JP2014100445A - 防災服 - Google Patents
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Abstract
【課題】日常生活で着用可能なデザインでありながら、有事の際には短時間に変形させ防災服となる衣服を提供する。
【解決手段】日常生活で着用しても違和感のないデザインのコートとフード付きベストのアンサンブルで、有事の際には容易に防災服に変形させられる衣服。アンサンブルにすることで様々なコーディネイトが可能。防炎素材など炎に強い素材を用いることで火災から身を守る。フード付きベストの生地の間にある浮き袋を膨らませる事で、避難時には落下物から頭部や内臓部分を守り、水害の際には救命胴衣となり、火災の際には煙の吸引を軽減できると共に浮き袋内の空気を吸いながら避難ができる。コートは避難時にオールインワンに変形させることで、下半身がパンツの形状になり活動しやすく避難しやすい。前明きファスナー先など、口の周囲部分にホイッスルを付ける事で救援を呼ぶことが容易になる。
【選択図】図1
【解決手段】日常生活で着用しても違和感のないデザインのコートとフード付きベストのアンサンブルで、有事の際には容易に防災服に変形させられる衣服。アンサンブルにすることで様々なコーディネイトが可能。防炎素材など炎に強い素材を用いることで火災から身を守る。フード付きベストの生地の間にある浮き袋を膨らませる事で、避難時には落下物から頭部や内臓部分を守り、水害の際には救命胴衣となり、火災の際には煙の吸引を軽減できると共に浮き袋内の空気を吸いながら避難ができる。コートは避難時にオールインワンに変形させることで、下半身がパンツの形状になり活動しやすく避難しやすい。前明きファスナー先など、口の周囲部分にホイッスルを付ける事で救援を呼ぶことが容易になる。
【選択図】図1
Description
本発明は、大型地震による火災・津波・建物の倒壊やその他の有事に備え、日常生活で着用可能なデザインの、防炎服や救命胴衣の機能も果たす防災服。
大規模震災の際には、火災・津波・建物の倒壊など様々な災害が起こる恐れがある。また、首都直下型地震などの新たな大規模震災がいつ起こるか分からない状況の中で私たちは生活をしている。この不安な生活の中で、日常生活の中で無理なく有事の備えとなる衣服が必要であろう。
災害時の衣服として、防炎服や救命胴衣がある。これらは、災害時や危険を伴う場合を前提とした衣服であり、日常生活での着装には向かないデザインが多い。
また、火災の際には防炎服、水害の際には救命胴衣など、災害の種類により衣服が異なる。
建物の倒壊などで閉じ込められた際にホイッスルを吹くことは、体力を温存しながら生存を知らせる事ができる手段であり、普段から携帯していることが防災の備えとして望ましい。現在、ホイッスルは災害用の緊急用ホイッスルとして、携帯電話用ストラップやキーホルダーなどとして販売されており、鞄の中などに常備し災害に備えている人もいる。
火災の死因として、火傷死・焼死の他に一酸化中毒死が挙げられる。このように、火災時には火から逃げる事は勿論であるが、煙を吸わないようにすることも大切である。しかし、現在の防炎服のデザイン(消防士用の専門的な防炎服などは除く)は、炎から守る衣服デザイン・素材ではあるが、煙を吸いにくくするデザインではない。
避難の際には、頭部を守る事が大切である。落下物を考え頭部を守るものとしては、防災頭巾やヘルメットなどが挙げられる。
これまでの防災服のデザインは、コートとパンツのセットアップや、オールインワンのデザインが多い。これは全身を炎から守る事と、動きやすさを重視し、下半身部分がパンツタイプのデザインになっている。
このように、いつ起こるか分からない大規模震災やその他の有事に備え、日常生活の中で着用できるデザインで、なおかつ様々な災害に対応する防災服が、人々に安心した日々を与えると思われる。
特許文献1は、日常生活で着用可能なデザインである。浮力材を用いた浮性身回品であり、津波の際などの水害の際には効果をもたらすと思われるが、火災や建物の倒壊など、他の災害からは身を守れない衣服である。
特許文献2も、日常生活で着用可能なデザインの防災服である。生地に防炎布などを用い、ポケットに防災用具を収納するという構造である。水害の際には、浮き用品を取り出し使用する形式であるが、震災などで迅速に避難を必要とする際に、ポケットから用具を取り出し準備をしてから避難するという、多くの工程をこなす事は難しいと思われる。
ホイッスルは防災の備えとして有効であるが、実際に閉じ込められた際に、近くに鞄や携帯があるとは限らない。また、建物などに挟まれ、身動きが取れない場合などは、これらの備えがあっても動ける範囲は制限され、使えない確立が高くなると思われる。
火災の死因として煙の吸い込みによる一酸化中毒死の割合は高い。炎から身体を守るとともに、煙を吸う事を防ぎながら迅速に避難できる一般の人でも購入可能な防炎服が必要であろう。
