JP2014075753A - 音響品質推定装置、音響品質推定方法及び音響品質推定プログラム - Google Patents

音響品質推定装置、音響品質推定方法及び音響品質推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】スピーカ配置に因る音響品質劣化を推定できる音響品質推定装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】音響品質推定装置(101)は、複数の記憶位置それぞれから聴取位置までの頭部伝達関数(HRTF)を記憶位置毎に対応させて記憶する記憶部(113)と、複数のスピーカから出力される出力信号それぞれとスピーカの標準位置に対応するHRTFとに基づいて、標準位置に関する両耳聴変数値を算出し、出力信号それぞれとスピーカの実際位置に対応するHRTFとに基づいて、実際位置に関する両耳聴変数値を算出し、且つ標準位置に関する両耳聴変数値と実際位置に関する両耳聴変数値との差分に基づいて、音響品質推定値を算出する制御部(111)とを備え、制御部は、実際位置に一致する記憶位置が存在する場合、実際位置に対応するHRTFを記憶部から読み出すことにより、実際位置に関する両耳聴変数値を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、音響品質推定装置、音響品質推定方法及び音響品質推定プログラムに関するものであり、特にマルチチャンネル音響再生システムの音響品質推定装置、音響品質推定方法及び音響品質推定プログラムに関するものである。
マルチチャンネル音響方式として、例えば、5.1チャンネルサラウンド音響方式がある。5.1チャンネルサラウンド音響方式の音響再生システムには、サブウーファ以外に5個のスピーカが含まれている。そして、この5個のスピーカに関して、音響の立体感や臨場感を得る上で最適なスピーカ配置(標準配置)が、国際電気通信連合無線通信部門(ITU−R:International Telecommunication Union Radiocommunications Sector)によって規定されている(例えば、非特許文献1参照)。スタジオでの番組制作は、この規定に則った標準配置で行われる。
また、5.1チャンネルサラウンド音響方式よりもさらに高い臨場感が実現できるものとして、3次元マルチチャンネル音響方式が提案されている。この3次元マルチチャンネル音響方式では、5.1チャンネル音響方式とは異なり、高さ方向にも多数のスピーカが配置される。3次元マルチチャンネル音響方式においても望ましいスピーカ配置(標準配置)が存在し、番組制作は5.1チャンネルサラウンド音響方式と同様に標準配置で行われる。
標準配置のスピーカから出力される音響信号(出力信号)は、オーディオ圧縮コーデックにより原信号に対して符号化・復号化処理された信号である。スピーカからの出力信号の音響品質(音質)は、符号化・復号化処理により、原信号に比べ劣化することになる。従来、この音響品質の劣化の度合いを推定する手法が提案されている(例えば、非特許文献2〜4参照)。このような手法の一つとして、PEAQ(Perceived Evaluation of Audio Quality)が挙げられる。この手法は、原信号と符号化・復号化処理された信号とを比較し、音響品質に関係するモデル変数値を求め、これらの値からニューラルネットワークを用いて劣化度合いを評価するものである。
ITU−R勧告BS.775、"Multichannel stereophonic sound system with and without accompanying picture" I. Choi, B. G. Shinn-cunningham, S. B. Chon, and K. -M. Sung, "Objective measurement of perceived auditory quality in multi-channel audio compression coding systems", Journal of the Audio Engineering Society, vol. 56, pp. 3-17, 2008. J. -H. Seo, I. Choi, S. B. Chon, K. -M. Sung, "An improved method for objective quality assessment of multichannel audio codecs", IEICE Transactions on Fundamentals, vol. E94-A, pp. 1747-1752, No. 8 August 2011. S. Kampf, J. Liebetrau, S. Schneider, T. Sporer, "Standardization of PEAQ-MC: Extension of ITU-R BS.1387-1 to Multichannel Audio", 40th International Conference: Spatial Audio: Sense the Sound of Space, October 2010.
