JP2014082338A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents
プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014082338A JP2014082338A JP2012229413A JP2012229413A JP2014082338A JP 2014082338 A JP2014082338 A JP 2014082338A JP 2012229413 A JP2012229413 A JP 2012229413A JP 2012229413 A JP2012229413 A JP 2012229413A JP 2014082338 A JP2014082338 A JP 2014082338A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasma
- reaction product
- plasma processing
- frequency
- time
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
Links
Landscapes
- Drying Of Semiconductors (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、プラズマ発光を用いたドライエッチングの高精度な終点判定を行うプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】本発明は、試料をプラズマ処理する処理室と、前記処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記試料を載置する試料台と、前記試料台に高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、反応生成物の滞在時間以上の周期で前記反応生成物の発光を周期的に変化させた時の周波数と同じ周波数の発光成分をプラズマ発光から抽出する検出器をさらに備えることを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】本発明は、試料をプラズマ処理する処理室と、前記処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記試料を載置する試料台と、前記試料台に高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、反応生成物の滞在時間以上の周期で前記反応生成物の発光を周期的に変化させた時の周波数と同じ周波数の発光成分をプラズマ発光から抽出する検出器をさらに備えることを特徴とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、半導体素子を製造するプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に係り、特にプラズマ発光を用いたドライエッチングの終点を高感度に検出するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
現在、半導体素子の微細加工にはプラズマを利用したドライエッチングが使われている。ドライエッチングではエッチングの終了を、プラズマ中で電子の衝突により励起された反応生成物が脱励起する際に発する光の強度によって判定するのが一般的である。反応生成物からの発光強度は、光の再吸収が無ければ、反応生成物の密度にほぼ比例する。
半導体ウェハのエッチング中にウェハから放出される反応生成物量はウェハ表面積に被エッチング物質が占める割合に比例する。従って、被エッチング材料の面積が小さい、すなわちマスクの占める面積が大きいと、プラズマ中の反応生成物密度が小さくなり、その発光強度も小さくなる。通常、ウェハ表面積に占める被エッチング材料の割合が10%以下になると発光強度の変化によるエッチングの終点判定が難しくなる。
エッチング終点判定の精度を向上させる先行技術は以下の通りである。
特許文献1および特許文献2には、プラズマを励起する電磁波の周波数と同期してプラズマからの発光を検出する手段が開示されている。また、特許文献3には、バイアス電位を周期的に変化させてこのバイアスと同期して発光を観測する手段が開示されている。さらに特許文献4には、プラズマを発生させる高周波電源をパルス変調して、このパルスの周波数と同期してプラズマからの発光を計測する手段が開示されている。
上述した従来技術では、プラズマの発光の周期的な変化と同期して発光を検出することにより検出感度を向上させているが、従来技術では、例えば、被エッチング面積が10%以下のような低開口率のウェハに対して終点判定検出が困難である。
通常、プラズマからの発光には、エッチングによって生じる反応生成物の発光とエッチング用に供給するプロセスガスを構成する分子あるいは原子からの発光が含まれる。一般的にエッチングの終点検出に必要なのは前者の反応生成物からの発光である。
低開口率のウェハを対象としたプラズマ発光による終点判定を高精度に行うには、反応生成物からの発光を高精度に検出する必要があるが、従来技術では、プラズマの変化周期と同期して発光を検出するので、反応生成物からの発光のみをその他の発光から分離して検出することが困難であった。
