JP2014109231A - 車両の内燃機関の制御に用いられる空気量演算補正方法及び電子制御ユニット - Google Patents

車両の内燃機関の制御に用いられる空気量演算補正方法及び電子制御ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の特性ばらつき等により生ずるバルブタイミングのずれに起因する空気量演算における誤差を低減、抑圧し、信頼性の高い内燃機関の駆動制御を実現可能とする。
【解決手段】電子制御ユニット50においては、吸気管圧に対する充填効率を求める特性ラインが、バルブオーバーラップをパラメータとして特定されるようになっている一方、バルブオーバーラップの値を、少なくとも内燃機関が搭載される車両の製造工程において取得された補正値によって補正し、補正後のバルブオーバーラップの値を吸気管圧に対する充填効率を定める特性ラインの特定に用い、中央特性を有する特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれに起因する前記空気量演算誤差の補正を可能としたものとなっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載される内燃機関における空気量制御に係り、特に、バルブタイミングのずれに起因する空気量演算の誤差の低減、演算精度の向上等を図ったものに関する。
車両に搭載されるガソリン内燃機関の駆動制御としては、燃焼室に流入する空気量と燃料との比が理論空燃比となるように空気量に応じて燃料噴射量を設定する方法、装置が従来から良く知られているところである。
さらに、かかるガソリン内燃機関においては、負荷に応じた最適な燃費を実現するために内燃機関の吸気バルブや排気バルブの開閉のタイミング(バルブタイミング)を可変できるようにした可変バルブタイミング機構が設けられたものが良く知られている。
ところで、このような可変バルブタイミング機構にあっては、その製造ばらつきや組み付け誤差等を原因として、目標とするバルブタイミングと実際のバルブタイミングとがずれ、空気量制御に影響を及ぼす場合がある。
このようなバルブタイミングのずれを抑圧、低減する方策としては、例えば、特許文献1等に示されたように、バルブの開閉タイミングを調整するため移動可能に設けられた機構部材の移動位置を検出するタイミング検出手段を設け、内燃機関の運転状態に応じて作成された作動タイミングと、タイミング検出手段で検出される実際の作動タイミングと、の偏差を求め、この偏差に基づいて、タイミングの補正を行えるようにしたものなどが種々提案、実用化されている。
特開平7−301144号公報(第6−16頁、図1−図15)
また、可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関にあって、吸気管圧力センサにより検出された吸気管内圧力を基に空気量を得るよう構成されると共に、空気量演算に用いられる充填効率を、検出された吸気管圧力を入力パラメータとして予め設定されたマップから求めるような構成を採るシステムもある。
このような構成を採るシステムにおいては、同一の構成であっても、個々の装置で、同一の吸気管圧に対する充填効率に差が見られる場合がある。
これは、エンジンの組み付け誤差、カムの製造ばらつき等によるバルブタイミングのずれが一因である。
特に、組み立て誤差等の主に製造工程で発生するバルブタイミングのずれにより生ずる充填効率の差、ひいては空気量演算の誤差を、低減、補正する方策が所望されている。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、内燃機関の特性ばらつき等により生ずるバルブタイミングのずれに起因する空気量演算における誤差を低減、抑圧し、信頼性の高い内燃機関の駆動制御を実現可能とする空気量演算補正方法及び内燃機関制御装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る空気量演算補正方法は、
吸気管圧力センサーにより検出された吸気管圧に対する充填効率が予め設定された特性ラインに基づいて算出されて空気量演算に用いられ、前記空気量演算結果に基づいて内燃機関への燃料噴射量が理論空燃比を満足するよう前記内燃機関の動作制御を可能とし、可変バルブタイミング機構により少なくとも吸気弁又は排気弁のいずれか一方のバルブタイミングが可変可能に構成されてなると共に、前記吸気管圧に対する充填効率を求める特性ラインが、バルブオーバーラップをパラメータとして特定されるようにされてなる、内燃機関の制御における空気量演算補正方法であって、
前記バルブオーバーラップの値を、少なくとも前記内燃機関が搭載される車両の製造工程において取得された補正値によって補正し、当該補正後のバルブオーバーラップの値を前記吸気管圧に対する充填効率を定める特性ラインの特定に用い、中央特性を有する特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれに起因する前記空気量演算誤差の補正を可能としてなり、
前記補正値は、前記特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれにより生じる内部EGR量の変化量であるEGR変化量に対して、予め定められたバルブオーバーラップ算出マップより求められたバルブオーバーラップのずれに相当し、
前記バルブオーバーラップ算出マップは、前記特性中央内燃機関におけるバルブオーバーラップと内部EGR量との相関関係に基づいて設定されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る電子制御ユニットは、
内燃機関の制御に用いられる電子制御ユニットであって、吸気管圧力センサーにより検出された吸気管圧に対する充填効率が予め設定された特性ラインに基づいて算出されて空気量演算に用いられ、前記空気量演算結果に基づいて内燃機関への燃料噴射量が理論空燃比を満足するよう前記電子制御ユニットによる前記内燃機関の動作制御を可能とすると共に、可変バルブタイミング機構により少なくとも吸気弁又は排気弁のいずれか一方のバルブタイミングが可変可能とされ、前記電子制御ユニットにより前記吸気管圧に対する充填効率を求める特性ラインがバルブオーバーラップをパラメータとして特定されるようにされてなる、内燃機関の制御装置に用いられ、
前記電子制御ユニットは、前記バルブオーバーラップの値を、少なくとも前記内燃機関が搭載される車両の製造工程において取得された補正値によって補正し、当該補正後のバルブオーバーラップの値を前記吸気管圧に対する充填効率を定める特性ラインの特定に用い、中央特性を有する特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれに起因する前記空気量演算誤差の補正を可能としてなり、
前記補正値は、前記特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれにより生じる内部EGR量の変化量であるEGR変化量に対して、予め定められたバルブオーバーラップ算出マップより求められたバルブオーバーラップのずれに相当し、
前記バルブオーバーラップ算出マップは、前記特性中央内燃機関におけるバルブオーバーラップと内部EGR量との相関関係に基づいて設定されてなるものである。
