JP2014034588A - 太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子及びその製造方法 Download PDF

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Kaoru Okaniwa
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Abstract

【課題】 耐久性に優れ、太陽電池モジュールにおける光利用効率を向上させ、発電効率を長期にわたり安定的に向上させることを可能にする太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子とその製造方法を提供する。
【解決手段】 蛍光物質と、該蛍光物質を含有する透明材料を含む、粒子状の太陽電池用波長変換材料において、該蛍光物質が、カップリング剤により表面処理された無機蛍光物質であり、該透明材料が、透明ビニル樹脂であり、さらに、該蛍光物質の蛍光波長が450〜900nmにあり、蛍光励起波長が300〜450nmである太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、波長変換材料に関し、特に、蛍光物質に近紫外光〜青色光を照射して励起し、発光を起こして波長変換を行い、太陽電池に適用して発電効率向上に有効な技術に関する。
従来のシリコン結晶太陽電池モジュールは、以下のような構成である。表面の保護ガラス(カバーガラスともいう。)は、耐衝撃性を重んじて強化ガラスが用いられており、封止材(通常、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)を主成分とする樹脂、充填材ともいう。)との密着性を良くするために、片面はエンボス加工による凹凸模様が施されている。
また、その凹凸模様は内側に形成されており、太陽電池モジュールの表面は平滑である。また保護ガラスの下側には、太陽電池セル及びタブ線を保護封止するための封止材及びバックフィルムが設けられている。
蛍光物質(発光材料ともいう)を用い、太陽光スペクトルのうち、発電に寄与しない紫外域又は赤外域の光を波長変換することにより、発電に寄与し得る波長域の光を発光する層を太陽電池受光面側に設ける手法は、多数提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、蛍光物質である希土類錯体を、封止材中に含有させる方法の提案がされている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−218379号公報 特開2006−303033号公報
特許文献1に記載の、発電に寄与しない光を発電に寄与し得る波長域の光に波長変換する波長変換層には、蛍光物質が含有されているが、この蛍光物質の光散乱により、入射した太陽光が波長変換層を通過する際に、太陽電池セルに十分届かず、発電に寄与しない割合が増加する。その結果、波長変換層で紫外域の光を可視域の光に変換しても、入射した太陽光エネルギーに対する発電される電力の割合(発電効率)があまり高くならないか、蛍光物質を含まない場合より低効率となるという課題がある。これらの提案は実際の太陽電池モジュールに適用された例は皆無といっていいのが現状である。その理由は、太陽光スペクトルのうち、発電に寄与しない紫外域又は赤外域の光を波長変換するという概念のみによったものであり、蛍光体による散乱損失を抑制する工夫がなされていないためである。
また、特許文献2に記載の方法では、希土類錯体を用いているが、耐久性が不十分であるため、長期にわたる波長変換材料としての機能の保持が困難である。
本発明は、上記のような問題を改善しようとするもので、太陽電池モジュールにおける光利用効率を向上させ、発電効率を長期にわたり安定的に向上させることを可能にする波長変換材料である太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、蛍光物質を含有した粒子状の波長変換材料を用いることにより、入射した太陽光のうち太陽光発電に寄与しない光を発電に寄与する波長へ変換するのと同時に、入射した太陽光を蛍光物質が散乱させることなく、太陽電池セルへ効率良く導入できることを見出し、本発明を完成するに至った。さらに、蛍光物質として無機蛍光物質を用いることで、高い耐久性を得ることができる。ここで散乱抑制の概念は、従来の提案が、波長変換層内に一様に蛍光物質を分散させ、層全体に散乱が起こっていたのに対し、本発明では波長変換層のごくわずかな空間の中に散乱を封じ込め、層の大部分で光が散乱を受けることなく伝播するよう設計したものである。具体的には、微小粒子の中に蛍光物質を封じ込めたことにより、入射した太陽光を蛍光物質が散乱させることなく、太陽電池セルへ効率良く導入できることを実現したものである。