以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35及び可変表示ユニット36等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33,34に遊技球が入ると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット36には、作動口33,34への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は、図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口33,34を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は、第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が右から左へとスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図5、図6に基づいて説明する。図5は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図5(a)〜(j)に示すように、図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄の右側に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。この場合において、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、当該特定図柄で大当たりが発生した場合、遊技状態が大当たり状態に移行するとともに、さらにその後、特定遊技状態としての大当たり状態に移行する確率が高い高確率状態に移行する。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、当該非特定図柄で大当たりが発生した場合、大当たり状態には移行するものの、大当たり状態終了後は高確率状態に移行することなく通常状態に移行する。なお、高確率状態とは、大当たり状態の終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変状態のことをいい、通常状態(低確率状態)とはそのような高確率状態でない遊技状態をいう。以下、終了した場合に高確率状態に移行する大当たり状態を特定大当たり、終了した場合に高確率状態に移行しない大当たり状態を非特定大当たりともいう。
次に、図柄表示装置41の表示画面Gについて説明する。図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、上述した主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって右から左へとスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。上図柄列Z1,中図柄列Z2,下図柄列Z3は高速にて変動表示が行われ、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に高速変動が終了し、さらに上記の順に変動表示が停止する。この場合に、いずれかの有効ラインに大当たり図柄の組み合わせ(本実施の形態では同一主図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、大当たり発生として大当たり動画が表示されるようになっている。また、大当たりの前段階として、上図柄列Z1と下図柄列Z3の同一主図柄がいずれかの有効ラインに停止表示されるとリーチとなる。なお、以下の説明では便宜上、各主図柄を各々に付された数字で記述することとし、具体的にはそれぞれ「1」図柄、「2」図柄、「3」図柄、・・・「9」図柄と記述する。また、リーチ(以下、リーチ表示ともいう)となった場合の上図柄列Z1と下図柄列Z3の同一主図柄をリーチ図柄と記述し、リーチ図柄が停止した有効ラインをリーチラインと記述する。
第1特定ランプ部43では、作動口33,34への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート35への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口34に付随する電動役物34aが所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射装置53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射装置53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源・発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源・発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源・発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
以下、パチンコ機10において遊技が行われる場合に遊技者により設置される演出カードCについて説明する。図7は演出カードCの平面図である。
本実施形態では、遊技者が演出カードCを設定可能となっており、設置される演出カードCによって実行される特定演出が異なるようになっている。すなわち、遊技者は演出カードCをパチンコ機10に設置することによって視認したい演出を実行させることが可能となる。演出カードCは合成樹脂材料によって構成され、四角形状をなしている。詳細には、演出カードCは長方形状をなしており、図柄や文字が記載された透明板が合成樹脂にて形成された透明シートにて挟まれることによって形成されている。また、演出カードCは、パチンコ機10が設置される遊技店等にて貸し出されるものである(例えば、パチンコ機10に近傍して放置してある)。
なお、演出カードCは遊技者に貸出されるものではなく、遊技者が所持するようになっていてもよい。この場合、演出カードCを遊技者が購入可能となっていてもよいし、パチンコ機10において所定条件が成立した場合に遊技者に付与されてもよい(例えば、大当たり状態に移行した場合に演出カードCが付与される)。さらに、大当たりとなった場合に演出カードCが付与される構成においては、大当たりとなった場合に揃った図柄に対応した演出カードCが付与されるようにしてもよい。
演出カードCは対応した演出情報(制御情報)が異なるように複数種類設けられている。詳細には、図7に示すように奇数図柄(「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)に対応して5種類設けられている。また、各奇数図柄に対応して実行される特定演出が異なるように複数種類の演出カードCが設けられている。実行される演出が異なる演出カードCとして図7(a)に示す第1演出カードC1と、図7(b)に示す第2演出カードC2とがある。
第1演出カードC1及び第2演出カードC2について説明する。第1演出カードC1と第2演出カードC2とでは、実行される演出がそれぞれ異なっている。
第1演出カードC1は、変動表示が終了する場合の停止図柄が対応した図柄となりやすく、さらに、対応した図柄のスベリ演出が発生しやすくなるカードである。スベリ演出とは、上,下図柄列Z1,Z3にて対応した停止図柄が停止する場合に、図柄の高速変動が終了した後に一度図柄が停止表示され、その後に、図柄が再始動し所定の図柄が停止する演出のことである。スベリ演出が実行されない場合には、図柄の高速変動が終了した後に図柄が低速にて変動表示される低速変動が実行され、その後に図柄が停止表示することとなる。なお、図柄の高速変動が終了した後に図柄が低速にて変動表示され、その後に再び高速にて変動表示され図柄が停止されるものをスベリ演出としてもよい。
第2演出カードC2は、リーチ開始演出及びスーパーリーチ演出が発生しやすくなるカードである。リーチ開始演出とは、リーチが開始された場合に実行される演出のことである。また、スーパーリーチ演出とは、リーチとなっている場合に実行される演出のことであり、リーチ開始演出が実行された後に実行される演出である。それら各演出が実行されることにより、遊技回にて大当たり状態に移行する期待度を遊技者に教示している。第2演出カードC2が設置されている場合、その第2演出カードC2の図柄に対応したリーチ開始演出及びスーパーリーチ演出が実行される。各演出カードC1,C2に対応した演出が実行される頻度は各演出カードC1,C2にそれぞれ設定されている度合いによって異なる。
また、それぞれ対応した特定演出が実行される度合いが異なるように5種類の演出カードC1,C2がそれぞれ設けられている。すなわち、実行される演出の種類が異なるように2種類、対応した図柄が異なるように5種類、特定演出が実行される度合いが異なるように5種類の組み合わせによって50種類(2種類×5種類×5種類)の演出カードCが設けられている。
図7(a)に示すように、演出カードCの短辺部側には、その演出カードCの種類を示す記載部100が設けられている。演出カードCの他方の短辺部側には、光を透過する透過部103が設けられている。
記載部100には、第1演出カードC1又は第2演出カードC2のいずれであるかを示す種類記載部100aと、いずれの図柄に対応した演出カードCであるかを示す図柄記載部100bと、どのような演出が実行されるかを示す演出記載部100cと、その演出が実行される実行頻度に対応した度合情報を示す頻度記載部100dと、が設けられている。遊技者は記載部100を視認することによってどのような演出カードCであるかを理解することができる。
なお、第1演出カードC1の種類記載部100aには、第1演出カードC1が対応した停止図柄に関連しているカードであるため「図」と記載されている。また、第2演出カードC2の種類記載部100aには、第2演出カードC2がリーチ演出に関連しているカードであるため「リ」と記載されている。なお、種類記載部100aの記載内容を変更してよいのはいうまでもなく、種類記載部100aの記載内容がそのカードの種類を示唆する記載内容となっていればよい。
透過部103は、透明性を有した合成樹脂材料によって形成されている。すなわち、演出カードCにおける透明シートによって挟まれた透明板の透過部103を形成する部分では、図柄や文字等が記載されていない。また、透過部103は、パチンコ機10によっていずれの演出カードCであるかが特定される種類透過部103aと、演出カードCが正しく設置されているか否かが特定される位置透過部103bと、を有している。種類透過部103a及び位置透過部103bはいずれの演出カードCに対しても同じ位置に設けられている。詳細には、パチンコ機10に複数の演出カードCの外縁が重なるように設置された状態(複数の演出カードCの短手方向及び長手方向の辺がそれぞれ重なるように設置された状態)にて透過部103(種類透過部103a及び位置透過部103b)の外縁がそれぞれ重なるようになっている。
種類透過部103aは、その一部が着色され遮蔽領域(遮光部)が形成されており、設定されている情報に応じて着色されている領域(遮蔽領域)が異なるように区画設定されている。そして、その区画設定されている領域が演出カードC毎に異なるようになっている(すなわち、遮蔽領域、透過領域の区画設定のパターンが50種類設けられている)。詳細には、種類透過部103aは、長手方向に2列、短手方向(幅方向)に10列に区分けされている。すなわち、種類透過部103aは複数列に領域が区分けされている(便宜上、種類透過部103aに仮想線を記載する)。区分けされた領域のうち、2の領域が着色されている。その着色された領域が遮蔽領域として機能する。パチンコ機10はその区画設定された遮蔽領域を検出することにより、いずれの演出カードCであるかを特定するようになっている。
演出カードCの種類透過部103aについて図8を用いて説明する。図8は演出カードCにおける透過部103(情報表示部)を拡大したものである。
図8(a)に示すように仮想線にて区分けした上側の第1演出領域が第1演出カードC1に対応した第1演出情報を表示しており、仮想線にて区分けした下側の第2演出領域が第2演出カードC2に対応した第2演出情報を表示している。また、種類透過部103aの長手方向(幅方向)における列のうち半分(図12にて左半分)の5列がその演出が実行される場合に対応する図柄を示す図柄情報を示しており、一端側(左側)から順に「1」図柄、「3」図柄、「5」図柄、「7」図柄、「9」図柄に相当している。また、長手方向(幅方向)の列における残りの半分の5列がその演出が実行される頻度を示す度合情報を示しており、一端側(左側)から順に「L1」、「L2」、「L3」、「L4」、「L5」に相当している。度合情報は、「L1」〜「L5」と設定されており(以下、それぞれ度合いL1〜L5ともいう)、度合いL1から度合いL5となるにつれその演出の実行度合いが大きくなっている。なお、図8(a)では、理解を容易とするために、便宜上、それぞれのマスに対応図柄の数字及び対応度合いのレベルを付している。
上述したように、演出カードCは種類透過部103aにおける一部の遮蔽領域が区画設定されることにより複数の情報を表示するようになっている。すなわち、種類透過部103aにおける塗りつぶされた部分が遮蔽領域として機能し、種類透過部103aにおける塗りつぶされていない部分が透過領域として機能している。
例えば、図8(b)は「5」図柄の第1演出が度合いL3にて実行される第1演出カードC1を示すものであり、図8(c)は「3」図柄の第2演出が度合いL1にて実行される第2演出カードC2を示すものであり、図8(d)は「7」図柄の第1演出が度合いL5にて実行される第1演出カードC1である。また、図8(e)では、「5」図柄の第1演出が度合いL3にて実行される第1演出カードC1と、「3」図柄の第2演出が度合いL1にて実行される第2演出カードC2と、が重ねて設置されている状態を示している。さらに、「5」図柄の第1演出が度合いL3にて実行される第1演出カードC1と、「7」図柄の第1演出が度合いL5にて実行される第1演出カードC1と、を設置した場合、種類透過部103aが図8(f)に示すようになる。すなわち、複数の演出カードCを重ねて設置した場合、重なり方向の一方側の演出カードCの遮蔽領域が、他方側の演出カードCの透過領域と重なることで、当該遮蔽領域をその他方側から確認できるようになっている。
演出カードCの読取りについて説明する。パチンコ機10には、情報読込手段としての情報読取装置105が設けられている。情報読取装置105は、演出カードCを設置可能に設けられている。詳細には、パチンコ機10表側(前方側)から演出カードCを挿入可能となるよう前扉枠14に設けられている。
情報読取装置105について図9〜11を用いて説明する。
図9は、情報読取装置105をパチンコ機10(前扉枠14)から取り外した場合の外観を示す概略図である。情報読取装置105は、略矩形状の板材である基体106と、基体106の裏側に設けられたカード受入部107と、基体106の表側に設けられた固定部108とからなっている。情報読取装置105は、固定部108がパチンコ機10前方側に位置するようにして前扉枠14に固定される。詳細には、基体106がパチンコ機10にビス留めされている。そして、基体106の裏側に設けられたカード受入部107がパチンコ機10の内部(前扉枠14よりも内側)に位置するようになっている。
基体106には、演出カードCを挿入するために用いる差込部としてのカード挿入口109が形成されている。カード挿入口109は、演出カードCを複数枚重ねた状態にて挿入可能となっている。詳細には、演出カードCを挿入する方向に直交する方向の一方(演出カードCを挿入した場合の短手方向)の長さが演出カードCを挿入可能に演出カードCの短手方向の長さとほぼ同じ長さとなっており(同一となっており又は若干大きくなっており)、他方の長さ(演出カードCを挿入した場合の厚み方向)が演出カードCを複数枚(例えば10枚)重ねた状態にて設置可能な長さとなっている。
カード受入部107は、その内部がカード挿入口109に向けて開放されている。すなわち、カード挿入口109から挿入された演出カードCがカード受入部107により形成される内部空間に入り込むようになっている。内部空間は、カード挿入口109側以外では閉鎖されている。カード受入部107は、内部空間の幅方向の長さが演出カードCの短手方向の長さとほぼ同じとなるように形成されている。すなわち、カード受入部107は、カード挿入口109から挿入された演出カードCが、内部空間にて幅方向(演出カードCにおける短手方向)にほとんど位置ずれしないように形成されている。詳細には、カード受入部107における内部空間を形成するよう向かい合った側壁面107cの間隔が、演出カードCを設置可能、かつ、その演出カードCが幅方向にほとんど位置ずれしないように設けられている。さらには、演出カードCの幅方向に移動可能な範囲が、演出カードCの透過部103において区画設定されている一の区画よりも小さくなっている。
また、カード受入部107は、演出カードCの挿入方向の奥側が閉鎖されており、演出カードCがカード挿入口109から挿入された場合、カード受入部107の奥側の部分(以下、奥壁面107dという)に接触することによって、その演出カードCがそれ以上挿入できないようになっている。詳細には、複数の演出カードCがカード受入部107に設置された場合、演出カードCにおける透過部103が重なるように、演出カードCにおける厚み方向と平行にカード受入部107における奥壁面107dが設けられている。すなわち、複数の演出カードCが重なった状態にてカード受入部107に設置された状況において、それら演出カードCを上記奥壁面107dに接触させた場合には、各演出カードCの内部空間への入り込み量が等しくなるようになっている。
演出カードCは、透過部103が形成された側の端部を挿入先側としてカード受入部107に挿入されるようになっている。演出カードCがカード受入部107の奥壁面107dに接触している状況において、演出カードCにおける透過部103はその全体がカード受入部107における内部空間に入り込んでおり、記載部100はその全体が、カード挿入口109を挟んでカード受入部107の反対側に位置している。これにより、カード受入部107に演出カードCが設置されている場合に、演出カードCにおける記載部100を遊技者が視認可能となっている。この結果、カード受入部107に演出カードCが設置されている状況において、いずれの演出カードCが設置されているかを遊技者が認識可能となっている。
固定部108は、カード挿入口104に挿入された演出カードCを固定するロック機構110と、ロック機構110を上方から覆うようにして設けられたカバー111とからなっている。
ロック機構110について説明する。ロック機構110は、設置された演出カードCを固定する固定状態と、演出カードCの設置及び取り外しを可能とする開放状態とに切替可能となっている。図10(a)は、ロック機構110の開放状態を示す情報読取装置105の平面図である。図10(b)は、ロック機構110の固定状態を示す情報読取装置105の平面図である。なお、図10(a),(b)では、カバー111を取り外した状態である。また、図10(b)では、カード受入部107の内部のうち一部を示している。
ロック機構110は、基体106から表側に突出して設けられた位置決め部材110aと、演出カードCを固定する略矩形状の板材である固定部材110bと、位置決め部材110aと固定部材110bとを連結するとともに、固定部材110bをカード挿入口109の奥側の方向に付勢する板バネ部110cと、からなる。
位置決め部材110aは、カード受入部107の奥壁面107dから位置決め部材110aにおける先端までの長さが演出カードCの長手方向の長さと略同一となるように(同一となるように又は若干長くなるように)設けられている。板バネ部110cは、演出カードCがカード受入部107に挿入された状態にてその演出カードCを固定部材110bによってカード受入部107における奥壁面107dへと付勢可能に回動するようになっている。板バネ部110cの回動により、挿入された演出カードCをカード挿入口109の奥側へ固定部材110bが付勢する固定状態と、固定部材110bが基体106と垂直となり、演出カードCの設置及び取り外しが可能な開放状態と、に切替可能となる。
なお、演出カードCをカード受入部107の奥側に付勢する付勢手段として板バネ部110cを用いる必要はなく、付勢手段として、コイルバネ等を用いてもよい。すなわち、カード挿入口104に挿入された演出カードCを、当該演出カードCの挿入方向に付勢できればよい。
演出カードCがカード挿入口109に挿入された場合において、カード挿入口109における演出カードCの厚み方向の大きさよりも、固定部材110bにおける上記厚み方向の大きさが大きくなっている。これにより、カード挿入口109に複数の演出カードCが挿入された場合に、それら複数の演出カードC全てを固定部材110bによりカード挿入口109奥側へと付勢することが可能となる。この結果、複数の演出カードCが挿入された場合に、それら演出カードCがカード挿入口104から抜け落ちることを抑制する効果が得られる。
上記構成であることにより、演出カードCは、固定部108によりカード受入部107の奥壁面107dに接した状態にて固定される。上述したように、カード受入部107における内部空間において演出カードCは幅方向に位置ずれしないようになっている。すなわち、演出カードCは、カード受入部107における奥壁面107d及び側壁面107cによって形成される角部107aによって、演出カードCにおける短手方向及び長手方向から位置決めされている。この場合、奥壁面107d及び側壁面107cによって演出カードCの一部の周縁部である特定周縁部が位置決めされているともいえる。また、カード受入部107において側壁面107cは向かい合って設けられているため、演出カードCが一対の角部107aによって位置決めされているともいえる。そして、固定部108が設けられていることにより、角部107aによって演出カードCが位置決めされた状態を維持することが可能となっている。
図9〜11を用いて演出カードCの設置及び取り外しについて説明する。図11(a)、(b)は、それぞれロック機構110の開放状態を示すものであり、(a)は演出カードCを挿入した状態であり、(b)は演出カードCを取り外した状態である。
図9において、固定部材110bに対して表側に外力を加えた場合(例えば、遊技者によって引っ張られた場合)、図10(a)及び図11(a)に示すように固定部材110bが基体106と垂直となる位置まで移動し、ロック機構110の開放状態となる。この場合、図11(b)に示すように演出カードCを取り外すことが可能となる。ここで、固定部材110bに加えている外力をなくした場合、図10(b)に示すように、固定部材110bがカード受入部107奥側に向かって回動する。逆に演出カードCを設置する場合には、固定部材110bに上記のように外力を加えロック機構110の開放状態とした後に、演出カードCをカード挿入口109に挿入する。そして、固定部材110bに加えている外力をなくすことによって、ロック機構110の固定状態となる。これにより、演出カードCを設置し、その演出カードCをロック機構110にて固定することができる。すなわち、固定部材110bが回動可能に設けられていることにより、演出カードCの設置及び取り外しを繰り返し行うことが可能となる。
ここで、演出カードCの検出方法について説明する。図12(a)は図10(a)におけるA−A線断面図であり、図12(b)は図12(a)におけるB−B線断面図である。図12(a)は、カード受入部107に演出カードCが挿入された状態を示している。
カード受入部107には、演出カードCがカード挿入口109に挿入され固定部材110bによってカード受入部107の奥壁面107dに付勢されている状態において、演出カードCにおける透過部103を検出するように光学式のフォトセンサ107bが設けられている。すなわち、フォトセンサ107bは、基体106よりも奥側に設けられている。
また、フォトセンサ107bは、発光部112と受光部113とを有している。詳細には、カード受入部107において演出カードCの厚み方向にて対向する一対の壁面のうち、一方に発光部112が設けられており、他方に受光部113が設けられている。すなわち、カード受入部107にて内部空間を規定する天井面107e及び底面107fのうち、一方に発光部112が設けられており、他方に受光部113が設けられている。そして、発光部112より発せられた光線が演出カードCにおける透過部103を通過した後に受光部113に受光されるようになっている。すなわち、フォトセンサ107bにおける発光部112及び受光部113と、演出カードCにおける透過部103と、がカード受入部107の内部空間に入り込んで位置している。カード受入部107における内部空間を規定する規定部(カード受入部107における内側の面)は遮光性を有するようになっている。すなわち、カード受入部107は、カード挿入口109側以外は遮光されている。これは、カード受入部107の内部から外部に光が入り込んでしまい、フォトセンサ107bにて透過部103における遮蔽領域の範囲が正確に検出できなくなることを抑制するための工夫である。
なお、遮蔽領域外部から光がフォトセンサ107bに到達しにくくするために、演出カードCにおける透過部103及びフォトセンサ107bをカード挿入口109から離間して設けるとよい。換言すると、演出カードCにおける透過部103及びフォトセンサ107bを、カード受入部107における奥壁面107dに近接させて設けるとよい。
発光部112は第1発光部112aと第2発光部112bとを有している。また、受光部113は第1発光部112aに対応した第1受光部113aと第2発光部112bに対応した第2受光部113bとを有している。詳細には、第1発光部112a及び第1受光部113aによって演出カードCにおける種類透過部103aを検出するものであり、第2発光部112b及び第2受光部113bによって演出カードCにおける位置透過部103bを検出するようになっている。
フォトセンサ107bがカード挿入口104よりも内部側に設けられていることにより、カード挿入口104外部より照明等の光が入り込み、フォトセンサ107bによる誤検出が発生することを抑制している。また、演出カードCにおいて透過部103が演出カードCの挿入方向側に位置していることにより、透過部103をフォトセンサ107bの奥側に位置させることが可能となり、照明等の光によりフォトセンサ107bによる誤検出が発生することを一層抑制できる。
フォトセンサ107bにおける発光部112及び受光部113について説明する。
第1発光部112aと第1受光部113aとは、それぞれ演出カードCにおける厚み方向に並ぶようにして設けられている。第1発光部112aは、図12(b)に示すように発光体が20個(複数)設けられている。また、第1受光部113aには、第1発光部112aにおける発光体にそれぞれ対応して受光体が20個(複数)設けられている。演出カードCがカード挿入口104に挿入された場合(情報読取装置105に演出カードCが設置されている場合)、演出カードCにおける種類透過部103a、第1発光部112a及び第1受光部113aとがそれぞれ演出カードCにおける厚み方向に並ぶようになっている。これにより、種類透過部103aにおける遮蔽領域を情報読取装置105にて検出できる。上述したように、演出カードCを重ねて設置した場合、その状態にて演出カードCの遮蔽領域を確認できるようになっている。この結果、複数の演出カードCを重ねて設置した場合、発光部112側に設けられた演出カードCの透過領域を透過したとしてもその奥側(受光部113側)に設けられた演出カードCの遮蔽領域にて発光部112から発せられた光を遮蔽できる。すなわち、奥側に設けられた演出カードCの遮蔽領域が前側に設けられた演出カードCの透過領域を介して検出されるようになっている。
