実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、後述する所定演出を実行する所定演出実行エリア9Fが設けられている。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、予告演出(可動物予告演出)やスーパーリーチ演出が実行されるときに動作する。なお、可動物予告演出やスーパーリーチ演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出において可動部材78が動作するようにしてもよい。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)79a,79bが設けられている。演出羽根役物79a,79bは、例えば、予告演出(演出羽根役物予告演出)が実行されるときに動作する。なお、演出羽根役物予告演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出やスーパーリーチ演出において演出羽根役物79a,79bが動作するようにしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。ただし、後述する高確率/低ベース状態を除く。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。なお、この実施の形態では、大当りとなった場合には必ず確変状態に移行されるのであるが、大当りとなった場合に、確変状態以外にいわゆる時短状態に移行される場合もあるように遊技機を構成してもよい。この場合、時短状態においても高ベース状態に移行されるようにしてもよい。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25などに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(S44)。そして、S14に移行する。なお、S44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図13参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、S27の普通図柄プロセス処理では、ゲート32への遊技球の通過を検出したことにもとづいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態で示すように大当り種別が全て確変大当り(この実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)であるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。ただし、この実施の形態では、後述するように、大当り遊技終了後71回目の変動表示の際に高確率/低ベース状態とするときにスーパーリーチとなる割合を高めているのであるが、このように高確率/低ベース状態となる突然確変大当りを設けるように構成する場合には、突然確変大当りによる大当り遊技を終了した後、71回転目の変動表示を終了するまで全ての変動表示において高確率/低ベース状態に制御された状態となるので、確変状態を終了するまでの全ての変動表示においてスーパーリーチとなる割合が高くなってしまう。従って、高確率/低ベース状態となる突然確変大当りを設けるように構成する場合には、高確率/低ベース状態であるときにスーパーリーチとなる割合を必ず毎回高めるのではなく、スーパーリーチとなる割合を高めるときと高めない(通常の割合のまま)ときとを設けるようにしてもよい。また、例えば、遊技状態(例えば、高確率フラグや高ベースフラグがセットされているか否か)を見るのではなく、大当り遊技後の変動表示の回数をカウントし、71回目の変動表示となったときにのみ、スーパーリーチとなる割合を高めるようにしてもよい。そのように構成すれば、高確率/低ベース状態となる突然確変大当りを設けた場合に、突然確変大当りによる大当り遊技を終了した後、確変状態を終了するまでの毎回の変動表示においてスーパーリーチの出現率が連続して高くなってしまう状態を防止することができる。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示す再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
なお、この実施の形態では、確変状態には、大当り抽選において大当りと決定される確率を高めた高確率状態に移行されるとともに、高ベース状態にも移行された状態であるある場合と、高確率状態にのみ移行され高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)状態である場合との2つのケースがあるが、いずれのケースの場合であっても、確変状態である場合には確変時大当り判定テーブルが用いられ、それ以外の場合に通常時大当り判定テーブルが用いられる。なお、後述するように、この実施の形態では、大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を71回終了するまで確変状態が継続する。ただし、高ベース状態は、大当り終了後、変動表示を70回終了したときに終了して低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を71回終了するまで継続される。従って、この実施の形態では、大当り終了後、70回目の変動表示を終了してから71回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみに移行され、高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)確変状態となる場合がある。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの確変大当り「15R確変大当り」、10ラウンドの確変大当り「10R確変大当り」および2ラウンドの確変大当り「2R確変大当り」とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、10ラウンドおよび2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」および「突然確変大当り」の4種類である場合を示しているが、4種類にかぎらず、例えば、5種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が4種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するS166〜S169参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態が終了し(S169,S144参照)、変動表示を71回終了すると高確率状態が終了する(S167,S140参照)。
「10R確変大当り」とは、10ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するS166〜S169参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態が終了し(S169,S144参照)、変動表示を71回終了すると高確率状態が終了する(S167,S140参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するS166〜S169参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態が終了し(S169,S144参照)、変動表示を71回終了すると高確率状態が終了する(S167,S140参照)。
なお、「2R確変大当り」は、後述する「突然確変大当り」と同様に大入賞口の開放回数が2回(2ラウンド)のみ許容される大当りであるが、「突然確変大当り」と異なり、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長い(この実施の形態では29秒)。従って、後述する「突然確変大当り」の場合には、大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することは殆ど期待できないのであるが、「2R確変大当り」となった場合には、大入賞口の開放回数は少ないものの大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することを期待することができる。
また、「突然確変大当り」とは、「15R確変大当り」や「10R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」や、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するS166〜S169参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態が終了し(S169,S144参照)、変動表示を71回終了すると高確率状態が終了する(S167,S140参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、この実施の形態で示すように大当り種別が全て確変大当り(この実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)であるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、この実施の形態のように大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。ただし、この実施の形態では、後述するように、大当り遊技終了後71回目の変動表示を実行するときにスーパーリーチとなる割合を高めているのであるが、小当りおよび高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるように構成する場合には、71回目の変動表示においてスーパーリーチとなる割合を必ず毎回高めるのではなく、スーパーリーチとなる割合を高めるときと高めない(通常の割合のまま)ときとを設けるようにし、突然確変大当り後の高確率状態において低確率/低ベース状態のときと同じ選択割合/選択方法で変動パターンを選択するように構成すればよい。そのように構成すれば、大当り終了後71回目の変動表示でスーパーリーチの出現率が永久的に高くなってしまう状態を防止することができる。
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、10R/2R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りや10R確変大当り、2R確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A)〜(D)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図10(C)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態(大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。また、図10(D)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/低ベース状態(大当り終了後、70回目の変動表示を終了してから71回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示している。
図10(C),(D)に示すように、この実施の形態では、確変状態である場合であっても、大当り終了後、最後の71回目の変動表示が行われる場合には、それ以前の70回目の変動表示が行われる場合までと比較して、スーパーリーチを伴う変動パターンが選択される割合が高い。そのようにすることによって、この実施の形態では、確変状態が終了する最後の変動表示では高い確率でスーパーリーチの変動表示を行うようにすることによって、確変状態終了時における遊技者の大当りに対する期待感を高めている。なお、最後の71回目の変動表示だけにかぎらず、例えば、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示から最終回の変動表示にわたってスーパーリーチとなる割合を高めるなど、複数回の変動表示にわたって高い確率でスーパーリーチの変動表示を行うようにしてもよい。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図15は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
図16および図17は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図16および図17に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、図9(A)〜(D)や図10(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/低ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合(すなわち、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0B(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「15R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図9、図10参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して、所定予告演出として、後述する保留予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図16および図17に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、「所定予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、所定予告演出として、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行される予告演出(後述する保留予告演出)が実行される(ただし、後述するように、新たな始動入賞が発生しても保留予告演出が制限され、保留記憶が消化され保留表示がシフトされるタイミングで保留予告演出が実行される場合もある)。
なお、所定予告演出として、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の複数回の変動表示にわたって連続して実行される予告演出(例えば、複数回の変動表示にわたってチャンス目を停止表示させたり表示画面をフラッシュさせるような態様(「図柄変動時の変動形態の変化」ともいう)や、複数回の変動表示にわたって背景画面がせめぎあうような態様でモード変更されるか否かを煽る態様(「モード移行」ともいう)、複数回の変動表示にわたってカウントダウンしていくような態様(「カウントダウン」ともいう)の連続予告演出)を実行可能に構成してもよい。ただし、この場合、必ずしも複数回の変動表示にわたって予告演出を実行する必要は無く、例えば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の1回のみの変動表示において予告演出を行うものであってもよい。また、例えば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の変動表示から予告演出を開始して、その予告演出の対象となる変動表示の直前の変動表示までで予告演出を終了するものであってもよいし、その予告演出の対象となる変動表示にもわたって予告演出を行うものであってもよい。また、複数回の変動表示にわたって必ずしも連続して実行する必要はなく、例えば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の可変表示において予告演出を実行してもよい。ただし、「カウントダウン」の態様の連続予告演出に関しては、カウントダウンが1回のみであったり間欠的あったりすると演出が不自然となってしまうので、複数の変動表示にわたって連続して行うことが望ましい。
なお、この実施の形態では、高ベース状態であるときに第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合や、大当り遊技中に第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合を除いて(S1215A,S1216A参照)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図15に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図16および図17に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する保留予告演出を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図18および図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(S313,S314)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図30参照)、S22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図20は、S312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図20(A)は、S312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図20(B)は、S314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図20(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1214A)。なお、S1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
図21は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図21に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値にかぎられない。例えば、大当り判定用乱数などにもとづいて大当りや小当りとするか否かをあらかじめ決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(S1215A)。セットされていれば、そのままS1220Aに移行する。高ベースフラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(S1216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままS1220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(S1217A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1219A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1220A)。
なお、S1218A,S1219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してS1217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してS1217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、S1215AまたはS1216AでYと判定したことによりS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、S1220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、S1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、S1215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が低ベース状態である場合にのみS1217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、S1216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみS1217Aの入賞時演出処理が実行される。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305参照)から大当り終了処理(S307参照)までの処理が実行されている状態である。