本発明によれば、少なくとも製造工程で取得した補正値によって、充填効率と吸気管圧との相対関係を特定するバルブオーバラップの値を補正し、補正後のバルブオーバーラップにより充填効率と吸気管圧との相対関係を特定し、その特定された相関関係に基づいて充填効率を得、それを空気量演算に用いることができるようにしたので、中央特性を有する特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれに起因して発生する吸気管圧と充填効率との相対関係のずれが補償され、空気量演算の精度、信頼性を高め、ひいては内燃機関の動作の安定性、信頼性の向上を図ることができるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態における内燃機関とその制御装置を含む構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における空気量演算補正方法の全体の手順を示すフローチャートである。 図3に示されたフローチャートにおけるΔO/L算出処理の具体的な処理手順を示すサブルーチンフローチャートである。 吸気流量特性ラインの一例を示す特性線図である。 バルブオーバーラップO/Lとエンジン回転数を入力パラメータとして読み出し可能に構成された吸気量特性ライン決定マップの例を模式的示した模式図であり、図5(A)は内部EGR量マップの模式図、図5(B)は傾きマップの模式図である。 特性中央エンジンと中央特性に対してずれのある特性を有するエンジンのそれぞれにおいて吸気弁のバルブタイミングを変化させた場合のバルブリフトの変化例を示す特性線図である。 特性中央エンジンと中央特性に対してずれのある特性を有するエンジンのそれぞれのバルブオーバーラップの変化に対する内部EGR量の変化を示した特性線図である。 バルブオーバーラップ最大時におけるエンジン回転数の変化に対する吸気管圧の変化、及び、バルブオーバーラップが零の場合におけるエンジン回転数の変化に対する吸気管圧の変化を示す特性線図である。 バルブオーバーラップと内部EGR量との相対関係の例を示す特性線図である。 吸気管圧力差からオーバーラップ補正項ΔO/Lを求めるマップの一例を模式的に示す模式図である。 吸気管圧力差とΔO/Lの相関関係に不感帯を有する場合の特性例を示す特性線図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図11を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明に係る内燃機関とその制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における内燃機関とその制御装置は、ガソリン内燃機関としてのエンジン1の動作を制御するよう構成されてなるものである。図1に示された構成例においては、電子制御ユニット50を主たる構成要素として、その他に、アクセルペダルセンサ24、車速センサ25、及び、ギア段検出センサ26などを構成要素として制御装置が構成されたものとなっている。
エンジン1は、シリンダ10の内部において、ピストン2が摺動可能に収納され、燃焼室3が形成されたものとなっている。そして、燃焼室3と連通するように吸気管4と排気管5が接続されたものとなっている。
そして、燃焼室3には、吸気管4の上流側に設けられたスロットルバルブ6を介して吸入された吸入空気が導入される一方、燃焼後の排気が、排気管5を介して排気されるようになっている。
また、燃焼室3と吸気管4との間には、双方の連通を制御する吸気弁7が、燃焼室3と排気管5との間には、双方の連通を制御する排気弁8が、それぞれ設けられている。
また、吸気弁7の上流側の適宜な位置には、気筒数に応じてインジェクタ9が設けられている。
さらに、本発明の実施の形態においては、吸気側可変バルブタイミング制御機構51及び排気側可変バルブタイミング制御機構52が設けられており、吸気弁7と排気弁8の開閉のタイミングが調整可能となっている。
かかる吸気側可変バルブタイミング制御機構51及び排気側可変バルブタイミング制御機構52は、いずれも基本的に従来同様の構成を有してなるものである。
具体的には、吸気側可変バルブタイミング制御機構51は、吸気側オイルコントロールバルブ11a、吸気側カム12a、及び、吸気バルブリフタ13aを主たる構成要素として構成されてなり、また、排気側可変バルブタイミング制御機構52は、排気側オイルコントロールバルブ11b、排気側カム12b、及び、排気バルブリフタ13bを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
そして、吸気側カム12aは吸気弁7に接続された吸気バルブリフタ13aと、排気側カム12bは排気弁8に接続された排気バルブリフタ13bと、それぞれ当接し、これら吸気側カム12a及び排気側カム12bが、クランクシャフト14の回転に対して所定の回転比で同期回転せしめられるよう構成されており、それによって、吸気弁7及び排気弁8の開閉が可能となっている。
また、吸気側可変バルブタイミング制御機構51は、吸気側オイルコントロールバルブ11aによる油圧制御により、クランクシャフト14に対する吸気側カム12aの回転位相を可変可能に構成され、同様に、排気側可変バルブタイミング制御機構52は、排気側オイルコントロールバルブ11bによる油圧制御により、クランクシャフト14に対する排気側カム12bの回転位相を可変可能に構成されたものとなっており、それによって、基準タイミングに対する吸気弁7、排気弁8の開閉タイミング(バルブタイミング)が調整可能となっている。
なお、吸気側オイルコントロールバルブ11a、排気側オイルコントロールバルブ11bは、電子制御ユニット50により、その動作が制御されるようになっている。
電子制御ユニット50は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有すると共に、インジェクタ9を通電駆動するための駆動回路(図示せず)や、点火プラグ(図示せず)に通電を行うための通電回路(図示せず)を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる電子制御ユニット50には、クランク角センサ21、吸気カム角センサ22、及び、排気カム角センサ23の各々の出力信号が入力されると共に、アクセルペダルセンサ24、車速センサ25、及び、ギア段検出センサ26の各々の出力信号が入力される他、スロットルバルブ6とインジェクタ9の間の吸気管4の適宜な位置に設けられた吸気管圧センサ27の出力信号などが入力されて、電子制御ユニット50によるエンジン1の駆動制御や燃料噴射制御、さらには、後述する空気量演算補正処理等に供されるようになっている。
なお、ギア段検出センサ26は、いわゆる変速装置(図示せず)が、従来構成を有するいわゆるマニアルトランスミッションの場合に必要とされるもので、出力信号に基づいて、電子制御ユニット50内において、ギア段の設定状態が認識されるようになっている。一方、オートマチックトランスミッションが用いられる車両の場合には、トランスミッションコントロールユニットにおいてギア段の検出が行われ、その検出結果が電子制御ユニット50に入力されるため、ギア段検出センサ26は不要となる。
次に、本発明の実施の形態における空気量演算補正処理について、図2乃至図11を参照しつつ説明する。
最初に、本発明の実施の形態における空気量演算補正処理について、その概略を説明する。
