JP2014034022A - 造水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜蒸留による造水装置であって、高い造水能力を有するとともに、洗浄などメンテナンス負担も低い造水装置を提供する。
【解決手段】処理水が流れる処理水室、前記処理水室中の処理水と接し前記処理水より発生する水蒸気を透過する疎水性多孔質膜及び前記疎水性多孔質膜を透過した水蒸気を凝結回収する凝結部、並びに、前記処理水室に流入する処理水の加圧手段及び前記加圧手段により加圧された処理水の加熱手段を備えることを特徴とする造水装置。
【選択図】 図5

Description

本発明は、膜蒸留により、海水や生活排水、工場排水等から飲用等に利用可能な水を取り出すための造水装置に関する。
近年、水資源確保のために、海水、使用済みの生活排水等の利用に適さない水(以下、「処理水」と言うことがある)から、塩分や有毒成分等を含まない利用可能な水(以下、「浄水」と言うことがある)を分離回収するための造水装置、造水システムが検討されている。
処理水から浄水を分離回収する造水技術は、水から発生させた水蒸気を凝結して回収する蒸発法と、水を通すが塩分等を通さない逆浸透膜に浸透圧以上の高圧をかけて濾過して水を分離回収する逆浸透法に大きく分類される。蒸発法としては、フラッシュ法、効用缶法等とともに、処理水を加熱して、塩分や水は透過しないが水蒸気は透過する疎水性多孔質膜の一方の面に接触させ、膜を透過してくる水蒸気を他方の面から回収する膜蒸留法が知られている。
逆浸透法には、高圧ポンプの設置費用とそれを運転する電力の費用及び膜の洗浄等のメンテナンスの負担が問題とされている。一方蒸発法では、一般に蒸気を発生させるための大容量の設備と熱源を要する点が問題である。しかし、膜蒸留法では、疎水性多孔質膜をモジュール化することで設備のコンパクト化が可能であり、蒸発法の問題として指摘されている設備の大型化の問題は緩和されている。
そこで、途上国の一部、離島、洋上の船舶等の浄水を得ることが困難な地域での浄水の製造法として膜蒸留が注目されている。又、所謂先進国においても、生活排水や工業排水の濃縮・減容、水の再利用等のための方法として膜蒸留が注目されている。例えば船舶では、熱源や電源はある程度得られるものの、設置面積が限定される上にメンテナンスフリーが望まれる場合が多いので、メンテナンスの負担の大きい逆浸透法や設置面積を要する蒸留法は使用が困難な場合が多く、膜蒸留による浄水の製造が注目されている。
このような背景から、近年、膜蒸留法の検討が盛んに行われており、例えば、特許文献1には「海水または黒みを帯びた水または工程水から脱塩水を生じさせる目的で液体を膜蒸留で浄化する方法」が記載されている。又、特許文献2には、熱源として太陽光を利用した膜蒸留による海水浄水化装置が記載されている。
特許4491153号公報(請求項1) 特許3450939号公報(請求項1、図1)
しかし、従来の膜蒸留による造水装置や造水システムは、簡易な構造であり設備規模や設置面積のコンパクト化は可能であるものの、コンパクトな設備では造水能力、すなわち単位時間当たりの造水量が小さく、船舶で使用する場合等の要望を十分満たすものではなかった。又、メンテナンスについても前記のような用途における要望を十分満たすものではなく、メンテナンス等がより容易でその負担の低い造水システムや造水装置が望まれていた。
本発明は、従来技術に対する前記の要望を満たす造水装置であり、洗浄などメンテナンス負担も低い膜蒸留による造水装置であって、高い造水能力を有する造水装置を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、処理水を加熱して疎水性多孔質膜の一方の面に接触させ、膜を透過してくる水蒸気を凝結して回収する膜蒸留装置において、前記処理水を高温・高圧に加熱・加圧することにより、従来にない高効率な水蒸気の発生が可能であり高い造水能力が得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、前記の課題は以下に述べる構成からなる造水装置により達成される。
請求項1の発明は、処理水が流れる処理水室、前記処理水室中の処理水と接し前記処理水より発生する水蒸気を透過する疎水性多孔質膜、及び前記疎水性多孔質膜を透過した水蒸気を凝結回収する凝結手段、並びに、前記処理水室に流入する処理水の加圧手段、及び処理水の加熱手段を備えることを特徴とする造水装置である。