つまり、低開口率のウェハを対象としたプラズマ発光による終点判定を高精度に行うには、反応生成物の発光とプロセスガス分子からの発光を分離して検出する必要がある。
本発明は、上記課題を鑑みて、プラズマ発光を用いたドライエッチングの高精度な終点判定を行うプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供する。
つまり、低開口率のウェハを対象としたプラズマ発光による終点判定を高精度に行うには、反応生成物の発光とプロセスガス分子からの発光を分離して検出する必要がある。
本発明は、上記課題を鑑みて、プラズマ発光を用いたドライエッチングの高精度な終点判定を行うプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供する。
本発明は、試料をプラズマ処理する処理室と、前記処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記試料を載置する試料台と、前記試料台に高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、反応生成物の滞在時間以上の周期で前記反応生成物の発光を周期的に変化させた時の周波数と同じ周波数の発光成分をプラズマ発光から抽出する検出器をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明は、試料をプラズマ処理する処理室と、前記処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記試料を載置する試料台と、前記試料台に高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、前記反応生成物の発光を周期的に変化させた時の周波数と同じ周波数の発光成分をプラズマ発光から抽出する検出器をさらに備え、前記反応生成物の発光は、前記高周波電力をパルス変調することにより前記パルス変調の周波数で周期的に変化させられ、前記検出器は、前記発光成分を所定時間だけ遅延させる遅延手段を具備することを特徴とする。
また、本発明は、プラズマ発光の変化に基づいてプラズマエッチングの終点を判定する終点判定を用いて試料をプラズマエッチングするプラズマ処理方法において、前記終点判定は、反応生成物の滞在時間以上の周期で前記反応生成物の発光を周期的に変化させた時の周波数と同じ周波数の発光成分を前記プラズマ発光から抽出することにより行われることを特徴とする。
また、本発明は、プラズマ発光の変化に基づいてプラズマエッチングの終点を判定する終点判定を用いて試料をプラズマエッチングするプラズマ処理方法において、反応生成物の発光は、前記試料に供給される高周波電力をパルス変調することにより前記パルス変調の周波数で周期的に変化させられ、前記終点判定は、前記反応生成物の発光の周波数と同じ周波数である発光成分を所定時間だけ遅延させて抽出することにより行われることを特徴とする。
本発明により、プラズマ発光を用いたドライエッチングの高精度な終点判定を行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明を適用するプラズマエッチング装置の一例で、プラズマ生成手段にマイクロ波と磁場を利用したElectron Cyclotron Resonance(以下ECRと称する)プラズマエッチング装置の概略図である。
マイクロ波ECRプラズマエッチング装置は、内部を真空排気できるチャンバ101と、試料であるウェハ102を配置する試料台103と、チャンバ101の上面に設けられた石英などのマイクロ波透過窓104と、その上方に設けられた導波管105と、マグネトロン106と、チャンバ101の周りに設けられたソレノイドコイル107と、試料台103に接続された静電吸着電源108と、高周波バイアス電源109とを備える。
ウェハ102は、ウェハ搬入口110からチャンバ101内に搬入された後、静電吸着電源108によって試料台103に静電吸着される。次にプロセスガスがガス導入口111からチャンバ101に導入される。チャンバ101内は、真空ポンプ(図示省略)により減圧排気され、所定の圧力(例えば、0.1Pa〜50Pa)に調整される。
次に、マグネトロン106から周波数2.45GHzのマイクロ波が発振され、導波管105を介してチャンバ101内に供給される。マイクロ波とソレノイドコイル107によって発生された磁場との相互作用によって処理ガスが励起され、ウェハ102上部の空間にプラズマ112が形成される。
マグネトロン106の出力はオンオフ変調(パルス変調)することが可能で、この時間変調周波数をプラズマパルス周波数fp、逆数をプラズマパルス周期とする。一方、試料台103には、高周波バイアス電源109によって高周波バイアス電力が印加され、プラズマ112中のイオンがウェハ102上に垂直に加速され入射する。プラズマ112からのラジカルとイオンの作用によってウェハ102が異方的にエッチングされる。
また、高周波バイアス電源109には、パルス発生装置116が接続されており、パルス発生装置116が発生させる連続パルス波によって高周波バイアス電源109により試料台103に供給される高周波バイアス電力をパルス変調することができる。
