JP2014050362A - 標識魚の製造方法、魚の流通管理方法と魚体用識別性インキ注入装置 - Google Patents

標識魚の製造方法、魚の流通管理方法と魚体用識別性インキ注入装置 Download PDF

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信也 竹内
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Abstract

【課題】標識を容易・短時間で行うことができ、取付け時の魚の弱体化や死亡がなく、また、魚の鮮度の劣化がなく、標識自体が魚体を傷つけることなく、標識の脱落や偽造の恐れが少なく、また標識した魚を摂取しても安全な標識魚の製造方法を得るものである。また本発明はこのような標識魚を用いる魚の流通管理方法を得るものである。
【解決手段】魚体を識別するための標識魚の製造方法である。開口注射針7と注射針に一定量かつ可食性で識別性のインキを送り込むインキ注入手段8を用いる。標識部位に注射針を挿入し、一定量の当該インキを魚体の皮下に注入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、漁獲した魚の流通管理、魚類の生態調査等のために、魚体に標識を付ける技術に関する。
従来、漁獲物の流通管理や魚類の生態調査等を行うために、魚体に標識を付けることが行われている。
例えば、特許文献1では魚類の鑑定のため、蛍光性の着色剤を記号化した識別を有する目視可能埋め込みタックを、魚体の部分的に透明な組織に埋め込む技術が開示されている。
また、特許文献2では主として魚類の生態調査を目的として、魚体にICタグ(RFIDと呼ぶこともある)を装着することが開示されている。ICタグの装着位置は腹腔内であったり、背びれ下部にタグピンを介在してICタグを取付けることにより行われる体外であったり、ICタグの本体を腹腔内に配置すると共にICタグからの延出部材を体外に露出させた部分的体外であったりする。
さらに、主として流通管理の目的で、タグピンを介在して魚体にラベルを付けることも行われている。タグピンは横棒部と頭部とこれら部材間を連絡するフィラメントからなり全体がH文字形状に形成されたものであって、各種タグや値札を衣類その他の表面に取り付けるものである。
特開平6−98659号公報 特開2010−119312号公報
しかし、標識を取付けて魚体を識別する方法を行うと、
(1)標識の取り付けが難しく、取付け時に魚が死亡または弱体化するし、商品であれば鮮度を損ないがちである。
(2)外付け型の標識だと、流通時に魚体にぶつかり、魚体が傷つく。
(3)流通時又は水中で標識が脱落することがある。
(4)標識の不正な複製や使いまわしによって魚体が偽造される。
(5)流通後、調理時に標識除去を失念し、誤飲誤食による人体への影響の恐れがある。
そこで、本発明は標識を容易・短時間で行うことができ、取付け時の魚の弱体化や死亡がなく、また、魚の鮮度の劣化がなく、標識自体が魚体を傷つけることなく、標識の脱落や偽造の恐れが少なく、また標識した魚を摂取しても安全な標識魚の製造方法を得るものである。また本発明はこのような標識魚を用いる魚の流通管理方法を得るものである。さらに本発明は識別性インキを魚体に注入して標識を付すために使用するものであって当該標識を容易に短時間で行うことができる魚体用識別性インキ注入装置を得ることを課題とする。
以下に課題を解決するための手段を述べる。理解を容易にするために、本発明の実施態様に対応する符号を付けて説明するが、本発明は当該実施態様に限定されるものではない。
本発明の一の態様にかかる標識魚の製造方法は、
魚体を識別するための標識魚の製造方法において、
注射針(7)と前記注射針に一定量かつ可食性で識別性のインキを送り込むインキ注入手段(8)を用いて、
被標識魚の一部分である標識部位に前記注射針を挿入し、前記インキ注入手段から前記一定量の前記インキを、前記注射針を経由して被標識魚の魚体の皮下に注入する。
