JP2014050577A - 指標物質の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 腹膜透析における腹膜劣化を簡便にモニターでき、EPSの発症、進行を防止するための早期治療を可能とする早期診断に使用される指標物質の検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】採取された腹膜透析の透析排液等の検体中から指標物質を検出する指標物質の検出方法であって、前記指標物質は、前記検体を採取した生物において少なくとも腹膜劣化時に検出され、もしくは腹膜劣化の進行に伴って濃度の増大が確認されるテネイシンCである指標物質の検出方法である。
【選択図】 図3
【解決手段】採取された腹膜透析の透析排液等の検体中から指標物質を検出する指標物質の検出方法であって、前記指標物質は、前記検体を採取した生物において少なくとも腹膜劣化時に検出され、もしくは腹膜劣化の進行に伴って濃度の増大が確認されるテネイシンCである指標物質の検出方法である。
【選択図】 図3
Description
本発明は、適切かつ安全な腹膜透析を施行するための腹膜劣化の評価に関するものである。
人工透析は、腎機能が低下もしくは喪失した患者に対し、本来腎臓が果たしている血液浄化作用を腎臓に代わって行う血液浄化療法であり、生体内から水を除去することによって体液の組成を一定に保つとともに体液中の尿素等の老廃物を除去することを主な目的としている。現在の人工透析には、主に血液透析療法と腹膜透析療法がある。
腹膜透析は腹膜で囲まれた腹腔内に浸透圧の高い透析溶液を貯留することによって生体内の余分な水と老廃物を取り除くことを基本とする。即ち腹腔内に貯留した透析溶液と体液の間に生じる浸透圧格差により、腹膜組織の毛細血管から腹腔内の透析溶液に水が移動することによって透析される。しかし長期間腹膜透析を継続すると腹膜劣化が生じる。腹膜劣化は、腹膜の線維化や硬化、炎症、血管新生、血管傷害を伴うことが多い。その原因は明らかではないが、細菌性腹膜炎や非生理的な腹膜透析液の長期にわたる暴露が指摘されている。腹膜透析液には、浸透圧調節物質として高濃度のブドウ糖や乳酸、また製造滅菌過程などで生じるブドウ糖分解産物(GDPs)が含まれており、これらの毒性が報告されている。さらに腹膜透析液の非生理的なpHや高い浸透圧により、腹膜傷害が生じると考えられている。腹膜劣化を防止するすため、わが国ではpHが中性のブドウ糖透析液が主流であるが、欧米では未だに酸性のブドウ糖透析液が多く使用されており、また昨今普及したイコデキストリン透析液のpHも酸性である。イコデキストリン透析液は、腹膜透過性が亢進している患者の限外濾過不全に対する効果が期待されている。さらにイコデキストリン透析液は、生体内に存在しないトウモロコシデンプン由来のイコデキストリンを浸透圧調節物質として使用しており、高濃度のブドウ糖を含有していないため、浸透圧やブドウ糖、GDPsによる腹膜劣化を低減できる可能性がある。しかしイコデキストリンは異物であるため、炎症や被嚢性腹膜硬化症(EPS)発症との関連性も疑われており(Habib AM, Preston E, Davenport A. Risk factors for developing encapsulating peritoneal sclerosis in the icodextrin era of peritoneal dialysis prescription. Nephrol Dial Transplant. 25(5):1633-8, 2010.)、腹膜劣化への影響は定かではない。
腹膜透析は腹膜で囲まれた腹腔内に浸透圧の高い透析溶液を貯留することによって生体内の余分な水と老廃物を取り除くことを基本とする。即ち腹腔内に貯留した透析溶液と体液の間に生じる浸透圧格差により、腹膜組織の毛細血管から腹腔内の透析溶液に水が移動することによって透析される。しかし長期間腹膜透析を継続すると腹膜劣化が生じる。腹膜劣化は、腹膜の線維化や硬化、炎症、血管新生、血管傷害を伴うことが多い。その原因は明らかではないが、細菌性腹膜炎や非生理的な腹膜透析液の長期にわたる暴露が指摘されている。腹膜透析液には、浸透圧調節物質として高濃度のブドウ糖や乳酸、また製造滅菌過程などで生じるブドウ糖分解産物(GDPs)が含まれており、これらの毒性が報告されている。さらに腹膜透析液の非生理的なpHや高い浸透圧により、腹膜傷害が生じると考えられている。腹膜劣化を防止するすため、わが国ではpHが中性のブドウ糖透析液が主流であるが、欧米では未だに酸性のブドウ糖透析液が多く使用されており、また昨今普及したイコデキストリン透析液のpHも酸性である。イコデキストリン透析液は、腹膜透過性が亢進している患者の限外濾過不全に対する効果が期待されている。