JP2014039303A - 画像復号装置、画像復号方法、及び画像復号プログラム、並びに、受信装置、受信方法、及び受信プログラム - Google Patents

画像復号装置、画像復号方法、及び画像復号プログラム、並びに、受信装置、受信方法、及び受信プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】並列処理可能で演算量の少ないコンテキストインデックス算出方法による画像復号技術を提供する。
【解決手段】復号対象の画像と予測画像との差分信号の変換係数である差分係数を複数のサブブロックに分割し、サブブロック単位で差分係数を復号する画像復号装置において、コンテキスト導出部は、水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なるインデックスを導出する。
【選択図】図8

Description

本発明は、画像復号技術に関し、特に残差信号のエントロピー復号技術に関する。
動画像符号化の国際標準であるMPEG−4 AVCでは、エントロピー符号化方式と
してCABACと呼ばれるコンテキスト切替型の算術符号化が採用されている。CABA
Cは、符号化すべき情報の発生確率を記憶するコンテキストと呼ばれる変数を複数所持し
ている。周辺の符号化情報から最適なコンテキストを選択して符号化に利用する。また、
各コンテキストにおいても符号化過程による発生確率の更新が行われるため、符号化情報
の発生確率を高精度で推定することができ、効率的な符号化が可能である。
特開2007−300517号公報
MPEG−4 AVCでは、周辺の復号済情報によりコンテキストを切り換えることに
よる情報の発生確率の推定に加え、復号結果による発生確率の学習を行っている。各コン
テキストに対する復号すべき情報の発生確率を最適化でき、符号化効率の向上が実現され
ている。しかしながら、処理対象ブロック内のすべての有意差分係数情報に対して、コン
テキストインデックスの計算と有意差分係数情報の復号とを逐次的に処理する必要があり
、計算時間がかかる。
特許文献1には、発生頻度の高い構文要素に対するコンテキストはアクセスレイテンシ
の小さなメモリ上に配置することにより復号に係る処理遅延を削減する手法が開示されて
いる。しかしながら特許文献1の手法はコンテキストインデックスの算出と構文要素の復
号の依存性を解消するものではなく、これらを並列的に実行できないという点では処理遅
延に対する本質的な解決とはいえない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、差分係数符号化/復
号において、並列処理可能で演算量の少ないコンテキストインデックス算出方法を実現し
、回路構成が簡単で、実時間処理に適した画像復号技術を提供することにある。また、別
の目的は、相関上適切な周辺差分係数を参照したコンテキストインデックスの計算を実現
することにより、符号化効率の高い画像復号技術を提供することにある。
復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームを、復号する画像復号装置であって、前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号部と、前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号部と、前記差分係数の値を復号する差分係数値復号部と、復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出部とを備え、前記コンテキスト導出部は、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする画像復号装置を提供する。
復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームを、復号する画像復号方法であって、前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号ステップと、前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号ステップと、前記差分係数の値を復号する差分係数値復号ステップと、復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出ステップとを有し、前記コンテキスト導出ステップにて、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする画像復号方法を提供する。
復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームを、復号する画像復号プログラムであって、前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号ステップと、前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号ステップと、前記差分係数の値を復号する差分係数値復号ステップと、復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出ステップとをコンピュータに実行させ、前記コンテキスト導出ステップにて、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする画像復号プログラムを提供する。
動画像が符号化された符号化ストリームを受信して、受信された前記符号化ストリームを復号する受信装置であって、復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームがパケット化された符号化データを受信する受信部と、受信された前記パケット化された符号化データをパケット処理して前記符号化ストリームを復元する復元部と、復元された前記符号化ストリームから、前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号部と、復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号部と、復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値を復号する差分係数値復号部と、復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出部とを備え、前記コンテキスト導出部は、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする受信装置を提供する。
動画像が符号化された符号化ストリームを受信して、受信された前記符号化ストリームを復号する受信方法であって、復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームがパケット化された符号化データを受信する受信ステップと、受信された前記パケット化された符号化データをパケット処理して前記符号化ストリームを復元する復元ステップと、復元された前記符号化ストリームから、前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号ステップと、復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号ステップと、復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値を復号する差分係数値復号ステップと、復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出ステップとを有し、前記コンテキスト導出ステップにて、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする受信方法を提供する。
動画像が符号化された符号化ストリームを受信して、受信された前記符号化ストリームを復号する受信プログラムであって、復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームがパケット化された符号化データを受信する受信ステップと、受信された前記パケット化された符号化データをパケット処理して前記符号化ストリームを復元する復元ステップと、復元された前記符号化ストリームから、前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号ステップと、復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号ステップと、復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値を復号する差分係数値復号ステップと、復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出ステップとをコンピュータに実行させ、前記コンテキスト導出ステップにて、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする受信プログラムを提供する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒
体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効で
ある。
本発明によれば、回路構成が簡単で、実時間処理に適した差分信号の符号化を実現する
ことができる。
従来の差分係数の復号手順を説明するためのフローチャートである。 従来のサブブロック差分係数の復号手順を説明するためのフローチャートである。 従来の有意差分係数の復号手順を説明するためのフローチャートである。 従来の差分係数値の復号手順を説明するためのフローチャートである。 実施の形態に係る差分係数の符号化方法を実行するための画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る差分係数の復号方法を実行するための画像復号装置の構成を示すブロック図である。 サブブロック、差分係数の走査順を説明するための図である。 図6の画像復号装置の第1の実施例の詳細な構成を示すブロック図である。 図3の有意差分係数の復号手順における周辺差分係数の定義を説明するための図である。 図13の有意差分係数の復号手順における周辺差分係数の定義を説明するための図である。 図4の有意差分係数の復号手順におけるコンテキスト定義を説明するための図である。 差分係数のサブブロック分割を説明するための図である。 第1の実施例における差分係数値の復号手順を説明するためのフローチャートである。 符号化ブロックサイズを説明するための図である。 図5の画像符号化装置の第1の実施例の詳細な構成を示すブロック図である。 第1の実施例における差分係数の符号化手順を説明するためのフローチャートである。 第1の実施例におけるサブブロック差分係数の符号化手順を説明するためのフローチャートである。 第1の実施例における有意差分係数の符号化手順を説明するためのフローチャートである。 第1の実施例における差分係数値の符号化手順を説明するためのフローチャートである。 有意差分係数情報のコンテキスト計算にサブブロック位置を含める構成を説明するための図である。 第2の実施例における有意差分係数の符号化手順を説明するためのフローチャートである。 第2の実施例における有意差分係数の復号手順を説明するためのフローチャートである。 第2の実施例における有意差分係数の復号手順におけるコンテキスト定義を説明するための図である。 第3の実施例における有意差分係数の符号化手順を説明するためのフローチャートである。 第3の実施例における有意差分係数の復号手順を説明するためのフローチャートである。
まず、本発明の実施の形態の前提となる技術について説明する。
各符号化構文に対し複数のコンテキストを対応付け、構文要素の相関性に基づいたコン
テキストを選択する手法は、符号割り当てを最適化できるため、効率的な符号化ができる
コンテキスト切替エントロピー符号化の例として、図1のフローチャートを用いて16
×16サイズで符号化される差分信号の量子化直交変換係数の復号手順を説明する。図1
2は処理対象の量子化直交変換係数である。以下量子化直交変換係数を差分係数と呼ぶこ
ととする。本手順においては、処理対象の16×16差分係数を4×4サイズのサブブロ
ック401乃至416に分割して、サブブロック単位での走査を優先的に行う。
後述する走査順に従い、処理対象のサブブロックを決定する(S101)。すべてのサ
ブブロックを走査し終えていれば、差分係数の復号処理を終了する。図7の符号902に
サブブロックの走査順を示す。すべてのサブブロックを走査し終えていれば、差分係数の
復号処理を終了する。図7の符号902にサブブロックの走査順を示す。本手順において
は、差分係数領域の最も右下のサブブロックから走査を開始し、右下から左上へ、さらに
右上から左上へ、という規則に従った走査を行い、最も左上のサブブロックで走査を終え
る。図7の符号901はサブブロックの走査順を矢印を用いて表現した図である。図7の