また、第2発光部112bから発せられた光が第2受光部113bにて受光される。演出カードCが設置された場合、演出カードCにおける位置透過部103b、第2発光部112b及び第2受光部113bとが演出カードCにおける厚み方向に並ぶようになっている。
パチンコ機10では、第1発光部112a及び第1受光部113aにて演出カードCの設置が検出され、かつ、第2発光部112b及び第2受光部113bにて位置透過部103bが検出された場合に、正常な演出カードCのデータであると判定する。演出カードCがカード受入部107内にて傾く等、種類透過部103aがずれて設置された場合、第1発光部112a及び第1受光部113aにて遮蔽部分を正常に判定できないことが考えられるが、第2発光部112b及び第2受光部113bにより演出カードCの位置ずれを検出できるため、演出カードCの種類が誤って検出されることを抑制できる。
なお、演出カードCを情報読取装置105に対して設置した場合に、演出カードCにおける記載部100が基体106よりも表側に位置するようになっている。このため、演出カードCを情報読取装置105に設置した状態にて、記載部100を視認することによっていずれの演出カードCを設置しているかを遊技者は理解できるようになっている。
また、演出カードCにおける位置透過部103bは、種類透過部103aよりも(詳細には、種類透過部103aにおいて区分けした一の領域よりも)、その区画領域が小さくなっている。これは、種類透過部103aの検出よりも位置透過部103bの検出の精度を高めるための工夫である。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図13のブロック図に基づいて説明する。なお、図13では、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置81には、停電監視回路115とCPU116とが設けられている。CPU116には、当該CPU116により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路とが内蔵されている。
一方、主制御装置81におけるCPU116の出力側には、払出制御装置97と音声ランプ制御装置82のCPU117とが接続されている。主制御装置81におけるCPU116は、払出制御装置97に対して賞球コマンド等の各種コマンドを出力する一方、音声ランプ制御装置82のCPU117に対して演出コマンド等の各種コマンドを出力する。また、主制御装置81のCPU116には停電監視回路115を介して電源・発射制御装置98から電力が供給される。停電監視回路115は、CPU116に対して正常な電力量が供給されているか否かを監視している。
払出制御装置97は、払出装置96による賞球や貸し球の払出制御を行うものである。払出制御装置97は、CPUと、そのCPUにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMと、ワークメモリ等として使用されるRAMとを備えている。
電源・発射制御装置98は発射制御部を備えおり、発射制御部は遊技者による発射ハンドル54の操作に従って遊技球発射装置53の発射制御を担うものであり、遊技球発射装置53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82におけるCPU117は、表示ランプ部63やスピーカ部64、及び表示制御装置(以下、表示制御装置120という)を制御するものである。
音声ランプ制御装置82は、CPU117により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM121と、ワークメモリ等として使用されるRAM123とを備えている。ROM121及びRAM123は音声ランプ制御装置82におけるCPU117に接続されている。音声ランプ制御装置82におけるCPU117の入力側には主制御装置81におけるCPU116が接続されている。そして、音声ランプ制御装置82におけるCPU117は、主制御装置81側から入力した各種コマンドに基づいて表示ランプ部63やスピーカ部64、及び表示制御装置120を制御する。
なお、音声ランプ制御装置82のROM121にスピーカ部制御処理に用いるデータやランプ部制御処理に用いる各演出用のデータが記憶されており、さらに、図柄表示装置41における表示と、表示ランプ部63及びスピーカ部64における表示と、を連動させるように表示制御装置120に出力するコマンドがそれぞれ記憶されている。また、表示制御装置120のROMに各演出の実行に伴い表示される画像情報等が記憶されている。例えば、各演出カードC1,C2に対応した画像情報は、表示制御装置120のROMに記憶されている。
また、主制御装置81におけるCPU116では、入球部のうち、作動口33,34への入球に基づいて大当たり発生判定を実行する。ここで、主制御装置81におけるCPU116にて大当たり発生判定を行う上での電気的な構成について図14を用いて説明する。
主制御装置81におけるCPU116は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部43の発光色の設定や、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタCA1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタCA2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタCA3と、大当たり乱数カウンタCA1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置41の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部43に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置41における図柄の変動表示時間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、を用いることとしている。
このうち、カウンタCA1〜CA3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAMの所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAMには、1つの実行エリアと4つの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)とからなる保留球格納バッファが設けられており、これらの各エリアには、作動口33,34への遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタCA1、大当たり種別カウンタCA2及びリーチ乱数カウンタCA3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタCA1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタCA1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタCA1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタCA1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタCA1は定期的に更新され、遊技球が作動口33,34に入球したタイミングでRAMの保留球格納バッファに格納される。
大当たり種別カウンタCA2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタCA2によって、大当たりが終了した後に確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタCA2は定期的に更新され、遊技球が作動口33,34に入球したタイミングでRAMの保留球格納バッファに格納される。
リーチ乱数カウンタCA3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタCA3は定期的に更新され、遊技球が作動口33,34に入球したタイミングでRAMの保留球格納バッファに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。
第1変動種別カウンタCS1とリーチ乱数カウンタCA3とによってリーチ種別等の大まかな図柄表示装置41の表示態様が決定される。また、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部43に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図柄表示装置41の図柄の変動表示時間に相当する。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部43に表示される色の切り替え開始時に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される(すなわち、切替表示時間は、リーチ乱数カウンタCA3、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の組み合わせによって決定される)。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、大当たり状態となる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる(以下、これらのリーチ演出をリーチ開始演出、スーパーリーチ演出ともいう)。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタCA3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、主制御装置81により実行される各制御処理を図15〜図19のフローチャート等を参照しながら説明する。かかる処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図15は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が停電監視回路115から主制御装置81のNMI端子に出力され、主制御装置81は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAMに設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグを格納し、本処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理について図16のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35に対して個別に設けられた球検知センサからの信号の読み込み処理を実行し、その読み込み結果から各入球部への入球の有無を特定する。具体的には、当該読み込み処理では、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(例えば、LOWレベル信号)を確認し、その後の2回の処理にて遊技球を検知していることに対応した信号(例えば、HIレベル信号)を連続して確認した場合に、その検知センサに対応した入球部において遊技球の入球が発生したと特定する。
その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタCA1、大当たり種別カウンタCA2及びリーチ乱数カウンタCA3の更新を実行する。その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、RAMの作動口フラグ格納エリアに作動口フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口33,34に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口33,34に入賞したと判定すると、続くステップS302において、第1特定ランプ部43及び図柄表示装置41の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口33,34への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS303に進み、作動保留球数Nを1加算する。なお、ステップS303の処理後に作動口フラグを消去する。続くステップS304では、前記ステップS203で更新した大当たり乱数カウンタCA1、大当たり種別カウンタCA2及びリーチ乱数カウンタCA3の各値を、RAMの保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、本タイマ割込み処理を一旦終了する。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御装置97等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば500msec程度待機する。
続くステップS402では、ステップS401の立ち上げ処理後から許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。1secが経過していない場合にはステップS402の処理を再度実行する。この時間の測定は、ステップS402の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS402にて否定判定してから再度ステップS402の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が10000回となることで、ステップS401の立ち上げ処理後から1sec経過したと判定する。なお、時間の測定の具体的な構成は任意であり、例えばリアルタイムクロックを用いて時間の測定を行うようにしてもよい。ステップS402にて1sec経過したと判定した場合には、ステップS403に進む。
ステップS403では、RAMのアクセスを許可する。その後、ステップS404では、電源・発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS405ではRAMの停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS406ではRAM判定値を算出し、続くステップS407では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAMの作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAMの所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS408〜S409の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS408〜S409の処理に移行する。
ステップS408では、RAMの使用領域を0にクリアし、ステップS409ではRAMの初期化処理を実行する。その後、ステップS410にて払出制御装置97等に初期コマンドを出力するとともに、ステップS411にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。従側の制御装置では主制御装置81から初期コマンドを入力することで、主制御装置81との通信が正常に行われていることを認識する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS412にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS410にて初期コマンドを出力するとともにステップS411にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S510の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS511,S512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。続くステップS502では、外部出力処理を実行する。外部出力処理とは、音声ランプ制御装置82や払出制御装置97に対してコマンドを出力する処理である。 外部出力処理の後は、ステップS503にて各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理の詳細は後述する。
遊技回制御処理の後は、ステップS504にて遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、遊技結果が各大当たり状態への移行であった場合に大当たり状態に移行させるとともに、大当たり状態となった場合には大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS505では、第2特定ランプ部44に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部44における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、既に取得されている第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、下作動口34に付随する電動役物34aが所定時間開放される。
ステップS505の後は、ステップS506にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、発射ハンドル54が操作されていることに基づいて所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射装置53を動作させる。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
その後、ステップS507にて、RAMに設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS508にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS509では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAMの該当するエリアに格納する。また、ステップS510では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAMの該当するエリアに格納する。
一方、ステップS507にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS511以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS511では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS512にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS513にてRAMのアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
次に、ステップS503の遊技回制御処理を図20〜図23のフローチャート等を参照して説明する。
図20のフローチャートに示すように、先ずステップS601にて、遊技状態が大当たり状態か否かを判定する。大当たり状態である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
大当たり状態でない場合には、ステップS602にて、図柄の変動表示の実行期間中(第1特定ランプ部43に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御中)であるか否かを判定する。その実行期間中か否かの判定は、セットされた変動表示時間(変動表示時間の設定処理のステップS904、ステップS906にてセットされる時間)のカウント中か否かにて行う。変動表示の実行期間中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、作動保留球数Nが「0」か否かを判定する。作動保留球数Nが「0」である場合とは、作動口33,34への入賞に基づく保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
作動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS604にて保留球格納エリアに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にて第1特定ランプ部43に表示される色の切替を開始させるとともに、図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、ステップS604のデータ設定処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、作動保留球数Nを1ディクリメントする。続くステップS702にて、保留球格納エリアにおける第1保留エリアに格納されたデータを実行エリアに移動する。
その後、ステップS703にて、保留球格納エリアの各保留エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリア〜第4保留エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアのデータをクリアするとともに、第2保留エリア→第1保留エリア、第3保留エリア→第2保留エリア、第4保留エリア→第3保留エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS704では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップS704にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS502(外部出力処理)にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部46における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、ステップS605の変動開始処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタCA1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、当否抽選モードが通常状態に対応した低確率モードである場合には、ROMにおける低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、当否抽選モードが高確率状態に対応した高確率モードである場合には、ROMにおける高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS802では、ステップS801における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS803にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタCA2から取得した情報を把握する。また、ROMにおける振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が特定大当たり結果に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS804では、ステップS803における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が特定大当たり結果であるか否かを判定する。特定大当たり結果である場合には、ステップS805にて特定大当たり用の停止結果設定処理を実行し、特定大当たり結果でない場合には、ステップS806にて非特定大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS802にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS807にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS805〜ステップS807の各停止結果設定処理では、第1特定ランプ部43にて最終的に表示させるランプの色を、ROMに予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAMに記憶する。また、ステップS805及びステップS806では、今回の遊技回の当否判定結果が、特定大当たり結果又は非特定大当たり結果であることをCPU116にて特定するための情報をRAMのその他フラグ格納エリアに格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS805では特定大当たりフラグを格納し、ステップS806では非特定大当たりフラグを格納する。
ステップS805〜ステップS807のいずれかの処理を実行した後は、ステップS808にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、図23のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、各変動種別カウンタCS1,CS2の値を取得し、レジスタに記憶する。
続くステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAMに、特定大当たりフラグ又は非特定大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタCA3及び変動種別カウンタCS1の値の組み合わせがリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。なお、リーチ乱数カウンタCA3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROMのリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903にてROMの変動表示時間テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の各変動種別カウンタCS1,CS2の値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS904にて、その変動表示時間情報をRAMの変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、ステップS902にていずれかの大当たりフラグがセットされているか否かを確認することは、大当たり抽選の結果を反映させて変動表示時間を決定しているともいえる。
