JP2014109061A - Bearing for molten metal plating bath - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、溶融金属めっき装置に組み込まれる溶融金属めっき浴用軸受に係る発明である。 The present invention relates to a bearing for a molten metal plating bath incorporated in a molten metal plating apparatus.
溶融金属めっき浴用軸受は、図1および2に概略構成を示す溶融金属めっき装置20に組み込まれ使用される。溶融金属めっき装置20は、溶融金属めっき浴(以下単に「めっき浴」と言う場合がある。)21が貯留されるめっき槽22と、めっき浴21の表層部分に浸漬されて、めっき浴21の内に導入される鋼板Wの酸化を防止するためのスナウト23と、めっき浴21の中に配置されたシンクロール27と、めっき浴21の内でシンクロール27の上方に位置する一対のサポートロール28と、めっき浴21の表面より僅か上方に位置するガスワイピングノズル26とを有している。シンクロール27自体には外部駆動力が付与されず、走行する鋼板Wとの接触による摩擦力で反時計回りに駆動される。またサポートロール28は、通例、外部のモーター( 図示せず) に連結された駆動ロールである。なお、サポートロール28には外部駆動力が付与されない無駆動タイプもある。そして、図2に示すように、シンクロール27及び一対のサポートロール28は、固定部材10等を介してフレーム24・25に取り付けられた溶融金属めっき浴用軸受90によりその軸部27b・28bが各々回転自在に支持されており、常に一体としてめっき浴21の内に浸漬される。
The bearing for a molten metal plating bath is used by being incorporated in a molten
鋼板Wは、スナウト23を経てめっき浴21の内に斜方から進入し、シンクロール27の胴部27aに接しつつ上方に進行方向を変えられる。めっき浴21の中を上昇する鋼板Wは一対のサポートロール28の胴部28aに挟まれ、パスラインが保たれるとともに、反りや振動が防止される。ガスワイピングノズル26は、めっき浴21から出てきた鋼板Wに高速ガスを吹き付け、高速ガスのガス圧により、鋼板Wに付着した溶融金属めっきの厚さを均一に調整する。このようにして、溶融金属めっきが施されためっき鋼板Wが形成される。
The steel sheet W enters the
ここで、溶融金属めっき浴用軸受(以下、単に軸受と言う場合がある。)には、めっき鋼板を低コストで製造するため、軸部との摺動による摩耗が少なく長寿命であることが求められる。さらに、軸受には、スリップによる表面疵の発生を防止しめっき鋼板の表面品質を確保するため、シンクロールおよびサポートロール(以下、両者を総してロールと言う場合がある。)の外周面に接触しつつ走行する鋼板の走行速度とロールの回転が常に同期するよう、ロールが安定した状態で回転することが求められる。 Here, a bearing for a molten metal plating bath (hereinafter sometimes simply referred to as a bearing) is required to have a long life with little wear due to sliding with a shaft portion in order to produce a plated steel sheet at low cost. It is done. Further, in order to prevent the occurrence of surface flaws due to slip and to ensure the surface quality of the plated steel sheet, the bearings are provided on the outer peripheral surface of a sink roll and a support roll (hereinafter, both may be collectively referred to as a roll). It is required that the roll rotates in a stable state so that the traveling speed of the steel sheet traveling while being in contact with the rotation of the roll is always synchronized.