次に、図21(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1214B)。なお、S1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1217B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1219B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1220B)。
なお、S1218B,S1219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してS1217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してS1217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図22は、S1217A,S1217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する保留予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、S1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、S1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図16および図17に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
なお、S225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(S228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図17参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1214A,S1214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。
次いで、CPU56は、S226,S228,S231で設定した閾値と、S1214A,S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S232)。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(S233)。具体的には、CPU56は、S232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図16および図17に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する保留予告演出を実行するようにしてもよい。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(S51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(S52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、S52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S60)。この場合、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高確率高ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグのみがセットされ、高ベースフラグがセットされていない場合には、高確率低ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では71回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「10R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「2R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「10R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(S94)。そして、S102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、高ベースフラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
高ベースフラグがセットされていなければ(S95のN)、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S96)。高確率フラグもセットされていなければ(S96のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S97)。合算保留記憶数が3未満であれば(S97のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(S98)。そして、S102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(S97のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(S99)。そして、S102に移行する。
高確率フラグがセットされている場合(S96のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/低ベース状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図10(D)参照)を選択する(S100)。そして、S102に移行する。
高ベースフラグがセットされている場合(S95のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば(この実施の形態では、低確率/高ベース状態に制御されることはないので、高ベースフラグがセットされていれば高確率/高ベース状態である)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図10(C)参照)を選択する(S101)。そして、S102に移行する。
この実施の形態では、S95〜S101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合には、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、S105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、S92、S94、S98、S99、S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して保留予告演出を行うように構成することが好ましい。
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、S118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(S111,S112)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「10R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(S113,S114)。なお、「10R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「2R確変大当り」であるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(S115,S116)。なお、「2R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」および「2R確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(S117)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(S110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S118)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(S119)。小当りフラグもセットされていないときは(S118のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(S120)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S121)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(S1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、S1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、高確率状態であることを示す高確率フラグ、および高ベース状態であることを示す高ベースフラグをリセットし(S132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S133)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「15R確変大当り」の場合には15回。「10R確変大当り」の場合には10回。「2R確変大当り」または「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(S135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。この場合、突然確変大当りの場合と2R確変大当りの場合とでは、ラウンド回数として同じ2回がセットされるものの、異なるラウンド時間が設定される。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、2R確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。なお、15R確変大当りや10R確変大当りの場合にも、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S136)。
また、S131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S137)。高確率フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態(高確率/高ベース状態または高確率/低ベース状態)である場合には)、高確率状態における特別図柄の変動可能回数を示す高確率回数カウンタの値を−1する(S138)。そして、CPU56は、減算後の高確率回数カウンタの値が0になった場合には(S139)、高確率フラグをリセットする(S140)。高確率フラグがセットされていなければ、S141に移行する。
次いで、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否か確認する(S141)。高ベースフラグがセットされている場合には(すなわち、高確率/高ベース状態である場合には)、高ベース状態における特別図柄の変動可能回数を示す高ベース回数カウンタの値を−1する(S142)。そして、CPU56は、減算後の高ベース回数カウンタの値が0になった場合には(S143)、高ベースフラグをリセットする(S144)。そして、S145に移行する。なお、高ベースフラグがセットされていなかった場合には、そのままS145に移行する。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S145)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(S146)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S147)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(S148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S149)。
小当りフラグもセットされていなければ(S145のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S150)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(S162)。ここで、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S165のY)、CPU56は、高確率フラグをセットして遊技状態を高確率状態に移行させる(S166)。また、CPU56は、高確率状態における変動表示回数をカウントするための高確率回数カウンタに所定回数(例えば71回)をセットする(S167)。また、CPU56は、高ベースフラグをセットして遊技状態を高ベース状態に移行させる(S168)。また、CPU56は、高ベース状態における変動表示回数をカウントするための高ベース回数カウンタに所定回数(例えば70回)をセットする(S169)。
なお、S166〜S169の処理が実行されることによって、大当り遊技終了後に高確率/高ベース状態に移行され、変動表示を70回終了するまで高確率/高ベース状態が維持される。そして、大当り終了後に70回目の変動表示を終了してから71回目の変動表示を終了するまでの間は高確率/低ベース状態に移行され、71回目の変動表示を終了すると遊技状態が通常状態に戻る。
なお、この実施の形態では、S168でセットした高ベースフラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(S27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、高ベースフラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、S168でセットした高ベースフラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。なお、普通図柄の変動表示結果を当りとする確率を高めた普図確変状態にも制御可能に構成する場合には、高ベースフラグは、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを判定するためにも用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S170)。
図30は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(S32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(S3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(S3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(S3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(S3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、S3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、S22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図31は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
図32は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図33〜図36は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(S621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(S623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(S632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(S634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))であれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(S652)。
図37は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図37に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、図20の第1始動口スイッチ通過処理のS1218A〜S1220Aおよび第2始動口スイッチ通過処理のS1218B〜S1220Bで示したように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドがセットで送信される。そのため、図37に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、図37に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、図37では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図37に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理のS6515で順次削除される。この場合、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を優先実行するので、まず、第2保留記憶を格納している格納領域5(第2保留記憶数加算指定コマンド(C100(H))が格納されている)の記憶内容が削除される。次いで、新たに第2保留記憶が発生しなければ、第1保留記憶のみが記憶されている状態となるので、次に演出図柄の変動表示を開始するタイミングで1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図37に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされる。
また、図37に示す始動入賞時コマンド格納領域のうち、格納領域2については、コマンド受信を正常に行えず、変動カテゴリコマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図37に示す例では、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域2において、本来、変動カテゴリコマンドが格納されるべき2つ目の記憶領域の内容が「0000(H)」のままとなっている状態が示されている。
また、この実施の形態では、後述するように、図37に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド)にもとづいて、保留予告演出処理(1)(S800B参照)や保留予告演出処理(2)(S660C,S662C参照)において保留予告演出の設定が行われるのであるが、始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド)の取りこぼしや不整合が発生した場合には、その始動入賞時のコマンドに対応する保留記憶の変動表示を消化するまで、保留予告演出が制限される。なお、以下、保留予告演出が制限される始動入賞時のコマンドの取りこぼしや不整合が発生した保留記憶を消化するまでの期間を保留予告制限期間ともいう。