このパルス変調の周波数をバイアスパルス周波数fbとし、その逆数をバイアスパルス周期とする。また、パルス発生装置116は、バイアスパルス周波数と、1周期におけるオンの期間とオフの期間の比を任意に設定できる機能を有する。尚、1周期に対するオンの期間の割合をデューティー比と呼ぶ。
プラズマ112からの発光は、光ファイバ113で取り込まれ、分光器114で各波長成分に分離されて検出器115で分光器114で分光された波長成分を電気信号に変換されるとともに増幅される。
検出器115は、パルス発生装置116からのパルスの信号を取り込み、プラズマ発光の中でパルス発生装置116からのパルスの周波数と同じ周波数で周期的に変化する発光成分のみを抽出し、増幅する機能を有する。
参照信号(例えばパルス発生装置116からのパルス周波数)と同じ周波数のデータを抽出する原理は、一般にヘテロダイン技術と呼ばれるもので、ホトダイオードあるいはホトマルなどで電気信号に変換された発光強度信号にパルス発生装置116の信号を参照信号として掛け算して、さらにローパスフィルタを通すことにより、参照信号の周波数と同じ周波数の信号を抽出できる。このような原理により、検出器115は、反応生成物の発光を高精度に抽出できる。この検出器115のような機能を有する装置は、例えばロックインアンプ(lock-in amplifier)であり、微弱な交流信号を検出することができ、一般に広く使われている。
また、検出器115は、パルス発生装置116から取り込んだパルス波の位相をパルス発生装置116から発生させた高周波バイアスの変調パルス波より任意の値だけ位相を遅らせ、任意の値だけ位相が遅れたパルスの周波数と同じ周波数で変化する発光の成分をプラズマ発光の中から抽出し増幅する機能を有する。この位相の遅れを遅延時間と呼ぶ。
さらに、検出器115は、パルス発生装置116から取り込んだパルスのデューティー比をパルス発生装置116から発生させた高周波バイアスの変調パルスのデューティー比よりも小さい任意の値に変換し、任意の値に変換されたデューティー比のパルスの周波数と同じ周波数の発光強度のみを抽出し、増幅する機能を有する。
一般的にプラズマが発生する領域の体積をV(L)、エッチング時のチャンバ内の圧力をP(Pa)、ガス流量をF(Pa・L/s)とすると、ガスのプラズマ発生箇所での滞在時間T(s)は(1)式であらわされる。本実施例で使用したマイクロ波ECRプラズマエッチング装置のプラズマが発生する領域(試料台103とマイクロ波透過窓104の間の空間)の体積Vは37.3 Lである。
T=PV/F …(1)
次に表1にマイクロ波ECRプラズマエッチング装置によりポリシリコン(Poly-Si)をエッチングする条件を示す。
T=PV/F …(1)
次に表1にマイクロ波ECRプラズマエッチング装置によりポリシリコン(Poly-Si)をエッチングする条件を示す。
表1においてステップ1は、ポリシリコン表面の自然酸化膜など除去するためのステップでブレークスルーと呼ばれ、ステップの時間は通常5s程度とする。ステップ2がポリシリコンをエッチングするステップでメインエッチと呼ぶ。
表1のステップ2では、ガスの総流量は336Pa・L/sであり、また、チャンバ101内は0.1Paに調整されていることから、(1)式より、反応生成物の滞在時間はおよそ11msとなる。また、ポリシリコンの反応生成物は、主にSiF4となり、440nmの波長に発光スペクトルが現れる。
図2は、プラズマ発光の各波長の発光強度を示した図であり、図2(a)は、ウェハ表面積に対するポリシリコンの被エッチング面積が60%と大きい場合、図2(b)は、ウェハ表面積に対するポリシリコンの被エッチング面積が10%以下の場合である。図2(b)のSiF4の発光強度は、反応生成物とは関係ないプラズマ発光のバックグラウンドより小さくなり、SiF4の発光スペクトルの検出が困難となる。因みに、プラズマ発光のバックグランドは、プロセスガス分子の発光強度のことである。
ここで、高周波バイアス電力をパルス発生装置116から発生させたバイアスパルス周波数fbのパルス信号で周期的にオンオフし、検出器115によりバイアスパルス周波数fbと同じ周波数で変化するSiF4の発光を検出する。
図3は、プラズマが連続放電の場合のバイアスパルス周波数fbとSN比(Signal to Noise Ratio、有意信号と雑音の強度比)の関係を示す図である。図3に示すようにバイアスパルス周波数fbが90Hzより小さくなるとSN比が向上するため、バイアスパルス周波数fbを90Hz以下にすると、ポリシリコンの被エッチング面積が小さい場合でも検出困難だった微小な信号を検出できるようになる。
次に、バイアスパルス周波数fbが小さくなるに従ってSN比が向上する理由は以下のように考えられる。
本実施例では、反応生成物の発光強度を周期的に変化させるために高周波バイアス電力をパルス変調している。高周波バイアス電力が印加されるとエッチング中の反応生成物の量は、増え始め、ある時定数で飽和する。高周波バイアス電力がオフに切り替わるとエッチング反応が小さくなるとともに反応生成物は排気されるため、プラズマ発光強度は滞在時間の時定数で小さくなる。