避難の際には落下物に注意する必要がある。頭部を守る用具として、防災頭巾やヘルメットがあるが、常に持ち歩く事は困難である。日常着で落下物から身を守れたら安心である。
防災服のデザインはパンツタイプが多く、防炎素材で作られたパンツは安全性が高く行動もしやすい。しかし、防災服としてのデザイン要素が強く、日常で着用するのは難しい。
本発明は、前述の課題解決のために、日常生活での着用に適するデザインの衣服でありながら、様々な有事の際には防炎服や救命胴衣の機能を伴う防災服に短時間に変形でき、迅速かつ安全に避難することができる事を目的とする衣服である。
火災時に対応するため、生地は防炎素材など炎から身を守れる素材を使用する。
ベストは表側と身体側の間に浮き袋を挟む。日常生活の際には浮き袋は膨らませず、普通のベストとして着用する。有時には、フードと身体部分の浮き袋を膨らませ救命胴衣に変形させる。
また、ベストのフードの前中心の高さを一般のものより長くし鼻がほとんど隠れる高さにすると共に、上端にワイヤーを付け、火災時に煙を吸い込む量を軽減させる。
コートとベストは前明きでファスナー付きにする。ファスナーのスライダー(引き手)部分に緊急用ホイッスルを飾りとして付ける。
コートは、後中心にベンツが付いたデザインである。有時にはそのベンツ部分の見返しと持ち出しの布を股下布に変え、オールインワンのデザインに変形できる2WAYデザインである。
フード付きベストであり、浮き袋を膨らませる事で、様々な効果が得られる。津波などの水害の際には救命胴衣となる。避難時には、落下物から頭部と内臓部分を守る事ができ、防災頭巾よりもより効果的である。また火災時に、煙が充満する前に浮き袋を膨らませる事で、ベストの浮き袋の中の綺麗な空気を吸いながら避難が可能であり、一酸化中毒死を防ぐ事ができる。
ベストのフード前中心内側の口元部分に、布地や不織布などの口当て布を使用することで、火災時に煙を吸い込まないようにハンカチやタオルなどで口元を押さえる必要がない。口元を押さえるための片手が必要ではないため、両手を使って避難することができ、より迅速な避難が可能であると思われる。また、フード前中心の高さを鼻がほとんど隠れる程度まで長くすることと、フード前中心の上端にワイヤーを入れ着装者の鼻の形状に合わせることで、フード内の口元付近に煙が入り込むことを軽減させることができ、煙の吸い込みによる一酸化中毒死を防ぐ事ができる。
ベストとコートのファスナー上端のスライダー部分、つまり口元付近にホイッスルがあることで、建物の倒壊などで身体の自由がきかなかったとしても、ホイッスルを吹ける可能性が高くなる。ホイッスルにより生存を示すことができ、救援活動に効果的である。
コートをオールインワンに変形する事で、下半身がパンツの形状となり、避難の際に活動がしやすくなる。
コートにライナーを付けることで、避難時の寒さ対策となる。また、季節により着装の選択ができるため、着用可能なシーズンが広がる。
コートとフード付きベストのアンサンブルであり、個人の趣味、季節、温度変化などによって様々なコーディネイトが可能であり、日常生活の中でも楽しみながら着装することができるデザインである。
以下、本発明のフード付きベストとコートについて図面を参照して説明する。
図1は有事の際に、フード付きベストには空気を入れ膨らませ、コートはオールインワンに変形させ、防災服兼救命胴衣のアンサンブルで着装した図である。災害の種類、季節や外気温などに合わせ、アンサンブルではなく、フード付きベストのみ、コートのみで着用することも可能である。
図2及び図3及び図6は、フード付きベストを示しているが、袖付きの上着でも良い。また、着丈もデザインにより異なる丈でも良い。
図1の、フード付きベストの口元部分のフード前中心高さ16は鼻がほとんど隠れる高さであり、一般のフードの前中心よりかなり高い設定となっていることと、フード前端の上側にフード前中心上端ワイヤー17が入っていることにより、着装者の鼻の形状に合わせる事ができるため、より煙の吸い込みを軽減できる。
図1及び図2及び図3が示すように、表側布の右肩先9aから始まり、右衿刳り10a、頭頂点11、左衿刳り10b、左肩先9bを結ぶ位置にフード用オープンファスナー12が付く。オープンファスナー12を開けるとマチ13が出てくる。これにより、表側布が身頃側の布より面積が大きくなる。外回りが大きくなることで、浮き袋に空気を入れ膨らませた際に、身頃側の布の形状があまり変化せず外側に膨らむ。膨らんでも身体への圧迫があまりかからず着用できる。図2は膨らませていない状態の日常でのベストの形状で、図3は有事の際に膨らませた状態のベストの形状ある。また、図4及び図5は断面図で、図4は空気を入れていない状態の浮き袋28aで、図5は空気を入れている状態の浮き袋28bである。