なお、この実施の形態では、始動入賞時のコマンドの取りこぼしや不整合が発生した保留記憶や、保留予告制限期間内に始動入賞した保留記憶に関しては、保留予告演出の実行を完全に禁止する場合を示しているが、この実施の形態で示した場合にかぎられない。例えば、保留予告制限期間内に始動入賞した保留記憶に関して、保留予告演出が制限される始動入賞時のコマンドの取りこぼしや不整合が発生した保留記憶を消化し保留予告制限期間が解除されたときに、その保留記憶に対応する保留表示の表示態様を変更して遡及的に保留予告演出を開始するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信しても、所定演出の実行中である場合や、可動物予告演出の実行中である場合、スーパーリーチ演出の実行中である場合、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合にも、直ちに保留予告演出を開始しないようにし(この場合、後述するように、その後の保留記憶の消化時(保留表示のシフト時)に遡及的に保留予告演出が開始されうる)、保留予告演出が制限される。図37に示す例では、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信したときに、所定演出の実行中、可動物予告演出の実行中、スーパーリーチ演出の実行中、第2保留記憶の存在、または第2特別図柄の変動表示中などの理由により、保留予告演出の判定を延期し保留予告演出を直ちに開始しないようにした場合には、その保留記憶に対応する格納領域(図37に示す例では、格納領域4)の判定延期情報の値が保留予告演出の判定を延期したことを示す「1」に設定される。
なお、この実施の形態において、「保留予告演出を制限する」とは、保留予告制限期間内に発生した始動入賞に対応する保留記憶に対して、全く保留予告演出の設定を行わず保留予告演出を実行しない概念と、保留予告演出の開始タイミングを遅らせる概念との両方を含む。さらに、「保留予告演出を制限する」という概念には、既に現在表示中である保留表示に対応する保留記憶に対して、遡及的に保留予告演出を実行することを禁止したり、保留予告演出の開始タイミングを遅らせたりすることも含まれる。
また、この実施の形態では、図37に示すように、始動入賞時コマンド格納領域に新たにコマンドが格納されると、その新たにコマンドが格納された格納領域の未判定情報が「1」に設定される。未判定情報とは、後述する保留予告演出処理(1)(S800B参照)や保留表示復帰処理(S8114参照)において、まだ未処理であることを示す情報である。未判定情報は、新たにコマンドを受信したときに「1」に設定され、その後、保留予告演出処理(1)(S800B参照)でそのコマンドが処理され、または保留表示復帰処理(S8114参照)でそのコマンドが処理されると、「0」にクリアされる。なお、この実施の形態では、未判定情報は、図柄指定コマンドの取りこぼしがなければ、S652で図柄指定コマンドを格納するときに「1」に設定される。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図22参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(S653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S654)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に変動カテゴリコマンドや保留記憶数加算指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で変動カテゴリコマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納するとともに、その格納領域の未判定情報を「1」に設定する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(S655)、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(S656A)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1保留記憶数加算指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(S656B)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(S658A)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2保留記憶数加算指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(S658B)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(S659)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(S660A)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示を1つ消去し、その消去した第1保留記憶以降の残りの第1保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留記憶数表示を更新する(S660B)。例えば、第1保留記憶表示部9aの1つ目〜3つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合に、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には1つ目の第1保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた第1保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第1保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。次いで、演出制御用CPU101は、保留予告演出処理(2)を実行する(S660C)。
この実施の形態では、保留予告演出が実行される場合に、新たな始動入賞が発生して始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで、新たに表示する保留表示を通常態様とは異なる態様で表示して直ちに保留予告演出を開始する場合と、保留予告演出の判定が延期された後に、保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングで、その判定が延期された保留表示の表示態様を通常態様とは異なる態様に変更して遡及的に保留予告演出を開始する場合とがある。この実施の形態では、新たな始動入賞が発生するタイミングで保留予告演出の決定および開始を行う処理を保留予告演出(1)(S800B参照)といい、保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングで保留予告演出の決定および開始を行う処理を保留予告演出(2)(S660C,S662C参照)という。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(S662A)。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を1つ消去し、その消去した第2保留記憶以降の残りの第2保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶表示部9aにおける第2保留記憶数表示を更新する(S662B)。例えば、第2保留記憶表示部9bの1つ目〜3つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合に、第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には(この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されるので、1つでも第2保留記憶があれば第2保留記憶数減算指定コマンドを受信することになる)、1つ目の第2保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた第2保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第2保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。次いで、演出制御用CPU101は、保留予告演出処理(2)を実行する(S662C)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(S664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数および第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数をクリアする(S665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、第1保留記憶数および第2保留記憶数がともに0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する第1保留記憶数および第2保留記憶数をリセットする。S665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で第1保留記憶数や第2保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った第1保留記憶数や第2保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって第1保留記憶数および第2保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(S666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(S667)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が高確率状態であることを示す高確率状態フラグや、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをリセットする(S668)。
また、受信した演出制御コマンドが高確率/高ベース状態背景指定コマンドであれば(S669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/高ベース状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(S670)。また、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットするとともに高ベース状態フラグをセットする(S671)。
また、受信した演出制御コマンドが高確率/低ベース状態背景指定コマンドであれば(S672)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、橙色の表示色の背景画面)に変更する(S673)。また、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットする(S674)とともに、高ベース状態フラグをリセットする(S675)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S678)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S679)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(S680)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納された大入賞口開放中指定コマンドを確認することによって、大当り遊技中の何ラウンド目であるかを認識することができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S681)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S682)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(S683)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S684)。そして、S611に移行する。
図38は、図31に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、所定演出の決定および実行を行う所定演出処理を実行する(S800A)。
なお、「所定演出」とは、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御される可能性を報知する演出である。S800Aの所定演出処理では、演出制御用CPU101は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した普通図柄の変動開始や変動表示結果を示すコマンドにもとづいて、普通図柄の変動表示結果が当り(可変入賞球装置15が開放状態となる)となるか否かを判定し、その判定結果にもとづいて所定演出の有無を決定したり所定演出を実行する制御を行う。この実施の形態では、具体的には、所定演出実行エリア9Fにおいて普通図柄の変動表示に対応してルーレットを回転させるような態様の演出を実行し、可変入賞球装置15が開放状態となる場合には所定演出実行エリア9Fに「○」の表示結果を停止表示し、可変入賞球装置15が開放状態とならない場合には所定演出実行エリア9Fに「×」の表示結果を停止表示するような態様の演出を行う。なお、この実施の形態では、所定演出は、可変入賞球装置15が開放状態となるか否かを予告するものであり予告演出の1つである。
なお、所定演出を実行することにより、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御される可能性を報知だけでなく、リーチ演出が実行されるか否かや大当りとなる可能性を報知するようにしてもよい。この場合、例えば、所定演出の表示結果として「○」や「×」に代えて「チャンス」や「激熱」の表示結果を停止表示することによって、リーチとなる可能性(さらにはスーパーリーチとなる可能性)や大当りとなる可能性を報知しもよい。また、例えば、「小」の表示結果を停止表示することによって小当りとなる可能性を報知するように構成してもよい。
また、演出制御用CPU101は、保留予告演出処理(1)を実行する(S800B)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図39および図40は、保留予告演出処理(1)(S800B)を示すフローチャートである。保留予告演出処理(1)(始動入賞が発生したタイミングで保留予告演出の決定および実行を行う処理)において、演出制御用CPU101は、まず、後述する保留表示を非表示状態とする非表示制御の実行中であることを示す保留非表示中フラグがセットされているか否かを確認する(S6000)。
なお、この実施の形態では、後述するように、可動物予告演出の実行中である場合やスーパーリーチ演出の実行中である場合に非表示制御が実行される。従って、S6000の処理が実行されることによって、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信しても、可動物予告演出やスーパーリーチ演出の実行中である場合には、保留予告演出の判定を延期し保留予告演出を直ちに開始しないようにし、保留予告演出が制限される(なお、この場合、後述する保留表示復帰処理が実行されることによって、可動物予告演出やスーパーリーチ演出の終了時に、非表示制御中に発生した始動入賞の分だけ保留表示を増加させた状態で保留表示を表示した状態に復帰する)。
保留非表示中フラグがセットされていれば(すなわち、保留表示が非表示状態であれば)、そのまま処理を終了する。保留非表示中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、図37に示す始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域があるか否かを確認する(S6001)。未判定情報が「1」となっている格納領域がなければ(S6001のY)、そのまま処理を終了する。
未判定情報が「1」となっている格納領域があれば(S6001のN)、演出制御用CPU101は、その未判定情報が「1」となっている格納領域に格納されているコマンドを処理対象とするとともに、保留予告制限期間であることを示す保留予告設定制限フラグがセットされているか否かを確認する(S6002)。保留予告設定制限フラグがセットされていれば、S6018に移行する。
保留予告設定制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の始動入賞時のコマンドの内容を確認し、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したか否かを確認する(S6003)。
具体的には、この実施の形態では、始動入賞時のコマンドとして、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドを1タイマ割込内に一括して受信する筈であるので、始動入賞時コマンド格納領域には、MODEデータがそれぞれ「C4(H)」、「C6(H)」、および「C0(H)」(または「C1(H)」)であるコマンドが格納されている筈である(図14参照)。従って、演出制御用CPU101は、これらのうちいずれかのMODEデータが格納されていなければ、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドの取りこぼしが発生し、コマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
また、この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の順番に受信する筈であるので、始動入賞時コマンド格納領域には、MODEデータが「C4(H)」、「C6(H)」、および「C0(H)」(または「C1(H)」)の順番に格納されている筈である。従って、演出制御用CPU101は、これらのMODEデータが全て格納されていても、順番が異なっていれば(例えば、「C4(H)」よりも前に「C6(H)」が格納されていれば)、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、S6017に移行する。始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(S6004)。具体的には、図柄指定コマンドとしてはずれを指定する図柄1指定コマンド(C400(H))が格納されている場合には、変動カテゴリコマンドとしてはずれに対応した変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ12コマンドのいずれかが格納されている筈である(図15および図16参照)。それにもかかわらず、大当りや突然確変大当り、小当りに対応した変動カテゴリ21コマンド〜変動カテゴリ29コマンド(図17参照)が格納されていた場合には、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しておらず矛盾があると判断できる。
図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していないと判断した場合には、演出制御用CPU101は、S6017に移行する。
また、プログラム上必ずしもS6003〜S6004の2つの判定処理を全て設けるように構成する必要はなく、S6003〜S6004のうちのいずれか1つの判定処理のみを設けるようにプログラムを構成してもよい。