より具体的には、耐久性の優れた無機蛍光物質(無機蛍光体)を透明樹脂粒子中に封じ込めることであるが、本発明では、ビニルモノマ中に無機蛍光物質を分散させ、これを懸濁重合することにより、目的とする無機蛍光物質を封じ込めた(含有した)微小透明樹脂粒子を得るが、無機蛍光物質の励起波長、発光波長がセルの分光感度に適するようにする事で変換効率を向上させることにした。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)蛍光物質と、該蛍光物質を含有する透明材料を含む、粒子状の太陽電池用波長変換材料において、該蛍光物質が、カップリング剤により表面処理された無機蛍光物質であり、該透明材料が、透明ビニル樹脂であり、さらに、該蛍光物質の蛍光波長が450〜900nmにあり、蛍光励起波長が300〜450nmである太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
(2)前記透明材料の透明ビニル樹脂が、(メタ)アクリル樹脂である上記(1)に記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
(3)粒子状の太陽電池用波長変換材料が、蛍光物質の無機蛍光物質が分散されたビニル化合物を、懸濁重合することにより得られたものである上記(1)又は(2)に記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
(4)蛍光物質が分散されたビニル化合物が、2官能以上のビニル化合物を含み、該ビニル化合物を懸濁重合することにより得られる太陽電池用波長変換材料である上記(3)に記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
(5)懸濁重合により得られる太陽電池用波長変換材料の平均粒子径が、10〜200μmである上記(3)又は(4)に記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
(6)透明材料の透明ビニル樹脂に対する蛍光物質の無機蛍光物質の含有率が、0.001〜10質量%である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
(7) 蛍光波長が450〜900nmで、蛍光励起波長が300〜450nmの無機蛍光物質を準備し、カップリング処理する工程、
ビニル化合物とカップリング処理した無機蛍光物質を懸濁重合し、平均粒子径が10〜200μmの粒子状の太陽電池用波長変換材料を合成する工程を備える上記(1)〜(6)のいずれかに記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子の製造方法。
本発明によれば、耐久性に優れ、太陽電池モジュールにおける光利用効率を向上させ、発電効率を長期にわたり安定的に向上させることを可能にする波長変換材料を提供することができる。
実施例、比較例で得られた太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子の蛍光励起スペクトルと蛍光スペクトルを示した図。
<太陽電モジュールの構造>
本発明において、太陽電池モジュールは、例えば、反射防止膜、保護ガラス、封止材、太陽電池セル、バックフィルム、セル電極、タブ線等の必要部材から構成される。これらの部材の中で、光透過性を有する光透過性層としては、反射防止膜、保護ガラス、封止材、太陽電池のSiNx:H層及びSi層等が挙げられる。
本発明において、上記で挙げられる光透過性層の積層順は、通常、太陽電池モジュールの受光面から順に、必要により形成される反射防止膜、保護ガラス、封止材、太陽電池セルのSiNx:H層、Si層となる。
本発明の波長変換材料(太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子)は、光が太陽電池セルに到達するまでの経路中に、設置されていればよく、保護ガラスや封止材の材料に混合する方法、バインダー樹脂溶液などに分散させ太陽電池セル上、あるいは保護ガラスの内側に塗布、溶剤乾燥する方法等が考えられる。太陽電池セルにおける太陽光の吸収を妨げず、波長変換材料の機能を損なわない方法であれば、いずれの方法であってもよいが、封止材に波長変換材料を混錬して用いる方法は、製造方法が簡素化でき、波長変換材料を設置する方法として優れている。
本発明の波長変換材料を封止材中に設置する場合には、あらゆる角度から入り込む外部光を反射損失少なく、効率良く太陽電池セル内に導入するために、波長変換材料含有封止材の屈折率が、該波長変換材料含有封止材より光入射側に配置される光透過性層、すなわち、反射防止膜、保護ガラス等の屈折率より高く、且つ該波長変換材料含有封止材の反光入射側に配置される光透過性層、すなわち、太陽電池セルのSiNx:H層(「セル反射防止膜」ともいう)及びSi層等の屈折率よりも低くすることが好ましい。
<波長変換材料及びその製造方法>
