JP2014026051A - 撮像装置、画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光により撮影された画像から鑑賞用として好ましい自然なボケ形状の立体視画像を得ることができる撮像装置等を提供する。
【解決手段】撮像素子22と、被写体像を撮像素子22に結像する撮像光学系9と、撮像素子22に、撮像光学系9の瞳領域中の第1の領域を通過した光線による第1の画像と、第1の領域と異なる第2の領域を通過した光線による第2の画像と、が形成されるようにする撮像素子22上の画素に設けられた遮光部と、第1の画像と第2の画像との位相差量を演算する距離演算部39と、演算された位相差量に基づき、第2/第1の画像のボケの重心位置を第1/第2の画像のボケの重心位置の方向へ移動させるとともに第2/第1の画像のボケ形状を理想的な画像のボケ形状に近似させた2つの片目用画像でなる立体視画像を生成するステレオ画像生成部40と、を備えた撮像装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像素子から得られた画像に基づき距離情報を取得し得る撮像装置、画像処理装置に関する。
距離情報は、自動焦点調節(AF)機構によるAF処理を行うためや、立体視画像を作成するため、あるいは画像処理(例えば、被写体抽出処理や背景抽出処理、あるいはボケ量コントロールの画像加工処理)を行うためなど、撮像装置における様々な機能を実現するのに利用可能である。
このような距離情報を取得する測距方式としては、従来より、被写体に赤外線や超音波などを照射して反射波が戻るまでの時間や照射角度に基づき距離を検出するアクティブ方式と、赤外線などを用いることなく光学系を介して取得した画像を利用して測距を行うパッシブ方式と、が知られている。
一眼カメラ等で広く用いられている位相差検出方式は、これらの内のパッシブ方式の一つであり、異なる瞳を通過した光束から得られた複数の画素信号間で相関演算を行うことにより、被写体までの距離情報を取得する技術である。
クイックリターンミラーを備えた一眼レフレックスカメラでは、撮影レンズを介してクイックリターンミラーに照射された光束の一部を、例えばクイックリターンミラーの背面側に配設されたサブミラーにより反射して、異なる瞳を実現するためのスプリットレンズを介して位相差検出用のAFセンサに入射させ、距離情報を取得することが行われている。
ところで近年、ミラーレスタイプの一眼カメラが普及しつつあり、こうしたカメラに好適な位相差検出方式として、画像を取得するための撮像素子上に位相差を検出するための画素(位相差画素)を設ける技術(像面(イメージャ)位相差方式などと呼ばれる)が提案され、製品化されてきている(例えば、特開2000−305010号公報や特開2011−197080号公報等参照)。ここに位相差画素は、特定の位置の画素上に、画素開口の一部を遮光するための遮光部(マスク)を配置して構成されるものである。そして、画素開口の一部(例えば左半分)を遮光した位相差画素と、画素開口の他の一部(例えば右半分)を遮光した位相差画素と、を位相差検出方向に各複数配列して、これら2種類の画素群により撮像された画素信号間で相関演算を行って距離情報を取得するようになっている。
この像面位相差方式によれば画像と距離情報とを同時に取得可能であるが、位相差画素は測距のみに用いられ、観賞用の2次元画像においては欠落画素として扱われる。ここに、欠落画素として扱われる理由の1つは、位相差画素で得られる画像は異なる瞳を通過した光により結像された画像となるために、合焦位置にない被写体像に対してボケの範囲で像ズレが生じ2重像となるから(従って、観賞用画像としての品質が確保されないから)である(ただし、合焦位置にある被写体像であれば像ズレは生じない)。
欠落画素は、従来より、周辺の画素からの補間等が行われており、この補間技術としては例えば特開2009−94881号公報に記載の技術が一例として挙げられる。
一方、上述したような位相差画素から得られた画像は、立体視画像の生成にも用いられる。
例えば、特開2003−7994号公報には、像面位相差方式の撮像素子を用いて立体視画像を生成する技術が記載されている。
また、特開2006−105771号公報には、像面位相差方式の撮像素子を用いた立体視画像に対して、位相差量に基づいて2枚の立体視画像を合成する技術が記載されている。
さらに、特開平4−251239号公報には、偏光を利用して瞳分割を行うことにより得られた位相差が生じている画像を用いて、立体視画像を生成する技術が記載されている。
ところで、特開2001−16611号公報には、第1の開口部を通過した第1の画像と第2の開口部を通過した第2の画像とのズレ量を取得して、レンズの公式により距離情報を演算する技術が記載されている。
特開2000−305010号公報 特開2011−197080号公報 特開2009−94881号公報 特開2003−7994号公報 特開2006−105771号公報 特開平4−251239号公報 特開2001−16611号公報
撮像素子に結像される被写体像は、合焦位置にない被写体の場合にはボケを生じることになるが、このボケ形状は撮像光学系の瞳形状に依存する。撮像光学系の瞳形状は、絞りが開放であるときには一般的に円形であり、多角形絞りを絞った場合には多角形形状となるが、この場合であってもなるべく円形に近付くような多角形形状となるように構成されている。これは、円形をなすボケが自然で好ましい画像となるからである。
ところで、位相差検出を行うために、略円形をなす撮像光学系の瞳を例えば2つに瞳分割する場合、瞳領域を通過する光束を無駄にしないように2分割すると、例えば半円形状の2つの部分瞳に分割することになる。
従って、位相差画素から得られる画像のボケは、半円形状の部分瞳を反映した例えば半円形状のボケとなってしまい、自然な円形のボケを得ることができない。
そして、上記特開2003−7994号公報、上記特開2006−105771号公報、および上記特開平4−251239号公報に記載された技術は、何れも、立体視画像を生成する際に、このような自然な円形のボケを得ることについて考慮されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光により撮影された画像から、鑑賞用として好ましい自然なボケ形状の立体視画像を得ることができる撮像装置、画像処理装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様による撮像装置は、撮像素子と、被写体像を前記撮像素子に結像する撮像光学系と、前記撮像素子に、前記撮像光学系の瞳領域の一部である第1の領域を通過した光線による第1の画像と、前記第1の領域と異なる前記撮像光学系の瞳領域の一部である第2の領域を通過した光線による第2の画像と、が形成されるようにする瞳分割部と、前記撮像素子から得られた前記第1の画像に係る信号と前記第2の画像に係る信号とに基づき、前記第1の画像と前記第2の画像との位相差量を演算する位相差演算部と、前記位相差演算部により演算された位相差量に基づき、前記第2の画像のボケの重心位置を前記第1の画像のボケの重心位置の方向へ移動させるとともに該第2の画像のボケ形状を理想的な画像のボケ形状に近似させた一の片目用画像を生成し、前記第1の画像のボケの重心位置を前記第2の画像のボケの重心位置の方向へ移動させるとともに該第1の画像のボケ形状を前記理想的な画像のボケ形状に近似させた他の片目用画像を生成することにより、立体視画像を生成するステレオ画像生成部と、を具備している。
また、本発明の他の態様による画像処理装置は、撮像素子と、被写体像を前記撮像素子に結像する撮像光学系と、前記撮像素子に、前記撮像光学系の瞳領域の一部である第1の領域を通過した光線による第1の画像と、前記第1の領域と異なる前記撮像光学系の瞳領域の一部である第2の領域を通過した光線による第2の画像と、が形成されるようにする瞳分割部と、を有する撮像装置により得られた画像を処理するための画像処理装置であって、前記撮像素子から得られた前記第1の画像に係る信号と前記第2の画像に係る信号とに基づき、前記第1の画像と前記第2の画像との位相差量を演算する位相差演算部と、前記位相差演算部により演算された位相差量に基づき、前記第2の画像のボケの重心位置を前記第1の画像のボケの重心位置の方向へ移動させるとともに該第2の画像のボケ形状を理想的な画像のボケ形状に近似させた一の片目用画像を生成し、前記第1の画像のボケの重心位置を前記第2の画像のボケの重心位置の方向へ移動させるとともに該第1の画像のボケ形状を前記理想的な画像のボケ形状に近似させた他の片目用画像を生成することにより、立体視画像を生成するステレオ画像生成部と、を具備している。
本発明の撮像装置、画像処理装置によれば、撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光により撮影された画像から、鑑賞用として好ましい自然なボケ形状の立体視画像を得ることが可能となる。
本発明の実施形態1における撮像装置の構成を示すブロック図。 上記実施形態1において、画素に遮光部が設けられた撮像素子の構成例を説明するための図。 上記実施形態1において、合焦位置にある被写体を撮像するときの被写体光束集光の様子を示す平面図。 上記実施形態1において、合焦位置よりも近距離側にある被写体を撮像するときの被写体光束集光の様子を示す平面図。 上記実施形態1において、合焦位置よりも近距離側にある被写体上の1点からの光により位相差画素r,lに形成されるボケの形状を示す図。 上記実施形態1において、合焦位置よりも遠距離側にある被写体を撮像するときの被写体光束集光の様子を示す平面図。 上記実施形態1において、合焦位置よりも遠距離側にある被写体上の1点からの光により位相差画素r,lに形成されるボケの形状を示す図。 上記実施形態1において、合焦位置とそれよりも近距離および遠距離にある被写体を撮像したときの画像および位相差信号の例を示す図。 上記実施形態1において、ボケ画像補正処理後のボケ形状の概要を示す図。 上記実施形態1の実施例1のボケ画像補正処理において、位相差画素rから得られる、合焦位置よりも遠距離側にある被写体の画像に対して、ボケ画像補正処理において適用されるフィルタカーネルの形状を示す図。 上記実施形態1の実施例1のボケ画像補正処理において、位相差画素lから得られる、合焦位置よりも遠距離側にある被写体の画像に対して、ボケ画像補正処理において適用されるフィルタカーネルの形状を示す図。 上記実施形態1において、実施例1の変形例のボケ画像補正処理における合焦位置よりも遠距離側にある被写体のr画像およびl画像のシフトの様子を示す図。 上記実施形態1の実施例1の変形例のボケ画像補正処理においてr画像およびl画像に対して適用されるフィルタカーネルの形状を示す図。 上記実施形態1の実施例1において、横方向の標準偏差を大きくした楕円型ガウシアンフィルタの形状を示す図。 上記実施形態1の実施例1において、縦方向の標準偏差を小さくした楕円型ガウシアンフィルタの形状を示す図。 上記実施形態1の実施例1において、ボケ画像補正部により行われるボケ画像補正処理を示すフローチャート。 上記実施形態1の実施例1における画像処理装置の構成を示すブロック図。 上記実施形態1の実施例2において、ボケ画像補正部により行われるボケ画像補正処理の概要を示す図。 上記実施形態1の実施例2において、位相差検出を行う際にr画像およびl画像に設定する部分領域を示す図。 上記実施形態1の実施例2において、オリジナルr画像のボケ拡散部分領域をrコピー画像にコピー加算する様子を示す図。 上記実施形態1の実施例2において、オリジナルl画像のボケ拡散部分領域をlコピー画像にコピー加算する様子を示す図。 上記実施形態1の実施例2において、位相差量に応じてボケ拡散部分領域のサイズを変更する例を示す線図。 上記実施形態1の実施例2において、ボケ画像補正部により行われるボケ画像補正処理を示すフローチャート。 上記実施形態1の実施例3において、位相差量に応じたr画像、l画像、理想的な画像のPSFのテーブルの概要を示す図。 上記実施形態1の実施例3において、ボケ画像補正部により行われるボケ画像補正処理の概要を示す図。 上記実施形態1の実施例3において、ボケ画像補正部により行われるボケ量コントロールを伴うボケ画像補正処理の概要を示す図。 上記実施形態1の実施例3において、ボケ画像補正部により行われるボケ画像補正処理を示すフローチャート。 上記実施形態1において、ボケ画像補正処理後の2次元画像から左目画像および右目画像を生成する様子を示す図。 上記実施形態1において、ステレオ画像生成部による立体視画像の生成処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態2の立体視画像の生成処理において合焦位置よりも遠距離側にある被写体の像から右目画像を生成する際のシフトの様子を示す図。 上記実施形態2の立体視画像の生成処理において合焦位置よりも遠距離側にある被写体の像から左目画像を生成する際のシフトの様子を示す図。 上記実施形態2において、シフト後の右目画像における各色のボケ形状を近似させるフィルタ処理を行った後の様子を示す図。 上記実施形態2において、シフト後の左目画像における各色のボケ形状を近似させるフィルタ処理を行った後の様子を示す図。 本発明の実施形態3における撮像装置の構成を示すブロック図。 上記実施形態3における偏光フィルタの一構成例を説明するための図。 上記実施形態3において、偏光板が配設された撮像素子の構成例を説明するための図。 上記実施形態3において、合焦位置よりも近距離側にある被写体上の1点からの光により形成されるボケの形状を示す図。 上記実施形態3において、合焦位置よりも遠距離側にある被写体上の1点からの光により形成されるボケの形状を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1から図29は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は撮像装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の撮像装置は、例えばデジタルスチルカメラとして構成されている。ただし、ここではデジタルスチルカメラを例に挙げているが、撮像装置は、撮像素子を備え、撮像機能を有する装置であればどのようなものでも良く、幾つかの例を挙げれば、上述したデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付携帯電話、カメラ付携帯情報端末(カメラ付PDA)、カメラ付パーソナルコンピュータ、監視カメラ、内視鏡などである。
撮像装置は、レンズユニット1と、このレンズユニット1がレンズマウントを介して着脱自在に取り付けられる本体部であるボディユニット2と、を備えている。なお、ここではレンズユニット1が着脱式である場合を例に挙げて説明するが、勿論、着脱式でなくても構わない。
レンズユニット1は、レンズ10と絞り11とを含む撮像光学系9と、レンズ制御部14と、レンズ側通信コネクタ15と、を備えている。