本発明の造水装置は、従来の膜蒸留による造水装置と同様に、処理水が流入し流出する処理水室、前記処理水室中の処理水と接し前記処理水より発生する水蒸気を透過する貫通孔を有する疎水性多孔質膜、及び前記疎水性多孔質膜を透過した水蒸気を凝結回収する凝結部を有するが、さらに、処理水を加圧する手段及び処理水を加熱する手段を有し、前記処理水室に加圧及び加熱された処理水を流入させることを特徴とする。
すなわち、本発明の造水装置による膜蒸留では、疎水性多孔質膜に接する処理水は、前記加熱手段により加熱されて100℃より高い温度になる。その結果、従来にない高効率で水蒸気の発生が可能であり、高い造水能力が得られる。そして、100℃より高い温度に加熱されても液体の状態を保つように、処理水は加圧手段により加圧される。本発明者は、処理水を加圧及び加熱しても、膜蒸留法を行うことができることを見出し本発明に至った。以下、そのメカニズムを説明する。
蒸発法や膜蒸留法における造水は、処理水から発生した気体の水蒸気を液体の水に凝結させて行われるため、造水能力は、水蒸気の発生速度が大きい程大きくなる。そして(水蒸気の発生は、水相から気相に水分子が飛び出す現象であるから)水蒸気の発生速度は、処理水側の水蒸気圧と凝結部側の水蒸気圧の差が大きい程大きくなる。例えば処理水側が80℃で、凝結部側が40℃であって水相である場合又は湿度100%の気相である場合は、80℃の蒸気圧と40℃の蒸気圧の差が水蒸気の発生を促す圧力差である。気相の湿度が100%未満の場合、前記の水蒸気の発生を促す圧力差はより大きくなるが、この圧力差が80℃の蒸気圧を超えることはない。
処理水が加圧されず大気圧下にある場合、液体の状態の処理水の温度は100℃を越えないので、処理水側の蒸気圧は0.1MPa以下であり、従って、水蒸気の発生を促す圧力差も0.1MPaを超えることはない。しかし、処理水を加圧することにより、処理水温度を100℃より高くし処理水側の蒸気圧を0.1MPaより高くすることができる。従って、水蒸気の発生を促す圧力差も0.1MPaより高くすることができ、その結果水蒸気の発生速度をより大きくすることができる。
水蒸気の発生を促す圧力差は、処理水の温度が高いほど大きくでき、造水能力を向上することができる。しかし、処理水の温度が高いほど処理水の圧力を高く加圧する必要があり、高い圧力に耐えられる機械的強度を有する疎水性多孔質膜や装置の構造等が必要となる。又、処理水の圧力が高い場合は、液体の処理水が疎水性多孔質膜を通過する処理水漏れを生ずる場合があるので、疎水性多孔質膜には、処理水漏れを防ぐことができる高い耐水圧が求められる。さらに、処理水を高温まで加熱できる加熱手段が必要となる。そこで、これらの事情を比較考量して、最適な加熱温度や圧力が選定される。通常、0.2MPa以上0.9MPa以下の圧力が好適に使用され、優れた造水能力を得る観点からは0.7〜0.9MPa程度の圧力がより好適である。
本発明の造水装置に使用される疎水性多孔質膜は、疎水性の材質からなり、気体である水蒸気は透過するが通常の状態では液体の水や塩類等の不純物は透過しない貫通孔を有するものである。又、疎水性多孔質膜は、処理水漏れを防ぐことができる高い耐水圧を有するものである。
従来の造水装置においても、疎水性多孔質膜には、操業中に処理水から受ける圧力に十分耐える機械的強度が求められるので、厚みが50〜100μmまたは100μm以上の疎水性多孔質膜が使用されてきたが、本発明の造水装置では、処理水から受ける圧力が従来の造水装置より大きくなるので、より大きな機械的強度が求められる。1MPa近い高圧をかけても膜が壊れないような大きな機械的強度は、例えば、疎水性の材質からなる膜を金属網等でサポートすることにより得ることができる。
本発明を構成する凝結手段としては、水蒸気の潜熱を奪って水に戻すための冷却が可能なものであれば特に制限はない。ただし、本発明において得られる蒸気が比較的高温・高圧であることを考えれば、熱を回収して再利用できる凝結手段が望ましい。凝結手段のより具体的な態様としては、後述の請求項2〜6に示す凝結手段等を挙げることができる。
請求項2の発明は、前記疎水性多孔質膜の処理水に接する側と反対側の面が、冷水と接していることを特徴とする請求項1に記載の造水装置である。
冷水とは、処理水より温度の低い浄水である。疎水性多孔質膜を透過した水蒸気は、この冷水により冷やされて凝結する。すなわち、この冷水が、疎水性多孔質膜を透過した水蒸気を凝結回収する凝結部を構成する。
水蒸気が冷水中で凝結することにより、冷水中に浄水が生成する。従って、浄水の量が増大するので、増量した浄水を回収することにより浄水の製造を行うことができる。