燃料噴射量が理論空燃比を満足するようガソリンエンジン1を駆動制御する電子制御ユニット50においては、エンジンの制御のために空気量演算が行われるが、その演算には、吸気管圧センサ27により検出された吸気管圧を基に得られる充填効率が用いられる。ここで、充填効率は、良く知られているようにエンジン1が吸入空気をどれだけ燃焼室3に詰め込められるかを表す指標であり、充填効率={吸気管圧−(残留ガス圧及び吹き返しガス圧)}×定数として求められる。なお、ここで、(残留ガス圧及び吹き返しガス圧)は、通常、内部EGR量とされるものである。
この充填効率は、本発明の実施の形態においては、吸気管圧と充填効率との相対関係を定める吸気量特性ラインを、バルブオーバーラップにより特定し、特定された吸気量特性ラインに基づいて演算算出されるものとなっている(詳細は後述)。
本発明の実施の形態においては、吸気量特性ラインを特定するためのマップが予め、動作特性がばらつきの中央近傍にある標準的な特性のエンジン(以下、「特性中央エンジン」と称する)を用いて取得されたデータを基に設定されたものとなっている。なお、特性中央エンジンが有する動作特性を、説明の便宜上、「中央特性」と称することとする。
実際に用いられるエンジン1は、必ずしも特性中央エンジンと同一の特性を有するものではなく、むしろ特性中央エンジンに対してある程度のずれを有するものが通常である。例えば、エンジン1の製造工程において、内燃機関を制御する部分が組み付けをされる際には、多かれ少なかれいわゆる組み付け誤差が生じるため、特性中央エンジンに対してずれを有したものとなることを回避することは困難である。
したがって、エンジン1において、可変バルブタイミング制御機構(吸気側可変バルブタイミング制御機構51,排気側可変バルブタイミング制御機構52)を用いれば、当然ながらバルブタイミングのずれが生ずる。すなわち、同一のバルブタイミングに対するバルブリフト量(吸気弁7、排気弁8の変位量)を特性中央エンジンを用いた装置と比較すると異なる結果を招くこととなる。その結果、同一のバルブタイミングにおいて検出される吸気管圧が異なることとなり、それ故、上述したように特定された吸気量特性ラインを用いて、検出された吸気管圧から充填効率を求めた場合に、その値は、本来の充填効率と異なり、最終的には、空気量演算結果に誤差を与えることとなる。
本発明の実施の形態における空気量演算補正方法は、特に、製造工程におけるエンジンの組み付けやカムの製造ばらつき等に起因して生ずるバルブタイミングのずれに起因する空気量演算の誤差を低減、抑圧するためのものである(詳細は後述)。
以下、本発明の実施の形態における空気量演算補正処理について説明する。
この空気量補正処理の具体的な手順は、電子制御ユニット50において実行される種々の処理の一つとして実行されるものとなっているが、本発明の実施の形態においては、補正は、車両がユーザの使用に供されている状態において常時実行されるものではなく、次述するように特定の場合にのみ実行されるようにされているものである。
具体的には、まず、他の場合に優先して実行されるのは、エンジン1が搭載される車両の製造ラインにおいて、出荷直前の段階、換言すれば、車両へのエンジン1の組み付けが終了した段階において実行されるようにすると好適である。これは、本発明の実施の形態における空気量演算補正処理は、電子制御ユニット50において行われるため、また、補正処理にはエンジン1の運転を要するため、補正処理が行われるのは、通常、エンジン1と電子制御ユニット50の対が確定した時点であり、かつ、エンジン1が運転可能な状態となる、車両へのエンジン1の組み付けが終了した段階が好ましいからである。
なお、この場合、例えば、毎始動ごとにカウントアップする変数としてドライビングサイクルnが設けられ、そして、製造ラインにおいてエンジン1が車両への組み付け後最初に始動される際に、ドライビングサイクルnが最初にカウントアップされて1となるようにし(図2、S200、詳細後述)、n=1である場合に空気量演算補正処理が実行される(図3、S501がn=1によりYES判定、詳細後述)ようにすればよい。
本発明の実施の形態における空気量演算補正処理は、少なくとも、上述のように車両の出荷直前で実行されれば良いが、これに加えて、次のような場合にも実行されるようにするとより好適である。
すなわち、車両がユーザにより使用されている場合に、整備工場やディーラーにおいて車検の際や、試験器による試験、検査作業の際に実行させると好適である(図3、S501がTester Modeフラグ=trueによりYES判定、詳細後述)。
また、ユーザーの使用に供された後、所定のドライビングサイクル(例えば、100ドライビングサイクル)の増分毎に1回実行するようにしても好適である(図3、S501がMOD(n、100)=0によりYES判定、詳細後述)。
これらの実行により、経年変化によるバルブタイミングのずれに起因する空気量演算に生ずる誤差の補正としての意義がある。
以下、本発明の実施の形態における空気量演算補正処理の具体的な手順について、最初に、図2に示されたサブルーチンフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、イグニッションスイッチ(図示せず)がオンとされ、電子制御ユニット50により処理が開始されると、本サブルーチンが開始される。本サブルーチンでは、まず、イグニッションスイッチがオン状態である情報が本サブルーチンの処理に利用可能なように割り当てられた電子制御ユニット50内の適宜な記憶領域に取り込まれ、また、イグニッションスイッチのオンに伴い電子制御ユニット50に入力開始された吸気カム角センサ22、排気カム角センサ23、クランク角センサ21、及び、吸気管圧センサ27の各々の最新の検出信号の本サブルーチンが利用可能な適宜な記憶領域への取り込みが開始される(図2のステップS100参照)。なお、ステップS100において、「カムセンサSig(In/Exh)」は、吸気カム角センサ22及び排気カム角センサ23の検出信号が取り込まれることを意味するものとする。
次いで、エンジン1が始動され、またエンジン始動後における、空気量演算補正処理に必要とされる各種パラメータの算出が開始される(図2のステップS200参照)。
具体的には、バルブタイミングV/T、エンジン回転数Ne、吸気管圧Pinなどの算出が行われる。
また、本発明の実施の形態では、ドライビングサイクルを表す変数nがエンジン制御の他のルーチンにおいてカウントされようになっている。この変数nとして、エンジン始動に伴いカウントアップされた後の値が、本サブルーチンが利用可能な適宜な記憶領域に取り込まれる。なお、ここで、ドライビングサイクルnは、エンジンが始動する毎に1ずつ増される(すなわちカウントアップされる)変数である(図2のステップS200参照)。さらに詳細には、例えば、カウントアップされる時点はエンジン始動後一定時間経過した時点となるようにされていても良い。
次いで、Pref完了フラグ及びPmax完了フラグがいずれも”true”に設定(換言すれば、例えば、”1”に設定)されているか否か、すなわち、換言すれば、バルブオーバーラップリファレンスポジション時(以下、便宜的に「バルブオーバーラップリファレンス時」と称する)の吸気管圧Prefの値、及び、バルブオーバーラップ最大位置に設定された状態の時(以下、便宜的に「バルブオーバーラップ最大時」と称する)の吸気管圧Pmaxの値がいずれも取得されているか否か(補正が更新される場合は、更新取得されているか)、が判定される(図2のステップS250参照)。Pref完了フラグとPmax完了フラグが共に”true”に設定されていた場合以外(いずれかまたは両方が"false"つまり例えば“0”に設定されている場合、すなわちステップS250がYESの場合)には、次述するステップS300の処理へ進む。