このため、高周波バイアス電力をパルス変調すると、図4に示すように反応生成物の発光強度が周期的に変動するようになる。尚、反応生成物の滞在時間は、反応生成物の密度が1/e=0.37に減衰する時間である。また、反応生成物の発光が立ち上がる場合の時定数もほぼ滞在時間程度になる。
しかし、バイアスパルス周波数fbが反応性生成物の滞在時間の逆数より高くなると、反応生成物の発光が滞在時間より短い時間でバイアスが変化することになる。このため、高周波バイアスがオンの期間では十分に反応生成物の量が増加せず、高周波バイアスがオフの期間では十分に反応生成物の量が減衰しなくなり、反応生成物の発光強度の変化がバイアスの変化に追随しなくなる。このため、逆にバイアスパルス周波数fbが反応性生成物の滞在時間の逆数より低くなると、十分な反応生成物の発光強度を得ることが容易になる。
このようなことから、バイアスパルス周波数fbが小さくなるに従ってSN比が向上するものと考えられる。
以上、上述した通り、反応生成物の発光強度を周期的に変化させると、検出器115により、ガス導入口111から供給されるプロセスガス分子の発光強度のように周期的には変動しないノイズとなる成分をプラズマ発光から分離できるため、反応生成物の発光強度のみを高感度で検出できる。
つまり、本発明の特徴は、反応生成物の滞在時間以上の周期で反応生成物の発光強度を周期的に変化させ、反応生成物の発光強度が周期的に変化する時の周波数と同じ周波数の発光成分をプラズマ発光から抽出することである。
次にさらに高精度に反応生成物の発光強度を検出する手段について説明する。
図3に示すようにバイアスパルス周波数fbが90Hz以下(11ms以上のバイアスパルスの周期)になるとSN比が向上する。この場合、デューティー比は50%なので、バイアスパルス周波数fbが90Hzの場合、高周波バイアスのオン時間が5.5ms、オフ時間が5.5msとなる。
表1に示すエッチング条件の場合、滞在時間が11msとなるため、高周波バイアスのオフ期間の間に反応生成物の密度は、e-5.5/11(約60%)に減衰する。このため、反応生成物の発光を反応生成物の滞在時間以上の周期で変化させるとともに反応生成物の密度が60%以下に減衰するように高周波バイアスのパルス変調のオフ時間を設定することにより、反応生成物の発光を反応生成物の滞在時間以上の周期で変化させるだけの場合より、さらに高精度に反応性生成物の発光強度を検出できる。
本実施例でのプラズマは、連続プラズマを用いたが、本発明は、パルスプラズマを用いても本実施例と同様な効果を得ることができる。但し、パルスプラズマの場合は、プラズマパルス周波数fpがバイアスパルスfbより10倍以上大きい必要がある。これは、以下の理由による。
図5にプラズマ発光強度の時間変化を示す。プラズマ発光強度は、プロセスガス発光強度の成分と反応生成物の発光強度の成分とに分けて表示してあり、この両者の和が全体のプラズマ発光強度になる。
図5(a)は、プラズマパルス周波数fpとバイアスパルス周波数fbが同じであり、かつプラズマパルス周波数fpおよびバイアスパルス周波数fbが数kHz 以上と大きい場合である。この場合、パルスの周期が反応生成物の滞在時間よりも非常に小さいので発光強度の時間変化が小さく、かつ、プラズマパルス周波数fpとバイアスパルス周波数fbが同じであるため、分離できない。
図5(b)は、プラズマは連続プラズマで高周波バイアスの変調パルス周期を反応生成物の滞在時間と同じオーダに設定した場合であり、反応生成物の発光強度を高感度に検出できる。
また、図5(c)は、プラズマは、パルスプラズマでプラズマパルス周波数fpがバイアスパルス周波数fbより10倍以上大きくした場合(fp>>fb)であり、図5(b)と同様に反応生成物の発光強度を高感度に検出できる。
以上、本発明によりウェハ表面積に対するポリシリコンの被エッチング面積が10%以下でも、反応生成物の発光スペクトルであるSiF4の発光を高感度に検出できることを確認した。また、本発明により、ウェハ表面積に対するポリシリコンの被エッチング面積が10%以下でも、ポリシリコンのエッチングの終点を高精度に検出できる。
また、反応生成物の発光強度を周期的に変化させる別の方法としては、供給ガスの中で反応性ガスの流量を周期的に変化させる方法がある。例えばCl2/O2/ArのようなガスでCl2の流量のみを滞在時間以上の周期で変化させて、その周期と同期してSiClxの発光を検出すれば、バックグラウンドになるO2やArの発光とSiClxの発光を分離して検出できる。
次に、高周波バイアスの変調パルスの周期が反応生成物の滞在時間よりかなり短い場合においても、反応生成物の発光強度を高感度で検出できる手段について説明する。
実施例1の検出器115において検出する周波数の遅延時間を高周波バイアスのオン時間の半分の時間に設定することにより反応生成物の発光強度を高感度で検出できる。以下、その原理を説明する。
図6(a)は、パルス発生装置116が発生させるパルス波(1=オン、0=オフを示す。)を示す。また、本実施例では、一例としてパルス波のデューティー比を50%とする。図6(b)は、バイアスパルス周期が反応生成物の滞在時間よりも十分に短い場合の反応生成物のスペクトルの発光強度を示す概略図である。
また、区間(い)は図6(a)のオンの時間と同じ区間であり、区間(ろ)は、図6(a)のオフの時間と同じ区間である。尚、バイアスパルス周期が反応生成物の滞在時間よりも十分に短いとは、区間(い)や区間(ろ)内での発光強度が時間に対して線形的に増加しているとみなせる程十分に短いという意味である。