従来の音響品質推定手法は、オーディオ圧縮コーデックによる音響品質劣化を対象にするものであるが、音響品質が劣化する原因は、符号化・復号化処理だけではなく、例えば、スピーカ配置も音響品質に影響を及ぼす。標準配置が音響の立体感や臨場感を実現する上で最適なものであるため、スピーカの配置が標準配置ではないことによって生じる音響品質の変化は、劣化であると判断できる。
スタジオではスピーカが標準配置で設置されていても、スタジオに比べ場所的制限のある家庭内では、標準配置に則ってスピーカを設置できない場合が多い。再生チャンネル数の増加に伴い、標準配置にスピーカを設置することは益々困難になるため、スピーカ配置に因る音響品質劣化は問題となる。しかし、従来の手法は、スピーカ配置に因る音響品質劣化を推定できない。
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、スピーカ配置に因る音響品質劣化を推定できる音響品質推定装置、音響品質推定方法及び音響品質推定プログラムを提供することにある。
上述した諸課題を解決すべく、本発明の第1の観点に係る音響品質推定装置は、
複数の記憶位置それぞれから聴取位置までの頭部伝達関数を当該記憶位置毎に対応させて記憶する記憶部と、
複数のスピーカから出力される出力信号それぞれと当該スピーカの標準位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記標準位置に関する両耳聴変数値を算出し、
前記出力信号それぞれと前記スピーカの実際位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記実際位置に関する両耳聴変数値を算出し、且つ
前記標準位置に関する両耳聴変数値と前記実際位置に関する両耳聴変数値との差分に基づいて、音響品質の推定値を算出する
制御部と
を備える音響品質推定装置であって、
前記制御部は、前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在する場合、当該実際位置に対応する頭部伝達関数を前記記憶部から読み出すことにより、前記実際位置に関する前記両耳聴変数値を算出する
音響品質推定装置である。
また、第2の観点に係る音響品質推定装置は、第1の観点に係る音響品質推定装置において、前記制御部は、
前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在しない場合、当該実際位置に最も近い記憶位置に対応する頭部伝達関数を、前記実際位置に対応する頭部伝達関数と決定する
ことを特徴とするものである。
また、第3の観点に係る音響品質推定装置は、第1の観点に係る音響品質推定装置において、前記制御部は、
前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在しない場合、当該実際位置に最も近い少なくとも2つの記憶位置に対応する頭部伝達関数のデータ補間により、前記実際位置に対応する頭部伝達関数を決定する
ことを特徴とするものである。
また、第4の観点に係る音響品質推定装置は、第2又は第3の観点に係る音響品質推定装置において、前記制御部は、
前記実際位置から前記聴取位置までの距離が、前記頭部伝達関数の決定で用いられた前記記憶位置から前記聴取位置までの距離よりも長いほど、ゲインが小さくなるように、決定された前記頭部伝達関数を修正する
ことを特徴とするものである。
また、第5の観点に係る音響品質推定装置は、第2乃至第4のいずれか1つの観点に係る音響品質推定装置において、前記制御部は、
前記実際位置から前記聴取位置までの距離が、前記頭部伝達関数の決定で用いられた前記記憶位置から前記聴取位置までの距離よりも長いほど、位相が遅れるように、決定された前記頭部伝達関数を修正する
ことを特徴とするものである。
また、第6の観点に係る音響品質推定装置は、第1乃至第5のいずれか1つの観点に係る音響品質推定装置において、前記出力信号が、前記スピーカから出力される前に、音響信号に対して信号処理が行われた信号である場合、前記制御部は、前記出力信号を生成するために、前記音響信号に対して前記信号処理と同じ処理を行うことを特徴とするものである。
また、第7の観点に係る音響品質推定装置は、第1乃至第6のいずれか1つの観点に係る音響品質推定装置において、前記出力信号が、前記スピーカから出力される前に、音響信号に対してチャンネル変換処理が行われた信号である場合、前記制御部は、前記出力信号を生成するために、前記音響信号に対して前記チャンネル変換処理と同じ処理を行うことを特徴とするものである。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、本発明を方法として実現させた第8の観点に係る音響品質推定方法は、音響品質推定装置が、
複数の記憶位置それぞれから聴取位置までの頭部伝達関数を当該記憶位置毎に対応させて記憶部に記憶するステップと、
複数のスピーカから出力される出力信号それぞれと当該スピーカの標準位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記標準位置に関する両耳聴変数値を算出するステップと、
前記出力信号それぞれと前記スピーカの実際位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記実際位置に関する両耳聴変数値を算出するステップであって、前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在する場合、当該実際位置に対応する頭部伝達関数を前記記憶部から読み出すことにより、前記実際位置に関する前記両耳聴変数値を算出するステップと、
前記標準位置に関する両耳聴変数値と前記実際位置に関する両耳聴変数値との差分に基づいて、音響品質の推定値を算出するステップと
を含む音響品質推定方法である。
また、本発明をプログラムとして実現させた第9の観点に係る音響品質推定プログラムは、音響品質推定装置を構成するコンピュータに、