ステップS300においては、この空気量演算補正処理において用いられる変数の初期化が行われる(図2のステップS300参照)。具体的には、補正後オーバーラップO/Lcorrの初期化が行われる。O/Lcorrの詳細については後述する。しかして、この後、ステップS400に進む。
一方、Pref完了フラグ及びPmax完了フラグが共に”true”に設定されていると判定された場合(ステップS250がNOの場合)には、そのままステップS400に進む。
なお、Pref完了フラグ及びPmax完了フラグが共に“true”の場合は、補正を行わない場合に相当し、S300に進まないためO/Lcorrの初期化はされず、また、後述のS505とS511がいずれもYESとされ(図3のS505とS511参照)るためPrefやPmaxの取得はされず、従って補正の更新はされない。これらの詳細は後述する。
ステップS400においては、この時点におけるバルブオーバーラップO/Lの算出が行われる(図2のステップS400参照)。
バルブオーバーラップO/Lは、吸気弁7と排気弁8の双方が同時に開弁状態にある場合におけるその開弁の大きさ表すもので、本発明の実施の形態においては、同時に開弁している範囲を、クランク角度(degCA)を用いて表している。
電子制御ユニット50においては、可変バルブタイミング制御機構(吸気側可変バルブタイミング制御機構51,排気側可変バルブタイミング制御機構52)の動作制御処理が別個に実行されるようになっているため、この動作制御処理によって吸気弁7、排気弁8のそれぞれのバルブタイミングの相互の関係が認識可能となっている。そのため、ある時点におけるバルブオーバーラップO/Lは、その時点における吸気弁7、排気弁8のそれぞれのバルブタイミングを基に演算算出可能となっており、ステップS400においては、可変バルブタイミング制御機構動作制御処理において得られた吸気弁7、排気弁8のそれぞれのバルブタイミングを基に、所定の演算式によりバルブオーバーラップO/Lが算出されるものとなっている。
次に、オーバーラップ補正項ΔO/Lの算出処理が行われる(図2のステップS500参照)。
ここで、オーバーラップ補正項ΔO/Lは、エンジン1の組み付け誤差を主たる要因として生ずる、エンジン1を用いた場合のバルブタイミングと、特性中央エンジンを用いた場合におけるバルブタイミングとのずれ分に相当するものであり、後述するような処理により求められる。
次いで、補正後オーバーラップO/Lcorrの算出が行われる(図2のステップS600参照)。
ここで、補正後オーバーラップO/Lcorrは、ステップS400で求められたバルブオーバーラップO/Lを、ステップS500で求められたオーバーラップ補正項ΔO/Lにより補正して求められるものである。
具体的には、補正後オーバーラップO/Lcorrは、バルブオーバーラップO/Lにオーバーラップ補正項ΔO/Lを加算することで求められる(補正後オーバーラップO/Lcorr=バルブオーバーラップO/L+オーバーラップ補正項ΔO/L)ものとなっている。
次いで、吸気流量特性ラインの決定が行われる(図2のステップS700参照)。
ここで、図4を参照しつつ吸気流量特性ラインについて説明する。
吸気流量特性ラインは、吸気管圧に対する充填効率の変化を表す特性線であり、一次関数とした表されるものとなっている。
図4において、横軸は吸気管圧を、縦軸は充填効率を、それぞれ表すものとなっている。
吸気流量特性ラインは、バルブオーバーラップO/Lの大きさに応じて、その傾きαが変化すると共に、横軸との交点と原点との距離(オフセット項M)が変化するものとなっている。
かかる吸気流量特性ラインにおいて、オフセット項Mは、吸気管内に吹き返され再度混合気と共に吸入される燃焼ガス及び筒内に残る燃焼ガスであり、いわゆる内部EGRの量(内部EGR量)に相当するものである(図4参照)。
さらに、吸気流量特性ラインは、エンジン回転数によっても傾きα、オフセット項Mの値が変化するものとなっている。
本発明の実施の形態においては、かかる吸気流量特性ライン自体ではなく、そのオフセット項M(内部EGR量)と傾きαとを、バルブオーバーラップO/Lとエンジン回転数を入力パラメータとして読み出し可能に構成されたマップ(以下、説明の便宜上「吸気量特性ライン決定マップ」と称する)が予め電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶、保持されたものとなっている。なお、かかる吸気量特性ライン決定マップは、特性中央エンジンを用いて、車両あるいはテストベンチ等における試験結果に基づいて予め設定されたものである。
また、図4において、バルブオーバーラップの大きさを表す数値は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
図5には、吸気量特性ライン決定マップの一例が示されており、以下、同図の例について説明すれば、まず、図5(A)は、オフセット項(内部EGR量)を読み出すためのマップ(以下、説明の便宜上「内部EGR量マップ」と称する)の例である。この内部EGR量マップにおいて、横方向(x)は入力パラメータの一つとなるバルブオーバーラップO/L(degCA)で複数に区分される一方、縦方向(y方向)は入力パラメータの一つとなるエンジン回転数(1/min)で複数に区分され、バルブオーバーラップO/L(degCA)とエンジン回転数で特定される箇所に対応する内部EGR量(hPa)が読み出し可能に設定されたものとなっている。なお、図5(A)において、内部EGR量の具体的な数値は省略してあり、また、バルブオーバーラップO/L(degCA)とエンジン回転数の各々の数値はあくまでも一例であり、これに限定されるものでない。
次に、図5(B)は、傾きを読み出すためのマップ(以下、説明の便宜上「傾きマップ」と称する)の例であり、バルブオーバーラップO/L(degCA)とエンジン回転数により対応する傾きを読み出す構成は、内部EGR量読み出しマップと基本的に同様のものである。
図5(A)同様に、傾きの具体的な数値は省略してある。
かかる2つのマップは、先に述べたように、特性中央エンジンを用いて、予め試験やシミュレーション結果を基に設定されたものである。
ここで、再び、図2のステップS700の説明に戻れば、上述のように、本発明の実施の形態においては、種々の吸気流量特性ラインは、それぞれの傾きαとオフセット項Mとがマップにより読み出し可能となっているため、ステップS700における吸気流量特性ラインの決定は、吸気流量特性ラインのオフセット項Mとしての内部EGR量と傾きαとを決定することで行われる。具体的には、この時点のエンジン回転数と、ステップS600において得られた補正後オーバーラップO/Lcorrを用いて、図5(A)、図5(B)に示された内部EGR量マップと傾きマップからオフセット項Mと傾きαとを読み出すことで行われるものとなっている。
次いで、上述のように決定された吸気流量特性ラインを用いて充填効率の算出が行われる(図2のステップS800参照)。
