JP2014053853A - 高周波切替モジュール及び高周波切替回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】高調波スイッチの回路面積の縮小と高線形性や低歪化を両立する。
【解決手段】本発明による高周波切替回路は、端子間の接続を制御するためのDC制御電圧が供給される制御端子と、当該DC制御電圧に応じた整流動作によって生成した負電圧を出力する負電圧ブースト回路の出力端子との接続を制御するブースト切替回路を備える。
【選択図】図2
【解決手段】本発明による高周波切替回路は、端子間の接続を制御するためのDC制御電圧が供給される制御端子と、当該DC制御電圧に応じた整流動作によって生成した負電圧を出力する負電圧ブースト回路の出力端子との接続を制御するブースト切替回路を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、高周波切替回路に関し、特に送受信兼用又は多ポートの切替が可能な高周波切替回路に関する。
GSM(Global System for Mobile Communications)、UNTS(Universal Mobile Telecommunications System)等で利用されるマルチモード無線通信機器には、アンテナ端子とマルチポート端子との間の接続を切り替えるアンテナ切替マルチポート高周波スイッチが搭載されている。このようなアンテナ切替マルチポート高周波スイッチ回路に要求される性能として、低挿入損失や、大信号入力時における出力信号の線形性が挙げられる。これらの性能を満足するスイッチとして、一般にGaAsを材料とした電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:以下FETと称す)を用いたスイッチが用いられてきた。しかしながら、近年、SOI(Silicon On Insulator)技術の導入により、寄生容量が小さく挿入損失特性が改善されたSiを材料とするMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)スイッチが高周波スイッチに使用されるようになってきている。MOSFETには、ゲート−ソース間電圧がVgs=0Vでは電流が流れないエンハンスメント型とVgs=0Vで電流が流れるデプレッション型がある。
高周波スイッチ回路にエンハンスメント型のMOSFETを用いた場合、閾値電圧(Vt)が0V付近となるため、スイッチのオン抵抗が低減され入力信号に対する出力信号の線形性が向上する。しかし閾値電圧Vtが0V付近であるため、ゲート−ソース(ドレイン)間電圧Vgsに負の電圧を供給しなければMOSFETが確実にオフとならず、スイッチの線形性が悪化してしまう。そこで、エンハンスメント型のMOSFETを確実にオフとするため、ゲート−ソース間に供給する負電圧を生成する回路(例えばオシレータやレギュレータ、あるいはチャージポンプ)を用意する必要がある。又、スイッチのアイソレーション特性を更に向上させるためには、負電圧生成回路における昇圧回路の段数を増やすことにより、より低い負電圧を供給する必要がある。
デプレッション型のMOSFETを利用することで、上述のような負電圧を生成する回路を削減、又はその回路規模を縮小することが可能となる。一例として、エンハンスメント型ではなくデプレッション型のMOSFETを用いた高周波切替回路(アンテナスイッチ装置)が、特開2010−114837号公報に記載されている(特許文献1参照)。
図1は、特許文献1に記載の高周波切替回路200の構成を示す図である。図1を参照して、特許文献1に記載の高周波切替回路200では、ANT端子201−送信端子203(Tx)間と、ANT端子201−受信端子205(Rx)間の導通切替が行われる。
送信(Tx)側スイッチ制御端子202に正電圧、受信(Rx)側スイッチ制御端子204に0Vが与えられると、送信(Tx)側スイッチ101がオンとなり、受信(Rx)側スイッチ102はオフとなる。高周波切替回路200に設けられた負電圧ブースト回路100は、送信(Tx)側スイッチ制御端子202からの通過交流信号を整流して生成した負電圧を、受信(Rx)側スイッチ102を構成するFET215のゲートに供給する。これにより、通過交流信号の電圧降下分が、オフ状態にある受信(Rx)側のFET215のゲートに加わることがなくなるため、スイッチの線形性悪化を防止できる。