複数の記憶位置それぞれから聴取位置までの頭部伝達関数を当該記憶位置毎に対応させて記憶部に記憶するステップと、
複数のスピーカから出力される出力信号それぞれと当該スピーカの標準位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記標準位置に関する両耳聴変数値を算出するステップと、
前記出力信号それぞれと前記スピーカの実際位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記実際位置に関する両耳聴変数値を算出するステップであって、前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在する場合、当該実際位置に対応する頭部伝達関数を前記記憶部から読み出すことにより、前記実際位置に関する前記両耳聴変数値を算出するステップと、
前記標準位置に関する両耳聴変数値と前記実際位置に関する両耳聴変数値との差分に基づいて、音響品質の推定値を算出するステップと
を実行させるための音響品質推定プログラムである。
上記のように構成された本発明に係る音響品質推定装置、音響品質推定方法及び音響品質推定プログラムによれば、スピーカ配置に因る音響品質劣化を推定できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るマルチチャンネル音響再生システムの概略的な構成図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る音響品質推定装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る記憶位置と実際位置との関係を示す図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る音響品質推定装置の処理を示すフローチャートである。 図5は、本発明の一実施形態に係るスピーカの標準位置を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態に係るスピーカの実際位置を示す図である。 図7は、本発明の他の実施形態に係る信号処理を示す説明図である。 図8は、本発明の他の実施形態に係る音響品質推定装置を示す機能ブロック図である。 図9は、本発明の他の実施形態に係るチャンネル変換処理を示す説明図である。 図10は、本発明の他の実施形態に係る音響品質推定装置を示す機能ブロック図である。
以下、本発明の一実施形態に係る音響品質推定装置について、図面を参照して説明する。以下、本実施形態では、5.1チャンネル音響方式に適用される音響品質推定装置について説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。本発明の音響品質推定装置を、例えば、7.1チャンネル音響方式や22.2チャンネル音響方式等、二次元及び三次元を問わず任意のマルチチャンネル音響方式に適用できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るマルチチャンネル音響再生システム100の概略的な構成図である。マルチチャンネル音響再生システム100は、音響品質推定装置101と、複数のスピーカ103(103−1〜103−5)とから構成されている。
スピーカ103は、チャンネル毎の音響信号をそれぞれ出力するものである。音響信号は、例えば、放送局で生成され、送信された信号そのものや、ブルーレイディスク(登録商標)やDVD等の記憶媒体に既に記憶されている信号そのものである。音響信号は、白色雑音や既知の参照信号等の任意の信号であり、チャンネル毎に同一でも、異なっていてもよい。そして、本実施形態では、スピーカ103から出力される信号(出力信号)は、放送局からの信号や記憶媒体からの信号といった音響信号に対して、任意の信号処理が、スピーカ103を含む再生装置によって行われたものではないものとする。つまり、本実施形態では、音響信号と出力信号とは同一である。
音響品質推定装置101は、スピーカ103から出力される出力信号(音響信号)から、当該スピーカ配置における音響品質(空間音響品質)を推定するものであり、例えばコンピュータである。位置105は、ユーザ107の聴取位置であり、右耳位置及び左耳位置の双方を規定するものである。
音響品質推定装置101は、既知の種々の方法によって、スピーカ103から出力される音響信号を取得することができる。例えば、音響品質推定装置101は、ブルーレイディスクやDVD等の記録媒体の読み取りが可能である場合、記録媒体に記憶された音響信号を読み取ることにより、スピーカ毎の音響信号を取得できる。また、音響品質推定装置101とスピーカ103(又はスピーカ103を含む再生装置)とが、通信ケーブルで接続されている場合、音響品質推定装置101は、スピーカ103(又は上記再生装置)から音響信号を受信することもできる。
図2は、本発明の一実施形態に係る音響品質推定装置101の概略構成を示す機能ブロック図である。本実施形態の音響品質推定装置101は、制御部111と記憶部113とを備えている。制御部111は、記憶部113と接続され、記憶部113の記憶内容を読み書きできる。
制御部111は、音響品質推定装置101の各機能ブロックを実現する処理内容を記述したプログラム(音響品質推定プログラム)を実行するものであり、例えば、CPU(中央処理装置)やDSP(デジタルシグナルプロセッサ)等である。制御部111の詳細については後述する。