図6(c)は、パルス発生装置116が発生させるパルス波をオン時間の半分の時間だけ遅らせたパルス波を示す。
ここで、複数のパルス波の各パルス波につき、そのパルス波のオンの時間区間の発光強度の時間平均値と、そのパルス波のオフの時間区間の発光強度の時間平均値の差分値を出力すると、図6(b)の区間(い)の発光強度の時間平均値と区間(ろ)での発光強度の時間平均値は同じ値であるため、それらの差分は0となり、検出器115では検出困難となってしまう。
しかし、図6(b)と図6(c)を同期させると、区間(い’)での、発光強度の時間平均値と区間(ろ’)での発光強度の時間平均値の差分は図6(b)の最大発光強度の半分の値となり、有限の値を取るため、検出器115で検出が可能となる。
実際には、バイアスパルス周期が反応生成物の滞在時間よりも短くなる場合の反応生成物の発光強度は、図6(b)のような線形に近づく。この時、検出器115の遅延時間が0に設定してある場合、反応生成物の発光強度の検出が困難となるが、検出器115の遅延時間をRFバイアスのオン時間の半分の時間に設定した場合、反応生成物の発光強度の検出が可能になる。
また、本実施例は、実施例1と組み合わせることにより、さらに反応生成物の発光強度を高感度に検出することができる。
次に、実施例1および実施例2と異なる、反応生成物の発光強度を高感度に検出する手段について説明する。
本実施例は、検出器115の、パルス発生装置116から取り込んだパルスのデューティー比をパルス発生装置116から発生させた高周波バイアスの変調パルスのデューティー比よりも小さい任意の値に変換し、任意の値に変換されたデューティー比のパルスの周波数と同じ周波数の発光強度のみを抽出し、増幅する機能を用いる手段である。
具体的にはバイアスパルス周期を反応生成物の滞在時間の3倍以上に設定し、検出器115の遅延時間を反応生成物の滞在時間とするとともに、検出器115が信号を検出する期間Ts がパルス発生装置116の出力パルスの周期Tに占める割合を(2)式を満たすように設定する。
Ts/T=(変調パルスのデューティー比)−(反応生成物の滞在時間)/T…(2)
本実施例により反応生成物の発光強度を高感度に検出できる理由は、高周波バイアスのオンの時間の区間から反応生成物の発光が立ち上がる時間(反応生成物の滞在時間程度)を除外することにより、高周波バイアスのオンの時間の区間における発光強度の時間平均値を増加させることができるからである。
Ts/T=(変調パルスのデューティー比)−(反応生成物の滞在時間)/T…(2)
本実施例により反応生成物の発光強度を高感度に検出できる理由は、高周波バイアスのオンの時間の区間から反応生成物の発光が立ち上がる時間(反応生成物の滞在時間程度)を除外することにより、高周波バイアスのオンの時間の区間における発光強度の時間平均値を増加させることができるからである。
また、本実施例は、実施例1または実施例2の少なくともいずれかと組み合わせることにより、さらに反応生成物の発光強度を高感度に検出することができる。
以上、本発明により、プラズマ中の反応生成物の発光強度をバックグラウンドとなる反応生成物と無関係の発光とは異なる周波数で変化させて、前記異なる周波数と同じ周波数の発光強度を検出することによって、エッチングの終点判定の精度を向上させることができる。
101 チャンバ
102 ウェハ
103 試料台
104 マイクロ波透過窓
105 導波管
106 マグネトロン
107 ソレノイドコイル
108 静電吸着電源
109 高周波バイアス電源
110 ウェハ搬入口
111 ガス導入口
112 プラズマ
113 光ファイバ
114 分光器
115 検出器
116 パルス発生装置
102 ウェハ
103 試料台
104 マイクロ波透過窓
105 導波管
106 マグネトロン
107 ソレノイドコイル
108 静電吸着電源
109 高周波バイアス電源
110 ウェハ搬入口
111 ガス導入口
112 プラズマ
113 光ファイバ
114 分光器
115 検出器
116 パルス発生装置
Claims (12)
- 試料をプラズマ処理する処理室と、前記処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記試料を載置する試料台と、前記試料台に高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、
反応生成物の滞在時間以上の周期で前記反応生成物の発光を周期的に変化させた時の周波数と同じ周波数の発光成分をプラズマ発光から抽出する検出器をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
前記高周波電力をパルス変調することにより、前記反応生成物の発光を前記パルス変調の周波数で周期的に変化させ、前記検出器により抽出された発光に基づいて前記試料のプラズマエッチングの終点を検出することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項2記載のプラズマ処理装置において、
