JP2014093827A - 超電導回転機の固定子冷却構造 - Google Patents

超電導回転機の固定子冷却構造 Download PDF

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Abstract


【課題】超電導回転機の固定子を効率よく冷却する。
【解決手段】固定子冷却構造は、バックヨーク(32)の外周に、バックヨークの軸方向に延在するようバックヨークの周方向に交互に形成された複数の給気流路及び排気流路と、バックヨークの隣り合う分割片の間にバックヨークを貫通し且つ各一端がその対応する給気又は排気流路に接続されるよう、バックヨークの周方向に交互に配置された複数の給気及び排気バックヨーク流路(31a、31b)と、バックヨークの隣り合う分割片に配設された2群のティース間にティースの基端から先端に向けて延び且つ各基端がその対応する給気バックヨーク流路に接続されるよう、バックヨークの周方向に配置された複数の給気及び排気ティース流路(37a、37b)と、給気ティース流路と排気ティース流路とを連通するよう、ティースをバックヨークの軸方向に貫通するティース穴(35)と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、超電導回転機の固定子冷却構造に関する。
超電導現象が生じる超電導巻線を使用する超電導回転機(superconducting rotating machine)は、一般的に、固定子(stator)と、回転子(rotor)と、該回転子及び該固定子を支持する筐体(housing)とから成る電動機又は発電機である。なお、超電導回転機以外の回転機としては、超電導現象が生じない常電導巻線を使用する常電動回転機(normal conducting rotating machine)が挙げられる。超電導回転機は、通常、回転子を超電導化(超電導界磁巻線)し、固定子を常電導化(常電導電機子巻線)したラジアルギャップ(radial gap)型の構造を呈している。
常電動回転機の固定子は、鉄等の強磁性材料の鉄芯と、該鉄芯に設けられたスロットと呼ばれる凹状の溝に配置された固定子巻線とにより構成されている。鉄芯は、例えば、磁気ヒステリシスが小さく且つ飽和磁化の高い電磁鋼板などの合金綱を積層化して形成されている。このように鉄芯を設けることにより、回転子からの磁束が鉄芯内に収束し、磁場強度ひいては回転力を高めている。
一方、超電導回転機の固定子は、鉄芯を設けない空芯構造を採用している。なぜならば、超電導回転機の場合、磁束密度が高いので、鉄芯を使用すると飽和磁束状態に達しやすくなり、ひいては鉄芯部において渦電流損が生じやすくなるからである。例えば、特許文献1には、前述した通常の構造とは異なり、回転子及び固定子を共に超電導化した所謂全超電導回転機の構造ではあるものの、円筒状の固定子の内面に空芯の超電導巻線を円周方向に並べることが開示されている。
但し、超電導回転機の固定子は、鉄芯を設けない空芯構造を採用したとしても、常電動回転機の固定子と同様に、その主な損失として銅損と渦電流損とを有することが知られている。銅損は、固定子巻線への通電電流により電気抵抗発熱となって発現するものである。一方、渦電流損は、磁束線周りに発生する渦電流に起因した電気抵抗発熱となって発現するものである。したがって、これらの電気抵抗発熱を冷却する冷却構造が必要である。
鉄芯が設けられる常電導回転機の固定子向けの冷却構造としては、特許文献2の図6 に開示された冷却構造が例に挙げられる。特許文献2の図6に示す冷却構造では、固定子鉄芯は電磁鋼板が固定子軸方向に積層されて成っており、この固定子鉄芯の適宜な積層厚み毎に間隔片が挿入されることで通風流路が形成されている。この構造において、冷却媒体は、固定子鉄芯の外周部から通風流路に導かれ、固定子鉄芯の電気抵抗発熱を冷却しながら固定子の内周部のエアギャップに向かって排出される。
さらに、特許文献2の図6に開示された固定子鉄芯のティース部を固定子の軸方向に貫通する複数の通風穴が該ティース部に形成されている。これにより、固定子の外周部からの冷却媒体の一部はエアギャップへ排出されずに固定子の枠端部に排出されるので、該エアギャップにおける固定子から排出される冷却媒体と回転子から排出される冷却媒体との衝突を避けることができる。
特開2005−176578号公報 特開2003−18772号公報
特許文献2の冷却構造は、冷却媒体が固定子の外周部から通風流路に導かれて固定子鉄芯の電気抵抗発熱を冷却しながら固定子と回転子との間のエアギャップに排出されるように、構成されている。このため、エアギャップにおいて固定子から排出される冷却媒体と回転子から排出される冷却媒体との衝突に伴い圧力損失が生じるという課題がある。また、特許文献2の冷却構造は、固定子鉄芯のティース部に複数の通風穴が形成されている。ここで、ティース部を効率良く冷却するためには、固定子の外周部からエアギャップへと向かう冷却媒体の一部がティース部の複数の通風穴に導かれるように、通風流路を通過する冷却媒体の流速を調整する必要があるが、このような調整は困難であるという課題がある。
加えて、特許文献2の冷却構造は鉄芯が設けられる常電導回転機の固定子向けのものであるところ、超電導回転機の固定子は、鉄芯を設けない空芯構造を採用しており、常電導回転機の固定子と比べて磁束密度が高いという特性がある。このため、特許文献2の冷却構造を超電導回転機の固定子向けに単純に採用することは困難である。
例えば、通風流路の断面積が大きい場合や通風流路の配置間隔が短い場合には、磁束の漏れによる渦電流損失が生じやすくなる。一方、通風流路の断面積が小さい場合や通風流路の配置間隔が長い場合には、通風流路に冷却媒体が流れにくくなるので圧力損失が増加し、これに伴って冷却能力が低下する。したがって、磁束の漏れの抑制と圧力損失の低減とをバランス良く達成すべく、通風流路の幅及び配置間隔を決定する必要があるが、特許文献2の冷却構造は、通風流路の幅及び配置間隔の大きさについて言及していない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的は、回転子を超電導化し且つ固定子を常電導化し、該固定子に配置される固定子巻線を空芯としたラジアルギャップ型の超電導回転機の該固定子を効率よく冷却することにある。