記憶部113は、音響品質推定装置101の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムや頭部伝達関数(HRTF:Head-Related Transfer Function)等の各種情報を記憶するものであり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の記憶媒体やROM(Read Only Memory)等の不揮発性の記憶媒体等である。HRTFは、ある位置のスピーカ103から再生された信号(出力信号)が聴取位置105におけるユーザ107の右耳及び左耳それぞれの鼓膜に到達するまでの信号伝達特性である。つまり、ある1つのスピーカ103の設置位置に対して、右耳に関するHRTFと左耳に関するHRTFの2つが存在する。記憶部113は、複数の位置(記憶位置と称する)それぞれに対応するHRTFを、記憶位置毎に対応させて記憶している。つまり、記憶部113は、記憶位置とHRTFとの関係性をデータベースとして記憶する。HRTFは、従来既知の算出方法により求められるものである。
以下、複数の記憶位置には、国際電気通信連合無線通信部門に規定されているような音響の立体感や臨場感を得る上で最適な標準配置における各スピーカの位置(標準位置と称する)と、それ以外の位置とが含まれているとする。なお、本発明は、位置とHRTFとの関係が記憶部113に予め記憶されていることに限定されるものではない。例えば、音響品質推定装置101がキーボード等の入力部を備えている場合は、ユーザによる位置とHRTFとの関係の入力により、制御部111が、入力された当該関係を記憶部113に記憶させることができる。
制御部111は、HRTF決定部121と、両耳聴信号算出部123と、両耳聴変数値算出部125と、音響品質推定部127とを備えている。HRTF決定部121は、両耳聴信号算出部123に接続され、両耳聴信号算出部123は、両耳聴変数値算出部125に接続され、両耳聴変数値算出部125は、音響品質推定部127に接続されている。スピーカ103から出力される音響信号は、インタフェース(ハードウェアインタフェースやソフトウェアインタフェース等)を介して音響品質推定装置101の両耳聴信号算出部123に入力される。なお、音響信号が予め記憶部113に記憶されている場合は、両耳聴信号算出部123は、当該音響信号を記憶部113から読み出すこともできる。
HRTF決定部121は、標準位置に対応するHRTF(右耳用と左耳用の双方のHRTF)、及び家庭内等で実際にスピーカ103が配置されている位置(実際位置と称する)に対応するHRTF(右耳用と左耳用の双方のHRTF)を決定する。なお、実際位置の情報については、予め記憶部113に記憶されていたり、音響品質推定装置101がキーボード等の入力部を備えている場合は、ユーザにより入力されたりするものである。また、スピーカ103(又はスピーカ103を含む再生装置)が当該スピーカ103の位置を取得するGPS受信機等の位置取得部を備え、スピーカ103(又は上記再生装置)と音響品質推定装置101とが通信ケーブルで接続されている場合、音響品質推定装置101は、通信ケーブルを介して実際位置を取得することもできる。
スピーカ103が標準位置に位置していると仮定される場合、HRTF決定部121は、記憶位置の中から標準位置に一致するものを特定し、記憶部113から標準位置に対応するHRTFを読み出し、両耳聴信号算出部123に送る。
スピーカ103が実際位置に配置されている場合は、HRTF決定部121は、以下のようにして実際位置に対応するHRTFを決定する。実際位置が記憶位置のいずれかに一致する場合、記憶部113には記憶位置に対応するHRTFが記憶されているため、HRTF決定部121は、記憶部113から実際位置に対応するHRTFを読み出し、両耳聴信号算出部123に送る。なお、実際位置が記憶位置に一致するとは、位置座標が厳密に完全一致することに限定されるものではない。例えば、実際位置と記憶位置との差が予め定められた誤差範囲内であれば、HRTF決定部121は、実際位置と記憶位置とは一致するとみなすことができる。
実際位置と記憶位置とが一致しない場合、HRTF決定部121は、実際位置に対応するHRTFを求める。例えば、HRTF決定部121は、実際位置に最も近い記憶位置に対応するHRTFを実際位置に対応するHRTFと決定することができる。また、HRTF決定部121は、実際位置に最も近い少なくとも2つの記憶位置に対応するHRTFのデータ補間により、実際位置に対応するHRTFを決定することができる。例えば、図3のように、実際位置131に近い順に記憶位置133−1、133−2、133−3が存在するとする。実際位置131と記憶位置133−1との距離がd1で、実際位置131と記憶位置133−2との距離がd2(>d1)で、実際位置131と記憶位置133−3との距離がd3(>d2)であるとする。実際位置に近い記憶位置のHRTFほど、実際位置に対応するHRTFに近づくと考えられる。よって、HRTF決定部121は、実際位置に近い記憶位置のHRTFに大きな重みを付け、以下の式により、実際位置131に対応するHRTFを算出することができる。なお、HRTF1〜HRTF3は、記憶位置133−1〜133−3にそれぞれ対応するものである。なお、補間方法は、下記の式に限定されるものではなく、既知の補間方法(1次補間や多項式補間等)を適用することができる。
Figure 2014075753
HRTF決定部121は、更に、決定したHRTFを実際位置に応じて修正し、修正されたHRTFを両耳聴信号算出部123に送ることができる。上記のようにして求められたHRTFは、実際位置が、聴取位置105を中心として記憶位置と同心円(球)上にある場合の伝達関数となる。そのため、実際位置から聴取位置105までの距離が、実際位置のHRTFの決定で用いられた記憶位置から聴取位置105までの距離より長いほど、スピーカ103から出力された音のレベル(強さ)の減衰は大きくなる。そこで、HRTF決定部121は、実際位置から聴取位置105までの距離が記憶位置から聴取位置105までの距離よりも長いほど、HRTFのゲインが小さくなるように、決定したHRTFを修正する。具体的には、HRTF決定部121は、例えば、記憶位置から聴取位置105までの距離がrであり、実際位置から聴取位置105までの距離がr1である場合、HRTFに(r/r1)を乗算する。この修正は、音のレベルの減衰が距離の二乗に比例することを利用するものである。