走査順に従う場合、すべての処理対象サブブロックにおいて、空間的に右側および下側に
位置するサブブロックの走査は完了した状態となる。
図1のフローチャートに戻り、処理対象サブブロックのすべての差分係数値の復号処理
を行う(S102)。サブブロック差分係数値の復号が完了後、ステップS101に移る
サブブロック差分係数値の復号処理の詳細を図2のフローチャートを用いて説明する。
有意サブブロック情報を復号する(S201)。有意サブブロック情報は、処理対象の
サブブロックに0でない差分係数が存在することを示すための1ビットのフラグである。
有意サブブロック情報が1であることは、処理対象サブブロックに少なくとも1つの0で
ない差分係数が存在することを示す。有意サブブロック情報が0であることは、処理対象
サブブロックのすべての差分係数が0であることを示す。
有意サブブロック情報の値を判定する(S202)。有意サブブロック情報が0である
ときは、処理対象サブブロックのすべての差分係数値を0と設定し(S209)、サブブ
ロック差分係数値復号処理を終了する。
有意サブブロック情報が1であるときは、処理対象サブブロックのすべての有意差分係
数情報の復号処理を行う(S203)。有意差分係数情報は、処理対象位置の差分係数値
が0でないことを示すための1ビットのフラグである。有意係数情報が1であることは、
処理対象位置の差分係数値が0でないことを示し、有意係数情報が0であることは、処理
対象位置の差分係数値が0であることを示す。サブブロックの有意差分係数情報の復号手
順の詳細については後述する。サブブロックのすべての有意差分係数情報の復号が終了後
、ステップS204の差分係数値の復号に移る。
差分係数値の復号処理を行う(S204)。差分係数値復号処理の詳細については後述
する。差分係数値の復号処理を完了後、ステップS101へ移り、次のサブブロックの走
査を行う。
[有意差分係数情報の復号処理手順]
ステップS203のサブブロックの有意差分係数情報の復号手順を図3のフローチャー
トを用いて説明する。
所定の走査順に従い処理対象のサブブロックを決定する(S301)。サブブロック内
の差分係数の走査順は、差分係数領域におけるサブブロックの走査順と同様図7で示す規
則に従うものとする。
処理対象差分係数位置に隣接し、かつ復号済みの、0でない差分係数の数の和である、
周辺有意差分係数和countCoeffを算出する(S302)。図9に周辺有意差分
係数和countCoeffを算出するための差分係数位置の例を示す。符号202は処
理対象位置が符号201である場合の周辺差分係数、符号204は処理対象位置が符号2
03である場合の周辺差分係数である。図9に示すように処理対象差分係数位置の右側お
よび下側にあり、かつ処理対象差分係数位置に隣接する5つの差分係数を周辺差分係数と
する。差分係数の走査順は図7に従うものであるため、処理対象差分係数と同一サブブロ
ックに属し、処理対象差分係数位置の右側および下側にある差分係数は復号済みである。
同様に処理対象位置の属するサブブロックの右側および下側にあるサブブロックに属する
有意差分係数も復号済みである。周辺差分係数和countCoeffは、有意差分係数
の発生確率を推定するための変数である。画像の特性および視覚特性上有意差分係数は低
域に1が集中しやすく、高域に0が集中しやすい。有意差分係数は空間的な相関性がある
ため、処理対象位置に隣接する差分係数を周辺差分係数和countCoeffの演算対
象とする。差分係数領域の外側を示す周辺差分係数については周辺有意係数和count
Coeffの計算から除外する。
図3のフローチャートに戻り、周辺有意係数和countCoeffが0であるかどう
かを判定する(S303)。周辺有意係数和countCoeffが0である場合は、有
意差分係数情報を復号するためのコンテキストインデックスctxIdxを0と設定し(
S304)、コンテキストインデックスctxIdxに対応するコンテキストを用いて有
意差分係数情報を復号する。そして差分係数値に有意差分係数情報を設定する(S308
)。
周辺有意係数和countCoeffが0でない場合は、周辺有意係数和countC
oeffが2以下であるかどうかを判定する(S305)。周辺有意係数和countC
oeffが2以下である場合は、有意差分係数情報を復号するためのコンテキストインデ
ックスctxIdxを1と設定し(S306)、コンテキストインデックスctxIdx
に対応するコンテキストを用いて有意差分係数情報を復号する。そして差分係数値に有意
差分係数情報を設定する(S308)。
周辺有意係数和countCoeffが2以下でない場合は、すなわち周辺有意係数和
countCoeffが3以上である場合は、有意差分係数情報を復号するためのコンテ
キストインデックスctxIdxを2と設定し(S307)、コンテキストインデックス
ctxIdxに対応するコンテキストを用いて有意差分係数情報を復号する。そして差分
係数値に有意差分係数情報を設定する(S308)。
コンテキストは復号する情報の発生確率を記憶しておくための変数であり、コンテキス
トで示す発生確率を元に符号語の割り当てが切り替わる。上記の例では有意差分係数を符
号化するコンテキストを3つ定義しており、周辺有意差分係数和の大きさにより、有意差
分係数を復号するコンテキストを決定するものである。予め、周辺有意係数和count
Coeffが0個のときのコンテキストインデックスctxIdx=0に対応するコンテ
キストには、0となる有意係数情報の発生確率が高く、周辺有意係数和countCoe
ffが3個以上のときのコンテキストインデックスctxIdx=2に対応するコンテキ
ストには、1となる有意係数情報の発生確率が高く設定されている。発生確率が高い情報
に対しては、符号量を短くできるために、発生確率の推定精度を高めることにより、符号
化効率を向上させることができる。
MPEG−4 AVCでは、周辺の復号済情報によりコンテキストを切り換えることに
よる情報の発生確率の推定に加え、復号結果による発生確率の学習を行っている。各コン
テキストに対する復号すべき情報の発生確率を最適化でき、符号化効率の向上が実現され
ている。
一般に画像の直交変換成分は低域に情報が集中しやすい。また高域成分の劣化は視覚特
性上の影響が少ないため、高域成分を粗く量子化することが実用上行われることが多い。
そのため有意係数情報は低域成分に集中する傾向がある。有意係数情報は周辺有意係数と
の相関が高く、周辺有意係数情報の数によりコンテキストの切り替えを行うことは符号化
効率の観点からは合理的である。
[差分係数値復号処理]
図2のフローチャートのステップS204のサブブロックの差分係数値の復号手順を図
13のフローチャートを用いて説明する。
所定の走査順に従い処理対象のサブブロックを決定する(S501)。サブブロック内
の差分係数の走査順は、有意差分係数情報の走査順と同様、図7で示す規則に従うものと
する。サブブロックのすべての差分係数を走査し終えていれば差分係数値の復号処理を完
了し、次のサブブロックの決定手順(S101)へ移る。
処理対象差分係数位置の差分係数値が0であるかどうかを判定する(S502)。処理
対象差分係数位置の差分係数値が0である場合は、処理対象差分係数位置の差分係数値の
復号を完了し、ステップS501へ移る。
処理対象差分係数位置の差分係数値が1である場合は、処理対象差分係数位置の差分係
数の絶対値を復号する(S503)。本手順を実行する場合は、差分係数値が0でないこ
とが確定しており、符号化系列としては差分係数の絶対値から1を減じた値に対応した符
号語が符号化される。よって差分係数の絶対値としては符号語をエントロピー復号した値
に1を加えた値を設定する。
処理対象差分係数位置の差分係数の符号を復号する(S504)。差分係数の絶対値と
差分係数の符号から差分係数値を決定する。
上記有意差分係数情報復号手順において、図9の201は、図7の902の走査順で示
す通りサブブロックで最後に走査され、図7の902に示すように、その走査順は16で
ある。また、201の周辺差分係数202のうち、201の下に隣接する位置の走査順は
15であり、201の直前に走査される。201の有意差分係数情報を復号するために必
要となるコンテキストインデックスctxIdxは、202の有意差分係数和を元に算出
することから、202の有意差分係数情報の復号を完了するまでは、201のコンテキス
トインテックスctxIdxを確定させることができない。これはサブブロック内のすべ
ての有意差分係数情報に対して、ctxIdxの計算と有意差分係数情報の復号とを逐次
的に処理する必要があり、並列化による時間計算量の削減は不可能であることを意味する
。一方、差分係数は符号化系列に占める割合が高く、有意差分係数情報のコンテキストイ
ンデックス算出処理および復号処理は復号処理全体に占める時間計算量が大きい。すなわ
ち有意係数情報の復号処理は実時間復号処理上の最大のボトルネックとなる。
特許文献1には、発生頻度の高い構文要素に対するコンテキストはアクセスレイテンシ
の小さなメモリ上に配置することにより復号に係る処理遅延を削減する手法が開示されて
いる。しかしながら特許文献1の手法はコンテキストインデックスの算出と構文要素の復
号の依存性を解消するものではなく、これらを並列的に実行できないという点では処理遅
延に対する本質的な解決とはいえない。
そこで、本発明の実施の形態では、差分係数符号化/復号において、コンテキストイン
デックスの計算と有意差分係数情報の符号化/復号の間の依存性をなくし、並列処理可能
で演算量の少ないコンテキストインデックス算出方法を実現し、回路構成が簡単で、実時
間処理に適した画像符号化技術を提供する。また、相関上適切な周辺差分係数を参照した
コンテキストインデックスの計算を実現することにより、符号化効率の高い画像符号化技
術を提供する。以下、本発明の実施の形態を説明する。
以下の説明において、「処理対象ブロック」とは、画像符号化装置による符号化処理の
場合は、符号化対象ブロックのことであり、画像復号装置による復号処理の場合は、復号
対象ブロックのことである。「既処理ブロック」とは、画像符号化装置による符号化処理
の場合は、符号化済みの復号されたブロックのことであり、画像復号装置による復号処理
の場合は、復号済みのブロックのことである。以下、断りのない限り、この意味で用いる
[符号化装置]
本発明を実施する好適な画像符号化装置について図面を参照して説明する。図5は実施
の形態に係る画像符号化装置の構成を示すブロック図である。実施の形態の画像符号化装
置は、減算部501と、直交変換・量子化部502と、逆量子化・逆変換部503と、加
算部504と、復号画像メモリ505と、予測部506と、差分情報符号化部507と、
予測情報符号化部508と、モード判定部509とを備える。
モード判定部509は、すべての予測候補の符号化を試み、画像のブロック毎に最適な
予測情報を決定する。予測情報としては、分割ブロックサイズ、画面間予測/画面内予測
を示す予測モードを含み、さらに予測モードが画面間予測である場合は、動きベクトル、
参照ピクチャインデックス等の動き情報を、予測モードが画面内予測である場合は画面内
予測モードを含む。決定した予測情報を予測部506と、予測情報符号化部508に与え
る。
予測情報符号化部508は、入力された予測情報を可変長符号化して予測情報の符号化
系列を出力する。
予測部506は、入力された予測情報と、復号画像メモリ505に記憶した既復号画像
を用いて予測画像を生成し、生成した予測画像を減算部501へ与える。
減算部501は、符号化対象の原画像から予測画像を減ずることにより差分画像を生成
し、生成した差分信号を直交変換・量子化部502に与える。
直交変換・量子化部502は、差分画像に対し直交変換・量子化をして差分係数を生成
し、生成した差分係数を逆量子化・逆変換部503と差分情報符号化部507に与える。
差分情報符号化部507は、差分係数をエントロピー符号化して差分情報の符号化系列
を出力する。
逆量子化・逆変換部503は、直交変換・量子化部502から受け取った差分係数に対
し逆量子化・逆直交変換をして復号差分信号を生成し、生成した復号差分信号を加算部5
04に与える。
加算部504は、予測画像と復号差分信号を加算して復号画像を生成し、生成した復号
画像を復号画像メモリ505に格納する。
[復号装置]
本発明を実施する好適な画像復号装置について図面を参照して説明する。図6は実施の
形態に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。実施の形態の画像復号装置は
、差分情報復号部801と、逆量子化・逆変換部802と、予測情報復号部803と、加
算部804と、復号画像メモリ805と、予測部806とを備える。
図6の画像復号装置の復号処理は、図5の画像符号化装置の内部に設けられている復号
処理に対応するものであるから、図8の逆量子化・逆変換部802、加算部804、復号
画像メモリ805、および予測部806の各構成は、図5の画像符号化装置の逆量子化・
逆変換部503、加算部504、復号画像メモリ505、および予測部506の各構成と