さらにイコデキストリン透析液は、生体内に存在しないトウモロコシデンプン由来のイコデキストリンを浸透圧調節物質として使用しており、高濃度のブドウ糖を含有していないため、浸透圧やブドウ糖、GDPsによる腹膜劣化を低減できる可能性がある。しかしイコデキストリンは異物であるため、炎症や被嚢性腹膜硬化症(EPS)発症との関連性も疑われており(Habib AM, Preston E, Davenport A. Risk factors for developing encapsulating peritoneal sclerosis in the icodextrin era of peritoneal dialysis prescription. Nephrol Dial Transplant. 25(5):1633-8, 2010.)、腹膜劣化への影響は定かではない。
腹膜透析はわが国で開始されてから20年ほど経つが、透析患者のほとんどが血液透析であり、全透析患者の5%にも満たない。腹膜透析は血液透析と異なり自宅で透析が行えるので、通院の頻度が少なくなるといったQOL(クオリティーオブライフ)に優れているだけでなく、循環系への影響や生体内部環境の変動が少ないといった利点を持っている。腹膜透析がこのような利点を持つのにもかかわらず広く普及しない理由として、腹膜劣化により除水不足になると腹膜透析を中止せざるを得なくなる場合が多いことが挙げられる。また、除水能を保つためにより高浸透圧の腹膜透析液を用いることもあるが、この場合腹膜への障害は大きくなる。腹膜劣化がさらに進展するとEPSを発症する危険がある。EPSは重篤な合併症で、臨床的には食欲不振、悪心、嘔気、嘔吐、低栄養による痩せ、腹痛、下痢、便秘、腸管蠕動音低下など腸閉塞症状を示す。剖検時所見では、小腸は癒着して塊状になり、膠原性線維に富む肥厚した腹膜で包まれる。EPSの頻度は1.4〜7.3%と必ずしも高くはないが、2年後の生存率は約50%しかなく、致死率が非常に高い。EPS患者の直接の死因は被包により圧迫、癒着した腸管が循環障害、壊死をおこし、これが原因となって敗血症になるためと考えられる。治療法としてはEPS発症初期ではステロイド剤が有効であることもあるが、病状が進行した場合の治療法は熟練した医師による被包した腹膜を剥離する外科的治療しか無いため早期診断による予防が重要である。現在、EPSの診断法としてはイレウス症状等の臨床所見のほか、腹部の触診(塊状物の触知)がなされているが、客観的な基準ではない。さらにEPSが進行した場合でも上述のような典型的症状を起こさない場合も多く、診断が遅れることが多い。一部ではX線やCT検査、超音波検査などの画像解析による診断もなされているが、病状がある程度進行しないと診断できないといった欠点があり、あくまで補助診断の域を出ていない。
このように現在、EPSの発症初期の確実な検査方法はない。病状が進行すると確実な治療法が無い為、EPSに至った患者の約半数が死に至る。しかしこれら合併症を早期に診断できれば、初期療法としてステロイド剤等で治療することができる。腹膜透析を安全に施行し広く普及させるためには、腹膜劣化をモニターし、EPSの発症を防止することが重要である。
このように現在、EPSの発症初期の確実な検査方法はない。病状が進行すると確実な治療法が無い為、EPSに至った患者の約半数が死に至る。しかしこれら合併症を早期に診断できれば、初期療法としてステロイド剤等で治療することができる。腹膜透析を安全に施行し広く普及させるためには、腹膜劣化をモニターし、EPSの発症を防止することが重要である。
腹膜劣化は、腹膜の機能低下と形態変化を伴うが、前者は限外濾過量や腹膜透過性で評価し、後者は腹腔鏡、腹膜生検、排液の中皮細胞診などの検査がおこなわれている(2009年度版 日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン」.透析会誌42(4):285-318、2009)。
腹膜平衡試験(PET)は、Twardwskiらにより提案された試験法で、腹膜透過性を調べることで、腹膜機能を評価する(Twardowski ZJ, Nolph KD, Khanna R, Prowant BF, Ryan LP, Moore HL, et al. Peritoneal equilibration test. Perit Dial Bull 7:138-47, 1987)。8〜12時間、腹腔に貯留した透析液を排液した後、ブドウ糖濃度が2.27%の透析液またはこれと同等の浸透圧透析液2.0Lを4時間腹腔に貯留し、注液2時間目および4時間目における透析液中のクレアチニン濃度(D )と血液中クレアチニン濃度(P)の比(D/P Cr)から腹膜における小分子物質の除去効率を調べる。同時に透析液中のブドウ糖濃度(D )とその初期濃度(D0 )の比(D/D0 Glu )から除水効率を算出する。2 時間目の検査を省略して4 時間目だけで評価する場合もある(Frequently And Short Time PET;fast PET)。