また、実際位置から聴取位置105までの距離が、実際位置のHRTFの決定で用いられた記憶位置から聴取位置105までの距離よりも長いほど、スピーカ103から出力された音の位相の遅れ(伝達遅れ)は大きくなる。そこで、HRTF決定部121は、実際位置から聴取位置105までの距離が記憶位置から聴取位置105までの距離よりも長いほど、HRTFの位相が遅れるように、決定したHRTFを修正する。例えば、HRTF決定部121は、実際位置から聴取位置105までの距離と記憶位置から聴取位置105までの距離との差を音の速さ(例えば、340[m/s])で除算することにより、伝達遅れを求めることがでる。音速は、気温に応じて適宜設定できる。頭部伝達関数が、インパルス応答関数のラプラス関数として表現されている場合、頭部伝達関数にむだ時間要素(e-sT(T:伝達遅れ、s:ラプラス演算子))を乗算することにより、HRTFを実際位置に応じて修正することができる。
両耳聴信号算出部123は、出力信号(音響信号)と、HRTF決定部121から送られてくるHRTFとに基づいて、両耳聴信号を算出する。具体的には、まず、両耳聴信号算出部123は、スピーカ毎の音響信号、つまりスピーカ数分の音響信号と、各スピーカの標準位置に対応する右耳用及び左耳用のHRTF、つまりスピーカ毎に2つのHRTFとを受け取る。続いて、両耳聴信号算出部123は、スピーカ毎に、あるスピーカ103の音響信号と、当該スピーカ103に対応する右耳用及び左耳用それぞれのHRTFとを畳み込み、スピーカ別両耳聴信号(右耳用及び左耳用の2つの信号)を求める。そして、両耳聴信号算出部123は、スピーカ数分のスピーカ別両耳聴信号を片耳毎に加算して、両耳聴信号(右耳用及び左耳用の2つの信号)を算出する。両耳聴信号算出部123は、算出した両耳聴信号を両耳聴変数値算出部125に送る。両耳聴信号算出部123は、標準位置の場合と同様にして、実際位置に関する両耳聴信号を算出し、両耳聴変数値算出部125に送る。
両耳聴変数値算出部125は、標準位置及び実際位置それぞれに関する両耳聴信号から音響品質に関する両耳聴変数の値(両耳聴変数値)を算出する。音響品質に関する両耳聴変数値は、音像定位の空間知覚や広がり感知覚に関連した値で、例えば、両耳間時間差(ITD:Interaural Time Difference)、両耳間レベル差(ILD:Interaural Level Difference)、両耳間相互相関(IACC:Interaural Cross Correlation)、両耳間エンベロープ時間差(EITD:Envelope Interaural Time Difference)である。両耳聴信号から両耳聴変数値の算出は、既知の方法を適宜採用することにより実現できる。両耳聴変数値算出部125は、算出した両耳聴変数値を音響品質推定部127に送る。なお、両耳聴変数値算出部125は、スピーカ103の位置(標準位置及び実際位置)に対応させて両耳聴変数値を記憶部113に記憶させ、音響品質推定部127は、記憶部113から両耳聴変数値を読み出すこともできる。また、両耳聴変数値算出部125は、上述の全ての両耳聴変数値を求めることに限定されるものではなく、いずれか1つ以上の両耳聴変数値を求めることができる。
音響品質推定部127は、標準位置に関する両耳聴変数値と実際位置に関する両耳聴変数値とから、標準位置を基準としたときの実際位置における音響品質の推定値(音響品質推定値)を算出する。具体的には、まず、音響品質推定部127は、両耳聴変数毎に、標準位置に関する両耳聴変数値と実際位置に関する両耳聴変数値との差分(両耳聴変数歪み値)を求める。例えば、音響品質推定部127は、両耳聴変数歪み値として、両耳間時間差歪み値(ITDDist:Distortion of Interaural Time Difference)、両耳間レベル差歪み値(ILDDist:Distortion of Interaural Level Difference)、両耳間相互相関歪み値(IACCDist:Distortion of Interaural Cross Correlation)、両耳間エンベロープ時間差歪み値(EITDDist:Distortion of Envelope Interaural Time Difference)を算出する。そして、音響品質推定部127は、算出した両耳聴変数歪み値の全て又は一部を用いて音響品質推定値(ESAQ:Estimated Spatial Audio Quality)を算出する。両耳聴変数歪み値から音響品質推定値の算出は、PEAQ等の既知の方法を適宜採用することにより実現できる。両耳聴変数歪み値は、実際位置が標準位置に近いほど小さくなるため、音響品質推定部127は、例えば、両耳聴変数歪み値に基づいて求まる音響品質推定値が小さいほど、スピーカ位置に因る音響品質劣化は少ないと判断できる。なお、音響品質推定部127は、両耳聴変数の重要度に応じて、両耳聴変数歪み値に重み付けをすることができる。
続いて、図4を用いて、音響品質推定装置101の処理について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る音響品質推定装置101の処理を示すフローチャートである。
まず、音響品質推定装置101は、スピーカ103が図5に示されるような標準配置で設置されている場合の両耳聴変数値を求めることになる。図5(a)は、スピーカ配置の平面図である。図5(a)には、5.1チャンネルサラウンド音響方式で用いられる5個のスピーカ103−1(Center)、103−2(Right)、103−3(Left)、103−4(Surround Right)、103−5(Surround Left)が示されている。これらのスピーカ103−1〜103−5は、ITU−R BS.775の規定に則って配置されている。つまり、スピーカ103−1〜103−5は、聴取位置105に位置するユーザ107を中心とする同心円状に配置され、スピーカ103−2及び103−3は、スピーカ103−1を中心に左右に30°ずれていて、スピーカ103−4及び103−5は、スピーカ103−1を中心に左右に110°ずれている。図5(b)は、図5(a)の矢印a1の方向からスピーカ配置を捉えた図であり、高さ方向に関する側面図である。全てのスピーカ103−1〜103−5が、ユーザ107の耳と同じ高さ(ユーザ107の耳とスピーカ103−1〜103−5の位置とのずれが0°)に位置していることが分かる。