特許文献1に記載の高調波切替回路200では、スイッチのTx側にブースト回路の交流入力ノード105を設定し、送信(Tx)側スイッチ101のFET211がオンの場合にのみ受信(Rx)側スイッチ102のFET215に対し負電圧ブースト回路100から負電圧が供給される。負電圧ブースト回路100は、交流入力ノード105に交流信号が入力される限り常に負電圧を発生し続ける。
送信(Tx)側のFET211がオンしている場合、受信(Rx)側のFET215は負電圧ブースト回路100から負電圧が印加されているため、オフの状態を維持し、低歪み化が可能である。特許文献1に記載の高周波切替回路200は、送信部(Tx)、受信部(Rx)をそれぞれ個別に固定して使用される。この場合、負電圧ブースト回路100による歪み低減効果は有効であるが、送信部(Tx)、受信部(Rx)を兼用した無線通信機器や、3ポート以上の多ポート切替を必要とする無線通信機器の場合、負電圧ブースト回路から供給される負電圧によって、不具合が生じることがある。
例えば、特許文献1に記載の高周波切替回路200を、送信部(Tx)、受信部(Rx)を兼用した無線通信機器に適用した場合、以下のような不具合が生じる。すなわち、受信(Rx)側のFET215をオンにするために受信(Rx)側スイッチ制御端子204に正電圧が印加されている間にも、負電圧ブースト回路100からFET215に負電圧が供給される。すなわち、オン状態のスイッチFET215のゲートに負電圧が供給されるため、FET215のオン抵抗の増加、もしくは、FET215がオン状態を維持できなくなるといった不具合が発生する。又、送信(Tx)側スイッチ制御端子202に0Vが印加された場合、閾値電圧がVt=0V付近に設定された送信(Tx)側のFET211が完全なオフ状態とならず、線形性や低歪化が悪化してしまう。
以上のように、送受信兼用の用途やSP3T以上の多ポート切替を必要とするアプリケーションには、負電圧ブースト回路から供給される負電圧によって線形性向上・低歪み化施策の適用が困難である。このため、回路面積の縮小と高線形性や低歪化を両立した高調波スイッチが望まれている。
本発明による高周波切替回路は、端子間の接続を制御するためのDC制御電圧が供給される制御端子と、当該DC制御電圧に応じた整流動作によって生成した負電圧を出力する負電圧ブースト回路の出力端子との接続を制御するブースト切替回路を備える。
ローレベルのDC制御電圧が供給されたとき、負電圧ブースト回路は、端子間の接続を制御するスイッチ回路に負電圧を供給する。一方、ハイレベルのDC制御電圧が供給されたとき、ブースト切替回路によって制御端子と出力端子とを接続することで、負電圧ブースト回路からスイッチ回路への負電圧の供給を停止し、スイッチ回路を確実にターンオンすることができる。このため、高周波切替モジュールは、送受信兼用の端子とアンテナ端子との間の接続を制御するスイッチ回路に対し、負電圧ブースト回路を搭載することが可能となる。あるいは、アンテナ端子とマルチポート端子との接続を切り替える複数のスイッチ回路のそれぞれに負電圧ブースト回路を個別に搭載することが可能となる。
本発明によれば、回路面積の増大を抑制しながら高調波スイッチの線形性を向上することができる。
又、回路面積の増大を抑制しながら、高調波スイッチの低歪化を実現できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面において同一、又は類似の参照符号は、同一、類似、又は等価な構成要素を示している。同一の構成を個別に示す場合は参照符号に追番を付して説明する。
図2及び図3を参照して、実施の形態における高周波切替モジュール1の構成の詳細を説明する。図3を参照して本実施の形態における高周波切替モジュール1は、複数の高周波切替回路10−1、10−2を備える。高周波切替回路10−1、10−2はそれぞれ相補に動作し、一方がオンである場合、他方がオフとなるように制御される。