水蒸気が冷水中で凝結することにより、凝結熱が発生し冷水の温度が上昇する。冷水の温度が上昇すると、凝結部側の蒸気圧が上昇し、水蒸気の発生を促す圧力差(処理水側の蒸気圧との差)が小さくなる。そこで、冷水の温度を低く保つために、冷水の冷却や冷水の循環を行うことが好ましい。冷水の冷却手段としては、空冷や水冷、特殊冷媒利用した手段等を挙げることができるが、加熱前の処理水を冷水中に通して、処理水による冷水の冷却及び処理水の加熱を行う方法等により凝結熱の回収を行えば、冷水の冷却及び処理水の加熱の負担を低減できるので好ましい。
請求項3の発明は、前記疎水性多孔質膜の処理水に接する側と反対側の面が、気相と接しており、かつ前記気相中に放出された水蒸気の凝結部を、気相を介して有することを特徴とする請求項1に記載の造水装置である。
この造水装置では、疎水性多孔質膜を透過した水蒸気は、気相中に放出され凝結部にて凝結する。すなわち、気相及び凝結部が、疎水性多孔質膜を透過した水蒸気を凝結回収する凝結手段を構成する。気相を介して有するとは、疎水性多孔質膜と凝結部間に気相が介在し、疎水性多孔質膜と凝結部が接触していないことを意味する。気相中に放出された水蒸気を効率よく凝結するため、気相は密封されていることが好ましい。
疎水性多孔質膜は、疎水性の材質からなるので、処理水はその材質により弾かれ通常の状態では疎水性多孔質膜の貫通孔を透過しないが、疎水性多孔質膜に加わる処理水の圧力が高すぎる場合や、疎水性多孔質膜が有機物等の汚染成分や洗剤等の界面活性成分により汚染されその疎水性が低下した場合等は、処理水の一部が膜を透過することもあり得る。しかし、請求項3の造水装置では、疎水性多孔質膜と凝結部が気相を介して離れているので、例え処理水の一部が膜を透過した場合であっても、凝結手段で生成した浄水への混入を防ぐことができる。すなわち、その処理水は、高温の疎水性多孔質膜の表面で蒸発するので、凝結手段で生成した浄水には混入しない。
請求項4の発明は、前記凝結部が、前記疎水性多孔質膜に対向して設けられている凝結面であることを特徴とする請求項3に記載の造水装置である。
この造水装置では、気相中に放出された水蒸気は凝結面で冷やされて凝結する。すなわち、凝結面が前記凝結部であり、気相及び凝結面等が請求項1における凝結手段を構成する。凝結面は、気相中に放出された水蒸気を冷却して凝結する冷却面である。例えば、金属等の熱伝導率の良い材質からなる板である。
疎水性多孔質膜及びそれに対向して設けられる凝結面は、好ましくは鉛直方向に設置されており、凝結面の下方には、通常浄水槽が設けられている。この場合、凝結面で凝結した水滴は凝結面を滴り下方にある浄水槽に落ちて浄水として回収される。
凝結面は、水蒸気の凝結により発生する凝結熱により加熱される。そこで、凝結面を処理水より低い温度に保つために、好ましくは、凝結面の冷却手段が設けられる。凝結面の冷却手段としては、気相とは反対側の面に接して設けられる空冷の放熱手段や水や特殊冷媒を利用した冷却手段等を挙げることができる。又、加熱前の処理水により凝結面の冷却をする方法によれば、凝結面の冷却とともに処理水が加熱されて凝結熱の回収ができ、処理水の加熱の負担を低減できるので好ましい。
請求項5の発明は、前記気相が密封されており、さらに大気圧以下の圧力下にある水層及び前記気相と前記水層間を連結し前記気相中に放出された水蒸気を前記水層中に貯留された浄水中に導く導管を有することを特徴とする請求項3に記載の造水装置である。
この造水装置では、気相中に放出された水蒸気は導管により水層中に貯留されている浄水中に導かれる。水層は大気圧以下の圧力下にあるので、貯留された浄水の温度は100℃よりも低く好ましくはさらに低温である。従って、導管により導かれた水蒸気は凝結し浄水となり、水層中の浄水の量が増大する。増量した浄水を回収することにより浄水の製造を行うことができる。すなわち、気相、導管及び大気圧以下の圧力下に水を貯留する水層が請求項1における凝結手段を構成する。
導管より導かれた水蒸気を確実に凝結させるために、水層中の水は低温であることが好ましい。しかし、水層中では、水蒸気が凝結されるので凝結熱が発生し水温が上昇する。そこで、水層中の水を冷却するための冷却手段を設けることが好ましい。
請求項6の発明は、前記加圧手段と加熱手段間を連結する処理水の流路が、前記水層内、前記導管内及び前記気相内の少なくとも一部を通過することを特徴とする請求項5に記載の造水装置である。
前記導管内や気相内は、100℃より高い温度に加熱された処理水より放出された水蒸気により加熱されており温度が高い。又、水層も、水蒸気の凝結熱により加熱されて温度が上昇する。従って、処理水の流路を、これらの少なくとも一部を通過するように設けることにより、処理水を加熱することができ、加熱手段による加熱の負担を軽減できる(処理水の流路が加熱手段の一部を構成すると解することもできる)。又、水層中に処理水の流路を通すことにより水層中の水を冷却することができるので好ましい。より好ましくは、処理水の流路が前記水層内、前記導管内及び前記気相内の全てを通過する場合である。