本発明の好ましい実施態様にあっては、前記インキの前記一定量は5μl以上50μl以下の範囲内にある一定量であってもよく、前記インキが、DNA断片を含むものであってもよく、蛍光発光性質を有するものであってもよく、また、前記標識部位は、体長方向に伸びる一本の仮定直線(93)を仮定して前記仮定直線に垂直な2つの平面に挟まれる部分であり、一の平面は尾鰭付根を含む含尾鰭付根平面(94)であり、他の平面は含尾鰭付根平面から頭側に距離50mm離れた第二平面(95)であってもよい。
本発明の他の態様にかかる魚の流通管理方法は、
標識魚を用いる魚の流通管理方法において、以下のイ、ロの工程からなる。
イ 本発明にかかり、可食性で、DNA断片を含むインキを用いて標識した標識魚を得る工程。
ロ イの工程で得た前記魚の前記標識部位からDNA断片を抽出し、前記DNA断片のDNA配列を読取り、前記識別性インキに含まれるDNA断片のDNA配列と比較して、前記標識魚の真偽を判定する精密検査工程。
本発明のその他の態様にかかる魚体用識別性インキ注入装置は、
識別性インキを魚体に注入するために用いる魚体用識別性インキ注入装置であって、
駆動手段、魚体ガイド手段、注射針(7)とインキ注入手段(8)からなり、
前記駆動手段は可動性の容器取付け素子(40)を押動するものであり、
前記魚体ガイド手段は被標識魚体の一部分を収納するものであって、ガイド上板(51)とガイド下板(52)で区画された空洞部(57)であり、前記空洞部は水平方向の一方端部が閉鎖端(53)であり、前記閉鎖端に対面する端部が入口端(5 4)であり、入口端から閉鎖端に向かうにつれ、上下間隔が短くなり、また、空洞部の側面は開放されていて、前記ガイド下板(52)は貫通穴である針貫通穴(55)を有し、
前記インキ注入手段は前記注射針に一定量の、かつ可食性で識別性のインキを送り込むものであり、
前記容器取付け素子に前記注射針が固定されていて、
前記駆動手段の動作により、前記針貫通穴中を前記注射針の部分が移行して、前記注射針の先が前記空洞部に進入し、前記インキ注入手段の動作により、一定量の識別性インキが前記注射針の開口から吐出される。
本発明の好ましい実施態様にあっては、前記インキの前記一定量は5μl以上50μl以下の範囲内にある一定量であってもよく、前記インキがDNA断片を含むものであってもよく、前記インキが蛍光発光性質を有するものであってもよい。
本発明の他の好ましい実施態様である魚体識別性インキ注入装置は、
識別性インキを魚体に注入するために用いる魚体用識別性インキ注入装置であって、
筐体、駆動手段、魚体ガイド手段、注射針(7)とインキ注入手段(8)からなり、
前記駆動手段は前記筐体に軸支された一方端である操作レバー軸支端と他方端部である操作レバー押動端を有する操作レバー(31)、
前記筐体に軸支された一方端である駆動アーム軸支端と他方端部である駆動アーム作用端を有する駆動アーム(34)、
一方端が操作レバー軸支端と操作レバー押動端の間の位置で操作レバーに軸支され、他方端部が駆動アーム軸支端と駆動アーム作用端の間の位置で駆動アームに軸支され、操作レバーと駆動アームを連結するリンク板(37)と
駆動アーム作用端に軸支された容器取付け素子(40)からなり、
前記魚体ガイド手段は被標識魚体の一部分を収納するものであって、ガイド上板(51)とガイド下板(52)で区画された空洞部であり、前記空洞部は水平方向の一方端部が閉鎖端(53)であり、前記閉鎖端に対面する端部が入口端(54)であり、入口端から閉鎖端に向かうにつれ、上下間隔が短くなり、また、空洞部の側面は開放されていて、前記ガイド下板は貫通穴である針貫通穴(55)を有し、また、ガイド下板の下面にあって針貫通穴の周囲は拡径当接部(56)であり、
前記インキ注入手段(8)は、定量吐出機構を有するインキ注入手段であって、インキ容器(81)、逆止弁機構を介在してインキ容器と導通したシリンダ室(82)、シリンダ室の内壁を摺動するピストン(83)を有し、
前記逆止弁機構はインキ容器内のインキをインキ容器からシリンダ室に向かう方向にのみ流すものであり、
前記インキ容器は前記容器取付け素子に固定されていて、
前記インキ容器に可食性識別性インキが貯留されていて、
前記注射針が前記ピストンに固定されていて、前記注射針内の注射液通路はシリンダ内部と導通していて、