このような要請に対応する軸受の一例が、下記特許文献1に開示されている。特許文献1には、「鋼帯を溶融金属中に浸漬させて連続的にめっき処理する装置の溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造であって、軸受の双方の摺動負荷面の軸方向中央部に溝を付設した軸受構造において、回転軸の回転方向または軸受の摺動方向に開いた角度を有する屈曲部を有して両端部が閉鎖された溝(以下、中央溝という)が摺動方向に複数列付設されている」、軸受が開示されている。
An example of a bearing corresponding to such a request is disclosed in
かかる中央溝(いわゆるヘリンボーン溝)を有する特許文献1の軸受によれば、回転軸の回転に伴い屈曲部にめっき浴が供給され、その結果屈曲部において生じた正圧により軸部と軸受との摺動界面における両者の直接接触が抑制され、軸受や軸部の摩耗が減少するとともにロールの安定した回転状態を得ることができる。しかしながら、潤滑液として機能するめっき浴が屈曲部に充分に供給されず、摺動界面において回転軸と軸受とが直接接触する場合があった。この動圧型である特許文献1の軸受に対し、軸受の低摩耗化およびロールの回転安定化の点から、軸受と軸部との直接接触が抑制された軸受が望まれており、そのような軸受の一例が、下記特許文献2に開示されている。
According to the bearing of
特許文献2に開示された軸受は、「連続式溶融亜鉛めっき装置の浴中にあるロールシャフトを支持する軸受において、前記ロールシャフトの外周形状に沿う円弧形状または円環形状に形成されて、ロールシャフトと対向する内側に液噴出孔を形成し、少なくとも前記ロールシャフトの外周のうちロールシャフトからの力を受ける側に配置されたブッシュと、前記ブッシュに配管を介して接続され、前記ブッシュに亜鉛めっき浴組成の液を圧送するポンプとを具備し、前記液噴出孔から噴出する液で前記ロールを支持する」、軸受である。かかる特許文献2の軸受は、ポンプから圧送されためっき浴の液圧により軸部を浮上させつつ支持する静圧的な構造であり、軸受と軸部との直接接触が抑制され、軸受の低磨耗化およびをロールの回転安定化を図ることができる。しかしながら、特許文献2に開示された静圧型の軸受は、所定の液圧でめっき浴を供給するためポンプや配管等の供給機構が必要となり溶融金属めっき装置が高価格となる。さらに、めっき浴に浸漬される配管等の部材は、定期的な補修・交換が必要であり、ランニングコストも上昇する。このようにめっき鋼板を高コスト化させる問題があるため、特許文献2の軸受は、工業生産において具体化されていないのが実情である。
The bearing disclosed in
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、特許文献2に例示される静圧型の軸受のようにポンプや配管等を有する供給機構等を設けず、特許文献1に例示される軸受に対し、摺動界面における軸部と軸受との直接接触を抑制しうる軸受を提供することを目的としている。
The present invention has been made in view of the above-described problems of the prior art, and does not include a supply mechanism having a pump, piping, or the like unlike the static pressure type bearing exemplified in
上記目的を達成する本発明の一態様は、溶融金属めっき浴に浸漬される略円柱形状の軸部を回転自在に支持する溶融金属めっき浴用軸受であって、前記軸部の外周面に相対するよう配置された略円弧形状の内面と、前記内面に形成された溝と、前記内面に開口する第1の開口部と溶融金属めっき浴が流入する第2の開口部を有する供給通路とを備え、前記第1の開口部は、前記軸部の回転方向において前記溝よりも手前側に配置されている溶融金属めっき浴用軸受である。 One aspect of the present invention that achieves the above object is a molten metal plating bath bearing that rotatably supports a substantially cylindrical shaft immersed in a molten metal plating bath, and is opposed to the outer peripheral surface of the shaft. A substantially arc-shaped inner surface arranged in such a manner, a groove formed in the inner surface, a first opening opening in the inner surface, and a supply passage having a second opening into which a molten metal plating bath flows. The first opening is a bearing for a molten metal plating bath disposed on the front side of the groove in the rotation direction of the shaft portion.
なお、前記第1の開口部は、前記内面の中心線に直交する当該内面の断面における接線に対し、前記軸部の回転方向において90°未満の交差角度で手前側に傾斜した傾斜面を有することが好ましい。 The first opening has an inclined surface that is inclined toward the front side at an intersecting angle of less than 90 ° in the rotation direction of the shaft portion with respect to a tangent in a cross section of the inner surface perpendicular to the center line of the inner surface. It is preferable.