音響品質推定装置101のHRTF決定部121は、スピーカ103−1〜103−5の標準位置と一致する記憶位置をデータベース上で特定し、当該記憶位置に対応するHRTFを読み出し、標準位置に対応するHRTFを決定する(ステップS101)。
続いて、両耳聴信号算出部123が、HRTF決定部121により決定されたHRTFと、スピーカ103から出力される音響信号とに基づいて、両耳聴信号を算出する(ステップS102)。
そして、両耳聴変数値算出部125は、両耳聴信号算出部123により算出された両耳聴信号から両耳聴変数値を算出し(ステップS103)、両耳聴変数値を記憶部113に記憶させる。
制御部111は、標準位置のスピーカ103から出力される出力信号(音響信号)と、標準位置に対応するHRTFとに基づいて、標準位置に関する両耳聴変数値を算出すると、実際位置に関する両耳聴変数値も既に算出されているかを判断する(ステップS104)。
標準位置及び実際位置の双方に関する両耳聴変数値が算出されていない場合(ステップS104のNo)、制御部111は、ステップS101〜103の処理を繰り返すことになる。本実施形態では、標準位置に関する両耳聴変数値の算出後、実際位置に関する両耳聴変数値を算出することになる。
ここで、スピーカ103−1〜103〜5は実際には、図6のように配置されているとする。図6(a)は、スピーカ配置の平面図である。スピーカ103−1、103−4、103−5は、聴取位置105に位置するユーザ107を中心とする同心円状に配置され、スピーカ103−2及び103−3は、スピーカ103−1等よりもユーザ107から離れている。また、スピーカ103−2及び103−3は、スピーカ103−1を中心に左右に45°ずれていて、スピーカ103−4及び103−5は、スピーカ103−1を中心に左右に135°ずれている。図6(b)は、図6(a)の矢印a1の方向からスピーカ配置を捉えた図であり、高さ方向に関する側面図である。スピーカ103−2及び103−3は、標準位置と同じ高さに位置しているが、スピーカ103−1は、標準位置よりも低く位置し、スピーカ103−4及び103−5は、標準位置よりも高く位置している。つまり、全てのスピーカ103−1〜103−5の実際位置は、標準位置とは異なることになる。
まず、HRTF決定部121は、記憶部113に記憶されている記憶位置とHRTFとの対応関係を用いて、実際位置に対応するHRTFを決定する(ステップS101)。また、聴取位置105から実際位置までの距離と、聴取位置105から記憶位置までの距離とが異なる場合は、HRTF決定部121は、HRTFのゲイン及び位相を修正し、実際位置に対応するHRTFを決定する(ステップS101)。
続いて、両耳聴信号算出部123が、HRTF決定部121により決定されたHRTFと、スピーカ103から出力される音響信号とに基づいて、両耳聴信号を算出する(ステップS102)。
そして、両耳聴変数値算出部125は、両耳聴信号算出部123により算出された両耳聴信号から両耳聴変数値を算出し(ステップS103)、両耳聴変数値を記憶部113に記憶させる。
出力信号(音響信号)と実際位置に対応するHRTFとに基づいて、実際位置に関する両耳聴変数値も算出されたので(ステップS104のYes)、音響品質推定部127は、記憶部113から標準位置及び実際位置それぞれに関する両耳聴変数値を読み出す。そして、音響品質推定部127は、読み出した両耳聴変数値から両耳聴変数歪み値を算出し、両耳聴変数歪み値に基づいて音響品質推定値を算出する(ステップS105)。
このように本実施形態では、音響品質推定装置101の記憶部113は、複数の記憶位置それぞれから聴取位置105までのHRTFを当該記憶位置毎に対応させて記憶している。そして、制御部111は、実際位置に一致する記憶位置が存在する場合、当該実際位置に対応するHRTFを記憶部113から読み出し、実際位置に関する両耳聴変数値を算出する。その後、制御部111は、標準位置に関する両耳聴変数値と実際位置に関する両耳聴変数値との差分に基づいて、音響品質推定値を算出する。つまり、音響品質推定装置101は、複数の記憶位置と各位置に関するHRTFとの関係を予めデータベースとして記憶しておくことにより、スピーカ103が標準位置以外に設置された場合にも、実際位置に関する両耳聴変数値を算出できる。これにより、音響品質推定装置101は、両耳聴変数値が、スピーカ103が標準位置に設置されなかったことによって標準位置に比べてどれだけ変化したかを特定できる。実際位置が標準位置に近いほどこの変化は小さくなるため、両耳聴変数値の変化に基づく音響品質推定値から、スピーカ配置に因る音響品質の劣化度合いを推定できる。
また、本実施形態では、制御部111は、実際位置に一致する記憶位置が存在しない場合、当該実際位置に最も近い記憶位置に対応するHRTFを、実際位置に対応するHRTFと決定することができる。これにより、実際位置に一致する記憶位置が存在しない場合にも、制御部111は、実際位置に対応するHRTFを計算することなく、決定することができるので、音響品質推定装置101の計算負荷を抑えることができる。よって、音響品質推定装置101の処理効率を高めることができる。
また、本実施形態では、制御部111は、実際位置に一致する記憶位置が存在しない場合、当該実際位置に最も近い少なくとも2つの記憶位置に対応するHRTFのデータ補間により、実際位置に対応する頭部伝達関数を決定することができる。これにより、制御部111は、単にデータベース内のHRTFを1つ選択するよりも、実際位置に対応するHRTFを精度良く求めることができる。よって、音響品質の劣化度合いの推定精度も向上することになる。