これら検査の結果をもとに腹膜透過性の高い方から順に「High」、「High Average」、「Low Average」、「Low」の4段階のカテゴリーに分類して評価する。2009年に日本透析医学会から腹膜透析ガイドラインが発表された。これによると、PDが問題なく実施されている場合には腹膜機能の検査を6か月〜1年に1回を目安に定期的に行うことが望ましいとされている。腹膜機能は、もともとの有効腹膜面積にも影響するので、腹膜の劣化のみを反映しているわけではない。このため厳密な透過性の評価よりも、経時的な相対変化を調べることが重要である。腹膜機能検査を定期的に実施することが困難な場合には、PD導入初期、腹膜炎治療後からの復帰時、治療方法の変更や処方の大幅な変更を行う際に腹膜機能検査の実施を考慮する。腹膜機能をPETで評価した場合、D/P Cr(透析排液中と血液中のクレアチン濃度比)が経時的に上昇し、「High」カテゴリーが12カ月以上持続する例では、高度の腹膜劣化が進行していると判断してPD中止の検討を要する(2009年度版 日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン」.透析会誌42(4):285-318、2009)。
腹膜平衡試験(PET)は、Twardwskiらにより提案された試験法で、腹膜透過性を調べることで、腹膜機能を評価する(Twardowski ZJ, Nolph KD, Khanna R, Prowant BF, Ryan LP, Moore HL, et al. Peritoneal equilibration test. Perit Dial Bull 7:138-47, 1987)。8〜12時間、腹腔に貯留した透析液を排液した後、ブドウ糖濃度が2.27%の透析液またはこれと同等の浸透圧透析液2.0Lを4時間腹腔に貯留し、注液2時間目および4時間目における透析液中のクレアチニン濃度(D )と血液中クレアチニン濃度(P)の比(D/P Cr)から腹膜における小分子物質の除去効率を調べる。同時に透析液中のブドウ糖濃度(D )とその初期濃度(D0 )の比(D/D0 Glu )から除水効率を算出する。2 時間目の検査を省略して4 時間目だけで評価する場合もある(Frequently And Short Time PET;fast PET)。これら検査の結果をもとに腹膜透過性の高い方から順に「High」、「High Average」、「Low Average」、「Low」の4段階のカテゴリーに分類して評価する。2009年に日本透析医学会から腹膜透析ガイドラインが発表された。これによると、PDが問題なく実施されている場合には腹膜機能の検査を6か月〜1年に1回を目安に定期的に行うことが望ましいとされている。腹膜機能は、もともとの有効腹膜面積にも影響するので、腹膜の劣化のみを反映しているわけではない。このため厳密な透過性の評価よりも、経時的な相対変化を調べることが重要である。腹膜機能検査を定期的に実施することが困難な場合には、PD導入初期、腹膜炎治療後からの復帰時、治療方法の変更や処方の大幅な変更を行う際に腹膜機能検査の実施を考慮する。腹膜機能をPETで評価した場合、D/P Cr(透析排液中と血液中のクレアチン濃度比)が経時的に上昇し、「High」カテゴリーが12カ月以上持続する例では、高度の腹膜劣化が進行していると判断してPD中止の検討を要する(2009年度版 日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン」.透析会誌42(4):285-318、2009)。
また我が国のEPS例の70%はPD脱落後に発症していることから、腹膜劣化が疑われる長期PD施行例においてはPD脱落後も腹膜透析カテーテルを一定期間留置し、排液の性状や腹膜機能の推移を観察することが、EPS発症リスクを判断する上で意義がある。PD離脱後数カ月以内にEPSを発症する患者も多いため、この間は腹膜機能の推移を頻繁にモニターすることが求められるが、PETを頻回に行うことは現実的には難しい。腹膜機能の評価法としてPETの他に、総括物質移動・膜面積係数(MTAC)(山下明泰:よくわかる腹膜透析の基礎、pp85-112、東京医学社、東京、1998)やPETを改良したminiPET、double miniPET等の報告もあるが臨床では普及していない。日本透析医学会のガイドラインでは腹膜機能の評価法として世界的に最も広く利用さているPETまたはfastPETが推奨されている(2009年度版 日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン」.透析会誌42(4):285-318、2009)。しかしPETやfastPETは比較的簡便な検査法ではあるが、手間と時間がかかるうえ、採血による侵襲が伴う。このためすべての施設で、定期的に検査することは難しく、本邦での施行率は67%にすぎない((社)日本透析医学会 統計調査委員会. 図説わが国の慢性透析療法の現況2005 年12 月31 日)。またイコデキストリン使用患者では、PETの検査結果がブドウ糖透析液のみを使用している場合に比べて透過性が亢進側にシフトすることがあり、検査結果の解釈に注意を要する(Moriishi M, Kawanishi H, Tsuchiya S. Impact on peritoneal membrane of use of icodextrin-based dialysis solution in PD patients. Adv Perit Dial 2006,22,24-8.)。