さらに、前記供給通路は屈曲部を有することが好ましく、加えてその一端側に配置された大径孔部と他端側に配置された小径孔部とを有し、前記第1の開口部は大径部の一端に、前記第2の開口部は小径部の他端に形成されていることが望ましい。 Furthermore, the supply passage preferably has a bent portion, and in addition, has a large-diameter hole portion disposed on one end side thereof and a small-diameter hole portion disposed on the other end side, and the first opening portion is It is desirable that the second opening is formed at one end of the large diameter portion and the other end of the small diameter portion.
さらに加えて、前記第1の開口部は、前記内面の中心線に沿う方向において、少なくともその一部が前記溝に含まれるように配置されていることが好ましい。この場合、前記第1の開口部は、前記内面の中心線に沿う方向において、複数配置されているか、前記内面の中心線に沿う方向において、前記溝を包含するように配置されていることがより望ましい。 In addition, it is preferable that the first opening is arranged so that at least a part thereof is included in the groove in a direction along the center line of the inner surface. In this case, a plurality of the first openings may be arranged in a direction along the center line of the inner surface, or arranged so as to include the groove in a direction along the center line of the inner surface. More desirable.
本発明は以上のように構成されているので、本発明の目的を達成することができる。 Since the present invention is configured as described above, the object of the present invention can be achieved.
以下、本発明について、その具体的な第1〜第4実施形態に基づき図面を参照しつつ説明する。 The present invention will be described below based on specific first to fourth embodiments with reference to the drawings.
[第1実施形態]
第1態様の軸受1の構成について、図3および4を参照しつつ説明する。なお、軸受1が組み込まれる溶融金属めっき装置の構成は、従来の軸受90が本発明に係る軸受である点以外は上記説明した図1および2と同様な構成であり、詳細な説明を省略する。また、以下、シンクロールを支持する軸受を例として説明するが、当該軸受は、サポートロールにも適用することができる。また、各実施形態の軸受の各構成要素は、当該実施形態にのみに限定されず、本発明の作用効果を奏する限り適宜組み合わせて実施することができる。さらに、各実施形態ともに、図2に示す右側の軸受1と左側の軸受1とは同一であるので、右側の軸受1の構成について説明し、左側の軸受1の説明は省略する。
[First Embodiment]
The configuration of the
第1態様の軸受1は、溶融金属めっき浴に浸漬されるシンクロール27の略円柱形状の軸部27bを回転自在に支持する動圧型の軸受1である。この軸受1は、図3に示すように、軸部27bの外周面に相対するよう配置された略円弧形状の内面1dを有し、この内面1dには溝1eが形成されている。なお、動圧型の軸受1において、下記のように正圧が発生する溝1eは、図3(b)及び図3(c)に示すように、軸受1の内面1dにおいて摺動界面1mとなる軸部27bが接触する領域(以下、接触領域と言う場合がある。)Xに少なくとも一部が含まれるよう形成される。そして、軸受1には、上記内面1dに開口する第1の開口部1gと溶融金属めっき浴が流入する第2の開口部1hを有する供給通路1bが形成されている。この供給通路1bの第1の開口部1gは、軸部27bの回転方向(以下、単に回転方向と言う場合がある。)において溝1eよりも手前側に配置されている。
The
