JP2014084397A - ヒドリド金属錯体を用いて水素分子から電子を取り出す方法、および基質を還元する方法 - Google Patents

ヒドリド金属錯体を用いて水素分子から電子を取り出す方法、および基質を還元する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014084397A
JP2014084397A JP2012233783A JP2012233783A JP2014084397A JP 2014084397 A JP2014084397 A JP 2014084397A JP 2012233783 A JP2012233783 A JP 2012233783A JP 2012233783 A JP2012233783 A JP 2012233783A JP 2014084397 A JP2014084397 A JP 2014084397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel
iron
complex
independently
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012233783A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5960577B2 (ja
Inventor
Seiji Oe
誠司 小江
Takahiro Matsumoto
崇弘 松本
Shunji Oshima
俊二 大島
Hideki Hayashi
秀樹 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Kyushu University NUC
Original Assignee
JNC Corp
Kyushu University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JNC Corp, Kyushu University NUC filed Critical JNC Corp
Priority to JP2012233783A priority Critical patent/JP5960577B2/ja
Publication of JP2014084397A publication Critical patent/JP2014084397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5960577B2 publication Critical patent/JP5960577B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、安価で豊富な金属を用いた二核錯体による、水素を用いた基質の還元方法を提供することを課題とする。
【解決するための手段】水素分子に、ニッケル・鉄ニトリル錯体を作用させ、該水素分子をヘテロリティックに活性化し、ニッケル・鉄ヒドリド錯体とプロトンとを生成する工程、およびニッケル・鉄ヒドリド錯体を基質と反応させて、基質を還元する工程を含む基質の還元方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なヒドリド金属錯体を用い、温和な条件下でも水素分子から電子を取り出すことができる方法に関する。更に、上記錯体によって、基質を水素化する方法に関する。
本発明者らは以前に、[NiFe]ヒドロゲナーゼの全ての化学的機能を再現した[NiFe]ヒドロゲナーゼモデル錯体、[NiII(X)(HO)(μ−H)RuII(CMe)](NO){X=N、N’−dimethyl−N、N’-bis(2−mercaptoethyl)−1、3−propanediamine}を報告した。この錯体は水中、常温で水素をヘテロリティックに活性化でき、水素から抽出した電子を使って基質を還元する(非特許文献1、2、特許文献1)。
しかし、触媒に高価で希少資源である貴金属のルテニウムを使用しており、工業的な利用に向けては、より安価で豊富な鉄などの金属を使用することが望まれている。
これまでに、ニッケル・鉄ヒドリド錯体の合成例は報告されているが、水素から合成された錯体ではない(非特許文献3)。さらに、非特許文献3に記載のニッケル・鉄ヒドリド錯体は水素化物を用いて合成されており、水素化物を用いる合成方法は、等量以上の水素化剤を用いなければならず、工業的にコストが高いという問題がある。
特開2009-235054号公報
Science,2007,316,585−587. Chem.Commun.,2009,3317−3325. J.Am.Chem.Soc.,2009,131,6942−6943.
上記のように、ニッケル・ルテニウム二核錯体のルテニウムを鉄に替えることが望まれている。したがって、本発明は、ルテニウムを鉄に置換したニッケル・鉄二核錯体を用いて、水素の活性化と基質の電子およびヒドリド還元の方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を検討した結果、鉄やニッケルの支持配位子を工夫することで、ニッケル・鉄錯体を用いて水素を活性化し、基質の電子およびヒドリド還元ができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.下記工程A〜Bを含む基質の還元方法。
(工程A)水素分子(H)に、下記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)を作用させ、該水素分子をヘテロリティックに活性化し、下記反応式で表されるように、下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)とプロトン(H)とを生成する工程
+M→H+[MH]
(工程B)下記反応式で表されるように、前記ニッケル・鉄ヒドリド錯体を基質(Q)と反応させて、基質を還元する工程
[MH]+Q→M+[Q+2e+H
式(1)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Rは、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。