図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、所定演出の実行中であるか否かを確認する(S6005)。なお、所定演出の実行中であるか否かは、例えば、S800Aの所定演出処理において所定演出を実行する場合に所定演出実行中フラグをセットするようにしておき、S6005において所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認することによって判定できる。所定演出の実行中である場合には、S6021に移行する。
所定演出の実行中でない場合には、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数の値(S658B,S662A参照)が0となっているか否かを確認する(S6006)。第2保留記憶数が0でなければ(すなわち、第2保留記憶がある場合には)、S6021に移行する。
第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第2保留記憶がなければ)、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の変動表示中であるか否かを確認する(S6007)。なお、第2特別図柄の変動表示中であるか否かは、例えば、第2図柄変動指定コマンド受信フラグ(S628参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄の変動表示中であれば、S6021に移行する。
S6005〜S6007の処理が実行されることによって、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信しても、所定演出の実行中である場合や、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合には、保留予告演出の判定を延期し保留予告演出を直ちに開始しないようにし、保留予告演出が制限される。
第2特別図柄の変動表示中でもなければ、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の変動カテゴリコマンドにもとづいて、保留予告演出の実行有無および演出態様を決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(S6008)。
図41は、保留予告演出の実行有無および演出態様を決定するための保留予告決定テーブルの具体例を示す説明図である。図41に示すように、保留予告決定テーブルには、保留予告演出なし、保留予告演出(青)、保留予告演出(赤)、および保留予告演出(虹)に対して、それぞれ判定値が割り振られている。保留予告演出(青)は、予告対象の保留表示を青色の丸形表示で表示する態様の保留予告演出である。また、保留予告演出(赤)は、予告対象の保留表示を赤色の丸形表示で表示する態様の保留予告演出である。また、保留予告演出(虹)は、予告対象の保留表示を虹色の丸形表示で表示する態様の保留予告演出である。なお、この実施の形態では、通常の表示態様(保留予告演出を行わない場合の表示態様)で保留表示を表示する場合、その保留表示を緑色の丸形表示で表示するものとする。
また、図41に示すように、保留予告決定テーブルには、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC600(H)を受信している場合)、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−7の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC607(H)を受信している場合)、および変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC612(H)またはコマンドC615(H)を受信している場合)にのみ判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りとなる場合にのみ保留予告演出が実行されうる。
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、およびスーパーリーチ大当り以外の変動カテゴリとなる場合も保留予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、変動カテゴリコマンドにもとづいて大当りとなるか否かのみを特定し、その特定結果に従って保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
また、図41この実施の形態では、保留予告演出(赤)および保留予告演出(虹)については、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りとなる場合にのみ判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、予告対象の保留表示が赤色もしくは虹色の丸形表示で表示される態様で保留予告演出が実行された場合には、スーパーリーチとなることが確定することになる。
また、この実施の形態では、図41に示すように、保留予告演出(虹)の大当りに対する期待度(信頼度)が最も高く、その次に保留予告演出(赤)の大当りに対する期待度(信頼度)が高く、保留予告演出(青)の大当りに対する期待度(信頼度)が最も低くなるように判定値が割り振られている。
また、図41に示すように、この実施の形態では、1回の乱数を用いた抽選処理によって、保留予告演出の有無を決定するとともに保留予告演出の態様も一括して決定する場合を示しているが、保留予告演出の有無と保留予告演出の態様とを別々の乱数を用いた抽選処理によって2段階に決定するようにしてもよい。すなわち、まず、1つの乱数を用いた抽選処理によって保留予告演出の有無のみを決定するようにし、保留予告演出を実行すると決定した場合にさらに別の乱数を用いた抽選処理によって保留予告演出の態様を決定するように構成してもよい。
なお、S6008では、演出制御用CPU101は、大当り遊技中であるか否かも確認するようにし、大当り遊技中であれば、強制的に保留予告演出を実行しないように決定することが望ましい。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が大当り表示処理〜大当り終了演出処理を示す値(具体的には、4〜7)となっているか否かを確認することによって判定できる。なお、大当り遊技中であっても保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
いずれかの態様で保留予告演出を実行することに決定した場合には(S6009のY)、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(S6010)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、決定した保留予告演出の態様で、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示を1つ増加させる(S6011)。具体的には、演出制御用CPU101は、S6008の決定結果に応じて、第1保留記憶表示部9aにおいて、第1保留表示として青色、赤色または虹色の丸形表示を1つ増加させて、保留予告演出を開始する。なお、S6011が実行されて保留予告演出が開始されると、変動表示が開始され第1保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の第1保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の第1保留表示が消化されて第1保留記憶表示部9aから消去されることにより、保留予告演出が終了することになる(S660B参照)。
処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、決定した保留予告演出の態様で、第2保留記憶表示部9bにおいて第2保留表示を1つ増加させる(S6012)。具体的には、演出制御用CPU101は、S6008の決定結果に応じて、第2保留記憶表示部9bにおいて、第2保留表示として青色、赤色または虹色の丸形表示を1つ増加させて、保留予告演出を開始する。なお、S6012が実行されて保留予告演出が開始されると、変動表示が開始され第2保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の第2保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の第2保留表示が消化されて第2保留記憶表示部9bから消去されることにより、保留予告演出が終了することになる(S662B参照)。
保留予告演出を実行しないことに決定した場合(S6009のN)には、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(S6013)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示を1つ増加させる(S6014)。具体的には、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、第1保留表示として緑色の丸形表示を1つ増加させる。
処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第2保留記憶表示部9bにおいて第2保留表示を1つ増加させる(S6015)。具体的には、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて、第2保留表示として緑色の丸形表示を1つ増加させる。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の未判定情報をクリアし、未判定情報の値を0にする(S6016)。
そして、演出制御用CPU101は、S6001に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、未判定情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、S6002以降の処理を繰り返し実行する。
具体的には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に同時に遊技球が始動入賞した場合には、第1始動入賞口13への始動入賞に対する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドのコマンドセットと、第2始動入賞口14への始動入賞に対する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドのコマンドセットとの合計6つのコマンドが1タイマ割込内に送信される場合があり、この場合には、1タイマ割込内に始動入賞時コマンド格納領域に2セットの始動入賞時のコマンドが格納され、それぞれ未判定情報が「1」にセットされていることになる。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち領域番号が小さいものから順に未判定情報を確認していき、未判定情報が「1」となっている1つ目の格納領域に格納されているコマンドを処理対象としてS6002以降の処理を実行し、処理を完了すると未判定情報を「0」にクリアする。次いで、S6001に戻ると、その次の格納領域の未判定情報も「1」となっていることから、その未判定情報が「1」となっている2つ目の格納領域に格納されているコマンドを処理対象としてS6002以降の処理を実行し、処理を完了すると未判定情報を「0」にクリアする。すなわち、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に同時に遊技球が始動入賞した場合には、S800Bの保留予告演出処理(1)において、1タイマ割込内に2セットの始動入賞時のコマンドについて保留予告演出の有無や態様を決定する処理が行われることになる。
S6017では、演出制御用CPU101は、保留予告設定制限フラグをセットし(S6017)、保留予告制限期間を開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(S6018)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示を1つ増加させる(S6019)。具体的には、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、第1保留表示として緑色の丸形表示を1つ増加させる。
処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第2保留記憶表示部9bにおいて第2保留表示を1つ増加させる(S6020)。具体的には、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて、第2保留表示として緑色の丸形表示を1つ増加させる。
なお、保留記憶数加算指定コマンドを取りこぼしたり正常に受信できなかった場合には、S6019,S6020の処理をスキップして誤った保留表示を増加させないようにすることが望ましい。なお、保留記憶数加算指定コマンドを取りこぼしたり正常に受信できなかった場合に、デフォルトで第1保留表示を増加させたり第2保留表示を増加させたりするようにしてもよい。
また、S6019,S6020で通常の態様で保留表示を1増加した後も、演出制御用CPU101は、S6001に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、未判定情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、S6002以降の処理を繰り返し実行する。
S6021では、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(S6021)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示を1つ増加させる(S6022)。具体的には、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、第1保留表示として緑色の丸形表示を1つ増加させる。
処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、通常の態様で、第2保留記憶表示部9bにおいて第2保留表示を1つ増加させる(S6023)。具体的には、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて、第2保留表示として緑色の丸形表示を1つ増加させる。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の判定延期情報の値を1にセットする(S6024)。なお、この場合、S6024で判定延期情報がセットされたことにもとづいて、保留記憶を消化する(保留表示をシフトする)タイミングで、後述する保留予告演出処理(2)において判定が延期された保留記憶に対する保留予告演出の判定が行われ、遡及的に保留予告演出が開始される場合がある。
また、S6026で判定延期情報をセットした後も、演出制御用CPU101は、S6001に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、未判定情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、S6002以降の処理を繰り返し実行する。
図42は、保留予告演出処理(2)(S660C,S662C)を示すフローチャートである。保留予告演出処理(2)(保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングで保留予告演出の決定および実行を行う処理)において、演出制御用CPU101は、まず、保留予告設定制限フラグがセットされているか否かを確認する(S6501)。保留予告設定制限フラグがセットされていなければ(すなわち、保留予告制限期間中でなければ)、S6506に移行する。
保留予告設定制限フラグがセットされていれば(すなわち、保留予告制限期間中であれば)、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている始動入賞時のコマンドの内容を確認する(S6502)。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞時のコマンドが格納されている全ての格納領域1〜8において、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信した格納状態となっているか否かを確認する(S6503)。
具体的には、この実施の形態では、始動入賞時のコマンドとして、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドを1タイマ割込内に一括して受信する筈であるので、始動入賞時コマンド格納領域の全ての格納領域1〜8において、コマンドが格納されていれば、MODEデータがそれぞれ「C4(H)」、「C6(H)」、および「C0(H)」(または「C1(H)」)であるコマンドが格納されている筈である(図14参照)。従って、演出制御用CPU101は、これらのうちいずれかのMODEデータが格納されていなければ、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドの取りこぼしが発生した格納状態の格納領域がまだ残っており、コマンドを正しく受信できなかった格納状態の格納領域がまだ残っていると判断できる。
また、この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の順番に受信する筈であるので、始動入賞時コマンド格納領域の全ての格納領域1〜8において、コマンドが格納されていれば、MODEデータが「C4(H)」、「C6(H)」、および「C0(H)」(または「C1(H)」)の順番に格納されている筈である。従って、演出制御用CPU101は、これらのMODEデータが全て格納されていても、順番が異なっていれば(例えば、「C4(H)」よりも前に「C6(H)」が格納されていれば)、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドを正しく受信できなかった格納状態の格納領域がまだ残っていると判断できる。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していると判断した格納状態の格納領域がまだ残っている場合には、演出制御用CPU101は、そのまま処理を終了する。全ての格納領域1〜8において始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信した格納状態となっていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている全ての格納領域1〜8において、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(S6504)。具体的には、図柄指定コマンドとしてはずれを指定する図柄1指定コマンド(C400(H))が格納されている場合には、変動カテゴリコマンドとしてはずれに対応した変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ12コマンドのいずれかが格納されている筈である(図15および図16参照)。それにもかかわらず、大当りや突然確変大当り、小当りに対応した変動カテゴリ21コマンド〜変動カテゴリ29コマンド(図17参照)が格納されていた場合には、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しておらず矛盾がある格納状態の格納領域がまだ残っていると判断できる。
図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していない格納状態の格納領域がまだ残っていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、そのまま処理を終了する。全ての格納領域1〜8において図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合している格納状態となっていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、保留予告設定制限フラグをリセットする(S6505)。すなわち、始動入賞時コマンド格納領域の全ての格納領域1〜8において、始動入賞時のコマンドを正常に受信した格納状態となっているので、保留予告制限期間の開始の契機となったコマンドの取りこぼしや不整合の生じた保留記憶が消化されたと判断し、保留予告設定制限フラグをリセットして、保留予告制限期間を終了する。