本発明の波長変換材料は、蛍光物質と、これを含有する粒子状の透明材料と、を有してなる。前記波長変換材料は、例えば、封止材を構成する波長変換性の樹脂組成物層に含有させて用いられる。シリコン結晶太陽電池では、太陽光のうち400nmよりも短波長、1200nmよりも長波長の光が有効に利用されず、太陽光エネルギーのうち約56%がこのスペクトルミスマッチにより発電に寄与しない。本発明は、耐久性に優れる無機蛍光物質を含有した波長変換材料を用いることで、散乱損失を抑制し、波長変換によって、効率良く且つ安定的に太陽光を利用することにより、スペクトルミスマッチを克服しようというものである。
本発明の波長変換材料の平均粒子径は、光利用効率向上の観点から1〜1000μmであることが好ましく、5〜300μmであることがより好ましく、10〜200μmであることがさらに好ましい。
本発明において波長変換材料(太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子)の平均粒子径は、レーザー回折法を用いて測定され、粒度径分布曲線から得られる体積分布において、体積積算が50%のときの粒子径に対応する。レーザー回折法を用いた粒度分布測定は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、Beckman Coulter社製、商品名:LS13320)を用いて行うことができる。
(無機蛍光物質)
本発明に用いられる無機蛍光物質としては蛍光波長が450〜900nmの範囲にあり、蛍光励起波長が300〜450nmの範囲にあるものを用いる。蛍光波長が500〜700nmの範囲にあることが好ましい。無機蛍光物質の平均粒子径は、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜50μmの範囲であることがより好ましく、0.01〜5μmの範囲であることが更に好ましい。平均粒子径が0.01μm以上であれば、十分な発光強度を得ることが容易となり、100μm以下であれば、透明材料中に含有させることが容易となる。
上記無機蛍光物質の種類としては、例えば、ハロリン酸カルシウム系蛍光体、リン酸塩系蛍光体、アルミン酸塩系蛍光体、硫化亜鉛系蛍光体、酸化亜鉛系蛍光体、希土類酸化物系蛍光体等が挙げられ、蛍光体を母体組成:賦活剤の形で実用の代表的蛍光体を具体的に例示すれば、NaI:Ti、CaWO:Pb、GdS:Tb等のX線・放射線励起蛍光体、BaSi:Pb、Sr7 :Eu、BaMgAl1627:Eu、BaMgAl1627:Eu,Mn、BaMgAl1017:Eu,Mn、MgWO:Pb、3Ca(PO・Ca(F,Cl):Sb,Mn、MgGa:Mn、0.5MgF・3.5MgO・GeO:Mn、Ga:Mn、ZnSiO:Mn、MgAl1119:Ge,Tb、YSiO:Ce,Tb、YS:Eu、LaS:Eu、Y:Eu、YVO:Eu、(Sr,Mg,Ba)(PO:Sn、3.5Mg・5MgF・GeO:Mn、ZnS:Cu,Al、BaMgAlO:Eu、ZnGeO:Mn、Y(PV)O:Eu、SrAl:Eu等の紫外線励起蛍光体、ZnS:Cu等の紫外−可視光励起蛍光体、YSiO:Ce、ZnS:Ag、ZnO:Zn、ZnSiO:Mn,As、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、(Zn,Cd)S:Cu,Al、(ZnS:Ag)+((Zn,Cd)S:Cu)、YS:Eu等の電子線励起蛍光体等がある。
(表面処理剤)
本発明において、無機蛍光物質はポリマーへの分散性を向上させるため、表面処理剤により表面改質処理されていることが好ましい。表面改質処理は、表面処理剤等で無機蛍光物質を処理(又は被覆処理)することにより行うことができる。表面処理剤としては、無機蛍光物質のポリマーへの分散性を向上させられれば、特に制限はなく、シランカップリング剤、ポリオルガノシロキサン、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリグ剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリグ剤が挙げられる。これらの表面処理剤は単独で又は2種類以上組み合わせてもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、ハロゲン含有シランカップリング剤(3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン等)、エポキシ基含有シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等)、アミノ基含有シランカップリング剤(N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、メルカプト基含有シランカップリング剤(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等)、ビニル基含有シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等)、(