式(2)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
2.前記工程Bで前記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)を得て、前記工程Aでニッケル・鉄ニトリル錯体(M)として用いることを特徴とする前項1に記載の還元方法。
3.前項1または2に記載の還元方法に用いる下記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)。
式(1)において、l、mおよびnが、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xがそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Rが、炭素数1〜5のアルキル基である。Lがそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
4.前項1または2に記載の還元方法に用いる下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)。
式(2)において、l、mおよびnが、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xがそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lがそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
5.水素分子(H)に、下記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)を作用させ、該水素分子をヘテロリティックに活性化し、下記反応式で表されるように、下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)とプロトン(H)とを生成する方法。
+M→H+[MH]
式(1)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Rは、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
式(2)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
6.下記反応式で表されるように、下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)を基質(Q)と反応させて、基質を還元する方法。
[MH]+Q→M+[Q+2e+H
式(2)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
本発明の水素の活性化と基質の還元方法によれば、第一周期金属であるニッケルと鉄を用いて、常圧の水素をヘテロリティックに活性化でき、生成したヒドリド錯体から、基質の電子およびヒドリド還元を行うことができる。安価な金属で水素をヒドリド源、および電子源として利用可能であり、社会に与えるインパクトは大きい。
図1は、X線解析により得られたニッケル・鉄ニトリル錯体[1’](BPhのORTEP図を示す。 図2は、X線解析により得られたニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のORTEP図を示す。 図3は、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)をH NMR分光法により分析した結果を示す。 図4(a)はニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のIRスペクトル、図4(b)はニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2’](BPh)のIRスペクトル、図4(c)は図4(a)と図4(b)の差スペクトルを示す。 図5(a)は、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)をESI−MSで分析した結果、図5(b)はm/z 861.2の拡大図、図5(c)は、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)の同位体分布の理論値、図5(d)は、ニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2’](BPh)をESI−MSで分析した結果を示す。 図6は、X線解析により得られたニッケル・鉄ブロモ錯体[NiII(N)FeII(Br)]のORTEP図を示す。 図7は、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)による酸化型メチルビオロゲンの還元反応を紫外線可視スペクトルで追跡した結果を示す。図7(a)はニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)の紫外線可視スペクトルであり、図7(b)はニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)に酸化型メチルビオロゲンを加えた際の紫外線可視スペクトルである。
〈ニッケル・鉄ヒドリド錯体〉
本発明のヒドリド金属錯体を用いて水素分子から電子を取り出す方法、基質を水素化する方法は、出発物質として、下記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体を用いる。
式(1)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Rは、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
前記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体[1]は、実施例に記載の方法により調製することができる。