請求項7の発明は、前記疎水性多孔質膜が、その処理水が接する面側に、耐水圧が1MPa以上、厚みが2μm以下の微細孔層を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の造水装置である。
前記のように、疎水性多孔質膜に加わる処理水の圧力が高すぎる場合や、疎水性多孔質膜が有機物等の汚染成分や洗剤等の界面活性成分により汚染されその疎水性が低下した場合等は、処理水の一部が膜を透過する処理水漏れ(短絡)が生じる場合もある。しかし、処理水の圧力が1MPa未満の場合は、疎水性多孔質膜の耐水圧が1MPa以上であれば、通常の場合処理水漏れを防ぐことができる。又、界面活性成分等による汚染により処理水漏れが生じた場合であってもその量を微量に抑制することができる。耐水圧が1MPa以上の疎水性多孔質膜は、公称孔径で0.03μm以下と非常に小さい孔径を有するため、液体の水は1MPaに近い高圧でも通過できないからである。又、界面活性成分等による汚染により疎水性が低下した場合でも、孔径が小さいので物理的に液体の水の透過を防ぐことができるからである。
一方、このような微小孔径の膜は気体の透過抵抗も高く水蒸気の透過を大きく阻害すると考えられていたが、本発明者らの検討により、疎水性多孔質膜の膜厚を2μm以下とすれば、膜蒸留における水蒸気の透過の阻害が軽微となり、造水能力を妨げないことが見出された。そこで、疎水性多孔質膜の処理水が接する面側に、耐水圧が1MPa以上で厚みが2μm以下の微細孔層を設け、この微細孔層と、機械的強度を有しかつ水蒸気の透過を阻害しない疎水性多孔質膜の他の部分と組合せることが好ましい。
このような疎水性多孔質膜を利用することで、処理水を水蒸気圧が0.7〜0.9MPa程度の160〜170℃程度まで加圧・加熱することが可能で、最大0.1MPaの蒸気圧差しか利用できなかった従来の方法に比べて5倍以上、通常6〜7倍の高効率の造水能力が達成可能となる。
請求項8の発明は、前記疎水性多孔質膜が、ポリテトラフルオロエチレン又はその変性樹脂からなる延伸多孔質膜であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の造水装置である。
疎水性多孔質膜を形成する疎水性の材質としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、およびその混合物、その変性樹脂等の疎水性の樹脂を挙げることができる。
本発明においては、容易に多孔質膜を得られる点で、延伸法により製造されるPTFE及びその変性樹脂や、溶媒相転移法により製造されるPVDFが、疎水性多孔質膜の主材料として適している。中でも、延伸法により製造されるPTFEおよびその変性樹脂は、疎水性、機械的強度、化学的耐久性(耐薬品性)に優れるとともに、延伸法により、容易に均一孔径を有し高い気孔率のPTFE延伸多孔質膜を製造できるので好適である。疎水性多孔質膜が微細孔層を有する場合、その微細孔層についても同様に延伸法により容易に製造できる。なお延伸法とは、PTFE又はその変性樹脂の微粒子を膜状に成形し、焼結して無孔質化したものを延伸して多孔質化する方法である。
PTFEの変性樹脂とは、テトラフルオロエチレンを主体としながらも、本発明の趣旨及び機械的強度、耐薬品性、作りやすさ等を大きく阻害しない範囲で、他のフッ素系モノマーが共重合された樹脂を言う。例えば、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)やパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)等が少量共重合されたPTFEを挙げることができる。なお、主体とするとは、テトラフルオロエチレンの共重合比が50モル%以上、好ましくは80モル%以上であることを意味する。
本発明の造水装置は、加熱した処理水を疎水性多孔質膜の一方の面に接触させ、膜を透過してくる水蒸気を他方の面から回収する膜蒸留法であるので、洗浄などメンテナンス負担が低い。特に、微細孔層を有する疎水性多孔質膜を用いた場合は、孔が非常に小さく界面活性剤等に濡れにくいので、メンテナンス負担がより低くなる。そして、処理水の加圧手段と加熱手段を有し、加圧、加熱した処理水を疎水性多孔質膜と接触させることにより従来の造水装置よりはるかに大きい造水能力を達成することができる。