それぞれ対応する機能を有する。
予測情報復号部803は、入力された予測情報符号化系列をエントロピー復号して予測
情報を生成し、生成した予測情報を予測部806に与える。
予測部806は、入力された予測情報と、復号画像メモリ805に記憶した既復号画像
を用いて予測画像を生成し、生成した予測画像を加算部804へ与える。
差分情報復号部801は、差分情報をエントロピー復号して差分情報を生成する。生成
した差分情報を逆量子化・逆変換部802に与える。
逆量子化・逆変換部802は、差分情報復号部801から受け取った差分情報に対し逆
量子化・逆直交変換をして復号差分信号を生成し、生成した復号差分信号を加算部804
に与える。
加算部804は、予測画像と復号差分信号を加算して復号画像を生成し、生成した復号
画像を復号画像メモリ805に格納し、出力する。
本発明の実施の形態に係る差分係数符号化及び復号処理は、図5の動画像符号化装置の
差分情報符号化部507及び図8の動画像復号装置の差分情報復号部801において実施
される。以下、実施の形態に係る差分情報符号化及び復号処理の詳細を説明する。
[符号化ブロック]
実施の形態では、図14で示されるように、画面を矩形ブロックにて階層的に分割する
とともに、各ブロックに対し所定の処理順による逐次処理を行う。分割する各ブロックを
符号化ブロックとよぶ。図18のブロック1817は、実施の形態において分割の最大単
位であり、これを最大符号化ブロックとよぶ。図14のブロック1816は、実施の形態
において分割の最小単位であり、これを最小符号化ブロックとよぶ。以下最小符号化ブロ
ックを4×4画素、最大符号化ブロックを16×16画素として説明を行う。
[予測ブロック]
符号化ブロックのうち、イントラ予測を行う単位を予測ブロックと呼ぶ。予測ブロック
は最小符号化ブロック以上、最大符号化ブロック以下のいずれかの大きさを持つ。図14
ではブロック1802、1803、および1804が16×16ブロック、ブロック18
05、1810、1811、および1801が8×8ブロック、ブロック1806、18
07、1808、1809が4×4ブロックである。ブロック1812、1813、18
14、1815は未処理ブロックであり、符号化ブロックサイズが確定していない。符号
化手順においては最適な予測ブロックサイズを決定し、予測ブロックサイズを符号化する
。復号手順においてはビットストリームより予測ブロックサイズを取得する。以下、予測
ブロックを処理単位として説明を行う。
[差分係数の処理単位]
量子化・直交変換を行う単位は、予測ブロックの単位と同一であるとするが、符号化・
復号処理においては、差分係数領域を複数のサブブロックに分割して走査するものとする
。サブブロックの大きさは4×4サイズとする。図12に16×16サイズの差分係数領
域を示す。401乃至416はサブブロックである。ただし、量子化・直交変換を行う単
位を予測ブロックの単位と独立に決定しても良い。
(第1の実施例)
[符号化手順]
本発明の実施の形態に係る差分情報の符号化方法の第1の実施例を説明する。図15は
図5の差分情報符号化部507の第1の実施例の詳細な構成のブロック図である。第1の
実施例の差分情報符号化部507は、算術符号化部701、差分係数バッファ702、符
号化制御部703、コンテキストメモリ704、及び走査制御部705を備え、さらに符
号化制御部703は、有意係数情報符号化制御部706、差分係数値符号化制御部707
、及び有意サブブロック情報符号化制御部708を備える。
以下、図16、図17、図18、及び図19のフローチャートも参照しながら、差分係
数の符号化手順を説明する。
走査制御部705は、処理対象サブブロックを決定する(S601)。すべてのサブブ
ロックを走査し終えていれば、差分係数の復号処理を終了する。図7の902にサブブロ
ックの走査順を示す。本手順においては、差分係数領域の最も右下のサブブロックから走
査を開始し、右下から左上へ、さらに右上から左上へ、という規則に従った走査を行い、
最も左上のサブブロックで走査を終える。上述した通りコンテキストは符号化過程による
更新が行われる。この走査順をとることは、差分係数の発生しやすい低域成分の符号化を
高域成分よりも後に行うことにより、低域成分の差分係数の発生確率の推定精度を向上さ
せるという処理上の利点がある。図7の符号901はサブブロックの走査順を矢印を用い
て表現した図である。図7の走査順に従う場合、処理対象サブブロックに対し空間的に右
側および下側に位置するサブブロックの走査は完了した状態となる。処理対象サブブロッ
クに対し、サブブロックの符号化処理を行う(S602)。
[サブブロック符号化手順(S602)]
有意サブブロック情報符号化制御部708は、差分係数バッファ702から処理対象サ
ブブロックを取得する。サブブロックのすべての差分係数を走査し、すべての差分係数値
が0であった場合は、有意サブブロック情報を0と設定する。そうでない場合(少なくと
も一つ0でない差分係数値が存在する場合)は、有意サブブロック情報を1と設定する(
S701)。
有意サブブロック情報符号化制御部708は、差分係数バッファ702から処理対象サ
ブブロックに隣接し、かつ復号済みであるサブブロックに含まれる差分係数を参照し、有
意サブブロック情報を符号化するためのコンテキストインデックスctxIdxを決定す
る。コンテキストインデックスctxIdxに対応するコンテキストをコンテキストメモ
リ704から読み出す。算術符号化部701に対し、有意サブブロック情報とコンテキス
トを送る。算術符号化部701は、コンテキストを用いて有意サブブロック情報の符号化
を行う(S702)。
有意サブブロック情報符号化制御部708は、有意サブブロック情報の値を判定する(
S703)。有意サブブロック情報が0であるときは、サブブロック差分係数値符号化処
理を終了し、ステップS601へ移る。
有意サブブロック情報が1であるときは、処理対象サブブロックのすべての有意差分係
数情報の符号化処理を行う(S704)。有意差分係数情報の符号化手順の詳細について
は後述する。サブブロックのすべての有意差分係数情報の符号化が終了後、ステップS7
04の差分係数値の符号化へ移る。
差分係数値符号化制御部707は、処理対象サブブロックのすべての差分係数値の符号
化処理を行う(S705)。サブブロックの差分係数値の符号化手順の詳細については後
述する。サブブロックのすべての差分係数値の符号化が終了後、ステップS601へ移る
[有意差分係数情報の符号化処理手順(S704)]
有意係数情報符号化制御部706は、処理対象サブブロックの周辺の0でない差分係数
の数の和、すなわち周辺有意係数和countCoeffを算出する(S801)。本手
順では処理対象サブブロックの空間的に右側および下側にあるサブブロックに属し、処理
対象サブブロックと隣接する差分係数を周辺差分係数と定義する。
図10に周辺差分係数位置を示す。符号301は処理対象サブブロックであり、符号3
02は周辺差分係数である。差分係数領域の外側を示す周辺差分係数については周辺有意
係数和countCoeffの計算から除外する。処理対象サブブロックの右側かつ下側
のサブブロックに属する差分係数303においては、周辺差分係数に含める構成と含めな
い構成のどちらも取りうる。符号303を周辺差分係数に含める構成においては、周辺差
分係数の数が多くなり有意差分係数情報発生確率を高精度に推定でき、符号303を周辺
差分係数に含めない構成においては、周辺有意係数和countCoeffに係る加算処
理の削減、および差分係数領域の境界判定処理の削減により演算量・回路規模の削減がで
きる。
有意係数情報符号化制御部706は、処理対象の差分係数を決定する(S802)。サ
ブブロック内の差分係数の走査順は、差分係数領域におけるサブブロックの走査順と同様
図7で示す規則に従う。サブブロックのすべての有意差分係数を走査し終えていれば有意
差分係数の符号化処理を終了し、差分係数値の符号化手順(S704)へ移る。
有意係数情報符号化制御部706は、周辺有意係数和countCoeffが0である
かどうかを判定する(S803)。
周辺有意係数和countCoeffが0である場合は、処理対象サブブロック内の処
理対象差分係数位置を判定する(S804)。水平方向差分係数位置をposX、垂直方
向差分係数位置をposYとし、処理対象差分係数位置をpos=posX+posYと
する。pos<=2であれば、有意係数情報を符号化するためのコンテキストインデック
スctxIdxを1と設定し(S805)、そうでなければ(pos>2)、コンテキス
トインデックスctxIdxを0と設定する(S806)。countCoeff=0で
ある場合の、コンテキストインデックスctxIdxの定義を図11の符号601に示す
周辺有意係数和countCoeffが0でないときは、周辺有意係数和countC
oeffが1以下であるかどうかを判定する(S807)。周辺有意係数和countC
oeffが1以下である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を判定
する(S408)。pos<=3であれば、有意係数情報を復号するためのコンテキスト
インデックスctxIdxを1と設定し(S809)、そうでなければ(pos>3)、
コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S810)。countCoe
ff=1である場合の、コンテキストインデックスctxIdxの定義を図11の符号6
02に示す。
周辺有意係数和countCoeffが1以下でないときは、周辺有意係数和coun
tCoeffが2以下であるかどうかを判定する(S811)。周辺有意係数和coun
tCoeffが2以下である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を
判定する(S812)。pos<=2であれば、有意係数情報を復号するためのコンテキ
ストインデックスctxIdxを2と設定し(S813)、そうでなければ(pos>2
)、コンテキストインデックスctxIdxを1と設定する(S814)。countC
oeff=2である場合の、コンテキストインデックスctxIdxの定義を図11の符
号603に示す。
周辺有意係数和countCoeffが2以下でないときは、有意係数情報を復号する
ためのコンテキストインデックスctxIdxを2と設定する(S815)。count
Coeff>2である場合の、コンテキストインデックスctxIdxの定義を図11の
符号605に示す。
有意係数情報符号化制御部706は、差分係数バッファ702から処理対象位置の差分
係数を取得する。差分係数値が0でない場合は、有意差分係数情報を1と設定し、そうで
ないとき(差分係数値が0である場合)は、有意差分係数情報を0と設定する(S816
)。
有意係数情報符号化制御部706は、決定したコンテキストインデックスctxIdx
に対応するコンテキストをコンテキストメモリ704から読み出した後、算術符号化部7
01に対し、有意差分係数情報とコンテキストを送る。算術符号化部701は、コンテキ
ストを用いて有意差分係数情報を符号化する(S817)。
[差分係数値符号化処理(S705)]
差分係数値符号化制御部707は、処理対象の差分係数を決定する(S901)。サブ
ブロック内の差分係数の走査順は、有意差分係数の走査順と同様、図7で示す規則に従う
ものとする。サブブロックのすべての差分係数を走査し終えていれば差分係数値の符号化
処理を終了し、次のサブブロックの決定手順(S601)へ移る。
差分係数値符号化制御部707は、処理対象差分係数位置の差分係数値が0であるかど
うかを判定する(S902)。処理対象差分係数位置の差分係数値が0である場合は、処
理対象差分係数位置の差分係数値の符号化を完了し、ステップS901へ移る。
処理対象差分係数位置の差分係数値が0でない場合は、処理対象差分係数位置の符号化
差分係数絶対値、及び符号を計算する(S903、S904)。本手順が実行されるとき
は差分係数値が0でないことが確定しているため、符号化差分係数絶対値は差分係数の絶
対値から1を減じた値とする。また差分係数が正である場合は符号を0に設定し、差分係
数が負である場合は、符号を1に設定する。
差分係数値符号化制御部707は、コンテキストをコンテキストメモリ704から読み
出した後、算術符号化部701に対し、符号化絶対値とコンテキストを送る。算術符号化
部701は、コンテキストを用いて符号化絶対値を符号化する(S905)。
差分係数値符号化制御部707は、コンテキストをコンテキストメモリ704から読み
出した後、算術符号化部701に対し、符号とコンテキストを送る。算術符号化部701
は、コンテキストを用いて符号化絶対値を符号化する(S905)。
[復号手順]
本発明の実施の形態に係る差分係数の復号方法の第1の実施例を説明する。図8は図6
の差分情報復号部801の第1の実施例の詳細な構成のブロック図である。第1の実施例
の差分情報復号部801は、算術復号部1001、差分係数バッファ1002、復号制御
部1003、コンテキストメモリ1004、及び走査制御部1005を備え、さらに復号