従って、本発明は腹膜透析において腹膜劣化を簡便にモニターでき、腹膜の炎症時、腹膜の炎症進行の程度の診断、あるいはEPSの発症、進行を防止するための早期治療を可能とする早期診断に使用される指標物質の検出方法を提供することを目的とする。
本発明者は腹膜透析の重篤な合併症であるEPSの発症、進行を防ぐため、簡易に腹膜劣化をモニターできる方法の開発を鋭意重ねた。この結果、上述の病状を反映した腹膜劣化動物モデルを作製することに成功し、更に実験動物モデルにより腹膜劣化を簡便にかつ客観的にモニターでき、さらにはEPSの発症リスクを知ることができる指標物質の発見に至った。即ち、指標物質として腹腔排液中のテネイシンCの存在を検出することにより、腹膜劣化を調べたり、濃度を調べて腹膜劣化をモニターすることによりEPSの発症リスクを知ることが出来る。具体的には下記の(1)〜(4)の本発明によって達成される。
(1)採取された検体中から指標物質を検出する指標物質の検出方法であって、
前記指標物質は、前記検体を採取した生物において腹膜劣化に伴って検出されるテネイシンCである指標物質の検出方法。
(2)前記検体は腹膜透析の透析排液もしくは腹腔洗浄液あるいは腹水等の腹腔排液である上記(1)に記載の検出方法。
(3)上記(1)または(2)に記載の検出方法を用い、前記テネイシンCの濃度が既定値以上となったときを腹膜劣化が生じたと判断するものである腹膜透析患者の腹膜劣化の診断方法。
(4)前記既定値が50 ng/mL であり、そのときを重度の腹膜劣化が生じたと判断するものである上記(3)に記載の腹膜劣化の診断方法。
前記指標物質は、前記検体を採取した生物において腹膜劣化に伴って検出されるテネイシンCである指標物質の検出方法。
(2)前記検体は腹膜透析の透析排液もしくは腹腔洗浄液あるいは腹水等の腹腔排液である上記(1)に記載の検出方法。
(3)上記(1)または(2)に記載の検出方法を用い、前記テネイシンCの濃度が既定値以上となったときを腹膜劣化が生じたと判断するものである腹膜透析患者の腹膜劣化の診断方法。
(4)前記既定値が50 ng/mL であり、そのときを重度の腹膜劣化が生じたと判断するものである上記(3)に記載の腹膜劣化の診断方法。
本発明は腹膜劣化やEPSの発症リスクを無侵襲でかつ簡便に知ることが出来る。本発明により、腹膜劣化やEPS等の早期発見が可能となり、これらの進行を食い止めることが可能になると期待される。以上により、健全な腹膜透析が可能になると期待される。
以下に、本発明の好適実施例に基づいて詳細に説明する。
本発明は透析患者から検体を採取し、次いで採取された該検体中から所定の指標物質を検出することを特徴とする。
本発明における指標物質は、検体を採取した患者の腹膜劣化に関連して検出され、或いは量、濃度の変化が確認される物質のことである。また本発明における腹膜劣化とは、組織学的には腹膜肥厚等の形態変化が生じ、また機能的には腹膜でのグルコース吸収率が亢進することである。
本発明者は腹膜が劣化した生体から採取した検体に対して調査、研究を重ねた結果、腹膜劣化に伴って、検体中から特異的に検出される物質、或いは検体中の量または濃度が変化する物質が存在することを発見した。従って、検体中からこのような物質、すなわち指標物質を検出することにより、腹膜劣化を簡便にかつ客観的にモニターすることが可能になったばかりでなく、EPSの発症リスクを判断できることに成功した。
本発明者は腹膜劣化の簡易モニター方法の開発を目的として、有効な指標物質の探索を行うために、腹膜劣化動物モデルの作成を試みた。市販透析液に含まれているGDPであるメチルグリオキサールを腹膜透析液に添加し、連日腹腔に注入することにより、腹膜劣化動物モデルを作成した。本腹膜劣化動物モデルを解析した結果、腹膜劣化に伴って腹腔排液中の濃度が増加する指標物質を見い出した。
本発明は透析患者から検体を採取し、次いで採取された該検体中から所定の指標物質を検出することを特徴とする。
本発明における指標物質は、検体を採取した患者の腹膜劣化に関連して検出され、或いは量、濃度の変化が確認される物質のことである。また本発明における腹膜劣化とは、組織学的には腹膜肥厚等の形態変化が生じ、また機能的には腹膜でのグルコース吸収率が亢進することである。