水の温度と蒸気圧の関係を表すグラフを示す図である。 請求項2の発明の造水装置の一例を模式的に表すフロー図である。 請求項4の発明の造水装置の一例を模式的に表すフロー図である。 請求項5の発明の造水装置の一例を模式的に表すフロー図である。 請求項6の発明の造水装置の一例を模式的に表すフロー図である。 図5の造水装置における、各手段における処理水と水蒸気の温度・圧力の状態変化の一例を模式的に示すフロー図である。 本発明の造水装置の他の一例を模式的に表すフロー図である。 本発明の造水装置の他の一例を模式的に表すフロー図である。
次に、本発明を実施するための形態を具体的に説明する。なお、本発明はこの形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り、他の形態へ変更することができる。
本発明を構成する加圧手段としては、処理水を0.1〜1MPaに加圧する圧力ポンプが使用できる。好適に使用される圧力は0.2MPa以上0.9MPa以下であるため、特に超高圧ポンプは必要ではなく、低圧逆浸透膜に利用されている汎用のポンプ等も使用可能である。
本発明を構成する加熱手段としては、本発明の目的である100℃を越える高温状態の処理水を得ることができるものであれば、特に制限されない。例えば、太陽光や地熱等の自然エネルギーを利用することができ、又、工場や発電所、ゴミ焼却場などの施設や船舶等の輸送手段における焼却やエンジン、ボイラー等の排熱を利用した加熱手段を使用することができる。
処理水の流路における処理水の沸騰を防ぐために、加圧手段は加熱手段の前に設けられること(すなわち、加圧した後加熱すること)が好ましい。しかし加圧手段と加熱手段を一体化し、加圧と加熱を同時に行うことも可能である。
図1は、水の温度と蒸気圧の関係を表すグラフである。図中の1に示されているように水温が100℃のときの蒸気圧は100kPa(0.1MPa)、すなわち大気圧である。従って、大気圧下では100℃を超える水温とすることはできず、水蒸気の発生を促す圧力差も0.1MPaより大きくすることができない。しかし、加圧することにより100℃を超える水温とすることができ、例えば加圧して水温を170℃程度まで加熱すると、図中の2に示されているように蒸気圧は800〜900kPa(0.8〜0.9MPa)程度となるので、水蒸気の発生を促す圧力差も0.8〜0.9MPa程度まで上げることができ、高い造水能力を得ることができる。
疎水性多孔質膜として好適に用いられる耐水圧1MPa以上で膜厚が2μm以下の微細孔層を持つ疎水性多孔質膜は、例えば、特許4371176号に記載の以下に示す方法で製造することができる。
PTFEファインパウダーを水に懸濁分散させたフッ素樹脂ディスパージョンを、コーター等を使って金属箔の上に5〜10μ程度の厚みで塗布し塗膜を形成させる。水分を蒸発・乾燥させたのちに塗膜をPTFEの融点以上に加熱して薄膜を形成させ、その上にPFA等のディスパージョンを接着剤として薄く塗ると同時に、延伸法で作成した膜厚50〜100μmのPTFE延伸多孔質膜を上から密着させる。
次にPTFE多孔質膜が収縮しないように保持した状態で、接着剤であるPFAの融点以上の約320℃まで加熱して金属箔上のPTFE薄膜とPTFE延伸多孔質膜を接着する。その後、いったん340℃で加熱後、310℃前後で等温結晶化処理を行う。等温結晶化処理後、金属箔を剥離除去する。金属箔を剥離除去した後、100℃前後で150〜200%程度延伸することで、片面に耐水圧1MPa以上で厚みが2μm以下の微細孔層を持つPTFE製疎水性多孔質膜を得ることができる。
次に、本発明の造水装置の具体例を図に基づいて説明する。
図2は、凝結手段が冷水(浄水)である場合、すなわち請求項2の造水装置の一例を模式的に示すフロー図である。図中、1は加圧手段、2は加熱手段、3は処理水室、4は疎水性多孔質膜、51は冷水(浄水)流路を表わす。疎水性多孔質膜4は、一方の側が処理水室3に接し、他の側が冷水(浄水)流路51に接して設けられている。又、疎水性多孔質膜4は、微細孔層42を有し、微細孔層42は処理水室3側に設けられ疎水性多孔質膜4の他の部分(以下、「本体部」と言い、図中では41で表す)に貼り合わされている。
他にこの造水装置は、処理水の貯留水槽等に接続する配管等を備えるが図示は省略されている。なお、さらに処理水等を送る送液手段を備えてもよいが、この造水装置では加圧手段1により処理水は高圧になるので、送液手段による送液を行わなくても疎水性多孔質膜に向かって自然に流れる。従って、通常の場合は、加圧手段1以外の送液手段を設ける必要はない(図3〜5、7の装置においても同じである)。