一方、ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905にて変動表示時間テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の各変動種別カウンタCS1,CS2の値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、作動保留球数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、作動保留球数Nの数に依存しない構成としてもよく、作動保留球数Nの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、特定大当たり用の変動表示時間テーブル、非特定大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図22)の説明に戻り、ステップS808にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS809にて、変動パターンコマンド及び種別コマンドを設定する。変動パターンコマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、特定大当たり結果の情報、非特定大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS809にて設定された変動パターンコマンド及び種別コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS502にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動パターンコマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。その後、ステップS810にて第1特定ランプ部43に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図20)の説明に戻り、変動表示の実行期間中(ステップS602)である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAMの変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図23)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図16)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、第1特定ランプ部43に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフを繰り返す制御を実行する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS805〜ステップS807のいずれかの処理にてRAMに記憶した情報を特定し、その情報に対応した点灯色が第1特定ランプ部43にて表示されるように当該第1特定ランプ部43を表示制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS502にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
次に音声ランプ制御装置82により実行される音声ランプメイン処理について図24を用いて説明する。音声ランプメイン処理が実行されることにより、表示ランプ部63、スピーカ部64における表示態様が決定されたり、図柄表示装置41にて表示される変動表示態様が決定されたりする。図柄表示装置41における表示内容は、音声ランプ制御装置82にて決定され、その内容がコマンドとして表示制御装置120に出力される。表示制御装置120はそのコマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。これにより、図柄表示装置41、表示ランプ部63、スピーカ部64が連動した演出を実行することを可能としている。
ステップS1001では、1msecが経過したか否かを判定する。1msecが経過していた場合、ステップS1002に進み、電源断の発生情報ありか否かを判定する。電源断の発生情報があった場合には電源が遮断されたものと判断し、ステップS1003にて電源遮断処理を行う。この電源遮断処理は周知の構成であるため、ここでは説明を省略する。
ステップS1002にて電源断の発生情報がなかった場合、ステップS1004に進み、カード読込み処理を実行する。このカード読込み処理を実行することにより、情報読取装置105が駆動され、設置されている演出カードCを読取ることが可能となる。このカード読込み処理について図25を用いて説明する。
ステップS1101ではスキャナー処理を実行する。スキャナー処理では、情報読取装置105におけるフォトセンサ107bを駆動させる。スキャナー処理を実行したらステップS1102に進み、スキャナー処理を実行した場合に、読込みエラーがあったか否かを判定する。読込みエラーとは、フォトセンサ107bにおける発光部112と受光部113とによる検出結果が正常でなかったことを意味する。演出カードCが設置されていないと検出された場合、又は演出カードCが設置されていると検出された場合、読込みエラーなしと判定する。詳細には、発光部112(各発光部112a,112b)及び受光部113(各受光部113a,113b)においていずれも遮蔽領域の検出がなかった場合に、いずれの演出カードCも設置されていないと判定する。また、第1発光部112a及び第1受光部113aによって種類透過部103aにて遮蔽領域が検出され、かつ、第2発光部112b及び第2受光部113bにて遮蔽領域が検出されなかった場合に演出カードCが設置されていると判定する。さらには、第1発光部112a及び第1受光部113aによって遮蔽領域が検出され、かつ、第2発光部112b及び第2受光部113bにて遮蔽領域が検出された場合に、演出カードCが正常に設置されていないとして、読込みエラーありと判定する。
ステップS1102にて読込みエラーありと判定した場合、ステップS1103〜ステップS1105のエラー報知処理を実行する。ステップS1103では、音声ランプ制御装置82のRAM123に設けられたエラーカウンタエリアの値を1加算する。その後、ステップS1104に進み、エラーカウンタエリアの値が3000より大きいか否かを判定する。エラーカウンタエリアの値が3000より大きかった場合、ステップS1105に進み、エラー報知コマンドをセットする。ステップS1104にてエラーカウンタエリアの値が3000以下であった場合、又は、ステップS1105にてエラー報知コマンドをセットした場合、本カード読込み処理を終了する。エラー報知コマンドとは、演出カードCが正常に設置されていないことを報知するためにセットするコマンドである。当該コマンドがセットされることによりスピーカ部64より演出カードCを設置しなおすことを促すメッセージが出力されるとともに、音声ランプ制御装置82による外部出力処理(音声ランプメイン処理におけるステップS1014)にて当該コマンドが表示制御装置120に出力されることにより、表示制御装置120は演出カードCが正常に読取れていないことを報知するよう図柄表示装置41を制御する。
ステップS1102にて読込みエラーなしと判定した場合、ステップS1106に進み、エラーカウンタエリアの値を0にクリアする。その後、ステップS1107にてエラー報知の実行中であるか否かを判定する。エラー報知の実行中である場合には、ステップS1108に進み、エラー解除コマンドをセットする。エラー解除コマンドがセットされたことに基づいて、スピーカ部64による演出カードCを設置しなおすことを促すメッセージの出力が停止される。また、音声ランプ制御装置82による外部出力処理にて当該コマンドが表示制御装置120に出力されることにより、表示制御装置120は演出カードCが正常に読み取れていないことの報知を停止するよう図柄表示装置41を制御する。
エラー報知コマンドがセットされる場合について詳細に説明する。エラー報知コマンドは、読込みエラーが3001回以上連続して発生した場合にセットされるものであり、一度でも情報読取装置105による情報の読取りが正常に行われた場合にはエラー報知を終了する。例えば、遊技者が演出カードCを設置している設置作業中には、フォトセンサ107bにおける検出が正常に行われない。仮に、一度の読込みエラーによりエラー報知を実行すると、その設置作業中毎にエラー報知が実行されてしまう。本パチンコ機10では、読込みエラーが3001回以上連続して発生した場合にのみエラー報知コマンドをセットすることにより、少なくとも3秒(カード読込み処理は1msecの周期にて実行される)より長い期間に亘り連続して読込みエラーが発生しなければエラー報知が実行されない。よって、演出カードCの設置作業毎にエラー報知が実行されることを抑制できる。
なお、エラー報知が実行されるために、読込みエラーが連続して発生する回数を変更してもよい。例えば、読込みエラーが1000回以上、2000回以上又は4000回以上連続して発生した場合(読込みエラーが1秒以上、2秒以上又は4秒以上の期間に亘り発生した場合)にエラー報知が実行されるようにしてもよい。すなわち、予め定められた期間に亘り、読込みエラーとなった場合にエラー報知が実行される。この場合、期間の計測にリアルタイムクロックを用いてもよい。
また、1回の読込みエラーによってエラー報知が実行されてもよい。但し、上述したように演出カードCの設置期間を考慮すれば、一定期間以上の読込みエラーの検出によりエラー報知を実行することが望ましい。
エラー報知の実行中でなかった場合、又は、エラー解除コマンドをセットした場合、ステップS1109〜ステップS1115の読込みデータ設定処理を実行する。ステップS1109では、演出カードCのデータがあったか否かを判定し、読込みデータがなかった場合、本カード読込み処理を終了する。
読込みデータがあった場合、ステップS1110に進み、複合データありか否かを判定する。第1演出カードC1及び第2演出カードC2のうち同じ種類の演出カードCが複数設置されることにより、複数の種類情報及び複数の度合情報が読込まれ、いずれの種類情報にいずれの度合情報が対応しているかを特定できない場合に複合データありと判定する。複合データありと判定した場合、ステップS1111に進み、読込みデータの複合処理を実行する。複合処理では、複数種検出された度合情報のうち実行度合いが大きいものを選択する。
ステップS1110及びステップS1111の処理について図8を用いて説明する。例えば、図8(e)に示すように、第1演出カードC1と第2演出カードC2とが1枚ずつ設置されている場合、すなわち、対応した演出が異なっている場合、重ねてそれらの演出カードCを設置したとしても、それぞれの演出カードCが設置されていることを読込むことが可能となる。このため、ステップS1110では、複合データなしと判定する。
しかしながら、同じ種類の演出カードCが複数枚設置されている場合、いずれの図柄情報にいずれの度合情報が対応しているかを特定できないことが考えられる。例えば、図8(f)に示すように、第1演出カードCが2枚設置されている状況において、情報の読取が実行された場合、「5」図柄と「7」図柄との第1演出に対応した第1演出カードC1が設置されていることが認識される。この場合、いずれの第1演出カードC1が度合いL3のものであり、いずれの第1演出カードC1が度合いL5のものであるかを特定することができない。この場合、ステップS1110にて、複合データありと判定し、「5」及び「7」図柄の第1演出が度合いL5にて実行される第1演出カードC1が設置されていると判定するようになっている。これにより、図柄情報と度合情報とがそれぞれ複数検出された場合に、いずれの図柄情報がいずれの度合情報に対応しているか特定できなくとも不具合が生じないようになっている。
ステップS1109にて読込みデータがなかった場合、ステップS1110にて複合データがなかった場合、又はステップS1111にて複合処理を実行した場合、ステップS1112に進みデータ比較処理を実行する。データ比較処理では、今回の読込みデータとそれまでに記憶されていた読込みデータとを比較する。データ比較処理を実行したらステップS1113に進み、比較データが一致したか否かを判定する。比較データが一致した場合には、演出カードCの取り替えがなかったものと判定し、本カード読込み処理を終了する。
一方、ステップS1113にて比較データが一致しなかった場合、演出カードCの置き替えがあったのものと判定し、ステップS1114に進み、音声ランプ制御装置82のRAM123に設けられたデータ変更フラグ格納エリアに演出カードCの置き替えがあったことを示すデータ変更フラグをセットする。その後、ステップS1115に進み、読込みデータ格納処理を実行する。
読込みデータ格納処理とは、読込んだデータを音声ランプ制御装置82のRAM123に設けられた読込みデータ格納エリア123aにセットする。読込みデータ格納処理では、検出された演出カードCに対して、第1演出カードC1又は第2演出カードC2であるかを示す種類情報、図柄情報、度合情報をそれぞれ記憶している。詳細には、読込みデータ格納エリア123aには一の演出カードCが設置されていることを記憶する領域として種類情報、図柄情報、度合情報を記憶する領域が、各情報に対応してそれぞれ設けられている。そして、その情報の組み合わせからいずれの演出カードCが設置されているかを特定可能となっている。
また、読込みデータ格納処理では、ステップS1111にて複合処理が行われていた場合も同様に、ステップS1110にて複合データありと判定した演出カードCに対して種類情報、図柄情報、度合情報をそれぞれ記憶するようになっている。詳細には、検出された複数の度合情報が第1演出カードC1、第2演出カードC2に対してそれぞれ1種類のみに特定されるため、その特定された1種類の度合情報を共通情報として記憶するようになっている。この結果、度合情報を記憶する領域は、各演出カードC1,C2に対してそれぞれ1種類ずつ記憶可能に設ければよく、度合情報を記憶する領域を小さくする効果を得ることが可能となる。
各演出カードC1,C2に対してそれぞれ、1種類の度合情報を記憶するエリアと、図柄情報を記憶する複数のエリアと、が設けられていてもよい。また、読込んだ第1及び第2演出情報のうち、データ比較処理にて一致しなかった情報があった演出情報に対応した情報を全てレジスタに記憶する。例えば、「1」図柄に対応した第1演出カードCが新たに検出された場合、その際に設置されている全ての第1演出カードCに対応した情報をレジスタに記憶するようになっている。
いずれかの演出カードCが設置された状態からその演出カードCが取り外された場合について説明すると、演出カードCが取り外されたため、ステップS1109にて読込みデータなしと判定する。続く、ステップS1112及びステップS1113のデータ比較処理及びその結果の判定では、それまでいずれかの演出カードCが設置されていたため、比較データは一致しないと判定する。この結果、ステップS1115の読込みデータ格納処理にていずれの演出カードCが設置されていないことを示す情報がセットされ(読込みデータ格納エリア123aのデータがクリアされ)、演出カードCの取り外しを反映することができるようになっている。
ステップS1113にて比較データが一致しなかった場合にのみ読込みデータ格納処理を実行することにより、情報読取装置105にて演出カードCの設置が検出され、さらに、演出カードCの取替が検出された場合にのみ読込みデータを書き替える読込みデータ格納処理を実行することとなり、必要以上に読込みデータ格納処理が実行されることを抑制し、カード読込み処理における処理負荷を軽減している。
なお、上述したステップS1112のデータ比較処理では、この読込みデータ格納エリア123aのデータと今回読込まれたデータとを比較している。読込みデータ格納処理を実行したら本カード読込み処理を終了する。
また、読込みデータ格納処理において、読込みデータ格納エリア123aに情報を記憶させる場合の記憶方法を変更してもよく、読込みデータ格納エリア123aに演出カードCに対応したフラグがセットされるようになっていてもよい。
カード読込み処理を実行したら、音声ランプメイン処理におけるステップS1005に進み、主制御装置81よりいずれかのコマンドを受信したか否かを判定する。コマンドを受信していた場合、ステップS1006に進み、受信したコマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判定する。
受信したコマンドが変動パターンコマンドでなかった場合、ステップS1007に進み、その受信したコマンドに基づいた処理を実行する。変動パターンコマンド以外のコマンドとして、例えば、払出エラーを報知する払出エラーコマンドや、前扉枠14が開放されていることを報知する前扉枠開放コマンド等が挙げられる。
ステップS1005にてコマンドを受信していなかった場合、ステップS1006にて変動パターンコマンドを受信していた場合、又は、ステップS1007にて受信したコマンドに基づいた処理を実行した場合、ステップS1008に進み変動表示態様決定処理を実行する。変動表示態様決定処理(詳細については後述する)を実行したら、ステップS1009に進み、現在の遊技状態が大当たり状態であるか否かを判定し、大当たり状態である場合にはステップS1010にて大当たり表示コマンドをセットする。大当たり表示コマンドがセットされ、当該コマンドが表示制御装置120に出力されることにより、表示制御装置120は大当たり状態にてラウンドが終了したこと等を把握することができる。
ステップS1009にて大当たり中(遊技状態が大当たり状態)でなかった場合、ステップS1011に進み、デモ開始処理を実行する。デモ開始処理について図26を用いて説明する。
ステップS1201では、図柄の変動表示の実行中であるか否かを判定する。変動表示の実行中である場合には、ステップS1202に進み、音声ランプ制御装置82のRAM123に設けられたデモカウンタエリアに30000をセットし、本デモ開始処理を終了する。デモカウンタエリアは、デモ画面表示を開始するか否かの判定に用いるものである。
ステップS1201にて変動表示の実行中でないと判定した場合、ステップS1203に進み、デモカウンタエリアの値を1ディクリメントする。デモカウンタエリアの値を1ディクリメントしたらステップS1204に進み、デモカウンタエリアの値が0か否かを判定する。デモカウンタエリアの値が0であると判定した場合、デモ画面表示コマンドをセットする。デモ画面表示コマンドが表示制御装置120に出力されることにより、図柄表示装置41にてデモ画面の表示が開始される。デモ画面とは、パチンコ機10の紹介やキャラクタの表示が実行されるものである。デモ画面では、パチンコ機10が遊技されていない場合を想定した画像表示が主に行われる。
デモカウンタエリアの値が0でなかった場合、デモ画面表示コマンドをセットした場合、ステップS1206に進み、デモカウンタエリアの値が0でなく、かつ25000より小さいか否かを判定する。ステップS1206にて否定判定した場合、本デモ開始処理を終了する。
ステップS1206にて肯定判定した場合、ステップS1207に進み、読込みデータ確認処理を実行する。読込みデータ確認処理とは、読込みデータ格納エリア123aのデータを確認し、いずれかの演出カードCが設置されているかを確認することである。その後、ステップS1208に進み、いずれかの演出カードCが設置されていることを示す読込みデータがあったか否かを判定する。読込みデータがなかった場合、本デモ開始処理を終了する。読込みデータがあった場合、ステップS1209に進み、データ表示コマンドをセットする。データ表示コマンドは、読込みデータ確認処理にていずれの演出カードCが検出されていたかの情報を示すコマンドであり、表示制御装置120に対して出力される。表示制御装置120は当該コマンドを受信することにより、設置されている演出カードCによってどのような演出が実行されるかを表示するよう図柄表示装置41を制御する。すなわち、表示制御装置120は、データ表示コマンドを受信した場合に、情報読取装置105に設置されている演出カードCの説明を表示するよう図柄表示装置41を制御する。
ステップS1206〜ステップS1209の処理が実行されることにより、図柄表示装置41にて設置されている演出カードCの説明が実行される。その説明を視認することによって設置されている演出カードCがどのようなものであるかを遊技者は理解することができる。また、デモ画面はデモカウンタエリアの値が0より大きくかつ25000より小さい場合に表示される。本デモ開始処理は、1msec周期にて実行されるため、変動表示の実行が終了され、5秒が経過してからデモ画面の表示が開始されるまでの期間において演出カードCの説明が実行される。
音声ランプメイン処理の説明に戻り、ステップS1010にて大当たり表示コマンドをセットした場合、又はステップS1011にてデモ開始処理を実行した場合、ステップS1012及びステップS1013に進み、スピーカ部制御処理及びランプ部制御処理を実行する。これらの処理が実行されることにより、各処理にてセットされたコマンドに基づいて表示ランプ部63及びスピーカ部64の表示態様が決定され、その決定された表示態様に基づいてランプ部63及びスピーカ部64を制御する。その後、ステップS1014に進み、外部出力処理を実行する。外部出力処理にてセットされた各コマンドが表示制御装置120に出力され、音声ランプ制御装置82と表示制御装置120とが同期した制御の実行が可能となる。
ステップS1001にて1msecが経過していないと判定した場合、又は、ステップS1014にて外部出力処理を実行した場合、ステップS1015に進み、乱数値更新処理を実行する。乱数値更新処理が実行されることにより、音声ランプ制御装置82のRAM123に記憶されている乱数が更新される。音声ランプ制御装置82は、この乱数値を用いて各種抽選を実行する。例えば、主制御装置81から変動パターンコマンドを受信した場合に、乱数値を用いることにより受信した変動パターンコマンドに対応した演出を異ならせることが可能となる。ステップS1001にて1msecが経過していないと判定した場合に乱数値更新処理を実行することにより、乱数値の更新に不規則性を持たせることができる。
音声ランプメイン処理における変動表示態様決定処理について図27を用いて説明する。
変動表示態様決定処理では、大別して変動パターンコマンドを受信した場合に実行されるステップS1302〜ステップS1306の第1変動表示態様決定処理としての変動表示態様初期決定処理と、ステップS1309の第2変動表示態様決定処理としての変動表示態様切替処理とがある。
ステップS1301では、変動パターンコマンドと当該変動パターンコマンドと合わせて出力される種別コマンドとを受信したか否かを判定する。上述したように、変動パターンコマンドを受信することにより、リーチ種別等の図柄変動表示態様(主に、リーチ、スーパーリーチ演出を行うか否か)及び第1特定ランプ部43に表示される色の切替表示時間を音声ランプ制御装置82にて把握することができる。第1特定ランプ部43の切替表示時間が1遊技回の期間に相当するものであり、切替表示時間に亘り図柄の変動表示が行われる。それらコマンドを受信していた場合、ステップS1302に進み、読込みデータ参照処理を実行する。読込みデータ参照処理とは、上述した読込みデータ格納エリア123aを参照していずれの演出カードCが設置されているかを認識することである。本パチンコ機10では設置されている演出カードCに基づいて変動表示態様を決定するようステップS1303〜1306の第1変動態様決定処理を実行する。
ステップS1302にて読込みデータ参照処理を実行したら、ステップS1303に進み、停止図柄決定処理を実行する。停止図柄決定処理について図28を用いて説明する。
ステップS1401にて大当たり抽選に当選していたか否かを判定する。大当たり抽選に当選していたか否かは、受信した種別コマンドによって判定する。大当たり抽選に当選していた場合、ステップS1402に進み、第1演出カードC1が設置されているかを判定する。詳細には、ステップS1402では、ステップS1302にて参照した情報から第1演出カードC1に対応した情報が記憶されていたか否かを判定するものであり、第1演出カードC1に対応した情報が記憶されていた場合に、第1演出カードC1が設置されていると判定する。以下、各演出カードC1,C2の設置の有無について上記方法をとるものとする。
ステップS1402にて第1演出カードC1が設置されていると判定した場合、ステップS1403に進み、停止図柄特定演出抽選処理を実行する。停止図柄特定演出抽選処理では、設置されている第1演出カードC1に対応した停止図柄とするか否かを抽選する。
停止図柄特定演出抽選処理について説明する。上述したように演出カードCにはその演出が実行される度合いを示す度合いL1〜L5が設定されている。度合いL1の場合に停止図柄特定演出抽選に当選する確率が30%となっており、度合いの数字が1大きくなるごとに当選する確率が10%高くなる。よって、度合いL5の場合には当選する確率が70%となっている。詳細には、音声ランプ制御装置82は、停止図柄特定演出抽選処理に用いるループカウンタを有しており、そのループカウンタから取得した値によって当選か否かを判定する。記憶されている演出カードCの度合情報によって参照されるテーブルが異なっており、度合いが1大きくなることに、当選する確率が10%高くなるテーブルが参照されるようになっている。具体的には、0〜99までの範囲内において更新の都度1加算されるループカウンタを用い、度合いL1の場合には取得した乱数が0〜29であった場合に当選となり、度合いL5の場合には取得した乱数が0〜69であった場合に当選とすればよい。なお、ループカウンタの更新は、音声ランプメイン処理におけるステップS1015の乱数値更新処理にて実行する。
ステップS1404にて停止図柄特定演出抽選に当選したか否かを判定する。停止図柄特定演出抽選に当選していた場合、ステップS1405に進み、特定大当たりに当選していたか否かを判定する。特定大当たりに当選していた場合、ステップS1406に進み、カード対応停止図柄決定処理を行う。このカード対応停止図柄決定処理にて第1演出カードC1に対応した図柄の組み合わせが最終停止するよう最終停止図柄が決定される。また、対応図柄が異なる複数種類の第1演出カードC1が設置されている場合、カード対応停止図柄決定処理にていずれの第1演出カードC1に対応した最終停止図柄とするかが決定される。すなわち、本実施形態では、複数の第1演出カードC1が設置されている場合、ステップS1403の停止図柄特定演出抽選に当選した後にいずれの第1演出カードC1に対応した最終停止図柄とするかが選択されるようになっている。