かかる軸受1によれば、以下の作用効果を奏することができる。すなわち、図3(b)に示すように、軸部27bの回転に伴いめっき浴はその粘性により引きずられ、回転方向において摺動界面1mよりも手前側に存在する軸部27bの外周面と軸受1の内面1dとの間隙1oを流動する(以下、この間隙1oにおけるめっき浴の流れを本流と言う場合がある。)。そして、軸受1の内面1dに形成された溝1eには、間隙1oを流動するめっき浴が流入して正圧が発生し、当該正圧により摺動界面1mにおいて軸部27bは浮上しつつ支持される。ここで、本態様に係る軸受1の第1の開口部1gは、回転方向において溝1eよりも手前側に配置されているため、間隙1oを流動するめっき浴の本流に引きずられるように、第1の開口部1gからめっき浴が流入して本流に合流し、溝1eに供給される。このように第1の開口部1gから流入して本流に合流することにより、より多くのめっき浴が溝1eに供給され、溝1eでは正圧が安定的に発生する。これにより、軸部27bは摺動界面1mで安定的に支持され、軸部27bと軸受1との摺動界面1mにおける両者の直接接触が抑制される。さらに、軸受1はめっき浴中に浸漬されており、軸受1の外部に存在するめっき浴は第2の開口部1hを通じ供給通路1bに連続的に流入する。そのため、特段の供給機構を設けることなく、第1の開口部1gからの間隙1oへのめっき浴の供給を継続することができ、溝1eで生じる正圧を操業中維持することができる。
According to this
このように本発明に係る軸受1によれば、上記のように配置された第1の開口部1gを通じより多くのめっき浴が溝1eに連続的に供給され、もって溝1eで発生する安定した正圧が操業中維持されるので、軸部27bと軸受1との直接接触が抑制される。その結果、軸受1の低摩耗性およびシンクロール27の回転安定性が具現され、もって表面品質の高いめっき鋼鈑を低コストで生産することが可能となる。以下、好ましい態様である第1態様の軸受1の具体的な構成について、詳細に説明する。
As described above, according to the
図3に示すように、中心線Iに直交する断面形状が略矩形状の第1態様の軸受1は、中心線Iに沿う断面形状が略コの字状であり、内面1dの中心線Iに沿う方向(以下、中心線方向という場合がある。)から眺めた場合に中央部に形成された中空部1nを有している。この中空部1nは、中心線I周りに所定の半径で形成された略円柱形状の内面1dを有しており、当該内面1dは、中空部1nに挿入された軸部27bの外周面に相対する状態で配置されている。そして、軸受1の中空部1nよりも小径である軸部27bは、稼働中において鋼板に付加される張力により接触領域Xで、その外周面が内面1dと接触し、軸部27bと軸受1との摺動界面1mを構成する。この摺動界面1mにおいて軸部27bを支持するため、溝1eは、軸受1の内面1dにおいて接触領域Xに少なくとも一部が含まれるように配置されている。
As shown in FIG. 3, the
回転方向に対し平行に形成された本態様の溝1eは、中心線Iに直交する方向(以下、半径方向と言う場合がある。)の断面形状が略三日月形状をなしている溝である。すなわち、摺動面1dの表面の一部を占めるように円周方向において有限長に形成された本態様の溝(以下、三日月溝と言う場合がある。)1eは、略円弧形状の底面を有し、回転方向においてその中心が最も深く、その両端に向かうにつれ徐々に浅くなった形状である。このような断面形状を有する三日月溝1eによれば、軸部27bの回転に伴いめっき浴が流入することにより、図5(b)において線図Q1で示すように、回転方向において三日月溝1eの奥側の端で正圧のピークを示す。そして、三日月溝1eの奥側の端は、接触領域X(摺動界面1m)に含まれるよう配置されており、もって軸部27bと軸受1との直接接触が防止される。
The
上記本態様の三日月溝1eの中心線Iに直交する断面形状は、回転方向におけるその中心に対し対称であるが、非対称としてもよい。また、溝1eの中心線方向における幅は同一としてもよく、変化させてもよい。さらに、中心線方向に等間隔または不等間隔で複数条の三日月溝1eを設けてもよく、円周方向に等角度または不等角度で複数の溝1eを設けてもよい。すなわち、軸受の内面に形成される溝は、めっき浴が流入することによりその少なくとも一部に正圧が生じる形態であればよく、その正圧が生じる部分を摺動界面(接触領域)に配置することで軸部を支持することができる。
Although the cross-sectional shape orthogonal to the center line I of the
さらに、供給通路1bから流入しためっき浴が溝1eに供給されれば、供給通路1bの第1の開口部1gと溝1eとの位置関係は特に限定されないが、図4(a)に示すように、第1の開口部1gは、中心線方向において、少なくともその一部が溝1eに含まれるように配置されていることが望ましい。さらに、本態様の供給通路1bは、断面形状が略円形状の貫通孔であるが、その断面形状は略円形状に限定されず、例えば図4(b)に示す略矩形状としてもよく、略三角形状または略楕円形状としてもよい。また、本態様の供給通路1bは断面形状に変化のない直管状をなしており、その下方(一方)側を第1の開口部1g、上方(他方)側を第2の開口部1hとしているが、半径方向における断面形状は変化させてもよく、また一部が屈曲した形状であってもよい。
