JP2014039640A - 情報取得方法と情報取得プログラム及びその記録媒体、評価方法と評価プログラム及びその記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する際に、精度の高い情報を取得できる情報取得方法を提供する。
【解決手段】異なる視覚刺激による脳活動情報を取得する情報取得方法であって、(1)生体に対して第一の視覚刺激を呈示する工程、(2)第一の視覚刺激を呈示しているときに、一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、(3)生体に対して第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、(4)第二の視覚刺激を呈示しているときに、一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、(5)(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、脳活動情報を取得する工程、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】異なる視覚刺激による脳活動情報を取得する情報取得方法であって、(1)生体に対して第一の視覚刺激を呈示する工程、(2)第一の視覚刺激を呈示しているときに、一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、(3)生体に対して第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、(4)第二の視覚刺激を呈示しているときに、一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、(5)(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、脳活動情報を取得する工程、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得方法と情報取得プログラム及びその記録媒体、評価方法と評価プログラム及びその記録媒体に関する。
ヒト(人体)が物体の色や形状や材質を知覚したときにどう感じているかを評価するときは、アンケートなど主観に基づく手法を用いるのが一般的である。しかし、これらの評価手法や評価結果では定量的に表現するのが難しい。
このように、ヒトの主観は曖昧なものであるため、データの信頼度を高めるために、さまざまな工夫がなされている。
ここで、特許文献1では、ディスプレイに表示された色の見やすさを定量的に評価する方法として、刺激色を呈示した時のヒトの心理的及び生理的データの計測を行っている。
具体的には、表示される色文字が見やすいかどうかの心理評価を行うと同時に脳波や眼球運動などの生理評価を行うことで、色の見やすさを、主観/客観の両面から評価している。
このように、ヒトの主観は曖昧なものであるため、データの信頼度を高めるために、さまざまな工夫がなされている。
ここで、特許文献1では、ディスプレイに表示された色の見やすさを定量的に評価する方法として、刺激色を呈示した時のヒトの心理的及び生理的データの計測を行っている。
具体的には、表示される色文字が見やすいかどうかの心理評価を行うと同時に脳波や眼球運動などの生理評価を行うことで、色の見やすさを、主観/客観の両面から評価している。
特許文献1に記載の方法について、本発明者らはつぎのような課題を見出した。
すなわち、特許文献1の方法では、心理データと脳波計測により得られた生理データとの組み合わせで色の見やすさの評価をしているため、その評価結果に含まれているヒトの主観による影響を排除することは難しい。よって、色の見やすさの客観的な評価を行うことが困難であった。
そのため、ヒトの知覚に関する情報を取得する方法としてより精度の高い方法が求められていた。
すなわち、特許文献1の方法では、心理データと脳波計測により得られた生理データとの組み合わせで色の見やすさの評価をしているため、その評価結果に含まれているヒトの主観による影響を排除することは難しい。よって、色の見やすさの客観的な評価を行うことが困難であった。
そのため、ヒトの知覚に関する情報を取得する方法としてより精度の高い方法が求められていた。
本発明は、上記課題に鑑み、視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得し又は評価する際に、精度の高い情報の取得又は評価をすることが可能となる、情報取得方法と情報取得プログラム及びその記録媒体、評価方法と評価プログラム及びその記録媒体の提供を目的とする。
異なる視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得方法であって、
(1)前記生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する工程、
(2)前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(3)前記生体に対して、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、
(4)前記第二の視覚刺激を呈示しているときに、前記一次視覚野の脳活動データ及び前記色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(5)前記(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと前記(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、
前記(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと前記(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、前記脳活動情報を取得する工程、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る評価方法は、2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する方法であって、
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、
かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、
前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価することを特徴とする。
また、本発明に係る情報プログラムは、異なる視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得プログラムであって、
(1)前記生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する工程、
(2)前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(3)前記生体に対して、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、
(4)前記第二の視覚刺激を呈示しているときに、前記一次視覚野の脳活動データ及び前記色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(5)前記(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと前記(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、
前記(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと前記(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、前記脳活動情報を取得する工程、を含む工程を実行させることを特徴とする。
また、本発明に係る記録媒体は、異なる視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得プログラムを記録した記録媒体であって、
(1)前記生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する工程、
(2)前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(3)前記生体に対して、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、
(4)前記第二の視覚刺激を呈示しているときに、前記一次視覚野の脳活動データ及び前記色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(5)前記(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと前記(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、
前記(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと前記(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、前記脳活動情報を取得する工程、
を含む工程を実行させるための情報取得プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
また、本発明に係る評価プログラムは、2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する評価プログラムであって、
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、
かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、
前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価する工程、を含む工程を実行させることを特徴とする。
また、本発明に係る記録媒体は、2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する評価プログラムを記録した記録媒体であって、
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、
かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、
前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価する工程、を含む工程を実行させるための評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
(1)前記生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する工程、
(2)前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(3)前記生体に対して、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、
(4)前記第二の視覚刺激を呈示しているときに、前記一次視覚野の脳活動データ及び前記色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(5)前記(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと前記(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、
前記(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと前記(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、前記脳活動情報を取得する工程、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る評価方法は、2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する方法であって、