前記パルス変調のオフ時間を前記反応生成物の密度が60%以下に減衰するような時間とすることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 試料をプラズマ処理する処理室と、前記処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記試料を載置する試料台と、前記試料台に高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、
前記反応生成物の発光を周期的に変化させた時の周波数と同じ周波数の発光成分をプラズマ発光から抽出する検出器をさらに備え、
前記反応生成物の発光は、前記高周波電力をパルス変調することにより前記パルス変調の周波数で周期的に変化させられ、
前記検出器は、前記発光成分を所定時間だけ遅延させる遅延手段を具備することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項4記載のプラズマ処理装置において、
前記所定時間は、前記パルス変調のオン時間の半分であることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項4記載のプラズマ処理装置において、
前記パルス変調の周期は、前記反応生成物の滞在時間の3倍以上であり、
前記所定時間は、前記反応生成物の滞在時間であり、
前記検出器の信号を検出する期間Tsは、前記パルス変調の周期をTとした場合、(2)式を満たすような時間とすることを特徴とするプラズマ処理装置。
Ts/T=(前記パルス変調のデューティー比)−(前記反応生成物の滞在時間)/T…(2)
- プラズマ発光の変化に基づいてプラズマエッチングの終点を判定する終点判定を用いて試料をプラズマエッチングするプラズマ処理方法において、
前記終点判定は、反応生成物の滞在時間以上の周期で前記反応生成物の発光を周期的に変化させた時の周波数と同じ周波数の発光成分を前記プラズマ発光から抽出することにより行われることを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項7記載のプラズマ処理方法において、
前記試料に供給される高周波電力をパルス変調することにより、前記反応生成物の発光を前記パルス変調の周波数で周期的に変化させることを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項8記載のプラズマ処理方法において、
前記パルス変調のオフ時間を前記反応生成物の密度が60%以下に減衰するような時間とすることを特徴とするプラズマ処理方法。 - プラズマ発光の変化に基づいてプラズマエッチングの終点を判定する終点判定を用いて試料をプラズマエッチングするプラズマ処理方法において、
反応生成物の発光は、前記試料に供給される高周波電力をパルス変調することにより前記パルス変調の周波数で周期的に変化させられ、
前記終点判定は、前記反応生成物の発光の周波数と同じ周波数である発光成分を所定時間だけ遅延させて抽出することにより行われることを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項10記載のプラズマ処理方法において、
前記所定時間は、前記パルス変調のオン時間の半分であることを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項10記載のプラズマ処理方法において、
前記パルス変調の周期は、前記反応生成物の滞在時間の3倍以上であり、
前記所定時間は、前記反応生成物の滞在時間であり、
前記反応生成物の発光を検出する検出器の信号を検出する期間Tsは、前記パルス変調の周期をTとした場合、(2)式を満たすような時間とすることを特徴とするプラズマ処理方法。
Ts/T=(前記パルス変調のデューティー比)−(前記反応生成物の滞在時間)/T・・・(2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012229413A JP2014082338A (ja) | 2012-10-17 | 2012-10-17 | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012229413A JP2014082338A (ja) | 2012-10-17 | 2012-10-17 | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014082338A true JP2014082338A (ja) | 2014-05-08 |
JP2014082338A5 JP2014082338A5 (ja) | 2015-03-19 |
Family
ID=50786266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012229413A Abandoned JP2014082338A (ja) | 2012-10-17 | 2012-10-17 | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014082338A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9607908B1 (en) | 2016-07-11 | 2017-03-28 | Hitachi Kokusai Electric, Inc. | Method of manufacturing semiconductor device |