次いで、演出制御用CPU101は、図37に示す始動入賞時コマンド格納領域に判定延期情報が「1」となっている格納領域があるか否かを確認する(S6506)。判定延期情報が「1」となっている格納領域がなければ(S6506のY)、そのまま処理を終了する。
判定延期情報が「1」となっている格納領域があれば(S6506のN)、演出制御用CPU101は、その判定延期情報が「1」となっている格納領域に格納されているコマンドを処理対象とするとともに、所定演出の実行中であるか否かを確認する(S6507)。なお、所定演出の実行中であるか否かは、例えば、S800Aの所定演出処理において所定演出を実行する場合に所定演出実行中フラグをセットするようにしておき、S6507において所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認することによって判定できる。所定演出の実行中である場合には、そのまま処理を終了する。
所定演出の実行中でない場合には、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数の値(S658B,S662A参照)が0となっているか否かを確認する(S6508)。第2保留記憶数が0でなければ(すなわち、第2保留記憶がある場合には)、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第2保留記憶がなければ)、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の変動表示中であるか否かを確認する(S6509)。なお、第2特別図柄の変動表示中であるか否かは、例えば、第2図柄変動指定コマンド受信フラグ(S628参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄の変動表示中であれば、そのまま処理を終了する。
S6507〜S6509の処理が実行されることによって、この実施の形態では、保留予告演出の判定を延期した後に保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングであっても、依然として所定演出の実行中である場合や、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合には、さらに保留予告演出の判定を延期し、保留予告演出が制限される。なお、この実施の形態では、保留予告演出処理(2)が実行されるのは、演出図柄の変動表示の開始時に保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングであるので、可動物予告演出やスーパーリーチ演出が実行されている場合はないので、可動物予告演出やスーパーリーチ演出の実行中であるか否かを判定して保留予告演出を制限する処理を行う必要はない。
第2特別図柄の変動表示中でもなければ、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の変動カテゴリコマンド(すなわち、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている判定延期情報が設定されていた変動カテゴリコマンド)にもとづいて、保留予告演出の実行有無および演出態様を決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(S6510)。なお、S6510の保留予告演出の決定処理の具体的な処理内容は、保留予告演出処理(1)のS6008の処理と同様である。
いずれかの態様で保留予告演出を実行することに決定した場合には(S6511のY)、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンド(すなわち、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている判定延期情報が設定されていた保留記憶数加算指定コマンド)が第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(S6512)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、その処理対象のコマンドに対応する第1保留表示の表示態様を、通常の表示態様から、決定した保留予告演出の態様に変更する(S6513)。具体的には、演出制御用CPU101は、S6510の決定結果に応じて、第1保留記憶表示部9aにおいて、処理対象のコマンドに対応する第1保留表示を、緑色の丸形表示から青色、赤色または虹色の丸形表示に変更し、遡及的に保留予告演出を開始する。
処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて、その処理対象のコマンドに対応する第2保留表示の表示態様を、通常の表示態様から、決定した保留予告演出の態様に変更する(S6514)。具体的には、演出制御用CPU101は、S6510の決定結果に応じて、第2保留記憶表示部9bにおいて、処理対象のコマンドに対応する第2保留表示を、緑色の丸形表示から青色、赤色または虹色の丸形表示に変更し、遡及的に保留予告演出を開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域のうち、今回開始される演出図柄の変動表示に対応したコマンドを格納している格納領域の始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド))を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S6515)。具体的には、演出図柄の変動開始時に第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合(S660Cで保留予告演出(2)を実行する場合)には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域のうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドを記憶する1つ目の格納領域のこれらのコマンドを削除し、以降の始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域の内容をシフトする。また、演出図柄の変動開始時に第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合(S662Cで保留予告演出(2)を実行する場合)には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域のうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドを記憶する1つ目の格納領域のこれらのコマンドを削除し、以降の始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域の内容をシフトする。
一方、保留予告演出を実行しないことに決定した場合(S6511のN)には、そのままS6516に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の判定延期情報をクリアし、判定延期情報の値を0にする(S6516)。
そして、演出制御用CPU101は、S6506に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に判定延期情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、判定延期情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、S6507降の処理を繰り返し実行する。
図43は、図31に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(S44参照)のであるが、図43に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図44は、図38に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S8001)。次いで、演出制御用CPU101は、S8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、S8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、S8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図45は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図45に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンドまたは表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(保留予告演出以外の予告演出。例えば、ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(S8003)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S8005)。
図46は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図46に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。なお、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、S8004において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S8007)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S8008)。
図47は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S8101)、変動時間タイマの値を1減算する(S8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S8105)。また、この実施の形態では、S8105の処理が実行されることによって、可動物予告演出を実行する際に、モータ86を駆動させることによって可動部材78を可動させたり、演出羽根役物予告演出を実行する際に、モータ87を駆動させることによって演出羽根役物79a,79bを可動させる演出が行われる。また、この実施の形態では、後述するように、スーパーリーチ演出が実行される際にも、モータ86を駆動させることによって可動部材78が可動される。
次いで、演出制御用CPU101は、可動物予告演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(S8106)。なお、可動物予告演出の開始タイミングとなっているか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。可動物予告演出の開始タイミングとなっていれば、S8108に移行する。
可動物予告演出の開始タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(S8107)。なお、スーパーリーチ演出の開始タイミングとなっているか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。スーパーリーチ演出の開始タイミングでもなければ、S8111に移行する。
可動物予告演出の開始タイミングまたはスーパーリーチ演出の開始タイミングとなっている場合には(S8106のYまたはS8107のY)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおける現在の第1保留表示の表示状態および第2保留記憶表示部9bにおける現在の第2保留表示の表示状態を記憶する(S8108)。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、第1保留表示および第2保留表示の表示状態をRAMに設けられた保留表示状態記憶領域に記憶する。次いで、演出制御用CPU101は、保留表示を非表示状態とする非表示制御の実行中であることを示す保留非表示中フラグをセットする(S8109)。そして、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を全て消去し、保留表示を非表示状態として非表示制御を開始する(S8110)。
次いで、演出制御用CPU101は、可動物予告演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(S8111)。なお、可動物予告演出の終了タイミングとなっているか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。可動物予告演出の終了タイミングとなっていれば、S8113に移行する。
可動物予告演出の終了タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(S8112)。なお、スーパーリーチ演出の終了タイミングとなっているか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。スーパーリーチ演出の終了タイミングでもなければ、S8115に移行する。
可動物予告演出の終了タイミングまたはスーパーリーチ演出の終了タイミングとなっている場合には(S8111のYまたはS8112のY)、演出制御用CPU101は、保留非表示中フラグをリセットする(S8113)。そして、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を表示状態に復帰する保留表示復帰処理を実行して、非表示制御を終了する(S8114)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S8115)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S8116)。
図48は、保留表示復帰処理(S8114)を示すフローチャートである。保留表示復帰処理において、演出制御用CPU101は、まず、図37に示す始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域があるか否かを確認する(S7000)。未判定情報が「1」となっているものがなければ(すなわち、非表示制御中に新たな始動入賞が発生しなかった場合には)、演出制御用CPU101は、そのままS8108で記憶した保留表示の表示状態に、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を復帰する(S7011)。
未判定情報が「1」となっているものがあれば(すなわち、非表示制御中に新たな始動入賞が発生していた場合には)、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞の発生により受信した全ての始動入賞時のコマンドについて処理を終了したか否かを確認する(S7001)。全ての始動入賞時のコマンドについて処理を終了していれば、処理を終了する。
未処理の始動入賞時のコマンドがあれば、演出制御用CPU101は、その未判定情報が「1」となっている格納領域に格納されているコマンドを処理対象とするとともに、保留予告設定制限フラグがセットされているか否かを確認する(S7002)。保留予告設定制限フラグがセットされていれば、S7006に移行する。
保留予告設定制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の始動入賞時のコマンドの内容を確認し、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したか否かを確認する(S7003)。なお、演出制御用CPU101は、S7003において、保留予告演出処理(1)のS6003と同様の処理を実行することにより、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したか否かを判定できる。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、S7005に移行する。始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(S7004)。なお、演出制御用CPU101は、S7004において、保留予告演出処理(1)のS6004と同様の処理を実行することにより、現在の処理対象の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを判定できる。図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、S7006に移行する。
始動入賞時のコマンドを順番通りに受信していないと判定した場合(S7003のN)、または現在の処理対象の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していないと判定した場合(S7004のN)には、演出制御用CPU101は、保留予告設定制限フラグをセットする(S7005)。
S7006では、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(S7006)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、S8108で記憶した保留表示の表示状態にもとづいて、通常の態様で第1保留表示を1つ増加させた状態で、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を復帰する(S7007)。
処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、S8108で記憶した保留表示の表示状態にもとづいて、通常の態様で第2保留表示を1つ増加させた状態で、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を復帰する(S7008)。
ただし、S7007,S7008の処理を実行する場合、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域が複数存在する場合には、未判定情報が「1」となっている格納領域のうち最後に処理を行う格納領域のコマンドについてS7007,S7008を実行するタイミングで第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を復帰するようにする。例えば、非表示制御中に新たな始動入賞が2つ発生していた場合には、1つ目の未判定のコマンドについてS7007,S7008の処理を行う際には、S8108で記憶した保留表示の表示状態を保留表示を1つ増加させた状態に記憶内容を更新するのみとし、2つ目の未判定のコマンドについてS7007,S7008の処理を行う際に、さらに保留表示を1つ増加させた状態で(すなわち、S8108で記憶した保留表示の表示状態から保留表示を2つ増加させた状態で)、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を復帰するようにする。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の未判定情報をクリアし、未判定情報の値を0にする(S7009)。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域中の現在の処理対象のコマンドの格納領域の判定延期情報の値を1にセットする(S7010)。なお、この場合、S7010で判定延期情報がセットされたことにもとづいて、保留記憶を消化する(保留表示をシフトする)タイミングで、保留予告演出処理(2)において判定が延期された保留記憶に対する保留予告演出の判定が行われ、遡及的に保留予告演出が開始される場合がある。
そして、演出制御用CPU101は、S7001に戻り、始動入賞時コマンド格納領域に未判定情報が「1」となっている格納領域がまだ存在するか否かを確認する。そして、未判定情報が「1」となっている全ての格納領域に格納されているコマンドについて処理を終了するまで、S7002以降の処理を繰り返し実行する。