Further, if the plating bath flowing from the supply passage 1b is supplied to the
加えて、上記した基本的な構成を満たせば、供給通路は1本でも本発明の作用効果を奏することができるが、図4(b)に示すように、中心線方向において第1の開口部8gを複数個配置すれば、より多くのめっき浴を三日月溝1eに供給できるので好ましい。また、同様な観点から、図4(c)に示す第1の開口部3gのように、断面形状を略長孔形状とし、中心線方向において、三日月溝1eを包含するように配置してもよい。
In addition, as long as the above basic configuration is satisfied, even with a single supply passage, the effects of the present invention can be achieved. However, as shown in FIG. It is preferable to arrange a plurality of 8g because more plating bath can be supplied to the
本態様の軸受1が備えるさらに好ましい構成要素について、以下説明する。図3(a)に示すように、本態様の軸受1には、稼動中に水平方向へ移動する軸部27bの端面を受け水平方向のロールの位置を保持するために、右端に軸受端部1oが配置されている。なお、この軸受端部1oを設けず、中空部1nを左端まで延設してもよい。また、上記のように軸受1に軸受端部1oを設ける場合には、ドロスなどと呼ばれるめっき浴中の異物が軸受1の内部に滞留することを抑制するため、中空部1nの左端から軸受端部1oに至るまでの領域に配置された、中空部1nと比べて内径の大きな液溜部1cと、中心線方向に軸受端部1oを貫通するように形成された開口部1fとを設けておくことが好ましい。この構成により、軸受1に軸部27bが挿入された場合であっても、めっき浴は液溜部1cに自由に出入りでき、中空部1nを循環する。
The further preferable component with which the
[第2実施形態]
本発明に係る第2実施形態の軸受2について図5を参照して説明する。なお、図5において、上記第1態様の軸受と同一の構成要素については同一符号を付しており、詳細な説明を省略する(以下説明する他の実施形態の軸受についても同様である。)。
[Second Embodiment]
The
第2態様の軸受2の供給通路2bの周辺の拡大断面図である図5(a)に示すように、好ましい態様である軸受2は、その第1の開口部1gが、軸受1の内面1dの中心線Iに直交する当該内面1dの断面における接線Eに対し、回転方向において90°未満、好ましくは10〜60°の交差角度Pで手前側に傾斜した傾斜面2kを有する点で相違している。かかる軸受2によれば、傾斜面2kを第1の開口部1gに設けることで、以下説明するように、第1態様の軸受に対し、より多くのめっき浴を三日月溝1eに供給することが可能となる。
As shown in FIG. 5A, which is an enlarged sectional view of the periphery of the
すなわち、図5(a)の内面1dの符号Bの範囲の展開図(上方の図)とその範囲における圧力分布の概念図(下方の図)である図5(b)に示すように、軸部27bの回転に伴い、回転方向において摺動界面1mよりも手前側に存在する軸部27bの外周面と軸受1の内面1dとの間隙1oをめっき浴は流動する。そして、軸受1の内面1dに形成された三日月溝1eには、間隙1oを流動するめっき浴が流入して線図Q1で示す正圧が発生し、当該正圧により摺動界面1mにおいて軸部27bは浮上しつつ支持される。
That is, as shown in FIG. 5 (b), which is a development view (upper view) of the range of the symbol B of the
ここで、第2態様に係る軸受2の第1の開口部1gは、上記のように配置された傾斜面2kを有している。このため、間隙1oを流動するめっき浴の本流が、この傾斜面2kに衝突して流速が低下し、図5(b)において線図Q2で示すように、この傾斜面1kの領域において負圧が生じることとなる。そして、この負圧により供給通路2bの中のめっき浴が間隙1oに流入して本流に合流するため、上記第1態様の軸受で述べた作用効果に重畳してより多くのめっき浴が三日月溝1eに供給される。そのため、三日月溝1eでは正圧がより安定的に発生し、軸部27bは摺動界面1mでより安定的に支持され、軸部27bと軸受1との摺動界面1mにおける両者の直接接触が抑制される。なお、第2の開口部1hを通じためっき浴の供給通路2bへの連続的な供給の態様は、上記第1態様の軸受1と同様であり、溝1eで生じる正圧を操業中維持することができる。
Here, the