ニッケル・鉄ニトリル錯体[1]を構造解析する場合、実施例において後述するように、ニッケル・鉄ニトリル錯体[1]のアセトニトリル/テトラヒドロフラン混合溶液にエーテルをゆっくり添加することにより、ニッケル・鉄ニトリル錯体[1]の単結晶を得て、構造解析することができる。
ニッケル・鉄ニトリル錯体[1]の具体例として、下記式(1’)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体[1’]が挙げられる。
図1に示すように、式(1’)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体[1’]は、ニッケルと鉄の二核構造をしており、Ni・・・Feの距離は、3.3189(6)Åである。Ni−S−Feの角度は94.79(4)°と94.93(4)°である。
〈ニッケル・鉄ヒドリド錯体〉
前記ニッケル・鉄ニトリル錯体[1]に、ナトリウムメトキサイドを含んだアセトニトリル/メタノール混合溶媒中で水素分子(H)を作用させることにより、該水素分子をヘテロリティックに活性化し、下記反応式で表されるように、下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]が生成する。
+M→H+[MH]
式(2)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]を構造解析する場合、実施例において後述するように、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]のジクロロメタン/メタノール混合溶液中で、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]の単結晶を得て、構造解析することができる。
ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]の具体例として、下記式(2’)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’]が挙げられる。
図2に示すように、式(2’)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)は、ニッケルと鉄の二核構造をしており、Ni・・・Feの距離は、2.7930(6)Åである。
ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]のヒドリド配位子をジュウテリド配位子に置換したニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2]を中性子回折する場合、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]と同様な方法により、ニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2]のジクロロメタン/メタノール混合溶媒中で、ニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2]の単結晶を得て、構造解析することができる。
中性子回折により、ニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2]において、鉄中心にジュウテリド配位子が配位していることが確認される。
ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]は、H NMRでも確認することができる。例えば、H NMRによりニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’]を解析すると、図3に示すように、ヒドリド領域にヒドリドに由来すると考えられるピークを確認することができる。
前記ヒドリド基のピークは3つのリン原子(核スピン1/2)とのカップリングによって分裂していることからも鉄中心に配位したヒドリド基に由来するものであると考えられる。
鉄−ヒドリド伸縮振動は、IRによって確認できる。IRの測定には、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]とニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2]を用いる。
例えば、図4に示すように、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のIRスペクトルでは、鉄−ヒドリド伸縮振動が1687cm-1に、ニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2’](BPh)では、鉄−ジュウテリド伸縮振動が1218cm-1に観測される。
ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2]はESI−MSでも確認できる。例えば、図5に示すように、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のESI−MSによる測定には、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)とニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2’](BPh)を用いる。
ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のメタノール中でのESI−マススペクトルの測定は、m/z 861.2に[2’]のシグナルを示し、ニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2’](BPh)のメタノール中でのESI−マススペクトルの測定は、m/z 862.2に[D−labeled 2’]のシグナルを示す。