JP2020102641A (ja) * | 2017-03-31 | 2020-07-02 | ヴェリティー インストルメンツ,インコーポレイテッド | マルチモード設定可能スペクトロメータ |
-
2012
- 2012-10-17 JP JP2012229413A patent/JP2014082338A/ja not_active Abandoned
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9607908B1 (en) | 2016-07-11 | 2017-03-28 | Hitachi Kokusai Electric, Inc. | Method of manufacturing semiconductor device |
JP2020102641A (ja) * | 2017-03-31 | 2020-07-02 | ヴェリティー インストルメンツ,インコーポレイテッド | マルチモード設定可能スペクトロメータ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11742181B2 (en) | Control method and plasma processing apparatus | |
US11742182B2 (en) | Control method and plasma processing apparatus | |
TWI500066B (zh) | Plasma processing device | |
JPS61114531A (ja) | プラズマエッチング方法 | |
TWI541893B (zh) | Process apparatus and method for plasma etching process | |
Bodart et al. | Analysis of pulsed high-density HBr and Cl2 plasmas: Impact of the pulsing parameters on the radical densities | |
JP5883769B2 (ja) | プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 | |
JP5665746B2 (ja) | プラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法 | |
US20160300696A1 (en) | Plasma source enhanced with booster chamber and low cost plasma strength sensor | |
JP2014082338A (ja) | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 | |
TWI584376B (zh) | Plasma processing device | |
Khan et al. | Comparative study of electron temperature and excitation temperature in a magnetic pole enhanced-inductively coupled argon plasma | |
JP5774428B2 (ja) | ドライエッチング方法およびプラズマエッチング装置 | |
Milosavljević et al. | Phase-resolved optical emission spectroscopy for an electron cyclotron resonance etcher | |
JP6019203B2 (ja) | プラズマ処理装置 | |
JP5846851B2 (ja) | プラズマ処理方法 | |
RU2248645C2 (ru) | Способ контроля момента окончания травления в плазме вч- и свч-разряда в технологии изготовления полупроводниковых приборов и устройство для его осуществления | |
WO2024091318A1 (en) | Time-resolved oes data collection | |
CN111293028A (zh) | 基于随机功率确定h模式放电气压区间的方法及控制装置 | |
JP2009004656A (ja) | 基板自己バイアス電圧の制御方法およびプラズマ処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150123 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150123 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150123 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20150507 |