かつ、前記注射針は、針先とピストン固定部との間にその断面面積が大となる部分である拡径部(72)を有し、
前記操作レバーの押動により、前記インキ容器が押し上げられ、前記注射針の先が前記空洞部に進入し、前記拡径部が前記拡径当接部に当接して前記注射針の進入が停止し、前記操作レバーの更なる押動により前記注射針に固定された前記ピストンが前記シリンダ内に進入し、前記シリンダ内に存在する前記識別性インキが開口から吐出される。
以上説明した本発明、本発明の好ましい実施態様、これらに含まれる構成要素は可能な限り組み合わせて実施することができる。
本発明にかかる標識魚の製造方法は、その他の発明特定事項と共に、特定のインキを用い、一定量のインキを送り込むインキ注入手段を使用して、魚体の皮下に特定のインキを注入するものであるから、標識作業は容易であり、作業時間は短く標識作業時の魚の弱体化や死亡がなく、魚が商品の場合には鮮度劣化が少なくなり、また標識の脱落や偽造の恐れが少ないという利点がある。さらに、標識した魚を摂取しても人体に安全という利点がある。標識魚が活魚の場合には、標識作業に由来する弱体化は少なく、また可食性のインキであるから、標識物質が引き起こす生命活動への影響も小さい。
本発明にかかる魚の流通管理方法は厳密な精密検査である。被検査対象である魚が傷まない、摂食が安全等、上記した識別魚の利点は本流通管理方法においても、そのまま保持される。
本発明にかかる魚体用識別性インキ注入装置は、その他の発明特定事項と共に、一定量のインキを送り込むインキ注入手段、魚体ガイド手段等を備えており、容易に被標識魚の標識部位が定まり、かつインキ注入量も一定であり、標識作業を短時間化できる等の利点を有する。
図1は標識魚の製造方法を説明する説明図である。 図2は魚体用識別性インキ注入装置の側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例にかかる標識魚の製造方法、魚の流通管理方法と魚体用識別性インキ注入装置をさらに説明する。本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするため、一部の構成要素を誇張して表すなど模式的に表しているものがある。このため、構成要素間の寸法や比率などは実物と異なっている場合がある。また、本発明の実施例に記載した部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
本発明において、魚の標識は可食性かつ識別性のインキを使用する。可食性のインキは、例えばエタノールと食用色素を混合したものである。識別性のインキは、蛍光発光性を有するインキ、DNA断片を含有するインキ又はこれら2種インキの混合物をいう。蛍光発光性とは、特定波長の可視光、赤外光又は紫外光で励起され、励起光よりも長波長側の光を放出する性質をいう。識別性のインキは蛍光発光性質を示し、かつDNA断片を含むものが好ましい。流通管理、生態調査などにおいて蛍光発光確認による迅速な検査である一次検査とDNA配列による精密な検査である二次検査を併用できるからである。
可食性のインキを用いると標識された魚を摂取しても人や動物は安全である。また生態調査等の標識魚や活魚で流通する標識魚にとっても、魚体自身の生命活動が阻害されず、魚体の弱体化も少ない利点がある。
可食性で識別性のインキ中に混合する蛍光染料の量は0.5%〜5%(W/W)であり、DNAの量は5.0ng/ml〜10μg/mlである。
以下、「可食性かつ識別性のインキ」を「本願インキ」と表現する場合がある。
本願インキは被標識魚の魚体の皮下に注入する。このようにすれば、標識の脱落は生じない。またこのようにすれば、標識された魚から本願インキを取り出して別の個体に入れることがきわめて困難となる。すなわち偽造が困難になる。一方、魚体の皮膚や鱗は可視・赤外・紫外光半透明性の種が多く、通常、魚体の外部から励起光を照射して放出される蛍光を観察するのに支障はない。
本願インキは単一の標識群中の個体に一定量注入する。一定量とするのは標識部位からの蛍光強度を一定に保つ、本願インキの使用量節約等の理由である。一定量は特に制限はないが、通常5μl以上50μl以下の範囲内の一定量であり、好ましくは5μl以上20μl以下の範囲内の一定量である。当該範囲内で標識の役目を果たすからであり、必要以上の注入は不必要だからである。