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、
かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、
前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価することを特徴とする。
また、本発明に係る情報プログラムは、異なる視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得プログラムであって、
(1)前記生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する工程、
(2)前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(3)前記生体に対して、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、
(4)前記第二の視覚刺激を呈示しているときに、前記一次視覚野の脳活動データ及び前記色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(5)前記(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと前記(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、
前記(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと前記(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、前記脳活動情報を取得する工程、を含む工程を実行させることを特徴とする。
また、本発明に係る記録媒体は、異なる視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得プログラムを記録した記録媒体であって、
(1)前記生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する工程、
(2)前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(3)前記生体に対して、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、
(4)前記第二の視覚刺激を呈示しているときに、前記一次視覚野の脳活動データ及び前記色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(5)前記(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと前記(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、
前記(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと前記(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、前記脳活動情報を取得する工程、
を含む工程を実行させるための情報取得プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
また、本発明に係る評価プログラムは、2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する評価プログラムであって、
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、
かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、
前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価する工程、を含む工程を実行させることを特徴とする。
また、本発明に係る記録媒体は、2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する評価プログラムを記録した記録媒体であって、
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、
かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、
前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価する工程、を含む工程を実行させるための評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、精度の高い情報の取得又は評価をすることが可能となる、情報取得方法と情報取得プログラム及びその記録媒体、評価方法と評価プログラム及びその記録媒体を提供することができる。
本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態によって何ら限定されるものではない。
まず、本実施形態に係る情報取得方法について説明する。
本実施形態における情報取得方法は、視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得方法であって、以下の(1)から(4)までの工程を含むことを特徴とする。
(1)図1の工程S101に示すように、生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する。
(2)図1の工程S102に示すように、前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野及び色覚関連野の脳活動を計測する。
(3)図1の工程S103に示すように、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を前記生体に呈示して、上記(2)と同じ工程を実行する。
(4)図1の工程S104に示すように、上記(2)および(3)で得られた計測結果から、前記一次視覚野の脳活動データの比および前記色覚関連野の脳活動データの比をそれぞれ計算し、さらに色覚関連野における比と一次視覚野における比との間の比、に基づいて、脳活動情報を取得する。
まず、本実施形態に係る情報取得方法について説明する。
本実施形態における情報取得方法は、視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得方法であって、以下の(1)から(4)までの工程を含むことを特徴とする。
(1)図1の工程S101に示すように、生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する。
(2)図1の工程S102に示すように、前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野及び色覚関連野の脳活動を計測する。
(3)図1の工程S103に示すように、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を前記生体に呈示して、上記(2)と同じ工程を実行する。
(4)図1の工程S104に示すように、上記(2)および(3)で得られた計測結果から、前記一次視覚野の脳活動データの比および前記色覚関連野の脳活動データの比をそれぞれ計算し、さらに色覚関連野における比と一次視覚野における比との間の比、に基づいて、脳活動情報を取得する。
つぎに、これらの各工程の関係について、更に説明する。
(1)の工程においては、生体(例えば人体)に対して、印刷物を呈示する、実物体を呈示する、映像を呈示するなどをして、視覚刺激を呈示する。
(2)の工程においては、(1)の工程で視覚刺激を呈示しているときに、一次視覚野及び色覚関連野の脳活動を計測する。脳活動は、脳の神経細胞の活動電位やそれに伴って生じる電磁場、脳血流を計測することで定量化することができる。
視覚刺激を呈示しているときに脳活動を計測するとは、視覚刺激を呈示することで誘発される脳活動データを、視覚刺激呈示開始のタイミングから一定期間連続的または断続的に取得することを意味する。脳活動データから意味のある情報を取得するためには、脳活動データや計測する装置の種類に応じて、一定期間の脳活動データを取得する必要がある。例えば、脳神経系の代謝活動に関連する脳血流変化としての脳活動を計測する場合、脳血流変化は視覚刺激の呈示から数秒遅れて応答し始めて、数秒程度の時間尺度で応答するので、視覚刺激呈示開始時から少なくとも数秒以上は脳活動データを取得する必要がある。もちろん、脳活動を計測する期間が長いほど、取得できる脳活動データの量は増加する。しかし一方で、脳活動の計測対象である生体を拘束する時間も長くなるために、生体に疲労を与えてしまい、取得する脳活動データにアーチファクトが混入するリスクも増加する。したがって、所望の情報を取得するのに十分な期間で、かつ脳活動の計測対象である生体を疲労させないためには、脳活動を計測する期間は数秒から数十分程度の期間であることが好ましい。
(3)の工程において、(1)の工程とは異なる視覚刺激を人体に呈示する場合、視覚刺激そのものを(1)とは異なる視覚刺激に変えて呈示してもよいし、また、視覚刺激は(1)と同じであるが(1)とは異なる環境下で、視覚刺激を人体に呈示してもよい。
例えば、人体が視覚刺激を見る際の、照明環境下において、照明の色度、色温度、照射光波長などの性質は制御したまま、照度の大きさのみを変化させて同じ視覚刺激を呈示してもよい。
(1)の工程においては、生体(例えば人体)に対して、印刷物を呈示する、実物体を呈示する、映像を呈示するなどをして、視覚刺激を呈示する。
(2)の工程においては、(1)の工程で視覚刺激を呈示しているときに、一次視覚野及び色覚関連野の脳活動を計測する。脳活動は、脳の神経細胞の活動電位やそれに伴って生じる電磁場、脳血流を計測することで定量化することができる。
視覚刺激を呈示しているときに脳活動を計測するとは、視覚刺激を呈示することで誘発される脳活動データを、視覚刺激呈示開始のタイミングから一定期間連続的または断続的に取得することを意味する。脳活動データから意味のある情報を取得するためには、脳活動データや計測する装置の種類に応じて、一定期間の脳活動データを取得する必要がある。例えば、脳神経系の代謝活動に関連する脳血流変化としての脳活動を計測する場合、脳血流変化は視覚刺激の呈示から数秒遅れて応答し始めて、数秒程度の時間尺度で応答するので、視覚刺激呈示開始時から少なくとも数秒以上は脳活動データを取得する必要がある。もちろん、脳活動を計測する期間が長いほど、取得できる脳活動データの量は増加する。しかし一方で、脳活動の計測対象である生体を拘束する時間も長くなるために、生体に疲労を与えてしまい、取得する脳活動データにアーチファクトが混入するリスクも増加する。したがって、所望の情報を取得するのに十分な期間で、かつ脳活動の計測対象である生体を疲労させないためには、脳活動を計測する期間は数秒から数十分程度の期間であることが好ましい。
(3)の工程において、(1)の工程とは異なる視覚刺激を人体に呈示する場合、視覚刺激そのものを(1)とは異なる視覚刺激に変えて呈示してもよいし、また、視覚刺激は(1)と同じであるが(1)とは異なる環境下で、視覚刺激を人体に呈示してもよい。
例えば、人体が視覚刺激を見る際の、照明環境下において、照明の色度、色温度、照射光波長などの性質は制御したまま、照度の大きさのみを変化させて同じ視覚刺激を呈示してもよい。
(4)の工程においては、(2)および(3)の工程で計測された、一次視覚野及び色覚関連野の脳活動データから比を計算し、脳活動情報を取得する。
脳活動情報を取得するとは、例えば、一次視覚野及び色覚関連野の脳活動データから脳活動の時系列変化をそれぞれ算出し、さらにその時系列変化の波形から振幅値を求める。
その振幅値を用いて、異なる視覚刺激に関する各視覚野での脳活動データの比を計算する。
そして、その色覚関連野における比と一次視覚野における比との間の比を指標として、例えば、人体が色を知覚したときの色の見えに関する情報を取得する。
色覚関連野における振幅値の比が、一次視覚野における振幅値の比に対して大きい場合、変化させた視覚刺激に対応して人体が知覚した色の見えに大きな違いが生じたと評価することができる。