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等)等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ポリジアルキルシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)等のポリジC1−10アルキルシロキサン、好ましくはポリジC1−4アルキルシロキサン)、ポリアルキルアルケニルシロキサン(例えば、ポリメチルビニルシロキサン等のポリC1−10アルキルC2−10アルケニルシロキサン)、ポリアルキルアリールシロキサン(例えば、ポリメチルフェニルシロキサン等のポリC1−10アルキルC6−20アリールシロキサン、好ましくはポリC1−4アルキルC6−10アリールシロキサン)、ポリジアリールシロキサン(例えば、ポリジフェニルシロキサン等のポリジC6−20アリールシロキサン)、ポリアルキルハイドロジェンシロキサン(例えば、ポリメチルハイドロジェンシロキサン等のポリC1−10アルキルハイドロジェンシロキサン)、オルガノシロキサン共重合体(例えば、ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ジメチコン/メチコンコポリマー)等)、変性ポリオルガノシロキサン[前記ポリオルガノシロキサンに対応する変性ポリオルガノシロキサン、例えば、ヒドロキシル変性ポリオルガノシロキサン(例えば、末端シラノールポリジメチルシロキサン、末端シラノールポリメチルフェニルシロキサン、末端ヒドロキシプロピルポリジメチルシロキサン、ポリジメチルヒドロキシアルキレンオキシドメチルシロキサン等)、アミノ変性ポリオルガノシロキサン(例えば、末端ジメチルアミノポリジメチルシロキサン、末端アミノプロピルポリジメチルシロキサン等)、カルボキシ変性ポリオルガノシロキサン(例えば、末端カルボキシプロピルポリジメチルシロキサン等)]等が挙げられる。
好ましい表面処理剤としては、シランカップリング剤が挙げられる。
なお、表面処理剤の割合は、無機蛍光物質(表面処理された無機蛍光物質)全体に対して0.01〜70質量%が好ましく、0.1〜50質量%がより好ましく、0.5〜30質量%がさらに好ましい。
(透明材料)
本発明において、前記無機蛍光物質は、透明材料に含有されている。本発明においては、透明とは、光路長1cmにおける波長400〜800nmの光の透過率が90%以上であることをいう。
前記透明材料としては、ビニル基を有するビニルモノマ(ビニル化合物)を重合、共重合して得られる透明ビニル樹脂であれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂類を挙げることができる。中でも光散乱抑制の観点から、(メタ)アクリル樹脂であることが好ましい。前記樹脂を構成するモノマ化合物としては特に制限はないが、光散乱抑制の観点から、(メタ)アクリルモノマであることが好ましい。ここで、(メタ)アクリルは、アクリル、メタクリル又はそれらの混合物を意味し、(メタ)アクリル樹脂は、アクリル樹脂、メタクリル樹脂を、(メタ)アクリルモノマは、アクリルモノマ、メタクリルモノマを意味する。
本発明において、これらビニル化合物の一部は、2官能以上のビニル化合物を含むことが好ましい。その配合比は、ビニル化合物の全質量に対し、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
また、前記無機蛍光物質を前記透明材料に含有させ、波長変換材料にする方法としては、例えば、前記無機蛍光物質を表面処理し、ビニルモノマ中に分散させ、これを懸濁重合することにより調製することができる。具体的には、表面処理をした無機蛍光物質とビニル化合物を含む混合物を調製し、ラジカル重合開始剤を用いてビニル化合物を重合することで、無機蛍光物質が含有された波長変換材料を構成することができる。表面処理をした無機蛍光物質の代わりに無機蛍光物質、ビニルモノマ中に表面処理剤を添加し縣濁重合中に無機蛍光物質の表面処理をしてもよい。その他には、無機蛍光物質を表面処理し、ビニル化合物に分散させ、これを塊状重合することで得られるポリマーを、ジェットミル等を用いて粉砕したり、あらかじめ合成したポリマー粒子の表面に後から無機蛍光物質を付着あるいは結合させたりすることで、波長変換材料を得られる。
(ビニル化合物)
本発明においてビニル化合物とは、エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であれば特に制限はなく、重合反応した際にビニル樹脂、特に(メタ)アクリル樹脂になり得るビニルモノマ、(メタ)アクリルモノマ、(メタ)アクリルオリゴマ等を特に制限なく用いることができる。好ましくは、(メタ)アクリルモノマ等が挙げられる。