図2は実施の形態における高周波切替回路10の構成を示す図である。図2を参照して、高周波切替回路10は、負電圧ブースト回路11、リミッター回路12、ブースト切替回路13を具備する。負電圧ブースト回路11は、DC電源30から制御端子N2に供給されるDC制御電圧Vcに基づいてアンテナ20から供給される交流信号を整流し負電圧を生成する。生成された負電圧は出力端子N5から抵抗R2を介してスイッチ制御端子N3(ゲート制御端子とも称す)に供給される。スイッチ回路40は、スイッチ制御端子N3から供給される電圧に応じて、図示しない通信装置とアンテナ20との接続を制御する。ブースト切替回路13は、制御端子N2と負電圧ブースト回路11の出力端子N5との間の接続を制御する電流制御素子(例えばスイッチ素子)を備える。制御端子N2は、抵抗R1を介してスイッチ回路40のスイッチ制御端子N3に接続される。DC電源30から制御端子N2に供給されたDC制御電圧Vcは、抵抗R1を介してスイッチ制御端子N3に供給される。
負電圧ブースト回路11は、容量素子C1、C2、ダイオードD1、D2、抵抗素子R3を備える。容量素子C1及び抵抗素子R3は、アンテナ端子N1とダイオードD1、D2との間に直列接続される。ここでは、容量素子C1の一端がアンテナ端子N1を介してアンテナ20に接続され、他端が抵抗素子R3を介してダイオードD1のアノード及びダイオードD2のカソードに接続される。ダイオードD1のカソードは制御端子N2及び容量素子C2の一端に接続され、ダイオードD2のアノードは出力端子N5及び容量素子C2の他端に接続される。
図2に示すブースト切替回路13は、ゲートが接地され、ソース及びドレインが制御端子N2と負電圧ブースト回路11の出力端子N5との間に接続されたPチャネル型MOSFET(以下、トランジスタT10と称す)を備える。トランジスタT10は、デプレッション型トランジスタが好ましく、ゲート接地されることで、制御端子N2に供給された電圧レベルがハイレベル(例えば+3v)のときオンとなり、ローレベル(例えば0v)のときオフとなる。尚、ブースト切替回路13として、ゲートに負電圧が供給されたエンハンスメント型トランジスタを利用してもよい。あるいは、耐圧の低いMOSFETに替えて、耐圧の高いGaAs系のトランジスタ(例えばGaAs−HEMT(High Electron Mobility Transistor)、GaAs−HBT(Heterojunction Bipolar Transistor))やパワーMOSFETをブースト切替回路13として利用してもよい。
リミッター回路12は、制御端子N2と出力端子N5との間に、ブースト切替回路13に対して並列に接続されブースト切替回路13に印加される電圧を調整する保護回路として機能する。図2に示すリミッター回路12は、アノードが制御端子N2に接続され、カソードが出力端子N5に接続されたPIN(p−intrinsic−n)ダイオードD3を備える。ブースト切替回路13(制御端子N2と出力端子N5の間)に所定の値以上の電圧が印加された場合、ダイオードD3に電流が流れることで、ブースト切替回路13の素子破壊を防止することができる。
例えば、高周波切替回路10をハイパワー用途として使用する場合、負電圧ブースト回路11で昇圧された電圧は非常に大きくなる。具体的には、アンテナ端子N1への入力Pinが35dBmである場合、±18V程度の振幅が制御端子N2と出力端子N5間に印加される。この場合、トランジスタT10が耐圧の低いMOSFETであるとき、トランジスタT10は破壊してしまうことがある。そこで、本実施の形態では、ブースト切替回路13のトランジスタT10とリミッター回路12のPINダイオードD3を並列に接続することで、トランジスタT10に印加される電圧レベルを調整して素子破壊を防止している。尚、ブースト切替回路13として耐圧の高いトランジスタが利用される場合、図2に示す構成からリミッター回路12を削除してもよい。
図3は、送信装置(Tx)及び受信装置(Rx)を兼用した通信装置における高周波切替モジュール1の構成の一例を示す図である。図3に示す高周波切替モジュール1は、2つの高周波切替回路10−1、10−2を具備する。