具体的には、脳活動応答が大きかった視覚刺激に関し、色を鮮やかに感じた、もしくは、色の明暗をはっきりと感じた、などと評価することができる。比を求めるために用いた振幅値などは、後述する手法により定量的に求めることができる。
脳活動情報を取得するとは、例えば、一次視覚野及び色覚関連野の脳活動データから脳活動の時系列変化をそれぞれ算出し、さらにその時系列変化の波形から振幅値を求める。
その振幅値を用いて、異なる視覚刺激に関する各視覚野での脳活動データの比を計算する。
そして、その色覚関連野における比と一次視覚野における比との間の比を指標として、例えば、人体が色を知覚したときの色の見えに関する情報を取得する。
色覚関連野における振幅値の比が、一次視覚野における振幅値の比に対して大きい場合、変化させた視覚刺激に対応して人体が知覚した色の見えに大きな違いが生じたと評価することができる。
具体的には、脳活動応答が大きかった視覚刺激に関し、色を鮮やかに感じた、もしくは、色の明暗をはっきりと感じた、などと評価することができる。比を求めるために用いた振幅値などは、後述する手法により定量的に求めることができる。
このような方法を用い、視覚野における脳活動を計測することで、視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報、例えば知覚した色の見えに関する情報を取得することができる。
本実施形態における情報取得方法は、視覚刺激以外の要因による影響を受けにくい方法である。
すなわち、各個人の主観による影響を受けにくいため、視覚刺激が与えられた生体からの情報取得方法、例えば色の見えに関する知覚情報を取得する方法として精度の高い方法といえる。
また、本実施形態における情報取得方法は、視覚刺激の色の特性などを評価する場合にも好適な方法である。
すなわち、視覚刺激を与えられた生体からの脳活動情報を取得し、取得した脳活動情報からその視覚刺激の色特性を評価することも可能である。したがって、視覚刺激評価手法として、精度の高い方法であるといえる。
また、本実施形態に係る情報取得方法は、視覚刺激を観察している環境を評価する場合にも好適な方法である。
すなわち、視覚刺激を与えられた生体からの脳活動情報を取得する際に、明るさなどの観察環境を制御しておき、脳活動情報を取得した後、取得した脳活動情報と観察環境との相関関係を検討することで、その観察環境を評価することができる。したがって、観察環境評価手法として、精度の高い方法であるといえる。
本実施形態における情報取得方法は、視覚刺激以外の要因による影響を受けにくい方法である。
すなわち、各個人の主観による影響を受けにくいため、視覚刺激が与えられた生体からの情報取得方法、例えば色の見えに関する知覚情報を取得する方法として精度の高い方法といえる。
また、本実施形態における情報取得方法は、視覚刺激の色の特性などを評価する場合にも好適な方法である。
すなわち、視覚刺激を与えられた生体からの脳活動情報を取得し、取得した脳活動情報からその視覚刺激の色特性を評価することも可能である。したがって、視覚刺激評価手法として、精度の高い方法であるといえる。
また、本実施形態に係る情報取得方法は、視覚刺激を観察している環境を評価する場合にも好適な方法である。
すなわち、視覚刺激を与えられた生体からの脳活動情報を取得する際に、明るさなどの観察環境を制御しておき、脳活動情報を取得した後、取得した脳活動情報と観察環境との相関関係を検討することで、その観察環境を評価することができる。したがって、観察環境評価手法として、精度の高い方法であるといえる。
本実施形態における視覚刺激は、生体の脳活動を変化させるものであれば特に限定されない。
例えば、プロジェクタなどから投影される映像刺激、ディスプレイで表示される映像刺激、及び、印刷物や布、プラスチック製品などの実物体刺激が挙げられる。
視覚刺激は、映像刺激、実物体刺激のいずれかであってもよいし、これらを複数組み合わせたものでもよい。本実施形態に係る評価方法は、視覚刺激が印刷物である場合、すなわち、印刷物の評価方法、ならびに、印刷物の観察環境評価手法であることが好ましい。
また、本実施形態において生体とは、ヒト(人体)、サル、ネコなど生きているものを意味する。本実施形態に係る情報取得方法は、人体である場合が好ましい。以下、生体が人体である場合について説明する。また、本明細書において人体を被験者ということがある。
例えば、プロジェクタなどから投影される映像刺激、ディスプレイで表示される映像刺激、及び、印刷物や布、プラスチック製品などの実物体刺激が挙げられる。
視覚刺激は、映像刺激、実物体刺激のいずれかであってもよいし、これらを複数組み合わせたものでもよい。本実施形態に係る評価方法は、視覚刺激が印刷物である場合、すなわち、印刷物の評価方法、ならびに、印刷物の観察環境評価手法であることが好ましい。
また、本実施形態において生体とは、ヒト(人体)、サル、ネコなど生きているものを意味する。本実施形態に係る情報取得方法は、人体である場合が好ましい。以下、生体が人体である場合について説明する。また、本明細書において人体を被験者ということがある。
本実施形態において脳活動とは、視覚刺激が与えられたときの生体の脳活動の応答を表す。脳活動の応答は、脳の神経細胞の活動電位の変化、あるいは、活動電位の変化に伴って生じる電磁場の変化や脳血流の変化を計測することで定量化できる。
脳の神経細胞の活動電位は電極を用いた神経活動記録装置を用いて計測できる。活動電位の変化に伴って生じる電磁場の変化は脳波計や脳磁計を用いて計測できる。
活動電位の変化に伴って生じる脳血流変化は、磁気共鳴画像計測装置を用いた機能的磁気共鳴画像法(fMRI(functional Magnetic Resonance Imagimg))、近赤外分光法によるNIRS(Near Infrared Spectroscopy and imaging)装置、ポジトロン断層計測装置などを用いて計測できる。
また、本実施形態において脳活動情報とは、上記脳活動の計測によって得られる脳活動データや、当該データから得られる情報を意味する。
脳活動情報として例えば、色の見えの知覚、特に生体が知覚している色の鮮やかさに関する情報などが挙げられる。
知覚している色の鮮やかさに関する情報は、脳の神経細胞の活動電位の変化、あるいは、活動電位の変化に伴って生じる電磁場の変化や脳血流変化といった脳活動データから得ることができる。
脳の神経細胞の活動電位は電極を用いた神経活動記録装置を用いて計測できる。活動電位の変化に伴って生じる電磁場の変化は脳波計や脳磁計を用いて計測できる。
活動電位の変化に伴って生じる脳血流変化は、磁気共鳴画像計測装置を用いた機能的磁気共鳴画像法(fMRI(functional Magnetic Resonance Imagimg))、近赤外分光法によるNIRS(Near Infrared Spectroscopy and imaging)装置、ポジトロン断層計測装置などを用いて計測できる。
また、本実施形態において脳活動情報とは、上記脳活動の計測によって得られる脳活動データや、当該データから得られる情報を意味する。
脳活動情報として例えば、色の見えの知覚、特に生体が知覚している色の鮮やかさに関する情報などが挙げられる。
知覚している色の鮮やかさに関する情報は、脳の神経細胞の活動電位の変化、あるいは、活動電位の変化に伴って生じる電磁場の変化や脳血流変化といった脳活動データから得ることができる。
本実施形態において色の見えとは、光源や物体によって変化する色の特性を生体がどのようにとらえているか、という生体の知覚・心理状態を意味する。
色の特性には、色相・彩度・明度という色の三属性が大きな影響を与えている。色相は赤、緑、青といった色の様相、彩度は色の鮮やかさ、明度は色の明るさをそれぞれ意味する。
色相、彩度、明度を有する色を有彩色という。一方、色相、彩度は有さず、明度のみを有する色を無彩色という。
白や黒、灰色などは無彩色である。生体は、視覚刺激の観察環境によって、色の鮮やかさ、などの色の見えの知覚に、違いが生じることがある。
また、本実施形態に係る情報取得方法は、生体の色の見えの知覚に関する情報を取得することが好ましい。
本実施形態に係る情報取得方法は、印刷物などの実物体、あるいは映像などを見たときの生体の色の見えの知覚を評価する場合に好適に用いることができる。
また、本実施形態において視覚とは、可視光を物理的入力とした感覚のことを意味する。また、視覚情報とは外界にある物体の色、形、材質、運動、テクスチャ、奥行きなどについての情報、物体のカテゴリーについての情報、物体の位置関係のような外界の空間的な情報を指す。視覚情報処理の初期過程を担う脳の領野は視覚野である。
色の特性には、色相・彩度・明度という色の三属性が大きな影響を与えている。色相は赤、緑、青といった色の様相、彩度は色の鮮やかさ、明度は色の明るさをそれぞれ意味する。
色相、彩度、明度を有する色を有彩色という。一方、色相、彩度は有さず、明度のみを有する色を無彩色という。
白や黒、灰色などは無彩色である。生体は、視覚刺激の観察環境によって、色の鮮やかさ、などの色の見えの知覚に、違いが生じることがある。
また、本実施形態に係る情報取得方法は、生体の色の見えの知覚に関する情報を取得することが好ましい。
本実施形態に係る情報取得方法は、印刷物などの実物体、あるいは映像などを見たときの生体の色の見えの知覚を評価する場合に好適に用いることができる。
また、本実施形態において視覚とは、可視光を物理的入力とした感覚のことを意味する。また、視覚情報とは外界にある物体の色、形、材質、運動、テクスチャ、奥行きなどについての情報、物体のカテゴリーについての情報、物体の位置関係のような外界の空間的な情報を指す。視覚情報処理の初期過程を担う脳の領野は視覚野である。
本実施形態に係る情報取得方法において、視覚野中の一次視覚野(V1(V1d、V1v)の脳活動を計測すると同時に、色覚関連野として、四次視覚野(V4(V4d、V4v))、もしくは、八次視覚野(V8)のいずれかの領域の脳活動を計測することが好ましい。色覚関連野は、色覚の認知に関連していると考えられている領野である。四次視覚野、八次視覚野の他に、紡錘状回、舌状回、側副溝の領域も色覚関連野として知られている。
色覚関連野であるV4vやV8を計測対象とすると、色の見えの知覚を正確に評価することができると考えられるため、好ましい。
また、これらの色覚関連野のうち、複数の領野にまたがった領域(例えばV4vとV8にまたがった領域)の脳活動を計測してもよい。
また、特定の領野の脳活動を計測する場合、当該領野における一部の領域の脳活動を計測してもよい。
さらに、複数の領野にまたがった領域の脳活動を計測する場合、複数の領野の一部の領域(V4vの一部の領域とV8の一部の領域)の脳活動を計測してもよい。
なお、視覚野には上記の他に、
二次視覚野(V2(V2d、V2v))、
三次視覚野(V3(V3、V3A))、
VP野(Ventral Posterior area)、
MT野(Middle Temporal Area)、
MST野(Middle Superior Temporal Area)、七次視覚野(V7)、LO野(Lateral Occipital area)、などがある。
なお、V4v、及びV8に相当する視覚野の分類は他説もあり、VO1及びVO2とする別の分類も存在する。
本発明では、V4v、及びV8という表記で当該領野を指定することとする。
視覚情報は後頭葉、頭頂葉の一部、側頭葉の一部に確認されている大脳皮質視覚野において主に処理される。
なお、大脳皮質の前部に位置するのが前頭葉、後部に位置するのが後頭葉、頭頂部に位置するのが頭頂葉、側部に位置するのが側頭葉である。
色覚関連野であるV4vやV8を計測対象とすると、色の見えの知覚を正確に評価することができると考えられるため、好ましい。
また、これらの色覚関連野のうち、複数の領野にまたがった領域(例えばV4vとV8にまたがった領域)の脳活動を計測してもよい。
また、特定の領野の脳活動を計測する場合、当該領野における一部の領域の脳活動を計測してもよい。
さらに、複数の領野にまたがった領域の脳活動を計測する場合、複数の領野の一部の領域(V4vの一部の領域とV8の一部の領域)の脳活動を計測してもよい。
なお、視覚野には上記の他に、
二次視覚野(V2(V2d、V2v))、
三次視覚野(V3(V3、V3A))、
VP野(Ventral Posterior area)、
MT野(Middle Temporal Area)、
MST野(Middle Superior Temporal Area)、七次視覚野(V7)、LO野(Lateral Occipital area)、などがある。