(メタ)アクリルモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、これらのアルキルエステルが挙げられ、またこれらと共重合し得るその他のビニル化合物を併用してもよく、1種単独でも、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸無置換アルキルエステル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等)、これらのアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合し得るその他のビニル化合物としては、アクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらのビニル化合物は、1種単独でも、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明における2官能以上のビニル化合物とは、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物(例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート等)が挙げられる。
また、多価グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート等)、多価カルボン酸(例えば、無水フタル酸)と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する物質(例えば、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)とのエステル化物等も挙げられる。
本発明におけるビニル化合物としては、形成される波長変換材料の用途に応じて適宜選択することができ、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
(ラジカル重合開始剤)
本発明においては、ビニル化合物を重合させるためにラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、特に制限なく通常用いられるラジカル重合開始剤を用いることができる。例えば、過酸化物等が好ましく挙げられる。具体的には、熱により遊離ラジカルを発生させる有機過酸化物やアゾ系ラジカル開始剤が好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、α,α´ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルネオデカノエート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、サクシニックパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイル)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルオノイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサノン、2,2−ビス(4,4−ジブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α´ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等を使用することができる。
アゾ系ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、別名V−60)、2,2´−アゾビス(2−メチルイソブチロニトリル)(別名V−59)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(別名V−65)、ジメチル−2,2´−アゾビス(イソブチレート)(別名V−601)、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(別名V−70)等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、前記ビニル化合物の種類や形成される樹脂粒子の屈折率等に応じて適宜選択することができ、通常用いられる使用量で使用される。具体的には例えば、ビニル化合物に対して0.01〜2質量%で使用することができ、0.1〜1質量%で使用することが好ましい。
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
<無機蛍光物質の表面処理>
体積平均粒子径が2.3μm、密度3.8g/cmの蛍光物質(BaMgAl1627:Eu,Mn)5gをトルエン50gに分散させ、攪拌しながら東レ・ダウコーニング株式会社製シランカップリング剤、商品名:SZ6030(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を0.05g投入した。室温(25℃)にて1時間攪拌した後濾別し、得られた固形分を110℃に設定したオーブンにて1時間加熱処理することで、表面処理された無機蛍光物質を得た。