標識部位は、単一の標識群中の個体間で同一部位であれば特に制限はない。好ましくは流通中等に脱落がなく、皮下に一定の肉厚があり、調理に際して捨てる部分であり、また、大きさの個体差が小さく、人間の手で掴み易く、うろこが少ないから注射針が注入し易い部位である。上記条件を満足する部位は尾鰭付根付近と鰓蓋である。より好ましい標識部位は尾鰭付根付近である。
図1を参照して、尾鰭付根付近である標識部位を説明する。魚9について体長方向に伸びる一本の仮定直線93を仮定する。仮定直線93は背骨の連続線とほぼ等しい。魚9の胴体と尾鰭91の境目である尾鰭付根92から仮定直線93に垂直な平面を含尾鰭付根平面94とする。含尾鰭付根平面94と50mmの距離にあり、含尾鰭付根平面94と平行な面であって、魚9の頭側にある平面を第二平面95とする。好ましい標識部位は、含尾鰭付根平面94と第二平面95の間に存在する魚体部分である。
注射針に一定量のインキを送り込むインキ注入手段は、例えば、逆止弁を備えたシリンダ室82とピストンからなるものが挙げられる。すなわち、インキ注入手段8はインキ容器81、逆止弁機構を介在してインキ容器81と導通したシリンダ室82、シリンダ室82の内壁を摺動するピストン83を有している。逆止弁機構はインキ容器81内のインキをインキ容器81からシリンダ室82に向かう方向にのみ流すものである。ピストン83は注射針7の一方端部であるピストン固定部73で注射針7と接続・固定している。ピストン83のシリンダ室82側と注射針7の注射液通路(内管部)は導通している。
ピストン83がシリンダ室82に進入すると、シリンダ室の実効内容積は小さくなり、シリンダ室に充てんされていたインキは注射針7の注射液通路を通過して注射針7の開口から吐出される。
ピストン83の単一回ストローク移動により、シリンダ室内容積に相当する一定量の本願インキが吐出される。ピストン83はつるまきバネで図1紙面上側に付勢されていて、押下げ力が開放されるとピストン83はシリンダ室の実効内容積が最大となる位置に復帰する。この復帰動作によりシリンダ室82に新たに一定量の本願インキが充てんされる。
インキ注入手段は他の公知の手段であってもよい。例えばピストンの最大ストローク点を固定した手動シリンジであってもよい。この手動シリンジはピストンを単一回押し込めば一定量のインキが吐出される。
注射針7の開口部(注射液通路(内管部)を通過した液の出口)は横穴開口であってもよく、先端開口であってもよい。好ましいものは横穴開口の注射針である。横穴開口の注射針は魚体に注射針を刺すとき穴詰まりを防止できるからである。
次に本願発明にかかる魚の流通管理方法を説明する。この流通管理方法にあっては、DNA断片を含む識別性インキを使用して標識した魚を用いる。
精密検査は、魚体標識部位からDNA断片を抽出し、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)による増幅、CE(キャピラリー電気泳動)による配列分析等を行い、DNA断片のDNA配列を決定する。そして当該DNA配列と、識別性インキに含まれるDNA断片のDNA配列と比較して、両者のDNA配列が一致すれば標識魚が真正であると判定し、両者のDNA配列が異なれば標識魚が偽物であると判定する。精密検査はDNAの抽出、増幅、分析を行うので、時間が必要であり、工程は複雑である。一方、真偽判定は正確である。このため精密検査を含む本発明にかかる流通管理方法は、例えば偽装が疑われた場合の確認検査等に有効な検査工程である。
魚の流通管理方法にあっては、蛍光発光性を有する識別性インキを使用する、迅速検査を行ってもよい。迅速検査は魚体外部から識別部位に励起光線を照射して、標識部位からの蛍光放出を確認する。励起光線は可視光線、赤外光線又は紫外光線であり、標識に使用した識別性インキの蛍光発光性質により定まる光線である。迅速検査は魚体外部から行うので簡易かつ容易な検査である。このため全数検査に適している。もっとも抜取り検査の迅速検査を行うことも任意である。