ボディユニット2は、シャッタ21と、撮像素子22と、撮像回路23と、撮像駆動部24と、画像処理部25と、画像メモリ26と、表示部27と、インターフェース(IF)28と、システムコントローラ30と、センサ部31と、操作部32と、ストロボ制御回路33と、ストロボ34と、ボディ側通信コネクタ35と、を備えている。なお、図1のボディユニット2内には記録媒体29も記載されているが、この記録媒体29は撮像装置に対して着脱自在な例えばメモリカード(スマートメディア、SDカード、xDピクチャーカード等)で構成されているために、撮像装置に固有の構成でなくても構わない。
まず、レンズユニット1における撮像光学系9は、被写体像を撮像素子22に結像するためのものである。この撮像光学系9のレンズ10は、焦点調節を行うためのフォーカスレンズを備えて構成されている。レンズ10は、一般的には複数枚のレンズで構成されることが多いが、図1においては簡単のために1枚のレンズのみを図示している。
撮像光学系9の絞り11は、レンズ10を通過する被写体光束の通過範囲を規制することにより、撮像素子22上に結像される被写体像の明るさを調節するためのものである。
レンズ制御部14は、レンズユニット1の制御を行うものである。すなわち、レンズ制御部14は、レンズ側通信コネクタ15およびボディ側通信コネクタ35を介してシステムコントローラ30から受信した指令に基づき、レンズ10内のフォーカスレンズを駆動して合焦させたり、絞り11を駆動して絞り開口径を変更させたりするものである。
レンズ側通信コネクタ15は、レンズユニット1とボディユニット2とがレンズマウントにより結合されてボディ側通信コネクタ35と接続されることにより、レンズ制御部14とシステムコントローラ30との間の通信を可能にするコネクタである。
次に、ボディユニット2におけるシャッタ21は、撮像光学系9から撮像素子22に到達する被写体光束の通過時間を規制することにより、撮像素子22の露光時間を調節するための光学シャッタである。なお、ここでは光学シャッタを用いているが、光学シャッタに代えて、または光学シャッタに加えて、撮像素子22による素子シャッタ(電子シャッタ)を用いるようにしても構わない。
撮像素子22は、撮像光学系9により結像される被写体像を光電変換し、電気信号として出力するものであり、例えば、CCDやCMOS等として構成されている。本実施形態の撮像素子22は、図2に示すように、フォトダイオードを備えるモノクロ画素の2次元配列上に原色ベイヤー配列のカラーフィルタおよび画素毎のマイクロレンズをオンチップで搭載してカラーRGB画素を構成した、単板カラー撮像素子となっている。従って、得られる色成分は1画素に付き1色のみとなるために、画像処理部25においてデモザイキング処理を行い1画素につきRGBの3色が揃ったカラー画像を生成するようになっている。なお、ここでは、単板のカラー撮像素子を例に挙げているが、その他の方式のカラー撮像素子であっても良いし、モノクロ撮像素子であっても構わない。
本実施形態の撮像素子22は、上述したような原色ベイヤー配列の画素上に、さらに、画素開口を部分的にマスクする瞳分割部たる遮光部22sを形成したものとなっている。
ここに、図2は画素に遮光部22sが設けられた撮像素子22の構成例を説明するための図である。この図2は、撮像素子22を被写体側から見たときの図となっている。なお、以下では基本的な左右位置として、撮像素子22から被写体側を見たときの左右位置を述べることにする。
まず原色ベイヤー配列は、よく知られているように、2×2画素の基本配列の、対角方向に2つのG画素を、残りの対角方向にB画素およびR画素を配列し、この基本配列を撮像素子22の撮像面上に敷き詰めた構成となっている。従って、ある水平ラインの画素配列がG,B,G,B,…である場合には、次の水平ラインの画素配列はR,G,R,G,…となっている。
そして、図2に示す撮像素子22は、全ての画素上に、画素開口の左半分または右半分の何れか一方を遮光する遮光部22sを設けたものとなっている。図2に具体的に示す撮像素子22は、上述した基本配列の縦並び毎に、つまり垂直方向2ラインを単位として、画素開口の右半分(被写体側から見た左半分)に第1の遮光部22sを設けることにより画素開口の左半分が受光するように構成された位相差画素rと、画素開口の左半分(被写体側から見た右半分)に第2の遮光部22sを設けることにより画素開口の右半分が受光するように構成された位相差画素lと、を交互に配列したものとなっている。なお、これらの位相差画素r,l上にも、図示はしないが、上述した画素毎のマイクロレンズが配置されている。
このような構成の撮像素子22においては、撮像装置を標準姿勢(いわゆる、カメラを通常の横位置に構えた姿勢)にしたときに、被写体が合焦位置と合焦位置よりも近距離側と合焦位置よりも遠距離側との何れにあるかに関わらず、位相差画素rは、撮像素子22から見た瞳領域の右半分(第1の領域と第2の領域との一方)を通過した光線を受光し、位相差画素lは、撮像素子22から見た瞳領域の左半分(第1の領域と第2の領域との他方)を通過した光線を受光することになる(原理については、上述した特開2000−305010号公報の図6や図7とのその対応説明を参照)。
このため、撮像素子22により撮影を行うと、位相差画素rで撮影された画像は撮像光学系9の瞳領域の左半分をマスクした状態で撮影された画像と、また、位相差画素lで撮影された画像は撮像光学系9の瞳領域の右半分をマスクした状態で撮影された画像と、それぞれ等価的な画像となる。
従って、非合焦位置にある被写体を撮影した場合には、位相差画素rから得られた画像(r画像)と位相差画素lから得られた画像(l画像)との間に位相差が発生することになる。このために、r画像およびl画像を、距離情報の取得に利用することができる。なお、距離情報の取得の詳細に関しては、後で説明を行う。
撮像回路23は、撮像素子22から出力される画像信号を増幅(ゲイン調整)したり、撮像素子22がアナログ撮像素子であってアナログの画像信号を出力する場合には、A/D変換してデジタル画像信号(以下では「画像情報」ともいう)を生成したりするものである(撮像素子22がデジタル撮像素子である場合には、撮像回路23に入力される時点で既にデジタルとなっているためにA/D変換は行わない)。撮像回路23は、後述するように撮像駆動部24で切り換えられた撮像モードに対応するフォーマットで、画像信号を画像処理部25へ出力する。
撮像駆動部24は、システムコントローラ30の指令に基づいて、撮像素子22および撮像回路23にタイミング信号および電力を供給して、撮像素子22に露光、読出、素子シャッタ等の動作を行わせるとともに、撮像素子22の動作に同期させて撮像回路23によるゲイン調整およびA/D変換を実行させるように制御するものである。また、この撮像駆動部24は、撮像素子22の撮像モードを切り換える制御も行う。
画像処理部25は、WB(ホワイトバランス)調整、黒レベルの補正、γ補正、欠陥画素の補正、デモザイキング、画像情報の色情報の変換処理、画像情報の画素数変換処理、等のデジタル画像処理を行うものである。この画像処理部25は、さらに、画素値補正部36と、画像補正部たるボケ画像補正部37と、ステレオ画像生成部40と、を備えている。
画素値補正部36は、同一輝度の被写体に対する位相差画素rの受光光量と位相差画素lの受光光量とが異なる場合(具体的に例えば、位相差画素r上に設けられた遮光部22sの面積と、位相差画素l上に設けられた遮光部22sの面積と、が異なる場合等)に、位相差画素rにより生成される画素値と位相差画素lにより生成される画素値との不均衡を補正するためのものである。ただし、位相差画素rと位相差画素lの受光光量が同一である場合には、この画素値補正部36を省略しても構わない。
ボケ画像補正部37は、図2に示したような撮像素子22を用いた場合に発生する、r画像とl画像との空間的な位置ズレ(位相差)やボケ形状の相違を補正するボケ画像補正処理を行うものである。
ここで、各位相差画素r,lで撮影された画像、すなわち、撮像光学系9の瞳領域の異なる部分を通過した光線により結像される画像と等価的な画像、の空間的な位置ズレについて、図3〜図8を参照して説明する。ここに、図3は合焦位置にある被写体を撮像するときの被写体光束集光の様子を示す平面図、図4は合焦位置よりも近距離側にある被写体を撮像するときの被写体光束集光の様子を示す平面図、図5は合焦位置よりも近距離側にある被写体上の1点からの光により位相差画素r,lに形成されるボケの形状を示す図、図6は合焦位置よりも遠距離側にある被写体を撮像するときの被写体光束集光の様子を示す平面図、図7は合焦位置よりも遠距離側にある被写体上の1点からの光により位相差画素r,lに形成されるボケの形状を示す図、図8は合焦位置とそれよりも近距離および遠距離にある被写体を撮像したときの画像および位相差信号の例を示す図である。なお、ボケ形状の説明に際しては、絞り11の開口が円形状である場合を例に挙げて説明する。
被写体OBJcが合焦位置にあるときには、被写体OBJc上の1点から放射された光は、図3に示すように、撮像素子22上の1点に集光されて点像IMGを形成するために、点像IMGが形成された画素が位相差画素rと位相差画素lの何れであっても位相差は発生しない(ただし、上述したような遮光部22sの遮光面積の大きさに応じた光量の相違は生じる)。従って、合焦位置にある被写体OBJcを撮像したときには、被写体OBJcが結像した位置にある画素が位相差画素rと位相差画素lの何れであっても、図8に示すように、位相差のない被写体像IMGが露光される。なお、図8におけるPDPは位相差画素列を示している。
これに対して、被写体OBJnが例えば合焦位置よりも近距離側にある場合には、被写体OBJn上の1点から放射された光により、図4、図5に示すように、仮想の通常画素から得られる画像は円形ボケをなす被写体像IMGを形成し、位相差画素rから得られる画像は右半分(被写体側から見た左半分)の半円形ボケをなす被写体像IMGrを形成し、位相差画素lから得られる画像は左半分(被写体側から見た右半分)の半円形ボケをなす被写体像IMGlを形成する。
従って、合焦位置よりも近距離側にある被写体OBJnを撮像したときには、図8に示すように、位相差画素rから得られる被写体像IMGrが右側(被写体側から見た左側)にズレ、位相差画素lから得られる被写体像IMGlが左側(被写体側から見た右側)にズレたボケ画像が形成され、このボケ画像における被写体像IMGrと被写体像IMGlの左右位置は、撮像素子22から見た、位相差画素rに結像する光線が通過する瞳開口部分と位相差画素lに結像する光線が通過する瞳開口部分の左右位置と同じである(なお、図8においてはズレを強調して示しており、実際に生じているボケ形状の図示は省略している(下記遠距離側の場合も同様))。
そして、被写体OBJnが合焦位置から近距離側へ離れるほど、ボケが大きくなって、被写体像IMGrの重心位置と被写体像IMGlの重心位置との離間距離が大きくなることになる。
なお、仮想の通常画素から得られる画像については、図7に示すように、位相差画素rから得られる被写体像IMGrと位相差画素lから得られる被写体像IMGlとにまたがったボケ形状の被写体像IMGとなる。
一方、被写体OBJfが例えば合焦位置よりも遠距離側にある場合には、被写体OBJf上の1点から放射された光により、図6、図7に示すように、仮想の通常画素から得られる画像は円形ボケをなす被写体像IMGを形成し、位相差画素rから得られる画像は左半分(被写体側から見た右半分)の半円形ボケをなす被写体像IMGrを形成し、位相差画素lから得られる画像は右半分(被写体側から見た左半分)の半円形ボケをなす被写体像IMGlを形成する。
従って、合焦位置よりも遠距離側にある被写体OBJfを撮像したときには、図8に示すように、位相差画素rから得られる被写体像IMGrが左側(被写体側から見た右側)にズレ、位相差画素lから得られる被写体像IMGlが右側(被写体側から見た左側)にズレたボケ画像が形成され、このボケ画像における被写体像IMGrと被写体像IMGlの左右位置は、撮像素子22から見た、位相差画素rに結像する光線が通過する瞳開口部分と位相差画素lに結像する光線が通過する瞳開口部分の左右位置と逆である。
そして、被写体OBJfが合焦位置から遠距離側へ離れるほど、ボケが大きくなって、被写体像IMGrの重心位置と被写体像IMGlの重心位置との離間距離が大きくなることになる。
なお、仮想の通常画素から得られる画像が、位相差画素rから得られる被写体像IMGrと位相差画素lから得られる被写体像IMGlとにまたがったボケ形状の被写体像IMGとなるのは、この遠距離側においても同様である(図7参照)。
従って、画素が位相差画素rまたは位相差画素lである場合には、該画素が仮想の通常画素であった場合のボケ形状に一致するようにボケ画像補正処理を行えば良く、つまり通常画素を仮想的に想定して、ボケ画像補正部37が行うボケ画像補正処理における標準画像とすれば良い。
図1の説明に戻って、ボケ画像補正部37による、位相差画素rから得られる画像と位相差画素lから得られる画像との位相差の補正は、概略、次のように行う。
まず、撮像素子22から得られたベイヤー配列の画像(ベイヤー画像)を、ベイヤー配列における上述した基本配列の画素位置毎に分類して、4種類の単色画像を生成する。具体的に、R画素が設けられた水平ライン上のG画素をGr、B画素が設けられた水平ライン上のG画素をGbとすると、ここではベイヤー画像中の、全てのR画素を抽出して得られるR画像と、全てのGr画素を抽出して得られるGr画像と、全てのB画素を抽出して得られるB画像と、全てのGb画素を抽出して得られるGb画像と、の4種類の単色画像を生成する。
さらに、これら4種類の単色画像のそれぞれについて、位相差画素rから得られた画素データのみで構成される画像(以下では適宜、r画像という。このr画像は、第1の画像と第2の画像との何れか一方である)と、位相差画素lから得られた画素データのみで構成されるl画像(以下では適宜、l画像という。このl画像は、第1の画像と第2の画像との何れか他方である)と、を抽出する。
ここで抽出された4種類の単色画像毎のr画像およびl画像は、位相差演算部たる距離演算部39へ送信されて位相差演算が行われ、位相差の情報が取得される。
ボケ画像補正部37は、取得された位相差情報に基づいて、4種類の単色画像毎に、位相差画素rと位相差画素lの位相差を補正する(この位相差の補正処理については、後で詳細に説明する)。位相差が補正された4種類の単色画像は、ボケ画像補正部37により合成されて、再度ベイヤー画像に戻される。これにより、位相差が補正されたベイヤー画像が得られる。
その後は、位相差が補正されたベイヤー画像を、画像処理部25によりデモザイキング処理して、1画素につき3色が揃ったカラー画像を生成することになる。