<波長変換材料の作製>
上記で得られた表面処理された無機蛍光物質(BaMgAl1627:Eu,Mn)を0.43g、メタクリル酸メチルを27.86g、ジシクロペンテニルアクリレート(FA−511AS、日立化成工業株式会社製)を12.86g、エチレングリコールジメタクリレート(FA−121M、日立化成工業株式会社製)を2.14g、熱ラジカル開始剤である2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.21g、スクリュー管に秤取した後、ミックスローターを用いて回転数100min−1で1時間混合した。
上記で得られたモノマ溶液を、ポリビニルアルコール(K型ゴーセノールKH−20、日本合成化学工業株式会社製)を0.43g溶解させた純水300g中に、攪拌羽根にて回転数350min−1で攪拌した状態で投入した。室温にて窒素バブリングした後、窒素気流下、50℃に昇温後、4時間この温度で重合した。その後、残存するラジカル開始剤を消失させる為に、さらに、80℃に昇温し、2時間攪拌し反応を完結させて、室温に戻した。生成した球状蛍光物質を濾別し、純水で充分に洗浄した後、60℃で乾燥して、ポリマー粒子(波長変換材料)を得た。
<蛍光、蛍光励起スペクトルの測定>
得られたポリマー粒子について、分光蛍光光度計(F−4500、株式会社日立製作所製)を用いて、蛍光波長:516nmにおける蛍光励起スペクトルと、蛍光励起波長:310nmにおける蛍光スペクトルを測定した。図1に波長変換材料の蛍光励起スペクトル、蛍光スペクトルを示した。
<耐光性試験>
耐光性試験機として、7.5kWスーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、商品名:SX75)を用い、放射照度180W/m(照射光波長:300〜400nm)にて、波長変換材料を光曝露した。試験前と試験後(72時間後)の波長変換材料に、アズワン株式会社製ハンディーUVランプ、商品名:SLUV−4を用いて、365nmの波長の光を照射し、発光の有無を観察した。この結果を、比較例とともに表1に示した。
<熱分析>
熱分析装置として、TG/DTA同時測定装置(株式会社島津製作所製、商品名:DTG−60H)を用い、室温(25℃)から700℃まで、昇温速度10℃/min、空気流量50ml/minで測定した。初期のサンプル質量と700℃の時のサンプル質量から、透明材料中の無機蛍光物質濃度(透明材料中の無機蛍光物質濃度=サンプル質量(700℃)/サンプル質量(25℃)×100)を評価した。この結果を比較例とともに表2に示した。
<波長変換型太陽電池封止材用樹脂組成物の調製>
透明封止樹脂(分散媒樹脂)として東ソー株式会社製のエチレン−酢酸ビニル樹脂、商品名:ウルトラセン634(「ウルトラセン」は登録商標)を100g、アルケマ吉富株式会社製の有機過酸化物である熱ラジカル開始剤、ルペロックス101(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、「ルペロックス」は登録商標)を1.5g、東レ・ダウコーニング株式会社製のシランカップリング剤、商品名:SZ6030(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を0.5g、及び、上記波長変換材料を1.0gからなる混合物を100℃に調整したロールミキサで混練し、波長変換型太陽電池封止材用樹脂組成物を得た。
<波長変換型太陽電池封止材シートの作製>
上記で得られた波長変換型太陽電池封止材用樹脂組成物を約30g、離型シートに挟み、厚さ0.6mmのステンレス製スペーサーを用い、熱板を80℃に調整したプレスを用い、シート状にした。
<裏面用太陽電池封止材シートの作製>
上記、波長変換型太陽電池封止材シートの作製において、波長変換材料を含まない他は上記と同様にして調製した樹脂組成物を用いて、上記と同様の方法で裏面用太陽電池封止材シートを作製した。
<波長変換型太陽電池モジュールの作製>
保護ガラスとしての太陽電池用熱強化硝子(旭硝子株式会社製)の上に、上記波長変換型太陽電池封止材シートを載せ、その上に、起電力を外部に取り出せるようにした太陽電池セルを受光面が下になるように載せ、さらに裏面用太陽電池封止材シート、バックフィルムとしてPETフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名:A−4300)を載せ、真空ラミネータを用いて、熱板150℃、真空10分、加圧15分の条件でラミネートして、波長変換型太陽電池モジュールを作製した。
<太陽電池特性の評価>
擬似太陽光線として、ソーラーシミュレータ(株式会社ワコム電創製、商品名:WXS−155S−10、AM1.5G)を用い、電流電圧特性をI−Vカーブトレーサー(英弘精機株式会社製、商品名:MP−160)を用いて、JIS C 8914に準拠して、モジュール封止前のセルの状態の短絡電流密度Jsc(セル)と、モジュール封止後の短絡電流密度Jsc(モジュール)とを、それぞれ測定し、その差(ΔJsc=Jsc(モジュール)−Jsc(セル))をとって評価した。その結果、ΔJscは0.52mA/cmであった。この結果を、比較例とともに表2に示した。