高周波切替回路10−1は、負電圧ブースト回路11−1、リミッター回路12−1、ブースト切替回路13−1、スイッチ回路40−1を備え、高周波切替回路10−2は、負電圧ブースト回路11−2、リミッター回路12−2、ブースト切替回路13−2、スイッチ回路40−2を備える。ここで、DC制御電圧として、制御端子N2−1にはDC制御電圧Vc1が供給され、制御端子N2−2にはDC制御電圧Vc2が供給される。DC制御電圧Vc1とDC制御電圧Vc2の信号レベルは相補の関係にあり、一方がハイレベル(例えば+3v)を示すとき他方はローレベル(例えば0v)を示す。又、高周波切替回路10−1、10−2はアンテナ端子N1に共通接続される。
スイッチ回路40−1は、端子N4−1とアンテナ端子N1との間にソース、ドレインが直列接続された複数のトランジスタT20−1を備える。複数のトランジスタT20−1のゲートは、対応する複数の抵抗R10−1を介してゲート制御端子N3−1に共通接続される。ゲート制御端子N3−1は、抵抗R1−1を介して制御端子N2−1に接続されるとともに、抵抗R2−1を介して負電圧ブースト回路11−1の出力端子N5−1に接続される。複数のトランジスタT20−1は、制御端子N2−1に供給されるDC制御電圧Vc1と出力端子N5−1から供給されるブースト電圧とに応じたスイッチング動作により、端子N4−1(送受信装置TRx1)とアンテナ端子N1(アンテナ20)との接続を制御する。
同様に、スイッチ回路40−2は、端子N4−2とアンテナ端子N1との間にソース、ドレインが直列接続された複数のトランジスタT20−2を備える。複数のトランジスタT20−2のゲートは、対応する複数の抵抗R10−2を介してゲート制御端子N3−2に共通接続される。ゲート制御端子N3−2は、抵抗R1−2を介して制御端子N2−1に接続されるとともに、抵抗R2−2を介して負電圧ブースト回路11−2の出力端子N5−2に接続される。複数のトランジスタT20−2は、制御端子N2−2に供給されるDC制御電圧Vc2と出力端子N5−2から供給されるブースト電圧とに応じたスイッチング動作により、端子N4−2(送受信装置TRx2)とアンテナ端子N1(アンテナ20)との接続を制御する。
このような構成により、高周波切替回路10−1は、DC制御電圧Vc1及び負電圧ブースト回路11−1から供給されるブースト電圧に応じて、送受信機(TRx1)に接続された端子N4−1と、アンテナ端子N1との接続を制御する。同様に、高周波切替回路10−2は、DC制御電圧Vc2と負電圧ブースト回路11−2から供給されるブースト電圧に応じて、送受信機(TRx2)に接続された端子N4−2と、アンテナ端子N1との接続を制御する。
図4及び図5を参照して、本実施の形態における高周波切替モジュール1の動作の詳細を説明する。図4及び図5を参照して、高周波切替回路10−1の制御端子N2−1にハイレベル(例えば+3v)の電圧VHがDC制御電圧Vc1として供給された場合、ゲート接地されたPチャネル型MOSトランジスタT10−1はオンとなる。これにより制御端子N2−1と出力端子N5−1とがトランジスタT10−1によるオン抵抗を介して電気的に接続され、ゲート制御端子N3−1の電位はハイレベルの電圧VH(例えば+3v)となる(図5時刻T1)。
DC制御電圧Vc1がハイレベル(VH)のとき、ゲート制御端子N3−1には、制御端子N2−1に印加されるDC制御電圧Vc1が供給される。例えば、DC制御電圧Vc1が+3vである場合、+3vのDC制御電圧が制御端子N3−1に供給され、スイッチ回路40−1におけるトランジスタT20−1をターンオンする。
続いて、高周波切替回路10−1の制御端子N2−1にローレベル(例えば0v)の電圧VLがDC制御電圧Vc1として供給された場合、ゲート接地されたPチャネル型MOSトランジスタT10−1はオフとなる(図5時刻T2)。このとき、トランジスタT10のソース−ドレイン間容量が、制御端子N2−1と出力端子N5−1との間において容量素子C2−1に並列に接続されることとなる。このとき、負電圧ブースト回路11−1は、アンテナ端子N1に入力される交流信号を整流して負のブースト電圧VBを出力端子N5−1からゲート制御端子N3−1に出力する。