ステレオ画像生成部40は、ボケ画像補正部37により位相差が補正されたカラー画像に基づいて、距離演算部39により演算された位相差量に基づき、カラーの立体視画像を生成するものである。すなわち、ステレオ画像生成部40は、位相差が補正されたカラー画像のボケの重心位置をr画像のボケの重心位置の方向へ移動させた一の片目用画像(左目画像と右目画像との何れか一方)を生成するとともに、位相差が補正されたカラー画像のボケの重心位置をl画像のボケの重心位置の方向へ移動させた他の片目用画像(左目画像と右目画像との何れか他方)を生成することにより、カラーの立体視画像を生成する。このステレオ画像生成部40の処理については、後で詳しく説明する。
画像メモリ26は、高速な書き込みや読み出しが可能なメモリであり、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により構成されていて、画像処理用のワークエリアとして使用されるとともに、システムコントローラ30のワークエリアとしても使用される。例えば、画像メモリ26は、画像処理部25により処理された最終的な画像を記憶するだけでなく、画像処理部25による複数の処理過程における各中間画像も適宜記憶する。
表示部27は、LCD等を有して構成されていて、画像処理部25により表示用に処理された画像(記録媒体29から読み出されて画像処理部25により表示用に処理された画像も含む)を表示するものである。具体的には、この表示部27は、ライブビュー画像の表示、静止画像記録時の確認表示、記録媒体29から読み出した静止画像または動画像の再生表示、等を行う。また、本実施形態においては、表示部27は、立体視画像を表示可能に構成されているものとする。
インターフェース(IF)28は、記録媒体29を着脱可能に接続するものであり、記録媒体29へ記録する情報の伝達、および記録媒体29から読み出した情報の伝達を行う。
記録媒体29は、画像処理部25により記録用に処理された画像や、該画像に関連する各種データを記録するものであり、上述したように例えばメモリカード等として構成されている。
センサ部31は、例えば、撮像装置のブレを検出するための加速度センサ等で構成される手振れセンサ、撮像素子22の温度を測定するための温度センサ、撮像装置周辺の明るさを測定するための明るさセンサ、等を含んでいる。このセンサ部31による検出結果はシステムコントローラ30に入力される。ここに、手振れセンサによる検出結果は撮像素子22やレンズ10を駆動して手振れ補正を行ったり、画像処理による手振れ補正を行ったりするために用いられる。また、温度センサによる検出結果は撮像駆動部24による駆動クロックの制御や撮像素子22から得られる画像中のノイズ量を推定するのに用いられる。さらに、明るさセンサによる検出結果は、例えば、周囲の明るさに応じて表示部27の輝度を適正に制御するために用いられる。
操作部32は、撮像装置の電源をオン/オフするための電源スイッチ、静止画像や動画像等の撮像動作を指示入力するための2段式の押圧ボタンでなるレリーズボタン、撮像モード等を変更するためのモードボタン、選択項目や数値などを変更するのに用いられる十字キー、等を含んでいる。この操作部32の操作により発生した信号は、システムコントローラ30に入力される。
ストロボ制御回路33は、システムコントローラ30の指令に基づいて、ストロボ34の発光量や発光タイミングを制御するものである。
ストロボ34は、ストロボ制御回路33の制御により、被写体へ照明光を照射する発光源である。
ボディ側通信コネクタ35は、上述したように、レンズユニット1とボディユニット2とがレンズマウントにより結合されてレンズ側通信コネクタ15と接続されることにより、レンズ制御部14とシステムコントローラ30との間の通信を可能にするコネクタである。
システムコントローラ30は、このボディユニット2の制御を行うとともに、レンズ制御部14を介してレンズユニット1の制御も行うものであり、この撮像装置を統合的に制御する制御部である。このシステムコントローラ30は、図示しないフラッシュメモリ等の不揮発性メモリから撮像装置の基本制御プログラムを読み出して、操作部32からの入力に応じて、撮像装置全体を制御するようになっている。
例えば、システムコントローラ30は、レンズ制御部14を介して絞り11の絞り調整を制御したり、シャッタ21を制御して駆動したり、センサ部31の加速度センサによる検出結果に基づいて図示しない手振れ補正機構を制御駆動して手振れ補正を行ったり、等を行う。さらに、システムコントローラ30は、操作部32のモードボタンからの入力に応じて、撮像装置の撮像モード(静止画像を撮像するための静止画モード、動画像を撮像するための動画モード、立体視画像を撮像するための3Dモード等)の設定を行うものとなっている。
さらに、システムコントローラ30は、コントラストAF制御部38と、距離演算部39とを備え、コントラストAF制御部38によりAF制御を行わせ、あるいは、距離演算部39により算出された距離情報に基づきレンズユニット1を制御してAFを行うものである。
コントラストAF制御部38は、画像処理部25から出力される画像信号(この画像信号は、輝度成分を含む割合が高いG画像であっても良いし、後述するボケ画像補正処理により位相差が補正された画像に係る輝度信号画像であっても構わない)からコントラスト値(AF評価値ともいう)を生成し、レンズ制御部14を介してレンズ10内のフォーカスレンズを制御するものである。すなわち、コントラストAF制御部38は、画像信号にフィルタ、例えばハイパスフィルタを作用させて高周波成分を抽出し、コントラスト値とする。そして、コントラストAF制御部38は、フォーカスレンズ位置を異ならせてコントラスト値を取得し、コントラスト値が大きくなる方向へフォーカスレンズを移動させて、さらにコントラスト値を取得する。このような処理を繰り返して行うことにより、最大のコントラスト値が得られるフォーカスレンズ位置(合焦位置)へフォーカスレンズを駆動するように制御するものである。
次に、距離演算部39は、上述したようにボケ画像補正部37により抽出されたr画像と画像lとの位相差量を演算し、演算した位相差量に基づき、被写体までの距離を演算するものである。
具体的に例えばG色(Gr色またはGb色の何れか一方)の場合、距離演算部39は、図5、図7、図8等に示したような、位相差画素列PDP上の位相差画素rから得られる画像の信号値SigGr(図8参照)と、位相差画素列PDP上の位相差画素lから得られる画像の信号値SigGl(図8参照)と、で位相をずらしながら複数位置で相関演算を行うことにより位相差量(位相差の方向と位相差の大きさ)を求める。この距離演算部39による位相差量の算出処理は、上述したように、例えば4種類の単色画像毎に行われる(ただし、1色の画像について位相差量の算出処理を行った結果得られた被写体距離分布を他の色の画像に適用しても構わないし、複数色の算出結果に基づいてより精度の高い1つの被写体距離分布を作成しても良い)。さらに、距離演算部39は、必要に応じて、求めた位相差量をレンズの公式に代入して距離情報を演算する。
図4〜図8を参照して説明したように、r画像とl画像との位相差の方向は、被写体が合焦位置よりも近いか遠いかに応じて逆になる。従って、位相差の方向は、着目する被写体が合焦位置よりも近いか遠いかを判別するための情報となる。
また、合焦位置から近距離側または遠距離側へ離れれば離れるほど、r画像とl画像との位相差の大きさが大きくなる。従って、位相差の大きさは、着目する被写体が合焦位置からどの程度の距離だけ離れているかを判定するための情報となる。
こうして、距離演算部39は、算出した位相差の方向と位相差の大きさとに基づいて、着目する被写体が、合焦位置よりも近い側または遠い側へ、どの程度の距離だけ離れているかを算出するようになっている。
距離演算部39は、基本的に撮像画像の全領域について、上述したような距離演算を行う。なお、距離演算を行うことができない画素がある場合には、周辺の画素に対して得られた距離情報に基づいて補間等を行い距離情報を取得する。このような、位相差量を取得して距離情報を演算する技術は、例えば上記特開2001−16611号公報に記載された技術を用いることができる。
距離演算部39により取得された距離情報は、例えばオートフォーカス(AF)に利用することができる。
すなわち、距離演算部39により取得した距離情報に基づきシステムコントローラ30がレンズ制御部14を介してレンズ10のフォーカスレンズを駆動するAF、すなわち位相差AFを行うことができる。これにより、1枚の撮像画像に基づいて、高速なAFが可能となる。
ただし、システムコントローラ30内には上述したように距離演算部39とコントラストAF制御部38とが設けられているために、AF制御を距離演算部39による算出結果に基づいてオートフォーカスを行っても良いが、コントラストAF制御部38によりオートフォーカスを行っても構わない。
ここに、コントラストAF制御部38によるコントラストAFは合焦精度が高い反面、フォーカスレンズを移動させながら複数枚の画像を撮像することが必要になるために、合焦速度が早いとはいえない課題がある。一方、距離演算部39による被写体距離の算出は、1枚の撮像画像に基づいて行うことができるために、合焦速度が早い反面、合焦精度はコントラストAFよりも劣ることがある。
そこで、コントラストAF制御部38内に設けられているAFアシスト制御部38aが、コントラストAF制御部38と距離演算部39とを組み合わせてAFを行わせるようにしても良い。すなわち、撮像素子22を介して取得した撮影画像中の、位相差画素rから得られる画像と位相差画素lから得られる画像の位相差に基づく距離演算を、距離演算部39に行わせて、被写体が現在のフォーカス位置よりも遠距離側にあるのか、あるいは近距離側にあるのかを取得する。あるいはさらに、被写体が現在のフォーカス位置から離れている距離を取得する。次に、AFアシスト制御部38aは、取得した遠距離側または近距離側へ(取得した距離の分だけ)フォーカスレンズを駆動し、コントラストAFを行わせるようにコントラストAF制御部38を制御する。このような処理を行うことにより、早い合焦速度で高い合焦精度を得ることが可能となる。
また、撮像素子22から得られたr画像とl画像とは、例えばステレオ立体視画像(3D画像)として用いることができる。
3D画像は、左側の瞳からの画像を左目で観察し、右側の瞳からの画像を右目で観察できれば良い。このような3D画像の観察方式として、従来よりアナグリフ方式が知られている(上述した特開平4−251239号公報も参照)。このアナグリフ方式は、一般に、赤色の左目画像と青色の右目画像とを生成して両方を表示し、左目側に赤色透過フィルタ、右目側に青色透過フィルタを配置したアナグリフ用の赤青メガネを用いてこの画像を観察することにより、モノクロの立体視画像を観察可能とする方式である。
そこで本実施形態においては、標準姿勢の撮像素子22から得られたr画像とl画像(ボケ画像補正部37によるボケ画像補正処理を行わない画像)を、デジタル処理によりそれぞれ赤と青に着色し、生成された赤青画像をアナグリフ方式の赤青メガネで観察すればそのまま立体視が可能となるようにしている。
また、本実施形態においては、上述したように、ステレオ画像生成部40により、アナグリフ方式ではない、カラーの立体視画像を生成することもできるようになっている。
次に、ボケ画像補正部37において行われる、r画像とl画像の位相差を補正するためのボケ画像補正処理について説明する。
[実施例1]
まず、図9〜図17は、ボケ画像補正処理の実施例1を示す図である。
合焦位置よりも近距離側にある被写体を撮影したときには図5に示すようなボケが形成され、合焦位置よりも遠距離側にある被写体を撮影したときには図7に示すようなボケが形成される。
ボケ画像補正処理は、これら図5または図7に示したような形状のボケを、図9に示すような形状のボケに補正するための処理である。ここに、図9は、ボケ画像補正処理後のボケ形状の概要を示す図である。
以下では、説明を簡単にするために、被写体が合焦位置よりも遠距離側にある場合(図7に示す場合)を例に挙げて説明するが、被写体が合焦位置よりも近距離側にある場合には、図5を図7と比較すれば分かるように、位相差画素rから得られる画像のボケと位相差画素lから得られる画像のボケの形状や位置が左右反対になるだけであるために、以下の処理を適宜変更すれば同様に適用することが可能である。
図10は実施例1のボケ画像補正処理において位相差画素rから得られる、合焦位置よりも遠距離側にある被写体の画像に対して、ボケ画像補正処理において適用されるフィルタカーネルの形状を示す図、図11は実施例1のボケ画像補正処理において位相差画素lから得られる、合焦位置よりも遠距離側にある被写体の画像に対して、ボケ画像補正処理において適用されるフィルタカーネルの形状を示す図である。
このボケ画像補正処理は、位相差の補正およびボケ形状の補正を、フィルタリング処理(フィルタカーネルを画像に畳み込み演算する処理)により行うものとなっている。すなわち、位相差画素rから得られる画像に対してフィルタリング処理を行うことにより、位相差画素rから得られる画像のボケの形状および重心位置を、標準画像である仮想の通常画素から得られるはずの画像(理想的な画像の一例)のボケの形状および重心位置に近付けるとともに、位相差画素lから得られる画像に対してフィルタリング処理を行うことにより、位相差画素lから得られる画像のボケの形状および重心位置を、標準画像である仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケの形状および重心位置に近付ける処理となっている。ここに、重心位置を近接させるのは位相差を補正するためであり、ボケの形状を近似させるのは各色毎にボケの形状が異なるのを補正して自然な形状のボケとするためである。
特に、ここでは、位相差画素rから得られる画像および位相差画素lから得られる画像のボケの形状を、標準画像である仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケの形状に合わせているが、その理由としては、通常画素から得られる画像のボケが円形状をしており自然なボケであること、通常画素から得られる画像のボケの大きさが位相差画素rから得られる画像および位相差画素lから得られる画像のボケの大きさよりも大きいために、位相差画素rから得られる画像および位相差画素lから得られる画像のボケ形状を通常画素から得られる画像のボケ形状に合わせる方が処理が容易であること、等が挙げられる。
図10に示すr画像用フィルタカーネルは、位相差画素rから得られる画像に畳み込み演算するためのものであり、ボケフィルタの一例としてガウシアンフィルタを配置したものとなっている。このr画像用フィルタカーネルは、ガウシアンフィルタのフィルタ係数のピーク(フィルタ係数の重心位置にほぼ対応する)が、カーネル中心の位置(カーネルの上下を2等分する横ラインChと、カーネルの左右を2等分する縦ラインであり仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケ形状の重心を通る縦ラインCとが交差する位置(Ch,C))(理想的な画像のボケ形状の重心位置、ここに理想的な画像の一例は、絞り11の開口全域の情報(つまり、瞳が制限されていない情報)を取得可能な通常画素から得られるはずの画像)から、仮想の通常画素から得られるはずの画像と位相差画素rから得られる画像の間の位相差分ズレた位置(横ラインChと、r画像のボケ形状の重心を通る縦ラインCrとが交差する位置(Ch,Cr))にあるフィルタ形状となっている。