前記目的を達成するために、本発明のある形態に係る超電導回転機の固定子冷却構造は、超電導線材を用いた複数の界磁巻線が周方向に配置された回転子の周囲を取り囲むように配置されている超電導回転機の固定子の冷却構造であって、前記固定子は、全体として筒状に形成され、その軸方向において複数の分割片(section)に分割されたバックヨークと、前記バックヨークの各分割片の内周面に該バックヨークの中心軸に向けて延びるように該バックヨークの周方向に間隔を有して配設された複数のティースと、前記バックヨークの各分割片の内周面において隣り合う前記ティースの間に配置された固定子巻線と、を備え、前記冷却構造は、前記バックヨークの外周に、該バックヨークの軸方向に延在するように該バックヨークの周方向に形成された複数の給気流路及び複数の排気流路と、前記バックヨークの隣り合う分割片の間に該バックヨークを貫通し且つそれぞれの一端がその対応する前記給気流路にそれぞれ接続されるように、該バックヨークの周方向に配置された複数の給気バックヨーク流路と、前記バックヨークの隣り合う分割片の間に該バックヨークを貫通し且つそれぞれの一端がその対応する前記排気流路にそれぞれ接続されるように、該バックヨークの周方向に配置された複数の排気バックヨーク流路と、前記バックヨークの隣り合う分割片にそれぞれ配設された2群のティースの間に該ティースの基端から先端に向けて延び且つそれぞれの基端がその対応する前記給気バックヨーク流路にそれぞれ接続されるように、該バックヨークの周方向に配置された複数の給気ティース流路と、前記バックヨークの隣り合う分割片にそれぞれ配設された2群のティースの間に該ティースの基端から先端に向けて延び且つそれぞれの基端がその対応する前記排気バックヨーク流路にそれぞれ接続されるように、該バックヨークの周方向に配置された複数の排気ティース流路と、前記給気ティース流路と、前記排気ティース流路とを連通するように、前記ティースを前記バックヨークの軸方向に貫通するティース穴と、を備えて成る、ものである。
前記構成によれば、まず、外部の冷却媒体供給装置から送られ給気流路内を流れる冷却媒体は、給気バックヨーク流路へと導かれて、この給気バックヨーク流路内を流れる。これにより、バックヨークが冷却される。
そして、給気バックヨーク流路から排出された冷却媒体は、給気ティース流路へと導かれて、この給気ティース流路内を流れる。これにより、ティースと隣り合うティース間に配置された固定子巻線が冷却される。
そして、給気ティース流路内を流れる冷却媒体は、ティースに形成された複数のティース穴へと導かれる。なお、ティース穴は、給気ティース流路と排気ティース流路とを連通するように形成されている。したがって、給気ティース流路内を流れる冷却媒体は、ティース穴を介して排気ティース流路へと流れ込む。これにより、ティースはさらに冷却される。
なお、排気ティース流路に導かれた冷却媒体は、この排気ティース流路と連結されている排気バックヨーク流路へと導かれる。つまり、冷却媒体は、排気ティース流路内及び排気バックヨーク流路内を流れる。
そして、排気バックヨーク流路から排出された冷却媒体は、この排気バックヨーク流路と連結された排気流路へと導かれて、この排気流路内を流れる。以上のような冷却媒体の経路が形成されることで、固定子のバックヨーク、ティース、及び固定子巻線を効率よく冷却することが可能となる。また、このように固定子の冷却効率が向上したことに伴って、外部の冷却媒体供給装置の必要流量及び必要静圧を低減することができる。
前記超電導回転機の固定子冷却構造において、前記給気バックヨーク流路及び前記排気バックヨーク流路における前記バックヨークの軸方向の長さであるバックヨーク流路幅と、前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路における前記バックヨークの軸方向の長さであるティース流路幅とは、次式が成立するように決定される、としてもよい。
t2={(B1×t1+4×Ah)÷(4×B2) }×α
但し、t1はバックヨーク流路幅、t2はティース流路幅、B1はバックヨーク流路における筐体の周方向の長さ、B2はティース流路における筐体の周方向の長さ、Ahはティース穴1個あたりの面積、αは0.9〜1.1の比例係数である。
前記構成によれば、給気並びに排気バックヨーク流路、給気並びに排気ティース流路、及びティース穴をそれぞれ通過する冷却媒体の急激な変化を抑制することができ、この結果として、圧力損失を低減することができる。
前記超電導回転機の固定子冷却構造において、前記バックヨーク流路幅は6mm、前記ティース流路幅は12mm、前記バックヨークの軸方向における前記給気バックヨーク流路及び前記排気バックヨーク流路の配置間隔、及び前記バックヨークの軸方向における前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路の配置間隔はともに100mmである、としてもよい。
従来の常電導回転機の固定子冷却構造は、一般的に、流路幅10mmの通風流路を固定子の軸方向に50mmの流路間隔で配置している。したがって、バックヨークにおける筐体の軸方向の所定間隔及びティースにおける筐体の軸方向の所定間隔は、従来の常電導回転機の流路間隔の2倍であり、バックヨーク流路幅は従来の常電導回転機の流路幅の60%である。これにより、磁束の漏れに伴う渦電流損失の低減化を図ることができる。さらに、ティース流路幅は、バックヨーク流路幅の2倍であるため、冷却媒体の圧力損失の低減化を図ることができる。なお、超電導回転機の固定子は空芯構造であるため、ティース流路幅を従来の常電導回転機の流路幅よりも大きくしても、固定子巻線において発生する渦電流損への影響はない。