図49は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(S8302)。S8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S8303のN)、演出制御用CPU101は、S8311に移行する。
S8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(S8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(S8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S8310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(S8303のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(S8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S8312)。
図50は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(S1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(S1903)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(S1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(S1907)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S1908)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S1909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に設定する(S1910)。
図51は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(S880)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S881)。なお、演出期間計測タイマは、例えば、ラウンド中処理(S805参照)において、エンディングコマンドの受信を確認したことにもとづいてセットされる。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(S881のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S882)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(S883)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(S884のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S884のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S885)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(S886)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(S881のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(S888)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S889)。
次に、保留予告演出が制限される場合の演出態様の具体例について説明する。図52〜図54は、保留予告演出が制限される場合の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図52は、可動物予告演出の実行中であることを理由として、保留予告演出が制限される場合の演出態様の具体例を示す。また、図53は、スーパーリーチ演出の実行中であることを理由として、保留予告演出が制限される場合の演出態様の具体例を示す。また、図54は、第2保留記憶があること、または第2特別図柄の変動表示中であることを理由として、保留予告演出が制限される場合の演出態様の具体例を示す。なお、図52〜図54において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図52を参照して、可動物予告演出の実行中であることを理由として、保留予告演出が制限される場合の演出態様の具体例を説明する。図52に示す例では、第1保留記憶が3つ溜まっている状態から第1保留記憶を1つ消化して第1特別図柄の変動表示を開始するとともに、図52(1)に示すように、演出図柄の変動表示を開始したものとする。従って、図52(1)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ消去されて第1保留表示を2つ表示した状態となる。また、図52に示す例では、演出図柄の変動開始時に可動物予告演出を実行することに決定されたものとする。
次いで、可動物予告演出の開始タイミングとなると、図52(2)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示が全て消去され、非表示制御が開始される(S8106のY,S8110参照)。そして、図52(3)に示すように、可動物予告演出において可動部材78が可動される制御が行われる(S8105参照)。
ここで、可動物予告演出が実行され、非表示制御が行われているときに、新たに第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、新たな始動入賞時のコマンドの送信が行われたものとする。この場合、可動物予告演出が実行され、非表示制御が行われていることにもとづいて、保留予告演出の判定が延期され、保留予告演出が制限される(S6000参照)。
次いで、可動物予告演出の終了タイミングとなると(S8110のY参照)、図52(4)に示すように、非表示制御中に新たに発生した始動入賞に対応する第1保留表示を1つ増加させた状態で(本例では、第1保留表示が2つである状態から1つ増加して第1保留表示が3つである状態で)、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示が復帰される(S7007参照)。
そして、変動時間が終了すると、図52(5)に示すように、演出図柄の停止図柄を導出表示し、演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、第1保留記憶が3つ溜まっている状態から第1保留記憶を1つ消化して第1特別図柄の変動表示を開始するとともに、図52(6)に示すように、演出図柄の変動表示を開始する。従って、図52(6)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ消去されて第1保留表示を2つ表示した状態となる。また、第1保留記憶が1つ消化されて第1保留表示がシフトされたタイミングで、保留予告演出の判定が延期された第1保留記憶について保留予告演出の判定が行われる(S6510参照)。本例では、保留予告演出を実行することに決定され、図52(6)に示すように、保留予告演出の判定が延期された第1保留記憶に対応する第1保留表示の表示態様が、通常の表示態様から、決定した保留予告演出の態様に変更され、遡及的に保留予告演出が開始される(S6513参照)。
次に、図53を参照して、スーパーリーチ演出の実行中であることを理由として、保留予告演出が制限される場合の演出態様の具体例を説明する。図53に示す例では、第1保留記憶が3つ溜まっている状態から第1保留記憶を1つ消化して第1特別図柄の変動表示を開始するとともに、図53(1)に示すように、演出図柄の変動表示を開始したものとする。従って、図53(1)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ消去されて第1保留表示を2つ表示した状態となる。また、図53に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した変動パターンコマンドにおいて、スーパーリーチを含む変動パターンが指定されていたものとする。
次いで、図53(2)に示すように、まず左の演出図柄が停止表示し、次に右の演出図柄として左の演出図柄と同じ図柄(本例では、「7」)が停止表示されて、図53(3)に示すように、ノーマルリーチが発生する。
次いで、スーパーリーチ演出の開始タイミングとなると、図53(4)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示が全て消去され、非表示制御が開始される(S8107のY,S8110参照)。そして、スーパーリーチ演出が実行される。なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出において、図53(5)に示すように、可動部材78が可動される制御も行われる(S8105参照)。
ここで、スーパーリーチ演出が実行され、非表示制御が行われているときに、新たに第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、新たな始動入賞時のコマンドの送信が行われたものとする。この場合、スーパーリーチ演出が実行され、非表示制御が行われていることにもとづいて、保留予告演出の判定が延期され、保留予告演出が制限される(S6000参照)。
次いで、スーパーリーチ演出の終了タイミングとなると(S8111のY参照)、図53(6)に示すように、非表示制御中に新たに発生した始動入賞に対応する第1保留表示を1つ増加させた状態で(本例では、第1保留表示が2つである状態から1つ増加して第1保留表示が3つである状態で)、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示が復帰される(S7007参照)。
そして、変動時間が終了すると、図53(7)に示すように、演出図柄の停止図柄を導出表示し、演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、第1保留記憶が3つ溜まっている状態から第1保留記憶を1つ消化して第1特別図柄の変動表示を開始するとともに、図53(8)に示すように、演出図柄の変動表示を開始する。従って、図53(8)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ消去されて第1保留表示を2つ表示した状態となる。また、第1保留記憶が1つ消化されて第1保留表示がシフトされたタイミングで、保留予告演出の判定が延期された第1保留記憶について保留予告演出の判定が行われる(S6510参照)。本例では、保留予告演出を実行することに決定され、図53(8)に示すように、保留予告演出の判定が延期された第1保留記憶に対応する第1保留表示の表示態様が、通常の表示態様から、決定した保留予告演出の態様に変更され、遡及的に保留予告演出が開始される(S6513参照)。
次に、図54を参照して、第2保留記憶があること、または第2特別図柄の変動表示中であることを理由として、保留予告演出が制限される場合の演出態様の具体例を説明する。図54に示す例では、第1保留記憶が2つ溜まっている状態から第1保留記憶を1つ消化して第1特別図柄の変動表示を開始するとともに、図54(1)に示すように、演出図柄の変動表示を開始したものとする。従って、図54(1)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ消去されて第1保留表示を1つ表示した状態となる。
次いで、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、新たな始動入賞時のコマンドの送信が行われたものとする。そして、図54(2)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて第2保留表示が1つ増加されて第2保留表示を1つ表示した状態となる。なお、本例では、新たに発生した第2保留記憶に対して保留予告演出を実行しないことに決定し、図54(2)に示すように、通常の表示態様で第2保留表示を1つ表示した状態になったものとする。
次いで、新たに第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、新たな始動入賞時のコマンドの送信が行われたものとする。そして、図54(3)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ増加されて第1保留表示を2つ表示した状態となる。
この場合、第2保留記憶があることにもとづいて、保留予告演出の判定が延期され、保留予告演出が制限される(S6006参照)。
そして、変動時間が終了すると、図54(4)に示すように、演出図柄の停止図柄を導出表示し、演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、第2保留記憶が1つあることにもとづいて、第2保留記憶が優先消化され、第2特別図柄の変動表示を開始するとともに、図54(5)に示すように、演出図柄の変動表示を開始する。従って、図54(5)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて第2保留表示が1つ消去されて第2保留表示がない状態となる。また、第2保留記憶が1つ消化されて第2保留表示がシフトされたタイミングでが保留予告演出処理(2)が実行されるのであるが(S662C参照)、第2特別図柄の変動表示中であることにもとづいて、さらに保留予告演出の判定が延期され、保留予告演出が制限される(S6509参照)。
次いで、新たに第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、新たな始動入賞時のコマンドの送信が行われたものとする。そして、図54(6)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ増加されて第1保留表示を3つ表示した状態となる。
この場合、第2特別図柄の変動表示中であることにもとづいて、保留予告演出の判定が延期され、保留予告演出が制限される(S6007参照)。
そして、変動時間が終了すると、図54(7)に示すように、演出図柄の停止図柄を導出表示し、演出図柄の変動表示を終了する。
次いで、第1保留記憶が3つ溜まっている状態から第1保留記憶を1つ消化して第1特別図柄の変動表示を開始するとともに、図54(8)に示すように、演出図柄の変動表示を開始する。従って、図54(8)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ消去されて第1保留表示を2つ表示した状態となる。また、第1保留記憶が1つ消化されて第1保留表示がシフトされたタイミングで、保留予告演出の判定が延期された第1保留記憶について保留予告演出の判定が行われる(S6510参照)。本例では、図54(3)で発生した1つ目の第1保留記憶については保留予告演出を実行しないことに決定され、図54(6)で発生した2つ目の第1保留記憶については保留予告演出を実行することに決定され、図54(8)に示すように、保留予告演出の判定が延期された2つ目の第1保留記憶に対応する第1保留表示の表示態様が、通常の表示態様から、決定した保留予告演出の態様に変更され、遡及的に保留予告演出が開始される(S6513参照)。
また、この実施の形態では、所定演出実行エリア9Fにおいて普通図柄の変動表示に対応してルーレットを回転させるような態様の所定演出が実行される。図55は、所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。
図55(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、演出図柄の変動が開始される(図55(B)参照)。そのときに、演出表示装置9の表示画面に表示されているキャラクタAの画像9Aが動くような表示制御(予兆演出)が実行される。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出のための画像である報知画像(例えば、「ルーレットチャンス」を表示する画像)9Bを表示する制御(開始演出)が実行される(図55(C)参照)。そして、報知用演出が開始される。
この実施の形態では、所定演出中の報知用演出は、所定演出実行エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出(ルーレットが回転するような態様の演出)である(図55(D)参照)。その後、所定演出実行エリア9Fにおいて、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9Cが停止表示される(図55(E)参照)。次いで、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するような報知用画像9Dが表示される(図55(F)参照)。その後、演出表示装置9に、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御されることを明示する画像9Eが表示(結果報知演出)される(図55(F)参照)。
そして、この実施の形態では、図55に示す態様で所定演出が実行されているときに新たな始動入賞が発生した場合にも、保留予告演出の判定が延期され、保留予告演出が制限される(S6005参照)。
なお、図55に示すような態様で所定演出において可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知する場合、例えば、所定演出において報知結果「○」を表示する前に可変入賞球装置15を短時間(例えば、0.5秒間)開放するような演出を行い、可変入賞球装置15を短時間開放した後に図55(E)〜(G)に示すような態様で報知結果「○」を表示してから、可変入賞球装置15を長時間(本例では、図19に示すように5.8秒×1回や1.8秒×3回)開放するようにしてもよい。また、例えば、報知結果「○」の表示と同時に可変入賞球装置15を短時間開放してから、可変入賞球装置15を長時間開放するようにしてもよい。そのようにすれば、可変入賞球装置15を長時間開放する直前に、示唆的に可変入賞球装置15を短時間開放するので、可変入賞球装置15の開放タイミングを遊技者に明確に認識させることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、開始条件が成立する前に(本例では、始動入賞時に)、所定の情報(本例では、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数)にもとづいて演出図柄の可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となるか否かを先読み判定する。そして、その先読み判定結果にもとづいて、保留予告演出を実行する。この場合、演出図柄の変動表示中に予告演出のうちの特定予告演出(本例では、所定演出、可動物予告演出)が実行されているときに新たな始動入賞が発生した場合には、先読み判定結果にかかわらず、特定予告演出が終了するまで当該始動入賞に対して保留予告演出の実行を制限する。そのため、特定予告演出に対する注目度を維持しつつ保留予告演出の実行頻度の低下を防止して、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出図柄の変動表示中にリーチ演出のうちの特定リーチ演出(本例では、スーパーリーチ演出)が実行されているときに新たな始動入賞が発生した場合には、先読み判定結果にかかわらず、特定リーチ演出が終了するまで当該始動入賞に対して保留予告演出の実行を制限する。そのため、特定リーチ演出に対する注目度を維持しつつ保留予告演出の実行頻度の低下を防止して、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、演出図柄の変動表示が実行されている期間のうち、特定予告演出や特定リーチ演出が実行されている期間に新たに始動入賞が発生した場合に関して保留予告演出を制限する場合(すなわち、演出図柄の変動表示が実行されている期間のうち、特定予告演出や特定リーチ演出が実行される前と後の期間については、保留予告演出を実行可能である場合)を示しているが、保留予告演出を制限する期間は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、特定予告演出や特定リーチ演出を伴う演出図柄の変動表示が実行される全ての期間で一律に保留予告演出を制限する(制限された保留記憶について保留予告演出を全く行わなくても、次の変動表示以降で保留予告演出を実行するものでもよい)ように構成してもよい。また、例えば、特定予告演出や特定リーチ演出に先立って特定予告演出や特定リーチ演出を示唆する示唆演出(例えば、表示画面を黒色の画面に暗転(ブラックアウト)させる演出や、スーパーリーチへの発展を煽る演出)が実行される場合に、示唆演出が実行された時点から保留予告演出を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、保留予告演出を特定のタイミングで(本例では、始動入賞が発生したとき)実行し、特定のタイミングにおいて第2保留記憶が記憶されている場合には、保留予告演出の実行を制限する。そのため、特定遊技状態(本例では、大当り遊技状態)の可能性をストックした状態で遊技が実行されることを防止し、射幸性が必要以上に高くなることを防止することができる。すなわち、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されるのであるから、第2保留記憶が記憶されている状態で第1保留記憶について保留予告演出を実行してしまうと、実行が後回しにされる第1保留記憶に大当りとなる可能性があることを認識されてしまう。すると、大当りとなる可能性がある第1保留記憶をストックした状態で、第2特別図柄の変動表示により遊技が実行されて連続した大当りを狙うことが可能となってしまい、射幸性が必要以上に高くなる可能性がある。そこで、この実施の形態では、第2保留記憶が記憶されている状態では保留予告演出を制限することによって、射幸性が必要以上に高くなることを防止している。
