点は、その局所領域において、円周上輝度配向性を有している。
そこで、この特徴点を中心とする半径3及び6の点線で示す円周上の画素をそれぞれ、図示のように、画素R0〜Rf及び画素S0〜S1fとする。符号R及びSに付加した番号は、16進数表記である。
図4(A)のステップS451においては、バッファメモリ上の画素R0〜Rf及び画素S0〜S1fの輝度値をサンプリングすることによりMPU内にキャッシングし、次いで画素Riと画素Sjとの全ての組み合わせ(Ri,Sj)について、輝度配向ベクトルOriを、
1f f
Ori=Σ Σ(I(Sj)−I(Ri))(Ri−Sj)
j=0 i=0
として求める。上式右辺のRi及びSjはそれぞれ、特徴点を始点とする画素Ri及びSjの位置ベクトルを示している。また、I(x)は画素xの輝度である。輝度配向ベクトルOriの計算においては、X−Y直交座標系のX成分及びY成分のそれぞれを求める。輝度配向ベクトルOriの計算においては、X−Y直交座標系のX成分及びY成分のそれぞれを求める。
このような輝度配向ベクトルOriは、輝度値の差がベクトルの係数となっているので、輝度配向ベクトルOriは照明の変化に影響されにくい。
また、このような比較的簡単に求められる輝度配向ベクトルOriを用いても、後述の特徴ベクトルの回転不変性が確保されるとともに、従来よりも計算コストを低減して、より高速に輝度配向ベクトルOriを求めることが可能になる。
計算コストを低減できる理由は、数十〜200程度の特徴ベクトルのそれぞれについて、640x480画素構成の輝度画像から、16+32=48個の画素サンプリングを行えばよく、画素サンプリングでの比較的重い処理であるMPU21のキャッシング回数が少なくなるからである。また、小円周上及び大円周上のそれぞれの画素数が2の冪乗であるので、上述のインデックス計算において、特徴ベクトル毎の16x32=512回のループ処理を高速化できるからである。
なお、小円周又は大円周をFASTコーナー検出時の円周と一致させることにより、その画素サンプリング結果を共通に用いることができるので、さらに高速化できる。
次に、ステップS452において、図4(C)に示すように、求めた輝度配向ベクトルOriの始点から終点側へ延びた半直線に最も距離が近い(輝度配向ベクトルOriと小円周上の画素の位置ベクトルとの内積が最大となる)小円周上の画素をP0とし、画素P0から反時計回り(又は時計回り)に1画素ごとの小円周上の画素をそれぞれ画素P1〜P7とし、特徴点からこの画素P0の方向の延長線上且つ大円周上の画素をQ0とし、同様に、画素Q0から反時計回り(又は時計回り)に1画素ごとの小円周上の画素をそれぞれ画素Q1〜Q16とし、局所領域画像Gxの特徴ベクトルVを、
V=α(F00,F01,..,F0f,F10,F11,・・・,Ff7)
として求める。ここに、ベクトル成分Fijは、Fij=I(Qj)−I(Pi)であり、αは、特徴ベクトルVのノルムの値を、例えば符号付8ビット整数の最大値である127(ノルムの平方が16129)に正規化するための係数である。
プログラム上の実際の計算では、図4(B)の画素R0〜Rf及びS0〜S1fのサンプリング結果を用い、Q0〜Qfの替わりにS6、S8、・・・、S4を用い、P0〜P7の替わりにR3、R5、・・・、R1を用いる。また、画素配列のインデックスは、輝度配向ベクトルOriに依存せず画一的に変化するループ変数に対し、上述のように論理積演算で循環的に変化させる。
すなわち、正規化前の特徴ベクトルの第k成分をV[k]、輝度I(Ri)をR[i]、輝度I(Sj)をS[j]、計算開始位置の輝度配列要素をR[o]、S[2*o](図4(B)のOriの場合、o=3)とし、16進数の前に0xを付加して表記すると、C言語の場合、正規化前の特徴ベクトルVを次のような簡単なループ処理で計算する。
for (i=0; i<8; i++) {
for(j=0; j<16; j++){
V[16*i+j] = S[(2*j+2*o)&0x1f] -R[(2*i+o)&0x0f]
}
}
このような計算は、上記輝度配向ベクトルOriの計算においても同様である。