本発明の基質の還元反応は、下記工程A〜Bを含む。
(工程A)水素分子(H)に、下記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)を作用させ、該水素分子をヘテロリティックに活性化し、下記反応式で表されるように、下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)とプロトン(H)とを生成する工程
+M→H+[MH]
(工程B)下記反応式で表されるように、前記ニッケル・鉄ヒドリド錯体を基質(Q)と反応させて、基質をヒドリド還元する工程
[MH]+Q→M+[Q+2e+H
式(1)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Rは、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
式(2)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
(工程A)ニッケル・鉄ヒドリド錯体を生成する工程
工程Aは、下記反応式で表されるように、下記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)と水素分子(H)とを作用させ、該水素分子をヘテロリティックに活性化し、下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)とプロトン(H)とを生成する工程である。
+M→H+[MH]
工程Aは、水素を系内に導入して反応させる。工程Aの反応時間は好ましくは1〜5時間、反応温度は好ましくは5〜40℃、反応圧力は好ましくは1〜8気圧とすることが好ましい。
(工程B)基質を電子還元する工程
工程Bは、下記反応式で表されるように、下記反応式で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体を基質(Q)と反応させて、基質を還元する工程
工程Bは、水素を系内に導入して反応させる。工程Bの反応時間は好ましくは1〜5時間、反応温度は好ましくは5〜40℃とすることが好ましい。
本発明の還元反応の対象である基質としては、特に限定されないが、環状有機窒素化合物若しくは有機金属錯体の陽イオン類、プロトン酸類、ケトン類またはアルデヒド類であることが好ましく、環状ピリジニウムイオン類、チアジニウムイオン類、メタロセニウム類、プロトン酸類または芳香族アルデヒド類であることがより好ましい。
具体的には、例えば、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、アクリジニウムイオン、3−アミノカルボニル−1−フェニルメチルピリジニウムイオン、メチレンブルー、フェロセニウムイオン、テトラフルオロホウ酸、2−フルオロベンズアルデヒドおよび4−ニトロベンズアルデヒド挙げられる。
本発明の基質の還元方法は、工程Bにおいて基質を還元するとともに、出発物質であるニッケル・鉄ニトリル錯体を得ることができる。したがって、本発明の基質の還元方法によれば、ニッケル・鉄ニトリル錯体を出発物質として、工程Aにおいて水素を添加し、工程Bにおいて基質を添加することにより、基質を連続して還元することができる。
以下に本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(材料および方法)
全ての実験は、特に記述のない限り標準のシュレンク技術及びグローブボックスを用いることによってN又はAr雰囲気下で実施した。
アセトニトリルとジクロロメタンは、使用の前にCaHで、メタノールはマグネシウム/ヨウ素で脱水蒸留した。
NiII(N)は、文献(Chem.Commun.,1997,979−980)に記載の方法によりNiII(N)において記述されている方法によって調製した(N=N、N’−diethyl-N、N’−bis(2−mercaptoethyl)−1、3−propanediamine)。
水素ガス(99.9999%)と重水素ガス(99.5%)は、大陽日酸株式会社から購入し、精製せずに使用した。
H NMRスペクトル
H NMRスペクトルは、JEOL JNM−AL300分光計で測定した。そのHケミカルシフトは、テトラメチルシラン(TMS、0.00ppm)を基準とした。
・赤外吸収(IR)スペクトル
KBrディスク中に含まれる固体化合物の赤外吸収スペクトルは、25℃で2cm−1の標準解像度を用いて650から4000cm−1までの領域をサーモ・ニコレーNEXUS8700FR−IR計器で測定した。
・紫外線可視スペクトル
紫外線可視スペクトルは、25℃にて日本分光V-670 UV−Visible-NIR分光計(セルの長さ1.0cm)で測定した。
・元素分析データ
元素分析データは、パーキンエルマー2400IIシリーズCHNS/O分析器によって得た。
・X線結晶学的解析
ニッケル・鉄ニトリル錯体[1’](BPhはアセトニトリル/テトラヒドロフラン混合溶液へのエーテルの拡散によって、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)はジクロロメタン/メタノール混合溶液中で、ニッケル・鉄ブロモ錯体[NiII(N)FeII(Br)]は、アセトニトリル溶液へのエーテルの拡散によって、ニッケル・鉄ニトリル錯体[1’](BPh、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)、及びニッケル・鉄ブロモ錯体[NiII(N)FeII(Br)]のX線品質結晶を作製した。
測定は、共焦点単色化Mo−Ka放射光(l=0.7107Å)を備えたリガク/MSCサターンCCD回析装置で行った。データを集め、CrystalClaerプログラム(リガク社)を用いて処理した。全ての計算は、モレキュラー・ストラクチャー・コーポレーションのteXan結晶学ソフトウェア・パッケージを用いて実施した。