カード対応停止図柄決定処理について詳細に説明すると、複数の第1演出カードC1が設置されていた場合、いずれの第1演出カードC1に対応した最終停止図柄とするかの選択抽選が行われる。そして、その当選確率は、複数の第1演出カードC1に対して同じ確率となっている。パチンコ機10では、カード対応停止図柄決定処理を行う場合、音声ランプ制御装置82のRAM123に設けられたループカウンタから値を取得し、設置されている第1演出カードC1の種類に対応した選択テーブルを参照して、いずれの第1演出カードC1に対応した最終停止図柄とするかを決定する。そして、その選択テーブルの振分率が複数の第1演出カードC1に対してそれぞれ同等となっている。例えば、対応した図柄が異なる第1演出カードC1が2枚設置されている場合、いずれの演出カードC1が選択される確率はそれぞれ50%となっている。
なお、特定大当たりに当選していることを条件にカード対応停止図柄決定処理を行うことは、特定大当たりは奇数図柄の組み合わせが停止表示した場合に特定大当たりに移行するものであり、特定大当たりに当選していない場合、演出カードCに対応した図柄が設定されていないためである。そのため、停止図柄特定演出抽選処理に当選したとしても、特定大当たりに当選していなかった場合には、奇数図柄の組み合わせが停止表示しないようになっている。
また、カード対応停止図柄決定処理におけるいずれの第1演出カードC1に対応した最終停止図柄とするかの決定方法を変更してもよく、選択抽選に当選する確率が予め定められた図柄が高く設定されていてもよい。例えば、停止図柄特定抽選処理にて、複数の第1演出カードC1に対して予め定められた順番にそれぞれ停止図柄特定演出抽選を行い、いずれかの停止図柄特定演出抽選に当選した場合、その他の第1演出カードC1に対して停止図柄特定演出抽選を実行しないようにしてもよい。この場合、複数の第1演出カードCが設置されている場合、いずれかの停止図柄特定演出抽選に当選しやすくなるようにしてもよいし、複数の第1演出カードC1が設置されている場合、その設置されている枚数に応じて停止図柄特定演出抽選に用いる抽選テーブルが設定されており、設置されている第1演出カードC1の枚数によって停止図柄特定演出抽選処理に当選する合算確率が変わらないようにしてもよい。
また、複数の第1演出カードC1が設置されている場合、予め定められた順番にて第1演出カードC1に対応した最終停止図柄を決定するようにしてもよい。例えば、対応した最終停止図柄とする第1演出カードC1が選択される順番が、「1」→「3」→「5」→「7」→「9」→「1」図柄に対応したものの順になっているものが考えられる。すなわち、設置されている第1演出カードC1のうち、数字の小さい図柄に対応した第1演出カードC1から順番に選択されるようになっているものが考えられる。この場合、「1」図柄に対応した第1演出カードC1と、「3」図柄に対応した第1演出カードC1と、が設置されている状況においては、「1」図柄に対応した最終停止図柄となる遊技回が実行された後に実行される遊技回にて「3」図柄に対応した最終停止図柄が表示されることとなる。
ステップS1402にて第1演出カードC1ありと判定しなかった場合、ステップS1404にて停止図柄特定演出抽選に当選していなかった場合、又はステップS1405にて特定大当たりに当選していると判定しなかった場合、ステップS1407に進み、大当たり用停止図柄決定処理を実行する。大当たり用停止図柄決定処理とは、大当たり抽選に当選しており、図柄の変動表示が終了する場合に同じ数字の組み合わせが最終停止するよう停止表示図柄を決定するものである。上述したように奇数図柄は特定大当たりに対応しているため、特定大当たりに当選していた場合には奇数図柄の組み合わせが選択され、非特定大当たりに当選していた場合には偶数図柄の組み合わせが選択されるようになっている。
各停止図柄決定処理を実行したらステップS1408に進み、決定した図柄に対応した停止図柄コマンドをセットして本停止図柄決定処理を終了する。停止図柄コマンドは、表示制御装置120に出力されるコマンドである。表示制御装置120は、そのコマンドを受信することによって、図柄の変動表示が終了する場合に各停止図柄決定処理にて決定された停止図柄を表示するよう図柄表示装置41を制御する。
一方、ステップS1401にて大当たり抽選に当選していなかった場合、ステップS1409に進む。ステップS1409〜ステップS1411の処理はステップS1402〜ステップS1404の処理と同様のため説明を省略する。
ステップS1411にて停止図柄特定演出抽選に当選したと判定した場合、ステップS1412に進み、カード対応停止図柄決定処理を実行する。このカード対応停止図柄決定処理では、その変動表示にてリーチが発生する場合には第1演出カードC1に対応した図柄にてリーチラインができるよう停止図柄を決定し、その変動表示にてリーチが発生しない場合にはいずれの図柄でもリーチラインができないように且つ対応図柄が各図柄列Z1〜Z3に表示された状態にて停止表示されるよう停止図柄を決定する。
ステップS1409にて第1演出カードC1ありと判定しなかった場合又はステップS1411にて停止図柄特定演出抽選に当選しなかった場合、ステップS1413に進み、ハズレ用停止図柄決定処理を実行する。ハズレ用停止図柄決定処理とは、大当たり抽選に当選していない場合の最終停止図柄を決定するものであり、リーチが発生する変動表示ではリーチラインが発生するように、リーチが発生しない変動表示ではリーチラインが発生しないように停止図柄を決定する。
ステップS1412、ステップS1413にて停止図柄を決定したらステップS1408に進み、決定した停止図柄に対応した停止図柄コマンドをセットして本停止図柄決定処理を終了する。
停止図柄決定処理が終了したら変動表示態様決定処理におけるステップS1304に進み、スベリ演出決定処理を実行する。このスベリ演出決定処理について図29を用いて説明する。
ステップS1501にて第1演出カードC1が設置されているか否かを判定する。第1演出カードC1が設置されていると判定した場合、ステップS1502にて停止図柄はカード対応図柄か否かを判定する。複数の第1演出カードC1が設置されている場合、いずれかの第1演出カードC1の図柄情報に対応した図柄が上図柄列Z1に停止するか否かを判定する。すなわち、停止図柄決定処理にて決定された(セットされたコマンドに対応した)停止図柄が設置されている第1演出カードC1の図柄情報に対応したものであるか(複数の第1演出カードC1が設置されている場合においては、いずれかの第1演出カードC1の図柄情報に対応してものであるか)否かを判定する。
ステップS1502にてカード対応図柄であった場合、ステップS1503に進み、第1図柄スベリ特定演出抽選処理を実行する。第1図柄スベリ特定演出抽選処理とは、上図柄列Z1(以下、上図柄列Z1のことを第1図柄列ともいう)に対応図柄が停止する場合に、スベリ演出を実行するか否かを抽選する処理である。
なお、第1図柄スベリ特定演出抽選処理に当選する確率は、上述した停止図柄特定演出抽選処理に当選する確率と同様となっている(第1図柄スベリ特定演出抽選に当選する確率は30%〜70%となる)。その抽選方法については、上述した停止図柄特定演出抽選処理と同様となっている。
一方、ステップS1501にて第1演出カードC1が設置されていると判定しなかった場合、又はステップS1502にて停止図柄がカード対応図柄であると判定しなかった場合、ステップS1505に進み、第1図柄スベリ演出抽選処理を実行する。第1図柄スベリ演出抽選処理とは、第1図柄列に対応図柄が停止する場合にスベリ演出を実行するか否かを抽選する処理である。
なお、第1図柄スベリ演出抽選に当選する確率は、リーチが発生する場合で15%、リーチが発生しない場合には5%、と第1図柄スベリ特定演出抽選に当選する確率よりも低くなっている(上述したように、特定演出抽選に当選する確率は少なくとも30%である)。詳細には、その他の特定抽選と同様、第1図柄スベリ演出抽選に用いる抽選テーブルが設定されており、その抽選テーブルにおける当選となる範囲が、第1図柄スベリ特定演出を実行する場合に参照される抽選テーブルにおける当選となる範囲よりも狭くなっている。なお、その抽選の実行に際して使用するループカウンタはその他の特定演出抽選処理と同様のものを用いている。
第1図柄スベリ特定演出抽選又は第1図柄スベリ演出抽選に当選していた場合、ステップS1507に進み、対応した第1図柄スベリ演出コマンドをセットする。第1図柄スベリ演出コマンドは、表示制御装置120に出力されるコマンドである。表示制御装置120は、そのコマンドを受信した場合に、第1図柄スベリ演出を実行するよう図柄表示装置41を制御する。第1図柄スベリ演出コマンドをセットした場合、又は、各スベリ演出抽選に当選していなかった場合、ステップS1508〜ステップS1514に進み、下図柄列Z3(以下、下図柄列Z3のことを第2図柄列ともいう)についてスベリ演出を実行するか否かの抽選を行う。ステップS1508〜ステップS1514についてはステップS1501〜ステップS1507と同様のものを第2図柄列に対して行うものであるため、説明を省略する。本スベリ演出決定処理を実行することにより、第1演出カードC1が設置されており、停止図柄がその第1演出カードC1に対応したものである場合には、スベリ演出が実行される確率を高くすることができる。
スベリ演出決定処理を実行したら変動表示態様決定処理におけるステップS1305に進み、リーチ演出決定処理を実行する。リーチ演出決定処理について図30を用いて説明する。リーチ演出決定処理は、大別してステップS1601〜ステップS1608のリーチとなったタイミングの演出を決定するリーチ開始演出決定処理と、ステップS1609〜ステップS1615のスーパーリーチ演出決定処理と、がある。
ステップS1601では、今回の遊技回がリーチを発生させる遊技回であるか否かを判定する。リーチを発生させる遊技回でなかった場合、本リーチ演出決定処理を終了する。
リーチ発生遊技回であった場合、ステップS1602に進み、第2演出カードC2が設置されているか否かを判定する。第2演出カードC2が設置されていた場合には、ステップS1603に進み、リーチ開始特定演出抽選処理を実行する。リーチ開始特定演出抽選処理とは、設置されている第2演出カードC2に対応したリーチ開始特定演出を実行するか否かを抽選することである。
リーチ開始特定演出抽選に当選していた場合、ステップS1605に進み、リーチ開始特定演出決定処理にて実行するリーチ開始特定演出を決定するとともに、その決定処理にて決定した図柄に対応したリーチ開始特定演出コマンドをセットする。リーチ開始特定演出決定処理にて、例えば、対応図柄が異なる複数種類の第2演出カードC2が設置されていた場合にいずれの第2演出カードC2に対応したリーチ開始演出を実行するかを決定する。また、例えば、「1」図柄に対応したリーチ開始特定演出用のコマンドがセットされた場合、各図柄列Z1〜Z3にて変動表示されている図柄とは別に「タコ」を模した図柄が大量に図柄表示装置41にて表示されるようになっている。リーチ開始演出決定処理は、上述したカード対応停止図柄決定処理と同様の方法を第2演出カードC2にて行うのみであるため説明を省略する。
また、リーチ開始特定演出抽選に当選する確率は、上述した停止図柄特定演出抽選処理に当選する確率と同様となっている。これにより、度合いL1の第2演出カードC2が設置されている場合にリーチ開始特定演出抽選に当選する確率は30%、度合いL5の第2演出カードC2が設置されている場合にリーチ開始特定演出抽選処理に当選する確率は70%となる。その抽選方法については、上述した停止図柄特定演出抽選処理と同様となっているため、説明を省略する。
ステップS1602にて第2演出カードC2が設置されていると判定しなかった場合、又はステップS1604にてリーチ開始特定演出抽選に当選しなかった場合、ステップS1606に進み、リーチ開始演出抽選処理を実行する。リーチ開始演出抽選処理とは、リーチとなったタイミングにてリーチ開始演出を実行するか否かを決定するものであり、リーチ開始演出抽選に当選した場合、図柄表示装置41に泡を模した図柄が大量に表示されたり、魚を模した図柄が大量に表示されたりする。
なお、リーチ開始演出抽選に当選する確率は、スーパーリーチが発生する場合には100%当選するようになっている。スーパーリーチが発生する場合には魚を模した図柄が大量に表示される確率が高くなっている。そして、その当選確率は、第2演出カードC2が設置されている場合よりも低くなっている。その抽選方法は、第1図柄スベリ演出抽選と同様、リーチ開始演出抽選用のテーブルを参照する点が異なるのみにてその他の抽選方法と同様であるため説明を省略する。
ステップS1606にて、リーチ開始演出抽選処理を実行したらステップS1607に進み、リーチ開始演出抽選処理に当選していたか否かを判定する。当選していた場合には、ステップS1608に進み、対応したリーチ開始演出コマンドをセットする。リーチ開始演出コマンドは、表示制御装置120に出力されるコマンドである。表示制御装置120は、そのコマンドを受信した場合、リーチとなったタイミングにてリーチ開始演出を実行するよう図柄表示装置41を制御する。
ステップS1607にてリーチ開始演出抽選に当選しなかった場合、ステップS1605、ステップS1608にて各演出コマンドをセットした場合、ステップS1609に進む。ステップS1609では、今回の遊技回がスーパーリーチ演出を発生させる遊技回であるか否かを判定する。スーパーリーチ演出を発生させる遊技回でなかった場合、本リーチ演出決定処理を終了する。
スーパーリーチ演出を発生させる遊技回であった場合、ステップS1610に進み、第2演出カードC2が設置されているか否かを判定する。第2演出カードC2が設置されていた場合には、ステップS1611に進み、スーパーリーチ特定演出抽選処理を実行する。スーパーリーチ特定演出抽選処理では、設置されている第2演出カードC2に対応したスーパーリーチ特定演出を実行するか否かを抽選する。続くステップS1612では、スーパーリーチ特定演出抽選処理に当選していたか否かを判定する。
スーパーリーチ特定演出抽選に当選していた場合、ステップS1613に進み、スーパーリーチ特定演出決定処理にて実行するスーパーリーチ特定演出を決定するとともに、その決定処理にて決定した図柄に対応したスーパーリーチ特定演出コマンドをセットする。スーパーリーチ特定演出決定処理は、リーチ開始特定演出決定処理と同様の方法を用いているため、説明を省略する。スーパーリーチ特定演出決定処理にて、例えば、対応図柄異なる複数種類の第2演出カードC2が設置されていた場合にいずれの第2演出カードCに対応したスーパーリーチ特定演出を実行するかを決定する。例えば、「1」図柄に対応したリーチ開始特定演出が実行される場合、各図柄列Z1〜Z3にて変動表示されている図柄とは別に巨大な「タコ」を模した図柄が表示され、その図柄が同じ数字の組み合わせを揃えようとすることとなる。
なお、スーパーリーチ特定演出抽選に当選する確率は、上述した停止図柄特定演出抽選処理に当選する確率と同様となっている。これにより、度合いL1の第2演出カードC2が設置されている場合にリーチ開始特定演出抽選に当選する確率は30%、度合いL5の第2演出カードC2が設置されている場合にスーパーリーチ特定演出抽選処理に当選する確率は70%となる。その抽選方法については、上述した停止図柄特定演出抽選処理と同様となっているため、説明を省略する。
ステップS1610にて第2演出カードC2が設置されていると判定しなかった場合、又はステップS1612にてスーパーリーチ特定演出抽選に当選しなかった場合、ステップS1614に進み、スーパーリーチ演出選択処理を実行する。スーパーリーチ演出選択処理では、いずれのスーパーリーチを発生させるかを選択する。スーパーリーチ演出選択処理にて、例えば、「女の子」を模した図柄が表示されたり、「うず潮」を模した図柄が表示されたりする。そしてその表示された図柄が同じ数字の組み合わせを揃えようとする。ステップS1614にて、スーパーリーチ演出選択処理を実行したらステップS1615に進み、対応したスーパーリーチ演出コマンドをセットする。ステップS1615の処理を実行したら本リーチ演出決定処理を終了する。
本リーチ演出決定処理では、第2演出カードC2が設置されていた場合、リーチ開始特定演出抽選を実行し、その特定演出抽選に当選しなかった場合に、リーチ開始演出抽選を実行する。また、第2演出カードC2が設置されていた場合、スーパーリーチ特定演出抽選処理を実行し、その特定演出抽選に当選しなかった場合にスーパーリーチ演出抽選を実行する。すなわち、特定演出抽選に当選しなかった場合、特定演出ではない通常演出の抽選を行っている。特定演出抽選を優先的に行うことによって特定演出抽選が実行される頻度を高めることができる。特に、特定演出抽選に当選する確率は設置されている第2演出カードC2(設置されている第2演出カードCの度合い)にて変更することが可能であり、特定演出が実行される頻度を遊技者が調整することができる。
変動表示態様決定処理の説明に戻り、ステップS1305にてリーチ演出決定処理を実行したら、ステップS1306に進み、表示内容選択処理を実行する。表示内容選択処理では、ステップS1303〜ステップS1305にてセットされたコマンドの組み合わせから変動期間に対応した表示内容を選択する。本実施形態では、一の遊技回の期間は主制御装置81にて決定されているものであり、演出カードCの設置の有無や特定演出抽選に当選したか否かによって一の遊技回の期間が変更されないようになっている。
詳細には、主制御装置81から受信した変動パターンコマンド(情報)と、ステップS1303〜ステップS1305にてセットされたコマンド(情報)と、の組み合わせからリーチを発生させるタイミングや、演出(リーチ開始演出、スーパーリーチ演出)を行う期間が一義的に決定されるようになっている。表示内容選択処理では、ステップS1303〜ステップS1305にてセットされたコマンドと受信した変動パターンコマンドに対応したテーブルとを照らし合わせ、具体的な変動表示の内容を決定する処理を実行するようになっている。すなわち、各情報の組み合わせによって、変動表示の開始から終了までの一連の表示内容を決定するようになっている。また、表示内容選択処理が実行された場合に、その遊技回における開始から終了までの期間を計測するカウンタにその遊技回の期間に対応した値がセットされる。音声ランプ制御装置82では、このカウンタを用いて現在、変動表示の実行中であるか否かや、変動表示の表示内容がいずれのものであるかを特定するようになっている。
また、変動パターンコマンドは、音声ランプ制御装置82からそのまま表示制御装置120にも送信されるようになっており、表示制御装置120においても音声ランプ制御装置82における変動表示態様決定処理におけるステップS1303〜1305にて決定されたコマンドと、変動パターンコマンドから表示内容を一義的に選択するようになっている。
上記構成であることにより、主制御装置81にて決定された一遊技回の期間を変更することなく、遊技者に設置される演出カードCに基づいて実行される演出を決定することができる。すなわち、演出カードCの設置の有無によって、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とが同期できなくなることを抑制できる。また、演出カードCの設置の有無によって一遊技回の期間の決定(主制御装置81における期間の決定)に影響を及ぼさないようになっている。補足すると、演出カードCの設置の有無によって決定される一遊技回の期間が変わる場合、演出カードCの設置の有無によって一遊技回の期間が短くなったり、長くなったりしてしまい、単位期間あたりに表示される遊技回数が大きく変わってしまうことが考えられる。演出カードCの設置によって一遊技回の期間の決定に影響を及ぼさないことは、演出カードCの設置の有無によって単位期間あたりに実行される遊技回数に影響を及ぼさないようにするための工夫である。
変動表示態様決定処理の説明に戻り、ステップS1301にて変動パターンコマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS1307にてデータ変更フラグがセットされているか否かを判定する。データ変更フラグがセットされていなかった場合、本変動表示態様決定処理を終了する。
一方、データ変更フラグありと判定した場合、ステップS1308に進み、図柄の変動表示の実行中であるか否かを判定する。変動表示の実行中であった場合、ステップS1309に進み、変動表示態様切替処理を実行する。ステップS1308にて変動表示の実行中と判定しなかった場合、又は、ステップS1309にて変動表示態様切替処理を実行したらステップS1310に進み、データ変更フラグ格納エリアをクリアする処理を実行して本変動表示態様決定処理を終了する。
ここで、変動表示態様切替処理について図31を用いて説明する。上述したように、データ変更フラグとは、演出カードCが設置された場合にセットされるフラグである。演出カードCの設置は遊技者によって任意のタイミングで行われるため、図柄の変動表示中に行われることがある。変動表示態様切替処理とは、図柄の変動表示が行われているタイミングにて演出カードCが設置された場合に、実行されている変動表示にその演出カードCの設置を反映するための処理である。そのため、実行中の変動表示がどの状態かを判定し、その判定結果によって実行される処理が異なっている。
なお、詳細な説明は省略するが、実行中の変動表示の状態は、変動表示が開始されてから終了するまでの期間を計る音声用期間カウンタがRAM123に設けられており、音声ランプ制御装置82は当該カウンタの値によって変動表示の表示内容を把握するようになっている(変動表示が開始されてからの期間に基づいて把握される)。
変動表示態様切替処理は図31に示すように、ステップS1701にて上図柄列変動切替可能タイミングか否かを判定する。本実施形態では、図柄の変動表示は低識別表示態様としての高速変動表示が行われた後に、高識別表示態様の一部として低速変動表示が行われた後に図柄が停止表示されるようになっている。また、上述したスベリ演出とは高識別表示態様として実行されるようになっている。上図柄列変動切替可能タイミングか否かを判定することは、上図柄列Z1(第1図柄列)の高速変動が終了する所定タイミング前(本実施形態では、1秒)であるか否かを判定することである。上図柄列Z1が高速変動中である場合には、ステップS1702に進み、第1図柄高速変動時切替処理を実行する。
この第1図柄高速変動時切替処理について図32を用いて説明する。第1図柄高速変動時切替処理では、ステップS1801〜ステップS1803にて上述した停止図柄決定処理、スベリ演出決定処理及びリーチ演出決定処理を実行する。すなわち、上図柄列Z1が高速変動が終了する所定タイミング前(本実施形態では、1秒前)に演出カードCが設置された場合、全ての演出を再度決定し直すことが可能となっている。ステップS1801〜ステップS1803の処理の実行の後には、ステップS1804に進み、ステップS1801〜ステップS1803にてセットしたコマンド(停止図柄コマンド等)をそれぞれ切替コマンドに変換する。これにより、ステップS1801〜ステップS1803にてセットされたコマンドが変動表示態様を切替えるためのコマンドであることを表示制御装置120にて把握できるようになっている。切替コマンドに変換したら本第1図柄高速変動時切替処理を終了する。
変動表示態様切替処理におけるステップS1701にて上図柄列変動切替可能タイミングではなかった場合、ステップS1703に進み、下図柄列切替可能タイミングか否かを判定する。下図柄列切替可能タイミングか否かとは、ステップS1701における判定と同様の判定を下図柄列Z3に対して実行するものである。下図柄列切替可能タイミングと判定した場合、ステップS1704に進み、第2図柄高速変動時切替処理を実行する。
この第2図柄高速変動時切替処理について図33を用いて説明する。ステップS1901では、第1演出カードC1の切替ありか否かを判定する。なお、ステップS1901の切替ありか否かは、ステップS1115にて記憶されたレジスタの情報を参照して判定する。例えば、レジスタに第1演出カードC1の情報が記憶されていた場合、第1演出カードC1の切替ありと判定する。以下、第2演出カードC2についても切替ありか否かの判定は同様に行う。
第1演出カードC1の切替が行われていた場合、ステップS1902に進み、第2停止図柄と対応図柄(図柄情報)とが一致しているか否かを判定する。第2停止図柄と対応図柄が一致しているか否かは、下図柄列Z3(第2図柄列)が停止した場合に、設置されている第1演出カードC1に対応した図柄が停止するか否かによって判定する。第2停止図柄と対応図柄が一致しなかった場合、ステップS1903に進み、上図柄列Z1にその第1演出カードC1に対応した図柄が停止しているか否かを判定する。ステップS1902及びステップS1903の処理について補足すると、複数の第1演出カードC1が設置されている場合、ステップS1902ではそれぞれの対応図柄に対して第2停止図柄と一致するか否かを判定する。そして、ステップS1903では、設置されている第1演出カードC1に対して、上図柄列Z1にその図柄情報が対応しているか否かをそれぞれ判定する。
第1演出カードC1に対応した図柄が停止していた場合、ステップS1904に進み、大当たり抽選に当選しているか否かを判定する。大当たり抽選に当選していた場合、特定大当たりに当選しているか否かを判定する。ステップS1905にて特定大当たりに当選していた場合、又は、ステップS1904にて大当たり抽選に当選していなかった場合、ステップS1906に進み、停止図柄切替抽選処理を実行する。停止図柄切替抽選処理では、中,下図柄列Z2,Z3に停止させる停止図柄を変更するか否かの抽選を行う。停止図柄切替抽選処理を実行したらステップS1907に進み、停止図柄切替抽選に当選していたか否かを判定する。停止図柄切替抽選に当選していた場合、ステップS1908に進み、停止図柄抽選にて決定された停止図柄切替コマンドをセットする。停止図柄切替コマンドは、表示制御装置120に対して出力され、表示制御装置120は当該コマンドを受信することによって中,下図柄列Z2,Z3に停止する図柄を切替えることとなる。
また、停止図柄切替コマンドは、ステップS1303〜ステップS1305にてセットされたコマンドと同様、変動パターンコマンドと一義的に対応付けられている。そして、リーチが発生する遊技回では、対応した図柄にてリーチが発生するように、リーチが発生しない遊技回においては、リーチが発生しない図柄の組み合わせが停止するようになっている。この結果、停止図柄切替コマンドがセットされた場合に、リーチが発生しない遊技回においてリーチとなる図柄の組み合わせが停止したり、リーチとなる遊技回においてリーチとなる図柄の組み合わせが停止しなくなったりすることを防止している。
なお、停止図柄切替抽選に当選する確率及び抽選方法は、上述した停止図柄特定演出抽選に当選する確率及び抽選方法と同様になっている。すなわち、設置された第1演出カードC1の度合いによって停止図柄切替抽選処理に当選する確率は30%〜70%に設定されている。
ステップS1902にて第2停止図柄と対応図柄とが一致していた場合、ステップS1903にて上図柄列Z1に対応図柄がなかった場合、ステップS1905にて特定大当たりに当選していなかった場合、ステップS1907にて停止図柄切替抽選に当選しなかった場合、又はステップS1908にて停止図柄切替コマンドをセットした場合、ステップS1909に進み、ステップS1909〜ステップS1913のスベリ演出切替処理を実行する。