図11に示すl画像用フィルタカーネルは、位相差画素lから得られる画像に畳み込み演算するためのものであり、r画像用フィルタカーネルと同様に、ボケフィルタの一例としてガウシアンフィルタを配置したものとなっている。このl画像用フィルタカーネルは、ガウシアンフィルタのフィルタ係数のピーク(フィルタ係数の重心位置にほぼ対応する)が、理想的な画像のボケ形状の重心位置であるカーネル中心の位置(横ラインChと縦ラインCとが交差する位置(Ch,C))から、仮想の通常画素から得られるはずの画像と位相差画素lから得られる画像の間の位相差分ズレた位置(横ラインChと、l画像のボケ形状の重心を通る縦ラインClとが交差する位置(Ch,Cl))にあるフィルタ形状となっている。
このようなフィルタ形状のr画像用フィルタカーネルおよびl画像用フィルタカーネルをr画像およびl画像にそれぞれ作用させることにより、位相差の補正と、ボケ形状の補正と、を同時に行うことが可能となっている。
次に、図12および図13を参照して、ボケ画像補正処理の変形例を説明する。ここに、図12は実施例1の変形例のボケ画像補正処理における合焦位置よりも遠距離側にある被写体のr画像およびl画像のシフトの様子を示す図、図13は実施例1の変形例のボケ画像補正処理においてr画像およびl画像に対して適用されるフィルタカーネルの形状を示す図である。
この変形例のボケ画像補正処理は、位相差の補正を平行移動(シフト)により行い、ボケ形状の補正をフィルタリング処理により行うものとなっている。
すなわちまず、図7に示す位相差画素rから得られる画像に対して位相差に応じたr画像用のシフト処理を行うことにより、図12に示すようにr画像のボケの重心位置を標準画像である仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケの重心位置(理想的な画像のボケ形状の重心位置)に近接させるとともに、図7に示す位相差画素lから得られる画像に対して位相差に応じたl画像用のシフト処理を行うことにより、図12に示すようにl画像のボケの重心位置を標準画像である仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケの重心位置(理想的な画像のボケ形状の重心位置)に近接させる。
その後に、r画像およびl画像に対して図13に示すようなフィルタリング処理(すなわち、同一のフィルタリング処理)を行うことにより、r画像およびl画像のボケの形状を、標準画像である仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケの形状に近似させるようになっている(図9参照)。
ここに、図13に示すフィルタカーネルは、r画像およびl画像に畳み込み演算するためのものであり、ボケフィルタの一例としてガウシアンフィルタを配置したものとなっている。このフィルタカーネルは、ガウシアンフィルタのフィルタ係数のピーク(フィルタ係数の重心位置に対応する)が、カーネル中心の位置(横ラインChと縦ラインCとが交差する位置(Ch,C))にあるフィルタ形状となっている。
ただし、ここでは図2に示したような、位相差画素rと位相差画素lとが画素開口を遮光部22sにより左右対称にマスクされた画素であることを想定しているために、r画像およびl画像に対して同一のフィルタリング処理を行っているが、位相差画素rのマスクと位相差画素lのマスクとが非対称である場合には、r画像とl画像とに対して異なるフィルタリング処理を行うようにしても良いことは勿論である。
また、上述ではボケフィルタとしてガウシアンフィルタ(円型ガウシアンフィルタ)を例に挙げているが、勿論これに限定されるものではない。例えば図2に示したフィルタ形状の場合には、図5や図7に示したように、r画像およびl画像に発生するボケは縦方向の半円状(すなわち、円形よりも横方向に短い形状)となる。従って、横方向(より一般には、位相差が生じている方向)を長軸方向とする、図14や図15等に示すような楕円型ガウシアンフィルタを用いれば、より高精度にボケを円形状に近づける補正処理を行うことが可能となる。ここに、図14は実施例1において横方向の標準偏差を大きくした楕円型ガウシアンフィルタの形状を示す図、図15は実施例1において縦方向の標準偏差を小さくした楕円型ガウシアンフィルタの形状を示す図である。なお、図14および図15には図13に対応したフィルタカーネルの中心にフィルタ係数のピーク(フィルタ係数の重心位置に対応する)が位置する例を示したが、図10や図11に対応させる場合には、フィルタカーネルの中心からフィルタ係数のピーク(フィルタ係数の重心位置にほぼ対応する)をずらすことは勿論である。
さらに、ボケフィルタは、円型ガウシアンフィルタや楕円型ガウシアンフィルタに限るものでないことも勿論であり、r画像やl画像のボケ形状を、仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケ形状に近似することができるようなボケフィルタであれば、広く適用することが可能である。
次に、図16は、実施例1においてボケ画像補正部37により行われるボケ画像補正処理を示すフローチャートである。
(ステップS1)
この処理を開始すると、初期設定を行う。この初期設定においては、まず、処理対象のベイヤー画像(つまり、R画素、G画素、およびB画素で構成された色モザイク画像)の読み込みを行う。次に、読み込んだベイヤー画像を、Gb,B,R,Gr色の4種類の単色画像に分ける。そして、4種類の単色画像のそれぞれに対して、以下のような処理を行う。まず、4種類の単色画像のそれぞれについて、位相差画素rのみで構成される単色画像(r画像)と、位相差画素lのみで構成される単色画像(l画像)と、を抽出する。なお、ここではベイヤー画像を4種類の単色画像に分けた後にr画像とl画像とを抽出したが、ベイヤー画像からr画像とl画像とを抽出(図2に示すような位相差画素r,lの配置によれば、ここで抽出したr画像とl画像とは何れもベイヤー配列の画像となる。逆に言えば、抽出したr画像とl画像とがベイヤー配列の画像となるように、撮像素子22上における位相差画素r,lの配置を決定すると良い。)した後に4種類の単色画像に分ける順序で処理を行っても構わない。次に、r画像のコピーであるrコピー画像と、l画像のコピーであるlコピー画像と、を作成する。
(ステップS2)
そして、4種類の単色画像の内のどの単色画像についての処理を行うかを設定する。4種類の単色画像の処理は適宜の順序で行われ、ここでは未処理の単色画像の中から1種類が設定される。
(ステップS3)
続いて、ステップS2で設定された単色画像から抽出されたr画像およびl画像について、位相差検出を行うための注目画素を設定する。ここでは、注目画素を、r画像とl画像との内の何れか一方、ここでは例えばr画像に設定する。
(ステップS4)
ステップS3で設定された注目画素に対する位相差を検出する。この位相差の検出は、注目画素を中心位置に含む部分領域をr画像に設定して基準画像とし、l画像に同一サイズの部分領域を設定して参照画像として(図19等参照)、参照画像の位置を位相差が発生している方向にずらしながら距離演算部39において基準画像と参照画像との間で相関演算を行い、最も相関値が高いと判定された参照画像と基準画像との間の位置ズレ量を位相差量とする。なお、この位相差量の符号が位相差の方向の情報を与える。
また、部分領域は任意のサイズに設定することができるが、安定的に位相差を検出するためには縦横それぞれ30[ピクセル]以上の部分領域を利用することが好ましく、一例としては51×51[ピクセル]の領域が挙げられる。
そして、距離演算部39における相関演算は、具体的には、例えばZNCC演算、あるいは予めフィルタ処理が施された画像に対するSAD演算などの処理により行う。
まず、ZNCCによる相関演算は、以下の数式1に基づき行う。
[数1]
Figure 2014026051
ここに、Iはr画像の部分領域、Tはl画像の部分領域(Iと同一サイズの部分領域)、I(バー)はIの平均値、T(バー)はTの平均値、Mは部分領域の横幅[ピクセル]、Nは部分領域の縦幅[ピクセル]である。この数式1に基づきZNCC演算を行い、その結果の絶対値|RZNCC|を相関演算の結果として得られた相関値とする。
また、予めフィルタ処理が施された画像に対するSAD演算を行う場合は、はじめにr画像およびl画像に対してソーベルフィルタなどに代表される微分フィルタや、LOGフィルタなどのバンドパスフィルタなどのフィルタリング処理を施しておく。そしてその後に、以下の数式2に示すSAD演算により相関演算を行う。
[数2]
Figure 2014026051
ここに、I’はフィルタリング処理が施された後のr画像の部分領域、T’はフィルタリング処理が施された後のl画像の部分領域(I’と同一サイズの部分領域)、Mは部分領域の横幅[ピクセル]、Nは部分領域の縦幅[ピクセル]である。この場合には、RSADが相関演算の結果得られた相関値である。
(ステップS5)
画像(ここで説明している例ではr画像)内における全ての注目画素に対する位相差検出処理が完了したか否かを判定する。そして、完了するまで、注目画素の位置をずらしながらステップS3およびステップS4の処理を繰り返して行う。ここに、r画像内における全ての注目画素とは、r画像内において位相差検出可能な全ての画素のことを指している。なお、位相差検出不可能な画素については、上述したように周囲の注目画素の検出結果に基づいて補間等を行って位相差量を算出する。
(ステップS6)
ステップS5において全ての注目画素に対する位相差検出処理が完了したと判定された場合には、補正処理を行うための注目画素を、位相差量が求められた画素に対して設定する。ここに、注目画素の画素位置は、r画像とl画像とで同一の(つまり共通の)画素位置である。なお、以下では補正処理として、図10および図11を参照して説明したような、フィルタのみを用いたボケ画像補正処理(つまり、図12に示したような平行移動(シフト)を伴わない処理)を行う場合について説明する。
(ステップS7)
注目画素の位相差量に応じて、r画像にフィルタリング処理を行うためのr画像用フィルタの形状を取得する。ここに、位相差量とr画像用フィルタの形状との関係は、例えば以下の表1に示すようなテーブルとして、撮像装置内に予め保持されている。この表1に示す例では、フィルタ形状を決定するのは、フィルタカーネルの大きさ、フィルタカーネル中心からのガウシアンフィルタのズレ、ガウシアンフィルタの標準偏差σ(この標準偏差σは、ボケフィルタのボケの広がり度合いを示している)である。従って、注目画素の位相差量に基づきテーブル参照を行うことにより、r画像用フィルタの形状を取得することができる。
[表1]
Figure 2014026051
(ステップS8)
次に、r画像における注目画素とその近傍の画素とでなる近傍領域に対してフィルタリング処理を行い、注目画素におけるフィルタ出力値を取得する。そして、取得したフィルタ出力値を、rコピー画像の注目画素位置にコピーして、rコピー画像を更新する。
(ステップS9)
注目画素の位相差量に応じて、l画像にフィルタリング処理を行うためのl画像用フィルタの形状を取得する。ここに、位相差量とl画像用のフィルタ形状との関係は、例えば以下の表2に示すようなテーブルとして、撮像装置内に予め保持されている。この表2に示す例においても、フィルタ形状を決定するのは、フィルタカーネルの大きさ、フィルタカーネル中心からのガウシアンフィルタのズレ、ガウシアンフィルタの標準偏差σである。従って、注目画素の位相差量に基づきテーブル参照を行うことにより、l画像用フィルタの形状を取得することができる。
[表2]
Figure 2014026051
(ステップS10)
次に、l画像における注目画素とその近傍の画素とでなる近傍領域に対してフィルタリング処理を行い、注目画素におけるフィルタ出力値を取得する。そして、取得したフィルタ出力値を、lコピー画像の注目画素位置にコピーして、lコピー画像を更新する。
(ステップS11)
画像内における全ての注目画素に対するフィルタリング処理が完了したか否かを判定する。そして、処理が完了するまで、注目画素の位置をずらしながらステップS6〜S10の処理を繰り返して行う。
(ステップS12)
全ての単色画像に係るr画像およびl画像に対して上述したステップS3〜S11の処理が完了したか否かを判定する。ここで、未処理の単色画像が存在すると判定された場合には、上述したステップS2へ戻って未処理の単色画像の内の一つを選択し設定してから、上述したステップS3〜S11の処理を行う。
こうしてステップS12において、全ての単色画像に対するフィルタリング処理が完了したと判定された場合には、rコピー画像およびlコピー画像を、r画像およびl画像に対する補正画像とする。これら4種類の単色画像の補正画像は、ボケ画像補正部37においてベイヤー画像として再構成される。再構成されたベイヤー画像は、画像処理部25によりデモザイキング処理が行われる。こうして、デモザイキング処理が終了したところで、このボケ画像補正処理を終了する。
なお、ステップS7やステップS9において、円型ガウシアンフィルタを用いるのに代えて、図14や図15等に示したような楕円型ガウシアンフィルタを用いる場合は、楕円形ガウシアンフィルタの標準偏差値をx方向とy方向とで別々に設定すると良いために、撮像装置内に保持するフィルタ形状に関するパラメータテーブルは、フィルタカーネル中心からのズレを除いて、例えば以下の表3に示すようになる。
[表3]
Figure 2014026051
ここに記載は省略したが、ステップS7において楕円型ガウシアンフィルタを用いる場合のフィルタカーネル中心からのズレは例えば表1と同様、ステップS9において楕円型ガウシアンフィルタを用いる場合のフィルタカーネル中心からのズレは例えば表2と同様とすれば良い。
さらに、上述では表1や表2を参照して、テーブルを用いて位相差量に応じたフィルタの形状を取得する例を説明したが、これに限るものでもない。例えば、フィルタの形状を決定するための各パラメータと位相差量との対応関係を例えば数式等として保持しておいて、位相差量を数式に代入して、演算等によりフィルタの形状を決定するようにしても構わない。
また、像面位相差方式における位相差画素の構造は、上述した構成に限るものではなく、例えばマイクロレンズを偏芯させた構成のものなど、各種のバリエーションを広く採用することができる(例えば、上述した特開2011−197080号公報参照)。また、構造の違いなどに伴って、ボケ形状も半円形でない場合もあるが、その場合には、ボケ形状に対応したフィルタ形状を設定することで観賞用として好ましい円形ボケ形状にすることが可能である。