ニッケル・鉄ブロモ錯体[NiII(N)FeII(Br)]、ニッケル・鉄ニトリル錯体[1’](BPh及びニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)についての結晶学的データは、ケンブリッジ結晶構造データ・センター(CCDC)に預託した。それらのデータのコピーは、CCDC(12,Union Road,Cambridge CB2 1EZ,UK)に申し込めば入手できる。
[実施例1]ニッケル・鉄ブロモ錯体の合成および解析
(1)ニッケル・鉄ブロモ錯体[NiII(N)FeII(Br)]の合成
アセトニトリル24mlに臭化鉄(FeBr、0.22g、1.0mmol)とNiII(N)(0.31g、1.0mmol)を加え、一時間撹拌後、濾過して濾液にエーテルを加えると、黒赤色固体が析出した。濾過して、粉末を真空乾燥し、下記式に示すニッケル・鉄ブロモ錯体を合成した(FeIIBrをベースとする収率87%)。
Anal.Calcd for[NiII(N)FeII(Br)]:C1124BrFeNNiS:C,25.27;H,4.63;N,5.36%。Found:C,25.27;H,4.45;N,5.47%.
(2)ニッケル・鉄ブロモ錯体[NiII(N)FeII(Br)]のX線解析
ニッケル・鉄ブロモ錯体[NiII(N)FeII(Br)]は、アセトニトリル/エーテル混合溶媒中で結晶化することによって、X線解析に適した黒赤色の結晶を得た。その結果を図6に示す。
図6における主な原子間距離(1/Å)は、(1/Å)は、Fe1−Ni1=2.7656(7)、Ni1−S1=2.1894(6)、Ni1−S2=2.1875(6)、Ni1−N1=1.991(2)、Ni1−N2=1.982(2)、Fe1−S1=2.4138(8)、Fe1−S2=2.4097(7)、Fe1−Br1=2.4042(4)、Fe1−Br2=2.3720(5)である。
[実施例2]ニッケル・鉄ニトリル錯体の合成および解析
(1)ニッケル・鉄ニトリル錯体[NiII(N)FeII(CHCN){P(OEt)](BPh{[1’](BPh}の合成
[NiII(N)FeII(Br)](52mg、0.10mmol)のメタノール溶液にP(OEt)(80μL、0.46mmol)とNaBH(20mg、0.53mmol)を加え、1時間撹拌した。NaBPh(80mg、0.24mmol)を加えると、黒褐色固体が析出した。濾過して黒褐色固体を収集し、その黒褐色固体にジクロロメタンを加え、不溶性固体を濾過して除去し、濾液を減圧除去すると黒褐色固体が得られる。黒褐色固体をアセトニトリルに溶解し、[FeIII(C](PF)(33mg、0.10mmol)を加え、1時間後、NaBPh(80mg、0.24mmol)のメタノール溶液を加えると、ニッケル・鉄ニトリル錯体[1’](BPhが析出する。濾過後、粉末を真空中で乾燥した([NiII(N)FeII(Br)]をベースとする収率57%)。
H NMR(300MHz、CDCN中、TMS基準、25℃):δ1.26−1.30(m,27H)、1.58(t,6H)、1.80−1.85、2.15−2.57、2.79−2.91、3.12−3.22(m,18H)、4.01−4.14(m,18H)、6.82−6.87、6.97−7.02、7.25−7.29(m、20H)。
ESI−MS (in CHCN):m/z 430.2{[1’−CHCN]2+,I=100% in the range of m/z 200−2000}.
Anal.Calcd.for[1’](BPh:C79112FeNNiO:C、61.57;H、7.33;N、2.73%。Found:C、61.31;H、7.24;N、2.73%。
(2)ニッケル・鉄ニトリル錯体[1’](BPhのX線解析
ニッケル・鉄ニトリル錯体[1’](BPhは、アセトニトリル/テトラヒドロフラン混合溶媒中にジエチルエーテルを加えて結晶化することによって、X線解析に適した黒褐色の結晶を得た。
図1に、X線解析により得られた50%確率の楕円を有する[1’](BPhのORTEP図を示す。明瞭化のためにカウンター・アニオン(BPh)、溶媒分子(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル)および水素原子は省略してある。
図1における主な原子間距離(1/Å)は、Fe1−Ni1=3.3189(6)、Ni1−S1=2.1599(9)、Ni1−S2=2.167(1)、Ni1−N1=2.046(3)、Ni1−N2=2.015(3)、Fe1−S1=2.341(1)、Fe1−S2=2.340(1)、Fe1−P1=2.1812(9)、Fe1−P2=2.182(1)、Fe1−P3=2.195(1)である。
[実施例3]ニッケル・鉄ヒドリド錯体の合成および解析
(1)ニッケル・鉄ヒドリド錯体[NiII(N)(μ−H)FeII{P(OEt)](BPh){[2’](BPh)}の合成
ニッケル・鉄ニトリル錯体[1’](BPh(200mg、0.13mmol)のアセトニトリル/メタノール混合溶液(5ml)に、ナトリウムメトキサイド(14mg、0.26mmol)を添加し、1気圧の水素を反応させてニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)を合成した(ニッケル・鉄ニトリル錯体[1’](BPhをベースとする収率41%)。ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のH NMR分光法による分析の結果を図3に示す。
H NMR(300MHz、CDCl中、TMS基準、25℃):δ−3.57(dt,1H),0.92(t,6H,N−CH−CH),1.19-1.27(m,27H),1.47-1.53,1.62−1.75,1.83−1.90,2.34−2.43,2.62−2.73,3.10−3.20,3.27−3.34,3.59−3.67(m),3.93−4.07,4.18−4.28(m,18H)、6.85−6.90、7.00−7.05、7.28−7.33(m、20H)。
ESI−MS (in CHOH):m/z 861.2{[2],I=100% in the range of m/z 200−2000}.