本発明者は腹膜が劣化した生体から採取した検体に対して調査、研究を重ねた結果、腹膜劣化に伴って、検体中から特異的に検出される物質、或いは検体中の量または濃度が変化する物質が存在することを発見した。従って、検体中からこのような物質、すなわち指標物質を検出することにより、腹膜劣化を簡便にかつ客観的にモニターすることが可能になったばかりでなく、EPSの発症リスクを判断できることに成功した。
本発明者は腹膜劣化の簡易モニター方法の開発を目的として、有効な指標物質の探索を行うために、腹膜劣化動物モデルの作成を試みた。市販透析液に含まれているGDPであるメチルグリオキサールを腹膜透析液に添加し、連日腹腔に注入することにより、腹膜劣化動物モデルを作成した。本腹膜劣化動物モデルを解析した結果、腹膜劣化に伴って腹腔排液中の濃度が増加する指標物質を見い出した。
この時の指標物質の例としてはたんぱく質やペプチドがあげられる。特に指標物質は細胞外マトリクスの構成物質、もしくは細胞外マトリクスの産生、形成、破壊、再構築に関与している因子が望ましい。細胞外マトリクスの構成物質の例としてはコラーゲンやファイブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、テネイシン、エラスチン、トロンボスポンジン、ナイドジェン、プロテオグリカン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸等があげられる。また、細胞外マトリクスの産生、形成、破壊、再構築に関与している因子の例としてプロリン水酸化酵素、プロリジルオキシダーゼ、プロコラーゲンC-プロテアーゼ、プロコラーゲンN-プロテアーゼ、プロコラーゲンC-プロテアーゼエンハンサープロテイン、HSP47等の分子シャぺロン、マトリクス分解酵素、セリンプロテイナーゼ、各種のプロテアーゼ阻害物質(プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター等)などが挙げられる。
本発明者による腹膜劣化動物モデルから得られた腹腔排液中の物質を解析した結果、テネイシンCが腹膜劣化をモニターするのに優れた指標物質であることが明らかになった。テネイシンCは細胞外マトリックスの一つでテネイシンファミリーに属する。本ファミリーには、テネイシンCのほかに、テネイシンR、テネイシンW、テネイシンX等がある。テネイシンCは発生初期や組織傷害時に産生されるマトリックスで、がんの転移にも関わっていると考えられる。また発達中の中枢神経や末梢神経でも発現する。テネイシンCは、TGF-β、TNF、IL-1、アンジオテンシンII、bFGF等によって発現が誘導される。
本発明は上述のように該指標物質の検出および量もしくは濃度の変化を調べることで、腹膜劣化の発生や進行の程度をモニターしたり、EPSの発症リスクを知ることが可能である。さらに、EPSの発症が危惧される場合など、腹膜劣化の進行が重度に至った場合における、腹膜透析療法の中断や劣化した腹膜の治療開始の判断に用いることができる。
また、本発明によれば、排液中テネイシンCの濃度が既定値以上の場合に腹膜の劣化が生じたと判断することにより腹膜劣化の診断をすることができ、さらには前記濃度が50 ng/mL 以上の場合に、重度の腹膜の劣化が生じたと判断することにより腹膜劣化の診断をすることができる。
本発明において、重度の腹膜の劣化とは、腹膜透析療法を受けている患者に対して腹膜透析を中断すべき程度の腹膜の劣化を意味し、特に、腹膜劣化に対する治療の必要性を判断すべき程度、あるいは治療をすべき程度の腹膜の劣化を意味する。
さらに、本発明の指標物質の検出を定期的に実施し解析することで、より厳密に腹膜劣化をモニターしたり、EPSの発症リスクを知ることが出来ると期待できる。
本発明は上述のように該指標物質の検出および量もしくは濃度の変化を調べることで、腹膜劣化の発生や進行の程度をモニターしたり、EPSの発症リスクを知ることが可能である。さらに、EPSの発症が危惧される場合など、腹膜劣化の進行が重度に至った場合における、腹膜透析療法の中断や劣化した腹膜の治療開始の判断に用いることができる。
また、本発明によれば、排液中テネイシンCの濃度が既定値以上の場合に腹膜の劣化が生じたと判断することにより腹膜劣化の診断をすることができ、さらには前記濃度が50 ng/mL 以上の場合に、重度の腹膜の劣化が生じたと判断することにより腹膜劣化の診断をすることができる。
本発明において、重度の腹膜の劣化とは、腹膜透析療法を受けている患者に対して腹膜透析を中断すべき程度の腹膜の劣化を意味し、特に、腹膜劣化に対する治療の必要性を判断すべき程度、あるいは治療をすべき程度の腹膜の劣化を意味する。
さらに、本発明の指標物質の検出を定期的に実施し解析することで、より厳密に腹膜劣化をモニターしたり、EPSの発症リスクを知ることが出来ると期待できる。