本第2図柄高速変動時切替処理では、下図柄列Z3に対応図柄が停止する場合、上図柄列Z1に対応図柄が停止していなかった場合、及び、大当たり抽選に当選しており且つ特定大当たりに当選していなかった場合(すなわち、非特定大当たりに当選している場合)、停止図柄切替抽選処理を実行しない。下図柄列Z3に対応図柄が停止する場合に停止図柄切替抽選処理を実行しないのは、下図柄列Z3に対応図柄が停止する場合、停止図柄を切替える必要がないからである。上図柄列Z1に対応図柄が停止していなかった場合に停止図柄切替抽選処理を実行しないのは、上図柄列Z1に対応図柄が停止していなかった場合、停止図柄決定処理にて停止図柄特定演出抽選に当選した場合と同様の停止図柄を決定できないからである。大当たり抽選に当選しており且つ特定大当たりに当選していなかった場合に停止図柄切替抽選処理を実行しないのは、非特定大当たりに当選している場合、偶数図柄の組み合わせが最終的に停止することとなり、奇数図柄の組み合わせに停止図柄を切替えることができないからである。
ステップS1909では第2停止図柄はカード対応図柄か否かを判定する。第2停止図柄がカード対応図柄か否かは、設置されている第1演出カードC1に対応した図柄が下図柄列Z3に停止するか否かによって判定する。下図柄列Z3の停止図柄がカード対応図柄である場合、ステップS1910に進み、今回の遊技回にて第2スベリ演出が実行されるか否かを判定する。第2図柄スベリ演出が実行されない遊技回であった場合、ステップS1911に進み、第2図柄スベリ特定演出抽選処理を実行する。第2図柄スベリ特定演出抽選を実行したらステップS1912に進み、その第2図柄スベリ特定演出抽選に当選したか否かを判定する。第2図柄スベリ特定演出抽選に当選していた場合、ステップS1913に進み、第2図柄スベリ特定演出切替コマンドをセットする。当該コマンドがセットされ、そのコマンドを表示制御装置120が受信することにより、その遊技回にてスベリ演出が実行されることとなる。
なお、ステップS1911の第2図柄スベリ特定演出抽選処理の当選確率及び抽選方法は、上述した第1図柄スベリ特定演出抽選処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS1901にて第1演出カードC1の切替なしと判定した場合、ステップS1909にて下図柄列Z3に停止する図柄が第1演出カードC1に対応した図柄でなかった場合、ステップS1910にてその遊技回にて第2図柄スベリ演出が実行されると判定した場合、ステップS1912にて第2図柄スベリ特定演出抽選に当選しなかった場合、又は、ステップS1913にて第2図柄スベリ特定演出切替コマンドをセットした場合、ステップS1914に進む。
ステップS1914では、今回の遊技回がリーチを発生させる遊技回であるか否かを判定する。この判定には、受信していた変動パターンコマンドの情報を用いる。リーチを発生させる遊技回であった場合には、ステップS1915に進み、第2演出カードC2の切替ありか否かを判定する。
ステップS1915にて第2演出カードC2の切替ありと判定した場合、ステップS1916に進み、リーチ開始特定演出抽選処理を実行する。リーチ開始特定演出抽選処理を実行したらステップS1917に進み、リーチ開始特定演出抽選に当選していたか否かを判定する。リーチ開始特定演出抽選に当選していた場合、ステップS1918に進み、リーチ開始特定演出決定処理にて実行するリーチ開始特定演出を決定するとともに、その決定処理にて決定した図柄に対応したリーチ開始特定演出切替コマンドをセットする。リーチ開始特定演出切替コマンドとは、変動表示態様切替処理にてリーチ開始特定演出抽選に当選したことを示すためにセットされるコマンドである。当該コマンドは表示制御装置120に対して出力されるものであり、表示制御装置120は当該コマンドを受信することによって実行するリーチ開始演出を切替える。当該コマンドを受信しなかった場合、変動表示態様決定処理にて当初より決定されていたとおり、リーチ開始演出を実行する(リーチ開始演出を実行しないと決定されていた場合リーチ開始演出を実行しない)。なお、本リーチ開始特定演出決定処理は、リーチ演出決定処理のステップS1605にて説明したリーチ開始特定演出抽選処理と同様のものであるため、説明を省略する。
ステップS1917にてリーチ開始特定演出抽選に当選しなかった場合、ステップS1918にてリーチ開始特定演出切替コマンドがセットされた場合、ステップS1919に進み、スーパーリーチ演出を発生させる遊技回か否かを判定する。この判定もリーチを発生させる遊技回か否かの判定と同様受信していた変動パターンコマンドを参照するようになっている。
スーパーリーチ演出を発生させる遊技回であった場合、ステップS1920に進み、スーパーリーチ特定演出抽選処理を実行する。スーパーリーチ特定演出抽選処理を実行したらステップS1921に進み、スーパーリーチ特定演出抽選に当選していたか否かを判定する。スーパーリーチ特定演出抽選に当選していた場合、ステップS1922に進み、スーパーリーチ特定演出決定処理にて実行するスーパーリーチ特定演出を決定するとともに、その決定処理にて決定した図柄に対応したスーパーリーチ特定演出切替コマンドをセットする。スーパーリーチ特定演出切替コマンドとは、変動表示態様切替処理にてスーパーリーチ特定演出抽選に当選したことを示すコマンドである。当該コマンドが表示制御装置120に対して出力され、表示制御装置120は当該コマンドを受信することによって実行するスーパーリーチ演出を切替える。当該コマンドを受信しなかった場合、変動表示態様決定処理にて当初より決定されていたとおり、スーパーリーチ演出を実行する。なお、本スーパーリーチ特定演出決定処理は、リーチ演出決定処理のステップS1613にて説明したスーパーリーチ特定演出決定処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS1914にてリーチを発生させる遊技回と判定しなかった場合、ステップS1915にて第2演出カードC2が切替えられていなかった場合、ステップS1919にてスーパーリーチ演出を発生させる遊技回と判定しなかった場合、ステップS1921にてスーパーリーチ特定演出抽選に当選しなかった場合、ステップS1922にてスーパーリーチ特定演出切替コマンドをセットした場合、本第2図柄高速変動時切替処理を終了する。
変動表示態様切替処理におけるステップS1703にて下図柄列高速変動中と判定しなかった場合、ステップS1705に進み、リーチ演出切替可能タイミングか否かを判定する。リーチ演出切替可能タイミングか否かの判定では、リーチ開始演出が実行されているか否かを判定する。リーチ開始演出が実行されていないと判定した場合、ステップS1706に進み、スーパーリーチ演出切替処理を実行する。スーパーリーチ演出切替処理は、上述した第2図柄高速変動時切替処理におけるステップS1914〜ステップS1922の処理と同様のため、説明を省略する。
次に、各切替コマンドを受信した場合に表示制御装置120にて実行される表示切替処理について図34を用いて説明する。本処理が実行されることにより図柄表示装置41にて表示される変動表示内容が切替えられる。各切替コマンドを受信した場合には、ステップS2005、ステップS2007、ステップS2009、ステップS2011の表示内容切替処理が実行されるようになっている。
ステップS2001では、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。表示制御装置120は、変動パターンコマンドを受信した場合にその変動パターンコマンドに対応した変動期間を計測するための表示用期間カウンタを有している。変動表示が実行されているか否かは、そのカウンタを参照することによって行う。変動表示が実行されていない場合には、本表示切替処理を終了する。
変動表示の実行中であった場合には、ステップS2002に進み、停止図柄切替コマンドを受信していたか否かを判定する。停止図柄切替コマンドを受信していた場合にはステップS2003に進み、スベリ演出切替コマンドを受信していたか否かを判定する。スベリ演出切替コマンドを受信していた場合、ステップS2004に進み、スベリ演出切替処理を実行する。ステップS2003にてスベリ演出切替コマンドを受信していなかった場合、ステップS2004にてスベリ演出切替処理を実行した場合、ステップS2005に進み、停止図柄切替処理を実行する。その後にステップS2008に進む。
また、ステップS2002にて停止図柄切替コマンドを受信していなかった場合、ステップS2006に進み、スベリ演出切替コマンドを受信していたか否かを判定する。スベリ演出切替コマンドを受信していた場合、ステップS2007に進み、スベリ演出切替処理を実行する。その後にステップS2008に進む。
本実施形態では、切り替えられる前の変動表示態様に対応して切り替えられた後の変動表示態様の内容が表示制御装置120のROMに記憶されている。図柄表示装置41にて表示される表示内容は、変動表示態様決定処理におけるステップS1303〜ステップS1306の処理で決定された内容が表示制御装置120のRAMの表示内容記憶エリアに各々記憶される。表示制御装置120における切替処理では、その表示内容記憶エリアに記憶されている情報を、切替コマンドを受信したことに基づいて変更する。切替前の情報に対応した切替後の表示態様の内容は、その表示時間が同一となるように設定されているこれは、切替処理を行ったために、主制御装置81にて決定された遊技回の期間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示と、にずれが生じることを抑制するための工夫である。さらに本実施形態では、リーチが発生する遊技回において切替処理が行われたとしても、リーチの発生前とリーチの発生後とにおける変動表示の期間がそれぞれ変更されないようになっている。
表示内容エリアの情報の変更について説明すると、表示制御装置120のRAMの表示内容記憶エリアには、各図柄列に対応して停止図柄を記憶する第1〜第3停止図柄用記憶エリア、スベリ演出用記憶エリアが設けられている。受信した変動パターンコマンドと、停止図柄用記憶エリア及びスベリ演出用記憶エリアに記憶されている情報と、の組み合わせによって、図柄の低識別表示態様から図柄の高識別表示態様に切替わるタイミングと、図柄の高識別表示態様(低速変動表示及びスベリ演出)となってからその図柄が停止するまでにおける変動態様と、が決定されるようになっている。音声ランプ制御装置82における変動表示態様切替処理におけるステップS1701及びステップS1703にて各図柄列切替可能タイミングか否かとして図柄の高速変動表示が終了する所定タイミング(本実施形態では1秒)以上前であるかを判定することは、スベリ演出を行う場合に、高速変動表示を終了するタイミングを変更するための工夫である。音声ランプ制御装置82から切替コマンドを受信した場合には、そのコマンドに対応した記憶エリアの情報を変更するようになっている。
上記構成であることにより、停止図柄切替処理又はスベリ演出切替処理が行われた場合、対応した図柄列における高速変動表示が低速変動表示に切替わるタイミングにて切替後の表示内容に図柄表示装置41の表示内容が変更されるようになっている。上述したように図柄が高速にて変動表示されている場合には、いずれの図柄が表示されているかを遊技者が認識することが困難となっており、高速変動表示が終了した後の表示態様を変更したとしても遊技者の違和感がないようになっている。
なお、停止図柄切替処理又はスベリ演出切替処理が行われた場合、図柄の高速変動表示の表示態様を変更してもよい。この場合、受信した停止図柄コマンド及びスベリ演出コマンドから高速変動表示の表示態様を導出できるようになっており、図柄の変動表示が開始されている期間を参照して、その経過期間に対応した高速変動表示の表示内容に切り替えるようにすればよい。
ステップS2005にて停止図柄切替処理を実行した場合、ステップS2006にてスベリ演出切替コマンドを受信していなかった場合、又は、ステップS2007にてスベリ演出切替処理を実行した場合、ステップS2008に進み、リーチ開始特定演出切替コマンドを受信していたか否かを判定する。リーチ開始特定演出切替コマンドを受信していた場合、ステップS2009に進み、リーチ開始特定演出切替処理を実行する。ステップS2008にてリーチ開始特定演出切替コマンドを受信していなかった場合、又はステップS2009にてリーチ開始特定演出切替処理を実行した場合、ステップS2010に進み、スーパーリーチ特定演出切替コマンドを受信していたか否かを判定する。スーパーリーチ特定演出切替コマンドを受信していた場合、ステップS2011に進み、スーパーリーチ特定演出切替処理を実行する。ステップS2010にてスーパーリーチ特定演出切替コマンドを受信していなかった場合、本表示切替処理を終了する。
表示制御装置120のRAMの表示内容記憶エリアには、第1〜第3停止図柄用記憶エリア及びスベリ演出用記憶エリアと同様に、リーチ開始演出、スーパーリーチ演出の表示態様を記憶するリーチ開始演出用記憶エリア、スーパーリーチ演出用記憶エリアがそれぞれ設けられている。リーチ開始特定演出切替処理及びスーパーリーチ演出切替処理が実行された場合には、それぞれ対応した記憶エリアの情報を変更するようになっている。そして、各記憶エリアに記憶されている情報と、受信した変動パターンコマンドと、の組み合わせから図柄表示装置41にて表示する表示内容が一義的に導出できるようになっている。
図柄の変動表示が行われる期間は、主制御装置81にて決定されるものであり、音声ランプ制御装置82や表示制御装置120にてその期間を変更すると、主制御装置81との同期がとれなくなり、遊技状態の移行タイミング等がずれる不具合が発生することが考えられる。本実施形態では、表示制御装置120に切替の表示態様が切替前の情報に対応してROMに記憶されており、変動表示の実行中に表示内容を切り替えたとしても図柄の変動表示が行われる期間が変更されないようになっている。
上記変動表示態様切替処理が実行される場合について図35,36を用いて説明する。なお、図35,36は図柄表示装置41に表示される図柄の変動表示を示すものである(便宜上、部材番号等は付さない)。
図35(a)では、上,中,下図柄列Z1,Z2,Z3の全ての図柄列における変動表示が実行されている。そして、演出カードCの切替が実行されなかった場合には、図35(b)に示すように、ta2のタイミングにて上図柄列Z1に「1」図柄が中央に停止表示される。そして、ta3のタイミングにて、この変動表示が終了した場合には、図35(c)に示すように、上図柄列Z1に「1」図柄が停止表示され、中図柄列Z2に「4」図柄と「5」図柄とが停止表示され、下図柄列Z3に「9」図柄が停止表示される。これに対して、ta1のタイミングにて(図35(a)の状態にて)「1」図柄に対応した第1演出カードC1が情報読取装置105に設置された場合、上述した変動表示態様切替処理におけるステップS1301にて肯定判定し、第1図柄高速変動時切替処理が実行される。この場合に、停止図柄決定処理及びスベリ演出決定処理(第1図柄高速変動時切替処理におけるステップS1801及びステップS1802)が実行される。第1図柄スベリ特定演出抽選に当選した場合には、スベリ演出が実行されることとなり、図35(d)に示すようにta1のタイミングにて上図柄列Z1にて「2」図柄が停止表示された後に再び上図柄列Z1の変動表示が開始され、図35(e)に示すようにta2のタイミングにて上図柄列Z1に「1」図柄が停止表示される。また、停止図柄特定演出抽選処理に当選した場合には、図35(f)に示すように「1」図柄が上,中,下図柄列Z1,Z2,Z3にそれぞれ停止表示されることとなる(大当たり抽選に当選していないため、「1」図柄が一直線には停止しない)。
図35に示す例では、演出カードCが取替えられる前の最終停止図柄の上図柄列Z1に「1」図柄が停止表示されるよう決定されているため、仮に、ta2のタイミングとなる1秒前までに「1」図柄に対応した演出カードC1に切替えられたとしても停止図柄特定演出抽選が実行される。また、ta2のタイミングまでに「1」図柄に対応した演出カードC1に切替えられた場合には、第1図柄スベリ特定演出抽選処理が実行される。また、仮に、下図柄列Z3にて「1」図柄が停止表示されるよう停止図柄が決定されている場合には、下図柄列Z3における変動表示が停止表示されるまでに「1」図柄に対応した演出カードC1に切替えられた場合には、停止図柄特定演出抽選処理及び第2図柄スベリ特定演出が実行される。停止図柄特定演出抽選処理に当選した場合には、図35(f)に示すようにta3のタイミングにて、各図柄列Z1〜Z3にて「1」図柄が停止表示されるよう停止図柄が切替えられる。
図36(a)では、tb1のタイミングにて、「9」図柄にてリーチ表示が開始されている。この変動表示では、演出カードCが切替えられなかった場合、tb2のタイミングにて「泡」を模した図柄が下から上に流れるように表示され、tb3のタイミングにて「女の子」を模した図柄を「9」図柄を揃えようとする演出が実行される。
tb1のタイミングとなる1秒前までに「1」図柄に対応した第2演出実行カードC2が切替られた場合、変動表示態様切替処理におけるステップS1703にて肯定判定され第2図柄高速変動時切替処理が実行される。
この場合、リーチ開始特定演出抽選処理及びスーパーリーチ特定演出抽選処理(第2図柄高速変動時切替処理におけるステップS1916及びステップS1920)が実行される。リーチ開始特定演出抽選処理に当選した場合には、図36(d)に示すようにtb2のタイミングにて、「9」図柄にてリーチ表示が開始された場合に「タコ」を模した図柄が大量に右から左へとスクロールするように表示される。また、スーパーリーチ特定演出抽選処理に当選した場合には、図36(e)に示すようにtb3のタイミングにて、巨大な「タコ」を模した図柄が「9」図柄を一直線に揃えようとする。
なお、tb2のタイミングにて「泡」を模した図柄が下から上に流れるように表示されている場合に、「1」図柄に対応した第2演出カードC2へと演出カードCが切替えられた場合には、リーチ開始特定演出抽選(第2図柄高速変動時切替処理におけるステップS1916)は行われないがスーパーリーチ特定演出抽選処理(第2図柄高速変動時切替処理におけるステップS1920)は実行されるようにリーチ開始演出の実行中における切替処理を設けてもよい。すなわち、リーチ開始演出の実行中に第2演出カードCが設置された場合、第2図柄高速変動時切替処理におけるステップS1915及びステップS1919〜ステップS1922の処理を実行するようにしてもよい。
このように、変動表示が実行されている場合に演出カードCの切替が行われた場合には、その演出カードCに対応した演出であり、かつ、未実行の演出に対して実行する演出を切替えるか否かの演出が実行されることとなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
設置された演出カードCのデータに基づいて変動表示態様が決定される。これにより、設置する演出カードCによって実行される演出を変化させることができる。
本実施形態によれば、設置されている演出カードCを取り替えることによって実行される演出を変化させることができ、実行される演出を変更する場合に複雑な操作等を要しない。また、設置する演出カードCによって実行される演出が変化するため、遊技者は視認したい演出が実行される演出カードCを設置すれば、望む演出が実行される設定に容易に変更することができる。
情報読取装置105に複数の演出カードCを設置でき(本実施形態では10枚)、その複数のデータを、透過部103を読取ることにより同時に読取ることが可能となる。複数の演出カードCのデータが同時に読込まれるため、遊技者が複数の演出カードCを読込ませる場合に、読込ませたい演出カードCを情報読取装置105にまとめて設置すればよく、複数の演出カードCを読込ませる場合にそれぞれの演出カードCに対して情報読取装置105への設置及び取り外しを行う必要がなくなる。
また、演出カードCの演出情報を同時に読込むため、複数の演出カードCを情報読取装置105に設置してから、その演出カードCに対応したデータが読込まれるまでの期間を短くする効果を得ることができる。特に、複数の演出カードCを重ねて設置した状態にて各演出カードCに記憶されているデータが読込まれる。これにより、各演出カードCが重ねて設置された状態から演出カードCの重なりをなくした後にデータを読込む構成と比して、各演出カードCに記憶されているデータを読込む処理期間を短くすることができる。さらに、演出カードCを遊技者が情報読取装置105に設置する場合、重ねた状態にて演出カードCを設置すればよく、それぞれの演出カードCを個別に設置する構成と比して、その設置を容易なものとできる。さらに、演出カードC毎に透過部103を同位置に設けたことにより重なった状態にてフォトセンサ107bによる演出情報の読込みを容易なものとすることが可能となる。
また、複数設置された演出カードCから読込んだデータをそれぞれ記憶しておく構成とした。これにより、遊技者は視認したい演出に対応した演出カードCを設置すれば、それに対応した演出が実行され得る設定とすることが可能となり、視認したい演出が複数ある場合にその都度実行され得る演出の設定を変更する必要がなくなる。
情報読取装置105に設置した演出カードCをロック機構110によって固定することができる。複数の演出カードCを設置する場合、一の演出カードCを設置する場合と比して演出カードCが位置ずれしやすくデータを読込みにくくなるが、演出カードCが固定されることによって、そのデータの読込みを良好に行うことができる。特に、演出カードCの透過部103の位置がずれている場合、データの読込みが正常に行われなくなるが、ロック機構110を設けたことにより演出カードCの位置ずれによるデータの読込み異常が発生することを抑制できる。
複数の演出カードCが設置されている場合、それら複数の演出カードCのデータを合成した複合データとして記憶される。これにより、演出カードCにおける透過部103のパターンを少なくすることが可能となる。また、複数の演出カードCのデータを合成して複合データとするため、各演出カードC1,C2に対してそれぞれ1種類の度合情報を記憶できればよく、設置されている演出カードC全てに対してそれぞれ個別に度合情報を記憶する構成と比べ、度合情報を記憶する領域を小さくできる。
予め定められた周期毎(1msec毎)に情報読取装置105による読込みが実行される。演出カードCの設置は遊技者によって行われるものであり、その設置のタイミングは不規則に発生する。予め定められた周期毎にデータの読込みを実行することにより、演出カードCが不規則に設置されたとしてもその設置を確認できる。
予め定められた期間に亘り演出カードCの読込みが正常に行われなった場合に、その異常が報知される。演出カードCのデータが正常に読込めていないにも関らず、そのことが報知されないとすると、遊技が進行しても遊技者が視認したい演出が一向に実行されなくなってしまう。その異常の報知が行われるため、演出カードCが正常に設置されていないことを遊技者が理解できる。また、予め定められた期間に亘り連続して読込みの異常が発生しないと、その異常が報知されない。演出カードCの設置作業を行っている場合、演出カードCが動いていたり、正常に設置されていなかったりすることが考えられる。このため、一度の読込み異常によりその異常報知を実行すると、演出カードCを設置している場合に頻繁に報知が実行される。予め定められた期間に亘り連続して正常にデータの読込みが行われなかった場合にのみその異常が報知されるため、演出カードCの設置作業中に報知が実行されることを抑制できる。
演出カードCの検出を光学式のフォトセンサ107bを用いる構成とした。演出記憶媒体が電波を出力し、その電波を読込むことにより、演出記憶媒体に対応した演出の内容を特定する遊技機が考えられる。しかしながら、近年、電波を不正に出力することにより遊技球を獲得するといった不正行為が行われることがある。このため、パチンコ機によっては電波感知器を有しており、電波を出力することによって演出カードC(演出記憶媒体)に対応した演出の内容を特定させることが困難となることが考えられる。フォトセンサ107bにより演出カードCの情報を読み取ることにより電波感知器を備えたパチンコ機にも好適に上記構成を適用できる。
情報読取装置105に角部107aが設けられている構成とした。その角部107aに沿わせるようにして演出カードCを設置することにより、複数方向から演出カードCの設置位置を規定することが可能となる。よって、演出カードCの設置位置がずれることを抑制できる。
複数の演出カードCが設置され、複数種の図柄情報と複数種の度合情報が検出された場合、度合情報が最も高いものに複合される。これにより、複数の演出カードCを重ねた状態にて読込む構成において不都合が発生することを抑制可能となっている。
図柄の変動表示が行われている場合に読込まれた演出カードCのデータは、その変動表示において反映される。これにより、情報読取装置105に演出カードCが設置された場合、その演出記憶媒体の演出情報を早い段階にて反映することができる。演出カードCは遊技者等によって設置されるものであり、その設置のタイミングは任意に発生するものである。上記実施形態によれば、実行される演出が決定されており、変動表示中において演出カードCが取り替えられた場合、実行される演出がその取り替えられた演出カードCに対応したものに切り替えられる。これにより、任意のタイミングにて発生する演出カードCの取替えを早い段階にて反映することが可能となる。
さらに、変動表示中において演出カードCの設置が検出された場合、実行されるリーチ開始演出及びスーパーリーチ演出が切り替えられる。これにより、演出カードCが設置された場合に実行される演出の切替が行われる機会を増やすことが可能となる。
また、演出カードCが設置された場合の特定演出として図柄の変動表示における最終停止結果としたことで、演出カードCに対応した演出が行われるタイミングが明確となり、その演出が遊技者に見逃される可能性が低減される。さらに、上,中,下図柄列Z1,Z2,Z3のうち、変動表示が実行されている図柄列に対して停止図柄の切替が実行される。これにより、複数列の図柄が変動表示される構成において演出カードCの切替が実行された場合に、その切替を早い段階にて反映する効果を高めることが可能となる。つまり、複数の図柄列のうち、一の図柄列が停止表示された場合には、停止図柄の切替が実行されない構成と比して、早い段階にて演出カードCが切替えられたことを反映できる。
演出の切替において主制御装置81にて決定されている図柄の変動表示時間が変更されない構成とした。これにより、図柄の変動表示が行われている途中であっても演出の切替が行われ得る構成において各遊技回を消化するのに要する時間が変動してしまうことが抑えられる。また、演出カードCの設置の有無によって一遊技回の期間の決定(主制御装置81における期間の決定)に影響を及ぼさない構成とした。演出カードCの設置の有無によって決定される一遊技回の期間が変わる場合、演出カードCの設置の有無によって一遊技回の期間が短くなったり、長くなったりしてしまい、単位期間あたりに表示される遊技回数が大きく変わってしまうことが考えられる。本実施形態では、演出カードCの設置によって一遊技回の期間の決定影響を及ぼさないことによって、演出カードCの設置の有無によって単位期間あたりに実行される遊技回数に影響を及ぼさないようすることが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記実施形態では、図柄の変動表示中において演出を切り替える場合、決定されている変動表示時間を変更しないものであったが、図柄が変動表示される時間を変更するようにしてもよい。
(2)複数の演出カードCが情報読取装置105に設置された場合、その複数の演出カードCのデータを同時に読込むものであったが、複数の演出カードCのデータをそれぞれ個別に読込んでもよい。すなわち、設置された演出カードCの重なりを解除した後に演出カードCのデータをそれぞれ読込むようにしてもよい。この場合、演出カードCのデータを同時に読取る必要はなく、演出カードCのデータを順次読込むようにすればよい。