Anal.Calcd for [2’]:C5390BFeNNiO:C,53.87;H,7.68;N,2.37%.Found:C,54.13;H,7.87;N,2.58%。
ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のIRスペクトルを図4(a)に、ニッケル・鉄ジュウテリド錯体[D−labeled 2](BPh)のIRスペクトルを図4(b)に示す。また、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のESI−MSによる分析の結果を図5に示す。
(2)ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のX線解析
ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)は、ジクロロメタン/メタノール混合溶媒中で結晶化することによって、X線解析に適した黒褐色の結晶を得た。
図2に、X線解析により得られた50%確率の楕円を有するニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)のORTEP図を示す。明瞭化のためにカウンター・アニオン(BPh)、および支持配位子(NとP(OEt))の水素原子は省略してある。
図2における主な原子間距離(1/Å)は、Fe1−Ni1=2.7930(6)、Fe1−H1=1.57(5)、Ni1−H1=2.16(4)である。
図1に示すように、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)は、配位子のチオトレートで架橋されたニッケルと鉄の二核構造をしている。
[実施例4]ニッケル・鉄ヒドリド錯体による基質の還元
(1)アクリジニウムイオンの還元
雰囲気下でニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)(11.8mg、10μmol)のアセトニトリル溶液(1ml)に1当量のアクリジニウムイオンを加え、25℃で1時間反応させると、アクリジンが生成した。
得られた生成物をH NMRで分析すると、アクリジンの収率は、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)ベースで95%であった。
(2)メチレンブルーの還元
雰囲気下でニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)(11.8mg、10μmol)のアセトニトリル/メタノール(1:1)混合溶液(1ml)に1当量の酸化型メチレンブルーを加え、25℃で1時間反応させると、還元型メチレンブルーが生成した。
得られた生成物をUV/vis分光法で分析すると、還元型メチレンブルーの収率は、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)ベースで97%であった。
(3)プロトンの還元
雰囲気下でニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)(7.1mg、6.0μmol)のアセトニトリル溶液(2.8ml)に2当量のHBFを加え、25℃で1時間反応させると、水素ガスが発生した。
発生した水素ガスをGCで分析すると、水素の収率は、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)ベースで93%であった。
(4)フェロセニウムイオンの還元
雰囲気下でニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)(11.8mg、10μmol)のアセトニトリル溶液(1ml)に1当量のフェロセニウムイオンを加え、25℃で1時間反応させると、フェロセンが生成した。
得られた生成物をH NMRで分析すると、フェロセンの収率は、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)ベースで94%であった。
(5)酸化型メチルビオロゲンの還元
雰囲気下でニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)(23.6mg、20μmol)のアセトニトリル溶液(1ml)に1当量の酸化型メチルビオロゲンを加え、25℃で1時間反応させると、還元型メチルビオロゲンが生成した。
ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)による酸化型メチルビオロゲンの還元反応を紫外線可視スペクトルで追跡した結果を図7に示す。図7(a)はニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)の紫外線可視スペクトルを示し、図7(b)はニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)に酸化型メチルビオロゲンを加えた際の紫外線可視スペクトルを示す。
得られた生成物をUV/vis分光法で分析すると、還元型メチルビオロゲンの収率は、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)ベースで24%であった。
この結果から、本発明の基質の還元方法によれば、ニッケル・鉄ヒドリド錯体を用い、水素を用いて基質を還元できることが分かった。
[実施例5]ニッケル・鉄ヒドリド錯体の再生
雰囲気下でニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)(11.8mg、10μmol)のアセトニトリル溶液(1ml)に1当量のフェロセニウムイオンを加え、25℃で1時間反応させると、ニッケル・鉄ニトリル錯体[1’]とフェロセンが生成した。ナトリウムメトキサイド(1.1mg、20μmol)を含むメタノール溶液(2ml)を加え、8気圧の水素を反応させると、ニッケル・鉄ヒドリド錯体[2’](BPh)が再生した(収率:53%)。