なお、遮光部22sを備える撮像素子22により撮影した画像から位相差を検出する処理および位相差を補正するボケ画像補正処理は、撮像装置という形態において行うに限るものではなく、撮像装置とは別途の画像処理装置41(例えば、画像処理プログラムを実行するコンピュータなど)において行うようにしても構わない。
図17は実施例1における画像処理装置41の構成を示すブロック図である。
この画像処理装置41は、図1に示した撮像装置のボディユニット2から、撮像機構に係る図示しないレンズマウント、シャッタ21、撮像素子22、撮像回路23、撮像駆動部24や、レンズユニット1のAF制御に係るコントラストAF制御部38(AFアシスト制御部38aを含む)、レンズユニット1との通信に係るボディ側通信コネクタ35、被写体の照明に係るストロボ制御回路33およびストロボ34、撮像装置の状態を取得するためのセンサ部31などを取り除き、インターフェース(IF)28から入力された情報を記録するための記録部42をさらに設けたものとなっている。この記録部42は、インターフェース28を介して入力し記録した情報を、画像処理部25へ出力するようになっている。なお、画像処理部25から記録部42へ情報を記録することも可能である。そして、記録部42は、インターフェース28とともに、システムコントローラ30A(コントラストAF制御部38を取り除いたことに伴い、システムコントローラの符号を30Aとしている)により制御されるようになっている。また、撮像に係るレリーズボタン等も不要であるために、操作部の符号を32Aとしている。
また、画像処理装置41における一連の処理は、例えば次のように行う。まず、遮光部22sを有する撮像素子22を備えた撮像装置を用いて、画像を撮影し、撮像回路23から出力されたままのRAW画像として記録媒体29に記録する。さらに、位相差画素r,lの配置等に係る情報や、撮像光学系9のレンズデータ等も記録媒体29に併せて記録する。
次に、この記録媒体29を画像処理装置41のインターフェース28に接続して、画像および各種情報を記録部42に記録する。記録が終了したら、記録媒体29はインターフェース28から取り外しても構わない。
その後は、記録部42に記録されている画像および各種情報を読み出して、上述した撮像装置と同様にして、距離演算部39による位相差の演算を行い、ボケ画像補正部37による位相差を補正するボケ画像補正処理を行い、画像処理部25によるデモザイキング処理を行う。
こうして、画像処理装置41によりボケ画像補正処理およびデモザイキング処理がなされた後の画像は、再び記録部42に記録される。また、記録部42に記録されたボケ画像補正処理およびデモザイキング処理がなされた後の画像は、表示部27に表示されたり、インターフェース28を介して外部機器に送信されたりする。従って、外部機器においては、ボケ画像補正後の画像を様々な用途に利用することができる。さらに、ボケ画像補正後の画像は、この画像処理装置41において、後述する立体視画像の生成にも用いられる。
このようなボケ画像補正処理の実施例1によれば、理想的な画像として、例えば絞り11の開口全域の情報(瞳が制限されていない情報)を取得可能な通常画素から得られるはずの仮想的な画像想定して、瞳領域が制限される位相差画素r,lから得られた画像のボケの重心位置を理想的な画像のボケの重心位置に近接させ、さらにボケの形状も理想的な画像のボケの形状に近似させるボケ画像補正処理を行うことにより、観賞に耐え得る高品質な画像を生成することが可能となる。
具体的に、ボケフィルタ自体を用いることにより、またはボケフィルタを用いる前に平行移動(シフト)することにより、r画像およびl画像の重心位置を合わせているために、位相差が軽減された鑑賞用としてより好ましい画像を得ることができる。
このときさらに、ボケフィルタにより、r画像およびl画像のボケ形状を、同一のボケ形状に近似させているために、自然なボケ形状の、鑑賞用としてより好ましい画像を得ることができる。
従って、位相差画素を欠落画素として扱う必要がなくなり、撮像素子22から得られた全ての画素情報を観賞用の画像を構成する画素情報として有効に利用することが可能となる。こうして、観賞に耐え得る高品質な画像を生成可能であるために、位相差画素r,lを撮像素子22上の全画素に設ける図2に示したような構成を採用することも可能となる。これにより、撮像素子22上の全領域において位相差検出、ひいては測距を行うことが可能となる。そして、画面全体でr画像およびl画像を取得することができるために、画面全体の立体視画像を後述するように作成することが可能となる。
[実施例2]
図18から図23はボケ画像補正処理の実施例2を示したものであり、図18は実施例2においてボケ画像補正部37により行われるボケ画像補正処理の概要を示す図である。
この実施例2において、上述の実施例1と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施例は、ボケ画像補正部37におけるボケ画像補正処理を上述した実施例1とは異ならせたものとなっている。すなわち、上述した実施例1は、位相差の補正を、カーネルの中心からフィルタ係数のピークがずれたボケフィルタにより、あるいは平行移動処理およびボケフィルタにより、行っていたが、本実施例は画像のコピー加算処理により行うものとなっている。
図18を参照して、被写体が合焦位置よりも遠距離側にある場合の、本実施例におけるボケ画像補正処理の概念を説明する。
被写体が合焦位置よりも遠距離側にある場合には、図7に示したように、位相差画素rから得られる画像(r画像)のボケは、仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケの左半分が欠けた形状であり、位相差画素lから得られる画像(l画像)のボケは、仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケの右半分が欠けた形状である。
そこで、図18に示すように、r画像のボケを仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケに近似させるために、r画像のボケを、r画像のボケの欠損部分へコピー加算し、l画像のボケを、l画像のボケの欠損部分へコピー加算するようにしたものである。
コピー加算する部分領域の形状は、r画像およびl画像におけるボケの欠損部分の各形状と合致することが望ましいが、ここでは処理を簡単にするために、矩形状(例えば正方形状)の領域としている。
仮想の通常画素から得られるはずの画像における円形状をなすボケ拡散領域の中に、ボケ拡散部分領域V1と、ボケ拡散部分領域V2と、を示している。ここに、ボケ拡散部分領域V1とボケ拡散部分領域V2とは、仮想の通常画素から得られるはずの画像の円形状をなすボケ拡散領域の重心を通る縦ラインCに対して左右対称の位置に、同一の大きさとして配置されている。また、部分領域V1,V2の大きさは、位相差補正の機能を果たすことを考慮すると、円形状をなすボケ拡散領域の半径程度の大きさであることが望ましい。
一方、r画像に対して示したボケ拡散部分領域R1は、ボケ拡散部分領域V2と同じ大きさで同一位置の領域である。そして、r画像のボケ拡散領域には、ボケ拡散部分領域V1と同じ大きさで同一位置のボケ拡散部分領域R2が不足している。
同様に、l画像に対して示したボケ拡散部分領域L1は、ボケ拡散部分領域V1と同じ大きさで同一位置の領域である。そして、l画像のボケ拡散領域には、ボケ拡散部分領域V2と同じ大きさで同一位置のボケ拡散部分領域L2が不足している。
そこで、r画像のボケ拡散部分領域R1を、ボケ拡散部分領域V2を移動させたときにボケ拡散部分領域V1に完全に重なる移動量(例えば、円形状をなすボケ拡散領域の半径程度の移動量になると考えられる)だけ移動させて、(後述するように、r画像のコピーであるrコピー画像に対して)コピー加算することにより、r画像のボケ拡散部分領域R2を生成する。このボケ拡散部分領域R2は、仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケ拡散部分領域V1(あるいはl画像のボケ拡散部分領域L1)に相当する領域となる。
同様に、l画像のボケ拡散部分領域L1を、ボケ拡散部分領域V1を移動させたときにボケ拡散部分領域V2に完全に重なる移動量(同上)だけ移動させて、(後述するように、l画像のコピーであるlコピー画像に対して)コピー加算することにより、l画像のボケ拡散部分領域L2を生成する。このボケ拡散部分領域L2は、仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケ拡散部分領域V2(あるいはr画像のボケ拡散部分領域R1)に相当する領域となる。
このような処理により、r画像およびl画像においてそれぞれ不足しているボケ拡散部分領域を補うことができ、その結果として、r画像、l画像のボケ拡散領域を、仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケ拡散領域に近似させることができる。そして、これにより、r画像のボケ拡散領域の重心は仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケ拡散領域の重心に近接し、l画像のボケ拡散領域の重心は仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケ拡散領域の重心に近接することになる。
このような処理を、r画像およびl画像の全体に対して行うことにより、位相差が補正された画像を得ることができる。
次に、図19は実施例2において位相差検出を行う際にr画像およびl画像に設定する部分領域を示す図、図20は実施例2においてオリジナルr画像のボケ拡散部分領域をrコピー画像にコピー加算する様子を示す図、図21は実施例2においてオリジナルl画像のボケ拡散部分領域をlコピー画像にコピー加算する様子を示す図、図22は実施例2において位相差量に応じてボケ拡散部分領域のサイズを変更する例を示す線図、図23は実施例2においてボケ画像補正部37により行われるボケ画像補正処理を示すフローチャートである。図19〜図22を適宜参照しながら、図23に沿って説明する。
(ステップS21)
この処理を開始すると、初期設定を行う。この初期設定においては、まず、処理対象のRGB画像(つまり、R画像、G画像、およびB画像)の読み込みを行う。ここで、入力画像がベイヤー画像である場合には、事前に画像処理部25において、位相差画素rで構成される画像および位相差画素lで構成される画像に分け、さらにその位相差画素rで構成される画像を画素色(Gb,B,R,Gr)毎に4種類の単色画像に分け、同様に位相差画素lで構成される画像を画素色(Gb,B,R,Gr)毎に4種類の単色画像に分けておく。以下の処理は、これら4種類の単色画像毎のr画像とl画像のペアに対して位相差の補正を行い、位相差の補正が行われた後に、補正後の4種類の単色画像からベイヤー画像を再構成する処理となっている。ただし、ある画素色の単色画像に対する処理と、他の画素色の単色画像に対する処理とは同様であるために、以下では、1つの画素色の単色画像に対するボケ画像補正処理を説明する。
さらにこの初期設定において、ある単色画像に係る、オリジナル画像r0のコピー画像であるr1(図20参照)と、オリジナル画像l0のコピー画像であるl1(図21参照)と、を作成する。さらに、コピー画像r1およびコピー画像l1と同一サイズの、rカウント画像およびlカウント画像を生成する(ここに、これらのカウント画像は、画素値の初期値を、全画素について1としておく)。
(ステップS22)
続いて、位相差検出を行うための部分領域を設定する。ここでは、部分領域を、r画像とl画像との内の何れか一方、ここでは例えばr画像に設定する。
(ステップS23)
ステップS22で設定された部分領域に対する位相差を検出する。この位相差の検出は、r画像に設定した部分領域を基準画像とし、l画像における基準画像と同一サイズの部分領域を参照画像として、上述したステップS4と同様の処理を図19に示すように行うことにより、r画像とl画像との間で位相差検出を行う。
(ステップS24)
ステップS23の処理により得られた位相差量に基づいて、仮想の通常画素から得られるはずの画像の円形ボケの半径(または、位相差画素rで構成される単色画像および位相差画素lで構成される単色画像の半円ボケの半径ということもできる)を取得する(ここでは一例として半径を挙げているが、直径であっても構わないし、仮想の通常画素から得られるはずの画像の円形ボケの大きさを表すことができる量であればその他の量であっても良い)。ここに、位相差量と仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケ半径との関係は、撮像光学系9の構成(例えば、レンズ10のレンズ構成や焦点距離、あるいは絞り11の絞り値など)に依存して決定され、テーブルや数式等として撮像装置内に予め保持されている。従って、位相差量に基づいて、テーブル参照したり、数式を用いた演算を行ったりすることにより、ボケ半径を取得することができる。なお、このステップS24の処理を省略して、ステップS23において取得した位相差量をボケ半径に代えて用いる簡易的な方法を適用しても構わない。この場合には、位相差量とボケ半径との関係を撮像装置内に予め保持しておく必要はない。
(ステップS25)
次に、オリジナル画像r0から部分領域を読み出して、ステップS23で検出した位相差量に応じた所定量だけずらしてから、コピー画像r1にコピー加算する。ここに、部分領域をずらす所定量は、ずらす方向も含む量であり、その大きさは例えばステップS24において取得したボケ半径とする。上述したステップS21においてコピー画像r1を作成したのは、コピー加算により画素値が変化しているコピー画像r1とは別に、オリジナル画像r0を保持しておく必要があるためである(コピー画像l1についても同様)。ただし、部分領域を例えばラスタスキャンの順序でシーケンシャルに処理する代わりに、並列動作により処理する場合などには、コピー画像を用意する必要はない。
(ステップS26)
続いて、rカウント画像の「ステップS25においてコピー加算処理を行った位置」の領域に、加算された回数が分かるように+1を加算する。このrカウント画像は、後段のステップS30において、画素値の正規化処理を行うために利用する。
(ステップS27)
また、オリジナル画像l0における「ステップS25においてコピー画像r1にコピーした位置」と同一の位置から部分領域を読み出して、コピー画像l1の「ステップS25においてオリジナル画像r0からコピー元のデータを取得した位置」にコピー加算する。これにより、l画像をずらす所定量は、r画像をずらす所定量と絶対値が同じで向きが逆となる。
(ステップS28)
そして、lカウント画像の「ステップS25においてオリジナル画像r0からコピー元のデータを取得した位置」(つまり、ステップS27においてコピー加算処理を行った位置)の領域に、加算された回数が分かるように+1を加算する。このlカウント画像も、後段のステップS30において、画素値の正規化処理を行うために利用する。
