JP2014091321A - 自己潤滑摺動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般の射出成形金型等の褶動部材に於いては,焼成黒鉛潤滑部剤を金属表面または側面に埋設されたものが多く提供されているが、作動時に焼成黒鉛の剥離が発生し、黒鉛の破片が異物と化し金型部品のカジリに繋がり、金型の汚れの要因となっている。また金属に表面処理した部材も提供されているが、自己潤滑性に劣り、潤滑油の劣化によるカジリの原因と成っている。また、熱可塑性樹脂(66ナイロンや超高分子ポリエチレン)また潤滑油等を包含した潤滑性部材も提供されているが、製造工程が特異な為に、成形加工に適さない。これらの問題を解消した摺動部材を提供する。
【解決手段】自己潤滑摺体の主成分は黒鉛以外の潤滑剤たとえば、テフロン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、や他の潤滑剤と組み合わせ、また親和性の良い結合剤(例えば様々な成形材料等)を用い、また任意形状の成形金型を用いた製法で開発された、自己潤滑摺動体である。
【選択図】なし

Description

本発明は金型等、例えば熱可塑性樹脂射出成形等の金型、及び高温の金型で成形する熱硬化性樹脂等の金型、及びゴム成形等の金型、及び金属プレス等の金型における摺動部分に関するものである。
一般に射出成形金型等の摺動部に於いては、銅系金属または鋳鉄製部材が多く採用されている。これらの部材はカジリ防止のために、摺動部に給油の必要が生じる。そのため高度な潤滑特性を有する無給油部材を要求される。
銅系金属または鋳鉄製部材の多くは潤滑要求を満たすための施策として、下記2点の方法が挙げられる。一つは摺動面に、ある規則性の配置で円柱形または螺旋状の埋設用孔を設け、そこに黒鉛を主成分とした焼成個体潤滑剤を圧入し埋設するか、もしくは先の潤滑剤等を接着剤を用いて埋設する方法である。潤滑剤の構成主成分の黒鉛が、摺動時に埋設用孔より剥離し、摺動面を覆うことで潤滑要求を満たしている。しかしこの施策は潤滑剤の主成分が黒鉛扮等であるため黒く汚れる欠点がある。次に鉄鋼製部材に表面処理した部材もあるが、これらの部材は自己潤滑性に欠ける為、カジリ防止のグリス等の給油が不可欠であり、そのため工場内の様々な浮遊物や、鉄粉が金型褶動部等に付着し汚れが生じる欠点がある。
焼成個体潤滑剤の多くは、まずコークスとタールピッチを混煉したものを円柱径、または角ブロック形状に加工し、おおよそ1,200度の高温で焼成し、黒鉛化する。更に焼成した素材から再度前記の埋設用孔に合う形状に機械加工し、金属プレート面に埋設し潤滑部材とするため、機械加工の頻度が高く、量産に多くの時間を要し、製品のコストアップの要因になっている。また66ナイロン、超高分子ポリエチレン、潤滑油等を包含した部材も提供されているが製法が特異なために一般的な成形加工に向かない。そのため、円柱形状または角柱形状等の比較的単純な形状に加工が限定され、結果として金属プレートに当該部材を埋設し提供されているが、従来の埋設部材と変わらず進歩性に欠ける。(例えば特許文献6参照)
また樹脂成形品の部材で、摺動面の保護維持のため耐摩耗性を上げることを目的としてガラス繊維やカーボン繊維等を包含した樹脂成形品がある。当該部材は耐磨耗性には高く評価されているが、他方相手材である金型母体への攻撃性が強く、金型母材を傷つけカジリ等の要因になる。また熱硬化性樹脂のモノマー等に潤滑油やその他の潤滑剤等を包含し、また重合させることにより得られる潤滑組成物も提供されているが、所謂一般の成形加工は難しい(特許文献1)
また古くから成形加工したオイルレス摺動部材や軸受けも存在するが、何れも潤滑剤の主成分の多くは、黒鉛等で占められているため黒く汚れることは避けられない。
またこれらのオイルレス部材は、水、薬品液、ガソリン、石油等の液体中の所謂ウェット雰囲気中等に対応された特性であるため、金型等のドライ雰囲気中での無給油摺動体等の対応には難しい。またこれらの条件を満たす無給油摺動体は未だ開発されていないのが現状である。