Claims (6)

  1. 下記工程A〜Bを含む基質の還元方法。
    (工程A)水素分子(H)に、下記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)を作用させ、該水素分子をヘテロリティックに活性化し、下記反応式で表されるように、下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)とプロトン(H)とを生成する工程
    +M→H+[MH]
    (工程B)下記反応式で表されるように、前記ニッケル・鉄ヒドリド錯体を基質(Q)と反応させて、基質を還元する工程
    [MH]+Q→M+[Q+2e+H

    式(1)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Rは、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。

    式(2)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
  2. 前記工程Bで前記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)を得て、前記工程Aでニッケル・鉄ニトリル錯体(M)として用いることを特徴とする請求項1に記載の還元方法。
  3. 請求項1または2に記載の還元方法に用いる下記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)。

    式(1)において、l、mおよびnが、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xがそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Rが、炭素数1〜5のアルキル基である。Lがそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
  4. 請求項1または2に記載の還元方法に用いる下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)。

    式(2)において、l、mおよびnが、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xがそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lがそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
  5. 水素分子(H)に、下記式(1)で表されるニッケル・鉄ニトリル錯体(M)を作用させ、該水素分子をヘテロリティックに活性化し、下記反応式で表されるように、下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)とプロトン(H)とを生成する方法。
    +M→H+[MH]

    式(1)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Rは、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。

    式(2)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
  6. 下記反応式で表されるように、下記式(2)で表されるニッケル・鉄ヒドリド錯体(MH)を基質(Q)と反応させて、基質を還元する方法。
    [MH]+Q→M+[Q+2e+H

    式(2)において、l、mおよびnは、それぞれ独立して2〜4の整数である。Xはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。
JP2012233783A 2012-10-23 2012-10-23 ヒドリド金属錯体を用いて水素分子から電子を取り出す方法、および基質を還元する方法 Active JP5960577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012233783A JP5960577B2 (ja) 2012-10-23 2012-10-23 ヒドリド金属錯体を用いて水素分子から電子を取り出す方法、および基質を還元する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012233783A JP5960577B2 (ja) 2012-10-23 2012-10-23 ヒドリド金属錯体を用いて水素分子から電子を取り出す方法、および基質を還元する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014084397A true JP2014084397A (ja) 2014-05-12
JP5960577B2 JP5960577B2 (ja) 2016-08-02

Family

ID=50787791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012233783A Active JP5960577B2 (ja) 2012-10-23 2012-10-23 ヒドリド金属錯体を用いて水素分子から電子を取り出す方法、および基質を還元する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5960577B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51127052A (en) * 1975-04-21 1976-11-05 Celanese Corp Improved hydroformyl catalyst
JP2009235054A (ja) * 2008-03-07 2009-10-15 Kyushu Univ ヒドリド金属錯体および低原子価金属錯体、並びにそれらを用いて、水素分子から電子を取り出す方法、基質を水素化する方法、および重水素から水素を製造する方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51127052A (en) * 1975-04-21 1976-11-05 Celanese Corp Improved hydroformyl catalyst
JP2009235054A (ja) * 2008-03-07 2009-10-15 Kyushu Univ ヒドリド金属錯体および低原子価金属錯体、並びにそれらを用いて、水素分子から電子を取り出す方法、基質を水素化する方法、および重水素から水素を製造する方法