なお、V4v、及びV8に相当する視覚野の分類は他説もあり、VO1及びVO2とする別の分類も存在する。
本発明では、V4v、及びV8という表記で当該領野を指定することとする。
視覚情報は後頭葉、頭頂葉の一部、側頭葉の一部に確認されている大脳皮質視覚野において主に処理される。
なお、大脳皮質の前部に位置するのが前頭葉、後部に位置するのが後頭葉、頭頂部に位置するのが頭頂葉、側部に位置するのが側頭葉である。
図2(a)は後頭側から見た大脳皮質表面の模式図である。
図2(b)は、図2(a)の大脳皮質表面の拡大図である。
図2(c)は、図2(b)の大脳皮質表面の拡大図を、足元方向から見た模式図である。
図2では、実際には脳梁によってつながれている大脳の左右半球を、便宜的に分離して示している。
なお、本模式図は一例であり、人体によって、脳の形や大きさ、視覚野の領域分けは異なることがある。
図2(a)において、201は左耳、202は右耳、203は大脳左半球、204は大脳右半球を表す。図2(b)の大脳左半球203において、
210はV1(V1v、V1d)、211はV2(V2v、V2d)、212はV3、213はV3A、214はV4(V4v、V4d)、215はV7、216はLO野、217はMT野、を表す。
また、大脳右半球204において、220はV1(V1v、V1d)、221はV2(V2v、V2d)、222はV3、223はV3A、224はV4(V4v、V4d)、225はV7、226はLO野、227はMT野、を表す。
図2(b)は、図2(a)の大脳皮質表面の拡大図である。
図2(c)は、図2(b)の大脳皮質表面の拡大図を、足元方向から見た模式図である。
図2では、実際には脳梁によってつながれている大脳の左右半球を、便宜的に分離して示している。
なお、本模式図は一例であり、人体によって、脳の形や大きさ、視覚野の領域分けは異なることがある。
図2(a)において、201は左耳、202は右耳、203は大脳左半球、204は大脳右半球を表す。図2(b)の大脳左半球203において、
210はV1(V1v、V1d)、211はV2(V2v、V2d)、212はV3、213はV3A、214はV4(V4v、V4d)、215はV7、216はLO野、217はMT野、を表す。
また、大脳右半球204において、220はV1(V1v、V1d)、221はV2(V2v、V2d)、222はV3、223はV3A、224はV4(V4v、V4d)、225はV7、226はLO野、227はMT野、を表す。
また、図2(c)の大脳左半球203において、230はV1(V1v、V1d)、231はV2(V2v、V2d)、232はVP、233はV4(V4v、V4d)、234はV8、を表す。また、大脳右半球204において、240はV1(V1v、V1d)、241はV2(V2v、V2d)、242はVP、243はV4(V4v、V4d)、244はV8、を表す。
図2(b)(c)にあるように、各視覚野は両半球のほぼ対称の位置に存在している。
視覚情報は、はじめに左右半球それぞれの後頭葉後端にあるV1へ入力される。その後、V2、V3、V3Aなどの視覚野において情報処理が行われる。後頭葉視覚野において処理された視覚情報は、さらに頭頂葉、側頭葉、前頭葉の各視覚関連領野へと順次伝わり、統合されて視知覚や視覚的記憶といった視覚機能が生じる。なお、ブロードマンの脳地図では、V1は17野、V2は18野、V3は19野に位置する。
図2(b)(c)にあるように、各視覚野は両半球のほぼ対称の位置に存在している。
視覚情報は、はじめに左右半球それぞれの後頭葉後端にあるV1へ入力される。その後、V2、V3、V3Aなどの視覚野において情報処理が行われる。後頭葉視覚野において処理された視覚情報は、さらに頭頂葉、側頭葉、前頭葉の各視覚関連領野へと順次伝わり、統合されて視知覚や視覚的記憶といった視覚機能が生じる。なお、ブロードマンの脳地図では、V1は17野、V2は18野、V3は19野に位置する。
大脳皮質視覚野において、V1、V2以降の視覚情報処理は大きく二つの流れで処理される。
一つは背側視覚経路と呼ばれ、V3、V3A、LO野、MT野など大脳皮質背側部に連なる領野を経由する視覚情報処理経路である。
背側視覚経路には視覚的運動や両眼視差に対して応答する神経細胞が多く存在し、自他の空間配置や運動状態の認知に関与していると考えられている。
もう一つは腹側視覚経路と呼ばれ、V4v、V8など大脳皮質腹側部に連なる領野を経由する視覚情報処理経路である。
腹側視覚経路には色や形などに対して応答する神経細胞が多く存在し、視覚による対象物体の認識に関与していると考えられている。
一つは背側視覚経路と呼ばれ、V3、V3A、LO野、MT野など大脳皮質背側部に連なる領野を経由する視覚情報処理経路である。
背側視覚経路には視覚的運動や両眼視差に対して応答する神経細胞が多く存在し、自他の空間配置や運動状態の認知に関与していると考えられている。
もう一つは腹側視覚経路と呼ばれ、V4v、V8など大脳皮質腹側部に連なる領野を経由する視覚情報処理経路である。
腹側視覚経路には色や形などに対して応答する神経細胞が多く存在し、視覚による対象物体の認識に関与していると考えられている。
色を知覚したとき、大脳皮質腹側部の視覚野の脳活動応答に変化が生じる。
すなわち、生体が色を知覚している状態では、腹側部の色覚関連野の脳活動に大きく応答変化が生じる。
したがって、このときの一次視覚野の応答を基準として、色覚関連野の応答を比較することで、色の見えに伴う知覚に関する情報を取得することができる。
具体的には異なる2つの視覚刺激を生体に与えたときの一次視覚野と色覚関連野における脳活動変化の比を指標とすることによって、色の見えなどの知覚に関する情報を取得することができる。
すなわち、生体が色を知覚している状態では、腹側部の色覚関連野の脳活動に大きく応答変化が生じる。
したがって、このときの一次視覚野の応答を基準として、色覚関連野の応答を比較することで、色の見えに伴う知覚に関する情報を取得することができる。
具体的には異なる2つの視覚刺激を生体に与えたときの一次視覚野と色覚関連野における脳活動変化の比を指標とすることによって、色の見えなどの知覚に関する情報を取得することができる。
生体の色の見えに関する知覚情報を取得しようとする場合、本実施形態に係る情報取得方法では、上記に挙げた視覚野だけではなく、腹側経路の紡錘状回、側副溝の脳活動も合わせて計測することが好ましい。
紡錘状回や側副溝も色覚関連野であるため、これらの脳活動応答を、一次視覚野の脳活動応答を基準として比較することで、物体の色の見えに伴う知覚に関する詳細な情報を取得することができる。
色の見えに関する知覚情報を取得しようとする場合、上記の領域のみに限定されるものではなく、大脳皮質におけるいずれかの領野の脳活動応答を用いることができる。
また、右半球だけでの脳活動応答、左半球だけでの脳活動応答、もしくは、右半球と左半球の脳活動応答を平均化した応答、のいずれかを用いることができる。
紡錘状回や側副溝も色覚関連野であるため、これらの脳活動応答を、一次視覚野の脳活動応答を基準として比較することで、物体の色の見えに伴う知覚に関する詳細な情報を取得することができる。
色の見えに関する知覚情報を取得しようとする場合、上記の領域のみに限定されるものではなく、大脳皮質におけるいずれかの領野の脳活動応答を用いることができる。
また、右半球だけでの脳活動応答、左半球だけでの脳活動応答、もしくは、右半球と左半球の脳活動応答を平均化した応答、のいずれかを用いることができる。
視覚刺激が与えられたときの生体の脳活動応答は、脳の神経細胞の活動電位の変化、あるいは、活動電位の変化に伴って生じる電磁場の変化や脳血流の変化を計測することで定量化できる。
以下に、脳活動を計測する方法の一例として、fMRI法について詳細に説明する。
fMRI法は、脳の神経細胞の活動変化などに関連した血流動態反応を、MRI装置を用いて視覚化する方法である。
MRI装置は被験者の測定部位に静磁場を加え、さらに特定の高周波磁場を加えて、これによって発生した核磁気共鳴現象を利用して、画像が得られるようにした装置である。
神経細胞は活動変化に際して酸素を消費し、一時的に酸素が欠乏した状態となる。これを解消するため、その神経細胞付近の脳血管に血液が送り込まれ、神経細胞に酸素が補充される。
fMRI法は、脳血流に含まれる酸化ヘモグロビンや還元ヘモグロビンの変化量を、MRI装置を用いて計測する脳活動計測法である。
fMRI法を用いて、脳血流動態を計測する場合、視覚刺激に応答した部位を統計処理で特定し、その部位を解剖画像にカラーマップとして表示することで、脳活動を可視化する。
以下に、脳活動を計測する方法の一例として、fMRI法について詳細に説明する。
fMRI法は、脳の神経細胞の活動変化などに関連した血流動態反応を、MRI装置を用いて視覚化する方法である。
MRI装置は被験者の測定部位に静磁場を加え、さらに特定の高周波磁場を加えて、これによって発生した核磁気共鳴現象を利用して、画像が得られるようにした装置である。
神経細胞は活動変化に際して酸素を消費し、一時的に酸素が欠乏した状態となる。これを解消するため、その神経細胞付近の脳血管に血液が送り込まれ、神経細胞に酸素が補充される。
fMRI法は、脳血流に含まれる酸化ヘモグロビンや還元ヘモグロビンの変化量を、MRI装置を用いて計測する脳活動計測法である。
fMRI法を用いて、脳血流動態を計測する場合、視覚刺激に応答した部位を統計処理で特定し、その部位を解剖画像にカラーマップとして表示することで、脳活動を可視化する。
fMRI法による計測は、図3に示すような装置構成で行うことが好ましい。図3において、300はMRI装置、301は被験者であり、302はMRI装置の寝台、303は傾斜磁場コイル、304は超電導磁石、305は筒状の計測部である。
前記構成において、筒状の計測部305の内部に被験者301が横たわり、被験者301の頭部にはMR信号検出用コイル306が設置されており、被験者301の神経活動に伴う脳血流変化によって発生した電磁波信号を検出する。
被験者眼前の視野を確保するため、及び、大脳皮質視覚野において高感度の脳活動計測を行うため、コイル306は表面コイル型のRadio Frequencyコイルを用いることが好ましい。
前記構成において、筒状の計測部305の内部に被験者301が横たわり、被験者301の頭部にはMR信号検出用コイル306が設置されており、被験者301の神経活動に伴う脳血流変化によって発生した電磁波信号を検出する。
被験者眼前の視野を確保するため、及び、大脳皮質視覚野において高感度の脳活動計測を行うため、コイル306は表面コイル型のRadio Frequencyコイルを用いることが好ましい。
脳活動情報は、上記脳活動の計測によって得られる。または、脳活動の計測によって得られた脳活動データを解析することで得られる。本実施形態に係る情報取得方法は、撮像したfMRI画像の輝度情報から、色の見えに関する脳活動情報を取得することが好ましい。
以下に、色の見えの評価方法について説明する。
本実施形態における情報取得方法によって取得される脳活動情報は、色の見えの知覚に関する情報、特に知覚する色の鮮やかさに関する情報であってもよい。
知覚する色の鮮やかさに関する情報を取得することで、人体が視覚刺激における色の特性をどのように知覚しているかを評価することができる。
色の見えの知覚を評価する方法は、視覚刺激が人体に与えられているときの脳活動データに基づいて行うものである。
例えば、異なる照度条件下で、視覚刺激としてカラー印刷物を用いたときの脳活動情報の取得方法は以下の通りである。
第一の照度の光が照射されたカラー印刷物を人体に呈示しているときの一次視覚野と色覚関連野の脳活動データの時系列変化をそれぞれ算出する。
同様に、第二の照度の光が照射されたカラー印刷物を人体に呈示しているときの一次視覚野と色覚関連野の脳活動データの時系列変化をそれぞれ算出する。
そして、それらの時系列変化の波形から振幅値を求め、その振幅値を用いて、各領野における第一の照度の光での脳活動データと第二の照度の光での脳活動データとの間の比をそれぞれ計算する。そして、最終的に、色覚関連野における比と一次視覚野における比との間の比を指標とすることで色の見えに関する評価を行う。
このように、色の見えの知覚に関する情報は振幅値の比を用いることで定量化することができる。
以下に、色の見えの評価方法について説明する。
本実施形態における情報取得方法によって取得される脳活動情報は、色の見えの知覚に関する情報、特に知覚する色の鮮やかさに関する情報であってもよい。
知覚する色の鮮やかさに関する情報を取得することで、人体が視覚刺激における色の特性をどのように知覚しているかを評価することができる。