すなわち、先にステップS700で得られたオフセット項Mとしての内部EGR量と傾きαとにより、吸気流量特性ラインは一次関数として表されるため、この一次関数に、検出された管内気圧が代入されて充填効率ηcが求められるようになっている。かかる充填効率ηcは、エンジン1と特性中央エンジンとの特性のずれ、特に、エンジン1の組み付け誤差に起因して生ずるバルブタイミングのずれに起因する充填効率の誤差が補償されたものであるので、結果的に、バルブタイミングのずれがあっても、特性中央エンジンを用いた場合とほぼ同様の高精度の空気量演算の制御がなされることとなる。
しかして、ステップS700の処理が終了すると、メインルーチンに戻る。
なお、図2に示されたサブルーチンは、他のエンジン制御に利用される充填効率ηcを算出するものであるため、イグニッションスイッチがオンである間、繰り返し実行され、最新の充填効率ηcの値を算出し続けるものである。ただし、充填効率ηcの算出に使われる変数の補正は、特定の場合に更新される。具体的には、オーバーラップ補正項ΔO/Lが更新される。詳細については後述する。
次に、オーバーラップ補正項ΔO/Lの算出処理(図2のステップS500参照)のより具体的な処理手順について説明する。
最初に、本発明の実施の形態におけるオーバーラップ補正項ΔO/Lの算出処理について、図6乃至図11を参照しつつ、概括的に説明することとする。
まず、エンジン1が中央特性とずれのある場合に、例えば、吸気側可変バルブタイミング制御機構51を用いてバルブタイミングを変化させると、特性中央エンジンにおいて同様にバルブタイミングを変化させた場合と比較して、バルブオーバーラップの領域にずれを生ずる結果、内部EGR量にも変化が生ずることは従前から知られているところである。
図6には、吸気弁7のバルブタイミングを変化させた場合のバルブリフトの変化例を示す特性線が、特性中央エンジンと、中央特性に対してずれのある特性を有するエンジン1のそれぞれについて示されている。ただし、図6中のすべての場合において、エンジン回転速度とスロットル開度は一定とする。
同図において、一点鎖線は特性中央エンジンにおけるバルブタイミングに対するバルブリフトの変化を表す特性線であり、符号4−aは、吸気弁7のバルブタイミングが零、すなわち、基準位置にある場合を、符号4−bは、吸気弁7のバルブタイミングを最大値に設定した場合を、それぞれ示したものである。
一方、同図において、二点鎖線は中央特性に対してずれのある特性を有するエンジン1におけるバルブタイミングに対するバルブリフトの変化を表す特性線であり、符号4−cは、吸気弁7のバルブタイミングが零、すなわち、基準位置にある場合を、符号4−dは、吸気弁7のバルブタイミングを最大値に設定した場合を、それぞれ示したものである。
特性中央エンジンにおいて吸気弁のバルブタイミングを可変バルブタイミング機構により最大値に変化させると、バルブタイミングを変化させない(すなわちバルブタイミング可変量が零の)場合に比べ、図6の斜線網掛け領域に相当する、期間(網掛け領域の横軸方向の量に相当)、および、バルブリフト量(すなわちバルブ開口部の大きさに相当、網掛け領域の縦軸方向の量に相当)に依存(たとえば略比例)する量だけ、吸気弁と排気弁が同時に開いている状態が発生する。そのため、この量(すなわち図6における網掛け領域の面積)に依存して(たとえば略比例して)、排気側から吸気側に吹き返すガスによる吹き返しガス量(およびその分圧としてのガス圧)が増加する。
さらに、吹き返しガス量(およびその分圧としてのガス圧)が変化すると、その分吸気管からシリンダ内に吸い込まれる空気量が減少するため、吸気管圧力が吹き返しガス量(あるいはガス圧)の変化にほぼ等しい分増加する。ここで、前述したように、内部EGR量は、残留ガス圧および吹き返しガス圧である。このうち、残留ガス圧は、ピストン上死点位置の際に容積が小さくなったシリンダ内に残留しているガス量によるガス分圧のことであり、エンジン設計と車両設計の下で一定のエンジン回転速度の場合はバルブタイミングにはほとんど依存せず略一定である。従って、エンジン回転速度一定のもとで、可変バルブタイミング機構によってバルブタイミングを変化させた際の内部EGR量の変化の大きさは、内部EGR量のうちの吹き返しガス圧の変化の大きさにほぼ等しく、さらには、これは吸気管圧力の変化の大きさにほぼ等しいことになる。
ここで、エンジン回転速度一定条件の下で、特性中央エンジンの場合とずれのある特性を有するエンジン1の場合を比較すると、可変バルブタイミングの制御装置によるバルブタイミング可変量の指示量(あるいは制御装置の認識量)を同一に設定しても、組み付け誤差等によって実際のバルブタイミングにはずれがある結果、特性中央エンジンの場合に対し図6においてドット網掛けで示された領域で表される内部EGR量の違いが生ずることとなる。
また、図6から明らかなように、内部EGR量のエンジン特性のずれによる変化量は、バルブタイミング可変量の大きな領域での変化量のほうが、バルブタイミング可変量が小さな領域での変化量より、大きいものとなっている。従って、バルブタイミング可変量の大きな領域で内部EGR量のずれによる変化量を検出し補正に用いると、検出感度を高くでき、結果精度良くエンジン特性の補正を行えることになる。逆に、バルブタイミング可変量が小さな領域では、バルブタイミングがずれていてもそのことによる内部EGRの変化量は小さい。
なお、以下、説明の便宜上、この、内部EGR量における特性中央エンジンの場合とずれのあるエンジン1の場合の変化量を「EGR変化量」と称し、EGR変化量のバルブタイミング可変量設定最大値のときの値をΔMと表記することとする。
さらに、図6は、吸気弁7のバルブタイミングのみを変化させた場合の例を示したが、排気弁8のバルブタイミングを変化させた場合も同様のことが言える。
図7には、特性中央エンジンの動作制御に用いられる電子制御ユニットにおいて認識されるバルブオーバーラップに対する内部EGR量の変化を示した特性線の例(図7の実線の特性線参照)と、中央特性に対してずれを有するエンジン1の動作制御に用いられる電子制御ユニット50において認識されるバルブオーバーラップに対する内部EGR量の変化を示した特性線の例(図7の二点鎖線の特性線参照)が、それぞれ示されている。
図7でも明らかなように、内部EGR量のエンジン特性のずれによる変化量は、バルブタイミング可変量の大きな領域での変化量のほうが、バルブタイミング可変量が小さな領域での変化量より、大きいものとなっている。
また、同図において、上述のΔMは、バルブオーバーラップタイミングの設定の最大時における内部EGR量の差として表されたものとなっている。
後述する図3に示された処理においては、上述のΔMを把握し、把握されたΔMを基に、特性中央エンジンのバルブタイミングと中央特性に対してずれを有する特性を有するエンジン1のバルブタイミングのずれ量に相当するオーバーラップ補正項ΔO/Lを求め、図2のステップS600で説明した補正後オーバーラップO/Lcorrの算出に供するようにしたものである。
このため、まず、本発明の実施の形態においては、EGR変化量ΔMに対応するオーバーラップ補正項ΔO/Lを求めるためのオーバーラップ補正項ΔO/Lマップを、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に予め記憶し、これを後述するように実際に求められたEGR変化量ΔMに対応するオーバーラップ補正項ΔO/Lを求める処理に供するようにしている。ここで、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に予め記憶されるオーバーラップ補正項ΔO/Lマップは、特性中央エンジンを用いて取得された実測データを基に設定されたものである。