なお、本態様の供給通路2bも直管状をなしており、軸受1の内面1dの中心線Iに直交する当該内面1dの断面における接線Eに対し、供給通路2bの全体が傾斜するように配置することで傾斜面2kを構成しているが、例えば第1の開口部1gのみを所定の傾斜角度で傾斜するように配置して傾斜面2kを形成してもよい。すなわち、傾斜面とは、下記第3態様の軸受で説明するように、間隙1oを流動するめっき浴の本流が衝突する面であり、軸受1の内面1dの中心線Iに直交する当該内面1dの断面における接線Eに対し90°未満の面であればよい。また、供給通路2bの半径方向における断面形状は変化させてもよく、また一部が屈曲した形状であってもよい。その具体的態様は、下記第3実施形態の軸受にて、詳述する。
The
[第3実施形態]
本発明に係る第3実施形態の軸受5について、その正断面図である図6を参照しつつ説明する。第2態様の軸受のさらに好ましい態様である軸受5は、(1)軸受部5aと保持部6との組み合わせ構造である点、(2)供給通路5bが大径孔部5jと小径孔部5iを有し、さらに屈曲部5Lを備えている点で第2態様の軸受と相違している。以下、上記相違点(1)および(2)について説明する。
[Third Embodiment]
A
軸受5は、図6に示すように、中心線Iに直交する断面において半円形状の内面6aが形成された、下面が開口する凹部を有する略U字形状の保持部6と、保持部6の内面6aと略同一径の外周面を有し、保持部6の内面6aに外周面が密着するように本体部6の凹部に装着された軸受部5aと、保持部6の底面に螺合され軸受部5aを固定する固定部材6dとを有している。そして、軸受部5aの内面1dには、上記第2態様と同様に、接触領域X(摺動界面1m)に少なくとも一部が含まれるよう三日月溝1eが形成されている。このように軸受部5aと保持部6との組み合わせ構造である軸受6は、例えば軸受部5aを、下記説明するようにめっき浴に対する耐蝕性および耐摩耗性に優れたセラミックスで構成し、保持部6を安価な金属で構成する場合に、好適な構成である。
As shown in FIG. 6, the
ここで、第3態様の供給通路5bは、上記第2態様の供給通路と同様に、その第1の開口部1gが、軸受1の内面1dの中心線Iに直交する当該内面1dの断面における接線Eに対し、90°未満の交差角度Pで手前側に傾斜した傾斜面2kを有している。しかしながら、この供給通路5bは、下方(一方)側に配置された大径孔部5jと、上方(他方)側に配置された小径孔部5iとを有している点で相違しており、その大径孔部5jの下方端(一方端)に第1の開口部1gが、小径孔部5iの上方端(他方端)に第2の開口部1hが形成されている。ここで、本態様の供給通路5bにおいては、内面1dに開口する第1の開口部1gが下方端に形成された大径孔部5jは、軸受1の内面1dの中心線Iに直交する当該内面1dの断面における接線Eに対し、90°未満の交差角度で手前側に傾斜するように配置され、もって上記傾斜面2kが構成される。また、図示するように、大径孔部5jは軸受部5aに形成され、小径孔部5iは保持部6に形成されているが、両者の配置はこれに限定されることなく、大径孔部5jを保持部6側に延設してもよく、また小径孔部5iを軸受部5a側に延設してもよい。
Here, the
このように大径孔部5jと小径孔部5iを有する供給通路5bによれば、めっき浴が外部から流入する第2の開口部1hを有する小径孔部5iは、大径孔部5jよりも内径が小さく、その管路抵抗が大きい。この管路抵抗の大きな小径孔部5jを配置することにより、間隙1oを流動するめっき浴の本流が第1の開口部1gを通じて大径孔部5j、すなわち供給通路5bへ流入することが効果的に抑制される。その結果、第1の開口部1gから間隙1oへのめっき浴の流入がより円滑となり、より多くのめっき浴が溝三日月1eに供給される。さらに、間隙1oを流動するめっき浴の本流が大径孔部5j(供給通路5b)へ流入することを抑制するためには、供給通路5bには屈曲部5Lを設けることが好ましい。なお、本態様の屈曲部5Lは、大径孔部5jと、当該大径孔部5jに対し異なる角度で配置された小径孔部5iの間に1箇所形成されているが、屈曲部5Lは供給通路5bのいずれかの箇所設ければよく、また複数個所設けてもよい。
Thus, according to the
[第4実施形態]
本発明に係る第4実施形態の軸受7について、その正断面図である図7(a)および図7(a)の符号Kの範囲を符号Mから見た展開図である図7(b)を参照しつつ説明する。
[Fourth Embodiment]
FIG. 7B is a developed view of the
図7に示すように、第4態様の軸受7は、第2態様の軸受2に対し、その内面1dに形成された溝7eがいわゆるヘリンボーン形状をなしている点で相違している。すなわち本態様の溝7eは、第1の溝7j、第2の溝7kおよび第1の溝7jと第2の溝7kの各々の内端部(一端部)を連結する連結凹部7Lを有し、軸部の回転方向において、第1の溝1mおよび第2の溝1nの各々の外端部(他端部)は、いずれも、連結凹部1Lより後方に配置されている形態である(以下、この形態の溝をヘリンボーン溝と言う場合がある。)。そして、本態様のヘリンボーン溝7eは、回転方向において2個(7e−1、7e−2)配置され、その少なくとも一部が接触領域X(摺動界面1m)に含まれるように形成されている。なお、ヘリンボーン溝7eは、図示する2個に限定されず、1個でもよく、3個以上形成してもよい。また、複数のヘリンボーン溝7eの形状・寸法は全て同一である必要はなく、各々異なる形状・寸法としてもよい。