Fij=が輝度値の差であるので、特徴ベクトルVは、照明の変化に影響されにくい。また、特徴ベクトルVのノルムが正規化されているので、さらに照明の変化に影響されにくい。
また、このような比較的簡単に求められる特徴ベクトルVを用いても、特徴ベクトルの参照特徴ベクトルとのマッチングの精度上及び安定性上問題になることがなく、従来よりも計算コストを低減して、特徴ベクトルを高速に求めることが可能になる。
計算コストを低減できる理由は、数十〜200程度の特徴ベクトルのそれぞれについて、640x480画素構成の輝度画像から、16+8=24個の画素サンプリングを行えばよく、画素サンプリングでの比較的重い処理であるMPU21のキャッシング回数が少なくなるからである。また、小円周上及び大円周上のそれぞれの画素数が2の冪乗であるので、上述のインデックス計算において、特徴ベクトル毎の16x8=128回のループ処理を高速化できるからである。
なお、画素サンプリングについては、輝度配向ベクトルOri算出時のサンプリング結果を用いることができるので、さらに高速化できる。
また、マッチングの精度上及び安定性上充分である理由は、結果として、FASTコーナー検出法による特徴点を中心とする局所領域の輝度分布特性が特徴ベクトルVに効果的に反映されるからであろう。
MPUの周波数速度を上記非特許文献1に記載のテスト結果で用いられた2.6GHzにして、本実施例の128次元特徴ベクトル計算時間を実測した結果、特徴点512個当たり2-3msecであった。これに対し、上記非特許文献1のテスト結果では、最速のBRIEFでも、特徴点512個当たり64次元で約5-8msecである。両テスト条件を詳細に一致させたものではないが、本実施例の方が約2倍早いと言える。
局所領域画像群M2内の他の全ての局所領域画像についても上記同様にして特徴ベクトルVを求める。
図7(A)〜(D)は何れも、同一特徴点を中心とする局所領域画像であって、特徴点に対するカメラ31の奥行きを同一にしカメラ31の姿勢を変えた場合の画像を示し、図7(E)〜(H)はそれぞれ、図7(A)〜(D)の特徴ベクトルの棒グラフによる成分表示である。局所領域画像中の直線は、輝度配向ベクトルOriを示す。
同様に、図7(I)〜(L)は何れも、他の同一特徴点を中心とする局所領域画像であって、特徴点に対するカメラ31の奥行きを同一にしカメラ31の姿勢を変えた場合の画像を示し、図7(M)〜(P)はそれぞれ、図7(I)〜(L)の特徴ベクトルのコンピュータによる棒グラフ成分表示である。局所領域画像中の直線は、輝度配向ベクトルOriを示す。
これら図7(A)〜(H)の実測画像から、特徴ベクトルVは、特徴点に対するカメラ31の奥行きが同一であればカメラ31の姿勢に殆ど依存しない(回転不変性を有する)ことが分かる。
図1に戻って、マッチング部46は、特徴ベクトル群M3内の1つの特徴ベクトルVと参照マップM4内の特徴ベクトルとのマッチングを行って、特徴ベクトル群M3内の何れの特徴ベクトルが特徴ベクトルVと最も類似するもの又は類似すると推定できるものに対応する参照マップM4内の3次元座標Posを、特徴ベクトルVの3次元座標と推定する。この処理を、特徴ベクトル群M3内の全特徴ベクトルVのそれぞれについて行う。
特徴点数が1輝度画像内に多数存在し、かつ、1つの特徴点に複数の特徴ベクトルが存在するので、特長ベクトル間の類似度として、例えば、特長ベクトル間の内積を直接1つずつ実行すると、計算コストが膨大となる。
そこで、マッチング部46において、決定木を特徴ベクトルの識別器(分類器)として用いることにより、マッチングを高速に行う。決定木としては、複数のツリーを用いたランダムフォレスト(Random Forest)を用いる。その理由は、使用時に高速動作すること、マルチクラス識別器であること、識別精度が比較的高いこと、識別精度とメモリ使用量がトレードオフになるがそのパラメータがほぼツリーの数で調整できること(ツリーが少数(多数)だと識別精度が低い(高い)がメモリ使用量が小(大))である。