(3)情報読取装置105に設置可能な演出カードCの枚数を変更してもよい。すなわち、設置可能な演出カードCの枚数は限定しない。例えば、演出カードCの設置可能枚数を2〜9枚のいずれかに設定してもよいし、11枚以上のいずれかの枚数に設定してもよい。
(4)情報読取装置105が設けられている位置を変更してもよく、例えば、情報読取装置105が上側膨出部65に設けられているものが考えられる。また、情報読取装置105に対していずれの向きに演出カードCが設置されるように変更してもよく、例えば、演出カードCを情報読取装置105に対して縦方向に設置するものが考えられる。
(5)情報読取装置105に複数の演出カードCを重ねて設置するものであったが、情報読取装置105に演出カードCを設置する設置手段が複数設けられており、それぞれの設置手段に一の演出カードCを設置するようにしてもよい。
また、複数の演出カードCにおいて透過部103が同じ位置に設けられている必要はなく、透過部103の位置が演出カードCの種類によって異なっていてもよい。また、上記実施形態では、透過部103の遮蔽領域から演出情報を特定するものであったが、遮蔽領域及び透過領域の少なくとも一方から演出情報を特定すればよい。例えば、遮蔽領域と透過領域との範囲の組み合わせから演出情報を特定すればよい。
(6)上記実施形態では、フォトセンサ107bにおける発光部112及び受光部113は、対向する一対の面にそれぞれ設けられていたが、発光部112及び受光部113が一の面に設けられていてもよい。この場合、発光部112から照射された光が、演出カードCにおける透過部103の遮蔽領域を反射し、その反射した光を受光部113が検出するようにすればよい。
また、フォトセンサ107bにおける発光部112及び受光部113にはそれぞれ複数の発光体及び受光体が設けられていたが、一の発光体及び受光体が設けられているのみでもよい。この場合、発光体及び受光体が設けられている位置が変更可能となっており、遮蔽領域が検出された座標から遮蔽領域の範囲を特定するようにしてもよい。また、発光体が光を照射する角度が変更可能となっており、遮蔽領域が検出された場合の発光体の角度から遮蔽領域の範囲を特定するようにしてもよい。
(7)演出カードCに透過部103が設けられており、その透過部103を情報読取装置105に設けられたフォトセンサ107bにて読取るものであったが、かかる構成に限定しない。情報読取装置105にて演出カードCに記憶されている情報を識別できるならば演出カードCにおける情報を記憶する構成は限定しない。
演出カードCにバーコードやバーコードの一種であるQRコード(登録商標)が付されており、そのコードを情報読取装置105が読込むことにより、情報を識別してもよい。
また、演出カードCがICチップを有しており、そのICデータを情報読取装置105が読取るようにしてもよい。また、演出カードCがCD−ROMのような光学的に情報を記憶するものであってもよい。例えば、演出カードCがICチップを有する場合、情報読取装置105における演出カードCの設置領域を大きくし、設置領域に設置されている演出カードCの位置を検出可能にすれば、設置領域に設置されている演出カードCの位置によっても実行される演出を変化させることが可能となる。
また、上記実施形態では、演出カードCにはいずれの演出カードCであるかを特定するための情報が記憶されており、各演出カードCに対応した特定演出はパチンコ機10のROMに記憶されているものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、演出カードCに演出を実行するためのプログラムやキャラクタ等の画像情報が記憶されていてもよい。演出カードCがICチップ等を有することにより、かかる構成を実現できる。
(8)演出カードCの種類は、対応した図柄(図柄情報)、対応した演出(種類情報)及びその演出の実行頻度(度合情報)に対応して50種類設けられていたが、その種類を変更してもよい。例えば、演出カードCが「1」〜「9」図柄に対応して9種類のみ設けられていてもよい。この場合、それぞれの演出カードCに対して個別に各演出カードCに対応した演出が実行されるか否かの抽選に当選する確率が設定されていてもよい。
(9)演出カードCとして第1演出カードC1と第2演出カードC2との2種類の種類情報が設定されていたが、3種類、4種類、5種類、それ以上と複数種の演出カードCが設けられていてもよい。この場合、演出カードCの種類によってパチンコ機10において実行される演出を多様化させることができる。例えば、演出カードCの種類として、その演出カードCを設置しないと実行されないプレミア演出に対応したものが考えられる。また、例えば、上記実施形態における停止図柄、スベリ演出、リーチ開始演出、スーパーリーチ演出に対応してそれぞれ演出カードCが設けられているものが考えられる。
また、上記実施の形態では、演出カードCが設置された場合、変動表示の停止図柄、スベリ演出、リーチ開始演出及びスーパーリーチ演出について演出カードCのデータに基づいて実行する演出を決定したが、かかる構成に限定しない。例えば、演出カードCに基づいて、停止図柄のみを決定するものが考えられる。また、上記実施の形態では、図柄表示装置41にて変動表示される図柄に対応した演出カードCが設けられていたが、変動表示される図柄に対応していない演出カードCを設けてもよい。
これらの場合、演出カードCに基づいて実行される演出を変更してもよいのはいうまでもなく、例えば、スーパーリーチ演出が実行される場合「男の子」を模した図柄が図柄表示装置41にて表示されその「男の子」を模した図柄が同じ数字の組み合わせを停止表示しようとするものが考えられる。
また、情報読取装置105に複数の演出カードCが設置されている場合、それらの演出カードCに対応した演出が合成して行われてもよい。例えば、「1」図柄に対応した第2演出カードC2と、「3」図柄に対応した第2演出カードC2と、が設置されている場合、図柄表示装置41におけるスーパーリーチ演出として、変動表示されている図柄とは別に巨大な「タコ」図柄と、巨大な「カメ」図柄とが表示され、それらの図柄が同じ数字の組み合わせを揃えようとするものが考えられる。
(10)度合いが異なる同じ種類の演出カードCが設置されている場合、その度合いを複合する複合の方法(複合処理)として度合いの大きいものを選択したが、かかる構成に限定しない。すなわち、複合処理が行われる場合、予め定められた度合情報に特定できればよい。
例えば、度合いが異なる同じ種類の演出カードCが設置されていた場合、度合いの小さいものを選択するようにしてもよいし、複数検出された度合いの平均値をとってその平均値を複合データとしてもよい。
また、演出カードCの透過部103が設けられている範囲を増加すれば、同じ種類の演出カードCが設置された場合にも情報読取装置105にてそれぞれの演出カードCを個別に検出できるものが考えられる。
さらには、複合データありと判定した場合に特定される度合情報が音声ランプ制御装置82のROM121に記憶されていてもよい。すなわち、カード読込み処理におけるステップS1110にて複合データありと判定された場合、ステップS1111の複合処理としてその記憶されている度合情報に特定される。この場合、複合データありと判定した場合に、設置された演出カードCに関係なく度合情報を特定できる。
(11)演出カードCの形状を変更してもよい。すなわち、四角形状やカード状をなしている必要はなく、その他の形状でもよい。その他の形状として例えば、コイン形状をしたものや直方体形状をしたものが考えられる。
また、演出カードCが3角形や5角形以上の多角形状をなしていてもよい。この場合、多角形状の演出カードCの一辺に偏倚させて透過部103を形成しておくとよい。すなわち、演出カードCが多角形状で特定の辺に偏倚させて透過部103が形成されているものが考えられる。さらには、演出カードCがその周縁に特定方向に延びる特定の辺を有する形状となっており、その特定の辺に偏倚させて透過部が形成されている構成が考えられる。
(12)上記実施形態では、変動表示が実行されていない場合に、演出カードCを情報読取装置105に設置した場合、デモ画面表示が開始されるまで設置されている演出カードCがどのようなものであるかの説明が図柄表示装置41にて表示されるものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、デモ画面の表示が実行されている場合、そのデモ画面の表示と同時に演出カードCの説明が表示されてもよい。さらには、いずれの場合においても、演出カードCの説明が実行されない構成に変更してもよいし、図柄の変動表示が実行されている場合に演出カードCの説明が実行されてもよい。
また、デモ画面表示や演出カードCの説明が実行されるタイミングを変更してもよく、例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示が終了したタイミングにて演出カードCの説明が開始されるものが考えられる。
(13)上記実施形態では、各図柄列Z1〜Z3の図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される構成について説明したが、上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよいことは言うまでもない。また、3つの図柄列が変動表示される構成に限らず、2つの図柄列が変動表示される構成や4つ以上の図柄列が変動表示される構成としてもよい。
(14)上記実施形態では、カード読込み処理は、音声ランプ制御装置82における音声ランプメイン処理にて実行されるものであったが、かかる構成に限定しない。
例えば、音声ランプメイン処理と独立して実行される処理又は、音声ランプメイン処理に割込んで実行される処理にてカード読込み処理が実行されてもよい。この場合、音声ランプメイン処理におけるステップS1002〜ステップS1014の処理が実行される周期を変更することなく、カード読込み処理が実行される周期を変更することが可能となる。
さらには、カード読込み処理が音声ランプ制御装置82にて実行される必要はなく、主制御装置81にて実行されてもよい。この場合、主制御装置81にて上述した特定演出及び切替抽選を実行する、又は、主制御装置81にて読込んだ演出カードCの情報を音声ランプ制御装置82に出力するようにすればよい。
(15)上記実施形態では、図柄の変動表示中に演出カードCが設置された場合、実行する演出を切替えるものであったが、図柄の変動表示中に演出カードCが設置されたとしても、その変動表示においてはその設置が反映されなくともよい。
(16)上記実施形態では、変動パターンコマンド及び種別コマンドを受信したことをトリガとしてステップS1303〜ステップS1305の処理を実行し、その遊技回における変動表示態様を決定するものであったがかかる構成に限定しない。すなわち、変動パターンコマンド及び種別コマンドを受信し、変動表示態様を決定するタイミングを変更してもよい。
例えば、変動パターンコマンド及び種別コマンドを受信した場合に図柄の変動表示を高速変動表示にて開始する。そして、高速変動表示を終了するタイミング、又は、高速変動表示を終了する所定期間前のタイミングとなったことをトリガとして、ステップS1303〜ステップS1305の処理を実行し、その遊技回における変動表示態様を決定するものが考えられる。この場合、変動表示態様切換処理のステップS1701にて高速変動表示が終了するタイミングか否か、又は、高速変動表示が終了する所定期間前のタイミングが否かを判定し、そのタイミングであった場合には、ステップS1303〜ステップS1305の処理を実行するようにすればよい。すなわち、本構成によれば、第1図柄高速変動時切換処理を実行する必要がなくなる。
本構成によれば、その遊技回における変動表示態様を決定してから図柄の低速変動表示を開始するまでの期間を短くすることができる。これにより、変動パターンコマンド及び種別コマンドを受信したタイミングにて変動表示態様決定する構成に比べ、決定された変動表示態様を変更することなく演出カードCの設置及び取替えを反映できる期間を長く担保できる。
(17)上記実施形態では、変動表示の実行中において演出が切替可能なタイミングであるか否かを音声ランプ制御装置82にて判定するものであったが、表示制御装置120にて演出を行っているか否かを判定し、その判定を音声ランプ制御装置82に出力してもよい。但し、本構成によれば、表示制御装置120から音声ランプ制御装置82に対してコマンドを出力する必要がある。
また、変動表示の実行中において、演出カードCの取替が行われた場合には、その変動表示においてその演出カードCの取替が反映されなくともよい。この場合、変動表示態様切替処理を実行する必要がなくなる。
(18)上記実施形態では、図柄の変動表示が実行されている場合に第1演出カードC1が設置された場合、高速変動表示が終了する1秒前である場合にはその図柄列に対してその設置が反映され得るようになっていたが、かかる構成に限定しない。
第1演出カードCの設置が反映されるタイミングを高速変動表示が終了する5秒前までとしてもよいし、高速変動表示が終了するまでとしてもよい。さらには、停止表示された図柄の表示を変更するようにしてもよい。
また、演出カードCが切り替えられた場合に実行される演出が追加されるようにしてもよい。この場合、演出カードCの切替に伴い、実行される演出が追加される場合が考えられる。このため、演出カードCの切替があった場合に、演出を追加可能なタイミングか否かを判定し、追加可能と判定した場合にその演出が追加され得るようにすればよい。例えば、リーチ表示となる前に5秒の演出が実行される構成においては、リーチ表示となる5秒前までに演出カードCの切替があった場合にその演出が実行され得るようにすればよい。
また、変動表示の実行中において演出カードCの設置された場合、その設置された演出カードCに対してのみ変動表示態様切替処理にて表示内容を変更するか否かの抽選を行ってもよい。例えば、「1」図柄に対応した第2演出カードC2が新たに設置された場合、「1」図柄に対応したリーチ開始特定演出及びスーパーリーチ特定演出を実行するよう切替コマンドをセットするか否かの抽選が行われる。この場合、変動表示の実行中において追加された演出カードCを特定する追加特定機能を音声ランプ制御装置82が有していればよい。本構成によれば、新たに設置された演出カードCに対応した演出のみ切り替えることが可能となる。
(19)上記実施形態では、第2図柄高速変動時切替処理において、各抽選処理(停止図柄切替抽選処理、第2図柄スベリ特定演出抽選処理、リーチ開始特定演出抽選処理、スーパーリーチ特定演出抽選処理)にて実行される抽選に当選しなかった場合、切替コマンドをセットしないものであったが、各抽選に当選しなかった場合、各抽選に当選しなかったことに対応した切替コマンドをそれぞれセットするようにしてもよい。
上記実施形態では、いずれかの特定演出抽選に当選している場合に、その当選に対応した演出カードCが取り外された場合においても、上記各抽選に当選しなかった場合、取り外された演出カードCに対応した特定演出が実行され得ることとなる。これに対して本構成では、第2図柄高速変動時切替処理にて上記各抽選に当選しなかった場合、上記各抽選に当選しなかったことを示すコマンドがそれぞれセットされるため、取り外された演出カードCに対応した特定演出が実行されないようにすることが可能となる。
なお、本構成においては、全て演出カードCが取り外された場合にも第2拘束変動時切替処理におけるステップS1901及びステップS1905にて各演出カードC切替ありと判定するようにするとよい。この場合、各演出カードC1,C2のうち少なくとも一方の演出カードが全て取り外されたことによってステップS1113にて比較データが一致しなかった場合、演出カードCが全て取り外されたことを示す情報をレジスタに記憶しておけばよい。この場合、上記各抽選を行うことなく、上記各抽選に当選しなかったコマンドをそれぞれセットするようにすればよい。
(20)上記実施の形態では、設置されている演出カードCに基づいて実行される演出が決定されるものであったが、実行される演出以外の制御が制御カードに基づいて決定されてもよい。
例えば、特別遊技状態としての大当たりが複数設定されている遊技機においては、大当たりに当選する確率が設置されている制御カードによって変更されてもよい。例えば、第1特別カード、第2特別カードが設けられており、第1特別カードが設置されている場合には約500個の遊技球が付与される第1大当たりに当選し、第2特別カードが設置されている場合には約1000個の遊技球が付与される第2大当たりに当選するものが考えられる。この場合、いずれの特別カードが設置されている場合においても、予め定められた期間における遊技球の払出期待度が同じとなるように各大当たりの当選確率を設定しておけばよい。
さらには、第3特別カード、第4特別カードが設けられており、第3特別カード、第4特別カードによって各大当たりの当選確率が設定されてもよい。この場合、第1,第2特別カードによって各大当たりの付与される遊技球の期待数を設定でき、第3,第4特別カードによって各大当たりが発生する確率を設定することが可能となる。
さらにこの場合、情報読取装置105が遊技者から視認されない又は操作することができない場所に設けられており、制御カードをパチンコ機10の管理者が設置するようにすれば、制御カードを用いて管理者によってパチンコ機10の設定を変更することが可能となる。
(21)上記実施形態では、絵柄表示手段として、図柄を表示する画像表示装置(図柄表示装置41)を用いたが、絵柄表示手段として、多数の発光ドットを有するドット表示器や、周回式表示器等を用いることも可能である。
また、上記実施形態では、絵柄表示手段としての図柄表示装置41にて数字が付されたキャラクタが変動表示されるものであったが、数字が付されていないキャラクタが変動表示されてもよいし、文字や数字そのものが変動表示されてもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置81にてデータ設定処理及び変動開始処理が実行され、変動開始コマンド及び種別コマンドが出力されたことに基づいて、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が開始されるものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、変動開始コマンド及び種別コマンドが出力される前に図柄表示装置41にて図柄の変動表示が開始されていてもよい。例えば、図柄表示装置41にて高速変動が行われている期間のうちに、その変動表示が開始された遊技回に対応した変動開始コマンド及び種別コマンドが主制御装置81から出力されるようにすればよい。高速変動中に変動開始コマンド及び種別コマンドを受信していれば、その遊技回における表示を実行する場合に不具合が生じにくい。なお、本構成においては、変動開始コマンド及び種別コマンドが出力されるに先立って、音声ランプ制御装置82に図柄の変動表示を開始させるタイミングを計るための信号が主制御装置81から出力されるのが望ましい。
(22)上記実施形態では、図柄の変動表示が開始されている場合において演出カードCの切替があったとしても、リーチの発生前及びリーチの発生後の変動期間が変更されないようにしたが、演出カードCの切替があった場合にリーチ前及びリーチ後の変動期間が変更されるようにしてもよい。但し、一遊技回の期間は変更しないようにするのが望ましい。
(23)上記実施形態では、下図柄列Z3の切替可能タイミングではないと判定した場合(音声ランプ制御装置82における変動表示態様切替処理のステップS1703にて否定判定した場合)、停止図柄を切り替えることがなかったが、かかる構成に限定しない。すなわち、下図柄列Z3の切替可能タイミングではないと判定した場合、上,下図柄列Z1,Z3によって設置されている演出カードCに対応した停止図柄となっているか否かを判定し、その判定が肯定判定された場合に、中図柄列Z2の停止図柄を設置されている演出カードCに対応した停止図柄にするか否かの抽選を行うようにしてもよい。
本構成によれば、上,下図柄列Z1,Z3においてリーチ表示となることなく、かつ、同じ数字の組み合わせが図柄表示装置41にて表示される場合に、下図柄列変動切替可能タイミングの経過の後に中図柄列Z2の停止図柄を変更することが可能となる。この結果、演出カードCの切替をその遊技回において反映する機会を増加させることが可能となる。
(24)上記実施形態では、主制御装置81にて変動表示時間が設定された後に、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置120にて図柄表示装置41における変動表示態様が具体的に決定されるものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、変動表示態様が決定された後にその変動表示態様に対応した変動表示期間を主制御装置81がセットするようにしてもよい。この場合、主制御装置81にて具体的な図柄表示装置41における変動表示態様を決定してもよいし、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置120にて決定された変動表示態様に対応したコマンドが主制御装置81に対して出力されるようにしてもよい。
(25)上記実施形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置120が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置120が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置120とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,120が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置120の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置120の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(26)上記実施形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。例えば、可動式の役物(装飾体)を備えた構成においては、上記実施形態における特定演出を役物によって行うようにしてもよい。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.制御情報が設定された制御用媒体(演出カードC)が設置される媒体設置手段(情報読取装置105におけるカード受入部107)と、
前記媒体設置手段に複数の前記制御用媒体が設置されている場合、設置されている各制御用媒体のうち、少なくとも一部であって複数の前記制御用媒体に設定されている制御情報を同時に又は順次読み込む情報読込手段(情報読取装置105及び音声ランプ制御装置82によるカード読込み処理)と、
前記情報読込手段により読み込まれた制御情報を記憶する制御情報記憶手段(音声ランプ制御装置82のRAM123における読込みデータ格納エリア123a)と、
前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて遊技にかかる特定制御を実行する特定制御実行手段(音声ランプ制御装置82における変動表示態様決定処理)と、を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、設置された制御用媒体の制御情報に基づいて特定制御が実行される。すなわち、媒体設置手段に設置する制御用媒体によって実行される特定制御を変化させることができる。
例えば、実行される特定制御を変更するための操作手段が設けられている構成においては、操作手段の操作により実行される特定制御を変更することができるが、実行される特定制御の変更を操作手段のみにて行う場合、特定制御の実行パターンを多様化させるとすると、操作手段の操作が複雑化することが考えられる。これに対して、本特徴によれば、設置されている制御用媒体を取替えることによって実行される特定制御を変化させることが可能となり、実行される特定制御を変更する場合に複雑な作業を要しない。さらに、制御用媒体の種類に対応して実行される特定制御を多様化させることが可能となる。
また、媒体設置手段に複数の制御用媒体を設置でき、その複数の制御用媒体の制御情報が同時に又は順次読み込まれる。複数の制御用媒体の制御情報が同時に又は順次読み込まれるため、複数の制御用媒体を読み込ませる場合に、読み込ませたい制御用媒体を媒体設置手段にまとめて設置すればよく、複数の制御用媒体を読み込ませる場合にそれぞれの制御用媒体に対して媒体設置手段への設置及び取り外しを行う必要がなくなる。また、制御用媒体の制御情報が同時に読み込まれる遊技機においては、制御用媒体を媒体設置手段に設置してから、その制御用媒体に対応した制御情報が読み込まれるまでの期間を短くする効果を得ることができる。
なお、「前記制御情報記憶手段に記憶されている前記制御情報に基づいた特定制御を実行する」とは、特定制御の実行データが制御情報として制御用媒体に記憶されており、その実行データに対応した特定制御を実行するものだけでなく、制御情報に対応した特定制御の実行データを遊技機が記憶しており制御情報に対応した実行データを参照して特定制御を実行するものが含まれる。
特徴A2.特徴A1において、前記特定制御実行手段は、前記制御情報記憶手段に複数の前記制御用媒体に対応した複数の前記制御情報が記憶されている場合、当該複数の制御情報に基づいて前記特定制御を実行することを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、複数の制御情報が記憶されている場合、当該複数の制御情報に基づいて特定制御が実行される。これにより、設置されている制御用媒体の組み合わせによって実行される特定制御を変化させることができ、実行される特定制御を多様化させる効果を高めることが可能となる。
特徴A3.特徴A1又はA2において、前記媒体設置手段は、複数の前記制御用媒体を重ねて設置可能であり、
前記情報読込手段は、複数の前記制御用媒体が前記媒体設置手段に重ねて設置されている場合、その状態にて各制御用媒体に設定されている制御情報を読み込むことを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、複数の制御用媒体が重ねて設置された状態にて各制御用媒体に設定されている制御情報が読み込まれる。これにより、各制御用媒体が重ねて設置された状態から制御用媒体の重なりをなくした後に制御情報を読み込む構成と比して、各制御用媒体に設定されている制御情報を読み込む処理期間を短くすることができる。
また、媒体設置手段に制御用媒体を設置する場合、重ねた状態にて制御用媒体を設置すればよく、それぞれの制御用媒体を個別に設置する構成と比して、その設置を容易なものとできる。
特徴A4.特徴A3において、前記制御用媒体は、一部の領域において光を透過する透過領域と、残りの一部の領域において光を遮蔽する遮蔽領域と、を有するとともに対応した前記制御情報によって前記遮蔽領域の範囲が異なる情報表示部(透過部103)を有し、
前記情報読込手段は、