色の見えの知覚を評価する方法は、視覚刺激が人体に与えられているときの脳活動データに基づいて行うものである。
例えば、異なる照度条件下で、視覚刺激としてカラー印刷物を用いたときの脳活動情報の取得方法は以下の通りである。
第一の照度の光が照射されたカラー印刷物を人体に呈示しているときの一次視覚野と色覚関連野の脳活動データの時系列変化をそれぞれ算出する。
同様に、第二の照度の光が照射されたカラー印刷物を人体に呈示しているときの一次視覚野と色覚関連野の脳活動データの時系列変化をそれぞれ算出する。
そして、それらの時系列変化の波形から振幅値を求め、その振幅値を用いて、各領野における第一の照度の光での脳活動データと第二の照度の光での脳活動データとの間の比をそれぞれ計算する。そして、最終的に、色覚関連野における比と一次視覚野における比との間の比を指標とすることで色の見えに関する評価を行う。
このように、色の見えの知覚に関する情報は振幅値の比を用いることで定量化することができる。
図4は脳活動データの時系列変化から振幅値を求める方法を示した図である。図4(a)(b)にfMRI法で計測した、2つの照度条件における一次視覚野と色覚関連野の脳活動データの時系列変化を示す。
図4(a)のグラフに示すように、各条件の波形から振幅値を算出し、それらの振幅値の比を求めることで、一次視覚野における脳活動データの変化量を算出することができる。
同様に、色覚関連野における比を算出する(図4(b))。そして、色覚関連野の比を一次視覚野の比で割ることによって、脳活動情報の指標となる比を算出することができる。
図4(a)のグラフに示すように、各条件の波形から振幅値を算出し、それらの振幅値の比を求めることで、一次視覚野における脳活動データの変化量を算出することができる。
同様に、色覚関連野における比を算出する(図4(b))。そして、色覚関連野の比を一次視覚野の比で割ることによって、脳活動情報の指標となる比を算出することができる。
すなわち、本実施形態に係る情報取得方法において脳活動データの時系列変化から振幅値の比を求める方法の一例は以下の通りである。
(i).上記(2)と(3)の工程で得られた一次視覚野の脳活動データから時系列変化をそれぞれ算出し、その時系列変化の波形から振幅値をそれぞれ求める。求めた2つの振幅値の比を計算し、一次視覚野における脳活動データの変化量とする。
(ii).上記(2)と(3)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データについて、(i)と同じ工程を実行する。
(iii).上記(i)と(ii)で求めたそれぞれの比から、さらに比を算出する。その際、色覚関連野の比を一次視覚野の比で割ることで、指標となる比を算出する。
(i).上記(2)と(3)の工程で得られた一次視覚野の脳活動データから時系列変化をそれぞれ算出し、その時系列変化の波形から振幅値をそれぞれ求める。求めた2つの振幅値の比を計算し、一次視覚野における脳活動データの変化量とする。
(ii).上記(2)と(3)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データについて、(i)と同じ工程を実行する。
(iii).上記(i)と(ii)で求めたそれぞれの比から、さらに比を算出する。その際、色覚関連野の比を一次視覚野の比で割ることで、指標となる比を算出する。
視覚刺激としてカラー印刷物を用いた際、最終的に求めた比が1に近い場合は、被験者の一次視覚野と色覚関連野との間の脳活動変化に大きな差が生じていない、ということになる。よって、視覚刺激に照射した光の照度変化に伴う色知覚に関する脳活動についても大きな違いが生じていない、ということになる。
逆に比の値が1よりも大きい場合、一次視覚野での脳活動変化に比べ、色覚関連野での脳活動変化が大きい、ということになり、照度変化に伴って色知覚に関する脳活動応答の違いが顕著に生じたということがわかる。
すなわち、被験者は色覚関連野でより大きな応答を示した照度条件で、視覚刺激であるカラー印刷物の色を鮮やかに知覚している、もしくは、色の明暗をはっきりと知覚している、などと評価することができる。
逆に比の値が1よりも大きい場合、一次視覚野での脳活動変化に比べ、色覚関連野での脳活動変化が大きい、ということになり、照度変化に伴って色知覚に関する脳活動応答の違いが顕著に生じたということがわかる。
すなわち、被験者は色覚関連野でより大きな応答を示した照度条件で、視覚刺激であるカラー印刷物の色を鮮やかに知覚している、もしくは、色の明暗をはっきりと知覚している、などと評価することができる。
生体の色の見えに関する知覚情報を取得しようとする場合、
本実施形態に係る情報取得方法では、上記(1)の工程の後、かつ、上記(3)の工程の前に、例えば、カラー印刷物から色相と彩度を除いたグレイスケール印刷物を人体に呈示する工程を有することが好ましい。
グレイスケール印刷物を呈示した時の脳活動とカラー印刷物を呈示した時の脳活動を比較することにより、対象とする印刷物の色に対応した脳活動応答をより精度よく取得することができる。
また、生体の色の見えに関する知覚情報を取得しようとする場合、本実施形態に係る情報取得方法では、上記(1)の工程の後、かつ、上記(3)の工程の前に、生体の一次視覚野、色覚関連野の脳活動を定常状態に戻す工程を有することが好ましい。
具体的には、例えば、灰色統制刺激を人体に呈示することが好ましい。灰色統制刺激は、前記グレイスケール印刷物における輝度の平均値を算出し、その輝度を有する灰色で作成されていることが好ましい。
この統制刺激を人体に一定時間呈示することで、前記視覚野の脳活動を、第一の視覚刺激を呈示する前の状態、すなわち定常状態に制御することができる。定常状態とは、人体の脳の神経細胞の活動電位や活動電位の変化に伴って生じる脳血流が、安静時の状態と同じように安定し、一定の状態を保ち続けている状態のことを意味する。
脳活動を定常状態に戻す工程を有することで、視覚刺激を呈示したときの脳活動データの時系列変化をより精度よく取得することができ、より正確な値の振幅値を求めることができる。
本実施形態に係る情報取得方法では、上記(1)の工程の後、かつ、上記(3)の工程の前に、例えば、カラー印刷物から色相と彩度を除いたグレイスケール印刷物を人体に呈示する工程を有することが好ましい。
グレイスケール印刷物を呈示した時の脳活動とカラー印刷物を呈示した時の脳活動を比較することにより、対象とする印刷物の色に対応した脳活動応答をより精度よく取得することができる。
また、生体の色の見えに関する知覚情報を取得しようとする場合、本実施形態に係る情報取得方法では、上記(1)の工程の後、かつ、上記(3)の工程の前に、生体の一次視覚野、色覚関連野の脳活動を定常状態に戻す工程を有することが好ましい。
具体的には、例えば、灰色統制刺激を人体に呈示することが好ましい。灰色統制刺激は、前記グレイスケール印刷物における輝度の平均値を算出し、その輝度を有する灰色で作成されていることが好ましい。
この統制刺激を人体に一定時間呈示することで、前記視覚野の脳活動を、第一の視覚刺激を呈示する前の状態、すなわち定常状態に制御することができる。定常状態とは、人体の脳の神経細胞の活動電位や活動電位の変化に伴って生じる脳血流が、安静時の状態と同じように安定し、一定の状態を保ち続けている状態のことを意味する。
脳活動を定常状態に戻す工程を有することで、視覚刺激を呈示したときの脳活動データの時系列変化をより精度よく取得することができ、より正確な値の振幅値を求めることができる。
このように、本実施形態に係る情報取得方法によって取得される脳活動情報により、視覚刺激が被験者に与える色の見えの知覚に関する評価をすることができる。
したがって本実施形態に係る情報取得方法によれば、最終的に求められた比が大きい場合、被験者は脳活動応答の大きかった視覚刺激の色を鮮やかであると感じている、もしくは、色の明暗をはっきりと知覚している、などというような評価をすることができる。
例えば、次のような評価ができる。視覚刺激としてカラー印刷物を用いた場合の、一次視覚野と色覚関連野の脳活動データを計測する。
その際、照度条件は2種類設定する。得られた脳活動のデータについて、上記(i)から(iii)の工程を経ることで比を算出する。
そして、複数の被験者について、比を求める。そして、求めた比の平均値、あるいは最も小さい比を、閾値として定めることが好ましい。
例えば、最終的に求めた比がその閾値よりも大きい場合、色が鮮やかに見えていると評価することができる。もちろん、閾値の設定方法は上記に限られない。
したがって本実施形態に係る情報取得方法によれば、最終的に求められた比が大きい場合、被験者は脳活動応答の大きかった視覚刺激の色を鮮やかであると感じている、もしくは、色の明暗をはっきりと知覚している、などというような評価をすることができる。
例えば、次のような評価ができる。視覚刺激としてカラー印刷物を用いた場合の、一次視覚野と色覚関連野の脳活動データを計測する。
その際、照度条件は2種類設定する。得られた脳活動のデータについて、上記(i)から(iii)の工程を経ることで比を算出する。
そして、複数の被験者について、比を求める。そして、求めた比の平均値、あるいは最も小さい比を、閾値として定めることが好ましい。
例えば、最終的に求めた比がその閾値よりも大きい場合、色が鮮やかに見えていると評価することができる。もちろん、閾値の設定方法は上記に限られない。
前記閾値を決定するには、あらかじめ任意の被験者を対象に本実施形態に係る情報取得方法を適用し、得られる比と色の見えに関する知覚との関係を明らかにしておくことが望ましい。
例えば、前記被験者に対してカラー印刷物を異なる照度条件(条件1、条件2)で呈示し、それぞれの照度条件でカラー印刷物を見ている間の被験者の一次視覚野と色覚関連野における脳活動を計測する。
その際、カラー印刷物以外にも、基準となる視覚刺激としてグレイスケール印刷物を用いることが好ましい。
また、脳活動を定常状態に戻すための灰色統制刺激を用いることが好ましい。
そして、被験者には、例えば、カラー印刷物→灰色統制刺激→グレイスケール印刷物→灰色統制刺激→カラー印刷物→灰色統制刺激のような順序で視覚刺激を与える。
計測して得られた脳活動情報から、条件1および条件2における、カラー印刷物を見たときの各視覚野における脳活動データの時系列変化の振幅値を算出する。
例えば、前記被験者に対してカラー印刷物を異なる照度条件(条件1、条件2)で呈示し、それぞれの照度条件でカラー印刷物を見ている間の被験者の一次視覚野と色覚関連野における脳活動を計測する。
その際、カラー印刷物以外にも、基準となる視覚刺激としてグレイスケール印刷物を用いることが好ましい。
また、脳活動を定常状態に戻すための灰色統制刺激を用いることが好ましい。
そして、被験者には、例えば、カラー印刷物→灰色統制刺激→グレイスケール印刷物→灰色統制刺激→カラー印刷物→灰色統制刺激のような順序で視覚刺激を与える。
計測して得られた脳活動情報から、条件1および条件2における、カラー印刷物を見たときの各視覚野における脳活動データの時系列変化の振幅値を算出する。
また、条件1および条件2において、カラー印刷物を見たときの脳活動データに有意な差異があるか否かを統計的に検定し、カラー印刷物を見たときに人体が色を鮮やかに感じているか否かを判別するための閾値を算出する。
図5のグラフは、各照度条件において、人体がカラー印刷物を呈示された時の一次視覚野と色覚関連野における振幅値を示した棒グラフである。
図5に示すデータのなかで、統計的に有意なものを判定するために、t検定を行う。
t検定とは、比較する2つの母集団がいずれも正規分布に従うと仮定したうえで、それらの平均が等しいかどうかを検定する際に用いられるパラメトリックな統計的有意差検定手法である。
図5の結果では、一次視覚野での有意差は確認されていないが、色覚関連野においては、照度条件の違いによって、有意差があることが確認された。
ここに記したのは一例であって、色の見えに関する知覚と被験者の脳活動との対応を明らかにし、比の閾値を決定できるのであれば、どのような方法を用いても構わない。
図5のグラフは、各照度条件において、人体がカラー印刷物を呈示された時の一次視覚野と色覚関連野における振幅値を示した棒グラフである。
図5に示すデータのなかで、統計的に有意なものを判定するために、t検定を行う。
t検定とは、比較する2つの母集団がいずれも正規分布に従うと仮定したうえで、それらの平均が等しいかどうかを検定する際に用いられるパラメトリックな統計的有意差検定手法である。