なお、上述したステップS25やステップS27においては、コピー加算処理を画像の部分領域毎に行っているが、この部分領域は、ステップS23において位相差検出処理を行った部分領域と同一であっても良い一方で、位相差検出処理とは異なる大きさの部分領域としても構わない。
また、コピー加算処理に用いる部分領域の大きさは、画像全体で一定(すなわち、グローバルな大きさ)としても構わないが、画像内に設定する各部分領域毎に異ならせても(すなわち、ローカルな大きさとしても)良い。
例えば、ステップS25〜S28で用いる部分領域の大きさを、ステップS23において検出された位相差量に応じて、図22に示すように変化させても良い。
この図22に示す例では、位相差量が0である場合に、部分領域の縦サイズおよび横サイズは共に1となり、部分領域は1画素となる。なお、この場合には、位相差量が0であるために上述したコピー加算処理も行わないことになり、実質的に何の処理も行わないことになる。従って、位相差量が0であるか否かに応じて処理を分岐させて、位相差量が0であるときには何の処理も行わないようにしても良い。
また、図22に示す例では、位相差量に比例して、部分領域の大きさが大きくなるように構成されている。このときの直線の傾きは、撮像光学系9の構成に応じて適切に設定することになるために、図22には具体的なスケールを示していない。
なお、図22には、位相差量と部分領域の大きさとの関係が比例関係となる例を示しているが、勿論、比例関係とするに限るものではなく、例えば主観的な画質の評価に応じて位相差量に対する部分領域の大きさが適切となるように設計しても良い。
また、点光源からの光線がボケとなるときの拡散量(PSF(Point Spread Function:点広がり関数)の点拡がりの量)は、ボケが発生している領域内において均一であるとは限らず、例えばボケの周辺部においては中央部よりも拡散量が少ない(つまり、輝度が低い)ことなどが考えられる。そこで、上述したような部分領域のコピー加算を行うときに、ボケの拡散量に応じた重み係数を乗算するようにしても良い。例えば、部分領域の周辺部の各画素には1/2の重み係数を乗算し、部分領域の中央部の各画素には1の重み係数を乗算してから、コピー加算を行うなどである。このときには、ステップS26およびステップS28におけるカウント画像も、部分領域の周辺部については1/2を加算し、部分領域の中央部については1を加算することになる。
(ステップS29)
その後、画像内における全ての部分領域に対する処理が完了したか否かを判定する。ここで未処理の部分領域が存在すると判定された場合には、ステップS22へ戻って、部分領域の位置をずらしながらステップS22〜S28の処理を繰り返して行う。ここに、部分領域をずらすときのステップ(ずらし量)は任意の値を設定可能であるが、部分領域の幅よりも小さい値であることが好ましい。
(ステップS30)
こうして、ステップS29において全ての部分領域に対する処理が完了したと判定された場合には、同一画素位置毎に、コピー画像r1の画素値をrカウント画像の画素値で割ることにより正規化されたコピー画像r1を得るとともに、コピー画像l1の画素値をlカウント画像の画素値で割ることにより正規化されたコピー画像l1を得る。
上述したようなr画像とl画像のペアに対するボケ画像補正処理を、ベイヤー画像を構成する4種類の単色画像の全てについて行う。こうして全ての単色画像に対するボケ画像補正処理が完了した場合には、補正処理後のコピー画像r1およびコピー画像l1をボケ画像補正部37においてベイヤー画像として再構成する。再構成されたベイヤー画像は、画像処理部25によりデモザイキング処理が行われ、R画像、B画像、G画像が生成される。こうして生成されたRGB画像が、ボケ画像補正部37によるボケ画像補正処理および画像処理部25によるデモザイキング処理の結果得られたカラー画像となる。そして、デモザイキング処理が終了したところで、このボケ画像補正処理を終了する。
このようなボケ画像補正処理の実施例2によれば、画像のコピー加算処理によって位相差の補正を行うことにより、上述した実施例1とほぼ同様の効果を奏することができる。
また、コピー加算を行う場合には、フィルタリング処理の場合よりも処理負荷を軽減することが可能となる利点がある。従って、処理回路の低コスト化や、低消費電力化を図ることもできる。
[実施例3]
図24から図27は本発明の実施例3を示したものであり、図24は実施例3において位相差量に応じたr画像、l画像、理想的な画像のPSFのテーブルの概要を示す図、図25は実施例3においてボケ画像補正部37により行われるボケ画像補正処理の概要を示す図、図26は実施例3においてボケ画像補正部37により行われるボケ量コントロールを伴うボケ画像補正処理の概要を示す図、図27は実施例3においてボケ画像補正部37により行われるボケ画像補正処理を示すフローチャートである。
この実施例3において、上述の実施例1,2と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施例は、ボケ画像補正部37におけるボケ画像補正処理を上述した実施例1,2と異ならせたものとなっている。すなわち、本実施例は、ボケ画像補正処理を、ぼけた画像をぼけていない画像に復元する復元処理(逆フィルタリング処理)と、復元されたぼけていない画像を被写体距離に応じた円形のボケ形状が得られるようにするフィルタリング処理と、を組み合わせることにより行うものとなっている。
図2に示したような撮像素子22を用いた場合には、位相差量に応じて、r画像、l画像、仮想の通常画素(理想的な画像の一例)から得られるはずの画像のPSFは、図24に示すように変化する。なお、この図24において、点光源からの光が到達しない暗部にはハッチングを付している。
例えば、r画像のPSFであるPSFrは、位相差量の絶対値が大きくなるほど、大きな半円形状を示し、位相差量が0、つまり合焦位置においては1点に収束する。さらに、合焦位置よりも近距離である場合には図24の上半分に示すように左半円形状であるが、合焦位置よりも遠距離である場合には図24の下半分に示すように右半円形状となる。
同様に、l画像のPSFであるPSFlは、位相差量の絶対値が大きくなるほど、大きな半円形状を示し、位相差量が0、つまり合焦位置においては1点に収束する。さらに、合焦位置よりも近距離である場合には図24の上半分に示すように右半円形状であるが、合焦位置よりも遠距離である場合には図24の下半分に示すように左半円形状となる。
さらに、仮想の通常画素から得られるはずの画像のPSF(理想的な画像に対する撮像光学系9のPSF)であるPSFvは、位相差量の絶対値が大きくなるほど、大きな円形状を示し、位相差量が0、つまり合焦位置においては1点に収束する。また、PSFvは、1点に収束したときを除いて、合焦位置よりも近距離であるか遠距離であるかに関わらず、常に円形状である。
この図24に示したような、位相差量に応じた各PSFのテーブルが、例えばボケ画像補正部37内の図示しない不揮発性メモリに予め記憶されているものとする(ただし、図1に示したようなレンズ交換式の撮像装置の場合には、レンズ制御部14内に記憶されているテーブルを、通信により受信して用いても勿論構わない)。
このようなPSFを用いた復元処理およびフィルタリング処理について、図25を参照して説明する。この図25は、被写体が合焦位置よりも遠距離にある場合の例であるが、被写体が合焦位置よりも近距離にある場合にも同様の処理を適用することができる。
まず、r画像にPSFrの逆演算PSFr-1(右肩の−1が逆演算であることを示している。以下同様。)を行うことにより、右半円形状のボケを、点光源が1点に収束するボケのない像(復元第1画像と復元第2画像との何れか一方)に変換する。同様に、l画像にPSFlの逆演算PSFl-1を行うことにより、左半円形状のボケを、点光源が1点に収束するボケのない像(復元第1画像と復元第2画像との何れか他方)に変換する。このような処理により、r画像およびl画像の復元処理を行う。
次に、復元処理されたr画像および復元処理されたl画像に対して、仮想の通常画素から得られるはずの画像に対するPSF(理想的な画像に対する撮像光学系9のPSF)であるPSFvをそれぞれ作用させる。これにより、r画像およびl画像に、仮想の通常画素から得られるはずの画像と同様の円形状のボケが生成される。
具体的な処理は、次のようにして行う。
まず、ある画素位置におけるr画像のボケのPSFがPr1、l画像の同一画素位置におけるボケのPSFがPl1、仮想の通常画素から得られるはずの画像の同一画素位置におけるボケのPSFがPv1であるとする。ボケのPSFは、図24に示したように、r画像とl画像との間の位相差に応じて異なり、位相差は基本的に画素位置毎に異なるために、PSFは各画素位置毎に決定されるものとなる。また、PSFは、着目画素位置を中心として、近傍の複数画素を含む部分領域に対して定義されているものとする(図24参照)。
処理を開始すると、着目画素に対して求められた位相差を取得し、図24に示したようなテーブルを参照することにより、r画像における着目画素を中心としたPSFであるPr1と、l画像における同一位置の着目画素を中心としたPSFであるPl1と、仮想の通常画素から得られるはずの画像における同一位置の着目画素を中心としたPSFであるPv1と、を取得する。
次に、取得したPr1、Pl1、およびPv1と、r画像における着目画素を中心とする部分領域Arと、l画像における着目画素を中心とする部分領域Alと、に対して次の数式3に示すように、2次元フーリエ変換FFT2を行い、各変換後の値PR1,PL1,PV1,AR,ALを得る。
[数3]
PR1=FFT2(Pr1)
PL1=FFT2(Pl1)
PV1=FFT2(Pv1)
AR =FFT2(Ar)
AL =FFT2(Al)
次に、下記の数式4に示すように、ARをPR1で除算し、ALをPL1で除算することにより復元処理を行い、さらにそれぞれにPV1を乗算することによりフィルタリング処理を行って、その結果に2次元逆フーリエ変換IFFT2を施し、仮想の通常画素から得られるはずの画像と同様のボケが得られた復元r画像である画像r’および復元l画像である画像l’を算出する。
[数4]
r’=IFFT2(AR×PV1/PR1)
l’=IFFT2(AL×PV1/PL1)
なお、数式4の逆フィルタリング処理による復元処理をより安定的にするために、以下の数式5のように復元処理の復元量を制御しても構わないものとする(ウィナーフィルターの方式)。
[数5]
r’=IFFT2(AR×PV1/PR1×|PR1|2/(|PR1|2+Γ))
l’=IFFT2(AL×PV1/PL1×|PL1|2/(|PL1|2+Γ))
ここに、ΓはPR1、PL1の形状に応じて適切に設定される任意の定数である。
この数式5のような処理を採用することにより、復元処理時のノイズの増幅が抑制され、より好ましいr画像およびl画像を生成することができる。
なお、Γの設定方法として、例えばPR1、PL1の周波数係数の絶対値|PR1|、|PL1|と、これらの絶対値|PR1|、|PL1|に対するΓの好ましい値との関係を撮像装置内に予め保持しておき、この関係に基づいて周波数係数毎にΓを指定する方法が考えられる。また、その他の方法としては、撮像装置の各種パラメータ(ISO値、焦点距離、開口値など)に基づいて、画像に含まれるノイズ量を推定し、推定したノイズ量に応じてΓを変化させる方法(例えば、ISO200の場合Γ=0.01とし、ISO800の場合Γ=0.04とするなど)を採用しても構わない。
上述したような復元処理およびフィルタリング処理は、画像の部分領域毎に行い、ある部分領域で補正処理が完了したら、次に位置を少しずらして部分領域を指定し、指定した部分領域に対して再び同様の復元処理およびフィルタリング処理を行う。このような処理を繰り返して行うことにより、復元処理およびフィルタリング処理を画像の全領域に対して行う。その後、重複して処理された画素位置に関しては、その画素位置で処理された複数の補正画素値の総和を補正回数で割って平均化することにより、正規化された補正画像を得る。
なお、復元処理およびフィルタリング処理を行う部分領域の大きさは、ボケの形状よりも大きいことが好ましい。従って、ボケの大きさに応じて、部分領域の大きさを適応的に変化させることが考えられる。あるいは、位相差に応じてボケの形状がどの範囲で変化するかが予め分かっている場合には、そのボケの最大サイズ以上の部分領域を固定的に用いるようにしても良い。
次に、図27を参照して、ボケ画像補正部37により行われる上述したような復元処理およびフィルタリング処理によるボケ画像補正処理の流れについて説明する。なお、以下に説明するボケ画像補正処理は、上述した実施形態1,2の各処理と同様に、複数の単色画像のそれぞれに対して行われ、例えば入力画像がベイヤー画像である場合には、Gb,B,R,Grの各単色画像におけるr画像およびl画像に対して行われるが、簡単のために、以下では1つの単色画像におけるr画像およびl画像に対する処理のみを説明する。
(ステップS41)
この処理を開始すると、初期設定を行う。この初期設定においては、まず、処理対象の画像(つまり、設定された単色画像における、位相差画素rから得られるr画像、および位相差画素lから得られるr画像)の読み込みを行う。次に、r画像のコピーであるrコピー画像と、l画像のコピーであるlコピー画像と、を作成する。
続いて、rコピー画像およびlコピー画像と同一サイズの、rカウント画像およびlカウント画像を生成する(ここに、これらのカウント画像は、画素値の初期値を、全画素について1としておく)。
(ステップS42)
続いて、位相差検出を行うための部分領域を設定する。ここでは、部分領域を、r画像とl画像との内の何れか一方、ここでは例えばr画像に設定する。
(ステップS43)
ステップS42で設定された部分領域に対する位相差を検出する。この位相差の検出は、r画像に設定した部分領域を基準画像とし、l画像における基準画像と同一サイズの部分領域を参照画像として、上述したステップS4と同様の処理を図19に示したように行うことにより、r画像とl画像との間で位相差検出を行う。
(ステップS44)
ステップS43の処理により得られた位相差量に基づいて、仮想の通常画素から得られるはずの画像の円形ボケの半径(または、r画像およびl画像の半円ボケの半径ということもできる)を、上述したステップS24と同様にして取得する。
(ステップS45)
次に、オリジナルのr画像の上述したステップS42で指定した部分領域に対して、上述したような復元処理およびフィルタリング処理を行う。こうして得られた処理結果を、rコピー画像におけるオリジナルのr画像の部分領域と同位置にコピー加算する。なお、ここでは、ボケ画像補正処理を行うための部分領域の大きさを、位相差検出を行うための部分領域の大きさと同一とする例について説明するが、勿論異なる大きさの領域を設定しても構わないし、上述したように、検出された位相差に応じた適応的な大きさの部分領域としても良い(後述するl画像についても同様)。
(ステップS46)