制御部1003は、有意係数情報復号制御部1006、差分係数値復号制御部1007、
及び有意サブブロック情報復号制御部1008を備える。
図8の差分情報復号部801における差分情報復号処理は、図5の差分情報符号化部5
07における差分情報符号化処理に対応するものであるから、図8の差分情報符号化部に
おける差分係数バッファ1002、コンテキストメモリ1004、及び走査制御部100
5の各構成は、図15の差分係数バッファ702、コンテキストメモリ704、及び走査
制御部705の各構成とそれぞれ対応する機能を有する。
以下、図1、図2、図4、および図13のフローチャートも参照しながら、差分情報の
復号手順を説明する。
走査制御部1005は、処理対象サブブロックを決定する(S101)。すべてのサブ
ブロックを走査し終えていれば、差分係数の復号処理を終了する。図7の902にサブブ
ロックの走査順を示す。本手順においては、差分係数領域の最も右下のサブブロックから
走査を開始し、右下から左上へ、さらに右上から左上へ、という規則に従った走査を行い
、最も左上のサブブロックで走査を終える。図7の901はサブブロックの走査順を矢印
を用いて表現した図である。図7の走査順に従う場合、処理対象サブブロックに対し空間
的に右側および下側に位置するサブブロックの走査は完了した状態となる。処理対象サブ
ブロックに対し、サブブロックの復号処理を行う(S102)。
[サブブロック復号(S102)]
有意サブブロック情報復号制御部1008は、差分係数バッファ1002から処理対象
サブブロックに隣接し、かつ復号済みであるサブブロックに含まれる差分係数を参照し、
有意サブブロック情報を復号するためのコンテキストを決定し、決定したコンテキストを
コンテキストメモリ1004から読み出す。算術復号部1001に対し、コンテキストと
ともに復号命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用いて符号化系列の復号
処理を行い、有意サブブロック情報を復号する(S201)。
有意サブブロック情報復号制御部1008は、有意サブブロック情報の値を判定する(
S202)。有意サブブロック情報が0であるときは、差分係数バッファ1002の処理
対象サブブロックのすべての差分係数値を0と設定し(S209)、サブブロック差分係
数値復号処理を終了する。
有意サブブロック情報が1であるときは、処理対象サブブロックのすべての有意差分係
数情報の復号処理を行う(S203)。サブブロックの有意差分係数情報の復号手順の詳
細については後述する。サブブロックのすべての有意差分係数情報の復号が終了後、ステ
ップS204の差分係数値の復号に移る。
処理対象サブブロックのすべての差分係数値の復号処理を行う(S204)。サブブロ
ックの差分係数値の復号手順の詳細については後述する。サブブロックのすべての差分係
数値の復号が終了後、ステップS101へ移る。
[有意差分係数情報の復号処理手順(S203)]
有意係数情報復号制御部1006は、処理対象差分係数位置の周辺の有意差分係数の数
の和countCoeffを算出する(S401)。本手順では処理対象サブブロックの
空間的に右側および下側にあるサブブロックに属し、処理対象サブブロックと隣接する差
分係数を周辺差分係数と定義する。
図10に周辺差分係数位置を示す。符号301は処理対象サブブロックであり、符号3
02は周辺差分係数である。差分係数領域の外側を示す周辺差分係数については周辺有意
係数和countCoeffの計算から除外する。処理対象サブブロックの右側かつ下側
のサブブロックに属する差分係数303においては、周辺差分係数に含める構成と含めな
い構成のどちらも取りうる。符号303を周辺差分係数に含める構成においては、周辺差
分係数の数が多くなり有意差分係数情報発生確率を高精度に推定でき、符号303を周辺
差分係数に含めない構成においては、周辺有意係数和countCoeffに係る加算処
理の削減、および差分係数領域の境界判定処理の削減により演算量・回路規模の削減がで
きる。
有意係数情報復号制御部1006は、処理対象の差分係数を決定する(S402)。サ
ブブロック内の差分係数の走査順は、差分係数領域におけるサブブロックの走査順と同様
図7で示す規則に従うものとする。サブブロックのすべての有意差分係数を走査し終えて
いれば有意差分係数の復号処理を完了し、差分係数値の復号手順(S204)へ移る。
有意係数情報復号制御部1006は、周辺有意係数和countCoeffが0である
かどうかを判定する(S403)。周辺有意係数和countCoeffが0である場合
は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を判定する(S404)。水平方向
差分係数位置をposX、垂直方向差分係数位置をposYとし、処理対象差分係数位置
をpos=posX+posYとする。pos<=2であれば、有意係数情報を復号する
ためのコンテキストctxIdxを1と設定し(S405)、そうでなければ(pos>
2)、コンテキストctxIdxを0と設定する(S406)。countCoeff=
0である場合の、コンテキストの定義を図11の符号601に示す。決定したコンテキス
トをコンテキストメモリ1004から読み出した後、算術復号部1001に対し、コンテ
キストとともに復号命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用いて符号化系
列の復号処理を行い、有意差分係数情報を復号する(S416)。
周辺有意係数和countCoeffが0でないときは、周辺有意係数和countC
oeffが1以下であるかどうかを判定する(S407)。周辺有意係数和countC
oeffが1以下である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を判定
する(S408)。pos<=3であれば、有意係数情報を復号するためのコンテキスト
インデックスctxIdxを1と設定し(S409)、そうでなければ(pos>3)、
コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S410)。countCoe
ff=1である場合の、コンテキストの定義を図11の符号602に示す。決定したコン
テキストをコンテキストメモリ1004から読み出した後、算術復号部1001に対し、
コンテキストとともに復号命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用いて符
号化系列の復号処理を行い、有意差分係数情報を復号する(S416)。
周辺有意係数和countCoeffが1以下でないときは、周辺有意係数和coun
tCoeffが2以下であるかどうかを判定する(S411)。周辺有意係数和coun
tCoeffが2以下である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を
判定する(S412)。pos<=2であれば、有意係数情報を復号するためのコンテキ
ストインデックスctxIdxを2と設定し(S413)、そうでなければ(pos>2
)、コンテキストインデックスctxIdxを1と設定する(S414)。countC
oeff=2である場合の、コンテキストの定義を図11の符号603に示す。決定した
コンテキストをコンテキストメモリ1004から読み出した後、算術復号部1001に対
し、コンテキストとともに復号命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用い
て符号化系列の復号処理を行い、有意差分係数情報を復号する(S416)。
周辺有意係数和countCoeffが2以下でないときは、有意係数情報を復号する
ためのコンテキストインデックスctxIdxを2と設定する(S415)。count
Coeff>2である場合の、コンテキストの定義を図11の符号605に示す。決定し
たコンテキストをコンテキストメモリ1004から読み出した後、算術復号部1001に
対し、コンテキストとともに復号命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用
いて符号化系列の復号処理を行い、有意差分係数情報を復号する(S416)。
周辺有意係数和countCoeffが大きいときは、処理対象サブブロック内のすべ
ての有意係数情報が1となる可能性が高い。そのため、上記手順においては周辺有意係数
和countCoeffが3以上の場合はposの値に関わらずctxIdxを2と設定
する。また周辺有意係数和countCoeffの判定条件を細分化することも可能であ
る。例えば、周辺有意係数和countCoeffが3以上の場合に、周辺有意係数和c
ountCoeffが3であれば図11の符号604、周辺有意係数和countCoe
ffが4以上であれば図11の符号605のコンテキストインデックス定義をとることも
できる。このような構成をとる場合、周辺情報の相関性利用効率が向上し、符号化効率を
向上させることができる。
本手順においては、有意差分係数情報のためのコンテキストインデックスctxIdx
の算出に、復号済み隣接サブブロックの有意係数情報の数の和と、処理対象差分係数のサ
ブブロック内位置を参照する。このような構成をとる理由を以下で説明する。
一般に画像の直交変換係数は低域成分に集中しやすく、有意係数情報が1になる可能性
が高い。さらに直交変換係数の高域成分は視覚上の影響を受けにくいことから粗く量子化
されることが多いため、高域成分の係数値は0となり、高域成分の有意係数情報は0とな
る可能性が高い。この性質は差分係数領域全体に限らず、各サブブロックに対しても同様
であり、サブブロックの低域側にある成分は、同一サブブロックの高域側にある成分と比
べて有意係数情報が1になる可能性が高くなると言える。サブブロック内で低域にある有
意差分係数情報のコンテキストインデックスctxIdxの値を高域にある有意差分係数
情報のコンテキストインデックスctxIdxの値よりも大きく設定することは、有意係
数情報の発生確率の推定精度の向上につながる。また、有意差分係数が0となる確率が高
い高域では周辺有意係数和も小さくなり、有意差分係数が1となる確率が高い低域では周
辺有意係数和も大きくなる傾向が強く、処理対象サブブロックが有意差分係数情報をどの
程度含むかという指標として周辺有意係数和を用いることは有意係数情報の発生確率の推
定精度の向上につながる。
本手順においては、周辺有意差分係数和をサブブロックに対し1回だけ算出し、サブブ
ロック内のすべての係数位置のコンテキストインデックスを計算することが可能である。
各係数位置で個別に周辺有意差分係数和を計算する方法と比べ、周辺有意差分係数和の演
算量を削減することができる。また、コンテキストインデックスの算出に、走査順で直前
となる有意差分係数の復号結果を利用する構成では、サブブロック内のコンテキストイン
デックス算出と有意差分係数復号をすべて逐次的に処理する必要がある。本実施例では、
コンテキストインデックスの算出に周辺有意差分係数和と処理対象係数位置を参照するも
のであるが、周辺有意差分係数和は処理対象サブブロックに属する差分係数を対象としな
いため、コンテキストインデックスの算出にサブブロック内の依存関係が存在しない。す
べての有意差分係数に対するコンテキストインデックスをサブブロックの先頭で計算する
ことが可能であるため、コンテキストインデックスの算出を有意差分係数情報の復号処理
と並列的に計算することも可能である。符号化系列中の発生頻度が高い有意係数情報の復
号に係る処理遅延を削減することができる。
周辺有意係数を参照する代わりに有意サブブロック情報を参照してコンテキスト計算を
することも可能である。周辺有意係数の和を求める構成と比べ、演算量・回路規模を削減
することが可能となる。また、サブブロック位置をコンテキスト計算に反映させることも
可能である。上述した通り、低域成分の方が高域と比べ有意係数の発生確率が高くなる特
性がある。サブブロック位置をコンテキスト計算に反映させることにより、より高精度の
コンテキスト推定を実現することもできる。図20は差分係数領域を低域領域と高域領域
の2領域に分類した例である。図20の符号1101、1102、1103、1104、
1105、1109を低域成分とし、符号1106、1107、1108、1110、1
111、1112、1113、1114、1115、1116を高域領域とする。高域領
域に対しては上述した手順でコンテキストインデックスctxIdxを算出するとした上
で、低域領域に対しては、上述したコンテキストインデックスctxIdxに所定のサブ
ブロック位置に応じたオフセットを加算する構成をとることもできるし、低域領域に対し
ては上述したコンテキストインデックスctxIdxの計算中にサブブロック位置に寄る
条件分岐を追加するような構成をとることもできる。また低域領域に対して上述した手順
でコンテキストインデックスctxIdxを算出するとした上で、高域領域に対しては、
一般に有意差分係数が0となる可能性が高く、周辺の有意差分係数の数は確率推定上の誤
差を含みやすいことから、常にコンテキストctxIdx=0を設定する構成をとること