図中の実線の矢印は水の流れを示す(図3〜5、7、8においても同じである)。処理水は、先ず、加圧手段1により加圧された後、加熱手段2により100℃より高い温度に加熱される。加圧は、処理水室3に送られる処理水の水温における蒸気圧よりも高い圧力になるように行われる。従って、100℃より高い温度に加熱されても処理水は沸騰しない。処理水の水圧が加熱される水温における蒸気圧よりも低く、配管中および処理水室3で沸騰すると、疎水性多孔質膜4の表面における効率的な膜蒸留を行えなくなる上に圧力損失が大きくなる。
加圧及び加熱され処理水室3に流入した処理水は、加圧された状態で疎水性多孔質膜4と接するが、処理水室3側に微細孔層42が設けられているので、通常処理水は透過しない。疎水性多孔質膜4と接した処理水は、微細孔層42の気液界面で一部の水が水蒸気となる。水蒸気は、図中の点線矢印が示すように、疎水性多孔質膜4を透過し、冷水(浄水)流路51中を流れる浄水中に放出され冷却され凝結する。凝結した処理水には処理水に含まれていた溶質成分は含まれていないため浄水として利用可能となる(図3〜5の態様においても同じである)。このようにして生じた浄水は、浄水流入口51iより流入した浄水(冷水)と混合する。
浄水は、浄水流入口51iより冷水(浄水)流路51中に流入し、浄水流出口51oより流出するが、水蒸気の凝結により冷水(浄水)流路51内で増量する。冷水(浄水)流路51中の浄水は水蒸気の凝結により加熱され温度が上昇するので、浄水の冷却手段を設けることが好ましいが、図示は省略されている。
水蒸気として一部の水及び蒸発熱を失い減量、降温された処理水は、処理水流出口3oより流出する。浄水は処理水が失った水と熱を受けとって増量、昇温して浄水流出口51oから流出する。この時の増量分が処理水から得られた浄水であるので、浄水(冷水)の経路は清浄に維持するべきである。
本発明の造水装置により、例えば、処理水を加圧手段1で0.5MPa以上に加圧すると、加熱手段2で150℃に加熱しても図1から明らかなように液体の状態を維持することが可能である。この処理水を、高圧に対応した疎水性多孔質膜4に供給すると大きな蒸気圧差が生じ、従来の数倍以上の水蒸気を発生させることができる。処理水は、好ましくは、0.7〜0.9MPaに加圧され、160〜170℃程度に加熱される。0.7〜0.9MPaに加圧され160〜170℃程度に加熱することにより、従来の6〜7倍の造水能力を達成することができる。
図3は、疎水性多孔質膜の処理水に接する側と反対側の面が気相と接しており、かつ前記気相中に放出された水蒸気が凝結する凝結面が前記疎水性多孔質膜に対向しかつ鉛直に設けられている場合、すなわち請求項4の造水装置の一例を模式的に示すフロー図である。図中、加圧手段、加熱手段、処理水室、疎水性多孔質膜、その微細孔層及び本体部は図2と同じ符号で表す。図3中、53は浄水の凝結面であり、8は凝結した浄水であり、6は凝結した浄水を受ける浄水槽であり、7は冷却水室である。さらに52は、疎水性多孔質膜4と凝結面53の間に設けられた気相である。
この造水装置では、加圧、加熱された処理水が処理水室3を流れ、微細孔層42の気液界面で一部の水が水蒸気となり、その水蒸気が疎水性多孔質膜4を透過する点は、図2に示す造水装置と同じであるので、説明を省略する。図2の場合と異なり、図3では、疎水性多孔質膜4を透過した水蒸気は、気相52中に放出される。気相52中に放出された水蒸気は、疎水性多孔質膜4に対向して設けられている凝結面53に到達し、液化して凝結水8となり、その滴が自然落下して凝結面53の下部に設けられた浄水槽6にて回収される。
なお、この例では気相52は密封されている。従って、気相52中に放出された水蒸気は、全て浄水として回収することができる。凝結面53では、水蒸気が液化して凝結水8となるので凝結熱が発生する。そこで、凝結面53の気相52側とは反対の面には冷却水室7が設けられて冷却水による冷却が行われる。冷却水は、冷却水流入口7iより冷却水室7に流入し、凝結面53により加熱されて冷却水流出口7oより流出する。
図4に示す造水装置は、疎水性多孔質膜4の処理水に接する側と反対側の面が気相52と接している点は、図3に示す例と同じであるが、凝結面53、浄水槽6及び冷却水室7を設けない代わりに、大気圧下にある水層9及び前記気相52と前記水層9間を連結し前記気相52中に放出された水蒸気を前記水層9中に貯留された浄水中に導く導管55が設けられている。すなわち図4は、請求項5の造水装置の一例を模式的に示すフロー図である。
この造水装置では、気相52中の水蒸気を導管55で導いて水槽9中の浄水中に吹き込む。その結果、水蒸気は冷却され凝結するので浄水を製造することができる。一方、凝結熱により水槽9中の浄水は加熱される。