また、本実施形態では、制御部111は、実際位置から聴取位置105までの距離が、実際位置のHRTFの決定で用いられた記憶位置から聴取位置105までの距離よりも長いほど、ゲインが小さくなるように、HRTFを修正することができる。実際位置が記憶位置よりも聴取位置105から離れるほど音のレベルは減衰する。よって、制御部111が距離に応じてHRTFのゲインを修正することにより、実際位置に対応するHRTFを更に精度良く求めることができ、音響品質の劣化度合いの推定精度も更に向上する。
また、本実施形態では、制御部111は、実際位置から聴取位置105までの距離が、実際位置のHRTFの決定で用いられた記憶位置から聴取位置105までの距離よりも長いほど、位相が遅れるように、HRTFを修正することができる。実際位置が記憶位置よりも聴取位置105から離れるほど伝達遅れが生じる。よって、制御部111が距離に応じてHRTFの位相を修正することにより、実際位置に対応するHRTFを更に精度良く求めることができ、音響品質の劣化度合いの推定精度も更に向上する。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
例えば、各部材、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
上述の本発明の実施形態の説明においては、スピーカ103を含む再生装置が音響信号に対して信号処理を行わないとしたが、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、図7のように、再生装置が、音響信号に対して信号処理を行い、スピーカ203−1〜203−5は、信号処理された音響信号、つまり出力信号を出力するとする。信号処理は、任意の既知の処理であり、例えば、レベル調整、位相差(遅延時間)調整、周波数特性調整等である。この場合、音響品質推定装置は、信号処理された音響信号である出力信号を取得することにより、上述の実施形態と同様にして、音響品質推定値を求めることができる。信号処理された音響信号の取得は、例えば、音響品質推定装置が、信号処理された音響信号が記憶された記録媒体を読み取ったり、再生装置から通信ケーブルを介して信号処理された音響信号を受信したりすることにより、実現できる。
また、信号処理自体は既知の処理であるため、図8のように、音響品質推定装置201の制御部211に、再生装置で行われる信号処理と同じ処理を行う信号処理部228を設けることができる。この場合、信号処理部228は、上述の実施形態と同様に信号処理される前の音響信号を取得し、この音響信号に対して信号処理を行うことにより、出力信号を生成できる。そして、音響品質推定装置201は、上述の実施形態と同様にして、出力信号とHRTFとに基づいて、音響品質推定値を算出することができる。以上より、音響品質推定装置201は、再生装置における信号処理を考慮して、スピーカ配置に因る音響品質劣化を推定できる。なお、図8の機能部213、221、223、225、227は、図2の対応する機能部113、121、123、125、127と同じ機能を有するものである。
また、上述の本発明の実施形態の説明においては、5.1チャンネル音響方式に適用されるマルチチャンネル音響再生システム100が音響方式に対応する5個のスピーカ103−1〜103−5を有するとしたが、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、図9のように、5.1チャンネル音響方式の5つの音響信号を3つのスピーカ303−1〜303−3で出力するとする。この場合、再生装置では、5つの音響信号を既知のチャンネル変換処理によりダウンミックスして、3つの出力信号を生成する。そのため、音響品質推定装置は、チャンネル変換処理された音響信号である出力信号を取得することにより、上述の実施形態と同様にして、音響品質推定値を求めることができる。チャンネル変換処理された音響信号の取得は、例えば、音響品質推定装置が、チャンネル変換処理された音響信号が記憶された記録媒体を読み取ったり、再生装置から通信ケーブルを介してチャンネル変換処理された音響信号を受信したりすることにより、実現できる。
また、チャンネル変換処理自体は既知の処理であるため、図10のように、音響品質推定装置301の制御部311に、再生装置で行われるチャンネル変換処理と同じ処理を行うチャンネル変換処理部329を設けることができる。この場合、チャンネル変換処理部329は、上述の実施形態と同様にチャンネル変換処理される前の音響信号を取得し、この音響信号に対してチャンネル変換処理を行うことにより、出力信号を生成できる。そして、音響品質推定装置301は、上述の実施形態と同様にして、出力信号とHRTFとに基づいて、音響品質推定値を算出することができる。以上より、音響品質推定装置301は、再生装置におけるスピーカ数を考慮して、スピーカ配置に因る音響品質劣化を推定できる。特に、音響品質推定装置301は、場所的制限や費用的制限等により所望の数のスピーカを配置できない家庭内等で音響品質劣化を推定する場合に有効である。なお、図10の機能部313、321、323、325、327は、図2の対応する機能部113、121、123、125、127と同じ機能を有するものである。また、スピーカ数が所望の数よりも多く、再生装置が音響信号をチャンネル変換処理としてアップミックスする必要がある場合も、チャンネル変換処理部329がアップミックスを行うことにより、音響品質推定装置301は、音響品質推定値を算出できる。
本発明に係る増幅器によれば、スピーカ配置に因る音響品質劣化を推定できるという有用性がある。
100 マルチチャンネル音響再生システム
101 音響品質推定装置
103−1〜103−5 スピーカ
105 聴取位置
107 ユーザ
111 制御部
113 記憶部
121 HRTF決定部
123 両耳聴信号算出部
125 両耳聴変数値算出部
127 音響品質推定部
131 実際位置
133−1〜133−3 記憶位置
228 信号処理部
329 チャンネル変換処理部
d1〜d3 距離

Claims (9)