また蛍光発光性質は、励起光の波長範囲が広く、蛍光放出光の波長範囲も広いことから、正確性に欠ける検査方法である。従って、正確性を主たる目標にする場合には、精密検査を行えばよい。
一層好ましい魚の流通管理方法は、蛍光発光性を有し、かつDNA断片を含む識別性インキを使用した標識魚を用いて、迅速検査工程と精密検査工程を併用する方法である。
続いて、図2を参照して、魚体用識別性インキ注入装置を説明する。
図2は魚体用識別性インキ注入装置1の側面図である。魚体用識別性インキ注入装置1は筐体、駆動手段、魚体ガイド手段、注射針7とインキ注入手段8からなる。筐体は2枚の側板を2枚平行に保持したものである。2枚の側板の間に出来る空間に駆動手段、インキ注入手段8などを納めている。
一の側板21が図示されている。
駆動手段は操作レバー31、駆動アーム34、リンク板37と容器取付け素子40からなる。操作レバー31の一方端部である操作レバー軸支端32は側板21に軸支されている。操作レバー31の他方端部である操作レバー押動端33は自由端であり、操作者の握り込みによって押動される。
駆動アーム34の一方端部である駆動アーム軸支端35は、側板21に軸支されている。駆動アーム34の他方端部である駆動アーム作用端36は上下動する。リンク板37は操作レバー31と駆動アーム34の動作を結合するものである。リンク板37の一方端部は(操作レバー)軸支端38であり、操作レバー31の中間部分で操作レバー31に軸支されている。リンク板37の他方端部39は(駆動アーム)軸支端39であり、駆動アーム34の中間部分で駆動アーム34に軸支されている。
駆動アーム作用端36に容器取付け素子40が取付けられている。
容器取付け素子から側板21の方向に案内係合素子を突出させ、側板には垂直方向に伸びる長穴を設け、上記案内係合素子を係合させてもよい。案内係合素子は例えば、容器取付け素子の側面から突出した棒状体である。こうすれば注射針7が鱗など硬いものに当たっても容器取付け素子の上下移動がスムーズになる。案内係合素子と長穴は図示していない。
魚体ガイド手段は、ガイド上板51とガイド下板52で区画され、断面V字状かつ両側面開放の空洞部57である。空洞部57において、水平方向の一方端部は閉鎖端53であり、閉鎖端53と対面する端部が入口端54である。紙面手前と紙面奥の両側面は開放されている。入口端54から閉鎖端53に至る断面形状は直線状に上下間隔が狭まることが好ましいが、階段状に上下間隔が狭まる形状であってもよく、傾斜が不連続であって、例えば断面がU字状であってもよい。最も好ましい断面形状はV字状である。
ガイド下板52は平面の略中央部に針貫通穴55を有する。注射針7が針貫通穴55を通過して空洞部57に進退する。
魚体ガイド手段である空洞部57は尾鰭付根付近の標識位置を受容するものである。尾鰭は自然状態に開いた状態で両側面の開放部から紙面の手前と奥に突出する。尾鰭二股部96が閉鎖端53に当接して空洞部57で魚体の尾部が固定される。尾鰭二股部96は自然状態で2つに開く尾鰭の分岐部分を意味し、その位置を図1に図示している。尾鰭の二股分岐が顕著でない魚種にあっては閉鎖端53に尾鰭の先端を当接させればよい。
注射針7は上記で説明したように横穴開口であってもよく、先端開口であってもよい。注射針7の内管部である注射液通路は注射針7の根元と先端付近にある開口を導通している。注射針7の根元であるピストン固定部73はインキ注入手段8のピストンに固定されている。ピストンにより上下に区画されるシリンジ室の下部は注射液通路と導通している。注射針7はピストン固定部73と先端の中間に拡径部72を有している。注射針7が空洞部57に進入して、拡径部72の上端が拡径当接部56に当接し、注射針の更なる進入が停止される。
インキ注入手段8はインキ容器81、シリンダ室82、ピストン、逆止弁等を有するもので、図1を参照して説明したインキ注入手段8と同一である。容器取付け素子40が、シリンダ室82の外側からシリンダ室82を固定している。シリンダ室82とインキ容器は両者が固結されている。
操作レバー33の押動により駆動アーム作用端36は上方に移動して2段階の動作が行われる。