図5の結果では、一次視覚野での有意差は確認されていないが、色覚関連野においては、照度条件の違いによって、有意差があることが確認された。
ここに記したのは一例であって、色の見えに関する知覚と被験者の脳活動との対応を明らかにし、比の閾値を決定できるのであれば、どのような方法を用いても構わない。
つぎに、本発明の実施形態における評価方法について説明する。
本実施形態に係る評価方法は、2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する知覚の評価方法であって、以下の(1)乃至(5)の工程を有する。
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、
前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、
前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価する工程。
本実施形態に係る評価方法は、2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する知覚の評価方法であって、以下の(1)乃至(5)の工程を有する。
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、
前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、
前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価する工程。
また、本実施形態においては、上記(1)から(5)の工程を含む工程を実行させる評価プログラム、あるいは前述した本発明の上記情報取得方法における(1)から(5)の工程を含む工程を実行させる情報取得プログラムを構成することができる。
このような本実施形態におけるプログラムは、記録媒体に記録されたものであってもよいし、インターネットからダウンロードされたものであってもよい。プログラムは、コンピュータによって読み取り可能である。
また、本実施形態においては、上記情報取得プログラムあるいは評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成することができる。
すなわち、上記した評価方法あるいは前述した本発明の上記情報取得方法における(1)から(5)の工程を含む工程を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成することができる。
ここで、記録媒体として、CD(CDR、CDRWなど)、DVD(DVDR、DVDRWなど)、フラッシュメモリ、ハードディスク、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、等が挙げられる。
このような本実施形態におけるプログラムは、記録媒体に記録されたものであってもよいし、インターネットからダウンロードされたものであってもよい。プログラムは、コンピュータによって読み取り可能である。
また、本実施形態においては、上記情報取得プログラムあるいは評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成することができる。
すなわち、上記した評価方法あるいは前述した本発明の上記情報取得方法における(1)から(5)の工程を含む工程を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成することができる。
ここで、記録媒体として、CD(CDR、CDRWなど)、DVD(DVDR、DVDRWなど)、フラッシュメモリ、ハードディスク、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、等が挙げられる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1では、異なる照度条件下で被験者にカラー印刷物を呈示したときの一次視覚野と色覚関連野である八次視覚野の脳活動を計測し、得られた脳活動データを用いて、被験者のカラー印刷物の色の見えに関する知覚を評価した。
[実施例1]
実施例1では、異なる照度条件下で被験者にカラー印刷物を呈示したときの一次視覚野と色覚関連野である八次視覚野の脳活動を計測し、得られた脳活動データを用いて、被験者のカラー印刷物の色の見えに関する知覚を評価した。
本実施例において、脳活動計測装置にはMRI装置を用い、計測手法としてfMRI法を用いた。
図6は、本実施例で用いた計測手法を説明する図である。
図6において、600はMRI装置、601は被験者であり、602はMRI装置の寝台、603は傾斜磁場コイル、604は超電導磁石、605は筒状の計測部である。
前記構成において、筒状の計測部605の内部に被験者601を横たわらせ、その眼前には視覚刺激として被験者に呈示するための試料606を試料保持手段607により設置した。
また、被験者601の頭部上方に、試料606を照明するための光ファイバー照明装置608を設置した。
試料保持手段607には、超音波モータ609を取り付け、試料保持手段607の制御を超音波モータ609で行うことにより、試料606の呈示面を制御することが可能となるようにした。
なお、ここでの超音波モータ609としては、特開平3−253272号公報等、多くの文献に開示されている圧電素子(電気−機械エネルギー変換素子)によって駆動されるようにした構成のものを用いることができる。
試料606、試料保持手段607を開口部付きブース610の中に格納し、被験者601が開口部611から試料606を知覚できるようにした。
また、照明装置608からの照射光がブース610の内部に導入されるように、照明装置608を設置した。
なお、試料606、試料保持手段607、照明装置608、超音波モータ609、ブース610は非磁性体で構成されているものを用いた。また、被験者601の後頭部にはMR信号検出用コイル612を設置し、被験者601の神経活動に伴う脳血流変化によって発生する電磁波信号が検出可能となるようにした。
図6は、本実施例で用いた計測手法を説明する図である。
図6において、600はMRI装置、601は被験者であり、602はMRI装置の寝台、603は傾斜磁場コイル、604は超電導磁石、605は筒状の計測部である。
前記構成において、筒状の計測部605の内部に被験者601を横たわらせ、その眼前には視覚刺激として被験者に呈示するための試料606を試料保持手段607により設置した。
また、被験者601の頭部上方に、試料606を照明するための光ファイバー照明装置608を設置した。
試料保持手段607には、超音波モータ609を取り付け、試料保持手段607の制御を超音波モータ609で行うことにより、試料606の呈示面を制御することが可能となるようにした。
なお、ここでの超音波モータ609としては、特開平3−253272号公報等、多くの文献に開示されている圧電素子(電気−機械エネルギー変換素子)によって駆動されるようにした構成のものを用いることができる。
試料606、試料保持手段607を開口部付きブース610の中に格納し、被験者601が開口部611から試料606を知覚できるようにした。
また、照明装置608からの照射光がブース610の内部に導入されるように、照明装置608を設置した。
なお、試料606、試料保持手段607、照明装置608、超音波モータ609、ブース610は非磁性体で構成されているものを用いた。また、被験者601の後頭部にはMR信号検出用コイル612を設置し、被験者601の神経活動に伴う脳血流変化によって発生する電磁波信号が検出可能となるようにした。
図7は、本実施例における試料保持手段607の拡大図である。
非磁性体からなる試料保持手段607は直方体をしており、長方形をなす4面のうち1面には被験者に呈示したい試料606を設置した。
本実施例では、視覚刺激として被験者に呈示するための試料606として、カラー印刷物を用いた。試料606に隣接する面には、基準となる試料701として、カラー印刷物の平均輝度と同じ輝度を有する灰色統制刺激を設置した。
試料保持手段607の側面部には超音波モータ609を取り付けた。超音波モータ609の回転軸は試料保持手段607の側面部の中心に接続されており、試料保持手段607はこの回転軸を中心に回転できるようにした。
また、超音波モータ609の駆動を制御するコントローラ(図示せず)はMRI装置が設置されている磁気シールド室内部で、かつMRI装置本体内部の計測位置から最大の距離を有する場所に設置した。
そして、電磁気的にシールドされた制御線によって、超音波モータ609とコントローラとを接続した。
このように、超音波モータ609は、被験者に試料を選択的に呈示するにあたり、コントローラを介して呈示時間及び呈示面を駆動制御することが可能となるようにした。
非磁性体からなる試料保持手段607は直方体をしており、長方形をなす4面のうち1面には被験者に呈示したい試料606を設置した。
本実施例では、視覚刺激として被験者に呈示するための試料606として、カラー印刷物を用いた。試料606に隣接する面には、基準となる試料701として、カラー印刷物の平均輝度と同じ輝度を有する灰色統制刺激を設置した。
試料保持手段607の側面部には超音波モータ609を取り付けた。超音波モータ609の回転軸は試料保持手段607の側面部の中心に接続されており、試料保持手段607はこの回転軸を中心に回転できるようにした。
また、超音波モータ609の駆動を制御するコントローラ(図示せず)はMRI装置が設置されている磁気シールド室内部で、かつMRI装置本体内部の計測位置から最大の距離を有する場所に設置した。
そして、電磁気的にシールドされた制御線によって、超音波モータ609とコントローラとを接続した。
このように、超音波モータ609は、被験者に試料を選択的に呈示するにあたり、コントローラを介して呈示時間及び呈示面を駆動制御することが可能となるようにした。
つぎに、本実施例における脳活動計測方法の手順について、図8を用いて説明する。
まず、被験者601と呈示する試料606と基準試料701との関係について、図8(a)、(b)を用いて説明する。
図8(a)は各ステップの順番と時間間隔、図8(b)は被験者601、試料606、基準試料701との関係における時系列変化を示している。
まず、ステップ(1)において、被験者601に試料606を時間区間t1の間呈示した。次に、ステップ(2)において、超音波モータ609を用いて、時間区間t2の間に、試料保持手段607を90度回転させた。
これにより基準試料701としての灰色統制刺激を呈示することが可能となった。
次に、ステップ(3)において、基準試料701を時間区間t3の間被験者601に呈示した。次に、ステップ(4)において、時間区間t4の間に、ステップ(2)とは逆方向に超音波モータ609を90度回転させ、試料606を被験者601に再び呈示可能となるように制御した。
次に、ステップ(5)において、試料606を時間区間t5の間被験者601に呈示した。
以上のステップ(2)からステップ(5)までを1ループとし、以下、超音波モータ609の駆動及び試料606の呈示面の変更を、ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5)、ステップ(2)、…ステップ(5)の順番で、ループをN回繰り返した。
その際、視覚刺激を呈示する被験者の周囲環境は照度条件も含め、一定であるものとした。
まず、被験者601と呈示する試料606と基準試料701との関係について、図8(a)、(b)を用いて説明する。
図8(a)は各ステップの順番と時間間隔、図8(b)は被験者601、試料606、基準試料701との関係における時系列変化を示している。
まず、ステップ(1)において、被験者601に試料606を時間区間t1の間呈示した。次に、ステップ(2)において、超音波モータ609を用いて、時間区間t2の間に、試料保持手段607を90度回転させた。
これにより基準試料701としての灰色統制刺激を呈示することが可能となった。
次に、ステップ(3)において、基準試料701を時間区間t3の間被験者601に呈示した。次に、ステップ(4)において、時間区間t4の間に、ステップ(2)とは逆方向に超音波モータ609を90度回転させ、試料606を被験者601に再び呈示可能となるように制御した。
次に、ステップ(5)において、試料606を時間区間t5の間被験者601に呈示した。