前記超電導回転機の固定子冷却構造において、前記固定子は、隣り合う前記ティースの間に前記固定子巻線を保持するように隣り合う前記ティースの間に架設されたウエッジをさらに備え、前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路は、前記固定子と前記回転子との間のエアギャップに至るように延びており、該エアギャップと前記ティース流路との間が非連通となるように、前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路が前記ウエッジによって閉鎖されている、としてもよい。
上述の超電導回転機の固定子冷却構造において、給気ティース流路及び排気ティース流路が、固定子と回転子との間のエアギャップに至るように延びている場合、給気ティース流路を流れる冷却媒体の一部はエアギャップを通って隣り合う排気ティース流路に流入する。従って、給気ティース流路及び排気ティース流路はエアギャップに連通していても構わない。しかし、前記構成によれば、給気ティース流路のエアギャップ側の開口部はウエッジによって閉鎖されているため、給気ティース流路内を流れる冷却媒体は、エアギャップへと排出されずに、ティースに形成された複数のティース穴へと導かれる。これにより、ティースの冷却効率をさらに向上することができる。
また、排気ティース流路のエアギャップ側の開口部についてもウエッジによって閉鎖されているので、給気ティース流路からティース穴を介して排気ティース流路に導かれた冷却媒体は、エアギャップに向けて排出されずに、この排気ティース流路と連結されている排気バックヨーク流路へと導かれる。これにより、エアギャップにおいて固定子から排出される冷却媒体と回転子から排出される冷却媒体とが衝突することがなくなり固定子の冷却効率を向上することができる。
前記超電導回転機の固定子冷却構造において、前記給気バックヨーク流路及び排気バックヨーク流路に位置する前記固定子巻線の径方向外側の面には、前記バックヨークの軸方向に延在し、且つ該径方向外側に出っ張った断面形状を有する整流体が配置されている、としてもよい。
前記構成によれば、バックヨーク流路からティース流路に向かう冷却媒体の流れをスムーズにすることができるので、バックヨーク、ティース、及び固定子巻線をさらに効率よく冷却することが可能となる。
前記超電導回転機の固定子冷却構造において、1つの前記バックヨークの分割片に配設された1群の前記ティースを挟む前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路は、各前記ティースの両側に前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路の2種類の流路の中で互いに異なる種類の流路がそれぞれ位置するように配置され、該互いに異なる種類の流路が前記ティース孔によってそれぞれ連通している、としてもよい。
本発明によれば、回転子を超電導化し且つ固定子を常電導化し、該固定子に配置される固定子巻線を空芯としたラジアルギャップ型の超電導回転機の該固定子を効率よく冷却することができる。
図1は本発明の実施の形態に係る超電導回転機の外観例とその内部構造例を示す図である。 図2は本発明の実施の形態に係る超電導回転機の構成例を模式的に示す断面図である。 図3は図2に示す隣り合うティースとこれらの間のスロットに配置される固定子巻線の断面図の一例である。 図4は本発明の実施の形態1に係る超電導回転機の固定子冷却構造の断面例を示す模式図である。 図5は図4に示す超電導回転機の固定子冷却構造のA−A線断面図である。 図6は図4に示す超電導回転機の固定子冷却構造のC−C線断面図である。 図7は図4に示す超電導回転機の固定子冷却構造のD−D線断面図である。 図8は図4に示すバックヨーク流路及びティース流路それぞれの幅の決定方法を説明するための模式図である。 図9は図8に示すバックヨーク入口面積とティース入口面積とティース穴面積との関係を説明するためのグラフである。 図10は本発明の実施の形態2における整流体を設置したことによるバックヨーク流路からティース流路に向かう冷却媒体の流れを表す模式図である。 図11は本発明の実施の形態2における整流体を設置しない場合のバックヨーク流路からティース流路に向かう冷却媒体の流れを表す模式図である。 図12Aは本発明の実施の形態2における整流体の一例を示す模式図である。 図12Bは、本発明の実施の形態2における整流体のその他の例を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
[超電導回転機の構造例]
図1は本発明の実施の形態1に係る超電導回転機の外観例とその内部構造例を示す図である。図2は本発明の実施の形態1に係る超電導回転機の構成例を模式的に示す断面図である。なお、図2に示す超電導回転機は6相(例えば、U相、V相、W相、X相、Y相、Z相)、6極(永久磁石界磁)、且つスロット数が72個の場合である。なお、超電導回転機の相数及び極数が任意であるのは言うまでもない。
図1に示す超電導回転機10は、回転子16を超電導化(超電導界磁巻線)して固定子18を常電導化(常電導電機子巻線)したラジアルギャップ型の構造を呈している。超電導回転機10は、後述の給気流路及び排気流路と一体的に形成された筒状の筐体12 と、回転子16と、回転子16の周囲を取り囲むように筐体12の内部に配設された固定子18とを有する。また、超電導回転機10は、固定子18向けの冷却構造を有するが、該冷却構造の説明については後述する。
回転子16は、中心軸14を有し、筐体12によって回転自在に支持されたロータシャフト(rotor shaft) 20を有する。ロータシャフト20は、中心軸14を中心とする内側円筒体であるロータコア(rotor core)22と外側円筒体であるケーシング24とを支持している。ロータコア22とケーシング24との間には筒状の真空断熱空間が構築されており、この真空断熱空間内にはその周方向に沿って等間隔に複数の磁極対を成した無鉄芯型の超電導コイル28が配置されている。図2には、6極の場合として、3つの磁極対を有する超電導コイル28の配置が示されている。また、回転子16は、図示しないが、前述の真空断熱空間内に配置された超電導コイル28を冷却するための冷却構造が設けられている。この冷却構造において使用される超電導コイル28を冷却するための冷媒としては例えばへリウムガスを採用することができる。ロータコア22は、非磁性材料で低温特性に優れた材料、例えば、SUS316から成る中実円柱体の鍛造材料を切削加工して形成することが好ましい。ケーシング24は、低温に対する断熱性が優れた一又は複数の断熱材層を備えていることが好ましい。