もできる。
また、周辺有意差分係数和の代わりに周辺係数絶対値和を用いてコンテキストインデッ
クスを算出することも可能である。一般に低域成分の差分係数絶対値は大きいため、周辺
差分係数絶対値和が大きい場合は有意差分係数情報の発生確率が高くなるようなコンテキ
ストを設定することにより符号化効率を向上させることができる。
さらに差分係数を算出する際に用いた予測モードを有意差分係数のコンテキストインデ
ックス算出手順中の条件判定に加えることによりコンテキスト推定の精度を向上させるこ
とも可能である。一般に、復号対象画像の復号済領域のみが参照対象となる画面内予測と
比べ、複数の復号画像を参照できる画面間予測は予測精度が高く差分が発生しにくいとい
う特性の違いがあるためである。
[差分係数値復号処理(S204)]
有意係数情報復号制御部1006は、処理対象の差分係数を決定する(S501)。サ
ブブロック内の差分係数の走査順は、有意差分係数の走査順と同様、図7で示す規則に従
うものとする。サブブロックのすべての差分係数を走査し終えていれば差分係数値の復号
処理を完了し、次のサブブロックの決定手順(S101)へ移る。
有意係数情報復号制御部1006は、処理対象差分係数位置の差分係数値が0であるか
どうかを判定する(S502)。処理対象差分係数位置の差分係数値が0である場合は、
処理対象差分係数位置の差分係数値の復号を完了し、ステップS501へ移る。
処理対象差分係数位置の差分係数値が1である場合は、処理対象差分係数位置の差分係
数の絶対値を復号する(S503)。本手順を実行する場合は、差分係数値が0でないこ
とが確定しており、符号化系列としては差分係数の絶対値から1を減じた値に対応した符
号語が復号される。よって差分係数の絶対値としては符号語をエントロピー復号した値に
1を加えた値を設定する。
処理対象差分係数位置の差分係数の符号を復号する(S504)。差分係数の絶対値と
差分係数の符号から差分係数値を決定する。
本実施例は、復号済サブブロックの有意差分係数情報から、有意差分係数情報を復号す
るためのコンテキストインデックスを算出するものであるが、同様の手順を差分係数値の
コンテキストインデックス算出に適用することも可能である。有意差分係数情報と同様、
差分係数値は周辺係数値との相関、および低域成分への集中性を持つため、周辺有意差分
係数和または周辺差分係数絶対値和が大きいときは、大きな差分係数値の発生確率が高い
ことを示すコンテキストインデックスを設定し、周辺有意差分係数和または周辺差分係数
絶対値和が小さいときは、小さな差分係数値の発生確率が高いことを示すコンテキストイ
ンデックスを設定することにより、差分係数値を効率的に符号化できる。
以上述べた第1の実施例の画像符号化装置および画像復号装置は、以下の作用効果を奏
する。
(1)処理対象差分係数の属するサブブロックに隣接した復号済みサブブロックに属す
る差分係数から処理対象差分係数のコンテキストインデックスを算出可能である。周辺有
意差分係数和が大きいときは、有意差分係数情報1の発生確率を高く、周辺有意差分係数
和が小さいときは、有意差分係数情報0の発生確率を高く推定するコンテキストを設定す
ることにより、有意差分係数情報の周辺相関に基づいた適切な確率モデルの設定が可能で
ある。したがって、有意差分係数情報を効率的に符号化できる。
(2)処理対象差分係数のサブブロック内の位置に基づきコンテキストインデックスを
算出する。サブブロック内で低域にある差分係数は、サブブロック内で高域にある差分係
数よりも有意差分係数1の発生確率を高く推定するコンテキストを設定する。有意差分係
数情報の周波数領域上の性質に基づいた適切な確率モデルの設定が可能であり、有意差分
係数情報を効率的に符号化できる。
(3)周辺有意差分係数和の算出およびサブブロック内の処理対象差分係数の位置は、
サブブロック内の有意差分係数情報の復号結果に依存しない。よってサブブロック内のコ
ンテキストインデックスの算出と有意差分係数情報の復号を並列的に処理をする構成をと
ることができるため、有意差分係数情報の復号処理に係る処理遅延を削減することができ
る。差分係数は符号化系列に対して占有する割合が高く、処理回数の多い有意差分係数情
報の処理遅延を削減することにより、実時間処理に適した復号装置を実現できる。また、
符号化装置においても同様に有意差分係数情報符号化の処理遅延を削減することができる
(4)有意差分係数情報のコンテキストインデックス算出に係る周辺有意差分係数和は
、処理対象差分係数の位置に依存しないため、サブブロックで1度算出するだけでよい。
処理対象差分係数位置に応じて個別の周辺有意差分係数和を算出する構成と比べ、コンテ
キストインデックス算出に係る演算量を削減することができる。
(第2の実施例)
本発明の実施の形態に係る差分情報の符号化方法の第2の実施例を説明する。第2の実
施例の差分情報符号化部507は、図15に示した第1の実施例の差分情報符号化部50
7と同様、算術符号化部701、差分係数バッファ702、符号化制御部703、コンテ
キストメモリ704、及び走査制御部705を備え、さらに符号化制御部703は、有意
係数情報符号化制御部706、差分係数値符号化制御部707、及び有意サブブロック情
報符号化制御部708を備える。
本実施例における差分情報の符号化手順は有意差分係数情報の符号化処理手順(図17
のS704)を除いて、第1の実施例と同様であるため、以下、図21のフローチャート
を参照しながら、本実施例における有意差分係数情報の符号化処理手順を説明する。
[有意差分係数情報の符号化処理手順(S704)]
有意係数情報符号化制御部706は、処理対象サブブロックの右側、及び下側に隣接す
る復号済みサブブロックの有意サブブロック情報を取得する。右側に隣接するサブブロッ
クの有意サブブロック情報をsigGroupRight、下側に隣接するサブブロック
の有意サブブロック情報をsigGroupBottomとする(S1001)。
有意係数情報符号化制御部706は、処理対象の差分係数を決定する(S1002)。
サブブロック内の差分係数の走査順は、差分係数領域におけるサブブロックの走査順と同
様図7で示す規則に従う。サブブロックのすべての有意差分係数を走査し終えていれば有
意差分係数の符号化処理を終了し、差分係数値の符号化手順(S704)へ移る。
有意係数情報符号化制御部706は、sigGroupRight、およびsigGr
oupBottomを評価する(S1003)。
sigGroupRight、およびsigGroupBottomがともに0である
場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を判定する(S1004)。水
平方向差分係数位置をposX、垂直方向差分係数位置をposYとし、処理対象差分係
数位置をpos=posX+posYとする。pos<=2であれば、有意係数情報を符
号化するためのコンテキストインデックスctxIdxを1と設定し(S1005)、そ
うでなければ(pos>2)、コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(
S1006)。sigGroupRight、およびsigGroupBottomがと
もに0である場合の、コンテキストインデックスctxIdxの定義を図23の符号12
01に示す。
sigGroupRight、およびsigGroupBottomがともに0でない
ときは、sigGroupRightが1、かつsigGroupBottomが0であ
るかどうかを判定する(S1007)。sigGroupRightが1、かつsigG
roupBottomが0である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位
置を判定する(S1008)。posY<=1であれば、有意係数情報を復号するための
コンテキストインデックスctxIdxを1と設定し(S1009)、そうでなければ(
posY>2)、コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S1010)
。sigGroupRightが1、かつsigGroupBottomが0である場合
の、コンテキストインデックスctxIdxの定義を図23の符号1202に示す。
sigGroupRightが1、かつsigGroupBottomが0でないとき
は、sigGroupRightが0、かつsigGroupBottomが1であるか
どうかを判定する(S1011)。sigGroupRightが0、かつsigGro
upBottomが1である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を
判定する(S1012)。posX<=1であれば、有意係数情報を復号するためのコン
テキストインデックスctxIdxを1と設定し(S1013)、そうでなければ(po
sX>2)、コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S1014)。s
igGroupRightが0、かつsigGroupBottomが1である場合の、
コンテキストインデックスctxIdxの定義を図23の符号1203に示す。つまり、
sigGroupRightが0、かつsigGroupBottomが1である場合の
コンテキストインデックスctxIdx設定手順は、sigGroupRightが1、
かつsigGroupBottomが0である場合のX方向の処理とY方向の処理を入れ
替えた処理となっている。そのため、処理の共通化がし易く、ハードウェアの回路規模や
ソフトウェアのコード量を削減できる。
sigGroupRightが0、かつsigGroupBottomが1でないとき
は、すなわちsigGroupRightが1、かつsigGroupBottomが1
であるときは、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を判定する(S1015
)。pos<=4であれば、有意係数情報を復号するためのコンテキストインデックスc
txIdxを2と設定し(S1016)、そうでなければ(pos>5)、コンテキスト
インデックスctxIdxを1と設定する(S1017)。sigGroupRight
が0、かつsigGroupBottomが1である場合の、コンテキストインデックス
ctxIdxの定義を図23の符号1204に示す。
有意係数情報符号化制御部706は、差分係数バッファ702から処理対象位置の差分
係数を取得する。差分係数値が0でない場合は、有意差分係数情報を1と設定し、そうで
ないとき(差分係数値が0である場合)は、有意差分係数情報を0と設定する(S101
8)。
有意係数情報符号化制御部706は、決定したコンテキストインデックスctxIdx
に対応するコンテキストをコンテキストメモリ704から読み出した後、算術符号化部7
01に対し、有意差分係数情報とコンテキストを送る。算術符号化部701は、コンテキ
ストを用いて有意差分係数情報を符号化する(S1019)。
[復号手順]
本発明の実施の形態に係る差分係数の復号方法の第2の実施例を説明する。第2の実施
例の差分情報復号部801は、図8に示した第1の実施例の差分情報復号部801と同様
、算術復号部1001、差分係数バッファ1002、復号制御部1003、コンテキスト
メモリ1004、及び走査制御部1005を備え、さらに復号制御部1003は、有意係
数情報復号制御部1006、差分係数値復号制御部1007、及び有意サブブロック情報
復号制御部1008を備える。
図8の差分情報復号部801における差分情報復号処理は、図5の差分情報符号化部5
07における差分情報符号化処理に対応するものであるから、図8の差分情報符号化部に
おける差分係数バッファ1002、コンテキストメモリ1004、及び走査制御部100
5の各構成は、図15の差分係数バッファ702、コンテキストメモリ704、及び走査
制御部705の各構成とそれぞれ対応する機能を有する。
本実施例における差分情報の復号手順は有意差分係数情報の符号化処理手順(図2のS
203)を除いて、第1の実施例と同様であるため、以下、図22のフローチャートを参
照しながら、本実施例における有意差分係数情報の復号処理手順を説明する。
[有意差分係数情報の復号処理手順(S203)]
有意係数情報復号制御部1006は、処理対象サブブロックの右側、及び下側に隣接す
る復号済みサブブロックの有意サブブロック情報を取得する。右側に隣接するサブブロッ
クの有意サブブロック情報をsigGroupRight、下側に隣接するサブブロック
の有意サブブロック情報をsigGroupBottomとする(S1101)
有意係数情報復号制御部1006は、処理対象の差分係数を決定する(S1102)。
サブブロック内の差分係数の走査順は、差分係数領域におけるサブブロックの走査順と同
様図7で示す規則に従うものとする。サブブロックのすべての有意差分係数を走査し終え
ていれば有意差分係数の復号処理を完了し、差分係数値の復号手順(S204)へ移る。
有意係数情報復号制御部1006は、sigGroupRight、およびsigGr