そこで、特性中央エンジンにおける実データに基づくオーバーラップ補正項ΔO/Lマップの設定手法について、図8乃至図11を参照しつつ説明する。
最初に、吸気管圧力差の測定を行う。
吸気管圧力差は、バルブオーバーラップが最大時における吸気管圧と、バルブオーバーラップが零の場合における吸気管圧の差として求められる。
すなわち、より具体的には、まず、エンジンが減速状態にあって、かつ、燃料噴射が断たれているフューエルカットの状態において、エンジン回転数が所定の基準回転数Nsetで、しかも、任意に定めた同一のスロットル開度において、それぞれ吸気管圧を検出し、その差として吸気管圧力差を求める。
図8には、バルブオーバーラップ最大時におけるエンジン回転数の変化に対する吸気管圧の変化を示す特性線の例(図8において実線の特性線参照)と、バルブオーバーラップが零の場合におけるエンジン回転数の変化に対する吸気管圧の変化を示す特性線の例(図8において二点鎖線の特性線参照)が示されている。
同図において、エンジン回転数Nsetにおいて、バルブオーバーラップ最大時に検出された吸気管圧と、バルブオーバーラップ零において検出された吸気管圧との差が、吸気管圧力差とされる。
このようにして取得された吸気管圧力差は、その取得された際のエンジン回転数Nsetと共に、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に、特性中央エンジンにおける吸気管圧力差Kとして予め記憶されるものとなっている。
次に、図9に示されたように、バルブオーバーラップを種々変化させた場合の内部EGR量の変化特性を特性中央エンジンを用いて取得する。なお、この場合のバルブオーバラップは、電子制御ユニット50において認識される値であり、また、内部EGR量は、電子制御ユニット50において演算により求められる値である。すなわち、電子制御ユニット50においては、可変バルブタイミング制御機構(吸気側可変バルブタイミング制御機構51,排気側可変バルブタイミング制御機構52)の動作制御のための処理が従来同様実行されるものとなっており、内部EGR量は、その処理において(たとえば後述の図10に示すマップなどを使って)演算算出されるものとなっている。
通常、可変バルブタイミング制御機構は、制御可能なバルブタイミングの範囲が多少の余裕を以て設定されており、実際の制御で設定可能なバルブオーバーラップ最大時(図9においては「Xc」と表記)より大きな値にすることが可能となっているため、バルブオーバーラップの種々の値に対する内部EGR量の変化特性を取得する際には、実際の制御で用いられるバルブオーバーラップ最大時Xcを超え、より大きな任意の値X1に対する内部EGR量までも取得することが望ましい(図9参照)。これは、実際のエンジン特性のずれの向きによっては、実際のバルブオーバーラップが、制御で設定可能な最大値を上回る場合も、起こりうるが、図9で説明するバルブオーバーラップを種々変化させた場合の内部EGR量の変化特性は、補正値の算出演算に使うためのものであるため、このような最大値を上回るようなエンジン特性のずれ方の場合もカバーするようにされているべきであるためである。
このようにして取得されたバルブオーバーラップの変化に対する内部EGR量の変化特性において、バルブオーバーラップが実際に制御に用いられるXcを中心として、任意に選択したあるバルブオーバーラップの値における内部EGR量とバルブオーバーラップXcにおける内部EGR量との差は、その2点間の吸気管圧力の差であり、さらに、この吸気管圧力差に対応するバルブオーバーラップの差は、オーバーラップ補正項ΔO/Lとして読み取ることができる。
例えば、図9において、バルブオーバーラップXcとバルブオーバーラップX1(X1>Xc)との2点間の吸気管圧力差はΔPS1であり、これに対応するオーバーラップ補正項ΔO/Lの大きさΔO/L1は、ΔO/L1=X1−Xcとなる。
また、バルブオーバーラップXcとバルブオーバーラップX2(Xc>X2)との2点間の吸気管圧力差はΔPS2であり、これに対応するオーバーラップ補正項ΔO/Lの大きさΔO/L2は、ΔO/L2=Xc−X2となる。
このように、実際に制御に用いられるバルブオーバーラップ最大値Xcを中心に、取得された特性線(図9参照)上における前後の複数の点の各々との吸気管圧力の差を求めると共に、その吸気管圧力差に対応するバルブオーバーラップの差ΔO/Lを求め、これらを、例えば図10に示されたようにマップ(以下、便宜的に「ΔO/L算出マップ」と称する)化し、予め電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶させる。
図10において、”0”は、バルブオーバーラップ最大値Xcの点を表し、その左右の数値は、吸気管圧力差である。また、図10においては省略してあるが、各々の吸気管圧力差の下には、対応するΔO/Lが配置されることとなる。かかる図10における数値はあくまでも一例であり、この値に限定されるものではない。
なお、図11に示されたように、吸気管圧力差とΔO/Lとの相関関係において、バルブオーバーラップ最大値Xcを中心に不感帯を設け、これをマップ化しても好適である。
このような不感帯を設けることにより、特性中央エンジンに対してエンジン1におけるバルブタイミングのずれが比較的小さいか、殆ど無い場合には、不必要な補正を回避することが可能となり好適である。
次に、図3に示されたサブルーチンフローチャートを参照しつつ、電子制御ユニット50において実行されるオーバーラップ補正項ΔO/Lの算出処理について説明する。
最初に、電子制御ユニット50による処理が開始されると、まず、本発明の実施の形態における空気量演算処理が実行され得るか否かが判定される。具体的には、ドライビングサイクルnが1であるか否か(すなわち車両の製造ラインにおいて出荷直前の段階に相当するか否か)、あるいは、nを100で除した余りが0であるか否か(MOD(n、100)=0か否か、すなわちドライビングサイクルに1回の補正計算更新のタイミングに相当するか否か)、あるいは、ディーラーで検査機器による入力によってTester Modeフラグがtrueとされているか否か(ディーラーでの車検、試験、検査等の場合に相当するか否か)、が判定される(図3のステップS501参照)。これらのいずれかに相当すると、ステップS501においてはYES判定とされ、ステップS502に進む。一方、これらのいずれにも相当しないと、ステップS501においてはNOと判定され、ステップS504に進む。
ステップS502では、これ以降の処理で用いられる各種変数等の初期化が行われる(図3のステップS502参照)。 具体的には、バルブオーバーラップが基準位置(バルブオーバラップリファレンスポジション)にある際の吸気管圧Pref、バルブオーバーラップが最大時の吸気管圧Pmax、エンジン1を用いた車両におけるバルブオーバーラップリファレンスポジション時とバルブオーバーラップ最大時の吸気管圧力の差(吸気管圧力差)ΔPの学習値、特性中央エンジンにおける内部EGR量に対する、中央特性に対してずれのある特性を有するエンジン1における内部EGR量の変化量(バルブオーバーラップ最大時の値)ΔM、及び、オーバーラップ補正項ΔO/Lの初期化が行われる。