固定子18は、固定子18の中心軸(ロータシャフト20の中心軸でもある)14と平行な軸方向に円環形状の複数の電磁鋼板(例えば、珪素鋼板)を積層し、全体として筒状に形成されたバックヨーク(back yoke)32を有する。なお、バックヨーク32は、その軸方向において所定の積層間隔の厚みを有した複数の分割片(section)に分割されている。バックヨーク32の各分割片の内周面にバックヨーク32の中心軸14(ロータシャフト20の中心軸でもある)に向けて延びるように、バックヨーク32の周方向に間隔を有して配設されたティース34が備えられている。バックヨーク32の各分割片の内周面においてバックヨーク32の周方向で互いに隣り合うティース34の間には、固定子18 の中心軸14と平行な方向に略長方形断面のスロット36(凹状の溝)が延設されている。
ティース34は、非磁性材料、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)などの高い機械的強度を有する剛性樹脂材料により形成されている。この他に、ティース34は、非磁性金属、例えばステンレスにより形成されてもよい。なお、材料に拘らずに、ティース3 4は、固定子18の中心軸14と平行な方向に複数の非磁性な薄板を積層して形成されている。このように、ティース34が非磁性材料により形成されることで、回転子16の回転に伴う磁界の移動によってティース34の内部に渦電流が発生することを回避でき、これに伴い、ティース34の冷却構造が不要となる。また、ティース34の径方向内側端部(回転子16に対向する端部)に磁束が集中することも回避できる。
各スロット36には、各々を識別するためのスロット番号が付与されている。図2には、スロット数が72個の場合のスロット番号の付与方法が示されている。そして、各スロット36には、筐体12の径方向外側領域及び径方向内側領域それぞれに、互いに同相である固定子巻線40の単位巻線対が配置されている。なお、バックヨーク32の軸方向一端側から見て、径方向外側領域には単位巻線対の一端(始端)が出現し、径方向内側領域には単位巻線対の他端(終端)が出現する。したがって、固定子巻線40の単位巻線の総数はスロット数と同じ72本である。以下では、各スロット36に配置される固定子巻線40の単位巻線を40(1),40(2),・・・,40(72)の符号を用いて識別するとともに、各スロット36を36(1),36(2),・・・,36(72)の符号を用いて説明する。
固定子巻線40は、例えば、互いに位相が120°異なるU相巻線、V相巻線、及びW相巻線から成る第1のY(スター)結線と、互いに位相が120°異なり且つ第1のY結線の各相巻線とは位相が60°ずれて配置されるX相巻線、Y相巻線、及びZ相巻線から成る第2のY(スター)結線とを有し、さらに、第1のY結線の中性点と第2のY結線の中性点とが互いに接続されている。例えば、U相巻線は、互いに隣り合う連番のスロット対であり、且つ12個のスロット間隔で現れるスロット対それぞれに配置される。具体的には、U相巻線は、スロット番号1、2、13、14、25、26、37、38、49、50、61、62の各スロット36(1)、36(2)、36(13)、36(14)、36(25)、36(27)、36(37)、36(38)、36(49)、36(50)、36(61)、36(62)に配置される。つまり、U相巻線は、12本の単位巻線40(1)、40(2)、40(13)、40(14)、40(25)、40(26)、40(37)、40(38)、40(49)、40(50)、40(61)、40(62)を直列に接続して構成される。
図3は、図2に示す隣り合うティース34とこれらの間のスロット36に配置される固定子巻線40の断面図の一例である。
図3に示すように、隣り合うティース34間に設定されたスロット36は、固定子巻線40の配置領域として、筐体12の径方向に沿う一対の長辺を有し、固定子18の周方向に沿う一対の短辺を有した長方形の断面形状を有した直方体領域(62a,62b,60 a,60b)を有している。また、この直方体領域(62a, 62b, 60a, 60b)は筐体12の径方向外側領域(62a,62b)と径方向内側領域(60a,60b)とに区画されている。さらに、径方向外側領域(62a,62b)は、筐体12の径方向から見て、固定子18の周方向一方側(時計回り側)領域62aと周方向他方側(反時計回り側)領域62bとに区画されている。同様に、径方向内側領域(60a,60b)は、筐体12の径方向から見て、固定子18の周方向一方側領域60aと周方向他方側領域6 0bとに区画されている。径方向外側領域(62a,62b)にはスロット番号K(1< K<72)のスロット36に配置されるある相巻線の一部である単位巻線40(K)が配置され、径方向内側領域(60a,60b)には単位巻線40(K)と同じ相巻線の一部である単位巻線40(K−12)(K>12の場合)若しくは単位巻線40(K+60)(K<12の場合)が配置される。
図3に示す単位巻線40(K)は、例えば、複数の絶縁導体素線41を有し、複数の絶縁導体素線41それぞれの矩形の断面がマトリクス状に配置されるよう複数の絶縁導体素線41を束ねて構成されている。なお、行方向は筐体12の径方向に対応し、列方向は固定子18の周方向に対応する。図3に示す例では、42本の絶縁導体素線41が7行6列に配置されて成る単位巻線40 (K)の断面が示されている。