前記透過領域及び前記遮蔽領域の少なくとも一方の領域を検出する検出手段(情報読取装置105におけるフォトセンサ107b)と、
前記情報表示部における前記透過領域及び前記遮蔽領域の少なくとも一方の領域から前記制御用媒体に設定されている制御情報を特定する情報特定手段(音声ランプ制御装置82により実行されるカード読込処理)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば検出手段を用いて制御用媒体に設定されている制御情報を読み込むことができる。例えば、制御用媒体が電波を出力し、その電波を読み込むことにより、制御情報を特定する遊技機が考えられる。しかしながら、近年、電波を不正に出力することにより遊技媒体を獲得するといった不正行為が行われることがある。このため、遊技機によっては電波感知手段を有しており、電波を出力することによって制御情報を特定させることが困難となることが考えられる。これに対して本特徴によれば、透過領域及び遮蔽領域によって制御情報を特定するため、電波感知手段を備えた遊技機においても好適に適用することが可能となる。
また、複数の制御用媒体を重ねた状態においても一方側に設置された制御用媒体の透過領域を透過して他方側に設置された制御用媒体の遮蔽領域を検出することができる。この結果、複数の制御用媒体を重ねた状態においても制御情報を好適に読み取ることが可能となる。
特徴A5.特徴A4において、前記媒体設置手段は、前記情報表示部が特定方向に並ぶように複数の前記制御用媒体を並べて設置可能に形成されており、
前記検出手段は、前記情報表示部が前記特定方向に並ぶように前記媒体設置手段に複数の前記制御用媒体が設置された場合に、前記各情報表示部に対して前記特定方向において対向することとなる位置にて前記検出を行うように設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、情報表示部が特定方向を向くように媒体設置手段に制御用媒体を設置できる。また、情報表示部に対して特定方向において対向するように検出手段が設けられている。これにより、複数の情報表示部に対して同方向から検出することが可能となる。仮に、検出方向が異なっていると、その方向のずれにより遮蔽領域又は透過領域を正確に検出できないことが考えられる。本特徴によれば、複数の情報表示部を同方向から検出できるため、上記範囲を正確に検出できないことを抑制できる。
特徴A6.特徴A5において、前記媒体設置手段は、
前記制御用媒体が設置される設置領域(底面107f)と、
当該設置領域に設置された前記制御用媒体の特定周縁部に外側から当接可能に形成されているとともに、複数の前記制御用媒体が前記特定方向に並べて前記設置領域に設置された場合にはそれら複数の制御用媒体の各特定周縁部に当接可能に形成されており、各特定周縁部に当接することで前記複数の制御用媒体の各情報表示部が前記特定方向に並んだ状態となるように前記複数の制御用媒体を位置決めする位置決め部(側壁面107c、奥壁面107d)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、位置決め部が設けられていることにより、複数設置された制御用媒体の各情報表示部が特定方向に並んだ状態となる。よって、制御用媒体の設置位置がずれることを抑制できる。制御用媒体を設置した場合に、その情報表示部が位置ずれしていると、制御情報が正確に読み取れなくなることが考えられる。これに対して本特徴を適用すれば、複数の制御用媒体を設置した場合にそれら制御用媒体の位置を規定することが可能となり、制御情報が正確に読み取れなくなることを抑制することが可能となる。
特徴A7.特徴A5において、前記制御用媒体は、四角形状を有しており、当該制御用媒体における前記情報表示部は、向かい合う辺のうち、一の辺側に偏倚させて設けられており、
前記媒体設置手段は、
前記制御用媒体が設置される設置領域(底面107f)と、
当該設置領域に設置された前記制御用媒体の前記情報表示部が偏倚された側の辺の少なくとも一部である特定周縁部に外側から当接可能に形成されているとともに、複数の前記制御用媒体が前記特定方向に並べて前記設置領域に設置された場合にはそれら複数の制御用媒体の各特定周縁部に当接可能に形成されており、各特定周縁部に当接することで前記複数の制御用媒体の各情報表示部が前記特定方向に並んだ状態となるように前記複数の制御用媒体を位置決めする位置決め部(側壁面107c、奥壁面107d)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A7によれば、位置決め部が設けられていることにより、複数設置された制御用媒体の各情報表示部が特定方向に並んだ状態となる。よって、制御用媒体の設置位置がずれることを抑制できる。制御用媒体を設置した場合に、その情報表示部が位置ずれしていると、制御情報が正確に読み取れなくなることが考えられる。これに対して本特徴を適用すれば、複数の制御用媒体を設置した場合にそれら制御用媒体の位置を規定することが可能となり、情報表示部が位置ずれすることを抑制できる。
また、制御用媒体における情報表示部が設けられている側の辺に当接して位置決め部が形成されている。すなわち、情報表示部に近接した部分にて制御用媒体の位置を規定することにより、仮に、制御用媒体が位置決め部から若干位置ずれしたとしても、情報表示部の位置ずれが大きくなることを抑制できる。補足すると、情報表示部が設けられている側と反対側の部分にて位置規定をする場合にその位置規定部分にて位置ずれが生じると、情報表示部が設けられている部分の位置ずれが大きくなり、制御情報が正確に読み取れなくなる不都合が発生することが考えられる。これに対して本特徴によれば、位置決め部にて制御用媒体の若干の位置ずれが生じたとしても情報表示部の位置ずれが大きくなることを抑制できる。情報表示部が位置ずれすることを抑制する効果を高めることができる。
本特徴によれば、位置決め部を設けたことにより、制御情報が正確に読み取れなくなることを抑制する効果を得ることができる。
特徴A8.特徴A4又はA5において、前記媒体設置手段は、
前記制御用媒体が設置される設置領域(底面107f)と、
当該設置領域に設置された前記制御用媒体の特定周縁部に外側から当接可能に形成されているとともに、複数の前記制御用媒体が前記特定方向に並べて前記設置領域に設置された場合にはそれら複数の制御用媒体の各特定周縁部に当接可能に形成されており、各特定周縁部に当接することで前記複数の制御用媒体の各情報表示部が前記特定方向に並んだ状態となるように前記複数の制御用媒体を位置決めする位置決め部(側壁面107c、奥壁面107d)と、
設置された前記制御用媒体を前記位置決め部側へと付勢する付勢部(固定部材110b、板バネ部110c)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴A8によれば、位置決め部が設けられていることにより、複数設置された制御用媒体の各情報表示部が特定方向に並んだ状態となる。よって、制御用媒体の設置位置がずれることを抑制できる。制御用媒体を設置した場合に、その情報表示部が位置ずれしているとすると、制御情報が正確に読み取れなくなることが考えられる。これに対して本特徴を適用すれば、複数の制御用媒体を設置した場合にそれら制御用媒体の位置を規定することが可能となり、制御情報が正確に読み取れなくなることを抑制することが可能となる。
また、付勢部が制御用媒体を位置決め部側へと付勢することにより、設置された制御用媒体が位置決め部により位置決めされた状態を保つことが可能となる。これにより、制御用媒体の設置位置がずれることを一層抑制できる。
特徴A9.特徴A4又はA5において、前記制御用媒体は、四角形状を有しており、当該制御用媒体における前記情報表示部は、向かい合う辺のうち、一の辺側に偏倚させて設けられており、
前記媒体設置手段は、
前記制御用媒体が設置される設置領域(底面107f)と、
当該設置領域に設置された前記制御用媒体の前記情報表示部が偏倚された側の辺の少なくとも一部である特定周縁部に外側から当接可能に形成されているとともに、複数の前記制御用媒体が前記特定方向に並べて前記設置領域に設置された場合にはそれら複数の制御用媒体の各特定周縁部に当接可能に形成されており、各特定周縁部に当接することで前記複数の制御用媒体の各情報表示部が前記特定方向に並んだ状態となるように前記複数の制御用媒体を位置決めする位置決め部(側壁面107c、奥壁面107d)と、
設置された前記制御用媒体を前記位置決め部側へと付勢する付勢部(固定部材110b、板バネ部110c)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴A9によれば、位置決め部が設けられていることにより、複数設置された制御用媒体の各情報表示部が特定方向に並んだ状態となる。よって、制御用媒体の設置位置がずれることを抑制できる。制御用媒体を設置した場合に、その情報表示部が位置ずれしていると、制御情報が正確に読み取れなくなることが考えられる。これに対して本特徴を適用すれば、複数の制御用媒体を設置した場合にそれら制御用媒体の位置を規定することが可能となり、情報表示部が位置ずれすることを抑制できる。
また、制御用媒体における情報表示部が設けられている側の辺に当接して位置決め部が形成されている。すなわち、情報表示部に近接した部分にて制御用媒体の位置を規定することにより、仮に、制御用媒体が位置決め部から若干位置ずれしたとしても、情報表示部の位置ずれが大きくなることを抑制できる。補足すると、情報表示部が設けられている側と反対側の部分にて位置規定をする場合にその位置規定部分にて位置ずれが生じると、情報表示部が設けられている部分の位置ずれが大きくなり、制御情報が正確に読み取れなくなる不都合が発生することが考えられる。これに対して本特徴によれば、位置決め部にて制御用媒体の若干の位置ずれが生じたとしても情報表示部の位置ずれが大きくなることを抑制できる。情報表示部が位置ずれすることを抑制する効果を高めることができる。
さらに、付勢部が制御用媒体を位置決め部側へと付勢することにより、設置された制御用媒体が位置決め部により位置決めされた状態を保つことが可能となる。これにより、制御用媒体の設置位置がずれることを一層抑制できる。
本特徴によれば、位置決め部及び付勢部を設けたことにより、制御情報が正確に読み取れなくなることを抑制する効果を得ることができる。
特徴A10.特徴A4乃至A9のいずれか1において、前記検出手段は、発光部と受光部とを有した光学式の光学検出手段であり、
前記媒体設置手段は、少なくとも一方向が開放され、その他の部位では光を遮蔽するとともに、前記制御用媒体の前記情報表示部がその内部に位置するよう設置可能な遮蔽領域(内部空間)を有しており、
前記光学検出手段は、前記遮蔽領域に設けられていることを特徴とする遊技機。
遊技機が設置される遊技店等においては、照明器具等が配されていることが考えられ、その照明器具より照射された光が光学検出手段に検出されることにより制御用媒体の制御情報が正確に読み込めなくなることが考えられる。これに対して本特徴によれば、遮蔽空間内部に光学検出手段及び情報表示部が位置するため、光学検出手段による制御情報の特定が遮蔽空間外部の光によって不正確なものとなることを抑制できる。
特徴A11.特徴A4乃至A10のいずれか1において、前記情報表示部は、第1情報表示部(演出カードCにおける第1演出領域)と第2情報表示部(演出カードCにおける第2演出領域)とを有し、
前記情報読込手段は、前記第1情報表示部から第1制御情報(第1演出情報)を読み込むものであり、前記第2情報表示部から前記第1制御情報とは異なる第2制御情報(第2演出情報)を読み込むことを特徴とする遊技機。
特徴A11によれば、情報表示部には第1情報表示部と第2情報表示部とが設けられており、各情報表示部からそれぞれ第1制御情報及び第2制御情報が読み込まれる。第1制御情報に対応した第1情報表示部と、第2制御情報に対応した第2情報表示部とを情報表示部にて区分けすることにより、一の制御用媒体にて複数の制御情報を設定することが可能となる。
また、仮に、各制御情報に対応した情報表示部が完全に重複していると、複数の制御用媒体が重なった状態にて制御用媒体の制御情報を読み込む場合に一の制御用媒体における第1制御情報を表示する部位と、当該一の制御用媒体と異なる制御用媒体における第2制御情報を表示する部位とが重なってしまい、各情報を正確に読み込むことができなくなる不都合が発生することが考えられる。これに対して本特徴によれば、各制御情報に対応した情報表示部が異なることにより、複数の制御用媒体が重なった状態にて制御情報を読み込む場合に上記不都合が発生することを抑制できる。
なお、本特徴における「第1情報表示部」と「第2情報表示部」とは、制御用媒体にてそれぞれ異なる部位に設けられているものが含まれる。また、「第1情報表示部」と「第2情報表示部」とが一部重複して設けられているものが含まれる。以下、本明細書において同様である。
特徴A12.特徴A4乃至A11のいずれか1において、前記情報表示部は、第1特定表示部と第2特定表示部とを有し、
前記情報読込手段は、
前記第1特定表示部から第1特定情報を読み込むものであり、前記第2特定表示部から第2特定情報を読み込むものであり、当該第1特定情報及び第2特定情報の組み合わせから前記制御情報を特定するものであり、
さらに、前記制御用媒体が複数設置されており、複数の前記第1及び第2特定情報が読み込まれた場合、予め定められた共通情報を各第1特定情報のそれぞれに共通して対応した情報として前記制御情報を特定する、又は読み込まれた複数の前記第2特定情報のいずれかを各第1特定情報のそれぞれに共通して対応した情報として前記制御情報を特定することを特徴とする遊技機。
特徴A12によれば、複数の制御用媒体が設置され、複数の第1及び第2特定情報が読み込まれた場合、予め定められた共通情報に、又は、読込まれた第2特定情報のいずれかが、読込まれた複数の第1特定情報に対応した情報として特定される。複数の制御用媒体を重ねた状態にて読み込むため、第1特定情報及び第2特定情報がそれぞれ複数種読み込まれた場合に、読み込まれた各情報のうち、いずれの第1特定情報にいずれの第2特定情報が対応しているのか特定するのが困難となる不都合が考えられる。これに対して本特徴によれば、複数種の第2特定情報が読み込まれた場合、当該複数の第2特定情報を一の第2特定情報とするため上記不都合が発生することを抑制できる。
特徴A13.特徴A1乃至A12のいずれか1において、前記情報読込手段は、予め定められた周期毎(1msec毎)に、前記媒体設置手段に設置されている前記制御用媒体の前記制御情報を読み込むことを特徴とする遊技機。
特徴A13によれば、予め定められた周期毎に制御情報が読み込まれる。制御用媒体の設置タイミングは不規則に発生することが考えられるが、本特徴によれば、予め定められた周期毎に制御情報を読み込むことにより、制御用媒体の設置が不規則に行われたとしてもその設置を良好に確認できる。なお、予め定められた周期を短く設定すれば、制御用媒体が設置されたことを一層早めに反映可能となる。
特徴A14.特徴A13において、報知手段(図柄表示装置41、スピーカ部64)と、
前記情報読込手段による前記制御用媒体の前記制御情報の読み込みが連続して予め定められた期間に亘り正常に行われなかった場合に、前記制御用媒体の前記制御情報が正常に読み込めなかったことを報知するよう前記報知手段を報知制御する報知制御手段(音声ランプ制御装置82によるカード読込み処理におけるステップS1103〜ステップS1105)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴A14によれば、連続して予め定められた期間に亘り制御情報の読み込みが正常に行われなった場合に、その異常が報知される。制御用媒体の制御情報が正常に読み込めていないにもかかわらず、そのことが報知されないとすると、制御用媒体を設置したにもかかわらず、特定制御が一向に実行されないことが考えられる。本特徴によれば、報知が行われるため、制御用媒体が正常に設置されていないことを、制御用媒体を設置した設置者が良好に理解できる。
また、連続して予め定められた期間に亘り読取り異常が発生しないと、その異常が報知されない。制御用媒体の設置作業を行っている場合、制御用媒体が動いていたり、正常に設置されていなかったりすることが考えられる。この場合に情報読込手段による制御情報の読み込みが行われたとすると、制御情報が正常に読み込めないことが考えられる。一度の読み込み異常により報知を実行すると、制御用媒体を設置している場合に頻繁に報知が実行されることが考えられる。これに対して本特徴によれば、連続して予め定められた期間に亘り正常に制御情報の読み込みが正常に行われなかった場合に報知が実行されるため、制御用媒体の設置作業中に報知が実行されることを抑制できる。
特徴A15.制御情報が読み込まれる情報表示部(透過部103)を有し、
前記情報表示部は、
一部の領域において光を透過する透過領域と、残りの一部の領域において光を遮蔽する遮蔽領域と、を有し、
さらに、対応した前記制御情報によって前記遮蔽領域及び前記透過領域の少なくとも一方の領域が異なることを特徴とする制御用媒体。
特徴A15によれば、遮蔽領域及び透過領域の少なくとも一方によって制御情報が決定されるため、複数の制御用媒体を重ねた状態においても、遮蔽領域によって複数の制御用媒体を読み込ませることが可能となる。すなわち、複数の制御用媒体を重ねた状態においても一方側に設置された制御用媒体の透過領域を透過して他方側に設置された制御用媒体の遮蔽領域を検出させることができる。これにより、複数の制御用媒体を重ねて設置した場合、その複数の制御用媒体の制御情報を同時に読み込ませることが可能となる。よって、複数の制御用媒体を重ねて読み込ませることが可能となり、制御情報の読込みを好適に行わせることができる。
特徴A16.特徴A15において、前記情報表示部は、第1情報表示部(演出カードCにおける第1列)と第2情報表示部(演出カードCにおける第2列)とを有し、
前記第1情報表示部により第1制御情報を表示するとともに、前記第2情報表示部により前記第1制御情報とは異なる第2制御情報を表示することを特徴とする制御用媒体。
特徴A16によれば、情報表示部には第1情報表示部と第2情報表示部とが設けられており、各情報表示部からそれぞれ第1制御情報及び第2制御情報が読み込まれる。第1制御情報に対応した第1情報表示部と、第1制御情報とは異なる第2制御情報に対応した第2情報表示部と、を情報表示部にて区分けすることにより、一種類の制御用媒体にて複数の制御情報を設定することが可能となる。
また、仮に、各制御情報に対応した情報表示部が完全に重複していると、複数の制御用媒体が重なった状態にて制御用媒体の制御情報を読み込む場合に一の制御用媒体における第1制御情報を表示する部位と、当該一の制御用媒体と異なる制御用媒体における第2制御情報を表示する部位とが重なってしまい、各情報を正確に読み込むことができなくなる不都合が発生することが考えられる。これに対して本特徴によれば、各制御情報に対応した情報表示部が異なることにより、複数の制御用媒体が重なった状態にて制御情報が読み込まれる場合に上記不都合が発生することを抑制できる。
特徴A17.特徴A15又はA16において、四角形状をなしており、
前記情報表示部は、向かい合う辺のうち、一の辺側に偏倚させて設けられていることを特徴とする制御用媒体。
特徴A17によれば、向かい合う辺のうち一の辺側に偏倚させて情報表示部が設けられている。制御用媒体は重ねられた状態にて読み込まれることが考えられ、読み込まれる場合に、その設置位置が規定されることが考えられる。本特徴によれば、一の辺側に近接して情報表示部を設けることにより、制御情報を読み込む場合には、その一の辺側から位置規定すれば、情報表示部が大きく位置ずれすることを抑制できる。よって、透過領域及び遮蔽領域にて制御情報を表示する制御用媒体によってその制御情報の読み込みを良好に行うことが可能となる。
特徴B1.演出を実行する演出実行手段(図柄表示装置41、表示ランプ部63、スピーカ部64)と、
演出を実行するよう前記演出実行手段を制御する演出制御手段(音声ランプ制御装置82、表示制御装置120)と、
演出情報が設定された演出用媒体(演出カードC)が設置される媒体設置手段(情報読取装置105におけるカード受入部107)と、
前記媒体設置手段に設置された前記演出用媒体に設定されている演出情報を読み込む情報読込手段(情報読取装置105及び音声ランプ制御装置82によるカード読込み処理)と、
前記情報読込手段により読み込まれた演出情報を記憶する演出情報記憶手段(音声ランプ制御装置82のRAM123における読込みデータ格納エリア123a)と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記演出情報記憶手段に記憶されている演出情報に基づいて特別演出を実行するよう前記演出実行手段を制御する特別演出制御手段(音声ランプ制御装置82における変動表示態様決定処理)を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、設置された演出用媒体の演出情報に基づいて特別演出が実行される。すなわち、媒体設置手段に設置する演出用媒体によって実行される特別演出を変化させることができる。
例えば、実行される特別演出を変更するための操作手段が設けられている構成においては、操作手段の操作により実行される特別演出を変更することができるが、実行される特別演出の変更を操作手段のみにて行う場合、特別演出の実行パターンを多様化させるとすると、操作手段の操作が複雑化することが考えられる。
本特徴によれば、設置されている演出用媒体を取り替えることによって実行される特別演出を変化させることが可能となり、実行される特別演出を変更する場合に複雑な作業を要しない。さらに、演出用媒体の種類に対応して実行される特別演出を多様化させることが可能となる。
なお、「演出情報に基づいて特別演出を実行する」とは、特別演出の実行データが演出情報として演出用媒体に記憶されているものだけでなく、演出情報に対応した特別演出の実行データを遊技機が記憶しているものが含まれる。
特徴B2.特徴B1において、前記演出制御手段は、
前記演出実行手段にて実行する演出を決定する演出決定手段(音声ランプ制御装置82による変動表示態様決定処理におけるステップS1303〜ステップS1306)と、
前記演出決定手段により前記演出実行手段にて実行する演出が決定されている場合に、前記演出情報記憶手段に前記演出情報が記憶された場合、決定されている演出のうち切替可能な演出を当該演出情報に対応した前記特別演出に切り替える演出切替手段(音声ランプ制御装置82による変動表示態様切替処理におけるステップS1702,S1704,S1706、表示制御装置120による表示切替処理)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、演出情報記憶手段に演出情報が記憶された場合、切替可能な演出については、実行する演出が特別演出に切り替えられる。演出用媒体は遊技者により設置されるものであり、遊技者は視認したい演出がある場合に演出用媒体を設置することが考えられ、演出用媒体の設置のタイミングは任意に発生することが考えられる。このため、その演出用媒体の設置を可能な限り早く反映することが望ましい。これに対して本特徴では、演出用媒体の設置に基づいて、既に決定されている演出を切り替えることが可能となり、演出用媒体の任意のタイミングにて発生する演出用媒体の設置を早い段階にて反映することが可能となる。
また、既に演出用媒体が設置されており、その演出用媒体に基づいて実行される演出が決定された後に演出用媒体が切り替えられることが考えられる。本特徴によれば、実行される演出の決定の後に演出用媒体の切替が行われた場合においても、切替可能な場合にはその決定されている演出が切替られる。この結果、その演出用媒体の切替が反映される機会を増やすことが可能となる。
特徴B3.特徴B2において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)であり、
遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理)と、
前記特典付与手段により特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による変動開始処理)と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の変動表示を開始させ、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示させ前記絵柄の変動表示を終了させることを遊技回の1回として、各遊技回の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を表示制御するものであり、
前記演出決定手段は各遊技回において絵柄の変動表示が行われる場合の一連の表示演出を決定するものであるとともに、当該表示演出は時間の経過とともに順次切り替えられる複数の表示パターンを含むように設定されており、
さらに、前記演出決定手段により決定された表示演出における複数の表示パターンのうち実行されていない表示パターンを特定する非実行特定手段(音声ランプ制御装置82による変動表示態様切替処理におけるステップS1701,S1703,S1705)を備え、
前記演出切替手段は、前記変動表示が実行されている状況において前記演出情報記憶手段に前記演出情報が記憶され当該演出情報に対応した特別演出に前記表示演出を切り替える場合、前記非実行特定手段により実行されていないと特定された表示パターンを、当該演出情報に対応した特別演出のパターンに切り替えることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、絵柄の変動表示が行われる場合に実行される演出として一連の表示演出が決定される。絵柄の変動表示が行われており、演出情報が記憶された場合、実行される一連の表示演出のうち、実行されていない表示パターンを演出情報に対応した表示パターンに切り替える。これにより、決定されている一連の表示演出のうち切替可能なものについて部分的に実行する演出を切替えることが可能となる。この結果、演出用媒体の設置が行われた場合にその反映を良好に行うことが可能となる。
なお、本明細書において、「絵柄」とは、キャラクタ等を模した図柄や、数字等の文字が含まれる。また、「絵柄を変動表示させる絵柄表示手段」には、画像表示器による画像情報を絵柄として表示するもの以外に、装飾体を用いて絵柄を表示するものが含まれる。
また、本明細書において、「特典を付与する」とは、遊技媒体を賭することによって遊技が進行する遊技機において遊技媒体を付与するものが含まれる。また、遊技者に有利な特定遊技状態が設定されている遊技機において特定有利状態に移行することが含まれる。
特徴B4.特徴B2又はB3において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)であり、
遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理)と、
前記特典付与手段により特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による変動開始処理)と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の変動表示を開始させ、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示させ前記絵柄の変動表示を終了させることを遊技回の1回として、各遊技回の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を表示制御するものであり、