  1. 複数の記憶位置それぞれから聴取位置までの頭部伝達関数を当該記憶位置毎に対応させて記憶する記憶部と、
    複数のスピーカから出力される出力信号それぞれと当該スピーカの標準位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記標準位置に関する両耳聴変数値を算出し、
    前記出力信号それぞれと前記スピーカの実際位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記実際位置に関する両耳聴変数値を算出し、且つ
    前記標準位置に関する両耳聴変数値と前記実際位置に関する両耳聴変数値との差分に基づいて、音響品質の推定値を算出する
    制御部と
    を備える音響品質推定装置であって、
    前記制御部は、前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在する場合、当該実際位置に対応する頭部伝達関数を前記記憶部から読み出すことにより、前記実際位置に関する前記両耳聴変数値を算出する
    音響品質推定装置。
  2. 請求項1に記載の音響品質推定装置において、前記制御部は、
    前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在しない場合、当該実際位置に最も近い記憶位置に対応する頭部伝達関数を、前記実際位置に対応する頭部伝達関数と決定する
    ことを特徴とする音響品質推定装置。
  3. 請求項1に記載の音響品質推定装置において、前記制御部は、
    前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在しない場合、当該実際位置に最も近い少なくとも2つの記憶位置に対応する頭部伝達関数のデータ補間により、前記実際位置に対応する頭部伝達関数を決定する
    ことを特徴とする音響品質推定装置。
  4. 請求項2又は3に記載の音響品質推定装置において、前記制御部は、
    前記実際位置から前記聴取位置までの距離が、前記頭部伝達関数の決定で用いられた前記記憶位置から前記聴取位置までの距離よりも長いほど、ゲインが小さくなるように、決定された前記頭部伝達関数を修正する
    ことを特徴とする音響品質推定装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の音響品質推定装置において、前記制御部は、
    前記実際位置から前記聴取位置までの距離が、前記頭部伝達関数の決定で用いられた前記記憶位置から前記聴取位置までの距離よりも長いほど、位相が遅れるように、決定された前記頭部伝達関数を修正する
    ことを特徴とする音響品質推定装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の音響品質推定装置において、前記出力信号が、前記スピーカから出力される前に、音響信号に対して信号処理が行われた信号である場合、
    前記制御部は、
    前記出力信号を生成するために、前記音響信号に対して前記信号処理と同じ処理を行う
    ことを特徴とする音響品質推定装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の音響品質推定装置において、前記出力信号が、前記スピーカから出力される前に、音響信号に対してチャンネル変換処理が行われた信号である場合、
    前記制御部は、
    前記出力信号を生成するために、前記音響信号に対して前記チャンネル変換処理と同じ処理を行う
    ことを特徴とする音響品質推定装置。
  8. 音響品質推定装置における音響品質推定方法において、音響品質推定装置が、
    複数の記憶位置それぞれから聴取位置までの頭部伝達関数を当該記憶位置毎に対応させて記憶部に記憶するステップと、
    複数のスピーカから出力される出力信号それぞれと当該スピーカの標準位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記標準位置に関する両耳聴変数値を算出するステップと、
    前記出力信号それぞれと前記スピーカの実際位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記実際位置に関する両耳聴変数値を算出するステップであって、前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在する場合、当該実際位置に対応する頭部伝達関数を前記記憶部から読み出すことにより、前記実際位置に関する前記両耳聴変数値を算出するステップと、
    前記標準位置に関する両耳聴変数値と前記実際位置に関する両耳聴変数値との差分に基づいて、音響品質の推定値を算出するステップと
    を含む音響品質推定方法。
  9. 音響品質推定装置を構成するコンピュータに、
    複数の記憶位置それぞれから聴取位置までの頭部伝達関数を当該記憶位置毎に対応させて記憶部に記憶するステップと、
    複数のスピーカから出力される出力信号それぞれと当該スピーカの標準位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記標準位置に関する両耳聴変数値を算出するステップと、
    前記出力信号それぞれと前記スピーカの実際位置に対応する頭部伝達関数とに基づいて、前記実際位置に関する両耳聴変数値を算出するステップであって、前記実際位置に一致する前記記憶位置が存在する場合、当該実際位置に対応する頭部伝達関数を前記記憶部から読み出すことにより、前記実際位置に関する前記両耳聴変数値を算出するステップと、
    前記標準位置に関する両耳聴変数値と前記実際位置に関する両耳聴変数値との差分に基づいて、音響品質の推定値を算出するステップと
    を実行させるための音響品質推定プログラム。
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