なお、この実施の形態では、特定のタイミングとして、始動入賞が発生したタイミングで保留予告演出の判定および実行を行う場合(ただし、保留予告演出の制限後には、保留記憶の消化(保留表示のシフト)のタイミングで保留予告演出の判定および実行を行っている)を示しているが、特定のタイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、始動入賞のタイミングで保留予告演出の判定や実行を行うのではなく、保留記憶の消化(保留表示のシフト)のタイミングで特定のタイミングとなったものとして、保留予告演出の判定および実行を行うようにしてもよい。また、例えば、始動入賞発生後に所定時間(例えば、10秒)経過したタイミングで特定のタイミングとなったものとして、保留予告演出の判定および実行を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留予告演出を制限した後、保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングで、第2保留記憶がなく第2特別図柄の変動表示中でもなければ、判定を延期した第1保留記憶について保留予告演出の判定および実行を行う場合を示しているが、第2保留記憶が記憶されていることや第2特別図柄の変動表示中であることを理由として保留予告演出を制限した場合には、その後、その第1保留記憶について保留予告演出を全く実行しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bにおいて通常の表示態様(本例では、緑色の丸形表示)とは異なる保留予告演出用の表示態様(本例では、青色や赤色、虹色の丸形表示)で保留表示を表示することにより保留予告演出を特定のタイミングで実行する。また、所定の非表示条件(本例では、可動物予告演出やスーパーリーチ演出の実行)が成立したことにもとづいて第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bにおいて保留表示を非表示状態とする非表示制御を実行し、所定の非表示条件の成立が解除されたことにもとづいて第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bにおいて保留表示を表示状態とする表示制御を実行する。また、特定のタイミングにおいて非表示制御が実行されている場合には、保留予告演出の実行を制限し、保留予告演出の実行が制限された後に、非表示制御を終了し表示制御を実行するときには、通常の表示態様で保留表示を表示する。そのため、非表示制御から表示制御に移行したときに保留予告演出が既に実行されているような事態を防止し、遊技に対する興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、保留表示の表示態様を通常の表示態様とは異ならせることによって保留予告演出を実行する場合を示したが、保留予告演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bにおいて、保留表示に上にキャラクタなどを表示するなどの態様で保留予告演出を実行するものであってもよい。また、例えば、始動入賞に応じてスピーカ27から特定の効果音を出力したり、ファンなどを回転させることにより遊技機の所定箇所(例えば、操作手段(例えば、操作ボタンや、操縦桿形状の操作手段の付近)から風をおこしたり、遊技機に設けられた操作手段を振動させたりすることによって保留予告演出を実行してもよい。
また、この実施の形態では、第1保留記憶表示部9aおよび第2保留記憶表示部9bにおいて保留表示を消去することによって非表示制御を実行する場合を示しているが、非表示制御の態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第1保留記憶表示部9aおよび第2保留記憶表示部9bに表示される保留表示を、遊技機に設けられた可動部材を可動させて隠蔽することによって、非表示制御を実行してもよい。
また、この実施の形態では、演出表示装置9(液晶表示装置)の表示画面上に設けられた第1保留記憶表示部9aおよび第2保留記憶表示部9bに表示する保留表示を非表示状態とする場合を示したが、液晶表示画面上の保留表示にかぎらず、液晶表示画面以外の領域に設けられた保留記憶表示器(例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aや第2特別図柄保留記憶表示器18b)をカバーなどの可動部材で隠すことによって、非表示制御を実行してもよい。
また、この実施の形態では、演出図柄の変動表示が実行されている期間のうち、非表示制御が実行されている期間に新たに始動入賞が発生した場合に関して保留予告演出を制限する場合(すなわち、演出図柄の変動表示が実行されている期間のうち、非表示制御が実行される前と後の期間については、保留予告演出を実行可能である場合)を示しているが、保留予告演出を制限する期間は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、特定予告演出や特定リーチ演出により非表示制御を智なる演出図柄の変動表示が実行される全ての期間で一律に保留予告演出を制限する(制限された保留記憶について保留予告演出を全く行わなくても、次の変動表示以降で保留予告演出を実行するものでもよい)ように構成してもよい。また、例えば、非表示制御に先立って非表示制御を示唆する示唆演出(例えば、リーチの選択演出や、可動物予告演出が次回実行されることを予告する次回予告演出)が実行される場合に、示唆演出が実行された時点から保留予告演出を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特定のタイミングにおいて可動部材78が可動されている場合には、保留予告演出の実行を制限する。そのため、可動部材78の可動に対する注目度を維持しつつ保留予告演出の実行頻度の低下を防止して、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、演出図柄の変動表示が実行されている期間のうち、可動部材78が可動されている期間に新たに始動入賞が発生した場合に関して保留予告演出を制限する場合(すなわち、演出図柄の変動表示が実行されている期間のうち、可動部材78が可動される前と後の期間については、保留予告演出を実行可能である場合)を示しているが、保留予告演出を制限する期間は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、可動部材78の可動を伴う演出図柄の変動表示が実行される全ての期間で一律に保留予告演出を制限する(制限された保留記憶について保留予告演出を全く行わなくても、次の変動表示以降で保留予告演出を実行するものでもよい)ように構成してもよい。また、例えば、可動部材78の可動に先立って可動部材78の可動を示唆する示唆演出(例えば、可動部材78の可動を示唆するセリフ予告演出や、可動部材78の可動を伴うスーパーリーチへの発展を煽る演出)が実行される場合に、示唆演出が実行された時点から保留予告演出を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特定のタイミングにおいて所定の制限条件(本例では、所定演出の実行中である場合や、可動物予告演出の実行中である場合、スーパーリーチ演出の実行中である場合、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合)が成立している場合には、保留予告演出の実行を制限し、特定のタイミングと異なる実行タイミングで(本例では、保留記憶を消化し保留表示をシフトするとき)保留予告演出を実行する。そのため、最適なタイミングで保留予告演出を実行して保留予告演出に対して注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、始動入賞が発生したタイミングで特定のタイミングとなったものとし、この特定のタイミングで保留予告演出を制限した場合には、特定のタイミングと異なる実行タイミングとして保留記憶を消化し保留表示をシフトしたタイミングで保留予告演出を実行する場合、すなわち、保留予告演出を制限した後、特定のタイミングの後の実行タイミングで保留予告演出を実行する場合を示したが、このような場合にかぎらず、例えば、特定のタイミングと異なる実行タイミングとして、特定のタイミングよりも前のタイミングで保留予告演出を実行するように構成してもよい。例えば、既に説明したように、始動入賞発生後に所定時間(例えば、10秒)経過したタイミングで特定のタイミングとなったものとして保留予告演出を実行するように構成する場合、特定のタイミングとなるまでにあらかじめ所定の制限条件が成立するか否かを知ることができる。そのため、あらかじめ所定の制限条件が成立することが分かっている場合には、特定のタイミングとなるよりも前に保留予告演出を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、所定演出の実行中である場合や、可動物予告演出の実行中である場合、スーパーリーチ演出の実行中である場合、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合に所定の制限条件が成立したとして、保留予告演出を制限する場合を示しているが、所定の制限条件は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、各種エラー報知が実行されている場合など、変動表示が実行されていない状態(なお、所定演出の実行中でも変動表示が実行されていない場合がある)でも所定の制限条件が成立したものとして、保留予告演出を制限するようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、第2特別図柄の変動表示は第1特別図柄の変動表示に優先して実行され、第2始動入賞口13は遊技球が通過しやすい第1状態(可変入賞球装置15の開放状態)と遊技球が通過しにくい第2状態(可変入賞球装置15の閉鎖状態)とに制御可能である。そして、特定予告演出として、第2始動入賞口14が第1状態に制御されることを報知する所定演出を実行し、所定演出が実行されていることにもとづいて保留予告演出を制限する。そのため、第1保留記憶に特定遊技状態となる可能性があるものが存在することを認識した状態で遊技が実行されることを未然に防止することができ、射幸性が必要以上に高くなることを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、特定予告演出として、可動部材78を可動させる可動物予告演出を実行する。そのため、可動部材78の可動に対する注目度が低下してしまうことを防止し、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、特定予告演出として所定演出や可動物予告演出が実行されている場合に保留予告演出を制限する場合を示したが、特定予告演出は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、特定予告演出として、演出図柄の変動表示中に再抽選演出が実行されている場合や、激熱予告演出(例えば、群予告演出や背景予告演出)が実行されている場合、煽り予告演出(例えば、擬似連が継続するか否かや、スーパーリーチに発展するか否か、チャンス目に発展するか否かを煽る演出)が実行される場合に、保留予告演出を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特定リーチ演出として、可動部材78の可動を伴うスーパーリーチ演出を実行する。そのため、可動部材78の可動に対する注目度が低下してしまうことを防止し、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、始動入賞が発生したことにもとづいて、演出図柄の変動表示の表示結果が特定表示結果となるか否かの先読み判定を実行し、先読み判定が実行されるときに特定予告演出や特定リーチ演出が実行されている場合や、第2保留記憶が記憶されている場合、非表示制御が実行されている場合、可動部材78が可動されている場合には、当該特定予告演出や特定リーチ演出が終了した後や、第2保留記憶が記憶されていない状態となった後、当該非表示制御が終了した後、可動部材78の可動が終了した後に特定条件(本例では、保留記憶を消化し保留表示をシフトすること)が成立したことにもとづいて保留予告演出を実行する。そのため、保留予告演出の実行タイミングを遅らせることにより、特定予告演出や特定リーチ演出に対する注目度を維持しつつ保留予告演出の実行頻度の低下を防止して、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、保留予告演出が制限された後、特定条件として、保留記憶を消化し保留表示をシフトするタイミングとなったことにもとづいて、判定が延期された保留記憶について保留予告演出の判定および実行を行う場合を示しているが、特定条件は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第2保留記憶がなくなった場合や、図柄確定指定コマンドを受信して演出図柄の停止図柄が確定したこと、変動パターンコマンドを受信して次の変動表示が開始されたことにもとづいて、特定条件が成立したとして、判定が延期された保留記憶について保留予告演出の判定および実行を行うように構成してもよい。また、例えば、特定予告演出や特定リーチ演出を終了したタイミングで直ちに保留予告演出の判定および実行を行うように構成してもよく、特定予告演出や特定リーチ演出を終了した後、所定時間(例えば、10秒)経過したタイミングで保留予告演出の判定および実行を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、第1保留記憶の数が減少するときに保留予告演出を実行可能である。そのため、保留予告演出が実行されるタイミングを把握でき、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、リーチ演出のうちの特定リーチ演出(本例では、スーパーリーチ演出)が実行されているときに所定の非表示条件が成立したとして非表示制御を実行する。そのため、特定リーチ演出に注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、所定演出が実行されていることにもとづいて、所定の制限条件が成立しているとして保留予告演出の実行を制限する。そのため、所定演出が実行されているときを避けて、最適なタイミングで保留予告演出を実行するとこができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態において、保留予告演出の実行を禁止することにより保留予告演出の実行を制限するように構成してもよい。この場合、例えば、保留記憶の消化(保留表示のシフト)時に実行する保留予告演出(2)(S660C,S662C参照)を設けないようにし、遡及的に保留予告演出が実行される場合がないように構成すればよい。そのように構成すれば、保留予告演出の実行を完全に禁止することにより、特定予告演出や特定リーチ演出に対する注目度を維持しつつ、射幸性が必要以上に高くなることを防止しつつ、および可動部材の可動に対する注目度を維持しつつ保留予告演出の実行頻度の低下を防止して、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に、大当りや小当りとなるか否かや、大当り種別、変動パターン種別を判定し、第1保留記憶または第2保留記憶が増加したことを認識可能に保留記憶情報(本例では、保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信し、大当りや小当りとなるか否かや、大当り種別、変動パターン種別の判定結果を示す判定結果情報(本例では、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンド)を送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、少なくとも保留記憶情報または判定結果情報のうちのいずれかを正常に受信することができなかった場合に、保留予告演出の実行を制限する。そのため、先読み判定の判定結果にもとづかずに誤って保留予告演出を実行してしまうことを防止することができ、保留予告演出の信頼性の低下を防止することができる。
なお、この実施の形態では、先読み判定結果にもとづき所定予告演出として保留予告演出を実行する場合を示したが、例えば、保留予告演出以外の連続予告演出(「図柄変動時の変動形態の変化」や「モード移行」、「カウントダウン」の態様の連続予告演出)を実行可能に構成してもよい。そして、そのような連続予告演出を実行可能に構成した場合に、この実施の形態と同様の処理に従って、保留記憶情報または判定結果情報のうちのいずれかを正常に受信することができなかった場合に、連続予告演出の実行を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、一の保留記憶にもとづいて送信された判定結果情報(本例では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を正常に受信することができなかった場合に、一の保留記憶にもとづく変動表示が開始されるまで保留予告演出の実行を制限する。そのため、保留予告演出の整合がとれなくなって、保留予告演出の信頼性が低下することを防止することができる。
また、この実施の形態では、コマンドの取りこぼしや不整合が生じた場合に、保留予告演出の決定自体を行わないように構成する場合を示しているが、保留予告演出の決定自体は行うようにし、その実行を制限するようにしてもよい。例えば、保留予告演出処理(1)においてS6003〜S6004の判定処理でコマンドの取りこぼしや不整合を検出した場合にはS6017の処理を実行して保留予告設定制限フラグをセットする一方、S6003〜S6004の判定結果や保留予告設定制限フラグの有無にかかわらず、S6008の保留予告演出の決定の処理は必ず実行するようにしてもよい。そして、保留予告設定制限フラグがセットされていれば、S6008の決定結果にかかわらず通常の態様で保留表示を表示するようにして保留予告演出を実行しないように制限してもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、新たな始動入賞が発生したときに先読み判定の処理(S1217A,S1217B参照)自体は実行するようにし、所定演出の実行中である場合や、可動物予告演出の実行中である場合、スーパーリーチ演出の実行中である場合、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合に、保留予告演出の判定を延期して保留予告演出を制限する場合を示したが、先読み判定の処理自体を延期して保留予告演出を制限するように構成してもよい。以下、先読み判定の処理自体を延期して保留予告演出を制限する第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図56は、第2の実施の形態における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図56(A)に示すように、この実施の形態では、第1始動口スイッチ通過処理において、第1の実施の形態で示したS1217Aの入賞時演出処理は行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で先読み判定の処理は行わない。また、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドに代えて、演出制御用CPU101は、S1214Aで抽出したランダムR(大当り判定用乱数)の値を設定した大当り判定用乱数コマンドを送信する制御を行う(S1218a)とともに、S1214Aで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値を設定した変動パターン種別判定用乱数コマンドを送信する制御を行う(S1219a)。なお、S1211A〜S1216A,S1220Aの処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