[実施例2]
実施例1の<無機蛍光物質の表面処理>において、体積平均粒子径が2.3μm、密度3.8g/cmの蛍光物質(BaMgAl1627:Eu,Mn)5gのところを、体積平均粒子径が2.2μm、密度4.3g/cmの蛍光物質(Y(PV)O:Eu)5gとした以外は同様の手順、方法で耐光性試験、熱分析、太陽電池特性の評価を行った。また、<蛍光励起、蛍光スペクトルの測定>において、実施例1の蛍光波長:516nmにおける蛍光励起スペクトルと、蛍光励起波長:310nmにおける蛍光スペクトルのところを、蛍光波長:619nmにおける蛍光励起スペクトルと、蛍光励起波長:305nmにおける蛍光スペクトルとした以外は同様の手順、手法で、蛍光励起、蛍光スペクトルを測定した。これらの測定、評価結果を比較例とともに図1、表1、表2に示した。
[比較例1]
実施例1の<波長変換材料の作製>において、実施例の表面処理された無機蛍光物質のところを、蛍光物質である希土類錯体Eu(TTA)Phen((1,10−フェナントロリン)トリス[4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−1,3−ブタンジオナト]ユウロピウム(III))とし、以下同様の手順、方法で、波長変換材料の耐光性評価を行った。評価結果を実施例とともに表1に示した。
[比較例2]
実施例1の<無機蛍光物質の表面処理>において、蛍光物質を加えない以外は、同様の手順、方法で、熱分析、太陽電池特性の評価を行った。結果を実施例とともに表2に示した。
Figure 2014034588
Figure 2014034588
表1に示したように、無機蛍光物質を用いた波長変換材料では、希土類錯体を用いた波長変換材料に比べ、耐光性が高いことが確かめられた。また、表2に示したように、蛍光波長が450〜900nmの範囲にあり、蛍光励起波長が300〜450nmの範囲にある無機蛍光物質を波長変換材料に用いることで、高いモジュール効果が得られることが確かめられた。
本発明は、薄膜多結晶シリコン太陽電池、薄膜化合物半導体太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池等の太陽電池モジュールに利用することができる。

Claims (7)

  1. 蛍光物質と、該蛍光物質を含有する透明材料を含む、粒子状の太陽電池用波長変換材料において、該蛍光物質が、カップリング剤により表面処理された無機蛍光物質であり、該透明材料が、透明ビニル樹脂であり、さらに、該蛍光物質の蛍光波長が450〜900nmにあり、蛍光励起波長が300〜450nmである太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
  2. 前記透明材料の透明ビニル樹脂が、(メタ)アクリル樹脂である請求項1に記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
  3. 粒子状の太陽電池用波長変換材料が、蛍光物質の無機蛍光物質が分散されたビニル化合物を、懸濁重合することにより得られたものである請求項1又は請求項2に記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
  4. 蛍光物質が分散されたビニル化合物が、2官能以上のビニル化合物を含み、該ビニル化合物を懸濁重合することにより得られる太陽電池用波長変換材料である請求項3に記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
  5. 懸濁重合により得られる太陽電池用波長変換材料の平均粒子径が、10〜200μmである請求項3又は請求項4に記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
  6. 透明材料の透明ビニル樹脂に対する蛍光物質の無機蛍光物質の含有率が、0.001〜10質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子。
  7. 蛍光波長が450〜900nmで、蛍光励起波長が300〜450nmの無機蛍光物質を準備し、カップリング処理する工程、
    ビニル化合物とカップリング処理した無機蛍光物質を懸濁重合し、平均粒子径が10〜200μmの粒子状の太陽電池用波長変換材料を合成する工程を備える請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池波長変換用無機蛍光体含有ポリマー粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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