また、Prefの値が取得されたことを表すフラグであるPref完了フラグが“false” に、Pmaxの値が取得されたことを表すフラグであるPmax完了フラグが“false”に、それぞれ設定される。
なお、Pref完了フラグとPmax完了フラグが“false”にされることにより、以降のステップで、フュールカット中でかつNe=Nsetという条件が整った場合に、補正のためのPrefやPmaxの値の取得が行われ、しかる後に、それぞれ対応するPref完了フラグ又はPmax完了フラグに“true”が入力される。また、Prefの値あるいはPmaxの値が取得される以前にイグニッションスイッチがオフとされエンジン停止した場合など、条件がそろって値を取得するより前に処理が中断した場合には、それぞれ対応する完了フラグが“false”のままであるので、次回イグニッションスイッチがオンとされた際に、未取得の値を取得するように制御されることとなる。
なお、それぞれの変数の詳細については後述する。
次いで、燃料カット(F/C)状態にあるか否かが判定され、燃料カット状態でないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS505以降S514までの処理を実行するに適した運転状態ではないとして、ステップS516に進む(図3のステップS504参照)。
一方、燃料カット状態にあると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS505の処理へ進むこととなる。 このステップS504から後述するステップS514までの処理は、先に、図8を参照しつつ説明した特性中央エンジンにおける吸気管圧力差の測定手法と基本的に同一のものである。すなわち、上述のように、まず、エンジンが減速状態にあって、かつ、燃料カット状態において、エンジン回転数は減少してゆき基準回転数Nsetを過ぎる際の吸気管圧力をそれぞれ検出可能としている。
上述のような条件の下、以降の処理を実行するようにしたのは、エンジン1が燃焼を行っている状態で、以降の処理を実行すると燃焼変動が大きくなりドライバビリティの悪化や、最悪時には失火も懸念されるため、このような事態を招くことなく、車両動作に極力影響を与えることがないようにするためである。
ステップS505においては、まずPrefの値が取得されたことを表すフラグであるPref完了フラグが“true”であるか否かが判定される。前述のステップS501とステップS502において、補正項の算出処理をすべき場合であればPrefが“false”とされている。その後、Prefが取得されていなければ、Prefが“false”のままであるので、ステップS505においてはNO判定となり、その場合は次にステップS506の処理つまりPrefの取得準備に進む。
一方、ステップS505においてYESと判定された場合すなわちPreが取得されていると判定された場合は、さらにPrefを取得する必要はないので、Pmaxが取得されているか否か判定するステップS511に進む。
ステップS506においては、吸気側可変バルブタイミング制御機構51によりバルブタイミングがバルブオーバーラップリファレンスポジションに設定されると共に、スロットルバルブ6の開度が予め定めた任意の開度に固定される。
ここで、スロットルバルブ6の開度は、特定の開度に限定されるものではなく、任意の開度に設定されれば良いものである。これは、続く吸気管圧の検出の際に、スロットルバルブ6の開度が変化している状態では正確な検出ができなくなるためである。
なお、本発明の実施の形態においては、吸気側可変バルブタイミング制御機構51と排気側可変バルブタイミング制御機構52が設けられているため、基本的には、吸気弁7のバルブタイミングに関するΔ0/Lと、排気弁8のバルブタイミングに関するΔ0/Lを、それぞれ同様に求めることとなるが、説明を簡潔にして理解を容易とするため、吸気弁7のバルブタイミングに関するΔ0/Lを求める場合として以下説明する。
次に、ステップS507において、エンジン1の回転数Neが基準回転数Nsetと等しくなったか否かが判定される。NeがNsetと等しくなったら(S507がYES判定)、ステップS508の吸気管圧の検出に進む。なお、NeがNsetと等しくない場合(ステップS507がNO判定)は、吸気管圧の検出に適さないため、検出は行われないまま、ステップS516に進む。
ステップS508では、吸気管圧の検出が行われる(図3のステップS508参照)。
吸気管圧センサ27により検出された吸気管圧Pinは、バルブオーバーラップリファレンスポジション時(バルブオーバーラップリファレンス時)の吸気管圧を表す変数Prefに代入され(Pref=Pin)、Prefの値が取得されたことを表すPref完了フラグが”true”に設定され、バルブオーバーラップリファレンス時の吸気管圧Prefの値が取得されたとされる。そして、後述するステップS516に進む。
また、ステップS511では、Pmaxが取得されているか否か判定される。すなわちPmax完了フラグが“true”であるか否かが判定される。Pmaxが取得されていなければ、Pmaxが“false”のままであるので、ステップS511においてNOと判定されることとなり、その場合は、次のステップS512の処理つまりPmaxの取得準備に進む。
一方、ステップS511においてYESと判定された場合、すなわちPmaxが取得されていると判定された場合は、後述するステップS516に進む。
ステップS512においては、バルブオーバーラップが最大位置に設定されると共に、スロットルバルブ6が、先のステップS506におけるスロットルバルブ6の固定開度と同一に設定、固定される。
次に、ステップS513において、エンジン1の回転数Neが基準回転数Nsetと等しくなったか否かが判定される。NeがNsetと等しくなったら(ステップS513においてYESと判定されたら)、ステップS514の吸気管圧の検出に進む。なお、NeがNsetと等しくない場合(ステップS513においてNOと判定された場合)は、吸気管圧の検出に適さないため、検出は行われないまま、後述するステップS516に進む。
次いで、バルブオーバーラップが最大位置に設定された状態における吸気管圧の検出が行われる(図3のステップS514参照)。
吸気管圧センサ27により検出された吸気管圧Pinは、バルブオーバーラップ最大時の吸気管圧を表す変数Pmaxに代入され(Pmax=Pin)、バルブオーバーラップ最大時の吸気管圧Pmaxの値が取得されたことを表すフラグであるPmax完了フラグが”true”に設定され、バルブオーバーラップ最大時の吸気管圧Pmaxの値が取得されたとされる。そして、次述するステップS516に進む。
次いで、Pref完了フラグ及びPmax完了フラグがいずれも”true”に設定されているか否か、すなわち、換言すれば、バルブオーバーラップリファレンス時の吸気管圧Prefの値、及び、バルブオーバーラップ最大時の吸気管圧Pmaxの値がいずれも取得されているか否かが判定され(図3のステップS516参照)、いずれも”true”に設定されていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS518の処理へ進む一方、いずれかが”true”に設定されてないと判定された場合(NOの場合)には、処理を継続する状態ではないとして一連の処理が終了されることとなる。
次いで、ステップS518においては、吸気管圧の差ΔPが求められ学習値とされることとなる。