詳細には、制御端子N2−1にローレベル(VL)のDC制御電圧Vc1が供給されている間、アンテナ端子N1に正の電圧が供給されるとダイオードD1−1が順方向バイアスされて導通状態となり、ダイオードD2−1が逆方向バイアスされて非導通状態となる。これにより、アンテナ端子N1、容量素子C1−1、ダイオードD1−1、制御端子N2−1の経路で充電電流が流れ、容量素子c1−1が充電される。続いて、アンテナ端子N1に負の電圧が供給されるとダイオードD2−1が順方向バイアスされて導通状態となり、ダイオードD1−1が逆方向バイアスされて非導通状態となる。これにより、制御端子N2−1、容量素子C2−1(及びトランジスタT10のゲート容量)、ダイオードD2−1、アンテナ端子N1の経路で充電電流が流れ、容量素子C2−1(及びトランジスタT10のゲート容量)が充電される。これらの動作が繰り返されることによって容量素子C2−1(及びトランジスタT10のゲート容量)が充電され、出力端子N5−1に供給されるブースト電圧VBは、DC制御電圧Vc1として印加されたローレベルの電圧VL(例えば0V)に対しオフセット電圧Voffだけ低下した値を維持する(図5時刻T3)。
DC制御電圧Vc1がローレベル(VL)のとき、ゲート制御端子N3−1には、制御端子N2−1に印加されるDC制御電圧Vc1に出力端子N5−1の供給されるブースト電圧VBが加算された値の電圧が供給される。例えば、DC制御電圧Vc1が0Vである場合、−Voffのブースト電圧VBがゲート制御端子N3−1に供給され、スイッチ回路40−1におけるトランジスタT20−1をターンオフする。
高周波切替回路10−2の動作も上述と同様である。ただし、制御端子N2−1にハイレベル(VH)のDC制御電圧Vc1が供給されている間、高周波切替回路10−2の制御端子N2−2にはローレベル(VL)のDC制御電圧Vc2が供給され、図5に示す時刻T2以降の動作が行われる。又、制御端子N2−1にローレベル(VL)のDC制御電圧Vc1が供給されている間、高周波切替回路10−2の制御端子N2−2にはハイレベル(VH)のDC制御電圧Vc1が供給され、図5に示す時刻T1〜時刻T2の動作が行われる。
本実施の形態における高周波切替モジュール1では、TRx1側のスイッチ回路40−1がオンのとき、TRx2側のスイッチ回路40−2がオフとなり、TRx1側のスイッチ回路40−1がオフのとき、TRx2側のスイッチ回路40−2がオンとなる。このとき、オフ側の負電圧ブースト回路11から、オフ側のスイッチ回路40のゲート制御端子N3に対し、トランジスタT20の閾値電圧よりも低い負電圧(−Voffのブースト電圧VB)が供給されるため、スイッチ回路40を確実にオフすることが可能となる。これにより、大信号が入力される高周波切替回路10の線形性が向上するとともに歪みが低減される。一方、オン側のスイッチ回路40のゲート制御端子N3に接続された負電圧ブースト回路11は、ブースト切替回路13によって制御端子N2と出力端子N5とが短絡されるため、負電圧の発生が抑止されている。このためオン側のスイッチ回路40のゲート制御端子N3には、ハイレベルのDC制御電圧Vcが低下することなく供給され、当該スイッチ回路40はオン抵抗が上昇することなく確実にオン状態となる。従って、本実施の形態における高周波切替回路10によれば、一方のスイッチ回路40を確実にオン状態とするとともに、他方のオフ状態のスイッチ回路40の線形性を向上させることが可能となる。
本実施の形態における高周波切替回路10は、出力端子N5(ゲート制御端子N3)に印加される電圧のレベルによって、負電圧ブースト回路11の出力電圧を制御するブースト切替回路13を備えている。スイッチ回路40にハイレベルのDC制御電圧Vcを供給する場合、ブースト切替回路13によって、スイッチ回路40のゲート制御端子N3への負電圧の供給が停止する。このため、本実施の形態における高周波切替回路10は、オフ状態のスイッチ回路40の線形性を向上させる負電圧ブースト回路11を搭載しながら、オン状態の切替にも対応可能となる。この結果、本実施の形態における高周波切替モジュール1は、アンテナ端子N1と送受信装置との接続を制御するスイッチ回路40に対し、負電圧ブースト回路11を搭載することが可能となる。あるいは、アンテナ端子とマルチポート端子との接続を切り替える複数のスイッチ回路40のそれぞれに負電圧ブースト回路11を個別に搭載することが可能となる。