絶縁導体素線41は、素線導体と該素線導体の外周を閉鎖する絶縁材とから成り、該絶縁材によって他の絶縁導体素線41とは電気的に絶縁されている。また、各絶縁導体素線41は、行方向に沿う一対の長辺と列方向に沿う一対の短辺とを有した長方形の断面形状を有する平角導線である。このような平角導線を各絶縁導体素線41として採用することで、単位巻線40(K)の細分化により素線内渦電流が抑制されるとともに、長方形の断面形状を有する径方向外側領域(62a,62b)に配置される単位巻線40(K)の高密度化が図られる。なお、絶縁導体素線41は、長方形の断面形状に限らず、正方形、円形、又は三角形などの種々の断面形状であってもよい。但し、高密度化の観点からは長方形や正方形などの矩形の断面形状であることが好ましい。
[固定子の冷却構造例]
図4は本発明の実施の形態に係る超電導回転機の固定子冷却構造の断面例を示す模式図である。図5は図4に示す超電導回転機の固定子冷却構造のA−A線断面図である。図6は図4に示す超電導回転機の固定子冷却構造のC−C線断面図である。図7は図4 に示す超電導回転機の固定子冷却構造のD−D線断面図である。
バックヨーク32の外周を取り囲むように、バックヨーク32の軸方向にそれぞれ延設される給気通風カバー52と排気通風カバー53とが固定子18の周方向に交互に形成されている。給気通風カバー52及び排気通風カバー53は機内と機外とを仕切って冷却媒体の通風路を形成するための部材である。なお、給気通風カバー52及び排気通風カバー53は固定子18の周方向に交互に形成されていなくてもよく、給気通風カバー52と排気通風カバー53とが固定子18の周方向に形成されてさえすればよい。
また、超電導回転機10が設置される底面から垂直方向の固定子18の中心線上に位置する給気通風カバー52であって、その給気通風カバー52におけるバックヨーク32の軸方向一端側には、給気口50が配置されている。また、超電導回転機10が設置される底面から垂直方向の固定子18の中心線上に位置する排気通風カバー53であって、その排気通風カバー53におけるバックヨーク3 2の軸方向他端側には、排気口51が配置されている。給気通風カバー52と固定子18 のバックヨーク32との間の空間(通風路)には給気通風カバー52と対向するように給気流路55がバックヨーク32の軸方向に延設されている。また、排気通風カバー53 と固定子18のバックヨーク32との間の空間には排気通風カバー53と対向するように排気流路56がバックヨーク32の軸方向に延設されている。
要するに、バックヨーク32の外周に、バックヨーク32の軸方向に延在するようにバックヨーク32の周方向に形成された複数の給気流路(本実施の形態では、給気通風カバー52、バックヨーク32及び給気口50によって形成される通風路)及び複数の排気流路(本実施の形態では、排気通風カバー53、バックヨーク32及び排気口51によって形成される通風路)が備えられている。
バックヨーク32の前述の積層間隔(以下、バックヨーク流路間隔という)毎に、言い換えるとバックヨーク32の隣り合う分割片の間に、バックヨーク32を貫通するバックヨーク流路31が形成されている。バックヨーク流路31は、バックヨーク流路間隔毎に間隔片54を介挿することにより形成される。バックヨーク3 2の軸方向一端側から軸方向他端側に向けてバックヨーク32の軸方向に配列されている複数のバックヨーク流路31は、給気流路55と排気流路56と交互に連通されている。
ティース34には、バックヨーク流路間隔と同じ長さであるティース34の所定の積層間隔(以下、ティース流路間隔という)毎に、言い換えると、バックヨーク32の隣り合う分割片にそれぞれ配設された2群のティース34の間に、ティース34の基端から先端に向けて延びるティース流路37が形成されている。ティース流路37は、ティース流路間隔毎に間隔片(図示せず)を介挿することにより形成される。さらに、バックヨーク32の軸方向一端側から軸方向他端側に向けてバックヨーク32の軸方向に配列されている複数のティース流路37は、給気流路55に連通されたバックヨーク流路31(以下、給気バックヨーク流路31aという)と排気流路56に連通されたバックヨーク流路31(以下、排気バックヨーク流路31bという)と交互に連通されている。言い換えると、複数の給気バックヨーク流路31aは、それぞれの一端がその対応する給気流路(給気通風カバー52、バックヨーク32及び給気口50によって形成される通風路)にそれぞれ接続されるようにしてバックヨーク32の周方向に配置されている。また 複数の排気バックヨーク流路31bは、それぞれの一端がその対応する排気流路(排気通風カバー53、バックヨーク32及び排気口51によって形成される通風路)にそれぞれ接続されるようにして該バックヨーク32の周方向に複数の給気バックヨーク流路31aと交互に配置されている。
固定子18と回転子16との間にはラジアルエアギャップ(radial air gap) 39が設けられているが、ティース流路37とラジアルエアギャップ39との間を非連通とするように、ティース流路37がウエッジ(wedge)38によって閉鎖されている。なお、ウエッジ38とは、バックヨーク32の内周面において周方向で隣り合うティース34の間のスロット36内に固定子巻線40を保持するように該隣り合うティース34の間に架設されたくさび部材である。
給気バックヨーク流路31aと連結されたティース流路37(以下、給気ティース流路37aという)と、排気バックヨーク流路31bと連結されたティース流路37(以下、排気ティース流路37bという)との間を連通するように、ティース34をバックヨーク32の軸方向に貫通する複数のティース穴35が形成されている。言い換えると、複数の給気ティース流路37aは、それぞれの基端がその対応する給気バックヨーク流路31aにそれぞれ接続されるようにしてバックヨーク32の周方向に配置されている。また、複数の排気ティース流路37bは、それぞれの基端がその対応する排気バックヨーク流路31bにそれぞれ接続されるようにしてバックヨーク32の周方向に複数の給気ティース流路37aと交互に配置されている。