本発明の指標物質を調べる検体は、患者の腹腔から得た排液が適当である。患者の腹腔排液を検体として用いた場合は、腹膜透析患者の場合には排液は透析の度に回収されるので、サンプリングの手間が省けるだけでなく、患者に対して非侵襲かつ自宅でも容易にサンプリングすることができる。さらに指標物質がテネイシンCの場合、腹腔排液を検体として用いれば検査に必要な量は100μL以下と極めて微量ですむ。このため腹腔排液を検体として用いることが好ましいが、病院等でサンプリングする場合は血液や血清、血漿等の方が便利なこともある。また、糞尿も回収する手間が掛かるものの患者に対して非侵襲的に入手でき有望である。故に、腹膜劣化を反映した指標物質を測定することが可能であれば検体は特には限定しない。さらに検体中の指標物質を測定する方法としては、エンザイムイムノアッセイ(EIA)法やウエスタンブロティング法、イムノクロマトグラフ法といった免疫学的手法や活性測定による定量法など、指標物質の変化が測定できれば特に測定法は限定するものではない。指標物質を特異的に検出できればアプタマー等で測定しても構わない。好ましくはEIA法やイムノクロマトグラフ法が失敗も少なく簡単な操作で安定した結果が得られるため適している。EIA法の場合、検体中の指標物質と予めラベルしておいた標準物質を競争的に一次抗体と反応させるコンペティティブEIA法、もしくは2つの抗指標物質抗体を用いるサンドイッチEIA法等が好適例としてあげられるが、該指標物質の濃度が定量的に測定できれば他の方法でも構わない。
本発明は腹膜劣化を簡便にモニターしたり、或いはEPSの発症リスクを知ることが可能であるばかりでなく、低侵襲でかつ検体量が微量ですむといった特色を持つ画期的な診断方法である。
以下の実施例により本診断法の一例を具体的に説明するが、本発明はそれらの例により限定するものではない。
本発明は腹膜劣化を簡便にモニターしたり、或いはEPSの発症リスクを知ることが可能であるばかりでなく、低侵襲でかつ検体量が微量ですむといった特色を持つ画期的な診断方法である。
以下の実施例により本診断法の一例を具体的に説明するが、本発明はそれらの例により限定するものではない。
(動物モデルの作製と腹膜形態変化の評価)
動物はラット(Crj:CD (SD)、6週齡、各群ともn=5 、オス)を用いた。本実験中、ラットには餌および水を十分量供給し、衛生環境にも十分留意し、細菌感染による腹膜炎が起きないように注意した。透析液を20mMメチルグリオキサール、2.5%グルコース、100 mM NaCl、35 mM Sodium lactate、2 mM CaCl2、0.7 mM MgCl2(pH5.0)になるように無菌的に調製し、100 mL/kg/日ずつ腹腔内に21日間注液した(メチルグリオキサール投与群)。透析液の注液はエーテル麻酔させた状態で行い、なるべくラットに苦痛を与えない様に配慮した。またコントロール群にはメチルグリオキサールを含まない透析液を腹腔に注液した。
各群ともに実験開始後22日目に壁側腹膜を採取し、腹膜病理解析を行った。即ち、ラットをエーテル麻酔後脱血死させ、腹膜を採取した。腹膜の採取部位は各ラットで同じ場所になるようにした。得られた腹膜は10%ホルマリン/0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)で固定した後パラフィン包埋し、2-3μmの厚さの組織切片を作成した。切片は腹膜の厚さが測定できる様に腹膜に対して垂直方向に作成した。各切片は、細胞の種類を解析するためにヘマトキシリン-エオシン(HE)染色、アザン染色を行い、光学顕微鏡で組織像を解析した。また腹膜の厚さは画像解析ソフトWin ROOF(MITANI Co., Fukui, Japan)で測定した。解析する腹膜は異なった2箇所から採取し、それぞれ0.5μm間隔で1.5cmにわたって測定し(30箇所/腹膜)、平均値を算出した。アザン染色の結果、メチルグリオキサール投与群ではコラーゲンに富んだ線維性マトリクスによる著しい腹膜肥厚が見られた。またヘマトキシリン-エオシン染色の結果から間質細胞の増加が観察され、腹膜劣化を反映した病理所見が確認された。さらに臓側腹膜ではEPS同様の腸管や肝臓が癒着し、繭状の肥厚した腹膜で包まれていた。以上の結果より、メチルグリオキサールを含んだ透析液の腹腔注液により、重度の腹膜の形態変化が生じた。各群の肥厚した腹膜の厚さを図1に示した。
腹膜平衡試験時には排液の無菌試験を行い、好気性菌、嫌気性菌、真菌が感染していないことを確認した。
動物はラット(Crj:CD (SD)、6週齡、各群ともn=5 、オス)を用いた。本実験中、ラットには餌および水を十分量供給し、衛生環境にも十分留意し、細菌感染による腹膜炎が起きないように注意した。透析液を20mMメチルグリオキサール、2.5%グルコース、100 mM NaCl、35 mM Sodium lactate、2 mM CaCl2、0.7 mM MgCl2(pH5.0)になるように無菌的に調製し、100 mL/kg/日ずつ腹腔内に21日間注液した(メチルグリオキサール投与群)。透析液の注液はエーテル麻酔させた状態で行い、なるべくラットに苦痛を与えない様に配慮した。またコントロール群にはメチルグリオキサールを含まない透析液を腹腔に注液した。