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013028932; OGO,S. et al.: 'A Dinuclear Ni(mu-H)Ru Complex Derived from H2' Science (Washington, DC, United States) 316(5824), 2007, 585-587 *
JPN6013028933; REYNOLDS,M.A. et al.: 'Ruthenium derivatives of NiS2N2 complexes as analogs of bioorganometallic reaction centers' Organometallics 22(8), 2003, 1619-1625 *
JPN6013028935; OUDART,Y. et al.: 'Dinuclear nickel-ruthenium complexes as functional bio-inspired models of [NiFe] hydrogenases' European Journal of Inorganic Chemistry (18), 2007, 2613-2626 *
JPN6013028939; 小江 誠司: '水中での生物有機金属化学' 日本化学会第87春季大会-講演予稿集 II , 20070312, 第1615頁, 社団法人日本化学会 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP5960577B2 (ja) 2016-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Paul et al. Environmentally benign benzyl alcohol oxidation and CC coupling catalysed by amide functionalized 3D Co (II) and Zn (II) metal organic frameworks
Bose et al. Condensed tantalaborane clusters: synthesis and structures of [(Cp* Ta) 2B5H7 {Fe (CO) 3} 2] and [(Cp* Ta) 2B5H9 {Fe (CO) 3} 4]
Takaya et al. Reaction of bis (o-phosphinophenyl) silane with M (PPh 3) 4 (M= Ni, Pd, Pt): synthesis and structural analysis of η 2-(Si–H) metal (0) and pentacoordinate silyl metal (ii) hydride complexes of the Ni triad bearing a PSiP-pincer ligand
Yoon et al. Ammonia triborane: a new synthesis, structural determinations, and hydrolytic hydrogen-release properties
Ledger et al. Pincer Phosphine Complexes of Ruthenium: Formation of Ru (P− O− P)(PPh3) HCl (P− O− P= xantphos, DPEphos,(Ph2PCH2CH2) 2O) and Ru (dppf)(PPh3) HCl and Characterization of Cationic Dioxygen, Dihydrogen, Dinitrogen, and Arene Coordinated Phosphine Products
Darensbourg et al. Phase-transfer-catalyzed nucleophilic reactions of hydroxide ions at metal-bound carbon monoxide centers
Shi et al. Development of a continuous‐flow system for asymmetric hydrogenation using self‐supported chiral catalysts
Emslie et al. Group 10 Transition-metal complexes of an ambiphilic psb-ligand: investigations into η3 (bcc)-triarylborane coordination
CN109705168B (zh) 一种双核镍配位化合物及其制备方法与应用
Laye et al. The Trityl‐Cation Mediated Phosphine Oxides Reduction
Sun et al. A uranium (IV) alkyl complex: synthesis and catalytic property in carbonyl hydroboration
Baysal et al. Synthesis and characterizations of 3, 3′-bis (diphenylphosphinoamine)-2, 2′-bipyridine and 3, 3′-bis (diphenylphosphinite)-2, 2′-bipyridine and their chalcogenides
Ning et al. One-pot synthesis of Mo0 dinitrogen complexes possessing monodentate and multidentate phosphine ligands
Chen et al. Synthesis, structure, and catalytic activity of titanium complexes with chiral biaryl Schiff-base ligands
Man et al. Synthesis, characterization and reactivity of heterobimetallic complexes (η 5-C 5 R 5) Ru (CO)(μ-dppm) M (CO) 2 (η 5-C 5 H 5)(R= H, CH 3; M= Mo, W). Interconversion of hydrogen/carbon dioxide and formic acid by these complexes
Cadierno et al. An Easy Entry to Dimers [{RuX (μ-X)(CO)(P⌒ P)} 2](X= Cl, Br; P⌒ P= 1, 1 ‘-Bis (diphenylphosphino) ferrocene, 1, 1 ‘-Bis (diisopropylphosphino) ferrocene) from η3-Allylruthenium (II) Derivatives [RuX (η3-2-C3H4R)(CO)(P⌒ P)](R= H, Me): Efficient Catalyst Precursors in Transfer Hydrogenation of Ketones
Jing et al. Complete Chiral Induction from Enantiopure 1, 2‐Diamines to Benzophenone‐Based Achiral Bisphosphane Ligands in Noyori‐Type RuII Catalysts
JP5960577B2 (ja) ヒドリド金属錯体を用いて水素分子から電子を取り出す方法、および基質を還元する方法
Amenuvor et al. Multidentate Pyridyl‐Aminophosphinite and Pyridyl‐Phosphoramidite Ruthenium (II) Complexes: Synthesis, Structure and Application as Levulinic Acid Hydrogenation Pre‐Catalysts
Jia et al. Aminophosphine ligands R 2 P (CH 2) n NH 2 and ruthenium hydrogenation catalysts RuCl 2 (R 2 P (CH 2) n NH 2) 2
Liu et al. Reactions of hydrogen with ruthenium and osmium complexes containing tridentate ligands Cy2PCH2CH (CH2) 2PCy2 and 2, 6-(Ph2PCH2) 2C6H3
Manbeck et al. Examination of a dicationic rhodium methyl aquo complex
Neary et al. Reactivity of Cyclopentadienyl Molybdenum Compounds towards Formic Acid: Structural Characterization of CpMo (PMe3)(CO) 2H, CpMo (PMe3) 2 (CO) H,[CpMo (μ-O)(μ-O2CH)] 2, and [Cp* Mo (μ-O)(μ-O2CH)] 2
Pal et al. Dithiolate‐Bridged Fe‐Ni‐Fe Trinuclear Complexes Consisting of Fe (CO) 3− n (CN) n (n= 0, 1) Components Relevant to the Active Site of [NiFe] Hydrogenase
Baur et al. The Chemistry of New Nitrosyltungsten Complexes with Pyridyl‐Functionalized Phosphane Ligands

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150619

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20150619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160623

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5960577

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250