以上のような固定子18の冷却構造において、冷却媒体はつぎのような経路を流れる。
まず、所定の冷却媒体供給装置(図示せず)から給気口50に送られた冷却媒体は、給気通風カバー52とバックヨーク32との間の給気流路55の入口開口部へと導かれて、給気流路55内をバックヨーク32の軸方向に向けて流れる。その過程で、給気流路55内の冷却媒体は、給気バックヨーク流路31aの入口開口部へと導かれて、この給気バックヨーク流路31a内を筐体12の径方向に向けて流れる。これにより、バックヨーク32が冷却される。
そして、給気バックヨーク流路31aの出口開口部から排出された冷却媒体は、給気ティース流路37aの入口開口部へと導かれて、この給気ティース流路37a内を筐体12の径方向に向けて流れる。これにより、ティース34と隣り合うティース34間のスロット36内に配置された固定子巻線40が冷却される。
そして、給気ティース流路37aの出口開口部はウエッジ38によって閉鎖されているため、給気ティース流路37a内を流れる冷却媒体は、ラジアルエアギャップ39へと排出されずに、ティース34に形成された複数のティース穴35の入口開口部へと導かれる。なお、ティース穴35は、前述のとおり、給気ティース流路37aと排気ティース流路37bとを連通するように、ティース34をバックヨーク32の軸方向に貫通するように形成されている。したがって、給気ティース流路37a内を流れる冷却媒体は、ティース穴35を介して、給気ティース流路37aから排気ティース流路37bへと流れる。これにより、ティース34はさらに冷却される。
給気ティース流路37aの出口開口部と同様に、排気ティース流路37bの出口開口部はウエッジ38によって閉鎖されている。したがって、排気ティース流路37bに導かれた冷却媒体は、ラジアルエアギャップ39に向けて排出されずに、この排気ティース流路37bの出口開口部と連結されている排気バックヨーク流路31bの入口開口部へと導かれる。つまり、冷却媒体は、排気ティース流路37b内及び排気バックヨーク流路31b内を筐体12の径方向に向けて流れる。
そして、排気バックヨーク流路31bの出口開口部から排出された冷却媒体は、この排気バックヨーク流路31bと連結された排気流路56へと導かれて、この排気流路56内をバックヨーク32の軸方向に向けて流れる。そして、冷却媒体は、排気流路56の終端(軸方向他端側)に配置された排気口51から外部に排出される。
以上のような冷却媒体の経路が形成されることで、固定子18のバックヨーク32、ティース34、及び固定子巻線40を効率よく冷却することが可能となる。また、このように固定子18の冷却効率が向上したことに伴って、外部の冷却媒体供給装置の必要流量及び必要静圧を低減することができる。
[バックヨーク流路幅とティース流路幅との関係]
図8及び図9を用いて、バックヨーク流路31の入口開口部の軸方向の長さであるバックヨーク流路幅と、ティース流路37の入口開口部の軸方向の長さであるティース流路幅との間で成立すべき関係を説明する。なお、図8は、図4に示すバックヨーク流路31及びティース流路37それぞれの幅の決定方法を説明するための模式図である。図9は、図8に示すバックヨーク入口面積とティース入口面積とティース穴面積との関係を説明するためのグラフである。
なお、図8及び図9は、ティース34に4個のティース穴35が形成される場合を表している。また、バックヨーク流路31の入口開口部に関して、その周方向の長さをB1 と表し、その軸方向の長さ(バックヨーク流路幅)をt1と表している。同様に、ティース流路37の入口開口部に関して、その周方向の長さの2分の1をB2と表し、その軸方向の長さ(ティース流路幅)をt2と表している。また、バックヨーク流路31の入口開口部の面積をAbと表し、ティース流路37の入口開口部の面積の2分の1をAtと表し、ティース穴35の1個あたりの面積をAhと表している。
バックヨーク流路幅t1及びティース流路幅t2は、上記のとおり、バックヨーク流路幅t1がティース流路幅t2よりも小さくなるように決定される。さらに、バックヨーク流路幅t1及びティース流路幅t2は、バックヨーク流路31、ティース流路37、およびティース穴35をそれぞれ通過する際の冷却媒体の急激な変化を避けるように、つぎのように決定される。
まず、バックヨーク流路入口面積Ab及びティース流路入口面積(2×At)は、それぞれ次式により表される。
Ab=B1×t1 ・・・(1−1)
2×At=2×B2×t2 ・・・(1−2)
つぎに、ティース流路入口面積(2×At)は、次式のとおり、バックヨーク流路入口面積Abとティース穴面積(4×Ah)とを平均した面積に比例係数α(=0.9〜1.1)を乗じたものとする。
2×At={(Ab+4×Ah)÷2}×α ・・・(2)
以上の3つの式を整理すると次式が成立する。
t2={(Ab+4×Ah)÷(4×B2)}×α
={(B1×t1+4×Ah)÷(4×B2)}×α ・・・(3)
したがって、ティース流路幅t2及びバックヨーク流路幅t1は、上式が成立するように決定すればよい。これにより、バックヨーク流路31、ティース流路37、及びティース穴35をそれぞれ通過する際の冷却媒体の急激な変化を抑制することができ、この結果として、圧力損失を低減することができる。
[バックヨーク流路幅及び間隔とティース流路幅及び間隔との数値例]
従来の常電導回転機の固定子冷却構造は、一般的に、流路幅10mmの通風流路を固定子の軸方向に50mmの流路間隔で配置している。これに対し、超電導回転機10の固定子18の冷却構造は、超電導回転機特有の磁東密度の高さに伴う磁束の漏れを低減するために、バックヨーク32の軸方向におけるバックヨーク流路31の配置間隔(バックヨーク流路間隔)及びティース34のバックヨーク32の軸方向におけるティース流路37の配置間隔(ティース流路間隔)は、従来の常電導回転機の流路間隔50mmを2倍した100mmとする。さらに、バックヨーク流路31の矩形状の断面におけるバックヨーク32の軸方向の長さ(以下、バックヨーク流路幅という)を従来の常電導回転機の流路幅10mmの60%である6mm とする。