すなわち、吸気管圧力差ΔPは、ΔP=Pmax−Prefとして算出される。
次いで、EGR変化量ΔMが算出されることとなる(図3のステップS520参照)。すなわち、ΔM=K−ΔPとして算出される。
この演算式において、Kは、先に図8を参照しつつ説明したように、特性中央エンジンを用いた装置において予め取得された吸気管圧力差であり、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に予め記憶されたものである。また、ΔPは、先のステップS518において求められた吸気管圧力差である。
次いで、上述のようにして算出されたEGR変化量ΔMに対応するオーバーラップ補正項ΔO/Lの値が、先に、図10を参照しつつ説明したように電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に予め記憶されたΔO/L算出マップを用いて求められることとなる(図3のステップS522参照)。
なお、車両の通常動作の際には、電子制御ユニット50においてエンジン制御のためのメインルーチン(図示せず)が実行されるようになっており、そこから、図2、図3で説明した処理が実行されるようになっている。
そして、ステップS522において上述のようにしてΔO/Lが求められ、そして図2で説明した処理でΔO/Lから補正後オーバーラップO/Lcorrが求められ(図2のステップS600参照)、補正後オーバーラップO/Lcorrに応じた吸気流量特性ラインが決定され(図2のステップS700参照)、特定された吸気流量特性ラインに対応した充填効率が算出されてメインルーチンに戻る(図2のステップS800参照)。こうして算出された充填効率は、エンジン制御のためのメインルーチンで、空気量演算に用いられるようになっている。
また、本発明の実施の形態においては、図2を用いて説明した処理の中で吸気流量特性ラインの決定と充填効率ηcの算出が行われるが、これらの両方またはいずれか一方は、図2で説明した処理の中で行われる場合のほかに、たとえば、O/Lcorrの値が他の処理に受け渡されてその後の処理はエンジン制御のメインルーチンで行われてもよく、あるいは、同様にしてその後の処理がエンジン制御のメインルーチンから起動される他のサブルーチンで行われても、もちろんよいものであり、種々変更可能である。
内燃機関の組み付け誤差等を主たる原因とするバルブタイミングのずれにより生ずる空気量演算誤差の低減、精度向上が所望される内燃機関駆動制御装置に適用できる。
1…エンジン
7…吸気弁
8…排気弁
10…シリンダ
27…吸気管圧センサ
50…電子制御ユニット
51…吸気側可変バルブタイミング制御機構
52…排気側可変バルブタイミング制御機構

Claims (6)

  1. 吸気管圧力センサーにより検出された吸気管圧に対する充填効率が予め設定された特性ラインに基づいて算出されて空気量演算に用いられ、前記空気量演算結果に基づいて内燃機関への燃料噴射量が理論空燃比を満足するよう前記内燃機関の動作制御を可能とし、可変バルブタイミング機構により少なくとも吸気弁又は排気弁のいずれか一方のバルブタイミングが可変可能に構成されてなると共に、前記吸気管圧に対する充填効率を求める特性ラインがバルブオーバーラップをパラメータとして特定されるようにされてなる、内燃機関の制御における空気量演算補正方法であって、
    前記バルブオーバーラップの値を、少なくとも前記内燃機関が搭載される車両の製造工程において取得された補正値によって補正し、当該補正後のバルブオーバーラップの値を前記吸気管圧に対する充填効率を定める特性ラインの特定に用い、中央特性を有する特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれに起因する前記空気量演算誤差の補正を可能としてなり、
    前記補正値は、前記特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれにより生じる内部EGR量の変化量であるEGR変化量に対して、予め定められたバルブオーバーラップ算出マップより求められたバルブオーバーラップのずれに相当し、
    前記バルブオーバーラップ算出マップは、前記特性中央内燃機関におけるバルブオーバーラップと内部EGR量との相関関係に基づいて設定されてなるものであることを特徴とする空気量演算補正方法。
  2. 前記EGR変化量は、
    バルブオーバーラップが基準値の場合の吸気管圧とバルブオーバーラップが最大値の場合の吸気管圧との差である吸気管圧力差を所定の運転状態において求めると共に、前記特性中央内燃機関について前記所定の運転状態と同一条件下で予め求められた吸気管圧力差との差として求められるものであることを特徴とする請求項1記載の空気量演算補正方法。
  3. 前記所定の運転状態は、燃料カット状態にあって、かつ、減速状態の際に、エンジン回転数が所定回転数であって、スロットルバルブの開度が所定開度に固定された状態であることを特徴とする請求項2記載の空気量演算補正方法。
  4. 内燃機関の制御に用いられる電子制御ユニットであって、
    吸気管圧力センサーにより検出された吸気管圧に対する充填効率が予め設定された特性ラインに基づいて算出されて空気量演算に用いられ、前記空気量演算結果に基づいて内燃機関への燃料噴射量が理論空燃比を満足するよう前記電子制御ユニットによる前記内燃機関の動作制御を可能とすると共に、可変バルブタイミング機構により少なくとも吸気弁又は排気弁のいずれか一方のバルブタイミングが可変可能とされ、前記電子制御ユニットにより前記吸気管圧に対する充填効率を求める特性ラインがバルブオーバーラップをパラメータとして特定されるようにされてなる、内燃機関の制御装置に用いられ、
    前記電子制御ユニットは、前記バルブオーバーラップの値を、少なくとも前記内燃機関が搭載される車両の製造工程において取得された補正値によって補正し、当該補正後のバルブオーバーラップの値を前記吸気管圧に対する充填効率を定める特性ラインの特定に用い、中央特性を有する特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれに起因する前記空気量演算誤差の補正を可能としてなり、
    前記補正値は、前記特性中央内燃機関とのバルブタイミングのずれにより生じる内部EGR量の変化量であるEGR変化量に対して、予め定められたバルブオーバーラップ算出マップより求められたバルブオーバーラップのずれに相当し、
    前記バルブオーバーラップ算出マップは、前記特性中央内燃機関におけるバルブオーバーラップと内部EGR量との相関関係に基づいて設定されてなるものであることを特徴とする電子制御ユニット。
  5. 前記EGR変化量は、
    バルブオーバーラップが基準値の場合の吸気管圧とバルブオーバーラップが最大値の場合の吸気管圧との差である吸気管圧力差を所定の運転状態において求めると共に、前記特性中央内燃機関について前記所定の運転状態と同一条件下で予め求められた吸気管圧力差との差として求められるものであることを特徴とする請求項4記載の電子制御ユニット。
  6. 前記所定の運転状態は、燃料カット状態にあって、かつ、減速状態の際に、エンジン回転数が所定回転数であって、スロットルバルブの開度が所定開度に固定された状態であることを特徴とする請求項5記載の電子制御ユニット。
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