第一段階は、駆動アーム作用端36の上方への動きに連動して、インキ容器81、注射針7が上方へ移動する。注射針7の先端は空洞部57に進入する。魚体ガイド手段に被標識魚が配置されていれば、注射針7は被標識魚に進入する。駆動アーム作用端36が更に上方へ移動して拡径部72の上端が拡径当接部56に当接すれば第一段階の動作が終了する。
第二段階は駆動アーム作用端36の上方への動きに連動してインキ容器81は上方へ移動を続行するが、注射針7の移動は停止する。注射針7はピストン83に固定されているので、インキ容器81の上方移動はピストン83のシリンダ室82への押下げ移動となって現れる。シリンダ内に存在する本願インキが注射針7の開口から吐出される。魚体ガイド手段に被標識魚が配置されていれば、本願インキは魚体の皮下に注入される。以上で動作は終了する。
図示していないバネの作用で駆動アーム34が元の位置に復帰する。
魚体用識別性インキ注入装置にあって、注射針の開口から吐出される本願インキの一定量は、5μl以上50μl以下の範囲内にある一定量であることが好ましく、より好ましくは5μl以上20μl以下の範囲内の一定量である。この範囲であれば、吐出安定性に問題はなく、また、軽い力で魚体に注入できるからである。
魚体用識別性インキ注入装置にあって、前記可食性で識別性のインキが蛍光発光性質を示し、かつ、DNA断片を含むものであることが好ましい。本装置を使って標識した魚に精密検査と迅速検査の両者を行うことができるので、魚体識別方法のみならず、本魚体用識別性インキ注入装置の用途も増えるからである。
操作レバー31、駆動アームなどからなる駆動手段を備えた魚体用識別性インキ注入装置は、一連の操作レバー押動のみによって標識位置への注射針の刺し入れと本願インキの注入がおこなわれるので、より一層標識操作が迅速に行われる利点がある。
本願発明と発明の詳細な説明において、水平、垂直の用語を使用しているが、これは鉛直線の方向を基準に定めた絶対的な方向を意味するものでなく、装置構成上の相対的方向を示すものである。魚体用識別性インキ注入装置は図2に図示した上下方向に配置しての使用に限定されるものでなく、種々の配置で使用できる。
以上本発明にかかる一実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの一実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
1 魚体用識別性インキ注入装置
7 注射針
8 インキ注入手段
9 魚
21 側板
31 操作レバー
34 駆動アーム
37 リンク板
40 容器取付け素子
51 ガイド上板
52 ガイド下板
53 閉鎖端
54 入口端
55 針貫通穴
56 拡径当接部
57 空洞部
72 拡径部
73 ピストン固定部
81 インキ容器
82 シリンダ室
83 ピストン
91 尾鰭
92 尾鰭付根
93 仮定直線
94 含尾鰭付根平面
95 第二平面
96 尾鰭二股部
97 鰓蓋

Claims (11)

  1. 魚体を識別するための標識魚の製造方法において、
    注射針と前記注射針に一定量かつ可食性で識別性のインキを送り込むインキ注入手段を用いて、
    被標識魚の一部分である標識部位に前記注射針を挿入し、前記インキ注入手段から前記一定量の前記インキを前記注射針を経由して被標識魚の魚体の皮下に注入する標識魚の製造方法。
  2. 前記インキの前記一定量は5μl以上50μl以下の範囲内にある一定量である請求項1に記載した標識魚の製造方法。
  3. 前記インキがDNA断片を含むものである請求項1又は2いずれかに記載した標識魚の製造方法。
  4. 前記インキが蛍光発光性質を有するものである請求項1乃至3いずれかに記載した標識魚の製造方法。
  5. 前記標識部位は、体長方向に伸びる一本の仮定直線を仮定して前記仮定直線に垂直な2つの平面に挟まれる部分であり、一の平面は尾鰭付根を含む含尾鰭付根平面であり、他の平面は含尾鰭付根平面から頭側に距離50mm離れた第二平面である、請求項1乃至4いずれかに記載した標識魚の製造方法。
  6. 標識魚を用いる魚の流通管理方法において、以下のイとロの工程からなる魚の流通管理方法。
    イ 請求項3に記載した標識魚の製造方法に従い標識魚を得る工程。