各群ともに実験開始後22日目に壁側腹膜を採取し、腹膜病理解析を行った。即ち、ラットをエーテル麻酔後脱血死させ、腹膜を採取した。腹膜の採取部位は各ラットで同じ場所になるようにした。得られた腹膜は10%ホルマリン/0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)で固定した後パラフィン包埋し、2-3μmの厚さの組織切片を作成した。切片は腹膜の厚さが測定できる様に腹膜に対して垂直方向に作成した。各切片は、細胞の種類を解析するためにヘマトキシリン-エオシン(HE)染色、アザン染色を行い、光学顕微鏡で組織像を解析した。また腹膜の厚さは画像解析ソフトWin ROOF(MITANI Co., Fukui, Japan)で測定した。解析する腹膜は異なった2箇所から採取し、それぞれ0.5μm間隔で1.5cmにわたって測定し(30箇所/腹膜)、平均値を算出した。アザン染色の結果、メチルグリオキサール投与群ではコラーゲンに富んだ線維性マトリクスによる著しい腹膜肥厚が見られた。またヘマトキシリン-エオシン染色の結果から間質細胞の増加が観察され、腹膜劣化を反映した病理所見が確認された。さらに臓側腹膜ではEPS同様の腸管や肝臓が癒着し、繭状の肥厚した腹膜で包まれていた。以上の結果より、メチルグリオキサールを含んだ透析液の腹腔注液により、重度の腹膜の形態変化が生じた。各群の肥厚した腹膜の厚さを図1に示した。
腹膜平衡試験時には排液の無菌試験を行い、好気性菌、嫌気性菌、真菌が感染していないことを確認した。
(腹膜機能の評価)
腹膜劣化動物モデルの腹膜機能を解析する為、上記方法に従って作製したモデル動物(各群ともn=5)に対して腹腔内投与開始後22日目に腹膜平衡試験を行った。腹膜機能は腹膜におけるグルコースの吸収率、即ち、D/D0グルコース値にて評価した。
D/D0グルコース値は以下のようにして求めた。ラットに対し体重あたり50ml/kgの2.5%グルコース含有透析溶液(ミッドペリックL250、テルモ株式会社)を腹腔内に注液し、90分後に腹腔内残液を採取した。各透析排液はムロターゼ酵素法によりグルコース濃度(D)を求め、投与時の透析溶液中のグルコース濃度(D0)で除することによりD/D0グルコース値を算出した。この結果、メチルグリオキサール投与群はコントロール群に比べて著しくD/D0値が低下していた。この結果を図2に示した。以上の結果より、メチルグリオキサール投与群はコントロール群に比べて著しく腹膜機能が低下していたことがわかる。
以上の結果より、メチルグリオキサールを含んだ透析液の腹腔注液により、腹膜の機能低下と形態変化が生じたことから、メチルグリオキサール投与群を重度の腹膜劣化動物モデルとした。
腹膜劣化動物モデルの腹膜機能を解析する為、上記方法に従って作製したモデル動物(各群ともn=5)に対して腹腔内投与開始後22日目に腹膜平衡試験を行った。腹膜機能は腹膜におけるグルコースの吸収率、即ち、D/D0グルコース値にて評価した。
D/D0グルコース値は以下のようにして求めた。ラットに対し体重あたり50ml/kgの2.5%グルコース含有透析溶液(ミッドペリックL250、テルモ株式会社)を腹腔内に注液し、90分後に腹腔内残液を採取した。各透析排液はムロターゼ酵素法によりグルコース濃度(D)を求め、投与時の透析溶液中のグルコース濃度(D0)で除することによりD/D0グルコース値を算出した。この結果、メチルグリオキサール投与群はコントロール群に比べて著しくD/D0値が低下していた。この結果を図2に示した。以上の結果より、メチルグリオキサール投与群はコントロール群に比べて著しく腹膜機能が低下していたことがわかる。
以上の結果より、メチルグリオキサールを含んだ透析液の腹腔注液により、腹膜の機能低下と形態変化が生じたことから、メチルグリオキサール投与群を重度の腹膜劣化動物モデルとした。
(排液中のテネイシンCの濃度測定)
上記(腹膜機能の評価)で使用した各モデル動物について、腹腔排液のテネイシンC濃度をEIA法により測定した。検体として0.1、0.31、0.93、2.8、8.3 ng/mLの濃度のテネイシンC標準液または適宜希釈した腹腔排液を、予め抗テネイシンCマウス IgGモノクロール抗体でコートした96穴プレートに100μLずつ注液した。1.5時間37℃で静置したのち、検体を除去し、100μLのHRP標識した抗テネイシンCマウスIgGを加えた後、30分間7℃で静置した。反応終了後、反応液を除去し、100μLの3, 3', 5, 5'-tetramethylbenzidineを加え発色させた。30分間発色反応させた後、100μLの1N硫酸を加え、450 nmの吸光度を測定した。テネイシンC標準液の吸光度をもとに検量線を作成して、腹腔排液中のテネイシンCの濃度を算出した。