一方、ティース流路37の矩形状の断面におけるバックヨーク32の軸方向の長さ(以下、ティース流路幅という)は、バックヨーク流路幅として決定した6mmを2 倍した12mmとする。なぜならば、バックヨーク流路間隔及びティース流路間隔を従来の常電導回転機の流路間隔よりも長くし、且つバックヨーク流路幅を従来の常電導回転機の流路幅よりも小さくしたことに伴って、冷却媒体の圧力損失を低減する必要があるからである。なお、超電導回転機10の固定子18は空芯構造であるため、ティース流路幅を従来の常電導回転機の流路幅よりも大きくしても、固定子巻線40 において発生する渦電流損への影響はない。
なお、バックヨーク流路間隔及びティース流路間隔、バックヨーク流路幅、及びティース流路幅の以上の数値例はあくまで一例にすぎず、従来の常電導回転機の流路幅及び流路間隔の数値に基づいて決定される。例えば、バックヨーク流路間隔及びティース流路間隔は従来の常電導回転機の流路間隔の2倍、バックヨーク流路幅は従来の常電導回転機の流路幅の60%、ティース流路幅はバックヨーク流路幅の2倍として決定することができる。但し、バックヨーク流路幅及びティース流路幅は、前述したとおり、バックヨーク流路31、ティース流路37、およびティース穴35をそれぞれ通過する際の冷却媒体の急激な変化を避けるように決定する必要がある。
[変形例]
ティース流路37とラジアルエアギャップ39との間を非連通とするようにティース流路37の径方向内側の出口開口部が固定子巻線40のウエッジ38によって閉鎖されなくてもよい。この場合であっても、給気ティース流路37a内を流れる冷却媒体の一部が、ティース34に形成された複数のティース穴35の入口開口部へと導かれるので、ティース34及び固定子巻線40を効率よく冷却することが可能である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、バックヨーク流路31の出口開口部から排出される冷却媒体をティース流路37に向けてスムーズに流れ込ませるための整流体に関するものである。以下では、図10、図11、図12A、図12Bを用いて本実施の形態2における整流体を説明する。なお、図10は、本発明の実施の形態2における整流体を設置したことによる給気バックヨーク流路から給気ティース流路に向かう冷却媒体の流れを表す模式図である。図11は、本発明の実施の形態2における整流体を設置しない場合の給気バックヨーク流路から給気ティース流路に向かう冷却媒体の流れを表す模式図である。図12Aは、本発明の実施の形態2における整流体の一例を示す模式図である。図12Bは、本発明の実施の形態2における整流体のその他の例を示す模式図である。
給気バックヨーク流路31a及び排気バックヨーク流路31bに位置する固定子巻線40の径方向外側の面には、バックヨーク32の軸方向に延在し、且つ固定子巻線40 の径方向外側に出っ張った断面形状を有する整流体90が備えられている。なお、図12 Aに示す整流体90は、バックヨーク32の軸方向一端側から見て正三角形の断面形状を有する三角柱体である。この三角柱体の3つの側面のうち1つの側面が固定子巻線40の径方向外側の面と接合され、残りの2つの側面がバックヨーク流路31内の冷却媒体の流れる方向に適合した傾斜を持ってバックヨーク流路31と向き合っている。以下では、図12Aに示す整流体90を用いて説明を進めるが、図12Aに示す整流体90の形状に限られない。例えば、図12Bに示すように、バックヨーク32の軸方向一端側から見て半円形の断面形状を有する半円柱体の整流体92であってもよい。あるいは、不等辺三角形や二等辺三角形の断面形状を有する三角柱体であってもよいし、半楕円の断面形状を有する半楕円柱体であってもよい。
整流体90の材質は、熱伝導性が高く且つ電気抵抗が大きい材質であればよい。熱伝導性が高い材質が好ましいとした理由は、整流体90と固定子巻線40との接合部は冷却媒体が当たらないので、整流体90の熱伝導によって該接合部を冷却する必要があるからである。また、電気抵抗が大きい材質が好ましいとした理由は、整流体90と固定子巻線4 0とを接合したことに伴い、整流体90において生じ得る渦電流損失を低減する必要があるからである。これらの要求を満足するような材質としては、真銃などの金属が挙げられる。
まず、図11に示すように、整流体90を設置しない場合には、互いに隣り合う間隔片54により仕切られた給気バックヨーク流路31aの出口開口部から排出される冷却媒体は、固定子巻線40の径方向外側の面に衝突して、固定子巻線40の径方向外側の面のティース34側の縁部において剥離する。このように、給気バックヨーク流路31aから給気ティース流路37aに向けて冷却媒体がスムーズに流れ込まないので、圧力損失を改善する余地がある。
これに対し、図10に示すように、整流体90を設置すれば、互いに隣り合う間隔片5 4により仕切られた給気バックヨーク流路31aの出口開口部から排出される冷却媒体は、整流体90の径方向外側縁部から2つの側面に分岐されて、整流体90が備えられた固定子巻線40の両側にある給気ティース流路37aへとスムーズに流れ込む。このように、給気バックヨーク流路31aから排出される冷却媒体が整流されることにより、ティース34及び固定子巻線40の冷却効果が促進される。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、回転子を超電導化し且つ固定子を常電導化し、該固定子に配置される固定子巻線を空芯としたラジアルギャップ型の超電導回転機にとって有益である。
10・・・超電導回転機
12・・・筐体
14・・・中心軸
16・・・回転子
18・・・固定子
20・・・ロータシャフト
22・・・ロータコア
24・・・ケーシング
28・・・超電導コイル
31・・・バックヨーク流路
31a・・・給気バックヨーク流路
31b・・・排気バックヨーク流路
32・・・バックヨーク
34・・・ティース
35・・・ティース穴
36・・・スロット
37・・・ティース流路
37a・・・給気ティース流路
37b・・・排気ティース流路