以上のステップ(2)からステップ(5)までを1ループとし、以下、超音波モータ609の駆動及び試料606の呈示面の変更を、ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5)、ステップ(2)、…ステップ(5)の順番で、ループをN回繰り返した。
その際、視覚刺激を呈示する被験者の周囲環境は照度条件も含め、一定であるものとした。
一般的に、fMRI法による脳計測において、被験者に与える刺激の呈示方法(呈示のタイミング)には複数の手法が存在するが、本実施例ではブロックデザインと呼ばれる手法を用いた。
ブロックデザインは、レストブロックとタスクブロックで構成される刺激呈示方法である。本実施例でのブロックデザインでは、レストブロックと呼ばれる基準試料701を被験者601に呈示する状態と、タスクブロックと呼ばれる試料606を被験者601に呈示する状態とを交互に繰り返した。
すなわち、ステップ(3)がレストブロックに、ステップ(5)がタスクブロックに相当していた。
ブロックデザインは、レストブロックとタスクブロックで構成される刺激呈示方法である。本実施例でのブロックデザインでは、レストブロックと呼ばれる基準試料701を被験者601に呈示する状態と、タスクブロックと呼ばれる試料606を被験者601に呈示する状態とを交互に繰り返した。
すなわち、ステップ(3)がレストブロックに、ステップ(5)がタスクブロックに相当していた。
次に、図8(c)を用いて、fMRI法による脳機能画像取得手順について説明する。
視覚刺激としてのカラー印刷物である試料606を被験者601に呈示し始めるタイミングと、fMRI法の撮像開始のタイミングとが、同期するように調整した。
そして、レストブロックすなわちステップ(3)の時間区間t3において、基準試料701としての灰色統制刺激を呈示した際の脳機能画像と、タスクブロックすなわちステップ(5)の時間区間t5において試料606としてのカラー印刷物を呈示した際の脳機能画像とをそれぞれ取得した。
本実施例では、ステップ(2)からステップ(5)のループをN回繰り返しているので、タスクブロックでの脳機能画像とレストブロックでの脳機能画像がそれぞれN個ずつ得られた。
これらの画像を、平均化等の画像処理を行うことでノイズを除去して、最終的にタスクブロック時とレストブロック時の脳機能画像を比較することで、カラー印刷物の色の見えを被験者601が知覚したときの脳機能画像を得ることができた。
視覚刺激としてのカラー印刷物である試料606を被験者601に呈示し始めるタイミングと、fMRI法の撮像開始のタイミングとが、同期するように調整した。
そして、レストブロックすなわちステップ(3)の時間区間t3において、基準試料701としての灰色統制刺激を呈示した際の脳機能画像と、タスクブロックすなわちステップ(5)の時間区間t5において試料606としてのカラー印刷物を呈示した際の脳機能画像とをそれぞれ取得した。
本実施例では、ステップ(2)からステップ(5)のループをN回繰り返しているので、タスクブロックでの脳機能画像とレストブロックでの脳機能画像がそれぞれN個ずつ得られた。
これらの画像を、平均化等の画像処理を行うことでノイズを除去して、最終的にタスクブロック時とレストブロック時の脳機能画像を比較することで、カラー印刷物の色の見えを被験者601が知覚したときの脳機能画像を得ることができた。
本実施例での脳機能画像取得手順では、ステップ(2)及びステップ(4)で、超音波モータ609を回転させて、被験者601に呈示する試料を変更させた。
しかし、このt2及びt4の時間区間の間は、脳機能画像を取得しないようにfMRI法の脳機能画像取得手順を作成することが望ましい。
理由は2つあり、1つは本実施例では、このt2及びt4の時間区間の間を使って試料保持手段の傾きを変えているため、この時間区間の脳機能画像ではタスクとレストの両方の画像が混在してしまう可能性があるためである。
もう1つの理由は、超音波モータ609を駆動することで、わずかに発生する電磁波が、脳機能画像の劣化を引き起こす可能性があるからである。
超音波モータ609を駆動している時間区間の間、脳機能画像の取得を停止することで、測定後の解析で使用する画像データに、超音波モータ609の駆動に起因するノイズが重畳されることを抑制することが可能となる。
なお、MRI装置の種類によっては、以上のようにt2及びt4の間のみの脳機能画像の取得を停止することができないものもある。
この場合は、全測定期間にわたって脳機能画像を取得した後、t2及びt4の時間区間に取得した脳機能画像を使用せず、t3及びt5で取得した画像データのみを解析することで所望の脳機能画像を得ることができる。
しかし、このt2及びt4の時間区間の間は、脳機能画像を取得しないようにfMRI法の脳機能画像取得手順を作成することが望ましい。
理由は2つあり、1つは本実施例では、このt2及びt4の時間区間の間を使って試料保持手段の傾きを変えているため、この時間区間の脳機能画像ではタスクとレストの両方の画像が混在してしまう可能性があるためである。
もう1つの理由は、超音波モータ609を駆動することで、わずかに発生する電磁波が、脳機能画像の劣化を引き起こす可能性があるからである。
超音波モータ609を駆動している時間区間の間、脳機能画像の取得を停止することで、測定後の解析で使用する画像データに、超音波モータ609の駆動に起因するノイズが重畳されることを抑制することが可能となる。
なお、MRI装置の種類によっては、以上のようにt2及びt4の間のみの脳機能画像の取得を停止することができないものもある。
この場合は、全測定期間にわたって脳機能画像を取得した後、t2及びt4の時間区間に取得した脳機能画像を使用せず、t3及びt5で取得した画像データのみを解析することで所望の脳機能画像を得ることができる。
本実施例で設定した照度条件は、低照度条件(1000ルクス)と高照度条件(10000ルクス)であった。照度条件の設定にあたり、照度以外の光の物性、例えば、色温度や色度などの物性値が変化しないように留意した。
各照度条件について、上記脳活動計測手法およびブロックデザインを用いて、視覚刺激としてカラー印刷物を呈示したときの被験者の脳活動計測を実施した。
また、大脳皮質視覚野の中でも、一次視覚野と八次視覚野における脳活動を計測した。
各照度条件について、上記脳活動計測手法およびブロックデザインを用いて、視覚刺激としてカラー印刷物を呈示したときの被験者の脳活動計測を実施した。
また、大脳皮質視覚野の中でも、一次視覚野と八次視覚野における脳活動を計測した。
計測して得られた脳活動情報から、一次視覚野と八次視覚野の各照度条件における脳活動データの比を計算した。
具体的には、撮像したfMRI画像から、一次視覚野と八次視覚野の各領域における輝度情報を算出し、その輝度情報の時系列変化を脳活動データの時系列変化とした。
そして、さらにその時系列変化の波形から振幅値を求めた。
図9は、各視覚野における低照度条件と高照度条件での脳活動データの振幅値を示した棒グラフである。
図9の結果を用いて、照度条件の変化に伴う各視覚野での振幅値の比を計算した。そして、計算により求めた八次視覚野における比と一次視覚野における比との間の比を指標とすることで、照度条件が異なる環境下で、被験者がカラー印刷物を知覚したときの色の見えに関する情報を取得した。
具体的には、撮像したfMRI画像から、一次視覚野と八次視覚野の各領域における輝度情報を算出し、その輝度情報の時系列変化を脳活動データの時系列変化とした。
そして、さらにその時系列変化の波形から振幅値を求めた。
図9は、各視覚野における低照度条件と高照度条件での脳活動データの振幅値を示した棒グラフである。
図9の結果を用いて、照度条件の変化に伴う各視覚野での振幅値の比を計算した。そして、計算により求めた八次視覚野における比と一次視覚野における比との間の比を指標とすることで、照度条件が異なる環境下で、被験者がカラー印刷物を知覚したときの色の見えに関する情報を取得した。
照度条件が異なる環境下での色の見えに関する知覚を評価する際に、あらかじめ設定しておいた閾値との比較を行った。本実施例における閾値は以下のようにして設定しておいた。
10人の被験者について、本実施例と同じ脳活動計測装置と脳活動計測手法を用いて、照度条件を変え、カラー印刷物を呈示したときのfMRI画像を取得した。
撮像したfMRI画像における一次視覚野と八次視覚野の領域に関する輝度情報を、各照度条件について算出した。
その輝度の時系列変化を脳活動データの時系列変化とし、さらにその波形から振幅値を求めた。上記計算を繰り返し、10人分の脳活動データの振幅値を求め、t検定を行い、照度条件の違いによって各視覚野における脳活動データに有意差があるかどうかを判定した。
2つの照明条件でカラー印刷物を見たときの一次視覚野における振幅値は、低照度条件で1.17、高照度条件で1.28であった。t検定の結果、一次視覚野では有意差は得られなかった。
そこで、2つの照度条件における振幅値の比を求め、それを一次視覚野の閾値として設定した。振幅値の比は、1.28/1.17=1.09となった。よって、設定する閾値は、計算で求められた振幅値の比が0.9から1.1の範囲であること、とした。
一方、2つの照明条件でカラー印刷物を見たときの八次視覚野における振幅値は、低照度条件で1.17、高照度条件で1.45であった。t検定の結果、八次視覚野では有意差が得られた。よって、2つの照度条件における振幅値の比を求め、それを八次視覚野の閾値として設定した。振幅値の比は、1.45/1.17=1.24となった。
よって、設定する閾値は、計算で求められた振幅値の比が1.2以上であること、とした。
これらの閾値を用いて、カラー印刷物を呈示された被験者が、どちらの照度条件においてより鮮やかに色を知覚しているかを評価した。
すなわち、一次視覚野における振幅値の比が、0.9以上1.1以下の範囲にあり、かつ、八次視覚野における振幅値の比が、1.2以上である場合に、前記被験者が高照度の照度条件において、色をより鮮やかに知覚していると評価することができた。
10人の被験者について、本実施例と同じ脳活動計測装置と脳活動計測手法を用いて、照度条件を変え、カラー印刷物を呈示したときのfMRI画像を取得した。
撮像したfMRI画像における一次視覚野と八次視覚野の領域に関する輝度情報を、各照度条件について算出した。
その輝度の時系列変化を脳活動データの時系列変化とし、さらにその波形から振幅値を求めた。上記計算を繰り返し、10人分の脳活動データの振幅値を求め、t検定を行い、照度条件の違いによって各視覚野における脳活動データに有意差があるかどうかを判定した。
2つの照明条件でカラー印刷物を見たときの一次視覚野における振幅値は、低照度条件で1.17、高照度条件で1.28であった。t検定の結果、一次視覚野では有意差は得られなかった。
そこで、2つの照度条件における振幅値の比を求め、それを一次視覚野の閾値として設定した。振幅値の比は、1.28/1.17=1.09となった。よって、設定する閾値は、計算で求められた振幅値の比が0.9から1.1の範囲であること、とした。
一方、2つの照明条件でカラー印刷物を見たときの八次視覚野における振幅値は、低照度条件で1.17、高照度条件で1.45であった。t検定の結果、八次視覚野では有意差が得られた。よって、2つの照度条件における振幅値の比を求め、それを八次視覚野の閾値として設定した。振幅値の比は、1.45/1.17=1.24となった。
よって、設定する閾値は、計算で求められた振幅値の比が1.2以上であること、とした。
これらの閾値を用いて、カラー印刷物を呈示された被験者が、どちらの照度条件においてより鮮やかに色を知覚しているかを評価した。
すなわち、一次視覚野における振幅値の比が、0.9以上1.1以下の範囲にあり、かつ、八次視覚野における振幅値の比が、1.2以上である場合に、前記被験者が高照度の照度条件において、色をより鮮やかに知覚していると評価することができた。
本実施例によれば、脳活動計測方法としてfMRI法を用いているので、大脳皮質視覚野における各領域の脳活動を高空間分解能で計測して、高精度な評価結果を得ることができる。
例えば、前記八次視覚野のように大脳皮質視覚野内の特定領野の脳活動を計測する際には、本実施例に示した形態が好適である。
例えば、前記八次視覚野のように大脳皮質視覚野内の特定領野の脳活動を計測する際には、本実施例に示した形態が好適である。
[実施例2]
実施例2では、同一照度条件下で被験者にカラー印刷物とモノクロ印刷物を呈示したときの一次視覚野と色覚関連野である八次視覚野の脳活動を計測し、得られた脳活動データを用いて、被験者のカラー印刷物の色の見えに関する知覚を評価した。