図6はフード前端を開けた状態である。フード内側左側の口元に当る部分には口当て布29として、布地や不織布などを使用し呼吸が困難にならない素材を使用する。また、浮き袋用空気注入兼吸い込みチューブ30から酸素や空気を入れることで、火災時にはこのチューブから、綺麗な空気を吸いながら避難することが可能である。
ベスト前明きファスナー15及びコート前明き逆開ファスナー19の上側のファスナーのスライダー(持ち手)に、ベスト用ホイッスル14及びコート用ホイッスル34を付ける。ホイッスルを付けることで、救援を求める時に使用できる。また、今回はファスナーのスライダーに付けているが、デザインにより他の箇所にホイッスルを付けることもある。
図7はコートの前面図で、図8はコートの後面図であり、日常は図7及び図8の形状で着装する。ラグラン袖にしているが、セットイン袖やきものスリーブなど、パターンの形状はデザインにより異なる。
今回のコートのポケットはアウトポケット36としているが、フラップ付きポケットや片玉縁ポケット、両玉縁ポケットなど、形状・個数・ポケット付け位置は問わない。
図9は、コート前明き逆開ファスナー23を開けた状態である。右身頃側のベンツ持ち出し16の端にある持ち出し端ファスナー18aと右前裾タブ19aの端にある右裾タブ端ファスナー20aを閉める。左身頃も同様に、ベンツの見返し15の端にある見返し端ファスナー18bと左前裾タブ19bの端にある左裾タブ端ファスナー20bを閉める。この2本のファスナーを閉めることで、日常時に見返し15・持ち出し16・右裾タブ19a・左裾タブ19bであった部分が、股下布として変化し、図1のようにオールインワンの形状になる。今回は、左高のベンツであるが、右高のベンツの場合は上記と左右対称となる。
また、図10は取り外しライナーの図である。コート用ライナー45は、ライナー端ファスナー46で取り外す事ができる。これにより、季節や気温変化などの調整ができる。ライナー素材は適宜変更可能とする。端の始末は、素材により変更する。また、このコートはライナー付きとしているが、ライナーの付かないコートでも良い。
1…ベスト前身頃、2…ベスト後身頃、3…フード前端布、4…フード中心布、5…フード脇布、6…コート前袖、7…コート後袖、8…脇線、9a…右肩先、9b…左肩先、10a…右衿刳り、10b…左衿刳り、11…頭頂点、12…フード用オープンファスナー、13…フードマチ、14…ベスト用ホイッスル、15…ベスト前明きファスナー、16…フード前中心高さ、17…フード前中心上端ワイヤー、18a…見返し端ファスナー、18b…持ち出し端ファスナー、19a…右裾タブ、19b…左裾タブ、20a…右裾タブ端ファスナー、20b…左裾タブ端ファスナー、21…コート前身頃、22…コート後身頃、23…コート前明き逆開ファスナー、24…ベスト袖刳り、25…フード前中心留めドットボタン、26…表側ベスト前身頃、27…身体側ベスト前身頃、28a…浮き袋(膨らませていない状態)、28b…浮き袋(膨らませた状態)、29…口当て布、30…浮き袋用空気注入兼吸い込みチューブ、31…チューブ出し口、32…フード前端身頃側布、33…スタンドカラー、34…コート用ホイッスル、35…コート下端スライダー、36…アウトポケット、37…ベンツ明き止まり、38…ベンツ部分、39…ベンツ布留めドットボタン、40…後中心、41…コート前見返し、42…コート後見返し、43…見返し端(内側ライナー取り外し用ファスナー付き)、44a…右裾タブ留めドットボタン、44b…左裾タブ留めドットボタン、45…コート用ライナー、46…ライナー取り外し用ファスナー、47…ライナースリット、48…ライナースリット止まり、49…コート裏地、50…ライナー裾端パイピング始末
Claims (7)
- 日常生活で着用できるデザインの、コートとフード付きベストのアンサンブルで、有時の際には短時間で防災服に変形できる衣服。
- フード付きベストの表布と身頃側布の間に浮き袋が挟んであり、津波などの水害時に浮き袋を膨らますことで救命胴衣の機能を果たす防災服。
- フード付きベストの表布と身頃側布の間に挟んである浮き袋を避難時に膨らます事で、落下物の衝撃が浮き袋により軽減され、頭部と胴体部分にある内臓を守る防災頭巾の機能を果たす防災服。
- フード付きベストの表布と身頃側布の間にある浮き袋を、火災時に煙が充満する前に膨らませることで、浮き袋内の綺麗な空気を吸いながら避難が可能であり、一酸化中毒死を防ぐ事ができる防災服。
- フードの前中心を鼻が隠れる高さまで長くし、更に上端にワイヤーなどを入れることで着装者の鼻の形状に合わせることができ、火災時に煙を吸い込む量を軽減できる防災服。
- 日常生活ではコートとして着用し、有時にはオールインワンとして2WAYで着用できる防災服。
- 口元付近にホイッスルを付けることで、救助を求める際にホイッスルが吹きやすいデザインの防災服。
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