前記演出決定手段は、各遊技回において絵柄の変動表示が行われる場合の一連の表示演出を決定するものであり、
さらに、前記演出決定手段により決定された表示演出のうち既に実行されている演出内容を特定する既実行特定手段(第2図柄高速変動時切替処理におけるステップS1903)を備え、
前記演出切替手段は、前記演出情報記憶手段に前記演出情報が記憶された場合、前記既実行特定手段により既に実行されていると特定された演出内容が当該演出情報に対応したものである場合に、未だ実行されていない演出内容を当該演出情報に対応した特別演出の内容に切り替えることを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、既に実行されていると特定された演出内容が記憶されている演出情報に対応したものである場合に、未だ実行されていない演出内容が当該演出情報に対応した特別演出の内容に切り替えられる。これにより、演出用媒体の設置が変動表示の途中で行われた場合に、その変動表示で特別報知が開始される機会を多くする効果を高めることが可能となる。この結果、演出用媒体の設置を反映するまでの期間を短くする効果を高めることが可能となる。
特徴B5.特徴B2において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)であり、
遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理)と、
前記特典付与手段により特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による変動開始処理)と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の変動表示を開始させ、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示させ前記絵柄の変動表示を終了させることを遊技回の1回として、各遊技回の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を表示制御するものであり、
前記演出決定手段は、各遊技回において絵柄の変動表示が行われる場合の一連の表示演出を決定するものであり、
前記演出切替手段は、前記変動表示が実行されている状況において前記演出情報記憶手段に前記演出情報が記憶され当該演出情報に対応した特別演出に前記表示演出を切り替える場合、前記演出決定手段により決定された表示演出に対応した変動表示時間を変更することなく当該切り替えを行うものであることを特徴とする遊技機。
特徴B5によれば、絵柄の変動表示が行われている途中においてその遊技回で演出用媒体が設置されたとしても、その遊技回において既に決定されている一連の表示演出に対応した変動表示時間が変更されることはない。これにより、絵柄の変動表示が行われている途中であっても演出の切替が行われ得る構成において各遊技回を消化するのに要する時間が変動してしまうことが抑えられる。
特徴B6.特徴B2において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)であり、
遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理)と、
前記特典付与手段により特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による変動開始処理)と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の変動表示を開始させ、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示させ前記絵柄の変動表示を終了させることを遊技回の1回として、各遊技回の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を表示制御するものであり、
各遊技回において前記絵柄の変動表示が行われる場合の変動表示時間を決定する時間決定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理)を備え、前記演出決定手段は前記時間決定手段により決定された変動表示時間に対応した表示演出を決定するものであり、
前記演出切替手段は、前記変動表示が実行されている状況において前記演出情報記憶手段に前記演出情報が記憶され当該演出情報に対応した特別演出に前記表示演出を切り替える場合、前記時間決定手段により決定された変動表示時間を変更することなく当該切り替えを行うものであることを特徴とする遊技機。
特徴B6によれば、絵柄の変動表示が行われている途中においてその遊技回で演出用媒体が設置されたとしても、その遊技回において既に決定されている絵柄の変動表示時間が変更されることはない。これにより、絵柄の変動表示が行われている途中であっても演出の切替が行われ得る構成において各遊技回を消化するのに要する時間が変動してしまうことが抑えられる。
特徴B7.特徴B2乃至B6のいずれか1において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示手段であり、
前記演出制御手段は、前記演出決定手段により決定された変動表示態様を表示するよう前記絵柄表示手段を制御するものであり、
前記演出切替手段は、前記絵柄の変動表示が開始されてから予め定められた特別基準期間が経過していない場合又は当該特別基準期間が経過する所定の期間前である場合に、前記特別基準期間以降に当該絵柄の変動表示にて実行すると決定されている前記変動表示態様を切り替えることを特徴とする遊技機。
特徴B7によれば、絵柄の変動表示が開始されてから予め定められた特別基準期間が経過していない場合又は当該特別基準期間が経過する所定の期間前である状況において演出情報記憶手段に記憶されている演出情報が切り替わった場合に、当該絵柄の変動表示にて実行すると決定されている特別基準期間以降の変動表示態様が切り替えられる。演出情報が切り替えられた場合に特別基準期間以降の演出のみを切り替えることにより、演出情報が切り替わったタイミングにて実行されていない演出の全てを切り替える構成と比べ、その演出の切替にかかる処理負荷を軽減できる。
また、特徴B5又はB6を適用した構成においては、変動表示時間を変更することなく実行される演出を切り替えることが困難なことが考えられる。補足すると、演出を切り替えるタイミングでは、演出の一部が開始されており、その場合に実行されていない演出の全てを切り替えようとすると、変動表示時間を変更することなく演出を切り替えるためその変動表示時間にて全ての演出が終了するよう実行する演出を調整する必要があり、処理負荷が大きくなることが考えられる。これに対して本特徴を適用した場合、特別基準期間以降の演出についてのみ切り替えればよく、全ての演出を切り替える構成と比べ、演出の切替にかかる処理負荷を軽減できる。
特徴B8.特徴B2乃至B6のいずれか1において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示手段であり、
前記演出制御手段は、前記演出決定手段により決定された変動表示態様を表示するよう前記絵柄表示手段を制御するものであり、
前記絵柄の変動表示における絵柄の表示態様として、外観による絵柄の識別性が相対的に高低となる高識別表示態様と低識別表示態様とが設定されているとともに、前記絵柄の変動表示の態様として、全絵柄が前記低識別表示態様で表示されている状態が予め定められた特別基準期間に亘って継続したタイミングにて所定の絵柄が前記高識別表示態様で表示される状態に切り替わる態様を備えており、
前記演出切替手段は、前記特別基準期間が経過していない場合又は前記特別基準期間が経過する所定の期間前である場合に、前記特別基準期間以降に当該絵柄の変動表示にて実行すると決定されている前記変動表示態様を切り替えることを特徴とする遊技機。
特徴B8によれば、絵柄の変動表示が行われている途中においてその変動表示で実行される演出の切替を行う場合に、当該絵柄の変動表示にて実行すると決定されている特別基準期間以降の変動表示態様が切り替えられる。この場合に、特別基準期間は、全絵柄が低識別表示態様で表示されている状態から少なくとも一部の絵柄が高識別表示態様で表示される状態に切り替わるタイミングまでの期間として設定されている。これにより、高識別表示態様で表示されている状態において絵柄の変動表示態様の情報が変更される構成に比べ、遊技者に違和感を与えることなく絵柄の変動表示態様を変更することができる。
また、特徴B5又はB6を適用した構成においては、変動表示時間を変更することなく実行される演出を切り替えることが困難なことが考えられる。補足すると、演出を切り替えるタイミングでは、演出の一部が開始されており、その場合に実行されていない演出の全てを切り替えようとすると、変動表示時間を変更することなく演出を切り替えるためその変動表示時間にて全ての演出が終了するよう実行する演出を調整する必要があり、処理負荷が大きくなることが考えられる。これに対して本特徴を適用した場合、特別基準期間以降の演出についてのみ切り替えればよく、全ての演出を切り替える構成と比べ、演出の切替にかかる処理負荷を軽減できる。
なお、本明細書において、「外観による絵柄の識別性が相対的に高低となる高識別表示態様と低識別表示態様」として、「絵柄の変動表示速度が相対的に高低となる高速変動表示と低速変動表示」が設定されている構成としてもよい。
特徴B9.特徴B2乃至B6のいずれか1において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示手段であり、
前記演出制御手段は、前記演出決定手段により決定された変動表示態様を表示するよう前記絵柄表示手段を制御するものであり、
前記絵柄の変動表示における絵柄の表示態様として、外観による絵柄の識別性が相対的に高低となる高識別表示態様と低識別表示態様とが設定されているとともに、前記絵柄の変動表示の態様として、全絵柄が前記低識別表示態様で表示されている状態が予め定められた特別基準期間に亘って継続したタイミングにて所定の絵柄が前記高識別表示態様で表示される状態に切り替わる態様を備えており、
前記絵柄表示手段は、前記絵柄の変動表示として、前記表示画面上における複数の絵柄表示領域(図柄列Z1〜Z3)のそれぞれにおいて複数種の絵柄を予め定められた順序で変動表示する構成であり、
前記複数の絵柄表示領域として第1絵柄表示領域(上図柄列Z1)と第2絵柄表示領域(下図柄列Z3)とを備えており、
前記絵柄の変動表示の態様として、前記絵柄の変動表示の開始から第1基準期間が経過した場合に前記第1絵柄表示領域において前記低識別表示態様にて変動表示されている絵柄が前記高識別表示態様で表示される状態に切り替わるとともに、前記絵柄の変動表示の開始から前記第1基準期間よりも長い第2基準期間が経過した場合に前記第2絵柄表示領域において前記低識別表示態様にて変動表示されている絵柄が前記高識別表示態様で表示される状態に切り替わる態様を備えており、
前記演出切替手段は、
前記第1基準期間が経過していない場合又は前記第1基準期間が経過する所定の期間前である場合に、前記第1基準期間以降の前記変動表示態様を切り替える第1演出切替手段(音声ランプ制御装置82による第1図柄高速変動時切替処理)と、
前記第1基準期間の所定期間前に対応した期間又は前記第1基準期間の経過後であって前記第2基準期間が経過していない場合又は前記第2基準期間が経過する所定の期間前である場合に、前記第1絵柄表示領域を除いた前記変動表示態様を切り替える第2演出切替手段(音声ランプ制御装置82による第2図柄高速変動時切替処理)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴B9によれば、絵柄の変動表示が行われている途中においてその遊技回で演出用媒体が設置された場合、第1基準期間が経過する又は第1基準期間が経過する所定の期間前までに演出用媒体が設置された場合には、当初設定されていた絵柄の変動表示態様のうち、第1基準期間以降の絵柄の変動表示態様が切り替えられる。この場合、第1基準期間は、絵柄の変動表示の開始から第1絵柄表示領域において低識別態様にて変動表示されている絵柄が高識別表示態様で表示される状態に切り替わるまでの期間として設定されている。また、第2基準期間は、絵柄の変動表示の開始から第2絵柄表示領域において低識別表示態様にて変動表示されている絵柄が高識別表示態様で表示される状態に切り替わるまでの期間として設定されている。第1基準期間が経過しており又は第1基準期間の所定期間前までの期間が経過しており、第2基準期間が経過する又は第2基準期間が経過する所定の期間前までに演出用媒体が設置された場合、当初設定されていた絵柄の変動表示態様のうち、第1絵柄表示領域を除いた絵柄の変動表示態様が切り替えられる。これにより、高識別表示態様で表示されている状態において絵柄の変動表示態様が切り替えられる構成に比べ、遊技者に違和感を与えることなく絵柄の変動表示態様を切り替えることができる。
特に、本特徴では、低識別表示態様にて変動表示されている状態から高識別表示態様で変動表示されている状態への切替タイミングが第1絵柄表示領域と第2絵柄表示領域とで異なる構成に対応させている。これにより、第1基準期間又は第1基準期間が経過する所定期間前までの期間が経過した後には演出の切替が行われない構成に比べ、演出用媒体の設置が遊技回の途中で行われた場合に、その遊技回で演出が切り替えられる機会が多くなる。
また、特徴B5又はB6を適用した構成においては、変動表示時間を変更することなく実行される演出を切り替えることが困難なことが考えられる。補足すると、演出を切り替えるタイミングでは、演出の一部が開始されており、その場合に実行されていない演出の全てを切り替えようとすると、変動表示時間を変更することなく演出を切り替えるためその変動表示時間にて全ての演出が終了するよう実行する演出を調整する必要があり、処理負荷が大きくなることが考えられる。これに対して本特徴を適用した場合、第1基準期間以降又は第2基準期間以降の演出を切り替えるのみでよく、全ての演出を切り替える構成と比べ、演出の切替にかかる処理負荷を軽減できる。
特徴B10.特徴B7乃至B9のいずれか1において、前記演出用媒体に基づいた演出として、前記変動表示の最終停止結果が前記演出情報に対応付けられた特別態様となるものが設定されており、
前記演出切替手段は、前記変動表示が行われている状況であって前記演出用媒体の設置が行われた場合、前記最終停止結果が前記特別態様となるように前記変動表示態様を切り替えることを特徴とする遊技機。
特徴B10によれば、演出用媒体が設置されたことに基づく演出を各遊技回における停止結果としたことで、演出用媒体に対応した演出が行われるタイミングが明確となり、その演出が視認者に見逃される可能性が低減される。
また、特徴B9に本特徴を適用した場合、第1絵柄表示領域が高識別表示態様に切り替わるタイミング及び第2絵柄表示領域が高識別表示領域に切り替わるタイミングのそれぞれに対応させて演出が切り替えられるため、遊技回の途中における当初の最終停止結果の態様から特別態様への変更を良好に行うことができる。
特徴B11.特徴B9において、前記演出用媒体に基づいた演出として、前記変動表示の最終停止結果が前記演出情報に対応付けられた特別態様となるものが設定されており、
前記第2演出切替手段は、前記第1絵柄表示領域の停止結果を変更することなく前記特別態様に切替可能な場合に前記第1絵柄表示領域を除いた前記変動表示態様を切り替えることを特徴とする遊技機。
特徴B11によれば、演出用媒体が設置されたことに基づく演出を変動表示における最終停止結果としたことで、演出用媒体に対応した演出が行われるタイミングが明確となり、その演出が視認者に見逃される可能性が低減される。
また、第1絵柄表示領域の停止結果を変更することなく絵柄の停止結果を特別態様に切替可能なことに基づいて第1絵柄表示領域を除く変動表示態様が切り替えられる。これにより、演出用媒体の設置が変動表示の途中で行われた場合に、その変動表示で特別報知が開始される機会を多くする効果を高めることが可能となる。この結果、演出用媒体の設置を反映するまでの期間を短くする効果を高めることが可能となる。
特徴B12.特徴B2乃至B11のいずれか1において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示させる絵柄表示手段であり、前記絵柄が最終停止表示された場合の停止絵柄に基づいて遊技結果を教示するものであり、
前記演出決定手段は、前記絵柄が変動表示されている場合に、前記停止絵柄が遊技者に有利な有利結果となるか否かの期待度を教示する教示演出(リーチ開始演出、スーパーリーチ演出)を決定する教示演出決定手段(変動表示態様決定処理におけるステップS1305のリーチ演出決定処理)を備え、
さらに、前記教示演出決定手段により決定された教示演出が実行されていないことを特定する特定手段(音声ランプ制御装置82による変動表示態様切替処理におけるステップS1705)を備え、
前記演出切替手段は、前記変動表示が実行されている状況において前記演出情報記憶手段に前記演出情報が記憶された場合、前記教示演出が実行されていないことが特定された場合に当該教示演出を前記特別演出に切り替える教示演出切替手段(第2図柄高速変動時切替処理におけるステップS1914〜ステップS1922、スーパーリーチ演出切替処理)を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴B12によれば、絵柄が変動表示されており、演出用媒体が設置された場合、実行されると決定されていた教示演出が切り替えられる。教示演出は有利結果となるか否かの期待度を教示するものであり、遊技者は教示演出に注目して遊技を行っているものと考えられる。教示演出に対する遊技者の注目度が高いため、演出用媒体が設置された場合にはその設置を早い段階にて反映することが望ましい。本特徴によれば、絵柄の変動表示が実行されており、演出用媒体が設置された場合にその設置に基づいて実行される教示演出を切り替えることが可能となり、演出用媒体の設置を一早く反映することが可能となる。
特徴B13.特徴B2乃至B12のいずれか1において、前記媒体設置手段は、複数の前記演出用媒体を設置可能であり、
前記演出決定手段は、前記演出実行手段における一連の表示演出を決定する表示態様決定手段(変動表示態様決定処理におけるステップS1303〜ステップS1306)を備え、
前記演出切替手段は、前記表示態様決定手段により決定された一連の表示演出の実行中に前記媒体設置手段に前記演出用媒体が追加して設置された場合、その追加された演出用媒体に対応した前記特別演出を実行するよう前記演出実行手段にて実行する演出を切り替えることを特徴とする遊技機。
媒体設置手段に複数の演出用媒体が設置可能な構成においては、演出用媒体が設置されたとしても、設置する演出用媒体を増加させた場合や演出用媒体を取り除いた場合等、演出用媒体の設置後及び設置前において共通した演出用媒体があることが考えられる。本特徴によれば、新たに設置された演出用媒体に対応した演出のみ切り替えることが可能となる。これにより、新たに設置された演出用媒体に対応していない演出については、演出を切り替える必要がなくなる。
特徴B14.特徴B1乃至B13のいずれか1において、前記演出情報読込手段は、予め定められた周期毎(1msec毎)に、前記媒体設置手段に設置されている前記演出用媒体の前記演出情報を読込むことを特徴とする遊技機。
特徴B14によれば、予め定められた周期毎に演出情報が読込まれる。演出用媒体の設置タイミングは不規則に発生することが考えられるが、本特徴によれば、予め定められた周期毎に演出情報を読込むことにより、演出用媒体の設置が不規則に行われたとしてもその設置を良好に確認できる。なお、予め定められた周期を短く設定すれば、演出用媒体が設置されたことを一層早めに反映可能となる。
特徴B15.特徴B14において、報知手段(図柄表示装置41)と、
前記演出情報読込手段による前記演出用媒体の前記演出情報の読込みが連続して予め定められた期間に亘り正常に行われなかった場合に、前記演出用媒体の前記演出情報が正常に読込めなかったことを報知するよう前記報知手段を報知制御する報知制御手段(音声ランプ制御装置82によるカード読込み処理におけるステップS1103〜ステップS1105)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴B15によれば、連続して予め定められた期間に亘り演出情報の読取りが正常に行われなった場合に、その異常が報知される。演出用媒体の演出情報が正常に読取れていないにもかかわらず、そのことが報知されないとすると、演出用媒体を設置したにもかかわらず、特別演出が一向に実行されないことが考えられる。本特徴によれば、報知が行われるため、演出用媒体が正常に設置されていないことを、演出用媒体を設置した設置者が良好に理解できる。
また、連続して予め定められた期間に亘り読取り異常が発生しないと、その異常が報知されない。演出用媒体の設置作業を行っている場合、演出用媒体が動いていたり、正常に設置されていなかったりすることが考えられる。この場合に情報読込手段による演出情報の読込みが行われたとすると、演出情報が正常に読取れないことが考えられる。一度の読込み異常により報知を実行すると、演出用媒体を設置している場合に頻繁に報知が実行されることが考えられる。これに対して本特徴によれば、連続して予め定められた期間に亘り正常に演出情報の読込みが正常に行われなかった場合に報知が実行されるため、演出用媒体の設置作業中に報知が実行されることを抑制できる。
特徴B16.特徴B1乃至B15のいずれか1において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示手段であり、
遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理)と、
前記特典付与手段により特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による変動開始処理)と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の変動表示を開始させ、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示させ前記絵柄の変動表示を終了させることを遊技回の1回として、各遊技回の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を表示制御するものであり、
前記演出決定手段は、各遊技回において絵柄の変動表示が行われる場合の一連の表示演出を決定するとともに、表示演出に対応した変動表示時間が前記演出情報の有無に依存しないように前記表示演出を決定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴B16によれば、演出用媒体の設置の有無によって、演出決定手段により決定される表示演出に対応した変動表示時間に影響が及ぼされないようになっている。演出用媒体は遊技者によって設置されるものであり、仮に、設置されている演出用媒体に基づいて変動表示時間を決定すると、遊技者の演出用媒体の設置によって単位期間において実行される遊技回数が大きく変動することが考えられる。これに対して本特徴によれば、演出用媒体の設置によって表示演出に対応した変動表示時間が変動することを抑制し、演出用媒体の設置によって単位期間において実行される遊技回数が変動することを抑制できる。
なお、演出情報が記憶されているか否かによって、一の遊技回の変動表示時間が変更されないように一連の表示演出を決定する構成として、演出決定手段は、付与判定の結果を反映させて一連の表示演出を決定するものが考えられる。
また、本特徴を特徴B3乃至B6のいずれかに適用する場合、特徴B3乃至B6のいずれかにおける「特典付与手段」、「付与判定手段」と、本特徴における「特典付与手段」、「付与判定手段」と、はそれぞれ同一のものを用いてもよい。
特徴B17.特徴B1乃至B15のいずれか1において、前記演出実行手段は、絵柄を変動表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)であり、
遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理)と、
前記特典付与手段により特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による変動開始処理)と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の変動表示を開始させ、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示させ前記絵柄の変動表示を終了させることを遊技回の1回として、各遊技回の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を表示制御するものであり、
各遊技回において前記絵柄の変動表示が行われる場合の変動表示時間を決定する時間決定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理)を備え、前記演出決定手段は前記時間決定手段により決定された変動表示時間に対応した表示演出を決定するものであり、
前記時間決定手段は、前記演出情報を参照することなく前記変動表示時間を決定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴B17によれば、時間決定手段は、演出情報を参照することなく変動表示時間を決定する。すなわち、変動表示時間の決定に演出用媒体の設置の有無が関与しない。演出用媒体は遊技者によって設置されるものであり、仮に、設置されている演出用媒体に基づいて変動表示時間を決定すると、遊技者の演出用媒体の設置によって単位期間において実行される遊技回数が大きく変動することが考えられる。これに対して本特徴によれば、演出用媒体の設置によって変動表示時間が変動することを抑制し、演出用媒体の設置によって単位期間において実行される遊技回数が変動することを抑制できる。
なお、演出情報を参照することなく変動表示時間を決定する構成として、変動表示時間決定手段は、付与判定の結果を反映させて変動表示時間を決定するものが考えられる。
また、本特徴を特徴B3乃至B6のいずれかに適用する場合、特徴B3乃至B6のいずれかにおける「特典付与手段」、「付与判定手段」と、本特徴における「特典付与手段」、「付与判定手段」と、はそれぞれ同一のものを用いてもよい。また、特徴B6における「時間決定手段」と、本特徴における「時間決定手段」と、は同一のものを用いてもよい。すなわち、本明細書において、同じ名称の手段は同一のものを用いてもよい。
また、上記特徴A1乃至A14のいずれかに対して特徴B1乃至B17のいずれかを適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射装置53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内,外レール部51,52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。