oupBottomを評価する(S1103)。sigGroupRightが0、かつ
sigGroupBottomが0である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差
分係数位置を判定する(S1104)。水平方向差分係数位置をposX、垂直方向差分
係数位置をposYとし、処理対象差分係数位置をpos=posX+posYとする。
pos<=2であれば、有意係数情報を復号するためのコンテキストctxIdxを1と
設定し(S1105)、そうでなければ(pos>2)、コンテキストctxIdxを0
と設定する(S1106)。sigGroupRightが0、かつsigGroupB
ottomが0である場合の、コンテキストの定義を図23の符号1201に示す。決定
したコンテキストをコンテキストメモリ1004から読み出した後、算術復号部1001
に対し、コンテキストとともに復号命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを
用いて符号化系列の復号処理を行い、有意差分係数情報を復号する(S1116)。
sigGroupRightが0、かつsigGroupBottomが0でないとき
は、sigGroupRightが1、かつsigGroupBottomが0であるか
どうかを判定する(S1107)。sigGroupRightが1、かつsigGro
upBottomが0である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を
判定する(S1108)。posY<=1であれば、有意係数情報を復号するためのコン
テキストインデックスctxIdxを1と設定し(S1109)、そうでなければ(po
sY>2)、コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S1110)。s
igGroupRightが1、かつsigGroupBottomが0ある場合の、コ
ンテキストの定義を図23の符号1202に示す。決定したコンテキストをコンテキスト
メモリ1004から読み出した後、算術復号部1001に対し、コンテキストとともに復
号命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用いて符号化系列の復号処理を行
い、有意差分係数情報を復号する(S1116)。
sigGroupRightが1、かつsigGroupBottomが0でないとき
は、sigGroupRightが0、かつsigGroupBottomが1であるか
どうかを判定する(S1111)。sigGroupRightが0、かつsigGro
upBottomが1である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を
判定する(S1112)。posX<=1であれば、有意係数情報を復号するためのコン
テキストインデックスctxIdxを1と設定し(S1113)、そうでなければ(po
sX>2)、コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S1114)。s
igGroupRightが0、かつsigGroupBottomが1である場合の、
コンテキストの定義を図23の符号1203に示す。決定したコンテキストをコンテキス
トメモリ1004から読み出した後、算術復号部1001に対し、コンテキストとともに
復号命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用いて符号化系列の復号処理を
行い、有意差分係数情報を復号する(S1116)。
sigGroupRightが0、かつsigGroupBottomが1でないとき
は、すなわち、sigGroupRightとsigGroupBottomがともに1
である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象差分係数位置を判定する(S1117
)。pos<=4であれば、有意係数情報を復号するためのコンテキストインデックスc
txIdxを2と設定し(S1118)、そうでなければ(pos>5)、コンテキスト
インデックスctxIdxを1と設定する(S1114)。sigGroupRight
とsigGroupBottomがともに1である場合の、コンテキストの定義を図23
の符号1204に示す。決定したコンテキストをコンテキストメモリ1004から読み出
した後、算術復号部1001に対し、コンテキストとともに復号命令を送る。算術復号部
1001は、コンテキストを用いて符号化系列の復号処理を行い、有意差分係数情報を復
号する(S1116)。
本手順においては、有意差分係数情報のためのコンテキストインデックスctxIdx
の算出に、復号済み隣接サブブロックの有意サブブロック情報と、処理対象差分係数のサ
ブブロック内位置を参照し、さらに右側の有意サブブロック情報と下側の有意サブブロッ
ク情報を個別に判定するものである。このような構成をとる理由を以下で説明する。
一般に画像の直交変換係数は低域成分に集中しやすく、有意係数情報が1になる可能性
が高い。さらに直交変換係数の高域成分は視覚上の影響を受けにくいことから粗く量子化
されることが多いため、高域成分の係数値は0となり、高域成分の有意係数情報は0とな
る可能性が高い。この性質は差分係数領域全体に限らず、各サブブロックに対しても同様
であり、サブブロックの低域側にある成分は、同一サブブロックの高域側にある成分と比
べて有意係数情報が1になる可能性が高くなると言える。サブブロック内で低域にある有
意差分係数情報のコンテキストインデックスctxIdxの値を高域にある有意差分係数
情報のコンテキストインデックスctxIdxの値よりも大きく設定することは、有意係
数情報の発生確率の推定精度の向上につながる。また、有意差分係数が0となる確率が高
い高域では復号済み隣接有意サブブロック情報も小さくなり、有意差分係数が1となる確
率が高い低域では復号済み隣接有意サブブロック情報も大きくなる傾向が強く、処理対象
サブブロックが有意差分係数情報をどの程度含むかという指標として復号済み隣接有意サ
ブブロック情報を用いることは有意係数情報の発生確率の推定精度の向上につながる。
本実施例のコンテキスト算出手順においては、右側の有意サブブロック情報sigGr
oupRightが1であり、かつ下側の有意サブブロック情報sigGroupBot
tomが0である場合と、右側の有意サブブロック情報sigGroupRightが0
であり、かつ下側の有意サブブロック情報sigGroupBottomが1である場合
に、それぞれ異なるコンテキストインデックスを設定できることが第1の実施例と異なる
。右側の有意サブブロック情報sigGroupRightが1であり、かつ下側の有意
サブブロック情報sigGroupBottomが0である場合は、処理対象サブブロッ
クの下側に有意差分係数が存在しないため、処理対象サブブロック内の垂直方向の高域成
分は有意差分係数が存在しない可能性が高い。一方右側の有意サブブロック情報sigG
roupRightが0であり、かつ下側の有意サブブロック情報sigGroupBo
ttomが1である場合は、処理対象サブブロックの右側に有意差分係数が存在しないた
め、処理対象サブブロック内の水平方向の高域成分は有意差分係数が存在しない可能性が
高い。従って、垂直方向、水平方向の有意差分係数の発生確率に応じて適切にコンテキス
トインデックスを選択する本実施例の構成をとることにより、有意差分係数の発生確率の
推定精度を向上させることができる。
また本実施例は、処理量削減の観点から、復号済み隣接サブブロックとして復号対象サ
ブブロックの右側に隣接するサブブロック、および下側に隣接するサブブロックを参照す
るものであるが、本発明は復号済み隣接サブブロックをこれらに限定するものではない。
特に復号対象サブブロックの右下に隣接するサブブロックは復号対象サブブロックとの距
離が近く、復号対象サブブロックとの相関性が高い。よって、右下に隣接するサブブロッ
クの有意サブブロック情報sigGroupBottomRightをコンテキストイン
テックスctxIndex算出の判定対象に加えることにより、有意差分係数の発生確率
の精度を向上させることができる。ただし、復号対象サブブロックの右下に隣接するサブ
ブロックは、復号対象サブブロックの右側に隣接するサブブロック、および下側に隣接す
るサブブロックと比較し、復号対象サブブロックとの距離が遠く相関性が低いため、si
gGroupRight、sigGroupBottom、sigGroupBotto
mRightをもとに有意差分係数のコンテキストインデックスを算出する構成において
は、sigGroupBottomRightの有意差分係数のコンテキストインデック
スに対する反映度合いをsigGroupBottom、sigGroupBottom
Rightよりも低く設定することが好ましい。sigGroupBottomRigh
tの有意差分係数のコンテキストインデックスに対する反映度合いを低く設定する方法と
しては、例えば、sigGroupBottom、sigGroupBottomRig
htがともに0の場合は、sigGroupBottomRightの値に関わらず、有
意差分係数の発生確率を低く設定する。
本実施例においては、右側の有意サブブロック情報sigGroupRightと下側
の有意サブブロック情報sigGroupBottom、及び処理対象係数位置を参照す
るものであるが、右側の有意サブブロック情報sigGroupRightと下側の有意
サブブロック情報sigGroupBottomは処理対象サブブロックに属する差分係
数を対象としないため、コンテキストインデックスの算出にサブブロック内の依存関係が
存在しない。すべての有意差分係数に対するコンテキストインデックスをサブブロックの
先頭で計算することが可能であるため、コンテキストインデックスの算出を有意差分係数
情報の復号処理と並列的に計算することも可能である。符号化系列中の発生頻度が高い有
意係数情報の復号に係る処理遅延を削減することができる。
本実施例は、復号済サブブロックの有意サブブロック情報から、有意差分係数情報を復
号するためのコンテキストインデックスを算出するものであるが、同様の手順を差分係数
値のコンテキストインデックス算出に適用することも可能である。有意差分係数情報と同
様、差分係数値は周辺係数値との相関、および低域成分への集中性を持つため、周辺有意
差分係数和または周辺差分係数絶対値和が大きいときは、大きな差分係数値の発生確率が
高いことを示すコンテキストインデックスを設定し、周辺有意差分係数和または周辺差分
係数絶対値和が小さいときは、小さな差分係数値の発生確率が高いことを示すコンテキス
トインデックスを設定することにより、差分係数値を効率的に符号化できる。
以上述べた第2の実施例の画像符号化装置および画像復号装置は、上述の第1の実施例
の作用効果(1)〜(4)に加え、さらに、以下の作用効果を奏する。
(5)右側の有意サブブロック情報と下側の有意サブブロック情報の組み合わせに基づ
きコンテキストインデックスを算出する。処理対象サブブロックの下側に有意差分係数が
存在しないときは処理対象サブブロックの垂直方向の高域成分の有意差分係数の発生確率
を低く推定し、処理対象サブブロックの右側に有意差分係数が存在しないときは処理対象
サブブロックの水平方向の高域成分の有意差分係数の発生確率を低く推定することにより
、適切な有意差分係数情報の確率モデルの設定が可能であり、従って、有意差分係数情報
を効率的に符号化できる。
(第3の実施例)
本発明の実施の形態に係る差分情報の符号化方法の第3の実施例を説明する。第3の実
施例の差分情報符号化部507は、図15に示した第1の実施例の差分情報符号化部50
7と同様、算術符号化部701、差分係数バッファ702、符号化制御部703、コンテ
キストメモリ704、及び走査制御部705を備え、さらに符号化制御部703は、有意
係数情報符号化制御部706、差分係数値符号化制御部707、及び有意サブブロック情
報符号化制御部708を備える。
本実施例における差分情報の符号化手順は有意差分係数情報の符号化処理手順(図17
のS704)を除いて、第1の実施例と同様であるため、以下、図24のフローチャート
を参照しながら、本実施例における有意差分係数情報の符号化処理手順を説明する。
[有意差分係数情報の符号化処理手順(S704)]
有意係数情報符号化制御部706は、処理対象サブブロックの右側、及び下側に隣接す
る復号済みサブブロックの有意サブブロック情報から周辺有意インデックスsigCoe
ffIndexを計算する。右側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報をsi
gGroupRight、下側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報をsig
GroupBottomとし、周辺有意インデックスsigCoeffIndex=si
gGroupRight+2×sigGroupBottomとする(S1201)。