図5に示す造水装置は、図4の造水装置の一例であるが、加圧手段1と加熱手段2の間を連結する処理水の流路が、水層9内、導管55内及び気相52内を通過するように設けられている。すなわち図5は、請求項6の造水装置の一例を模式的に示すフロー図である。
図中の10は、加圧手段1と加熱手段2の間を連結する処理水の流路を示す。本発明において得られる水蒸気は、従来技術と比べて、高温、高圧である。従って、この熱を回収して再利用することが望ましい。図5の造水装置によれば、処理水の流路10を、水層9内、導管55内及び気相52内に配することにより、気相52や導管55内の高温の水蒸気よりの熱及び水層9内で発生する凝結熱を回収できる。その結果、加熱手段2に流入する処理水の温度を高くすることができるので、加熱手段2における加熱の負担を低減でき、省エネルギー、コストダウンに寄与することができる。
図6は、図5の造水装置を運転して膜蒸留を行った場合の一例における、各手段における処理水と水蒸気の温度と圧力の状態及び熱の移動を示すフロー図である。この例では、先ず、0.1MPa(大気圧下)で30℃の処理水が、加圧手段1に供給されて0.7MPaまで加圧され、その後処理水の流路10を通り加熱手段2に供給される。処理水は、水層9内、導管55内及び気相52内を通過する際に、水槽9内の浄水を冷やし導管55内及び気相52内の水蒸気の温度を下げて凝結させる冷却媒として働く。一方、この間、すなわち加熱手段2に至るまでに、処理水は予備的に加熱される。具体的には、処理水は、水槽9の中で80℃まで温められ、さらに、導管55内の125℃の蒸気(0.2MPa)で100℃に、気相52内の150℃の蒸気(0.5MPa)で130℃に加熱され、最終的に加熱手段2によって150℃まで加熱され、処理水室3に流入する。
処理水室3に送られた150℃、0.7MPaの処理水は、疎水性多孔質膜4を通じて気相52中に激しく水蒸気を発生させ、気相52内は150℃、0.5MPaの水蒸気により飽和される。なお、処理水室3中の処理水は、150℃における水蒸気圧の約0.5MPaよりも高圧(0.7MPa)なので沸騰することは無い。気相52中の150℃、0.5MPaの水蒸気は、導管55内で、125℃、0.2MPaの水蒸気となり水層9内に吹き込まれる。水層9内の水中に吹き込まれた水蒸気は凝結し0.1MPa(大気圧下)、100℃の浄水となるが、前述のように凝結により生じた熱は水層9内の処理水に回収される。
この造水装置によれば、加熱手段2では、装置の周囲に逃げる熱量分(浄水の持ち出す熱量を含む)だけ加熱すればよく、図5の例でも130℃から150℃に20℃加熱するだけである。すなわち、加熱の負担は低減されている。同様に加圧手段1で加圧される処理水は、処理水室3から蒸気として失われる水に相当する量だけであるため、圧損など特に大きなエネルギーロスはなく、効率的である。
前記の造水装置において、処理水室3中の処理水は、水蒸気の放出により減量し蒸発熱を失うことにより冷却されるが、処理水室3から流出する処理水は、なお高温・高圧の場合が多い。多量の処理水が高温のまま排出されると、熱の損失となり熱効率等の点で不利となる。そこで、浄水の回収率を向上させ排出される処理水量を減少させる方法、排出される処理水からの熱を回収して温度を下げた後排出する方法等を行うことが望まれる。
処理水が海水のときは、処理水量の1/2以上の浄水を回収して、排出される処理水を減量(濃縮)することが好ましい。この場合、処理水(海水)中の塩分濃度は7%(海水中の塩分濃度3.5%の約2倍)以上となる。より好ましくは、処理水量の約2/3の浄水を回収する場合である。この場合、処理水(海水)中の塩分濃度は約10%(海水中の塩分濃度3.5%の約3倍)となるが、塩分濃度10%程度までは膜蒸留の効率はほとんど低下しない。RO(逆浸透)による海水の濃縮では、塩分濃度が上がると浸透圧が高くなるので7%程度が限度である。従って、膜蒸留は、塩分濃度をより高くできる点でRO(逆浸透)より有利であり、本発明を海水の濃縮に適用する場合は、塩分濃度を7%より高くする条件での運転が望まれる。
図7は、図5の装置において、浄水の回収率を向上して排出される処理水量を減少させるために、処理水室3から流出する高温の処理水を、気相52、導管55、水層9内に設けられ、疎水性多孔質膜により形成されている処理水排出管を通して排出する例を模式的に示すフロー図である。図中11は、処理水排出管を表し、図中の破線で示されている部分は、疎水性多孔質膜により管が形成されている部分である。なお、処理水排出管11以外の部分は、図5の場合と同じ符号で表されている。