また、図56(B)に示すように、この実施の形態では、第2始動口スイッチ通過処理において、第1の実施の形態で示したS1217Bの入賞時演出処理は行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で先読み判定の処理は行わない。また、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドに代えて、演出制御用CPU101は、S1214Bで抽出したランダムR(大当り判定用乱数)の値を設定した大当り判定用乱数コマンドを送信する制御を行う(S1218b)とともに、S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値を設定した変動パターン種別判定用乱数コマンドを送信する制御を行う(S1219b)。なお、S1211B〜S1214B,S1220Bの処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図57は、第2の実施の形態における保留予告演出処理(1)(S800B)を示すフローチャートである。保留予告演出処理(1)において、S6000〜S6002の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、S6002で保留予告設定制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、現在の処理対象の始動入賞時のコマンドの内容を確認し、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したか否かを確認する(S6003a)。なお、S6003aにおける基本的な判定方法は、第1の実施の形態で示したS6003と同様であるが、S6003aでは、演出制御用CPU101は、第1の実施の形態で示した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドに代えて、大当り判定用乱数コマンド、変動パターン種別判定用乱数コマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドを順番通りに全て受信したか否かを判定する。
また、この実施の形態では、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの送受信は行われないので、第1の実施の形態で示したS6004の判定処理は行われない。
次いで、S6005〜S6007の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、第2特別図柄の変動表示中でもなければ(S6007のN)、演出制御用CPU101は、大当り判定用乱数コマンドで特定される大当り判定用乱数の値、および変動パターン種別判定用乱数コマンドで特定される変動パターン種別判定用乱数の値にもとづいて、入賞時演出処理を実行し、先読み判定の処理を行う(S6008a)。なお、S6008aの入賞時演出処理の基本的な処理内容は、第1の実施の形態で示したS1217A,S1217Bの処理と同様である。
そして、演出制御用CPU101は、S6008aの判定結果(具体的には、変動カテゴリが非リーチや、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ大当りとなるか否かの判定結果)にもとづいて、保留予告演出の実行有無および演出態様を決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(S6008b)。
従って、この実施の形態では、S6000の処理が実行されることによって、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信しても、可動物予告演出やスーパーリーチ演出の実行中であり非表示制御中である場合には、先読み判定の処理自体を延期して保留予告演出を直ちに開始しないようにし、保留予告演出が制限される。
また、この実施の形態では、S6005〜S6007の処理が実行されることによって、新たな始動入賞が発生して始動入賞時にコマンドを受信しても、所定演出の実行中である場合や、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合には、先読み判定の処理自体を延期して保留予告演出を直ちに開始しないようにし、保留予告演出が制限される。
なお、S6009以降の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図58は、第2の実施の形態における保留予告演出処理(2)(S660C,S662C)を示すフローチャートである。保留予告演出処理(2)において、S6501〜S6502の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時のコマンドが格納されている全ての格納領域1〜8において、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信した格納状態となっているか否かを確認する(S6503a)。なお、S6503aにおける基本的な判定方法は、第1の実施の形態で示したS6503と同様であるが、S6503aでは、演出制御用CPU101は、第1の実施の形態で示した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドに代えて、始動入賞時コマンド格納領域の全ての格納領域1〜8において、大当り判定用乱数コマンド、変動パターン種別判定用乱数コマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドが順番通りに全て受信した格納状態となっているか否かを判定する。
また、この実施の形態では、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの送受信は行われないので、第1の実施の形態で示したS6504の判定処理は行われない。
次いで、S6505〜S6509の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、第2特別図柄の変動表示中でもなければ(S6509のN)、演出制御用CPU101は、大当り判定用乱数コマンドで特定される大当り判定用乱数の値、および変動パターン種別判定用乱数コマンドで特定される変動パターン種別判定用乱数の値にもとづいて、入賞時演出処理を実行し、先読み判定の処理を行う(S6510a)。なお、S6510aの入賞時演出処理の基本的な処理内容は、第1の実施の形態で示したS1217A,S1217Bの処理と同様である。
そして、演出制御用CPU101は、S6510aの判定結果(具体的には、変動カテゴリが非リーチや、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ大当りとなるか否かの判定結果)にもとづいて、保留予告演出の実行有無および演出態様を決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(S6510b)。
なお、S6511以降の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、始動入賞が発生したことにもとづいて、予告演出やリーチ演出が実行されているか否かを判定し、特定予告演出(本例では、所定演出、可動物予告演出)や特定リーチ演出(本例では、スーパーリーチ演出)が実行されていると判定された場合や、第2保留記憶が記憶されている場合、非表示制御が実行されている場合、可動部材78が可動されているには、当該特定予告演出や特定リーチ演出が終了した後や、第2保留記憶が記憶されていない状態となった後、当該非表示制御が終了した後、可動部材78の可動が終了したに特定条件(本例では、保留記憶を消化し保留表示をシフトすること)が成立したことにもとづいて、演出図柄の変動表示の表示結果が特定表示結果となるか否かの先読み判定を実行する。そのため、先読み判定の判定タイミングを遅らせることにより、特定予告演出や特定リーチ演出に対する注目度を維持しつつ保留予告演出の実行頻度の低下を防止して、遊技に対する興趣を向上させることができる。
第1の実施の形態では、可動物予告演出やスーパーリーチ演出において、演出表示装置9(画像表示装置)の外部から演出表示装置9の表示画面の前面に重複する態様で可動する可動部材78を可動させる場合を示したが、可動物予告演出やスーパーリーチ演出で可動させる可動部材は、このようなものにかぎらず、可動しても演出表示装置9の表示画面の前面に重複しないものであってもよい。例えば、可動物予告演出やスーパーリーチ演出において、遊技機の遊技枠側に設けられた可動部材を可動させるようなものであってもよい。
第1の実施の形態では、新たな始動入賞が発生したときに保留予告演出を制限した後、保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングでも、依然として所定演出の実行中である場合や、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合には、さらに保留予告演出を制限する場合を示したが、保留予告演出の制限回数に上限を設けるようにし、依然として所定演出の実行中である場合や、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合であっても、保留予告演出の制限回数が上限回数に達していれば、保留予告演出の判定および実行を行うようにしてもよい。
また、上記各実施の形態のパチンコ遊技機1は、演出用の表示装置(液晶表示装置、LCD)として、演出表示装置9を備えていたが、これに加えて、演出用のサブの表示装置(サブ液晶表示装置)を備えるようにしてもよい。例えば、図59に示すように、演出表示装置9の周辺部分に副演出表示装置91を設けてもよい。副演出表示装置91は、例えば演出表示装置9よりも小型のLCD(液晶表示装置)等から構成される。副演出表示装置91では、演出表示装置9における演出図柄の変動表示に関連した演出が実行されればよい。
図60は、演出制御基板80、演出表示装置9、及び、副演出表示装置91を示す構成図である。図60に示すように、副演出表示装置91は、演出制御基板80に接続され、副演出表示装置91における演出動作は、演出制御基板80によって制御される。例えば、演出制御基板80において、副演出表示装置91における演出内容に対応した演出制御パターン(プロセステーブル、副画像表示装置用演出制御パターン)を記憶しておき、演出制御基板80において副演出表示装置91における演出を実行するか否かを決定し、演出を実行する場合には、演出制御用CPU101がその副画像表示装置用演出制御パターンに従って、副演出表示装置91における表示制御を実行すればよい。
副演出表示装置91における演出の一例としては、演出表示装置9の第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bにおいて表示されていた保留記憶表示を、副演出表示装置91に表示するようにしてもよい。このようにすることで、演出表示装置9における変動表示や各種の演出が見やすくなるとともに、保留記憶数がより分かりやすくなる。
また、上記実施の形態では、所定予告演出は演出表示装置9において実行されていたが、副演出表示装置91において所定予告演出を実行するようにしてもよい。例えば、副演出表示装置91において所定予告演出として、予告対象の保留記憶表示を第1の表示態様(例えば、緑色の丸形表示)とは異なる第2の表示態様(例えば、青色、赤色、虹色の丸形表示や星形表示)とする保留予告演出を実行するようにしてもよい。このような、第2の示態様の保留記憶表示を予告対象の変動表示が実行されるまでの複数回の変動表示に亘って連続的に表示しておくことで、予告対象の変動表示結果を予告することができ、遊技者は当該予告対象の変動表示結果が大当りとなることを期待するようになる。特に、副演出表示装置91において所定予告演出を実行することで、現在演出表示装置9で実行されている変動表示とは分離して所定予告演出の演出内容を確認できるので、所定予告演出を遊技者に分かりやすく実行することができる。
なお、この場合に保留予告演出を実行するか否かや演出態様の決定方法は上記実施の形態(図39のS6008)と同様であってよい。例えば、図61(A)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示の実行中に、図61(B)に示すように、第2始動入賞口14に遊技球が入賞して、当該入賞に基づく変動カテゴリコマンドの指定内容が「大当り」である場合などには、図61(C)に示すように、副演出表示装置91における保留記憶表示を第2の表示態様(星型)で増加させる制御が実行されればよい。なお、副演出表示装置91における保留記憶表示は、上記実施の形態の第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bにおける表示と同様に、変動表示が実行される毎に左方向にシフトするように更新表示されればよい。
なお、副演出表示装置91における所定予告演出の種類や演出態様は1種類に限定されず、複数種類あってもよい。
図59に示した例では、副演出表示装置91は、演出表示装置9の周辺部分に固定されていたが、副演出表示装置91が可動式であってもよい。例えば、副演出表示装置91における演出内容に応じて遊技盤2上の上下左右方向に移動可能であってもよい。また、副演出表示装置91は遊技盤2内などに収納可能であってもよいし、回転動作して副演出表示装置91のLCD部分を視認可能な状態から視認不可能な状態に切り替え可能にしてもよい。この場合、副演出表示装置91において演出を実行していないときには、副演出表示装置91を収納したり、LCD部分を視認不可能と状態とするようにしてもよい。そして、副演出表示装置91において演出を実行するときに、副演出表示装置91を登場させたり、LCD部分を視認可能と状態としてもよい。
このように、副演出表示装置91が可動式とすることで、副演出表示装置91による演出が多彩になり、副演出表示装置91における演出に遊技者がより注目するようになる。
このように副演出表示装置91を可動式とした場合には、演出制御用CPU101が、副画像表示装置用演出制御パターンに従って、ソレノイドやモータを駆動させることによって副演出表示装置91を動作させればよい。
また、副演出表示装置91が可動式に構成して、副演出表示装置91のLCD部分を視認可能な状態から視認不可能な状態に切り替え可能とした場合、副演出表示装置91のLCD部分を視認不可能な状態にすることで、保留記憶表示を非表示状態とする非表示制御を実行し、副演出表示装置91のLCD部分を視認可能な状態にすることで、保留記憶表示を表示状態とする表示制御を実行するようにしてもよい。そして、保留記憶表示の非表示制御が実行されている場合には、保留予告演出の実行を制限し、保留予告演出の実行が制限された後に、非表示制御を終了し表示制御を実行するときには、第1の表示態様で保留表示を表示するようにしてもよい。このようなすることで、副演出表示装置を動作させて非表示制御から表示制御に移行したときに保留予告演出が既に実行されているような事態を防止し、遊技に対する興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
また、副演出表示装置91において所定予告演出以外の演出を実行するようにしてもよい。例えば、副演出表示装置91において、予め定められた特定演出を実行し、演出表示装置9において、特定演出の演出内容に対応した特別演出を実行するようにしてもよい。例えば、副演出表示装置91において演出結果として成功と失敗とがある特定演出を実行し、その特定演出が成功となったときに、副演出表示装置91において「滑り」や「擬似連」の変動表示演出が実行されたり、スーパーリーチとなるようにしてもよい。この場合は、演出制御基板80において、変動パターン(変動表示演出を伴うか否かやスーパーリーチとなるか否か)に基づいて特定演出を実行するか否かやその演出結果を決定するようにすればよい。このようすることで、副演出表示装置91における演出内容に応じて、演出表示装置9における演出内容も変化するので、副演出表示装置91における演出に遊技者がより注目するようになる。
また、遊技者のミッションを提示して、そのミッションが達成できた場合には遊技者にとって有利となるような演出(ミッション演出)を実行する場合において、演出表示装置9において遊技者にミッションを提示した後に、そのミッションの内容を副演出表示装置91に継続的に表示しておくようにしてもよい。このようにすることで、遊技者がミッションの内容を把握しやすくなる。
また、副演出表示装置91において演出表示装置9における演出の説明を表示するようにしてもよい。例えば、演出表示装置9において実行されているリーチ演出や予告演出の信頼度や擬似連変動の回数を副演出表示装置91に表示するようにしてもよい。
また、副演出表示装置91において低ベース状態における普通図柄表示器20の表示結果を予告示唆するような演出(例えばルーレットの演出など)を実行してもよい。また、副演出表示装置91において低ベース状態において普図当りとなって開放した第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合に、当該入賞に基づく変動表示に対応した演出を実行するようにしてもよい。例えば、低ベース状態において、第2始動入賞口に複数の遊技球が入賞した場合、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されるので、第2特図を用いた特図ゲームに対応した変動表示が複数回連続して実行されることになる。この場合、第2特図に対応した保留が消化されるまで、特別な演出モードに移行するようにして、その特別な演出モードに対応した演出を演出表示装置91において実行するようにしてもよい。
また、プッシュボタン120を操作させる演出を実行する場合に、演出表示装置91において操作を促す演出を実行するようにしてもよい。
以上説明したように、副演出表示装置91を設けることで、副演出表示装置91において多彩な演出を実行できる。また、演出表示装置9おける変動表示と切り離して演出が実行できるので、よりわかりやすい演出が実行できるようになる。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態で示した所定予告演出として連続予告演出や保留予告演出を実行する構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した連続予告演出や保留予告演出を実行する構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。そのような封入循環式のパチンコ機において、上記の各実施の形態の構成を適用し、封入循環式のパチンコ機の演出表示装置で演出図柄の変動表示を行う際に、保留予告演出を実行するように構成し、上記の各実施の形態と同様の処理を実行することによって、所定演出の実行中である場合や、可動物予告演出の実行中である場合、スーパーリーチ演出の実行中である場合、第2保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動表示中である場合には、直ちに保留予告演出を開始しないようにし、保留予告演出を制限するように構成してもよい。