有意係数情報符号化制御部706は、処理対象の差分係数を決定する(S1202)。
サブブロック内の差分係数の走査順は、差分係数領域におけるサブブロックの走査順と同
様図7で示す規則に従う。サブブロックのすべての有意差分係数を走査し終えていれば有
意差分係数の符号化処理を終了し、差分係数値の符号化手順(S704)へ移る。
有意係数情報符号化制御部706は、周辺有意インデックスsigCoeffInde
xを評価する(S1203)。
周辺有意インデックスsigCoeffIndexが0である場合は、処理対象サブブ
ロック内の処理対象差分係数位置を判定する(S1204)。周辺有意インデックスsi
gCoeffIndexが0であることは、sigGroupRightが0、かつsi
gGroupBottomが0であることを表す。水平方向差分係数位置をposX、垂
直方向差分係数位置をposYとし、処理対象差分係数位置をpos=posX+pos
Yとする。pos<=2であれば、有意係数情報を符号化するためのコンテキストインデ
ックスctxIdxを1と設定し(S1205)、そうでなければ(pos>2)、コン
テキストインデックスctxIdxを0と設定する(S1206)。周辺有意インデック
スsigCoeffIndexが0である場合の、コンテキストインデックスctxId
xの定義を図23の符号1201に示す。
周辺有意インデックスsigCoeffIndexが0でないときは、周辺有意インデ
ックスsigCoeffIndexが1であるかどうかを判定する(S1207)。周辺
有意インデックスsigCoeffIndexが1であることはsigGroupRig
htが1、かつsigGroupBottomが0であることを表す。周辺有意インデッ
クスsigCoeffIndexが1である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象
差分係数位置を判定する(S1208)。posY<=1であれば、有意係数情報を復号
するためのコンテキストインデックスctxIdxを1と設定し(S1209)、そうで
なければ(posY>2)、コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S
1210)。周辺有意インデックスsigCoeffIndexが1である場合の、コン
テキストインデックスctxIdxの定義を図23の符号1202に示す。
周辺有意インデックスsigCoeffIndexが1でないときは、周辺有意インデ
ックスsigCoeffIndexが2であるかどうかを判定する(S1211)。周辺
有意インデックスsigCoeffIndexが2であることはsigGroupRig
htが0、かつsigGroupBottomが1であることを表す。周辺有意インデッ
クスsigCoeffIndexが2である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象
差分係数位置を判定する(S1212)。posX<=1であれば、有意係数情報を復号
するためのコンテキストインデックスctxIdxを1と設定し(S1213)、そうで
なければ(posX>2)、コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S
1214)。周辺有意インデックスsigCoeffIndexが2である場合の、コン
テキストインデックスctxIdxの定義を図23の符号1203に示す。つまり、周辺
有意インデックスsigCoeffIndexが2である場合のコンテキストインデック
スctxIdx設定手順は、周辺有意インデックスsigCoeffIndexが1であ
る場合のX方向の処理とY方向の処理を入れ替えた処理となっている。そのため、処理の
共通化がし易く、ハードウェアの回路規模やソフトウェアのコード量を削減できる。
周辺有意インデックスsigCoeffIndexが2でないときは、すなわち周辺有
意インデックスsigCoeffIndexが3であるときは、処理対象サブブロック内
の処理対象差分係数位置を判定する(S1215)。周辺有意インデックスsigCoe
ffIndexが3であることはsigGroupRightとsigGroupBot
tomがともに1であることを表す。pos<=4であれば、有意係数情報を復号するた
めのコンテキストインデックスctxIdxを2と設定し(S1216)、そうでなけれ
ば(pos>5)、コンテキストインデックスctxIdxを1と設定する(S1217
)。周辺有意インデックスsigCoeffIndexが3である場合の、コンテキスト
インデックスctxIdxの定義を図23の符号1204に示す。
有意係数情報符号化制御部706は、差分係数バッファ702から処理対象位置の差分
係数を取得する。差分係数値が0でない場合は、有意差分係数情報を1と設定し、そうで
ないとき(差分係数値が0である場合)は、有意差分係数情報を0と設定する(S121
8)。
有意係数情報符号化制御部706は、決定したコンテキストインデックスctxIdx
に対応するコンテキストをコンテキストメモリ704から読み出した後、算術符号化部7
01に対し、有意差分係数情報とコンテキストを送る。算術符号化部701は、コンテキ
ストを用いて有意差分係数情報を符号化する(S1219)。
[復号手順]
本発明の実施の形態に係る差分係数の復号方法の第3の実施例を説明する。第3の実施
例の差分情報復号部801は、図8に示した第1の実施例の差分情報復号部801と同様
、算術復号部1001、差分係数バッファ1002、復号制御部1003、コンテキスト
メモリ1004、及び走査制御部1005を備え、さらに復号制御部1003は、有意係
数情報復号制御部1006、差分係数値復号制御部1007、及び有意サブブロック情報
復号制御部1008を備える。
図8の差分情報復号部801における差分情報復号処理は、図5の差分情報符号化部5
07における差分情報符号化処理に対応するものであるから、図8の差分情報符号化部に
おける差分係数バッファ1002、コンテキストメモリ1004、及び走査制御部100
5の各構成は、図15の差分係数バッファ702、コンテキストメモリ704、及び走査
制御部705の各構成とそれぞれ対応する機能を有する。
本実施例における差分情報の復号手順は有意差分係数情報の符号化処理手順(図2のS
203)を除いて、第1の実施例と同様であるため、以下、図25のフローチャートを参
照しながら、本実施例における有意差分係数情報の復号処理手順を説明する。
[有意差分係数情報の復号処理手順(S203)]
有意係数情報復号制御部1006は、処理対象サブブロックの右側、及び下側に隣接す
る復号済みサブブロックの有意サブブロック情報から周辺有意インデックスsigCoe
ffIndexを計算する。右側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報をsi
gGroupRight、下側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報をsig
GroupBottomとし、周辺有意インデックスsigCoeffIndex=si
gGroupRight+2×sigGroupBottomとする(S1301)。
有意係数情報復号制御部1006は、処理対象の差分係数を決定する(S1302)。
サブブロック内の差分係数の走査順は、差分係数領域におけるサブブロックの走査順と同
様図7で示す規則に従うものとする。サブブロックのすべての有意差分係数を走査し終え
ていれば有意差分係数の復号処理を完了し、差分係数値の復号手順(S204)へ移る。
有意係数情報復号制御部1006は、周辺有意インデックスsigCoeffInde
xを評価する(S1303)。
周辺有意インデックスsigCoeffIndexが0である場合は、処理対象サブブ
ロック内の処理対象差分係数位置を判定する(S1304)。周辺有意インデックスsi
gCoeffIndexが0であることは、sigGroupRightとsigGro
upBottomがともに0であることを表す。水平方向差分係数位置をposX、垂直
方向差分係数位置をposYとし、処理対象差分係数位置をpos=posX+posY
とする。pos<=2であれば、有意係数情報を復号するためのコンテキストctxId
xを1と設定し(S1305)、そうでなければ(pos>2)、コンテキストctxI
dxを0と設定する(S1306)。周辺有意インデックスsigCoeffIndex
が0である場合の、コンテキストの定義を図23の符号1201に示す。決定したコンテ
キストをコンテキストメモリ1004から読み出した後、算術復号部1001に対し、コ
ンテキストとともに復号命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用いて符号
化系列の復号処理を行い、有意差分係数情報を復号する(S1316)。
周辺有意インデックスsigCoeffIndexが0でないときは、周辺有意インデ
ックスsigCoeffIndexが1であるかどうかを判定する(S1307)。si
周辺有意インデックスsigCoeffIndexが1であることはgGroupRig
htが1、かつsigGroupBottomが0であることを表す。周辺有意インデッ
クスsigCoeffIndexが1である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象
差分係数位置を判定する(S1308)。posY<=1であれば、有意係数情報を復号
するためのコンテキストインデックスctxIdxを1と設定し(S1309)、そうで
なければ(posY>2)、コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S
1310)。周辺有意インデックスsigCoeffIndexが1である場合の、コン
テキストの定義を図23の符号1202に示す。決定したコンテキストをコンテキストメ
モリ1004から読み出した後、算術復号部1001に対し、コンテキストとともに復号
命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用いて符号化系列の復号処理を行い
、有意差分係数情報を復号する(S1316)。
周辺有意インデックスsigCoeffIndexが1でないときは、周辺有意インデ
ックスsigCoeffIndexが2であるかどうかを判定する(S1311)。周辺
有意インデックスsigCoeffIndexが2であることはsigGroupRig
htが0、かつsigGroupBottomが1であることを表す。周辺有意インデッ
クスsigCoeffIndexが2である場合は、処理対象サブブロック内の処理対象
差分係数位置を判定する(S1312)。posX<=1であれば、有意係数情報を復号
するためのコンテキストインデックスctxIdxを1と設定し(S1313)、そうで
なければ(posX>2)、コンテキストインデックスctxIdxを0と設定する(S
1314)。周辺有意インデックスsigCoeffIndexが2である場合の、コン
テキストの定義を図23の符号1203に示す。決定したコンテキストをコンテキストメ
モリ1004から読み出した後、算術復号部1001に対し、コンテキストとともに復号
命令を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用いて符号化系列の復号処理を行い
、有意差分係数情報を復号する(S1316)。
周辺有意インデックスsigCoeffIndexが2でないときは、すなわち、周辺
有意インデックスsigCoeffIndexが3である場合は、処理対象サブブロック
内の処理対象差分係数位置を判定する(S1317)。周辺有意インデックスsigCo
effIndexが3であることは、sigGroupRightとsigGroupB
ottomがともに1であることを表す。pos<=4であれば、有意係数情報を復号す
るためのコンテキストインデックスctxIdxを2と設定し(S1318)、そうでな
ければ(pos>5)、コンテキストインデックスctxIdxを1と設定する(S13
14)。周辺有意インデックスsigCoeffIndexが3である場合の、コンテキ
ストの定義を図23の符号1204に示す。決定したコンテキストをコンテキストメモリ
1004から読み出した後、算術復号部1001に対し、コンテキストとともに復号命令
を送る。算術復号部1001は、コンテキストを用いて符号化系列の復号処理を行い、有
意差分係数情報を復号する(S1316)。
本実施例は、有意差分係数情報のコンテキストインデックスctxIdxを算出する手
順において、右側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報sigGroupRi
ght、下側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報sigGroupBott
omを直接参照する代わりに、sigGroupRight、sigGroupBott
omをもとに周辺有意インデックスsigCoeffIndexを算出した後に、周辺有