As shown in FIG. 7, the
かかるヘリンボーン形状の溝7eによれば、軸部の回転方向において、第1の溝7jおよび第2の溝7kの各々の外端部は、連結凹部7Lよりも後方に配置されているので、軸部の回転に伴い回転方向に流動するめっき浴は、当該外端部から第1の溝7jおよび第2の溝7kに流入し、その後連結凹部7Lで合流し、摺動界面の狭い間隙から流出する。すると、連結凹部7Lにおいてめっき浴の流れの速度が急激に変化し、連結凹部7Lにて正圧が生じる。その結果、軸部は、摺動界面1mに配置されたヘリンボーン溝7e−1および7e―2の連結凹部7Lで生じた正圧により摺動界面1mで浮上しつつ支持されることとなる。
According to the herringbone-shaped
そして、本態様の軸受7においても、上記第2態様の軸受と同様な供給通路2bが配置されている。具体的には、摺動界面1mに含まれるよう配置されるヘリンボーン溝7e−1および7e−2に対しめっき浴を供給するため、回転方向においてそれらの手前に配置された内面1dに、傾斜面2kを有する第1の開口部1gが開口するよう配置されている。これにより、上記第2態様の軸受と同様に、より多くのめっき浴がヘリンボーン溝7e−1・2に供給され、ヘリンボーン溝7e−1・2では正圧がより安定的に発生し、軸部は摺動界面1mでより安定的に支持され、軸部27bと軸受1との摺動界面1mにおける両者の直接接触が抑制される。なお、ヘリンボーン溝7eの場合には、中心線方向において、符号Nで示すように、正圧が生じる連結凹部7Lとほぼ同じ位置に第1の開口部1gが開口するよう配置することが望ましい。
And also in the
上記軸受または軸受部は、耐食性および耐摩耗性の点から好ましくはセラミックスで構成することが望ましい。そのセラミックスとしては、軸受等が使用される雰囲気その他の操業条件の要請による耐熱衝撃性・耐蝕性などに応じ、アルミナ・ジルコニア・シリカその他の酸化物系セラミックス、硼化ジルコニウム・硼化チタン・硼化ボロンその他の硼化物系セラミックス、炭化シリコン・炭化ボロンその他の炭化物系セラミックス、またはカーボンなどの無機材料を利用してよい。そして、軸受等は、めっき浴への浸漬および取出しの際に急熱・急冷されるため、耐熱衝撃性に優れている必要がある。そのため、軸受等を構成するセラミックスとしては、熱伝導率が高い窒化珪素・窒化アルミその他の窒化物系セラミックスが好ましく、めっき浴である溶融金属に対し高い耐溶損性および耐磨耗性を有し、高温強度に優れたサイアロンを含む窒化珪素系セラミックスが特に好ましい。 The bearing or bearing portion is preferably made of ceramics from the viewpoint of corrosion resistance and wear resistance. The ceramics include alumina, zirconia, silica and other oxide ceramics, zirconium boride, titanium boride, boron, depending on the thermal shock resistance and corrosion resistance required by the operating conditions of the bearings and other operating conditions. Boron fluoride and other boride ceramics, silicon carbide / boron carbide and other carbide ceramics, or inorganic materials such as carbon may be used. And since a bearing etc. are rapidly heated and quenched at the time of immersion in a plating bath and taking out, they need to be excellent in thermal shock resistance. Therefore, as the ceramics constituting the bearings, silicon nitride, aluminum nitride and other nitride ceramics with high thermal conductivity are preferable, and they have high resistance to erosion and wear against molten metal as a plating bath. Particularly preferred are silicon nitride ceramics containing sialon having excellent high-temperature strength.