特徴ベクトルの各成分を2値化しないのは、決定木を用いることにより、2値化とは無関係にマッチングを高速に行うことができることと、2値化による特徴ベクトルの識別力低下を避けるためである。
上記参照マップ作成部42において、ランダムフォレスト識別器を学習しておく。すなわち、参照マップM4内の特徴ベクトルの全集合から、特徴点IDが同一であるか否かを考慮せずにランダムに複数の部分集合(各部分集合の要素数は互いに同一)を決め、部分集合をツリーの分岐ノードで分割する分割関数f(V)と分割の境界を定める閾値tとをランダムに決定し、情報利得が最大になるように学習して分割関数のパラメータと閾値とを更新し、また、各ツリーの各リーフノードに、特徴点ID毎の確率Prを対応付けておく(リーフノードに対応付けられていないIDはその確率が0)。
特徴ベクトルVに対し、各ツリーを辿って、リーフノードで特徴点ID毎の確率を取得し、全ツリーでの特徴点ID毎の確率の総和が最大になるIDを、ランダムフォレスト識別器の出力とする。
図8(A)は、特徴点IDがそれぞれID01、ID02、ID03、・・・である、それぞれ複数の特徴ベクトルVを示す。図8(B)は、参照マップ内の特徴ベクトルの全集合からランダムに抽出した部分集合毎のツリーからなるランダムフォレストの識別器をその入出力と対応付けて示す説明図である。
マッチング部46は、マッチングした特徴ベクトルの特徴点IDに対応した参照マップM4内の3次元座標Posと、これに対応した特徴点の2次元座標群M1内の2次元座標posとを対応させた3次元/2次元座標対M5を得る。
ランダムフォレスト識別器は、マッチング結果を高速に得ることができるが、マッチング結果を保証するものではなく、誤識別を含むので、それらを取り除く必要がある。
そこで、マッチング部46は、ランザック(RANSAC:RANdom SAmple Consensus)により、マッチング外れに対応した特徴点を決定し、その3次元座標を除外し、残った3次元座標Posとこれに対応した2次元座標群M1内の2次元座標posとを対応させた3次元/2次元座標対M5を得る。
すなわち、3次元/2次元座標対M5からランダムに例えば6座標対を取り出し、後述のカメラパラメータ推定部47を介し3行4列のカメラパラメータ行列M7を推定し、このカメラパラメータ行列M7で斉次3次元座標Posを斉次2次元座標posxに変換し、これと、3次元/2次元座標対M5内の2次元座標posとを対応させ、この対応関係を最小二乗法で直線近似したとき偏差が所定値を超えるもの(外れ値)の個数を求めるという処理を複数回繰り返す。外れ値の個数が最も少なかったカメラパラメータ行列M7で、3次元/2次元座標対M5の全3次元座標Posをそれぞれ2次元座標に変換し、同様にして外れ値を決定し、それらの3次元座標を除外し、残った3次元座標Posとこれに対応した2次元座標群M1内の2次元座標posとを対応させた3次元/2次元座標対M5を得る。
カメラパラメータ推定部47は、この3次元/2次元座標対M5を、最小二乗法を用いたICP(Iterative Closest Point)アルゴリズムの入力とし、斉次3次元座標Posを画像上斉次2次元座標に変換する3行4列の斉次変換行列であるカメラパラメータ行列M7を決定する。
オーバーレイ部48は、予め登録されている3次元モデルM6を、カメラパラメータ行列M7で、輝度画像G1に対応するバッファ領域Mi内のフレーム画像上に投影することにより、重畳画像M8を生成する。画像出力部49は、この重畳画像M8を、図1のディスプレインターフェイス26に供給して表示装置32に表示させる。
以上の処理により、フレーム画像に対する最初のAR画像処理が終了する。
今度は、次のフレーム画像に対するAR画像処理に移る。この処理を簡単化して高速化するため、テンプレート画像設定部50は、上記のように最終的にマッチングされた輝度画像G1上の特徴点を中心とする例えば9×9画素のブロックをテンプレート画像とする。