特開平7−118684 特開2000−238086 特開2001−246625 特開2010−194986 実用新案第3001055 特許第4819178
従来から金型を用いて成形加工したオイルレス摺動部材等存在するが何れも潤滑剤の主成分の多くは黒鉛等で占められて黒く汚れることは避けられない。またオイルレス摺動部材等の仕様は水、薬品、ガソリン、石油類の液体中の所謂ウェット雰囲気中に対応した特性で有るために、金型等のドライ雰囲気中での無給油摺動部の対応には難しい。またこれらの条件を満たす無給油摺部材は未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、例えばテフロン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、その他の固体潤滑剤を複数組み合わせ、またそれらと親和性の良い成形材等を結合材として用い、任意形状の金型で容易に成形できる自己潤滑摺動体として、従来技術による金属製摺動部材等の代替品として提供することを特徴とするものである。また個体潤滑剤等の組み合わせに変化を持たせることにより、例えば高荷重負荷、軽荷重負荷、雰囲気中の温度変化にも自己潤滑褶動体部材として対応可能とした特徴がある。またドライ,ウェットを選ばず様々な摺動部位での使用を可能とした特徴がある。また成形収縮率が小さいため、任意形状の金型による成形加工が容易になり、高品質自己潤滑摺動体の量産提供が可能になり、従来の機械加工品よりもコストダウンに貢献できる特徴がある。
金型作動時に於いて自己潤滑摺動体[図1]斜線部の▲7▼、▲8▼、▲10▼[図2]斜線部の▲11▼の各部位に於いて金型作動時に係る負荷が異なるにもかかわらず、同じ潤滑剤が用いられてきた。しかし本発明により、個体潤滑剤・結合材の組み合せに変化を持たせて,各部位に対応した自己潤滑摺動体の提供が可能になり、従来部材にはない様々な効果が期待できる。例えば無給油状態での低摩擦低摩耗、錆びない、カジらない、汚れない、酸に強い等の効果の他に様々な耐薬品性の仕様にも対応できる特徴がある。
金型に於ける摺動部接触面に於いて金型母材の金属と異なる性質を有する、自己潤滑摺動体等を配設することにより、摩擦抵抗を低く抑え無給油で褶動部の作動が長時間安定使用が可能になりまた給油の手間も省け、グリス油等による汚れ等の解消に役立ちかじり難い特徴がある。また本部材はボルトで取り付けが可能なために自己潤滑摺動体の交換が容易に行えるので金型管理の簡素化に貢献し、成形作業のコストダウンに貢献できるのが特徴である。
本部材は自己潤滑特性を有しているため無給油での長期作動が可能になり、相手材質に対しても非攻撃性であり、また耐久性また低摩擦等に優れ耐薬品性にも有効であり従来の技術では難しい課題を克服できる特徴がある。
自己潤滑摺動体は個別形状金型製作による様々な形状部材にインサート成形が可能である。たとえばガイドピン、アンギュラピン、リターピン等の外周面、またガイドブッシュ等の内面側等に溝を施しその部分に本部材を、イインサート成形加工を施すことにより無給油での作動が可能になりまた、カジリ等の解消に貢献できる特徴がある。
自己潤滑摺動体は高温ドライ雰囲気中での使用が可能で有るため、例えばゴム金型等、また熱硬化性樹脂用金型等、また比較的高温な金型等で成形する熱可塑性樹脂等に対応可能である、また常温での金属プレス金型等の摺動部材にも対応可能できるのが特徴である。
また自己潤滑摺動体接触面に於いて外部からの異物混入を除去するための様々な文様の溝([図2]斜線部の 8C、10C、11C )を施し異物を溝の中に排除することにより、自己潤滑摺体面に接触している金型のスライドコア等の他の摺動面等に付着した異物等によるカジリ防止等の作用を奏する特徴がある。