38・・・ウエッジ
39・・・ラジアルエアギャップ
40・・・固定子巻線
41・・・絶縁導体素線
50・・・給気口
51・・・排気口
52・・・給気通風カバー
53・・・排気通風カバー
54・・・間隔片
55・・・給気流路
56・・・排気流路
60a・・・径方向内側領域
60b・・・径方向内側領域
62a・・・径方向外側領域
62b・・・径方向外側領域
90, 92・・・整流体
Ab・・・バックヨーク流路入口面積
At・・・ティース流路の入口開口部の面積の2分の1
Ah・・・ティース穴1個あたりの面積
t1・・・バックヨーク流路幅
t2・・・ティース流路幅
B1・・・バックヨーク流路の周方向の長さ
B2・・・ティース流路の周方向の長さ
α・・・0.9〜1.1 の比例係数

Claims (6)

  1. 超電導線材を用いた複数の界磁巻線が周方向に配置された回転子の周囲を取り囲むように配置されている超電導回転機の固定子の冷却構造であって、
    前記固定子は、
    全体として筒状に形成され、その軸方向において複数の分割片に分割されたバックヨークと、
    前記バックヨークの各分割片の内周面に該バックヨークの中心軸に向けて延びるように該バックヨークの周方向に間隔を有して配設された複数のティースと、
    前記バックヨークの各分割片の内周面において隣り合う前記ティースの間に配置された固定子巻線と、
    を備え、
    前記冷却構造は、
    前記バックヨークの外周に、該バックヨークの軸方向に延在するように該バックヨークの周方向に交互に形成された複数の給気流路及び複数の排気流路と、
    前記バックヨークの隣り合う分割片の間に該バックヨークを貫通し且つそれぞれの一端がその対応する前記給気流路にそれぞれ接続されるように、該バックヨークの周方向に配置された複数の給気バックヨーク流路と、
    前記バックヨークの隣り合う分割片の間に該バックヨークを貫通し且つそれぞれの一端がその対応する前記排気流路にそれぞれ接続されるように、該バックヨークの周方向に配置された複数の排気バックヨーク流路と、
    前記バックヨークの隣り合う分割片にそれぞれ配設された2群のティースの間に該ティースの基端から先端に向けて延び且つそれぞれの基端がその対応する前記給気バックヨーク流路にそれぞれ接続されるように、該バックヨークの周方向に配置された複数の給気ティース流路と、
    前記バックヨークの隣り合う分割片にそれぞれ配設された2群のティースの間に該ティースの基端から先端に向けて延び且つそれぞれの基端がその対応する前記排気バックヨーク流路にそれぞれ接続されるように、該バックヨークの周方向に配置された複数の排気ティース流路と、
    前記給気ティース流路と、前記排気ティース流路とを連通するように、前記ティースを前記バックヨークの軸方向に貫通するティース穴と、
    を備えて成る、超電導回転機の固定子冷却構造。
  2. 前記給気バックヨーク流路及び前記排気バックヨーク流路における前記バックヨークの軸方向の長さであるバックヨーク流路幅と、前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路における前記バックヨークの軸方向の長さであるティース流路幅とは、次式が成立するように決定される、請求項1に記載の超電導回転機の固定子冷却構造。
    t2={(B1×t1+4×Ah)÷(4×B2)}×α
    但し、t1はバックヨーク流路幅、t2はティース流路幅、B1はバックヨーク流路における筐体の周方向の長さ、B2はティース流路における筐体の周方向の長さ、Ahはティース穴1個あたりの面積、αは0.9〜1.1の比例係数である。
  3. 前記バックヨーク流路幅は6mm 、
    前記ティース流路幅は12mm 、
    前記バックヨークの軸方向における前記給気バックヨーク流路及び前記排気バックヨーク流路の配置間隔、及び前記バックヨークの軸方向における前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路の配置間隔はともに100mm である、
    請求項2に記載の超電導回転機の固定子冷却構造。
  4. 前記固定子は、隣り合う前記ティースの間に前記固定子巻線を保持するように隣り合う前記ティースの間に架設されたウエッジをさらに備え、
    前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路は、前記固定子と前記回転子との間のエアギャップに至るように延びており、該エアギャップと前記ティース流路との間が非連通となるように、前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路が前記ウエッジによって閉鎖されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超電導回転機の固定子冷却構造。
  5. 前記給気バックヨーク流路及び排気バックヨーク流路に位置する前記固定子巻線の径方向外側の面には、前記バックヨークの軸方向に延在し、且つ該径方向外側に出っ張った断面形状を有する整流体が配置されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超電導回転機の固定子冷却構造。
  6. 1つのバックヨークの分割片に配設された1群のティースを挟む前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路は、各前記ティースの両側に前記給気ティース流路及び前記排気ティース流路の2種類の流路の中で互いに異なる種類の流路がそれぞれ位置するように配置され、該互いに異なる種類の流路が前記ティース孔によってそれぞれ連通している、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超電導回転機の固定子冷却構造。
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