テンプレートマッチング部51は、このテンプレート画像と、該次のフレーム画像の輝度画像G0内の対応する所定範囲内の9×9画素ブロックとの領域マッチングを行うことにより、最も類似度の高い輝度画像G0内のブロックを決定する。テンプレートマッチング部51は、このブロックの中心画素の2次元座標を求め、これを、該テンプレートに対応した特徴点の3次元座標Posと対応させて、輝度画像G0に対する3次元/2次元座標pos対M5を取得する。
次に、カメラパラメータ推定部47の処理に移り、以下上記同様にして、重畳画像M8を表示装置32に表示させる。
その後、輝度画像G0と輝度画像G1とを交互に入れ替え、同様にフレーム画像もこれに対応して入れ替える毎に、図3のステップS46〜S51のループ処理を1回行うことにより、カメラ31の現在の位置姿勢に対応したAR表示画像を表示する。
図9(A)は、参照マップM4の生成に用いた画像(右上隅の画像)上の特徴点と、これに対応する、最初のAR画像生成用フレーム画像(左側画像)上の特徴点とを、直線で結んで、対応関係を示す。同様に、図9(B)は、参照マップM4の生成に用いた画像(右上隅の画像)上の特徴点と、これに対応する、その後のフレーム画像(左側画像)上の特徴点とを、直線で結んで、対応関係を示す。
線で結ばれてないフレーム画像上の特徴点は、上記マッチングの外れで除外されたものである。検出された特徴点数に対する、マッチングできた特徴点数(マッチング精度又は認識率)は、通常のカメラ位置姿勢変化に対し、大略70〜90%であり、本実施例1の比較的簡単で高速処理が可能な回転不変性特徴ベクトルVの決定方法は、AR画像処理として問題がないことが判明した(認識率は特徴ベクトルVの決定方法及び識別器の選定に依存)。
本発明の特徴ベクトルV自体はスケール不変性を有しないが、予め設定された複数のアフィン変換行列のそれぞれで、アフィン変換部44により、特徴点を中心とする局所領域画像を変形することにより、カメラ31の位置・姿勢を変更した場合に得られる複数の局所領域画像を生成し、それぞれの回転不変性特徴ベクトルVをマッチング対象とするので、マッチング処理上はスケール不変性及びカメラ姿勢不変性を有している。
また、マッチング前に特徴ベクトル化部45側で1つの特徴点に対し1つの特徴ベクトルのみ作成すればよいので、処理をさらに高速化できる。
以上において、本発明の好適な実施例を説明したが、本発明には他にも種々の変形例が含まれ、上記複数の実施例で述べた構成要素の他の組み合わせ、各構成要素の機能を実現する他の構成を用いたもの、当業者であればこれらの構成又は機能から想到するであろう他の構成も、本発明に含まれる。
例えば、上記実施例では、図4(B)及び(C)の小円周及び大円周の半径をそれぞれ3画素及び6画素としたが、上述のように本発明はこれらの値に限定されるものではなく、また、マッチング部46で外れ値を除く際にマッチング精度を求めることができるので、この精度に応じマッチング精度がより高くなるように、小円周及び大円周の半径を動的に変更してもよい。
また、参照マップM4内を含む全ての特徴点について一律に、図4(A)のステップS451の輝度配向ベクトルOriの符号を逆にしたり、ステップS452の特徴ベクトルVの成分の順番を変更したりしてもよい(マッチング上問題とならない)。但し、計算速度上は、円周上一方向に順に画素輝度値をサンプリングした方が好ましい。
本発明は、例えば写真画像を撮影し、その特徴点を、参照マップ内の複数の写真画像特徴点とマッチンして画像検索する場合にも適用でき、この場合、参照マップ内の特徴点座標は2次元であり、3行4列のカメラパラメータ行列の替わりに3行3列のホモグラフィ行列が用いられる。
マッチング部46で用いる識別器は、高速かつある程度以上マッチング精度が得られるものであればよく、ランダムフォレスト識別器に限定されず、バギングやブースティングなどのアンサンブル学習アルゴリズムを用いたものや単一の決定木を用いた識別器であってもよい。
また、本発明は、上記アフィン変換等を行わずに、ガウシアンピラミッドなどを用いた公知のスケールで本発明の特徴ベクトルV決定用の大円周半径を決定することにより、特徴ベクトルVをスケール不変性にする構成であってもよい。この場合も、特徴ベクトルV算出の計算コストが従来よりも小さく、また、参照マップM4内のマッチング対象数を低減できるので、スケール不変化を含めた特徴ベクトルV算出とマッチングとの合計の計算コストを従来よりも低減することができる。