意インデックスsigCoeffIndexを参照してコンテキストインデックスctx
Idxを算出する点において第1の実施例と異なる。従って、周辺有意インデックスsi
gCoeffIndexコンテキストインデックスに係る判定処理の回数を削減すること
ができる。
以上述べた第3の実施例の画像符号化装置および画像復号装置は、上述の第1の実施例
の作用効果(1)〜(4)、第2の実施例の作用効果(5)に加え、さらに、以下の作用
効果を奏する。
(6)右側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報sigGroupRigh
t、下側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報sigGroupBottom
をもとに、周辺有意インデックスsigCoeffIndexを算出した後、周辺有意イ
ンデックスsigCoeffIndexにもとづき、コンテキストインデックスを算出す
る。右側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報sigGroupRight、
下側に隣接するサブブロックの有意サブブロック情報sigGroupBottomにも
とづきコンテキストインデックスを算出する方法と比較して、コンテキストインデックス
算出に係る判定処理の回数を削減することができる。
以上述べた実施の形態の画像符号化装置が出力する画像の符号化ストリームは、実施の
形態で用いられた符号化方法に応じて復号することができるように特定のデータフォーマ
ットを有しており、画像符号化装置に対応する画像復号装置がこの特定のデータフォーマ
ットの符号化ストリームを復号することができる。
画像符号化装置と画像復号装置の間で符号化ストリームをやりとりするために、有線ま
たは無線のネットワークが用いられる場合、符号化ストリームを通信路の伝送形態に適し
たデータ形式に変換して伝送してもよい。その場合、画像符号化装置が出力する符号化ス
トリームを通信路の伝送形態に適したデータ形式の符号化データに変換してネットワーク
に送信する画像送信装置と、ネットワークから符号化データを受信して符号化ストリーム
に復元して画像復号装置に供給する画像受信装置とが設けられる。
画像送信装置は、画像符号化装置が出力する符号化ストリームをバッファするメモリと
、符号化ストリームをパケット化するパケット処理部と、パケット化された符号化データ
をネットワークを介して送信する送信部とを含む。画像受信装置は、パケット化された符
号化データをネットワークを介して受信する受信部と、受信された符号化データをバッフ
ァするメモリと、符号化データをパケット処理して符号化ストリームを生成し、画像復号
装置に提供するパケット処理部とを含む。
以上の符号化及び復号に関する処理は、ハードウェアを用いた伝送、蓄積、受信装置と
して実現することができるのは勿論のこと、ROM(リード・オンリ・メモリ)やフラッ
シュメモリ等に記憶されているファームウェアや、コンピュータ等のソフトウェアによっ
ても実現することができる。そのファームウェアプログラム、ソフトウェアプログラムを
コンピュータ等で読み取り可能な記録媒体に記録して提供することも、有線あるいは無線
のネットワークを通してサーバから提供することも、地上波あるいは衛星ディジタル放送
のデータ放送として提供することも可能である。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構
成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例
も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
501 減算部、 502 直交変換・量子化部、 503 逆量子化・逆変換部、
504 加算部、 505 復号画像メモリ、 506 予測部、 507 差分情報符
号化部、 508 予測情報符号化部、 509 モード判定部、 701 算術符号化
部、 702 差分係数バッファ、 703 符号化制御部、 704 コンテキストメ
モリ、 705 走査制御部、 706 有意係数情報符号化制御部、 707 差分係
数値符号化制御部、 708 有意サブブロック情報符号化制御部、 801 差分情報
復号部、 802 逆量子化・逆変換部、 803 予測情報復号部、 804 加算部
、 805 復号画像メモリ、 806 予測部、 1001 算術復号部、 1002
差分係数バッファ、 1003 復号制御部、 1004 コンテキストメモリ、 1
005 走査制御部、 1006 有意係数情報復号制御部、 1007 差分係数値復
号制御部、 1008 有意サブブロック情報復号制御部。

Claims (6)

  1. 復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームを、復号する画像復号装置であって、
    前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号部と、
    前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号部と、
    前記差分係数の値を復号する差分係数値復号部と、
    復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出部と
    を備え、
    前記コンテキスト導出部は、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする画像復号装置。
  2. 復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームを、復号する画像復号方法であって、
    前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号ステップと、
    前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号ステップと、
    前記差分係数の値を復号する差分係数値復号ステップと、
    復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出ステップと
    を有し、
    前記コンテキスト導出ステップにて、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする画像復号方法。
  3. 復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームを、復号する画像復号プログラムであって、
    前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号ステップと、
    前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号ステップと、
    前記差分係数の値を復号する差分係数値復号ステップと、
    復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出ステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記コンテキスト導出ステップにて、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする画像復号プログラム。
  4. 動画像が符号化された符号化ストリームを受信して、受信された前記符号化ストリームを復号する受信装置であって、
    復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームがパケット化された符号化データを受信する受信部と、
    受信された前記パケット化された符号化データをパケット処理して前記符号化ストリームを復元する復元部と、
    復元された前記符号化ストリームから、前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号部と、
    復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号部と、
    復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値を復号する差分係数値復号部と、
    復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出部と
    を備え、
    前記コンテキスト導出部は、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする受信装置。
  5. 動画像が符号化された符号化ストリームを受信して、受信された前記符号化ストリームを復号する受信方法であって、
    復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームがパケット化された符号化データを受信する受信ステップと、
    受信された前記パケット化された符号化データをパケット処理して前記符号化ストリームを復元する復元ステップと、
    復元された前記符号化ストリームから、前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号ステップと、
    復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号ステップと、
    復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値を復号する差分係数値復号ステップと、
    復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出ステップと
    を有し、
    前記コンテキスト導出ステップにて、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする受信方法。
  6. 動画像が符号化された符号化ストリームを受信して、受信された前記符号化ストリームを復号する受信プログラムであって、
    復号対象となる画像と予測対象となる画像との差分情報が、複数のサブブロックに分割され、分割された前記サブブロックが所定の順序で符号化された符号化ストリームがパケット化された符号化データを受信する受信ステップと、
    受信された前記パケット化された符号化データをパケット処理して前記符号化ストリームを復元する復元ステップと、
    復元された前記符号化ストリームから、前記サブブロックに属する各差分係数の値の全てがゼロであるか否かを示す有意サブブロック情報を復号する有意サブブロック情報復号ステップと、
    復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値がゼロであるか否かを示す有意差分係数情報を復号する有意差分係数情報復号ステップと、
    復元された前記符号化ストリームから、前記差分係数の値を復号する差分係数値復号ステップと、
    復号対象となる前記サブブロックに水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報と垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報に基づいてインデックスを導出し、前記インデックスと、前記復号対象となるサブブロックにおける復号対象となる差分係数の位置に基づいて、前記復号対象となる差分係数の前記有意差分係数情報を復号するためのコンテキストを導出するコンテキスト導出ステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記コンテキスト導出ステップにて、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が0である場合と、前記水平方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1であり、かつ前記垂直方向に隣接する復号済みのサブブロックの有意サブブロック情報が1である場合とで、異なる前記インデックスを導出することを特徴とする受信プログラム。
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JPN6013030609; Nguyen Nguyen, Tianying Ji, Dake He, Gaelle Martin-Cocher, and Lin Song: Multi-level significance maps for Large Transform Units , 20111121, Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) *
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