コントロール群の排液テネイシンCレベルは平均1.7 ng/mLであり、全個体が50 ng/mL未満であったのに対し、メチルグリオキサール投与群では平均5500 ng/mL で全個体が50 ng/mL 以上であった。この結果を図3に示した。
以上の結果から、排液テネイシンCレベルが50 ng/mL以上の場合で腹膜機能低下と形態変化がみられ、重度の腹膜劣化が生じていた。即ち、腹腔排液中のテネイシンC濃度を測定することで非侵襲的に簡便に腹膜劣化をモニターでき、また、腹腔排液中のテネイシンC濃度が50 ng/mL以上でEPSの発症が危惧される重度腹膜劣化のリスクを判定することが可能になった。
上記(腹膜機能の評価)で使用した各モデル動物について、腹腔排液のテネイシンC濃度をEIA法により測定した。検体として0.1、0.31、0.93、2.8、8.3 ng/mLの濃度のテネイシンC標準液または適宜希釈した腹腔排液を、予め抗テネイシンCマウス IgGモノクロール抗体でコートした96穴プレートに100μLずつ注液した。1.5時間37℃で静置したのち、検体を除去し、100μLのHRP標識した抗テネイシンCマウスIgGを加えた後、30分間7℃で静置した。反応終了後、反応液を除去し、100μLの3, 3', 5, 5'-tetramethylbenzidineを加え発色させた。30分間発色反応させた後、100μLの1N硫酸を加え、450 nmの吸光度を測定した。テネイシンC標準液の吸光度をもとに検量線を作成して、腹腔排液中のテネイシンCの濃度を算出した。
コントロール群の排液テネイシンCレベルは平均1.7 ng/mLであり、全個体が50 ng/mL未満であったのに対し、メチルグリオキサール投与群では平均5500 ng/mL で全個体が50 ng/mL 以上であった。この結果を図3に示した。
以上の結果から、排液テネイシンCレベルが50 ng/mL以上の場合で腹膜機能低下と形態変化がみられ、重度の腹膜劣化が生じていた。即ち、腹腔排液中のテネイシンC濃度を測定することで非侵襲的に簡便に腹膜劣化をモニターでき、また、腹腔排液中のテネイシンC濃度が50 ng/mL以上でEPSの発症が危惧される重度腹膜劣化のリスクを判定することが可能になった。
Claims (4)
- 採取された検体中から指標物質を検出する指標物質の検出方法であって、前記指標物質は、前記検体を採取した生物において腹膜劣化に伴って検出されるテネイシンCであることを特徴とする指標物質の検出方法。
- 前記検体は腹膜透析の透析排液もしくは腹腔洗浄液あるいは腹水等の腹腔排液である請求項1に記載の検出方法。
- 請求項1または2に記載の検出方法を用い、前記テネイシンCの濃度が既定値以上となったときを腹膜劣化が生じたと判断するものであることを特徴とする腹膜透析患者の腹膜劣化の診断方法。
- 前記既定値が50 ng/mL であり、そのときを重度の腹膜劣化が生じたと判断するものである請求項3に記載の腹膜劣化の診断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012197240A JP2014050577A (ja) | 2012-09-07 | 2012-09-07 | 指標物質の検出方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012197240A JP2014050577A (ja) | 2012-09-07 | 2012-09-07 | 指標物質の検出方法 |
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ID=50609650
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JP (1) | JP2014050577A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017213256A1 (ja) * | 2016-06-09 | 2017-12-14 | テルモ株式会社 | 生体適合性腹膜透析液 |
-
2012
- 2012-09-07 JP JP2012197240A patent/JP2014050577A/ja active Pending
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WO2017213256A1 (ja) * | 2016-06-09 | 2017-12-14 | テルモ株式会社 | 生体適合性腹膜透析液 |
US11020420B2 (en) | 2016-06-09 | 2021-06-01 | Terumo Kabushiki Kaisha | Biocompatible peritoneal dialysate |
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