さらに、参照マップM4は、アプリケーション起動後に上記のように参照マップ作成部42で自動生成する替わりに、アプリケーション起動前に予め自動又は手動で作成しておいたものを登録するものであってもよい。この場合、参照マップM4内の特徴ベクトルは、各特徴点の上記アフィン変換局所領域画像の替わりに、各特徴点について、互いに異なる複数のカメラ位置姿勢のそれぞれに対応した、すなわち互いに異なる複数のカメラ視点のそれぞれに対応した、特徴点を中心とする実際の局所領域画像に基づき、特徴ベクトルを作成したものであってもよい。また、参照マップM4を、アプリケーション起動後に、シーンの変化に応じて更新する構成であってもよい。
また、テンプレート画像設定部50及びテンプレートマッチング部51での処理対象は、輝度画像の替わりにカラーのフレーム画像とすることにより、マッチング精度を向上させてもよい。
また、カメラ31の内部パラメータを予め決定しておき、カメラパラメータ推定部47においてカメラ31の位置姿勢を定める6個の外部パラメータのみを決定する構成であったり、カメラパラメータ推定部47又はテンプレートマッチング部51において、特徴点群を剛体とみなし、3次元/2次元座標対M5を3組以上の対応データとし、その位置姿勢を定める6個のパラメータを決定することにより、実質的にカメラパラメータ推定部47でカメラパラメータ行列M7を推定する構成であったりしてもよい。
さらに、3次元座標系は、カメラ31に対する相対的なものであればよく、シーンの背景に固定のワールド座標系に限定されず、その位置姿勢が変化するローカル座標系であってもよいことは勿論である。
また、本発明の適用範囲は3次元モデルをフレーム画像に重畳するものに限定されず、認識された複数の特徴点の3次元座標の組で識別される対象に応じたテキスト、記号、符号、図形又は画像などの情報をフレーム画像に重畳し又は重畳せずに表示装置や通信部に出力したり、類似する複数の特徴点の組を含む画像を画像データベースから検索したりする構成に適用することができる。
10 画像処理装置
23 記憶装置
24 入力インターフェイス
25 カメラインターフェイス
26 ディスプレインターフェイス
27 通信部
30 入力装置
31 カメラ
32 表示装置
33 アンテナ
4i 画像入力部
40 主処理部
41 グレースケール化部
42 参照マップ作成部
43 特徴点検出部
44 アフィン変換部
45 特徴ベクトル化部
46 マッチング部
47 カメラパラメータ推定部
48 オーバーレイ部
49 画像出力部
50 テンプレート画像設定部
51 テンプレートマッチング部
Mi、M0 バッファ領域
M1 2次元座標群
M2 局所領域画像群
M3 特徴ベクトル群
M4 参照マップ
M5 3次元/2次元座標対
M6 3次元モデル
M7 カメラパラメータ行列
M8 重畳画像
Ri、Sj、Pi、Qj 画素

Claims (7)

  1. カメラと、該カメラで撮像されたフレーム画像と参照マップとプログラムとが格納された記憶装置と、プロセッサと、出力装置とを備え、該参照マップは複数の特徴点のそれぞれについて特徴点の第1座標系内座標と回転不変性特徴ベクトルとを含み、該プログラムは該プロセッサに対し、
    (a)グレースケールの該フレーム画像又は該フレーム画像をグレースケール化した画像である輝度画像に対しFASTコーナー検出法により特徴点の輝度画像上第2座標系内座標を検出させ、
    (b)検出された各特徴点を中心とする局所領域の輝度配向を求めさせ、
    (c)該輝度配向を基準として該局所領域の回転不変性特徴ベクトルを求めさせ、
    (d)求めた該回転不変性特徴ベクトルと該参照マップ内の回転不変性特徴ベクトルとのマッチングにより、該参照マップ内の対応する特徴点座標を取得させ、
    (e)処理(d)で取得した複数の特徴点座標に関する情報を該出力装置に供給する、