続いて、rカウント画像の「ステップS42で指定した部分領域」に、加算された回数が分かるように+1を加算する。このrカウント画像は、後段のステップS50において、画素値の正規化処理を行うために利用する。
(ステップS47)
また、オリジナルのl画像の上述したステップS42で指定した部分領域に対して、上述したような復元処理およびフィルタリング処理を行う。こうして得られた処理結果を、lコピー画像におけるオリジナルのl画像の部分領域と同位置にコピー加算する。
(ステップS48)
そして、lカウント画像の「ステップS42で指定した部分領域」に、加算された回数が分かるように1を加算する。このlカウント画像も、後段のステップS50において、画素値の正規化処理を行うために利用する。
(ステップS49)
その後、画像内における全ての部分領域に対する処理が完了したか否かを判定する。ここで未処理の部分領域が存在すると判定された場合には、ステップS42へ戻って、部分領域の位置をずらしながらステップS42〜S48の処理を繰り返して行う。ここに、部分領域をずらすときのステップ(ずらし量)は任意の値を設定可能であるが、部分領域の幅よりも小さい値であることが好ましい。
(ステップS50)
こうして、ステップS49において全ての部分領域に対する処理が完了したと判定された場合には、同一画素位置毎に、rコピー画像の画素値をrカウント画像の画素値で割ることにより正規化されたrコピー画像を得るとともに、lコピー画像の画素値をlカウント画像の画素値で割ることにより正規化されたlコピー画像を得る。このステップS50において算出された位相差画素rから得られる画像および位相差画素lから得られる画像が、ボケ画像補正部37におけるボケ画像補正処理により得られた画像となる。
こうして、ステップS50の処理が終了したところで、この図27に示す処理を終了する。
なお、上述では、フーリエ変換を利用して実空間から周波数空間へ変換した後に、復元処理およびフィルタリング処理を行っている。しかし、これに限るものではなく、実空間における(例えばMAP推定処理などの)復元処理やフィルタリング処理を適用しても構わない。
また、上述ではr画像およびl画像のボケ形状を仮想の通常画素から得られるはずの画像のボケ形状に整合させる処理を行っているが、これに加えて、ボケ量コントロールを行うようにしても構わない。
この場合には、図26に示すように、まず、r画像にPSFrの逆演算を、l画像にPSFlの逆演算を、それぞれ行う。これにより、r画像およびl画像の復元が行われて、復元第1画像および復元第2画像に変換される。
次に、復元処理されたr画像およびl画像に対して、所望の大きさの円形状のボケを得るためのPSFであるPSFv’(このPSFv’も理想的な画像に対する撮像光学系9のPSFである)をそれぞれ作用させる。これにより、r画像およびl画像に、所望の大きさの円形状のボケを生成するボケ量コントロールを行うことができる。
所望の大きさの円形状のボケを得るためのPSFとしては、例えば、仮想の通常画素に対するPSFを利用することができる(通常画素は、位相差に応じた大きさの円形状のボケを生じるため)。従って具体的には、図24に示したようなテーブルを参照することにより、仮想の通常画素から得られるはずの画像における同一位置の着目画素を中心としたPSFとして、所望のPv1’をさらに取得しておく。
次に、上述した数式3の処理に加えて、さらに、取得したPv1’に対して次の数式6に示すように、2次元フーリエ変換FFT2を行い、各変換後の値PV1’を得る。
[数6]
PV1’=FFT2(Pv1’)
そして、下記の数式7に示すように、ARをPR1で除算し、ALをPL1で除算することにより復元処理を行い、さらにそれぞれにPV1’を乗算することによりフィルタリング処理を行って、その結果に2次元逆フーリエ変換IFFT2を施し、所望のボケ量のボケが得られたr画像r”およびl画像l”を算出する。
[数7]
r”=IFFT2(AR×PV1’/PR1)
l”=IFFT2(AL×PV1’/PL1)
なお、上述した数式5と同様に、数式7に代えて、次の数式8に示すようなウィナーフィルターの方式を採用しても構わない。
[数8]
r”=IFFT2(AR×PV1’/PR1×|PR1|2/(|PR1|2+Γ))
l”=IFFT2(AL×PV1’/PL1×|PL1|2/(|PL1|2+Γ))
ここに、ΓはPR1、PL1の形状に応じて適切に設定される任意の定数である。
このようなボケ画像補正処理の実施例3によれば、PSFを用いた復元処理およびフィルタリング処理による位相差補正を行うことにより、上述した実施例1,2とほぼ同様の効果を奏することができる。
上述した実施例1〜3の何れかの処理を行うことにより、位相差のない2次元画像が生成される。本実施形態のステレオ画像生成部40は、この位相差のない2次元画像と、位相差情報とに基づいて、カラーの立体視画像(3D画像)を生成するものとなっている。
図28はボケ画像補正処理後の2次元画像から左目画像および右目画像を生成する様子を示す図、図29はステレオ画像生成部40による立体視画像の生成処理を示すフローチャートである。
(ステップS61)
この処理を開始すると、初期設定を行う。この初期設定においては、まず、ボケ画像補正処理により位相差が補正されたカラー画像RGB0(図28参照)の読み込みを行う。次に、処理対象となる画像の各部分領域に対応する位相差量の情報を予め用意しておく。ここに位相差量の情報は、実施例1〜3の何れかのボケ画像補正処理において既に取得されているために、この情報を用いるものとする(ただし、位相差量が取得されていない画素がある場合(例えば、デモザイキング前の画像に基づき位相差量が取得された場合や、位相差量を取得することができなかった画素が存在した場合など)には、上述したように補間処理等を行うことにより、全画素についての位相差量を生成しておく)。さらに、左目画像RGB−Lおよび右目画像RGB−Rと、左目カウント画像および右目カウント画像とを生成する(ここに、これら4つの各画像は、画素値の初期値を、全画素について0としておく)。
(ステップS62)
次に、位相差が補正されたカラー画像RGB0に、図28に示すように部分領域を設定する。この部分領域の大きさは、位相差量の計測に利用した部分領域と同サイズであってもよいが、任意の大きさであっても構わない。例えば、図22を参照して説明したのと同様に、位相差量に応じて(例えば、比例して)部分領域の大きさが大きくなるようにしても構わない。
(ステップS63)
続いて、ステップS61において予め用意しておいた位相差量の情報から、ステップS62において設定した部分領域に対応する位相差量を取得する。
(ステップS64)
そして、r画像とl画像との間に生じている位相差量(位相差の方向および位相差の大きさ)に応じて、カラー画像RGB0の部分領域を、左目画像RGB−L内の位相差量の2分の1だけずらした部分領域にコピー加算する(図28参照)。
(ステップS65)
さらに、左目カウント画像の「ステップS64でコピー加算された部分領域」と同一領域における各画素の画素値に、+1を加算する。この左目カウント画像は、後段のステップS69において、画素値の正規化処理を行うために利用する。
(ステップS66)
同様に、r画像とl画像との間に生じている位相差量に応じて、カラー画像RGB0の部分領域を、右目画像RGB−R内の位相差量の2分の1だけステップS64とは逆方向にずらした部分領域にコピー加算する(図28参照)。
(ステップS67)
さらに同様に、右目カウント画像の「ステップS66でコピー加算された部分領域」と同一領域における各画素の画素値に、+1を加算する。この右目カウント画像は、後段のステップS69において、画素値の正規化処理を行うために利用する。
(ステップS68)
その後、カラー画像RGB0内における全ての部分領域に対する処理が完了したか否かを判定する。そして、処理が完了するまで、部分領域の位置をずらしながらステップS62〜S67の処理を繰り返して行う。ここに、部分領域をずらすときのステップは任意の値を設定可能であるが、部分領域の幅よりも小さい値であること(すなわち、部分領域が重複しながら順次設定されていくこと)が好ましい。具体例を挙げれば、サイズが51×51[ピクセル]である部分領域に対して、10[ピクセル]ずつずらしながら部分領域を設定する等が挙げられる。ただし、重複しなければならないものではなく、タイルを敷き詰めるように設定しても構わない(例えばサイズが51×51[ピクセル]の部分領域に対して、51[ピクセル]ずつずらしながら部分領域を設定するなど)。
(ステップS69)
こうして、ステップS68において全ての部分領域に対する処理が完了したと判定された場合には、同一画素位置毎に、左目画像RGB−Lの画素値を左目カウント画像の画素値で割ることにより正規化された左目画像を得るとともに、右目画像RGB−Rの画素値を右目カウント画像の画素値で割ることにより正規化された右目画像を得る。なお、この処理を終えたところで、画素値が与えられていない画素が残っている場合には、補間処理を行って該画素の画素値を与えるものとする。
こうして、ステップS69の処理が終了したところで、この図29に示す処理を終了する。
なお、上述では、カラー画像RGB0の部分領域を左目画像RGB−Lおよび右目画像RGB−Rへコピー加算する際に、位相差量の2分の1だけ部分領域をずらしているが、これは、位相差量の2分の1であることが実際に観測された立体視画像の視差量に忠実であり好ましいためである。しかし、これに限るものではない。例えば、取得された位相差量に1よりも大きい所定の定数を乗算した値を補正された位相差量として用いれば、立体感をより際立たせた立体視画像を生成することができる。また、取得された位相差量に1よりも小さい所定の定数を乗算した値を補正された位相差量として用いれば、立体感をより抑制した立体視画像を生成することができる。このような位相差量に乗算する所定の定数は、立体視画像を表示部27に表示しながら、表示された画像を見たユーザが撮像装置の操作部32を操作することにより、好みに応じて調整することができるようにしても良い(GUIを介したユーザによる所望の調整)。あるいは、撮影対象である被写体に応じて(例えば、被写体が人物であるか否かや、被写体までの距離、構図などに応じて)、適切な立体感が得られるようにシステムコントローラ30が自動的に設定するようにしても良い。
このような実施形態1によれば、撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光により撮影された画像から、鑑賞用として好ましい自然なボケ形状のカラーの立体視画像を得ることができる。
特に、瞳分割を行って得られる不自然なボケを、ボケ画像補正処理により理想的な自然形状(円形状)に補正しているために、ボケ部分の画像の品質が向上する。
また、瞳分割を行ったときに得られる右半円ボケと左半円ボケは形状が異なるために、ボケの形状を補正することなく立体視画像を作成するとボケ部分に色ズレが生じる原因になるが、本実施形態によればボケの形状を補正しているためにこのような色ズレも低減することができる。
さらに、本実施形態においてはボケ画像補正処理を行った結果を利用してカラーの立体視画像を生成するようにしているために、処理過程で得られるボケ画像補正処理後の画像を保存しておけば、立体視画像と位相差の低減されたカラー化後の画像(2次元画像)とを両方とも取得し、所望に観察することができる利点がある。
[実施形態2]
図30から図33は本発明の実施形態2を示したものであり、図30は立体視画像の生成処理において合焦位置よりも遠距離側にある被写体の像から右目画像を生成する際のシフトの様子を示す図、図31は立体視画像の生成処理において合焦位置よりも遠距離側にある被写体の像から左目画像を生成する際のシフトの様子を示す図、図32はシフト後の右目画像における各色のボケ形状を近似させるフィルタ処理を行った後の様子を示す図、図33はシフト後の左目画像における各色のボケ形状を近似させるフィルタ処理を行った後の様子を示す図である。
この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
上述した実施形態1は、ボケ画像補正部37によるボケ画像補正処理の結果を利用して立体視画像を生成するものであったが、本実施形態は、ボケ画像補正処理の結果を要することなく立体視画像を生成するようにしたものである。従って、本実施形態においては図1のボケ画像補正部37の構成を省略しても構わない。
以下においても説明を簡単にするために、被写体が合焦位置よりも遠距離側にある場合を例に挙げて説明するが、被写体が合焦位置よりも近距離側にある場合でも以下の処理を適宜変更すれば同様に適用することが可能である。
まず、図2に示したような撮像素子22を用いた場合には、被写体が合焦位置よりも遠距離側にあると、r画像とl画像のボケは図7に示すようになる。
上述したように、l画像に対応する部分瞳は左目側に位置し、r画像に対応する部分瞳は右目側に位置している。従って、図7に示すl画像の被写体像IMGlの重心位置Clが左目画像における各色成分の重心位置となるべき位置であり、図7に示すr画像の被写体像IMGrの重心位置Crが右目画像における各色成分の重心位置となるべき位置である。
そこでまず、図19を参照して説明したように、位相差量の検出を行う。
そして、右目画像を生成する際には、図30に示すように、l画像の被写体像IMGlを位相差量だけ移動(シフト)させて重心位置をr画像の被写体像IMGrの重心位置Crに一致(あるいは近接)させる。具体的には、l画像を、部分領域毎に位相差量だけ移動させて、ボケの重心位置のシフトを行う。
同様に、左目画像を生成する際には、図31に示すように、r画像の被写体像IMGrを位相差量だけ移動(シフト)させて重心位置をl画像の被写体像IMGlの重心位置Clに一致(あるいは近接)させる。具体的には、r画像を、部分領域毎に位相差量だけ移動させて、ボケの重心位置のシフトを行う。
こうして、図30、図31に示したシフトが行われた後のカラー画像が、カラーのシフト画像である。
次に、シフト後の右目画像におけるr画像およびl画像に対して、例えば図13に示したような円型ガウシアンフィルタ、あるいは図14や図15に示したような楕円型ガウシアンフィルタ等のフィルタカーネルを有するボケフィルタを作用させることにより、図32に示すように、ボケ形状を円形状に近似させる。
さらに、シフト後の左目画像におけるr画像およびl画像に対して、右目画像と同様の図13に示したような円型ガウシアンフィルタ、あるいは図14や図15に示したような楕円型ガウシアンフィルタ等のフィルタカーネルを有するボケフィルタを作用させることにより、図33に示すように、ボケ形状を円形状に近似させる。
なお、楕円型ガウシアンフィルタを用いる場合に、例えば表3に示したように、位相差に応じてフィルタ形状を変化させながらフィルタリング処理を行うことは、上述と同様である。