軸受等に溝および供給通路を形成する方法としては、軸受等が金属製である場合には、切削加工、放電加工その他周知の加工方法を適用することができる。一方で、難削材であるセラミックスで軸受等を構成した場合には、例えば焼結前の成形体に溝および供給通路を形成しておきその後焼結する方法、焼結後の軸受等を研削、レーザ、ショットブラスト等で除去加工し溝および供給通路を形成する方法などを適用することができる。 As a method for forming the groove and the supply passage in the bearing or the like, when the bearing or the like is made of metal, a known machining method such as cutting, electric discharge machining or the like can be applied. On the other hand, when a bearing or the like is made of a difficult-to-cut material ceramic, for example, a groove and a supply passage are formed in a molded body before sintering and then sintered, and the sintered bearing or the like is ground. A method of forming a groove and a supply passage by removing with a laser, shot blasting, or the like can be applied.
1(2〜7) 軸受
5a 軸受部
1b(2b、5b) 供給通路
1d 内面
1e(7e) 溝
1g 第1の開口部
1h 第2の開口部
1m 摺動界面
1 (2-7)
Claims (7)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012264132A JP2014109061A (en) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | Bearing for molten metal plating bath |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012264132A JP2014109061A (en) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | Bearing for molten metal plating bath |
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JP2014109061A true JP2014109061A (en) | 2014-06-12 |
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ID=51029874
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JP2012264132A Pending JP2014109061A (en) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | Bearing for molten metal plating bath |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2014109061A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6892720B1 (en) * | 2020-12-28 | 2021-06-23 | 吉谷土木株式会社 | Highly efficient recovery system for industrial waste |
-
2012
- 2012-12-03 JP JP2012264132A patent/JP2014109061A/en active Pending
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JP6892720B1 (en) * | 2020-12-28 | 2021-06-23 | 吉谷土木株式会社 | Highly efficient recovery system for industrial waste |
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