    画像処理装置において、該プログラムは該プロセッサに対し、処理(c)において、
    該特徴点を中心とする第1の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のn個の画素Pi、i=0〜n−1の輝度I(Pi)及び該特徴点を中心とする、該第1の半径より大きい第2の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のm≧nなるm個の画素Qj、j=0〜2m−1の輝度I(Qj)を、該輝度配向を基準として所定順にサンプリングさせるとともに、この順に対応した全サンプル画素の組み合わせ(Pi,Qj)のそれぞれの両画素の輝度値の差を成分とするnxm次元のベクトルを求めさせ、
    該ベクトルのノルムを所定値に正規化したものを、該回転不変性特徴ベクトルとして求めさせる、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 該プログラムは該プロセッサに対し、処理(b)において、
    該特徴点を中心とする第3の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のp個の画素Ri、i=0〜p−1及び該特徴点を中心とする、該第3の半径より大きい第4の半径の円周上の画素のうち等画素間隔のq≧pなるq個の画素Sj、j=0〜q−1の全組み合わせ(Ri,Sj)について、該組み合わせの両画素の輝度値I(Ri)とI(Sj)との差に、該画素Riと該画素Sjとの一方から他方への正規化された方位ベクトルを乗じたものの総和のベクトルの方向を、該輝度配向として求めさせる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 該第3の半径は該第1の半径に等しく3画素又は4画素であり、該第4の半径は該第2の半径に等しく、n及びmの値の組(n,m)は、(8,8)、(8,16)又は(16,16)であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 該記憶装置にはさらに、被合成対象である3次元モデル、画像又は情報が格納され、
    該プログラムは該プロセッサに対し処理(e)において、
    処理(b)で検出された特徴点の座標とこれに対応する、処理(d)で取得した座標とを、3組以上対応させて、該第1座標系の座標を該第2座標系の座標に変換するパラメータを推定させ、該パラメータに基づき該被合成対象を該フレーム画像に投影させ、該投影されたフレーム画像を含む画像のデータを、該複数の特徴点座標に関する情報として該出力装置に供給させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  5. 該参照マップはさらに、特徴点毎の特徴点IDと、回転不変性特徴ベクトルを入力とし特徴点IDを出力とするランダムフォレスト識別器とを有し、
    該参照マップに含まれる回転不変性特徴ベクトルは、各特徴点について、互いに異なる複数のカメラ視点のそれぞれに対応した特徴ベクトルをマッチング対象として含み、
    処理(d)では、求めた該回転不変性特徴ベクトルを該識別器に入力して特徴点IDを推定させ、該特徴点IDに対応した、該参照マップ内の特徴点座標を取得させ、ランザックにより、マッチング外れに対応した特徴点の座標を、該取得した特徴点座標から除外することにより、該マッチングを行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  6. プロセッサが請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像処理装置の該プログラムを実行することを特徴とする画像処理方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像処理装置の該プログラムを有することを特徴とする画像処理プログラム。
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