本発明は前記の様々な機能を有する成形金型であって前記金型の少なくとも一方の摺動面に自己潤滑摺動体を配設されることにより.常温または高温雰囲気化でのドライ無給油可動に繋がり、また当該金型による成形作業の多くは30秒から50秒の短いサイクルで昼夜連続稼働するため、以前より問題提起されていた、潤滑油等の酸化による、凝着、焼き付、,カジリ、汚れ、等による負のトラブル防止に貢献し、また成形作業の長時間稼動が可能になり、また金型等のメンテナンス省力化の課題を克服することが可能になり結果的にコストダウンに貢献できる特徴がある。
の2固定側金型と3可動側金型5スラドコアと9ロッキングブロックと8アンギュラピンで構成されまた褶動部を有する成形金型であり、一方の金型褶動部に自己潤滑摺動体(傾斜線部)を有する部材が取付けられている金型図である。 は[図1]の個別の摺動部分の分割図である
前記金型は2固定側金型と、▲3▼可動側金型(移動側)が、▲12▼金型分割面より分離され型が開くことにより、固定側金型の傾斜部の▲6▼アンギュラピンが、▲7▼スライドコア、穴部より抜去されまたガイドとなり、▲5▼スライドコアが当該型の外側に移動する金型の構造になっている。また▲5▼スライドコア両側面には[図2]自己潤滑摺動体の▲11▼ガイドレールが、ボルトにより取り付けてある。▲4▼可動側耐圧板にも自己潤滑摺動体▲8▼スライドプレートがボルトにより取り付けてある。また▲5▼スライドコアの移動距離は、▲6▼アインギュラピンの角度や、▲13▼のL寸法の距離できまり、またストップピン等で任意の位置に固定される。また型が閉じるには可動側金型が分割面側に移動しまた▲6▼アンギュラピンが、▲5▼スライドコアの、▲7▼穴部に挿入されまたガイドとなりまた同時に▲9▼ロッキングブロックテーパー面で、▲5▼スライドコアを押し込み元の位置に固定される。また▲9▼ロッキングブロックのテーパー面を▲5▼スライドコアに、密着させ金型分割面を安全に元位置に閉じる構造になっている。また図面の斜線部は自己潤滑性部材が配設され各摺動部を保護し、焼き付きまたカジリ給油等による汚れ等の解消に成りまた金型管理の効率向上に貢献できるのが特徴である。
1 固定側取付板
2 固定側金型
3 稼働側金型
4 可動側耐圧板
5 スライドコア
6 アンギュラピン
7 スライドコアのスリーブ穴
8 スライドコアプレート
8b異物除去溝付きのスライドコアプレート
9 ロッキングブロック
10 ロッキングプレート
11 スライドガイドレール
11b側面に異物除去溝付きスライドガイドレール。
12 開閉される分割面いわゆるPL面
13 スライドコアの移動距離

Claims (4)

  1. 黒鉛主成分の焼成個体潤滑剤以外の個体潤滑剤を複数組み合わせ、親和性の良い成型材を結合材として適用してなる金型摺動部用自己潤滑摺動体。
  2. 使用部位の形状に合わせて成型することのできる請求項1記載の金型褶動部用の自己潤滑褶動体。
  3. 前記請求項2記載の金型に於いてスライドコアを開閉作動させるアンギュラピン、ロッキングブロック、ガイドピン等の少なくとも一方の褶動部に自己潤滑摺動体を配設し、また自己潤滑摺動体をインサート成形することにより固定型と可動型等の摺動面の保護と作動を円滑にすることを特徴とする自己潤滑摺動体。
  4. 前記請求項3記載の金型の褶動部に配設された自己潤滑摺動体であって、褶動面の異物等を排除させるため様々な形状の溝を施し褶動面の保護と作動を円滑にすることを特徴とする自己潤滑摺動体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021153671A1 (ja) * 2020-01-31 2021-08-05 日精エー・エス・ビー機械株式会社 金型、ブロー成形装置および射出成形装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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