又、ブースト切替回路13(Pチャネル型MOSトランジスタT10)は、スイッチ制御端子N3に印加された正電圧が、ブースト電圧VBだけ低下することを防止するため、オン状態のスイッチ回路40(トランジスタT20のゲート)に負電圧が供給されることで生じるオン抵抗の増加、もしくは、オン状態を維持できなくなるという不具合が軽減される。これによって、送受兼用型の多ポートスイッチにおいて、全ポートの線形性を改善し、低歪みでの動作が可能となる。
図6は、高周波切替回路10による挿入損失の入力電圧依存性のシミュレーション結果(A)と、負電圧ブースト回路11を有しない従来のSPDT(Single Pole Double Throw)スイッチによる挿入損失の入力電圧依存性のシミュレーション結果(B)を示す図である。図6では、負電圧ブースト回路11から負電圧(ブースト電圧VB)が供給されときの挿入損失の入力電圧依存性のシミュレーション結果(A)が示される。負電圧ブースト回路11を有しないSPDTスイッチでは、小信号利得より利得が0.1dB低下したときの入力電力(0.1dB利得圧縮時入力電力)が33dBmであるのに対し、本実施の形態における高周波切替回路10の0.1dB利得圧縮時入力電力は37dBmを超えている。このように、本発明によれば、負電圧(ブースト電圧VB)の供給により大信号入力時の切替回路の線形性が向上する。
図7は、負電圧ブースト回路11から負電圧(ブースト電圧VB)が供給されときの高周波切替回路10の2次高調波歪みの入力電圧依存性のシミュレーション結果(C)と、負電圧ブースト回路11を有しない従来のSPDTスイッチの回路の2次高調波歪みの入力電圧依存性のシミュレーション結果(D)を示す図である。図8は、負電圧ブースト回路11から負電圧(ブースト電圧VB)が供給されときの高周波切替回路10の3次高調波歪みの入力電圧依存のシミュレーション結果(E)と、負電圧ブースト回路11を有しない従来のSPDTスイッチの回路の3次高調波歪みの入力電圧依存性のシミュレーション結果(F)を示す図である。
図7及び図8に示されるように、負電圧(ブースト電圧VB)の供給により、2次高調波歪み特性や3次高調波歪み特性も従来に比べて改善される。尚、4次以上のn次高調波歪み特性についても同様に改善されることは自明である。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
例えば、図2に示す一例では、リミッター回路12としてPINダイオードD3を利用したが、これに限らず、所定の大きさの電圧に応じて電流経路となり得れば、他の素子によって実現しても良い。例えば、図9に示すようにゲートが接地され、ソース−ドレインが制御端子N3と出力端子N5との間に接続され、PN接合ダイオードの整流作用を持たせたNチャネル型MOSトランジスタT30をリミッター回路12として利用しても良い。ブースト切替回路13とリミッター回路12のトランジスタT30を並列に接続することで、制御端子N2と出力端子N5との間の電圧レベルを調整して、ブースト切替回路13のトランジスタT10の破壊を防ぐことが可能となる。
又、負電圧ブースト回路11としてダイオードD1、D2を利用した形態を説明したが、これに限らず、負電圧ブースト回路11は、ダイオードD1、D2に替えて、制御信号に応じてスイッチング動作が制御されるスイッチング素子を備える形態でも良い。この際、2つのスイッチング素子のオンオフは、アンテナ端子N1からの交流信号の信号レベルに応じて相補に制御され、図2に示す負電圧ブースト回路11と同様に、負電圧のブースト電圧VBを出力することが可能となる。
1 :高周波切替モジュール
10 :高周波切替回路
11 :負電圧ブースト回路
12 :リミッター回路
13 :ブースト切替回路
20 :アンテナ
30 :DC電源
40 :スイッチ回路
C1、C2 :容量素子
D1、D2、D3 :ダイオード