    ロ イの工程で得た前記魚の前記標識部位からDNA断片を抽出し、前記DNA断片のDNA配列を読取り、前記識別性インキに含まれるDNA断片のDNA配列と比較して、前記標識魚の真偽を判定する精密検査工程。
  7. 識別性インキを魚体に注入するために用いる魚体用識別性インキ注入装置であって、
    駆動手段、魚体ガイド手段、注射針とインキ注入手段からなり、
    前記駆動手段は可動性の容器取付け素子を押動するものであり、
    前記魚体ガイド手段は被標識魚体の一部分を収納するものであって、ガイド上板とガイド下板で区画された空洞部であり、前記空洞部は水平方向の一方端部が閉鎖端であり、前記閉鎖端に対面する端部が入口端であり、入口端から閉鎖端に向かうにつれ、上下間隔が短くなり、また、空洞部の側面は開放されていて、前記ガイド下板は貫通穴である針貫通穴を有し、
    前記インキ注入手段は前記注射針に一定量の、かつ可食性で識別性のインキを送り込むものであり、
    前記容器取付け素子に前記注射針が固定されていて、
    前記駆動手段の動作により、前記針貫通穴中を前記注射針の部分が移行して、前記注射針の先が前記空洞部に進入し、前記インキ注入手段の動作により、一定量の識別性インキが前記注射針の開口から吐出される魚体用識別性インキ注入装置。
  8. 前記注射針の開口から吐出される前記インキの前記一定量は、5μl以上50μl以下の範囲内にある一定量である請求項7に記載した魚体用識別性インキ注入装置。
  9. 前記可食性で識別性のインキがDNA断片を含むものである請求項7又は8いずれかに記載した魚体用識別性インキ注入装置。
  10. 前記インキが蛍光発光性質を有するものである請求項7乃至9いずれかに記載した標識魚の製造方法。
  11. 識別性インキを魚体に注入するために用いる魚体用識別性インキ注入装置であって、
    筐体、駆動手段、魚体ガイド手段、注射針とインキ注入手段からなり、
    前記駆動手段は筐体に軸支された一方端である操作レバー軸支端と他方端部である操作レバー押動端を有する操作レバー、
    前記筐体に軸支された一方端である駆動アーム軸支端と他方端部である駆動アーム作用端を有する駆動アーム、
    一方端が操作レバー軸支端と操作レバー押動端の間の位置で操作レバーに軸支され、他方端部が駆動アーム軸支端と駆動アーム作用端の間の位置で駆動アームに軸支され、操作レバーと駆動アームを連結するリンク板と
    駆動アーム作用端に軸支された容器取付け素子からなり、
    前記魚体ガイド手段は被標識魚体の一部分を収納するものであって、ガイド上板とガイド下板で区画された空洞部であり、前記空洞部は水平方向の一方端部が閉鎖端であり、前記閉鎖端に対面する端部が入口端であり、入口端から閉鎖端に向かうにつれ、上下間隔が短くなり、また、空洞部の側面は開放されていて、前記ガイド下板は貫通穴である針貫通穴を有し、また、ガイド下板の下面にあって針貫通穴の周囲は拡径当接部であり、
    前記インキ注入手段は、定量吐出機構を有するインキ注入手段であって、インキ容器、逆止弁機構を介在してインキ容器と導通したシリンダ室、シリンダ室の内壁を摺動するピストンを有し、
    前記逆止弁機構は前記インキ容器内のインキをインキ容器からシリンダ室に向かう方向にのみ流すものであり、
    前記インキ容器は容器取付け素子に固定されていて、
    前記インキ容器に可食性で識別性のインキが貯留されていて、
    前記注射針が前記ピストンに固定されていて、前記注射針内の注射液通路はシリンダ内部と導通していて、
    かつ、前記注射針は、針先とピストン固定部との間にその断面面積が大となる部分である拡径部を有し、
    前記操作レバーの押動により、前記インキ容器が押し上げられ、前記注射針の先が前記空洞部に進入し、前記拡径部が前記拡径当接部に当接して前記注射針の進入が停止し、前記操作レバーのさらなる押動により前記注射針に固定された前記ピストンが前記シリンダ内に進入し、前記シリンダ内に存在する前記識別性インキが前記注射針の開口から吐出される魚体識別性インキ注入装置。
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