処理水室3より流出した処理水は、処理水排出管11を通るが、気相52、導管55、水層9内では、処理水排出管11は疎水性多孔質膜により形成されているので、高温の処理水より水蒸気が気相52内、導管55内又は水層9内に放出され、放出された水蒸気は凝結して回収される。その結果、浄水の回収率が向上して、処理水は、より減量する(処理水中の塩類等の濃度が上昇する)とともに蒸発熱を失うことにより冷却される。このようにしてより減量され冷却された処理水は、処理水排出口11oより排出されるが、処理水量を減少しその温度を下げた後排出されるので、処理水の排出に伴う熱の損失を減少でき、熱効率を向上して加熱の負担を低減することができる。
図8は、図2〜4の装置において、処理水からの浄水の回収率を向上して排出される処理水量を減少させるために、処理水室3から流出する高温の処理水を加熱手段2に導入する例を模式的に示すフロー図である。なお、疎水性多孔質膜4の処理水室3とは反対側は、図2〜4の場合と同じであるので、図示は省略している。この装置では、処理水流出口3oから流出した、高温ではあるが流入時よりは降温されている処理水は、再び加熱手段2に流入して加熱され処理水室3に流入する。すなわち、処理水室3と加熱手段2間を循環し処理水室3における水蒸気の放出を複数回行うことにより処理水はより減量される。
水蒸気の放出を繰り返すことにより処理水室3中の処理水中の塩等の濃度が上昇するが、塩等の濃度が所定値まで上昇した後(処理水が海水の場合は、塩濃度が7〜10%となったとき)、処理水の循環及び膜蒸留を中断し、処理水を排出孔3dより排出する。その後、新たな処理水を加熱手段2より処理水室3に供給して、再び膜蒸留を開始する。この方法によれば、排出される処理水の減量(処理水の濃縮)を確実に行うことができるとともに、処理水の排出に伴う熱の損失を減少でき、熱効率を向上して加熱の負担を低減することができる。又、この例の形態は、比較的コンパクトな装置にも適用できる。
本発明の造水装置は、工場、発電所の排水処理、船舶での海水の淡水化等のように処理水を加熱するための熱源を得やすい場合、又、装置のコンパクト化が望まれる場合等において、特に好適に用いられる。本発明の造水装置は、さらに、使用済みの生活排水や、摂取又は使用の限界以上のミネラル分や塩分、ヒ素等の重金属、藻類や大腸菌等のバクテリア、ウィルス等の人体に不要及び有害な成分を含み飲用や生活用水に適さないような井戸や河川の取水、例えばバングラディッシュにおけるヒ素汚染井戸水やエジプトの沙漠における塩分を含む井戸水等からの、飲用水の製造のためにも用いられる。
1. 加圧手段
2. 加熱手段
3. 処理水室
4. 疎水性多孔質膜
41. 本体部
42. 微細孔層
51. 冷水(浄水)流路
52. 気相
53. 凝結面
55. 導管
6. 浄水槽
7. 冷却水室
8. 凝結した浄水(凝結水)
9. 水層
10. 処理水の流路
11. 処理水排出管

Claims (8)

  1. 処理水が流れる処理水室、前記処理水室中の処理水と接し前記処理水より発生する水蒸気を透過する疎水性多孔質膜、及び前記疎水性多孔質膜を透過した水蒸気を凝結回収する凝結手段、並びに、前記処理水室に流入する処理水の加圧手段、及び処理水の加熱手段を備えることを特徴とする造水装置。
  2. 前記疎水性多孔質膜の処理水に接する側と反対側の面が、冷水と接していることを特徴とする請求項1に記載の造水装置。
  3. 前記疎水性多孔質膜の処理水に接する側と反対側の面が、気相と接しており、かつ前記気相中に放出された水蒸気の凝結部を、気相を介して有することを特徴とする請求項1に記載の造水装置。
  4. 前記凝結部が、前記疎水性多孔質膜に対向して設けられている凝結面であることを特徴とする請求項3に記載の造水装置。
  5. 前記気相が密封されており、さらに大気圧以下の圧力下にある水層及び前記気相と前記水層間を連結し前記気相中に放出された水蒸気を前記水層中に貯留された浄水中に導く導管を有することを特徴とする請求項3に記載の造水装置。
  6. 前記加圧手段と加熱手段間を連結する処理水の流路が、前記水層内、前記導管内及び前記気相内の少なくとも一部を通過することを特徴とする請求項5に記載の造水装置。
  7. 前記疎水性多孔質膜が、その処理水が接する面側に、耐水圧が1MPa以上、厚みが2μm以下の微細孔層を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の造水装置。
  8. 前記疎水性多孔質膜が、ポリテトラフルオロエチレン又はその変性樹脂からなる延伸多孔質膜であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の造水装置。
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