N1 :アンテナ端子
N2 :制御端子
N3 :スイッチ制御端子(ゲート制御端子)
N5 :出力端子
T10、T20、T30 :トランジスタ
VB :ブースト電圧
Vc、Vc1、Vc2 :DC制御電圧
10 :高周波切替回路
11 :負電圧ブースト回路
12 :リミッター回路
13 :ブースト切替回路
20 :アンテナ
30 :DC電源
40 :スイッチ回路
C1、C2 :容量素子
D1、D2、D3 :ダイオード
N1 :アンテナ端子
N2 :制御端子
N3 :スイッチ制御端子(ゲート制御端子)
N5 :出力端子
T10、T20、T30 :トランジスタ
VB :ブースト電圧
Vc、Vc1、Vc2 :DC制御電圧
Claims (8)
- 共通のアンテナ端子とそれぞれ個別の通信装置との間の接続を制御する複数の高周波切替回路を具備し、
前記複数の高周波切替回路のそれぞれは、
DC制御電圧が供給される制御端子と、
前記DC制御電圧に基づき、前記アンテナ端子からの交流信号に応じた充放電により前記交流信号を整流し、ブースト電圧として出力端子から出力する負電圧ブースト回路と、
前記DC制御電圧に応じて、前記制御端子と前記出力端子との接続を制御するブースト切替回路と、
前記制御端子と前記出力端子から供給されるゲート制御電圧に応じて前記アンテナ端子と通信装置との接続を制御するスイッチ回路と
を備える
高周波切替モジュール。 - 請求項1に記載の高周波切替モジュールにおいて、
前記ブースト切替回路は、ゲートに所定の電圧が供給され、ソース及びドレインが前記制御端子と前記出力端子との間に接続されたトランジスタを備える
高周波切替モジュール。 - 請求項1又は2に記載の高周波切替モジュールにおいて、
前記制御端子と前記出力端子との間に接続され、前記制御端子と前記出力端子の間に所定の値以上の電圧が印加された場合に、前記制御端子と前記出力端子に電流を流すことで、前記制御端子と前記出力端子の間の電圧レベルを調整するリミッター回路を更に具備する
高周波切替モジュール。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の高周波切替モジュールにおいて、
前記負電圧ブースト回路は、ローレベルの前記DC制御電圧に応じて負電圧のブースト電圧を出力し、
前記ブースト切替回路は、ハイレベルの前記DC制御電圧に応じて前記制御端子と前記出力端子とを接続する
高周波切替モジュール。 - 請求項2に記載の高周波切替モジュールにおいて、
前記トランジスタは、ゲートが接地されたPチャネル型MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)である
高周波切替モジュール。 - 請求項3に記載の高周波切替モジュールは、
前記リミッター回路は、アノードが前記制御端子に接続され、カソードが前記出力端子に接続されたPIN(p−intrinsic−n)ダイオードを備える
高周波切替モジュール。 - 請求項3に記載の高周波切替モジュールは、
前記リミッター回路は、ゲートが接地され、ソース及びドレインが前記制御端子と前記出力端子との間に接続されたMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)を備える
高周波切替モジュール。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の高周波切替モジュールに用いられる高周波切替回路。
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JP2012198522A JP2014053853A (ja) | 2012-09-10 | 2012-09-10 | 高周波切替モジュール及び高周波切替回路 |
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- 2012-09-10 JP JP2012198522A patent/JP2014053853A/ja active Pending
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