本実施例においても、実施例1と同様に、MRI装置とfMRI法を用いた。
本実施例で設定した照度条件は、10000ルクスであった。照度条件の設定にあたり、照度以外の光の物性、例えば、色温度や色度などの物性値が変化しないように留意した。
設定した照度条件において、実施例1と同様の脳活動計測手法およびブロックデザインを用い、視覚刺激として、カラー印刷物とモノクロ印刷物を呈示したときの被験者の脳活動計測を実施した。
実施例2では、同一照度条件下で被験者にカラー印刷物とモノクロ印刷物を呈示したときの一次視覚野と色覚関連野である八次視覚野の脳活動を計測し、得られた脳活動データを用いて、被験者のカラー印刷物の色の見えに関する知覚を評価した。
本実施例においても、実施例1と同様に、MRI装置とfMRI法を用いた。
本実施例で設定した照度条件は、10000ルクスであった。照度条件の設定にあたり、照度以外の光の物性、例えば、色温度や色度などの物性値が変化しないように留意した。
設定した照度条件において、実施例1と同様の脳活動計測手法およびブロックデザインを用い、視覚刺激として、カラー印刷物とモノクロ印刷物を呈示したときの被験者の脳活動計測を実施した。
計測して得られた脳活動情報から、一次視覚野と八次視覚野の各視覚刺激における脳活動データの比を計算した。そして、実施例1と同様にあらかじめ設定しておいた閾値との比較を行った。
一次視覚野における振幅値は、カラー印刷物で1.28、モノクロ印刷物で1.16であった。t検定の結果、一次視覚野では有意差は得られなかった。
そこで、振幅値の比を求め、それを一次視覚野の閾値として設定した。振幅値の比は、1.28/1.16=1.10となった。よって、設定する閾値は、計算で求められた振幅値の比が0.9から1.1の範囲であること、とした。
一方、八次視覚野における振幅値は、カラー印刷物で1.45、モノクロ印刷物で1.12であった。t検定の結果、八次視覚野では有意差が得られた。よって、振幅値の比を求め、それを八次視覚野の閾値として設定した。振幅値の比は、1.45/1.17=1.29となった。
よって、設定する閾値は、計算で求められた振幅値の比が1.2以上であること、とした。
一次視覚野における振幅値は、カラー印刷物で1.28、モノクロ印刷物で1.16であった。t検定の結果、一次視覚野では有意差は得られなかった。
そこで、振幅値の比を求め、それを一次視覚野の閾値として設定した。振幅値の比は、1.28/1.16=1.10となった。よって、設定する閾値は、計算で求められた振幅値の比が0.9から1.1の範囲であること、とした。
一方、八次視覚野における振幅値は、カラー印刷物で1.45、モノクロ印刷物で1.12であった。t検定の結果、八次視覚野では有意差が得られた。よって、振幅値の比を求め、それを八次視覚野の閾値として設定した。振幅値の比は、1.45/1.17=1.29となった。
よって、設定する閾値は、計算で求められた振幅値の比が1.2以上であること、とした。
これらの閾値を用いて、被験者が、どちらの視覚刺激においてより鮮やかに色を知覚しているかを評価した。
すなわち、一次視覚野における振幅値の比が、0.9以上1.1以下の範囲にあり、かつ、八次視覚野における振幅値の比が、1.2以上である場合に、前記被験者がカラー印刷物において、色をより鮮やかに知覚していると評価することができた。
すなわち、一次視覚野における振幅値の比が、0.9以上1.1以下の範囲にあり、かつ、八次視覚野における振幅値の比が、1.2以上である場合に、前記被験者がカラー印刷物において、色をより鮮やかに知覚していると評価することができた。
300:MRI装置
301:被験者
302:MRI装置の寝台
303:傾斜磁場コイル
304:超電導磁石
305:筒状の計測部
306:MR信号検出用コイル
301:被験者
302:MRI装置の寝台
303:傾斜磁場コイル
304:超電導磁石
305:筒状の計測部
306:MR信号検出用コイル
Claims (14)
- 異なる視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得方法であって、
(1)前記生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する工程、
(2)前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(3)前記生体に対して、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、
(4)前記第二の視覚刺激を呈示しているときに、前記一次視覚野の脳活動データ及び前記色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(5)前記(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと前記(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、
前記(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと前記(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、前記脳活動情報を取得する工程、
を含むことを特徴とする情報取得方法。 - 前記色覚関連野が四次視覚野、または、八次視覚野であることを特徴とする請求項1に記載の情報取得方法。
- 前記(1)の工程が、第一の照度の光が照射された有彩色を有する物体を呈示する工程であり、
前記(3)の工程が、前記第一の照度と異なる第二の照度の光が照射された前記有彩色を有する物体を呈示する工程であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報取得方法。 - 前記(1)の工程の後、かつ、前記(3)の工程の前に、前記有彩色を有する物体から色相と彩度を除いた、無彩色を有する物体を呈示する工程を有することを特徴とする請求項3に記載の情報取得方法。
- 前記(1)の工程の後、かつ、前記(3)の工程の前に、前記生体の前記一次視覚野、および、前記色覚関連野の脳活動を定常状態に戻す工程を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報取得方法。
- 前記脳活動情報が、前記生体が知覚している色の鮮やかさに関する情報であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報取得方法。
- 前記(2)の工程および(4)の工程で、
前記生体の脳の活動電位の変化、前記活動電位の変化に伴って生じる電磁場の変化、前記活動電位の変化に伴って生じる脳血流変化、から選ばれる少なくとも一つに関連するデータを、
前記脳活動データとして取得することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報取得方法。 - 前記(2)の工程および(4)の工程で、fMRI画像における輝度情報を取得することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報取得方法。
- 2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する方法であって、
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、
かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、
前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価することを特徴とする評価方法。 - 前記第一の物体が、第一の照度の光が照射された物体であり、前記第二の物体が、前記第一の照度とは異なる第二の照度の光が照射された物体であることを特徴とする請求項9に記載の評価方法。
- 異なる視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得プログラムであって、
(1)前記生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する工程、
(2)前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(3)前記生体に対して、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、
(4)前記第二の視覚刺激を呈示しているときに、前記一次視覚野の脳活動データ及び前記色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(5)前記(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと前記(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、
前記(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと前記(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、前記脳活動情報を取得する工程、
を含む工程を実行させるための情報取得プログラム。 - 異なる視覚刺激が与えられた生体からの脳活動情報を取得する情報取得プログラムを記録した記録媒体であって、
(1)前記生体に対して、第一の視覚刺激を呈示する工程、
(2)前記第一の視覚刺激を呈示しているときに、前記生体の一次視覚野の脳活動データ及び色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(3)前記生体に対して、前記第一の視覚刺激とは異なる第二の視覚刺激を呈示する工程、
(4)前記第二の視覚刺激を呈示しているときに、前記一次視覚野の脳活動データ及び前記色覚関連野の脳活動データを取得する工程、
(5)前記(2)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データと前記(4)の工程で取得した一次視覚野の脳活動データとの比と、
前記(2)の工程で取得した色覚関連野の脳活動データと前記(4)の工程で得られた色覚関連野の脳活動データとの比との間の比と、に基づいて、前記脳活動情報を取得する工程、
を含む工程を実行させるための情報取得プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する評価プログラムであって、
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、
かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、
前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価する工程、
を含む工程を実行させるための評価プログラム。 - 2つの物体を呈示された被験者が、前記2つの物体の色のどちらをより鮮やかに知覚しているかを評価する評価プログラムを記録した記録媒体であって、
(1)前記被験者に対して、第一の物体を呈示する工程、
(2)前記第一の物体を呈示しているときに、前記被験者の一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(3)前記被験者に対して、前記第一の物体とは異なる第二の物体を呈示する工程、
(4)前記第二の物体を呈示しているときに、前記一次視覚野及び、四次視覚野または八次視覚野のfMRI画像を取得する工程、
(5)前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記一次視覚野における輝度が0.9倍以上1.1倍以下の範囲にあり、
かつ、前記(2)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度に対して、前記(4)の工程で得られたfMRI画像のうち前記四次視覚野または八次視覚野における輝度が、1.2倍以上である場合に、
前記被験者が前記第二の物体の色をより鮮やかに知覚していると評価する工程、
を含む工程を実行させるための評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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