また、ここではr画像およびl画像のボケ形状を円形状に近似させるためにボケフィルタを用いる例を説明したが、ボケ画像補正処理の実施例3に対して図24〜図27を参照して説明したのとほぼ同様に、復元処理とフィルタリング処理とを組み合わせることにより、ボケの形状を近似させ、あるいはさらにボケの大きさをコントロールするようにしても構わない。そして、r画像とl画像とではボケ形状が異なるために、r画像に対して用いるボケフィルタとl画像に対して用いるボケフィルタとを異ならせても構わない。
さらに、本実施形態においても、シフトさせる移動量を、補正された位相差量(位相差量に所定の定数を乗算した値)に基づき大きくしたり小さくしたりするようにして、立体感をより際立たせたり、立体感をより抑制したりしても構わない。
このような実施形態2によれば、上述した実施形態1とほぼ同様の効果を奏するとともに、ボケ画像補正処理を行う必要がないために、立体視画像のみを取得したい場合に処理の負荷を軽減することが可能となる。
[実施形態3]
図34から図38は本発明の実施形態3を示したものであり、図34は撮像装置の構成を示すブロック図、図35は偏光フィルタの一構成例を説明するための図、図36は偏光板が配設された撮像素子の構成例を説明するための図、図37は合焦位置よりも近距離側にある被写体上の1点からの光により形成されるボケの形状を示す図、図38は合焦位置よりも遠距離側にある被写体上の1点からの光により形成されるボケの形状を示す図である。
この実施形態3において、上述の実施形態1,2と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のレンズユニット1には、上述した実施形態1の図1に示した構成に加えて、さらに瞳分割部たる偏光フィルタ12が設けられている。
この偏光フィルタ12は、撮像光学系9を経て撮像素子22Bに至る光線の光路上(望ましくは、撮像光学系9の絞り11の位置またはその近傍)に配設されており、撮像光学系9の瞳領域の一部(第1の領域と第2の領域との一方)を通過しようとする光線中の例えばS偏光の光を遮断しP偏光の光を通過させるP偏光成分透過領域としてのP偏光フィルタ12pと、撮像光学系9の瞳領域の他の一部(第1の領域と第2の領域との他方)を通過しようとする光線中のP偏光を遮断しS偏光の光を通過させるS偏光成分透過領域としてのS偏光フィルタ12sと、を備えて構成されている。
図35に示す構成例の偏光フィルタ12は、撮像光学系9の瞳領域が、第1の領域と第2の領域とに2分されたものとなっている。すなわち、偏光フィルタ12は、撮像装置を上述した標準姿勢にして撮像素子22Bから見たときに、右半分がP偏光フィルタ12p、左半分がS偏光フィルタ12sとなっている。
一方、本実施形態の撮像素子22Bは、図36に示すように、原色ベイヤー配列の画素群上に、さらに、瞳分割部たるP偏光板Ppと、瞳分割部たるS偏光板Psとを設けたものとなっている。
具体的に、図36に示す撮像素子22Bは、原色ベイヤー配列における上述した基本配列の縦並び毎に、つまり垂直方向2ラインを単位として、P偏光板PpとS偏光板Psとを交互に配列したものとなっている。そして、P偏光板Ppが配置された画素が位相差画素r、S偏光板Psが配置された画素が位相差画素lとなっている。
このような構成において、被写体が合焦位置にあるときには、被写体上の1点から放射された光は、P偏光フィルタ12pを通過するP偏光成分も、S偏光フィルタ12sを通過するS偏光成分も、撮像素子22B上の1点に集光されて点像を形成するために、位相差画素rに結像されるr画像と位相差画素lに結像されるl画像とに位置ズレは発生しない。
これに対して、被写体が合焦位置よりも近距離側にある場合には、図37(なお、図37および図38は偏光フィルタ12および撮像素子22Bを上方から見た図であって、撮像素子22B上の結像状態が分かり易くなるように撮像面を上方へ傾けたときの様子を示している)に示すように、被写体上の1点から放射された光が撮像光学系9の瞳領域を通過して形成される円形ボケをなす被写体像IMGの内の、右半分(被写体側から見た左半分)の半円形ボケをなす被写体像IMGpがP偏光成分の像、左半分(被写体側から見た右半分)の半円形ボケをなす被写体像IMGsがS偏光成分の像となる。従って、合焦位置よりも近距離側にある被写体を撮像したときには、P偏光成分の被写体像IMGpの重心位置は円形ボケの重心位置よりも右側にずれ、S偏光成分の被写体像IMGsの重心位置は円形ボケの重心位置よりも左側にずれることになる。このボケ画像におけるP偏光成分とS偏光成分の左右位置は、撮像素子22Bから見たときの偏光フィルタ12におけるP偏光フィルタ12pとS偏光フィルタ12sの左右位置と同じである。そして、被写体が合焦位置から近距離側へ離れるほど、ボケが大きくなって、P偏光成分の被写体像IMGpの重心位置とS偏光成分の被写体像IMGsの重心位置との離間距離が大きくなることになる。
一方、被写体が合焦位置よりも遠距離側にある場合には、図38に示すように、被写体上の1点から放射された光が撮像光学系9の瞳領域を通過して形成される円形ボケをなす被写体像IMGの内の、左半分(被写体側から見た右半分)の半円形ボケをなす被写体像IMGpがP偏光成分の像、右半分(被写体側から見た左半分)の半円形ボケをなす被写体像IMGsがS偏光成分の像となる。従って、合焦位置よりも遠距離側にある被写体を撮像したときには、P偏光成分の被写体像IMGpの重心位置は円形ボケの重心位置よりも左側にずれ、S偏光成分の被写体像IMGsの重心位置は円形ボケの重心位置よりも右側にずれることになる。このボケ画像におけるP偏光成分とS偏光成分の左右位置は、撮像素子22Bから見たときの偏光フィルタ12におけるP偏光フィルタ12pとS偏光フィルタ12sの左右位置と逆である。そして、被写体が合焦位置から遠距離側へ離れるほど、ボケが大きくなって、P偏光成分の被写体像IMGpの重心位置とS偏光成分の被写体像IMGsの重心位置との離間距離が大きくなることになる。
従って、偏光板Pp,Psを備える撮像素子22Bと偏光フィルタ12とを用いた本実施形態の位相差画素r,lから得られるr画像およびl画像を用いても、上述した各実施形態と同様の処理を行うことにより、位相差を検出し、ボケ画像補正処理を行うことが可能となる。
なお、上述ではP偏光フィルタ12pとS偏光フィルタ12sとを、偏光フィルタ12を左右2分するように配置したが、勿論この配置に限定されるものではなく、その他の配置をとるようにしても構わない。
このような実施形態3によれば、光線の光路上に偏光フィルタ12を配置し、撮像素子22B上に偏光板Pp,Psを配置することによって瞳分割を行っても、上述した実施形態1,2とほぼ同様の効果を奏することが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
1…レンズユニット
2…ボディユニット
9…撮像光学系
10…レンズ(フォーカスレンズを含む)
11…絞り
12…偏光フィルタ(瞳分割部)
12s…S偏光フィルタ
12p…P偏光フィルタ
14…レンズ制御部
15…レンズ側通信コネクタ
21…シャッタ
22,22B…撮像素子
22s…遮光部(瞳分割部)
23…撮像回路
24…撮像駆動部
25…画像処理部
26…画像メモリ
27…表示部
28…インターフェース(IF)
29…記録媒体
30,30A…システムコントローラ
31…センサ部
32,32A…操作部
33…ストロボ制御回路
34…ストロボ
35…ボディ側通信コネクタ
36…画素値補正部
37…ボケ画像補正部(画像補正部)
38…コントラストAF制御部
38a…AFアシスト制御部
39…距離演算部(位相差演算部)
40…ステレオ画像生成部
41…画像処理装置
42…記録部
r,l…位相差画素
PDP…位相差画素列
Pp…P偏光板(瞳分割部)
Ps…S偏光板(瞳分割部)

Claims (12)

  1. 撮像素子と、
    被写体像を前記撮像素子に結像する撮像光学系と、
    前記撮像素子に、前記撮像光学系の瞳領域の一部である第1の領域を通過した光線による第1の画像と、前記第1の領域と異なる前記撮像光学系の瞳領域の一部である第2の領域を通過した光線による第2の画像と、が形成されるようにする瞳分割部と、
    前記撮像素子から得られた前記第1の画像に係る信号と前記第2の画像に係る信号とに基づき、前記第1の画像と前記第2の画像との位相差量を演算する位相差演算部と、
    前記位相差演算部により演算された位相差量に基づき、前記第2の画像のボケの重心位置を前記第1の画像のボケの重心位置の方向へ移動させるとともに該第2の画像のボケ形状を理想的な画像のボケ形状に近似させた一の片目用画像を生成し、前記第1の画像のボケの重心位置を前記第2の画像のボケの重心位置の方向へ移動させるとともに該第1の画像のボケ形状を前記理想的な画像のボケ形状に近似させた他の片目用画像を生成することにより、立体視画像を生成するステレオ画像生成部と、
    を具備したことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記位相差演算部により演算された位相差量に基づき、前記第1の画像のボケの重心位置およびボケ形状を前記理想的な画像のボケの重心位置およびボケ形状に近付けるとともに、前記第2の画像のボケの重心位置およびボケ形状を前記理想的な画像のボケの重心位置およびボケ形状に近付ける画像補正部をさらに具備し、
    前記ステレオ画像生成部は、前記画像補正部により補正された画像を、部分領域毎に補正前の前記第1の画像のボケの重心位置の方向へシフトさせることにより前記一の片目用画像を生成するとともに、部分領域毎に補正前の前記第2の画像のボケの重心位置の方向へシフトさせることにより前記他の片目用画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記画像補正部は、
    前記第1の画像のボケの重心位置およびボケ形状を前記理想的な画像のボケの重心位置およびボケ形状に近似する第1のフィルタカーネルを該第1の画像に作用させ、
    前記第2の画像のボケの重心位置およびボケ形状を前記理想的な画像のボケの重心位置およびボケ形状に近似する第2のフィルタカーネルを該第2の画像に作用させることにより、
    前記補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記画像補正部は、
    前記第1の画像に対する前記撮像光学系の前記位相差に応じたPSF(Point Spread Function:点広がり関数)の逆演算を該第1の画像に行うことにより、ボケのないまたはボケの大きさを小さくした復元第1画像を作成し、
    前記第2の画像に対する前記撮像光学系の前記位相差に応じたPSFの逆演算を該第2の画像に行うことにより、ボケのないまたはボケの大きさを小さくした復元第2画像を作成し、
    前記理想的な画像に対する前記撮像光学系のPSFを、前記復元第1画像および前記復元第2画像に各演算することにより、
    前記補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  5. 前記ステレオ画像生成部は、前記補正された画像のシフト量を、前記位相差量に所定の定数を乗算した量とすることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  6. 前記ステレオ画像生成部は、さらに、前記位相差量が大きくなるにつれて、前記シフトを行う単位となる部分領域の大きさを大きくすることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記ステレオ画像生成部は、
    前記位相差演算部により演算された位相差量に基づき、前記第2の画像を部分領域毎に前記第1の画像のボケの重心位置の方向へシフトさせることにより一のシフト画像を生成するとともに、前記第1の画像を部分領域毎に前記第2の画像のボケの重心位置の方向へシフトさせることにより他のシフト画像を生成し、
    前記一のシフト画像のボケ形状を前記理想的な画像のボケ形状に近似させて前記一の片目用画像を生成するとともに、前記他のシフト画像のボケ形状を前記理想的な画像のボケ形状に近似させて前記他の片目用画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  8. 前記ステレオ画像生成部は、前記シフト画像を生成する際のシフト量を、前記位相差量に所定の定数を乗算した量とすることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記ステレオ画像生成部は、前記一のシフト画像および前記他のシフト画像のそれぞれに対して、ボケフィルタのフィルタカーネルを作用させることにより、前記ボケ形状の近似を行うことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  10. 前記瞳分割部は、前記撮像素子上に配列された画素の画素開口の一部を遮光する遮光部であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  11. 前記瞳分割部は、
    前記撮像光学系を経て前記撮像素子に至る光線の光路上に配設されており、前記第1の領域と前記第2の領域との一方を通過しようとする光線中のS偏光の光を遮断しP偏光の光を通過させるP偏光成分透過領域と、前記第1の領域と前記第2の領域との他方を通過しようとする光線中のP偏光を遮断しS偏光の光を通過させるS偏光成分透過領域と、を備える偏光フィルタと、
    前記撮像素子上に配列された画素上に設けられた、S偏光の光を遮断しP偏光の光を通過させるP偏光板、およびP偏光を遮断しS偏光の光を通過させるS偏光板と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  12. 撮像素子と、
    被写体像を前記撮像素子に結像する撮像光学系と、
    前記撮像素子に、前記撮像光学系の瞳領域の一部である第1の領域を通過した光線による第1の画像と、前記第1の領域と異なる前記撮像光学系の瞳領域の一部である第2の領域を通過した光線による第2の画像と、が形成されるようにする瞳分割部と、
    を有する撮像装置により得られた画像を処理するための画像処理装置であって、
    前記撮像素子から得られた前記第1の画像に係る信号と前記第2の画像に係る信号とに基づき、前記第1の画像と前記第2の画像との位相差量を演算する位相差演算部と、
    前記位相差演算部により演算された位相差量に基づき、前記第2の画像のボケの重心位置を前記第1の画像のボケの重心位置の方向へ移動させるとともに該第2の画像のボケ形状を理想的な画像のボケ形状に近似させた一の片目用画像を生成し、前記第1の画像のボケの重心位置を前記第2の画像のボケの重心位置の方向へ移動させるとともに該第1の画像のボケ形状を前記理想的な画像のボケ形状に近似させた他の片目用画像を生成することにより、立体視画像を生成するステレオ画像生成部と、
    を具備したことを特徴とする画像処理装置。
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